説明

酸分泌を阻害するために有用な薬学的製剤ならびにその製造方法および使用方法

本発明は、少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤および少なくとも1種の制酸剤を含み、改善された生物学的利用能、化学的安定性、物理的安定性、溶解プロフィール、崩壊時間、安全性、ならびに改善された他の薬物動態学的、薬力学的、化学的および/または物理的な特性を有する薬学的製剤に関する。本発明は、その必要がある対象における胃腸の障害もしくは疾患、または胃腸の障害もしくは疾患に付随するか、もしくはそれに関連する徴候を、処置、予防またはそれを発症するリスクを減少するための方法、キット、組み合わせ、および組成物に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害因子および少なくとも1種の制酸剤を含み、生物学的利用能、化学的安定性、物理的安定性、溶解プロフィール、崩壊時間、安全性を改善し、ならびに他の薬物動態学的、薬力学的、化学的および/または物理的な特性を改善した、固体経口投薬型の薬学的製剤に関する。少なくとも1種のプロトンポンプ阻害因子および約5mEq〜約11mEqの制酸剤を含み、11mEqより高い制酸剤を含む同様の組み合わせに対して、同様の生物学的利用能、化学的安定性、物理的安定性、溶解プロフィール、崩壊時間、安全性、ならびに他の薬物動態学的、薬力学的、化学的および/または物理的な特性を有する、薬学的製剤もまた、本明細書に記載される。
【0002】
本発明は、その必要がある対象における胃腸の障害もしくは疾患、または胃腸の障害もしくは疾患に付随するか、もしくはそれに関連する徴候を、処置、予防またはそれを発症するリスクを減少するための方法、キット、組み合わせ、および組成物に向けられる。
【0003】
本発明は、この内容が参照により本明細書に完全に組み入れられる、2004年5月25日に出願された米国仮出願番号第60/574,646号、および2004年5月25日に出願された米国仮出願番号第60/574,663号の恩典を、米国特許法第119条(e)の下で主張する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
消化の際に、大部分の酸不安定薬学的化合物は、それらの薬学的活性を維持するために、胃酸分泌との接触から保護されなければならない。これを達成するために、腸溶コーティングを有する組成物が、胃の酸性環境よりはむしろ、小腸(十二指腸)の近位領域で薬物が放出されることを確実にするために、中性pHで溶解するように設計されてきた。しかし、これらの腸溶性コートされた組成物のpH依存的な属性および保持時間の不確実性に起因して、インビボでの性能ならびに対象間と対象内の両方での変動性が、薬物の制御放出のために腸溶性コートされた系を使用することのすべての主要な失敗である
【0005】
加えて、Phillipsらは、非腸溶性コートされていない薬学的組成物を記載している。薬学的に活性な成分の胃への直接的な放出を可能にするこれらの組成物は、プロトンポンプ阻害剤のような酸不安定性医用薬剤とともに1種または複数の制酸剤の投与を含む。この制酸剤は、pHを上昇させることによって、胃の酸性環境中での酸不安定性医用薬剤の実質的な分解を妨害すると考えられている。例えば、米国特許第5,840,737号(特許文献1)および同第6,489,346号(特許文献2)を参照されたい。
【0006】
腸溶性コートされた投薬型として投与される酸不安定性薬学的化合物の1つのクラスは、プロトンポンプ阻害因子である。例示的なプロトンポンプ阻害剤には以下が含まれる:オメプラゾール(omeprazole)(Prilosec(登録商標))、ランソプラゾール(lansoprazole)(Prevacid(登録商標))、エソメプラゾール(esomeprazole)(Nexium(登録商標))、ラベプラゾール(rabeprazole)(Aciphex(登録商標))、パントプラゾール(pantoprazole)(Protonix(登録商標))、パリプラゾール(pariprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、およびレミノプラゾール(leminoprazole)。このクラスの薬物は、胃腸の壁細胞の分泌表面において、H+/K+-ATPase酵素系(プロトンポンプ)の特異的阻害によって胃腸の酸の分泌を抑制する。大部分のプロトンポンプ阻害剤が酸分解に対して感受性であり、このようにして、pHが酸性レベルまで低下したときに迅速に分解される。それゆえに、これらの製剤化された製品の腸溶性コーティングが破壊されるならば(例えば、化合物液体への粉砕、またはカプセルもしくは錠剤を噛むこと)、または制酸剤が胃腸のpHを十分に中和することに失敗するならば、薬物は、胃の中の胃腸酸による分解にさらされる。
【0007】
オメプラゾールは、置換二環式アリール-イミダゾール、5-メトキシ-2-[(4-メトキシ-3,5-ジメチル-2-ピリジニル)メチル]スルフィニル]-1H-ベンズイミダゾールであり、胃腸酸分泌を阻害するプロトンポンプ阻害剤の1つの例である。Lovgrenらへの米国特許第4,786,505号(特許文献3)は、薬学的な経口固体投薬型のオメプラゾールが、その薬学的活性を維持するために腸溶性コーティングによって酸性の胃腸液との接触から保護されなくてはならないことを教示し、およびコア材料と腸溶性コーティングの間の1つまたは複数のサブコートを含む腸溶性コートされたオメプラゾール調製物を記載している。
【0008】
プロトンポンプ阻害剤は、代表的には、活発な十二指腸潰瘍、胃腸潰瘍、胃食道逆流性疾患(GERD)、重篤なびらん性食道炎、低反応性の症候性GERD、および病的胃腸過分泌性疾患、例えば、ゾリンジャー エリソン症候群の短期的な処置のために処方される。これらの上記に列挙した状態は、すべての年齢の健康なまたは重篤な病気の患者において一般的に上昇し、上部胃腸出血が付随する可能性がある。
【0009】
オメプラゾール、ランソプラゾール(lansoprazole)および他のプロトンポンプ阻害因子は、胃腸の酸分泌のための最終的な一般的経路である、壁細胞のH+/K+-ATPaseを阻害することによって胃腸の酸産生を減少すると考えられている。例えば、以下を参照されたい:Fellenius et al., Substituted Benzimidazoles Inhibit Gastrointestinal Acid Secretion by Blocking H+/K+-ATPase, Nature, 290: 159-161 (1981)(非特許文献1); Wallmark et al., The Relationship Between Gastrointestinal Acid Secretion and Gastrointestinal H+/K+-ATPase Activity, J. Biol. Chem., 260: 13681-13684 (1985)(非特許文献2);およびFryklund et al., Function and Structure of Parietal Cells After H+/K+-ATPase Blockade, Am. J. Physiol., 254 (1988)(非特許文献3)。
【0010】
プロトンポンプ阻害剤は、血液から壁細胞に到達する弱塩基として作用する能力を有し、分泌細管に拡散する。そこで薬物はプロトン化され、それによってトラップされる。次いで、プロトン化された化合物は、スルフェンアミドを形成するように再配列され得、これは、膜貫通型H+/K+-ATPaseの細胞外(管腔)ドメインにおける決定的な部位においてスルフヒドリル基と共有結合的に相互作用することができる。例えば、Hardman et al., Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 907 (9th ed. 1996)(非特許文献4)を参照されたい。このようにして、プロトンポンプ阻害剤は、効果的であるために活性化されなければならないプロドラッグである。プロトンポンプ阻害因子の効果の特異性はまた以下に依存する:(a)H+/K+-ATPaseの選択的分布;(b)反応性阻害剤の生成を触媒するための酸性条件の必要性;および(c)酸性細管中にありかつ標的酵素に隣接するプロトン化薬物およびカチオン性スルフェンアミドのトラッピング。例えば、Hardman et al.(非特許文献4)を参照されたい。
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,840,737号
【特許文献2】米国特許第6,489,346号
【特許文献3】米国特許第4,786,505号
【非特許文献1】Fellenius et al., Substituted Benzimidazoles Inhibit Gastrointestinal Acid Secretion by Blocking H+/K+-ATPase, Nature, 290: 159-161 (1981)
【非特許文献2】Wallmark et al., The Relationship Between Gastrointestinal Acid Secretion and Gastrointestinal H+/K+-ATPase Activity, J. Biol. Chem., 260: 13681-13684 (1985)
【非特許文献3】Fryklund et al., Function and Structure of Parietal Cells After H+/K+-ATPase Blockade, Am. J Physiol., 254 (1988)
【非特許文献4】Hardman et al., Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 907 (9th ed. 1996)
【発明の開示】
【0012】
本発明は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)胃のpHを、胃液中の少なくともいくつかのプロトンポンプ阻害剤の酸分解を妨害するpHまで増加させるために十分である少なくとも1種の制酸剤を含む固体経口投薬型の薬学的製剤に向けられ、ここで、患者への経口投与に際して、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後約75分以内に得られる。代替的な態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。ある態様において、固体経口投薬型はカプセルである。他の態様において、固体経口投薬型はカプレットである。
【0013】
1つの態様において、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;(b)胃液のpHを、胃液中の少なくともいくつかのプロトンポンプ阻害剤の酸分解を妨害するpHまで増加させるために十分な量の炭酸水素ナトリウム;(c)約3%未満の崩壊剤を含み、ここで、患者への経口投与に際して、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後約75分以内に得られる、固体経口投薬型薬学的製剤が記載される。他の態様において、この薬学的製剤は、約2%未満または約1%未満の崩壊剤を含む。代替的な態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。ある態様において、固体経口投薬型はカプセルである。他の態様において、固体経口投薬型はカプレットである。
【0014】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;および(b)胃液のpHを、胃液中の少なくともいくつかのプロトンポンプ阻害剤の酸分解を妨害するpHまで増加させるために十分な量の少なくとも1種の制酸剤を含み、ここで、結合剤を含まず;患者への経口投与に際して:治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが投与後約75分以内に得られる、固体経口投薬型の安定な薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。ある態様において、制酸剤は約5mEqより多い量で存在する。他の態様において、制酸剤は、約5mEq〜約30mEq、または約5mEq〜約20mEq、または約8mEq〜約15mEq、または約10mEq〜約15mEqの量で存在する。なお他の態様において、制酸剤は、約5mEq、または約6mEq、または約7mEq、または約8mEq、または約9mEq、または約10mEq、または約11mEq、または約12mEq、または約13mEq、または約14mEq、または約15mEq、または約16mEq、または約17mEq、または約18mEq、または約19mEq、または約20mEq、または約22.5mEq、または約25mEq、または約27mEq、または約30mEq、または約35mEqの量で存在する。ある態様において、固体経口投薬型はカプセルである。他の態様において、固体経口投薬型はカプレットである。
【0015】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;(b)少なくとも2種の異なる制酸剤の組み合わせである、少なくとも約5mEqの制酸剤;および(c)約3%〜約11%の間の崩壊剤を含み、ここで、患者への経口投与に際して:治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが約75分以内に得られる、固体経口投薬型の安定な薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。ある態様において、この薬学的製剤は、約4%〜約8%の崩壊剤を含む。他の態様において、薬学的製剤は、約5%〜約7%の崩壊剤を含む。代替的な態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。ある態様において、固体経口投薬型はカプセルである。他の態様において、固体経口投薬型はカプレットである。
【0016】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;(b)約5〜約15mEqの炭酸水素ナトリウム、および(c)約3%未満の崩壊剤を含み、ここで、患者への経口投与に際して、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが約75分以内に得られる、単一カプセル投薬型の安定な薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。ある態様において、この薬学的製剤は、約8mEq〜約15mEqの炭酸水素ナトリウムを含む。他の態様において、この薬学的製剤は、約10mEq〜約15mEqの炭酸水素ナトリウムを含む。なお他の態様において、この薬学的製剤は、約13mEqの炭酸水素ナトリウムを含む。さらに他の態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。
【0017】
(a)オメプラゾールまたはその塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、もしくはプロドラッグ、(b)少なくとも約5mEqの炭酸水素ナトリウム、および(c)約3%未満の崩壊剤を含み、ここで、結合剤を含まず;および患者への経口投与に際して:治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが投与後約75分以内に得られる固体経口投薬型の安定な薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。ある態様において、この薬学的製剤は、約5mEq〜約20mEqの間、または約5mEq〜約15mEqの間、または約10mEq〜約15mEqの間の炭酸水素ナトリウムを含む。他の態様において、この薬学的製剤は、約2%未満の炭酸水素ナトリウムを含む。なお他の態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。ある態様において、固体経口投薬型はカプセルである。他の態様において、固体経口投薬型はカプレットである。
【0018】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;(b)水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、および炭酸カルシウムから選択される、約5〜約30mEqの制酸剤を含み、患者への経口投与に際して:治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが投与後約75分以内に得られる、単一カプセル投薬型の安定な薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。他の態様において、プロトンポンプ阻害剤のTmaxは、投与後、約60分以内、または約45分以内、または約30分以内に得られる。
【0019】
崩壊剤の重量%が、結合剤の重量%と少なくとも同じ量である、固体経口投薬型の薬学的製剤もまた、本明細書で提供される。ある態様において、この薬学的製剤は実質的に結合剤を含まない。他の態様において、この固体経口投薬型は錠剤(例えば、カプレット)であり、結合剤は、約20重量%未満、または約10重量%未満、または約5重量%未満の量で存在する。他の態様において、この固体経口投薬型はカプセルであり、結合剤は約0重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0020】
本発明は、経口投与および対象による消化のための、プロトンポンプ阻害因子および約5mEq〜約11mRqの制酸剤を含む薬学的製剤を提供する。
【0021】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、ここで、対象への経口投与に際して、プロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能が少なくとも25%であり、プロトンポンプ阻害剤の最大血清濃度が投与後約75分以内に得られる、薬学的製剤が含まれる。他の態様において、最大血清濃度は、薬学的製剤の投与後、約60分以内、または約50分以内、または約40分以内、または約30分以内、または約20分以内に得られる。なお他の態様において、プロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能は、約25%〜約60%、または約30%〜約50%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%である。
【0022】
薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、ここで、この薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約11mEqよりも多い制酸剤を含む薬学的製剤と生物学的に同等である。ある態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、11mEqよりも多い制酸剤とともに投与されたときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±15%以内である。他の態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、11mEqよりも多い制酸剤とともに投与されたときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±10%以内である。なお他の態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、11mEqよりも多い制酸剤とともに投与されたときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±5%以内である。
【0023】
薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、ここで、この薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)15mEqよりも多い制酸剤を含む薬学的製剤と生物学的に同等である。ある態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、15mEqよりも多い制酸剤とともに投与されたときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±15%以内、または約±10%以内、または約±5%以内である。
【0024】
薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、ここで、この薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)20mEqよりも多い制酸剤を含む薬学的製剤と生物学的に同等である。ある態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、20mEqよりも多い制酸剤とともに投与されたときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±15%以内、または約±10%以内、または約±5%以内である。
【0025】
薬学的製剤は、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、ここで、この薬学的製剤は、プロトンポンプ阻害剤産物と生物学的に同等である。ある態様において、この薬学的製剤は、Priolosec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、 Protonic(登録商標)、およびAciphex(登録商標)に対して生物学的に同等である。他の態様において、薬学的製剤についてのプロトンポンプ阻害剤の最大濃度は、プロトンポンプ阻害剤生成物についての最大濃度(Cmax)の約80%および約120%以内である。ある態様において、薬学的製剤についてのプロトンポンプ阻害剤の最大濃度は、この薬学的製剤およびプロトンポンプ阻害剤産物が同じ患者に投与されるときに、プロトンポンプ阻害剤産物についての最大濃度(Cmax)の約80%および120%以内である。
【0026】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含む薬学的製剤が本明細書で提供され、ここで、対象への経口投与に際して、この薬学的組成物は、腸溶性型のプロトンポンプ阻害剤が制酸剤なしで送達されるときに、プロトンポンプ阻害剤の血清濃度時間曲線下面積(AUC)を有する。ある態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、腸溶型のプロトンポンプ阻害剤が制酸剤なしで送達されるときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±20%以内である。なお他の態様において、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積は、腸溶型のプロトンポンプ阻害剤が制酸剤なしで送達されるときに、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積の約±15%以内、または約±10%以内、または約±5%以内である。
【0027】
治療用量のプロトンポンプ阻害剤が、単一のカプセル、錠剤、またはカプレットとして送達される、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含む薬学的製剤が本明細書で提供される。
【0028】
患者への経口投与の際に:治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され;制酸剤が、Fuchs動力学インビトロpHモデルのようなシミュレートされた胃のモデルによって約30分以内に少なくとも約3.5まで胃のpHを増加させ;かつプロトンポンプ阻害剤の最大濃度が約75分以内に得られる、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含む薬学的製剤もまた本明細書で提供される。ある態様において、制酸剤は、約30分間未満で、または約25分間未満で、または約20分間未満で、または15分間未満で、または10分間未満で、胃のpHを少なくとも約3.5まで増加させる。他の態様において、プロトンポンプ阻害剤の最大濃度は、約60分以内に得られる。
【0029】
約5mg〜約200mgのプロトンポンプ阻害剤を含む、(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤、および(b)約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含む薬学的製剤が本明細書で提供される。他の態様において、この薬学的製剤は、約10mg、または約20mg、または約30mg、または約40mg、または約50mg、または約60mg、または約80mg、または約120mgのプロトンポンプ阻害剤を含む。なお他の態様において、この薬学的製剤は、約5mEq、または約6mEq、または約7mEq、または約8mEq、または約9mEq、または約10mEq、または約11mEqの制酸剤を含む。
【0030】
組成物は、プロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度が、製剤の投与の約30分以内の任意の時点で、約100ng/mlより高いように提供される。プロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度は、約15分以内の任意の時点で、約100ng/mlより高くあり得る。プロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度は、投与の約1時間以内の任意の時点で、約200ng/mlよりも高くあり得、投与の約45分間以内の任意の時点で約300ng/mlよりも高くあり得る。
【0031】
組成物は、約100ng/mlより高い血清濃度が、組成物の投与後少なくとも約30分間〜約1時間維持され得るように提供される。組成物は、約100ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の血清濃度が、投与後少なくとも約15分間〜約30分間維持され得るように提供される。組成物は、約100ng/mlより高い血清濃度が、投与後少なくとも約30分間〜約45分間維持され得るように提供される。組成物は、約250ng/mlより高い血清濃度が、投与後少なくとも約30分間〜約1時間維持され得るように提供される。組成物は、約250ng/mlより高い血清濃度が、投与後少なくとも約30分間〜約45分間維持され得るように提供される。組成物は、約250ng/mlより高い血清濃度が、投与後少なくとも約15分間〜約30分間維持され得るように提供される。
【0032】
本発明の組成物は、投与後約15分間〜約1時間で、約150ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の血清濃度を維持するための量で投与され得る。本発明の組成物は、投与後約15分間〜約1.5時間で、約150ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の血清濃度を維持するための量で投与され得る。本発明の組成物は、投与後約15分間〜約1.5時間で、約100ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の血清濃度を維持するための量で投与され得る。本発明の組成物は、投与後約15分間〜約30分間で、約150ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の血清濃度を維持するための量で投与され得る。
【0033】
本発明の組成物は、投与後約5分間〜約30分間の任意の時点で、約150ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度を達成するための量で投与され得る。本発明の組成物は、投与後約30分以内の任意の時点で、約150ng/mlより高いプロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度を達成するための量で投与され得る。
【0034】
対象への経口投与の際に、プロトンポンプ阻害剤についての全血清濃度時間曲線下面積(AUC)の少なくとも約50%が、対象への組成物の単回用量の投与後約2時間以内に存在するような薬物動態プロフィールを提供する、組成物が提供される。対象への経口投与の際に、最初の2時間以内のプロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積(AUC)が、全面積の少なくとも約60%である、組成物が提供される。最初の2時間以内のプロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積(AUC)が、全面積の少なくとも約70%である、組成物が提供される。
【0035】
プロトンポンプ阻害剤についての全血清濃度時間曲線下面積(AUC)の少なくとも約50%が、対象への組成物の単回用量の投与後約1.75時間以内に存在する、組成物が提供される。プロトンポンプ阻害剤についての全血清濃度時間曲線下面積(AUC)の少なくとも約50%が、対象への組成物の単回用量の投与後約1.5時間以内に存在する、組成物が提供される。プロトンポンプ阻害剤についての全血清濃度時間曲線下面積(AUC)の少なくとも約50%が、対象への組成物の単回用量の投与後約1時間以内に存在する、組成物が提供される。
【0036】
対象への経口投与の際に、プロトンポンプ阻害剤が、薬学的製剤の単回用量の投与後約75分以内に最大血清濃度に到達するような薬物動態プロフィールを提供する、組成物および方法が提供される。なお他の態様において、最大血清濃度には、薬学的製剤の投与後約60分以内、またはその投与後約45分以内に到達する。なお他の態様において、最大血清濃度には、薬学的製剤の投与後約30分以内に到達する。
【0037】
十二指腸潰瘍疾患、胃潰瘍疾患、胃食道逆流性疾患、びらん性食道炎、低反応性の症候性胃食道逆流性疾患、病的胃腸過分泌性疾患、ゾリンジャー エリソン症候群、胸やけ、食道障害、および多酸性消化不良を含むがこれらに限定されない胃酸関連障害を処置するための方法が提供される。プロトンポンプ阻害剤が胃酸関連障害の発症を処置する方法が提供される。
【0038】
ある態様において、プロトンポンプ阻害剤は、置換二環式アリールイミダゾールである。他の態様において、このプロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、ヒドロキシオメプラゾール、エソメプラゾール 、テナトプラゾール、ランソプラゾール(lansoprazole) 、パントプラゾール、ラベプラゾール、ドントプラゾール(dontoprazole)、ハベプラゾール(habeprazole)、パープラゾール(perprazole)、ランソプラゾール(ransoprazole)、パリプラゾール、レミノプラゾール; またはそれらの遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、もしくはプロドラッグからなる群より選択される。なお他の態様において、プロトンポンプ阻害剤は、ランソプラゾール(lansoprazole)、テナトプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールおよびパントプラゾール、またはそれらの遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、もしくはプロドラッグからなる群より選択される。
【0039】
本発明の薬学的製剤は、例えば、約5mg〜約200mgのプロトンポンプ阻害剤を含む。種々の態様において、この薬学的製剤は、約10mg、または約15mg、または約20mg、または約40mg、または約60mg、または約120mgのプロトンポンプ阻害剤を含んでもよい。
【0040】
本発明の種々の態様において、制酸剤は、IA族金属の炭酸水素塩、IA族金属の炭酸塩から選択される、アルカリ金属塩またはIA族金属である。他の態様において制酸剤は以下であり得るがこれらに限定されない:アミノ酸、アミノ酸のアルカリ金属塩、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム/炭酸マグネシウム/炭酸カルシウムの共沈殿、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム共沈殿、水酸化アルミニウム/炭酸水素ナトリウム共沈殿、グリシン酸アルミニウム、酢酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、フタル酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酒石酸カルシウム、第二リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、L-アルギニン、酢酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、アルミン酸メタケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フタル酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸カリウム、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、フタル酸カリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、合成ヒドロタルサイト、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、トロメタモール(trometamol)、Effesoda(登録商標)(炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの混合物)およびこれらの混合物。なお他の態様において、制酸剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、Effesoda(登録商標)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、およびこれらの混合物であり得る。ある態様において、組成物は、スクラルフェートを実質的に含まない。他の態様において、組成物は、アミノ酸緩衝剤を含まない。なお他の態様において、組成物は、2種以上の制酸剤の組み合わせであり、ここで、少なくとも2種の制酸剤がアミノ酸ではない。
【0041】
本発明の薬学的製剤は、様々な量の制酸剤を含んでもよい。例えば、ある態様において、この薬学的製剤は、約100〜3000mgの制酸剤を含む。他の態様において、この薬学的製剤は、約400〜約1300mgの制酸剤を含む。なお他の態様において、この薬学的製剤は、約5mEq〜約30mEq、または約8mEq〜約20mEq、または約10mEq〜約15mEqの制酸剤を含む。さらなる態様において、この薬学的製剤は、約13mEqの制酸剤を含む。
【0042】
本発明の薬学的製剤は、錠剤(懸濁液錠剤、チュアブル錠剤、迅速溶解錠剤、咬合崩壊錠剤(bite-disintegration tablet)、急速崩壊錠剤、発泡性錠剤、またはカプレットを含む)、丸薬、粉剤(滅菌パッケージされた粉剤、分配可能な粉剤、または発泡性粉剤)、カプセル(ソフトまたはハードの両方のカプセル、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル)、ロゼンジ、サシェ剤、トローチ剤、ペレット剤、顆粒剤、またはエアロゾルの形態であってもよい。ある態様において、この薬学的製剤は、懸濁のための粉末の形態である。他の態様において、この薬学的製剤は、チュアブル錠剤を含むがこれに限定されない錠剤の形態である。加えて、本発明の薬学的製剤は、単一のカプセルとして、または複数のカプセルの投薬形態で投与されてもよい。ある態様において、この薬学的製剤は、2つ、または3つ、または4つのカプセルで投与される。
【0043】
本発明の種々の態様において、プロトンポンプ阻害剤は、薬学的製剤の有効期間を増強する物質とともにマイクロカプセル化されてもよい。ある態様において、薬学的製剤の有効期間を増強する物質は、以下からなる群より選択される:セルロースヒドロキシプロピルエーテル;低置換ヒドロキシプロピルエーテル;セルロースヒドロキシプロピルメチルエーテル;メチルセルロースポリマー;エチルセルロースおよびその混合物;ポリビニルアルコール;ヒドロキシエチルセルロース;カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースの塩;ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマー;モノグリセリド;トリグリセリド:ポリエチレングリコール、修飾食物デンプン、アクリルポリマー;セルロースエーテルとのアクリルポリマーの混合物;酢酸フタル酸セルロース;セピフィルム(sepifilms)、シクロデキストリン;ならびにこれらの混合物。他の態様において、薬学的製剤の有効期間を増強する物質は、抗酸化剤、炭酸水素ナトリウム、または可塑剤をさらに含む。
【0044】
種々の態様において、本発明の薬学的製剤は、壁細胞細胞活性化剤、有機溶媒、浸食促進剤、矯味矯臭剤、甘味剤、拡散促進剤、抗酸化剤、ならびに結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、溶解剤、安定剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤、抗付着剤、および消泡剤から選択されるキャリア物質、からなる群より選択されるさらなる賦形剤をさらに含む。
【0045】
発明の詳細な説明
本発明は、酸不安定性プロトンポンプ阻害剤を用いる処置が指示される場合の、状態または障害を処置するための方法、キット、組み合わせ、および組成物に向けられる。その必要がある対象における胃腸の障害もしくは疾患、または胃腸の障害もしくは疾患に付随するか、もしくはそれに関連する徴候を、処置、予防またはそれを発症するリスクを減少するための方法、キット、組み合わせ、および組成物もまた提供される。
【0046】
本発明は多くの異なる形態で具体化されてもよいが、いくつかの特定の態様が、本開示は本発明の原理の例示としてのみ見なされ、本発明を例証される態様に限定することを意図しないという理解を伴って本明細書で議論される。例えば、本発明が、オメプラゾール、ヒドロキシオメプラゾール、エソメプラゾール、テナトプラゾール、ランソプラゾール(lansoprazole)、パントプラゾール、ラベプラゾール、ドントプラゾール、ハベプラゾール、ペリプラゾール(periprazole)、ランソプラゾール(ransoplazole)、パリプラゾール、またはレミノプラゾールに対する特定の参照を伴って例証される場合、望ましい場合、本明細書に記載される方法、キット、組み合わせ、および組成物において、任意の他のプロトンポンプ阻害因子が、全体としてまたは部分的に、このような薬剤の代わりに置換され得ることが理解される。
【0047】
本発明およびその好ましい態様の理解をより容易にするために、本明細書で使用される用語の意味は、種々の用語の一般的な用法を考慮して、本明細書の文脈から明らかになり、かつ他の用語の明確な定義は、以下の用語集または次の説明において提供される。
【0048】
用語集
本明細書で使用されるように、「含む」、「包含する」、および「〜のような」という用語は、それらの開放的な非限定的な意味で使用される。
【0049】
「約」という用語は、「およそ」という用語と同義語的に使用される。当業者が理解するように、「約」の正確な境界は、組成物の成分に依存する。例としては、「約」という用語の使用は、引用された値のわずかに外側の値、すなわち、プラスまたはマイナス0.1%〜10%を意味し、これはまた、有効かつ安全である。
【0050】
「酸不安定性医用薬剤」という語句は、酸触媒分解の影響を受けやすい任意の薬学的に活性な薬物対象をいう。
【0051】
「抗付着剤」「流動促進剤」または「抗接着」剤は、製剤の成分が凝集または固着することを防止し、および物質の流動特性を改善する。このような化合物には、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、例えば、Cab-o-sil(登録商標);リン酸三塩基カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、カオリン、および微粉化アモルファス二酸化ケイ素(Syloid(登録商標))などが含まれる。
【0052】
「消泡剤」は、水性分散物の凝固、完成したフィルム中の泡、または一般的には加工の失敗を生じ得る、加工の間の泡形成を減少する。例示的な消泡剤には、ケイ素乳濁液またはソルビタンセスキオレイン酸が含まれる。
【0053】
「抗酸化剤」には、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、およびトコフェロールが含まれる。
【0054】
「結合剤」は、付着性の性質を付与し、これには、例えば以下が含まれる:アルギン酸およびその塩;セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、および微晶質セルロース(例えば、Avicel(登録商標));微晶質デキストロース;アミロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;ポリサッカリド酸;ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルポリピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;プレゼラチン化デンプン;トラガカント、デキストリン、糖、例えば、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))および乳糖;天然または合成のガム、例えば、アカシア、トラガカント、ガッチ(ghatti)ガム、イサポールハスク(isapol husk)の粘液、ポリビニルピロリドン(例えば、Polyvidon(登録商標) CL、Kollidon(登録商標) CL、Polyplasdone(登録商標) XL-10)、カラマツアラビノガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなど。
【0055】
「生物学的利用能」は、活性部分、例えば、薬物、プロドラッグ、または代謝産物が、一般的な循環に吸収され、身体中の薬物作用の部位において利用可能になる程度をいう。従って、IVを通して投与されるプロトンポンプ阻害剤が100%生物学的利用可能である。「経口生物学的利用能」は、薬学的組成物が経口的に摂取され、プロトンポンプ阻害剤(または他の活性部分)が一般的な循環に吸収され、身体の薬物作用の部位において利用可能になる程度をいう。
【0056】
「生物学的同等性」または「生物学的に同等」は、血清濃度時間曲線下面積(AUC)およびピーク血清濃度(Cmax)が、各々80%および120%以内であることを意味する。
【0057】
「キャリア物質」は、薬剤学における任意の一般的に使用される賦形剤を含み、プロトンポンプ阻害剤との適合性および所望の投薬型の放出プロフィール特性に基づいて選択されるべきである。例示的なキャリア物質には、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、溶解剤、安定剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤などが含まれる。「薬学的に適合性であるキャリア物質」は、例えば、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、ダイズレシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイルラクチル酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、プレゼラチン化デンプンなどを含んでもよい。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkinsl999)を参照されたい。
【0058】
「形質記録」は、例えば、芳香、基本の味、および感覚的な因子を含む。形質記録の強度は、0-なし、1-軽度、2-中等度、および3-強度から等級付けすることができる。
【0059】
「誘導体」は、原子、分子または基の、別の適切な原子、分子または基による置き換えまたは置換によって、類似の構造の別の化合物から製造される化合物である。例えば、化合物の1つまたは複数の水素原子を、1つまたは複数のアルキル基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ハロ基、ハロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル(cycloaolkyl)基、ヘテロシクロアルキル基、またはヘテロアルキル基によって置換して、その化合物の誘導体を産生してもよい。
【0060】
「拡散促進剤」および「分散剤」には、コーティングを通して水溶液の拡散を制御する物質が含まれる。例示的な拡散促進剤/分散剤には、親水性ポリマー、電解質、Tween(登録商標)60または80、PEGなどが含まれる。1つまたは複数の拡散促進剤と1つまたは複数の浸食促進剤の組み合わせもまた、本発明において使用され得る。
【0061】
「希釈剤」は、組成物のかさを増大して圧縮を容易にする。このような化合物には、例えば、ラクトース;デンプン;マンニトール;ソルビトール;デキストロース;Avicel(登録商標)などの微晶質セルロース、リン酸二塩基カルシウム、;リン酸二カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム;リン酸カルシウム;無水ラクトース;噴霧乾燥したラクトース;プレゼラチン化デンプン;Di-Pac(登録商標)(Amstar)などの圧縮可能な糖;マンニトール;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;スクロースベースの希釈剤;菓子製造用の糖類;第一リン酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;炭酸カルシウム;グリシン;カオリン;マンニトール;塩化ナトリウム;イノシトール;ベントナイトなどが含まれる。
【0062】
「崩壊する」という用語には、胃腸液と接触したときの、投薬形態の溶解と分散の両方が含まれる。
【0063】
「崩壊剤」は、物質の分解または崩壊を容易にする。崩壊剤の例には以下が含まれる:デンプン、例えば、トウモロコシデンプンもしくはジャガイモデンプンのような天然のデンプン、National 1551もしくはAmijel(登録商標)のようなプレゼラチン化デンプン、またはPromogel(登録商標)またはExplotab(登録商標)のようなデンプングリコール酸ナトリウム;木製品のようなセルロース、微晶質セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、およびSolka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロースのような架橋セルロース;デンプングリコール酸ナトリウムのような架橋デンプン;クロスポビドンのような架橋ポリマー;架橋ポリビニルピロリドン;アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸またはアルギン酸塩などのアルギネート;Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム);寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガカントなどのガム;グリコール酸デンプンナトリウム;ベントナイト;天然の海綿;界面活性剤;カチオン交換樹脂などの樹脂;シトラスパルプ;ラウリル硫酸ナトリウム;デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなど。
【0064】
「薬物吸収」または「吸収」は、全身の循環に向かう薬物の投与の部位から、例えば、対象の血流への移動のプロセスをいう。
【0065】
「腸溶性コーティング」は、胃の中で実質的に無傷なままであるが、一旦小腸に到達すると薬物を放出する物質である。一般的に、腸溶性コーティングは、胃の低pH環境においては放出を妨害するが、わずかにより高いpH、通常pH4または5においてはイオン化し、従って、小腸中では十分に溶解して、そこに活性剤を徐々に放出するポリマー材料を含む。
【0066】
「腸溶性型のプロトンポンプ阻害剤」は、少なくともある程度の薬物が、胃の酸性環境よりもむしろ、小腸の近位領域(十二指腸)で放出されることを保証するために、ある程度または大部分のプロトンポンプ阻害剤が腸溶性コートされていることを意味することを意図する。
【0067】
「浸食促進剤」は、胃腸液中で特定の物質の浸食を制御する物質を含む。浸食促進剤は、一般的に、当業者に公知である。例示的な浸食促進剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、およびアミノ酸が含まれる。
【0068】
「充填剤」には、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二塩基カルシウム、硫酸カルシウム、微晶質セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、プレゼラチン化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどのような化合物が含まれる。
【0069】
本発明の薬学的組成物において有用である「矯味矯臭剤」または「甘味料」には、例えば、以下が含まれる:アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、クロフサスグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、ショウノウ、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、シトラス、シトラスポンチ、シトラスクリーム、綿菓子、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、チクロ、シラマート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ジンジャー、グリシルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリチル酸一アンモニウム(MagnaSweet(商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、混合ベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、西洋ナシ、ピーチ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)粉末、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガロース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、ウィンターグリーン、キシリトール、またはこれらの矯味矯臭成分の任意の組み合わせ、例えば、アニス-メントール、チェリー-アニス、シナモン-オレンジ、チェリー-シナモン、チョコレート-ミント、ハチミツ-レモン、レモン-ライム、レモン-ミント、メントール-ユーカリ、オレンジ-クリーム、バニラ-ミント、およびこれらの混合物。
【0070】
「胃腸液」は、本発明の組成物の経口投与後の対象の胃分泌物または対象の唾液の液体、またはその同等物である。「胃分泌物の同等物」は、例えば、1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液または0.1N HCl水溶液のような、胃分泌物と類似の内容物および/またはpHを有するインビトロ液体を含む。
【0071】
「半減期」とは、血漿薬物濃度または量が、身体中で、その最大濃度の50%が減少するために必要とされる時間をいう。
【0072】
「滑沢剤」とは、物質の付着または摩擦を妨害、減少、または阻害する化合物である。例示的な滑沢剤には、例えば、以下が含まれる:ステアリン酸;水酸化カルシウム;タルク;フマル酸ステアリルナトリウム;鉱油のような炭化水素、または水素化ダイズ油(Sterotex(商標))のような水素化植物油;高級脂肪酸ならびにそれらのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、Carbowax(商標)などのポリエチレングリコールまたはメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、グリセリルベヘネート、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウムまたはナトリウム、Syloid(商標)などのコロイド状シリカ、Car-O-Sil(登録商標)、トウモロコシデンプンなどのデンプン、シリコーン油、界面活性剤など。
【0073】
「測定可能な血清濃度」または「測定可能な血漿濃度」は、投与後に血流に吸収される治療剤の、代表的には、ml、dl、またはlの血清あたりのmg、μg、またはngの治療剤として測定される、血清または血漿の濃度を記載する。当業者は、プロトンポンプ阻害剤または運動促進剤の血清濃度または血漿濃度を測定することが可能である。例えば、Gonzalez H. et al., J. Chromatogr. B. Analyt. Technol. Biomed. Life Sci., vol. 780, pp459-65, (Nov. 25, 2002)を参照されたい。
【0074】
「壁細胞活性剤」または「活性剤」は、壁細胞を刺激し、かつプロトンポンプ阻害剤の薬学的な活性化を増強する。壁細胞活性化剤には、例えば、以下が含まれる:チョコレート;炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ物質;炭酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウムおよびグリセロリン酸カルシウムのようなカルシウム;ペパーミントオイル;スペアミントオイル;コーヒー;茶およびココア(たとえ脱カフェインしたものでも);カフェイン;テオフィリン;テオブロミン;アミノ酸(特に、フェニルアラニンおよびトリプトファンのような芳香族アミノ酸);ならびにこれらの組み合わせ。
【0075】
「薬力学」は、作用の部位における薬物の濃度と比較して観察される、生物学的応答を決定する因子に関係する。
【0076】
「薬物動態学」は、作用の部位における薬物の適切な濃度の到達および維持を決定する因子に関係する。
【0077】
「血漿濃度」とは、対象の血漿または血清中の物質の濃度をいう。治療剤の血漿濃度は、治療剤の代謝に関する変動性に起因して、対象間で非常に大きな倍数で変動する可能性があることが理解される。本発明の1つの局面に従って、プロトンポンプ阻害剤および/または運動促進剤の血漿濃度は、対象ごとに変化する可能性がある。同様に、最大血清濃度(Cmax)または最大血清濃度に達するまでの時間(Tmax)、または血清濃度時間曲線下面積(AUC)のような値は、対象ごとに変動する可能性がある。この変動性に起因して、プロトンポンプ阻害剤、運動促進剤、または他の治療剤の「治療有効量」を構成するために必要な量は、対象ごとに変動する可能性がある。平均血漿濃度が対象の集団について開示されている場合、これらの平均値は実質的な変動を含み得ることが理解される。
【0078】
「可塑剤」は、マイクロカプセル化材料またはフィルムコーティングを軟化させてそれらをより脆弱でなくするために使用される化合物である。適切な可塑剤には、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、およびPEG800のようなポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、およびトリアセチンが含まれる。
【0079】
「予防する」または「予防」は、胃酸関連障害の状況で使用される場合、何も発症していなかった場合、胃腸の障害もしくは疾患の発症がないこと、またはすでに胃腸の障害もしくは疾患の発症があった場合にはさらなる胃腸の障害もしくは疾患の発症がないことを意味する。胃腸の障害または疾患に付随するいくつかのまたはすべての徴候を予防するためのその能力もまた考慮される。
【0080】
「プロドラッグ」とは、身体中での代謝プロセスによる転換から薬理学的作用を生じる薬物または化合物をいう。プロドラッグは、一般的には、被験体への投与後および引き続く吸収後、代謝経路による転換などのいくつかのプロセスを介して活性な種、またはより活性な種に転換される薬物前駆体である。いくつかのプロドラッグは、それをより不活性にし、および/または薬物に対して溶解性もしくはいくつかの他の特性を付与する、プロドラッグ上に存在する化学基を有する。一旦化学基がプロドラッグから切断および/または修飾されると、活性薬物が生成される。プロドラッグは、部位特異的組織への薬物輸送を増強するための修飾因子としての使用のために、可逆的な薬物誘導体として設計されてもよい。今日までのプロドラッグの設計は、水が主要な溶媒である領域を標的とするために治療化合物の有効な水溶性を増大させるためであった。例えば、Fedorak et al., Am. J. Physiology, 269: G210-218 (1995); McLoed et al., Gastroenterol., 106: 405-413 (1994); Hochhaus et al., Biomed. Chrom., 6:283-286 (1992); J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987); J. Larsen et al., Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988); Sinkula et al., J. Pharm. Sci., 64:181-210 (1975); T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series;およびEdward B. Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987を参照されたい。
【0081】
「プロトンポンプ阻害剤製品」とは、販売されている製品をいう。プロトンポンプ阻害剤には、例えば、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、およびAciphex(登録商標)が含まれる。
【0082】
「血清濃度」とは、対象の血漿または血清中での治療剤などの物質の濃度をいう。治療剤の血清濃度は、治療剤の代謝に関する変動性に起因して、対象間で非常に大きな倍数で変動する可能性があることが理解される。本発明の1つの局面に従って、プロトンポンプ阻害剤および/または運動促進剤の血清濃度は、対象ごとに変化する可能性がある。同様に、最大血清濃度(Cmax)または最大血清濃度に達するまでの時間(Tmax)、または血清濃度時間曲線下面積(AUC)のような値は、対象ごとに変動する可能性がある。この変動性に起因して、プロトンポンプ阻害剤、運動促進剤、または他の治療剤の「治療有効量」を構成するために必要な量は、対象ごとに変動する可能性がある。平均血清濃度が対象の集団について開示されている場合、これらの平均値は実質的な変動を含み得ることが理解される。
【0083】
「溶解剤」には、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、グルタル酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのような化合物が含まれる。
【0084】
「安定剤」には、任意の抗酸化剤、緩衝剤、酸などのような化合物が含まれる。
【0085】
「懸濁剤」または「増粘剤」には、以下のような化合物が含まれる:ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30;ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコールは、約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有し得る;カルボキシメチルセルロースナトリウム;メチルセルロース;ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース;ポルソルベート-80;ヒドロキシエチルセルロース;アルギン酸ナトリウム;例えば、トラガカントガムおよびアカシアガム;グアーガム;キサンタンガムを含むキサンタンのようなガム;糖類;例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリソルベート-80;アルギン酸ナトリウム;ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート;ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート;ポビドンなど。
【0086】
「界面活性剤」には、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポラロキソマー、胆汁酸塩、グリセリルモノオレエート、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)のような化合物などが含まれる。
【0087】
「治療有効量」または「有効量」は、薬理学的な効果を達成するための医用薬剤の量である。「治療有効量」という用語には、例えば、予防有効量が含まれる。プロトンポンプ阻害剤の「有効量」は、過度の有害な副作用を伴うことなく、所望の薬理学的効果または治療的改善を達成するために有効な量である。例えば、プロトンポンプ阻害剤の有効量とは、酸分泌を減少するか、または胃腸液のpHを上昇させるか、または胃腸の出血を減少するか、または血液の輸血の必要性を減少するか、または生存率を改善するか、または胃酸関連障害からのより迅速な回復を提供する、プロトンポンプ阻害剤の量をいう。医用薬剤の有効量は、特定の患者および疾患のレベルに依存して、当業者によって選択される。「有効量」または「治療有効量」は、プロトンポンプ阻害剤および/または運動促進剤のような治療剤の代謝の変動、年齢、体重、対象の一般的状態、処置される状態、処置される状態の重篤度、および処方する医師の判断に起因して、対象ごとに変化し得ることが理解される。
【0088】
「芳香の全強度」は、芳香の強度の全体的な即時的表現であり、芳香族化合物と鼻の感覚刺激の両方を含む。
【0089】
「香味の全強度」は、芳香族化合物、基本の味および口の感覚刺激を含む、香味の強度の全体的な即時的表現である。
【0090】
「処置する」または「処置」は、胃酸関連障害の状況で使用される場合、胃腸障害に関連する障害または疾患の任意の処置、例えば、障害または疾患に対して素因がある可能性があるが、しかし、その障害または疾患を有するとまだ診断されていない対象において、障害または疾患が発症することを予防するか;疾患または障害を阻害、例えば、障害または疾患の発症を停止するか、障害または疾患を軽減し、障害または疾患の後退を引き起こすか、疾患または障害によって引き起こされる状態を軽減するか、あるいは疾患または障害の徴候を停止することをいう。従って、本明細書で使用されるように、「処置する」という用語は、「予防する」という用語と同義語的に使用される。
【0091】
「湿潤剤」には、オレイン酸、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノラウレート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが含まれる。
【0092】
プロトンポンプ阻害剤
「プロトンポンプ阻害剤」「PPI」および「プロトンポンプ阻害因子」は、H+/K+-ATPaseの阻害剤として薬理学的活性を有する任意の酸不安定な薬学的因子を説明するために交換可能に使用することができる。プロトンポンプ阻害剤は、所望される場合、遊離塩基、塩、エステル、水和物、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、プロドラッグまたは任意の他の薬理学的に適切な誘導体が治療的に活性である場合には、遊離塩基、遊離酸、塩、エステル、水和物、無水物、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、プロドラッグ、多形体、誘導体などの形態であってもよい。
【0093】
種々の態様において、プロトンポンプ阻害剤は、置換二環式アリールイミダゾールであり得、ここで、アリール基は、例えば、ピリジン基、フェニル基、またはピリミジン基であり得、イミダゾール環の4位および5位に結合される。置換二環式アリール-イミダゾールを含むプロトンポンプ阻害剤には、オメプラゾール、ヒドロキシオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール(lansoprazole)、パントプラゾール、ラベプラゾール、ドントプラゾール、ハベプラゾール、パープラゾール、テナトプラゾール、ランソプラゾール(ransoprazole)、パリプラゾール、レミノプラゾールまたはその遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、プロドラッグもしくは誘導体が含まれるがこれらに限定されない。例えば、The Merck Index, Merck & Co. Rahway, N.J. (2001)を参照されたい。
【0094】
他のプロトンポンプ阻害剤には以下が含まれるがこれらに限定されない:ソラプラザン(soraprazan)(Altana); イラプラゾール(ilaprazole)(米国特許第5,703,097号)(Il-Yang); AZD-0865 (AstraZeneca); YH-1885 (PCT公開 WO 96/05177)(SB-641257)(2-ピリミジンアミン,4-(3,4-ジヒドロ-1-メチル-2(1H)-イソキノリニル)-N-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジメチル-モノヒドロクロライド)(YuHan); BY-112 (Altana); SPI-447 (イミダゾ(1,2-a)チエノ(3,2-c)ピリジン-3-アミン,5-メチル-2-(2-メチル-3-チエニル)(Shinnippon); 3-ヒドロキシメチル-2-メチル-9-フェニル-7H-8,9-ジヒドロ-ピラノ(2,3-c)-イミダゾ(1,2-a)ピリジン(PCT公開 WO 95/27714)(AstraZeneca); Pharmaprojects No. 4950 (3-ヒドロキシメチル-2-メチル-9-フェニル-7H-8,9-ジヒドロ-ピラノ(2,3-c)-イミダゾ(1,2- a)ピリジン)(AstraZeneca、停止)WO 95/27714; Pharmaprojects No. 4891 (EP 700899)(Aventis); Pharmaprojects No. 4697 (PCT公開 WO 95/32959)(AstraZeneca); H-335/25 (AstraZeneca); T-330 (Saitama 335)(Pharmacological Research Lab); Pharmaprojects No. 3177 (Roche); BY-574 (Altana); Pharmaprojects No. 2870 (Pfizer); AU-1421 (EP 264883)(Merck); AU-2064 (Merck); AY-28200 (Wyeth); Pharmaprojects No. 2126 (Aventis); WY-26769 (Wyeth); プマプラゾール(pumaprazole)(PCT公開 WO 96/05199)(Altana); YH-1238 (YuHan); Pharmaprojects No. 5648 (PCT公開 WO 97/32854)(Dainippon); BY-686 (Altana); YM-020 (Yamanouchi); GYKI-34655 (Ivax); FPL-65372 (Aventis); Pharmaprojects No. 3264 (EP 509974)(AstraZeneca); ネパプラゾール(nepaprazole)(Toa Eiyo); HN-11203 (Nycomed Pharma); OPC-22575; プミラシジン(pumilacidin)A (BMS); サビプラゾール(saviprazole)(EP 234485)(Aventis); SKandF-95601 (GSK、中止); Pharmaprojects No. 2522 (EP 204215)(Pfizer); S-3337 (Aventis); RS-13232A (Roche); AU-1363 (Merck); SKandF-96067 (EP 259174)(Altana); SUN 8176 (Daiichi Phama); Ro-18-5362 (Roche); ウフィプラゾール(ufiprazole)(EP 74341)(AstraZeneca);ならびに Bay-p-1455 (Bayer); またはこれらの化合物の遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、プロドラッグもしくは誘導体。
【0095】
本発明によって意図されるなお他のプロトンポンプ阻害剤には、以下の米国特許番号に記載されるものが含まれる:第4,628,098号;第4,689,333号;第4,786,505号;第4,853,230号;第4,965,269号;第5,021,433号;第5,026,560号;第5,045,321号;第5,093,132号;第5,430,042号;第5,433,959号;第5,576,025号;第5,639,478号;第5,703,110号;第5,705,517号;第5,708,017号;第5,731,006号;第5,824,339号;第5,855,914号;第5,879,708号;第5,948,773号;第6,017,560号;第6,123,962号;第6,187,340号;第6,296,875号;第6,319,904号;第6,328,994号;第4,255,431号;第4,508,905号;第4,636,499号;第4,738,974号;第5,690,960号;第5,714,504号;第5,753,265号;第5,817,338号;第6,093,734号;第6,013,281号;第6,136,344号;第6,183,776号;第6,328,994号;第6,479,075号;第6,559,167号。
【0096】
他の置換二環式アリールイミダゾール化合物、ならびにそれらの塩、水和物、エステル、アミド、エナンチオマー、異性体、互変異性体、多形体、プロドラッグまたは誘導体は、合成化学の技術分野における当業者に公知の標準的な手法を使用して調製されてもよい。例えば、March, Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure, 4th Ed. (New York: Wiley-Interscience, 1992); Leonard et al., Advanced Practical Organic Chemistry (1992); Howarth et al., Core Organic Chemistry (1998);およびWeisermel et al., Industrial Organic Chemistry (2002)を参照されたい。
【0097】
「薬学的に許容される塩」または「塩」には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(embonic acid)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸(algenic acid)、β-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸から調製される、プロトンポンプ阻害剤の塩が含まれる。
【0098】
1つの態様において、酸付加塩は、適切な酸との遊離塩基の反応を含む、従来的な方法論を使用して、遊離塩基から調製される。酸付加塩を調製するための適切な酸には、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などと、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの両方が含まれる。
【0099】
他の態様において、酸付加塩は、適切な塩基との処理によって遊離塩基に再転換される。さらなる態様において、プロトンポンプ阻害剤の酸付加塩は、塩酸または臭化水素酸を使用して調製される、ハロゲン化物塩である。なお他の態様において、塩基性塩はアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩である。
【0100】
塩型のプロトンポンプ阻害因子には以下が含まれるがこれらに限定されない:エソメプラゾールナトリウム、オメプラゾールナトリウム、ラベプラゾールナトリウム、パントプラゾールナトリウムのようなナトリウム塩型;または米国特許第5,900,424号に記載されるようなエソメプラゾールマグネシウムもしくはオメプラゾールのようなマグネシウム塩型;カルシウム塩型;または米国特許出願第02/0198239号および米国特許第6,511,996号に記載される、エソメプラゾールのカリウム塩のようなカリウム塩型。エソメプラゾールの他の塩は、米国特許第4,738,974号および米国特許第6,369,085号に記載される。パントプラゾールおよびランソプラゾール(lansoprazole)の塩型は、米国特許第4,758,579号および同第4,628,098号においてそれぞれ議論されている。
【0101】
1つの態様において、エステルの調製は、薬物の分子構造中に存在する可能性があるヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の官能基化を含む。1つの態様において、エステルは、遊離のアルコール基のアシル置換誘導体、例えば、化学式RCOOR1のカルボン酸から誘導体化された部分であり、ここで、R1は低級アルキル基である。エステルは、所望される場合、水素化分解または加水分解のような従来的な手法を使用することによって遊離酸に再転換することができる。
【0102】
「アミド」は、当業者に公知であり、または関連のある文献に記載されている技術を使用して調製されてもよい。例えば、アミドは、適切なアミン反応剤を使用して調製されてもよく、またはこれらは、アンモニアもしくは低級アルキルアミンなどのアミン基との反応によって、無水物または酸塩化物から調製されてもよい。
【0103】
置換二環式アリール-イミダゾールの「互変異性体」には、例えば、以下の米国特許:第6,262,085号;第6,262,086号;第6,268,385号;第6,312,723号;第6,316,020号;第6,326,384号;第6,369,087号;および第6,444,689号;ならびに米国特許出願第02/0156103号に記載されているもののようなオメプラゾールの互変異性体が含まれる。
【0104】
置換二環式アリール-イミダゾールの例示的な「異性体」は、Oishi et al., Acta Cryst. (1989), C45, 1921-1923;米国特許第6,150,380号;米国特許出願第02/0156284号;およびPCT公開 WO 02/085889に記載される異性体を含むがこれらに限定されない、オメプラゾールの異性体である。
【0105】
例示的な「多形体」には、PCT公開 WO 92/08716、ならびに以下の米国特許:4,045,563号;第4,182,766号;第4,508,905号;第4,628,098号;第4,636,499号;第4,689,333号;第4,758,579号;第4,783,974号;第4,786,505号;第4,808,596号;第4,853,230号;第5,026,560号;第5,013,743号;第5,035,899号;第5,045,321号;第5,045,552号;第5,093,132号;第5,093,342号;第5,433,959号;第5,464,632号;第5,536,735号;第5,576,025号;第5,599,794号;第5,629,305号;第5,639,478号;第5,690,960号;第5,703,110号;第5,705,517号;第5,714,504号;第5,731,006号;第5,879,708号;第5,900,424号;第5,948,773号;第5,997,903号;第6,017,560号;第6,123,962号;第6,147,103号;第6,150,380号;第6,166,213号;第6,191,148号;第5,187,340号;第6,268,385号;第6,262,086号;第6,262,085号;第6,296,875号;第6,316,020号;第6,328,994号;第6,326,384号;第6,369,085号;第6,369,087号;第6,380,234号;第6,428,810号;第6,444,689号;および第6,462,0577号に記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0106】
微粉化プロトンポンプ阻害剤
プロトンポンプ阻害剤の粒子サイズは、多くのやり方で固体投薬型に影響を与え得る。粒子サイズの減少は表面積(S)を増大し、この粒子サイズの減少は、以下のNoyes-Whitney式において表現される溶解の速度(dM/dt)の増加を提供する:
dM/dt = dS / h(Cs-C)
M=溶解した薬物の質量;t=時間;D=薬物の拡散係数;S=薬物粒子の有効表面積;H=静止層厚さ;Cs=飽和状態での溶液濃度;およびC=時間tにおける溶液の濃度。
【0107】
オメプラゾールは、他のプロトンポンプ阻害剤と同様に、乏しい水溶性を有するので、薬物製品の急速な吸収を補助するために、本発明の種々の態様は、薬物製品製剤において使用される、微粉化されたプロトンポンプ阻害剤を使用する。
【0108】
本発明の種々の態様において、プロトンポンプ阻害剤は微粉化される。ある態様において、微粉化されたプロトンポンプ阻害剤の少なくとも約90%の平均粒子サイズが、約40μm未満、または約35μm未満、または約30μm未満、または約25μm未満、または約20μm未満、または約15μm未満、または約10μm未満である。他の態様において、微粉化されたプロトンポンプ阻害剤の少なくとも80%が、約40μm未満、または約35μm未満、または約30μm未満、または約25μm未満、または約20μm未満、または約15μm未満、または約10μm未満の平均粒子サイズを有する。なお他の態様において、微粉化されたプロトンポンプ阻害剤の少なくとも70%が、約40μm未満、または約35μm未満、または約30μm未満、または約25μm未満、または約20μm未満、または約15μm未満、または約10μm未満の平均粒子サイズを有する。
【0109】
微粉化されたプロトンポンプ阻害剤が、溶解試験の約1時間以内、または約50分以内、または約40分以内、または約30分以内、または約20分以内、または約10分以内、または約5分以内にプロトンポンプ阻害剤の75%より多くが放出されることを可能にするサイズである、組成物が提供される。本発明の別の態様において、微粉化されたプロトンポンプ阻害剤は、溶解試験の約1時間以内、または約50分以内、または約40分以内、または約30分以内、または約20分以内、または約10分以内、または約5分以内にプロトンポンプ阻害剤の90%より多くが放出されることを可能にするサイズである。2003年7月18日に出願された米国仮特許出願第60/488,324号に対して優先権を主張する、2004年7月16日に出願された米国特許出願第10/893,092号を参照されたい。これらの両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0110】
不溶性材料の粒子サイズ
プロトンポンプ阻害剤、制酸剤および賦形剤の粒子サイズは、生物学的利用能、ブレンドの均一性、分離、および流動特性に影響をもたらし得る重要な要因である。一般的に、粒子の薬物がより小さくなるほど、表面積を増大することによって、実質的に乏しい水溶性を有する薬物の生物分解の速度を増加させる。薬物および粒子の粒子サイズはまた、薬学的製剤の懸濁特性にも影響を与え得る。例えば、より小さな粒子は、沈殿する可能性がより小さく、それゆえに、より良好な懸濁物を形成する。
【0111】
種々の態様において、乾燥粉末(これは、懸濁物のための粉末として直接的に投与することができ、または固体投薬型で使用することができる)の平均粒子サイズは、直径約500ミクロン未満、または直径約450ミクロン未満、または直径約400ミクロン未満、または直径約350ミクロン未満、または直径約300ミクロン未満、または直径約250ミクロン未満、または直径約200ミクロン未満、または直径約150ミクロン未満、または直径約100ミクロン未満、または直径約75ミクロン未満、または直径約50ミクロン未満、または直径約25ミクロン未満、または直径約15ミクロン未満である。他の態様において、凝集物の平均粒子サイズは、直径約25ミクロン〜直径約300ミクロンの間である。なお他の態様において、凝集物の平均粒子サイズは、直径約25ミクロン〜直径約150ミクロンの間である。そしてなおさらなる態様において、凝集物の平均粒子サイズは、直径約25ミクロン〜直径約100ミクロンの間である。「平均粒子サイズ」という用語は、薬学的製剤中で使用される粒子および/または凝集物の平均直径を説明することを意図する。
【0112】
別の態様において、不溶性賦形剤の平均粒子サイズは、約5μm〜約500μmの間、または約400μm未満、または約300μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満、または約90μm未満、または約80μm未満、または約70μm未満、または約60μm未満、または約50μm未満、または約40μm未満、または約30μm未満、または約25μm未満、または約20μm未満、または約15μm未満、または約10μm未満、または約5μm未満である。
【0113】
本発明の他の態様において、粒子の少なくとも約80%が、約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満、または約500μm未満の粒子サイズを有する。別の態様において、乾燥粉末粒子の少なくとも約85%が、約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満、または約50μm未満の粒子サイズを有する。本発明のなお他の態様において、乾燥粉末粒子の少なくとも約90%が、約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満、または約50μm未満の粒子サイズを有する。なお別の態様において、乾燥粉末粒子の少なくとも約95%が、約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満、または約50μm未満の粒子サイズを有する。
【0114】
別の態様において、他の賦形剤の粒子サイズは、制酸剤の粒子サイズとほぼ同じであるように選択される。なお別の態様において、不溶性賦形剤の粒子サイズは、プロトンポンプ阻害剤の粒子サイズとほぼ同じであるように選択される。
【0115】
いくつかの要因が、適切な賦形剤とその量を選択する際に考慮され得る。例えば、賦形剤は、薬学的に許容されるべきである。同様に、ある例においては、少なくとも1時間、胃のpHを約6.5に維持するために、迅速な溶解および胃酸の中和である。プロトンポンプ阻害剤と接触される賦形剤はまた、もしあれば、プロトンポンプ阻害剤と化学的に適合性であるべきである。「化学的に適合性」は、室温で少なくとも約1年間保存したときに、その物質が、プロトンポンプ阻害剤の10%より多くの分解をもたらさないことを意味することが意図される。
【0116】
壁細胞活性化剤は、患者に対して有害な副作用を引き起こすことなく、所望の刺激効果を生じるために十分な量で投与される。1つの態様において、壁細胞活性化剤は、プロトンポンプ阻害剤の20mg用量あたり、約5mg〜約2.5グラムの量で投与される。
【0117】
制酸剤
本発明の薬学的組成物は、1つまたは複数の制酸剤を含む。本発明において有用である制酸剤のクラスには、塩基として薬理学的活性を有する制酸剤が含まれるがこれらに限定されない。1つの態様において、制酸剤は、プロトンポンプ阻害因子とともに製剤化または送達されるときに、一定の時間の間、例えば、投与されるプロトンポンプ阻害剤の生物学的利用能を保存するために十分な時間の間、胃腸液によるプロトンポンプ阻害剤の酸分解を実質的に妨害または阻害するように機能する。制酸剤は、プロトンポンプ阻害剤の送達の前、その間、および/またはその後に送達され得る。本発明の1つの局面において、制酸剤は、例えば、IA族金属の炭酸水素塩、IA族金属の炭酸塩を含むIA族金属(アルカリ金属)の塩;制酸剤アルカリ土類金属(IIA族金属);制酸剤アルミニウム;制酸剤カルシウム;または制酸剤マグネシウムを含む。
【0118】
本発明のために適切である他の制酸剤には、例えば、リン酸、クエン酸、ボロン酸、酢酸、炭酸水素、および炭酸ナトリウムまたはカリウムのような、炭酸、リン酸、炭酸水素、クエン酸、ボロン酸、酢酸、フタル酸、酒石酸、コハク酸化などされた、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフランシウムを含むがこれらに限定されないIA族金属)またはアルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムを含むがこれらに限定されないIIA族金属)が含まれる。
【0119】
種々の態様において、制酸剤は以下を含む:アミノ酸、アミノ酸のアルカリ金属塩、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム/炭酸マグネシウム/炭酸カルシウムの共沈殿、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウムの共沈殿、水酸化アルミニウム/炭酸水素ナトリウムの共沈殿、グリシン酸アルミニウム、酢酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、フタル酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酒石酸カルシウム、第二リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、L-アルギニン、酢酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、アルミン酸メタケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フタル酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸カリウム、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、フタル酸カリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、Effersoda(登録商標)(炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの混合物)、合成ヒドロタルサイト、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、およびトロメタモール(例えば、The Merck Index, Merck & Co. Rahway, N. J. (2001)に提供されるリストを参照されたい)。迅速に酸を中和する特定のタンパク質またはタンパク質加水分解物は、本発明で制酸剤として働くことができる。上記に言及した制酸剤の組み合わせもまた、本明細書に記載される薬学的組成物において使用されてもよい。
【0120】
本発明において有用である制酸剤はまた、プロトンポンプ阻害剤がHCl(または関心対象の環境中の他の酸)と相互作用するよりも速く、同じ酸と相互作用する制酸剤または制酸剤の組み合わせを含む。水などの液相中に配置されたときに、これらの制酸剤は、プロトンポンプ阻害剤のpKaよりも大きなpHを生じかつそれを維持する。
【0121】
種々の態様において、制酸剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびこれらの混合物から選択される。
【0122】
緩衝剤の粒子サイズ、とりわけ、不溶性緩衝剤のそれは、胃酸のインビボ中和の発生に影響を与え得る。粒子サイズの減少は表面積を増大するので、粒子サイズの減少は、酸中和の速度の増加を提供し、これは、胃酸分解からのPPIの優れた保護をもたらす。他方、緩衝剤の極度に小さな粒子サイズは、それらの乏しい流動性および加工(すなわち、圧縮およびカプセル化)の困難さに起因して、商業スケールでの製造が困難な粉末混合物を生じる。
【0123】
本発明の種々の態様において、制酸剤は微粉化される。ある態様において、少なくとも90%の制酸剤の粒子サイズ(D90)は約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満である。他の態様において、少なくとも75%の制酸剤(D75)は、約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満の粒子サイズを有する。なお他の態様において、少なくとも50%の制酸剤(D50)は、は約300μm未満、または約250μm未満、または約200μm未満、または約150μm未満、または約100μm未満の粒子サイズを有する。
【0124】
噴霧乾燥した制酸剤もまた、接触の際に酸と速く反応することによって中和の速度を促進することができる。噴霧乾燥した制酸剤は、代表的には、球形の粒子形状を有し、これは、製造プロセスの間に均質なブレンドを達成することを補助する。1つの態様において、制酸剤は、少なくとも15%のマルトデキストリンまたはデンプンのようなコート材料とともに噴霧乾燥される。なお他の態様において、制酸剤は、少なくとも10%のマルトデキストリンまたはデンプンのようなコート材料とともに噴霧乾燥される。さらに別の態様において、制酸剤は、少なくとも15%のマルトデキストリンまたはデンプンのようなコート材料とともに噴霧乾燥される。
【0125】
動力学的胃モデル
種々の制酸剤の組み合わせの酸中和能力およびpHプロフィールは、インビトロ胃モデルを使用して評価することができる。このようなシミュレートされた動的モデルのいくつかは当技術分野において公知である。例えば以下を参照されたい:Smyth et al., Correlation of In-Vivo Methodology for Evaluation of Antacids, J. Pharm. Sci. Vol. 65, 1045 (1976); Hobert, Fordham et al., In-Vivo Evaluation of Liquid Antacids, New England Journal of Med. 288, 923 (1973); Johnson et al., The Chemical Testing of Antacids, Gut 5, 585 (1964); Clain et al., In-Vitro Neutralizing Capacity of Commercially Available Antacid Mixtures and Their Role in the Treatment of Peptic Ulcer, S. Afr. Med. J., 57,158 (1980); Rossett et al., In-Vitro Evaluation of Efficacy of More Frequently Used Antacids with Particular Attention to Tablets, Gastroentrology, 26, 490; Decktor et al., Comparative Effects of Liquid Antacids on Esophageal and Gastric pH in Patients with Heartburn, Am. J. of Therapeutics, 2, 481 (1995); Charles Fuchs, Antacids: Their Function, Formulation and Evaluation, Drug and Cosmetic Industry, 49, 692; Stewart M. Beekman, Preparation and Properties of New Gastric Antacids I, Aluminium Hydroxide-Magnesium Carbonate Dried Gels, J. Am. Pharm. Assoc., 49, 191 (1960)。例えば、胃の絶食状態をシミュレートするために0.5mEqの酸の連続的注入を初期の5.0mEqの酸に加える改変Fuchモデルを本発明とともに使用することができる。
【0126】
本発明の種々の態様において、Fuchの動力学的インビトロpHモデルのようなシミュレートされた胃モデルによって測定されるように、制酸剤は、胃のpHを約90分以内に少なくとも約3.5まで増加する。他の態様において、制酸剤は、約60分以内にpHを少なくとも約3.5まで増加する。なお他の態様において、制酸剤は、45分以内に、pHを約3.5まで増加する。使用する緩衝剤系(すなわち、制酸剤の型および量)に依存して、本発明のある態様において、Fuchの動力学的インビトロpHモデルのようなシミュレートされた胃モデルによって測定されるように、制酸剤は、胃のpHを約30分以内に少なくとも約3.5まで増加する。他の態様において、Fuchの動力学的インビトロpHモデルのようなシミュレートされた胃モデルによって測定されるように、制酸剤は、胃のpHを約25分未満で少なくとも約3.5まで増加する。なお他の態様において、Fuchの動力学的インビトロpHモデルのようなシミュレートされた胃モデルによって測定されるように、制酸剤は、胃のpHを約20分未満、または約15分間未満、または約10分間未満で、少なくとも約3.5まで増加する。これらの態様の各々において、制酸剤は少なくともある程度のプロトンポンプ阻害剤を保護し、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が対象に送達される。
【0127】
これらの態様の各々において、制酸剤は少なくともある程度のプロトンポンプ阻害剤を保護し、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が対象に送達される。
【0128】
崩壊剤
多くのPPIは水にやや溶けにくく、それゆえに、生物学的利用能に対する崩壊時間の強力な相関を示す。従って、薬物のインビボ溶解を増強するために、崩壊時間を最適化することが重要である。可能である限り固体投薬型マトリックスから活性成分を放出させるために、崩壊剤は、しばしば、製剤中で、とりわけ投薬型が結合剤とともに圧縮されるときに使用される。崩壊剤は、水分が投薬型に吸収されるときに、膨潤またはキャピラリー作用によって投薬型マトリックスが破裂することを補助する。デンプンは最も古い崩壊剤であり、5〜15%レベルが示唆されている(Remington, 20th Ed, p862)。Ac-di-Solまたはクロスポビドン(Crospovidones)などの超崩壊剤はより低いレベル(2〜4%)で有効である。
【0129】
Ac-Di-Solは、直接的圧縮と湿式造粒製剤の両方で有効である。直接的圧縮錠剤化において使用されるAc-Di-Solの量は、1〜3パーセントの間の代表的な使用レベルで変動してもよい。顆粒に加えられる場合、一般的に直接的圧縮製剤と同じパーセントが使用される。これはしばしば、湿塊と乾燥した顆粒の両方に、圧縮前に加えられる。直接的圧縮と同様に、その使用レベルは、代表的には、1〜3パーセントの範囲であり、材料の半分は湿塊に加えられ、半分は流動中の粉末に加えられる。これは、顆粒と錠剤の両方の崩壊を促進する。
【0130】
カプセル製剤中で使用されるAc-Di-Solの量は、一般的に4〜6パーセントの範囲である。カプセル中での粒子間の接触の減少は、崩壊剤のレベルの上昇の必要性を促進する。半自動または手動充填機械とは反対に、自動ドサター(dosater)装置で充填したカプセルは、栓を形成するため、およびそれをゼラチンシェルに首尾よく移すために必要であるより大きな圧縮力に起因して、より密度が濃く、かつより硬い構造を有する。より大きな栓の固さは、Ac-Di-Solのより大きな有効性を生じる。
【0131】
固体経口投薬型
本発明のある態様において、薬学的製剤は、約1重量%より多くの崩壊剤を有する。本発明の種々の態様において、薬学的製剤は、約1重量%〜約11重量%の間の崩壊剤を有する。ある態様において、崩壊剤はAc-Di-Solである。他の態様において、崩壊剤は、Promogel(登録商標)またはExplotab(登録商標)などのグリコール化デンプンである。なお他の態様において、薬学的製剤は、約2重量%〜約8重量%の間の崩壊剤を有する。さらに他の態様において、薬学的製剤は、約2重量%より多くの崩壊剤を有する。
【0132】
炭酸水素ナトリウムは、胃液のような酸と混合したときに、発泡性の性質を有するので、ある態様において、本発明の薬学的製剤は、少なくとも約400mgの炭酸水素ナトリウムおよび約1重量%超の崩壊剤を含むことができる。ある態様において、薬学的製剤は、約2重量%の崩壊剤、または約3重量%の崩壊剤、または約4重量%の崩壊剤を含む。さらに他の態様において、薬学的製剤は、8重量%未満の崩壊剤を含む。他の態様において、薬学的製剤は、約5重量%未満の崩壊剤、または約4重量%未満の崩壊剤、または約3重量%未満の崩壊剤、または約2重量%未満の崩壊剤、または約1重量%未満の崩壊剤を含む。他の態様において、炭酸水素ナトリウムは、カプセル製品の崩壊を促進することを補助する。
【0133】
本発明のある態様において、プロトンポンプ阻害剤の所望の生物学的利用能を達成するために、崩壊剤の重量%は減少され、炭酸水素ナトリウムの量は増加され得る。他の態様において、崩壊剤の重量%は増加され、かつ炭酸水素ナトリウムの量は減少され得る。
【0134】
結合剤
結合剤は、固体経口投薬型製剤に付着性を付与する:粉末が充填されたカプセル製剤のために、これらは、ハードシェルに充填され得る栓形成を補助し、かつ錠剤製剤のために、これらは、圧縮後に錠剤が無傷のままであることを保証する。結合剤として一般的に使用される材料には、デンプン、ゼラチン、ならびにスクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトースのような糖類が含まれる。使用される結合剤の品質は、投薬型および/または製造プロセスに影響を与える。例えば、ドサター型カプセル化装置(例えば、Zanasi機)は、通常、充填材料が機械的に強力な栓であることを必要とするのに対し、投薬ディスク型カプセル化装置(例えば、HK機)は、同じ程度の高い栓破壊力を必要とはしない。一般的に、1〜10%の結合剤レベルが、粉末を充填したハードゲルカプセル製剤において使用される。錠剤製剤中の結合剤使用レベルは、直接的圧縮、湿式造粒、またはそれ自体が適度な結合剤として作用し得る充填剤のような他の賦形剤に関わらず変化する。当技術分野における製剤者は、製剤のための結合剤レベルを決定することができるが、錠剤製剤中2〜25%の結合剤使用レベルが一般的である。
【0135】
固体経口投薬型
本発明のある態様において、崩壊剤の重量%は結合剤の重量%と少なくとも同等である。例えば、本発明の製剤は、約5重量%の崩壊剤および約2重量%の結合剤、または約3重量%の崩壊剤および約3重量%の結合剤を含んでもよい。他の態様において、固体経口投薬型は結合剤を含まない。ある態様において、固体経口投薬型は、結合剤よりも有意に多い崩壊剤を含む。例えば、結合剤は2重量%未満の量で存在してもよいが、一方崩壊剤は5重量%より多くの量で存在する。他の態様において、結合剤および崩壊剤は、実質的に同じ量で、製剤中に存在する。例えば、結合剤は、約2重量%の量で存在してもよく、崩壊剤は約3重量%の量で存在してもよい。
【0136】
マイクロカプセル化
本発明の1つの局面に従って、組成物は、組成物の有効期間を増強するため、および/または薬学的組成物の味を増強するために、プロトンポンプ阻害剤または制酸剤のマイクロカプセル化を含んでもよい。2003年7月18日に出願された米国仮特許出願第60/488,321号に対して優先権を主張する、2004年7月16日に出願された米国特許出願第10/893,203号を参照されたい。これらの両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0137】
本発明の薬学的組成物の有効期間を増強するため、および/またはその味を隠蔽するために有用な材料は、薬学的組成物のプロトンポンプ阻害剤と適合性であり、これは、他の適合性でない賦形剤から、プロトンポンプ阻害剤を十分に隔離する。本発明のプロトンポンプ阻害剤と適合性である材料は、すなわち、プロトンポンプ阻害剤の分解を遅くするかまたは停止することによって、プロトンポンプ阻害剤の有効期間を増強するものである。
【0138】
プロトンポンプ阻害剤を含む薬学的組成物の有効期間を増強するために有用な例示的なマイクロカプセル化材料には以下が含まれるがこれらに限定されない:Klucel(登録商標)またはNisso HPCのようなヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC);低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC);Seppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、およびBenecel MP843のようなヒドロキシメチルプロピルセルロースエーテル(HPMC);Methocel(登録商標)-A およびMetolose(登録商標)のようなメチルセルロースポリマー; E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)のようなエチルセルロース(EC)およびその混合物;Opadry AMBのようなポリビニルアルコール;Natrosol(登録商標)のようなヒドロキシエチルセルロース;Aqualon(登録商標)-CMCのようなカルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースの塩(CMC);Kollicoat IR(登録商標)のようなポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマー;モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、修飾食品デンプン、Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)RD100、およびEudragit(登録商標)E100のような、アクリルポリマーおよびセルロースエーテルとのアクリルポリマーの混合物;セルロースアセテートフタレート;HPMCおよびステアリン酸の混合物などのセピフィルム、シクロデキストリン;ならびにこれらの材料の混合物。
【0139】
種々の態様において、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムのような制酸剤がマイクロカプセル材料に取り込まれる。他の態様において、BHTのような抗酸化剤がマイクロカプセル材料に取り込まれる。なお他の態様において、ポリエチレングリコール、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、およびPEG 800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、およびトリアセチンのような可塑剤がマイクロカプセル材料に取り込まれる。他の態様において、薬学的組成物の半減期を増強するために有用なマイクロカプセル材料は、USPまたはNational Formulary (NF)からのものである。なお他の態様において、カプセル化材料はKlucelである。さらに他の態様において、マイクロカプセル材料はmethocelである。
【0140】
さらなる態様において、1種または複数の他の適合性の材料がマイクロカプセル材料中に存在する。例示的な材料には以下が含まれるがこれらに限定されない:pH調整剤、壁細胞活性化剤、浸食増強剤、拡散増強剤、抗付着剤、消泡剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、ならびに結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、溶解剤、安定剤、滑沢剤、湿潤剤および希釈剤のようなキャリア材料。
【0141】
本発明の1つの局面に従って、いくつかのプロトンポンプ阻害剤がコートされる。このコーティングは、例えば、腸溶性コーティングなどの胃に抵抗性のコーティング(例えば、WO 91/16895およびWO 91/16886を参照されたい)、制御放出コーティング、酵素制御コーティング、フィルムコーティング、持続放出コーティング、即時放出コーティング、または遅延放出コーティングであってもよい。本発明の別の局面に従って、このコーティングは、本発明の薬学的組成物の安定性を増強するために有用であり得る。
【0142】
本明細書に記載されるような材料を用いてプロトンポンプ阻害剤をマイクロカプセル化することに加えて、本発明の薬学的組成物はまた、1種または複数の矯味矯臭剤を含んでもよい。ある態様において、1種または複数の矯味矯臭剤は、プロトンポンプ阻害剤および/または制酸剤をカプセル化する前に、味の隠蔽物質とともに混合される。他の態様において、矯味矯臭剤は、製剤プロセスの間に、適合性でない賦形剤と混合され、それゆえに、プロトンポンプ阻害剤および/または制酸剤と接触されず、およびマイクロカプセル材料の一部ではない。
【0143】
本発明の薬学的組成物において有用である「矯味矯臭剤」または「甘味料」には、例えば以下が含まれる:アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、クロフサスグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、ショウノウ、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、シトラス、シトラスポンチ、シトラスクリーム、綿菓子、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、チクロ、シラマート、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ジンジャー、グリシルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリジン酸一アンモニウム(MagnaSweet(商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、混合ベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、西洋ナシ、ピーチ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)粉末、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガロース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、ウィンターグリーン、キシリトール、またはこれらの矯味矯臭成分の任意の組み合わせ、例えば、アニス-メントール、チェリー-アニス、シナモン-オレンジ、チェリー-シナモン、チョコレート-ミント、ハチミツ-レモン、レモン-ライム、レモン-ミント、メントール-ユーカリ、オレンジ-クリーム、バニラ-ミント、およびこれらの混合物。他の態様において、塩化ナトリウムが薬学的組成物に取り込まれる。プロトンポンプ阻害剤、制酸剤、および賦形剤、ならびに各々のものの量に基づいて、当業者は、消費者の要求および承諾のための最適に香りを付けた製品を提供するために、最高の香味の組み合わせを決定することができる、例えば、Roy et al., Modifying Bitterness: Mechanism, Ingredients, and Applications (1997)を参照されたい。
【0144】
マイクロカプセル化の方法
プロトンポンプ阻害剤および/または制酸剤は、当業者に公知である方法によってマイクロカプセル化されてもよい。このような方法には、例えば、噴霧乾燥プロセス、回転円盤-溶媒プロセス、熱溶解プロセス、噴霧冷却法、液化ベッド、静電的沈着、遠心分離押し出し、回転懸濁分離、液体-気体または固体-気体下面における重合、圧力押し出し、または噴霧溶媒抽出槽が含まれる。これらに加えて、いくつかの化学的技術、例えば、複合体コアセルベーション、溶媒気化、ポリマー-ポリマー非適合性、液体媒体中での界面重合、インサイチュー重合、液体中乾燥、および液体媒質中での脱溶媒和もまた、使用することができる。
【0145】
回転円盤法は以下を可能にする:1)より高い供給速度および供給溶液中でのより高い固体の填充の使用に起因する、製造速度の増大、2)より多くの球形粒子の製造、3)さらにより多くのコーティングの産生、および4)プロセスの間の噴霧ノズルの制限された目詰まり。
【0146】
噴霧乾燥は、しばしば、スケールアップのために容易に利用可能である。種々の態様において、噴霧乾燥カプセル化プロセスにおいて使用される材料は、濃縮型、例えば、10〜60%固体のコア材料にで乳化または分散される。マイクロカプセル材料は、1つの態様において、約1〜3μmの液滴が得られるまで乳化される。一旦、プロトンポンプ阻害剤の分散およびカプセル化材料が得られると、乳濁液は、液滴として、噴霧乾燥機の加熱チャンバーに供給される。ある態様において、これらの液滴は、チャンバーに噴霧されるか、または回転円盤に振り落とされる。次いで、微粒子は加熱チャンバー中で乾燥され、噴霧乾燥チャンバーの底に落とされ、そこでこれらは収集される。
【0147】
ある態様において、微粒子は、不規則なジオメトリーを有する。他の態様において、微粒子は、より小さな粒子の凝集物である。
【0148】
種々の態様において、プロトンポンプ阻害剤および/または制酸剤は、薬学的組成物の安定性を増強するために使用されるマイクロカプセル材料、または味を隠蔽する材料に対して、1%より多く、2.5%より多く、5%より多く、10%より多く、15%より多く、20%より多く、25%より多く、30%より多く、35%より多く、40%より多く、45%より多く、50%より多く、55%より多く、60%より多く、65%より多く、70%より多く、75%より多く、80%より多く、85%より多く、90%より多く、95%より多く、98%より多くの重量パーセントの量のプロトンポンプ阻害剤で微粒子中に存在する。
【0149】
安定性
本発明の薬学的製剤は、例えば、プロトンポンプ阻害剤が、室温での1ヶ月の保存後に約0.5%未満の分解、または室温で1ヶ月の保存後に約1%未満の分解、または室温で1ヶ月の保存後に約1.5%未満の分解、または室温で1ヶ月の保存後に約2%未満の分解、または室温で1ヶ月の保存後に約2.5%未満の分解、または室温で1ヶ月の保存後に約3%未満の分解である場合に、安定である。
【0150】
他の態様において、本発明の薬学的製剤は、この薬学的製剤が、約3年間の保存後、または約2.5年間の保存後、または約2年間の保存後、または約1.5年間の保存後、または約1年間の保存後、または11ヶ月の保存後、または10ヶ月の保存後、または9ヶ月の保存後、または8ヶ月の保存後、または7ヶ月の保存後、または6ヶ月の保存後、または5ヶ月の保存後、または4ヶ月の保存後、または3ヶ月の保存後、または2ヶ月の保存後、または1ヶ月の保存後に、約5%未満の全不純物を含む場合に、安定性を有し得る。
【0151】
さらなる態様において、本発明の薬学的製剤は、マイクロカプセル化オメプラゾールを含んでもよく、および薬学的製剤が、マイクロカプセル化されていないか、または「裸」である同じ製剤中のプロトンポンプ阻害剤よりも、より少ないプロトンポンプ阻害剤の分解を含むならば、有効期間安定性が増強されている。例えば、薬学的製剤中の裸のプロトンポンプ阻害剤が、室温にて、1ヶ月の保存後に約2%より多くが分解し、そしてマイクロカプセル化された材料が、室温にて、1ヶ月の保存後に約2%未満が分解するならば、プロトンポンプ阻害剤は、薬学的製剤の有効期間を増強する適合性材料でマイクロカプセル化された。
【0152】
投薬
プロトンポンプ阻害因子は、個々の患者の臨床状態、投与の部位および方法、投与のスケジュール、ならびに医師に公知である他の要因を考慮し、良好な医療行為に従って投与および投薬される。ヒトの治療において、インビボで必要とされる治療量の治療剤を送達し、迅速な様式で治療剤を生物学的に利用可能にする投薬型を提供することが重要である。本明細書に記載される投薬型に加えて、米国特許第5,840,737号、同第6,489,346号、同第6,699,885号および同第6,645,988号にPhillipsらによって記載される投薬型が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0153】
治療有効量、例えば、プロトンポンプ阻害因子の胃腸障害有効量が、対象への薬学的組成物の投与後に吸収される限りは、血流中に吸収される無傷の薬物のパーセントはあまり決定的ではない。胃腸障害有効量は、米国特許第5,622,719号において見い出され得る。対象に投与されるプロトンポンプ阻害因子および/または制酸剤の量は、多数の因子、例えば、対象の性別、全般的な健康、食餌、および/または体重に依存することが理解される。
【0154】
例として、幼児または小動物、例えば、イヌへの置換二環式アリール-イミダゾールの投与、比較的少量のプロトンポンプ阻害剤、例えば、約1mg〜約30mgは、しばしば、治療の有効性と一致した血清濃度を与える。対象が成人のヒトまたは大きな動物、例えば、ウマである場合には、治療有効血清濃度の達成は、より多くの投薬単位、例えば、成人のヒトに対しては、約10mg、または約15mg、または約20mg、または約30mg、または約40mg、または約80mg、または約120mg用量、あるいは、成体ウマに対しては、約150mg、または約200mg、または約400mg、または約800mg、または約1000mg用量、または約1500mg用量、または約2000mg用量、または約2500mg用量、または約3000mg用量、または約3200mg用量、または約3500mg用量を必要とする。
【0155】
本発明の種々の他の態様において、対象に投与されるプロトンポンプ阻害剤の量は、例えば、約0.5〜2mg/kg体重、または約0.5mg/kg体重、または約1mg/kg体重、または約1.5mg/kg体重、または約2mg/kg体重である。
【0156】
処置投薬量は、一般的に、安全性および効力を最適化するように滴定されてもよい。代表的には、インビトロ試験および/またはインビボ試験からの投薬量-効果の関連性が、最初に、対象の投与のための的確な用量に対する有用な指標を提供し得る。処置プロトコールによって、投与される投薬量は、投与される特定の薬剤、投与のために選択された経路、および特定の対象の状態を含むいくつかの要因に依存することが認められるべきである。
【0157】
種々の態様において、ヒトのための単位投薬量型は、約1mg〜約120mg、または約1mg、または約5mg、または約10mg、または約15mg、または約20mg、または約30mg、または約40mg、または約50mg、または約60mg、または約70mg、または約80mg、または約90mg、または約100mg、または約110mg、または約120mgのプロトンポンプ阻害剤を含む。
【0158】
本発明のさらなる態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の投与後約30分以内に、酸分解していないプロトンポンプ阻害因子の約100ng/mlよりも高い測定可能な血清濃度を達成する量で投与される。本発明の別の態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の投与後約15分以内に、酸分解していないかまたは酸反応していないプロトンポンプ阻害因子の約100ng/mlよりも高い測定可能な血清濃度を達成する量で投与される。なお別の態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の投与後約10分以内に、酸分解していないかまたは酸反応していないプロトンポンプ阻害因子の約100ng/mlよりも高い測定可能な血清濃度を達成する量で投与される。
【0159】
本発明の別の態様において、この組成物は、15分以内に約150ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約15分間〜約1時間、約150ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明のなお別の態様において、この組成物は、約15分以内に約250ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約15分間〜約1時間、約250ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明の別の態様において、この組成物は、約15分以内に約350ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約15分間〜約1時間、約350ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明の別の態様において、この組成物は、約15分以内に約450ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約15分間〜約1時間、約450ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。
【0160】
本発明の別の態様において、この組成物は、約30分以内に約150ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約30分間〜約1時間、約150ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明のなお別の態様において、この組成物は、約30分以内に約250ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約30分間〜約1時間、約250ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明の別の態様において、この組成物は、約30分以内に約350ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約30分間〜約1時間、約350ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。本発明の別の態様において、この組成物は、約30分以内に約450ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成し、および組成物の投与後約30分間〜約1時間、約450ng/mlよりも高いプロトンポンプ阻害因子の血清濃度を維持する量で、対象に投与される。
【0161】
本発明のさらに別の態様において、この組成物は、投与後約1時間以内に約500ng/mlよりも高い、酸分解していないかまたは酸反応していないプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成する量で、対象に投与される。本発明のさらに別の態様において、この組成物は、投与後約45分以内に約300ng/mlよりも高い、酸分解していないかまたは酸反応していないプロトンポンプ阻害因子の測定可能な血清濃度を達成する量で、対象に投与される。
【0162】
本発明の1つの態様において、この組成物は、胃腸障害有効量で対象に投与され、すなわち、この組成物は、所望の治療効果を誘発するために一定の時間の間、プロトンポンプ阻害因子の治療有効用量を達成するための量で、対象の血清中に投与される。例として、絶食中の成人ヒト(一般的には少なくとも10時間の絶食)において、この組成物は、組成物の投与後の約45分以内に、対象の血清に、プロトンポンプ阻害因子の治療有効用量を達成するように、対象の血清中に投与される。本発明の別の態様において、プロトンポンプ阻害因子の治療有効用量は、対象への組成物の投与の時点から約30分以内に、対象の血清中で達成される。なお別の態様において、プロトンポンプ阻害因子の治療有効用量は、対象への投与の時点から約20分以内に、対象の血清中で達成される。本発明のさらに別の態様において、プロトンポンプ阻害因子の治療有効用量は、対象への組成物の投与の時点から約15分以内に、対象の血清中で達成される。
【0163】
さらなる態様において、プロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能は少なくとも約25%である。他の態様において、プロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能は少なくとも約30%である。なお別の態様において、プロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能は少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%の生物利用可能性、または少なくとも60%である。
【0164】
代替的な態様において、薬学的組成物は、少なくとも約5mEqの制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。他の態様において、薬学的組成物は、約5mEq〜約30mEqの間の制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。なお他の態様において、薬学的組成物は、約5mEq〜約30mEqの間、または約5mEq、または約7mEq、または約10mEq、または約13mEq、または約15mEq、または約17mEq、または約20mEq、または約22mEq、または約25mEq、または約27mEq、または約30mEqの制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。「生物学的に同等」とは、血清濃度時間曲線下面積(AUC)およびピーク血清濃度(Cmax)が各々80%および120%以内であることを意味することを意図する。
【0165】
代替的な態様において、薬学的組成物は、少なくとも約5mEqの制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。他の態様において、薬学的組成物は、約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。なお他の態様において、薬学的組成物は、約5mEq〜約11mEqの間、または約5mEq、または約6mEq、または約7mEq、または約8mEq、または約9mEq、または約10mEq、または約11mEqの制酸剤を含み、Priolocec(登録商標)、Nexium(登録商標)、Prevacid(登録商標)、Protonic(登録商標)、またはAciphex(登録商標)のようなプロトンポンプ阻害剤製品に対して生物学的に同等である。
【0166】
他の態様において、対象に投与されるとき、本発明の薬学的組成物は、腸溶性型のプロトンポンプ阻害剤が制酸剤なしで送達されるときのプロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積(AUC)に同等である、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積(AUC)を有する。「同等である」とは、プロトンポンプ阻害剤についての血清濃度時間曲線下面積(AUC)が、同じ投薬量のプロトンポンプ阻害剤が腸溶性コートされ、1mEq未満の制酸剤とともに対象に送達されるときの血清濃度時間曲線下面積(AUC)の±30%以内であることを意味することを意図する。「腸溶性型のプロトンポンプ阻害剤」は、少なくともある程度の薬物が、胃の酸性環境よりもむしろ、小腸の近位領域(十二指腸)で放出されることを保証するために、ある程度または大部分のプロトンポンプ阻害剤が腸溶性コートされていることを意味することを意図する。
【0167】
さらに他の態様において、この薬学的組成物は、USP溶解方法を使用して、プロトンポンプ阻害剤の放出プロフィールを提供し、それによって、胃腸液への曝露後、約50%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約2時間以内に組成物から放出されるか;または約50%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1.5時間以内に組成物から放出されるか;または約50%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1時間以内に組成物から放出される。別の態様において、胃腸液への曝露後、約60%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約2時間以内に組成物から放出されるか;または約60%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1.5時間以内に組成物から放出されるか;または約50%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1時間以内に組成物から放出される。なお別の態様において、胃腸液への曝露後、約70%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約2時間以内に組成物から放出されるか;または約70%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1.5時間以内に組成物から放出されるか;または約70%より多くのプロトンポンプ阻害剤が約1時間以内に組成物から放出される。
【0168】
本発明によって意図される組成物は、プロトンポンプ阻害因子薬としての治療効果を、投与後約5分間〜約24時間の間隔にわたって提供し、所望される場合、例えば、1日に1回、1日に2回、または1日に3回の投与を可能にする。一般的に言えば、治療効果を誘発するために有効である時間の間、インビボで有効であることが見い出されている濃度と釣り合いのとれた血清レベルを達成するために有効である、化合物の量を投与することが望ましい。これらのパラメーターの決定は、当技術分野の範囲内である。
【0169】
投薬型
本発明の薬学的組成物は、所望の量のプロトンポンプ阻害剤および制酸剤を含み、以下の型であり得る:錠剤(懸濁液錠剤、チュアブル錠剤、迅速溶解錠剤、咬合崩壊錠剤、急速崩壊錠剤、発泡性錠剤、またはカプレットを含む)、丸薬、粉剤(滅菌パッケージされた粉剤、分配可能な粉剤、または発泡性粉剤)、カプセル(ソフトまたはハードの両方のカプセル、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル)、ロゼンジ、サシェ剤、トローチ剤、ペレット剤、顆粒剤、またはエアロゾル。本発明の薬学的組成物は、従来的な薬理学的技術によって製造することができる。
【0170】
ある態様のおいて、本発明の薬学的組成物は、所望の量のプロトンポンプ阻害剤および制酸剤を含み、固体投薬型である。他の態様において、本発明の薬学的組成物は、所望の量のプロトンポンプ阻害剤および制酸剤を含み、カプセル(ソフトまたはハードの両方のカプセル、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル)の型で投与される。本発明の薬学的組成物は、従来的な薬理学的技術によって製造することができる。
【0171】
従来的な薬理学的技術には、例えば、以下の方法の1つまたは組み合わせが含まれる:(1)乾式混合、(2)直接的圧縮、(3)粉砕、(4)乾式または非水性顆粒化、(5)湿式顆粒化、または(6)融合。例えば、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy (1986)を参照されたい。他の方法には、小球化、噴霧乾燥、パンコート、融解顆粒化、顆粒化、ワースターコーティング、接線コーティング、トップスプレー、押出成形、コアセルベーションなどが含まれる。
【0172】
1つの態様において、プロトンポンプ阻害剤は、上記の型の1つに製剤化される前にマイクロカプセル化される。別の態様において、ある程度のプロトンポンプ阻害剤は、製剤化される前にマイクロカプセル化される。別の態様において、ある程度または大部分の制酸剤が、製剤化される前にマイクロカプセル化される。さらに別の態様において、ある程度または大部分のプロトンポンプ阻害剤が、さらに製剤化される前に、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)に記載されるもののような標準的なコーティング手法を使用することによってコーティングされる。本発明によって意図されるさらに他の態様において、フィルムコーティングが薬学的組成物の周囲に提供される。
【0173】
他の態様において、薬学的組成物は、1種または複数のさらなる材料、例えば、薬学的に適合性であるキャリア、結合剤、充填剤、懸濁剤、矯味矯臭剤、甘味剤、崩壊剤、界面活性剤、保存剤、滑沢剤、着色料、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、安定剤、加湿剤、抗接着剤、壁細胞活性剤、消泡剤、抗酸化剤、キレート剤、抗真菌剤、抗菌剤、またはこれらの1つもしくは複数の組み合わせをさらに含む。
【0174】
他の態様において、薬学的組成物の1つまたは複数の層が可塑化される。例として、可塑剤は、一般的に、高沸点の固体または液体である。適切な可塑剤は、重量で(w/w)コーティング組成物の約0.01%〜約50%加えることができる。可塑剤には、例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレートおよびキャスターオイルが含まれる。
【0175】
例示的な固体経口投薬組成物
固体経口投薬組成物、例えば、錠剤、チュアブル錠剤、発泡性錠剤、カプレット、およびカプセルは、例えば、プロトンポンプ阻害剤、1種または複数の制酸剤、および薬学的賦形剤を混合してバルクブレンド組成物を形成することによって調製することができる。これらのバルクブレンド組成物が均一であるという場合、プロトンポンプ阻害剤および制酸剤が組成物の全体にわたって均等に分散され、その結果、この組成物が、等しく有効な単位投薬量型、例えば、錠剤、丸薬、およびカプセルに容易に再分割され得ることを意味する。個々の単位投薬量はまた、経口消化の際、または希釈剤との接触の際に崩壊するフィルムコーティングを含んでもよい。
【0176】
圧縮錠剤は、上記のバルクブレンド組成物を凝縮することによって調製される固体投薬量型である。種々の態様において、本発明の圧縮錠剤は、結合剤および/または崩壊剤のような1種または複数の機能的賦形剤を含む。他の態様において、圧縮錠剤は、最終的な圧縮錠剤を取り囲むフィルムを含む、他の態様において、圧縮錠剤は、1種または複数の賦形剤および/または矯味矯臭剤を含む。
【0177】
チュアブル錠剤が、上記のバルクブレンド組成物を凝縮することによって調製されてもよい。1つの態様において、チュアブル錠剤は、薬学的組成物の有効期間を増強するために有効な材料を含む。別の態様において、マイクロカプセル化材料は味を隠蔽する特性を有する。種々の他の態様において、チュアブル錠剤は、1種または複数の矯味矯臭剤および1種または複数の味隠蔽材料を含む。なお他の態様において、チュアブル錠剤は、薬学的製剤の有効期間を増強するために有用である材料と1種または複数の矯味矯臭剤の両方を含む。
【0178】
種々の態様において、プロトンポンプ阻害剤、制酸剤、および任意の1種または複数の賦形剤は、乾式ブレンドされ、そして経口錠剤またはカプレットなどの塊に圧縮され、これは、投与後の、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、約60分未満以内に、実質的に崩壊する薬学的組成物を提供するために十分な固さを有し、それによって、胃腸液に制酸剤およびプロトンポンプ阻害剤を放出する。少なくとも50%の薬学的組成物が崩壊されるとき、圧縮された塊は実質的に崩壊される。
【0179】
カプセルは、上記の任意のバルクブレンド組成物をカプセル中に配置することによって調製され得る。本発明のある態様において、治療用量は、複数(例えば、2つ、3つ、または4つ)のカプセルに分けられる。ある態様において、プロトンポンプ阻害剤および制酸剤の全体の用量は、カプセル型で送達される。例えば、カプセルは、約10mg〜約120mgの間のプロトンポンプ阻害剤、および約5mEq〜約30mEqの制酸剤を含んでもよい。ある態様において、制酸剤は、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、およびこれらの混合物から選択されてもよい。代替の態様において、カプセルは、5mEq〜約30mEqの炭酸水素ナトリウムを含む。
【0180】
例示的な粉末組成物
懸濁のための粉末が、少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤および約5mEq〜約11mEqの間の制酸剤を合わせることによって調製されてもよい。種々の態様において、粉末は、1種または複数の薬学的賦形剤および香料を含んでもよい。懸濁のための粉末は、例えば、プロトンポンプ阻害剤、1種または複数の制酸剤、および任意の薬学的賦形剤を混合して、バルクブレンド組成物を形成することによって調製されてもよい。このバルクブレンドを、単一投薬量パッケージングまたは複数用量パッケージング単位に、均一に再分割する。用語「均一に」は、バルクブレンドの均質性がパッケージングプロセスの間に実質的に維持されていることを意味する。
【0181】
ある態様において、ある程度またはすべてのプロトンポンプ阻害剤が微粉化される。本発明のさらなる態様はまた、懸濁剤および/または湿潤剤を含む。
【0182】
発泡性粉末もまた、本発明に従って調製される。発泡性塩は、経口投与のために水中に医薬を分散させるために使用されてきた。発泡性塩は、通常は炭酸水素ナトリウム、クエン酸および/または酒石酸から構成される乾燥混合物中に医薬薬剤を含む、顆粒または粗い粉末である。本発明の塩が水に加えられるときに、酸および塩基が反応して、二酸化炭素ガスを遊離し、それによって「発泡」を生じる。発泡性塩の例には、例えば以下の成分が含まれる:炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの混合物、クエン酸および/または酒石酸。成分が薬学的使用のために適切であり、かつ約6.0またはそれ以上のpHを生じる限り、二酸化炭素の遊離を生じる任意の酸-塩基の組み合わせを、炭酸水素ナトリウムおよびクエン酸および酒石酸の代わりに使用することができる。
【0183】
本発明の発泡性顆粒の調製の方法は、3つの基本的なプロセス:湿式顆粒化、乾式顆粒化および融合を利用する。融合方法は、大部分の市販の発泡性粉末の調製のために使用される。これらの方法は顆粒の調製について意図しているが、本発明の発泡性塩の製剤はまた、錠剤調製のための公知の技術に従って、錠剤として調製することができることに注目するべきである。
【0184】
懸濁のための粉末
ある態様において、少なくとも1種のプロトンポンプ阻害剤、約5mEq〜約11mEqの制酸剤、および少なくとも1種の懸濁剤を含む、対象への経口投与のための薬学的組成物が提供される。この組成物は、懸濁のための粉末であり得、水との混合の際に実質的に均一な懸濁液が得られる。2003年7月18日に出願された米国仮特許出願第60/488,324号に対して優先権を主張する、2004年7月16日に出願された米国特許出願第10/893,092号を参照されたい。これらの両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0185】
懸濁液は、それが大部分均質であるとき、すなわち、懸濁液が、その懸濁液の全体を通して任意の点においてほぼ同じ濃度のプロトンポンプ阻害剤から構成されるときに、「実質的に均一である」。懸濁液は、約20%未満、約15%未満、約13%未満、約11%未満、約10%未満、約8%未満、約5%未満、または約3%未満の濃度の変動が、その懸濁液からの種々の点から取られた試料の間に存在するときに、その懸濁液の全体がほぼ同じ濃度のプロトンポンプ阻害剤からなると判断される。
【0186】
懸濁液の全体の種々の点における濃度は、当技術分野において公知である任意の適切な手段によって決定することができる。例えば、種々の点における濃度を決定する1つの適切な方法は、懸濁液を、3つの実質的に等しいセクション:上部、中間、下部に分割することを含む。これらの層は、懸濁物の上部から開始して。懸濁液の下部で終わるように分割する。懸濁液の均質性を決定するために適切な任意の数のセクション、例えば、2つのセクション、3つのセクション、4つのセクション、5つのセクション、または6つまたはそれ以上のセクションを使用することができる。
【0187】
1つの態様において、本発明の組成物は、少なくとも1種のプロトンポンプ阻害剤、約5mq〜約11mEqの間の制酸剤、およびガム懸濁剤を含み、ここで、不溶性物質の平均粒子サイズは約200μm未満である。ある態様において、不溶性物質の平均粒子サイズは約100μm未満である。他の態様において、不溶性物質の平均粒子サイズは約50μm未満である。この組成物は懸濁のための粉末であり、水との混合の際に、第1の懸濁液が得られ、これは、プロトンポンプ阻害剤、制酸剤、および懸濁剤を含む第2の懸濁液と比較した場合に、実質的により均質であり、ここで、懸濁液はキサンタンガムではない。
【0188】
別の態様において、本発明の組成物は、オメプラゾール、炭酸水素ナトリウムおよびキサンタンガムを含む。この組成物は懸濁のための粉末であり、水との混合の際に、実質的に均一な懸濁液が得られる。なお別の態様において、この組成物は懸濁のための粉末であり、オメプラゾール、約5mq〜約11mEqの間の炭酸水素ナトリウム、キサンタンガム、および少なくとも1種の甘味料または矯味矯臭剤を含む。
【0189】
組み合わせ治療
本明細書に記載される組成物および方法はまた、処置される状態に対してそれらの特定の有用性のために選択される他の周知の治療薬剤とともに使用されてもよい。一般的に、本明細書および組み合わせ治療が利用される態様において記載される組成物において、他の薬剤は同じ薬学的組成物中で投与される必要はなく、かつ異なる物理的特性および化学的特性のために、異なる経路によって投与されなければならないと考えられる。投与の様式の決定および投与の適否の決定は、可能であれば、同じ薬学的組成物中で、熟練した臨床家の知識の範囲内である。初期の投与が当技術分野において公知の確立されたプロトコールに従ってなされ得る場合、次いで、観察された効果に基づいて、投薬量、投与の様式および投与の回数が、熟練した臨床家によって改変され得る。
【0190】
使用される化合物の特定の選択は、担当医の診断および患者の状態の医師の判断および適切な処置プロトコールに依存する。化合物は、増殖性疾患の性質、患者の状態、および使用する化合物の実際の選択に依存して、共に(例えば、同時に、本質的に同時に、または同じ処置プロトコール中で)または逐次的に投与されてもよい。投与の順序、および処置プロトコールの間の各治療剤の投与の反復の数の決定は、処置される疾患および患者の状態の評価後に、熟練した医師の知識の十分に範囲内である。
【0191】
軽減が求められる状態を処置、予防、または改善するための投薬計画は、種々の要因に従って改変され得ることが理解される。これらの要因には、対象が患う胃酸障害の型、投与されるプロトンポンプ阻害剤、ならびに対象の年齢、体重、性別、食餌、および医学的状態が含まれる、従って、実際に利用される投薬計画は、広範に変化することができ、それゆえに、本明細書に示される投薬計画から逸脱することが可能である。例えば、プロトンポンプ阻害剤は、胃酸関連障害の迅速な軽減ならびに持続される軽減を送達するために製剤化することができる。
【0192】
本明細書に開示される組み合わせ治療を構成する医用薬剤は、実質的に同時の投与のために意図される、組み合わせ投薬型または分離投薬型であってもよい。組み合わせ治療を構成する医用薬剤はまた、2段階投与を必要とする計画によって投与されるいずれかの化合物とともに逐次的に投与されてもよい。2段階投与計画は、活性薬剤の逐次的な投与または別々の活性薬剤の間隔を空けた投与を必要とする可能性がある。複数の投与工程の間の時間の長さは、各医用薬剤の特性、例えば、効力、溶解性、生物学的利用能、血漿半減期、および医用薬剤の反応速度論的プロフィールに依存して、数分間から数時間の範囲であり得る。標的分子濃度の概日性変動もまた、最適投与間隔を決定し得る。
【0193】
ある態様において、本発明の方法、キット、および組成物は、胃腸の障害を処置または予防するために示される別の医用薬剤、例えば、抗菌剤、アルギン酸、運動促進剤、またはこの障害に関連する痛みおよび/もしくは合併症を最小化するために一般的に投与されるH2拮抗薬などと組み合わせて使用され得る。これらの薬物は、それらの使用に付随する特定の不利益を有する。これらの薬物のいくつかは、上述の状態の処置において完全に有効なわけではなく、ならびに/または精神錯乱、便秘、下痢、および血小板減少症のような有害な副作用を生じる。
【0194】
他の態様において、本発明の方法、キット、および組成物は、以下を含むがこれらに限定されない、他の医用薬剤との組み合わせで使用することができる:エンフェナミック酸(enfenamic acid)、エトフェナメート(etofenamate)、フルフェナミック酸(flufenamic acid)、イソニキシン(isonixin)、メクロフェナミック酸(meclofenamic acid)、メフェナミック酸(mefenamic acid)、ニフルミック酸(niflumic acid)、タルニフルメート(talniflumate)、テロフェナメート(terofenamate)、およびトルフェナミック酸(tolfenamic acid)のようなアミノアリールカルボン酸誘導体を含むがそれに限定されないNSAID;アセクロフェナク(aceclofenac)、アセメタシン(acemetacin)、アルクロフェナク(alclofenac)、アムフェナク(amfenac)、アムトルメチングアシル(amtolmetin guacil)、ブロムフェナク(bromfenac)、ブフェキサマク(bufexamac)、シンメタシン(cinmetacin)、クロピラク(clopirac)、ジクロフェナク(diclofenac)ナトリウム、エトドラク(etodolac)、フェルビナク(felbinac)、フェンクロジック酸(fenclozic acid)、フェンチアザク(fentiazac)、グルカメタシン(glucametacin)、イブフェナク(ibufenac)、インドメタシン(indomethacin)、イソフェゾラク(isofezolac)、イソキセパク(isoxepac)、ロナゾラク(lonazolac)、メチアジン酸(metiazinic acid)、モフェゾラク(mofezolac)、オキサメタシン(oxametacine)、ピラゾラク(pirazolac)、プログルメタシン(proglumetacin)、スリンダク(sulindac)、チアラミド(tiaramide)、トルメチン(tolmetin)、トロペシン(tropesin)、およびゾメピラク(zomepirac)などのアリール酢酸誘導体;ブマジゾン(bumadizon)、ブチブフェン(butibufen)、フェンブフェン(fenbufen)、キセンブシン(xenbucin)などのアリール酪酸誘導体;クリダナク(clidanac)、ケトロラク(ketorolac)、チノリジン(tinoridine)などのアリールカルボン酸;アルミノプロフェン(alminoprofen)、ベノキサプロフィン(benoxaprofin)、ベルモプロフェン(bermoprofen)、ブクロキシック酸(bucloxic acid)、カルプロフェン(carprofen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フルノキサプロフェン(flunoxaprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、イブプロフェン、イブプロキサム(ibuproxam)、インドプロフェン(indoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ロキソプロフェン(loxoprofen)、ナプロキセン(naproxen)、オキサプロジン(oxaprozin)、ピケトプロフィン(piketoprofin)、ピルプロフェン(pirprofen)、プラノプロフェン(pranoprofen)、プロチジン酸(protizinic acid)、スプロフェン(suprofen)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、キシモプロフェン(ximoprofen)、およびザルトプロフェン(zaltoprofen)などのアリールプロピオン酸誘導体;ジフェナミゾール(difenamizole)およびエピロゾール(epirozole)などのピラゾール;アパゾン(apazone)、ベンズピペリロン(benzpiperylon)、フェプラソン(feprazone)、モフェブタゾン(mofebutazone)、モラゾン(morazone)、オキシフェンブタゾン(oxyphenbutazone)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、ピペブゾン(pipebuzone)、プロピルフェナゾン(propyphenazone)、プロスタグランジン、ラミフェナゾン(ramifenazone)、スキシブゾン(suxibuzone)、およびチアゾリノブタゾン(thiazolinobutazone)などのピラゾロン;アセトアミノサロール(acetaminosalol)、アスピリン、ベノリレート(benorylate)、ブロモサリゲニン(bromosaligenin)、アセチルサリチル酸カルシウム、ジフルニサール(diflunisal)、エテルサレート(etersalate)、フェンドサール(fendosal)、ゲントリシック酸(gentisic acid)、サリチル酸グリコール、サリチル酸イミダゾール、アセチルサリチル酸リジン、メサラミン(mesalamine)、サリチル酸モルホリン、1-ナフチルサリチル酸、オルサラジン(olsalazine)、パーサルミド(parsalmide)、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、サラセタミド(salacetamide)、サリチルアミド o-酢酸、サリチル硫酸、サルサレート(salsalate)、サルファサラジン(sulfasalazine)などのサリチル酸誘導体;アムピロキシカム(ampiroxicam)、ドロキシカム(droxicam)、イソキシカム(isoxicam)、ロモキシカム(lomoxicam)、ピロキシカム(piroxicam)、およびテノキシカム(tenoxicam)などのチアジンカルボキアミド;Celebrex(セレコキシブ(Celecoxib))、Vioxx、Relafen、Lodine、およびVoltarenなどのシクロオキシゲナーゼII阻害剤(「COX-II」)、ならびにその他、例えば、ε-アセトアミドカプロン酸、s-アデノシルメチオニン、3-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸、アミキシトリン(amixetrine)、ベンダザク(bendazac)、ベンジダミン(benzydamine)、α-ビサボロール(bisabolol)、ブコロロム(bucololome)、ジフェンピラミド(difenpiramide)、ジタゾール(ditazol)、エモルファゾン(emorfazone)、フェプラジノール(fepradinol)、グアイズレン(guaiazulene)、ナブメトン(nabumetone)、ニメスリド(nimesulide)、オキサセプロール(oxaceprol)、パラニリン(paranyline)、ペリソキサール(perisoxal)、プロクアゾン(proquazone)、テニダップ(tenidap)およびジレントン(zilenton);ベンゾジアゼピン睡眠薬、非ベンゾジアゼピン睡眠薬、抗ヒスタミン性睡眠薬、抗うつ性睡眠薬、ハーブ抽出物、バルビツレート、ペプチド睡眠薬、トリアゾラム、ブロチゾラム、ロプラゾラム(loprazolam)、ロルメトゼパム(lormetazepam)、フルミトラゼパム(flunitrazepam)、フルラゼパム(flurazepam)、ニトラゼパム、クアゼパム(quazepam)、エスタゾラム、テマゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、ジアゼパム、ハラゼパム、プラゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、イミダゾピリジンおよびピラゾロピリジン睡眠薬、ゾルピデム(zolpidem)またはゾルピデム酒石酸塩、ゾピクロン、エスゾピクロン(eszopiclone)、ザレプロン(zaleplon)、インジプロン(indiplone)、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、フェニルトロキサミン、ピリルアミン、ドキセピン、アムトリプチリン(amtriptyline)、トリミプラミン、トラゾドン(trazodon)、ネファゾドン、ブプロピオン、ブプラミチイプチリン(bupramityiptyline)、カノコソウ抽出物またはアメントフラボン(amentoflavone)などのハーブ抽出物、メラトニンまたはギャバペプチンなどのホルモンを含むがこれらに限定されない睡眠補助薬;5-HT阻害剤を含むがこれらに限定されない運動性薬剤、例えば、シサプリド、ドンペリドン、およびメトクロプラミド、ならびに過敏性腸症候群を処置するために有用な薬剤。
【0195】
簡潔さのために、引用されたすべての特許および他の参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0196】
実施例
本発明は、いかなる場合においても限定であると解釈されるべきではない、以下の実施例によってさらに例証される。示されるデータを生じるための実験的手順は以下により詳細に議論される。本実施例中でのすべての製剤について、複数用量は、当技術分野において公知であるように、比例して化合物を使用し得る。コーティング、層およびカプセル化は、これらの目的のために慣用的な装置を使用して、従来的な方法で適用した。
【0197】
本発明は、例示的な様式で記載されてきたが、使用する用語法は、限定よりもむしろ説明の性質の中にあることが意図される。
【0198】
実施例1:制酸剤選択のための改変Fuchモデル
文献に記載されているFuchの手順の変種である方法を使用して、試料を調製および分析した。記載される手順は、連続的な酸の流入を有する胃の環境をシミュレートする。実験の設定および試料の分析の説明は以下に提供する。試料分析および関連情報の収集のために、最初の試料の評価後に、これらの使用説明書に変更がなされてもよい。
【0199】
設定:
1. 50mLの標準化された0.1N HClの溶液を含むガラス試料容器(〜150mL容量)を、37℃(±2℃)に設定したウォーターバスに配置した。
2. >70mLの標準化された1.0N HClの溶液を含む第2のガラス容器を、同じウォーターバスに配置した。
3. 次いで、攪拌棒を同じ試料容器に配置し、適切な速度に設定した。攪拌棒の速度を記録し、分析するすべての試料について使用した。攪拌棒の速度は、pH測定の干渉を引き起こすことなく、または溶液を飛散させることなく、試料および加えた酸を溶解するために適切であるべきである。
4. 各試料分析の開始の前に、管系を準備し、1.0N HClを用いる流速が0.5mL/分であり、温度が37℃(±2℃)であることを確認した。次いで、ポンプおよび管系を設定して、1.0N HCl酸の試料容器への移動を可能にした。
5. pHメーターを、1から10までの間のpHを正確に測定するために較正し、電子保存デバイスがpHおよび/または温度のデータを所定の速度で収集するために準備ができていることを確認した。
6. 必要である場合、乳鉢および乳棒を使用して試料を微細な粉末に粉砕し、次いで、適切な容器に移し、秤量した。
7. pHプローブを、37℃(±2℃)の50mLの0.1N HClを含むガラス試料容器に配置した。
8. 次いで、タイマーおよびpHデータ収集を開始した。次いで、試料を容器に移し、試料が酸に導入された正確な時間を記録した。次いで、試料容器を再び秤量し、加えた正確な重量を決定した。
9. 次いで、試料をおよそ6分間攪拌し、0.5mL/分の速度の1.0N HClの流れを開始した。酸の流れの正確な開始点を記録した。
10. 30mEq以下(≦30mEq)のANCを有する試料については、試料は継続して攪拌し、pHを、15秒間の間隔で1時間モニターした。
11. 試験の期間を記録し、加えた0.1N HClの全体の体積を、流速に基づいて計算した。
【0200】
種々の緩衝剤の組み合わせを、この改変Fuchsインビトロ動的胃モデルを上記のように使用してスクリーニングし、実際の中和能力およびその速度に対する、所定の緩衝剤の理論的ANCの相関は、溶解性、粒子サイズ、結合剤および/または崩壊剤の存在およびレベルのようないくつかの因子に依存することを発見した。例えば、緩衝剤の粒子のサイズが小さいほど、所定の緩衝剤の実際のANCに対する理論値が近くなることが決定された。この粒子サイズの効果は、炭酸カルシウムまたは水酸化マグネシウムなどの不溶性またはやや溶けにくい制酸剤については特に注目されるべきものであった。対照的に、制酸剤の粒子サイズがより大きいほど、実際のANCはより小さかった(例えば、100 USメッシュサイズ以下、80 USメッシュサイズ以下、および60 USメッシュサイズ以下の水酸化マグネシウム)。
【0201】
SPI PharmaからのMS-90(登録商標)のような5%デンプンを有する噴霧乾燥した水酸化マグネシウムは、設定した速度の中和において、沈殿によって製造されたUSPグレード(USPグレードの水酸化マグネシウム)よりも良好な性能であることもまた決定された。類似のパターンにおいて、Particle DynamicsからのDestab(登録商標)炭酸カルシウム-95Sのような、5%デンプンを有する噴霧乾燥した炭酸カルシウムは、動的pHプロフィールの曲線下面積(AUC)によって測定される実際の中和の力と同様に、設定した速度の中和において、沈殿によって製造されたUSPグレードの炭酸カルシウムよりも良好な性能であることもまた決定された。
【0202】
実施例2:崩壊剤最適化試験:混合緩衝剤系
大部分のプロトンポンプ阻害剤は、水にやや溶けにくい。これらのやや溶けにくい薬物は、生物学的利用能に対する、分解時間の強力な相関を有し、これは、薬物のインビボ溶解を増強する崩壊時間を最適化するために重要である。この試験は、表2Aに示されるように、80メッシュUSメッシュサイズ以下の水酸化マグネシウムに基づく製剤を使用し、カプセル投薬型の性能について、3%と11%の間のレベルの崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム、Ac-di-Sol)を試験した。USP(米国薬局方)によって概説されている崩壊試験を、崩壊剤の最適レベルを決定するための試験方法として選択した。5%〜11%の間のAc-Di-Solを含むすべてのカプセル製品は、それらの物理的特徴、流動特性、およびカプセル化特徴の観点から同様の性能であった。混合緩衝剤系を用いる試料の崩壊試験は、崩壊剤のレベルが3%から5%に増加されるとき、カプセル分解時間が減少することを示した。5%より上に崩壊剤のレベルを増加させることは、崩壊時間を有意に低下しなかった。
【0203】
(表2.A.1)崩壊剤最適化試験

【0204】
(表2.A.2)崩壊剤最適化試験

【0205】
実施例2B. 崩壊剤最適化試験-炭酸水素ナトリウム緩衝剤
炭酸水素ナトリウムは、胃液などの酸と混合したときに発泡性特性を有する。これは、カプセル製品の崩壊時間を促進し、崩壊の要件は、炭酸水素ナトリウム緩衝剤が単一の緩衝剤として使用されるときには、混合緩衝剤系よりも少ない。この試験は、表2.B.1.に示されるようなUSP#2グレードの炭酸水素ナトリウムベースの製剤を使用し、カプセル投薬型の性能について、1%から5%の間のレベルの崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム、Ac-di-Sol)を試験した。USP(米国薬局方)によって概説されている崩壊試験を、崩壊剤の最適レベルを決定するための試験方法として選択した。1%〜5%の間のAc-Di-Solを含むすべてのカプセル製品は、それらの物理的特徴、流動特性、およびカプセル化特徴の観点から同様の性能であった。しかし、試料の崩壊試験は、崩壊剤のレベルが1%から2%に増加されるとき、カプセル分解時間が減少することを示した。3%より上に崩壊剤のレベルを増加させることは、崩壊時間を有意に低下しなかった。
【0206】
(表2.B.1)崩壊剤最適化試験

【0207】
(表2.B.2)崩壊剤最適化試験:炭酸水素ナトリウム緩衝剤

【0208】
実施例3:結合剤最適化試験
3〜8%の低レベルの結合剤が、カプセル化の前に栓を作製するためにカプセル製品製造において一般的に使用される。Klucel(登録商標)-EXP(ヒドロキシプロピルセルロース)または微晶質セルロース(Avicel(登録商標)PH-102、PH-200)のような結合剤の使用を、動的胃モデル(改変Fuchsモデル)を使用して、粉末中の0〜5%崩壊剤の存在下で、性能について評価した。一般的に、結合剤の使用は、崩壊剤と組み合わせて使用しない限り、実際のANCおよびpHプロフィール試験における中和の速度に対して、負の影響を与えた。
【0209】
(表3.A.1)結合剤最適化試験

【0210】
(表3.A.2)結合剤最適化試験

【0211】
pH試験の結果(表3.A.1.および表3.A.2.)は、5〜10%レベルの結合剤を含むカプセルが、非常にゆっくりとした速度を有するのに対して、結合剤および崩壊剤を有するカプセルが適度な速さの中和を有したことを示す。結合剤なし、崩壊剤なしのカプセルは、中程度の中和速度を有した。表3BBは、結合剤の存在が中和速度を遅くするのに対して、崩壊剤の使用は製剤における結合剤のネガティブな影響を軽減するという同様の知見を示した。
【0212】
(表3.B.1)様々なレベルの結合剤および崩壊剤を使用するカプセルの中和速度

【0213】
(表3.B.2)様々なレベルの結合剤および崩壊剤を使用するカプセルの中和速度

【0214】
実施例4:カプセル製剤
以下の製剤を、以下のプロセスによって調製した:炭酸水素ナトリウムおよびオメプラゾールをミキサー中で合わせ、5分間ブレンドした。この混合物に、水酸化マグネシウムおよびクロスカルメロースナトリウムを加え、5分間ブレンドした。次いで、#20メッシュs/sふるいを通し、次いで、10分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウムをこの混合物に加え、3分間ブレンドした。次いで、材料を、ハードゼラチンカプセルシェル中でカプセル化した。

【0215】
実施例5:炭酸水素ナトリウムおよび3%未満の崩壊剤を有するカプセル
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な緩衝剤を含む。緩衝剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。カプセルを、1種または複数の緩衝剤とPPIをブレンドすること、および賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、自動カプセル化装置を使用して、ハードゼラチンカプセル(例えば、サイズ00)に充填する。PPIは微粉化型であり得る。

【0216】
実施例6:混合緩衝剤系および3〜11%の崩壊剤を有するカプセル
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な緩衝剤を含む。緩衝剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。カプセルを、1種または複数の緩衝剤とPPIをブレンドすること、および賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、自動カプセル化装置を使用して、ハードゼラチンカプセル(例えば、サイズ00)に充填する。PPIは微粉化型であり得る。






【0217】
実施例7:結合剤を有さないカプセル製剤
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な緩衝剤を含む。緩衝剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。カプセルを、1種または複数の緩衝剤とPPIをブレンドすること、および賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、自動カプセル化装置を使用して、ハードゼラチンカプセル(例えば、サイズ00)に充填する。PPIは微粉化型であり得る。


【0218】
実施例8:カプセル製剤
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な制酸剤を含む。制酸剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。カプセルを、制酸剤とPPIをブレンドすること、および以下の表8.A.〜8.H.に示されるような賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、自動カプセル化装置(H & K 1500またはMG2 G60)を使用して、ハードゼラチンカプセル(例えば、サイズ00)に充填する。PPIは微粉化型であり得る。
【0219】
(表8.A.)オメプラゾール(20mg)カプセル

【0220】
(表8.B.)オメプラゾール(40mg)カプセル

【0221】
(表8.C.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(15mg)カプセル

【0222】
(表8.D.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(30mg)カプセル

【0223】
(表8.E.)オメプラゾール(60mg)カプセル

【0224】
(表8.F.)オメプラゾール(60mg)カプセル

【0225】
(表8.G.)オメプラゾール(10mg)カプセル

【0226】
(表8.H.)オメプラゾール(40mg)カプセル

【0227】
実施例9:錠剤製剤
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な制酸剤を含む。制酸剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。錠剤を、制酸剤とPPIをブレンドすること、および以下の表9.A.〜9.H.に示されるような賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、ロータリープレス(Manesty Express)における卵形形状加工を使用して圧縮し、15〜20kPaの固さを達成する。PPIは微粉化型であり得る。
【0228】
(表9.A.)オメプラゾール(20mg)錠剤

【0229】
(表9.B.)オメプラゾール(40mg)錠剤

【0230】
(表9.C.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(15mg)錠剤

【0231】
(表9.D.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(30mg)錠剤

【0232】
(表9.E.)オメプラゾール(60mg)錠剤

【0233】
(表9.F.)オメプラゾール(20mg)錠剤

【0234】
(表9.G.)オメプラゾール(10mg)錠剤

【0235】
(表9.H.)オメプラゾール(40mg)錠剤

【0236】
実施例10:チュアブル錠剤製剤
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な制酸剤を含む。制酸剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。錠剤を、制酸剤とPPIをブレンドすること、および以下の表10.A.〜10.H.に示されるような賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、ロータリープレス(Manesty Express)における17mm FFBE加工を使用して圧縮し、10〜14kPaの固さを達成する。PPIは微粉化型であり得る。
【0237】
(表10.A.)オメプラゾール(20mg)チュアブル錠剤

【0238】
(表10.B.)オメプラゾール(40mg)チュアブル錠剤

【0239】
(表10.C.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(15mg)チュアブル錠剤

【0240】
(表10.D.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(30mg)チュアブル錠剤

【0241】
(表10.E.)オメプラゾール(60mg)チュアブル錠剤

【0242】
(表10.F.)オメプラゾール(60mg)チュアブル錠剤

【0243】
(表10.G.)オメプラゾール(10mg)チュアブル錠剤

【0244】
(表10.H.)オメプラゾール(40mg)チュアブル錠剤

【0245】
実施例11:咬合崩壊チュアブル錠剤製剤
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な制酸剤を含む。制酸剤の量は、重量ならびにモル濃度当量(mEq)で表現される。錠剤を、制酸剤とPPIをブレンドすること、および以下の表11.A.〜11.H.に示されるような賦形剤と均質にブレンドすることによって調製した。適切な重量のバルクブレンド組成物を、ロータリープレス(Manesty Express)における10mm FFBE加工を使用して圧縮し、5〜9kPaの固さを達成する。PPIは微粉化型であり得る。
【0246】
(表11.A.)オメプラゾール(20mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0247】
(表11.B.)オメプラゾール(40mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0248】
(表11.C.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(15mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0249】
(表11.D.)ランソプラゾール(Lansoprazole)(30mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0250】
(表11.E.)オメプラゾール(60mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0251】
(表11.F.)オメプラゾール(60mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0252】
(表11.G.)オメプラゾール(10mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0253】
(表11.H.)オメプラゾール(40mg)咬合崩壊チュアブル錠剤

【0254】
実施例12:懸濁製剤のための粉末
以下の特定の製剤は、参考のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。各製剤は、治療有効用量のPPI、ならびに胃液のpHを上昇させることによって少なくともある程度のPPIの酸分解を妨害するために十分な制酸剤を含む。PPIは微粉化型であり得る。
【0255】
(表12.A.)懸濁のためのマイクロカプセル化オメプラゾール(20/40/60/120mg)粉末

【0256】
(表12.B.)懸濁のためのオメプラゾール(20mg)粉末

【0257】
(表12.C.)懸濁のためのオメプラゾール(40mg)粉末

【0258】
(表12.D.)懸濁のためのオメプラゾール(60mg)粉末

【0259】
本発明の多くの改変、同等物、および変種が上記の教示に鑑みて可能であり、それゆえに、添付の特許請求の範囲において、本発明は具体的に記載されたもの以外が実施できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0260】
【図1】NaHCO3およびMg(OH)2の種々の混合物を含む緩衝剤系の比較を示す。
【図2】NaHCO3およびMg(OH)2の種々の混合物を含む緩衝剤系の比較を示す。
【図3】インビトロ/インビボ中和に対する水酸化マグネシウムの粒子サイズの効果を示す。
【図4】種々の製剤の薬物動態に対する水酸化マグネシウムの粒子サイズの効果を示す。
【図5】種々の薬学的製剤に対する結合剤の効果を示す。
【図6】懸濁のための粉末と比較した場合の、5%結合剤を用いるカプセル溶解効果を示す。
【図7】高/低Ac-Di-Sol(崩壊剤)のpH研究の結果を示す。
【図8】Prilosecと比較した場合の、高/低Ac-Di-Sol(崩壊剤)の薬物動態研究の結果を示す。
【図9】6つの異なる薬学的製剤についての薬物動態プロフィールを示す。
【図10】個々の薬学的製剤中に存在する、ANCを有するすべてのCTMロットの概要である。
【図11】種々の製剤の薬物動態の概要である。
【図12】SAN-10E、SAN-10BB、およびSAN-10Bのカプセル安定性を示す。
【図13】Prilosec(登録商標)についての濃度/時間曲線の、SAN-10K(10.5mEqの炭酸水素ナトリウムおよび40mgオメプラゾール)の濃度/時間曲線に対する比較を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、カプセルまたはカプレット経口投薬型の薬学的製剤:
(a)約5mg〜約200mgの少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤;
(b)胃液のpHを、少なくともいくつかの胃液中のプロトンポンプ阻害剤の酸分解を妨害するpHまで増加させるために十分な量の少なくとも1種の制酸剤であって;ここで、少なくとも約400mgのNaHCO3を含む制酸剤;および
(c)約2重量%より多くの崩壊剤。
【請求項2】
プロトンポンプ阻害剤がオメプラゾール(omeprazole)、またはその遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項3】
プロトンポンプ阻害剤がエソメプラゾール(esomeprazole)、またはその遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項4】
プロトンポンプ阻害剤がランソプラゾール(lansoprazole)、またはその遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項5】
約20mgのプロトンポンプ阻害剤を含む、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項6】
約40mgのプロトンポンプ阻害剤を含む、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項7】
制酸剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、およびそれらの混合物から選択される、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項8】
炭酸水素ナトリウムが少なくとも約800mgの量で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項9】
制酸剤が炭酸水素ナトリウムである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項10】
制酸剤が約400mg〜約1600mgの量で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項11】
制酸剤が約5mEq〜約20mEqの量で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項12】
制酸剤が約8mEq〜約12mEqの量で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項13】
経口投薬形態がカプセルである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項14】
薬学的製剤が単一カプセルとして投与される、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項15】
崩壊剤がAc-Di-Solである、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項16】
崩壊剤が約2重量%〜約8重量%の量で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項17】
製剤が結合剤を含まない、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項18】
結合剤をさらに含む薬学的製剤であって、崩壊剤が該結合剤と少なくとも同じ重量%で存在する、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項19】
結合剤が約10重量%未満の量で存在する、請求項18記載の薬学的製剤。
【請求項20】
製剤が矯味矯臭剤を含まない、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項21】
プロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度が、薬学的製剤の投与後の約30分以内の任意の時点で約0.1μg/mlよりも高い、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項22】
(a)少なくとも1種の酸不安定性プロトンポンプ阻害剤:
(b)約5mEq〜約20mEqの間の炭酸水素ナトリウム;および
(c)約2重量%〜約5重量%の間の崩壊剤;
を含むカプセル投薬型の薬学的製剤であって、対象への経口投与の際に、治療有効量のプロトンポンプ阻害剤が送達され、かつ該プロトンポンプ阻害剤のTmaxが約60分間以内に得られる、薬学的製剤。
【請求項23】
プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾール、またはその遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項24】
オメプラゾールが約20mgの量で存在する、請求項23記載の薬学的製剤。
【請求項25】
オメプラゾールが約40mgの量で存在する、請求項23記載の薬学的製剤。
【請求項26】
炭酸水素ナトリウムが約800mg〜約1300mgの量で存在する、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項27】
炭酸水素ナトリウムが約1100mgの量で存在する、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項28】
単一カプセルとして投与される、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項29】
崩壊剤がAc-Di-Solである、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項30】
製剤が結合剤を含まない、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項31】
プロトンポンプ阻害剤の初期の血清濃度が、薬学的製剤の投与後の約30分以内の任意の時点で約0.1μg/mlよりも高い、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項32】
胃酸関連障害の処置のための、請求項1記載の化合物を投与する方法。
【請求項33】
胃酸関連障害が、十二指腸潰瘍疾患、胃潰瘍疾患、胃食道逆流性疾患、びらん性食道炎、低反応性の症候性胃食道逆流性疾患、病的胃腸過分泌性疾患、ゾリンジャー エリソン症候群、胸やけ、食道障害、上部消化管出血、または多酸性消化不良である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
プロトンポンプ阻害剤のTmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後約75分以内に得られる、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項35】
プロトンポンプ阻害剤のTmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後約60分以内に得られる、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項36】
プロトンポンプ阻害剤のTmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後約45分以内に得られる、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項37】
プロトンポンプ阻害剤の血清濃度が、対象への薬学的製剤の経口投与後約1時間以内に約0.3μg/mlよりも高い、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項38】
プロトンポンプ阻害剤の血清濃度が、対象への薬学的製剤の経口投与後約45分以内に約0.3μg/mlよりも高い、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項39】
プロトンポンプ阻害因子の平均Cmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後に約1250ng/ml未満である、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項40】
対象への薬学的製剤の経口投与後約45分以内に実質的に崩壊する、請求項13記載の薬学的製剤。
【請求項41】
プロトンポンプ阻害剤のTmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後約45分以内に得られる、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項42】
プロトンポンプ阻害剤の血清濃度が、対象への薬学的製剤の経口投与後約1時間以内に約0.3μg/mlよりも高い、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項43】
プロトンポンプ阻害剤の血清濃度が、対象への薬学的製剤の経口投与後約45分以内に約0.3μg/mlよりも高い、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項44】
プロトンポンプ阻害因子の平均Cmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後に約1250ng/ml未満である、請求項22記載の薬学的製剤。
【請求項45】
食前に対象に投与され、プロトンポンプ阻害剤のTmaxが、対象への薬学的製剤の経口投与後に約60分以内に得られる、請求項1記載の薬学的製剤。
【請求項46】
食前に対象に投与される、請求項22記載の薬学的製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−500365(P2008−500365A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515351(P2007−515351)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/018585
【国際公開番号】WO2005/115474
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(504284249)サンタラス インコーポレイティッド (9)
【Fターム(参考)】