遠隔利用制御システム
【課題】従来技術では、複数の端末の同等の機能を自端末にて利用可能な状況において、いずれの端末を選択すべきかをその都度ユーザが決定する必要があり、ユーザに余分な操作負担をかけることが多かった。また、ユーザは自端末にて利用できる他の端末の機能をその都度把握することは困難であるため、ユーザにとって適切な端末が選択されない場合もあった。
【解決手段】本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムを提案する。
【解決手段】本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムを提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用制御システム、遠隔利用制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、端末間でデータの共有や交換を行うことが可能なネットワークシステムが知られている。例えば、特許文献1においては、ルータと無線LAN接続可能な携帯端末と、ルータと有線LANで接続された各種端末との間でデータ転送を行うことにより、データの共有、交換を行うことが可能なネットワークシステムが開示されている。
【0003】
また、端末間でデータの共有や交換を行う他に、ネットワーク接続された他の端末の機能を自端末にて実行可能なシステムも知られている。例えば、インターネット回線網を利用して遠隔地のローカルエリアにある端末に接続し、その情報資源(例えば、アプリケーション)を自端末にて利用することが可能なシステム(リモートアクセス)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−15524
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、複数の端末の同等の機能を自端末にて利用可能な状況において、いずれの端末を選択すべきかをその都度ユーザが決定する必要があり、ユーザに余分な操作負担をかけることが多かった。また、ユーザは自端末にて利用できる他の端末の機能をその都度把握することは困難であるため、ユーザにとって適切な端末が選択されない場合もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムであって、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する優先順位情報保持部を有し、親端末は、遠隔利用システムと、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付部と、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得部と、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御部と、を有する遠隔利用制御システムを提案する。
【0007】
また、本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法であって、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する優先順位情報格納ステップと、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付ステップと、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得ステップと、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御ステップと、を有する遠隔利用制御方法を提案する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、複数の端末の同等の機能を自端末にて利用可能な状況においても、機能ごとに適切な端末を自動的に選択し、その機能を実行させることができる。これにより、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図
【図2】優先順位情報の一例を示す図
【図3】実施例1の親端末の機能ブロックの一例を示す図
【図4】他の端末の音声通話機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図5】他の端末のTV番組受信機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図6】他の端末のメール送信機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図7】一の端末がその機能を実行できない場合の処理の一例を示す図
【図8】遠隔利用制御システムの具体的な構成を示す図
【図9】親端末のハードゥエア構成の一例を示す図
【図10】実施例1の遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図
【図11】実施例2の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図
【図12】実施例2の親端末の機能ブロックの一例を示す図
【図13】別のグループの端末の機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図14】実施例2の遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施例1は主に請求項1などに関し、実施例2は主に請求項2などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【実施例1】
【0011】
<概要>
本実施例の遠隔利用制御システムにおいては、複数の端末の同等の機能を親端末にて利用可能な状況において、親端末にて利用しようとする機能に応じて端末を選択し、選択された端末に所望の機能を実行させることができる。これにより、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【0012】
<システムの構成>
図1は、本実施例の「遠隔利用制御システム」の構成の一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「遠隔利用制御システム」0100は、少なくとも一以上の「親端末」0101と、「他の端末」0102A〜Eと、から構成されるグループである。ここで、「遠隔利用制御システム」は、下記で説明するように、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するためのシステムである。また、「遠隔利用制御システム」は、そのシステム内に、下記で説明する「優先順位情報保持部」を備えている。
【0013】
「親端末」は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である。具体的には、例えば携帯電話端末やPDA、パーソナルコンピュータなどが考えられる。当該親端末は、グループ内の各端末とそれぞれ有線接続又は無線接続されており、当該各端末の制御を行うことが可能な構成となっている。親端末とグループ内の他の端末からなるネットワークは主としてローカルエリアネットワークが想定されるが、他の端末の機能を自端末で利用可能なシステム構成であれば足りる。例えば、インターネット網を介して親端末と他の端末が接続される場合も考えられる。
【0014】
また、グループ内の親端末以外の端末としては、親端末と同様に、携帯電話端末やPDA、パーソナルコンピュータなどが考えられる。当該グループ内の他の端末は、親端末と通信を行うことが可能であり、例えば親端末から要求コマンドを受信したり、要求コマンドに対する応答通知を親端末に送信したりすることも可能である。なお、グループ内の各端末同士が親端末を介して通信を行ったり、親端末を介さずに直接通信を行ったりすることが可能な構成とすることも可能である。
【0015】
親端末が利用しようとする機能としては、例えばインターネット接続機能や、音声通話機能(電話網接続機能等)、メール機能(メール送信機能、メール受信機能、アドレス帳機能等)、Web閲覧機能(インターネット網接続機能、ブラウザ機能、暗号化機能等)、TV番組映像受信機能、映像記録機能、赤外線受信機能、ウィルススキャン機能、データ蓄積機能が考えられるが、その他各端末が備えるアプリケーションの機能も含まれる。
【0016】
なお、利用しようとする機能は必ずしもアプリケーションの機能全てである必要はなく、そのアプリケーションに含まれる機能の一部を利用することも可能である。例えば、メールの作成や閲覧は親端末のメールアプリケーションで行うが、メールサーバとのメールデータの送受信は他の端末のメールアプリケーションを利用する、といった態様も考えられる。
【0017】
また、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する状態とは、親端末が利用しようとする機能をグループ内の複数の端末が備えている状態をいう。ここで、親端末が利用しようとする機能を実現する手段は複数の端末において同一である必要はなく、端末ごとに異なる態様も考えられる。例えば、親端末が利用しようとする機能が音声通話機能である場合、携帯電話網接続が可能な端末と、IP電話網接続が可能な端末がグループ内に存在すれば、グループ内の複数の端末で音声通話機能が競合する状態にあるといえる。また、ワープロアプリケーションや、表計算アプリケーション、会計アプリケーションなどバリエーションがそれぞれ存在するアプリケーションについても、同様のアプリケーションが複数の端末で存在する場合は、その機能が競合する状態にあるといえる。
【0018】
遠隔利用制御システムが備える「優先順位情報保持部」は、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する機能を有する。優先順位情報保持部は、例えば遠隔利用制御システムの親端末が備える構成として実現することも可能であるし、グループ内のその他の端末が備える構成として実現することも可能である。
【0019】
なお、親端末がグループ内に複数存在する場合は、各親端末について優先順位情報を設ける構成とすることも可能である。この場合、当該複数の優先順位情報を一の端末において一括管理する構成も可能であるし、各親端末が優先順位情報をそれぞれ保持する構成も可能である。
【0020】
図2は、優先順位情報の一例を示す図である。この図の例では、音声通話機能については端末1の優先順位が最も高く、親端末が音声通話機能を自端末にて利用する場合は端末1を優先して選択する。何らかの理由で端末1の音声通話機能を利用しない場合(端末1が音声通話できないエリアにいる場合等)は、2番目に優先順位が高い端末3を選択する。
【0021】
また、Web閲覧機能について優先順位が最も高い端末は親端末自信であり、Web閲覧機能を利用する場合は親端末のWeb閲覧機能を優先的に利用することになる。この場合、特に遠隔利用制御システムを利用する必要はなく、自端末のWeb閲覧機能を実行すれば足りる。ただし、何らかの理由で自端末のWeb閲覧機能を利用することができない場合は、端末2のWeb閲覧機能を遠隔利用制御システムを介して利用する。また、TV視聴機能についても同様である。
【0022】
上記の図では、優先順位が端末ごとに異なる例を示したが、優先順位が同順位である端末が存在する例も同様に可能である。このような場合は、同順位の端末からランダムに選択したり、順繰りに選択したりする構成が考えられる。
【0023】
優先順位情報保持部に保持される優先順位情報は、遠隔利用制御システムの親端末やその他の端末から作成・編集可能な構成とすることができる。当該構成とすることにより、グループ内の端末の変更や端末の機能の追加・削除があった場合においても、遠隔利用システムで最適な端末を自動的に選択するよう優先順位情報を更新することができる。
【0024】
また、優先順位情報は、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、その機能を利用するために選択すべきグループ内のアプリケーションの情報Aと、各アプリケーションを実行可能な端末の情報Bと、から構成される態様も考えられる。この場合、まず一の機能についてグループ内のいずれのアプリケーションを利用すべきかを情報Aに基づいて特定し、次にそのアプリケーションを備える端末を情報Bに基づいて特定する処理を行うことになる。ここで、一のアプリケーションを複数の端末で実行可能な場合は、その他の情報に基づいて端末を絞りこむことが考えられる。
【0025】
また、優先順位情報を算出可能な優先順位情報算出部を遠隔利用制御システムの一部として設ける構成も可能である。例えば、各端末の性能(CPU性能、メモリ容量、通信速度等)や状態(充電量、過去所定時間のCPU占有率、メモリ使用率、通信トラフィック等)、各機能を使うために必要なコスト(時間帯・通信キャリアに応じた通信料金、機能使用料金等)、各機能を使う際の制限(使用人数制限、使用回数制限、使用ID制限等)を変数として、優先順位情報を算出するプログラムが考えられる。当該算出処理は、一定時間おき(10秒ごとや1時間ごと)に行う構成とすることも可能であるし、遠隔利用システムが実行されるタイミングにおいて行う構成とすることも可能である。算出された優先順位情報は、上記優先順位情報保持部に保持されるが、一定時間経過後に上書き処理や消去処理が行われてもよい。また、優先順位情報算出部は、親端末が備える構成とすることも可能であるし、グループ内の他の端末が備える構成とすることも可能である。
【0026】
なお、親端末がグループ内に複数存在する場合は、各親端末について優先順位情報算出部により優先順位情報を算出する構成とすることも可能である。また、グループ内の特定の端末が親端末にも子端末にもなりうる状態であれば、親端末として端末を使用する時点において優先順位情報を算出する構成とすることが考えられる。
【0027】
また、一の親端末が従えるグループ内の子端末と、他の親端末が従えるグループ内の子端末が一部重複している状態も考えられる。また、親端末が従えるグループ内の子端末がさらに端末を従えている状態(孫端末がいる状態)も考えられる。この場合、子端末と孫端末からなるシステム構成を親端末と子端末からなるシステム構成と同様のものとすることが考えられる。また、親端末から孫端末の機能を直接的に遠隔利用可能な構成とすることも可能であるし、子端末を介して孫端末の機能を間接的に遠隔利用可能な構成とすることも可能である。
【0028】
<親端末の構成>
図3は、「親端末」の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、「親端末」0300は、「遠隔利用システム」0301と、「選択受付部」0302と、「優先順位情報取得部」0303と、「制御部」0304と、から構成される。
【0029】
なお、以下に記載する装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0030】
「遠隔利用システム」は、他の端末の機能を自端末で利用するための機能を有する。他の端末の機能を自端末で利用するための機能としては、例えば他の端末の機能を実行させるための要求コマンドを送信する機能や、制御コマンドに対する応答信号を他の端末から受信する機能、機能を実行する際に利用されるデータを自端末にて取得・作成する機能、当該データを他の端末に送信する機能、機能の実行により他の端末にて取得・作成されるデータを受信する機能、当該データを自端末にて出力する機能などが考えられる。
【0031】
「選択受付部」は、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける機能を有する。機能の選択の受付けは、操作キーを介した操作入力や、マイクを介した音声入力に基づいて行うことが可能であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0032】
なお、利用者から受付ける機能が遠隔利用をするものであるか否かは、例えば予め遠隔利用をする機能のリストを内部に保持しておき、受付けた機能が当該リストに存在する場合は遠隔利用する機能であると判断することができる。また、遠隔利用を指示する操作入力の受付けを行ったり(遠隔利用指定ボタン等)、遠隔利用をするかどうかの確認を求める報知を行ったりすることも可能である。遠隔利用をする機能であると判断した場合は、遠隔利用システムを起動する処理を行う。なお、選択された機能が自端末には存在しないとの判断である場合に、遠隔利用システムを起動する処理を行うことも可能である。
【0033】
「優先順位情報取得部」は、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する機能を有する。親端末が優先順位情報保持部を有する構成である場合は、受け付けた機能に関する優先順位情報を内部の記憶装置から取得することになる。一方、グループ内の他の端末が優先順位情報保持部を有する構成であり、親端末自身が優先順位情報を保持していない場合は、当該他の端末から優先順位情報を取得することになる。ここで、機能の選択を受付けたタイミングで優先順位情報を取得する構成とすることも可能であるが、予め優先順位情報を取得しておく構成も可能である。その場合、選択が予想される機能の優先順位情報のみを取得する構成とすることも可能である。例えば、一の親端末から選択可能な機能が限られている場合は、親端末に保持される選択可能リストに基づいて、関連する機能の優先順位情報のみを取得することが考えられる。
【0034】
また、親端末を介してユーザが優先順位情報を作成したり、編集したりすることが可能な構成とすることが考えられる。この場合、各機能についての各端末の性能や、その機能を実行するために費やされる料金、機能を実行するために必要な操作時間等を考慮して、最適な優先順位を設定することが可能になる。
【0035】
「制御部」は、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する機能を有する。優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する方法としては、例えば各機能について優先順位の高い端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法が考えられる。ここで、優先順位の高い端末がその機能を実行することができない場合においては、その次に優先順位の高い端末を選択して遠隔利用システムを実行することになる。なお、優先順位の高い端末として自端末を選択することも可能であり、自端末が選択された場合は遠隔利用システムを実行せず、その機能を直接実行すれば足りる。
【0036】
また、優先順位が所定レベル以上である複数の端末からランダム又は順繰りに一の端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法や、優先順位情報と他の情報を組み合わせて端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法も考えられる。
【0037】
他の端末の音声通話機能を自端末で利用する場合、例えば図4のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末にて利用者から音声通話機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用して音声通話機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対して音声通話機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で音声通話機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末は当該他の端末から音声通話機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末にて音声発信処理を行わせ、他の端末から通話着信相手が応答したとの通知を受け取る。次に自端末のマイクを介して音声データの入力を受け付け、他の端末に対して当該音声データを送信する処理を行う。さらに、他の端末が音声通話相手から音声データを受信すると、当該他の端末から音声データを受信し、スピーカから音声を出力する。
【0038】
また、他の端末のTV番組受信機能を自端末で利用する場合、例えば図5のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末にて利用者からTV番組受信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してTV番組受信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してTV番組受信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でTV番組受信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末は当該他の端末からTV番組受信機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末が指定したTV番組の映像データを受信すると、親端末は他の端末から映像データを受信して、自端末のディスプレイ、スピーカを介して出力する。
【0039】
また、他の端末のメール送信機能を自端末で利用する場合、例えば図6のような処理が行われる。まず、親端末にて利用者から送信すべきメール内容のデータや、メールの宛先アドレス等の入力を受け付ける。次に、親端末にて利用者からメール送信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してメール送信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してメール送信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でメール送信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末からメール送信機能要求受入通知を受信する。次に親端末は他の端末に対してメール内容、メールの宛先等のデータを送信し、当該データを他の端末からメールサーバに送信させる。また、他の端末がメール送信処理を完了すると、親端末は、当該メール送信完了通知を他の端末から受信し、自端末のディスプレイ、スピーカ等を介して完了通知を出力する。
【0040】
また、メール受信機能を自端末で利用する場合、以下のような処理が行われる。まず、親端末にて利用者からメール受信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してメール受信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してメール受信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でメール受信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末からメール受信機能要求受入通知を受信する。次に親端末は他の端末に対してメール受信用ID、パスワード、受信サーバのアドレス等のデータを送信し、特定のメールサーバに対する親端末宛のメール問い合わせを行わせる。他の端末が当該メールサーバから親端末宛のメールを受信すると、親端末は他の端末からメールデータを受信して、自端末のディスプレイ等を介してメール受信情報を出力する。
【0041】
なお、上記の例では、優先順位情報を利用して選択された端末がその機能を現在実行できる場合を示したが、何らかの理由でその機能が現在実行できない場合もある。図7は、そのような場合の処理の流れの一例を示した図である。この図の例では、まず親端末にて利用者から機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用して当該機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末1に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末1で音声通話機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行不可能である場合、親端末は当該他の端末から機能要求拒絶通知を受信する。その場合、親端末は再度優先順位情報を利用して他の端末1以外で選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末2に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末2で機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末2から機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末2にて選択された機能を実行させる。
【0042】
また、優先順位情報に基づいて選択された端末から機能要求拒絶通知を受信した場合は、通知の内容に基づいて対応処理を決定することが考えられる。例えば、TV番組受信機能要求コマンドを優先順位に基づいて選択された端末に送信したものの、当該端末からTVチューナが他のTV番組映像受信のために既に占有されており、指定されたTV番組映像を受信することができないとの機能要求拒絶通知を受け取る場合がある。この場合、親端末は他にTV番組映像を受信する手段が存在しない場合は、TVチューナで現在受信しているTV番組映像を受信する、といった構成とすることも可能である。
【0043】
また、ワープロアプリケーションや表計算ソフトの機能要求コマンドを、編集予定ファイルの情報(ファイル名、保存場所)とともに選択された端末に送信したものの、当該端末からファイルが現在編集されているとの機能要求拒絶通知を受け取る場合もある。この場合、親端末は編集予定ファイルを自動的に複製して機能要求コマンドを再送信する構成とすることも可能である。
【0044】
なお、機能要求コマンドを送信した端末から一定時間経過しても応答がない場合に、次に優先順位の高い端末に対して機能要求コマンドを送信する、といった構成も可能である。また、機能要求拒絶通知の内容に対する対応手段が見つからないとの判断である場合は、親端末のディスプレイやスピーカ等を介して機能実行が不可能である旨の情報を出力する構成とすることが考えられる。
【0045】
なお、上記音声通話機能やTV番組受信機能、メール送受信機能について説明した一連の処理は一例であり、この例に限定されるものではない。
【0046】
なお、上記では、親端末とそれ以外の端末(子端末)からなる遠隔利用制御システムの構成を示したが、各端末が他の端末の機能を自端末で利用することができる構成(各端末が親端末にも子端末にもなりうる構成)も可能である。当該システム構成とすることにより、いずれの端末を利用しても各端末の機能を最適な態様で使い分けることが可能になる。
【0047】
また、親端末と他の端末から構成されるグループは、その構成端末が固定されている必要はなく、動的に変更される態様も考えられる。例えば、親端末と通信可能な範囲から親端末が機能を制御可能な端末が出て行った場合は当該端末をグループから外す処理を行い、親端末が機能を制御可能な端末が親端末と通信可能な範囲に入ってきた場合は当該端末をグループに入れる処理を行う、といった構成が考えられる。また、親端末自身が移動することによって、グループを構成する端末が変更される態様も考えられる。
【0048】
<具体的な構成>
【0049】
図8は、遠隔利用制御システムの具体的な一例を示す図である。ここで、遠隔利用制御システムは、親端末(0800)と、子端末1(0801)、子端末2(0802)、子端末3(0803)から構成される。親端末と子端末1、子端末2、子端末3は無線LANの接続設定を終えており、お互いに無線LAN通信が出来る状態にある。親端末及び子端末2は通信キャリア1(0804)を介して通信を行い、子端末1(0801)及び子端末3(0803)は通信キャリア2(0805)を介して通信を行う。また親端末(0800)と子端末3(0803)のみTV視聴機能を実装しており、TV放送局(0806)からTV放送波を受信することができる。
【0050】
図9は、上記親端末のハードウェア構成の一例を示す構成図である。この図の例では、「親端末」は、「CPU」0901と、「RAM」0902と、「不揮発性メモリ」0903と、「入力キー」0904と、「ディスプレイ」0905と、「無線LAN用アンテナ」0906と、「携帯電話用アンテナ」0907と、「スピーカ」0908と、「マイク」0909と、から構成される。これらの構成は、「システムバス」0910のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお、各ハードウェアに対するインターフェイスは簡略のため省略している。また、子端末についても親端末と同様のハードウェア構成とすることが考えられる。
【0051】
「親端末」の機能を実現するためのプログラムは、「不揮発性メモリ」に記憶されており、必要に応じて「RAM」に展開される。「CPU」は、「RAM」に展開されたプログラムを順次読み出して実行する。また、「親端末」の「不揮発性メモリ」には、図2で示した優先順位情報が格納されているものとする。
【0052】
「親端末」は、起動時に「不揮発性メモリ」に記憶されている優先順位情報と無線LAN接続の対象となる他の端末の識別情報を「RAM」に展開する。なお、ユーザが「入力キー」を介して操作入力を行った場合、当該入力が機能の選択であるか、文字や記号等の選択であるかを判断し、機能の選択であるとの判断結果である場合は、「RAM」に展開された優先順位情報を参照する。
【0053】
また、ユーザが「入力キー」を介して新たな端末の無線LAN登録を行った場合、無線LAN登録情報を更新し、「不揮発性メモリ」に格納する処理を行う。また、ユーザが「入力キー」を介して各機能に対する優先順位の変更を行った場合は、当該変更後の優先順位情報を「不揮発性メモリ」に格納する処理を行う。なお、無線登録情報が更新された場合には、新たに登録/削除された端末を自動的に優先順位情報に登録/削除する処理を行う構成とすることも可能である。
【0054】
(音声通話発信)
以下、上記「親端末」を使用して音声通話発信操作をした場合の処理について説明する。「キー入力部」を介して、通話相手の電話番号を入力して音声通話発信機能を選択した場合、「CPU」は「RAM」に展開されている優先順位情報を参照し、音声通話機能について最も優先順位の高い端末である「子端末1」に対して「無線LAN用アンテナ」を介して発信要求コマンドを送信する。「子端末1」は、「携帯電話用アンテナ」を介して「通話相手の端末」に対する音声通話発信処理を行う。また、「子端末1」は、「携帯電話用アンテナ」を介して「通話相手の端末」からの応答通知を受信した場合、音声通話ベアラ処理を行い、「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して音声データを送信する。以後、「親端末」から「無線LAN用アンテナ」を介して音声データを受信した場合、「携帯電話用アンテナ」を介して「通信相手の端末」に対して音声データを送信する。また、「通話相手の端末」から「携帯電話用アンテナ」を介して音声データを受信した場合、「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して音声データを転送する。「親端末」は、音声データを「無線LAN用アンテナ」を介して受信した場合、音声データのデコード処理を行い、「スピーカ」を介して音声を出力する。
【0055】
また、音声通話機能について優先順位の最も高い端末である「子端末1」が、何らかの理由で通話発信できない場合(例えば、通信圏外にいる場合など)は、「子端末1」は「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して発信要求コマンドの拒絶通知を送信する。「親端末」は発信要求コマンドの拒絶通知を受信すると、「RAM」に展開されている優先順位情報を参照し、音声通話機能について優先順位が2番目に高い端末である「子端末3」に対して「無線LAN用アンテナ」を介して発信要求コマンドを送信する。以降の処理は上記で説明したものと同様である。
【0056】
(TV視聴機能)
また、TV視聴機能が親端末で選択された場合は、TV視聴機能について最も優先順位の高い「子端末3」に対して指定するTV番組の受信処理を要求するコマンドを「無線LA用アンテナ」を介して送信する。「子端末3」は指定されたTV番組受信機能を実行し、TV番組の映像データをTV放送局から受信する処理を行う。さらに、「子端末3」は、「無線LAN用アンテナ」を介して映像データを「親端末」に対して転送する。親端末は、受信した映像データのデコード処理を行い、「ディスプレイ」や「スピーカ」を介して出力する処理を行う。
【0057】
(Web閲覧機能)
また、Web閲覧機能が親端末で選択された場合は、同様に登録された優先順位に従って処理される。Web閲覧機能について最も優先順位の高い端末は「親端末」であるので、自身のWebサーバ接続機能を実行し、Webサーバに対して情報のリクエスト処理を行い、Webサーバから受信した情報をブラウザを利用して表示する処理を行う。なお、何らかの理由で自身のWeb接続機能を実行できない場合は、2番目に優先順位の高い「子端末2」に対してWebサーバとの接続要求コマンドを「無線LAN用アンテナ」を介して送信する。「子端末2」は、Webサーバに対して情報のリクエスト処理を行う。「子端末2」は、Webサーバから情報を受信すると、当該情報を親端末に対して「無線LAN用アンテナ」を介して転送する。さらに、「親端末」は受信した情報を自端末のブラウザを使用して表示する処理を行う。
【0058】
以上の具体例においては、親端末が無線LAN接続された子端末の機能を利用する例を示したがこの例に限定されるものではない。例えば、親端末と子端末と有線LAN接続されたシステム構成も同様に可能である。
【0059】
<処理の流れ>
図10は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1001において、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する(優先順位情報格納ステップ)。次にステップS1002において、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける(選択受付ステップ)。次にステップS1003において、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する(優先順位情報取得ステップ)。次にステップS1004において、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する(制御ステップ)。
【0060】
<効果>
本実施例の発明によって、複数の端末の同等の機能を自端末にて選択的に利用可能な状況においても、機能ごとに適当な端末を自動的に選択してその機能を実行させることができるため、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【実施例2】
【0061】
<概要>
本実施例の遠隔利用制御システムにおいては、一の親端末が自端末の遠隔利用システムでは機能を直接的に利用できない他のグループの端末の機能を他の親端末の遠隔利用システムを介して間接的に利用することが可能になる。これにより、一のグループ内で端末を選択するよりもさらに最適な態様で機能を実行することが可能になる。
【0062】
<システムの構成>
図11は、本実施例の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図である。この図の例では、「遠隔利用制御システム」1100は、「親端末X」1101Xと、「グループ内の他の端末」1102A〜Eと、から構成されるグループと、「親端末Y」1101Yと、「第三の端末」1103A〜Eと、から構成されるグループと、からなる。
【0063】
「親端末X、Y」は、グループ内の他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である。つまり、「親端末X」は、実施例1で説明したように「グループ内の他の端末」の機能を自端末で利用することが可能であり、「親端末Y」は、「第三の端末」の機能を自端末で利用することが可能である。さらに、本実施例の「親端末X」は、「親端末Y」の遠隔利用システムを遠隔利用して、「第三の端末」の機能を間接的に利用することが可能である。
【0064】
<親端末の構成>
図12は、上記「親端末X」の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、「親端末X」1200は、「遠隔利用システム」1201と、「選択受付部」1202と、「優先順位情報取得部」1203と、「制御部」1204と、「他グループ遠隔利用システム」1205と、から構成される。なお、実施例1で説明したように、「優先順位情報保持部」は、必ずしも「親端末X」1200の備える構成である必要はなく、遠隔利用制御システムに属するいずれかの端末が備える構成とすれば足りる。以下、実施例1との相違点である「他グループ遠隔利用システム」について説明する。
【0065】
「他グループ遠隔利用システム」は、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない一又は複数の第三の端末を含む別のグループの「親端末Y」の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な機能を有する。
【0066】
つまり、「第三の端末」は、「親端末X」が直接的に制御を行うことができない別のグループに属する一又は複数の端末であるため、「親端末X」の「遠隔利用システム」ではその機能を自端末で直接的に利用することができない。しかしながら、「親端末X」は、「上記他グループ遠隔利用システム」を利用して「親端末Y」の「遠隔利用システム」の機能を遠隔利用することができるため、間接的に他のグループの「第三の端末」の機能を利用することが可能になる。
【0067】
例えば、「親端末X」の自己のグループ内において所望の機能を利用することができない場合、他グループ遠隔利用システムを実行して、「親端末Y」を介して他のグループに属する端末の機能を利用することが考えられる。また、「親端末X」が遠隔利用システムで優先順位情報に基づいて選択した端末が他のグループの「親端末Y」であった場合、他グループ遠隔利用システムを実行する構成とすることも可能である。
【0068】
別のグループの端末の機能を親端末Xで利用する場合、例えば図13のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末Xにて利用者から機能の選択入力を受け付け、優先順位情報Aを利用して自己の属するグループ1から当該機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末Xは選択された他の端末に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で指定された機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行不可能である場合、親端末Xは当該他の端末から機能要求拒絶通知を受信する。ここで、親端末Xの属するグループ1の各端末が指定された機能を現在実行できない場合は、別のグループ2にも属する親端末Yに対して他グループ遠隔利用システム要求コマンドを送信する。親端末Yでは、優先順位情報Bを利用して自己の属するグループ2から指定された機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末Yは選択された他の端末に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で指定された機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末Yは当該他の端末から機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末にて指定する機能を実行させ、機能の実行により得られるデータを親端末Yは他の端末から受信する。親端末Yは、当該機能の実行により得られるデータを親端末Xに対して転送し、親端末Xは当該データを必要に応じて出力する処理を行う。
【0069】
グループ2の優先順位の最も高い端末が、何らかの理由で「親端末Y」の機能要求コマンドに従うことができない場合、「親端末Y」に対して機能要求コマンドの拒絶通知を送信する。この場合、「親端末Y」は、再度優先順位情報Bを参照し、グループ2において優先順位が2番目に高い端末に対して機能要求コマンドを送信する。
【0070】
上記の説明では、親端末Xが親端末Yの遠隔利用システムを遠隔利用する例で説明したが、親端末Yが親端末Xの遠隔利用システムを遠隔利用する例も当然に可能である。また、親端末が3以上ある場合においても、同様のシステム構成により親端末がそれぞれ従える端末の機能を他の親端末が間接的に利用することが可能になる。
【0071】
<処理の流れ>
図14は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1401において、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する(優先順位情報格納ステップ)。次にステップS1402において、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける(選択受付ステップ)。次にステップS1403において、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する(優先順位情報取得ステップ)。次にステップS1404において、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する(制御ステップ)。次にステップS1405において、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを実行する必要があるか否か判断する。ここでの判断が必要ありとの判断である場合は、ステップS1406に進む。ここでの判断が必要なしとの判断である場合は、処理を終了する。ステップS1406では、他グループ遠隔利用システムを制御する(他グループ遠隔利用システム制御ステップ)。
【0072】
<効果>
本実施例の発明では、一の親端末が自端末の遠隔利用システムでは機能を直接的に利用できない他のグループの端末の機能を他の親端末の遠隔利用システムを遠隔利用することで間接的に利用することが可能になる。これにより、一のグループ内で端末を選択するよりもさらに最適な態様で機能を実行することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
0100…遠隔利用制御システム、0101…親端末、0102A〜E…他の端末、0300…親端末、0301…遠隔利用システム、0302…選択受付部、0303…優先順位情報取得部、0304…制御部、0800…親端末、0801…子端末1、0802…子端末2、0803…子端末3、0804…通信キャリア1、0805…通信キャリア2、0806…TV放送局、1101X…親端末X、1101Y…親端末Y、1102A〜E…親端末Xのグループの他の端末、1103A〜E…第三の端末、1205…他グループ遠隔利用システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用制御システム、遠隔利用制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、端末間でデータの共有や交換を行うことが可能なネットワークシステムが知られている。例えば、特許文献1においては、ルータと無線LAN接続可能な携帯端末と、ルータと有線LANで接続された各種端末との間でデータ転送を行うことにより、データの共有、交換を行うことが可能なネットワークシステムが開示されている。
【0003】
また、端末間でデータの共有や交換を行う他に、ネットワーク接続された他の端末の機能を自端末にて実行可能なシステムも知られている。例えば、インターネット回線網を利用して遠隔地のローカルエリアにある端末に接続し、その情報資源(例えば、アプリケーション)を自端末にて利用することが可能なシステム(リモートアクセス)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−15524
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、複数の端末の同等の機能を自端末にて利用可能な状況において、いずれの端末を選択すべきかをその都度ユーザが決定する必要があり、ユーザに余分な操作負担をかけることが多かった。また、ユーザは自端末にて利用できる他の端末の機能をその都度把握することは困難であるため、ユーザにとって適切な端末が選択されない場合もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムであって、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する優先順位情報保持部を有し、親端末は、遠隔利用システムと、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付部と、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得部と、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御部と、を有する遠隔利用制御システムを提案する。
【0007】
また、本発明は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法であって、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する優先順位情報格納ステップと、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付ステップと、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得ステップと、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御ステップと、を有する遠隔利用制御方法を提案する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、複数の端末の同等の機能を自端末にて利用可能な状況においても、機能ごとに適切な端末を自動的に選択し、その機能を実行させることができる。これにより、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図
【図2】優先順位情報の一例を示す図
【図3】実施例1の親端末の機能ブロックの一例を示す図
【図4】他の端末の音声通話機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図5】他の端末のTV番組受信機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図6】他の端末のメール送信機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図7】一の端末がその機能を実行できない場合の処理の一例を示す図
【図8】遠隔利用制御システムの具体的な構成を示す図
【図9】親端末のハードゥエア構成の一例を示す図
【図10】実施例1の遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図
【図11】実施例2の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図
【図12】実施例2の親端末の機能ブロックの一例を示す図
【図13】別のグループの端末の機能を親端末で利用する場合の処理の一例を示す図
【図14】実施例2の遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施例1は主に請求項1などに関し、実施例2は主に請求項2などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【実施例1】
【0011】
<概要>
本実施例の遠隔利用制御システムにおいては、複数の端末の同等の機能を親端末にて利用可能な状況において、親端末にて利用しようとする機能に応じて端末を選択し、選択された端末に所望の機能を実行させることができる。これにより、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【0012】
<システムの構成>
図1は、本実施例の「遠隔利用制御システム」の構成の一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「遠隔利用制御システム」0100は、少なくとも一以上の「親端末」0101と、「他の端末」0102A〜Eと、から構成されるグループである。ここで、「遠隔利用制御システム」は、下記で説明するように、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するためのシステムである。また、「遠隔利用制御システム」は、そのシステム内に、下記で説明する「優先順位情報保持部」を備えている。
【0013】
「親端末」は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である。具体的には、例えば携帯電話端末やPDA、パーソナルコンピュータなどが考えられる。当該親端末は、グループ内の各端末とそれぞれ有線接続又は無線接続されており、当該各端末の制御を行うことが可能な構成となっている。親端末とグループ内の他の端末からなるネットワークは主としてローカルエリアネットワークが想定されるが、他の端末の機能を自端末で利用可能なシステム構成であれば足りる。例えば、インターネット網を介して親端末と他の端末が接続される場合も考えられる。
【0014】
また、グループ内の親端末以外の端末としては、親端末と同様に、携帯電話端末やPDA、パーソナルコンピュータなどが考えられる。当該グループ内の他の端末は、親端末と通信を行うことが可能であり、例えば親端末から要求コマンドを受信したり、要求コマンドに対する応答通知を親端末に送信したりすることも可能である。なお、グループ内の各端末同士が親端末を介して通信を行ったり、親端末を介さずに直接通信を行ったりすることが可能な構成とすることも可能である。
【0015】
親端末が利用しようとする機能としては、例えばインターネット接続機能や、音声通話機能(電話網接続機能等)、メール機能(メール送信機能、メール受信機能、アドレス帳機能等)、Web閲覧機能(インターネット網接続機能、ブラウザ機能、暗号化機能等)、TV番組映像受信機能、映像記録機能、赤外線受信機能、ウィルススキャン機能、データ蓄積機能が考えられるが、その他各端末が備えるアプリケーションの機能も含まれる。
【0016】
なお、利用しようとする機能は必ずしもアプリケーションの機能全てである必要はなく、そのアプリケーションに含まれる機能の一部を利用することも可能である。例えば、メールの作成や閲覧は親端末のメールアプリケーションで行うが、メールサーバとのメールデータの送受信は他の端末のメールアプリケーションを利用する、といった態様も考えられる。
【0017】
また、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する状態とは、親端末が利用しようとする機能をグループ内の複数の端末が備えている状態をいう。ここで、親端末が利用しようとする機能を実現する手段は複数の端末において同一である必要はなく、端末ごとに異なる態様も考えられる。例えば、親端末が利用しようとする機能が音声通話機能である場合、携帯電話網接続が可能な端末と、IP電話網接続が可能な端末がグループ内に存在すれば、グループ内の複数の端末で音声通話機能が競合する状態にあるといえる。また、ワープロアプリケーションや、表計算アプリケーション、会計アプリケーションなどバリエーションがそれぞれ存在するアプリケーションについても、同様のアプリケーションが複数の端末で存在する場合は、その機能が競合する状態にあるといえる。
【0018】
遠隔利用制御システムが備える「優先順位情報保持部」は、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する機能を有する。優先順位情報保持部は、例えば遠隔利用制御システムの親端末が備える構成として実現することも可能であるし、グループ内のその他の端末が備える構成として実現することも可能である。
【0019】
なお、親端末がグループ内に複数存在する場合は、各親端末について優先順位情報を設ける構成とすることも可能である。この場合、当該複数の優先順位情報を一の端末において一括管理する構成も可能であるし、各親端末が優先順位情報をそれぞれ保持する構成も可能である。
【0020】
図2は、優先順位情報の一例を示す図である。この図の例では、音声通話機能については端末1の優先順位が最も高く、親端末が音声通話機能を自端末にて利用する場合は端末1を優先して選択する。何らかの理由で端末1の音声通話機能を利用しない場合(端末1が音声通話できないエリアにいる場合等)は、2番目に優先順位が高い端末3を選択する。
【0021】
また、Web閲覧機能について優先順位が最も高い端末は親端末自信であり、Web閲覧機能を利用する場合は親端末のWeb閲覧機能を優先的に利用することになる。この場合、特に遠隔利用制御システムを利用する必要はなく、自端末のWeb閲覧機能を実行すれば足りる。ただし、何らかの理由で自端末のWeb閲覧機能を利用することができない場合は、端末2のWeb閲覧機能を遠隔利用制御システムを介して利用する。また、TV視聴機能についても同様である。
【0022】
上記の図では、優先順位が端末ごとに異なる例を示したが、優先順位が同順位である端末が存在する例も同様に可能である。このような場合は、同順位の端末からランダムに選択したり、順繰りに選択したりする構成が考えられる。
【0023】
優先順位情報保持部に保持される優先順位情報は、遠隔利用制御システムの親端末やその他の端末から作成・編集可能な構成とすることができる。当該構成とすることにより、グループ内の端末の変更や端末の機能の追加・削除があった場合においても、遠隔利用システムで最適な端末を自動的に選択するよう優先順位情報を更新することができる。
【0024】
また、優先順位情報は、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、その機能を利用するために選択すべきグループ内のアプリケーションの情報Aと、各アプリケーションを実行可能な端末の情報Bと、から構成される態様も考えられる。この場合、まず一の機能についてグループ内のいずれのアプリケーションを利用すべきかを情報Aに基づいて特定し、次にそのアプリケーションを備える端末を情報Bに基づいて特定する処理を行うことになる。ここで、一のアプリケーションを複数の端末で実行可能な場合は、その他の情報に基づいて端末を絞りこむことが考えられる。
【0025】
また、優先順位情報を算出可能な優先順位情報算出部を遠隔利用制御システムの一部として設ける構成も可能である。例えば、各端末の性能(CPU性能、メモリ容量、通信速度等)や状態(充電量、過去所定時間のCPU占有率、メモリ使用率、通信トラフィック等)、各機能を使うために必要なコスト(時間帯・通信キャリアに応じた通信料金、機能使用料金等)、各機能を使う際の制限(使用人数制限、使用回数制限、使用ID制限等)を変数として、優先順位情報を算出するプログラムが考えられる。当該算出処理は、一定時間おき(10秒ごとや1時間ごと)に行う構成とすることも可能であるし、遠隔利用システムが実行されるタイミングにおいて行う構成とすることも可能である。算出された優先順位情報は、上記優先順位情報保持部に保持されるが、一定時間経過後に上書き処理や消去処理が行われてもよい。また、優先順位情報算出部は、親端末が備える構成とすることも可能であるし、グループ内の他の端末が備える構成とすることも可能である。
【0026】
なお、親端末がグループ内に複数存在する場合は、各親端末について優先順位情報算出部により優先順位情報を算出する構成とすることも可能である。また、グループ内の特定の端末が親端末にも子端末にもなりうる状態であれば、親端末として端末を使用する時点において優先順位情報を算出する構成とすることが考えられる。
【0027】
また、一の親端末が従えるグループ内の子端末と、他の親端末が従えるグループ内の子端末が一部重複している状態も考えられる。また、親端末が従えるグループ内の子端末がさらに端末を従えている状態(孫端末がいる状態)も考えられる。この場合、子端末と孫端末からなるシステム構成を親端末と子端末からなるシステム構成と同様のものとすることが考えられる。また、親端末から孫端末の機能を直接的に遠隔利用可能な構成とすることも可能であるし、子端末を介して孫端末の機能を間接的に遠隔利用可能な構成とすることも可能である。
【0028】
<親端末の構成>
図3は、「親端末」の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、「親端末」0300は、「遠隔利用システム」0301と、「選択受付部」0302と、「優先順位情報取得部」0303と、「制御部」0304と、から構成される。
【0029】
なお、以下に記載する装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0030】
「遠隔利用システム」は、他の端末の機能を自端末で利用するための機能を有する。他の端末の機能を自端末で利用するための機能としては、例えば他の端末の機能を実行させるための要求コマンドを送信する機能や、制御コマンドに対する応答信号を他の端末から受信する機能、機能を実行する際に利用されるデータを自端末にて取得・作成する機能、当該データを他の端末に送信する機能、機能の実行により他の端末にて取得・作成されるデータを受信する機能、当該データを自端末にて出力する機能などが考えられる。
【0031】
「選択受付部」は、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける機能を有する。機能の選択の受付けは、操作キーを介した操作入力や、マイクを介した音声入力に基づいて行うことが可能であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0032】
なお、利用者から受付ける機能が遠隔利用をするものであるか否かは、例えば予め遠隔利用をする機能のリストを内部に保持しておき、受付けた機能が当該リストに存在する場合は遠隔利用する機能であると判断することができる。また、遠隔利用を指示する操作入力の受付けを行ったり(遠隔利用指定ボタン等)、遠隔利用をするかどうかの確認を求める報知を行ったりすることも可能である。遠隔利用をする機能であると判断した場合は、遠隔利用システムを起動する処理を行う。なお、選択された機能が自端末には存在しないとの判断である場合に、遠隔利用システムを起動する処理を行うことも可能である。
【0033】
「優先順位情報取得部」は、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する機能を有する。親端末が優先順位情報保持部を有する構成である場合は、受け付けた機能に関する優先順位情報を内部の記憶装置から取得することになる。一方、グループ内の他の端末が優先順位情報保持部を有する構成であり、親端末自身が優先順位情報を保持していない場合は、当該他の端末から優先順位情報を取得することになる。ここで、機能の選択を受付けたタイミングで優先順位情報を取得する構成とすることも可能であるが、予め優先順位情報を取得しておく構成も可能である。その場合、選択が予想される機能の優先順位情報のみを取得する構成とすることも可能である。例えば、一の親端末から選択可能な機能が限られている場合は、親端末に保持される選択可能リストに基づいて、関連する機能の優先順位情報のみを取得することが考えられる。
【0034】
また、親端末を介してユーザが優先順位情報を作成したり、編集したりすることが可能な構成とすることが考えられる。この場合、各機能についての各端末の性能や、その機能を実行するために費やされる料金、機能を実行するために必要な操作時間等を考慮して、最適な優先順位を設定することが可能になる。
【0035】
「制御部」は、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する機能を有する。優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する方法としては、例えば各機能について優先順位の高い端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法が考えられる。ここで、優先順位の高い端末がその機能を実行することができない場合においては、その次に優先順位の高い端末を選択して遠隔利用システムを実行することになる。なお、優先順位の高い端末として自端末を選択することも可能であり、自端末が選択された場合は遠隔利用システムを実行せず、その機能を直接実行すれば足りる。
【0036】
また、優先順位が所定レベル以上である複数の端末からランダム又は順繰りに一の端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法や、優先順位情報と他の情報を組み合わせて端末を指定して遠隔利用システムを実行する方法も考えられる。
【0037】
他の端末の音声通話機能を自端末で利用する場合、例えば図4のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末にて利用者から音声通話機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用して音声通話機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対して音声通話機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で音声通話機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末は当該他の端末から音声通話機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末にて音声発信処理を行わせ、他の端末から通話着信相手が応答したとの通知を受け取る。次に自端末のマイクを介して音声データの入力を受け付け、他の端末に対して当該音声データを送信する処理を行う。さらに、他の端末が音声通話相手から音声データを受信すると、当該他の端末から音声データを受信し、スピーカから音声を出力する。
【0038】
また、他の端末のTV番組受信機能を自端末で利用する場合、例えば図5のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末にて利用者からTV番組受信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してTV番組受信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してTV番組受信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でTV番組受信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末は当該他の端末からTV番組受信機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末が指定したTV番組の映像データを受信すると、親端末は他の端末から映像データを受信して、自端末のディスプレイ、スピーカを介して出力する。
【0039】
また、他の端末のメール送信機能を自端末で利用する場合、例えば図6のような処理が行われる。まず、親端末にて利用者から送信すべきメール内容のデータや、メールの宛先アドレス等の入力を受け付ける。次に、親端末にて利用者からメール送信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してメール送信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してメール送信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でメール送信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末からメール送信機能要求受入通知を受信する。次に親端末は他の端末に対してメール内容、メールの宛先等のデータを送信し、当該データを他の端末からメールサーバに送信させる。また、他の端末がメール送信処理を完了すると、親端末は、当該メール送信完了通知を他の端末から受信し、自端末のディスプレイ、スピーカ等を介して完了通知を出力する。
【0040】
また、メール受信機能を自端末で利用する場合、以下のような処理が行われる。まず、親端末にて利用者からメール受信機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用してメール受信機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末に対してメール受信機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末でメール受信機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末からメール受信機能要求受入通知を受信する。次に親端末は他の端末に対してメール受信用ID、パスワード、受信サーバのアドレス等のデータを送信し、特定のメールサーバに対する親端末宛のメール問い合わせを行わせる。他の端末が当該メールサーバから親端末宛のメールを受信すると、親端末は他の端末からメールデータを受信して、自端末のディスプレイ等を介してメール受信情報を出力する。
【0041】
なお、上記の例では、優先順位情報を利用して選択された端末がその機能を現在実行できる場合を示したが、何らかの理由でその機能が現在実行できない場合もある。図7は、そのような場合の処理の流れの一例を示した図である。この図の例では、まず親端末にて利用者から機能の選択入力を受け付け、優先順位情報を利用して当該機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末1に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末1で音声通話機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行不可能である場合、親端末は当該他の端末から機能要求拒絶通知を受信する。その場合、親端末は再度優先順位情報を利用して他の端末1以外で選択すべき端末を決定する。そして、親端末は選択された他の端末2に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末2で機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合は他の端末2から機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末2にて選択された機能を実行させる。
【0042】
また、優先順位情報に基づいて選択された端末から機能要求拒絶通知を受信した場合は、通知の内容に基づいて対応処理を決定することが考えられる。例えば、TV番組受信機能要求コマンドを優先順位に基づいて選択された端末に送信したものの、当該端末からTVチューナが他のTV番組映像受信のために既に占有されており、指定されたTV番組映像を受信することができないとの機能要求拒絶通知を受け取る場合がある。この場合、親端末は他にTV番組映像を受信する手段が存在しない場合は、TVチューナで現在受信しているTV番組映像を受信する、といった構成とすることも可能である。
【0043】
また、ワープロアプリケーションや表計算ソフトの機能要求コマンドを、編集予定ファイルの情報(ファイル名、保存場所)とともに選択された端末に送信したものの、当該端末からファイルが現在編集されているとの機能要求拒絶通知を受け取る場合もある。この場合、親端末は編集予定ファイルを自動的に複製して機能要求コマンドを再送信する構成とすることも可能である。
【0044】
なお、機能要求コマンドを送信した端末から一定時間経過しても応答がない場合に、次に優先順位の高い端末に対して機能要求コマンドを送信する、といった構成も可能である。また、機能要求拒絶通知の内容に対する対応手段が見つからないとの判断である場合は、親端末のディスプレイやスピーカ等を介して機能実行が不可能である旨の情報を出力する構成とすることが考えられる。
【0045】
なお、上記音声通話機能やTV番組受信機能、メール送受信機能について説明した一連の処理は一例であり、この例に限定されるものではない。
【0046】
なお、上記では、親端末とそれ以外の端末(子端末)からなる遠隔利用制御システムの構成を示したが、各端末が他の端末の機能を自端末で利用することができる構成(各端末が親端末にも子端末にもなりうる構成)も可能である。当該システム構成とすることにより、いずれの端末を利用しても各端末の機能を最適な態様で使い分けることが可能になる。
【0047】
また、親端末と他の端末から構成されるグループは、その構成端末が固定されている必要はなく、動的に変更される態様も考えられる。例えば、親端末と通信可能な範囲から親端末が機能を制御可能な端末が出て行った場合は当該端末をグループから外す処理を行い、親端末が機能を制御可能な端末が親端末と通信可能な範囲に入ってきた場合は当該端末をグループに入れる処理を行う、といった構成が考えられる。また、親端末自身が移動することによって、グループを構成する端末が変更される態様も考えられる。
【0048】
<具体的な構成>
【0049】
図8は、遠隔利用制御システムの具体的な一例を示す図である。ここで、遠隔利用制御システムは、親端末(0800)と、子端末1(0801)、子端末2(0802)、子端末3(0803)から構成される。親端末と子端末1、子端末2、子端末3は無線LANの接続設定を終えており、お互いに無線LAN通信が出来る状態にある。親端末及び子端末2は通信キャリア1(0804)を介して通信を行い、子端末1(0801)及び子端末3(0803)は通信キャリア2(0805)を介して通信を行う。また親端末(0800)と子端末3(0803)のみTV視聴機能を実装しており、TV放送局(0806)からTV放送波を受信することができる。
【0050】
図9は、上記親端末のハードウェア構成の一例を示す構成図である。この図の例では、「親端末」は、「CPU」0901と、「RAM」0902と、「不揮発性メモリ」0903と、「入力キー」0904と、「ディスプレイ」0905と、「無線LAN用アンテナ」0906と、「携帯電話用アンテナ」0907と、「スピーカ」0908と、「マイク」0909と、から構成される。これらの構成は、「システムバス」0910のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。なお、各ハードウェアに対するインターフェイスは簡略のため省略している。また、子端末についても親端末と同様のハードウェア構成とすることが考えられる。
【0051】
「親端末」の機能を実現するためのプログラムは、「不揮発性メモリ」に記憶されており、必要に応じて「RAM」に展開される。「CPU」は、「RAM」に展開されたプログラムを順次読み出して実行する。また、「親端末」の「不揮発性メモリ」には、図2で示した優先順位情報が格納されているものとする。
【0052】
「親端末」は、起動時に「不揮発性メモリ」に記憶されている優先順位情報と無線LAN接続の対象となる他の端末の識別情報を「RAM」に展開する。なお、ユーザが「入力キー」を介して操作入力を行った場合、当該入力が機能の選択であるか、文字や記号等の選択であるかを判断し、機能の選択であるとの判断結果である場合は、「RAM」に展開された優先順位情報を参照する。
【0053】
また、ユーザが「入力キー」を介して新たな端末の無線LAN登録を行った場合、無線LAN登録情報を更新し、「不揮発性メモリ」に格納する処理を行う。また、ユーザが「入力キー」を介して各機能に対する優先順位の変更を行った場合は、当該変更後の優先順位情報を「不揮発性メモリ」に格納する処理を行う。なお、無線登録情報が更新された場合には、新たに登録/削除された端末を自動的に優先順位情報に登録/削除する処理を行う構成とすることも可能である。
【0054】
(音声通話発信)
以下、上記「親端末」を使用して音声通話発信操作をした場合の処理について説明する。「キー入力部」を介して、通話相手の電話番号を入力して音声通話発信機能を選択した場合、「CPU」は「RAM」に展開されている優先順位情報を参照し、音声通話機能について最も優先順位の高い端末である「子端末1」に対して「無線LAN用アンテナ」を介して発信要求コマンドを送信する。「子端末1」は、「携帯電話用アンテナ」を介して「通話相手の端末」に対する音声通話発信処理を行う。また、「子端末1」は、「携帯電話用アンテナ」を介して「通話相手の端末」からの応答通知を受信した場合、音声通話ベアラ処理を行い、「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して音声データを送信する。以後、「親端末」から「無線LAN用アンテナ」を介して音声データを受信した場合、「携帯電話用アンテナ」を介して「通信相手の端末」に対して音声データを送信する。また、「通話相手の端末」から「携帯電話用アンテナ」を介して音声データを受信した場合、「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して音声データを転送する。「親端末」は、音声データを「無線LAN用アンテナ」を介して受信した場合、音声データのデコード処理を行い、「スピーカ」を介して音声を出力する。
【0055】
また、音声通話機能について優先順位の最も高い端末である「子端末1」が、何らかの理由で通話発信できない場合(例えば、通信圏外にいる場合など)は、「子端末1」は「無線LAN用アンテナ」を介して「親端末」に対して発信要求コマンドの拒絶通知を送信する。「親端末」は発信要求コマンドの拒絶通知を受信すると、「RAM」に展開されている優先順位情報を参照し、音声通話機能について優先順位が2番目に高い端末である「子端末3」に対して「無線LAN用アンテナ」を介して発信要求コマンドを送信する。以降の処理は上記で説明したものと同様である。
【0056】
(TV視聴機能)
また、TV視聴機能が親端末で選択された場合は、TV視聴機能について最も優先順位の高い「子端末3」に対して指定するTV番組の受信処理を要求するコマンドを「無線LA用アンテナ」を介して送信する。「子端末3」は指定されたTV番組受信機能を実行し、TV番組の映像データをTV放送局から受信する処理を行う。さらに、「子端末3」は、「無線LAN用アンテナ」を介して映像データを「親端末」に対して転送する。親端末は、受信した映像データのデコード処理を行い、「ディスプレイ」や「スピーカ」を介して出力する処理を行う。
【0057】
(Web閲覧機能)
また、Web閲覧機能が親端末で選択された場合は、同様に登録された優先順位に従って処理される。Web閲覧機能について最も優先順位の高い端末は「親端末」であるので、自身のWebサーバ接続機能を実行し、Webサーバに対して情報のリクエスト処理を行い、Webサーバから受信した情報をブラウザを利用して表示する処理を行う。なお、何らかの理由で自身のWeb接続機能を実行できない場合は、2番目に優先順位の高い「子端末2」に対してWebサーバとの接続要求コマンドを「無線LAN用アンテナ」を介して送信する。「子端末2」は、Webサーバに対して情報のリクエスト処理を行う。「子端末2」は、Webサーバから情報を受信すると、当該情報を親端末に対して「無線LAN用アンテナ」を介して転送する。さらに、「親端末」は受信した情報を自端末のブラウザを使用して表示する処理を行う。
【0058】
以上の具体例においては、親端末が無線LAN接続された子端末の機能を利用する例を示したがこの例に限定されるものではない。例えば、親端末と子端末と有線LAN接続されたシステム構成も同様に可能である。
【0059】
<処理の流れ>
図10は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1001において、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する(優先順位情報格納ステップ)。次にステップS1002において、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける(選択受付ステップ)。次にステップS1003において、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する(優先順位情報取得ステップ)。次にステップS1004において、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する(制御ステップ)。
【0060】
<効果>
本実施例の発明によって、複数の端末の同等の機能を自端末にて選択的に利用可能な状況においても、機能ごとに適当な端末を自動的に選択してその機能を実行させることができるため、ユーザに過度の負担をかけることなく、最適な態様で複数の端末の機能を使い分けることが可能になる。
【実施例2】
【0061】
<概要>
本実施例の遠隔利用制御システムにおいては、一の親端末が自端末の遠隔利用システムでは機能を直接的に利用できない他のグループの端末の機能を他の親端末の遠隔利用システムを介して間接的に利用することが可能になる。これにより、一のグループ内で端末を選択するよりもさらに最適な態様で機能を実行することが可能になる。
【0062】
<システムの構成>
図11は、本実施例の遠隔利用制御システムの構成の一例を示す図である。この図の例では、「遠隔利用制御システム」1100は、「親端末X」1101Xと、「グループ内の他の端末」1102A〜Eと、から構成されるグループと、「親端末Y」1101Yと、「第三の端末」1103A〜Eと、から構成されるグループと、からなる。
【0063】
「親端末X、Y」は、グループ内の他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である。つまり、「親端末X」は、実施例1で説明したように「グループ内の他の端末」の機能を自端末で利用することが可能であり、「親端末Y」は、「第三の端末」の機能を自端末で利用することが可能である。さらに、本実施例の「親端末X」は、「親端末Y」の遠隔利用システムを遠隔利用して、「第三の端末」の機能を間接的に利用することが可能である。
【0064】
<親端末の構成>
図12は、上記「親端末X」の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、「親端末X」1200は、「遠隔利用システム」1201と、「選択受付部」1202と、「優先順位情報取得部」1203と、「制御部」1204と、「他グループ遠隔利用システム」1205と、から構成される。なお、実施例1で説明したように、「優先順位情報保持部」は、必ずしも「親端末X」1200の備える構成である必要はなく、遠隔利用制御システムに属するいずれかの端末が備える構成とすれば足りる。以下、実施例1との相違点である「他グループ遠隔利用システム」について説明する。
【0065】
「他グループ遠隔利用システム」は、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない一又は複数の第三の端末を含む別のグループの「親端末Y」の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な機能を有する。
【0066】
つまり、「第三の端末」は、「親端末X」が直接的に制御を行うことができない別のグループに属する一又は複数の端末であるため、「親端末X」の「遠隔利用システム」ではその機能を自端末で直接的に利用することができない。しかしながら、「親端末X」は、「上記他グループ遠隔利用システム」を利用して「親端末Y」の「遠隔利用システム」の機能を遠隔利用することができるため、間接的に他のグループの「第三の端末」の機能を利用することが可能になる。
【0067】
例えば、「親端末X」の自己のグループ内において所望の機能を利用することができない場合、他グループ遠隔利用システムを実行して、「親端末Y」を介して他のグループに属する端末の機能を利用することが考えられる。また、「親端末X」が遠隔利用システムで優先順位情報に基づいて選択した端末が他のグループの「親端末Y」であった場合、他グループ遠隔利用システムを実行する構成とすることも可能である。
【0068】
別のグループの端末の機能を親端末Xで利用する場合、例えば図13のような処理が行われる。この図の例では、まず親端末Xにて利用者から機能の選択入力を受け付け、優先順位情報Aを利用して自己の属するグループ1から当該機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末Xは選択された他の端末に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で指定された機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行不可能である場合、親端末Xは当該他の端末から機能要求拒絶通知を受信する。ここで、親端末Xの属するグループ1の各端末が指定された機能を現在実行できない場合は、別のグループ2にも属する親端末Yに対して他グループ遠隔利用システム要求コマンドを送信する。親端末Yでは、優先順位情報Bを利用して自己の属するグループ2から指定された機能について選択すべき端末を決定する。そして、親端末Yは選択された他の端末に対して機能要求コマンドを送信する。選択された他の端末で指定された機能を現在実行可能か否か判断され、現在実行可能である場合、親端末Yは当該他の端末から機能要求受入通知を受信する。そして、当該他の端末にて指定する機能を実行させ、機能の実行により得られるデータを親端末Yは他の端末から受信する。親端末Yは、当該機能の実行により得られるデータを親端末Xに対して転送し、親端末Xは当該データを必要に応じて出力する処理を行う。
【0069】
グループ2の優先順位の最も高い端末が、何らかの理由で「親端末Y」の機能要求コマンドに従うことができない場合、「親端末Y」に対して機能要求コマンドの拒絶通知を送信する。この場合、「親端末Y」は、再度優先順位情報Bを参照し、グループ2において優先順位が2番目に高い端末に対して機能要求コマンドを送信する。
【0070】
上記の説明では、親端末Xが親端末Yの遠隔利用システムを遠隔利用する例で説明したが、親端末Yが親端末Xの遠隔利用システムを遠隔利用する例も当然に可能である。また、親端末が3以上ある場合においても、同様のシステム構成により親端末がそれぞれ従える端末の機能を他の親端末が間接的に利用することが可能になる。
【0071】
<処理の流れ>
図14は、他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法の処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1401において、親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する(優先順位情報格納ステップ)。次にステップS1402において、遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける(選択受付ステップ)。次にステップS1403において、前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する(優先順位情報取得ステップ)。次にステップS1404において、取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する(制御ステップ)。次にステップS1405において、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを実行する必要があるか否か判断する。ここでの判断が必要ありとの判断である場合は、ステップS1406に進む。ここでの判断が必要なしとの判断である場合は、処理を終了する。ステップS1406では、他グループ遠隔利用システムを制御する(他グループ遠隔利用システム制御ステップ)。
【0072】
<効果>
本実施例の発明では、一の親端末が自端末の遠隔利用システムでは機能を直接的に利用できない他のグループの端末の機能を他の親端末の遠隔利用システムを遠隔利用することで間接的に利用することが可能になる。これにより、一のグループ内で端末を選択するよりもさらに最適な態様で機能を実行することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
0100…遠隔利用制御システム、0101…親端末、0102A〜E…他の端末、0300…親端末、0301…遠隔利用システム、0302…選択受付部、0303…優先順位情報取得部、0304…制御部、0800…親端末、0801…子端末1、0802…子端末2、0803…子端末3、0804…通信キャリア1、0805…通信キャリア2、0806…TV放送局、1101X…親端末X、1101Y…親端末Y、1102A〜E…親端末Xのグループの他の端末、1103A〜E…第三の端末、1205…他グループ遠隔利用システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムであって、
親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する優先順位情報保持部を有し、
親端末は、
遠隔利用システムと、
遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得部と、
取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御部と、
を有する遠隔利用制御システム。
【請求項2】
前記親端末は、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを備えた請求項1に記載の遠隔利用制御システム。
【請求項3】
他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法であって、
親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する優先順位情報格納ステップと、
遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付ステップと、
前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得ステップと、
取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御ステップと、
を有する遠隔利用制御方法。
【請求項4】
遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを制御する他グループ遠隔利用システム制御ステップと、
をさらに有する請求項3に記載の遠隔利用制御方法。
【請求項1】
他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御システムであって、
親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を保持する優先順位情報保持部を有し、
親端末は、
遠隔利用システムと、
遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得部と、
取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御部と、
を有する遠隔利用制御システム。
【請求項2】
前記親端末は、遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを備えた請求項1に記載の遠隔利用制御システム。
【請求項3】
他の端末の機能を自端末で利用するための遠隔利用システムを備えた端末である親端末を少なくとも一以上含む複数の端末からなるグループで、親端末が利用しようとする機能がグループ内の複数の端末で競合する場合に、親端末の遠隔利用システムが利用する端末を選択するための遠隔利用制御方法であって、
親端末に関連付けてその親端末が遠隔利用システムで利用可能な機能について、グループ内でその機能を利用するために選択すべき端末の優先順位情報を格納する優先順位情報格納ステップと、
遠隔利用をする機能の選択を利用者から受付ける選択受付ステップと、
前記受付けた機能についての優先順位情報を取得する優先順位情報取得ステップと、
取得した優先順位情報を利用して遠隔利用システムを制御する制御ステップと、
を有する遠隔利用制御方法。
【請求項4】
遠隔利用システムにて機能を直接的に利用できない第三の端末の複数からなる別のグループの親端末の遠隔利用システムの機能を遠隔利用可能な他グループ遠隔利用システムを制御する他グループ遠隔利用システム制御ステップと、
をさらに有する請求項3に記載の遠隔利用制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−65259(P2012−65259A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209772(P2010−209772)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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