説明

酸化物透明導電層のエッチング用の媒体

本発明は、非ニュートン流動挙動を有する、ドープされた酸化スズ層のエッチングのため、ディスプレイおよび/または太陽電池の製造において表面をエッチングするための、新規なディスペンシング可能な媒体、およびこれらの使用に関する。特に本発明は、微細な構造を、隣接する領域を損傷または腐食させることなく選択的にエッチングすることができる、関連する無粒子の組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物透明導電層(oxidic, transparent, conductive layer)をエッチングするための、非ニュートン流動挙動を有し、新規のディスペンシング可能で均質なエッチング媒体、および、これらの使用、例えば液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ディスプレイ(OLED)の製造のための使用に関する。
特に本発明は、無粒子の組成物であって、酸化物透明導電層において、隣接領域を損傷または腐食させることなく微細構造を選択的にエッチング可能な、前記組成物に関する。
【0002】
酸化物透明導電層を、例えば薄いガラスなどの支持材料上に構築するとの目的は、特に液晶ディスプレイの製造において生じる。LCディスプレイは基本的に、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの酸化物透明導電層が設けられた2枚のガラスプレートとその間の液晶層とから構成され、これは電圧の適用によりその光透過性が変化する。ITOの前面および背面との接触は、スペーサーを用いて遮断されている。文字、記号または他のパターンの表示には、ガラスシート上にITO層を構築することが必要である。これにより、ディスプレイ内の領域に選択的にアドレスすることが可能となる。
【背景技術】
【0003】
1.先行技術および発明の目的
ディスプレイ製造のために用いられるガラスシートの片側ITO層の厚さは、通常20〜200nmの範囲、殆どの場合30〜130nmの範囲である。
ディスプレイの製造中、ガラスシート上の透明導電層は、一連の工程段階で構築される。このためには、当業者に公知のフォトリソグラフィの方法が用いられる。
【0004】
本明細書において、無機表面とは、ドーパントの添加により導電性が増加し、光学的透明性を保持する、酸化化合物を意味するものとする。当業者に既知の層の系は、この目的には適さない:
・酸化インジウムスズ In:Sn(ITO)
・フッ素をドープした酸化スズ SnO:F(FTO)
・アンチモンをドープした酸化スズ SnO:Sb(ATO)
・アルミニウムをドープした酸化亜鉛 ZnO:Al(AZO)
【0005】
酸化インジウムスズをカソードスパッタリング(インラインスパッタリング)により蒸着することは、当業者に知られている。
適切な導電性のITO層はまた、湿式化学コーティング(ゾル−ゲル浸漬法)により、溶媒中または溶媒混合物中の液体または溶解固体の前駆体を用いて、得ることもできる。これらの液体組成物は通常、被覆すべき基板にスピン−コーティングにより適用される。これらの組成物は当業者に、スピンオンガラス(SOG)系として知られている。
【0006】
構造物のエッチング
エッチャント、すなわち化学的に攻撃的な化合物の使用は、該エッチング剤による攻撃に暴露される材料の溶解を引き起こす。殆どの場合、目的はエッチングすべき層を完全に除去することである。エッチングの終了は、実質的にエッチング剤に耐性のある層に到達することで達成される。
フォトリソグラフィは、材料集約的で時間のかかる、費用の高い工程段階を含む:
【0007】
既知の方法において、エッチング構造のネガ型またはポジ型の製造には以下の段階が必要である(フォトレジストに依存):
・基板表面のコーティング(例えば、液体フォトレジストによるスピンコーティング)、
・フォトレジストの乾燥、
・コーティングされた基板表面の露出、
・現像、
・洗浄、
・必要に応じて、乾燥
・例えば以下による、構造物のエッチング
・浸漬法(例えば、湿式化学ベンチにおけるウェットエッチング
基板をエッチングバスに浸漬すること、エッチング操作
・スピン・オン法またはスプレー法:エッチング溶液を回転する基板に適用し、エッチング操作をエネルギーの入力(例えばIRまたはUV照射)有り/無しで実施できる
・ドライエッチング法、例えば、複合真空ユニット内におけるプラズマエッチング、または流通反応器(flow reactor)内での反応ガスによるエッチング
・フォトレジストの、例えば溶媒による除去
・洗浄
・乾燥。
【0008】
近年、レーザー光線の支援による構築それ自体が、フォトリソグラフィの代替法として確立された。
レーザー支援構築法では、レーザー光線は、ベクター指向システムにおいて点単位または線単位で、除去すべき領域をスキャンする。透明導電層は、レーザー光線でスキャンされた点において、レーザー光線の高いエネルギーのために自然に蒸発する。この方法は単純な形状の構築に非常に適している。より複雑な構造の場合、および特に透明導電層の比較的大きな領域の除去においては、その適性はより低い。ここで達成可能なスループットタイムは、大量生産には全く適さない。
【0009】
ある用途において、例えばOLEDディスプレイ用の透明導電層の構築において、レーザー構築法は基本的に非常に適しているとは言えない:蒸発する透明導電材料は、基板上のすぐ近傍において蒸着し、これらの端部領域の透明導電コーティングの層の厚さを増加させる。これは、極めて平坦な表面が要求されるさらなる工程段階にとって、非常に大きな問題である。
【0010】
種々のエッチング法の概説は、以下に与えられている:
[1]D.J. Monk, D.S. Soane, R.T. Howe, Thin Solid Films 232 (1993), 1;
[2]J. Buehler, F.-P. Steiner, H. Baltes, J. Micromech. Microeng. 7 (1997), R1
[3]M. Koehler "Aetzverfahren fuer die Mikrotechnik" [Etching Processes for Microtechnology], Wiley VCH 1983。
記載されたエッチング法の欠点は、時間がかかり材料集約的で費用の高い工程段階のためであり、これらは幾つかの場合、技術的条件および安全条件において複雑であり、しばしばバッチ方式で実施されるからである。
【0011】
目的
本発明の目的は、したがって、非常に均一で、500μm未満、特に100μm未満の幅の細い線、および、LCディスプレイ製造に用いるドープされた酸化スズまたは酸化亜鉛層の非常に微細な構造の、選択的エッチング用の新規の安価な組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、これを用いて調製される新規なエッチャントおよびエッチング媒体であって、エッチング後に、簡単な様式で残渣を残すことなく、好適で環境に優しい溶媒を用いて、随意的に熱に暴露することにより、処理した表面から除去が可能な、前記エッチング剤およびエッチング媒体を提供することである。
【発明の開示】
【0012】
2.発明の説明
本発明の目的を達成するために好適なペースト形態の組成物を調製する試みにより、粒子含有ペーストと同等の印刷特性およびディスペンシング特性が、選択された増粘剤を用いることによって達成可能であることが示された。エッチング媒体の他の構成成分との化学的相互作用により、ゼラチン様のネットワークの形成が可能となる。これらの新規のゼラチン様ペーストは、ディスペンサー技術によるペーストの適用に対して特に優れた特性を示し、非接触型のペーストの適用を可能とする。
【0013】
酸化物層の表面、特に酸化スズもしくは酸化亜鉛層または対応するドープされた層、例えば酸化インジウムスズIn:Sn(ITO)、フッ素をドープされた酸化スズSnO:F(FTO)、アンチモンをドープされた酸化スズSnO:Sb(ATO)、またはアルミニウムをドープされた酸化亜鉛ZnO:Al(AZO)などの表面を、選択的にエッチングするまたは構築するとの本発明の目的は、驚くべきことに、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物を、対応する酸化物表面(oxidic surface)のためのエッチング成分として用いることにより達成される。特に、本発明の目的はしたがって、新規の印刷可能エッチング媒体であって、好ましくは非ニュートン流動挙動を有し、ドープされた酸化物透明導電層のエッチングのためのエッチングペーストの形態における前記媒体を、提供し用いることにより達成される。
【0014】
対応するペーストは、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメタクリレート、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアニン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ化ポリマー(特に、PTFE、PVDF)、および微粉化ワックスの群から選択される増粘剤を、少なくとも1種のエッチング成分の存在下、および少なくとも1種の溶媒の存在下において含む。さらに、本発明による組成物は、無機酸および/または有機酸、および随意的に、例えば消泡剤、チキソトロープ剤、流れ制御剤、脱気剤、接着促進剤などの添加剤を含んでもよい。本発明による組成物は、30〜330℃の範囲、好ましくは40〜200℃の範囲、および非常に特に好ましくは50〜120℃の範囲の高い温度において効果的であり、または、熱もしくはIR照射の形態におけるエネルギーの入力により、活性化することができる。具体的には、本発明の目的は、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物を、請求項2〜7に記載のペースト形態の組成物において選択的エッチング成分として、酸化物表面のエッチングのために、特にSnOもしくは酸化亜鉛からなる表面、または、SnOもしくは酸化亜鉛に加えて随意的に1種または2種以上のドーピング成分を含む酸化物透明導電層のエッチングのために、または、一様で均質な無孔もしくは多孔質のドープされた酸化スズ表面、(ITOおよび/またはFTO)系およびかかる系の種々の厚さの層のエッチングのために用いることにより、達成される。これらの表面は、請求項8にクレームされている特性を有するペーストを用いてエッチングするのが好ましい。クレームされた使用については、請求項12〜23に記載の組成物の使用が好ましい。
【0015】
本願はさらにまた、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物を含む組成物の、請求項9〜11に記載の特別の工業用製造方法における、SiO含有または窒化ケイ素含有ガラスおよび上記の酸化物表面のエッチングのための使用にも関する。
本発明によるペーストは、好ましくは請求項24〜29にクレームされた方法において用いる。
【0016】
発明の詳細な説明
無機表面または無機の酸化物表面に細い線をエッチングすることができる、非常にバラエティに富んだそれ自体が耐性である組成物は、特許およびジャーナル文献から公知である。しかし、酸化スズまたは酸化亜鉛の表面に細い線を選択的にエッチングするには問題があり、なぜならば、通常用いるエッチング成分は、過剰なエッチング作用を有するか、またはこれらの表面に関して有効でないかの、どちらかであるためである。
【0017】
酸化物表面が、選択的に、簡単な方法により、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物をエッチング成分として含む組成物を用いてエッチングできることが、現在実験から示した。かかる組成物は、SnOもしくは酸化亜鉛を含むかまたはこれらからなる表面に、特に好適である。これらの組成物を用いて、細い線および非常に微細な構造を、SnOもしくは酸化亜鉛に加えて1種または2種以上のドーピング成分を含む酸化物透明導電層にエッチングすることができる。しかも、これらの組成物はまた、一様で均質な無孔または多孔質のドープされた酸化スズ表面(ITOおよび/またはFTO)系およびかかる系の種々の厚さの層のエッチングのためにも、非常に好適に用いることができる。特に良好なエッチング結果は、上記したように、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物を、無機鉱酸の存在下において酸化物表面をエッチングするための組成物中のエッチング成分として用いる場合に達成することができ、ここで、塩酸、リン酸、硫酸および硝酸の群から選択される鉱酸が用いられる場合である。塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物はここで、鉱酸および/または少なくとも1種の有機酸であって1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキル基を有してもよく、アルキルカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸の群から選択される前記有機酸の存在下で、用いることができる。この目的に特に好適なのは、ギ酸、酢酸、乳酸およびシュウ酸の群から選択される有機酸である。
【0018】
数ミクロン以下の幅を有する細い線を印刷可能にするには、均質に分散した増粘剤を総量に対して0.5〜25重量%の量で含む、ペースト形態の対応する組成物を用いることが望ましい。存在してよい増粘剤は、
セルロース/セルロース誘導体、および/または
デンプン/デンプン誘導体、および/または
キサンタン、および/または
ポリビニルピロリドン、
アクリレートもしくは官能化ビニル単位をベースとするポリマー類、
の群からの、1種または2種以上の均質に溶解した増粘剤である。
【0019】
20℃において25s−1までのせん断速度で6〜35Pa・sの範囲の粘度を有する対応するペースト、好ましくは10〜25Pa・sの範囲の粘度、および非常に特に15〜20Pa・sの範囲の粘度を有する対応するペーストは、本発明による使用のために有利な特性を有する。かかるエッチングペーストは、SiOまたは窒化ケイ素を含有し一様で均質な無孔または多孔質固体の形態であるガラスをエッチングするため、
または
他の基板上に形成された、種々の厚さの対応する無孔または多孔質ガラス層をエッチングするために、
特に好適である。
【0020】
ペースト形態の組成物はまた、半導体部品およびこれらの集積回路または高性能エレクトロニクス部品の製造方法における、ドープされた酸化スズ表面(ITOおよび/またはFTO)の層を開口する(opening)ために、容易に用いることができ、非常に正確なエッチング結果を得ることができる。ペースト形態の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物を含む組成物の可能な具体的用途は、ディスプレイ技術(TFT)において、太陽光発電、半導体技術、高性能エレクトロニクス、鉱物学またはガラス産業において、OLED照明、OLEDディスプレイの製造において、およびフォトダイオードの製造において、およびフラットパネルスクリーン用途(プラズマディスプレイ)のためのITOガラスの構築のためである。
【0021】
本発明に従って、酸化物層のエッチング用の組成物は、
a)エッチング成分としての塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物、
b)溶媒、
c)随意的に、均質に溶解した有機増粘剤、
d)随意的に、少なくとも1種の無機酸および/または有機酸、
および随意的に
e)添加剤、例えば消泡剤、チキソトロープ剤、流れ制御剤、脱気剤、接着促進剤を含み、そして、
印刷可能なペースト形態であり、エッチングすべき表面に非常に細い線で適用することができ、または適切な印刷技術により精巧に構築することができる。
【0022】
これらの組成物は、総量に対し、エッチング成分を1〜30重量%の量で、増粘剤を3〜20重量%の量で含んでよい。エッチング成分は、総量に対して、好ましくは2〜20重量%の量で、特に好ましくは5〜15重量%の量で存在する。
【0023】
上に既に示したように、組成物は、塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物に加えて、エッチング成分として、以下を含むことが有利である:塩酸、リン酸、硫酸、硝酸の群から選択される無機鉱酸、および/または少なくとも1種の有機酸であって1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキル基を有してもよく、アルキルカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸溶液の群から選択される前記有機酸。なぜならば、これによってエッチング操作をエッチングすべき各層の要件に整合させることができるからである。本発明によるペーストの調製に特に好適な有機酸は、ギ酸、酢酸、乳酸およびシュウ酸である。
全体として、本発明による組成物における有機酸および/または無機酸の比率は、媒体の総量に対して0〜80重量%の濃度範囲であることができ、ここで添加される酸またはこれらの混合物の各々は、0〜5のpK値を有する。
【0024】
本発明による組成物は、溶媒として、水;グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1−ヘキセノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールの群から選択される一価アルコール類または多価アルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルの群から選択されるエーテル類;[2,2−ブトキシ(エトキシ)]酢酸エチル、プロピレンカーボネートの群から選択されるエステル類;アセトフェノン、メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、および1−メチル−2−ピロリドンなどのケトン類を、それ自体で、または混合して、媒体の総量に対し10〜90重量%、好ましくは15〜85重量%の量で含んでよい。ペースト状のチキソトロピー特性を実現するために、1種または2種以上の均質に溶解した増粘剤であって、
セルロース/セルロース誘導体、および/または
デンプン/デンプン誘導体、および/または
キサンタン、および/または
ポリビニルピロリドン
アクリレートもしくは官能化ビニル単位をベースとするポリマー類
の群からの前記増粘剤は、エッチング媒体の総量に対して0.5%〜25重量%の量で存在してよい。組成物の使用特性を改善するために、消泡剤、チキソトロープ剤、流れ制御剤、脱気剤、接着促進剤の群から選択される添加剤を、総量に対して0〜5重量%の量でさらに添加してもよい。
【0025】
個々の成分が互いに最適な様式で組み合わされ、互いに好適な様式で混合された組成物は、既に上記したように、20℃の温度において、6〜35Pa・sの範囲の粘度と同時に25s−1までのせん断速度を、好ましくは25s−1のせん断速度において10〜25Pa・sの範囲の粘度を、および非常に特に好ましくは25s−1のせん断速度において15〜20Pa・sの範囲の粘度を有する。
本発明に従って、チキソトロピー特性と非ニュートン特性を有するエッチングペースト形態の新規な組成物は、OLEDディスプレイ、LCディスプレイ用の、または太陽光発電、半導体技術、高性能エレクトロニクス用の製品の製造の工程、太陽電池またはフォトダイオードの製造の工程の間に、好適な様式で、酸化物透明導電層を構築するために用いられる。
【0026】
この目的を達成するため、ペーストを、1つの工程段階において、エッチングすべき表面全体に、またはエッチング構造マスクに従って選択的に表面上のエッチングしたい領域のみに、適用または印刷し、そしてエッチングが完了したときに、これを、予め定められた露光時間の後に、溶媒または溶媒混合物を用いて洗浄除去するか、または、エッチングペーストを加熱により燃焼除去する。加熱による除去の後、処理した表面は必要に応じて再度洗浄し、まだ付着している可能性のあるエッチングペーストの全ての残渣を清浄除去する。
【0027】
これにより、印刷しない領域は元の状態を保ちつつ、印刷した領域の表面をエッチングおよび構築することが可能となる。実際にエッチングを実施するために、エッチングペースト組成物をエッチングすべき表面に適用し、10秒〜15分の露光時間の後、好ましくは30秒〜2分後にこれを再び除去する。この手順は、半導体産業での工程において形成および処理すべきであるような、無機のガラス様結晶表面の処理に対し、特に好適である。
ここでエッチングすべき表面とは、酸化物透明導電材料の表面もしくは部分表面、および/または支持材料上の酸化物透明導電材料の多孔質および無孔の層の表面もしくは部分表面であることができる。
【0028】
本発明による方法において、処理すべき表面のエッチングは通常、30〜330℃の範囲、好ましくは40〜200℃の範囲、および非常に特に好ましくは50〜120℃の範囲の高い温度において行う。
この関連において、最適化実験により、ドープされた酸化スズ表面(ITOおよび/またはFTO)は、0.5〜8nm/sのエッチング速度で50〜120℃の範囲の高い温度においてエッチングできることが示された。特に好適な条件下では、エッチングは、1〜6nm/sのエッチング速度で、特に3〜4nm/sのエッチング速度で行う。
【0029】
エッチングペーストをエッチングすべき基板表面に移送するには、高度の自動化とスループットを有する好適な印刷法を用いる。特に、当業者に公知のこの目的のために好適な印刷法は、ディスペンサー技術、スクリーン印刷、ステンシル印刷、パッド印刷、スタンプ印刷、インクジェット印刷法である。しかし、手動での適用も同様に可能である。
ディスペンサー技術、スクリーン、ステンシル、線画凸版(klischee)、スタンプの設計またはカートリッジ制御に応じて、本発明に従って記載された、印刷可能で均質、無粒子の非ニュートン流動挙動を有するエッチングペーストを、表面全体に、またはエッチング構造マスクに従ってエッチングしたい領域のみに選択的に、適用することが可能である。したがって、さもなければ必要となる全てのマスキングおよびリソグラフィの段階は不要となる。エッチング操作は、例えば熱の放射(IRランプを用いる)の形態等のエネルギー入力が有る場合、または無い場合の両方において実施可能である。
【0030】
実際のエッチング方法は次に、既に記載したように、水および/または好適な溶媒もしくは溶媒混合物で表面を洗浄することにより、完了する。エッチングが完了すると、非ニュートン流動挙動を有する本来印刷可能なエッチングペーストの残渣を、好適な溶媒または溶媒混合物を用いて、エッチングされた表面から洗い流す。処理された表面は、既知の方法で乾燥する。
【0031】
特に環境的な理由により、洗浄は水を用いて行うのが好ましい;必要がありまた技術的および品質的な理由から有利である場合にのみ、水、または単独でもしくは混合物として用いる他の溶媒に、溶媒を随意的に加える。この洗浄操作のために、組成物の調製のために既に用いたものと同じ溶媒を、水に加えることができる。対応する溶媒は、既に上で記されている。さらに、半導体技術からこの目的のために当業者に一般に知られている、さらなる溶媒を用いることもできる。好適な物理特性を有する溶媒を、個別にまたは混合物として用いることができる。表面上のペースト残渣に対して良好な溶解能力を有し、好適な蒸気圧を有し、表面の洗浄除去後の乾燥を容易にし、同時に環境に対して優しい特性を有する溶媒の使用が、ここでは好ましい。
【0032】
したがって、本発明によるエッチングペーストの使用は、好適な自動化方法における工業規模での大量生産において、安い費用でエッチングの実施を可能にする。
好ましい態様において、本発明によるエッチングペーストは、5〜100Pa・s、好ましくは10〜50Pa・sの範囲の粘度を有する。ここで粘度とは、隣接する液体層の滑りの間の運動に抗する、材料に依存した摩擦抵抗の成分である。ニュートンによれば、平行に配置され相対的に運動する2つの滑る表面の間の液層におけるせん断抵抗は、速度またはせん断勾配Gに比例する。比例定数は、動粘性係数として知られる、mPa・sの次元を有する材料定数である。ニュートン流体の場合、比例定数は圧力および温度に依存する。ここで依存の度合いは、材料の組成により決定される。不均質な組成の液体または物質は、非ニュートン特性を有する。これらの材料の粘度は、せん断勾配にさらに依存する。
【0033】
エッチングペースト組成物のさらに顕著な擬似塑性特性またはチキソトロピー特性は、スクリーンまたはステンシル印刷において特に有利な効果を有し、かなり改善された結果をもたらす。これは特に、エッチング時間の短縮に、または同じエッチング時間においてエッチング速度の増加に、特により厚い層の場合のエッチングの深さの増加において明らかである。
塩化鉄(III)、塩化鉄(III)六水和物、および/または塩酸溶液は、200nmの厚さの層を有するドープされた酸化スズ表面(ITO)を、50℃を超える温度において数秒〜数分以内に完全にエッチング除去することができることを見出した。100℃において、エッチング時間は約60秒である。
【0034】
本発明による無粒子の媒体の調製には、溶媒、エッチング成分、増粘剤および添加剤を順番に互いに混合し、チキソトロピー特性を有する粘性のペーストが形成されるまで、十分な時間撹拌する。撹拌は、好適な温度に暖めて行うことができる。成分は通常、室温において互いに撹拌する。
本発明による印刷可能なエッチングペーストの好ましい使用は、支持材料(ガラスまたはシリコン層)に適用するITOの構築について記載される方法に対して、OLEDディスプレイ、TFTディスプレイまたは薄層太陽電池の製造に対して、生じるものである。
【0035】
既に述べたように、ペーストはディスペンサー技術によって適用することができる。ここで、ペーストをプラスチック製カートリッジに入れる。ディスペンサーの針をカートリッジにねじ付けする。カートリッジを、圧縮空気ホースを介してディスペンサー制御装置に接続する。これによりペーストを、圧縮空気を用いて強制的にディスペンサー針に通すことができる。ここでペーストは、例えばITO被覆ガラスなどの基板に細い線として適用することができる。針の内径の選択に依存して、種々の幅のペーストの線を作製することができる。
ペースト適用についてのさらなる可能性は、スクリーン印刷である。
【0036】
処理すべき表面にペーストを適用するために、エッチングペーストを、印刷ステンシル(またはエッチングされた金属スクリーン)を含む細かいメッシュのスクリーンを強制的に通過させることができる。さらなる段階において、スクリーン印刷法で厚層技術(導電金属ペーストのスクリーン印刷)によりペーストの焼き付け(burning-in)を実施することができ、電気的および機械的特性の決定を可能としている。代わりに、焼き付け(誘電層をファイアスルー(fire through)すること)を、本発明によるエッチングペーストの使用において省略することもでき、適用されたエッチングペーストは、好適な溶媒または溶媒混合物を用いて、適当な露光時間の後に洗い流すことができる。エッチング操作は、洗浄により終了する。
【0037】
エッチングを行うために、例えば例1に記載したものなどのエッチングペーストを調製する。この種類のエッチングペーストを用いて、約120nmの厚さのドープした酸化スズ(ITO)の層を、120℃において60秒以内に、スクリーン印刷法により選択的に除去することができる。エッチングは、次いで、Siウェハーを水中に浸し、その後細かいスプレー形態の水の噴出の支援により洗浄することで、完了する。
本明細書に記載された全ての出願、特許および刊行物、および2005年7月4日に提出された対応する出願DE 10 2005 031 469.4の全開示内容は、参照として本願に組み込まれる。
【0038】
4.例
よりよい理解のためおよび本発明を説明するために、以下に例を示すが、これらは本発明の保護の範囲内である。これらの例はまた、可能な改変を説明するために使用される。しかし、記載される発明の原理は一般的に有用であるので、これらの例は、本願の保護の範囲を、それらの例にのみ減縮するために適するものではない。
例において示される温度は、常に℃で表される。さらに、言うまでもなく、詳細な説明および例の両方において、組成物中に添加する成分の量は、常に合計して100%となる。
【0039】
例1
均質な増粘剤:
塩化鉄(III)20g
を含むエッチングペーストに、以下を含む溶媒混合物を、攪拌しつつ添加する:
水60g
塩酸20g。
次にFinnfix 700(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)4gを、部分に分けてゆっくりと、激しく撹拌しつつ該溶液に加え、混合物をさらに30分間撹拌する。透明ペーストを次にディスペンサーカートリッジに移す。
こうして使用の準備ができたペーストを、ITO表面に、ディスペンサーを用いて適用することができる。
【0040】
例2
均質な増粘剤:
塩化鉄(III)20g
を含むエッチングペーストに、以下を含む溶媒混合物を、攪拌しつつ添加する:
水30g
エチレングリコール10g
水20g
塩酸20g。
次に4gのFinnfix 2000を、部分に分けてゆっくりと、激しく撹拌しつつ該溶液に加え、混合物をさらに30分間撹拌する。透明ペーストを次にディスペンサーカートリッジに移す。
こうして使用の準備ができたペーストを、ITO表面に、ディスペンサーを用いて適用することができる。
【0041】
例3
均質な増粘剤:
塩化鉄(III)20g
を含むエッチングペーストに、以下を含む溶媒混合物を、攪拌しつつ添加する:
水15g
乳酸15g
エチレングリコール10g
水20g
塩酸20g。
次に4gのFinnfix 2000を、部分に分けてゆっくりと、激しく撹拌しつつ該溶液に加え、混合物をさらに30分間撹拌する。透明ペーストを次にディスペンサーカートリッジに移す。
こうして使用の準備ができたペーストを、ITO表面に、ディスペンサーを用いて適用することができる。
適用例:
ディスペンシングおよびエッチングによるペーストの適用について、以下のパラメータを用いる:
適用速度XYステージ(JR2204):100mm/s
ディスペンサー(EFD 1500XL)−作動圧力:2〜3bar
ディスペンサー針の内径:230〜260μm
エッチングパラメータ:120℃で1分(ホットプレート)
洗浄:超音波バスにて30秒
乾燥:圧縮空気使用
ガラス上の125nm厚さのITO層のエッチング結果:
エッチング線幅:450〜550μm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、酸化物表面のエッチングのための組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項2】
請求項1に記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、SnOもしくは酸化亜鉛を含有するかまたはこれからなる酸化物表面のエッチングのための組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項3】
請求項1に記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、SnOもしくは酸化亜鉛に加えて1種または2種以上のドーピング成分を含有する酸化物透明導電層のエッチングのための組成物における、
または一様で均質な無孔もしくは多孔質のドープされた酸化スズ表面、(ITOおよび/またはFTO)系およびかかる系の種々の厚さの層のエッチングのための組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、酸化物表面のエッチングのための組成物における、エッチング成分としての使用であって、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸の群から選択される無機鉱酸、および/または、少なくとも1種の有機酸であって1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキル基を有してもよく、アルキルカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸の群から選択される前記有機酸、の存在下での、前記使用。
【請求項5】
請求項4に記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、ギ酸、酢酸、乳酸およびシュウ酸の群から選択される有機酸の存在下での使用。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、均質に分散した増粘剤を総量に対して0.5〜25重量%の量で含むペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項7】
請求項6に記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、以下の群からの1種または2種以上の均質に溶解した増粘剤を含むペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用:
セルロース/セルロース誘導体、および/または
デンプン/デンプン誘導体、および/または
キサンタン、および/または
ポリビニルピロリドン、
アクリレートもしくは官能化ビニル単位をベースとするポリマー類。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、20℃において6〜35Pa・sの範囲の粘度および25s−1までのせん断速度、好ましくは10〜25Pa・sの範囲の粘度、および非常に特に15〜20Pa・sの範囲の粘度を有するペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、SiOもしくは窒化ケイ素を含有する、一様で均質な無孔もしくは多孔質固体形態のガラスをエッチングするための、
または、他の基板上に形成された種々の厚さの対応する無孔または多孔質ガラス層をエッチングするための、ペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、半導体部品およびこれらの集積回路または高性能エレクトロニクス部品の製造方法において、ドープされた酸化スズ表面(ITOおよび/またはFTO)の層を開口するための、ペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかに記載の塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物の、ディスプレイ技術(TFT)における、太陽光発電、半導体技術、高性能エレクトロニクス、鉱物学またはガラス工業における、OLED照明、OLEDディスプレイの製造における、およびフォトダイオードの製造のため、およびフラットパネルスクリーン用途(プラズマディスプレイ)のためのITOガラスの構築のための、ペースト形態の組成物における、エッチング成分としての使用。
【請求項12】
酸化物層のエッチングのための組成物であって、
a)エッチング成分として塩化鉄(III)または塩化鉄(III)六水和物、
b)溶媒、
c)随意的に、均質に溶解した有機増粘剤、
d)随意的に、少なくとも1種の無機酸および/または有機酸、
および随意的に
e)添加剤、例えば消泡剤、チキソトロープ剤、流れ制御剤、脱気剤、接着促進剤、
を含み、ペースト形態であり印刷可能である、前記組成物。
【請求項13】
総量に対して、エッチング成分を1〜30重量%の量で、増粘剤を3〜20重量%の量で含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
エッチング成分を、総量に対して2〜20重量%の量で含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
エッチング成分を、総量に対して5〜15重量%の量で含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
塩酸、リン酸、硫酸、硝酸の群から選択される無機鉱酸、および/または、少なくとも1種の有機酸であって1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキル基を有してもよく、アルキルカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸溶液の群から選択される前記有機酸、を含むことを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
ギ酸、酢酸、乳酸およびシュウ酸の群から選択される有機酸を含むことを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
有機酸および/または無機酸の比率が媒体の総量に対して0〜80重量%の濃度範囲にあり、かつ添加される酸またはこれらの混合物の各々が0〜5のpK値を有することを特徴とする、請求項12〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
溶媒として、水;グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1−ヘキセノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールの群から選択される一価アルコール類または多価アルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルの群から選択されるエーテル類;[2,2−ブトキシ(エトキシ)]エチルアセテート、プロピレンカーボネートの群から選択されるエステル類;アセトフェノン、メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、および1−メチル−2−ピロリドンなどのケトン類を、それ自体で、または混合して、媒体の総量に対し10〜90重量%、好ましくは15〜85重量%の量で含むことを特徴とする、請求項12〜18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
以下の群からの1種または2種以上の均質に溶解した増粘剤を含むことを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載の組成物:
セルロース/セルロース誘導体、および/または
デンプン/デンプン誘導体、および/または
キサンタン、および/または
ポリビニルピロリドン、
アクリレートもしくは官能化ビニル単位をベースとするポリマー類。
【請求項21】
均質に分散した増粘剤を、エッチング媒体の総量に対して0.5〜25重量%の量で含むことを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
消泡剤、チキソトロープ剤、流れ制御剤、脱気剤および接着促進剤の群から選択される添加剤を、総量に対して0〜5重量%の量で含むことを特徴とする、請求項12〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
20℃の温度において、25s−1のせん断速度において6〜35Pa・sの範囲の粘度を、好ましくは25s−1のせん断速度において10〜25Pa・sの範囲の、および非常に特に好ましくは25s−1のせん断速度において15〜20Pa・sの範囲の粘度を有することを特徴とする、請求項12〜22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
無機のガラス様結晶表面のエッチング方法であって、請求項12〜23のいずれかに記載の組成物を、全表面にわたって、またはエッチング構造マスクに従って選択的に表面上のエッチングしたい領域のみに適用すること、および、エッチングが完了した時に、これを溶媒または溶媒混合物を用いて洗浄除去するか、または加熱によって燃焼除去すること、を特徴とする、前記方法。
【請求項25】
請求項12〜23のいずれかに記載の組成物を、エッチングすべき表面に適用し、10秒〜15分の露光時間の後、好ましくは30秒〜2分の後に再び除去することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項12〜23のいずれかに記載の組成物を、ディスペンサーにより、またはスクリーン、ステンシル、パッド、スタンプ、インクジェット、手動の印刷法により適用することを特徴とする、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
エッチングが完了した時に水を用いてエッチング組成物を洗浄除去することを特徴とする、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
エッチングを、30〜330℃の範囲、好ましくは40〜200℃の範囲、および非常に特に好ましくは50〜120℃の範囲の高い温度において行うことを特徴とする、請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
ドープされた酸化スズ表面(ITOおよび/またはFTO)を、0.5〜8nm/sのエッチング速度で、好ましくは1〜6nm/sのエッチング速度で、および非常に特に好ましくは3〜4nm/sのエッチング速度で、50〜120℃の範囲の高い温度においてエッチングすることを特徴とする、請求項24〜28のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2008−547232(P2008−547232A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518655(P2008−518655)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005460
【国際公開番号】WO2007/003255
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】