配管組立体内のドライフィット接続部を検出および封止するための方法およびシステム
不適切に組立てられた流体密な接続部について配管システムを評価するためのシステムおよび方法。ドライフィット接続部および部分封止接続部のいずれか1つにおいて流体圧力を保持することができない好ましいジョイント組立体が提供される。ジョイント組立体は、漏洩を特定するための連結具を備える。より具体的には、連結具は、外表面と、内表面と、内表面および外表面の一方に沿って配置されたチャネルとを有する略管状壁部分を備える。チャネルは、配管システムの内部と配管システムの外部との間で流体を搬送するための第1の構成と、配管システムの内部と外部との間で流体が搬送されることを防止する第2の構成とを有する。チャネルはさらに好ましくは、最小量のシーラント材が存在するとき、第1の構成から第2の構成に変換することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権データおよび参照による援用
本願は、(i)2007年10月02日出願の米国仮特許出願第60/977,010号明細書;(ii)2007年8月17日出願の米国仮特許出願第60/956,655号明細書;(iii)2007年5月11日出願の米国仮特許出願第60/917,459号明細書;および(iv)2007年1月10日出願の米国仮特許出願第60/884,262号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、これらの各々が、全体として参照により援用される。
【0002】
本発明は、ジョイント組立体にシーラント材を使用することで流体密に封止されたジョイント接続部または組立体を形成する配管システムについて、その完全性を確認し、確保するための方法およびシステムに関する。より具体的には、システムにおけるシーラント材のないジョイント接続部(ドライフィット接続部)、またはシステムにおけるシーラント材の量が不十分なジョイント接続部といった、各々、不適切に封止されたジョイント接続部と定義されるジョイント接続部を検出するための方法およびシステムが提供される。加えて、本明細書における方法およびシステムは、不適切に封止されたジョイント接続部の位置を特定するための手段を提供する。こうしたジョイント組立体を形成するための製品が含まれる;これらの製品は、不適切に封止されたジョイント接続部において検出可能な漏洩経路をさらに形成し、その経路を通じて、ジョイント接続部の内部とジョイント接続部の外部との間で流体が出たり入ったりし得る。
【背景技術】
【0003】
様々な配管接続部および接合部において流体密な封止を維持することが、配管システムの運用および保守において決定的に重要であると考えられる配管システム用途は、多岐にわたる。ある配管システムは、配管要素間のソケット型の接続部に化学溶着を使用してジョイント組立体を形成する。ソケット型接続部では、配管要素間の公差が厳しいことから、界面間に締まり嵌め、すなわち「ドライフィット」が形成される傾向がある。流体密に封止された永久的なジョイント接続部を形成するため、構成要素にシーラント材または溶剤セメントが塗布され、例えば、化学溶着、材料融合、接着または他の相互接続によってそれらの接続部が封止される。シーラント材が全く塗布されなかったか、または少なくとも塗布されたシーラント材の量が十分ではなかったとき、システムのドライフィットジョイント接続部または組立体は漏洩し易くなり得る。しかしながら、管要素の係合面間にドライフィットが形成されていると、ジョイント接続部の不適切な封止が表に現れることなく、組立体は少なくとも一時的に流体圧力を保つ可能性がある。圧力の急上昇、時間の経過、および/または振動によって、こうしたドライフィット接続部または適量のシーラント材のない(部分封止)接続部は破損する可能性があるため、これは問題を引き起こし得る。
【0004】
不適切に封止されたジョイント接続部または組立体からの漏洩は、少量であっても周囲の物品または環境に被害を引き起こし得る。例えば、防火システム、より具体的には住宅用防火システムでは、ジョイント組立体は、例えば管連結ソケットに挿入される管端などの、各々が後塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)などのプラスチック製である配管要素間のソケット型接続部を化学溶着することによって形成される。かかるシステムにおけるドライフィット/部分封止接続部が不適切に封止され、それが検出されないまま稼動された場合に、そのドライフィット/部分封止接続部が破損すれば、物的被害、および特に個人の財産に被害が生じる結果となり得る。
【0005】
実際問題として、防火配管の請負業者または敷設業者は、最初に管要素を組立ててドライフィット/部分封止を調べ、接続部を分解し、管の外表面およびソケットの内表面に関してシーラントを塗布し、要素を再び接合したうえ、シーラントをそのまま硬化させる。1,000平方フィートの住宅用途では、75〜100ヶ所のソケット型接続部が存在し、各々にシーラント材の塗布が必要とされ得る。多数の継手の存在、および/または人為的エラーに起因して、なかにはシーラントが全く付与されないか、または少なくとも付与されるシーラントの量が十分ではない接続部もある。従って、システムの稼動前に、配管システムに対して静止流体試験または漏洩試験を実施することが望ましい。システムが流体圧力を保持する場合、システムが稼動され、その住宅の建設は完了する。しかしながら、上述のとおり、シーラント材がない、またはシーラントの量が十分でないときでも、配管要素間のドライフィット/部分封止によって漏洩試験において誤った合格結果が示され得るため、そのジョイント接続部は試験に合格する可能性がある。
【0006】
さらに、管ジョイント接続部の空気圧または静液圧試験は、敷設業者または他の請負作業員に危険を及ぼし得る。ある場合には、ドライフィット接続部は、液体または気体を保持することが可能なドライフィットを形成することがあり、結果として配管システムのジョイント周辺のセグメント内部に圧力の上昇が生じ得る。空気圧または静液圧試験の間に、ドライフィットジョイント接続部は最終的に閾値圧力に達し、破損し得る。内圧およびそのポテンシャルエネルギーが突然解放されれば、例えば端部キャップまたは他の管セグメントを管端から吹き飛ばすのに十分であり得、ひいては継手が発射体となり、物的被害および/または人身傷害を引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、不適切な封止を指示することが可能なジョイント接続部または組立体を組み込む配管システムを、組立て、構築し、および試験するための方法およびシステムを提供する。好ましくは、ジョイント組立体は、流動性のシーラント材を用いてジョイント組立体を封止するソケット型の継手を採用する配管システム用に構成される。特に、好ましいジョイント組立体は、ジョイント組立体が不適切に封止されている場合に流体圧力を保持することができない。特に、好ましいジョイント組立体は、ドライフィット接続または部分封止の場合に流体圧力を保持することができない。より具体的には、ジョイント組立体は好ましい連結具、すなわち、配管セグメントを接合するための管継手、管端継手または改変された管表面を含み、これは、不適切に封止されたジョイント接続部において管セグメント表面と協働して漏洩経路を形成するチャネルを含む。このチャネルを通じて流体が漏出するため、配管システムの敷設業者、請負業者、所有者または運用者(まとめて「運用作業員」)は、不適切な封止、特に、ジョイント組立体に適切な封止を形成するシーラント材がないことを特定できる。従って、本明細書には、配管組立体においてドライフィット接続部を検出および封止するための方法およびシステムが記載される。さらに、本発明者らの連結具は、シーラント材が全くないか、または適正量でないドライフィットジョイント接続部の周囲における流体圧力の上昇を防止する。ドライフィット接続部の流体圧力を保持する能力を排除することによって、この接続部はポテンシャルエネルギーを蓄えることができず、ひいてはドライフィットまたは部分封止接続部によって周囲環境および作業員に危害が及ぶ可能性が排除される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
好ましい一実施形態において、管組立体における漏洩を検出するための方法が提供される。この方法は、漏洩経路を画定するチャネルを有する少なくとも1つの継手を提供することと、組立体を空気圧により試験することと、次に、組立体を液圧により試験することとを含む。複数の連結具を有する防火配管システムの完全性を点検するための方法を提供する。この方法は、配管システムを加圧することと、連結具の少なくとも1本のチャネルから流体を流出させることを含め、配管システムの漏洩を検出することと、少なくとも1本のチャネルを封止することと、システムの漏洩を再点検することとを含む。流体を流出させることは、少なくとも1つの配管セグメントの中心通路と連通する少なくとも1本のチャネルを配設することを含め、少なくとも1つの管セグメントに関して少なくとも1つの連結具を配置することを含む。中心通路と連通するチャネルを配設することは、連結具の内表面に沿って少なくとも1本のチャネルの深さ、幅および長さを画定することをさらに含む。漏洩を検出することは、好ましくは、システムにおける圧力降下を監視することと、流体が流出している少なくとも1つの連結具を特定することとを含む。好ましい方法の一部は、連結具および管セグメントにシーラントを塗布することと、管セグメントに関して流体密な封止を形成するようチャネルをさらに改造することとを含む。
【0009】
管継手を含み、その継手に管セグメントが配置された少なくとも1つのジョイント組立体を有する配管システムの漏洩試験方法が提供される。本方法は、管継手と管要素との間に漏洩経路を画定することと、システムに流体を導入することと、漏洩経路からの流体の放出を検出することとを含む。従って、管組立体における漏洩の検出方法は、好ましくは、管セグメントに取り付けられて組立体を形成する少なくとも1つの連結具を提供することを含む。この連結具は、漏洩経路を画定するチャネルを含む。本方法は、少なくとも1つの継手と管セグメントとの間の漏洩を検出するため、チャネルを通じて流体を流すことをさらに含む。より好ましくは、本方法は、空気圧によって組立体の圧力試験を行うこと、および静液圧によって組立体の圧力試験を行うことを提供し、或いは本方法は、空気圧による圧力試験および液圧による圧力試験のうちの一方からなってもよい。漏洩経路の存在下で流体の放出を検出することは、好ましい時間内、例えば、圧力試験開始から2分以内におけるシステムの圧力降下の検出を含む。さらに、流体を導入することが、システムを10psiの初期圧力まで空気で加圧することを含む場合、空気圧試験は好ましくは、漏洩経路を通じたシステムの圧力降下を検出することを含む。圧力は、毎分約0.5psiの初期最小速度で降下する。10psiの初期圧力を用いる液圧による圧力試験において、その液圧試験は、モデル化された占有部分の全てにわたって最低0.5psi/2分を検出することを含む。
【0010】
漏洩の検出を促進するため、防火配管システムにジョイント組立体を形成するための好ましい連結具が提供され、この連結具は、外表面と、軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分を含む。連結具は、内表面と外表面との間に延在して管状壁部分の厚さを画定する端面をさらに含む。内表面および外表面のうちの一方に沿って、通路と連通するチャネルが配置される。チャネルは、配管システムの内部と配管システムの外部との間で流体を搬送するための第1の構成を有する。チャネルは、配管システムの内部と外部との間で流体が搬送されることを防止するための第2の構成を有する。チャネルは、さらに好ましくは、最小量のシーラント材が存在するとき第1の構成から第2の構成に変換することが可能である。システムが約10psiの空気の初期内圧を有する場合、第1の構成にあるチャネルは、毎分約0.5psiの好ましい初期最小速度でシステム圧力の低下を提供する。10psiの液圧による圧力試験において、このチャネル構成は好ましくは、0.5psi/2分の初期最小速度の圧力変化を提供する。
【0011】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面とを有する連結具が、さらに提供される。環状ショルダが内表面と係合し、これは長手方向軸に向かって径方向内側に延在する。ショルダは、中心通路と連通する軸方向に延在するチャネルを画定するための一対の側壁を含む。このチャネルは好ましくは、セグメントに関して流体密な封止を画定するように改造することが可能である。一対の側壁は、チャネルの長手方向軸に沿った方向におけるチャネル深さを画定する。好ましくは、チャネル深さはショルダにおいて最大となり、且つ連結具は第1の端面と第2の端面とをさらに含む。内表面は、一対の側壁を接続する相互接続表面をさらに含み、この相互接続表面は、チャネルの内部に対して略曲面状である。一実施形態において、チャネルは、長手方向軸を中心として螺旋状に前進し得る。別の実施形態において、チャネルは、内表面および外表面から延在し、且つチャネルの残り部分と連通する貫通孔として構成される部分を含む。或いは、チャネル全体が、連結具の軸と略垂直に内表面から外表面まで延在する貫通孔によって画定されてもよい。さらなる実施形態において、連結具は、内表面および外表面を通じて一定の壁厚を画定するため、外表面に沿って突起をさらに含む。
【0012】
ここに組み込まれ、且つ本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の例示的実施形態を示すものであり、上記の一般的な説明および下記の詳細な説明と合わせて、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】住宅用防火システムの概略図である。
【図2】図1の配管システムの完全性を点検するための方法のフローチャートである。
【図3】図1のシステムに用いられるジョイント組立体の概略図である。
【図3A】図1のシステムに用いられるジョイント組立体の概略図である。
【図3B】図3Bのジョイント組立体の概略断面図である。
【図4】図3A〜3Bの組立体に用いられる好ましい連結具の断面図である。
【図4A】図4の連結具の端面図である。
【図4B】図4Aの端部の詳細図である。
【図4C】図4の連結具の概略断面図である。
【図4D】チャネル付き連結具の代替的な端面図である。
【図4E】チャネル付き連結具の代替的な詳細図である。
【図5】連結具を評価するための試験用組立体の概略図である。
【図5A】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5B】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5C】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5D】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5E】連結具について、実際の試験用組立体とモデル化された組立体との比較プロットである。
【図6A】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図6B】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図6C】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図7A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図10】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11E】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11F】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図12A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図12B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図13】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図14A】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図14B】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図15】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16A】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16B】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16C】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16D】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図17】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、気体、液体またはそれらの組み合わせのいずれかとしての流体を搬送するための好ましい配管システム10の例示的実施形態が示される。より具体的には、防火システム用の好ましい配管網10が示される。このシステム10は好ましくは、例えば、各々が全体として参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)(Addendum #1/IH−1900(2005年10月))に図示および記載されるとおりの、Tyco Fire & Building Products TFP Blazemaster(登録商標)配管システムなどの後塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)配管セグメントおよび継手で構築される。システム10は配管要素網を含み、配管要素としては、主管路12、枝管路14、スプリグ管、ドロップ管、ライザー管16、管ニップル18、バルブ20、スプリンクラーおよび/またはノズル22、および警報装置のうちいずれか1つを挙げることができる。様々な管要素を相互に接続し、接合するため、システム10は好ましくは、管セグメントと連結具との間を接続することによって形成される1つまたは複数のジョイント接続部または組立体100を含む。連結具は、配管セグメントを接合するための管継手、管端継手または改変された管表面のうちいずれか1つであり得る。好ましくは、システム10は住宅用湿式パイプスプリンクラーシステムとして稼動され、ここでは、水の通う、水道と接続された配管システム10に自動スプリンクラー22が取り付けられ、従って火災の熱によってスプリンクラーが開放されると、そこから直ちに水が放出される。或いは、システム10は住宅用乾式スプリンクラーシステムとして構成されてもよく、ここでは、圧力下に空気または他の気体の通う配管システム10に自動スプリンクラー22が取り付けられ、水道と連結された制御バルブが作動すると、この空気または他の気体が水に替えられる。かかる乾式住宅用防火システムは、全体として参照により援用される米国特許出願公開第2006/0021765号明細書の段落[0024]〜[0029]および図1〜2に図示および記載される。さらなる代替例として、好ましいシステム10は、好ましくはプラスチック製の配管構成要素を有する任意の他のタイプの配管システムであってもよい。好ましくはプラスチック製の継手および構成要素を有する代替的な配管システムとしては、通気システム、排水システム、プールスパ、並びに灌漑システム、化学システム、および飲用水システムのように、そのジョイント組立体が、流動性シーラント材と組み合わせた締まり嵌めを用いて流体密に封止された接続部を形成するシステムを挙げることができる。
【0015】
システム10の好ましい組立ては、ソケット型の連結具を流動性シーラント材と共に使用して、ジョイント組立体100における2つ以上の管要素を接合することと、システム全体にわたって封止の完全性を確認することと、システムを稼動させることとを含む。図2には、配管システムを組立て、システム10の完全性を確認する好ましい方法が示される。好ましくは、システム10の組立ては、ソケット型ジョイント組立体100の各々の組立てごとに、管セグメントと連結具とを接合することと、それらの間のドライフィットを点検することと、接続部を分解することと、管セグメントの外表面および連結具の内表面に関してシーラントを塗布することと、要素を再接合することと、シーラントをそのまま硬化させることとを含む。
【0016】
本方法は、さらに好ましくは、漏洩を検出することによってシステムの完全性を確認することを含む。好ましくは、システム10には陽圧がかけられるが、或いはシステム10には負圧がかけられてもよい。検出方法は、例えば、システム10の加圧後の1つまたは複数のジョイント組立体100からの漏洩を観察することによる、漏洩の直接的な検出方法を含み得る。それに代えて、またはそれに加えて、検出方法は、システム内の圧力損失を監視するための、システム10に連結された1つまたは複数の圧力計を監視することによる、漏洩の間接的な検出方法を含み得る。漏洩が検出された場合、好ましい組立方法は、漏洩を補修および封止することと、システム10の完全性を再確認することを含み得る。漏洩が検出されなければ、システム10は稼動させることができる。
【0017】
好ましい連結具が、好ましい組立方法において用いられる管システム10の漏洩を検出するための手段を提供する。より具体的には、好ましい連結具は、適当な封止がなく、且つ陽圧下にあるとき、少なくとも部分的には連結具によって画定され、且つ全体的には連結具と管セグメントとの間の協働によって画定される漏洩経路を通じて、管組立体の中心内部通路から管組立体に近接する外部環境への流体の動きを導く。負圧下で適当な封止がないとき、好ましい連結具はチャネルを通じて外部の大気を引き込み続ける。好ましくは、この漏洩経路は、適当な封止がないときに管システム10が圧力を保持しないように構成される。従って運用作業員はシステムが静圧を維持できないことを検知し、ジョイント接続部に不適切な封止がある可能性について注意を喚起される。不適切な封止とは、シーラント材が存在しないか、またはいくらかのシーラント材は塗布されているものの、それが不十分な量であるジョイント接続部であり得る。
【0018】
好ましい連結具を有する管システム10が構築されると、運用作業員は、流体がシステムの内部と外部との間を流動し得る漏洩経路が形成されているかどうかを評価することによって、システム10の完全性を確認する。具体的には、運用作業員は好ましくは、配管システムの圧力試験を段階的に行う。第1の段階は、配管システム10は空気圧により、例えば、好ましくは約1ポンド毎平方インチ(psi)〜約15psiの圧力範囲または圧力値にわたって、好ましくは15psiの値で試験される。システム10は、好ましい連結具からの圧縮された空気または気体の漏洩について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検される。ひいては運用作業員は、検出された任意の不適切に封止されたジョイント組立体100を適正に封止することができ、その後運用作業員は、好ましくは約1ポンド毎平方インチ(psi)〜約15psiの好ましい圧力範囲または圧力値にわたって、好ましくは15psiの値でシステムを再び空気圧により試験し、補修が十分に行われたことを確認し得る。
【0019】
圧力試験の第2の段階は好ましくは、約200psiの好ましい圧力でのシステム10の液圧試験、より好ましくは静液圧試験を含む。より好ましくは、圧力試験の第2の段階は、全体として参照により援用される「Standards for Installation of Sprinkler Systems:Systems Acceptance」と題されるNational Fire Protection Association(NFPA) Standard NFPA−13、第24章(2007年)に定義されるとおりの静液圧試験圧力における液圧試験を提供する。
【0020】
システムを所望の静液圧試験圧力まで加圧した後、システムは、好ましい連結具からの液体の放出について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検され得る。運用作業員は、圧力試験の第2の段階でさらに検出された任意の不適切に封止されたジョイント接続部を再び適切に封止することができ、次に、好ましくは液圧により、好ましい静液圧範囲でシステムを再び試験し得る。初期空気圧範囲または液圧範囲は、その初期空気圧および液圧が対応する流体を管組立体の中心内部通路から管組立体に近接した外部環境へと、漏洩経路を通じて直接的または間接的な手段によって検出可能な速度で移動させるのに十分であるならば、任意の圧力範囲または特定の圧力値によって定義され得ることは理解されなければならない。さらに、運用作業員は、任意の封止作業の実施と圧力試験との間に適当な長さの時間間隔を設け、シーラントが溶着するか、融合するか、接着するか、またはその他の方法でジョイント接続部を形成するのに十分な時間をとることは理解されなければならない。全てのジョイントが適切に封止され、システムがその完全性について点検されると、システムは水または他の流体で充填され、稼動させることができる。
【0021】
最初の空気圧試験の後、液圧試験の第2の段階を実施することに代えて、空気圧試験の第2の段階を実施してもよく、ここで第2の空気圧試験圧力が配管用途に好適であれば、試験圧力は増加され、すなわち最初の試験圧による試験段階より大きくされる。再度、システムは好ましい連結具からの圧縮された空気または気体の漏洩について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検され得る。運用作業員は、より高い圧力範囲のもとでさらに検出された任意の不適切に封止されたジョイント接続部を、再び適切に封止することができ、次に、システムを空気圧により第2の段階用の試験圧力下で再び試験し得る。
【0022】
好ましい連結具は、配管システムにおいて不適切に封止されたジョイント接続部を検出するための、実質的に即時性で検証可能な機構を提供する。より具体的には、好ましい連結具はチャネルを伴い構成され、これは、適切な封止がないとき、流体がシステムの内部とシステム10の外部との間に直ちに流れることのできる漏洩経路を提供し、それにより運用作業員には、比較的迅速な間接的および直接的漏洩指示手段の少なくとも1つが提供される。好ましい連結具のチャネルから圧縮された液体、気体、空気または他の流体が漏洩することにより、運用作業員は不適切に封止されたジョイントを特定する。さらに、この好ましい連結具は、好ましくは上記の方法で配管システム10の圧力試験を実施するための好ましい手段を提供すると考えられる。特に、適正量のシーラント材がないとき、好ましくはシステム圧力試験を開始して2分以内に、好ましい連結具のチャネルによってシステム10に検出可能な圧力降下が生じる。さらに、この好ましい連結具が不適切に封止されたジョイントの周囲における流体圧力の上昇を防止するため、適切に形成された封止なしに接合された管継手またはセグメントの周囲のポテンシャルエネルギーが、この好ましい連結具によって除去される。この機構により、不適切に接合された管継手またはセグメントが激しく破損または破断したり、物的被害を引き起こし、および/または周囲の作業員に重傷を負わせかねない発射体となったりすることが防止され得る。
【0023】
管セグメントと共にジョイント組立体100を形成するための好ましい連結具は、ジョイント100における管セグメントと好ましい連結具との嵌合表面間のドライフィット接続部が、十分な量のシーラント材がないときに圧力を保持できないようにし、その代わりに流体を大気中に漏出させることによって不適切な封止の組立体を検出および特定するように構成される。十分な量のシーラント材が存在するとき、好ましい連結具は管セグメントに関して流体密な封止を形成する。シーラント材は、例えば、セメント、溶剤セメント、エポキシ、はんだまたは他の流動性材料であってもよく、それを使用して連結具が1つまたは複数の配管セグメントに対して再構成されるか、化学的に溶着されるか、接着されるか、またはその他の方法で永久的に接合される。連結具で用いられる例示的シーラント材としては、全体として参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の43〜50頁に各々記載される(i)Blazemaster CPVC Cement TFP−400 Red Heavy Bodies、若しくは(ii)Blazemaster CPVC Cement TFP−500、またはそれらの等価物が挙げられる。好ましい連結具は、ジョイント組立体を通じて運ばれる流体を大気中に漏洩させることによって不適切な流体封止を指示するため、この好ましい連結具によって、適切な化学的封止がないときにジョイント100の周囲で圧力が上昇することは不可能となる。さらに、この連結具は好ましくは、ジョイント組立体の接合された表面間に十分な締まり嵌めを提供するため、「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の33頁に推奨されるとおり、管要素間にシーラント材が不必要に溜まることが回避される。
【0024】
好ましい連結具は、1つまたは複数のソケットを画定して、管、継手またはアダプタなどの管セグメントまたは管要素を受け入れる略管状壁部材を含む。図3および3Aを参照すると、例示および説明を目的として実質的に全体を通じて本明細書に図示および記載される好ましい連結具は、第1の管セグメント24と第2の管セグメント26とを、好ましくはソケット型の接続部によって接合するための連結体として構成される管継手300である。継手300は長手方向軸A−Aを画定し、管セグメント24、26は接合されると、その軸に沿って互いに略軸方向に一列に並び得る。或いは管継手300は、例えば、30°〜90°の範囲の曲げ角度を画定するエルボとして構成されてもよい。従って、好ましい継手300は、45°エルボ、60°エルボ、90°エルボまたは他の角度付きエルボのうちいずれか1つとして構成され得る。管継手300はまた、3つ以上の管セグメントを連結するように構成されてもよく、従ってこの管継手300は、十字型継手、T形継手またはY形継手のうちいずれか1つとして構成され得る。一般に、例示を目的として連結体として本明細書に記載される好ましい継手300およびその様々な特徴は、2つ以上の管セグメントを連結するのに望ましい任意の構成であってよく、従って、全体として参照により援用される「TFP1915:Blazemaster CPVC Fire Sprinkler Pipe & Fittings Submittal Sheet」(2006年1月)と題されるTyco Fire & Building Productsデータシートの3〜6頁に示される継手のうちいずれか1つの構成であり得る。従って継手300は、例えば、(i)T;(ii)径違いT;(iii)十字または径違い十字;(iv)90°エルボまたは径違いエルボ;(v)45°エルボ;または(vi)レデューサ連結体として構成され得る。或いは、継手300は、1つの管セグメントの端部で端部キャップを形成するように構成されてもよい。さらに代替例として、継手300は、溝なし端管と、溝付き管またはねじ込み管に適するよう構成された雄アダプタ若しくは雌アダプタとを連結するための溝付き連結アダプタとして構成されてもよい。かかるアダプタは、(i)直状連結体;(ii)T;(iii)背面合わせT;(iv)背面合わせ十字または(v)エルボのうちいずれか1つとして構成され得る。加えて、継手300は、スプリンクラーまたは他の流体散布装置と連結するためのアダプタとして構成されてもよい。より一般的には、好ましい連結具は、任意の公知の継手として管セグメントを接合する形状または構成とされ得る。
【0025】
図3Bを参照すると、好ましい連結具はここでも継手300として例示され、これは、外表面311と、継手300の内部通路315を画定する内表面313とを含む。例えば、この継手300では、内表面は、軸A−Aに沿って延在する中心通路315を画定する。好ましくは内表面313と一体に形成され、より好ましくは継手300と一体に形成される1つまたは複数の周方向のショルダまたはリング314が、継手の内部通路315を分割している。分割された通路315は、好ましくは、管セグメント、継手またはアダプタを受け入れるための様々なソケットを画定する。例えば、図3Bに示される継手300では、第1の管セグメント24を受け入れるための第1のソケット312aと、第2の管セグメント26を受け入れるための第2のソケット312bとである。継手300の各ショルダ314は、断面で概略的に図示されるとおり中心開口を画定し、それにより内部通路315は連続的となり、管セグメント24と26との間に連通が設けられる。好ましくは、ソケット312a、312bおよび内表面313の各々は、円周上の1つまたは複数の箇所で管セグメント24、26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット312a、312bは、管セグメント24、26に関して略周方向の締まり嵌めを形成するように、好ましくは縮径した内表面313(縮尺通りには描かれていない)によってさらに画定される。内表面313のテーパは、管セグメント24、26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント24、26の端面とショルダ314との間に空間を画定し得る。或いは、管セグメント24、26の継手300を通じた軸方向移動をさらに制限するため、管セグメントの端面はショルダ314と係合し得る。
【0026】
図4を参照すると、好ましい継手300がより具体的に、好ましくは約2.50インチの全長を有する公称1インチ連結体として示される。継手300の外表面311は好ましくは、継手300における各ソケットへの開口に近接して略管状部分を画定する。先述のとおり、内表面313が継手300のソケットの312a、312bを画定し、その各々が好ましくは同じように構成される。具体的にソケット312aを参照すると、内表面313は好ましくは、継手300の端面310aからショルダ314にかけて狭く縮径し、好ましくは約1.19インチのソケット長さLを画定する。例えば、継手300が好ましい公称1インチ連結体である場合、内表面313のテーパは、さらに好ましくはソケット312aの入口に約1.325インチの第1の直径D1を、およびショルダ314に近接するソケット312aの基面または底面に約1.310インチの第2の直径D2を画定する。従って、任意の公称サイズの継手について、各ソケットにおいて第2の直径D2は第1の直径D1より小さく、それにより、第1の寸法と第2の寸法との差の絶対値をソケット長さで除すことによって定義される好ましいテーパを画定する。従って、内表面313は好ましくは、好ましい継手300の各ソケットについて、約0.015インチ/1.19インチ、すなわち約0.012に等しいおおよその│(D2−D1)│/Lのテーパを画定する。
【0027】
ショルダ314は好ましくは、継手の中心に向かう管セグメントの軸方向移動を阻止するための表面を提供するのに十分な大きさだが、所望の圧力および/または流体速度で中を通る所望の流体の流れを提供するのに十分に低いプロファイルで、中心軸A−Aに向かって径方向内側に延在する。好ましくは、ショルダ314は継手300の内径D3を画定し、これは、第1の直径D1の約94パーセント、すなわち約1.25インチであり、より好ましくは約1.10インチの直径である。中心軸A−Aと垂直に延在するショルダのいずれかの表面は、ショルダ314が、例えば、好ましい継手300では好ましくは約1.11インチである別の内径D4を画定するように皿穴加工され得る。表面のカウンタボアは、好ましくは約0.035インチの深さに至る。ソケット312a、312bの寸法は、3/4インチ〜3インチの範囲の公称サイズ継手の範囲について、参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)(Addendum #1/IH−1900(2005年10月))の19頁の「ASTM Dimensions for CPVC fitting in inches」と題される表Bに示される寸法一覧表にさらに従ってもよい。代替例として、継手の公称サイズが約1/2インチ〜約18インチまで異なる場合、継手のソケットの寸法はそれに対応して決定され得る。
【0028】
継手300は、1本または複数のチャネル318をさらに含み、ジョイント組立体100を通じて運ばれる流体の漏洩経路を画定する。より具体的には、継手300は好ましくはチャネル318を含むことにより管セグメント24、26の外表面上に漏洩経路または通路を画定し、管セグメント24、26に含まれる気体または液体が、それを通じて大気中に漏出し得る。チャネル318は、好ましくは平滑な環状の内表面313と管セグメント24、26の外表面との間の締まり嵌めに、継手の中心内部通路315と連通するための1つの不連続部分を好ましくは形成する。従って、チャネル318は、管セグメントの端部24a、24bから継手300の内部通路315の中心部分に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット312a、312bと連通する。配管システムにおいて稼動させるための流体密に封止されたジョイント組立体の形成においては、シーラント材、好ましくは、各々「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の43〜50頁に記載される(i)Blazemaster CPVC Cement TFP−400 Red Heavy Bodies、または(ii)Blazemaster CPVC Cement TFP−500のうちの一方が、管セグメント24、26の外表面に対し、およびソケット312a、312bの内表面313に沿って塗布される。管セグメント24、26およびソケット312a、312bの所与の構成について、十分な量のシーラント材が継手300のチャネル318を充填し、封止し、融合し、溶着し、変形させ、再構成し、および/またはまとめて改造することにより、大気中への流体の漏出が防止され、ジョイント組立体に関して流体密な封止が形成される。
【0029】
封止が不適切な場合、チャネル318が流体を大気中に漏出させるため、このチャネル318によってシステム10のどのジョイント100にも、流体密なジョイント組立体が不完全であるか、またはそれに不具合があることを運用作業員に知らせる手段が提供される。より具体的には、いずれかのチャネル318から流体が流れ、および/または継手300が圧力を維持できないという直接的な視覚的、触覚的または聴覚的指示によって、運用作業員はソケット312aまたはソケット312bに十分なシーラント材が欠けているか、またはシーラント材が全くないことに直ちに気付かされる。チャネル318からの流体の放出を間接的に検出する方法が用いられてもよい。例えば、運用作業員がシステム10を空気圧および/または液圧により点検する上記の方法では、運用作業員は圧力計を監視して、システム10が所与の圧力を保持および維持し得るかどうかを観察する。システムが一定の圧力を保持できない場合、システムのジョイント組立体100が検査され、継手300の封止が不適切なために流体がチャネル318を通って抜け出ていたのかどうかが判断される。例えば、システム10が液体を含む場合、継手300にある材料が塗布されてもよく、液体がチャネル318から放出されてその材料と接触すると、液体と材料とが反応して、封止が不完全であることの視覚的または触覚的指示を提供してもよい。
【0030】
図4Bおよび4Cに見られるとおり、チャネル318はショルダ314の両側に、好ましくは継手300の端面310a、310bまで延在する。より好ましくは、チャネル318は、ショルダ314の表面の軸方向内側に延在してソケット長さLより長いチャネル長さを画定し、より好ましくは、チャネル318は、連結体300の全軸方向長さにわたりショルダ314を貫通して延在する。継手300が2つ以上のソケットを有する場合、チャネル318は好ましくは、1つのソケットにおけるチャネル318の一部分が、少なくとも1つの他のソケットのチャネル318の一部分と連通して配設されるように、ショルダ314を貫通して延在する。チャネル318がショルダ314の表面を越えて軸方向に延在することにより、さらに確実にチャネル318a、318bを開放されたままとし、管セグメント24、26の端面とショルダ314の側表面との間の単なる係合だけでは完全には封止できないようにし得る。チャネル318はより詳細には、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁320と、その間に延在する相互接続表面壁322とによって画定される。側壁320および相互接続表面壁322の各々は略平面状のものとして示されるが、チャネル表面320、322の1つまたは複数は好ましくは曲面状であり、より好ましくは、例えば図7Cに示される実施形態に見られるとおり、チャネル内部に対し凹面状となっている。
【0031】
チャネル318の側壁320は離間され、好ましくは約0.045インチ、より好ましくは約0.060インチのチャネル幅Wを画定する。内表面313および側壁320はさらに、チャネル318の深さまたは高さプロファイルHを画定する。好ましくは、端面310aにおけるチャネル318の高さは約0.010インチ、より好ましくは約0.025インチである。チャネル318の深さプロファイルHは、さらに好ましくは継手の中心に向かって増加し、チャネルの最も深い部分がショルダ314にあり、例えばこのチャネルの場合には、深さHは約0.07インチである。より具体的には、特にソケット312bに関して示される図4Cのチャネル318の断面図を参照すると、内表面313がチャネル318の高さHをさらに画定する。チャネル318の相互接続表面壁322が継手310の長手方向軸A−Aと略平行である場合、チャネル高さプロファイルHは、ショルダ314から継手310の端面310bにかけて狭く縮径する。それに代えて、またはそれに加えて、チャネル318は好ましくは中心軸A−Aから相互接続表面壁322までを計測する径方向距離Rによって特徴付けることもできる。或いは、チャネル313の相互接続表面322は、チャネル318の長さにわたって一定の高さプロファイルHを画定するように、ソケット312bの内表面313のテーパと平行であってもよい。さらに代替例として、相互接続表面322は、その軸方向長さに沿って、例えば波形などの非平面的なプロファイルを画定し得る。チャネル318の高さHは、継手310の一部分に関して対称的に変化してもよく、或いは高さHは、継手の全長にわたって変化してもよい。
【0032】
チャネル318の側壁320は、図4Bでは互いに平行なものとして示されるが、或いは、互いにある角度を画定してもよい。従って、チャネル幅Wは好ましくは一定であるか、或いはチャネル318の深さに沿って変化してもよい。その結果として狭まるチャネル318は、チャネル318内のいかなる流体もある感知可能な速度で吐き出すようなベンチュリ効果を生じる。例えば、側壁320は、継手310の端面によって画定される軸に対して角度を画定し得る。さらに、その角度がチャネルの高さにわたって変化してもよい。図4Dおよび図4Eには、本明細書に図示および記載される連結具のうちいずれか1つに提供または形成することができる側壁320によって形成される別のチャネル318の詳細図が示される。より好ましくは、側壁320のなかで継手310のショルダ314を形成するか、またはそれと一体化される部分が、径方向に延在する垂直方向軸に対して1つまたは複数の角度を画定し、この垂直方向軸は、継手310の端面310aまたはショルダ314によって定義され、且つ好ましくはチャネル318を二等分するものである。側壁320は、好ましくは端面の垂直方向軸と平行な第1の部分320aを含み、より好ましくは、垂直方向軸端面310aに対して角度αを画定する第2の部分320bを含む。角度αは、約45度〜約100度の範囲であってもよく、好ましくは約90度である。側壁320は、さらに好ましくは、端面310aの垂直方向軸に対して第2の角度βを画定する第3の部分320cを含む。第2の角度βは、約10度〜約50度の範囲であってもよく、好ましくは約45度である。側壁320の様々な角度がチャネル318の径方向に延在する二等分軸に関して変化することで、さらに好ましくは、継手310のソケットに配置された管セグメントの一部分と連通するためのチャネル318の少なくとも一部分が、チャネル318の高さHに沿って流体(液体または気体)の速度および/または圧力を変化させ得るように画定される。特に図4Eに関連して、チャネル318のプロファイルは、チャネルの周囲に沿って角部により形成される直角と鈍角とを含むことが示される。より好ましくは、チャネルの表面を接続する角部、折れ曲がり部または屈曲部は、好ましくは曲面状で、すなわち丸くなっている。
【0033】
図4Bを参照すると、チャネル318の領域において、内部チャネル表面322および外表面311が、約0.12〜約0.16インチ、より好ましくは約0.14インチの継手300の最小壁厚Tminを画定している。継手の最小壁厚は、好ましくは、その継手が適切に試験されるとき、例えば、(i)American Society for Testing and Materials(ASTM)Standard Specification F 438 Standard Specification for Socket−Type Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Plastic Pipe Fittings、Schedule 40;(ii)ASTM F 439 Standard Specification for Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Plastic Pipe Fittings、Schedule 80;(iii)ASTM F1970−05 Standard Specification for Special Engineered Fittings,Appurtenances or Valves for use in Poly(Vinyl Chloride)(PVC)or Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Systems;および/または、ASTM International刊行物、第08.04巻「Annual Book of ASTM Standards 2003」:Section Eight Plastics−Plastic Pipe and Building Products(2003年)に提供されるものなどの必要な工業規格を満たし、および/またはそれを上回ることができるように構成される。かかる工業規格を満たす一方、好ましい継手300はまた、好ましくはその作製に要する材料を最小限に抑える。従って、好ましい継手300は、例えば図4に示される、約0.15インチ、より好ましくは約0.147インチの最大総壁厚Tmaxをさらに画定する。好ましくは、最小壁厚Tminは、最大壁厚Tmaxの少なくとも85パーセント(85%)である。好ましい1インチ公称連結体は、好ましくは重量が約0.07lbs以下である。好ましい壁厚寸法は、適用される工業規格に準拠し、および/または材料所要量を最小限に抑えるように特定され得る一方、壁厚の寸法は、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を、管セグメントの外表面と共に画定し得るチャネルまたは漏洩経路が生じるように、適切に決定される。
【0034】
より好ましくは、チャネル318の寸法は、そのチャネルまたは漏洩経路が、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を、管セグメントの外表面と共に画定し得るように決定される。チャネル容積は、好ましくは、チャネル長さ、チャネル幅Wおよび高さプロファイルHによって定義される。継手300の総チャネル容積は、ソケット312a、312bに関して径方向に配置されたチャネル318の本数によってさらに定義され得る。図4Aにおける継手300の端面310bには1本のチャネル318のみが示されるが、複数のチャネル318が継手300の中心軸A−Aに関して径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント組立体100における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。チャネル318間の内表面は好ましくは、実質的に平滑な内表面313を提供するよう、継手300の軸から一定の径方向距離を画定する。表1aには、端面310で計測したチャネル寸法深さHおよび幅Wの一覧表が示され、これは公称サイズの範囲の継手に関して用いることができる。
【0035】
【表1】
【0036】
チャネル高さHプロファイルおよび幅Wは、公称継手サイズの全範囲で一定のままであってもよいが、チャネル長さ、チャネル幅Wおよび/またはチャネル高さHは、一定の寸法関係を維持するため継手サイズによって変化してもよい。例えば、好ましい公称1インチ継手300におけるあるソケット312の好ましいチャネル318の寸法が、高さと長さの比H:Lを約0.008と定義する場合、より小さい、またはより大きい公称サイズの継手については、それに従いチャネル長さおよび高さHの寸法が好ましい比を維持するように決定され得る。以下の表1bには、チャネル318についての寸法の例示的一覧表が示され、ここでは、例えばチャネル幅Wなどの1つまたは複数の寸法が、継手300の公称サイズによって変化する。
【0037】
【表2】
【0038】
図6A〜6Cは、チャネル318’を有する継手300’として具体化される別の代替的な連結具を示す。継手300’は、その内部構成および全長が先述の継手300と実質的に同じ連結体である。特に好ましい継手300’は約2.50インチの全長を有し、第1の管セグメント24と第2の管セグメント26とを、好ましくはソケット型の接続部によって接合する。継手300’は長手方向軸A’−A’を画定し、管セグメント24、26は接合されると、その軸に沿って互いに略軸方向に一列に並び得る。
【0039】
好ましい継手300’は2つ以上のソケット312a’、312b’を含み、管、継手またはアダプタなどの管要素を受け入れる。この連結具300’は、外表面311’と、軸A’−A’に沿って延在する中心通路315’を画定する内表面313’とを含む。好ましくは内表面313’と一体に形成され、より好ましくは継手300’と一体に形成される周方向のショルダまたはリング314’が、ソケット312a’、312b’を分割している。ショルダ314’は中心開口を画定し、それにより中心通路315’は連続的となり、管セグメント24と26との間に連通が設けられる。好ましくは、ソケット312a’、312b’の各々は同じように構成され、さらに、内表面313’と共に、円周上の1つまたは複数の箇所で管セグメント24、26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット312a’、312b’は、管セグメント24、26に関して略周方向の締まり嵌めを形成するように、好ましくは縮径した内表面313’によってさらに画定される。内表面313’のテーパは、管セグメント24、26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント24、26の端面とショルダ314’との間に空間を画定し得る。或いは、管セグメント24、26の継手300’を通じた軸方向移動をさらに制限するため、管セグメントの端面はショルダ314’と係合してもよい。
【0040】
継手300’は、1本または複数のチャネル318’をさらに含み、ジョイント組立体を通じて運ばれる流体の漏洩経路を画定する。より具体的には、継手300’は好ましくはチャネル318’を含むことにより管セグメント24、26の外表面上に漏洩経路を画定し、管セグメント24、26に含まれる気体または液体が、それを通じて大気中に漏出し得る。チャネル318’は、内表面313’と管セグメント24、26の外表面との間の締まり嵌めに、中心通路315’と連通するための不連続部分を形成し得る。従って、チャネル318’は、管セグメントの端部24a、24bから継手300’の中心通路315’に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット312a’、312b’と連通する。先述の継手300と同様に、継手300’は、上記に考察されるとおり好ましくは流動性のシーラント材を用いて流体密なジョイント組立体を形成する。
【0041】
内表面313’は好ましくは、継手300’の端面310a’からショルダ314’にかけて狭く縮径し、好ましくは約1.19インチのソケット長さL’を画定する。内表面313’のテーパは、さらに好ましくはソケット312a’の入口に約1.325インチの第1の直径D1’を、およびショルダ314’に近接するソケット312a’の基面または底面に約1.310インチの第2の直径D2’を画定する。従って、第2の直径D2’は好ましくは第1の直径D1’より小さい。内表面313’に沿って位置するショルダ314’は、好ましくは、継手の中心に向かう管セグメントの軸方向移動を阻止するための表面を提供するような大きさだが、所望の圧力および/または流体速度で中を通る所望の流体の流れを提供するのに十分に低いプロファイルで、中心軸A’−A’に向かって径方向内側に延在する。好ましくは、ショルダ314’は継手300’の内径D3’を画定し、これは、第1の直径D1’の約94パーセント、すなわち約1.25インチであり、より好ましくは約1.10インチの直径である。中心軸A’−A’と垂直に延在するショルダの表面のいずれかは、ショルダ314が、好ましくは約1.11インチである継手300の別の内径D4’を画定するように皿穴加工され得る。表面のカウンタボアは、好ましくは約0.035インチの深さに至る。
【0042】
図6Cに見られるとおり、内表面313’はより詳細には、ショルダ314’の両側に対して、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁320’と、それらの間に延在する表面壁322’とによってチャネル318’を画定する。再び図6Aを参照すると、チャネル318’は好ましくは、ショルダ314’から離れるようにソケット312a’、312b’の長さを継手の端面310a’、310b’まで軸方向に延在する。
【0043】
チャネル318’の側壁320’は離間され、好ましくは約0.045インチ、より好ましくは約0.060インチのチャネル幅W’を画定する。内表面313’および側壁320’は、チャネル318’の深さまたは高さH’をさらに画定する。好ましくは、ソケット312a’、312b’の領域におけるチャネル318’の最大高さは約0.010インチ、より好ましくは約0.025インチであり、チャネル容積は好ましくは、チャネル長さL’、チャネル幅W’および深さH’によって定義される。チャネル318’は、公称サイズの範囲の継手について表1aに提供されるとおりの、端面310’で計測される寸法、深さH’および幅W’の一覧表に従い得る。チャネル高さH’および幅W’は公称継手サイズの全範囲で一定のままであってもよいが、チャネル長さL’、チャネル幅W’および/またはチャネル高さH’は、一定の寸法関係を維持するため継手サイズによって変化してもよい。例えば、好ましい公称1インチ継手300’における好ましいチャネル318’の寸法が、高さと長さの比H’:L’を約0.008と定義する場合、より小さい、またはより大きい公称サイズの継手については、それに従いチャネル長さL’および高さH’の寸法が好ましい比を維持するように決定され得る。より好ましくは、チャネル318’の寸法は、そのチャネルまたは漏洩経路が、挿入された管セグメントの外表面と共に、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を画定し得るように決定される。
【0044】
継手300’の総チャネル容積は、ソケット312a’、312b’に関して径方向に配置されたチャネル318’の本数によってさらに定義され得る。図6Aにおける継手300’の端面310b’には1本のチャネル318’のみが示されるが、複数のチャネル318’が継手300’の中心軸A−Aを中心として径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント300’における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。
【0045】
継手300’は好ましくは、Schedule 40 CPVC公称1インチ連結体である。内部表面313’および外表面311’は、好ましくは約0.14インチの一定で最小の壁厚を好ましくは画定する。従ってチャネル318’の領域において、継手300の外表面311’は、好ましくは一定の、または最小の壁厚を提供する容積を画定するような幅W’’および高さH’’並びに軸方向長さを有する突起319’を形成する。継手の一定の壁厚は好ましくは、継手が適切に試験されるとき、例えば、ASTM Specification F438−02などの必要な工業規格を満たし、および/またはそれを上回ることができるように構成される。
【0046】
本明細書全体を通じて記載される好ましい連結具は、適切にはSchedule−40またはSchedule−80により、例えば、全体として参照により援用されるLubrizol Corp.Product Data Sheetsに記載されるCPVC材料:(i)TempRite(登録商標)3205(2003)または(ii)TempRite(登録商標)3205(2003)などのCPVC材料か、或いはポリ塩化ビニル(PVC)材料で構成される。継手300の好ましい形成方法は、射出成形加工、例えば、全体として参照により援用される「TempRite(登録商標)CPVC Material Solutions:General Injection Molding Guide」と題されるNoveon Inc.刊行物(2003年1月)に概して記載されるものを用いる一般的な射出成形による。好ましくは、射出加工は、好ましい継手300の内表面313および軸方向に延在する中心通路を画定する金型の使用を含む。内表面313を形成する金型のキャビティ表面は、軸方向に延在する隆起または突起をさらに含み、これが上記の1本または複数のチャネル318を画定する。好ましくは、継手300はさらに、継手の壁厚に対する外径の好ましい比を定義するため、SDR(標準寸法比)13.5寸法を定義するF438−02を含むASTM適用規格、ASTM F 439、またはASTM F 1970に従い作製される。従って、チャネル318は、好ましくは壁厚に対する比が約1/3のチャネル高さHを画定するように切削される。
【0047】
或いは、好ましい継手または端部継手は、銅またはスチール材料のうちいずれか一方で作製され、および/または銅またはスチール管セグメントと組み合わせて使用して、化学的に封止されるか、またははんだ付けされた配管組立体を形成してもよい。好ましい銅−スチール(copper−to−steel:CTS)継手および/または組立体は、好ましくは約1/4インチ〜約24インチの範囲の公称管直径範囲用に構成され得る。本明細書に記載される好ましい継手および組立体は防火用途に十分に適しているが、代替的な機械用途/住宅用、商業用または工業用の水道設備または配管用途において、この好ましい連結具を用いることができることは理解されなければならない。射出成形または押出しによって本明細書に記載される好ましいチャネルを形成することに代えて、チャネルは、CPVCプラスチック継手または配管要素の製造後の敷設時に形成されてもよい。具体的には、チャネルは、所望のチャネルを形成するのに十分な深さだが、シーラント材が不必要に溜まることは回避する程度に十分な浅さで、継手または管セグメントの適用表面に沿って手作業か、または機械により切削され得る。
【0048】
上述のとおり、チャネル318は或いは、それがジョイント組立体100の連結具に、不適切な封止を運用作業員に知らせる流体経路を提供する長さで構成され得る。図7A〜7D;図9A〜9D;図10;図11A〜11Fおよび図12Aおよび12Bは、ジョイント100、継手300およびチャネル318の代替的実施形態を示す。継手の単一のソケットに関して代替的特徴が例示される場合、かかる特徴は、継手300の全てのソケットに適用できるものと理解されるべきである。さらに、単一の連結具に関して代替的特徴が図示または記載される場合、かかる特徴は、本明細書全体を通じて図示および記載される連結具の全てに適用できるものと理解されるべきである。図7Aには、ジョイント組立体100の継手300’’が示され、ここではチャネル318’’が、組立体100のなかで重力場上低いところに位置しており、そこに流体、特に液体が滞留し得る。チャネル318’’は好ましくは、階段状の移行部317を含むことで放出された流体を回収するための貯留部を形成し、これは漏洩指示機能を補強し得る。
【0049】
別の例示的連結体300a’’が図7Bおよび7Cに示され、ソケット312a’’、312b’’の内表面313’’は好ましくは、継手300’’の長手方向長さに沿って螺旋状に延在する渦巻溝によって画定されるチャネル318’’を含む。このヘリカルチャネル318’’は好ましくは、チャネルの長さに対して丸いプロファイルの断面を有するが、V字型または傾斜チャネル、または正方形チャネルなど、他のプロファイルが用いられてもよい。チャネル318’’のプロファイルは、平面的な内表面313’’に対する溝の深さまたは高さHを画定し、さらに、好ましくはチャネル318’’の一方の端部を、チャネル318’’の他方の端部および/または内部通路315’’などの、チャネル318’’と隣接して配置された任意の他の範囲と連通させる通路も画定する。チャネル318’’は好ましくは、連結体300a’’の一方若しくは双方の端面310a’’、310b’’から連結体の中央に向かって延在し、好ましくは連結体300a’’において長手方向中央位置に配置された当接部またはショルダ314’’を終端とする。或いは、チャネル318’’はショルダ314’’を終端とせず、ソケット312a’’、312b’’の長さの一部分のみにわたり延在してもよい。
【0050】
本明細書に記載される好ましい継手300のいずれか1つにおいて、チャネル318から放出される流体は、好ましくは継手300の端面310a、310bにあるチャネル開口から大気中に放出される。或いは、またはそれに加えて、チャネル318は、その外表面311の端面310a、310b間にある中間部分に沿って貫通孔324を含むか、または貫通孔324として構成されてもよい。例えば、図7Dに例示される別の代替的実施形態において、チャネル318は、連結体300a’’の壁を貫通し、且つチャネル318’’の残り部分と連通する1つまたは複数の貫通孔324を有する部分を含んでもよい。貫通孔324によって、内部通路315’’からチャネル318’’に入り、連結体300a’’から出る流体がもたらされ、ジョイント組立体100における漏洩の直接的または間接的指示が提供される。好ましくは、貫通孔324はショルダ314’’に位置するか、またはショルダ314’’に形成される。或いは、貫通孔324はショルダ314’’と端面310a’’、310b’’との間に配置されてもよい。貫通孔324がこのような中間位置にあるとき、チャネル318’’の残り部分は端面310a’’、310b’’の端から端まで延在しなくともよく、従って貫通孔324を終端とし得る比較的短いチャネル318’’が可能となる。
【0051】
図9A〜9Dに例示される実施形態を参照すると、本明細書に記載されるチャネル318の特徴の特定の組み合わせを有する継手300b’’が示される。具体的には、複数の長手方向チャネル318’’を有する連結体が示される。好ましくは、少なくとも4本の長手方向に延在するチャネル318a’’、318b’’、318c’’、318d’’が、内表面313’’に関して径方向に配置されるが、任意の好適な数のチャネルが用いられてもよい。チャネル318’’の各々は好ましくは、個々のチャネル318’’が略半円形チャネルを画定するような曲面状の内部表面を含む。さらに、それに代えて、またはそれに加えて、図9Cに示される連結体300b’’の外表面311’’は突起319’’を含んでもよく、これらの突起319’’は、チャネル318’’の各々に近接する壁に追加的な支持を提供し、および/または継手の壁に一定の、若しくは最小の壁厚を提供するように配置される。好ましくは、突起319’’は外表面311’’に沿って、対応するチャネル318’’の長さと等しい距離にわたり延在する。或いは、突起319’’は、チャネル長さ318’’の一部分のみに対応するサイズであるか、または縁端310’’に近接する連結体300b’’の外表面311’’にのみ配置されてもよい。図9Dに例示される継手300b’’の代替的実施形態において、チャネル318a’’、318b’’、318c’’、318d’’のうちの1本または複数のサイズは、継手の端面310a’’に達しない長さとされる。より短いチャネル318’’は貫通孔324を含み、それにより外部環境と連通するチャネルを提供する。
【0052】
図10の好ましい継手300c’’の例示的実施形態において、連結体の内表面313’’に沿って形成されたチャネル318a’’、318b’’は好ましくは、長手方向および周方向の双方に湾曲し、従って略波形チャネル318’’を提供する。図11Aの継手300d’’の別の例示的実施形態において、内表面313’’は、長手方向に配置されるか、或いは周方向に配置された(図示せず)一連の起伏を有し、従って内表面313’’に関して形成されたチャネル318’’に起伏の付いたチャネル深さまたは高さHを提供する。起伏は好ましくは、表面313から径方向内側に延在する頂部と表面313から径方向外側に延在する谷部とが交互になることによって画定される。チャネル318’’の谷部は好ましくは端面310a’’、310b’’と連通し、および/または貫通孔324(図示せず)を含み、それにより好ましい漏洩指示手段を提供する。
【0053】
図11Bの継手300d’’の代替的実施形態において、内表面313’’は表面313’’から径方向内側に延在する一連の頂部を含み、径方向外側に延在する谷部はない。頂部間に配置された空間が、好ましくはチャネル318’’を画定する。頂部の高さにより、ソケット312bに挿入された管セグメントは内表面313’’から径方向にある距離を隔てて置かれ、それにより内表面313’’と管セグメントの外表面との間の空間が、適当なシーラント材がないときに流体が流れて漏出することのできる漏洩経路を画定する。図11Bに示される頂部は、ソケット312bの軸に沿って長手方向に離間された連続的な周方向リングとして示される。ここで図12Aおよび12Bを参照すると、内側頂部は或いは、1つまたは複数の径方向内向きの突起326として構成されてもよい。一連の突起326は、内表面313’’に関して径方向に配置される。突起326は、具体的には、好ましくは半球形状のディンプル326として構成され、ソケット312a’’、312b’’の内表面全面に配置されてもよく、それによりその中に配置される管セグメントの外表面を係合する。径方向内向き突起326の代替的な幾何形状としては、例えば、略円柱形などが可能であり得る。さらに代替例として、突起326は、内表面313’’によって形成された1つまたは複数の軸方向に細長い突起326(図示せず)として構成されてもよく、これがソケット312a’’、312b’’内に突出して管セグメントの外表面を係合する。漏洩経路は好ましくは、突起326の周囲または両側、且つ管セグメントの外表面上に形成され、それにより不適切な封止の形成を検出するための1本または複数のチャネルを提供する。頂部または突起326の寸法は、好ましくは、好ましいシーラント材が存在するとき頂部または突起326が十分に小さいため変形または分解でき、それにより管セグメントに関して流体密な封止が形成されるように決定される。
【0054】
図11C〜11Fには、チャネル318’’を形成する起伏の付いた内表面313’’のさらなる代替的実施形態が示される。具体的には、図11Cでは、内表面313’’は好ましくは、チャネル318’’を画定するよう表面313’’から径方向外側に延在する一連の谷部を含み、頂部はない。図11Dでは、内表面313’’は、交互になった一連の、表面313’’から径方向内側に延在する頂部と、表面313’’から径方向外側に延在する谷部とを含み、これは、頂部と谷部との間に配置され、且つ内表面313の輪郭と一致する一連の範囲56を有する。図11Eでは、内表面313’’が一連の谷部を含み、連結体20の外部表面が、連結体300d’’の外表面311から径方向外側に延在する一連の突起319を含み、それにより継手に一定の、または最小の壁厚を提供する。図11Fでは、突起319の代わりに、継手300d’’の壁の厚さを、図11Eに例示される外側突起319と同じ径方向距離まで増加させている。
【0055】
図13には、システム10に組み込むためのジョイント100’として示されるジョイント組立体の別の代替的実施形態が示される。ジョイント100’は、管セグメント26と別の連結具との間の好ましいソケット型の接続部によって形成され、ここで連結具は好ましくは、一体化された端部継手200および管セグメント24’として構成される。第1の管セグメント24’および端部継手200は、好ましくは単一構造として形成される。端部継手200は、第1の管セグメント24’と第2の管セグメント26との間に夾角、例えば、45°、60°、90°または他の角度を形成するように、第1の管セグメント24’に対してある角度で形成されてもよい。端部継手200は、不適切に封止されたジョイント組立体を知らせる漏洩経路を画定する1本または複数のチャネル218を含むように、上記の継手300のソケット312のうちいずれか1つと実質的に同じ方法で構成されてもよい。端部継手200はさらに好ましくは、外表面211と、一体管部分24’の中心通路と連通するソケット212を画定する内表面213とを含む。内表面213はショルダまたはリング214をさらに画定し、それにより好ましくはソケット212と第1の管セグメント24’の中心通路との間に階段状の移行部がさらに画定される。端部継手200のソケット212に第2の管セグメント26’を配置すると、第2の管セグメント26’の中心通路は第1の管セグメント24’の中心通路と連通して配設される。
【0056】
ソケット212および内表面213は好ましくは、円周上の1つまたは複数の箇所で第2の管セグメント26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット212は、第2の管セグメント26に関して略周方向の締まり嵌め216を形成するように、好ましくは縮径した内表面213によってさらに画定される。内表面213のテーパは、管セグメント26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント26の端面とショルダ214との間に空間を画定し得る。或いは、第2の管セグメント26の端部継手210を通じた軸方向移動をさらに制限するため、第2の管セグメント26の端面はショルダ214を係合してもよい。
【0057】
上記の好ましい継手300の場合と同じく、管セグメント24’の端部継手200は、適量のシーラント材がないときに流体が運ばれ得る漏洩経路を画定するための1本または複数のスロットまたはチャネルをさらに含む。より具体的には、管端継手200は好ましくは、少なくとも1本のチャネル218を含み、それにより第2の管セグメント26の外表面上に、管セグメント24’、26に含まれる気体または液体が大気中に漏出することができる漏洩経路が画定される。チャネル218は、内表面213と第2の管セグメント26との間の締まり嵌め216に不連続部分を形成し得る。チャネル218はさらに、流体密な封止がないとき、管セグメント24’、26から端部継手210に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット212と連通する。配管システム10において稼動させるための流体密な組立体としてジョイント100’を形成するため、好ましくは上記のとおりの流動性シーラント材(図示せず)が、第2の管セグメント26の外表面に、およびソケット212の内表面213に沿って塗布される。流体密な組立体では、流体が大気中に漏出しないよう、シーラント材が継手210のチャネル218を充填する。従ってチャネル218は、ジョイント200に、不完全な、または不具合のある流体密ジョイント組立体をシステム10の運用作業員に知らせる手段を提供する。より具体的には、先述の検出技法のいずれかを用いる運用作業員は、チャネル218から流体が流れ、および/またはジョイント200が圧力を維持できないという指示によって、ソケット212に十分なシーラント材が欠けているか、またはシーラント材が全くないことに直ちに気付かされる。
【0058】
図14Aおよび14Bには、好ましい管端継手200のそれぞれ平面図および断面図が示される。端部継手200の継手外表面211は、好ましくは一体に取り付けられた第1の管セグメント24’より大きい外径を有する略管状部材を好ましくは画定する。先述のとおり、内表面213が管端継手200のソケット212を画定する。内表面213は好ましくは、継手200の端面210からショルダ214にかけて狭く縮径し、ソケット長さL’を画定している。内表面213のテーパはさらに好ましくは、ソケット212の入口に第1の直径D’1を、およびショルダ214に近接するソケット212aの基面または底面に第2の直径D’2を画定する。従って、第2の直径D’2は好ましくは、第1の直径D’1より小さい。内表面213はさらに好ましくは、1本または複数のチャネル218を画定する。図14Aに見られるとおり、内表面はより詳細には、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁220と、それらの間に延在する相互接続内部表面壁222とによってチャネル218を画定する。チャネル218は好ましくは、ソケット212の長さL’を越えて軸方向に延在し、ソケット長さL’より長いチャネル長さL’1を画定する。チャネル218が軸方向にショルダ214を越えて延在することにより、さらに確実にチャネル218を開放されたままとし、第2の管セグメント26の端面とショルダ214との間の単なる係合だけでは完全には封止できないようにし得る。
【0059】
特にソケット212に関連して、内表面213はさらに好ましくは、チャネル218の深さまたは高さH’を画定することが示される。チャネル高さHは好ましくは、最小の継手200の端面210から最大のショルダ214にかけて深くなる。それに代えて、またはそれに加えてチャネル218は、好ましくは中心軸A’−A’から相互接続壁表面222まで計測される径方向距離R’によって特徴付けることができ、ここで径方向距離R’は好ましくは一定である。或いは、チャネル218の相互接続表面222は、内表面213のテーパと平行で、それに従い径方向距離R’がチャネルの長さに沿って変化してもよい。さらに代替例として、相互接続表面は、例えば波形などの、その軸方向長さに沿って非平面的なプロファイルを画定してもよい。
【0060】
チャネル容積は好ましくは、チャネル長さ、チャネル高さH’およびチャネル幅W’によって画定される。継手200の総チャネル容積は、ソケット212に関して径方向に配置されたチャネル218の本数によってさらに定義され得る。継手200の端面210には1本のチャネル218のみが示されるが、複数のチャネル218が端部継手200の中心軸A’−A’に関して径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント200における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。チャネル容積は、内表面213と管セグメント26’との間のいかなる締まり嵌めも、ジョイント100’において流体圧力を保持することがないよう、所望の漏洩経路を提供するのに足りる大きさで十分に構成される。さらに、チャネル容積は、ソケット212内部に配置された管要素に近接するチャネル218にシーラント材が不必要に溜まることを回避するよう、十分に小さい。
【0061】
好ましくは、チャネル218の様々な寸法、すなわち、その深さH’および幅W’は、公称管サイズの全範囲にわたって一定である。深さH’および幅W’は、端面210aにおける表1aの高さおよび幅の一覧表に従うことができる。或いは、チャネル寸法は、中に挿入される管セグメントのサイズによって変化してもよい。従って、継手210はレデューサとして構成されてもよく、ここではソケット212が、管セグメント24’の中心通路の直径と比較してより小さい内径D’1、D’2寸法を有し、それによって異なるサイズの管セグメントを連結できる。さらに、ソケット212は、ソケット212のソケット型の接続部をねじ型の接続部に変換するためのアダプタを受け入れるように構成されてもよい。表2は、上記のとおりの、所与の公称管セグメント直径に対するソケットおよびチャネル寸法の好ましい一覧表を提供する。
【0062】
【表3】
【0063】
ここでも、外表面211および内表面213、並びに端部継手200の側壁220および相互接続表面222を含むチャネル218の特徴は、或いは、外表面311および内表面313、並びに継手300の側壁320および相互接続表面322を含むチャネル318に関連して上記に説明されるとおりの任意の方法で構成されてもよい。従って、側壁220はチャネル幅W’を画定するように離間され、さらに好ましくは略垂直方向である。しかしながら、或いは側壁120は、チャネル218の幅Wが高さHにわたって変化するように、チャネル218を二等分する軸XIVB−XIVBに対してある角度を画定してもよい。内側接続表面222は略平面的なものとして示されるが、この表面はチャネル218の内部に対して略曲面状か、または好ましくは凹面状であってもよい。さらに、チャネル218において表面を移行させる角部または屈曲部は、示されるとおり実質的に角状であってもよく、或いは角部または屈曲部は曲面状であってもよい。チャネル幅W’は一定であってもよく、或いはチャネル218の軸方向長さL’、L’1に沿って変化してもよい。特に、チャネル幅W’は、端面210aからショルダ214にかけて狭く縮径し得る。その結果得られる狭まったチャネル218は、チャネル218内のいかなる流体もある感知可能な速度で吐き出すベンチュリ効果を生じる。図15には、代替的端管継手200’が示され、ここでチャネル218は、好ましくは組立体100’のなかで重力場上低いところに位置するように構成され、そこに流体、および特に液体が滞留し得る。チャネル218は階段状の移行部217を含み、それにより放出された流体を回収するための貯留部を形成してもよい。
【0064】
上記の好ましいジョイント組立体の各々は、好ましくはチャネルを有する連結具を含み、このチャネルは、ソケットの内表面に沿って構成され、管セグメントと協働して、運用作業員に不適切に封止されたジョイントを知らせる指示を提供するための漏洩経路を形成する。同じ効果を有する漏洩経路が、管状壁部材、例えば、管継手または端部継手のソケットの内表面と協働するための管セグメントの外表面に沿ってチャネルを形成することによって提供され得ることは理解されなければならない。例えば、図16Aにはジョイント100’’が示され、ここではチャネル418が管セグメント426、426の外表面に沿って形成され、軸方向に延在している。より具体的には、管セグメント424、426の壁がその外表面に沿って付形され、管セグメント424、426の外表面の一部分に沿ってチャネルを画定している。好ましいチャネル218が管セグメントに、より具体的には管の外表面に沿って組み込まれる場合、チャネルおよび/または貫通孔は、管の押出しまたは形成加工において形成され得る。チャネル418は好ましくは、管424、426の軸方向内内側部分から端面まで延在する。或いはチャネル418は管端面より軸方向に内側を終端として、管424、426の外径表面全体に配置されてもよい。
【0065】
上記の好ましい継手300および管端継手200に関して記載されるチャネルの様々な構成は、管セグメント424、426の外表面上に形成されるチャネル418にも実質的に等しく適用することができる。従って、管セグメントのチャネル418は、その長さに沿って幅、高さおよび/または深さが変化してもよい。例えば、チャネル418は、表1aの深さおよび幅寸法の一覧表に従い得る。さらに、チャネル418は実質的に軸方向に直線状であってもよく、或いは、例えば図17のヘリカルチャネル418に示されるとおり、軸方向および周方向に前進してもよい。さらに代替例として、図16Bに示されるとおり、チャネル418は、ソケット112および管セグメントの中心通路と連通する、管セグメントの壁における径方向に延在する貫通孔開口として構成される。
【0066】
所望の漏洩経路を形成するため、周方向の略連続的内表面213を有するソケット型の管端継手に挿入するための管セグメント26’の外表面に関して、様々な構成のチャネル418が形成および配置され得る。図16Cおよび16Dは、ジョイント200およびチャネル218の代替的実施形態を示す。
【0067】
上記のとおりのチャネルを有する実施形態に従い作製された例示的連結具が、空気圧および液圧による性能試験のため、試験用管組立体に組み込まれた。好ましい液圧および空気圧試験は、継手300の以下の性能特性の1つまたは複数を測定または評価するように構成される:(i)試験用組立体から所定の圧力の流体が完全に漏出するまでの時間;(ii)特定の圧力を維持する時間;(iii)継手を低圧と高圧とのサイクルにかけたときのサイクル数;および(iv)組立体の破裂圧力。試験の結果を用いて、作業中の連結具に用いられるチャネル構成を評価または検証することができる。
【0068】
図5には、好ましい連結具を評価するための好ましい試験用組立体が示される。6インチの長さの第1の管セグメント24’の一方の端部が、連結体として示される継手300の入力ソケットに挿入される。第1の管セグメント24’の反対側の端部に関しては、入力アダプタ28’を有する端部キャップが配置され、この入力アダプタ28’は、流れ制御装置29’を介して空気圧試験用の圧縮空気供給源および液圧試験用の液体または水供給源と連結される。連結体300の放出端には、同様に好ましくは6インチの長さの第2の試験用管セグメント26’の一方の端部がある。第2の試験用管セグメント26’の反対側の端部は、第2の試験用管セグメント26’の端部に流体密な封止を形成する端部キャップ30’である。試験用継手300、全ての試験用管セグメント24’、26’および全ての端部キャップ28’、30’が、積み重なって組立体の試験容積Vを画定する。試験用組立体は、空気圧および液圧試験を行う間に試験用組立体における圧力変化を監視するための圧力計31’と連結されたポートを含む。圧力計31’は、端部キャップ31’と接続されるものとして示される。圧力計31’は、その計器がシステム全体の圧力変化を評価できるのであれば、試験用組立体に沿った他の箇所に設置されてもよい。図5の試験用組立体は、連結体300の評価用として示され、従って2本の試験用管のみが示される。試験用継手300が3つ以上のソケットを有する場合、試験用組立体には対応する数の試験用管セグメントが提供され得る。
【0069】
液圧および空気圧試験は、(i)空気圧漏洩試験;(ii)液圧漏洩試験;(iii)第1の静液圧による圧力試験;(iv)第2の静液圧による圧力試験;(v)液圧破裂試験;および(vi)液圧サイクル試験を含む。空気圧および液圧漏洩試験の各々において、継手300’のソケットにそれぞれ挿入されている試験用管セグメント24’、26’の端部は、各々、不適切に封止されたジョイントの指示手段としてのチャネル318を評価するため、ドライフィットを形成するようにシーラントの塗布なしにソケットに圧入される。空気圧漏洩試験では、入力端部キャップ28’を通じて試験用組立体に圧縮空気が導入され、入力圧力を10psiまで上昇させる。チャネル318から圧縮空気が完全に漏出するのにかかる時間が記録される。液圧漏洩試験では、入力端部キャップ28’を通じて試験用組立体に水が導入され、入力圧力を10psiまで上昇させる。チャネル318から圧縮された液圧流体が完全に漏出するのにかかる時間が記録される。
【0070】
続いて、シーラント材、好ましくはBlazemaster CPVC Cement TFP−500が、試験用管セグメント24’、26’の端部および継手300のソケットの内表面313の各々に塗布され、それによりチャネル318を変形させ、または再構成し、液圧によるサイクルおよび破裂静圧試験に用いるため試験用組立体が完全に封止される。第1の液圧による静圧試験では、封止された試験用組立体が試験用継手の好ましい動作圧力である約175psiまで加圧され、圧力計31’を観測することにより試験用組立体が少なくとも5分間にわたって試験圧力を一定に保持できるかどうかが調べられる。第2の静液圧による圧力試験では、封止された試験用組立体が約875psiまで加圧され、圧力計31’を観測することにより、封止された試験用組立体が少なくとも5分間にわたって試験圧力を一定に保持できるかどうかが調べられる。サイクル試験では、組立体での流体の出し入れによって水を制御し、それにより組立体の圧力が好ましくは約0psiと約350psiとの間で繰り返される。圧力は、3,000サイクルに達するか、または組立体が破損するか、そのいずれかが先に起こるまで、その2つの圧力の間で繰り返し与えられる。次に水圧を上昇させることで、試験用組立体における破裂圧力および破損位置が確定される。
【0071】
上述の試験が、例えば図4Bに示されるとおり、継手300の端面310で計測したときのチャネル318の高さHおよび幅Wによって定義される様々なチャネル318のプロファイルに対して行われた。各チャネルプロファイルにつき少なくとも5つのサンプル継手が試験された。表3aは、空気圧試験の結果を要約する。表はそれぞれ、組立体から10psiを排出するのに要した時間における圧力を示す。
【0072】
【表4】
【0073】
要約の表によれば、チャネルの様々な構成について、空気圧の漏洩が検出されるときの平均圧力は、約0.5psig〜約1.7psigの範囲であった。好ましくは、漏洩は、試験用組立体においてチャネルから1psig以下で検出される。試験用組立体における1psig以下の圧力での漏洩の検出は、多数のジョイント組立体および数百フィートの管延長を有する可能性のある完全な配管システムにおいて、漏洩を早期に特定することにつながると考えられる。空気圧の漏出時間に関しては、試験用組立体、より具体的には連結具のチャネルが、10psigの試験圧力を約3.5秒以内に漏出させることが好ましい。かかる好ましい漏出時間は、特に漏洩の検出方法において単一の圧力計が用いられる場合に、完全な配管システムにおける漏洩の検出を促進するであろうと考えられる。連結具に形成されたチャネルから容易に漏洩する流体圧力は、運用作業員にとって封止の補修が必要な漏洩としての特定が一層容易となり得る圧力計の急激な反応につながり得る。
【0074】
表3bは、液圧試験の結果を要約する。この表は、組立体から10psiを排出するのに要した時間を示す。
【0075】
【表5】
【0076】
空気圧漏出時間に関しては、試験用組立体、より具体的には連結具のチャネルが10psigの試験圧力を10秒未満で漏出させることが好ましい。かかる好ましい漏出時間は、特に液圧による漏洩の検出方法において単一の圧力計が用いられる場合に、完全な配管システムにおける漏洩の検出を促進するであろうと考えられる。連結具に形成されたチャネルから容易に漏洩する流体圧力は、運用作業員にとって封止の補修が必要な漏洩としての特定が一層容易となり得る圧力計の急激な反応につながり得る。
【0077】
表4cおよび4dには液圧試験が要約され、ここで試験用組立体は、連結具に関してBlazemaster(登録商標)CPVC TFP−500 Cementを使用して封止された。サンプルの各々は、動的に試験された。より具体的には、サンプルおよびその所与のチャネル構成の各々について、液圧がゼロ〜350(0〜350)PSIで繰り返しかけられた間のサイクル数が記録された。封止されたサンプルの各々は、次に液圧試験にかけられた。最初に、組立体は175psiまで加圧され、5分間観察された。次に組立体は875psiまで加圧され、5分間観察された。サンプルの各々において、組立体は全試験時間にわたって静圧を保持することに成功した。次に組立体は、破損点まで加圧された。
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
封止後性能試験用組立体の各々は、0〜350psiの範囲にわたり、平均して3,000サイクル以上を繰り返すことに成功した。破裂および破損点試験に関しては、組立体の各々は平均約1400psig〜約1500psigで破損した。特に、組立体は連結具ではなく、管において破断した。従って、この封止後性能試験は、列挙されるチャネル構成について、かかる組み込みチャネルを有する連結具が封止可能で、首尾よく機能し、且つチャネルのない連結具と比較しても性能は低下していないことを実証している。比較として、標準規格の公称1インチ連結体(チャネルなし)のサンプルが、同様の封止後性能試験に供され、それらの標準規格の連結体は、0〜350psiの圧力範囲にわたり平均サイクル回数3,118サイクルを有することが示された。標準規格の継手を使用した試験用組立体はまた、約1480psigの平均破裂圧力を有することも示され、この組立体は連結体ではなく、管において破断した。
【0081】
連結具にチャネルを組み込んでも性能は落ちないことをさらに実証するため、試験用組立体に代替的シーラント材が利用された。3つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。封止後性能試験について、組立体は連結具に関して、エポキシ、好ましくは、所在地Cranston,Rhode IslandのEPOXIES ETC....からのエポキシ製品10−3216を使用して封止される。試験の結果は以下の表5a〜5bおよび6a〜6bに要約される。
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
破裂および破損点試験に関して、組立体の各々は平均約1500psigで破損した。特に、組立体は連結具ではなく、管において破断した。
【0087】
好ましい連結具が代替材料で作製され得ることをさらに実証するため、試験用銅組立体が、公称1インチ連結体および12インチ銅管で作製された。2つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。試験の結果は、以下の表7a〜7dに要約される。
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
試験用銅組立体ははんだ付けされ、試験連結体に関して流体密な封止が形成された。液圧による封止試験において、組立体は200psiまで加圧され、5分間観察された。液圧による封止試験において、組立体は1000psiまで加圧され、5分間観察された。サンプルの各々において、組立体は全試験時間にわたって静圧を保持することに成功した。サンプルの各々は、さらに動的に試験された。より具体的には、サンプルおよびそれらの所与のチャネル構成の各々について、ゼロ〜400(0〜400)PSIの液圧が繰り返しかけられ、その間のサイクル数が記録された。サイクル試験の結果は表8aに要約される。次に各サンプル組立体が3000psiまで加圧され、1つを除く全てのサンプルが流体密な封止を維持し、破損の兆候は一切見られなかった。3000psi試験に合格しなかった1つのサンプルが合格できなかったのは、はんだに問題があったためで、試験継手にチャネルが存在したことが原因ではなかった。
【0091】
【表14】
【0092】
所与の構成のチャネルが様々な公称サイズ管に用いられ得ることを実証するため、試験用組立体が、公称3インチCPVC連結体および1フィートの公称3インチ管で作製された。2つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。試験の結果は、以下の表9a〜9dに要約される。
【0093】
【表15】
【0094】
【表16】
【0095】
【表17】
【0096】
【表18】
【0097】
試験結果によれば、公称1インチ連結体で用いるのに好適な少なくとも2つのチャネル構成が、公称3インチ連結体においても等しく満足な成績をもたらした。特に、封止後性能試験はここでも、公称3インチ連結体のチャネルによって連結体の性能が落ちることはないことを実証している。具体的には、平均サイクルおよび破裂圧力は、公称3インチ継手について予測されたとおりであった。静液圧による圧力試験では、試験された全てのサンプルが175psiの水圧を5分間保持し、4つの試験サンプルのうち1つのみが、875psiの静液圧試験で破損した。特に破裂圧力試験において、連結体はその周囲の中央部分に沿って破損しており、これは破損がチャネルとは無関係であることを示している。
【0098】
試験データ並びに好ましい試験用組立体および連結具をさらに評価するため、一連の流体力学モデルを作成し、試験データを計算上の性能と比較した。より具体的には、各モデルは、所与の連結具を特徴とし、より具体的には、好ましい試験用組立体における所与のチャネル構成を有する継手を特徴とするように構築された。次にモデルは、住宅用占有部分の防火配管組立体および商業用占有部分の防火配管システムに設置されるときの連結具を評価するため、さらに拡張された。各モデルは、所与の管組立体に典型的な容積を有する好ましい配管組立体に設置された連結具を特徴とする。各モデルにおいて、組立体は、初期圧力、好ましくは10psiの空気で加圧されるものとしてシミュレートされる。モデル化された配管組立体が初期圧力にあるとき、組立体は開始時刻t0=0秒でモデル化され、管セグメントに関するモデル化された継手のチャネルによって形成された漏洩経路を近似する開放オリフィスを有する。次にモデルは、流体、この場合、モデル化されたチャネルからの空気の漏出を、単位時刻ごとに配管システムに残留している圧力を計算することによってシミュレートする。
【0099】
モデルは、連結具チャネルから出る気体の質量流量とシステム圧力を関係付ける一組の方程式を解くことによって、各単位時刻における圧力を計算する。好ましいチャネルを備えた連結具を有する配管組立体において、開放チャネルを通じた気体の質量流量は、
【数1】
によって求められ、
式中、
【数2】
は質量流量であり、
Paは初期システム圧力であり、およびP∞は大気圧であり、
Таはシステム内の気体温度であり、
Aaはチャネル深さおよび幅によって定義される放出面積であり、
γは一定の圧力における比熱の、一定の容積で一定の圧力における比熱に対する比であり、2原子気体についてγ=1.4であり、および
Rは気体定数である。
【0100】
圧力、容積および温度の変化を気体の質量流量と関係付けるため、以下の方程式が用いられる:
【数3】
式中、Vaは配管組立体の総容積である。
【0101】
漏洩経路を形成する開放チャネルを備えた連結具を有する圧力下の管組立体について、内部の気体圧力の変化は、
【数4】
によって特徴付けることができ、式中、
【数5】
=それぞれ、スプリンクラーが開栓された瞬間の気体の圧力および温度;
配管システム内の気体の動きが等エントロピー的なとき、γ1=γ、
気体の動きが等温的なとき、γ1=1。
式1および式2において:
【数6】
式中、
【数7】
は、試験用組立体における気体の初期圧力および温度である。時間の関数としてのシステム内の空気圧力を決定するため、式4が、標準的な数値積分スキームによって積分され得る。
【0102】
上記の式を用いて管組立体モデルが生成され、各時間間隔におけるモデル化されたシステムの圧力について解かれた。上記の式に基づけば、モデルの入力変数は、(i)システム総容積Va、(ii)初期システム圧力
【数8】
;(iii)システム内の空気の初期温度
【数9】
;および(iv)チャネル断面積に相当するオリフィスサイズ、である。システム容積は、所与の公称サイズ管について仮定した線形フィート数およびそれに対応して公称上のサイズとされる継手の仮定した数に基づいた。控えめに見積もっても、計算されたシステム容積Vaは、さらに4パーセント増加した。モデル化された各システムについて、初期システム圧力を10psiに設定し、および初期気体温度をほぼ周囲温度の華氏68度(68°F)と仮定した。各モデルについて、配管を通じた摩擦損失は無視できるものと仮定すること、およびチャネルによって形成される漏洩経路にはいかなる障害物または堆積物もないと仮定することを含め、さらなる仮定を入れた。加えて、漏出を始動した最初の時点、すなわち時刻=0秒で漏出は直ちに始まることを仮定した。
【0103】
上記のとおりの好ましい公称1インチ継手用の試験用組立体に対応する第1のモデルが生成された。モデル化された継手は0.015インチ×0.015インチのチャネルを含んでおり、組立体は、1フィートの公称1インチ管と共に、約0.228ガロン(gal.)のシステム容積Vaを有するように決定された。初期システム空気圧力
【数10】
は10psiに設定され、初期システム空気温度
【数11】
は68°Fと仮定された。モデルの結果によれば、10psiのシステム圧力は5分以内に漏出した。モデルはさらに、ジョイント組立体の漏洩経路が、モデル化された継手のチャネルによってのみ画定されることにより、最小限であることを仮定している。従ってこのモデルは、チャネルの他には、実際の試験用組立体における継手の内表面と管の外表面との間の間隙によって画定される追加的な漏洩経路容積を考慮していない。
【0104】
モデルの精度をさらに実証するため、管組立体の端部が各々直径0.063インチの孔が開けられた端部キャップを有する、2つの封止された流体密な試験用組立体を作製した。この孔は、試験用組立体の各々における唯一の放出個所を提供する。次に試験用組立体を、上記の空気圧漏出試験に供した。2つの試験用組立体についての空気圧プロファイルのプロットが図5Eに示される。次に試験用組立体をモデル化し、その空気圧漏出プロファイルをプロットした。モデル化されたプロファイルは、実際の試験用組立体の性能を極めて良く近似する。
【0105】
より大きい配管システムにおける好ましい連結具およびチャネルの漏出性能を評価するため、モデルが拡張された。従って、小規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第2のモデルが生成された。第2のモデルは、システムが、約225フィートの1インチ配管と25個の90度エルボと25個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含む約11.544ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数12】
は10psiに設定し、初期システム空気温度
【数13】
は68°Fと仮定した。公称1インチ継手における7つの異なるチャネル構成について、時間依存の圧力プロファイルを決定した。これらのチャネル構成は、継手の端面で計測して、5つの異なるチャネル総断面積を定義する:(i)0.0002平方インチ;(ii)0.0012平方インチ.;(iii)0.0015平方インチ;(iv)0.0030平方インチ;(v)0.0036平方インチ。様々なチャネル構成は、以下の表10に要約される。
【0106】
【表19】
【0107】
モデルは、モデル化された継手の端面におけるチャネル開口の総断面積に依存するため、所与の圧力漏出プロファイルによって様々なドライフィットの不適切な封止が提供される。単一のチャネルシナリオでは、モデルは、不適切に封止された連結体において1つのソケットのみを特徴とする。2本のチャネルシナリオでは、モデルは、(i)連結体の各ソケットが不適切に封止された、連結体の長さにわたり延在する単一のチャネル;または(ii)不適切に封止された連結体における1つのソケットの2本のチャネルを特徴とする。従って、0.015インチHの深さおよび0.060Wの幅の構成を有するチャネルについて、0.0015平方インチの面積が、不適切に封止された連結体における1つのソケットを網羅し、0.0030平方インチの面積が不適切に封止された2つのソケットを網羅する。列挙された断面積が、列挙されていないチャネル構成のシナリオを網羅し得ることは理解されなければならない。
【0108】
5つのチャネル総断面積の各々について圧力の時間依存関数を計算し、小規模住宅用システムについて図5Aにプロットした。プロットは、5つのチャネル総面積の各々について、小規模住宅用システムでは圧力が2分間で降下することを示している。プロットによれば、断面積が増加すると、チャネルからの圧力漏出率が上昇する結果となる。
【0109】
中規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第3のモデルが生成された。第3のモデルは、システムが、450フィートの1インチ配管と50個の90度エルボと50個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約23.192ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数14】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数15】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Bにプロットされる。
【0110】
大規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第4のモデルが生成された。第4のモデルは、システムが、約750フィートの1インチ配管と70個の90度エルボと70個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約38.584ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数16】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数17】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Cにプロットされる。
【0111】
商業占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第5のモデルが生成された。第5のモデルは、システムが、約500フィートの1.5インチ公称管と750フィートの1インチ配管と100個の90度エルボと100個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約90.168ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数18】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数19】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Dにプロットされる。
【0112】
プロットは、チャネルを有するモデル化された好ましい連結具が、いかに圧力下の配管システムを漏出させるかを特徴付ける。モデル化されたチャネル断面積の各々について、計測可能な量の空気圧の漏出は、2分以内に起こった。モデル化の結果を試験用組立体データと組み合わせると、漏洩経路は、端面で計測したとき約0.0002平方インチ(in.2)程度の小ささから、約0.01in.2に至る範囲のチャネル断面積を有する連結具によって設けることができると考えられる。しかしながら、プロットはさらに、システム容積の増加に伴い漏出率が低下することを示しており、好ましい連結具が不適切な封止の検出に効果的な漏洩経路を提供するには、完全なシステムにおける圧力の変化率が、配管システムの運用作業員が特定するのに十分な程度に大規模でなければならないと考えられる。従って、例えば、運用作業員が中規模住宅占有部分の地階でシステム圧力計を監視していて、不適切な封止が配管システムのうち最も離れたところにあるジョイント組立体にある場合、連結具チャネルからの漏出によるシステム圧力の降下率は、システム圧力計に表示され、運用作業員が気付くことができる程度に十分大きくなければならない。
【0113】
従って、任意の所与のチャネル断面積について、漏出圧力プロファイルは好ましくは、利用可能な圧力検知または監視機器に表示され得る圧力の変化率を定義する。好ましい圧力計は、上記のものなどの、空気圧による管システム検査技術に実用的で、且つ容易に入手できるものである。計器は、さらに好ましくは、配管システム内の毎分約0.5psigの好ましい最小圧力変化率を表示することができるよう、0psig〜30psigの圧力を読み取る目盛りが付されている。一例示的空気圧計は、Lawrenceville,GeorgiaのWIKA Instrumentation Corporationによって製造されるもので、0〜30psigの目盛りが付されている。図5A〜5Bの圧力プロットを参照すると、モデル化されたチャネル断面積の全てが、中規模住宅占有部分用防火システムと等しいか、またはそれより小さいシステム容積について、最低0.5psig/分の圧力変化率をもたらした。しかしながら、0.0015平方インチ以上の総断面積を画定するチャネル構成は、モデル化された占有部分の全てにわたって0.5psig/分の好ましい初期最小圧力変化率をもたらす。従って、一連のチャネル構成を利用して、様々な用途についての空気圧試験において、最低10psiのシステム空気圧力を0.5psig/分の最低速度で漏出可能な効果的な漏洩経路を画定することができる。液圧による圧力試験において、チャネル構成は好ましくは、モデル化された占有部分の全てにわたって0.5psig/2分の初期最小圧力変化率をもたらす。
【0114】
しかしながら、効果的な漏洩経路を提供するチャネルの能力は、連結具に適したチャネル構成を定義するうえでの一要素に過ぎない。上記に考察されるとおり、1つまたは複数の工業規格に準拠するよう、連結具に最小壁厚を維持することが好ましい。従って、例えば図6Cに見られるとおり、連結具に一定の壁厚を維持するための外表面突起319がないとき、最大チャネル深さHは好ましくは約0.06インチであると考えられる。加えて、チャネル深さは、管セグメント端部がショルダと当接してチャネルを大気から遮断することが回避されるか、または最小限となるように構成され得る。さらに、CPVC連結具においてチャネル深さHを好ましい最大値以下で構成することにより、セメントシーラント材がチャネル内部に不要に溜まる可能性が最小限に抑えられる。
【0115】
上記の要因を踏まえると、連結具に形成される単一のチャネルについて、チャネル断面積は、約0.0002平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲、好ましくは約0.0012平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲、より好ましくは0.0015平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲であってもよい。チャネル深さHは約0.005インチ〜約0.060インチの範囲であってもよく、チャネル幅は約0.015インチ〜約0.1インチの範囲であってもよい。好ましくは、チャネル深さHは約0.025インチ〜約0.060の範囲であり、最も好ましくは約0.025インチであり、およびチャネル幅Wは好ましくは約0.025インチ〜約0.060インチの範囲であり、最も好ましくは約0.060インチである。
【0116】
本発明は、特定の実施形態を参照して開示されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対して多くの修正、改変、および変更が可能である。従って、本発明は記載されている実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲、およびその等価物の文言によって定義される完全な範囲を有することが意図される。
【技術分野】
【0001】
優先権データおよび参照による援用
本願は、(i)2007年10月02日出願の米国仮特許出願第60/977,010号明細書;(ii)2007年8月17日出願の米国仮特許出願第60/956,655号明細書;(iii)2007年5月11日出願の米国仮特許出願第60/917,459号明細書;および(iv)2007年1月10日出願の米国仮特許出願第60/884,262号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、これらの各々が、全体として参照により援用される。
【0002】
本発明は、ジョイント組立体にシーラント材を使用することで流体密に封止されたジョイント接続部または組立体を形成する配管システムについて、その完全性を確認し、確保するための方法およびシステムに関する。より具体的には、システムにおけるシーラント材のないジョイント接続部(ドライフィット接続部)、またはシステムにおけるシーラント材の量が不十分なジョイント接続部といった、各々、不適切に封止されたジョイント接続部と定義されるジョイント接続部を検出するための方法およびシステムが提供される。加えて、本明細書における方法およびシステムは、不適切に封止されたジョイント接続部の位置を特定するための手段を提供する。こうしたジョイント組立体を形成するための製品が含まれる;これらの製品は、不適切に封止されたジョイント接続部において検出可能な漏洩経路をさらに形成し、その経路を通じて、ジョイント接続部の内部とジョイント接続部の外部との間で流体が出たり入ったりし得る。
【背景技術】
【0003】
様々な配管接続部および接合部において流体密な封止を維持することが、配管システムの運用および保守において決定的に重要であると考えられる配管システム用途は、多岐にわたる。ある配管システムは、配管要素間のソケット型の接続部に化学溶着を使用してジョイント組立体を形成する。ソケット型接続部では、配管要素間の公差が厳しいことから、界面間に締まり嵌め、すなわち「ドライフィット」が形成される傾向がある。流体密に封止された永久的なジョイント接続部を形成するため、構成要素にシーラント材または溶剤セメントが塗布され、例えば、化学溶着、材料融合、接着または他の相互接続によってそれらの接続部が封止される。シーラント材が全く塗布されなかったか、または少なくとも塗布されたシーラント材の量が十分ではなかったとき、システムのドライフィットジョイント接続部または組立体は漏洩し易くなり得る。しかしながら、管要素の係合面間にドライフィットが形成されていると、ジョイント接続部の不適切な封止が表に現れることなく、組立体は少なくとも一時的に流体圧力を保つ可能性がある。圧力の急上昇、時間の経過、および/または振動によって、こうしたドライフィット接続部または適量のシーラント材のない(部分封止)接続部は破損する可能性があるため、これは問題を引き起こし得る。
【0004】
不適切に封止されたジョイント接続部または組立体からの漏洩は、少量であっても周囲の物品または環境に被害を引き起こし得る。例えば、防火システム、より具体的には住宅用防火システムでは、ジョイント組立体は、例えば管連結ソケットに挿入される管端などの、各々が後塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)などのプラスチック製である配管要素間のソケット型接続部を化学溶着することによって形成される。かかるシステムにおけるドライフィット/部分封止接続部が不適切に封止され、それが検出されないまま稼動された場合に、そのドライフィット/部分封止接続部が破損すれば、物的被害、および特に個人の財産に被害が生じる結果となり得る。
【0005】
実際問題として、防火配管の請負業者または敷設業者は、最初に管要素を組立ててドライフィット/部分封止を調べ、接続部を分解し、管の外表面およびソケットの内表面に関してシーラントを塗布し、要素を再び接合したうえ、シーラントをそのまま硬化させる。1,000平方フィートの住宅用途では、75〜100ヶ所のソケット型接続部が存在し、各々にシーラント材の塗布が必要とされ得る。多数の継手の存在、および/または人為的エラーに起因して、なかにはシーラントが全く付与されないか、または少なくとも付与されるシーラントの量が十分ではない接続部もある。従って、システムの稼動前に、配管システムに対して静止流体試験または漏洩試験を実施することが望ましい。システムが流体圧力を保持する場合、システムが稼動され、その住宅の建設は完了する。しかしながら、上述のとおり、シーラント材がない、またはシーラントの量が十分でないときでも、配管要素間のドライフィット/部分封止によって漏洩試験において誤った合格結果が示され得るため、そのジョイント接続部は試験に合格する可能性がある。
【0006】
さらに、管ジョイント接続部の空気圧または静液圧試験は、敷設業者または他の請負作業員に危険を及ぼし得る。ある場合には、ドライフィット接続部は、液体または気体を保持することが可能なドライフィットを形成することがあり、結果として配管システムのジョイント周辺のセグメント内部に圧力の上昇が生じ得る。空気圧または静液圧試験の間に、ドライフィットジョイント接続部は最終的に閾値圧力に達し、破損し得る。内圧およびそのポテンシャルエネルギーが突然解放されれば、例えば端部キャップまたは他の管セグメントを管端から吹き飛ばすのに十分であり得、ひいては継手が発射体となり、物的被害および/または人身傷害を引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、不適切な封止を指示することが可能なジョイント接続部または組立体を組み込む配管システムを、組立て、構築し、および試験するための方法およびシステムを提供する。好ましくは、ジョイント組立体は、流動性のシーラント材を用いてジョイント組立体を封止するソケット型の継手を採用する配管システム用に構成される。特に、好ましいジョイント組立体は、ジョイント組立体が不適切に封止されている場合に流体圧力を保持することができない。特に、好ましいジョイント組立体は、ドライフィット接続または部分封止の場合に流体圧力を保持することができない。より具体的には、ジョイント組立体は好ましい連結具、すなわち、配管セグメントを接合するための管継手、管端継手または改変された管表面を含み、これは、不適切に封止されたジョイント接続部において管セグメント表面と協働して漏洩経路を形成するチャネルを含む。このチャネルを通じて流体が漏出するため、配管システムの敷設業者、請負業者、所有者または運用者(まとめて「運用作業員」)は、不適切な封止、特に、ジョイント組立体に適切な封止を形成するシーラント材がないことを特定できる。従って、本明細書には、配管組立体においてドライフィット接続部を検出および封止するための方法およびシステムが記載される。さらに、本発明者らの連結具は、シーラント材が全くないか、または適正量でないドライフィットジョイント接続部の周囲における流体圧力の上昇を防止する。ドライフィット接続部の流体圧力を保持する能力を排除することによって、この接続部はポテンシャルエネルギーを蓄えることができず、ひいてはドライフィットまたは部分封止接続部によって周囲環境および作業員に危害が及ぶ可能性が排除される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
好ましい一実施形態において、管組立体における漏洩を検出するための方法が提供される。この方法は、漏洩経路を画定するチャネルを有する少なくとも1つの継手を提供することと、組立体を空気圧により試験することと、次に、組立体を液圧により試験することとを含む。複数の連結具を有する防火配管システムの完全性を点検するための方法を提供する。この方法は、配管システムを加圧することと、連結具の少なくとも1本のチャネルから流体を流出させることを含め、配管システムの漏洩を検出することと、少なくとも1本のチャネルを封止することと、システムの漏洩を再点検することとを含む。流体を流出させることは、少なくとも1つの配管セグメントの中心通路と連通する少なくとも1本のチャネルを配設することを含め、少なくとも1つの管セグメントに関して少なくとも1つの連結具を配置することを含む。中心通路と連通するチャネルを配設することは、連結具の内表面に沿って少なくとも1本のチャネルの深さ、幅および長さを画定することをさらに含む。漏洩を検出することは、好ましくは、システムにおける圧力降下を監視することと、流体が流出している少なくとも1つの連結具を特定することとを含む。好ましい方法の一部は、連結具および管セグメントにシーラントを塗布することと、管セグメントに関して流体密な封止を形成するようチャネルをさらに改造することとを含む。
【0009】
管継手を含み、その継手に管セグメントが配置された少なくとも1つのジョイント組立体を有する配管システムの漏洩試験方法が提供される。本方法は、管継手と管要素との間に漏洩経路を画定することと、システムに流体を導入することと、漏洩経路からの流体の放出を検出することとを含む。従って、管組立体における漏洩の検出方法は、好ましくは、管セグメントに取り付けられて組立体を形成する少なくとも1つの連結具を提供することを含む。この連結具は、漏洩経路を画定するチャネルを含む。本方法は、少なくとも1つの継手と管セグメントとの間の漏洩を検出するため、チャネルを通じて流体を流すことをさらに含む。より好ましくは、本方法は、空気圧によって組立体の圧力試験を行うこと、および静液圧によって組立体の圧力試験を行うことを提供し、或いは本方法は、空気圧による圧力試験および液圧による圧力試験のうちの一方からなってもよい。漏洩経路の存在下で流体の放出を検出することは、好ましい時間内、例えば、圧力試験開始から2分以内におけるシステムの圧力降下の検出を含む。さらに、流体を導入することが、システムを10psiの初期圧力まで空気で加圧することを含む場合、空気圧試験は好ましくは、漏洩経路を通じたシステムの圧力降下を検出することを含む。圧力は、毎分約0.5psiの初期最小速度で降下する。10psiの初期圧力を用いる液圧による圧力試験において、その液圧試験は、モデル化された占有部分の全てにわたって最低0.5psi/2分を検出することを含む。
【0010】
漏洩の検出を促進するため、防火配管システムにジョイント組立体を形成するための好ましい連結具が提供され、この連結具は、外表面と、軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分を含む。連結具は、内表面と外表面との間に延在して管状壁部分の厚さを画定する端面をさらに含む。内表面および外表面のうちの一方に沿って、通路と連通するチャネルが配置される。チャネルは、配管システムの内部と配管システムの外部との間で流体を搬送するための第1の構成を有する。チャネルは、配管システムの内部と外部との間で流体が搬送されることを防止するための第2の構成を有する。チャネルは、さらに好ましくは、最小量のシーラント材が存在するとき第1の構成から第2の構成に変換することが可能である。システムが約10psiの空気の初期内圧を有する場合、第1の構成にあるチャネルは、毎分約0.5psiの好ましい初期最小速度でシステム圧力の低下を提供する。10psiの液圧による圧力試験において、このチャネル構成は好ましくは、0.5psi/2分の初期最小速度の圧力変化を提供する。
【0011】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面とを有する連結具が、さらに提供される。環状ショルダが内表面と係合し、これは長手方向軸に向かって径方向内側に延在する。ショルダは、中心通路と連通する軸方向に延在するチャネルを画定するための一対の側壁を含む。このチャネルは好ましくは、セグメントに関して流体密な封止を画定するように改造することが可能である。一対の側壁は、チャネルの長手方向軸に沿った方向におけるチャネル深さを画定する。好ましくは、チャネル深さはショルダにおいて最大となり、且つ連結具は第1の端面と第2の端面とをさらに含む。内表面は、一対の側壁を接続する相互接続表面をさらに含み、この相互接続表面は、チャネルの内部に対して略曲面状である。一実施形態において、チャネルは、長手方向軸を中心として螺旋状に前進し得る。別の実施形態において、チャネルは、内表面および外表面から延在し、且つチャネルの残り部分と連通する貫通孔として構成される部分を含む。或いは、チャネル全体が、連結具の軸と略垂直に内表面から外表面まで延在する貫通孔によって画定されてもよい。さらなる実施形態において、連結具は、内表面および外表面を通じて一定の壁厚を画定するため、外表面に沿って突起をさらに含む。
【0012】
ここに組み込まれ、且つ本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の例示的実施形態を示すものであり、上記の一般的な説明および下記の詳細な説明と合わせて、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】住宅用防火システムの概略図である。
【図2】図1の配管システムの完全性を点検するための方法のフローチャートである。
【図3】図1のシステムに用いられるジョイント組立体の概略図である。
【図3A】図1のシステムに用いられるジョイント組立体の概略図である。
【図3B】図3Bのジョイント組立体の概略断面図である。
【図4】図3A〜3Bの組立体に用いられる好ましい連結具の断面図である。
【図4A】図4の連結具の端面図である。
【図4B】図4Aの端部の詳細図である。
【図4C】図4の連結具の概略断面図である。
【図4D】チャネル付き連結具の代替的な端面図である。
【図4E】チャネル付き連結具の代替的な詳細図である。
【図5】連結具を評価するための試験用組立体の概略図である。
【図5A】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5B】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5C】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5D】連結具を組み込んでモデル化された配管システムの性能プロットである。
【図5E】連結具について、実際の試験用組立体とモデル化された組立体との比較プロットである。
【図6A】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図6B】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図6C】図3A〜3Bのジョイント組立体に用いられるチャネル付き連結具の別の例示的実施形態である。
【図7A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図7D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図9D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図10】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11C】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11D】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11E】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図11F】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図12A】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図12B】チャネル付き継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図13】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図14A】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図14B】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図15】管セグメントと一体化したチャネル付き管端継手として構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16A】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16B】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16C】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図16D】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【図17】チャネル付き管セグメントとして構成された連結具の代替的実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、気体、液体またはそれらの組み合わせのいずれかとしての流体を搬送するための好ましい配管システム10の例示的実施形態が示される。より具体的には、防火システム用の好ましい配管網10が示される。このシステム10は好ましくは、例えば、各々が全体として参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)(Addendum #1/IH−1900(2005年10月))に図示および記載されるとおりの、Tyco Fire & Building Products TFP Blazemaster(登録商標)配管システムなどの後塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)配管セグメントおよび継手で構築される。システム10は配管要素網を含み、配管要素としては、主管路12、枝管路14、スプリグ管、ドロップ管、ライザー管16、管ニップル18、バルブ20、スプリンクラーおよび/またはノズル22、および警報装置のうちいずれか1つを挙げることができる。様々な管要素を相互に接続し、接合するため、システム10は好ましくは、管セグメントと連結具との間を接続することによって形成される1つまたは複数のジョイント接続部または組立体100を含む。連結具は、配管セグメントを接合するための管継手、管端継手または改変された管表面のうちいずれか1つであり得る。好ましくは、システム10は住宅用湿式パイプスプリンクラーシステムとして稼動され、ここでは、水の通う、水道と接続された配管システム10に自動スプリンクラー22が取り付けられ、従って火災の熱によってスプリンクラーが開放されると、そこから直ちに水が放出される。或いは、システム10は住宅用乾式スプリンクラーシステムとして構成されてもよく、ここでは、圧力下に空気または他の気体の通う配管システム10に自動スプリンクラー22が取り付けられ、水道と連結された制御バルブが作動すると、この空気または他の気体が水に替えられる。かかる乾式住宅用防火システムは、全体として参照により援用される米国特許出願公開第2006/0021765号明細書の段落[0024]〜[0029]および図1〜2に図示および記載される。さらなる代替例として、好ましいシステム10は、好ましくはプラスチック製の配管構成要素を有する任意の他のタイプの配管システムであってもよい。好ましくはプラスチック製の継手および構成要素を有する代替的な配管システムとしては、通気システム、排水システム、プールスパ、並びに灌漑システム、化学システム、および飲用水システムのように、そのジョイント組立体が、流動性シーラント材と組み合わせた締まり嵌めを用いて流体密に封止された接続部を形成するシステムを挙げることができる。
【0015】
システム10の好ましい組立ては、ソケット型の連結具を流動性シーラント材と共に使用して、ジョイント組立体100における2つ以上の管要素を接合することと、システム全体にわたって封止の完全性を確認することと、システムを稼動させることとを含む。図2には、配管システムを組立て、システム10の完全性を確認する好ましい方法が示される。好ましくは、システム10の組立ては、ソケット型ジョイント組立体100の各々の組立てごとに、管セグメントと連結具とを接合することと、それらの間のドライフィットを点検することと、接続部を分解することと、管セグメントの外表面および連結具の内表面に関してシーラントを塗布することと、要素を再接合することと、シーラントをそのまま硬化させることとを含む。
【0016】
本方法は、さらに好ましくは、漏洩を検出することによってシステムの完全性を確認することを含む。好ましくは、システム10には陽圧がかけられるが、或いはシステム10には負圧がかけられてもよい。検出方法は、例えば、システム10の加圧後の1つまたは複数のジョイント組立体100からの漏洩を観察することによる、漏洩の直接的な検出方法を含み得る。それに代えて、またはそれに加えて、検出方法は、システム内の圧力損失を監視するための、システム10に連結された1つまたは複数の圧力計を監視することによる、漏洩の間接的な検出方法を含み得る。漏洩が検出された場合、好ましい組立方法は、漏洩を補修および封止することと、システム10の完全性を再確認することを含み得る。漏洩が検出されなければ、システム10は稼動させることができる。
【0017】
好ましい連結具が、好ましい組立方法において用いられる管システム10の漏洩を検出するための手段を提供する。より具体的には、好ましい連結具は、適当な封止がなく、且つ陽圧下にあるとき、少なくとも部分的には連結具によって画定され、且つ全体的には連結具と管セグメントとの間の協働によって画定される漏洩経路を通じて、管組立体の中心内部通路から管組立体に近接する外部環境への流体の動きを導く。負圧下で適当な封止がないとき、好ましい連結具はチャネルを通じて外部の大気を引き込み続ける。好ましくは、この漏洩経路は、適当な封止がないときに管システム10が圧力を保持しないように構成される。従って運用作業員はシステムが静圧を維持できないことを検知し、ジョイント接続部に不適切な封止がある可能性について注意を喚起される。不適切な封止とは、シーラント材が存在しないか、またはいくらかのシーラント材は塗布されているものの、それが不十分な量であるジョイント接続部であり得る。
【0018】
好ましい連結具を有する管システム10が構築されると、運用作業員は、流体がシステムの内部と外部との間を流動し得る漏洩経路が形成されているかどうかを評価することによって、システム10の完全性を確認する。具体的には、運用作業員は好ましくは、配管システムの圧力試験を段階的に行う。第1の段階は、配管システム10は空気圧により、例えば、好ましくは約1ポンド毎平方インチ(psi)〜約15psiの圧力範囲または圧力値にわたって、好ましくは15psiの値で試験される。システム10は、好ましい連結具からの圧縮された空気または気体の漏洩について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検される。ひいては運用作業員は、検出された任意の不適切に封止されたジョイント組立体100を適正に封止することができ、その後運用作業員は、好ましくは約1ポンド毎平方インチ(psi)〜約15psiの好ましい圧力範囲または圧力値にわたって、好ましくは15psiの値でシステムを再び空気圧により試験し、補修が十分に行われたことを確認し得る。
【0019】
圧力試験の第2の段階は好ましくは、約200psiの好ましい圧力でのシステム10の液圧試験、より好ましくは静液圧試験を含む。より好ましくは、圧力試験の第2の段階は、全体として参照により援用される「Standards for Installation of Sprinkler Systems:Systems Acceptance」と題されるNational Fire Protection Association(NFPA) Standard NFPA−13、第24章(2007年)に定義されるとおりの静液圧試験圧力における液圧試験を提供する。
【0020】
システムを所望の静液圧試験圧力まで加圧した後、システムは、好ましい連結具からの液体の放出について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検され得る。運用作業員は、圧力試験の第2の段階でさらに検出された任意の不適切に封止されたジョイント接続部を再び適切に封止することができ、次に、好ましくは液圧により、好ましい静液圧範囲でシステムを再び試験し得る。初期空気圧範囲または液圧範囲は、その初期空気圧および液圧が対応する流体を管組立体の中心内部通路から管組立体に近接した外部環境へと、漏洩経路を通じて直接的または間接的な手段によって検出可能な速度で移動させるのに十分であるならば、任意の圧力範囲または特定の圧力値によって定義され得ることは理解されなければならない。さらに、運用作業員は、任意の封止作業の実施と圧力試験との間に適当な長さの時間間隔を設け、シーラントが溶着するか、融合するか、接着するか、またはその他の方法でジョイント接続部を形成するのに十分な時間をとることは理解されなければならない。全てのジョイントが適切に封止され、システムがその完全性について点検されると、システムは水または他の流体で充填され、稼動させることができる。
【0021】
最初の空気圧試験の後、液圧試験の第2の段階を実施することに代えて、空気圧試験の第2の段階を実施してもよく、ここで第2の空気圧試験圧力が配管用途に好適であれば、試験圧力は増加され、すなわち最初の試験圧による試験段階より大きくされる。再度、システムは好ましい連結具からの圧縮された空気または気体の漏洩について、直接的および/または間接的な視覚的、触覚的または聴覚的手段を用いて点検され得る。運用作業員は、より高い圧力範囲のもとでさらに検出された任意の不適切に封止されたジョイント接続部を、再び適切に封止することができ、次に、システムを空気圧により第2の段階用の試験圧力下で再び試験し得る。
【0022】
好ましい連結具は、配管システムにおいて不適切に封止されたジョイント接続部を検出するための、実質的に即時性で検証可能な機構を提供する。より具体的には、好ましい連結具はチャネルを伴い構成され、これは、適切な封止がないとき、流体がシステムの内部とシステム10の外部との間に直ちに流れることのできる漏洩経路を提供し、それにより運用作業員には、比較的迅速な間接的および直接的漏洩指示手段の少なくとも1つが提供される。好ましい連結具のチャネルから圧縮された液体、気体、空気または他の流体が漏洩することにより、運用作業員は不適切に封止されたジョイントを特定する。さらに、この好ましい連結具は、好ましくは上記の方法で配管システム10の圧力試験を実施するための好ましい手段を提供すると考えられる。特に、適正量のシーラント材がないとき、好ましくはシステム圧力試験を開始して2分以内に、好ましい連結具のチャネルによってシステム10に検出可能な圧力降下が生じる。さらに、この好ましい連結具が不適切に封止されたジョイントの周囲における流体圧力の上昇を防止するため、適切に形成された封止なしに接合された管継手またはセグメントの周囲のポテンシャルエネルギーが、この好ましい連結具によって除去される。この機構により、不適切に接合された管継手またはセグメントが激しく破損または破断したり、物的被害を引き起こし、および/または周囲の作業員に重傷を負わせかねない発射体となったりすることが防止され得る。
【0023】
管セグメントと共にジョイント組立体100を形成するための好ましい連結具は、ジョイント100における管セグメントと好ましい連結具との嵌合表面間のドライフィット接続部が、十分な量のシーラント材がないときに圧力を保持できないようにし、その代わりに流体を大気中に漏出させることによって不適切な封止の組立体を検出および特定するように構成される。十分な量のシーラント材が存在するとき、好ましい連結具は管セグメントに関して流体密な封止を形成する。シーラント材は、例えば、セメント、溶剤セメント、エポキシ、はんだまたは他の流動性材料であってもよく、それを使用して連結具が1つまたは複数の配管セグメントに対して再構成されるか、化学的に溶着されるか、接着されるか、またはその他の方法で永久的に接合される。連結具で用いられる例示的シーラント材としては、全体として参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の43〜50頁に各々記載される(i)Blazemaster CPVC Cement TFP−400 Red Heavy Bodies、若しくは(ii)Blazemaster CPVC Cement TFP−500、またはそれらの等価物が挙げられる。好ましい連結具は、ジョイント組立体を通じて運ばれる流体を大気中に漏洩させることによって不適切な流体封止を指示するため、この好ましい連結具によって、適切な化学的封止がないときにジョイント100の周囲で圧力が上昇することは不可能となる。さらに、この連結具は好ましくは、ジョイント組立体の接合された表面間に十分な締まり嵌めを提供するため、「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の33頁に推奨されるとおり、管要素間にシーラント材が不必要に溜まることが回避される。
【0024】
好ましい連結具は、1つまたは複数のソケットを画定して、管、継手またはアダプタなどの管セグメントまたは管要素を受け入れる略管状壁部材を含む。図3および3Aを参照すると、例示および説明を目的として実質的に全体を通じて本明細書に図示および記載される好ましい連結具は、第1の管セグメント24と第2の管セグメント26とを、好ましくはソケット型の接続部によって接合するための連結体として構成される管継手300である。継手300は長手方向軸A−Aを画定し、管セグメント24、26は接合されると、その軸に沿って互いに略軸方向に一列に並び得る。或いは管継手300は、例えば、30°〜90°の範囲の曲げ角度を画定するエルボとして構成されてもよい。従って、好ましい継手300は、45°エルボ、60°エルボ、90°エルボまたは他の角度付きエルボのうちいずれか1つとして構成され得る。管継手300はまた、3つ以上の管セグメントを連結するように構成されてもよく、従ってこの管継手300は、十字型継手、T形継手またはY形継手のうちいずれか1つとして構成され得る。一般に、例示を目的として連結体として本明細書に記載される好ましい継手300およびその様々な特徴は、2つ以上の管セグメントを連結するのに望ましい任意の構成であってよく、従って、全体として参照により援用される「TFP1915:Blazemaster CPVC Fire Sprinkler Pipe & Fittings Submittal Sheet」(2006年1月)と題されるTyco Fire & Building Productsデータシートの3〜6頁に示される継手のうちいずれか1つの構成であり得る。従って継手300は、例えば、(i)T;(ii)径違いT;(iii)十字または径違い十字;(iv)90°エルボまたは径違いエルボ;(v)45°エルボ;または(vi)レデューサ連結体として構成され得る。或いは、継手300は、1つの管セグメントの端部で端部キャップを形成するように構成されてもよい。さらに代替例として、継手300は、溝なし端管と、溝付き管またはねじ込み管に適するよう構成された雄アダプタ若しくは雌アダプタとを連結するための溝付き連結アダプタとして構成されてもよい。かかるアダプタは、(i)直状連結体;(ii)T;(iii)背面合わせT;(iv)背面合わせ十字または(v)エルボのうちいずれか1つとして構成され得る。加えて、継手300は、スプリンクラーまたは他の流体散布装置と連結するためのアダプタとして構成されてもよい。より一般的には、好ましい連結具は、任意の公知の継手として管セグメントを接合する形状または構成とされ得る。
【0025】
図3Bを参照すると、好ましい連結具はここでも継手300として例示され、これは、外表面311と、継手300の内部通路315を画定する内表面313とを含む。例えば、この継手300では、内表面は、軸A−Aに沿って延在する中心通路315を画定する。好ましくは内表面313と一体に形成され、より好ましくは継手300と一体に形成される1つまたは複数の周方向のショルダまたはリング314が、継手の内部通路315を分割している。分割された通路315は、好ましくは、管セグメント、継手またはアダプタを受け入れるための様々なソケットを画定する。例えば、図3Bに示される継手300では、第1の管セグメント24を受け入れるための第1のソケット312aと、第2の管セグメント26を受け入れるための第2のソケット312bとである。継手300の各ショルダ314は、断面で概略的に図示されるとおり中心開口を画定し、それにより内部通路315は連続的となり、管セグメント24と26との間に連通が設けられる。好ましくは、ソケット312a、312bおよび内表面313の各々は、円周上の1つまたは複数の箇所で管セグメント24、26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット312a、312bは、管セグメント24、26に関して略周方向の締まり嵌めを形成するように、好ましくは縮径した内表面313(縮尺通りには描かれていない)によってさらに画定される。内表面313のテーパは、管セグメント24、26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント24、26の端面とショルダ314との間に空間を画定し得る。或いは、管セグメント24、26の継手300を通じた軸方向移動をさらに制限するため、管セグメントの端面はショルダ314と係合し得る。
【0026】
図4を参照すると、好ましい継手300がより具体的に、好ましくは約2.50インチの全長を有する公称1インチ連結体として示される。継手300の外表面311は好ましくは、継手300における各ソケットへの開口に近接して略管状部分を画定する。先述のとおり、内表面313が継手300のソケットの312a、312bを画定し、その各々が好ましくは同じように構成される。具体的にソケット312aを参照すると、内表面313は好ましくは、継手300の端面310aからショルダ314にかけて狭く縮径し、好ましくは約1.19インチのソケット長さLを画定する。例えば、継手300が好ましい公称1インチ連結体である場合、内表面313のテーパは、さらに好ましくはソケット312aの入口に約1.325インチの第1の直径D1を、およびショルダ314に近接するソケット312aの基面または底面に約1.310インチの第2の直径D2を画定する。従って、任意の公称サイズの継手について、各ソケットにおいて第2の直径D2は第1の直径D1より小さく、それにより、第1の寸法と第2の寸法との差の絶対値をソケット長さで除すことによって定義される好ましいテーパを画定する。従って、内表面313は好ましくは、好ましい継手300の各ソケットについて、約0.015インチ/1.19インチ、すなわち約0.012に等しいおおよその│(D2−D1)│/Lのテーパを画定する。
【0027】
ショルダ314は好ましくは、継手の中心に向かう管セグメントの軸方向移動を阻止するための表面を提供するのに十分な大きさだが、所望の圧力および/または流体速度で中を通る所望の流体の流れを提供するのに十分に低いプロファイルで、中心軸A−Aに向かって径方向内側に延在する。好ましくは、ショルダ314は継手300の内径D3を画定し、これは、第1の直径D1の約94パーセント、すなわち約1.25インチであり、より好ましくは約1.10インチの直径である。中心軸A−Aと垂直に延在するショルダのいずれかの表面は、ショルダ314が、例えば、好ましい継手300では好ましくは約1.11インチである別の内径D4を画定するように皿穴加工され得る。表面のカウンタボアは、好ましくは約0.035インチの深さに至る。ソケット312a、312bの寸法は、3/4インチ〜3インチの範囲の公称サイズ継手の範囲について、参照により援用される「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)(Addendum #1/IH−1900(2005年10月))の19頁の「ASTM Dimensions for CPVC fitting in inches」と題される表Bに示される寸法一覧表にさらに従ってもよい。代替例として、継手の公称サイズが約1/2インチ〜約18インチまで異なる場合、継手のソケットの寸法はそれに対応して決定され得る。
【0028】
継手300は、1本または複数のチャネル318をさらに含み、ジョイント組立体100を通じて運ばれる流体の漏洩経路を画定する。より具体的には、継手300は好ましくはチャネル318を含むことにより管セグメント24、26の外表面上に漏洩経路または通路を画定し、管セグメント24、26に含まれる気体または液体が、それを通じて大気中に漏出し得る。チャネル318は、好ましくは平滑な環状の内表面313と管セグメント24、26の外表面との間の締まり嵌めに、継手の中心内部通路315と連通するための1つの不連続部分を好ましくは形成する。従って、チャネル318は、管セグメントの端部24a、24bから継手300の内部通路315の中心部分に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット312a、312bと連通する。配管システムにおいて稼動させるための流体密に封止されたジョイント組立体の形成においては、シーラント材、好ましくは、各々「Blazemaster(登録商標):Installation Instructions & Technical Handbook」(改訂第0版、2005年1月)の43〜50頁に記載される(i)Blazemaster CPVC Cement TFP−400 Red Heavy Bodies、または(ii)Blazemaster CPVC Cement TFP−500のうちの一方が、管セグメント24、26の外表面に対し、およびソケット312a、312bの内表面313に沿って塗布される。管セグメント24、26およびソケット312a、312bの所与の構成について、十分な量のシーラント材が継手300のチャネル318を充填し、封止し、融合し、溶着し、変形させ、再構成し、および/またはまとめて改造することにより、大気中への流体の漏出が防止され、ジョイント組立体に関して流体密な封止が形成される。
【0029】
封止が不適切な場合、チャネル318が流体を大気中に漏出させるため、このチャネル318によってシステム10のどのジョイント100にも、流体密なジョイント組立体が不完全であるか、またはそれに不具合があることを運用作業員に知らせる手段が提供される。より具体的には、いずれかのチャネル318から流体が流れ、および/または継手300が圧力を維持できないという直接的な視覚的、触覚的または聴覚的指示によって、運用作業員はソケット312aまたはソケット312bに十分なシーラント材が欠けているか、またはシーラント材が全くないことに直ちに気付かされる。チャネル318からの流体の放出を間接的に検出する方法が用いられてもよい。例えば、運用作業員がシステム10を空気圧および/または液圧により点検する上記の方法では、運用作業員は圧力計を監視して、システム10が所与の圧力を保持および維持し得るかどうかを観察する。システムが一定の圧力を保持できない場合、システムのジョイント組立体100が検査され、継手300の封止が不適切なために流体がチャネル318を通って抜け出ていたのかどうかが判断される。例えば、システム10が液体を含む場合、継手300にある材料が塗布されてもよく、液体がチャネル318から放出されてその材料と接触すると、液体と材料とが反応して、封止が不完全であることの視覚的または触覚的指示を提供してもよい。
【0030】
図4Bおよび4Cに見られるとおり、チャネル318はショルダ314の両側に、好ましくは継手300の端面310a、310bまで延在する。より好ましくは、チャネル318は、ショルダ314の表面の軸方向内側に延在してソケット長さLより長いチャネル長さを画定し、より好ましくは、チャネル318は、連結体300の全軸方向長さにわたりショルダ314を貫通して延在する。継手300が2つ以上のソケットを有する場合、チャネル318は好ましくは、1つのソケットにおけるチャネル318の一部分が、少なくとも1つの他のソケットのチャネル318の一部分と連通して配設されるように、ショルダ314を貫通して延在する。チャネル318がショルダ314の表面を越えて軸方向に延在することにより、さらに確実にチャネル318a、318bを開放されたままとし、管セグメント24、26の端面とショルダ314の側表面との間の単なる係合だけでは完全には封止できないようにし得る。チャネル318はより詳細には、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁320と、その間に延在する相互接続表面壁322とによって画定される。側壁320および相互接続表面壁322の各々は略平面状のものとして示されるが、チャネル表面320、322の1つまたは複数は好ましくは曲面状であり、より好ましくは、例えば図7Cに示される実施形態に見られるとおり、チャネル内部に対し凹面状となっている。
【0031】
チャネル318の側壁320は離間され、好ましくは約0.045インチ、より好ましくは約0.060インチのチャネル幅Wを画定する。内表面313および側壁320はさらに、チャネル318の深さまたは高さプロファイルHを画定する。好ましくは、端面310aにおけるチャネル318の高さは約0.010インチ、より好ましくは約0.025インチである。チャネル318の深さプロファイルHは、さらに好ましくは継手の中心に向かって増加し、チャネルの最も深い部分がショルダ314にあり、例えばこのチャネルの場合には、深さHは約0.07インチである。より具体的には、特にソケット312bに関して示される図4Cのチャネル318の断面図を参照すると、内表面313がチャネル318の高さHをさらに画定する。チャネル318の相互接続表面壁322が継手310の長手方向軸A−Aと略平行である場合、チャネル高さプロファイルHは、ショルダ314から継手310の端面310bにかけて狭く縮径する。それに代えて、またはそれに加えて、チャネル318は好ましくは中心軸A−Aから相互接続表面壁322までを計測する径方向距離Rによって特徴付けることもできる。或いは、チャネル313の相互接続表面322は、チャネル318の長さにわたって一定の高さプロファイルHを画定するように、ソケット312bの内表面313のテーパと平行であってもよい。さらに代替例として、相互接続表面322は、その軸方向長さに沿って、例えば波形などの非平面的なプロファイルを画定し得る。チャネル318の高さHは、継手310の一部分に関して対称的に変化してもよく、或いは高さHは、継手の全長にわたって変化してもよい。
【0032】
チャネル318の側壁320は、図4Bでは互いに平行なものとして示されるが、或いは、互いにある角度を画定してもよい。従って、チャネル幅Wは好ましくは一定であるか、或いはチャネル318の深さに沿って変化してもよい。その結果として狭まるチャネル318は、チャネル318内のいかなる流体もある感知可能な速度で吐き出すようなベンチュリ効果を生じる。例えば、側壁320は、継手310の端面によって画定される軸に対して角度を画定し得る。さらに、その角度がチャネルの高さにわたって変化してもよい。図4Dおよび図4Eには、本明細書に図示および記載される連結具のうちいずれか1つに提供または形成することができる側壁320によって形成される別のチャネル318の詳細図が示される。より好ましくは、側壁320のなかで継手310のショルダ314を形成するか、またはそれと一体化される部分が、径方向に延在する垂直方向軸に対して1つまたは複数の角度を画定し、この垂直方向軸は、継手310の端面310aまたはショルダ314によって定義され、且つ好ましくはチャネル318を二等分するものである。側壁320は、好ましくは端面の垂直方向軸と平行な第1の部分320aを含み、より好ましくは、垂直方向軸端面310aに対して角度αを画定する第2の部分320bを含む。角度αは、約45度〜約100度の範囲であってもよく、好ましくは約90度である。側壁320は、さらに好ましくは、端面310aの垂直方向軸に対して第2の角度βを画定する第3の部分320cを含む。第2の角度βは、約10度〜約50度の範囲であってもよく、好ましくは約45度である。側壁320の様々な角度がチャネル318の径方向に延在する二等分軸に関して変化することで、さらに好ましくは、継手310のソケットに配置された管セグメントの一部分と連通するためのチャネル318の少なくとも一部分が、チャネル318の高さHに沿って流体(液体または気体)の速度および/または圧力を変化させ得るように画定される。特に図4Eに関連して、チャネル318のプロファイルは、チャネルの周囲に沿って角部により形成される直角と鈍角とを含むことが示される。より好ましくは、チャネルの表面を接続する角部、折れ曲がり部または屈曲部は、好ましくは曲面状で、すなわち丸くなっている。
【0033】
図4Bを参照すると、チャネル318の領域において、内部チャネル表面322および外表面311が、約0.12〜約0.16インチ、より好ましくは約0.14インチの継手300の最小壁厚Tminを画定している。継手の最小壁厚は、好ましくは、その継手が適切に試験されるとき、例えば、(i)American Society for Testing and Materials(ASTM)Standard Specification F 438 Standard Specification for Socket−Type Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Plastic Pipe Fittings、Schedule 40;(ii)ASTM F 439 Standard Specification for Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Plastic Pipe Fittings、Schedule 80;(iii)ASTM F1970−05 Standard Specification for Special Engineered Fittings,Appurtenances or Valves for use in Poly(Vinyl Chloride)(PVC)or Chlorinated Poly(Vinyl Chloride)(CPVC)Systems;および/または、ASTM International刊行物、第08.04巻「Annual Book of ASTM Standards 2003」:Section Eight Plastics−Plastic Pipe and Building Products(2003年)に提供されるものなどの必要な工業規格を満たし、および/またはそれを上回ることができるように構成される。かかる工業規格を満たす一方、好ましい継手300はまた、好ましくはその作製に要する材料を最小限に抑える。従って、好ましい継手300は、例えば図4に示される、約0.15インチ、より好ましくは約0.147インチの最大総壁厚Tmaxをさらに画定する。好ましくは、最小壁厚Tminは、最大壁厚Tmaxの少なくとも85パーセント(85%)である。好ましい1インチ公称連結体は、好ましくは重量が約0.07lbs以下である。好ましい壁厚寸法は、適用される工業規格に準拠し、および/または材料所要量を最小限に抑えるように特定され得る一方、壁厚の寸法は、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を、管セグメントの外表面と共に画定し得るチャネルまたは漏洩経路が生じるように、適切に決定される。
【0034】
より好ましくは、チャネル318の寸法は、そのチャネルまたは漏洩経路が、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を、管セグメントの外表面と共に画定し得るように決定される。チャネル容積は、好ましくは、チャネル長さ、チャネル幅Wおよび高さプロファイルHによって定義される。継手300の総チャネル容積は、ソケット312a、312bに関して径方向に配置されたチャネル318の本数によってさらに定義され得る。図4Aにおける継手300の端面310bには1本のチャネル318のみが示されるが、複数のチャネル318が継手300の中心軸A−Aに関して径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント組立体100における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。チャネル318間の内表面は好ましくは、実質的に平滑な内表面313を提供するよう、継手300の軸から一定の径方向距離を画定する。表1aには、端面310で計測したチャネル寸法深さHおよび幅Wの一覧表が示され、これは公称サイズの範囲の継手に関して用いることができる。
【0035】
【表1】
【0036】
チャネル高さHプロファイルおよび幅Wは、公称継手サイズの全範囲で一定のままであってもよいが、チャネル長さ、チャネル幅Wおよび/またはチャネル高さHは、一定の寸法関係を維持するため継手サイズによって変化してもよい。例えば、好ましい公称1インチ継手300におけるあるソケット312の好ましいチャネル318の寸法が、高さと長さの比H:Lを約0.008と定義する場合、より小さい、またはより大きい公称サイズの継手については、それに従いチャネル長さおよび高さHの寸法が好ましい比を維持するように決定され得る。以下の表1bには、チャネル318についての寸法の例示的一覧表が示され、ここでは、例えばチャネル幅Wなどの1つまたは複数の寸法が、継手300の公称サイズによって変化する。
【0037】
【表2】
【0038】
図6A〜6Cは、チャネル318’を有する継手300’として具体化される別の代替的な連結具を示す。継手300’は、その内部構成および全長が先述の継手300と実質的に同じ連結体である。特に好ましい継手300’は約2.50インチの全長を有し、第1の管セグメント24と第2の管セグメント26とを、好ましくはソケット型の接続部によって接合する。継手300’は長手方向軸A’−A’を画定し、管セグメント24、26は接合されると、その軸に沿って互いに略軸方向に一列に並び得る。
【0039】
好ましい継手300’は2つ以上のソケット312a’、312b’を含み、管、継手またはアダプタなどの管要素を受け入れる。この連結具300’は、外表面311’と、軸A’−A’に沿って延在する中心通路315’を画定する内表面313’とを含む。好ましくは内表面313’と一体に形成され、より好ましくは継手300’と一体に形成される周方向のショルダまたはリング314’が、ソケット312a’、312b’を分割している。ショルダ314’は中心開口を画定し、それにより中心通路315’は連続的となり、管セグメント24と26との間に連通が設けられる。好ましくは、ソケット312a’、312b’の各々は同じように構成され、さらに、内表面313’と共に、円周上の1つまたは複数の箇所で管セグメント24、26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット312a’、312b’は、管セグメント24、26に関して略周方向の締まり嵌めを形成するように、好ましくは縮径した内表面313’によってさらに画定される。内表面313’のテーパは、管セグメント24、26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント24、26の端面とショルダ314’との間に空間を画定し得る。或いは、管セグメント24、26の継手300’を通じた軸方向移動をさらに制限するため、管セグメントの端面はショルダ314’と係合してもよい。
【0040】
継手300’は、1本または複数のチャネル318’をさらに含み、ジョイント組立体を通じて運ばれる流体の漏洩経路を画定する。より具体的には、継手300’は好ましくはチャネル318’を含むことにより管セグメント24、26の外表面上に漏洩経路を画定し、管セグメント24、26に含まれる気体または液体が、それを通じて大気中に漏出し得る。チャネル318’は、内表面313’と管セグメント24、26の外表面との間の締まり嵌めに、中心通路315’と連通するための不連続部分を形成し得る。従って、チャネル318’は、管セグメントの端部24a、24bから継手300’の中心通路315’に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット312a’、312b’と連通する。先述の継手300と同様に、継手300’は、上記に考察されるとおり好ましくは流動性のシーラント材を用いて流体密なジョイント組立体を形成する。
【0041】
内表面313’は好ましくは、継手300’の端面310a’からショルダ314’にかけて狭く縮径し、好ましくは約1.19インチのソケット長さL’を画定する。内表面313’のテーパは、さらに好ましくはソケット312a’の入口に約1.325インチの第1の直径D1’を、およびショルダ314’に近接するソケット312a’の基面または底面に約1.310インチの第2の直径D2’を画定する。従って、第2の直径D2’は好ましくは第1の直径D1’より小さい。内表面313’に沿って位置するショルダ314’は、好ましくは、継手の中心に向かう管セグメントの軸方向移動を阻止するための表面を提供するような大きさだが、所望の圧力および/または流体速度で中を通る所望の流体の流れを提供するのに十分に低いプロファイルで、中心軸A’−A’に向かって径方向内側に延在する。好ましくは、ショルダ314’は継手300’の内径D3’を画定し、これは、第1の直径D1’の約94パーセント、すなわち約1.25インチであり、より好ましくは約1.10インチの直径である。中心軸A’−A’と垂直に延在するショルダの表面のいずれかは、ショルダ314が、好ましくは約1.11インチである継手300の別の内径D4’を画定するように皿穴加工され得る。表面のカウンタボアは、好ましくは約0.035インチの深さに至る。
【0042】
図6Cに見られるとおり、内表面313’はより詳細には、ショルダ314’の両側に対して、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁320’と、それらの間に延在する表面壁322’とによってチャネル318’を画定する。再び図6Aを参照すると、チャネル318’は好ましくは、ショルダ314’から離れるようにソケット312a’、312b’の長さを継手の端面310a’、310b’まで軸方向に延在する。
【0043】
チャネル318’の側壁320’は離間され、好ましくは約0.045インチ、より好ましくは約0.060インチのチャネル幅W’を画定する。内表面313’および側壁320’は、チャネル318’の深さまたは高さH’をさらに画定する。好ましくは、ソケット312a’、312b’の領域におけるチャネル318’の最大高さは約0.010インチ、より好ましくは約0.025インチであり、チャネル容積は好ましくは、チャネル長さL’、チャネル幅W’および深さH’によって定義される。チャネル318’は、公称サイズの範囲の継手について表1aに提供されるとおりの、端面310’で計測される寸法、深さH’および幅W’の一覧表に従い得る。チャネル高さH’および幅W’は公称継手サイズの全範囲で一定のままであってもよいが、チャネル長さL’、チャネル幅W’および/またはチャネル高さH’は、一定の寸法関係を維持するため継手サイズによって変化してもよい。例えば、好ましい公称1インチ継手300’における好ましいチャネル318’の寸法が、高さと長さの比H’:L’を約0.008と定義する場合、より小さい、またはより大きい公称サイズの継手については、それに従いチャネル長さL’および高さH’の寸法が好ましい比を維持するように決定され得る。より好ましくは、チャネル318’の寸法は、そのチャネルまたは漏洩経路が、挿入された管セグメントの外表面と共に、流体を容易に漏洩させ、且つ不適切な封止の視覚的指示手段を提供し、さらに適量のシーラント材を塗布すると、十分に流体密に封止された接続部を形成することができる空隙を画定し得るように決定される。
【0044】
継手300’の総チャネル容積は、ソケット312a’、312b’に関して径方向に配置されたチャネル318’の本数によってさらに定義され得る。図6Aにおける継手300’の端面310b’には1本のチャネル318’のみが示されるが、複数のチャネル318’が継手300’の中心軸A−Aを中心として径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント300’における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。
【0045】
継手300’は好ましくは、Schedule 40 CPVC公称1インチ連結体である。内部表面313’および外表面311’は、好ましくは約0.14インチの一定で最小の壁厚を好ましくは画定する。従ってチャネル318’の領域において、継手300の外表面311’は、好ましくは一定の、または最小の壁厚を提供する容積を画定するような幅W’’および高さH’’並びに軸方向長さを有する突起319’を形成する。継手の一定の壁厚は好ましくは、継手が適切に試験されるとき、例えば、ASTM Specification F438−02などの必要な工業規格を満たし、および/またはそれを上回ることができるように構成される。
【0046】
本明細書全体を通じて記載される好ましい連結具は、適切にはSchedule−40またはSchedule−80により、例えば、全体として参照により援用されるLubrizol Corp.Product Data Sheetsに記載されるCPVC材料:(i)TempRite(登録商標)3205(2003)または(ii)TempRite(登録商標)3205(2003)などのCPVC材料か、或いはポリ塩化ビニル(PVC)材料で構成される。継手300の好ましい形成方法は、射出成形加工、例えば、全体として参照により援用される「TempRite(登録商標)CPVC Material Solutions:General Injection Molding Guide」と題されるNoveon Inc.刊行物(2003年1月)に概して記載されるものを用いる一般的な射出成形による。好ましくは、射出加工は、好ましい継手300の内表面313および軸方向に延在する中心通路を画定する金型の使用を含む。内表面313を形成する金型のキャビティ表面は、軸方向に延在する隆起または突起をさらに含み、これが上記の1本または複数のチャネル318を画定する。好ましくは、継手300はさらに、継手の壁厚に対する外径の好ましい比を定義するため、SDR(標準寸法比)13.5寸法を定義するF438−02を含むASTM適用規格、ASTM F 439、またはASTM F 1970に従い作製される。従って、チャネル318は、好ましくは壁厚に対する比が約1/3のチャネル高さHを画定するように切削される。
【0047】
或いは、好ましい継手または端部継手は、銅またはスチール材料のうちいずれか一方で作製され、および/または銅またはスチール管セグメントと組み合わせて使用して、化学的に封止されるか、またははんだ付けされた配管組立体を形成してもよい。好ましい銅−スチール(copper−to−steel:CTS)継手および/または組立体は、好ましくは約1/4インチ〜約24インチの範囲の公称管直径範囲用に構成され得る。本明細書に記載される好ましい継手および組立体は防火用途に十分に適しているが、代替的な機械用途/住宅用、商業用または工業用の水道設備または配管用途において、この好ましい連結具を用いることができることは理解されなければならない。射出成形または押出しによって本明細書に記載される好ましいチャネルを形成することに代えて、チャネルは、CPVCプラスチック継手または配管要素の製造後の敷設時に形成されてもよい。具体的には、チャネルは、所望のチャネルを形成するのに十分な深さだが、シーラント材が不必要に溜まることは回避する程度に十分な浅さで、継手または管セグメントの適用表面に沿って手作業か、または機械により切削され得る。
【0048】
上述のとおり、チャネル318は或いは、それがジョイント組立体100の連結具に、不適切な封止を運用作業員に知らせる流体経路を提供する長さで構成され得る。図7A〜7D;図9A〜9D;図10;図11A〜11Fおよび図12Aおよび12Bは、ジョイント100、継手300およびチャネル318の代替的実施形態を示す。継手の単一のソケットに関して代替的特徴が例示される場合、かかる特徴は、継手300の全てのソケットに適用できるものと理解されるべきである。さらに、単一の連結具に関して代替的特徴が図示または記載される場合、かかる特徴は、本明細書全体を通じて図示および記載される連結具の全てに適用できるものと理解されるべきである。図7Aには、ジョイント組立体100の継手300’’が示され、ここではチャネル318’’が、組立体100のなかで重力場上低いところに位置しており、そこに流体、特に液体が滞留し得る。チャネル318’’は好ましくは、階段状の移行部317を含むことで放出された流体を回収するための貯留部を形成し、これは漏洩指示機能を補強し得る。
【0049】
別の例示的連結体300a’’が図7Bおよび7Cに示され、ソケット312a’’、312b’’の内表面313’’は好ましくは、継手300’’の長手方向長さに沿って螺旋状に延在する渦巻溝によって画定されるチャネル318’’を含む。このヘリカルチャネル318’’は好ましくは、チャネルの長さに対して丸いプロファイルの断面を有するが、V字型または傾斜チャネル、または正方形チャネルなど、他のプロファイルが用いられてもよい。チャネル318’’のプロファイルは、平面的な内表面313’’に対する溝の深さまたは高さHを画定し、さらに、好ましくはチャネル318’’の一方の端部を、チャネル318’’の他方の端部および/または内部通路315’’などの、チャネル318’’と隣接して配置された任意の他の範囲と連通させる通路も画定する。チャネル318’’は好ましくは、連結体300a’’の一方若しくは双方の端面310a’’、310b’’から連結体の中央に向かって延在し、好ましくは連結体300a’’において長手方向中央位置に配置された当接部またはショルダ314’’を終端とする。或いは、チャネル318’’はショルダ314’’を終端とせず、ソケット312a’’、312b’’の長さの一部分のみにわたり延在してもよい。
【0050】
本明細書に記載される好ましい継手300のいずれか1つにおいて、チャネル318から放出される流体は、好ましくは継手300の端面310a、310bにあるチャネル開口から大気中に放出される。或いは、またはそれに加えて、チャネル318は、その外表面311の端面310a、310b間にある中間部分に沿って貫通孔324を含むか、または貫通孔324として構成されてもよい。例えば、図7Dに例示される別の代替的実施形態において、チャネル318は、連結体300a’’の壁を貫通し、且つチャネル318’’の残り部分と連通する1つまたは複数の貫通孔324を有する部分を含んでもよい。貫通孔324によって、内部通路315’’からチャネル318’’に入り、連結体300a’’から出る流体がもたらされ、ジョイント組立体100における漏洩の直接的または間接的指示が提供される。好ましくは、貫通孔324はショルダ314’’に位置するか、またはショルダ314’’に形成される。或いは、貫通孔324はショルダ314’’と端面310a’’、310b’’との間に配置されてもよい。貫通孔324がこのような中間位置にあるとき、チャネル318’’の残り部分は端面310a’’、310b’’の端から端まで延在しなくともよく、従って貫通孔324を終端とし得る比較的短いチャネル318’’が可能となる。
【0051】
図9A〜9Dに例示される実施形態を参照すると、本明細書に記載されるチャネル318の特徴の特定の組み合わせを有する継手300b’’が示される。具体的には、複数の長手方向チャネル318’’を有する連結体が示される。好ましくは、少なくとも4本の長手方向に延在するチャネル318a’’、318b’’、318c’’、318d’’が、内表面313’’に関して径方向に配置されるが、任意の好適な数のチャネルが用いられてもよい。チャネル318’’の各々は好ましくは、個々のチャネル318’’が略半円形チャネルを画定するような曲面状の内部表面を含む。さらに、それに代えて、またはそれに加えて、図9Cに示される連結体300b’’の外表面311’’は突起319’’を含んでもよく、これらの突起319’’は、チャネル318’’の各々に近接する壁に追加的な支持を提供し、および/または継手の壁に一定の、若しくは最小の壁厚を提供するように配置される。好ましくは、突起319’’は外表面311’’に沿って、対応するチャネル318’’の長さと等しい距離にわたり延在する。或いは、突起319’’は、チャネル長さ318’’の一部分のみに対応するサイズであるか、または縁端310’’に近接する連結体300b’’の外表面311’’にのみ配置されてもよい。図9Dに例示される継手300b’’の代替的実施形態において、チャネル318a’’、318b’’、318c’’、318d’’のうちの1本または複数のサイズは、継手の端面310a’’に達しない長さとされる。より短いチャネル318’’は貫通孔324を含み、それにより外部環境と連通するチャネルを提供する。
【0052】
図10の好ましい継手300c’’の例示的実施形態において、連結体の内表面313’’に沿って形成されたチャネル318a’’、318b’’は好ましくは、長手方向および周方向の双方に湾曲し、従って略波形チャネル318’’を提供する。図11Aの継手300d’’の別の例示的実施形態において、内表面313’’は、長手方向に配置されるか、或いは周方向に配置された(図示せず)一連の起伏を有し、従って内表面313’’に関して形成されたチャネル318’’に起伏の付いたチャネル深さまたは高さHを提供する。起伏は好ましくは、表面313から径方向内側に延在する頂部と表面313から径方向外側に延在する谷部とが交互になることによって画定される。チャネル318’’の谷部は好ましくは端面310a’’、310b’’と連通し、および/または貫通孔324(図示せず)を含み、それにより好ましい漏洩指示手段を提供する。
【0053】
図11Bの継手300d’’の代替的実施形態において、内表面313’’は表面313’’から径方向内側に延在する一連の頂部を含み、径方向外側に延在する谷部はない。頂部間に配置された空間が、好ましくはチャネル318’’を画定する。頂部の高さにより、ソケット312bに挿入された管セグメントは内表面313’’から径方向にある距離を隔てて置かれ、それにより内表面313’’と管セグメントの外表面との間の空間が、適当なシーラント材がないときに流体が流れて漏出することのできる漏洩経路を画定する。図11Bに示される頂部は、ソケット312bの軸に沿って長手方向に離間された連続的な周方向リングとして示される。ここで図12Aおよび12Bを参照すると、内側頂部は或いは、1つまたは複数の径方向内向きの突起326として構成されてもよい。一連の突起326は、内表面313’’に関して径方向に配置される。突起326は、具体的には、好ましくは半球形状のディンプル326として構成され、ソケット312a’’、312b’’の内表面全面に配置されてもよく、それによりその中に配置される管セグメントの外表面を係合する。径方向内向き突起326の代替的な幾何形状としては、例えば、略円柱形などが可能であり得る。さらに代替例として、突起326は、内表面313’’によって形成された1つまたは複数の軸方向に細長い突起326(図示せず)として構成されてもよく、これがソケット312a’’、312b’’内に突出して管セグメントの外表面を係合する。漏洩経路は好ましくは、突起326の周囲または両側、且つ管セグメントの外表面上に形成され、それにより不適切な封止の形成を検出するための1本または複数のチャネルを提供する。頂部または突起326の寸法は、好ましくは、好ましいシーラント材が存在するとき頂部または突起326が十分に小さいため変形または分解でき、それにより管セグメントに関して流体密な封止が形成されるように決定される。
【0054】
図11C〜11Fには、チャネル318’’を形成する起伏の付いた内表面313’’のさらなる代替的実施形態が示される。具体的には、図11Cでは、内表面313’’は好ましくは、チャネル318’’を画定するよう表面313’’から径方向外側に延在する一連の谷部を含み、頂部はない。図11Dでは、内表面313’’は、交互になった一連の、表面313’’から径方向内側に延在する頂部と、表面313’’から径方向外側に延在する谷部とを含み、これは、頂部と谷部との間に配置され、且つ内表面313の輪郭と一致する一連の範囲56を有する。図11Eでは、内表面313’’が一連の谷部を含み、連結体20の外部表面が、連結体300d’’の外表面311から径方向外側に延在する一連の突起319を含み、それにより継手に一定の、または最小の壁厚を提供する。図11Fでは、突起319の代わりに、継手300d’’の壁の厚さを、図11Eに例示される外側突起319と同じ径方向距離まで増加させている。
【0055】
図13には、システム10に組み込むためのジョイント100’として示されるジョイント組立体の別の代替的実施形態が示される。ジョイント100’は、管セグメント26と別の連結具との間の好ましいソケット型の接続部によって形成され、ここで連結具は好ましくは、一体化された端部継手200および管セグメント24’として構成される。第1の管セグメント24’および端部継手200は、好ましくは単一構造として形成される。端部継手200は、第1の管セグメント24’と第2の管セグメント26との間に夾角、例えば、45°、60°、90°または他の角度を形成するように、第1の管セグメント24’に対してある角度で形成されてもよい。端部継手200は、不適切に封止されたジョイント組立体を知らせる漏洩経路を画定する1本または複数のチャネル218を含むように、上記の継手300のソケット312のうちいずれか1つと実質的に同じ方法で構成されてもよい。端部継手200はさらに好ましくは、外表面211と、一体管部分24’の中心通路と連通するソケット212を画定する内表面213とを含む。内表面213はショルダまたはリング214をさらに画定し、それにより好ましくはソケット212と第1の管セグメント24’の中心通路との間に階段状の移行部がさらに画定される。端部継手200のソケット212に第2の管セグメント26’を配置すると、第2の管セグメント26’の中心通路は第1の管セグメント24’の中心通路と連通して配設される。
【0056】
ソケット212および内表面213は好ましくは、円周上の1つまたは複数の箇所で第2の管セグメント26の外表面と締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、ソケット212は、第2の管セグメント26に関して略周方向の締まり嵌め216を形成するように、好ましくは縮径した内表面213によってさらに画定される。内表面213のテーパは、管セグメント26の軸方向の前進を制限する傾斜した表面を画定し、それにより管セグメント26の端面とショルダ214との間に空間を画定し得る。或いは、第2の管セグメント26の端部継手210を通じた軸方向移動をさらに制限するため、第2の管セグメント26の端面はショルダ214を係合してもよい。
【0057】
上記の好ましい継手300の場合と同じく、管セグメント24’の端部継手200は、適量のシーラント材がないときに流体が運ばれ得る漏洩経路を画定するための1本または複数のスロットまたはチャネルをさらに含む。より具体的には、管端継手200は好ましくは、少なくとも1本のチャネル218を含み、それにより第2の管セグメント26の外表面上に、管セグメント24’、26に含まれる気体または液体が大気中に漏出することができる漏洩経路が画定される。チャネル218は、内表面213と第2の管セグメント26との間の締まり嵌め216に不連続部分を形成し得る。チャネル218はさらに、流体密な封止がないとき、管セグメント24’、26から端部継手210に流れ込む流体が大気中に漏出することができるようにソケット212と連通する。配管システム10において稼動させるための流体密な組立体としてジョイント100’を形成するため、好ましくは上記のとおりの流動性シーラント材(図示せず)が、第2の管セグメント26の外表面に、およびソケット212の内表面213に沿って塗布される。流体密な組立体では、流体が大気中に漏出しないよう、シーラント材が継手210のチャネル218を充填する。従ってチャネル218は、ジョイント200に、不完全な、または不具合のある流体密ジョイント組立体をシステム10の運用作業員に知らせる手段を提供する。より具体的には、先述の検出技法のいずれかを用いる運用作業員は、チャネル218から流体が流れ、および/またはジョイント200が圧力を維持できないという指示によって、ソケット212に十分なシーラント材が欠けているか、またはシーラント材が全くないことに直ちに気付かされる。
【0058】
図14Aおよび14Bには、好ましい管端継手200のそれぞれ平面図および断面図が示される。端部継手200の継手外表面211は、好ましくは一体に取り付けられた第1の管セグメント24’より大きい外径を有する略管状部材を好ましくは画定する。先述のとおり、内表面213が管端継手200のソケット212を画定する。内表面213は好ましくは、継手200の端面210からショルダ214にかけて狭く縮径し、ソケット長さL’を画定している。内表面213のテーパはさらに好ましくは、ソケット212の入口に第1の直径D’1を、およびショルダ214に近接するソケット212aの基面または底面に第2の直径D’2を画定する。従って、第2の直径D’2は好ましくは、第1の直径D’1より小さい。内表面213はさらに好ましくは、1本または複数のチャネル218を画定する。図14Aに見られるとおり、内表面はより詳細には、一対の離間された、好ましくは略平行な側壁220と、それらの間に延在する相互接続内部表面壁222とによってチャネル218を画定する。チャネル218は好ましくは、ソケット212の長さL’を越えて軸方向に延在し、ソケット長さL’より長いチャネル長さL’1を画定する。チャネル218が軸方向にショルダ214を越えて延在することにより、さらに確実にチャネル218を開放されたままとし、第2の管セグメント26の端面とショルダ214との間の単なる係合だけでは完全には封止できないようにし得る。
【0059】
特にソケット212に関連して、内表面213はさらに好ましくは、チャネル218の深さまたは高さH’を画定することが示される。チャネル高さHは好ましくは、最小の継手200の端面210から最大のショルダ214にかけて深くなる。それに代えて、またはそれに加えてチャネル218は、好ましくは中心軸A’−A’から相互接続壁表面222まで計測される径方向距離R’によって特徴付けることができ、ここで径方向距離R’は好ましくは一定である。或いは、チャネル218の相互接続表面222は、内表面213のテーパと平行で、それに従い径方向距離R’がチャネルの長さに沿って変化してもよい。さらに代替例として、相互接続表面は、例えば波形などの、その軸方向長さに沿って非平面的なプロファイルを画定してもよい。
【0060】
チャネル容積は好ましくは、チャネル長さ、チャネル高さH’およびチャネル幅W’によって画定される。継手200の総チャネル容積は、ソケット212に関して径方向に配置されたチャネル218の本数によってさらに定義され得る。継手200の端面210には1本のチャネル218のみが示されるが、複数のチャネル218が端部継手200の中心軸A’−A’に関して径方向に配置されてもよく、それにより上記のとおりジョイント200における封止の妥当性を評価する運用作業員に、複数の指示手段が提供される。チャネル容積は、内表面213と管セグメント26’との間のいかなる締まり嵌めも、ジョイント100’において流体圧力を保持することがないよう、所望の漏洩経路を提供するのに足りる大きさで十分に構成される。さらに、チャネル容積は、ソケット212内部に配置された管要素に近接するチャネル218にシーラント材が不必要に溜まることを回避するよう、十分に小さい。
【0061】
好ましくは、チャネル218の様々な寸法、すなわち、その深さH’および幅W’は、公称管サイズの全範囲にわたって一定である。深さH’および幅W’は、端面210aにおける表1aの高さおよび幅の一覧表に従うことができる。或いは、チャネル寸法は、中に挿入される管セグメントのサイズによって変化してもよい。従って、継手210はレデューサとして構成されてもよく、ここではソケット212が、管セグメント24’の中心通路の直径と比較してより小さい内径D’1、D’2寸法を有し、それによって異なるサイズの管セグメントを連結できる。さらに、ソケット212は、ソケット212のソケット型の接続部をねじ型の接続部に変換するためのアダプタを受け入れるように構成されてもよい。表2は、上記のとおりの、所与の公称管セグメント直径に対するソケットおよびチャネル寸法の好ましい一覧表を提供する。
【0062】
【表3】
【0063】
ここでも、外表面211および内表面213、並びに端部継手200の側壁220および相互接続表面222を含むチャネル218の特徴は、或いは、外表面311および内表面313、並びに継手300の側壁320および相互接続表面322を含むチャネル318に関連して上記に説明されるとおりの任意の方法で構成されてもよい。従って、側壁220はチャネル幅W’を画定するように離間され、さらに好ましくは略垂直方向である。しかしながら、或いは側壁120は、チャネル218の幅Wが高さHにわたって変化するように、チャネル218を二等分する軸XIVB−XIVBに対してある角度を画定してもよい。内側接続表面222は略平面的なものとして示されるが、この表面はチャネル218の内部に対して略曲面状か、または好ましくは凹面状であってもよい。さらに、チャネル218において表面を移行させる角部または屈曲部は、示されるとおり実質的に角状であってもよく、或いは角部または屈曲部は曲面状であってもよい。チャネル幅W’は一定であってもよく、或いはチャネル218の軸方向長さL’、L’1に沿って変化してもよい。特に、チャネル幅W’は、端面210aからショルダ214にかけて狭く縮径し得る。その結果得られる狭まったチャネル218は、チャネル218内のいかなる流体もある感知可能な速度で吐き出すベンチュリ効果を生じる。図15には、代替的端管継手200’が示され、ここでチャネル218は、好ましくは組立体100’のなかで重力場上低いところに位置するように構成され、そこに流体、および特に液体が滞留し得る。チャネル218は階段状の移行部217を含み、それにより放出された流体を回収するための貯留部を形成してもよい。
【0064】
上記の好ましいジョイント組立体の各々は、好ましくはチャネルを有する連結具を含み、このチャネルは、ソケットの内表面に沿って構成され、管セグメントと協働して、運用作業員に不適切に封止されたジョイントを知らせる指示を提供するための漏洩経路を形成する。同じ効果を有する漏洩経路が、管状壁部材、例えば、管継手または端部継手のソケットの内表面と協働するための管セグメントの外表面に沿ってチャネルを形成することによって提供され得ることは理解されなければならない。例えば、図16Aにはジョイント100’’が示され、ここではチャネル418が管セグメント426、426の外表面に沿って形成され、軸方向に延在している。より具体的には、管セグメント424、426の壁がその外表面に沿って付形され、管セグメント424、426の外表面の一部分に沿ってチャネルを画定している。好ましいチャネル218が管セグメントに、より具体的には管の外表面に沿って組み込まれる場合、チャネルおよび/または貫通孔は、管の押出しまたは形成加工において形成され得る。チャネル418は好ましくは、管424、426の軸方向内内側部分から端面まで延在する。或いはチャネル418は管端面より軸方向に内側を終端として、管424、426の外径表面全体に配置されてもよい。
【0065】
上記の好ましい継手300および管端継手200に関して記載されるチャネルの様々な構成は、管セグメント424、426の外表面上に形成されるチャネル418にも実質的に等しく適用することができる。従って、管セグメントのチャネル418は、その長さに沿って幅、高さおよび/または深さが変化してもよい。例えば、チャネル418は、表1aの深さおよび幅寸法の一覧表に従い得る。さらに、チャネル418は実質的に軸方向に直線状であってもよく、或いは、例えば図17のヘリカルチャネル418に示されるとおり、軸方向および周方向に前進してもよい。さらに代替例として、図16Bに示されるとおり、チャネル418は、ソケット112および管セグメントの中心通路と連通する、管セグメントの壁における径方向に延在する貫通孔開口として構成される。
【0066】
所望の漏洩経路を形成するため、周方向の略連続的内表面213を有するソケット型の管端継手に挿入するための管セグメント26’の外表面に関して、様々な構成のチャネル418が形成および配置され得る。図16Cおよび16Dは、ジョイント200およびチャネル218の代替的実施形態を示す。
【0067】
上記のとおりのチャネルを有する実施形態に従い作製された例示的連結具が、空気圧および液圧による性能試験のため、試験用管組立体に組み込まれた。好ましい液圧および空気圧試験は、継手300の以下の性能特性の1つまたは複数を測定または評価するように構成される:(i)試験用組立体から所定の圧力の流体が完全に漏出するまでの時間;(ii)特定の圧力を維持する時間;(iii)継手を低圧と高圧とのサイクルにかけたときのサイクル数;および(iv)組立体の破裂圧力。試験の結果を用いて、作業中の連結具に用いられるチャネル構成を評価または検証することができる。
【0068】
図5には、好ましい連結具を評価するための好ましい試験用組立体が示される。6インチの長さの第1の管セグメント24’の一方の端部が、連結体として示される継手300の入力ソケットに挿入される。第1の管セグメント24’の反対側の端部に関しては、入力アダプタ28’を有する端部キャップが配置され、この入力アダプタ28’は、流れ制御装置29’を介して空気圧試験用の圧縮空気供給源および液圧試験用の液体または水供給源と連結される。連結体300の放出端には、同様に好ましくは6インチの長さの第2の試験用管セグメント26’の一方の端部がある。第2の試験用管セグメント26’の反対側の端部は、第2の試験用管セグメント26’の端部に流体密な封止を形成する端部キャップ30’である。試験用継手300、全ての試験用管セグメント24’、26’および全ての端部キャップ28’、30’が、積み重なって組立体の試験容積Vを画定する。試験用組立体は、空気圧および液圧試験を行う間に試験用組立体における圧力変化を監視するための圧力計31’と連結されたポートを含む。圧力計31’は、端部キャップ31’と接続されるものとして示される。圧力計31’は、その計器がシステム全体の圧力変化を評価できるのであれば、試験用組立体に沿った他の箇所に設置されてもよい。図5の試験用組立体は、連結体300の評価用として示され、従って2本の試験用管のみが示される。試験用継手300が3つ以上のソケットを有する場合、試験用組立体には対応する数の試験用管セグメントが提供され得る。
【0069】
液圧および空気圧試験は、(i)空気圧漏洩試験;(ii)液圧漏洩試験;(iii)第1の静液圧による圧力試験;(iv)第2の静液圧による圧力試験;(v)液圧破裂試験;および(vi)液圧サイクル試験を含む。空気圧および液圧漏洩試験の各々において、継手300’のソケットにそれぞれ挿入されている試験用管セグメント24’、26’の端部は、各々、不適切に封止されたジョイントの指示手段としてのチャネル318を評価するため、ドライフィットを形成するようにシーラントの塗布なしにソケットに圧入される。空気圧漏洩試験では、入力端部キャップ28’を通じて試験用組立体に圧縮空気が導入され、入力圧力を10psiまで上昇させる。チャネル318から圧縮空気が完全に漏出するのにかかる時間が記録される。液圧漏洩試験では、入力端部キャップ28’を通じて試験用組立体に水が導入され、入力圧力を10psiまで上昇させる。チャネル318から圧縮された液圧流体が完全に漏出するのにかかる時間が記録される。
【0070】
続いて、シーラント材、好ましくはBlazemaster CPVC Cement TFP−500が、試験用管セグメント24’、26’の端部および継手300のソケットの内表面313の各々に塗布され、それによりチャネル318を変形させ、または再構成し、液圧によるサイクルおよび破裂静圧試験に用いるため試験用組立体が完全に封止される。第1の液圧による静圧試験では、封止された試験用組立体が試験用継手の好ましい動作圧力である約175psiまで加圧され、圧力計31’を観測することにより試験用組立体が少なくとも5分間にわたって試験圧力を一定に保持できるかどうかが調べられる。第2の静液圧による圧力試験では、封止された試験用組立体が約875psiまで加圧され、圧力計31’を観測することにより、封止された試験用組立体が少なくとも5分間にわたって試験圧力を一定に保持できるかどうかが調べられる。サイクル試験では、組立体での流体の出し入れによって水を制御し、それにより組立体の圧力が好ましくは約0psiと約350psiとの間で繰り返される。圧力は、3,000サイクルに達するか、または組立体が破損するか、そのいずれかが先に起こるまで、その2つの圧力の間で繰り返し与えられる。次に水圧を上昇させることで、試験用組立体における破裂圧力および破損位置が確定される。
【0071】
上述の試験が、例えば図4Bに示されるとおり、継手300の端面310で計測したときのチャネル318の高さHおよび幅Wによって定義される様々なチャネル318のプロファイルに対して行われた。各チャネルプロファイルにつき少なくとも5つのサンプル継手が試験された。表3aは、空気圧試験の結果を要約する。表はそれぞれ、組立体から10psiを排出するのに要した時間における圧力を示す。
【0072】
【表4】
【0073】
要約の表によれば、チャネルの様々な構成について、空気圧の漏洩が検出されるときの平均圧力は、約0.5psig〜約1.7psigの範囲であった。好ましくは、漏洩は、試験用組立体においてチャネルから1psig以下で検出される。試験用組立体における1psig以下の圧力での漏洩の検出は、多数のジョイント組立体および数百フィートの管延長を有する可能性のある完全な配管システムにおいて、漏洩を早期に特定することにつながると考えられる。空気圧の漏出時間に関しては、試験用組立体、より具体的には連結具のチャネルが、10psigの試験圧力を約3.5秒以内に漏出させることが好ましい。かかる好ましい漏出時間は、特に漏洩の検出方法において単一の圧力計が用いられる場合に、完全な配管システムにおける漏洩の検出を促進するであろうと考えられる。連結具に形成されたチャネルから容易に漏洩する流体圧力は、運用作業員にとって封止の補修が必要な漏洩としての特定が一層容易となり得る圧力計の急激な反応につながり得る。
【0074】
表3bは、液圧試験の結果を要約する。この表は、組立体から10psiを排出するのに要した時間を示す。
【0075】
【表5】
【0076】
空気圧漏出時間に関しては、試験用組立体、より具体的には連結具のチャネルが10psigの試験圧力を10秒未満で漏出させることが好ましい。かかる好ましい漏出時間は、特に液圧による漏洩の検出方法において単一の圧力計が用いられる場合に、完全な配管システムにおける漏洩の検出を促進するであろうと考えられる。連結具に形成されたチャネルから容易に漏洩する流体圧力は、運用作業員にとって封止の補修が必要な漏洩としての特定が一層容易となり得る圧力計の急激な反応につながり得る。
【0077】
表4cおよび4dには液圧試験が要約され、ここで試験用組立体は、連結具に関してBlazemaster(登録商標)CPVC TFP−500 Cementを使用して封止された。サンプルの各々は、動的に試験された。より具体的には、サンプルおよびその所与のチャネル構成の各々について、液圧がゼロ〜350(0〜350)PSIで繰り返しかけられた間のサイクル数が記録された。封止されたサンプルの各々は、次に液圧試験にかけられた。最初に、組立体は175psiまで加圧され、5分間観察された。次に組立体は875psiまで加圧され、5分間観察された。サンプルの各々において、組立体は全試験時間にわたって静圧を保持することに成功した。次に組立体は、破損点まで加圧された。
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
封止後性能試験用組立体の各々は、0〜350psiの範囲にわたり、平均して3,000サイクル以上を繰り返すことに成功した。破裂および破損点試験に関しては、組立体の各々は平均約1400psig〜約1500psigで破損した。特に、組立体は連結具ではなく、管において破断した。従って、この封止後性能試験は、列挙されるチャネル構成について、かかる組み込みチャネルを有する連結具が封止可能で、首尾よく機能し、且つチャネルのない連結具と比較しても性能は低下していないことを実証している。比較として、標準規格の公称1インチ連結体(チャネルなし)のサンプルが、同様の封止後性能試験に供され、それらの標準規格の連結体は、0〜350psiの圧力範囲にわたり平均サイクル回数3,118サイクルを有することが示された。標準規格の継手を使用した試験用組立体はまた、約1480psigの平均破裂圧力を有することも示され、この組立体は連結体ではなく、管において破断した。
【0081】
連結具にチャネルを組み込んでも性能は落ちないことをさらに実証するため、試験用組立体に代替的シーラント材が利用された。3つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。封止後性能試験について、組立体は連結具に関して、エポキシ、好ましくは、所在地Cranston,Rhode IslandのEPOXIES ETC....からのエポキシ製品10−3216を使用して封止される。試験の結果は以下の表5a〜5bおよび6a〜6bに要約される。
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
破裂および破損点試験に関して、組立体の各々は平均約1500psigで破損した。特に、組立体は連結具ではなく、管において破断した。
【0087】
好ましい連結具が代替材料で作製され得ることをさらに実証するため、試験用銅組立体が、公称1インチ連結体および12インチ銅管で作製された。2つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。試験の結果は、以下の表7a〜7dに要約される。
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
試験用銅組立体ははんだ付けされ、試験連結体に関して流体密な封止が形成された。液圧による封止試験において、組立体は200psiまで加圧され、5分間観察された。液圧による封止試験において、組立体は1000psiまで加圧され、5分間観察された。サンプルの各々において、組立体は全試験時間にわたって静圧を保持することに成功した。サンプルの各々は、さらに動的に試験された。より具体的には、サンプルおよびそれらの所与のチャネル構成の各々について、ゼロ〜400(0〜400)PSIの液圧が繰り返しかけられ、その間のサイクル数が記録された。サイクル試験の結果は表8aに要約される。次に各サンプル組立体が3000psiまで加圧され、1つを除く全てのサンプルが流体密な封止を維持し、破損の兆候は一切見られなかった。3000psi試験に合格しなかった1つのサンプルが合格できなかったのは、はんだに問題があったためで、試験継手にチャネルが存在したことが原因ではなかった。
【0091】
【表14】
【0092】
所与の構成のチャネルが様々な公称サイズ管に用いられ得ることを実証するため、試験用組立体が、公称3インチCPVC連結体および1フィートの公称3インチ管で作製された。2つのチャネル構成が、上記の空気圧および液圧試験で試験された。試験の結果は、以下の表9a〜9dに要約される。
【0093】
【表15】
【0094】
【表16】
【0095】
【表17】
【0096】
【表18】
【0097】
試験結果によれば、公称1インチ連結体で用いるのに好適な少なくとも2つのチャネル構成が、公称3インチ連結体においても等しく満足な成績をもたらした。特に、封止後性能試験はここでも、公称3インチ連結体のチャネルによって連結体の性能が落ちることはないことを実証している。具体的には、平均サイクルおよび破裂圧力は、公称3インチ継手について予測されたとおりであった。静液圧による圧力試験では、試験された全てのサンプルが175psiの水圧を5分間保持し、4つの試験サンプルのうち1つのみが、875psiの静液圧試験で破損した。特に破裂圧力試験において、連結体はその周囲の中央部分に沿って破損しており、これは破損がチャネルとは無関係であることを示している。
【0098】
試験データ並びに好ましい試験用組立体および連結具をさらに評価するため、一連の流体力学モデルを作成し、試験データを計算上の性能と比較した。より具体的には、各モデルは、所与の連結具を特徴とし、より具体的には、好ましい試験用組立体における所与のチャネル構成を有する継手を特徴とするように構築された。次にモデルは、住宅用占有部分の防火配管組立体および商業用占有部分の防火配管システムに設置されるときの連結具を評価するため、さらに拡張された。各モデルは、所与の管組立体に典型的な容積を有する好ましい配管組立体に設置された連結具を特徴とする。各モデルにおいて、組立体は、初期圧力、好ましくは10psiの空気で加圧されるものとしてシミュレートされる。モデル化された配管組立体が初期圧力にあるとき、組立体は開始時刻t0=0秒でモデル化され、管セグメントに関するモデル化された継手のチャネルによって形成された漏洩経路を近似する開放オリフィスを有する。次にモデルは、流体、この場合、モデル化されたチャネルからの空気の漏出を、単位時刻ごとに配管システムに残留している圧力を計算することによってシミュレートする。
【0099】
モデルは、連結具チャネルから出る気体の質量流量とシステム圧力を関係付ける一組の方程式を解くことによって、各単位時刻における圧力を計算する。好ましいチャネルを備えた連結具を有する配管組立体において、開放チャネルを通じた気体の質量流量は、
【数1】
によって求められ、
式中、
【数2】
は質量流量であり、
Paは初期システム圧力であり、およびP∞は大気圧であり、
Таはシステム内の気体温度であり、
Aaはチャネル深さおよび幅によって定義される放出面積であり、
γは一定の圧力における比熱の、一定の容積で一定の圧力における比熱に対する比であり、2原子気体についてγ=1.4であり、および
Rは気体定数である。
【0100】
圧力、容積および温度の変化を気体の質量流量と関係付けるため、以下の方程式が用いられる:
【数3】
式中、Vaは配管組立体の総容積である。
【0101】
漏洩経路を形成する開放チャネルを備えた連結具を有する圧力下の管組立体について、内部の気体圧力の変化は、
【数4】
によって特徴付けることができ、式中、
【数5】
=それぞれ、スプリンクラーが開栓された瞬間の気体の圧力および温度;
配管システム内の気体の動きが等エントロピー的なとき、γ1=γ、
気体の動きが等温的なとき、γ1=1。
式1および式2において:
【数6】
式中、
【数7】
は、試験用組立体における気体の初期圧力および温度である。時間の関数としてのシステム内の空気圧力を決定するため、式4が、標準的な数値積分スキームによって積分され得る。
【0102】
上記の式を用いて管組立体モデルが生成され、各時間間隔におけるモデル化されたシステムの圧力について解かれた。上記の式に基づけば、モデルの入力変数は、(i)システム総容積Va、(ii)初期システム圧力
【数8】
;(iii)システム内の空気の初期温度
【数9】
;および(iv)チャネル断面積に相当するオリフィスサイズ、である。システム容積は、所与の公称サイズ管について仮定した線形フィート数およびそれに対応して公称上のサイズとされる継手の仮定した数に基づいた。控えめに見積もっても、計算されたシステム容積Vaは、さらに4パーセント増加した。モデル化された各システムについて、初期システム圧力を10psiに設定し、および初期気体温度をほぼ周囲温度の華氏68度(68°F)と仮定した。各モデルについて、配管を通じた摩擦損失は無視できるものと仮定すること、およびチャネルによって形成される漏洩経路にはいかなる障害物または堆積物もないと仮定することを含め、さらなる仮定を入れた。加えて、漏出を始動した最初の時点、すなわち時刻=0秒で漏出は直ちに始まることを仮定した。
【0103】
上記のとおりの好ましい公称1インチ継手用の試験用組立体に対応する第1のモデルが生成された。モデル化された継手は0.015インチ×0.015インチのチャネルを含んでおり、組立体は、1フィートの公称1インチ管と共に、約0.228ガロン(gal.)のシステム容積Vaを有するように決定された。初期システム空気圧力
【数10】
は10psiに設定され、初期システム空気温度
【数11】
は68°Fと仮定された。モデルの結果によれば、10psiのシステム圧力は5分以内に漏出した。モデルはさらに、ジョイント組立体の漏洩経路が、モデル化された継手のチャネルによってのみ画定されることにより、最小限であることを仮定している。従ってこのモデルは、チャネルの他には、実際の試験用組立体における継手の内表面と管の外表面との間の間隙によって画定される追加的な漏洩経路容積を考慮していない。
【0104】
モデルの精度をさらに実証するため、管組立体の端部が各々直径0.063インチの孔が開けられた端部キャップを有する、2つの封止された流体密な試験用組立体を作製した。この孔は、試験用組立体の各々における唯一の放出個所を提供する。次に試験用組立体を、上記の空気圧漏出試験に供した。2つの試験用組立体についての空気圧プロファイルのプロットが図5Eに示される。次に試験用組立体をモデル化し、その空気圧漏出プロファイルをプロットした。モデル化されたプロファイルは、実際の試験用組立体の性能を極めて良く近似する。
【0105】
より大きい配管システムにおける好ましい連結具およびチャネルの漏出性能を評価するため、モデルが拡張された。従って、小規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第2のモデルが生成された。第2のモデルは、システムが、約225フィートの1インチ配管と25個の90度エルボと25個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含む約11.544ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数12】
は10psiに設定し、初期システム空気温度
【数13】
は68°Fと仮定した。公称1インチ継手における7つの異なるチャネル構成について、時間依存の圧力プロファイルを決定した。これらのチャネル構成は、継手の端面で計測して、5つの異なるチャネル総断面積を定義する:(i)0.0002平方インチ;(ii)0.0012平方インチ.;(iii)0.0015平方インチ;(iv)0.0030平方インチ;(v)0.0036平方インチ。様々なチャネル構成は、以下の表10に要約される。
【0106】
【表19】
【0107】
モデルは、モデル化された継手の端面におけるチャネル開口の総断面積に依存するため、所与の圧力漏出プロファイルによって様々なドライフィットの不適切な封止が提供される。単一のチャネルシナリオでは、モデルは、不適切に封止された連結体において1つのソケットのみを特徴とする。2本のチャネルシナリオでは、モデルは、(i)連結体の各ソケットが不適切に封止された、連結体の長さにわたり延在する単一のチャネル;または(ii)不適切に封止された連結体における1つのソケットの2本のチャネルを特徴とする。従って、0.015インチHの深さおよび0.060Wの幅の構成を有するチャネルについて、0.0015平方インチの面積が、不適切に封止された連結体における1つのソケットを網羅し、0.0030平方インチの面積が不適切に封止された2つのソケットを網羅する。列挙された断面積が、列挙されていないチャネル構成のシナリオを網羅し得ることは理解されなければならない。
【0108】
5つのチャネル総断面積の各々について圧力の時間依存関数を計算し、小規模住宅用システムについて図5Aにプロットした。プロットは、5つのチャネル総面積の各々について、小規模住宅用システムでは圧力が2分間で降下することを示している。プロットによれば、断面積が増加すると、チャネルからの圧力漏出率が上昇する結果となる。
【0109】
中規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第3のモデルが生成された。第3のモデルは、システムが、450フィートの1インチ配管と50個の90度エルボと50個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約23.192ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数14】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数15】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Bにプロットされる。
【0110】
大規模住宅占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第4のモデルが生成された。第4のモデルは、システムが、約750フィートの1インチ配管と70個の90度エルボと70個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約38.584ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数16】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数17】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Cにプロットされる。
【0111】
商業占有部分用の防火システムにおける好ましい連結具を近似して、第5のモデルが生成された。第5のモデルは、システムが、約500フィートの1.5インチ公称管と750フィートの1インチ配管と100個の90度エルボと100個のTとを使用して、4パーセントの増加分を含め約90.168ガロンのシステム容積Vaを画定するように作製されると仮定する。初期システム空気圧力
【数18】
を10psiに設定し、初期システム空気温度
【数19】
を68°Fと仮定した。5つのチャネル総断面積の各々についての圧力プロファイルが、図5Dにプロットされる。
【0112】
プロットは、チャネルを有するモデル化された好ましい連結具が、いかに圧力下の配管システムを漏出させるかを特徴付ける。モデル化されたチャネル断面積の各々について、計測可能な量の空気圧の漏出は、2分以内に起こった。モデル化の結果を試験用組立体データと組み合わせると、漏洩経路は、端面で計測したとき約0.0002平方インチ(in.2)程度の小ささから、約0.01in.2に至る範囲のチャネル断面積を有する連結具によって設けることができると考えられる。しかしながら、プロットはさらに、システム容積の増加に伴い漏出率が低下することを示しており、好ましい連結具が不適切な封止の検出に効果的な漏洩経路を提供するには、完全なシステムにおける圧力の変化率が、配管システムの運用作業員が特定するのに十分な程度に大規模でなければならないと考えられる。従って、例えば、運用作業員が中規模住宅占有部分の地階でシステム圧力計を監視していて、不適切な封止が配管システムのうち最も離れたところにあるジョイント組立体にある場合、連結具チャネルからの漏出によるシステム圧力の降下率は、システム圧力計に表示され、運用作業員が気付くことができる程度に十分大きくなければならない。
【0113】
従って、任意の所与のチャネル断面積について、漏出圧力プロファイルは好ましくは、利用可能な圧力検知または監視機器に表示され得る圧力の変化率を定義する。好ましい圧力計は、上記のものなどの、空気圧による管システム検査技術に実用的で、且つ容易に入手できるものである。計器は、さらに好ましくは、配管システム内の毎分約0.5psigの好ましい最小圧力変化率を表示することができるよう、0psig〜30psigの圧力を読み取る目盛りが付されている。一例示的空気圧計は、Lawrenceville,GeorgiaのWIKA Instrumentation Corporationによって製造されるもので、0〜30psigの目盛りが付されている。図5A〜5Bの圧力プロットを参照すると、モデル化されたチャネル断面積の全てが、中規模住宅占有部分用防火システムと等しいか、またはそれより小さいシステム容積について、最低0.5psig/分の圧力変化率をもたらした。しかしながら、0.0015平方インチ以上の総断面積を画定するチャネル構成は、モデル化された占有部分の全てにわたって0.5psig/分の好ましい初期最小圧力変化率をもたらす。従って、一連のチャネル構成を利用して、様々な用途についての空気圧試験において、最低10psiのシステム空気圧力を0.5psig/分の最低速度で漏出可能な効果的な漏洩経路を画定することができる。液圧による圧力試験において、チャネル構成は好ましくは、モデル化された占有部分の全てにわたって0.5psig/2分の初期最小圧力変化率をもたらす。
【0114】
しかしながら、効果的な漏洩経路を提供するチャネルの能力は、連結具に適したチャネル構成を定義するうえでの一要素に過ぎない。上記に考察されるとおり、1つまたは複数の工業規格に準拠するよう、連結具に最小壁厚を維持することが好ましい。従って、例えば図6Cに見られるとおり、連結具に一定の壁厚を維持するための外表面突起319がないとき、最大チャネル深さHは好ましくは約0.06インチであると考えられる。加えて、チャネル深さは、管セグメント端部がショルダと当接してチャネルを大気から遮断することが回避されるか、または最小限となるように構成され得る。さらに、CPVC連結具においてチャネル深さHを好ましい最大値以下で構成することにより、セメントシーラント材がチャネル内部に不要に溜まる可能性が最小限に抑えられる。
【0115】
上記の要因を踏まえると、連結具に形成される単一のチャネルについて、チャネル断面積は、約0.0002平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲、好ましくは約0.0012平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲、より好ましくは0.0015平方インチ〜約0.0036平方インチの範囲であってもよい。チャネル深さHは約0.005インチ〜約0.060インチの範囲であってもよく、チャネル幅は約0.015インチ〜約0.1インチの範囲であってもよい。好ましくは、チャネル深さHは約0.025インチ〜約0.060の範囲であり、最も好ましくは約0.025インチであり、およびチャネル幅Wは好ましくは約0.025インチ〜約0.060インチの範囲であり、最も好ましくは約0.060インチである。
【0116】
本発明は、特定の実施形態を参照して開示されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対して多くの修正、改変、および変更が可能である。従って、本発明は記載されている実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲、およびその等価物の文言によって定義される完全な範囲を有することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のジョイント組立体を有する防火配管システムの完全性を点検する方法であって、前記ジョイント組立体は、チャネルを有する少なくとも1つの連結具を備え、前記方法が、
前記配管システムを加圧することと、
前記少なくとも1本のチャネルによって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に漏洩経路が形成されているかどうかを評価することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加圧が、陽圧をかけることおよび負圧をかけることの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1本のチャネルにシーラント材を塗布することと、前記少なくとも1本のチャネルによって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に流路が形成されているかどうかを再評価することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記評価が、少なくとも1つの管セグメントに関して前記少なくとも1つの連結具を配置することと、前記少なくとも1つの配管セグメントの中心通路と連通する前記少なくとも1本のチャネルを配設することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配管セグメントの前記中心通路と連通する前記少なくとも1本のチャネルの配設が、前記連結具の内表面に沿って前記少なくともチャネルの深さ、幅および長さを画定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1本のチャネルの深さがその軸方向長さに沿って変化するように、前記チャネルの深さを画定する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1本のチャネルの幅が前記チャネルの深さに伴い変化するように、前記チャネルの幅を画定する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1本のチャネルの長さを画定することが、前記チャネルを前記連結具の第1の端面から前記連結具の第2の端面まで延在させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記連結具の前記内表面に沿ってショルダを形成することにより、前記連結具における前記管セグメントの軸方向の前進を阻止することと、前記チャネルの深さを前記ショルダで最大となるように画定することとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記評価が、前記少なくとも1つの配管セグメントの前記中心通路と連通する複数のチャネルを配設することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記評価が、前記システムにおける圧力損失を監視することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの連結具が、各々が少なくとも1本のチャネルを有する複数の連結具を備え、前記評価が、漏洩経路を画定する前記少なくとも1本のチャネルを特定することを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記配管システムの前記内部と前記外部との間に流体密な封止を形成するように、前記少なくともチャネルを変形させることをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
管継手を備え、前記継手に管セグメントが配置された少なくとも1つのジョイント組立体を有する配管システムの漏洩試験方法であって、
前記管継手と前記管要素との間に漏洩経路を画定することと、
前記システムに流体を導入することと、
前記チャネルからの流体の放出を検出することと、
を含む、方法。
【請求項15】
管組立体における漏洩の検出方法であって、
管セグメントに取り付けられて前記組立体を形成する少なくとも1つの連結具であって、漏洩経路を画定するチャネルを備える少なくとも1つの継手を提供することと、
前記少なくとも1つの継手と前記管セグメントとの間の漏洩を検出するため、前記チャネルに流体を流すことと、
を含む、方法。
【請求項16】
防火システムにおける漏洩の検出方法であって、
管セグメントと連結されることで組立体を形成する少なくとも1つの連結具であって、漏洩経路を画定するチャネルを備える少なくとも1つの継手を、前記システムに提供することと、
第1の圧力範囲にわたって前記組立体の圧力試験を行うことと、
前記第1の範囲と異なる第2の圧力範囲にわたって前記組立体の圧力試験を行うことと、
を含む、方法。
【請求項17】
第1の段階における圧力試験が、空気圧による圧力試験を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の段階における圧力試験が、液圧による圧力試験を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記内表面と係合し、且つ前記長手方向軸に向かって径方向内側に延在する環状ショルダであって、前記中心通路と連通する軸方向に延在するチャネルであって、セグメントに関して流体密な封止を画定するように改造可能なチャネル、を画定する一対の側壁を備えるショルダと、
を含む、連結具。
【請求項20】
前記一対の側壁が、前記長手方向軸に沿った方向における前記チャネルのチャネル深さを画定する、請求項19に記載の連結具。
【請求項21】
前記チャネル深さが前記ショルダで最大となる、請求項19に記載の連結具。
【請求項22】
前記連結具が第1の端面と第2の端面とを備え、前記チャネルが前記ショルダから前記第1の端面および前記第2の端面の一方まで延在する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項23】
前記チャネルが、前記第1の端面から前記第2の端面まで延在する、請求項22に記載の連結具。
【請求項24】
前記第1の端面または前記第2の端面の一方における前記チャネルが、約0.025インチのチャネル高さおよび約0.060インチの幅を画定する、請求項22に記載の連結具。
【請求項25】
前記第1の端面または前記第2の端面の一方における前記チャネルが、約0.010インチのチャネル高さおよび約0.045インチの幅を画定する、請求項22に記載の連結具。
【請求項26】
前記内表面が、前記一対の側壁を接続する相互接続表面であって、前記チャネルの前記内部に対して実質的に曲面状の相互接続表面を備える、請求項19に記載の連結具。
【請求項27】
前記相互接続表面が、前記長手方向軸に対して横断方向の波形を有する、請求項19に記載の連結具。
【請求項28】
前記チャネルが、前記長手方向軸を中心として螺旋状に前進する、請求項19に記載の連結具。
【請求項29】
前記内表面および前記外表面から延在し、且つ前記チャネルと連通する貫通孔をさらに含む、請求項19に記載の連結具。
【請求項30】
前記内表面および前記外表面を通じて一定の壁厚を画定するように、前記外表面に沿って突起をさらに含む、請求項19に記載の連結具。
【請求項31】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、さらに、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するように、前記端面から軸方向に延在するチャネルと、を備える端部分と、
を含む、管組立体。
【請求項32】
第1の管セグメントと第2の管セグメントとを連結するための管継手であって、
前記第1の管セグメントを係合するための第1の端部と、前記第2の管セグメントを係合するための第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、外表面と、中心通路を画定し、且つ前記中心通路と連通するチャネルをさらに画定する内表面と、
を含む、管継手。
【請求項33】
管網を備える管システムであって、前記システムの漏洩を検出するように構成され、
端面を備える端部分と、外表面と、チャンバを画定する内表面とを有する第1の管セグメントと、前記第1の管セグメントと連結される第2の管セグメントであって、外径を画定する外表面を備える管端であって、前記第1の管セグメントの前記端部分の前記内表面と緊密な嵌合を形成するように前記チャンバに挿入される管端、を有する第2の管セグメントと、
前記第1の管セグメントの前記端部分の前記内表面に沿って形成されるチャネルであって、前記内表面から径方向に延在し、且つ前記端面から軸方向にさらに延在する、前記第2のセグメントの前記外表面と連通するチャネルと、
を含む、システム。
【請求項34】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するよう、前記端面から軸方向にさらに延在するチャネルとを備える端部分と、
を含み、前記外表面および前記内表面が、前記長手方向軸に関して一定の壁厚を画定する、管連結具。
【請求項35】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するよう、前記端面から軸方向にさらに延在するチャネルとを備える端部分と、
を含み、前記外表面および前記内表面が、前記外表面と前記内表面との間の最大壁厚の少なくとも85パーセントの最小壁厚を画定する、管連結具。
【請求項36】
配管システムにおけるジョイント組立体の方法であって、
連結体の内部通路および前記連結体に近接した外部環境と連通する流通路を、前記連結体に近接して配置することと、
前記連結体と管との嵌合表面にシーラントを塗布することと、
前記内部通路が前記流通路を介して前記連結体の前記外部環境と連通することがそれ以降ないように、前記流通路によって提供される連通を遮断することと、
を含む、方法。
【請求項37】
前記流通路の配置が、前記連結体の壁を通じて前記流通路を配置することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記流通路の配置が、前記嵌合表面間の範囲に前記流通路を配置することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記流通路の配置後、前記内部通路から前記外部環境に至り、且つ前記流通路と通じる漏洩経路を形成することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記流通路が、前記連結体の長手方向軸の周りに螺旋状に配置された渦巻を形成する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記流通路が、前記連結体の長手方向軸と平行に配置される、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記嵌合表面が、前記流通路の少なくとも一部分を画定する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
管組立体における漏洩の検出方法であって、
少なくとも部分的には管構成要素によって画定される所定の中間流通路を通じて、前記管構成要素の内部通路から前記管構成要素に近接する外部環境へと流体の動きを誘導すること、
を含む、方法。
【請求項44】
前記流体の動きを誘導する前に、前記管構成要素の壁を通じて前記所定の中間流通路を配置することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記流体の動きを誘導する前に、前記管構成要素と別の管構成要素との嵌合表面間の範囲に前記所定の中間流通路を配置することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記所定の中間流通路が、前記中間流通路を通じた流れの視覚的指示および聴覚的指示のうち少なくとも一方を提供する形態を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
管組立体における漏洩の可能性を特定する方法であって、
前記管組立体内のチャネルに近接した管ジョイント組立体の表面に材料を配置することと、
前記材料を前記チャネルに含まれる流体と反応させて漏洩を検出することと、
を含む、方法。
【請求項48】
前記管組立体が、管セグメントとのドライフィット接続部を有する連結具を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記管組立体が、管セグメントとの部分封止接続部を有する連結具を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記指示手段の配置後、
前記指示手段を取り除くことと、
前記管組立体が前記シーラントの使用なしに形成された個所にシーラントを塗布することと、
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
壁と少なくとも1つの端部とを有する連結体であって、前記壁が前記少なくとも1つの端部の開口と連通する内部通路を画定する、連結体と、
前記内部通路内に配置される、端部を有する少なくとも1本の管であって、前記管の内部が前記内部通路と連通する、少なくとも1本の管と、
を含み、前記連結体および前記少なくとも1本の管の各々が、互いを係合して前記連結体と前記少なくとも1本の管との間に封止を形成する嵌合表面を有し、前記嵌合表面の少なくとも一方が、前記内部通路および前記連結体に近接する外部環境と連通するチャネルであって、前記中間流通路によって画定される連通を分断するのに十分な量のシーラントが前記嵌合表面に近接して塗布されると塞がれるチャネル、を画定する、管組立体。
【請求項52】
前記少なくとも1本のチャネルが、前記連結体の長手方向軸の周りに螺旋状に配置された渦巻を形成する、請求項48に記載の組立体。
【請求項53】
前記少なくとも1本のチャネルが、前記連結体の長手方向軸と平行に配置される、請求項48に記載の組立体。
【請求項54】
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面および内表面を有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、前記少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように手段を改造するのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記連結具と前記少なくとも1つの管セグメントとの間の流体密な接続を防止する手段を備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項55】
前記連結具が、継手および管セグメントと一体化した管端継手のうちの少なくとも一方である、請求項54に記載の配管システム。
【請求項56】
前記連結具が、T;径違いT;十字または径違い十字;90°エルボまたは径違いエルボ;45°エルボ;連結体またはレデューサ連結体;または端部キャップのうちの1つとして構成された継手を含む、請求項55に記載の配管システム。
【請求項57】
前記手段が、前記ソケットの前記内表面に沿って軸方向に延在するチャネルを含む、請求項54に記載の配管システム。
【請求項58】
前記チャネルが、前記ソケットの前記軸を中心として螺旋状に延在する、請求項57に記載の配管システム。
【請求項59】
前記連結具が、前記内表面と前記外表面との間に延在する少なくとも1つの端面であって、前記ソケットの開口を画定する少なくとも1つの端面を備え、前記連結具が、前記ソケットの基面で前記軸に沿って離間されたショルダを備え、前記チャネルが、前記端面から少なくとも前記ショルダまで軸方向に延在する、請求項57に記載の配管システム。
【請求項60】
前記連結具が別の端面を備え、前記チャネルが、前記少なくとも1つの端面から前記別の端面まで延在する、請求項59に記載の配管システム。
【請求項61】
前記チャネルが軸方向長さとチャネル深さとを画定し、前記チャネル深さが、その軸方向長さに沿って変化する、請求項59に記載の配管システム。
【請求項62】
前記内表面および前記外表面が前記連結具の壁厚を画定し、前記チャネルが前記端面で最小となり、且つ前記ショルダで最大となるように、前記チャネル深さが前記チャネルに沿って前記壁厚を変化させる、請求項61に記載の配管システム。
【請求項63】
前記手段が、前記ソケットのなかで重力場上低いところに位置する、請求項55に記載の配管システム。
【請求項64】
前記手段が、階段状の移行部を有するチャネルを含む、請求項55に記載の配管システム。
【請求項65】
圧力モニタと連結された試験用組立体をさらに含み、前記少なくとも1つの管セグメントが第1の管セグメントと第2の管セグメントとを含み、前記連結具が、前記ソケットが前記第1の管セグメントの一方の端部に関して配置される第1のソケットである継手であり、前記第1の管セグメントの他方の端部は流体供給源に連結され、前記継手が、前記第2の管セグメントの一方の端部に関して配置される第2のソケットを有し、前記第2の管セグメントの他方の端部は封止され、前記継手が、前記第1のソケットと連通する第1のチャネル部分と、前記第2のソケットと連通する第2のチャネル部分とを有するチャネルを備え、前記第1のチャネル部分が前記第2のチャネル部分と連通し、
前記流体が空気であり、且つ前記試験用組立体が約1psig以下まで加圧されるとき、前記空気が前記チャネルから漏洩する、請求項54に記載の配管システム。
【請求項66】
前記流体が水であり、且つ前記試験用組立体が約10psigまで加圧されるとき、前記水が10秒未満で前記チャネルから漏出する、請求項65に記載の配管システム。
【請求項67】
配管システムにおけるジョイント組立体を形成するための連結具であって、
外表面と、軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分と、
前記内表面と前記外表面との間に延在して前記管状壁の厚さを画定する端面と、
前記内表面および前記外表面の一方に沿って配置され、且つ前記通路と連通するチャネルであって、前記配管システムの内部と配管システムの外部との間で流体を搬送するための第1の構成と、前記配管システムの前記内部と前記外部との間で流体が搬送されることを防止する第2の構成とを有し、十分な量の材料が存在するとき、前記第1の構成から前記第2の構成に変換することが可能なチャネルと、
を含む、連結具。
【請求項68】
前記管状壁が管継手を含み、前記内表面が、管セグメントを受け入れるための少なくとも1つのソケットを画定する、請求項67に記載の連結具。
【請求項69】
前記管継手が、T;径違いT;十字または径違い十字;90°エルボまたは径違いエルボ;45°エルボ;連結体またはレデューサ連結体;または端部キャップのうちの1つである、請求項68に記載の連結具。
【請求項70】
前記少なくとも1つのソケットが、前記端面から前記軸に沿って狭く縮径する、請求項68に記載の連結具。
【請求項71】
前記管状壁部分が、管セグメントと一体化した管端継手を画定する、請求項67に記載の連結具。
【請求項72】
前記チャネルが前記内表面に沿って形成される、請求項67〜71のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項73】
前記チャネルが、前記軸に沿って略平行に延在する一対の離間された側壁と、前記一対の側壁の間の相互接続表面とによって画定され、前記側壁間の距離がチャネル幅を画定し、および前記軸から前記相互接続表面までの間および前記軸から前記内表面までの間の径方向距離がチャネル深さを画定する、請求項72に記載の連結具。
【請求項74】
前記相互接続表面が前記軸と平行であり、前記チャネル深さが前記長手方向軸に沿って変化するように、前記内表面が前記軸に対して縮径する、請求項73に記載の連結具。
【請求項75】
前記内表面がショルダを備え、前記チャネルが、前記端面から前記ショルダまで延在する、請求項74に記載の連結具。
【請求項76】
前記チャネル深さが前記端面で最小であり、且つ前記チャネル深さが前記ショルダで最大である、請求項75に記載の連結具。
【請求項77】
前記相互接続表面が、前記チャネルに対して略凹面状となるように曲面状である、請求項73に記載の連結具。
【請求項78】
前記相互接続表面が、前記軸に沿った方向に波形を有する、請求項73に記載の連結具。
【請求項79】
前記管状壁部材が管セグメントの一部分を有し、前記チャネルが前記外表面に沿って形成される、請求項67に記載の連結具。
【請求項80】
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面と内表面とを有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、前記少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように手段を変形させるのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記連結具と前記少なくとも1つの管セグメントとの間の流体密な接続を防止する手段を備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項81】
少なくとも10psiの空気の初期システム圧力を有する配管システムであって、
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面と内表面とを有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように前記手段を変形させるのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記圧力が0.5psi/分の最低初期速度で減少するように前記システムから前記システム圧力を放出するための手段を前記内表面が備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項82】
チャネルを有する少なくとも1つの連結具を備える複数のジョイント組立体を有する防火配管システムの完全性を点検する方法であって、
前記配管システムを少なくとも10psiの水の初期圧力まで加圧することと、
前記システムを前記初期圧力まで加圧して2分以内に毎分0.5psiの最小初期圧力変化率を検出することを含む、前記少なくとも1本のチャネルによって前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に漏洩経路が形成されるかどうかを評価することと、
を含む、方法
【請求項83】
配管システムにジョイント組立体を形成するための連結具であって、
外表面と軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分と、
前記内表面と前記外表面との間に延在して前記管状壁の厚さを画定する端面と、
前記内表面および前記外表面の一方に沿って配置され、且つ前記通路と連通するチャネルであって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間で流体を搬送するための、前記端面において約0.0002平方インチ〜約0.1平方インチの範囲の断面積を画定するチャネルと、
を含む、連結具。
【請求項84】
前記断面積が約0.0015平方インチである、請求項83に記載の連結具。
【請求項85】
前記断面積が、前記端面において約0.025インチ〜約0.060インチの範囲のチャネル高さを画定する、請求項83に記載の連結具。
【請求項1】
複数のジョイント組立体を有する防火配管システムの完全性を点検する方法であって、前記ジョイント組立体は、チャネルを有する少なくとも1つの連結具を備え、前記方法が、
前記配管システムを加圧することと、
前記少なくとも1本のチャネルによって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に漏洩経路が形成されているかどうかを評価することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加圧が、陽圧をかけることおよび負圧をかけることの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1本のチャネルにシーラント材を塗布することと、前記少なくとも1本のチャネルによって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に流路が形成されているかどうかを再評価することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記評価が、少なくとも1つの管セグメントに関して前記少なくとも1つの連結具を配置することと、前記少なくとも1つの配管セグメントの中心通路と連通する前記少なくとも1本のチャネルを配設することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配管セグメントの前記中心通路と連通する前記少なくとも1本のチャネルの配設が、前記連結具の内表面に沿って前記少なくともチャネルの深さ、幅および長さを画定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1本のチャネルの深さがその軸方向長さに沿って変化するように、前記チャネルの深さを画定する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1本のチャネルの幅が前記チャネルの深さに伴い変化するように、前記チャネルの幅を画定する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1本のチャネルの長さを画定することが、前記チャネルを前記連結具の第1の端面から前記連結具の第2の端面まで延在させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記連結具の前記内表面に沿ってショルダを形成することにより、前記連結具における前記管セグメントの軸方向の前進を阻止することと、前記チャネルの深さを前記ショルダで最大となるように画定することとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記評価が、前記少なくとも1つの配管セグメントの前記中心通路と連通する複数のチャネルを配設することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記評価が、前記システムにおける圧力損失を監視することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの連結具が、各々が少なくとも1本のチャネルを有する複数の連結具を備え、前記評価が、漏洩経路を画定する前記少なくとも1本のチャネルを特定することを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記配管システムの前記内部と前記外部との間に流体密な封止を形成するように、前記少なくともチャネルを変形させることをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
管継手を備え、前記継手に管セグメントが配置された少なくとも1つのジョイント組立体を有する配管システムの漏洩試験方法であって、
前記管継手と前記管要素との間に漏洩経路を画定することと、
前記システムに流体を導入することと、
前記チャネルからの流体の放出を検出することと、
を含む、方法。
【請求項15】
管組立体における漏洩の検出方法であって、
管セグメントに取り付けられて前記組立体を形成する少なくとも1つの連結具であって、漏洩経路を画定するチャネルを備える少なくとも1つの継手を提供することと、
前記少なくとも1つの継手と前記管セグメントとの間の漏洩を検出するため、前記チャネルに流体を流すことと、
を含む、方法。
【請求項16】
防火システムにおける漏洩の検出方法であって、
管セグメントと連結されることで組立体を形成する少なくとも1つの連結具であって、漏洩経路を画定するチャネルを備える少なくとも1つの継手を、前記システムに提供することと、
第1の圧力範囲にわたって前記組立体の圧力試験を行うことと、
前記第1の範囲と異なる第2の圧力範囲にわたって前記組立体の圧力試験を行うことと、
を含む、方法。
【請求項17】
第1の段階における圧力試験が、空気圧による圧力試験を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の段階における圧力試験が、液圧による圧力試験を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記内表面と係合し、且つ前記長手方向軸に向かって径方向内側に延在する環状ショルダであって、前記中心通路と連通する軸方向に延在するチャネルであって、セグメントに関して流体密な封止を画定するように改造可能なチャネル、を画定する一対の側壁を備えるショルダと、
を含む、連結具。
【請求項20】
前記一対の側壁が、前記長手方向軸に沿った方向における前記チャネルのチャネル深さを画定する、請求項19に記載の連結具。
【請求項21】
前記チャネル深さが前記ショルダで最大となる、請求項19に記載の連結具。
【請求項22】
前記連結具が第1の端面と第2の端面とを備え、前記チャネルが前記ショルダから前記第1の端面および前記第2の端面の一方まで延在する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項23】
前記チャネルが、前記第1の端面から前記第2の端面まで延在する、請求項22に記載の連結具。
【請求項24】
前記第1の端面または前記第2の端面の一方における前記チャネルが、約0.025インチのチャネル高さおよび約0.060インチの幅を画定する、請求項22に記載の連結具。
【請求項25】
前記第1の端面または前記第2の端面の一方における前記チャネルが、約0.010インチのチャネル高さおよび約0.045インチの幅を画定する、請求項22に記載の連結具。
【請求項26】
前記内表面が、前記一対の側壁を接続する相互接続表面であって、前記チャネルの前記内部に対して実質的に曲面状の相互接続表面を備える、請求項19に記載の連結具。
【請求項27】
前記相互接続表面が、前記長手方向軸に対して横断方向の波形を有する、請求項19に記載の連結具。
【請求項28】
前記チャネルが、前記長手方向軸を中心として螺旋状に前進する、請求項19に記載の連結具。
【請求項29】
前記内表面および前記外表面から延在し、且つ前記チャネルと連通する貫通孔をさらに含む、請求項19に記載の連結具。
【請求項30】
前記内表面および前記外表面を通じて一定の壁厚を画定するように、前記外表面に沿って突起をさらに含む、請求項19に記載の連結具。
【請求項31】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、さらに、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するように、前記端面から軸方向に延在するチャネルと、を備える端部分と、
を含む、管組立体。
【請求項32】
第1の管セグメントと第2の管セグメントとを連結するための管継手であって、
前記第1の管セグメントを係合するための第1の端部と、前記第2の管セグメントを係合するための第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、外表面と、中心通路を画定し、且つ前記中心通路と連通するチャネルをさらに画定する内表面と、
を含む、管継手。
【請求項33】
管網を備える管システムであって、前記システムの漏洩を検出するように構成され、
端面を備える端部分と、外表面と、チャンバを画定する内表面とを有する第1の管セグメントと、前記第1の管セグメントと連結される第2の管セグメントであって、外径を画定する外表面を備える管端であって、前記第1の管セグメントの前記端部分の前記内表面と緊密な嵌合を形成するように前記チャンバに挿入される管端、を有する第2の管セグメントと、
前記第1の管セグメントの前記端部分の前記内表面に沿って形成されるチャネルであって、前記内表面から径方向に延在し、且つ前記端面から軸方向にさらに延在する、前記第2のセグメントの前記外表面と連通するチャネルと、
を含む、システム。
【請求項34】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するよう、前記端面から軸方向にさらに延在するチャネルとを備える端部分と、
を含み、前記外表面および前記内表面が、前記長手方向軸に関して一定の壁厚を画定する、管連結具。
【請求項35】
外表面と、長手方向軸に沿って中心通路を画定する内表面と、
前記長手方向軸と略直交する端面と、前記内表面から径方向に延在するチャネルであって、前記中心通路と連通し、前記中心通路から前記端面に至る漏洩経路を画定するよう、前記端面から軸方向にさらに延在するチャネルとを備える端部分と、
を含み、前記外表面および前記内表面が、前記外表面と前記内表面との間の最大壁厚の少なくとも85パーセントの最小壁厚を画定する、管連結具。
【請求項36】
配管システムにおけるジョイント組立体の方法であって、
連結体の内部通路および前記連結体に近接した外部環境と連通する流通路を、前記連結体に近接して配置することと、
前記連結体と管との嵌合表面にシーラントを塗布することと、
前記内部通路が前記流通路を介して前記連結体の前記外部環境と連通することがそれ以降ないように、前記流通路によって提供される連通を遮断することと、
を含む、方法。
【請求項37】
前記流通路の配置が、前記連結体の壁を通じて前記流通路を配置することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記流通路の配置が、前記嵌合表面間の範囲に前記流通路を配置することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記流通路の配置後、前記内部通路から前記外部環境に至り、且つ前記流通路と通じる漏洩経路を形成することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記流通路が、前記連結体の長手方向軸の周りに螺旋状に配置された渦巻を形成する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記流通路が、前記連結体の長手方向軸と平行に配置される、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記嵌合表面が、前記流通路の少なくとも一部分を画定する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
管組立体における漏洩の検出方法であって、
少なくとも部分的には管構成要素によって画定される所定の中間流通路を通じて、前記管構成要素の内部通路から前記管構成要素に近接する外部環境へと流体の動きを誘導すること、
を含む、方法。
【請求項44】
前記流体の動きを誘導する前に、前記管構成要素の壁を通じて前記所定の中間流通路を配置することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記流体の動きを誘導する前に、前記管構成要素と別の管構成要素との嵌合表面間の範囲に前記所定の中間流通路を配置することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記所定の中間流通路が、前記中間流通路を通じた流れの視覚的指示および聴覚的指示のうち少なくとも一方を提供する形態を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
管組立体における漏洩の可能性を特定する方法であって、
前記管組立体内のチャネルに近接した管ジョイント組立体の表面に材料を配置することと、
前記材料を前記チャネルに含まれる流体と反応させて漏洩を検出することと、
を含む、方法。
【請求項48】
前記管組立体が、管セグメントとのドライフィット接続部を有する連結具を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記管組立体が、管セグメントとの部分封止接続部を有する連結具を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記指示手段の配置後、
前記指示手段を取り除くことと、
前記管組立体が前記シーラントの使用なしに形成された個所にシーラントを塗布することと、
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
壁と少なくとも1つの端部とを有する連結体であって、前記壁が前記少なくとも1つの端部の開口と連通する内部通路を画定する、連結体と、
前記内部通路内に配置される、端部を有する少なくとも1本の管であって、前記管の内部が前記内部通路と連通する、少なくとも1本の管と、
を含み、前記連結体および前記少なくとも1本の管の各々が、互いを係合して前記連結体と前記少なくとも1本の管との間に封止を形成する嵌合表面を有し、前記嵌合表面の少なくとも一方が、前記内部通路および前記連結体に近接する外部環境と連通するチャネルであって、前記中間流通路によって画定される連通を分断するのに十分な量のシーラントが前記嵌合表面に近接して塗布されると塞がれるチャネル、を画定する、管組立体。
【請求項52】
前記少なくとも1本のチャネルが、前記連結体の長手方向軸の周りに螺旋状に配置された渦巻を形成する、請求項48に記載の組立体。
【請求項53】
前記少なくとも1本のチャネルが、前記連結体の長手方向軸と平行に配置される、請求項48に記載の組立体。
【請求項54】
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面および内表面を有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、前記少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように手段を改造するのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記連結具と前記少なくとも1つの管セグメントとの間の流体密な接続を防止する手段を備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項55】
前記連結具が、継手および管セグメントと一体化した管端継手のうちの少なくとも一方である、請求項54に記載の配管システム。
【請求項56】
前記連結具が、T;径違いT;十字または径違い十字;90°エルボまたは径違いエルボ;45°エルボ;連結体またはレデューサ連結体;または端部キャップのうちの1つとして構成された継手を含む、請求項55に記載の配管システム。
【請求項57】
前記手段が、前記ソケットの前記内表面に沿って軸方向に延在するチャネルを含む、請求項54に記載の配管システム。
【請求項58】
前記チャネルが、前記ソケットの前記軸を中心として螺旋状に延在する、請求項57に記載の配管システム。
【請求項59】
前記連結具が、前記内表面と前記外表面との間に延在する少なくとも1つの端面であって、前記ソケットの開口を画定する少なくとも1つの端面を備え、前記連結具が、前記ソケットの基面で前記軸に沿って離間されたショルダを備え、前記チャネルが、前記端面から少なくとも前記ショルダまで軸方向に延在する、請求項57に記載の配管システム。
【請求項60】
前記連結具が別の端面を備え、前記チャネルが、前記少なくとも1つの端面から前記別の端面まで延在する、請求項59に記載の配管システム。
【請求項61】
前記チャネルが軸方向長さとチャネル深さとを画定し、前記チャネル深さが、その軸方向長さに沿って変化する、請求項59に記載の配管システム。
【請求項62】
前記内表面および前記外表面が前記連結具の壁厚を画定し、前記チャネルが前記端面で最小となり、且つ前記ショルダで最大となるように、前記チャネル深さが前記チャネルに沿って前記壁厚を変化させる、請求項61に記載の配管システム。
【請求項63】
前記手段が、前記ソケットのなかで重力場上低いところに位置する、請求項55に記載の配管システム。
【請求項64】
前記手段が、階段状の移行部を有するチャネルを含む、請求項55に記載の配管システム。
【請求項65】
圧力モニタと連結された試験用組立体をさらに含み、前記少なくとも1つの管セグメントが第1の管セグメントと第2の管セグメントとを含み、前記連結具が、前記ソケットが前記第1の管セグメントの一方の端部に関して配置される第1のソケットである継手であり、前記第1の管セグメントの他方の端部は流体供給源に連結され、前記継手が、前記第2の管セグメントの一方の端部に関して配置される第2のソケットを有し、前記第2の管セグメントの他方の端部は封止され、前記継手が、前記第1のソケットと連通する第1のチャネル部分と、前記第2のソケットと連通する第2のチャネル部分とを有するチャネルを備え、前記第1のチャネル部分が前記第2のチャネル部分と連通し、
前記流体が空気であり、且つ前記試験用組立体が約1psig以下まで加圧されるとき、前記空気が前記チャネルから漏洩する、請求項54に記載の配管システム。
【請求項66】
前記流体が水であり、且つ前記試験用組立体が約10psigまで加圧されるとき、前記水が10秒未満で前記チャネルから漏出する、請求項65に記載の配管システム。
【請求項67】
配管システムにおけるジョイント組立体を形成するための連結具であって、
外表面と、軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分と、
前記内表面と前記外表面との間に延在して前記管状壁の厚さを画定する端面と、
前記内表面および前記外表面の一方に沿って配置され、且つ前記通路と連通するチャネルであって、前記配管システムの内部と配管システムの外部との間で流体を搬送するための第1の構成と、前記配管システムの前記内部と前記外部との間で流体が搬送されることを防止する第2の構成とを有し、十分な量の材料が存在するとき、前記第1の構成から前記第2の構成に変換することが可能なチャネルと、
を含む、連結具。
【請求項68】
前記管状壁が管継手を含み、前記内表面が、管セグメントを受け入れるための少なくとも1つのソケットを画定する、請求項67に記載の連結具。
【請求項69】
前記管継手が、T;径違いT;十字または径違い十字;90°エルボまたは径違いエルボ;45°エルボ;連結体またはレデューサ連結体;または端部キャップのうちの1つである、請求項68に記載の連結具。
【請求項70】
前記少なくとも1つのソケットが、前記端面から前記軸に沿って狭く縮径する、請求項68に記載の連結具。
【請求項71】
前記管状壁部分が、管セグメントと一体化した管端継手を画定する、請求項67に記載の連結具。
【請求項72】
前記チャネルが前記内表面に沿って形成される、請求項67〜71のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項73】
前記チャネルが、前記軸に沿って略平行に延在する一対の離間された側壁と、前記一対の側壁の間の相互接続表面とによって画定され、前記側壁間の距離がチャネル幅を画定し、および前記軸から前記相互接続表面までの間および前記軸から前記内表面までの間の径方向距離がチャネル深さを画定する、請求項72に記載の連結具。
【請求項74】
前記相互接続表面が前記軸と平行であり、前記チャネル深さが前記長手方向軸に沿って変化するように、前記内表面が前記軸に対して縮径する、請求項73に記載の連結具。
【請求項75】
前記内表面がショルダを備え、前記チャネルが、前記端面から前記ショルダまで延在する、請求項74に記載の連結具。
【請求項76】
前記チャネル深さが前記端面で最小であり、且つ前記チャネル深さが前記ショルダで最大である、請求項75に記載の連結具。
【請求項77】
前記相互接続表面が、前記チャネルに対して略凹面状となるように曲面状である、請求項73に記載の連結具。
【請求項78】
前記相互接続表面が、前記軸に沿った方向に波形を有する、請求項73に記載の連結具。
【請求項79】
前記管状壁部材が管セグメントの一部分を有し、前記チャネルが前記外表面に沿って形成される、請求項67に記載の連結具。
【請求項80】
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面と内表面とを有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、前記少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように手段を変形させるのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記連結具と前記少なくとも1つの管セグメントとの間の流体密な接続を防止する手段を備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項81】
少なくとも10psiの空気の初期システム圧力を有する配管システムであって、
少なくとも1つの管セグメントと、
外表面と内表面とを有する連結具であって、前記内表面が、軸に沿って延在するソケットであって、少なくとも1つのセグメントに関して配置されるソケットを画定し、前記内表面が前記少なくとも1つの管セグメントに関して流体密な封止を形成するように前記手段を変形させるのに十分な最小量のシーラント材がないとき、前記圧力が0.5psi/分の最低初期速度で減少するように前記システムから前記システム圧力を放出するための手段を前記内表面が備える、連結具と、
を含む、配管システム。
【請求項82】
チャネルを有する少なくとも1つの連結具を備える複数のジョイント組立体を有する防火配管システムの完全性を点検する方法であって、
前記配管システムを少なくとも10psiの水の初期圧力まで加圧することと、
前記システムを前記初期圧力まで加圧して2分以内に毎分0.5psiの最小初期圧力変化率を検出することを含む、前記少なくとも1本のチャネルによって前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間に漏洩経路が形成されるかどうかを評価することと、
を含む、方法
【請求項83】
配管システムにジョイント組立体を形成するための連結具であって、
外表面と軸に沿って延在する通路を画定する内表面とを有する略管状壁部分と、
前記内表面と前記外表面との間に延在して前記管状壁の厚さを画定する端面と、
前記内表面および前記外表面の一方に沿って配置され、且つ前記通路と連通するチャネルであって、前記配管システムの内部と前記配管システムの外部との間で流体を搬送するための、前記端面において約0.0002平方インチ〜約0.1平方インチの範囲の断面積を画定するチャネルと、
を含む、連結具。
【請求項84】
前記断面積が約0.0015平方インチである、請求項83に記載の連結具。
【請求項85】
前記断面積が、前記端面において約0.025インチ〜約0.060インチの範囲のチャネル高さを画定する、請求項83に記載の連結具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17】
【公表番号】特表2010−515922(P2010−515922A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545696(P2009−545696)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/050821
【国際公開番号】WO2008/086508
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509195526)タイコ、ファイヤー、プロダクツ、リミテッド、パートナーシップ (1)
【氏名又は名称原語表記】TYCO FIRE PRODUCTS LP
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/050821
【国際公開番号】WO2008/086508
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509195526)タイコ、ファイヤー、プロダクツ、リミテッド、パートナーシップ (1)
【氏名又は名称原語表記】TYCO FIRE PRODUCTS LP
【Fターム(参考)】
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