説明

選択触媒還元のための高シリカチャバザイト、その製造方法および使用方法

0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトを含む細孔結晶材料が開示され、金属含有チャバザイトは、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。排ガス内のNOのSCR法のような開示された結晶材料の使用方法およびこのような材料の製造方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月17日に出願された米国特許第12/641,201号の優先権の利益を主張しており、当該特許は、2007年3月26日に出願された米国仮出願第60/907,206号の国内優先権の利益を主張している2008年3月26日に出願された米国特許第12/055,639号の一部係属出願である(それらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)。
【0002】
本開示は、加熱および水蒸気による処理後にその表面積および細孔容量の特定パーセントを保持できる金属含有高シリカチャバザイトを含む水熱安定性細孔結晶材料に関する。本開示は、また、例えば、排ガスの汚れを減少する際等に、開示された高シリカチャバザイト材料を用いる方法にも関する。このような方法は、窒素酸化物(NO)によって汚れた排ガスの選択触媒還元(SCR)を含む。
【背景技術】
【0003】
細孔結晶材料および触媒としてのそれらの使用ならびにモレキュラーシーブ吸収体は、従来から知られている。細孔結晶材料は、とりわけ、結晶性アルミノケイ酸塩ゼオライト、金属有機ケイ酸塩、およびアルミノホスフェートを含む。材料の1つの触媒的使用は、酸素の存在下におけるアンモニアによるNOのSCRにおいてであり、およびオレフィン反応システムに対する酸素化物のような異なる原料の転化プロセスにおいてである。
【0004】
ZSM−5およびBetaのような金属を含む中位から大きな細孔性ゼオライトは、アンモニアのような還元剤を用いたNOのSCRのために従来から知られている。
【0005】
結晶性と細孔性の両方を有しておりアルミノケイ酸塩ゼオライトとアルミノホスフェートとの両方の特性を示す或る分類のシリコン置換アルミノホスフェートは、従来から知られており、米国特許第4,440,871号公報に開示されている。シリコアルミノホスフェート(SAPOs)は、そこに組み込まれているシリコンを有する3次元の細孔性アルミノホスフェートの結晶骨格を有する合成材料である。骨格構造は、PO+、AlO-、およびSiOの4面体ユニットから成る。無水ベースにおける実験の化学組成は:
mR:(SiAl)O
である[式中、Rは、結晶内の孔システムにおいて存在する少なくとも1つの有機テンプレート剤を表し;mは、(SiAl)Oのモル当たりに存在するRのモルを表しおよび0〜0.3の値を有し;x、y、およびzは、それぞれ、四面体酸化物として存在しているシリコン、アルミニウム、およびホスフェートのモル分率を表す]。
【0006】
米国特許第4,961,917号公報は、とりわけ、ゼオライトを鉄または銅のような促進剤により促進した場合の耐硫黄性を有する所定分類のゼオライト触媒を用いたアンモニアによるNOの還元方法を開示している。そこに開示されているゼオライトは、少なくとも7オングストロームのポア直径を有しており、USY、BetaおよびZSM−20を含む群から選択されている。そこに用いた触媒は、約250℃〜約600℃からの使用の高温条件下において優れた触媒特性を維持する。
【0007】
米国特許第5,451,387号公開は、ZSM−5タイプのゼオライトとして特定されている中位のポア寸法のゼオライトに鉄を導入することによって、400℃よりも低温でのゼオライト触媒の還元作用を、400℃よりも高温での還元能力に悪影響を及ぼさずに改善する方法を開示している。米国特許第6,914,026号公報は、例えば、400℃以上のような高温において硫化物の存在下で、改善された水熱安定性および優れた触媒活性を有する鉄促進アルミノケイ酸塩ゼオライトを開示している。米国特許第6,689,709号公報および米国特許第7,118,722号公報は、NO還元のための安定化された鉄および/または銅促進ゼオライト触媒を開示しており、ゼオライトは、USY、Betaおよび/またはZSM−20を含み、および少なくとも7オングストロームのポア直径を有する。米国特許第6,890,501号公報は、アンモニアによるNOおよびNOのSCRのための鉄を多く含むBetaゼオライトを開示しており、ゼオライトをイオン交換または含浸により製造する。
【0008】
米国特許第5,516,497号公報は、金属促進ゼオライト触媒、および工程において触媒を用いたアンモニアによるNOの触媒還元法を開示している。第1触媒は、わずか約1重量%の鉄および/または銅促進剤により促進され、ならびに第2触媒は、約1重量%よりも多い鉄および/または銅促進剤により促進される。NOの還元またはアンモニアを促進する触媒の選択性は、促進する金属の含有量を制御することによって調整できる。適切なゼオライト材料を利用することにより、約600℃以下の高温ガスストリームを、触媒の寿命または効率に重大な影響を与えずに処理できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
米国特許第6,709,644号公報(この教示は、参照により本明細書に組み込まれる)は、チャバザイトの結晶構造(CHA)を有するゼオライトを開示している。この参照は、小さな結晶寸法(0.5ミクロン以下)に伴う利益、および触媒として含んだ小さな結晶を用いたプロセスを特に記載している。この特許において、または従来技術において、概して、大きな結晶構造のチャバザイト(CHA)を有する金属含有ゼオライトに伴う利益は記載されていない(および出願人により発見されている改善された水熱安定特性を確実に有していない)。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本開示は、概して、大きな結晶寸法を有する金属含有高シリカチャバザイトを含む水熱安定性細孔結晶材料を提供する。
【0011】
1つの実施形態において、0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)(例えば、15〜60、またはたとえ20〜60等)を有する金属含有チャバザイト(例えば、銅チャバザイト等)を含む細孔結晶材料が開示される。1つの実施形態において、金属含有チャバザイトは、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。
【0012】
本開示の他の態様は、排ガス内のNOのSCR法を含む。1つのこのような方法は、排ガスを、アンモニアまたは尿素の存在下において本明細書に記載の金属含有高シリカチャバザイトに接触することを含む。
【0013】
1つの実施形態において、当該方法は、まず、本明細書に記載の金属含有チャバザイトを含む細孔結晶材料を含む物品を準備することを含む。
【0014】
上述された発明の主題から離れて、本開示は、例えば、以下に説明される特徴のような多くの他の例示的な特徴を含む。上述した記載と以下の記載の両方は、単なる例示であることを理解されたい。
【0015】
添付図面は、本明細書に組み込まれており、および本明細書の一部を構成している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、エージングまたは陽イオン交換前における実施例1に記載のSAPO−34材料のSEM像である。
【図2】図2は、エージングまたは陽イオン交換前における実施例2に記載のSAPO−34材料のSEM像である。
【図3】図3は、エージングまたは陽イオン交換前における実施例1に記載のSAPO−34材料のXRDである。
【図4】図4は、エージングまたは陽イオン交換前における実施例2に記載のSAPO−34材料のXRDである。
【図5】図5は、800℃での水熱エージング後における実施例1に記載の銅交換SAPO−34材料のXRDである。
【図6】図6は、800℃での水熱エージング後における実施例2に記載の銅交換SAPO−34材料のXRDである。
【図7】図7は、エージングまたは陽イオン交換前における、比較例2に記載のSAPO−34材料のSEM像である。
【図8】図8は、本発明の実施例3に記載の大きな結晶の高シリカチャバザイトのSEM像である。
【図9】図9は、比較例3に記載の小さな結晶の高シリカチャバザイトのSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「水熱的に安定な(Hydrothermally stable)」は、所定の時間に亘って高い温度および/または湿度条件(室温と比較して)に暴露された後に初期表面積および/または細孔容量の所定パーセントを保持する能力を有することを意味する。例えば、1つの実施形態では、それは、自動車の排ガス内において存在しているそれらをシミュレーションする条件(例えば、10体積パーセント(vol%)以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下、またはたとえ16時間以下である時間に亘って(例えば、1時間〜16時間の範囲である時間に亘って等))に暴露された後にその表面積および細孔容量の少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、またはたとえ少なくとも95%等)を保有することを意味することが意図される。
【0018】
「初期表面積」は、任意のエージング条件に暴露される前の新たに作った結晶材料の表面積を意味する。
【0019】
「初期細孔容量」は、任意のエージング条件に暴露される前の新たに作った結晶材料の細孔容量を意味する。
【0020】
「直接合成」(または任意のその種類)は、ゼオライトを形成した後の金属ドーピングプロセス、例えば、後続のイオン交換または含浸法等を必要としない方法のことを言う。
【0021】
「Defined by the Structure Commission of the International Zeolite Association」は、限定されるものではないが、“Atlas of Zeolite Framework Types”ed. Baerlocher et al., Sixth Revised Edition(Elsevier 2007)に記載されている構造を含んだそれらの構造を意味することが意図される(これは、参照によってその全体が明細書に組み込まれる)。
【0022】
「選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction)」または「SCR」は、酸素の存在下においてNO(典型的には、アンモニアにより)を還元して窒素およびHOを形成することを言う。
【0023】
「排ガス(Exhaust gas)」は、産業プロセスまたは作業においておよび例えば、任意の形態の自動車から等の内燃エンジンによって形成される全ての廃ガスのことを言う。
【0024】
本発明の8員環の孔開口構造を有するモレキュラーシーブまたはゼオライトを含む細孔結晶材料は、高い温度および湿度に暴露された後の表面積および細孔容量の安定性により明白であるように優れた水熱特性を示す。
【0025】
例えば、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下で1時間〜16時間の範囲である時間に亘って処理した後の本発明の細孔結晶材料は、それらの初期表面積の少なくとも80%を維持する。
【0026】
同様に、処理後の本発明の細孔結晶材料は、それらの初期細孔容量の少なくとも80%を維持する。
【0027】
0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きい、例えば、15〜60、またはたとえ20〜60等のシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトを含む細孔結晶材料が開示される。
【0028】
1つの実施形態において、金属含有チャバザイトは、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。
【0029】
1つの実施形態において、チャバザイトの金属部分は、例えば、液相もしくは固体イオン交換等の様々な方法によってチャバザイトに導入できまたは直接合成により組み込ことができる銅または鉄を含む。
【0030】
1つの実施形態において、銅は、材料の全重量の少なくとも1.0重量%、例えば、材料の全重量の1.0重量%〜4.0重量%の範囲等を含む。
【0031】
上述したように、チャバザイトの金属部分は、銅の代わりにまたは銅に加えて鉄を含んでよい。
【0032】
1つの実施形態において、鉄は、材料の全重量の少なくとも0.2重量%、例えば、材料の全重量の0.2重量%〜3.0重量%である量等を含む。
【0033】
1つの実施形態において、本明細書に記載の金属含有チャバザイト材料は、少なくとも650m/gの初期表面積および少なくとも0.25cc/gの初期細孔容量を有する。
【0034】
加えて、金属含有チャバザイトの結晶寸法は、0.5ミクロン〜5.0ミクロンであってよい。
【0035】
1つの実施形態において、本明細書に開示された細孔結晶材料は、少なくとも650m/g(例えば、少なくとも700m/g、またはたとえ800m/g以下等)の初期表面積を有する。
【0036】
加えて、本明細書に開示された細孔結晶材料は、少なくとも0.25cc/g(例えば、0.30cc/g等)の初期細孔容量を有することができる。
【0037】
排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法も開示される。1つの実施形態において、当該方法は、典型的には、アンモニアまたは尿素の存在下において排ガスを本明細書に記載の金属含有チャバザイトに接触することを含む。
【0038】
例えば、当該方法は、排ガスを0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きい(例えば、15〜60、またはたとえ20〜60等)シリカとアルミナの比 (SAR)を有する金属含有チャバザイトに接触させることを含む。
【0039】
上述したように、金属含有チャバザイトは、典型的には、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。
【0040】
別の実施形態において、排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法が開示され、当該方法は:0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトのような本明細書に記載の金属含有チャバザイトを含む細孔結晶材料を含む物品を提供し;およびNOを含む排ガスに物品を接触させることを含む。この工程をアンモニアまたは尿素の存在下で行ってよい。
【0041】
本明細書に記載の物品は、溝付きもしくはハニカム形状本体;充填層;微粒子;または構造片の形態であってよい。充填層は、玉石、小石、ペレット、タブレット、押出成形品、他の粒子、またはそれらの組合せを含む。
【0042】
本明細書に記載の構造片は、プレートまたはチューブの形態であってよい。
【0043】
1つの実施形態において、チャバザイトモレキュラーシーブを含む混合物を押出しすることにより、溝付きまたはハニカム形状本体もしくは構造片を形成する。
【0044】
別の実施形態において、チャバザイトモレキュラーシーブを含む混合物を予め成形されている基板に被覆または堆積することにより、溝付きもしくはハニカム形状本体または構造片を形成する。
【0045】
別の実施形態において、本発明の細孔結晶材料は、SAPO−34の高シリカチャバザイトを含むモレキュラーシーブまたはゼオライト、もしくはCHAとしてStructure Commission of the International Zeolite Associationにより規定されている構造を有するそれらを含む。本明細書に記載のSAPO−34構造は、1%〜20%の範囲である量のSiOを含んでよく、0.3ミクロンよりも大きい結晶寸法を有してよい。別の実施形態において、本発明の高シリカチャバザイトは、例えば、15〜60の範囲である、15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有してよい。
【0046】
本明細書に記載の細孔結晶材料は、また、AEI、AFT、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、PAU、RHO、およびUFIから選択されるStructure Commission of the International Zeolite Associationにより規定されている8員環の孔開口構造を有するモレキュラーシーブおよびアルミノケイ酸塩ゼオライトを含んでよい。これらの材料は、例えば、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間〜16時間の範囲である時間に亘って処理した後にそれらの初期表面積および初期細孔容量の少なくとも80%を保持するような本明細書に記載の水熱安定特性を示す。これらの材料は、例えば、20〜60である、15よりも大きいSARを有するアルミナケイ酸塩であってよい。代替的には、これらの材料は、1%〜20%である量においてSiOを含むSAPOモレキュラーシーブ構造であってよい。
【0047】
本発明の高シリカチャバザイト組成物は、本明細書で特定するような優れた水熱および熱特性を示す。例えば、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で16時間に亘って処理した後における本発明の組成物は、それらの初期表面積の少なくとも80%(例えば 少なくとも85%、少なくとも90%、またはたとえ少なくとも95%等)を維持する。同様に、処理後の本発明の組成物は、それらの初期細孔容量の少なくとも80%(例えば、それらの初期細孔容量の85%、およびたとえ90%等)を維持する。
【0048】
本発明の細孔結晶材料は、銅のような金属を含んでよい。1つの実施形態において、細孔結晶材料に銅を、液相または固体イオン交換によって導入するまたは直接合成によって組み込む。
【0049】
本発明は、尿素またはアンモニアによるNOのSCRのための8員環の孔開口構造を有するモレキュラーシーブまたはゼオライトを含む水熱安定性細孔材料にも関し、細孔性材料は、銅を含み、および10%以下の水の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。銅は、材料の全重量の少なくとも1.0重量%を含んでよい。
【0050】
鉄イオン交換から得られたSAPO−34組成物において、鉄酸化物は、組成物の全重量の少なくとも0.20重量%(例えば、0.25重量%、またはたとえ0.30重量%等)を含む。得られた鉄イオン交換SAPO−34組成物は、少なくとも250m/g(例えば、少なくとも400m/g、およびたとえ少なくとも600m/g等)の表面積を有する。
【0051】
銅イオン交換から得られたSAPO−34組成物において、銅酸化物は、組成物の全重量の少なくとも1.90重量%(例えば、1.95重量%、およびたとえ2.00重量%等)を含む。得られた銅イオン交換SAPO−34組成物は、少なくとも550m/g(例えば、少なくとも600m/g、およびたとえ少なくとも650m/g等)の表面積を有する。
【0052】
得られた陽イオン交換SAPO−34組成物は、また、高い温度および湿度に暴露された後の表面積の安定性により明白であるように優れた水熱および熱特性を示す。例えば、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って処理した後における本発明の鉄イオン交換SAPO−34組成物は、それらの初期表面積の少なくとも20%(例えば、少なくとも40%、およびたとえ少なくとも60%等)を維持する
【0053】
本発明の細孔結晶材料は、それらの優れた熱および水熱安定性にある程度起因して、例えば、自動車の排ガスにおけるNOの還元のため等の排ガスの触媒として有益である。極端な条件下において、自動車の排ガスの触媒は、熱に暴露されて900℃を越える。従って、自動車の排ガスの触媒によっては、900℃以下およびそれを上回る温度において安定であることが要求されることがある。
【0054】
本発明は、また、典型的には、排ガスの排出前における還元方法に関する。上述したように、「排ガス(exhaust gas)」への言及は、産業プロセスまたは作業においておよび内燃エンジンによって形成される全ての廃ガス(この組成物は変更する)のことを言う。開示された材料により処理できる排ガスの種類の例は、限定されるものではなく、自動車の排ガスと、例えば、発電所、固定ディーゼルエンジン、および石炭燃焼工場等のような固定源からの排ガスとの両方を含む。
【0055】
例えば、本発明は、NOにより汚れた排ガスのSCR法に関する。排ガスの窒素酸化物は、一般的にNOおよびNOである;しかしながら、本発明は、NOとして特定された分類の窒素酸化物の還元に関する。排ガスにおける窒素酸化物を、アンモニアにより還元して窒素と水を形成する。上述したように、還元は、酸素によるアンモニアの酸化についてのNO還元を優先的に促進する(従って、「選択触媒還元」)ように触媒できる。
【0056】
排ガス内のNOのSCRのための本発明の方法は、アンモニアまたは尿素の存在下において排ガスを、8員環の孔開口構造を有するモレキュラーシーブまたはゼオライトを含む水熱安定性細孔結晶材料に接触させることを含み、結晶材料は、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間〜16時間の範囲である時間に亘って暴露された後にその表面積と細孔容量の少なくとも80%を保持する。1つの実施形態において、細孔結晶材料を含む8員環の孔開口構造を有するモレキュラーシーブおよびゼオライトを、AEI、AFT、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、PAU、RHO、およびUFIとしてStructure Commission of the International Zeolite Associationにより規定されているそれらの構造から選択してよい。
【0057】
排ガス内のNOのSCRの1つの本発明の方法は、また、アンモニアまたは尿素の存在下において排ガスを、モレキュラーシーブまたはゼオライト(例えば、8員環の孔開口構造を有する高シリカチャバザイトまたは他の材料等)を含む水熱安定性細孔結晶材料に接触させることを含んでおり、細孔材料は、金属を含み、および10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で1時間以下に亘って暴露された後にその表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する。
【0058】
1つの実施形態において、排ガスのSCRのための本発明の方法は、(1)アンモニアまたは尿素を排ガスに添加してガス混合物を形成し;および(2)ガス混合物を、SAPO−34を含む細孔性結晶組成物に接触させて、少なくとも650m/gの初期表面積を有することを含んでよく、10体積%以下の水蒸気の存在下において700℃〜900℃で1時間〜16時間である時間に亘って処理した後の表面積は、初期表面積の少なくとも80%であり;NOとアンモニアのガス混合物を窒素と水に転化する。1つの実施形態において、排ガスのNOを実質的に転化する。
【0059】
鉄により陽イオン交換されているSAPO−34を含む細孔性結晶組成物を用いて、本発明の方法を行ってよく、鉄酸化物は、細孔結晶組成物の全重量の少なくとも0.20重量%であり、およびSAPO−34は、少なくとも250m/gの初期表面積を有し、および10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下で1時間以下に亘って処理した後の表面積は、初期表面積の少なくとも10%である。同様に、銅により陽イオン交換されているSAPO−34を含む細孔結晶組成物を用いて、本発明の方法を行ってよく、銅酸化物は、細孔性結晶組成物の全重量の少なくとも1.0重量%であり、およびSAPO−34は、少なくとも500m/gの初期表面積を有し、および10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下で1時間以下に亘って処理した後の表面積は、初期表面積の少なくとも80%である。
【0060】
このような方法が、NOおよびアンモニアのガス混合物の、窒素および水への実質的な転化をもたらすということを見出した。本発明の細孔結晶材料は、多孔性ゼオライトについて驚くべき高い安定性およびNOの高い還元作用を示す。
【0061】
SAPO−34を含む本発明の細孔結晶材料は、反応器システムにおける酸素化物含有原料の1つ以上のオレフィンへの転化にも有益であり得る。とりわけ、組成物は、メタノールをオレフィンに転化するのに用いることができる。
【0062】
本発明に係る結晶材料の製造方法も開示される。1つの実施形態において、これは、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド溶液(例えば、35%TEAOH等)のような有機構造規定剤、アルミニウム前駆体(例えば、擬ベーマイトアルミナ(pseudoboehmite alumina)等)、および脱イオン水を一体に混合することを含む。このような混合物に、必要に応じて鉄または銅の源を含む他の既知の含有物と、シリカゾルとを攪拌しながら添加してゲルを形成できる。特定のゼオライトのような種結晶を、ゲルに添加して所望の分子組成を形成できる。
【0063】
次いで、ゲルを所定時間および温度に亘って加圧減菌器内で加熱し、生成物を冷却、洗浄、およびろ過した後に実質的に純粋な相組成をもたらすことができる。当業者に理解されるように、生成物は、所望のSARを達成でき、および/またはか焼(calcination)する際に有機残留物を除去できる。
【0064】
本発明は、本明細書に記載の細孔結晶材料を含む触媒組成物にも関する。触媒組成物は、また、とりわけ鉄または銅により陽イオン交換できる。
【0065】
1つの実施形態において、本発明は、初期表面積の少なくとも650m/gを有するSAPO−34を含む細孔結晶組成物を含む触媒組成物に関し、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度で16時間以下に亘って処理した後の表面積は、初期表面積およびマトリックス材料の少なくとも80%である。本発明の別の態様において、触媒組成物は、とりわけ鉄または銅を有する陽イオン交換されたSAPO−34組成物を含んでよい。
【0066】
限定されるものではないが:溝付きまたはハニカム状本体;玉石、小石、ペレット、タブレット、押出成形物または他の粒子の充填層;微粒子;およびプレートまたはチューブ等の構造片を含む任意の適切な物理的形態の触媒を利用してよい。
【0067】
本発明は、限定されるものではないが、本発明の単なる例として意図される以下の実施例によって更に明らかにされる。
【実施例】
【0068】
実施例1(SAPO−34 中位の均一な結晶)
擬ベーマイトアルミナ(Pseudoboehmite alumia)、リン酸、シリカゾル(Ludox LS30)、TEAOH溶液、および脱イオン水を、一体に混合してゲルを形成した。ゲルを、加圧減菌器に詰める前に室温で約30分に亘って攪拌した。加圧減菌器を、150℃まで加熱して60時間に亘ってその温度で維持した。冷却後、生成物を、ろ過によって回収して脱イオン水により洗浄した。次いで、全ての有機残留物を除去するように、生成物を乾燥およびか焼(calcine)した。得られた生成物は、中位の均一な結晶であった。得られた特性を以下の表1に示す。
【0069】
実施例2(SAPO−34 大きくかつ均一な結晶)
擬ベーマイトアルミナ、リン酸、シリカゾル(Nyacol 2040NH4)、TEAOH溶液、および脱イオン水を、一体に混合してゲルを形成した。ゲルを、加圧減菌器に詰める前に室温で約30分間攪拌した。加圧減菌器を、180℃まで加熱してその温度で12時間に亘って維持した。冷却後、生成物を、ろ過により回収して脱イオン水により洗浄した。次いで、有機物を除去するように、生成物を乾燥およびか焼した。得られた生成物は、大きくかつ均一な結晶であった。得られた特性を以下の表1に示す。
【0070】
実施例3(高シリカチャバザイト)
高シリカチャバザイト(構造コードCHA)を、米国特許第4,544,538号公報の例に従って合成した(当該特許は、参照によって本明細書に組み込まれる)。とりわけ、NaOH、脱イオン水、N−N−N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム水素化物(R)溶液、およびアルミニウム水素化物(Rehesis F−2000)を、一体に混合して溶液を形成した。シリカゲル(PQ Corporation)を溶液に添加して、以下の分子組成を有する合成ゲルを形成した:
38SiO:1.0Al:3.9NaO:8.0R:1634H
合成ゲルを加圧減菌器に詰め込み、および160℃で96時間に亘って攪拌することにより結晶化を行った。ろ過、洗浄、および乾燥後の生成物は、XRDにより純粋なチャバザイト構造を示した。生成物を、550℃で10時間に亘ってか焼して残留有機物を除去した。残留ナトリウムを除去するように、か焼した生成物を、2リットルの2MのNHNO内でスラリーにして80℃で2時間に亘り攪拌した。次いで、NH形態の生成物を、Cu(NO溶液によりイオン交換した。
【0071】
得られた特性を以下の表1に示す。
【0072】
加えて、図8は、この実施例に伴う大きな結晶寸法を示すSEM像である。
【0073】
実施例4(SAPO−18)
SAPO-18(構造コードAEI)を、J.ChenらによるCatal.Lett.28(1994)241に要約されている方法に従って合成した(これは、参照により本明細書に組み込まれる)。擬ベーマイトアルミナ、リン酸、シリカゾル、N−N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、および脱イオン水を、混合してゲルを形成した。ゲルを、加圧減菌器に詰める前に室温で120分間に亘って攪拌した。加圧減菌器を、190℃まで加熱してこの温度で48時間に亘って維持した。冷却後の生成物を、ろ過によって回収して脱イオン水により洗浄した。次いで、有機物を除去するように、生成物を、乾燥して550℃でか焼した。得られた特性を以下の表1に示す。
【0074】
比較例1(低シリカチャバザイト)
低シリカチャバザイト(構造コードCHA)を、米国特許第5,026,532号公報の例に従って合成した(当該特許は、参照によって本明細書に組み込まれる)。ろ過、洗浄、および乾燥後の生成物を、550℃でか焼した。次いで、残留ナトリウムおよびカリウムを除去するように、生成物を、0.25MのHNOおよび4MのNHNOを含む溶液で洗浄した。得られた特性を以下の表1に示す。
【0075】
比較例2(SAPO−34 小さくかつ不均一な結晶)
Alイソプロオキシド、リン酸、テトラエチルオルトケイ酸塩、TEAOH溶液、および脱イオン水を、一体に混合して以下の組成を有するゲルを形成した。
0.33SiO:1.0AI:1.0P:1.0TEAOH:51H
【0076】
ゲルを、加圧減菌器に詰める前に室温で約30分間に亘って攪拌した。加圧減菌器を、180℃で加熱してその温度で12時間に亘って維持した。冷却後の生成物を、ろ過により回収して脱イオン水により洗浄した。次いで、全ての有機物を除去するように、生成物を乾燥およびか焼した。得られた生成物は、小さな結晶(寸法が0.2ミクロンより小さい)であった。得られた特性を以下の表1に示す。
【表1】



【0077】
水熱エージング試験
上述した試料を、自動車の排ガスのエージング条件をシミュレーションするように、700℃〜900℃の範囲の温度で10体積%の水蒸気の存在下において1時間〜16時間の間に亘って水熱エージングした。還元剤としてNHを用いて水熱エージングしたNO転化用材料の活動(activity)を流水式の反応器により試験した。粉末ゼオライト試料を、35/70メッシュに対して押し付けおよびふるい分けして石英チューブ反応器に詰め込んだ。ガスストリーム条件を表2に示す。反応器温度を上昇させ、および各々の温度間隔におけるNO転化率を、赤外分析器により決定した。結果を以下の表2に示す。
【表2】



【0078】
比較例3:小さな結晶の高シリカチャバザイト
小さな結晶の高シリカチャバザイト材料を含む付加的な比較例を以下のように製造した。
【0079】
NaOH、脱イオン水、N−N−N−トリメチルー1−アダマンタンアンモニア水素化物(R)溶液、およびアルミニウム水素化物を、一体に混合して溶液を形成した。析出したシリカ(PPGのHi−Sil(登録商標)233)を、溶液に添加して以下の分子組成を有する合成ゲルを形成した。
35SiO:1.0AI:2.8NaO:2.5R:420H
【0080】
約1重量%の高シリカチャバザイト(全てのアルミナおよびシリカに基づいて)を種結晶として上述したゲルに添加した。最終合成ゲルを、加圧減菌器に詰め込み、および結晶化を、160℃で48時間に亘って攪拌により行った。ろ過、洗浄、および乾燥後の生成物は、XRDにより純粋なチャバザイト構造を示した。残留有機物を除去するように、生成物を、550℃において10時間に亘ってか焼した。残留ナトリウムを除去するように、か焼した生成物を、2リットルの2MのNHNO内でスラリーにして80℃で2時間に亘って攪拌した。次いで、NH形態の生成物を、Cu(NO溶液によりイオン交換した。
【0081】
図9は、この比較試料に伴う微細構造を示すSEM像である。この比較例の水熱安定特性を、本発明の実施例3および比較例1の特性と比較した。これらの結果の要約を表3に付する。
【表3】



【0082】
別段の指定がない限り、含有物の量および反応条件を表現しており明細書および請求項に用いられている全ての数は、全ての例において用語「約(about)」により修正されるものとして理解される。従って、それに反する指定がない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載されている多くのパラメータは、本発明によって得ようとされる所望の特性に依存して変更できる近似値である。
【0083】
本発明の他の実施形態は、本明細書の検討および本明細書に開示された本発明の実施から当業者にとって明白である。本明細書および実施例は、以下の請求項により示唆されている本発明の真の特許請求の範囲の技術的範囲内において単なる例示として見なされることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトを含み、
前記金属含有チャバザイトが、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度に1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積および細孔容量の少なくとも80%を保持する、細孔結晶材料。
【請求項2】
前記チャバザイトが、15〜60の範囲であるSARを有する、請求項1に記載の細孔結晶材料。
【請求項3】
前記SARが、20〜60の範囲である、請求項2に記載の細孔結晶材料。
【請求項4】
前記金属が、銅または鉄を含む、請求項1に記載の細孔結晶材料。
【請求項5】
前記銅または鉄が、液相もしくは固体イオン交換により導入されているかまたは直接合成により組み込まれている、請求項4に記載の細孔結晶材料。
【請求項6】
前記銅が、前記材料の全重量の少なくとも1.0重量%を含む、請求項4に記載の細孔結晶材料。
【請求項7】
前記銅が、前記材料の全重量の1.0重量%〜4.0重量%の範囲である量を含む、請求項6に記載の細孔結晶材料。
【請求項8】
前記鉄が、前記材料の全重量の少なくとも0.2重量%を含む、請求項4に記載の細孔結晶材料。
【請求項9】
前記鉄が、前記材料の全重量の0.2重量%〜3.0重量%の範囲である量を含む、請求項8に記載の細孔結晶材料。
【請求項10】
前記金属含有チャバザイトの前記初期表面積が、少なくとも650m/gである、請求項1に記載の細孔結晶材料。
【請求項11】
前記金属含有チャバザイトの前記初期細孔容量が、少なくとも0.25cc/gである、請求項1に記載の細孔結晶材料。
【請求項12】
前記金属含有チャバザイトの前記結晶寸法が、0.5ミクロン〜5.0ミクロンの範囲である、請求項1に記載の細孔結晶材料。
【請求項13】
排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法であって、前記方法が:
排ガスを、0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトに接触させることを含み、
前記金属含有チャバザイトが、10体積%以下の水蒸気の存在下において900℃以下の温度に1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積と細孔容量の少なくとも80%を保持する、排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法。
【請求項14】
前記接触させる工程を、アンモニアまたは尿素の存在下で行う、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記チャバザイトが、15〜60の範囲であるSARを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記SARが、20〜60の範囲である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記金属が、銅または鉄を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記銅または鉄を、液相もしくは固体イオン交換により導入されているかまたは直接合成により組み込む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記銅が、前記材料の全重量の少なくとも1.0重量%を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記銅が、前記材料の全重量の1.0重量%〜4.0重量%の範囲である量を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記鉄が、前記材料の全重量の少なくとも0.2重量%を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記鉄が、前記材料の全重量の0.2重量%〜3.0重量%の範囲である量を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記金属含有チャバザイトの前記初期表面積が、少なくとも650m/gである、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記金属含有チャバザイトの前記初期細孔容量が、少なくとも0.25cc/gである、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記金属含有チャバザイトの前記結晶寸法が、0.5ミクロン〜5.0ミクロンの範囲である、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法であって、前記方法が:
0.5ミクロンよりも大きい結晶寸法および15よりも大きいシリカとアルミナの比(SAR)を有する金属含有チャバザイトを含む細孔結晶材料を含む物品を準備し;および
前記物品を、NOを含む排ガスに接触させる、
ことを含み、
前記金属含有チャバザイトが、10体積%水蒸気以下の存在下において900℃以下の温度に1時間以下に亘って暴露された後にその初期表面積と細孔容量の少なくとも80%を保持する、排ガス内のNOの選択触媒還元(SCR)法。
【請求項27】
前記接触させる工程を、アンモニアまたは尿素の存在下で行う、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記チャバザイトが、15〜60の範囲であるSARを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記SARが、20〜60の範囲である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記金属が、銅または鉄を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記銅または鉄を、液相または固体イオン交換により導入もしくは直接合成により組み込む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記銅が、前記材料の全重量の少なくとも1.0重量%を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記銅が、前記材料の全重量の1.0重量%〜4.0重量%の範囲である量を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記鉄が、前記材料の全重量の少なくとも0.2重量%を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記鉄が、前記材料の全重量の0.2重量%〜3.0重量%の範囲である量を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記金属含有チャバザイトの前記初期表面積が、少なくとも650m/gである、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記金属含有チャバザイトの前記初期細孔容量が、少なくとも0.25cc/gである、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記金属含有チャバザイトの前記結晶寸法が、0.5ミクロン〜5.0ミクロンの範囲である、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
前記物品が、溝付き本体またはハニカム形状本体;充填層;微粒子;もしくは構造片の形態である、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記充填層が、玉石、小石、ペレット、タブレット、押出成形物、他の粒子またはそれらの組合せを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記構造片が、プレートまたはチューブの形態である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
溝付き本体またはハニカム形状本体もしくは構造片を、チャバザイトモレキュラーシーブを含む混合物を押し出すことにより形成する、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
チャバザイトモレキュラーシーブを含む混合物を予め成形されている基板上に被覆または堆積することによって、溝付き本体またはハニカム形状本体もしくは構造片を形成する、請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−514257(P2013−514257A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544509(P2012−544509)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/055138
【国際公開番号】WO2011/084218
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(503003957)ピーキュー コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】