説明

酵素及び布地色調剤を含む組成物

本発明は、特定のグリコシル加水分解酵素及び布地色調剤を含む組成物、並びにかかる組成物を調製及び使用する方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定のグリコシル加水分解酵素及び布地色調剤を含む組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
洗剤製造メーカーは、自社の洗濯洗剤製品に色調剤を組み込むことにより、その洗剤で洗濯した布地に視覚的な布地効果を付与している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、消費者が受容できる適切な視覚的効果を供給するのは困難であることが実証されており、これら洗濯洗剤組成物の布地色調特性を改善するニーズが依然として存在する。本発明者らは、色調剤を含む洗濯洗剤組成物に特定のグリコシル加水分解酵素を追加して組み込むことにより、白色度の知覚及び色調特性が改善されることを見出した。理論に束縛されるものではないが、発明者らは、色調剤の付着及び性能を改善するような方法で、これらのグリコシル加水分解酵素が布地表面を生物学的に研磨(biopolish)すると考えている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特定のグリコシル加水分解酵素及び布地色調剤を含む組成物、並びに、このような生成物を作製及び利用するプロセスに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
洗濯洗剤組成物
この洗濯洗剤組成物は典型的に、約0.00003重量%〜約0.1重量%、約0.00008重量%〜約0.05重量%、又は更には約0.0001重量%〜約0.04重量%の布地色調剤と、約0.0005重量%〜約0.1重量%、約0.001重量%〜約0.05重量%、又は更には約0.002重量%〜約0.03重量%のグリコシル加水分解酵素を含む。前述の組成物のいずれかの態様の残部は、1つ以上の補助剤で構成されている。布地色調剤及びグリコシル加水分解酵素は、下記に詳しく記述される。
【0006】
この組成物は任意の形態をとることができるが、好ましくはこの組成物は液体の形態である。この組成物は、特に液体の形態の場合は、単位用量小袋の形態であってよく、典型的にはこの組成物は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、水溶性フィルム内に封止されている。
【0007】
固体洗濯洗剤組成物
本発明の一実施形態では、この組成物は固体洗濯洗剤組成物であり、好ましくは固体洗濯粉末洗剤組成物である。
【0008】
この組成物は好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものゼオライトビルダーを含む。この組成物はまた、好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものリン酸塩ビルダーを含む。
【0009】
この組成物は典型的に、アニオン性洗浄界面活性剤を含み、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含み、好ましくは共界面活性剤と組み合わせて含まれる。好ましい共界面活性剤は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するアルキルエトキシル化硫酸塩、及び/又は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するエトキシル化アルコールである。
【0010】
この組成物は好ましくはキレート剤を含み、好ましくはこの組成物は0.3重量%〜2.0重量%のキレート剤を含む。好適なキレート剤はエチレンジアミン−N,N’−二コハク酸(EDDS)である。
【0011】
この組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、スルホプロピルセルロース、セルロースサルフェート、リン酸化セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、スルホエチルエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルエチルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルドデシルセルロース、カルボキシメチルドデコイルセルロース、カルボキシメチルシアノエチルセルロース、及びスルホエチルシアノエチルセルロースのナトリウム又はカリウム塩などの、セルロースポリマーを含み得る。このセルロースは、例えば、メチル及びヒドロキシエチルセルロースなどの2つ以上の異なる置換基によって置換された、置換セルロースであり得る。
【0012】
この組成物は、例えばRepel−o−Tex(商標)などの汚れ分散ポリマーを含み得る。他の好適な汚れ分散ポリマーは、アニオン性汚れ分散ポリマーである。好適な汚れ分散ポリマーの詳細は、国際特許第WO05123835A1号、同第WO07079850A1号及び同第WO08110318A2号に記述されている。
【0013】
この組成物は、スプレードライ粉末を含み得る。このスプレードライ粉末は、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩を含み得る。
【0014】
グリコシル加水分解酵素
グリコシル加水分解酵素は、キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有し、このグリコシル加水分解酵素は、GHファミリー5、12、44又は74の中から選択される。
【0015】
キシログルカンに対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。非晶質セルロース基質に対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。
【0016】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、グリコシル加水分解酵素ファミリー44に属する。グリコシル加水分解酵素(GH)ファミリーの定義は、Biochem J.1991,v280,309〜316により詳しく記述されている。
【0017】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、配列No.1と同一の配列を有する。
【0018】
本発明の目的のため、2つのアミノ酸配列の間の類似性は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)に実装されている(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends in Genetics 16:276〜277)、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443〜453)を用いて決定される。使用される所望によるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、EBLOSUM62(EMBOSSバージョンBLOSUM62)置換マトリックスである。「最長同一(longest identity)」と標識されたNeedle出力(−nobriefオプションを使用して得られる)が、同一性パーセントとして使用され、次のように計算される。(同一残基×100)/(アライメント長さ−アライメント中のギャップの合計数)。
【0019】
好適なグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られた、国際特許第WO01/062903号に記載されているXYG1006などの、GHファミリー44グリコシル加水分解酵素又は及びその変異型、Bacillus licheniformis(野生型)から得られた、国際特許第WO99/02663号に記載されている配列番号:1などの、GHファミリー12グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Bacillus agaradhaerens(野生型)から得られたGHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型、Paenibacillus(野生型)から得られた、国際特許第WO01/064853号に記載されているXYG1034及びXYG1022などの、GHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Jonesia sp.(野生型)から得られた、国際特許第WO2002/077242号に記載されているXYG1020などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素、並びに、Trichoderma Reesei(野生型)から得られた、国際特許第WO03/089598号に記載されている配列番号2に詳しく記載されている酵素などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素又はその変異型、からなる群から選択される。
【0020】
好ましいグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られたXYG1006などのGHファミリー44グリコシル加水分解酵素からなる群から選択されるか、又はその変異型である。
【0021】
キシログルカン基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が50000XyloU/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素はキシログルカンに対して活性を有していると見なされる。
【0022】
キシログルカナーゼ活性は、Megazyme(アイルランド)から入手したAZCL−キシログルカンを基質(青色基質)として使用して測定する。
【0023】
1.5mLのエッペンドルフ管(各0.75mL)内に、20℃で攪拌しながらpH7.5の0.1Mリン酸塩緩衝液中に青色基質の0.2%溶液を懸濁させ、50マイクロリットルの酵素溶液を加え、1200rpmで混合しながら40℃で20分間、エッペンドルフサーモミキサーでインキュベートする。インキュベーション後、この着色した溶液を、14,000rpmで4分間遠心分離にかけて固体と分離し、分光光度計を用いて、1cmキュベット内の上清の吸光度を600nmで測定した。XyloU単位は、600nmにおいて1cmキュベット内で0.24の吸光度をもたらす酵素の量として定義される。
【0024】
XyloU活性の計算には、0.1〜0.8の吸光度値のみが使用される。吸光度値の測定値がこの範囲外となった場合、これに応じて最初の酵素濃度の最適化を行うべきである。
【0025】
非晶質セルロース基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が20000EBG/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素は非晶質セルロースに対して活性を有していると見なされる。緩衝剤として用いる化学物質及び基質は、少なくとも試薬等級の市販製品であった。
【0026】
エンドグルカナーゼ活性アッセイの材料:
0.1Mリン酸塩緩衝液、pH7.5
Cellazyme C錠剤(アイルランドのMegazyme Internationalより入手)。
【0027】
ガラスマイクロファイバーフィルター、GF/C、直径9cm(Whatmanより入手)。
【0028】
方法:
試験管中で、1mLのpH7.5緩衝液と5mLの脱イオン水を混合する。
【0029】
100マイクロリットルの酵素試料(又は酵素試料を既知の重量:重量希釈率で希釈したもの)を加える。各試験管にCellazyme C錠剤を1錠加え、試験管にキャップをして、ボルテックスミキサーで10秒間混合する。この試験管を、温度40℃のサーモスタット付き水浴に入れる。15分後、30分後及び45分後に、試験管を転倒混和することにより試験管の内容物を混合し、水浴に戻す。60分後、試験管の内容物を転倒混和し、次にGF/Cフィルターで濾過する。この濾液をきれいな試験管に回収する。
【0030】
分光光度計を用い、吸光度(Aenz)を590nmで測定する。ブランク値Awaterは、100マイクロリットルの酵素試料の代わりに100μLの水を加えることにより決定される。
【0031】
Adelta=Aenz−Awaterを計算する。
【0032】
Adeltaは<0.5でなければならない。これより高い値が得られた場合は、異なる酵素希釈率で繰り返す。
【0033】
DFO.1を決定する(DFO.1はAdelta=0.1を得るのに必要な希釈率である)。
【0034】
単位の定義:1エンドβグルカナーゼ活性単位(1EBG)は、上述のアッセイ条件において、Adelta=0.10を得る酵素量である。よって例えば、所定の酵素試料を、希釈率100で希釈後にAdelta=0.10を得た場合、その酵素試料は100EBG/gの活性を有する。
【0035】
適切な布地色調剤
蛍光増白剤は、少なくとも何らかの可視光線を放出する。対照的に布地色調剤は、可視光線スペクトルの少なくとも一部を吸収するため、表面の色合いを変えることができる。適切な布地色調剤としては、本明細書の試験方法の項に記載の試験方法1の要件を満たす染料、染料−粘土共役体、及び顔料が挙げられる。適切な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。適切な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、及びベーシックレッドのカラーインデックス(C.I.)分類に該当する染料、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられ、例えば、次のものが挙げられる。
【0036】
(1)次式のトリス−アゾ系ダイレクトブルー染料
【化1】

式中、ナプチル環A、B、及びCの少なくとも2つがスルホネート基で置換されており、環Cは、5位をNH又はNHPh基で置換してもよく、Xは、2つ以下のスルホネート基で置換されているベンジル又はナフチル環であり、2位をOH基で置換してもよく、更にNH又はNHPh基で置換してもよい。
【0037】
(2)次式のビス−アゾ系ダイレクトバイオレット染料
【化2】

式中、ZはH又はフェニルであり、環Aは、好ましくは矢印で示される位置がメチル及びメトキシ基で置換されており、環Aはナフチル環であってもよく、Y基はベンジル又はナフチル環であり、サルフェート基で置換されており、メチル基で1又は2置換されてもよい。
【0038】
(3)次式のブルー又はレッドアシッド染料
【化3】

式中、X及びYの少なくとも1つは芳香族基でなければならない。1つの態様では、芳香族基は双方とも、置換ベンジル又はナフチル基であってよく、このベンジル又はナフチル基はアルキル、アルキルオキシ、又はアリールオキシ基などの非水溶化基で置換してよく、X及びYはスルホネート又はカルボキシレートなどの水溶化基で置換しなくてもよい。別の態様では、Xはニトロ基で置換したベンジル基であり、Yはベンジル基である。
【0039】
(4)次の構造のレッドアシッド染料
【化4】

式中、Bはアルキル、アルキルオキシ、又はアリールオキシ基などの非水溶化基で置換されてもよいナフチル又はベンジル基であり、Bはスルホネート又はカルボキシレートなどの水溶化基で置換しなくてもよい。
【0040】
(5)次の構造のジアゾ染料
【化5】

式中、X及びYは、互いに独立してそれぞれ、水素、C〜Cアルキル又はC〜C−アルコキシであり、Rαは水素又はアリールであり、ZはC〜Cアルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル又はカルボニルであり、nは1又は2であり、及びmは0、1又は2であり、並びにこれらの対応する塩、並びにこれらの混合物である。
【0041】
(6)次の構造のトリフェニルメタン染料
【化6】

【化7】

及びこれらの混合物。前記小分子染料が、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドバイオレット49、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90及びアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記ポリマー染料が、共役色原体を含有するポリマー、ポリマーの骨格に共重合した色原体を有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土とを含む染料粘土共役体から選択される組成物。
【0042】
好適なポリマー染料としては、共役色原体を含むポリマー(染料−ポリマー共役体)、ポリマーの骨格に共重合した色原体を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0043】
別の態様では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)の名称で市販されている布地直接着色剤、及び少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーから形成されている染料−ポリマー共役体が挙げられる。更に別の態様では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)バイオレットCT(Violet CT)、及びリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料で共役されているカルボキシメチルセルロース(CMC)(例えば、Megazyme(アイルランド・ウィックロー)からAZO−CM−CELLULOSEという商品名(製品コードS−ACMC)で市販されているC.I.リアクティブブルー19で共役されているCMCなど)、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0044】
適切な染料粘土共役体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料とスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土共役体、及びこれらの混合物が挙げられる。別の態様において、好適な染料粘土共役体には、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.Iベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11、並びに、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土、これらからなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料からなる群から選択される、染料粘土共役体が挙げられる。更に別の態様において、好適な染料粘土共役体には、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2共役体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2共役体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2共役体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土共役体が挙げられる。
【0045】
適切な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は置換されていないか、あるいは、C1〜C3−アルキル又はフェニル若しくは複素環式ラジカルで置換されていてもよく、このフェニル及び複素環式ラジカルは更に、水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0046】
別の態様において、好適な顔料には、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0047】
上述の布地色調剤は、組み合わせて使用することができる(布地色調剤の任意の混合物を使用することができる)。適切な布地色調剤は、Aldrich(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Ciba Specialty Chemicals(スイス・べーゼル)、BASF(ドイツ・ルートヴィヒスハーフェン)、Dayglo Color Corporation(インド・ムンバイ)、Organic Dyestuffs Corp.(米国ロードアイランド州イーストプロビデンス)、Dystar(ドイツ・フランクフルト)、Lanxess(ドイツ・レーバークーゼン)、Megazyme(アイルランド・ウィックロー)、Clariant(スイス・ムッテンツ)、Avecia(英国マンチェスター)から購入可能であり、及び/又は本明細書に記載の実施例に従って調製可能である。
【0048】
好適な色調剤については、詳しくは米国特許第7,208,459B2号に記述されている。
【0049】
補助剤物質
本発明の目的には必須ではないが、以下に例示されている添加剤の非限定的なリストは、当該組成物中で使用するのに適しており、例えば、洗浄性能を補助若しくは向上させるために、洗浄すべき基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、本発明の特定の実施形態に組み込むのが望ましい場合がある。このような追加成分の明確な性質及びそれらを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及びそれが使用される洗浄作業の性質に依存する。適切な添加剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に記載されており、これらは参照により組み込まれる。
【0050】
上述の如く、補助成分は、本出願人らの組成物には必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料という補助剤物質が1つ以上含まれていない。しかしながら、1種以上の補助剤が存在するとき、1種以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0051】
漂白剤−本発明の洗浄組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでもよい。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般的に、漂白剤が使用される場合、本発明の組成物は、標記洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更に約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでもよい。適切な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
【0052】
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物。
【0053】
(2)予備形成済み過酸、適切な予備形成済み過酸としては、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペルイミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩(例えばオキソン(Oxone)(登録商標)など)、並びに、これらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。適切な過カルボン酸としては、化学式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性及び親水性過酸が挙げられる(式中、Rはアルキル基であり、所望により、分枝状でおり、過酸が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、過酸が親水性の場合には、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Mは、対イオン(例えば、ナトリウム、カリウム又は水素)である、
(3)アルカリ金属塩、例えば、過ホウ酸塩(通常は、一又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩を含む、過酸化水素供給源(例えば、無機過水和物塩)。発明の1つの態様では、無機過水和物塩は、過ホウ酸塩、過炭酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩からなる群から選択される。無機過水和物塩(用いた場合)は、典型的には、全組成物の0.05〜40重量%、又は1〜30重量%の量で存在し、典型的には、当該組成物中へ結晶固形物(コーティングされていてもよい)として組み込まれる。好適なコーティングとしては、無機塩(アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩、又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる、及び、
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(式中、Rはアルキル基であり、所望により分枝状であり、漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、漂白活性化剤が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更に4個未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)。適切な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体(特に、ベンゼンスルホネート)である。好適な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。適切な漂白活性剤は、国際特許第WO98/17767号にも開示されている。いかなる好適な漂白活性化剤も使用してもよいが、本発明の1つの態様では、標記洗浄組成物は、NOBS、TAED又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0054】
過酸及び/又は漂白活性化剤(存在する場合)は、一般に、組成物を基準にして、約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、又は更に約0.6〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。1以上の疎水性過酸又はその前駆体を、1以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用してもよい。
【0055】
過酸化水素供給源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、有効酸素(過酸化物供給源より供給される)対過酸のモル比が、1:1〜35:1、又は更に2:1〜10:1となるように選択されてよい。
【0056】
界面活性剤−本発明による洗浄組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択されてよい。界面活性剤(存在する場合)は、典型的には、標記組成物の約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、又は更に約5重量%〜約40重量%の濃度で存在する。
【0057】
ビルダー−本発明の洗剤組成物は、1以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでよい。ビルダーを使用する場合、標記組成物は、典型的には、標記組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%、又は更に約10重量%〜約40重量%のビルダーを含む。
【0058】
ビルダーには、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダーポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、並びに、例えば、メリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
キレート剤−本明細書の洗浄組成物は、キレート剤を含有してもよい。好適なキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。キレート剤を使用する場合、標記組成物は、標記組成物の約0.005重量%〜約15重量%、又は更に約3.0重量%〜約10重量%のキレート剤を含んでもよい。
【0060】
移染防止剤−本発明の洗浄組成物はまた、1以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。標記組成物中に存在する場合、染料移行防止剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してもよい。
【0061】
増白剤−本発明の洗浄組成物は、洗浄される物品に色付けることのできる追加成分(蛍光光沢剤など)も包含することができる。適切な蛍光増白剤の濃度としては、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、更には約0.2重量%の低い濃度から、0.5重量%、又は更には0.75重量%の高い濃度までが挙げられる。
【0062】
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機物質としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩が挙げられ、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0063】
酵素−洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでよい酵素反応混液である。上述の追加酵素は、洗浄組成物に存在する場合、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の濃度で存在してもよい。
【0064】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤で使用する酵素を安定化させることができる。本明細書で採用される酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆性蛋白質分解酵素抑制剤(ホウ素化合物など)を添加することができる。
【0065】
触媒金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことが可能である。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属陽イオン、並びに触媒金属及び補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0066】
必要に応じて、本明細書の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0067】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載される。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0068】
ここでの組成物は、bispidones(国際特許第WO05/042532A1号)及び/又は「MRLs」などと略されるマクロポリ環状硬質配位子等の配位子の遷移金属錯体を適切に含む場合がある。実際的な事項として、しかも限定のためでなく、ここでの組成物と方法は、水溶性の洗浄媒質内にある少なくともおよそ1憶分の一の活性MRL族を提供するよう、しかも典型的には約0.005ppmから約25ppm、約0.05ppmから約10pm、更には約0.1ppmから約5ppmのMRLが洗浄溶液中にあるよう調整することができる。
【0069】
本遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0070】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際特許第WO00/32601号、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0071】
溶媒−好適な溶媒としては、水及び他の溶媒(例えば、親油性流体)が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、その他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、例えばグリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフルオロ化アミン、ペルフルオロ化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
組成物を生成する方法
本発明の組成物は、いずれかの適切な形状で配合可能であり、配合者に選択されるいずれかのプロセスによって調製可能であり、それらの非限定的な実施例は、本出願人の実施例、及び米国特許第4,990,280号、同第20030087791A1号、同第20030087790A1号、同第20050003983A1号、同第20040048764A1号、同第4,762,636号、同第6,291,412号、同第20050227891A1号、欧州特許出願第1070115A2号、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486,303号に記載されており、これらはすべて参照として本明細書に組み込まれる。
【0073】
使用方法
本発明は、ある場所、とりわけ布地表面を洗浄及び/又は処理する方法を含む。これらの方法は、本出願人の洗浄組成物の実施形態を、希釈していない形状で、又は洗浄溶液中で希釈して、布地表面の少なくとも一部に接触させてから、所望により布地表面をすすぐ工程を含む。布地表面は前述のすすぎ工程の前に洗浄工程にさらされてもよい。本発明の目的上、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が挙げられるが、これらに限定されない。それ故に、本発明は布地を洗濯するための方法を含む。この方法は、洗濯されるべき布地を、本出願の組成物の少なくとも1つの実施形態を含む清浄洗濯溶液と接触させる工程を含む。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯され得る大抵の任意の布地を含んでもよい。溶液は、好ましくは、pH約7〜約11を有する。組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で用いてもよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0074】
試験方法1
染料又は顔料物質が本発明の意図する布地色調剤であるかどうかを定義するための手順プロトコルを以下に記載する。
【0075】
1)2つのターゴトメーターポットに、Newcastle upon Tyne(英国)の水道水(総硬度12グレイン/米ガロン以下、Northumbrian Water,Pity Me,Durham,Co.、英国・ダラム)を800mL注ぐ。
2)ポットをターゴトメーターに挿入する。試験中は水温を30℃に制御し、攪拌を40rpmに設定する。
3)各ポットにwfk(ドイツ・Bruggen−Bracht)から供給されているIEC−B洗剤(IEC 60456洗濯機用基準塩基洗剤タイプB)を4.8g加える。
4)2分後、第1のポットに活性着色剤を2.0mg加える。
5)1分後、5cm×5cmの材料見本に切断した平坦な綿肌着(Warwick Equest(英国ダラム州コンセット)から供給)50gを各ポットに加える。
6)10分後、ポットを排水し、硬度14.4(イギリスクラーク硬度)を有しカルシウム対マグネシウムのモル比が3:1の冷水(16℃)を最充填する。
7)2分間すすいだ後、布地を取り出す。
8)同じ処理を用いて更に3回のサイクルで工程3〜7を繰り返す。
9)布地を収集し、屋内で12時間自然乾燥させる。
10)D65光源及びUVA遮断フィルタを取り付けたハンターミニスキャン(Hunter Miniscan)スペクトロメーターを使用して材料見本を分析し、ハンターa(赤−緑軸)及びハンターb(黄−青軸)値を得る。
11)各組の布地についてハンターa及びハンターb値の平均値を計算する。着色剤で処理した評価対象布地がa軸又はb軸のいずれかにおいて平均で0.2単位より大きい色相の差を示した場合、本発明の意図する布地色調剤であると判断される。
【実施例】
【0076】
(実施例1〜8)
フロントローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表1】

【0077】
(実施例9〜16)
トップローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表2】

【0078】
(実施例17〜22)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表3】

【0079】
(実施例23〜28)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表4】

ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
−NHにつき20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
両親媒性グリース洗浄ポリマーは、−NHにつき24個のエトキシル基、及び−NHにつき16個のプロポキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
次の構造を有する可逆性プロテアーゼ抑制剤。
【化8】

エトキシル化チオフェン色調染料については米国特許第7,208,459B2号に記述されている。
注:酵素濃度はすべて、酵素原材料の%として表わされているが、ただしキシログルカナーゼは、洗剤100g当たりの活性酵素タンパク質mg単位で示されている。XYG1006酵素は配列:1による。
【0080】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44又は47の中から選択されるグリコシル加水分解酵素と、
(b)布地色調剤であって、染料、染料−粘土共役体、及びこれらの混合物からなる群から選択される布地色調剤と、
(c)非イオン性洗浄性界面活性剤と、
を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記グリコシル加水分解酵素が0.0005%〜0.1%の濃度で存在し、前記布地色調剤が0.00003%〜0.1%の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グリコシル加水分解酵素が、グリコシル加水分解酵素ファミリーに属する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記グリコシル加水分解酵素が、配列番号1と少なくとも80%相同の配列を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が液体の形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記染料が、小分子染料、ポリマー染料、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、少なくとも一つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土を含む染料粘土共役体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記染料が、小分子染料、ポリマー染料、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、少なくとも一つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土を含む染料粘土共役体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記小分子染料が、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドバイオレット49、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90及びアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記ポリマー染料が、共役色原体を含有するポリマー、ポリマーの骨格に共重合した色原体を有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土とを含む染料粘土共役体から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記小分子染料が、べーシックバイオレット1、べーシックバイオレット3、べーシックバイオレット4、べーシックバイオレット10、べーシックバイオレット35、べーシックブルー3、べーシックブルー16、べーシックブルー22、べーシックブルー47、べーシックブルー66、べーシックブルー75、べーシックブルー159、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記色調剤が、アルコキシル化トリフェニルメタン及び/又はアルコキシル化チオフェンポリマー着色料を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−511099(P2011−511099A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541121(P2010−541121)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055469
【国際公開番号】WO2009/087524
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】