説明

酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法

本発明は、亜鉛及び鉛の硫化濃縮物を金属源として使用する純金属インジウムの新規製造方法を提供する。本方法は酸化亜鉛焼成物の中性浸出残渣からWaelz工程により生成される酸化亜鉛から開始する。亜鉛焼成物の中性浸出の中性アンダーフロー(又は残渣)の弱浸出のオーバーフロー(又は上澄み)もまた、より低い割合でインジウムを含有し、インジウム回収のグローバルな工程の一部となり得るか、又はなり得ない。新たな技術は、下記の段階:a)インジウム前濃縮物の生成;b)還元浸出において得られるインジウムセメント生成物の少なくとも1回の弱浸出及び少なくとも1回の強浸出を備える、インジウムセメントの生成;c)インジウム溶液の生成;d)有機溶媒によるインジウムの抽出;e)インジウムのセメンテーション;f)金属の融合、精製、及びインゴット化;g)99.995%を超える高純度の生成物を得るためのインジウムの電解;を備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、金属源として亜鉛及び鉛の硫化濃縮物を使用して純金属インジウムを製造するための新規な方法を提供することを目的とする。亜鉛源からインジウムを回収するためのいくつかの特許がすでに開発されているが、通常、コストが高く非常に複雑な方法である。中国特許第1664131号明細書は、高圧下での浸出を使用した、硫化亜鉛鉱物からインジウムを除去する方法に言及している。ロシア特許第2238994号明細書は、亜鉛溶液中のインジウムの抽出に関するが、いかにしてこの溶液を得るかを教示しておらず、有機リン系試薬を用いてそれを行っている。日本国特許第3075223号明細書は、pHを調節することにより水溶液からインジウムを抽出するために、シュウ酸及び/又はオキサレートを挙げている。米国特許第4292284号明細書は、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、及びトリアルキルリン酸を含有する有機溶媒を使用した、水溶液中のインジウムの溶媒による抽出にしか言及していない。ロシア特許第2275438号明細書は、オクタン酸中のtert−ブチルフェノールの混合物を含有する有機溶媒を使用した、残留溶液からのインジウムの溶媒による抽出しか記載していない。
【0002】
本出願人は、世界中の亜鉛プラントにおいて通常消費されている硫化亜鉛濃縮物からインジウムを回収するための、先駆的で完全な方法を開発した。一般に、硫化濃縮物は、焼成されて酸化亜鉛を生成し、次いでこれは、中性浸出と呼ばれる工程でpH2.0〜4.0で浸出される。生成されるパルプは増粘される。亜鉛及びインジウムフェライトを含有する、中性アンダーフローとも呼ばれる増粘剤アンダーフローは、新たな弱浸出を経て再び増粘される。この弱浸出のアンダーフローはインジウムを含有し、ヒューム化工程(すなわち、酸化亜鉛のヒュームを生成する工程)に供給されて酸化亜鉛を生成する。弱浸出のオーバーフローもまた、より低い割合でインジウムを含有し、インジウム回収のグローバルな工程の一部となり得るか、又はなり得ない。
【0003】
本発明は、酸化亜鉛のヒューム及び/又は酸化物のヒューム並びに弱浸出オーバーフローが処理される両方の状況に適合し、
a)インジウム前濃縮物の生成ステップと;
b)還元浸出において得られるインジウムセメント生成物の少なくとも1回の弱浸出及び少なくとも1回の強浸出を含む、インジウムセメントの生成ステップと;
c)インジウム溶液の生成ステップと;
d)有機溶媒によるインジウムの抽出ステップと;
e)インジウムの電解ステップと;
f)金属の融合、精製、及びインゴット化ステップと;
g)高純度、すなわち99.995%を超える生成物を得るためのインジウムの電解ステップとを含むことを特徴とする。
【0004】
新たな技術は、亜鉛濃縮物中に含有される微量金属からのインジウムの単純で経済的な抽出に基づく。酸化亜鉛のみが使用される場合、鉄元素がすでにヒューム化ステップにおいて(又は酸化亜鉛ヒュームの生成工程の間に)抽出されているため、工程はよりコンパクトである。完全な工程が使用される場合、弱酸浸出から生じる金属の寄与により、工程において鉄を除去するためのもう1つのステップがあるが、より多量のインジウムがこの工程において回収される。
【0005】
本明細書には以下の図が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】Waelz酸化物ヒュームの浸出のフローチャートである。
【図2】インジウム生成フローチャートである。
【図3】中性アンダーフローの弱酸浸出によるインジウム回収のフローチャートである。
【0007】
添付資料1は、インジウム回収の質量バランスを表し、添付資料2は、弱浸出オーバーフローを含まない工程の結果を表す。
【0008】
(a)前濃縮物の生成:
インジウム前濃縮物の生成ステップは、Waelz酸化亜鉛の浸出又はヒューム化(又は酸化亜鉛ヒューム生成の工程);得られるパルプの前中和、及びパラゲーサイト又は鉄複合物とのインジウムの沈殿という3つの基本的な工程を含む。
【0009】
工程が中性アンダーフローの弱酸浸出の液体部分を含む場合、図3のフローチャート中に示されるように、液体は、パラゲーサイト又は鉄複合体とのインジウムの沈殿段階において見られる。
【0010】
図1は、前濃縮物生成段階(a)のフローチャートを示す。
【0011】
Waelz酸化亜鉛は、70〜80℃の範囲の温度、50〜70g/L硫酸の範囲の遊離酸度で、2〜4時間浸出される。生成されるパルプはデカンテーション又は濾過される。インジウムは液体部分に見られ、次いでこれが前中和段階に供給される。前中和は、60〜80℃の範囲の温度及び約1時間の滞留時間で行われ、最終酸性度は、10〜15g/L硫酸の範囲でなければならない。次いで、デカンテーション又は濾過工程が行われる。
【0012】
10〜15g/Lの酸性度は、インジウムの除去には十分ではない。したがって、金属は、インジウムのパラゲーサイトとの沈殿段階に供給される液体部分にも見られる。この沈殿は、70〜80℃の範囲の温度で、石灰のパルプ、石灰石、Waelz酸化亜鉛自体又は別の中和物質を使用し、約1時間の滞留時間で行われなければならない。パルプはデカンテーション又は濾過される。次に、固体はインジウムを含有するが、これはインジウム及び鉄の前濃縮物と呼ばれる。この前濃縮物中のインジウムの量は、濃縮物中のインジウムの初期量及びヒューム化効率に依存して、約0.2〜0.5%に達し得る。図1は、前濃縮物生成段階のフローチャートを含む。
【0013】
(b)インジウムセメントの生成:
インジウムセメントの生成は、約400g/L硫酸、60〜90℃の間の温度及び約3時間で酸溶液により行われるインジウム及び鉄の前濃縮物の浸出から開始する。図2におけるフローチャートは、セメント生成の完全な回路を示す。最終酸性度は、50g/L硫酸の範囲に制御されなければならない。次いでパルプは濾過又は増粘される。増粘又は濾過の固体部分は、硫化鉛濃縮物(50%Pbを超える量)である。濾過物又は液体は、インジウム及び鉄を含有し、これは次の前中和ステップに進まなければならない。
【0014】
前中和は、アルカリ性又は塩基性試薬で行われ、石灰、石灰石又はWaelz酸化亜鉛自体を使用することができる。運転条件は、15〜20g/L硫酸の最終酸性度を維持しながら、60〜70℃の間の温度、約1時間の保持時間である。ここでもパルプはデカンテーション又は濾過される。液体部分はインジウム及び第二鉄を含有し、これは還元浸出に進むが、その原理は、第二鉄から第一鉄への酸化還元である。
【0015】
還元浸出は、90〜95℃の温度及び2時間の保持時間で行われる。還元剤は、硫化亜鉛及び硫化鉛の濃縮物自体である。反応の最後に、遊離酸度は、まだ10〜15g/L硫酸の間に維持されていなければならない。次いでパルプはデカンテーション又は濾過される。液体部分は、屑亜鉛及び亜鉛粉末とともにインジウムセメンテーション段階に進む。運転条件は、60〜70℃の間の温度、約2時間の保持時間及び4.0〜4.2の最終pHである。このインジウム沈殿剤もまた、pHが4から4.2の間の酸化亜鉛であってもよい。パルプは濾過され、次いで水で洗浄される。得られる液体は、亜鉛及び第一鉄から得られる溶液であり、これは適切な鉄の沈殿のために亜鉛回路に送られなければならない。固体部分はインジウムセメントを含有し、その金属量は最大3%に達することができる。
【0016】
次いでインジウムセメントを、2回以上の浸出に供する。1回は強浸出、1回は向流での弱浸出である。セメントの弱浸出は、90℃の温度で3時間、酸溶液により行われ、10〜20g/L硫酸の最終酸性度を得る。次いで得られるパルプはデカンテーション又は濾過される。固体部分は強酸浸出に進む。この段階は、100g/L硫酸の最終酸性度を維持しながら、90℃の温度で4時間行われる。パルプはデカンテーション又は濾過される。得られる固体部分は銅濃縮物である。硫酸に富む液体部分を使用して、(向流での)弱酸浸出が行われる。インジウムに富む弱酸浸出の液体部分は、石灰、石灰石、ナトリウム又は別の中和剤によるインジウム沈殿段階に進む。溶媒による抽出の結果、インジウムが濃縮される。したがって、石灰、石灰石、ソーダ又は別の中和剤によるインジウム沈殿段階は、3を超えるO/A関係で希釈された溶液に対して溶媒による抽出を使用するいくつかの場合においては削除することができる。この場合、得られる溶液は、有機溶媒による抽出段階にいつでも供給することができる。
【0017】
インジウムの沈殿は、4から4.5の間のpHで約2時間行われ、約15〜20g/Lの初期酸性度は、示された物質により中和される。次いでパルプは濾過される。亜鉛及びその他の元素に乏しい濾過物は、廃液処理に進む。固体部分はインジウム濃縮物の浸出に進む。ここで有機溶媒による抽出に向けたインジウム溶液の生成が開始する。
【0018】
(c)インジウム溶液の生成:
金属の最終量が1.5〜5.0g/Lの間であるインジウム溶液の生成は、60〜80℃の温度及び約2時間の保持時間での濃縮物の浸出中に行われる。得られるパルプは濾過され、水で洗浄される。インジウム溶液は、少なくとも1.5g/Lの金属を含有しなければならない。これは、有機溶媒による抽出ユニットに供給するための良好な条件である。
【0019】
d)有機溶媒によるインジウムの抽出:
液体に含有されるインジウムの抽出は、ポンプミキサー(同時ポンピング付き撹拌器)を有するFRPセル(繊維強化プラスチック、繊維で強化されたポリマーマトリックスの複合材料)中で行われ、水相に存在するインジウムが有機相に移動する。
【0020】
この工程は、モノ−、ジ−、又はトリ−アルキルリン酸を有機溶媒中に含有する有機相、例えば25%DEPA(ヘキシルリン酸)をケロシン中に含有する溶液を使用して、O/A流出関係=1/7.5(O/A:水相に対する有機相の関係)でのインジウムの選択的抽出を促進する。インジウムを含んだ有機相は、剥離又は再抽出段階に供給されるが、これもまた、O/A流出関係=3/1において好ましくは等しい3個以上のセル内で行われる。
【0021】
剥離剤又は再抽出剤は、好ましくは塩酸であり、例えば、塩化インジウム溶液を生成させることができる6M HCL溶液中で行われる。
【0022】
剥離剤は、下記表1に示されるように、次の近似的な組成を有する塩化インジウム溶液を生成させることができる6M HCL溶液である。
【0023】
【表1】

【0024】
後に、必要な場合はH2Sを添加して、溶液を精製工程に供することができる。
【0025】
精製された溶液は、下記表2に示されるように、次の近似的組成を有する。
【0026】
【表2】

【0027】
(e)インジウムセメンテーション:
インジウムを得るように適合された技術は、以下の反応に従う、アルミニウム板を用いた24時間又はInが0.02g/Lに達するまでのセメンテーション工程である。
ln+3 + Al→Al+3 + In
【0028】
(f)金属の融合、精製、及びインゴット化;
生成されるセメントは、水で洗浄され、圧縮(2kg)されて直径及び厚さが5cmのブリケットに形成される。
【0029】
ブリケットの融合は、鉱滓化剤として水酸化ナトリウムを用い、加熱炉内で260℃で行われる。
【0030】
インジウムは、別の加熱炉内で、塩化アンモニアを添加して激しく撹拌しながら精錬される。この精錬はまた、同じ融合加熱炉内で行われてもよく、塩化アンモニアの添加は金属の精製のためのオプションである。
【0031】
形成されるスラグはスキマーにより除去され、金属は手作業で100OZ(約3.1kg)のインゴットに注がれ、10インゴットの木箱に詰められる。
【0032】
生成物は、最高でも100ppmの不純物の、最低99.99%のインジウムを示す。溶液の不純物量及び金属の精製がより高いレベルに維持された場合、純度が少なくとも97%生成物もまた得ることができる。この場合、空電解は、99.995%を超えるさらにより高い純度を保証することができる。
【0033】
99.9910%のインジウムインゴットは、下記表3に示されるように、次の近似的不純物組成を有する。
【0034】
【表3】

【0035】
(g)最低純度99.995%の電解インジウムの生成:
インジウムの最低純度が99.995%の電解インジウムの生成は、以下の部分工程を通して行われる。
(g−1)インジウムアノードの生成
(g−2)活性電解
(g−3)アノードの融合及び精製
(g−4)融合インジウムのインゴット化
【0036】
(g−1)インジウムアノードの生成:
97%を超える純度のインジウムインゴットを、260℃でソーダ(NaOH)又は別の融剤と溶融し、不純インジウムアノードを形成する。
【0037】
(g−2)活性電解:
インジウムの電解は、97%以上の純度のインジウムアノード及びチタンカソードを有する1つの電解セルからなる。電解操作条件は、0.02〜0.03A/m2の電流密度;溶解金属の量が少なくとも100g/Lの塩化インジウム溶液;近似的濃度が0.1g/Lのゼラチンである。融合アノードの表面は、酸化物を含んではならず、すなわち研磨され光沢がなければならない。次いで高純度インジウムがチタンカソードに堆積し、堆積物は所定の間隔(24、32又は48時間)で除去される。
【0038】
得られるインジウムカソードは、酸性水、次いで水で洗浄されてから、約50〜60℃で乾燥されなければならない。
【0039】
(g−3)アノードの融合及び精製:
インジウムカソードの融合は、ソーダ又は別の融剤とともに260℃で行われ、必要な場合は精製剤として塩化アンモニアを使用することができる。
【0040】
(g−4)融合インジウムのインゴット化:
融合インジウムは、インゴット型に注がれて1〜3kgのインゴットが生成される。99.995%インジウムインゴット中の最高不純物組成は、そのような不純物の和が50ppm未満となるように、ppmで、Cd最高2;銅最高10;スズ最高2;鉄最高5;ニッケル最高5;微量銀0.1;鉛最高10;タリウム最高2、ビスマス最高2、及び亜鉛最高5である。
【0041】
以下は、本発明をより良く例示することを意図した実施例である。しかしながら、これらは本発明を制限するものではない。
【0042】
実施例1:
中性アンダーフローの弱浸出の寄与を含むインジウム工程−フローチャート図3及び結果添付資料1:
Waelz酸化亜鉛中のインジウムの量:0.0510
中性アンダーフローの弱浸出の液体部分中のインジウムの量:15mg/L
生成されるインジウム溶液−インジウムの量1.85g/L
溶媒による抽出後の溶液−インジウムの量93g/L
生成される金属−インジウム99.992%
総回収率−77%
【0043】
実施例2:
中性アンダーフローの弱浸出オーバーフローの寄与を含まないインジウム回収工程
Waelz酸化亜鉛中のインジウムの量:0.03800
中性アンダーフローの弱浸出の液体部分中のインジウムの量:考慮外
生成されるインジウム溶液−インジウムの量1.85g/L
溶媒による抽出後の溶液−インジウムの量97g/L
生成される金属−インジウム99.993%
総回収率−78%
【0044】
実施例3:
有機溶媒によるインジウムの抽出:
液体中に含有されるインジウムの抽出は、ポンプミキサーを備えたFRPセル内で行い、水相に存在するインジウムが有機相に移動した。
【0045】
この工程は、O/A流出関係=1/7.5でのインジウムの選択的抽出のために、ケロシン中に25%DEPA(ヘキシルリン酸)を含有する有機相を使用する。インジウムを含んだ有機相は、剥離又は再抽出段階に供給されたが、これもまた、O/A関係=3/1において等しい4つのセル内で行われた。
【0046】
使用した剥離剤又は再抽出剤は、下記表4に示されるように、次の近似的な組成を有する塩化インジウム溶液を生成させることができる6M HCL溶液であった。
【0047】
【表4】

【0048】
精製された溶液は、下記表5に示されるように、次の近似的組成を示した。
【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記段階:
a)インジウム前濃縮物の製造;
b)還元浸出で得られるインジウムセメント生成物の少なくとも1回の弱浸出及び少なくとも1回の強浸出を備える、インジウムセメントの製造;
c)インジウム溶液の製造;
d)有機溶媒によるインジウムの抽出;
e)インジウムの電解;
f)金属の溶融、精製及びインゴット化;
g)99.995%を超える高純度の生成物を得るためのインジウムの電解;
を特徴とする、酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項2】
金属源として亜鉛及び鉛の硫化濃縮物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項3】
前記溶液が鉄を含有すること又は酸化亜鉛が鉄を含有しないことを特徴とする、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項4】
鉄を含有する場合、当該鉄は酸化亜鉛ヒュームの製造段階において事前に抽出され得る、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項5】
工程(a)が、酸化亜鉛の酸浸出、得られるパルプの前中和、及びインジウムの沈殿を含み得る、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項6】
浸出により得られたインジウムを含有する液体部分が、前記前中和段階に供与される、請求項5に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項7】
前中和が、浸出の条件よりも穏やかな温度及び酸性度条件で行われる、請求項5又は6に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項8】
前中和された酸化物のろ過又はデカンテーション後に得られる固体又は液体部分が、前記インジウム前濃縮物を浸出する浸出段階へ供与される、請求項5に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項9】
段階(a)において、鉄の沈殿が、パラゲーサイト又は鉄との複合物とともに行われ得る、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項10】
段階(b)が、インジウム前濃縮物の浸出、前中和、還元浸出、及びインジウムのセメンテーションを含み得る、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項11】
前濃縮物の浸出の生成物の増粘及び濾過が、硫酸鉛を含む固体部分を生成し、濾過された部分又は液体部分が前中和段階に進む、請求項10に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項12】
前中和が、アルカリ化剤又は塩基剤の存在下で行われ、生成物がデカンテーション又は濾過され、液体部分が還元浸出段階に送られる、請求項10に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項13】
第二鉄から第一鉄への還元が、還元浸出段階において行われる、請求項10又は11に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項14】
還元剤が、亜鉛及び鉛の硫化物の濃縮物であってもよい、請求項10に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項15】
パルプ又は還元浸出の生成物が、デカンテーション又は濾過され、亜鉛及び第一鉄を含有する液体部分が亜鉛回路に送られ、インジウムセメントを含有する固体部分がインジウムセメンテーション段階に進む、請求項10に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項16】
インジウムセメントが、2回以上の浸出に供され、少なくとも1回は弱浸出であり、少なくとも1回は向流での強浸出である、請求項15に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項17】
強浸出により得られるアンダーフローが、弱浸出段階の液体部分にリサイクルされ得る、請求項16に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項18】
インジウムを含有する弱浸出の液体部分が、中和剤とともにインジウム沈殿段階に進む、請求項15又は16に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項19】
インジウム濃縮物の浸出の濾過又はデカンテーションにより得られる固体生成物が、インジウム溶液の生成段階に進む、請求項18に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項20】
段階(c)が、前の段階において得られ、最後に濾過及び水での洗浄に送られる濃縮物の浸出によるインジウム溶液の生成を含む、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項21】
段階(c)において得られる溶液が、有機溶媒によるインジウムの抽出である段階(d)に進む、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項22】
有機溶媒中の有機相としての、モノ−、ジ−、又はトリ−アルキルリン酸の使用を含む、請求項21に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項23】
抽出剤が塩酸である、請求項21に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項24】
金属インジウムが、アルミニウム板を使用した電解(段階e)により得ることができる、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項25】
ブリケットの形成(段階(f))において、苛性ソーダを鉱滓化剤として使用することができ、塩化アンモニアをインジウムの精錬に使用することができる、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項26】
以下に示される部分工程:
(g−1)インジウムアノードの生成;又は、
(g−2)活性電解;又は、
(g−3)アノードの融合及び精製;又は、
(g−4)融合インジウムのインゴット化
のいずれも、段階(g)において、又は高純度電解インジウムの生成において行われ得る、請求項1に記載の酸化亜鉛及び/又は金属含有溶液からの純金属インジウムの製造方法。
【請求項27】
直径、厚さが約5cmであり、純度が99.995%を超えるブリケットの形状であってもよい、請求項1〜26のいずれか一項に従って得られる純金属インジウム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−528177(P2010−528177A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508673(P2010−508673)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【国際出願番号】PCT/BR2008/000150
【国際公開番号】WO2008/141409
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509313371)ヴォトランティム メタイス ジンコ エス.エー. (1)
【Fターム(参考)】