説明

遠隔コミュニケーションシステム

【課題】基幹制御機器の設置作業等を容易に行うことができる遠隔コミュニケーションシステムを提供すること。
【解決手段】各ビデオ使用室1,2には、基幹制御機器8が設置され、基幹制御機器8は、複数のビデオ機器が接続可能なビデオ入出力部19と、遠隔地の基幹制御機器8と通信ネットワーク6を介して通信を行うための通信部20と、ビデオ入出力部19に接続されたビデオ機器を制御操作するための制御操作部22と、を備え、基幹制御機器8を、床面25上を移動可能な移動体30に搭載した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大学などの教育機関や企業などで用いられる遠隔講義システムに利用可能な遠隔コミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに遠隔地に置かれた講師側及び受講者側の講義室において、講師側で撮影した講師の画像を受講者側で再生するとともに、受講者側で撮影した画像を講師側で再生し、講師と受講者とが互いにコミュニケーションをとれる遠隔講義装置がある。このような遠隔講義装置では、カメラなどの複数の機材を、映像切替スイッチを介して制御用PCに接続し、制御用PCを操作することで各機材を操作するとともに、講師側及び受講者側に設置された制御用PC同士を通信ラインで接続して互いの画像を送受信するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−250392号公報(第4,5頁、第2,3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遠隔講義装置にあっては、オフィス用品であるPCを制御用に用いているため、複数の機材(ビデオ機器)を制御用PCに接続するためには、制御用PCとは、別体の切替スイッチ等の接続機器が必要になり、設置する制御機材(基幹制御機器)の数が増えてしまって、これらの設置作業が煩雑になる。また、大規模な講義室(ビデオ使用室)などのように、設置されるカメラなどの機材が多数ある場合には、講義室の構築時に、予め専用の制御機材(基幹制御機器)で構成される遠隔講義システムの導入を考慮する必要があり、既存の講義室に遠隔講義システム(遠隔コミュニケーションシステム)を導入しようとすると、その設置作業や講義室の改装が面倒になるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、基幹制御機器の設置作業等を容易に行うことができる遠隔コミュニケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、
ビデオ機器が設置された少なくとも2つのビデオ使用室が互いに隔てられて設けられ、該ビデオ使用室同士が通信ネットワークを介して接続される遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記各ビデオ使用室には、基幹制御機器が設置され、該基幹制御機器は、複数の前記ビデオ機器が接続可能なビデオ入出力部と、遠隔地の基幹制御機器と前記通信ネットワークを介して通信を行うための通信部と、前記ビデオ入出力部に接続された前記ビデオ機器を制御操作するための制御操作部と、を備え、該基幹制御機器を、床面上を移動可能な移動体に搭載したことを特徴としている。
この特徴によれば、移動体を床面上を移動させることで、基幹制御機器を自在に移動できるようになり、その設置作業等を容易に行うことができ、かつ基幹制御機器のビデオ入出力部には、多数のビデオ機器が接続可能なため、ビデオ使用室に多数のビデオ機器があっても、基幹制御機器を設置するだけで、複数のビデオ使用室を用いて双方向の通信が可能な遠隔コミュニケーションシステムが行えるようになる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、請求項1に記載の遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記通信ネットワークを介して前記各基幹制御機器と通信を行うことができる管理コンピュータを所定の管理室に設け、該管理コンピュータを用いて前記各基幹制御機器を管理できるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、管理室に居る管理者が、遠隔地の各ビデオ使用室のビデオ機器を、基幹制御機器を介して一括して管理できるようになる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、請求項1または2に記載の遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記移動体は、前記基幹制御機器を収めた筐体を有し、該筐体の背面には、開放することにより、床面から延設される配線を該筐体内に導入できる開口部と前記基幹制御機器とにアクセスできるようにする開閉扉が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、開閉扉を開放することで、開口部を介して導入された配線を基幹制御機器に容易に接続できるようになり、かつ配線は筐体内に導入されるため、床面から基幹制御機器まで延設される配線を、筐体及び開閉扉の閉鎖により隠蔽することができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、請求項1ないし3のいずれかに記載の遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記移動体は、床面上を走行可能なキャスターを備える什器にて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、什器を床面上を移動させることで、什器とともに基幹制御機器を自在に移動できるようになる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、請求項4に記載の遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記什器は、天板を備える教卓にて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、教卓を床面上を移動させることで、教卓とともに基幹制御機器を自在に移動できるようになり、教卓を使用する使用者である講師がビデオ機器を操作し易くなる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の遠隔コミュニケーションシステムは、請求項5に記載の遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記制御操作部は、前記天板に設けられているとともに、該天板上に設置される情報端末と前記基幹制御機器とを接続する接続部が、該天板に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、接続部が天板に設けられることで、天板上に設置される情報端末を基幹制御機器に接続し易くなり、かつ制御操作部が天板に設けられることで、制御操作部と情報端末とが天板に配置されるため、講師はビデオ機器と情報端末との双方を使い易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る遠隔コミュニケーションシステムを実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0013】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例における遠隔講義システムを示す概念図であり、図2は、基幹制御機器に接続される各種機器を示す概念図であり、図3は、教卓を正面側から見た状態を示す斜視図であり、図4は、教卓を背面側から見た状態を示す斜視図であり、図5は、図4における教卓を示すA−A縦断側面図であり、図6は、制御操作部を示す斜視図である。以下、図5の紙面左側を教卓の正面側(前方側)として説明する。
【0014】
図1の符号1は、本実施例におけるビデオ使用室としての大講義室である。この大講義室1は、例えば、大学等の教育機関の校舎内に設けられており、講師3が多数の学生4に対して講義可能な部屋となっている。また、大講義室1内には、後述するように、講師3が講義で使用するビデオモニタ12やマイクロフォン13等のビデオ機器が設置されている。
【0015】
更に、大講義室1と異なる遠隔地には、同大学の異なるキャンパス等に設置された本実施例におけるビデオ使用室としての講義室2が設けられている。大講義室1は、遠隔地の講義室2と、本実施例における通信ネットワークとしてのインターネット回線6により接続されている。講義室2には、大講義室1と同様に、プロジェクタスクリーン14やマイクロフォン13等のビデオ機器が設けられて多数の学生5が講義を受講できるようになっている。
【0016】
尚、本実施例では、大講義室1及び講義室2を用いて大講義室1で行われている講義をインターネット回線6を介して講義室2で受講可能となっている遠隔コミュニケーションシステム7(遠隔講義システム)を構成している。
【0017】
具体的には、図1及び2に示すように、大講義室1と講義室2に設置される基幹制御機器8,8は、ルータ9を介してインターネット回線6に接続されており、これら基幹制御機器8,8を介して、大講義室1と講義室2との間で、双方向通信を行えるようになっている。尚、基幹制御機器8,8は、HUBを介して、すなわち一旦学内LAN回線に接続してからインターネット回線6に接続するようにしてもよい。
【0018】
また、このインターネット回線6には、本実施例における所定の管理室としての大学等の事務局10に設置された管理コンピュータ11がルータ9を介して接続されている。この管理コンピュータ11が各基幹制御機器8,8と通信を行うことで、事務局10に居る管理者が各基幹制御機器8,8を管理できるようになっている。
【0019】
図2に示すように、大講義室1及び講義室2に設置される基幹制御機器8には、前述したビデオモニタ12やマイクロフォン13等のビデオ機器が接続されるビデオ入出力部19と、遠隔地の講義室2に設置された基幹制御機器8とインターネット回線6を介して通信を行うための通信部20と、が設けられている。
【0020】
ビデオ入出力部19には、前述したビデオモニタ12やマイクロフォン13の他、例えば、映像が録画されているビデオカメラ15や、講義中のホワイトボード21への板書等を撮影するウェブカメラ16や、マイクロフォン13を使用する講師3の声を増幅するスピーカー17や、ビデオカメラ15に録画された映像をプロジェクタスクリーン14に映し出すプロジェクター18や、映像資料を再生するためのDVDプレイヤー24が接続されている。
【0021】
尚、ビデオカメラ15やマイクロフォン13やウェブカメラ16やDVDプレイヤー24は、ビデオ入出力部19の入力ラインに接続されており、ビデオモニタ12やスピーカー17やプロジェクター18は、ビデオ入出力部19の出力ラインに接続される。
【0022】
更に尚、大講義室1のビデオカメラ15で録画された講師3の映像を遠隔地の講義室2のプロジェクタスクリーン14に映すとともに、講義室2のビデオカメラ15で録画された学生5の映像を遠隔地の大講義室1のビデオモニタ12に映すことができ、講師3と学生5とが互いにコミュニケーションをとることができる。
【0023】
また、基幹制御機器8には、前述した各ビデオ機器12〜18を操作するための制御操作部22が接続されている。この制御操作部22には、後述する接続部45が設けられており(図6参照)、この接続部45には、プレゼンテーション等に用いる本実施例における情報端末としてのノートパソコン23が接続可能となっている。ノートパソコン23は、後述するように、制御操作部22を介して基幹制御機器8に接続されている。
【0024】
尚、特に図示はしないが、基幹制御機器8内には、ビデオ入出力部19の入力ラインに接続された各ビデオ機器から入力される映像のデータ処理を行うビデオプロセッサと、ビデオ入出力部19の入力ラインに接続された各ビデオ機器から入力される音声のデータ処置を行うサウンドプロセッサと、制御操作部22からの操作によってビデオプロセッサとサウンドプロセッサを制御してビデオ入出力部19の出力ラインに接続された各ビデオ機器に映像及び音声の出力を行うメインプロセッサと、が設けられている。
【0025】
尚、図5に示すように、大講義室1及び講義室2の床面25の下方には、配線スペース26が設けられており、この配線スペース26には、各ビデオ機器12〜18から延設されたケーブル類や、ルータ9から延設されたLANケーブルなどの配線46が配設されている。
【0026】
また、床面25には、配線スペース26に連通する配線孔27が穿設されている。この配線孔27は、通常は、蓋体(図示略)によって閉塞されており、配線孔27から各ビデオ機器12〜18のケーブル類及びLANケーブルを引き出すことによって、これら各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルを基幹制御機器8に接続するようになっている。
【0027】
更に、床面25には、屋内コンセント等に接続された電源タップ28が配置されている。この電源タップ28は、配線孔27から各ビデオ機器12〜18のケーブル類及びLANケーブルと共に引き出され、基幹制御機器8から延設された電源コード29が接続されることで、基幹制御機器8に電力を供給するようになっている。尚、配線孔27は、大講義室1及び講義室2の講師3が講義を行う教壇が設けられた正面側に配置されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、基幹制御機器8は、講師3が講義の際に使用する本実施例における移動体及び什器としての教卓30に搭載されている。この教卓30は、講師3が講義の際に使用する各種資料やノートパソコン23等を載置するための天板31を有している。
【0029】
また、教卓30の正面側には、天板31の上面を正面から隠蔽する幕板32が取り付けられている。この天板31の左右端部には、上下方向に延設された脚体33,33が取り付けられており、脚体33,33下端部には、それぞれ前後に1つずつ、床面25上を走行可能なキャスター34が取り付けられている。
【0030】
また、図4及び図5に示すように、天板31の下方には、略箱体状をなす筐体35が設けられている。この筐体35の内部には、収納部が形成され、基幹制御機器8が収納されている。
【0031】
更に、筐体35は、その背面側に観音扉式の開閉扉38が設けられている。また、筐体35の底面には、開口部36が形成されている。筐体35内部には、棚板37が設けられており、この棚板37上面には、基幹制御機器8が搭載されている。
【0032】
尚、図5に示すように、天板31には、筐体35内部と連通する開口39が設けられている。この開口39には、上方から制御操作部22が嵌着されており、制御操作部22は、配線47を介して基幹制御機器8に接続されている。
【0033】
図6に示すように、制御操作部22には、天板31上に設けられて講師3が指で触れることで操作可能なタッチパネル40が設けられている。このタッチパネル40は、インターネット回線6を介して大講義室1及び講義室2内の各ビデオ機器12〜18の使用状態が可能となっており、講師3は、タッチパネル40を操作することで遠隔地である講義室2内の各ビデオ機器12〜18の操作を行うことができる。
【0034】
また、制御操作部22には、ノートパソコン23などに電力を供給するための電源コンセント41と、ノートパソコン23の通信部に接続可能なLANケーブル42と、ノートパソコン23の音声出力部に接続可能な音声ケーブル43と、ノートパソコン23の画像出力部に接続可能な画像ケーブル44と、が設けられている。
【0035】
これらLANケーブル42と音声ケーブル43と画像ケーブル44とは、講師3が制御操作部22から引き出すことで、天板31上面の範囲内で延設可能となっており、ノートパソコン23に接続し易くなっている。
【0036】
尚、LANケーブル42と音声ケーブル43と画像ケーブル44とは、本実施例における接続部45を構成している。更に尚、ノートパソコン23は、これらLANケーブル42と音声ケーブル43と画像ケーブル44とに接続されることで、制御操作部22を介して基幹制御機器8に接続される。更に尚、この制御操作部22は、タッチパネル40の部位を手前に倒すことで、タッチパネル40、電源コンセント41、接続部45を隠蔽することができる。
【0037】
筐体35内の棚板37に載置された基幹制御機器8に各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルを接続する際には、先ず、教卓30を床面25の配線孔27が穿設されている上方位置まで移動させる。そして、筐体35の開閉扉38を開放した状態で配線孔27から各ビデオ機器12〜18のケーブル類及びLANケーブルなどの配線46を取り出す。
【0038】
更に、配線孔27から取り出した配線46を、開口部36を通過させて筐体35内に導く。そして、各ビデオ機器12〜18のケーブル類(配線46)は、基幹制御機器8の背面側のビデオ入出力部19に接続するとともに、ルータ9のLANケーブルは、基幹制御機器8の背面側の通信部20に接続する。このとき電源タップ28に基幹制御機器8の電源コード29を接続することもできる。
【0039】
以上、本実施例における遠隔コミュニケーションシステム7では、各講義室1,2には、基幹制御機器8が設置され、基幹制御機器8は、複数のビデオ機器12〜18が接続可能なビデオ入出力部19と、遠隔地の基幹制御機器8とインターネット回線6を介して通信を行うための通信部20と、ビデオ入出力部19に接続されたビデオ機器12〜18を制御操作するための制御操作部22と、を備え、基幹制御機器8を、床面上を移動可能な教卓30に搭載したことで、教卓30を床面25上を移動させることで、基幹制御機器8を自在に移動できるようになり、その設置作業等を容易に行うことができ、かつ基幹制御機器8のビデオ入出力部19には、多数のビデオ機器12〜18が接続可能なため、大講義室1及び講義室2に多数のビデオ機器12〜18があっても、基幹制御機器8を設置するだけで、複数の講義室1,2を用いて双方向の通信が可能な遠隔コミュニケーションシステム7が行えるようになる。
【0040】
また、インターネット回線6を介して各基幹制御機器8と通信を行うことができる管理コンピュータ11を所定の事務局10に設け、管理コンピュータ11を用いて各基幹制御機器8を管理できるようになっていることで、事務局10に居る管理者が、遠隔地の各講義室1,2のビデオ機器12〜18を、基幹制御機器8を介して一括して管理できるようになる。
【0041】
また、教卓30は、基幹制御機器8を収めた筐体35を有し、筐体35の背面には、開放することにより、床面25から延設される各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルを筐体35内に導入できる開口部36と基幹制御機器8とにアクセスできるようにする開閉扉38が設けられていることで、開閉扉38を開放することで、開口部36を介して導入された各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルを基幹制御機器8に容易に接続できるようになり、かつ各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルは筐体35内に導入されるため、床面25から基幹制御機器8まで延設される各ビデオ機器12〜18の配線及びLANケーブルを、筐体35及び開閉扉38の閉鎖により隠蔽することができる。
【0042】
また、教卓30は、床面25上を走行可能なキャスター34を備える什器にて構成されていることで、教卓30を床面25上を移動させ、教卓30とともに基幹制御機器8を自在に移動できるようになる。また、教卓30を使用する使用者である講師3がビデオ機器12〜18を操作し易くなる。
【0043】
また、制御操作部22は、天板31に設けられているとともに、天板31上に設置されるノートパソコン23と基幹制御機器8とを接続する接続部45が、天板31に設けられているので、天板31上に設置されるノートパソコン23を基幹制御機器8に接続し易くなり、かつ制御操作部22が天板31に設けられることで、制御操作部22とノートパソコン23とが天板31に配置されるため、講師3はビデオ機器12〜18とノートパソコン23との双方を使い易くなる。
【0044】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0045】
例えば、前記実施例では、遠隔コミュニケーションシステム7を大講義室1と遠隔地の講義室2間で双方向通信することで、大講義室1で行われている講義を講義室2でも受講可能とするシステムとして説明したが、企業等で遠隔地に居る相手と会議を行うための遠隔会議システムとしてもよい。
【0046】
また、前記実施例では、互いに遠隔地に配置される大講義室1と講義室2とを遠隔コミュニケーションシステム7で接続して講義を行うようにしているが、遠隔地ではない同一キャンパスに設けられた近接する講義室同士を遠隔コミュニケーションシステム7で接続して講義を行うようにしてもよい。その際には、インターネット回線6を介さずとも、学内LAN回線を用いて各基幹制御機器8,8同士を接続することができる。
【0047】
また、前記実施例では、制御操作部22には、LANケーブル42と音声ケーブル43と画像ケーブル44とで構成される接続部45を、制御操作部22に一体的に設けたが、接続部45はノートパソコン23と接続し易いように、幕板32の背面側や制御操作部22から離れた部位に設けるようにしてもよい。
【0048】
また、前記実施例では、制御操作部22のタッチパネル40を講師3が指で操作することにより、大講義室1及び講義室2の各ビデオ機器12〜18をインターネット回線6を介して操作可能としたが、タッチパネル40を操作することによって大講義室1及び講義室2内の照明の明るさを調整可能としたり、大講義室1及び講義室2のカーテンの開け閉めを行って、ビデオモニタ12やプロジェクタスクリーン14に映し出す映像を学生4,5が見易いようにコントロールしてもよい。
【0049】
また、前記実施例では、制御操作部22を什器としての教卓30に搭載した例を示したが、制御操作部22を搭載する什器は講義室に設置される教卓30に限らず、実験室や教授室や資料室に設置される什器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例における遠隔講義システムを示す概念図である。
【図2】基幹制御機器に接続される各種機器を示す概念図である。
【図3】教卓を正面側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】教卓を背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図5】図4における教卓を示すA−A縦断側面図である。
【図6】制御操作部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 大講義室(ビデオ使用室)
2 講義室(ビデオ使用室)
6 インターネット回線(通信ネットワーク)
7 遠隔コミュニケーションシステム
8 基幹制御機器
10 事務局(管理室)
11 管理コンピュータ
12 ビデオモニタ(ビデオ機器)
15 ビデオカメラ(ビデオ機器)
19 ビデオ入出力部
20 通信部
22 制御操作部
23 ノートパソコン(情報端末)
30 教卓(移動体,什器)
31 天板
34 キャスター
35 筐体
36 開口部
38 開閉扉
42 通信ケーブル(接続部)
43 音声ケーブル(接続部)
44 画像ケーブル(接続部)
45 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ機器が設置された少なくとも2つのビデオ使用室が互いに隔てられて設けられ、該ビデオ使用室同士が通信ネットワークを介して接続される遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記各ビデオ使用室には、基幹制御機器が設置され、該基幹制御機器は、複数の前記ビデオ機器が接続可能なビデオ入出力部と、遠隔地の基幹制御機器と前記通信ネットワークを介して通信を行うための通信部と、前記ビデオ入出力部に接続された前記ビデオ機器を制御操作するための制御操作部と、を備え、該基幹制御機器を、床面上を移動可能な移動体に搭載したことを特徴とする遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記通信ネットワークを介して前記各基幹制御機器と通信を行うことができる管理コンピュータを所定の管理室に設け、該管理コンピュータを用いて前記各基幹制御機器を管理できるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記移動体は、前記基幹制御機器を収めた筐体を有し、該筐体の背面には、開放することにより、床面から延設される配線を該筐体内に導入できる開口部と前記基幹制御機器とにアクセスできるようにする開閉扉が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記移動体は、床面上を走行可能なキャスターを備える什器にて構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記什器は、天板を備える教卓にて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記制御操作部は、前記天板に設けられているとともに、該天板上に設置される情報端末と前記基幹制御機器とを接続する接続部が、該天板に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の遠隔コミュニケーションシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−218664(P2009−218664A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57492(P2008−57492)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】