説明

適応変調方式に適したベースバンド復調アーキテクチャ

【課題】CDMA方式の無線通信規格において、パケットサイズや変調方式等を示す制御チャネルがデータチャネルと同区間にコード多重されているため、基地局は制御チャネルを復調するまでパケット情報が分からずデータを復調できない。一方で再送制御のため1サブフレーム後までに復調結果を判定し、下りチャネルで結果を送信しなくてはならない。再送制御のために10サブフレーム間以上データを保持するメモリ容量が大きくなる点も問題。
【解決手段】制御チャネルが復調されるまで受信信号をメモリに保持し、パケット情報が分かってから一気にデータを復調する。または制御チャネルの復調と並行してデータの復調も途中まで行い、その結果をメモリに保持しパケット情報が分かってから途中結果の取捨選択及び追加処理を行い最終出力を得る。メモリ容量の課題については再送区間の復調前データを再送途中で段階的に破棄し復調後の累積加算結果を主に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話や無線LAN等の無線通信システムにおける、基地局ベースバンドモデム部の構成に関する。特にCDMA(Code Division Multiple Access)方式およびH−ARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)制御を採用している無線通信システムの無線通信装置に適する。
【背景技術】
【0002】
近年携帯電話等の無線通信システムでは、音声や文字メール等の比較的ビット数の少ない情報から、写真や動画ファイルが添付されたメール、ひいてはTV電話の動画データ等ビット数の多い情報まで、多種多様な情報の伝送を求められている。この多様さに対応するため、システムには送信したいデータの量(ビット数)にあわせて複数のビットレートやパケットサイズが用意されており、それらを適切に組み合わせることで伝送効率を高めている。例えば標準化団体3GPP2が定める無線通信規格cdma2000 1xEV−DO(Rev.A)の上りチャネルにおいては、19.2kbps〜1843.2kbpsまでの広い範囲で、12種のパケットサイズが用意されている。また変調方式もBPSK、QPSK、8PSKとWalsh符号を用いた拡散変調とを組合せて、全部で5種類の変調方式をパケットサイズに応じて使い分ける。パケットサイズと変調方式、及び復調に必要な成分の組合せを図2の表に示す。表からもわかるようにWとWの2種類のWalsh符号があり、パケットサイズが4096ビット以下の場合にはいずれか一方を、パケットサイズが6144ビット以上の場合には両方とも使用する。
【0003】
上記1xEV−DO規格における上りチャネルのフォーマットを図1により説明する。端末から送信される上りチャネルのパケットには、ユーザデータ信号の送信に用いられるデータチャネル101の他に、Pilotチャネル102やRRI(Reverse Rate Indicator)チャネル103等の制御チャネルが同区間にCDMA(Code Division Multiple Access)多重されている。Pilotチャネル102は同期保持や伝播路推定に用いられ、RRIチャネル103は端末が送信するデータチャネルのパケットサイズを基地局に通知するRRI信号を送信するために用いられる。1サブフレーム104は6.66ミリ秒で、パケットはサブフレーム単位で送信される。またH−ARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:自動再送)制御により、端末と基地局はデータチャネルによる上りパケット送信後にAck/Nackをやりとりし、基地局でデータチャネルのパケットが受信できなかった場合(下りチャネルでNack105が送信されてきた場合)、端末は同じデータを最大3回まで再送する。基地局では再送区間中ずっとデータを保持し、前回の復調結果に再送されたデータを累積加算し、再復号する。但し、1パケットは2サブフレームおきにしか送信できないため、3回再送した場合の基地局におけるデータ保持区間は10サブフレーム=66.6ミリ秒分以上と非常に長くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)上記1xEV−DO規格において、上りチャネルのパケットサイズや変調方式を通知するRRIチャネルはデータチャネルにコード多重されて送られてくるため、基地局はRRIチャネルを復調するまでそのパケットのパケットサイズや変調方式を知ることができない。すなわちRRIチャネルの復調が終わるまでデータチャネルを復調することができない。
(2)一方で上記H−ARQ制御のため、1サブフレーム後までにそのデータチャネルの復調結果を判定し、下りチャネルでAck/Nackを送信しなくてはならない。すなわちデータチャネル復調の時間制限が厳しい。
(3)H−ARQ制御に対応するため、10サブフレーム間以上データを保持するために基地局で必要なメモリ容量が大きくなる。
【0005】
かかる問題は1xEV−DO規格のみならず、CDMA方式の無線通信規格であって、H−ARQ再送制御を行う規格、例えば1xEV−DV規格等にも共通の課題である。また上記の例では上りチャネルを受信する場合について説明したが、下りチャネルで同様なRRIや再送制御の問題を抱えるシステムに対しても、同じ考え方を適用することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題(1)に対する本発明の解決方法では、RRIチャネルが復調されるまでの間、復調部の入力データをメモリに保持しておき、RRIチャネルが復調されてパケットサイズや変調方式が判明した時点で、まとめてデータチャネルを復調する。
上記課題(2)に対する本発明の解決方法では、RRIチャネルの復調と並行してデータチャネルの復調も途中まで行い、その結果をメモリに保持し、パケットサイズや変調方式が分かってから途中結果を取捨選択及び追加処理を行って最終出力を得る。
上記課題(3)に対する本発明の解決方法では、再送されている区間の復調前データを再送途中で段階的に破棄し、復調後の累積加算結果を保持することで必要なメモリ容量を削減する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、RRIチャネルを復調するまでデータのパケットサイズや変調方式が分からず、復調できないという課題を解決し、データ処理遅延を制限時間内に押さえてH−ARQ再送制御を可能にしつつも、回路の動作速度やメモリ容量が大きくならないようなベースバンド復調回路を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
まず図3により、無線通信システムに使用される一般的な基地局の大枠の構成について説明する。アンテナ701より受信された受信信号はフロントエンド部702内のアンテナスイッチ(又はデュプレクサ)で送受分離され、フィルタリングを受けた後、無線部703において周波数変換を受けてベースバンド帯域に落とされる。更に信号は無線IF部704においてデジタル信号に変換され、ベースバンド部705の同期ブロックで初期同期捕捉された後、復調ブロック707で復調され、ネットワークIF部705を介してネットワークへ出力される。また、端末へ送信する送信信号はネットワークIF部705からベースバンド部705に入力され、送信ブロック708で誤り訂正符号化等の変調処理を受ける。その後送信信号は無線IF部704においてアナログ信号に変換され、無線部703で所望周波数帯域の周波数の信号となり、フロントエンド部702でフィルタリングされた後、アンテナ701から送信される。本発明はこの中で特に、ベースバンド部復調ブロックの回路構成手法に関するものである。
【0009】
次に図4を用いて、本発明によるベースバンド部構成の第一の実施例を説明する。本実施例では、RFインタフェース部から入力される受信データ301を逆拡散部302で逆拡散後に分岐させ、RRIを復調部303で復調するのと並行して、入力メモリ304に書き込む。データはチャネル毎にメモリ上の異なる領域に書き込まれ、そのデータレートはチップレート(1.2288MHz)相当である。(1サブフレーム+処理遅延α)後にRRI復調部303で行うRRIチャネルの復調が終わり、受信パケットのパケットサイズや変調方式が決定されたら、データ復調部306ではそのパケットサイズや変調方式の設定に基づいて入力メモリ304からデータを読み出し、データ復調部306におけるデータ復調を行う。続いてRepetitionされているシンボルを累積加算部307において累積加算して元のビット数に戻した後、デインタリーブメモリ308に書き込む。その後、デインタリーブメモリ308から読み出す際に規定の順序に従って読み出すことによりデータを並べ替え、デインタリーブ部309でデインタリーブする。デインタリーブはメモリ書き込み時に順番を入れ替えることも、読み出し時に入れ替えることも可能である。最後にターボ復号部310でターボ復号を行い、その結果を上位レイヤへ送出すると同時に、CRC判定部311でのCRC判定の結果を送信ブロックに送出する。送信ブロックではこのCRC判定結果に基づき、下りチャネルで端末に対しAck/Nackを送信する。CRC判定結果は累積加算部307にも通知され、これによって次回以降の再送処理の有無が決まる。
【0010】
入力メモリ304は、アンテナ毎に割り当てられた領域の最後まで書きこんだら次は領域の先頭アドレスに戻って上書きする、いわゆるリングバッファ形式で構成する。そのメモリ容量は、構成によって次の3通りの実施例が考えられる。それぞれの場合の処理順序を図5−7を用いて説明する。いずれも再送が3回発生し、全部で4回同じデータを受信する場合を考える。
【0011】
(a):図5に示すように、入力メモリ(304、401)に最大(10サブフレーム+処理遅延α)区間分の受信データを格納できるだけの容量を準備する。再送が発生した際は、入力メモリ401には1回目の受信データおよび再送された受信データが格納される。2回目(再送分)のRRI復調402終了後、各受信タイミングの受信データを入力メモリ401から読み出して、1回目の受信データのデータ復調処理403及び2回目の受信データのデータ復調処理404を行い、それらを累積加算した後デインタリーブする。3回目、4回目も同様にRRI復調終了後、1回目の受信データの復調処理からやり直す。デインタリーブメモリにはデータを保持せず、再送データの復調処理を行う毎にリセットする。この方法では復調前のデータを入力メモリに蓄積しておくため、RRIの復調結果を誤って再送前と再送後の判定結果が食い違った場合においても1回目のデータから復調しなおすことができ、高い復調精度で課題(1)を解決できる。しかし再送回数が増えるにしたがってデータ復調処理量が増えるため、課題(2)の時間制限を守ることが困難になる。また、課題(3)のメモリ容量も非常に大きくなる。
【0012】
(b):図6に示すように、入力メモリ(304、405)に(1サブフレーム+処理遅延α)区間分の受信データを格納できるだけの容量を準備する。一方でデータ復調処理結果406をデインタリーブメモリ407に保持しておき、再送が発生した際は、2回目の受信データに対して逆拡散及びデータ復調処理408を行い、デインタリーブメモリ407の内容(先のデータ復調処理結果)と累積加算する。デインタリーブメモリの内容は再送が終了するまで(10サブフレーム+処理遅延β)区間分保持しておき、3回目、4回目も同様に、再送分のデータ復調のみを行ってデインタリーブメモリの内容と累積加算する。累積加算してもデインタリーブメモリの1チャネルあたりのワード数は変化しないが、他のパケットが受信処理される区間(409や410)もデータを保持する必要があるため、デインタリーブメモリを他のチャネルと共用することはできず、デインタリーブメモリの容量が増加する。しかし受信データに比べると復調後のデータの方が1サブフレームあたりのデータ量が少ない(変調方式によるが、約1/3〜1/4)ため、入力メモリに長区間分の受信データを蓄積しておく(a)の方式に比べると、全体的にメモリ容量を低減可能である。この方式ではデインタリーブメモリに処理結果を保持して、再送されてきたデータを累積加算していくため、RRI復調を誤った場合、最初から復調をやり直すことはできない。よって(a)に比べて復調精度が悪くなるものの、再送回数が増えてもデータ復調処理量を低く抑えられるため、課題(2)の時間制限の実現は容易になる。また上述のように課題(3)のメモリ容量削減の面でも非常に効果的な方法といえる。
【0013】
(c):図7に示すように、入力メモリ(304、411)に(4サブフレーム+処理遅延α)区間分の受信データを格納できるだけの容量を準備する。再送の1回目が終わるまでは入力データを保持しておくことで、RRI復調結果が1回目と2回目で異なる場合には、1回目の分のデータ復調からやりなおすことが可能になる。RRIは元来データチャネルに比べて送信電力が強く、信号電力対ノイズ電力比が低い領域においても正しく復調できるよう考慮されている。RRI復調結果も累積加算することで復調精度が増すことを考慮すれば、再送の2回目、3回目のRRI誤り率は十分に低いと予想されるため、以降は累積加算結果のみを保持し、入力データは破棄する。この方法は(a)(b)の折衷案であり、課題(1)を高い復調精度で実現しながら、課題(2)(3)に対しても効果的な解決方法を与える。
【0014】
次に図8を用いて、本発明によるベースバンド部構成の第二の実施例を説明する。
本実施例では、RFインタフェース部から入力される受信データ501を分岐させ、逆拡散部502において逆拡散しRRIを復調部(503)で復調するのと並行して、データチャネルで用いられる2通りのWalshコード、Wによる復調処理部504とWによる復調処理部505においてそれぞれ復調処理を行い、結果を遅延メモリ506に格納する。図2の表の右端の列から見て分かるように、WとWの復調結果のI成分とQ成分を用意しておけば、いずれの変調方式に対しても対応可能である。(1サブフレーム+処理遅延α)後にRRI復調部503で行うRRIの復調が終わり、受信パケットのパケットサイズや変調方式が決定されたら、そのパラメータ設定を基に累積加算部507に予め格納されている図2の表を参照し、必要な成分(例えばパケットサイズ2048の場合であれば、WのI成分とQ成分のみ)を遅延メモリ506から読み出し、Repetitionされているシンボルを累積加算507して元のビット数に戻した後、デインタリーブメモリ508に書き込む。その後、デインタリーブメモリ508から読み出す際に規定の順序に従って読み出すことによりデータを並べ替え、デインタリーブ509する。デインタリーブは、メモリ書き込み時に順番を入れ替えることも、読み出し時に入れ替えることも可能である。最後にターボ復号部510でターボ復号を行い、その結果を上位レイヤへ送出すると同時に、CRC判定部511における判定の結果を送信ブロックに送出する。送信ブロックではこのCRC判定結果に基づいて下りチャネルで端末に対しAck/Nackを送信する。CRC判定結果は累積加算部507にも通知され、これによって次回以降の再送処理の有無が決まる。
【0015】
遅延メモリ506は、チャネル毎に割り当てられた領域の最後まで書きこんだら次は領域の先頭アドレスに戻って上書きする、いわゆるリングバッファ形式で構成する。データレートはWalsh復調後のため、第一の実施例の入力メモリのデータレートに比べ、1/2〜1/4程度低くなっている。メモリ容量は全チャネル共通であり、構成によって次の2通りが考えられる。それぞれの場合の処理順序を図9−10を用いて説明する。いずれも再送が3回発生し、全部で4回同じデータを受信する場合を考える。
【0016】
(d):図9に示すように、遅延メモリ601に(10サブフレーム+処理遅延γ)区間分のWalsh復調結果を格納できるだけの容量を準備する。再送が発生した際は、2回目(再送分)のRRI復調602終了後、遅延メモリから1回目の受信データのWalsh復調結果603及び2回目の受信データのWalsh復調結果604のうち必要な成分のみを読み出し、それらを累積加算605した後デインタリーブする。3回目、4回目も同様にRRI復調終了後、1回目の受信データのWalsh復調結果から累積加算をやり直す。デインタリーブメモリにはデータを保持せず、再送データの復調処理を行う毎にリセットする。この方法では、全ての変調方式に対応できるよう、全成分についてWalsh復調処理結果を保持しているため、RRIの復調結果を誤って再送前と再送後の判定結果が食い違った場合においても1回目のデータから復調しなおすことができ、高い復調精度で課題(1)を解決できる。しかし再送回数が増えるにしたがってデータ復調処理量が増えるため、課題(2)の時間制限を守ることが困難になる(但し、RRI復調と並行してWalsh復調を行っているため、第一の実施例と比べてほぼ1サブフレーム分の処理余裕が生ずる)。また、第一の実施例(a)と比べると1/2〜1/4になるものの、課題(3)のメモリ容量も大きくなる。
【0017】
(e):図10に示すように、遅延メモリ606に(1サブフレーム+処理遅延α)区間分のWalsh復調結果を格納できるだけの容量を準備する。1回目の受信データのデータ復調結果607をデインタリーブメモリ608に保持しておき、再送が発生した際は、2回目の受信データのデータ復調処理609を行い、デインタリーブメモリに保持した内容608と累積加算する。デインタリーブメモリの内容は再送が終了するまで(10サブフレーム+処理遅延β)の区間分保持しておき、3回目、4回目も同様に、再送分のデータ復調のみを行ってデインタリーブメモリの内容と累積加算する。累積加算してもデインタリーブメモリの1チャネルあたりのワード数は変化しないが、他チャネルのパケットが受信処理される区間(610や611)もデータを保持する必要があるため、デインタリーブメモリを他のチャネルと共用することはできず、デインタリーブメモリの容量が増加する。しかし再送が発生したチャネルの復調に必要な成分のデータのみを保持するため、(d)の方式に比べると全体的にメモリ容量を低減可能である。この方式ではデインタリーブメモリに処理結果を保持して、再送されてきたデータを累積加算していくため、RRI復調を誤った場合、最初から復調をやり直すことはできない。よって(d)に比べて復調精度が悪くなるものの、再送回数が増えてもデータ復調処理量を低く抑えられるため、課題(2)の時間制限の実現は容易になる。また上述のように課題(3)のメモリ容量削減の面でも非常に効果的な方法といえる。
【0018】
第一の実施例と同様に、(d)(e)の折衷案として遅延メモリにWalsh復調結果を保持する期間を(4サブフレーム+処理遅延α)とする方法(f)も考えられる。
【0019】
また上記の例では上りチャネルを受信する場合について説明したが、下りチャネルで同様に、RRIによる変調方式及びパケットサイズの通知や再送制御を行うシステムにおいても、同じ考え方を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】1xEV−DO(Rev.A)規格で規定された上りチャネルのフォーマット及びH−ARQ再送制御の仕組みを示す図。
【図2】1xEV−DO(Rev.A)規格で規定されたパケットサイズと変調方式、データ復調に必要な成分の対応表。
【図3】無線通信システムに使用される一般的な基地局の構成例を示す図。
【図4】本発明によるベースバンド部復調ブロックの第1の構成例を示す図。
【図5】本発明による第1の実施例(a)の処理順序を示す図。
【図6】本発明による第1の実施例(b)の処理順序を示す図。
【図7】本発明による第1の実施例(c)の処理順序を示す図。
【図8】本発明によるベースバンド部復調ブロックの第2の構成例を示す図。
【図9】本発明による第2の実施例(d)の処理順序を示す図。
【図10】本発明による第2の実施例(e)の処理順序を示す図。
【符号の説明】
【0021】
101…データチャネル、102…パイロットチャネル、103…RRIチャネル、104…サブフレーム区間、105…Nack、301、501…受信データ入力、302、305、502…逆拡散処理部、303、503…RRI復調部、304…入力メモリ、306…データ復調部、307、507…累積加算部、308、508…デインタリーブメモリ、309、509…デインタリーブ処理部、310、510…ターボ復号部、311、511…CRC判定部、401、405、411…入力メモリ保持期間、402、602…RRI処理期間、403、406…1回目のデータ復調処理、404、408…2回目のデータ復調処理、407、608…デインタリーブメモリ保持期間、409、410…他のパケット受信期間、504…Walshコード(W24)復調部、505…Walshコード(W12)復調部、506…遅延メモリ、601、606…遅延メモリ保持期間、603…1回目のWalsh復調結果、604…2回目のWalsh復調結果、605…累積加算、607…1回目のデータ復調結果、609…2回目のデータ復調結果、701…アンテナ、702…フロントエンド部、703…無線部、704…無線IF部、705…ベースバンド部、706…ネットワークIF部、707…復調ブロック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データチャネルと制御チャネルがコード多重されているCDMA通信システムの無線通信装置であって、
上記データチャネル上に送信されるデータ信号および上記制御チャネル上に送信され、上記データ信号と対応付けられる制御信号とを含む受信信号を受信する受信部と、
パケットサイズまたは変調方式を示す制御信号の復調処理を行う制御チャネル復調部と、
上記制御信号の復調処理を行う間、受信信号を蓄積するメモリと、
上記制御チャネルの復調結果に基づいてパケットサイズまたは変調方式が決定された後、上記メモリから受信信号を読み出し、該決定されたパケットサイズ又は変調方式に応じてデータ信号の復調処理を行うデータチャネル復調部とを有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信装置であって、データ送信装置との間で閉ループによるパケット再送制御を行い、
再送が発生する可能性のある期間中の受信信号を全て上記メモリに蓄積し、
あるパケットについて再送が発生した際には、前回送信時の受信信号の復調処理をやり直した上で累積加算することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信装置であって、データ送信装置との間で閉ループによるパケット再送制御を行い、
再送が発生する可能性のある期間中は前回送信時までのデータ復調結果を上記メモリに蓄積し、
あるパケットについて再送が発生した際には、前回送信時までのデータ復調結果に対し、再送時のデータ復調結果を累積加算することを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信装置であって、データ送信装置との間で閉ループによるパケット再送制御を行い、
再送が発生する可能性のある期間中の受信信号を途中まで上記メモリに蓄積し、
あるパケットについて再送が発生した際、再送回数が少ないうちは前回送信時の受信信号の復調処理をやり直した上で累積加算して復調精度を高め、
再送回数が多くなってきたら、前回送信時までのデータ復調結果のみをメモリに蓄積し、前回送信時までのデータ復調結果に対し、再送時のデータ復調結果を累積加算することを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項1記載の無線通信装置であって、複数のデータ送信装置と通信を行い、
上記メモリは、該複数のデータ送信装置からの信号を含む状態で上記受信信号を蓄積し、
上記データチャネル復調部は、上記メモリに蓄積された受信信号から抽出される信号であって、上記制御チャネル復調部で復調された信号の送信元であるデータ送信装置に対応する信号を復調することを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
データチャネルと制御データチャネルがコード多重されているCDMA通信システムの無線通信装置であって、
上記データチャネル上に送信されるデータ信号および上記制御チャネル上に送信され、前記データ信号と対応付けられる制御信号とを含む受信信号を受信する受信部と、
該受信信号を分岐して得られる第1の受信信号に基づいて、対応するデータ信号のパケットサイズを示す制御信号の復調を行い該パケットサイズまたは変調方式の情報を抽出する制御チャネル復調部と、
上記受信信号を分岐して得られる第2の受信信号に基づいて、データ信号の復調処理の一部を並行して行うデータ復調部と、
上記データ信号に対応する制御信号の復調処理が終了するまで上記データ復調部における復調の途中結果を蓄積するメモリとを有し、
上記制御チャネル復調部で抽出されたパケットサイズまたは変調方式の情報に基づいてパケットサイズまたは変調方式が決定された後、該決定されたパケットサイズ又は変調方式に応じて、上記メモリに蓄積された途中結果のうち復調に必要なデータを取捨選択して読み出して復調処理を完了させることを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項6記載の無線通信装置であって、
上記データ復調処理の途中結果には、複数のパケットサイズに対応できる信号成分を含むことを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
請求項6記載の無線通信装置であって、上記データ復調処理の途中結果には、Walsh符号のW2及びW1による復調結果のI成分及びQ成分を含むことを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
請求項6記載の無線通信装置であって、データ送信装置との間で閉ループによるパケット再送制御を行い、再送が発生する可能性のある期間中のデータ復調処理の途中結果を全て上記メモリに蓄積し、あるパケットについて再送が発生した際には、前回送信時のデータ復調処理の続きをやり直した上で累積加算することを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−229635(P2006−229635A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41530(P2005−41530)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】