説明

酸素分離材及びその製造方法

【課題】高い酸素透過性能と高い還元耐久性とが両立し得る酸素分離材とその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明により提供される酸素分離材製造方法は、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材1を製造する方法であって、複合酸化物から成る原料粉末を用意する工程と、当該原料粉末を用いて所定形状の成形体を加圧成形する工程と、空気若しくは不活性ガスに酸素を供給して調製された高濃度酸素含有混合ガスの雰囲気中または酸素ガス雰囲気中において上記成形体を焼成する工程とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸素イオン伝導体であるペロブスカイト型酸化物セラミックスから成る酸素分離材と、該酸素分離材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素イオン(典型的にはO2−;酸化物イオンとも呼ばれる。)伝導性を有する酸素イオン伝導体として、いわゆるペロブスカイト型構造の酸化物セラミックスやパイロクロア型構造の酸化物セラミックスが知られている。特に、酸素イオン伝導体であることに加え、電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン−電子混合伝導体(以下、単に「混合伝導体」という。)であるペロブスカイト型酸化物から成る緻密なセラミック材、典型的には膜状に形成されたセラミック材は、その両面を短絡させるための外部電極や外部回路を用いることなく一方の面から他方の面に連続して酸素イオンを透過させることができる。このため、一方の面に供給された酸素含有ガス(空気等)から酸素を他方の面に選択的に透過させる酸素分離材として、特に使用温度が800〜1000℃というような高温域で好適に利用することができる。このようなペロブスカイト型酸化物等の混合伝導体から構成される酸素分離材(酸素分離膜エレメント)は、深冷分離法やPSA(Pressure Swing Adsorption)法に代わる有効な酸素精製手段として好適に使用することができる。
或いはまた、かかる構成の酸素分離材は、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
この種の従来技術として、特許文献1〜13には、混合伝導体である種々の組成のペロブスカイト型酸化物及びその製造方法が記載されている。
【0003】
ところで、上記GTL技術や燃料電池分野に用いられる酸素分離材としては、酸素イオンが透過した側、即ち炭化水素ガス供給側(燃料極側)が還元雰囲気となるため、そのような雰囲気中で且つ高温域で使用する際にもクラック(割れ)が発生し難い還元耐久性が求められている。従来、かかる還元耐久性を維持するために、還元膨張率が概ね0.1%以下であるような材質の酸素分離材が検討されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−173776号公報
【特許文献2】特開平9−161824号公報
【特許文献3】特開平11−228136号公報
【特許文献4】特開平11−161824号公報
【特許文献5】特開2000−251534号公報
【特許文献6】特開2000−251535号公報
【特許文献7】特表2000−511507号公報
【特許文献8】特開2001−93325号公報
【特許文献9】国際公開第WO2003/040058号パンフレット
【特許文献10】特開2007−51032号公報
【特許文献11】特開2007−51034号公報
【特許文献12】特開2007−51035号公報
【特許文献13】特開2007−51036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の還元膨張率0.1%以下の酸素分離材は、酸素透過性能が総じて低く、かかる酸素透過性能を向上させることが課題の一つとなっていた。その一方において、還元膨張率が0.1%よりも大きい酸素分離材は、酸素透過性能は比較的高いものの、高温域で且つ還元雰囲気中で使用する際にクラックが発生し易く、還元耐久性が低かった。このように酸素透過性能と還元耐久性とがトレードオフの関係にある状況下、酸素透過性能と還元耐久性とが共に高い次元で両立し得る酸素分離材(典型的には膜状の酸素分離材)の開発が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、かかる従来の課題に鑑み創出されたものであり、比較的高い酸素透過性能と還元耐久性とが両立する酸素分離材(特に膜状の酸素分離材)の提供を目的とする。また、本発明は、そのような酸素分離材を好適に製造し得る方法の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明によって幾つかの態様の酸素分離材製造方法が提供される。即ち、ここで開示される一つの方法は、酸素イオン伝導体(典型的には混合伝導体)であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材を製造する方法であって、上記複合酸化物から成る原料粉末を用意する工程と、上記原料粉末を用いて所定形状の成形体を加圧成形する工程と、空気若しくは不活性ガスに酸素を供給して調製された高濃度酸素含有混合ガスの雰囲気中または酸素ガス雰囲気中において上記成形体を焼成する工程とを包含する酸素分離材製造方法である。
【0008】
かかる構成の本発明の方法では、上記原料粉末を加圧成形(例えば静水圧プレスのようなプレス成形)することによって得た緻密な成形体を焼成する際の雰囲気ガスとして、上記高濃度酸素含有混合ガス或いは酸素ガス(即ち実質的に酸素のみから成る雰囲気)が採用される。
このことによって本発明の製造方法では、製造されるペロブスカイト構造焼結体の機械的強度を向上させることができる。従って、上述のような高い酸素透過性能を有する一方で還元膨張率も高いために従来は還元耐久性が低いと認識されていた組成と同じ組成のペロブスカイト構造体であって、従来製法で得られるものよりも機械的強度が向上した(即ち高い酸素透過性能はそのまま維持された)ペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材を製造することができる。
【0009】
好ましくは、一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する複合酸化物により構成されている原料粉末を使用する。このような組成の複合酸化物から成る原料を用いることによって、酸素透過性能に優れる酸素イオン伝導体(混合伝導体)から成る高強度の(即ち還元耐久性の高い)酸素分離材を製造することができる。
【0010】
また、高濃度酸素含有混合ガスを使用する場合、酸素ガス濃度が30vol%以上となるように調製された混合ガスを使用することが好ましい。酸素ガス濃度が30vol%以上であって残部がアルゴン等の希ガスその他の不活性ガス(例えば窒素)であることが特に好ましい。特に残部がアルゴン或いは他の希ガスであることが好ましい。
このようなガスを雰囲気ガスとすることによって、該雰囲気中で焼成される酸素分離材の機械的強度を特に良く向上させることができる。
【0011】
また、ここで開示される製造方法の好ましい他の一態様では、上記焼成工程において、成形体の加圧焼成(即ち加圧条件下で焼成すること)が行われることを特徴とする。加圧焼成を行うことによって、緻密性が高く、機械的強度と酸素透過性能に優れる高密度酸素分離材を製造することができる。
【0012】
上述のとおり、本発明の製造方法によると、機械的強度が向上したペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材を製造することができる。
本発明により提供される酸素分離材の好適な一態様として、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材であって、ここで開示されるいずれかの態様の製造方法によって製造され、厚さ1mm以下の膜状に形成された酸素分離材が挙げられる。このような厚さ(膜厚)の酸素分離材によると、高い還元耐久性を維持し且つ高い酸素透過性能を実現することができる。例えば、本発明によって機械的強度を向上させ、還元膨張率が0.1%以上(典型的には0.1〜0.3%)であるような高い酸素透過性能を有する組成の酸素分離材を実用に供することができる。
尚、本明細書において、還元膨張率(%)とは、25℃から1000℃の間での還元雰囲気中(例えば水素4vol%及び窒素96vol%の混合ガス雰囲気中)における熱膨張率(%)をEred、空気(大気)中における熱膨張率(%)をEairとしたとき、以下の式より求められる値である。
還元膨張率(%)=[{(1+Ered/100)−(1+Eair/100)}/(1+Eair/100)]×100
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、原料粉末の調製方法、成形体の成形方法、焼成方法)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、原料粉末の混合方法や本発明に係る酸素分離材をエレメントとして酸素分離その他各種用途のモジュールを構築する方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0014】
ここで開示される方法は、上記のとおり、原料粉末(成形体)の焼成時の雰囲気ガスを酸素ガス若しくは高濃度酸素含有混合ガスとすることによって特徴付けられる方法であり、その他の条件は特に制限はない。
酸素分離材の形状(外形)は特に限定されない。ペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックス(酸素イオン伝導体)から成る酸素分離材として種々の形状のものを製造することができる。例えば、平面状、曲面状、管状(両端が開口した開管状のもの、一端が開口しており一端が閉じている閉管状のもの等を含む)、ハニカム状、あるいはこれらが組み合わさった形状等とすることができる。
例えば、燃料電池やGTLに好適に使用し得る板状や膜状のものが特に好適な形状の例として挙げられる。厚さ10mm以下、特に5mm以下、さらに1mm以下の酸素分離膜は、高い酸素透過性能を発揮し易く好ましい。この膜の両側で酸素分圧を異ならせることにより、膜の一方の面から他方の面へと酸素イオンを効率よく透過させることができる。製造される酸素分離膜は緻密であって(例えばアルキメデス法に基づく相対密度が95%以上)、実質的にガス不透性であることが好ましい。
【0015】
ここで開示される製造方法で用いられる原料粉末は、ペロブスカイト構造の酸素イオン伝導体(典型的には混合伝導体)から成る焼結体を形成し得る組成のものであればよく、種々の組成の酸化物を原料として用いることができる。
好ましくは、一般式:Ln1−xAeMOで表される組成の複合酸化物が挙げられる。ここで式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種(典型的にはLa)であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種(典型的にはSr)であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。これらのペロブスカイト構造酸化物から成る還元耐久性に優れる酸素分離材(典型例として膜厚10mm以下、より好ましくは膜厚1mm以下の酸素分離膜)を製造することができる。
【0016】
例えば、好適な混合伝導体として、Aサイトの必須構成元素としてLa及びSrを含み、Bサイトの必須構成元素としてTi及びFeを含むLaSrTiFeO系酸化物(これら以外の元素をAサイト及び/又はBサイトに含み得る)が挙げられる。典型的には式:(La1−xSr)(Ti1−yFe)O(但し0<x<1、0<y<1)で示される5元素から成る複合酸化物が挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Ti0.2Fe0.8、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7、La0.6Sr0.4Ti0.4Fe0.6、等が挙げられる。本発明によると、これらのペロブスカイト構造酸化物から成る還元耐久性に優れる酸素分離材(典型例として膜厚10mm以下、より好ましくは膜厚1mm以下の酸素分離膜)を製造することができる。
【0017】
また、他の好適な混合伝導体として、Aサイトの必須構成元素としてLa及びSrを含み、Bサイトの必須構成元素としてZr及びFeを含むLaSrZrFeO系酸化物(これら以外の元素をAサイト及び/又はBサイトに含み得る)が挙げられる。典型的には式:(La1−xSr)(Zr1−yFe)O(但し0<x<1、0<y<1)で示される5元素から成る複合酸化物が挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Zr0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Zr0.2Fe0.8、La0.6Sr0.4Zr0.3Fe0.7、La0.6Sr0.4Zr0.4Fe0.6、等が挙げられる。本発明によると、これらのペロブスカイト構造酸化物から成る還元耐久性に優れる酸素分離材(典型例として膜厚10mm以下、より好ましくは膜厚1mm以下の酸素分離膜)を製造することができる。
【0018】
また、他の好適な混合伝導体として、Aサイトの必須構成元素としてLa及びSrを含み、Bサイトの必須構成元素としてAl及びFeを含むLaSrAlFeO系酸化物(これら以外の元素をAサイト及び/又はBサイトに含み得る)が挙げられる。典型的には式:(La1−xSr)(Al1−yFe)O(但し0<x<1、0<y<1)で示される5元素から成る複合酸化物が挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Al0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Al0.2Fe0.8、La0.6Sr0.4Al0.3Fe0.7、La0.6Sr0.4Al0.4Fe0.6、等が挙げられる。或いは、Alの一部がTiに置換したもの、例えば式:La0.6Sr0.4TiAlFe1−y−z(但し0.1≦y≦0.3、0.1≦z≦0.3)で示される複合酸化物が好適例として挙げられる。本発明によると、これらのペロブスカイト構造酸化物から成る還元耐久性に優れる酸素分離材(典型例として膜厚10mm以下、より好ましくは膜厚1mm以下の酸素分離膜)を製造することができる。
【0019】
本発明の製造方法によると、機械的強度の向上が図れ、それによって還元雰囲気中や水蒸気存在下のような腐食雰囲気中における酸素分離材の耐久性を向上させることができる。従って、酸化透過性能は優れるものの還元膨張率が高い(例えば0.1%以上)ことによって従来の製法では十分な還元耐久性が得られなかった組成の酸素分離材を製造することができる。例えば、還元膨張率が0.1%以上である複合酸化物として、La0.6Sr0.4Zr0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Ti0.2Fe0.8、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7、La0.6Sr0.4Al0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Al0.2Fe0.8、La0.6Sr0.4Al0.3Fe0.7、等が挙げられる。本発明によると、これらのペロブスカイト構造酸化物から成る還元耐久性に優れる酸素分離材(典型例として膜厚10mm以下、より好ましくは膜厚1mm以下の酸素分離膜)を製造することができる。
【0020】
なお、本明細書中ではペロブスカイト構造の複合酸化物を表す式において酸素原子数はいずれも3であるように表示されているが、実際には酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)であり得る。ただし、この酸素原子数はペロブスカイト構造の一部を置換する原子(例えば上記一般式中のAeやMの一部)の種類および置換割合その他の条件により変動するため、正確に表示することは困難である。そこで、本明細書中においてペロブスカイト構造の複合酸化物を示す一般式では酸素原子の数を便宜的に3として表示しているが、ここで教示する発明の技術的範囲を限定することを意図したものではない。したがって、この酸素原子の数を例えば3−δと表示することもできる。ここでδは典型的には1を超えない正の数(0<δ<1)である。
【0021】
原料粉末は、目的の複合酸化物を構成する金属原子を含有する酸化物あるいは加熱により酸化物となり得る化合物(当該金属原子の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、オキシハロゲン化物等)から成る出発材料を当該構成に応じて必要な種類混合し、所定の焼成温度で焼成し(原料粉末仮焼工程)、次いで適当な粉砕処理(例えば湿式又は乾式のミル粉砕)を行うことによって得ることができる。典型的には800〜1500℃で出発材料(上記混合材料)を、例えば大気条件下で仮焼することによって所望の原料粉末を得ることができる。尚、出発材料としては、目的の複合酸化物を構成する金属原子のうち二種以上の金属原子を含む化合物(複合金属酸化物、複合金属炭酸塩等)を使用してもよい。
さらに原料粉末(又は仮焼粉末)に、水等の分散媒、有機バインダ、分散剤等の成形助剤を添加・混合してスラリーを調製し、スプレードライヤー等の造粒機を用いて所望する粒径(例えば平均粒径が10〜100μm)に造粒することができる。
【0022】
次に、得られた原料粉末を加圧成形し、所定形状の成形体を形成する。かかる加圧成形には、一軸圧縮成形、静水圧プレス(CIP)その他のプレス成形のような従来公知の成形法を採用することができる。被処理体に加える圧力の程度は特に限定されないが、50MPa程度又はそれ以上の圧力(例えば50〜300MPa)を加えることが緻密な成形体を得る観点から好ましい。例えば、CIPを行う場合、50MPa〜200MPa程度の加圧が好ましい。また、成形の際には従来公知の分散媒(水及び/又は有機溶剤)やバインダ(例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース類、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン)を使用することができる。
【0023】
本発明の製造方法では、上記のようにして得られた成形体を焼成する際に高濃度酸素含有ガス若しくは酸素ガス(少量例えば10vol%以下の不純成分を含み得る:典型的には95vol%以上の高純度酸素ガス)を雰囲気ガスとして使用することを特徴とする。高濃度酸素含有ガスとしては、大気(空気)の組成(酸素ガス濃度約20vol%)よりも酸素ガス濃度が高められたものであればよいが(例えば空気に酸素ガスを供給して酸素ガス濃度を25vol%以上に調整した混合ガス)、酸素ガス濃度が30vol%以上であることが好ましい。酸素ガス濃度が30vol%以上(更に50vol%以上、特には70vol%以上)であって、残部がアルゴン等の希ガスその他の不活性ガス(例えば窒素ガス)で構成された高濃度酸素含有ガスを雰囲気ガスとして使用することが特に好ましい。
【0024】
焼成時の最高温度、昇温プログラム、焼成時間等の条件は、従来のこの種の酸素分離材を焼成する場合と同様でよく、特に制限はない。典型的には、1200〜1800℃(好ましくは1400〜1700℃)程度に最高焼成温度を設定するとよい。好ましくは、室温から中間温度域(例えば200〜500℃)まで加熱し、当該中間温度域で適当時間(例えば5〜12時間)保持して被処理体である成形体に含まれるバインダ等の有機成分を分解し、次いで最高焼成温度域(例えば1400〜1700℃)まで加熱する。そして、当該最高温度域で適当時間(例えば3〜12時間)保持することにより所望する焼結体(即ち酸素分離材)を得ることができる。
【0025】
好ましくは、焼成工程において加圧焼成を行う。熱間等方圧プレス(HIP)焼結を行うことが好ましい。例えば、酸素ガス若しくは高濃度酸素含有混合ガスから成る雰囲気ガスによって50MPa程度又はそれ以上の圧力(例えば50〜300MPa)で被処理体を加圧し、その状態で1000〜1800℃(好ましくは1200〜1700℃)程度まで加熱する。このような加圧焼成を行うことによって、得られる焼結体(即ち酸素分離材)の緻密性をより向上させ得、機械的強度と酸素透過性能に優れる高密度酸素分離材を製造することができる。
【0026】
なお、上記のような加圧焼成(HIP等)は、原料粉末から成る成形体を直接焼成(一次焼成)する際に採用してもよいが、原料粉末から成る成形体を予め酸素ガス雰囲気又は高濃度酸素含有混合ガス雰囲気中で加圧しない通常の気圧下で焼成を行い(一次焼成)、次いで一次焼成で得られた焼結体に対し更に上記のような加圧焼成(二次焼成)を行ってもよい。
このような二段階の焼成を行うことによって、より高強度で還元耐久性が高く緻密な酸素分離材を製造することができる。
【0027】
ここで開示される製造方法によると、機械的強度の高い焼結体(酸素分離材)を製造することができる。さらに上記焼成によって得られた焼結体を加工する(例えば機械的研磨を施す)ことによって、例えば膜厚が5mm以下、好ましくは1mm以下のような薄膜状の酸素分離材を製造することができる。
【0028】
また、得られた酸素分離材(例えば薄板又は膜状の酸素分離材)の表面に触媒を付着させて酸素分離性能及び/又は酸素イオンによる酸化反応性を向上させることができる。
例えば、酸素分離材の空気を送り込む側(以下「空気側」という。)の表面に、酸素イオンの透過を促進する触媒が付着した構成とすることができる。かかる酸素イオン透過促進触媒としては、(LaSr1−x)M’O(ただし、0.1≦x<1であり、M’はCo,Cu,Fe,Mnから選択される一種以上である。)を含むものが好ましく用いられる。M’がCoであるLaSrCo酸化物が好ましく使用される。このような酸素イオン透過促進触媒を含む酸素分離材は、酸素分離装置や種々の酸化対象ガスを酸化するための酸化用反応装置(例えば炭化水素部分酸化用反応装置)等に好ましく使用することができる。
【0029】
また、酸素分離材の他の面側、即ち透過した酸素イオンを対象ガス(例えばメタンのような燃料ガス)と酸化反応させる側(以下「反応側」という。)の表面には、酸化反応を促進する触媒が付着した構成とすることができる。かかる酸化反応促進触媒としては、Ni,Rh,Ag,Au,Bi,Mn,V,Pt,Pd,Ru,Cu,Zn,Co,Cr,Fe,In−Pr混合物およびIn−Sn混合物からなる群から選択される少なくとも一種の金属及び/又は金属酸化物を含有する化合物のような従来公知の酸化触媒及び/又は脱水素触媒等を用いることができる。これらのうち、ニッケル触媒又はロジウム触媒を好ましく用いることができる。
【0030】
酸素分離材の表面に上記のような触媒を付着させる方法は特に限定されない。例えば、触媒粉末を含むスラリーを調製し、このスラリーを酸素分離材(緻密な焼結体)の表面に塗布して乾燥させることにより目的の触媒を付着(コーティング)させることができる。その後に付着触媒粉末をさらに焼成することによって酸素分離材の表面に担持させてもよい。なお、かかる酸素イオン透過促進触媒や酸化反応促進触媒を付与する方法自体は従来公知の方法であればよく特に本発明を特徴付けるものでもないためこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0031】
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0032】
<実施例1:酸素分離材の製造(1)>
La0.6Sr0.4Al0.1Fe0.9(LSAF)粉末を1200℃で6時間の仮焼を行った。得られた仮焼粉末を水とともに湿式ボールミルで粉砕し、次いで有機バインダ(ここではPVA(ポリビニルアルコール)を使用した。)を添加して混合し、粒径が約60μmの粒子に造粒した。かかる原料粒子を用いて50MPaの圧力でプレス成形し、直径約30mm、厚さ約4mmの円板形状のプレス成形体ならびに10mm×6mm×50mmの直方体形状のプレス成形体を得た。各成形体を更に150MPaのCIP成形に供した。
次に、得られたCIP成形体をアルゴンガス70vol%及び酸素ガス30vol%から成る高濃度酸素含有混合ガス雰囲気中において焼成した。具体的には、室温から500℃まで昇温して10時間保持し、有機物(バインダ等)を分解・除去した。引き続き同じ雰囲気中において1500℃まで昇温し、当該最高焼成温度で6時間保持することにより上記成形体を焼成した。こうして本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
なお、上記LSAF粉末から得られた本実施例に係る焼結体について、水素4vol%及び窒素96vol%の混合ガスから成る還元雰囲気での25℃から1000℃の間での還元膨張率は0.37%であった。
【0033】
<実施例2:酸素分離材の製造(2)>
実施例1で得られた焼結体を更に加圧焼成(二次焼成)した。具体的には、市販のHIP焼結装置を用いて、アルゴンガス80vol%及び酸素ガス20vol%から成る高濃度酸素含有混合ガス雰囲気中に上記焼結体を配置し、ガス圧150MPaの加圧条件下で1400℃、1時間の加圧焼成(二次焼成)を行った。こうして本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0034】
<実施例3:酸素分離材の製造(3)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)としてアルゴンガス75vol%及び酸素ガス25vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0035】
<実施例4:酸素分離材の製造(4)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)としてアルゴンガス50vol%及び酸素ガス50vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0036】
<実施例5:酸素分離材の製造(5)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)としてアルゴンガス30vol%及び酸素ガス70vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0037】
<実施例6:酸素分離材の製造(6)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)として窒素ガス70vol%及び酸素ガス30vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0038】
<実施例7:酸素分離材の製造(7)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)として窒素ガス75vol%及び酸素ガス25vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0039】
<実施例8:酸素分離材の製造(8)>
焼成時の雰囲気ガスとして酸素ガス(100vol%)を使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0040】
<比較例1:酸素分離材の製造(9)>
焼成時の雰囲気ガスとして空気を使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本比較例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0041】
<比較例2:酸素分離材の製造(10)>
焼成時の雰囲気ガスとしてアルゴンガス(100vol%)を使用した以外は、実施例1と同じ材料・プロセスによって本比較例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0042】
<実施例9:酸素分離材の製造(11)>
La0.6Sr0.4Ti0.2Fe0.8(LSTF)粉末を1200℃で6時間の仮焼を行った。得られた仮焼粉末を水とともに湿式ボールミルで粉砕し、次いで有機バインダ(ここではPVA(ポリビニルアルコール)を使用した。)を添加して混合し、粒径が約60μmの粒子に造粒した。かかる原料粒子を用いて50MPaの圧力でプレス成形し、直径約30mm、厚さ約4mmの円板形状のプレス成形体ならびに10mm×6mm×50mmの直方体形状のプレス成形体を得た。各成形体を更に150MPaのCIP成形に供した。
次に、得られたCIP成形体をアルゴンガス70vol%及び酸素ガス30vol%から成る高濃度酸素含有混合ガス雰囲気中において焼成した。具体的には、室温から500℃まで昇温して10時間保持し、有機物(バインダ等)を分解・除去した。引き続き同じ雰囲気中において1500℃まで昇温し、当該最高焼成温度で6時間保持することにより上記成形体を焼成した。こうして本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
なお、上記LSTF粉末から得られた本実施例に係る焼結体について、水素4vol%及び窒素96vol%の混合ガスから成る還元雰囲気での25℃から1000℃の間での還元膨張率は0.32%であった。
【0043】
<実施例10:酸素分離材の製造(12)>
高濃度酸素含有混合ガス(雰囲気ガス)として窒素ガス70vol%及び酸素ガス30vol%から成る高濃度酸素含有混合ガスを使用した以外は、実施例9と同じ材料・プロセスによって本実施例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0044】
<比較例3:酸素分離材の製造(13)>
焼成時の雰囲気ガスとして空気を使用した以外は、実施例9と同じ材料・プロセスによって本比較例に係る酸素分離材(焼結体)を得た。
【0045】
<試験例1:三点曲げ強度の測定>
上記実施例1〜10および比較例1〜3に係る上記直方体形状の焼結体を利用してテストピースを作製し、JISR1601に従い三点曲げ強度を測定した。結果を表1〜表2の該当欄に示す。
表に示すように、各実施例の焼結体では190MPa以上の三点曲げ強度が認められた。他方、各比較例の焼結体では、そのような高い強度は認められなかった。特に比較例2の焼結体では、十分な緻密化が認められず三点曲げ強度が測定できなかった。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
<試験例2:相対密度の測定>
上記実施例1〜10および比較例1〜3に係る上記直方体形状の焼結体を利用し、アルキメデス法に基づいて相対密度を測定した。結果を表1〜表2の該当欄に示す。
表に示すように、各実施例の焼結体では97.5%以上の相対密度(即ち高い緻密性)が認められた。特に酸素ガス濃度30vol%以上で焼成したものについては相対密度98.5%以上の緻密な酸素分離材が得られた。なかでも残部がArである場合及び酸素ガス100vol%である場合には相対密度99%以上の緻密な酸素分離材が得られた。
【0049】
<試験例3:モジュールの製造と耐久性の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜3に係る上記円板形状の焼結体を使用して酸素イオン伝導性評価用モジュール50を作製した。
即ち、上記円板形状の焼結体を機械研磨して厚みが0.5mmの薄膜状酸素分離材(直径約30mm)1を作製した。次いで、得られた薄膜状酸素分離材(以下「酸素分離膜1」という。)1の一方の面(反応側)の表面1aには、酸化反応促進触媒としてNi酸化物をコーティングした。更に、他方の面(空気側)の表面1bには、酸素イオン透過促進触媒としてLaSrCo酸化物をコーティングした。
而して、図1に模式的に示すように、触媒付き酸素分離膜1を、一方の面1aが反応側(図の上側)、他方の面が空気側(図の下側)となるようにして、当該反応(燃料)側のアルミナ製円筒管12及び空気側のアルミナ製円筒管14の間に挟んで配置した。これらアルミナ製円筒管12,14と酸素分離材(薄膜状円板)1との接触部分はガラス系シール材15によって密閉した。また、反応側及び空気側のアルミナ製円筒管12,14の内部には、それぞれ、燃料ガス(ここではCHガス)供給用のアルミナ内管20及び空気(Air)供給用のアルミナ内管30を設置した。また、アルミナ製円筒管12,14の外方にはヒータ10を設置した。
【0050】
このように構築されたモジュール50において、ヒータ18により内部を約1000℃まで加熱した。そして先ず、反応側のアルミナ内管20から混合ガス(水素10%+アルゴン90%)を導入してNi酸化物を還元した。次いで、このアルミナ内管20から純メタンガスを10〜200mL/分で導入し、空気側のアルミナ内管15からは空気を10〜500mL/分で導入した。この試験を3時間連続して行った。この間に反応側のアルミナ製円筒管12から放出された合成ガスをガスクロマトグラフで測定した。合成ガス中の酸素及びメタンガスによる反応生成物中の酸素濃度と流量及び酸素分離膜1の酸素透過部面積より酸素透過速度を算出した。その結果、実施例1〜10の酸素分離膜1では、概ね7〜10mL/分・cmの酸素透過速度が得られた。
【0051】
次に、上記3時間の試験後、以下のようにして各実施例及び比較例に係る酸素分離膜(モジュール)の還元耐久性を測定した。即ち、合成ガスの流量測定およびガスクロマトグラフィによる組成測定から合成ガス中に含有する窒素量を測定した。そして合成ガス全体に含まれる窒素量の割合をリーク率(%)とした。ここでリーク率3%以下のものを良好(◎)、リーク率が3%を越えて5%未満のものを適(○)、リーク率が5%以上のものを不適(×)とした。なお、メタンガス流入前の段階では各実施例及び比較例の何れもリーク率3%以下であった。即ち還元応力により膜の破壊が進行するとリークの割合が増大することを反映している。
結果を表1及び表2の該当欄に示す。この結果から明らかなように、各実施例の酸素分離膜は、上述の高い三点曲げ強度及び高密度とともに、高い還元耐久性を備えていることが確認された。他方、各比較例の酸素分離膜はいずれもガスリークが5%を越えており、各実施例の酸素分離膜のような耐久性は得られなかった。
また、実施例1、実施例2及び比較例1に係る酸素分離膜の表面のSEM像を、それぞれ、図2,3及び4として示す。これらSEM像から明らかなように、実施例の酸素分離膜は緻密な表面構造である一方、比較例の酸素分離膜の表面には多数の細孔が存在していることが確認された。
【0052】
上述のように、本発明によると、高い還元耐久性と高い酸素透過性とを共に実現する酸素分離材(好ましくは膜厚が1mm以下の薄膜状酸素分離材)を提供することができる。このため、用途に応じた種々の形態の酸素分離膜を備える耐久性の高い酸素分離モジュールを提供することができる。本発明によって提供される酸素分離材は、例えば800〜1000℃というような高温域での使用に好ましく、特に高い還元耐久性が望まれているGTL或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
なお、本発明によって提供される酸素分離材の一形態として、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る膜状の酸素分離材の少なくとも一方の面側に、この複合酸化物セラミックス(酸素分離膜)を機械的に支持する多孔質支持体を備える構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】一試験例に係る酸素イオン伝導性評価用モジュールを模式的に説明する部分断面図である。
【図2】一実施例に係る酸素分離膜の表面構造を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図3】一実施例に係る酸素分離膜の表面構造を示すSEM写真である。
【図4】一比較例に係る酸素分離膜の表面構造を示すSEM写真である。
【符号の説明】
【0054】
1 酸素分離材(酸素分離膜)
10 ヒータ
12 反応側円筒管
14 空気側円筒管
15 シール材
20 燃料ガス供給用内管
30 空気供給用内管
50 酸素イオン伝導性評価用モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材を製造する方法であって、
前記複合酸化物から成る原料粉末を用意する工程と、
前記原料粉末を用いて所定形状の成形体を加圧成形する工程と、
空気若しくは不活性ガスに酸素を供給して調製された高濃度酸素含有混合ガスの雰囲気中または酸素ガス雰囲気中において、前記成形体を焼成する工程と、
を包含する、酸素分離材製造方法。
【請求項2】
前記原料粉末は、一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する複合酸化物により構成されている、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記高濃度酸素含有混合ガスとして、酸素ガス濃度が30vol%以上となるように調製された混合ガスを使用する、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記焼成工程において、前記成形体の加圧焼成が行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造された、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の複合酸化物セラミックスから成る酸素分離材であって、厚さ1mm以下の膜状に形成された酸素分離材。
【請求項6】
還元膨張率が0.1%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の酸素分離材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−195865(P2009−195865A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42444(P2008−42444)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】