説明

配線板の製造方法

【課題】絶縁樹脂層表面の凹凸が小さいにもかかわらず絶縁樹脂層と配線導体との接着力が高く、かつビアホール等の穴内のスミアが十分に除去された配線板を得ることが可能な配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の表面に形成された配線とを有する配線板の製造方法であって、(a)支持体及び絶縁樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、(b)前記積層体に穴を設ける穴形成工程と、(c)前記積層体の前記支持体側から前記絶縁樹脂層に紫外線を照射する紫外線照射工程と、(d)前記穴内のスミアをデスミア処理液で除去するデスミア処理工程と、(e)前記積層体から前記支持体を除去する支持体除去工程と、(f)前記絶縁樹脂層のうち前記支持体が除去された面上に前記配線を形成する配線形成工程と、をこの順に行う配線板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線板の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、絶縁樹脂層表面の凹凸形状が小さい状態でも、配線導体に対して容易に高い接着力を発現し得る配線板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進み、その形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。このため、電子部品の実装密度を向上するために、微細配線化に対応できる配線板の開発が進められている。このような配線板としては、ガラスクロスを含まない絶縁樹脂をプリプレグの代わりに用い、必要な部分のみビアホールで層間接続を行い、配線層を形成するビルドアップ方式の配線板があり、軽量化や小型化、微細化に適した手法として主流になりつつある。
【0003】
このビルドアップ方式の配線板は、まず、回路を有した基板上に絶縁樹脂層を形成する。そして、絶縁樹脂層を硬化した後、配線導体との接着力を確保するために、絶縁樹脂層表面を酸化性の処理液に浸して粗化処理を行う。次いで、めっき前処理を行って無電解めっきする。さらに、レジストパターンを無電解めっき層上に形成し、電解めっきで厚付けしたのち、レジストパターンを剥離し、無電解めっき層を除去して配線板とする。
しかしながら、配線の微細化に伴い、絶縁樹脂層表面を粗化して形成した絶縁樹脂層表面の凹凸が、配線形成の歩留まり低下の原因となっている。この理由は、無電解金属めっき層が絶縁樹脂層表面の凹凸に食い込み、エッチング時に除去されずに残り、配線ショートの原因となることや、絶縁樹脂層表面の凹凸に起因してレジストパターンの形成精度が低下するためである。
【0004】
したがって、絶縁樹脂層表面の凹凸を小さくすることが微細配線化の実現に重要となるが、凹凸が小さくなることによって、絶縁樹脂層と無電解金属めっき層との接着力が低下する為、この課題を解決する必要があった。また、絶縁樹脂層表面に凹凸を形成するために使用する酸化性の粗化液としては、一般に過マンガン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを含む強アルカリ液が使用される。過マンガン酸ナトリウムは強アルカリ下で樹脂を溶解するが、7価のマンガンが酸化処理で消費されるため、電解再生装置によりマンガンを再生する必要がある。通常の絶縁樹脂は、絶縁信頼性や耐熱性を確保するために、粗化液への耐性を上げて設計するため、粗化処理を安定して行うためにはマンガンの管理は重要である。しかし、溶解した樹脂が処理液内に浮遊するため、マンガンの電解再生が間に合わず、液の建浴を頻繁に行う必要が生じる。これらは、水洗処理や廃液処理といったコストが付加されるため、結果的にコストアップの要因となっていた。
【0005】
以上に記載したように、ビルドアップ方式の配線板に使用される絶縁樹脂層には、凹凸が小さくても接着力を確保できることが必要になっている。
また、過マンガン酸ナトリウム系の粗化液を用いて絶縁樹脂層の表面に凹凸を形成する場合には、過マンガン酸ナトリウム系の粗化液に対し、厳しい管理なしで凹凸を形成できることが重要となっており、さらに粗化液を使用せずに絶縁樹脂層表面の接着力が確保できるのであれば、そのほうがより好ましいものである。
【0006】
これらの要求に対して、特許文献1では、ポリフェニレンエーテル樹脂を用いた絶縁樹脂層に紫外線を照射し、過マンガン酸ナトリウム系の粗化液を使用せず、凹凸が小さい状態で高い接着力を発現する技術が開示されている。
また、特許文献2には、オゾン溶液下で絶縁樹脂層を紫外線処理する技術が開示されている。
さらに、特許文献3及び4には、活性エステル基含有化合物を樹脂組成物に用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−214597号公報
【特許文献2】特開2005−5319号公報
【特許文献3】特開2003−82063号公報
【特許文献4】特開2006−278994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜4の技術によると、絶縁樹脂の表面の凹凸を小さくしつつ、かつビアホール(パターン間の接続用の穴)や部品挿入穴(部品リードを挿入して接続する穴)等の穴内のスミアを除去することが困難である。
すなわち、基板上の絶縁樹脂層に穴を設けると、穴内にスミアが生じる。従来は、上記の粗化液を用いた絶縁樹脂層表面の粗化処理時に、この穴内のデスミア処理も行われていた。
しかしながら、特許文献1,2のように過マンガン酸ナトリウム系の粗化液による凹凸処理に代えて紫外線照射を行う場合、粗化液による穴内のデスミア処理も省略されてしまうことになる。その結果、穴内のスミアを十分に除去できない。
特許文献3には、穴内のデスミア処理に関する記載が無いのみならず、絶縁樹脂層の表面の接着力発現に関する記載すら無い。
特許文献4では、従来と同様、粗化液を用いて穴内のデスミア処理を行っているため、従来と同様に、このデスミア処理時に絶縁樹脂層の表面の粗化も行われてしまう。
【0009】
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、絶縁樹脂層表面の凹凸が小さいにもかかわらず絶縁樹脂層と配線導体との接着力が高く、かつ穴内のスミアが十分に除去された配線板を得ることが可能な配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
すなわち、穴内のデスミア処理時に絶縁樹脂層の表面を支持体で保護し、その後に支持体を除去することにより、絶縁樹脂層の表面の凹凸が大きくなることを防止できることを見出した。
なお、このようにデスミア処理時に絶縁樹脂層表面に凹凸を形成(粗化処理)しないと、絶縁樹脂層表面と配線との接着力が不十分になるおそれがあるという問題がある。この問題は、絶縁樹脂層表面に紫外線を照射して配線に対する接着力を向上させてから、この絶縁樹脂層表面に配線を形成することで解消できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の表面に形成された配線とを有する配線板の製造方法であって、(a)支持体及び絶縁樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、(b)前記積層体に穴を設ける穴形成工程と、(c)前記積層体の前記支持体側から前記絶縁樹脂層に紫外線を照射する紫外線照射工程と、(d)前記穴内のスミアをデスミア処理液で除去するデスミア処理工程と、(e)前記積層体から前記支持体を除去する支持体除去工程と、(f)前記絶縁樹脂層のうち前記支持体が除去された面上に前記配線を形成する配線形成工程と、をこの順に行う配線板の製造方法。
[2]前記支持体が合成樹脂フィルムである[1]に記載の配線板の製造方法。
[3]前記絶縁樹脂層が熱硬化性樹脂よりなる[1]又は[2]に記載の配線板の製造方法。
[4]前記絶縁樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤、及びエポキシ樹脂の硬化促進剤を含む絶縁樹脂組成物から得られるものである[3]に記載の配線板の製造方法。
[5]前記エポキシ樹脂が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するヘキサンジオール構造を含有したエポキシ樹脂である[4]に記載の配線板の製造方法。
[6]前記硬化剤が活性エステル基含有化合物である[4]又は[5]に記載の配線板の製造方法。
[7]前記活性エステル基含有化合物の活性エステル当量が、前記エポキシ樹脂のエポキシ1当量に対して、0.75〜1.25当量である[6]に記載の配線板の製造方法。
[8]前記硬化剤が、1分子中にエステル基を1個以上有する活性エステル基含有化合物である[4]〜[7]のいずれか1項に記載の配線板の製造方法。
[9]前記紫外線照射工程において、大気圧下、波長300〜450nmの紫外線を1000〜5000mJ/cm2の照射量にて前記絶縁樹脂層に照射する[1]〜[8]のいずれか1項に記載の配線板の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、絶縁樹脂層表面の凹凸が小さいにもかかわらず絶縁樹脂層と配線導体との接着力が高く、かつ穴内のスミアが十分に除去された配線板を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の配線板の製造方法の一例を説明する断面図である。
【図2】本発明の配線板の製造方法の他の例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の配線板の製造方法は、絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の表面に形成された配線とを有する配線板の製造方法であって、次の(a)〜(e)工程をこの順に行うものである。
以下に、各工程について説明する。
【0015】
[(a)積層体形成工程]
本工程では、絶縁樹脂層及び支持体を有する積層体よりなる支持体付き絶縁樹脂層を形成する。
【0016】
<支持体>
この支持体の材料は、後述するデスミア処理工程で使用されるデスミア処理液に対して溶解し難いものであり、紫外線を透過する材料であれば、特に限定は無く、合成樹脂が用いられる。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の耐熱性を有するポリエステルフィルムが好ましい。
この支持体の厚さは、デスミア処理工程の過程で溶解して絶縁樹脂層の表面の一部が露出することが防止される厚さであれば特に限定は無いが、10〜200μm程度が好ましく、20〜100μmがより好ましい。
この支持体の表面粗さRaは、好ましくは、1.0μmであり、より好ましくは0.5μm以下であり、0.1μm以下が最も好ましい。これにより、この支持体の表面に接面する絶縁樹脂層の表面の凹凸を抑えることができ、絶縁樹脂層表面の配線の細線化を図ることができる。
【0017】
<絶縁樹脂層>
≪絶縁樹脂組成物≫
この絶縁樹脂層の材料となる絶縁樹脂組成物は、紫外線照射により配線との接着力が向上するものであれば特に限定は無く、熱硬化性樹脂が好適に用いられる。
好ましくは、絶縁樹脂層の材料となる絶縁樹脂組成物として、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル基含有化合物、及び(C)エポキシ樹脂硬化促進剤を含むものを用いる。更に、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、無機フィラや各種添加成分を含有させることができる。
【0018】
((A)エポキシ樹脂)
(A)成分であるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ樹脂を有し、ヘキサンジオール構造を含有したエポキシ樹脂であることが好ましい。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、エチレン性不飽和化合物を骨格に有するエポキシ樹脂、アルカンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、例えば、エタンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、プロパンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、ブタンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、ペンタンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、ヘキサンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、ヘプタンンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、オクタンジオールを骨格に有するエポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂などが挙げられる。なお、ビアホール等の穴内のスミアを除去するために過マンガン酸ナトリウム系の粗化液で絶縁樹脂を処理した際に、スミアが簡単に除去できて、さらに緻密な粗化凹凸形状が絶縁樹脂表面に均一に形成できる観点から、エポキシ樹脂の骨格に炭化水素を含んだものが好ましく、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エチレン性不飽和化合物を骨格に有するエポキシ樹脂を絶縁樹脂配合に多く含むものが良い。さらに、絶縁信頼性や耐熱性の観点から適時、上記エポキシ樹脂を1種以上混合しても良い。
【0019】
((B)活性エステル基含有化合物)
活性エステル基含有化合物としては、1分子中に1個以上のエステル基を含み、水酸基を含まずエポキシ樹脂を硬化させることができるものであれば特に制限なく使用できる。例えば、脂肪族または、芳香族カルボン酸と脂肪族または芳香族ヒドロキシル化合物から得られるエステル化合物などが挙げられる。これらの中でも、脂肪族カルボン酸や脂肪族ヒドロキシ化合物などで構成されるエステル化合物は、脂肪族鎖を含むことにより有機溶剤への可溶性やエポキシ樹脂との相溶性を高くできることが知られている。芳香族カルボン酸や芳香族ヒドロキシル化合物などで構成されるエステル化合物は、芳香族環を有することで耐熱性を高められる。本発明に用いられる活性エステル基を含む化合物で好適に用いられるものとしては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン酸等の芳香環の水素原子の2〜4個をカルボキシル基で置換したものから選ばれる芳香族カルボン酸成分と、前記した芳香環の水素原子の1個を水酸基で置換した1価フェノールと芳香環の水素原子の2〜4個を水酸基で置換した多価フェノールとの混合物を原材料として、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが挙げられ、市販品としても入手可能である。例えば、DIC株式会社製のEXB-9460、EXB-9460S、EXB―9480、EXB−9420、三井化学株式会社製のBPN80が挙げられる。
【0020】
エポキシ樹脂の硬化剤として用いる活性エステル基含有化合物の含有量としては、前記エポキシ樹脂のエポキシ1当量に対して0.75〜1.25当量にして用いることが好ましい。この範囲内であると耐熱性が良好となる。
【0021】
((C)エポキシ樹脂硬化促進剤)
硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。例えば、イミダゾール系の化合物、有機ホスファイト系の化合物、アミン化合物、アミン類及び1.8ジアザビシクロ(5,4,0)―ウンデセン−7等との塩などが使用できる。これらは、1種または2以上を混合して使用しても良い。
【0022】
硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテートなどのイミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの有機ホスフィン系の化合物、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどの有機ホスファイト系化合物エチルトリフェニルホスホニウムブロミドやテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4―ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6―トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8―ジアザギシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(以下DBUと略称する)などのアミン系化合物;DBUとテレフタル酸や2,6―ナフタレンジカルボン酸等との塩、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンノニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩化合物等を挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、絶縁樹脂における硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂の配合量に対して0.02〜1.5質量%が最適である。0.02質量%以上であると、エポキシ樹脂の硬化が十分となってはんだ耐熱性が維持され、1.5重量%以下であると絶縁樹脂の保存安定性やBステージの絶縁樹脂の取り扱い性が向上するからである。より好ましい含有量は、0.8〜1.3質量%である。
【0023】
(無機フィラー)
本発明の絶縁樹脂組成物には、熱膨張率や塗膜強度を挙げる目的で無機フィラーを配合しても良い。無機フィラーは、シリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウムの中から選ばれるものが使用可能であり、これらは単独あるいは混合して用いても良い。なお、誘電特性や低熱膨張の点からシリカを用いるのが良く、その配合量は溶剤を除く絶縁樹脂全体の固形分中で5〜35vol%にする必要がある。さらに好ましくは、10〜30vol%が良く、10vol%以上であると熱膨張係数と誘電損失が小さくなり、25vol%以下であると絶縁樹脂を内層回路に形成する際の必要フローが十分となり、未充填箇所が発生し難くなる。
【0024】
(カップリング剤(表面処理剤))
本発明の絶縁樹脂組成物には、無機フィラの分散性を高める目的で、該無機フィラの表面処理に用いられるカップリング剤を配合しても良い。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。その中でも、シラン系カップリング剤が好ましい。例えば、N―フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ―アニリノプロピルトリエトキシシラン、N−β―(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、およびN−β―(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ―アミノプロピルトリエトキシシランγ―アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン化合物、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシランおよびβ―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物、その他として、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルビニルエトキシシラン、γ―メルカトプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカトプロピルトリエトキシシラン、γ―ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ―ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ―メタクロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0025】
(各種添加成分)
各種添加成分として、例えばレベリング剤、酸価防止剤、難燃剤、揺変性付与剤、増粘剤などを含有させることができる。
【0026】
(溶剤)
絶縁樹脂組成物は溶剤に希釈して用いるがこの溶剤には、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合系でも良い。この溶剤の前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、絶縁樹脂の塗膜形成の設備にあわせてその使用量を調製する。
なお、絶縁樹脂組成物として、特許文献1〜4に記載の材料を用いてもよい。例えば、特許文献1で開示されたポリフェニレンエーテル樹脂でもよい。特許文献2に例示された、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエスエル樹脂、ケイ素樹脂等であってもよい。特許文献3に開示された、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、ジ(α−ナフチル)イソフタレートと、硬化促進剤とを有するエポキシ樹脂組成物であってもよい。特許文献4に開示された、環状オレフィン系樹脂と活性エステル基を有する化合物であってもよい。
≪絶縁樹脂層の厚み≫
絶縁樹脂層の厚み(乾燥後の厚み)は特に制限はなく、用途によって3〜60μmの範囲が好ましい。絶縁樹脂層の膜厚を厚くすることは絶縁性の点では有利になるが、一方で、経済性の観点から、通常は60μm以下程度とすることが好ましく、絶縁確保のため3μm以上が好ましい。
【0027】
[(b)穴形成工程]
本工程では、上記積層体形成工程の後に、積層体(支持体及び絶縁樹脂層)に穴(ビアホールやスルーホールや部品挿入穴)を設ける。
この穴の形成は、ドリル、レーザー、プラズマ、又はこれらを組合せた方法によって行うことが好ましい。レーザーとしては、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー等が一般的に用いられている。
【0028】
[(c)紫外線照射工程]
次いで、前記積層体の前記支持体側から前記絶縁樹脂層に紫外線を照射する。この紫外線は、支持体を透過して絶縁樹脂層の表面にまで達し、この絶縁樹脂層表面の配線に対する接着力を向上させる。
本発明では、このように紫外線照射によって絶縁樹脂層表面の接着力を向上させるため、デスミア処理時に絶縁樹脂層表面を支持体で保護して凹凸の形成を生じさせないようにしても、後の配線形成工程において絶縁樹脂層の表面に配線を強い接着力にて形成することができる。
この紫外線の照射方法には特に制限は無く、大気中で紫外線照射してもよい。
このように、紫外線照射工程を後述するデスミア処理工程よりも前に行うことにより、デスミア処理前の平滑な支持板表面に対して紫外線照射することができ、絶縁樹脂層表面に均一に紫外線照射できる。
【0029】
[(d)デスミア処理工程]
次いで、上記穴形成工程によって穴内に生じたスミアを、デスミア処理液で除去する。
この際、絶縁樹脂層の表面は、支持体によって保護されているため、デスミア処理液によって絶縁樹脂層の表面が粗化されること(凹凸が生じること)が防止される。これにより、後に凹凸の小さい絶縁樹脂層表面に対して配線を形成することができ、配線の微細化を達成することができる。
【0030】
このデスミア処理液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液などを用いることができる。また、このデスミア処理液で処理する際、溶剤またはアルカリ液、これらの混合物液(一般には、膨潤液またはプリディップ液)に浸した後で、デスミア処理液で処理しても良い。上記溶媒としては、アルコール系の溶媒例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルアルコール等が使用できる。また、アルカリ液は、水に溶解した際にアルカリ性を示す液であれば特に制限はなく、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が使用できる。さらに、溶媒またはアルカリ液を混合しても良く、例えば水酸化ナトリウム3g/Lとジエチレングリコールモノブチルエーテル300mL/Lの組成のものが使用できる。次に、塩化第1錫の塩酸水溶液に浸漬して、中和処理を行い、水洗後、水分除去のために、乾燥する。
【0031】
[(e)支持体除去工程]
上記デスミア処理後に、支持体を除去する。
この支持体の除去は、剥離等により行うことができる。
【0032】
[(f)配線形成工程]
前記絶縁樹脂層のうち前記支持体が除去された面上に前記配線を形成する。上記のとおり紫外線照射によって配線に対する接着力が向上した絶縁樹脂層表面に、配線を形成するため、配線の絶縁樹脂層に対する密着力が高くなる。
例えば、絶縁樹脂層表面に触媒を付与後、絶縁層表面に所定のレジストパターンを形成し、導電層を無電解めっきにより形成した後に、レジストパターンを除去すればよい。また、無電解めっき上に、更に電解めっき処理を施してもよい。
【0033】
[配線板の製造方法の一例(第1の例)]
以下に、図面を参照して配線板の製造方法の一例について説明する。図1は、配線板の製造方法の一例を説明する断面図である。
便宜上、先ず配線板の製造方法によって製造された配線板の構成について説明し、次いで、この配線板の製造方法について説明する。
【0034】
<配線板>
図1(f)に示すとおり、この配線板10は、裏面側の第1の配線回路1及び表面側の第2の配線回路3を有する基板2と、第2の配線回路3上の絶縁樹脂層4と、この絶縁樹脂層4上の第3の配線回路5と、第3の配線回路5から第2の配線回路3にまで至る第1のビアホール6と、第3の配線回路5から第1の配線回路1にまで至る第2のビアホール7とからなる。
【0035】
≪第1,2の配線回路を有する基板≫
この第1,2の配線回路1,3を有する基板2(以下、回路付絶縁基板と称することがある)としては、基板2の両面に回路を備えた絶縁基板であれば特に制限はなく、例えば、両面銅張積層板が挙げられる。この絶縁基板は、通常の配線板において用いられている公知の積層板、たとえば、ガラス布−エポキシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂等を使用することができ、特に制限されることはない。回路は公知のいずれの方法により形成されていてもよく、銅箔と上記絶縁基板を張り合わせた銅張り積層板を用い、銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、上記絶縁基板の必要な箇所に無電解めっきによって回路を形成するアディティブ法等、公知の配線板の製造法を用いることができる。
また、この回路1,3表面には、接着性を向上させるための回路表面処理を行ってもよい。この処理方法も、特に制限されることはなく、たとえば、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液により回路表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元するなどの公知の方法を採用することができる。
【0036】
≪絶縁樹脂層≫
本例では、絶縁樹脂層を構成する絶縁樹脂組成物として、上述した(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル基含有化合物、及び(C)エポキシ樹脂硬化促進剤を含むものを用いる。
【0037】
<配線板の製造方法>
次に、かかる構造の配線板の製造方法を説明する。
(1)絶縁樹脂組成物の調製
熱硬化性絶縁樹脂組成物の調製方法には、特に制限はなく、従来公知の調製方法を用いることができる。
例えば、前記溶媒中に、前述した(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の活性エステル基含有化合物、及び(C)成分のエポキシ樹脂硬化促進剤を加えると共に、必要に応じて用いられる無機フィラや各種添加成分を加えたのち、超音波分散方式、及び自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて、混合・攪拌することにより、ワニスとして調製することができる。
このワニスの溶剤を除く固形分濃度は20〜70質量%であることが、塗工性などの観点から好ましい。
【0038】
(2)支持体付き絶縁樹脂層の形成(図1(a))
このように調製した絶縁樹脂ワニスを、合成樹脂よりなる支持体9に塗工し、乾燥して絶縁樹脂層4を得る。絶縁樹脂ワニスを支持体9に塗布した後の乾燥は、80〜180℃、1〜10分程度で行うことができる。乾燥温度が80℃より高く、又は時間が1分以上であると、乾燥が充分に進んで絶縁樹脂層4内の残存溶媒量が少なくなり、その結果、樹脂フロー量が抑制されて、残存溶媒の揮発により絶縁樹脂層4内にボイドが発生したりすることが防止される。一方、乾燥温度が180℃以下であり、または時間が10分以下であると、乾燥が進みすぎることが防止され、絶縁樹脂層4表面での反応の進行によると思われる樹脂フロー量が低下する。
【0039】
絶縁樹脂層4の厚み(乾燥後の厚み)に関しては特に制限はなく、用途によって3〜60μmの範囲が好ましい。絶縁樹脂層4の膜厚を厚くすることは絶縁性の点では有利になるが、一方で、経済性の観点から、通常は60μm以下程度とすることが好ましく、絶縁確保のため3μm以上が好ましい。
前記支持体9の厚さとしては特に制限がないが、10〜200μm程度が好ましく、20〜100μmがより好ましい。また、支持体9としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが好適に用いられる
【0040】
(3)支持体付き絶縁樹脂層と回路付き絶縁基板のとの積層(図1(b))
上記支持体9付き絶縁樹脂層4と上記回路1,3付き絶縁基板2との積層は、ラミネート法やプレス法によって行うことができる。
【0041】
ラミネート法の場合、回路1,3付絶縁基板2の配線回路3に、支持体9付き絶縁樹脂層4を、その絶縁樹脂層4が対面するように重ね合わせ、例えば真空加圧ラミネータを用いて積層する。
真空加圧ラミネータを用いる場合、温度は50〜170℃、圧力0.2MPa以上であることが好ましい。好ましい圧力値も、加熱温度と同様に、基板の厚みや残存銅率などにより変化するが、基板の変形を抑制するためには、1.0MPa・s以下であることが好ましい。また、真空度は、15hPa以下であると内層回路板への埋め込み性が向上し、一方で真空度は高ければ高い方が好ましいが、装置の能力や所定値への到達までの待ち時間等が生産性に及ぼす影響などを考慮すると、5〜10hPaの範囲で行うことが好ましい。熱圧着時間は、10秒以上であると内層回路への樹脂の流動に要する時間として充分であり、90秒以下であると生産性が向上するため、20〜60秒であることが好ましい。
【0042】
一方、プレス法の場合は、前記と同様に、回路1,3付絶縁基板2の回路3に支持体9付き絶縁樹脂層4をその絶縁樹脂層4が対面するように重ね合わせ、使用する絶縁樹脂層4に合わせた適正な条件でプレスする。例えば、昇温温度3℃/分で50分間で昇温させ、190℃、圧力2.0〜3.0MPaで60〜90分間保持した後、室温まで30分間で冷却することで、回路1,3付絶縁基板4の回路3上に支持体9付き絶縁樹脂4を形成することができる。
【0043】
(4)絶縁樹脂層の熱硬化(図1(c))
前記のようにして回路1,3付絶縁基板2の回路3上に形成された絶縁樹脂層4をまず熱硬化する。この熱硬化は、後のめっき処理や配線導体のアニール処理などを考慮した温度や時間で行うことが望ましい。あまり硬化を進めると後のめっき処理時に配線導体との接着性が低下する恐れがあり、反対に硬化が足りないとめっき処理時のアルカリ処理液に浸食され、めっき液に溶解する恐れがあるからである。これらのことを考慮すると、例えばエポキシ樹脂系の絶縁樹脂4である場合は、150〜190℃で30〜90分間程度の熱処理を与えて硬化させることが好ましい。
【0044】
(5)穴あけ加工(図1(d))
次に、穴あけ加工を行い、第1のビアホール6及び第2のスルーホール7を形成する。この穴あけ加工の詳細は上述の穴形成工程で説明したとおりである。
【0045】
(6)紫外線照射(図1(d))
次に、絶縁樹脂層4の表面に支持体9が存在する状態で、この支持体9側から絶縁樹脂層4に対して下記の条件で紫外線照射処理する。これにより、絶縁樹脂層4の表面が配線導体に対して高い接着力を発現する。
その機構については、必ずしも明確ではないが、該絶縁樹脂層4に紫外線を照射することにより、該絶縁樹脂層4表面に、(B)成分の活性エステル基含有化合物における活性エステル基の分解による酸素含有基が形成し、この酸素含有基が配線導体に対する高い接着力をもたらすものと推察される。該絶縁樹脂4表面に形成された酸素含有基の酸素原子量は、X線光電子分光法により測定することができる。
【0046】
前記の紫外線照射条件としては、本発明の効果が得られれば特に制限がないが、例えば、波長300〜450nmの範囲で放射する紫外線ランプを用い、大気圧雰囲気下に、光量が1000〜5000mJ/cm2程度、好ましくは2000〜4000mJ/cm2になるように、紫外線を照射することが望ましい。なお、前記光量(mJ/cm2)は、「照度mW/cm2×照射時間(秒)」で表される。
このように、絶縁樹脂層4を熱硬化処理後、紫外線照射処理することにより、該絶縁樹脂層4は、従来用いられる過マンガン酸ナトリウム系などの粗化液を用いて凹凸形状を形成しなくても、配線導体に対して高い接着力を発現し得る。
なお、紫外線照射時の絶縁樹脂層4の温度は50〜90℃程度が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
【0047】
絶縁樹脂4に大気圧雰囲気下で紫外線を照射する方法は、紫外線装置により異なるため特に限定はしないが、生産性を考慮すればコンベア式の紫外線照射が好ましい。紫外線ランプとして、波長300〜450nmの範囲を有するものとしては、水銀ショートアークランプ、高圧水銀ランプ、毛細管型超高圧ランプ、高圧ランプ、メタルハライドランプを用いることができる。これらのランプにおいて、紫外線の波長が全域で広いメタルハライドランプが好ましい。また、紫外線ランプとして、波長が150〜300nmの範囲を有するものとしては、低圧水銀ランプを用いることができる。
紫外線の波長300〜450nmの範囲を有する紫外線ランプを使用する目的は、汎用性と紫外線の波長域が関係する。すなわち、波長300〜450nmを示す紫外線ランプは、コンベア式型の紫外線照射装置、例えばソルダレジストの後露光装置として一般的に用いられているからである。
【0048】
さらに、メタルハライド型のコンベア照射装置は、紫外線波長領域が広く、特別な装置を必要としないでこれらの装置を代替えすることで本発明の効果を発揮できる。紫外線量は、1000mJ/cm2以上であると酸化性粗化液で絶縁樹脂層4を処理しない場合のめっき導体との接着力が十分となり、5000mJ/cm2を超えても接着力が変化しないことから1000〜5000mJ/cm2が好ましい。より好ましくは、2000mJ/cm2〜4000mJ/cm2の範囲である。
【0049】
(7)デスミア処理(図1(d))
次に、第1,2のビアホール6,7内のデスミアを、デスミア処理液を用いて行う。このデスミア処理液の詳細は上述のとおりである。
【0050】
(8)支持体の除去(図1(e))
次に、支持体9である合成樹脂フィルムを除去する。合成樹脂フィルムは、剥離して除去することが好ましい。
【0051】
(9)めっき処理(図1(f))
本実施の形態では、紫外線処理された絶縁樹脂層4の表面に、例えば以下に示すようにめっき処理が施される。
まず上記絶縁樹脂層4をさらに、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬することにより行われる。次に、無電解めっき液に浸漬することにより、この上に厚さが0.3〜1.5μmの無電解めっき層を析出させる。必要により、更に電気めっきを行う。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ特に制限はない。
このようにして、上記絶縁樹脂層4上にめっき処理によって配線回路5を形成することにより、配線板10を製造することができる。
本例では、両面配線基板を用いたが、片面配線基板を用いてもよい。また、両面配線基板の表面に、絶縁樹脂層及び配線回路をそれぞれ1層ずつ形成したが、これらの手法を繰り返して絶縁樹脂層及び配線回路を複数層形成することにより、多層配線板を作製することもできる。
[配線板の製造方法の他の例(第2の例)]
図2は配線板の製造方法の他の例を説明する断面図である。
<図2の配線板の構造の説明>
図2(c)に示すとおり、配線板20は、プリプレグ積層体21と、その上下両側に積層された絶縁樹脂層4と、その上下両側に積層された第3の配線回路5と、これらの層を貫通するスルーホール7とを有するものである。
<図2の配線板の製造方法>
(1)’プリプレグ積層体の作製
ガラス繊維等で強化された半硬化状態のエポキシ樹脂系のプリプレグシートを重ねてプリプレグ積層体21とする。
【0052】
(1)絶縁樹脂組成物の調製
上記第1の例(図1)と同様にして、熱硬化性絶縁樹脂組成物を調製する。
(2)支持体付き絶縁樹脂層の形成
上記第1の例(図1)と同様にして、支持体9付き絶縁樹脂層4を形成する。
【0053】
(3)支持体付き絶縁樹脂層と回路付き絶縁基板のとの積層(図2(a))
上記プリプレグ積層体21の表面及び裏面に、それぞれ、支持体9付き絶縁樹脂層4の絶縁樹脂層4側が接面するように重ね合わせ、これらを積層する。この積層方法は、上記第1の例(図1)と同様、ラミネート法やプレス法によって行うことができる。
【0054】
(4)絶縁樹脂層の熱硬化(図2(b))
上記第1の例(図1)と同様にして、絶縁樹脂層4の熱硬化を行う。
【0055】
(5)穴あけ加工(図2(b))
次に、厚み方向に貫通する穴あけ加工を行い、スルーホール7を形成する。この穴あけ加工の詳細は第1の例(図1)と同様である。
【0056】
(6)紫外線照射(図2(b))
第1の例(図1)と同様にして、両面の絶縁樹脂層4に対して紫外線照射処理を行う。
(7)デスミア処理(図2(b))
次に、第1,2のビアホール6,7内のデスミアを、デスミア処理液を用いて行う。このデスミア処理液の詳細は上述のとおりである。
(8)支持体の除去
第1の例(図1)と同様にして、支持体9を除去する。
(9)めっき処理(図2(c))
第1の例(図1)と同様にして、両面の絶縁樹脂層4にめっき処理を行い、第3の配線回路5,5を製造する。
このようにして、配線板20を製造することができる。
本例では、プリプレグ積層体の両面に、絶縁樹脂層4及び配線回路5をそれぞれ1層ずつ形成したが、これらの手法を繰り返して絶縁樹脂層4及び配線回路5を複数層形成してもよい。
【実施例】
【0057】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法により求めた。
【0058】
多層配線板の特性
(i)回路との接着強度
最外層回路層(多層配線板では、第3回路層、単層配線板では第1回路層)の一部に幅10mm、長さ100mmの部分を形成し、この一端を剥がしてつかみ具でつかみ、垂直方向に約50mm室温中で引き剥がした際の荷重を測定した。
(ii)めっき銅エッチング除去面の絶縁樹脂層粗さ
外層回路層をエッチング処理して銅を除去した試験片を作製する。この試験片を2mm角程度に切断し、(株)キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡「VK−8500型」を用いて、試験片中の異なる箇所3点について、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定し、測定長さ149μm中の粗さの最大部から最小部を引いた値を絶縁樹脂層の表面粗さとし、3箇所の平均値を算出した。
(iii)はんだ耐熱性
配線板を25mm角に切断し、その直後に、288℃±2℃に調製したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
【0059】
実施例1
(1)回路板の作製
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mmtの粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−67(商品名)]にエッチングを施して片面に回路層(以下、第1回路層とする)を有する回路板を作製した。
【0060】
(2)(A)成分であるエポキシ樹脂A−1の調製
温度計及び撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA228g(1.00モル)と1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル92g(0.85モル)を仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後、さらに120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類400gを得た。
次に、温度計、滴下ロート、冷却管、及び撹拌機を取り付けたフラスコに、上記変性多価フェノール類400g、エピクロルヒドリン925g(10モル)、n-ブタノール185gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。さらに、この溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に、洗浄液のpHが中性となるまで、300gの水で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に溶媒を減圧下で留去して、透明液体のエポキシ樹脂457gを得た。エポキシ当量は403であった。
【0061】
(3)絶縁樹脂組成物の調製
絶縁樹脂の組成を表1に示した。(A)成分である(2)にて調製したエポキシ樹脂49質量部、(B)成分である紫外線活性型エステル基含有樹脂「EXB−9460S」(DIC株式会社、商品名、エステル当量:223)27質量部、(C)成分である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.15質量部を、溶媒であるメチルエチルケトン(以下「MEK」と記載する。)40質量部に溶解して、絶縁樹脂組成物(ワニス)を得た。
【0062】
(4)支持体付き絶縁樹脂層の形成
上記(3)で得られた絶縁樹脂組成物を支持体としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に塗工し、100℃で10分乾燥処理することにより、膜厚50±3μmの支持体付き絶縁樹脂層を作製した。
【0063】
(5)積層・熱硬化処理
さらに、上記の支持体付き絶縁樹脂層と上記(1)で得られた回路板とを、絶縁樹脂層と回路層とが接面するように重ね合わせ、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機株式会社製、商品名)を用いて積層した。次いで、絶縁樹脂層を170℃、60分間の硬化条件にて熱硬化処理し、絶縁樹脂層付き基板を得た。
【0064】
(6)ビアホールの形成
上記絶縁樹脂層付き基板に、上記支持体から上記回路層にまで至る層間接続用のビアホールを、日立ビアメカニクス製CO2レーザ加工機LCO−1B21により、ビーム径80μm、周波数500Hz、パルス幅5μsec、ショット数7の条件で加工して作製した。
【0065】
(7)紫外線照射
上記絶縁樹脂付き基板をランプがメタルハライドランプのコンベア式紫外線照射装置(波長350〜380nm)で処理し、紫外線を3000mJ/cm2照射した。
【0066】
(8)デスミア処理
上記ビアホール内をデスミア処理するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200mL/L、NaOH:5g/Lの水溶液を80℃に加温して、これに5分間浸漬処理をした。次に、デスミア処理液としてKMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を80℃に加温して20分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl2:30g/L、濃度98質量%のH2SO4:300mL/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和したのち、5分間水洗後、100℃で10分間乾燥した。
【0067】
(9)支持体除去処理
次いで、支持体(PETフィルム)を絶縁樹脂組成物から剥がして除去した。
【0068】
(10)第2回路層の形成
無電解めっき前処理として、絶縁樹脂層の表面に、コンディショナー液CLC―601(日立化成工業株式会社製、商品名)に60℃で5分間浸漬した。その後水洗し、プリディップ液PD―201(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温にて2分間浸漬した。次にPdCl2を含む無電解めっき用触媒であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、室温で10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっきであるCUST−201めっき液(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温にて15分間浸漬した。次いで、さらに硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを170℃〜30分間行うことにより、絶縁樹脂層表面上に厚さ20μmの導体層を形成した。
めっき導体層の不要な箇所をエッチング除去するために銅表面の酸化皮膜を#600のバフロール研磨で除去した後、エッチングレジストを形成し、エッチングし、その後エッチングレジストを除去した。このようにして、上記ビアホールを介して上記第1回路層と接続された第2回路層を形成した。
【0069】
(11)多層配線板の作製
さらに、多層化するために、第2回路層表面を、亜塩素酸ナトリウム:50g/l,NaOH:20g/l、リン酸三ナトリウム:10g/lの水溶液に85℃にて20分間浸漬し、水洗した後、80℃にて20分間乾燥して、第2回路層表面上に酸化銅の凹凸を形成した。
次いで、(4)〜(10)の工程を繰り返すことにより、3層の多層配線板を作製した。
【0070】
実施例2
(1)積層板の作製
表1に示す絶縁樹脂組成物を、支持体としてのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚さ50μm)よりなる支持板上に塗工し、100℃で10分乾燥処理することにより、10±1μmの絶縁樹脂層を作製した。
次に、日立化成工業株式会社製MCL−E−67(商品名)に使用しているプリプレグ(0.1mm厚)を4枚重ね、2枚の上記のPENフィルム付き絶縁樹脂層をその絶縁樹脂層側がプリプレグに当接するようにして上下に配置し、温度185℃、圧力3.5MPaで1時間積層変形を行って積層板を得た。
【0071】
(2)スルーホールの形成
次に、直径0.105mmのドリル(ユニオンツール(株)社製、商品名:KMD J464)を用いて回転数300krpm、送り速度2.1m/min、チップロード7.0μm/revの条件で2000穴あけ加工を行った。このようにして、上記積層板の表裏面まで貫通するスルーホールを形成した。
【0072】
(3)紫外線照射
上記絶縁樹脂付き基板をランプがメタルハライドランプのコンベア式紫外線照射装置(波長350〜380nm)で処理し、紫外線を3000mJ/cm2照射した。
【0073】
(4)デスミア処理
上記スルーホール内のスミアを化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200mL/L、NaOH:5g/Lの水溶液を80℃に加温して、これに5分間浸漬処理をした。次に、デスミア処理液としてKMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を80℃に加温して20分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl2:30g/L、濃度98質量%のH2SO4:300mL/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和したのち、5分間水洗後、100℃で10分間乾燥した。
【0074】
(5)支持体除去処理
次いで、支持体(PENフィルム)を絶縁樹脂組成物から剥がして除去した。
【0075】
(6)導体層の形成
無電解めっき前処理として、上記絶縁樹脂層付き基板の上面側及び下面側に形成されている計2層の絶縁樹脂層の各表面を、コンディショナー液CLC―601(日立化成工業株式会社製、商品名)に60℃で5分間浸漬した。その後水洗し、プリディップ液PD―201(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温にて2分間浸漬した。次にPdCl2を含む無電解めっき用触媒であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、室温で10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっきであるCUST−201めっき液(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温にて15分間浸漬した。次いで、さらに硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを170℃〜30分間行うことにより、上面側及び仮面側の2層の絶縁樹脂層のそれぞれの表面上に厚さ20μmの導体層を形成した。
【0076】
(7)回路層の形成
上記2層の導体層の不要な箇所をエッチング除去するために銅表面の酸化皮膜を#600のバフロール研磨で除去した後、エッチングレジストを形成し、エッチングし、その後エッチングレジストを除去した。これにより、上記スルーホールを介して内部の銅箔と接続された回路層を形成した。
このようにして配線板を作製した。
【0077】
実施例3〜6
実施例1において、絶縁樹脂組成物の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、多層配線板を作製した。
実施例7
実施例1において、表1に示すように、無機フィラ平均粒径0.5μmの球状シリカ「SO−25R」(株式会社アドマテックス社製)を加えた絶縁樹脂組成物を用いたこと、及び絶縁樹脂組成物の組成を表1に示すように変更したこと以外は、同様な操作を行い、多層配線板を作製した。
実施例8
実施例1において、紫外線照射のランプを高圧水銀灯のコンベア式紫外線照射装置(波長310〜370nm)に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、多層配線板を作製した。なお、紫外線の照射は、実施例1と同様に、光量が3000mJ/cm2になるように行った。
【0078】
比較例1
(8)デスミア処理と(9)支持体除去処理の順序を逆にしたこと以外は実施例1と同様にして多層配線板を作製した。
比較例2
(4)デスミア処理と(5)支持体除去処理の順序を逆にしたこと以外は実施例2と同様にして配線板を作製した。
比較例3
(3)紫外線照射を行わなかったこと以外は実施例2と同様の操作を行い、配線板を作製した。
【0079】
【表1】

【0080】
A1:上述の方法で製造したヘキサンジオールを骨格にするエポキシ樹脂
A2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂「N−770」(DIC株式会社製)
B1:活性エステル基含有化合物「EXB−9460S」(DIC株式会社製)
B2:クレゾールノボラック型フェノール樹脂「KA−1165」(DIC株式会社製)
C1:硬化促進剤、イミダゾール誘導体化合物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート「2PZ−CNS」(四国化成工業株式会社製)
D1:メチルエチルケトン
E1:無機フィラー、平均粒径0.5μmの球状シリカ「SO−25R」(株式会社アドマテックス社製)
【0081】
以上の様にして作製した多層配線板について、外層回路との接着強度、めっき銅エッチング除去面の絶縁樹脂粗さ、288℃はんだ耐熱性試験を試験した。その結果を表2に示す。
【0082】
【表2】

【0083】
表2に示すとおり、実施例1〜8では、ビアホール内のデスミア処理時に絶縁樹脂層の表面が支持体で保護されており、その後に支持体が除去されるため、絶縁樹脂層の表面の粗さ(Ra)がいずれも0.05以下となり、凹凸が大きくなることを防止することができた。また実施例1〜8では、このようにデスミア処理時に絶縁樹脂層表面を粗化することが省略されているものの、絶縁樹脂層表面に紫外線を照射して配線に対する接着力を発現させていることから、この絶縁樹脂層表面と配線回路との接着強度に優れていた。特に実施例1〜8は、はんだ耐熱性にも優れていた。
【0084】
これに対し、比較例1及び2では、絶縁樹脂層表面の支持体を除去した状態でデスミア処理しているため、絶縁樹脂層の表面粗さが大きかった。
比較例3では紫外線照射を行わなかったため、絶縁樹脂層と配線回路との接着強度が低く、はんだ耐熱性が悪かった。
【符号の説明】
【0085】
1 第1の配線回路
2 基板
3 第2の配線回路
4 絶縁樹脂層
5 第3の配線回路
6 ビアホール
7 スルーホール
9 支持体
10 配線板
20 配線板
21 プリプレグ積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の表面に形成された配線とを有する配線板の製造方法であって、
(a)支持体及び絶縁樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
(b)前記積層体に穴を設ける穴形成工程と、
(c)前記積層体の前記支持体側から前記絶縁樹脂層に紫外線を照射する紫外線照射工程と、
(d)前記穴内のスミアをデスミア処理液で除去するデスミア処理工程と、
(e)前記積層体から前記支持体を除去する支持体除去工程と、
(f)前記絶縁樹脂層のうち前記支持体が除去された面上に前記配線を形成する配線形成工程と、
をこの順に行う配線板の製造方法。
【請求項2】
前記支持体が合成樹脂フィルムである請求項1に記載の配線板の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁樹脂層が熱硬化性樹脂よりなる請求項1又は2に記載の配線板の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤、及びエポキシ樹脂の硬化促進剤を含む絶縁樹脂組成物から得られるものである請求項3に記載の配線板の製造方法。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するヘキサンジオール構造を含有したエポキシ樹脂である請求項4に記載の配線板の製造方法。
【請求項6】
前記硬化剤が活性エステル基含有化合物である請求項4又は5に記載の配線板の製造方法。
【請求項7】
前記活性エステル基含有化合物の活性エステル当量が、前記エポキシ樹脂のエポキシ1当量に対して、0.75〜1.25当量である請求項6に記載の配線板の製造方法。
【請求項8】
前記硬化剤が、1分子中にエステル基を1個以上有する活性エステル基含有化合物である請求項4〜7のいずれか1項に記載の配線板の製造方法。
【請求項9】
前記紫外線照射工程において、大気圧下、波長300〜450nmの紫外線を1000〜5000mJ/cm2の照射量にて前記絶縁樹脂層に照射する請求項1〜8のいずれか1項に記載の配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−38141(P2013−38141A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171339(P2011−171339)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】