説明

遠心力吸収自動車シート

【課題】自動車のカーブ走行中、搭乗者への遠心力を緩和する装置を提供。
【解決手段】
自動車のカーブ走行中、搭乗者に発生する円心力を物理的に感知し、円心力の強度に応じ、車体の傾斜角度を変化させることにより安定性のある乗り心地を提供するものである。
図中の(3)、(4)は円心力の方向・大きさを感知する圧力センサー、(9)、(10)はその圧力センサーに対応した車体傾斜駆動装置である。
自動車のカーブ走行で(3)のセンサーが感知した場合は(9)の車体傾斜駆動装置が働き、(13)θ方向に円心力の強度に応じた傾斜を自動的にコントロールするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車の座席装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーブ走行では、搭乗者が遠心力と慣性により、姿勢が左または右に傾く不安定な状態になる。
本発明は、遠心力を打ち消す方向に椅子の座面を傾斜させることにより安定した姿勢で載れる自動車の座面傾斜装置に関する発明である。
【技術の開示】

【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カーブ走行中などで発生する慣性力の大きさと方向を感知し、それを打ち消すことにより、搭乗者に安定した乗り心地を提供するための機構とそのシステムの開発が課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、自動車でカーブなどの曲折道路を走行中に発生する遠心力の測定を圧力センサーで容易に実現できる事を特徴とする開発である。
また、第二発明は、前記の圧力センサーで感知した遠心力の方向と大きさ入力源とした駆動装置の制御により、車体の左右傾斜角度を自動的に変えことことを特徴とする車体傾斜装置である
【発明の効果】
【0005】
第一発明、第二発明によれば、カーブ走行時や路面の凹凸により発生する搭乗者の姿勢が左右に振られることなく安定した乗り心地が得られると共に、ドライバーにとっては安定したハンドル操作ができる事による安全操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の実施構造を図1〜4で示す。
図1は、自動車が右方向へカーブ走行している状態をしめす。
本図で(1)は走行方向を示している。この状態時における搭乗者は円心力と慣性により、カーブの外側である(2)の方向に押付けられる。
この押付け力を感知するセンサー構造が図2である。
(3)と(4)は圧力感知センサー。(5)は(6)のスライドバーを移動する可動物体であり、(8)は車軸(14)と平行を保つセンサー取り付け台である。
図1の状態時では、(3)の圧力感知センサーが働き、図4の制御システムへ情報入力として送信される。
以下、図3と図4により発明のシステムと原理を説明する。
図3は車の横断面図を示し、図4は本システムの制御プロセスを示す。
図4の圧力センサー感知回路(16)で円心力があることを感知し、(17)のセンサー識別回路で(3)と(4)の圧力センサーどちらであるかを識別する。
(3)の場合は、図3の車体に対して、車体を(13)θの方向(センサーが働いている車体側を上げる)へ(18)の車体傾斜駆動回路により傾斜駆動装置(9)に信号を送り車体を傾ける。(11)の傾いた状態でまだ、センサー(3)が感知しているかどうかを確認回路(19)で確認する。
センサー(3)が感知している場合は更に(18)である傾斜駆動回路により駆動装置(9)に駆動信号を送り、更に車体を傾けるが、センサー(3)からの入力信号がなくなれば傾斜動作停止回路(20)により傾斜駆動を停止し、次の圧力センサー入力状態を監視回路(16)を退避する。
【0007】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、慣性力を求めるのに難しい計算が不要で物理的なシステムで実現ができるため、安価で且つ精度の高い開発が可能である。
【0008】
「他の実施形態」
図2、図3の実施形態において、(3)、(4)は一体型圧量センサーや(5)の移動する可動物体も圧力センサー組込み型を使用しても同じ効果を生み出すことが可能である。
また、本システムは自動車の座席ごとに適用することによっても、同じ効果を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】自動車が右方向へカーブ走行している状態を示す。
【図2】慣性力を感知するセンサー構造の一例示す。
【図3】車の横断面図を示す。
【図4】本システムの制御プロセスを示す。
【符号の説明】
【0010】
1 カーブでの走行方向 2 慣性方向 3、4 慣性力圧力センサー
5 慣性力比例可動物体 6 (5)のスライドバー
7 (5)のスライド方向 8 センサー取り付け台
9,10 車体駆動装置(空気・オイルシリンダー・モーターなど)
11 車体 12 車輪
13 車体傾斜角度
14 車輪軸、シャーシー等) 15 道路面
16 感知圧力検知回路 17 圧力センサー切り分け回路
18 車体駆動装置入力回路
19 感知圧力継続監視回路
20 車体駆動装置入力停止回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車でカーブなどの曲折道路を走行中に発生する遠心力を圧力センサーで感知することにより遠心力の方向と大きさを感知し、搭乗者に遠心力を感じさせないことを特徴する方式。
【請求項2】
前記の圧力センサーで感知した遠心力の方向と大きさを車体左右の横方向上下に駆動する制御と駆動装置により、座席の左右傾斜角度を自動的に変えことを特徴とする要求事項1記載の自動車用座席装置システム。
【請求項3】
前記の圧力センサーで感知した遠心力の方向と大きさを座席の左右傾斜角度を自動的に変えことを特徴とする要求事項1記載の自動車用座席装置システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−206022(P2006−206022A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46192(P2005−46192)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(505052216)
【Fターム(参考)】