説明

遠隔制御デバイスに対する紛失または損傷を低減する方法および装置

第1送受信機(9)と、第2ワイヤレス送受信機(20)および第2プロセッサ(24)を有する遠隔制御式装置(18)を制御する第1プロセッサ(16)とを有する遠隔制御デバイス(12)。プロセッサは、ワイヤレス送受信機(複数可)によって送信される信号の信号品質レベルを測定して、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の向きを変えるようにプログラムされることができる。プロセッサ(複数可)は、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変える(56)か、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせる制御信号を送信するようにさらにプログラムされることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠隔制御式システムに関し、より詳細には、遠隔制御式(RC)デバイス(RC玩具など)に対する紛失または損傷を防止する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔制御式(RC)装置、特に、遠隔制御式玩具は、従来、RC装置の動作を制御するために1方向通信を使用してきた。RC玩具は、遠隔制御デバイスの制御範囲外に出ると、ユーザが制御できなくなり、玩具の紛失または損傷を容易に引き起こす可能性がある。
【0003】
さらに、遠隔制御式玩具が、ある程度遠い距離か、または、ユーザにとって不都合な場所で(たとえば、湖またはハイウェイの中央で)停止すると、ユーザは、通常、遠隔制御式玩具を物理的に回収する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明による実施形態は、ボート、自動車、飛行機、またはロボットなどの無線制御式(R/C)玩具が制御範囲外に出始めるときに、損傷を防止するか、または、低減することができる。R/C玩具は、制御範囲外にあるときはユーザが制御できない。本明細書の実施形態は、玩具が制御範囲外の近くにあるときをユーザに報知することができる。玩具が、さらに進んで制御範囲外になる可能性があるように、ユーザが、玩具を動作し続ける場合、玩具は、玩具が完全に制御範囲外に進むことを防止するための自立モードに入ることができる。これは、ボートおよび飛行機などのR/C玩具について特定の有用性を持つが、他の遠隔制御式デバイスにも適用されることができる。ボートが、ユーザから制御範囲外にある場合、ユーザは、水から玩具を回収しなければならない。同様に、玩具の飛行機の場合、飛行機が制御範囲外にある場合、飛行機は、墜落し、木の中に、屋根の上に、または建物の中に制御がきかずに飛び込む可能性がある。R/C玩具は、現在のところ、デジタル2方向通信プロトコルを使用しないため、こうした紛失または損傷を防止する方法が存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の実施形態では、遠隔制御デバイスは、ワイヤレス送受信機を有する遠隔制御式装置を制御するワイヤレス送受信機と、遠隔制御式装置のワイヤレス送受信機に結合したプロセッサとを含む。遠隔制御デバイスは、たとえば、2方向無線機、携帯電話、コードレス家庭用電話、ワイヤレス機能付きコンピュータ、またはスマートフォンであることができ、遠隔制御式装置は、たとえば、遠隔制御式の自動車、ボート、飛行機、またはロボットであることができる。もちろん、遠隔制御デバイスは、1つまたは複数のジョイスティックを有するが、本明細書で考えられる適切なソフトウェアをさらに有する従来の遠隔制御デバイスであることもできる。遠隔制御デバイス内および遠隔制御式装置内のワイヤレス送受信機は、通信用のIEEE802.15.4標準を使用することができる。プロセッサは、遠隔制御式装置のワイヤレス送受信機によって送信される信号の信号品質レベルを測定し、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の向きを変えるための制御信号を送信するようにプログラムされることができる8ビットマイクロコントローラまたは他の処理デバイスであることができる。プロセッサは、信号品質測定値の中でもとりわけ、信号強度インジケータ測定値またはビットエラーレートを測定することができる。所定の閾値は、ユーザによってプログラム可能であることもできる。遠隔制御デバイスは、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる時にユーザに警告するユーザ報知を含むこともできる。プロセッサは、さらに、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変えるか、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせる制御信号を送信するようにプログラムされることができる。別の態様では、遠隔制御式装置内のワイヤレス送受信機はまた、信号品質レベルを測定し、遠隔制御式装置において測定される信号品質レベルが所定の閾値未満に下がるときに、遠隔制御デバイスに警告信号を送信することができる。
【0006】
本発明の第2の実施形態では、遠隔制御式装置を制御するシステムは、遠隔制御式装置を制御するための遠隔制御デバイス内の第1ワイヤレス送受信機と、遠隔制御式装置内の第2ワイヤレス送受信機と、遠隔制御式装置の第2ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、第1ワイヤレス送受信機によって送信される信号の信号品質レベルを測定し、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の向きを変えるようにプログラムされることができる。先に述べたように、遠隔制御式装置は、遠隔制御式自動車、遠隔制御式ボート、遠隔制御式飛行機、または遠隔制御式ロボットであることができ、遠隔制御デバイスは、通信デバイスの中でもとりわけ、2方向無線機、携帯電話、コードレス家庭用電話、ワイヤレス機能付きコンピュータ、またはスマートフォンであることができる。先に述べたように、遠隔制御デバイスは、1つまたは複数のジョイスティックあるいは他の指向性コントローラを有するR/Cコントローラであることもできる。第1および第2ワイヤレス送受信機は、IEEE802.15.4標準を使用することができる。遠隔制御デバイスは、さらに、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる時にユーザに警告するユーザ報知を含むことができる。一態様では、第2ワイヤレス送受信機は、遠隔制御式装置において測定される信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がるときに、遠隔制御デバイスに警告信号を送信することができる。
【0007】
システムは、さらに、第1ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサを含むことができる。第1ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサは、第2ワイヤレス送受信機によって(第1ワイヤレス送受信機に)送信される信号の信号品質レベルを測定し、第2ワイヤレス送受信機によって送信される信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がるときに、遠隔制御式装置の向きを変えるための信号を送信することができる。所定の閾値は、プログラム可能な設定であることができる。第1ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサまたは第2ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサは、受信される信号強度インジケータ測定値またはビットエラーレートを測定するようにプログラムされることができる。遠隔制御式装置内のプロセッサまたは遠隔制御デバイス内のプロセッサは、さらに、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変えるか、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせるようにプログラムされることができる。
【0008】
本発明の第3の実施形態では、遠隔制御式装置を制御する方法は、遠隔制御式装置と遠隔制御式装置を制御する遠隔制御デバイスとの間で、少なくとも1つの信号の信号品質レベルを測定するステップと、信号品質レベルが、所定閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の移動方向を変えるステップとを含むことができる。方法は、さらに、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変えるか、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせるステップをさらに含むことができる。
【0009】
本発明の第4の実施形態では、遠隔制御式装置は、ワイヤレス送受信機を有する遠隔制御デバイスによって制御されるワイヤレス送受信機と、遠隔制御式装置のワイヤレス送受信機に動作可能に結合したプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、遠隔制御デバイスのワイヤレス送受信機と遠隔制御式装置のワイヤレス送受信機との間で送信される信号の信号品質レベルを測定し、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の向きを変えるようにプログラムされることができる。
【0010】
他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の機構に従って構成されると、本明細書に開示される種々のプロセスおよび方法を実施するシステム、および、本明細書に開示される種々のプロセスおよび方法を機械に実施させる機械読み取り可能記憶装置を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書は、新規とみなされる、本発明の実施形態の特徴を規定する特許請求の範囲で終了するが、本発明は、同じ参照数字が繰り越される図と共に以下の説明を考えることによって、よりよく理解されると思われる。
【0012】
図1を参照すると、遠隔制御式装置18を制御するシステム10が示される。システム10は、遠隔制御式装置18および遠隔制御デバイス12を含むことができる。遠隔制御デバイス12は、遠隔制御式装置18を制御するワイヤレス送受信機9およびワイヤレス送受信機9に結合したプログラム可能なメモリまたはプロセッサ16を含むことができる。遠隔制御式装置18は、自動車、ボート、飛行機、またはロボットなどのRC玩具であることができ、遠隔制御デバイス12は、携帯電話などのワイヤレスデバイスであることができるが、2方向無線機、衛星電話、ワイヤレスラップトップ、スマートフォン、およびR/C玩具コントローラなどの他のワイヤレスデバイスが、間違いなく、本明細書で考えられ、また、特許請求項の範囲内にある。
【0013】
一実施形態では、遠隔制御デバイス12は、送受信機9を含む携帯電話であることができる。遠隔制御デバイス12は、さらに、プログラム可能なメモリまたはプロセッサ16、ディスプレイ17、振動デバイス14、スピーカ15、およびプッシュ・トゥ・トーク(PTT)ボタン13などの付加的なコンポーネントを含むことができる。デバイス12は、また、通常、携帯電話に関して見出される、マイクロフォン、カメラ、キーパッド、および他の付属品(図示せず)などの他のコンポーネントを含むことができる。図1〜3に示す遠隔制御式装置18は、送受信機20およびプログラム可能なメモリまたはプロセッサ24を含むことができる。
【0014】
一機構では、遠隔制御デバイス12は、遠隔制御式装置18を制御するワイヤレス送受信機9を含むことができ、ワイヤレス送受信機9は、プロセッサ16と組合されて、信号品質を測定する。遠隔制御式装置18は、プログラム可能なメモリまたはプロセッサ24に結合したワイヤレス送受信機20を含むことができる。遠隔制御デバイス12内および遠隔制御式装置18内のワイヤレス送受信機(9および20)は、それぞれ、通信用のIEEE802.15.4標準あるいは任意の他の適切なワイヤレスプロトコルまたは標準を使用することができる。注記、プロセッサ16は、8ビットマイクロコントローラあるいは他の適切な処理プロセッサまたはコントローラであることができ、遠隔制御式装置18のワイヤレス送受信機20によって送信される信号の信号品質レベルを測定し、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置20の向きを変えるための制御信号を送信するようにプログラムされることができる。信号品質測定は、信号品質測定の中でもとりわけ、無線信号強度インジケータ(RSSI)測定値またはビットエラーレートを測定することを含む、いくつかの方法で実施されることができる。所定の閾値は、また、ユーザによってプログラム可能であることができる。遠隔制御デバイス12は、また、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる時にユーザに警告するユーザ報知を含むことができる。ユーザ報知は、ディスプレイ17上での、または、LEDまたは他の光源(図示せず)を使用した視覚的報知、スピーカ15を使用した音声報知、あるいは、振動デバイス14を使用した触知可能な報知または感覚的報知などの異なる形態で行われることができる。
【0015】
やはり図1を参照すると、遠隔制御式装置18は、所定の閾値に相当するレンジ21内にある。図2では、遠隔制御式装置18は、レンジ21外であるが、依然として送受信機9および20の通信レンジ23内にある。図3では、遠隔制御式装置18は、通信レンジ23外にあるものとして示される。プロセッサ16は、遠隔制御式装置18を遠隔制御デバイス12の方に向きを変えるか、遠隔制御式装置18を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置18がミアンダリングするようにさせるための制御信号を送信するようにプログラムされることができる。別の態様では、遠隔制御式装置内のワイヤレス送受信機20はまた、信号品質レベルを測定することができ、また、遠隔制御式装置18において測定される信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がると、遠隔制御デバイス12に警告信号を送信することができる。
【0016】
本発明の別の態様では、システム10は、遠隔制御デバイス12内の第1ワイヤレス送受信機9と、遠隔制御式装置18内の第2ワイヤレス送受信機20と、遠隔制御式装置18の第2ワイヤレス送受信機に結合したプロセッサ24とを含むことができる。プロセッサ24は、第1ワイヤレス送受信機9によって送信される信号の信号品質レベルを測定し、信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置18の向きを変えるようにプログラムされることができる。注記、遠隔制御式装置18は、この事例では、適切な信号品質が測定されるまで、自立モードで自身の向きを変え、動作することができる。注記、遠隔制御式装置18によって使用されるか、または、遠隔制御デバイス12によって使用される閾値は、通常、同じであることができるが、必ずしも同じである必要はない。
【0017】
第1ワイヤレス送受信機9に結合したプロセッサ16または第2ワイヤレス送受信機20に結合したプロセッサ24は、たとえば、受信される信号強度インジケータ測定値またはビットエラーレートの形態で信号品質を測定するようにプログラムされることができる。遠隔制御式装置18内のプロセッサ24または遠隔制御デバイス12内のプロセッサ16は、さらに、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変えるか、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせるようにプログラムされることができる。
【0018】
より特定の実施形態では、無線制御式玩具は、玩具の移動を制御するために、IEEE標準802.15.4の2方向短距離無線を使用することができる。RSSI(受信信号強度インジケータ)測定値を使用して、玩具が距離閾値(ユーザの制御範囲外の近く)に達する時を検出することができる。玩具と制御デバイスの両方に存在するソフトウェアは、プリセットされた(デフォルトの)「制御範囲外(out of range)」設定点を有することができる。ユーザは、また、どんな環境条件が存在してもその環境条件に適合するようにこの設定を変更することができる。
【0019】
上述したシステムは、手動制御モードおよび自動操縦モードなどの2つの動作モードを有することができる。手動モードでは、車両が、レンジの予め決めたパーセンテージ(たとえば、75%)になると、ユーザに報知することができる。このモードを用いて、ユーザは、車両が紛失することを防止するために、手動で、遠隔の車両に対する修正を行うことになる。自動操縦モードでは、ユーザが進路を変更せず、かつ、車両がさらに移動し続けて制御範囲外(たとえば、ここでは、レンジの90%)になる場合、玩具は、紛失または損傷を防止するために、自動的に自立モードに入ることができる。ユーザの好みに応じて、玩具は、(特に、地上または水上ベース車両の場合)停止するか、または、玩具が許容可能なレンジ内になるまで玩具の機首方位を変える(たとえば、180°)ことによって、ユーザのところに玩具を戻すように方向を変えるようにプログラムされることができる、あるいは、玩具は、制御用送受信機のレンジ内に玩具を維持するミアンダリングアルゴリズムを開始することができる。
【0020】
図4を参照すると、遠隔制御式装置を制御する方法50は、遠隔制御式装置と遠隔制御式装置を制御する遠隔制御デバイスとの間で、少なくとも1つの信号の信号品質レベルを測定するステップ52と、信号品質レベルが、所定閾値未満に下がる場合、遠隔制御式装置の移動方向を変えるステップ54とを含むことができる。方法50は、さらに、遠隔制御デバイスの方に遠隔制御式装置の向きを変えるか、遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、信号品質レベルが所定の閾値を越えて留まる限り、遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせるステップ56をさらに含むことができる。
【0021】
より特定の実施形態では、図5に示す方法60は、ステップ61にて、RSSIを測定し、移動窓を通してRSSIを平均するステップを含むことができる。ステップ62にて、平均RSSIが、第1閾値未満に下がる場合、方法は、ステップ61に戻り、そうでなければ、ステップ63にて、遠隔制御式装置が信号強度または受信が弱いレンジに向かっていることを指示する報知を発する。ステップ64にて、平均RSSIが、第2(より低い)閾値未満に下がる場合、ステップ65にて、ユーザ制御がディセーブルされ、「ミアンダリングアルゴリズム」が始動される。ステップ66にて、コントローラによって、ビーコンが送出されることができる。ステップ64にて、平均RSSIが、第2閾値を越えたままである場合、方法は、ステップ61に戻る。
【0022】
より強い信号が存在するレンジに戻ろうと試みて、遠隔制御式装置は、たとえば、ステップ67にて、方向舵を右に約25%だけ回転することによって、1つの方向に回転させられることができる。ステップ68にて、RSSIは、移動窓を通して平均されることができる。ステップ69にて、RSSIが、第2閾値未満に下がったかどうかについての判定が行われる。RSSI測定値が、閾値を超えた(強いRSSIが指示される)場合、ステップ76にて、ユーザ制御がイネーブルされ、ミアンダリングアルゴリズムが停止し、ステップ77にて、連続ビーコンがターンオフされ、方法は、ステップ61に戻る。しかし、RSSI測定値が、第2閾値未満に下がる(弱いRSSIが指示される)場合、ステップ70にて、移動窓を通して新しい平均RSSI(RSSIn+1)が測定され、前の平均RSSI測定値(RSSIn)と比較される。ステップ71にて、新しいRSSI測定値が弱い(または、古い測定値が強い)場合、方法は、ステップ72に進み、最新の平均RSSIが、前の平均RSSI測定値に取って代わる(すなわち、RSSIn=RSSIn+1をセットする)。方法は、次に、ステップ70に戻り、休止後に、RSSI(RSSIn)が、再び、新しく計算されたRSSI(RSSIn+1)と比較される。ステップ70〜77は、新しく計算された各RSSIが、以前のRSSIより小さい(すなわち、RSSIn+1<RSSIn)限り繰り返される。
【0023】
ステップ71にて、新しいRSSI測定値が強い(または、古い測定値が弱い)場合、ステップ73にて、方向舵が維持される。ステップ74にて、もう一度、移動窓を通して別のRSSI測定(RSSIn)が行われることができる。ステップ75にて、RSSI測定値が第2閾値より強い場合、方法は、ステップ76にて、ミアンダリングアルゴリズムを停止し、ステップ77にて、ビーコンをターンオフし、ステップ61に戻る。RSSI測定値が第2閾値より弱い場合、ステップ78にて、平均RSSIが、もう一度、移動窓を通して測定され(RSSIn+1)、ステップ79にて、前の測定値(RSSIn)と比較される。ステップ79にて、強い信号が測定される場合、ステップ80にて、新しい測定値(RSSIn+1)が、「古い測定値」(RSSIn)にセットされることになる。方法は、ステップ75〜80を繰り返し、ついには、RSSIが、第2閾値を越えるまで増加し、その場合、方法は、ステップ75にて、ループを中断し、ステップ76に進むか、または、新しいRSSI測定値(RSSIn+1)が、直前のRSSI測定値(RSSIn)より小さくなり、その場合、方法は、ステップ79にて、ループを中断し、ステップ81に進む。
【0024】
もう一度、より強い信号強度が存在するレンジに戻ろうと試みて、遠隔制御式装置は、ステップ79にて、新しいRSSI測定値(RSSIn+1)が、古いRSSI測定値(RSSIn)より弱い場合、たとえば、ステップ81にて、方向舵を左に約25%だけ回転することによって、別の方向に回転させられることができる。ステップ82にて、RSSIは、移動窓を通して平均されることができ(RSSIn)、休止後もう一度、ステップ83にて、RSSIが、第2閾値未満に下がったかどうかについての判定が行われる。RSSI測定値が、閾値を超えた(強いRSSIが指示される)場合、ステップ76にて、ユーザ制御がイネーブルされ、ミアンダリングアルゴリズムが停止し、ステップ77にて、連続ビーコンがターンオフされ、方法は、ステップ61に戻る。
【0025】
ステップ83にて、RSSI測定値が、第2閾値未満に下がる(弱いRSSIが指示される)場合、ステップ84にて、移動窓を通して新しい平均RSSI(RSSIn+1)が測定され、ステップ85にて、前の平均RSSI測定値(RSSIn)と比較される。ステップ85にて、新しいRSSI測定値が弱い場合、方法は、ステップ86に進み、再び、最新の平均RSSIが、前の平均RSSI測定値に取って代わる(すなわち、RSSIn=RSSIn+1をセットする)。方法は、次に、ステップ83に戻り、休止後に、RSSI(RSSIn)が、第2閾値と比較される。平均RSSIが、この時点で、依然として第2閾値より小さい場合、ステップ84にて、新しい平均RSSIが、再び計算され、ステップ85にて、新しく計算されたRSSI(RSSIn+1)が、以前の平均RSSI(RSSIn)と比較される。
【0026】
ステップ83〜86は、ステップ83にて、RSSIが第2閾値を超えて増加するとき、または、ステップ85にて、新しく計算された平均RSSI(RSSIn+1)が、以前のRSSI(RSSIn)を超えるときに、ループが中断されるまで繰り返される。ステップ83にて、平均RSSIが第2閾値を超える場合、ステップ76にて、以前に述べたユーザ制御がイネーブルされ、ミアンダリングアルゴリズムが停止し、ステップ77にて、連続ビーコンがターンオフされ、方法は、ステップ61に戻る。
【0027】
ステップ85にて、新しく計算された平均RSSI(RSSIn+1)が、以前のRSSI(RSSIn)より大きい場合、方法は、ステップ87に進み、方向舵の位置は維持され、ステップ88にて、RSSIの新しい平均が、移動窓を通して計算される。ステップ89にて、休止後、方法は、新しい平均RSSIが、第2閾値より大きいかどうかを確認する。大きい場合、ステップ76にて、ユーザ制御がイネーブルされ、ミアンダリングアルゴリズムが停止し、ステップ77にて、連続ビーコンがターンオフされ、方法は、ステップ61に戻る。そうでなく、ステップ89にて、平均RSSI測定値が、第2閾値より小さい場合、ステップ90にて、新しい平均RSSIが計算され、ステップ91にて、前の平均RSSI(RSSIn)と比較される。前の平均RSSI(RSSIn)が、新しい平均より大きい場合、方法は、ステップ92に進み、最新の平均RSSIが、前の平均RSSI測定値に取って代わる(すなわち、RSSIn=RSSIn+1をセットする)。方法は、次に、ステップ89に戻る。
【0028】
ステップ89〜92は、ステップ89にて、最新の平均RSSIが第2閾値を越えなければ、または、ステップ91にて、最新の平均RSSI(RSSIn+1)が前の平均RSSI(RSSIn)より弱くなければ、繰り返される。ステップ89にて、最新の平均RSSIが第2閾値を越える場合、方法は、ステップ76に戻り、方法は、既に述べたように、ステップ77からステップ61に進む。ステップ91にて、つい最近計算された平均RSSI測定値(RSSIn+1)が、前の平均RSSI測定値(RSSIn)より弱い場合、方法は、ステップ67に戻る。ステップ67から、方法は、既に述べた方法で繰り返す。
【0029】
注記、玩具R/C車両が、そのレンジの端に近づいていることをユーザが知る手段が存在しない。通常、玩具は、レンジを越えると動作を停止する。本明細書の実施形態は、RSSI測定値などの信号品質測定値および2方向通信を使用して、レンジを測定し、任意選択で、ユーザに報知し、玩具が制御レンジを超えるのを防止するための処置をとるか、または、車両にその機首方位を変えさせ、ユーザのところに戻す。
【0030】
先の説明に照らして、本発明による実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアとソフトウェアの組合せで実現することができることが認識されるべきである。本発明によるシステムは、1つのコンピュータシステムまたはプロセサにおいて集中方式で、または、異なる要素がいくつかの相互接続されたコンピュータシステムまたはプロセッサ(マイクロプロセッサおよびDSPなど)にわたって展開する分散方式で実現することができる。任意の種類のコンピュータシステムまたは本明細書に述べる機能を実施するようになっている他の装置が適する。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組合せは、コンピュータプログラムを有する汎用コンピュータシステムであることができ、コンピュータプログラムは、ロードされ、実行されると、コンピュータシステムが本明細書に述べる機能を実施するようにコンピュータシステムを制御する。
【0031】
先の説明に照らして、本発明による実施形態は、特許請求項の範囲および精神内にあると考えられる多数の構成で実現されることができることも認識されるべきである。さらに、上記説明は、例を挙げることだけを意図され、添付特許請求の範囲に記載される以外は、いずれの点でも本発明を制限することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態による信号品質を監視する遠隔制御式システムの図。
【図2】本発明の実施形態による、遠隔制御式装置が信号強度閾値を超えた状態の、図1の遠隔制御式システムの図。
【図3】本発明の実施形態による、遠隔制御式装置が到達範囲のレンジを超えた状態の、図1の遠隔制御式システムの図。
【図4】本発明の実施形態による、遠隔制御式装置を制御する方法を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態による、遠隔制御式装置を制御する別の方法を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤレス送受信機を有する遠隔制御式装置を制御する、遠隔制御デバイスの第2のワイヤレス送受信機と、
同遠隔制御デバイスの第2のワイヤレス送受信機に結合して、前記遠隔制御式装置の第1のワイヤレス送受信機によって送信される信号の信号品質レベルを測定し、同信号品質レベルが、所定の閾値未満に下がる時にユーザに報知するようにプログラムされているプロセッサと、を備える遠隔制御デバイス。
【請求項2】
前記遠隔制御デバイス内および遠隔制御式装置内のワイヤレス送受信機が、IEEE802.15.4標準を使用する請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項3】
前記所定の閾値がプログラム可能な設定である請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項4】
前記信号品質レベルが、前記所定の閾値未満に下がる場合、前記遠隔制御式装置の向きを変えるための制御信号を送信するようにさらにプログラムされる請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、遠隔制御デバイスの方に 前記遠隔制御式装置の向きを変えるか、前記遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、前記信号品質レベルが、前記所定の閾値を越えて留まる限り、前記遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせる制御信号を送信するようにさらにプログラムされる請求項4に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項6】
前記遠隔制御式装置内の第1のワイヤレス送受信機がまた、信号品質レベルを測定し、前記遠隔制御式装置において測定される信号品質レベルが所定の閾値未満に下がると、遠隔制御デバイスに警告信号を送信する請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項7】
2方向無線機、携帯電話、コードレス家庭用電話、ワイヤレス機能付きコンピュータ、無線制御式玩具コントローラ、またはスマートフォンを備える請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項8】
遠隔制御式の自動車、ボート、飛行機、またはロボットを備える請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
【請求項9】
遠隔制御式装置を制御する方法であって、
前記遠隔制御式装置と前記遠隔制御式装置を制御する遠隔制御デバイスとの間で、少なくとも1つの信号の信号品質レベルを測定するステップと、
前記信号品質レベルが、所定閾値未満に下がる場合、前記遠隔制御式装置の移動方向を変えるステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記遠隔制御デバイスの方に前記遠隔制御式装置の向きを変えるか、前記遠隔制御式装置を安全に停止させるか、または、前記信号品質レベルが、前記所定の閾値を越えて留まる限り、前記遠隔制御式装置がミアンダリングするようにさせるステップをさらに含む請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−504314(P2009−504314A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526934(P2008−526934)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/027153
【国際公開番号】WO2007/021411
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】