説明

配線基板及びその製造方法

【課題】パッドに外部接続端子等を接合したときの引っ張り強度を高めることができ、パッドが剥離するといった不良モードを大いに減らし、実装の信頼性向上に寄与すること。
【解決手段】配線基板40は、最外層の絶縁層12の表面からその表面が露出したパッド41Pを備える。パッド41Pは、OSP処理に基づいて形成されて、最外層の絶縁層12からその表面が露出した被膜51と、その被膜51と基板内部のビアとの間に設けられた金属層52とを有し、金属層52の側面及びビアとの接続面が粗面化されており、最外層の絶縁層12にパッド41Pの側面及びビアとの接続面が接しており、最外層の絶縁層12の裏面に金属層52が露出する開口部が形成されており、開口部内に金属層52と接続されたビアが設けられており、最外層の絶縁層12の裏面にビアを介してパッド41Pに接続される配線層13が設けられていることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板及びその製造方法に関し、より詳細には、半導体素子(チップ)等の電子部品の搭載用もしくは外部接続端子の接合用として供されるパッド(配線層の一部)を備えた配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
かかる配線基板は、半導体素子(チップ)等を搭載するパッケージとしての機能を果たすという点で、以下の記述では便宜上、「半導体パッケージ」ともいう。
【背景技術】
【0003】
配線基板において最外層の配線層にはその所定の箇所にパッドが画定されており、このパッドに、当該配線基板をマザーボード等に実装する際に使用される外部接続端子(はんだボールやピン等)や当該配線基板に搭載される半導体素子の電極端子等が接続されるようになっている。そして、このパッドの部分を除いて当該配線層が絶縁層(典型的には、樹脂層)によって覆われている。つまり、最外層の絶縁層の対応する部分が開口されており、その開口部からパッドが露出している。このパッドは、その表面が当該絶縁層(樹脂層)の表面と同一面となるように、もしくは当該絶縁層(樹脂層)の表面から基板内に後退した位置となるように形成されている。
【0004】
パッドは、その層構成として、一般に複数の金属層が積層された構造を有している。その典型的な層構成として、金(Au)層とニッケル(Ni)層からなる2層構造のものがある。このパッドのAu層は絶縁層(樹脂層)から露出しており、このAu層上のNi層には、ビア(基板内の樹脂層に形成されたビアホールに充填された導体で、各配線層間を接続するもの)が接続されるようになっている。このNi層は、ビアに含まれる金属(典型的には、銅(Cu))がAu層に拡散するのを防止するためのものである。
【0005】
しかしながら、Ni層は酸化され易いため、かかる2層(Au/Ni)構造のパッドを備えた配線基板、特に、「コアレス基板」と呼ばれているタイプのものを製造する際に不都合が生じる。このコアレス基板の基本的なプロセスは、先ず支持体としての仮基板を用意し、この仮基板上にパッドを形成し、次いで所要数のビルドアップ層(ビアホールを含む樹脂層、ビアホールの内部を含めた配線層)を順次形成した後、最終的に仮基板を除去するものである。つまり、パッドを形成した後、ビアが形成されて当該パッドのNi層に接続されることになる。このため、パッド形成後のNi層の表面には、Niの酸化物が形成されてしまう。その結果、酸化物が形成されたNi層にビアを接続させると、その酸化物の影響により、パッドとビアとの密着性が低下して、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性が損なわれる。
【0006】
本願の出願人は、かかる不都合に対処するための技術を提案している(下記の特許文献1)。この特許文献1に開示されている技術では、パッドとこれに接続されるビアとを備えた配線基板において、パッドを構成する積層された複数の金属層が、配線基板から露出した金属層(Au層)と、この金属層上に設けられ、ビアに含まれる金属が該金属層に拡散するのを防止する金属層(Ni層)とを有し、さらに、この金属層とビアとの間に該金属層よりも酸化され難い金属層(Cu層)を設けている。つまり、酸化され難いCu層をビアとNi層との間に介在させることで、パッドとビアとの間に酸化物が介在する可能性を実質的に無くし、これにより、パッドとビアとの密着性を向上させている。
【特許文献1】特開2008−141070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように従来の2層(Au/Ni)構造のパッドにおいて見られる不都合を解消するための技術(特許文献1)が提案されているが、この技術では、パッドを構成する各金属層の厚さとパッドの引っ張り強度については特に言及されていない。
【0008】
その一方で、配線基板の薄型化の要求に伴い配線層及び絶縁層(樹脂層)は可及的に薄く形成される傾向にあるため、最外層の配線層の一部に画定されるパッドの厚さもそれに応じて薄くする必要がある。このことは、上記の特許文献1に記載されているパッドを構成する各金属層の厚さ、とりわけ、ビアとの密着性の向上に寄与する金属層(Cu層)の厚さも薄くなることを意味する。
【0009】
このようにパッドのCu層の厚さが薄くなると、パッド壁面において周囲の樹脂層(絶縁層)と接する表面積が小さくなり、樹脂層との密着性が低下する。その結果、このパッドに外部接続端子(はんだボールやピン等)や半導体素子の電極端子等を接合したときの引っ張り強度が低下し、場合によってはパッドが剥離してしまうといった問題が起こり得る。このことは、配線基板の性能劣化につながり、ひいては、配線基板に半導体素子等を搭載もしくは該配線基板をマザーボード等に実装する際の信頼性の低下につながる。
【0010】
このような問題は、必ずしもコアレス基板に特有のものではなく、コア基板を有した形態の配線基板においても同様に起こり得る。すなわち、上述したように積層された複数の金属層からなり、ビアと接続される側の金属層(Cu層)の厚さが薄く形成された構造を有するパッドを備えた配線基板であれば、上記の問題は同様に起こり得る。
【0011】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、パッドに外部接続端子等を接合したときの引っ張り強度を高めることができ、パッドが剥離するといった不良モードを大いに減らし、実装の信頼性向上に寄与することができる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、最外層の絶縁層にパッドが埋設され、前記最外層の絶縁層の表面からその表面が露出した前記パッドを備えた配線基板であって、前記パッドが、OSP処理に基づいて形成された被膜であって前記最外層の絶縁層からその表面が露出した当該被膜と、該被膜と基板内部のビアとの間に設けられた金属層とを有し、前記金属層の側面及び前記ビアとの接続面が粗面化されており、前記最外層の絶縁層に前記パッドの側面及び前記ビアとの接続面が接しており、前記最外層の絶縁層の裏面に前記金属層が露出する開口部が形成されており、前記開口部内に前記金属層と接続されたビアが設けられており、前記最外層の絶縁層の裏面に前記ビアを介して前記パッドに接続される配線層が設けられていることを特徴とする配線基板が提供される。
【0013】
また、本発明の他の形態によれば、上記の形態に係る配線基板を製造する方法が提供される。この製造方法は、支持基材上に、めっき法により、犠牲導体層と、金属層とを積層する工程と、前記金属層の表面及び側面に粗化処理を施す工程と、前記金属層及び犠牲導体層を被覆するように、前記支持基材上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に、前記金属層を露出させる開口部を形成する工程と、前記絶縁層上に、前記開口部内に設けられたビアにより前記金属層に接続される配線層を形成する工程と、前記支持基材及び前記犠牲導体層を除去する工程と、前記絶縁層から露出された前記金属層上に、OSP処理を施して被膜を形成する工程とを含み、該被膜と前記金属層とによりパッドを構成することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る配線基板及びその製造方法の他の構成上の特徴及びそれに基づく有利な利点等については、以下に記述する発明の実施の形態を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を示す断面図である。
【図2】図1の配線基板の製造工程の一例(その1)を示す断面図である。
【図3】図2の製造工程に続く製造工程(その2)を示す断面図である。
【図4】発明技術の配線基板によって得られる「引っ張り強度の改善」の効果を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を示す断面図である。
【図6】図5の配線基板の製造工程の一例(その1)を示す断面図である。
【図7】図6の製造工程に続く製造工程(その2)を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を示す断面図である。
【図9】図8の配線基板の製造工程の一例を示す断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る配線基板に半導体素子を搭載したときの構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1の実施形態…図1〜図4参照)
図1は本発明の第1の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を断面図の形態で示したものである。
【0018】
本実施形態に係る配線基板10は、図示のように、複数の配線層11,13,15が絶縁層(具体的には、樹脂層)12,14を介在させて積層され、各絶縁層12,14に形成されたビアホールVH1,VH2に充填された導体(それぞれ配線層13,15を構成する材料の一部分)を介して層間接続された構造を有している。つまり、一般的なビルドアップ法を用いて作製される配線基板(支持基材としてのコア基板の両面もしくは片面に所要数のビルドアップ層を順次形成して積み上げていくもの)とは違い、支持基材を含まない「コアレス基板」の形態を有している。
【0019】
このコアレス基板の表層(図示の例では上側)には、保護膜として機能する絶縁層(ソルダレジスト層)16が、最外層の配線層(図示の例では配線層15)の所定の箇所に画定されたパッド15Pを除いて表面を覆うように形成されている。また、この絶縁層16が形成されている側と反対側(図示の例では下側)の面には、本発明を特徴付けるパッド11P(配線層11の所定の箇所に画定された部分)が露出しており、このパッド11Pは、その下面が絶縁層(樹脂層)12の下面と同一面となるように形成されている。
【0020】
パッド11Pは、図示のように金属層21と、金属層22と、金属層23とが順次積層された3層構造からなっている。絶縁層12から露出している側に配置される金属層21は、この露出している部分に外部接続端子もしくは半導体素子(チップ)等の電極端子が直接接合されるので、コンタクト性(はんだ付け性)の良好な材料から構成されるのが望ましい。例えば、金(Au)、金/パラジウム(Au/Pd)、錫(Sn)等を用いることができる。金属層21としてAu/Pdの2層構造を用いる場合には、Au層が配線基板10の外部に露出するよう、Au層とPd層を積層した構造とする。この金属層21の側面は、絶縁層(樹脂層)12に覆われている。
【0021】
金属層22は、金属層21と金属層23の間に介在することで、ビア(ビアホールVH1に充填された導体)に含まれる金属(典型的には、銅(Cu))が金属層21に拡散するのを防止する役割を果たす。このような機能を実現するための材料としては、例えば、ニッケル(Ni)を用いることができる。この金属層22の側面は、絶縁層(樹脂層)12に覆われている。
【0022】
金属層23は、この部分にビア(Cu)が直接接続されるので、良好な導電性を有し、かつ、その下層の金属層22よりも酸化され難い材料から構成されるのが望ましい。例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等を用いることができる。この金属層23の側面及び上面の一部は、絶縁層(樹脂層)12に覆われている。このように金属層23は、その周囲の樹脂材(絶縁層12)と接する表面積が相対的に大きいので、樹脂との密着性が良好な材料から構成されるのが望ましい。これらの条件を考慮して、本実施形態では、金属層23の材料として銅(Cu)を用いている。
【0023】
そして、本発明の所期の目的を達成するため、樹脂との密着性が良好なCu層(金属層23)の厚さを可及的に厚く形成している。Cu層(金属層23)の厚さは、好適には、後述するようにNi層(金属層22)の厚さの3倍以上に選定されている。
【0024】
さらに、パッド11Pの表面、特定的には、その厚く形成されたCu層(金属層23)の側面及び上面を粗面化し(粗化処理)、その表面を凹凸状態としている(図中、「ギザギザ」の線で表した部分)。なお、この粗化処理は、図示のように他の配線層13,15の表面(側面及び上面)に対しても施されている。
【0025】
上側の絶縁層(ソルダレジスト層)16から露出するパッド15Pには、本配線基板10に搭載される半導体素子(チップ)等の電極端子がはんだバンプ等を介してフリップチップ接続され、下側の絶縁層(樹脂層)12から露出するパッド11Pには、本配線基板10をマザーボード等に実装する際に使用されるはんだボール等の外部接続端子が接合されるようになっている。つまり、上側の面はチップ搭載面、下側の面は外部接続端子接合面となっている。
【0026】
ただし、本配線基板10が使用される条件、状況等によっては、チップ搭載面と外部接続端子接合面を上下反対の形態としてもよい。この場合、上側のパッド15Pに外部接続端子が接合され、下側のパッド11Pに半導体素子等の電極端子が接続される。
【0027】
なお、本配線基板10の片面に形成されるソルダレジスト層16は、保護膜としての機能の他に、補強層としての役割も果たす。すなわち、本配線基板10は剛性の小さいコアレス基板であってその厚さも薄いため、基板の強度が少なからず低下することは否めないが、図示のように基板の片面にソルダレジスト層16を形成することで基板の補強を図っている。
【0028】
本実施形態に係る配線基板10を構成する各部材の具体的な材料や大きさ、厚さ等については、以下に記述するプロセスに関連させて具体的に説明する。
【0029】
次に、本実施形態に係る配線基板10(図1)を製造する方法について、その製造工程の一例を示す図2及び図3を参照しながら説明する。
【0030】
先ず最初の工程では(図2(a)参照)、仮基板としての支持基材30を用意する。この支持基材30の材料としては、後述するように最終的にはエッチングされることを考慮して、エッチング液で溶解可能な金属(典型的には、銅(Cu))が用いられる。また、支持基材30の形態としては、基本的には金属板もしくは金属箔で十分である。具体的には、例えば、プリプレグ(補強材のガラス布にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ、半硬化のBステージ状態にした接着シート)上に下地層及び銅箔を配置して加熱・加圧することにより得られた構造体(例えば、特開2007−158174号公報に開示された支持基材)を、支持基材30として好適に使用することができる。
【0031】
次の工程では(図2(b)参照)、支持基材30上に、パターニング材料を使用してめっき用レジストを形成し、所定の部分を開口する。この開口する部分は、形成すべき所要の配線層(特定的にはパッド)の形状に従ってパターニング形成される。パターニング材料としては、感光性のドライフィルム又は液状のフォトレジストを用いることができる。例えば、ドライフィルムを使用する場合には、支持基材30の表面を洗浄した後、ドライフィルムを熱圧着により貼り付け、このドライフィルムを、所要の配線層の形状にパターニングされたマスク(図示せず)を用いて紫外線(UV)照射による露光を施して硬化させ、さらに所定の現像液を用いて当該部分をエッチング除去し(開口部OP)、所要の配線層(パッド11P)の形状に応じためっきレジスト層31を形成する。液状のフォトレジストを用いた場合にも、同様の工程を経て、めっきレジスト層31を形成することができる。
【0032】
次の工程では(図2(c)参照)、めっきレジスト層31の開口部OPから露出している支持基材(Cu)30上に、この支持基材30を給電層として利用した電解めっきにより、配線層11を形成する。この配線層11の一部(所定の箇所に画定された部分)は、外部接続端子(図4のはんだボール20)を接合するためのパッド11P(もしくは半導体素子(チップ)を搭載するためのパッド)として機能する。
【0033】
パッド11Pの大きさ(直径)は、外部接続端子接合用として用いる場合には200〜1000μm程度に選定され、チップ搭載用として用いる場合には50〜150μm程度に選定される。また、パッド11Pは、上述したように3層の金属層21,22,23が積層された構造を有しており、その最下層の金属層21を構成する材料としては、これに接触する支持基材30が最終的にエッチングされることを考慮して、そのエッチング液で溶解されない金属種を選定する。本実施形態では、支持基材30の材料として銅(Cu)を用いているので、これとは異なる金属として、良好なコンタクト性を確保できるという点を考慮し、金(Au)を使用している。
【0034】
具体的には、先ず支持基材(Cu)30上にAuフラッシュめっきを施して厚さ5nm以上(好適には40nm)のAu層を形成し、さらにAu層上にパラジウム(Pd)フラッシュめっきを施して厚さ5nm以上(好適には20nm)のPd層を形成して、Au/Pd層(金属層21)を形成する。次いで、このAu/Pd層(金属層21)上にニッケル(Ni)めっきを施して厚さ1〜10μm(好適には5μm)のNi層(金属層22)を形成し、さらにNi層(金属層22)上に銅(Cu)めっきを施して厚さ10〜20μm(好適には15μm)のCu層(金属層23)を形成する。ここに、金属層21の上層部分であるPd層は、その下層部分であるAu層の酸化を防止するために形成され、Ni層(金属層22)は、その上層の金属層23に含まれるCuが下層のAu/Pd層(金属層21)に拡散するのを防止するために形成されている。
【0035】
つまり、この工程では、Au/Pd層21とNi層22とCu層23の3層(厳密には4層)構造からなるパッド11P(配線層11)を形成する。そして、樹脂との密着性が良好なCu層23の厚さを可及的に厚く、好適にはNi層22の厚さの3倍以上に形成している。
【0036】
次の工程では(図2(d)参照)、めっきレジスト層31(図2(c))として用いたドライフィルムレジストを、例えば、水酸化ナトリウムやモノエタノールアミン系などのアルカリ性の薬液を用いて除去する。
【0037】
次の工程では(図2(e)参照)、支持基材30の上面側、特定的にはパッド11Pの表面を粗面化するための表面処理(粗化処理)を行う。粗化処理の方法としては、エッチング、酸化、ブラスト等の方法がある。本実施形態では、メック社製のCZ処理液(ギ酸と塩酸の混合液)を用いて所要の粗化処理を行っている。すなわち、CZ処理液の入った処理槽中に処理対象物(図2(d)の構造体)を浸漬し、あるいはCZ処理液を処理対象物にスプレーした後、水洗して処理液を洗い落とし、銅(Cu)表面を粗らしている。
【0038】
図示の例では、パッド11Pの上層(Cu層23)の上面及び側面のみが粗化されている状態が示されているが、実際は、支持基材(Cu)30の表面も同様に粗化される。粗化処理後の銅(Cu)表面の粗度(Ra)は、0.2〜1.0μm程度である。なお、この粗化処理に際し、パッド11Pを構成する下層側のNi層22及びAu/Pd層21はその影響を受けない(つまり、その表面は粗化されない)。
【0039】
CZ処理以外の方法としては、例えば、黒色酸化処理(ブラックオキサイド)や、過硫酸アンモニア溶液のスプレーによるソフトエッチングを行ってもよい。いずれの処理も、銅(Cu)と樹脂との密着性を高めるためのものであり、基本的にはCu表面に凹凸を形成してアンカー効果をもたせるものである。
【0040】
次の工程では(図3(a)参照)、粗化処理を施したパッド11P(配線層11)及び支持基材30上に、パッド11Pが露出するように絶縁層12を形成する。具体的には、先ず全面に、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等からなる絶縁層12を形成する。例えば、エポキシ系樹脂フィルムを支持基材30及び配線層11(パッド11P)上にラミネートし、この樹脂フィルムをプレスしながら130〜150℃の温度で熱処理して硬化させることにより、絶縁層12を形成することができる。
【0041】
次いで、この絶縁層12の所定の箇所(パッド11Pに対応する部分)に、CO2 レーザ、エキシマレーザ等による穴明け処理により、パッド11Pに達する開口部(ビアホールVH1)を形成する。なお、絶縁層12は、感光性樹脂膜をフォトリソグラフィによりパターニングして形成してもよいし、あるいは、スクリーン印刷により開口部が設けられた樹脂膜をパターニングして形成してもよい。
【0042】
次の工程では(図3(b)参照)、ビアホールVH1が形成された絶縁層12上に、ビアホールVH1を充填して(ビアの形成)配線層11(パッド11P)に接続される所要の配線層(パターン)13を形成する。この配線層13は、例えば、セミアディティブ法により形成される。具体的には、先ず、無電解めっきやスパッタリング等により、ビアホールVH1の内部を含めて絶縁層12上に銅(Cu)のシード層(図示せず)を形成した後、形成すべき配線層13の形状に応じた開口部を備えたレジスト膜(図示せず)を形成する。次に、このレジスト膜の開口部から露出しているシード層(Cu)上に、このシード層を給電層として利用した電解銅(Cu)めっきにより、導体(Cu)パターン(図示せず)を形成する。さらに、レジスト膜を除去した後に、導体(Cu)パターンをマスクにしてシード層をエッチングすることで、所要の配線層13が得られる。なお、上記のセミアディティブ法以外に、サブトラクティブ法など各種の配線形成方法を用いることも可能である。
【0043】
このようにして所要の配線層13を形成した後、図2(e)の工程で行った処理と同様にして、配線層13の表面(側面及び上面)に粗化処理を施す。
【0044】
次の工程では(図3(c)参照)、図3(a)及び(b)の工程で行った処理と同様にして、絶縁層と配線層を交互に積層する。図示の例では、簡単化のため、1層の絶縁層と1層の配線層が積層されている。すなわち、絶縁層(樹脂層)12及び配線層13上に絶縁層(樹脂層)14を形成し、この絶縁層14に、配線層13のパッド(図示せず)に達するビアホールVH2を形成した後、このビアホールVH2の内部を含めて絶縁層14上に所要の配線層(パターン)15を形成する。この配線層15は、本実施形態では最外層の配線層を構成する。
【0045】
さらに、この最外層の配線層15の所定の箇所に画定されるパッド15Pを除いてその表面(絶縁層14及び配線層15)を覆うようにソルダレジスト層16を形成する。このソルダレジスト層16は、図2(b)の工程で行った処理と同様の手法を用いて形成することができる。すなわち、感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、又は液状のフォトレジストを塗布し、当該レジストを所要の形状にパターニングすることでソルダレジスト層16を形成することができる。これによって、ソルダレジスト層16の開口部からパッド15Pが露出する。
【0046】
このパッド15Pには、搭載される半導体素子等の電極端子や、マザーボード等に実装する際に使用されるはんだボールやピン等の外部接続端子が接合されるので、コンタクト性を良くするためにAuめっきを施しておくのが望ましい。その際、パッド(Cu)15P上に無電解Niめっきを施してから無電解Auめっきを施す。つまり、Ni層とAu層の2層構造からなる導体層(図示せず)をパッド15P上に形成しておく。
【0047】
最後の工程では(図3(d)参照)、仮基板として用いた支持基材30(図3(c))を、パッド11P、樹脂層12、パッド15P及びソルダレジスト層16に対して選択的に除去する。例えば、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液等を用いたウェットエッチングにより、パッド11P(その表層部にAu/Pd層21が形成されている)、樹脂層12、パッド15P(その表層部にAu層が形成されている)及びソルダレジスト層16に対して、支持基材(Cu)30を選択的にエッチングして除去することができる。
【0048】
以上の工程により、本実施形態の配線基板10(図1)が製造されたことになる。
【0049】
以上説明したように、第1の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)10及びその製造方法(図1〜図3)によれば、先ず、パッド11PをAu/Pd層(金属層21)とNi層(金属層22)とCu層(金属層23)との3層構造とし、Ni層22よりも酸化され難いCu層23をNi層22とビア(ビアホールVH1に充填された導体で、配線層13を構成する材料(Cu)の一部分からなるもの)との間に介在させているので、パッド11Pとビアとの間に酸化物が介在する可能性は実質的に無くなり、これにより、パッド11Pとビアとの密着性を向上させることができる。
【0050】
さらに本実施形態では、樹脂との密着性が良好なCu層(金属層23)の厚さを可及的に厚く形成しているので、パッド11P(特定的にはCu層23)の壁面において周囲の樹脂層(絶縁層12)と接する表面積が大きくなり、樹脂層との密着性が増大する。これにより、このパッド11Pに外部接続端子(はんだボールやピン等)や半導体素子の電極端子等を接合したときの引っ張り強度が高められ、パッドが剥離するといった不良モードを大いに減らすことができる。このことは、配線基板10の性能向上につながり、ひいては、配線基板10に半導体素子等を搭載もしくは配線基板10をマザーボード等に実装する際の信頼性の向上に寄与する。
【0051】
さらに本実施形態では、パッド11Pの表面(特定的にはCu層23の側面及び上面)に粗化処理が施されているので、パッド11Pの周囲の樹脂層(絶縁層12)との密着性を効果的に高めることができる。
【0052】
また、配線基板10の片面がソルダレジスト層16で覆われていることにより基板全体が補強されているので、基板全体の反りが抑制されて、実装時の取扱い性が向上する。
【0053】
図4は、発明技術の配線基板(特定的には図1の配線基板10)によって得られる「引っ張り強度の改善」の効果を示したものである。図中、(a)は配線基板10におけるパッド11Pの近傍部分の拡大図であり、図示の例では、このパッド11Pに外部接続端子としてのはんだボール20を接合した状態を示している。パッド11Pの最下層を構成するAu/Pd層21(図1)については、その厚さが他のNi層22、Cu層23と比べて極めて薄いため、その図示を省略している。また、(b)はパッドの厚さ(μm)を変えたときの当該パッド厚に対する引っ張り強度(gf)の変化の様子を示している。
【0054】
図4(b)の実験結果に示すように、樹脂層12との密着度(引っ張り強度)は、Ni層(5μm)上に形成されるCu層の厚さが厚くなるに従って増大し、特に、Cu層の厚さが12〜13μm(Ni層とCu層の厚さの合計が17〜18μm)程度になった時点で引っ張り強度が顕著に増大している。ちなみに、現状の技術では、Ni層とCu層の厚さの合計は高々14〜15μm程度であり、そのときの引っ張り強度は150gf程度であるが、本実施形態では、Cu層の厚さを15μm以上(Ni層とCu層の厚さの合計を20μm以上)に選定しているので、引っ張り強度を220gf以上に改善することができる。図示の例からわかるように、Ni層とCu層の厚さの合計は、20〜30μm程度あれば、実用上、十分な密着性を得ることができる。
【0055】
(第2の実施形態…図5〜図7参照)
図5は本発明の第2の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を断面図の形態で示したものである。
【0056】
本実施形態に係る配線基板40は、第1の実施形態に係る配線基板10(図1)の構成と比べて、下側の絶縁層(樹脂層)12から露出しているパッド41Pの下面が、当該絶縁層(樹脂層)12の下面から基板内に後退した位置となるように形成されている点、このパッド41Pが、OSP(Organic Solderbility Preservative) 処理に基づいて形成される水溶性プリフラックスによる被膜(OSP膜51)と、金属層52とが積層された2層構造からなっている点で相違している。この構成では、OSP膜51は、第1の実施形態に係るパッド11PのAu/Pd層21に相当し、金属層52は、パッド11PのCu層23に相当する。つまり、本実施形態の2層構造は、従来の2層(Au/Ni)構造とは異なり、酸化され易い材料(Ni)を含んでいない。他の構成については、第1の実施形態の配線基板10と同様であるのでその説明は省略する。
【0057】
本実施形態に係る配線基板40は、一例として図6及び図7に示す製造方法により製造することができる。図6、図7の各工程で行う処理は、基本的には、第1の実施形態に係る製造方法の各工程(図2、図3)で行った処理と同様である。重複的な説明を避けるため、相違する処理についてのみ説明する。
【0058】
先ず、図2(a)及び(b)の工程で行った処理と同様にして、仮基板としての支持基材30を用意し(図6(a))、この支持基材30上に、所定の部分に開口部OPを備えためっきレジスト層31を形成する(図6(b))。
【0059】
次の工程では(図6(c)参照)、めっきレジスト層31の開口部OPから露出している支持基材(Cu)30上に、この支持基材30を給電層として利用した電解めっきにより、金属層22(本実施形態では、犠牲導体層として機能する)を形成し、さらにこの金属層22上に、配線層41の一部から構成されるパッド41Pの上層部分(金属層52)を形成する。パッド41Pの大きさ(直径)は、第1の実施形態の場合と同様に、外部接続端子接合用として用いる場合には200〜1000μm程度に選定され、チップ搭載用として用いる場合には50〜150μm程度に選定される。
【0060】
具体的には、先ず支持基材(Cu)30上にニッケル(Ni)めっきを施して厚さ1〜10μm(好適には5μm)のNi層(金属層22)を形成し、さらにこのNi層(金属層22)上に銅(Cu)めっきを施して厚さ10〜20μm(好適には15μm)のCu層(金属層52)を形成する。このCu層52は、第1の実施形態の場合におけるCu層23(図2(c))と同様に、可及的に厚く形成され、好適にはNi層22の厚さの3倍以上に形成される。なお、この工程で形成したNi層22は、第1の実施形態の場合とは異なり、最終的にエッチングされる。
【0061】
次いで、図6(d)、図6(e)、図7(a)及び図7(b)の各工程において、それぞれ図2(d)、図2(e)、図3(a)〜(c)及び図3(d)の工程で行った処理と同様の処理を行う。
【0062】
次の工程では(図7(c)参照)、図3(d)の工程で行った処理と同様の手法を用いて、下側の樹脂層12から露出しているNi層22(図7(b))を、Cu層52、樹脂層12、パッド15P及びソルダレジスト層16に対して選択的に除去する。これによって、図示のように除去したNi層22の厚さに応じた凹部DPが形成され、この凹部DPにパッド41Pの上層部分であるCu層52の下面が露出する。
【0063】
最後の工程では(図7(d)参照)、その露出されたCu層52(パッド41Pの上層部分)上にOSP処理を施して、水溶性プリフラックスによる被膜(OSP膜51)を形成する。このOSP膜51の形成により、パッド41Pに対する高いはんだ付け性を維持することができる。これによって、図示のように下側の絶縁層(樹脂層)12から露出しているパッド41Pの下面(パッド41Pの下層部分であるOSP膜51の下面)は、当該絶縁層12の下面から基板内に後退した位置となる。
【0064】
以上の工程により、本実施形態の配線基板40(図5)が製造されたことになる。
【0065】
この第2の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)40及びその製造方法(図5〜図7)においても、その基本的な構成及びプロセスは第1の実施形態(図1〜図3)の場合と同じであるので、同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
(第3の実施形態…図8、図9参照)
図8は本発明の第3の実施形態に係る配線基板(半導体パッケージ)の構成を断面図の形態で示したものである。
【0067】
本実施形態に係る配線基板60は、第1の実施形態に係る配線基板10(図1)の構成と比べて、下側の絶縁層(樹脂層)12aから露出しているパッド11Pの下面(金属層21の下面)が、当該絶縁層(樹脂層)12aの下面から基板内に後退した位置となるように形成されている(つまり、樹脂層12aの当該部分に凹部DPが形成され、この凹部DPにパッド11Pの金属層21が露出している)点で相違している。他の構成については、第1の実施形態の配線基板10と同様であるのでその説明は省略する。
【0068】
本実施形態に係る配線基板60は、一例として図9に示す製造方法により製造することができる。図9に示す例では、本実施形態に関連する工程のみを抜粋して示しているが、基本的には、第1の実施形態に係る製造方法(図2、図3)の場合と同様である。
【0069】
先ず、図2(a)及び(b)の工程で行った処理と同様にして、仮基板としての支持基材30を用意し、この支持基材30上に、所定の部分に開口部OPを備えためっきレジスト層31を形成する。
【0070】
この状態で、図9(a)の工程では、めっきレジスト層31の開口部OPから露出している支持基材(Cu)30上に、この支持基材30を給電層として利用した電解めっきにより、金属層24(本実施形態では、犠牲導体層として機能する)を形成し、さらにこの金属層24上に、図2(c)の工程で行った処理と同様にして、Au/Pd層21、Ni層22及びCu層23を順次積層してパッド11P(配線層11)を形成する。パッド11Pの大きさ(直径)については、第1の実施形態の場合と同じである(外部接続端子接合用:200〜1000μm程度、チップ搭載用:50〜150μm程度)。
【0071】
この工程で形成する最下層の金属層(犠牲導体層)24を構成する材料としては、これに接触する支持基材30と共に最終的にエッチングされることを考慮して、そのエッチング液で溶解され得る金属種、この場合、銅(Cu)を選定する。また、形成すべきCu層24の厚さは、要求される凹部DP(図8)の深さに応じて決定され、例えば、10〜20μm程度の厚さに形成される。
【0072】
次いで、図9(b)の工程では、図2(d)、図2(e)、図3(a)、図3(b)及び図3(c)の工程で行った処理と同様にして、めっきレジスト層31を除去し、パッド11Pの表面に粗化処理を施し、絶縁層12a(ビアホールを含む)を形成し、このビアホールを充填して配線層13を形成し、さらに絶縁層14と配線層15を交互に積層した後、ソルダレジスト層16を形成する。
【0073】
次いで、図9(c)の工程では、支持基材30(図9(b))及び犠牲導体層24を同時に除去する。すなわち、図3(d)の工程で行った処理と同様の手法(塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を用いたウェットエッチング)により、パッド11P(その表層部にAu/Pd層21が形成されている)、樹脂層12a、パッド15P(その表層部にAu層が形成されている)及びソルダレジスト層16に対して、支持基材(Cu)30及び犠牲導体層(Cu)24を選択的にエッチングして除去する。これによって、図示のように除去した犠牲導体層24の厚さに応じた凹部DPが形成され、この凹部DPにパッド11Pの最下層(Au/Pd層21)が露出する。つまり、下側の樹脂層12aから露出しているパッド11Pの下面(Au/Pd層21の下面)が、当該樹脂層12aの下面から基板内に後退した位置となる。
【0074】
以上の工程により、本実施形態の配線基板60(図8)が製造されたことになる。
【0075】
この第3の実施形態に係る配線基板60及びその製造方法(図9)においても、その基本的な構成及びプロセスは第1の実施形態(図1〜図3)の場合と同じであるので、同様の作用効果を奏することができる。
【0076】
上述した第1、第2、第3の各実施形態に係る配線基板10,40,60には、それぞれ使用される条件、状況等に応じて、当該基板の一方の面から露出するパッドに半導体素子(チップ)等の電極端子が接合され、他方の面から露出するパッドに外部接続端子が接合される。図10はその場合の構成例を示したものである。
【0077】
図10の例では、第1の実施形態に係る配線基板10に半導体素子(チップ)1を搭載した状態、すなわち、半導体装置70(70a)として構成した場合の断面構造を示している。半導体チップ1は、図中(a)に示すように配線基板10のパッド15Pが形成されている側の面に搭載してもよいし(この場合、反対側の面のパッド11Pにはんだボール20が接合される)、あるいは、図中(b)に示すように配線基板10のパッド11Pが形成されている側の面に搭載してもよい(この場合、反対側の面のパッド15Pにはんだボール20が接合される)。なお、2は半導体チップ1の電極端子、3は配線基板10と搭載した半導体チップ1との間に充填されたアンダーフィル樹脂を示す。
【0078】
図10の例では、第1の実施形態に係る配線基板10に半導体チップ1を搭載した状態を例示しているが、かかる構成に限定されることなく、第2、第3の実施形態に係る配線基板40,60についても同様に半導体チップ1を搭載できることはもちろんである。
【0079】
また、図示の例では、パッド11P(もしくは15P)にはんだボール20を接合したBGA(ボール・グリッド・アレイ)の形態としているが、当該パッドにピンを接合したPGA(ピン・グリッド・アレイ)や、当該パッド自体を外部接続端子としたLGA(ランド・グリッド・アレイ)の形態としてもよい。
【0080】
また、上述した第1、第2、第3の各実施形態では、配線基板10,40,60の形態として支持基材を含まない「コアレス基板」を使用した場合を例にとって説明したが、本発明の要旨からも明らかなように、コアレス基板に限定されないことはもちろんである。要は、パッドが複数の金属層からなり、ビアと接続される側の金属層がCu層となっている構造を有している配線基板であれば、コア基板を有した配線基板についても本発明は同様に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
10,40,60…配線基板(半導体パッケージ)、
11,13,15…配線層、
12,12a、14…樹脂層(絶縁層)、
11P,15P,41P…パッド、
16…ソルダレジスト層(絶縁層)、
20…はんだボール(外部接続端子)、
21,22,23,52…(パッドを構成する)金属層、
24…金属層(犠牲導体層)、
51…(パッドを構成する)OSP膜、
70,70a…半導体装置、
DP…凹部、
VH1,VH2…ビアホール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最外層の絶縁層にパッドが埋設され、前記最外層の絶縁層の表面からその表面が露出した前記パッドを備えた配線基板であって、
前記パッドが、OSP処理に基づいて形成された被膜であって前記前記最外層の絶縁層からその表面が露出した当該被膜と、該被膜と基板内部のビアとの間に設けられた金属層とを有し、
前記金属層の側面及び前記ビアとの接続面が粗面化されており、
前記最外層の絶縁層に前記パッドの側面及び前記ビアとの接続面が接しており、
前記最外層の絶縁層の裏面に前記金属層が露出する開口部が形成されており、前記開口部内に前記金属層と接続されたビアが設けられており、前記最外層の絶縁層の裏面に前記ビアを介して前記パッドに接続される配線層が設けられていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記ビア及び前記配線層は、めっきにより一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記金属層は、銅層から形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記金属層の厚さは、10μm〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記絶縁層は樹脂から形成され、前記パッド、前記ビア及び前記配線層はめっきから形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記金属層の側面及び前記ビアとの接続面の表面粗さは、0.2μm〜1.0μmに設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
支持基材上に、めっき法により、犠牲導体層と、金属層とを積層する工程と、
前記金属層の表面及び側面に粗化処理を施す工程と、
前記金属層及び犠牲導体層を被覆するように、前記支持基材上に樹脂からなる絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に、前記金属層を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁層上に、前記開口部内に設けられたビアにより前記金属層に接続される配線層を形成する工程と、
前記支持基材及び前記犠牲導体層を除去する工程と、
前記絶縁層から露出された前記金属層上に、OSP処理を施して被膜を形成する工程とを含み、該被膜と前記金属層とによりパッドを構成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記配線層を形成する工程は、
前記開口部の内面を含む前記絶縁層の表面にシード層を形成し、前記シード層を給電層とする電解めっきにより、前記開口部を充填する前記ビアを形成すると共に、前記絶縁層の上に前記ビアと一体的に形成される前記配線層を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記金属層は、銅層から形成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記金属層の厚さは、10μm〜20μmであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記金属層に粗化処理を施す工程において、前記第金属層にエッチング、酸化、及びブラストのいずれかの処理を施すことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記金属層に粗化処理を施す工程において、前記金属層の表面及び側面の表面粗さが0.2μm〜1.0μmに設定されることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−235166(P2012−235166A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184119(P2012−184119)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2008−234621(P2008−234621)の分割
【原出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】