説明

酸素掃去用区分化樹脂ペレット

熱可塑性樹脂の一方が酸素不活性材料であり、他方が酸素感受性材料である少なくとも二種類の熱可塑性樹脂を同時に熱処理する方法および物品であって、物品が更に酸素感受性材料に接触させると酸素感受性材料を酸素反応性材料に転化する促進剤を含む、方法および物品を開示する。区分化ペレット(更にゾーン化ペレットとしても知られている)構造を利用する方法は、各成分の大部分がペレット中の個々の区分またはゾーン内に位置し、熱可塑性樹脂がペレット中に均一に分散されている場合よりも大気中の化合物(例えば酸素)との反応が少なくなる。これは特に酸素掃去システムへの使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本明細書は、少なくとも二つの区分化ゾーンを並んだ配置で備える樹脂ペレットに関する。
【背景技術】
【0002】
優先権および相互参照
本特許出願は、2005年5月5日提出の米国仮特許出願第60/677,829号および2005年11月21日提出の米国仮特許出願第60/738,489号の優先権の利益を主張する。
【0003】
本発明の背景
多くの工業製品は複数の成分を含有してその特性を経済的に改良する。熱可塑性樹脂および熱硬化性材料からつくられる多成分製品は、一般的に種々の成分を物品、例えばシート、フィルム、繊維、ボトルまたは射出成形部品、しばしばプレフォームと呼ばれる、に均一に混合する最終溶融混合押出機で製造される。物品、特にプレフォームをしばしば更に処理して別の物品、例えば、ボトル、トレイ、ジャー、または袋を製造する。
【0004】
包装要求がより複雑になるにつれて、複数の成分がパッケージの機能特性を増加させるのに必要とされる。蒸気または特定の化合物、例えば酸素へのバリアがこれらの特性のより重要な特性である。酸素バリア材料は高価であり、従って、最終包装におけるそのコストを最小にすることが望ましい。
【0005】
低下された酸素透過速度は、受動または能動バリア技術を使用して達成され得る。受動バリア技術は蒸気または液体のパッケージへの透過速度を低下させる。一方、能動バリア技術は関心のある蒸気または液体と反応する材料をパッケージの壁体に組み込み、従って、その容器の壁体の通過を防ぐ。
【0006】
現在のパッケージは、受動バリア材料を容器の壁体の分かれた層に組み込む。このことは、一つの押出機を使用して主成分を溶融して物品を形成し、一方、第二押出機がバリア材料を溶融してバリア材料を容器の壁体を形成する物品の分かれた層に注入することにより達成される。例えば、ポリアミド層およびポリエステル層を組み込んで多層容器を作ることにより受動バリア特性を改良してもよく、ポリアミドが分かれた層に配置されるのとは対照的に容器の壁体のポリエステルとポリアミドを均一にブレンドしてもよい。
【0007】
能動バリア技術は、容器の壁体中の成分と酸素との反応に関する。そのような反応は、酸素掃去として知られている。米国特許第5,021,515号、第5,049,624号、および第5,639,815号は、包装材料および酸素掃去能があるポリマー組成物の利用方法を開示している。そのような組成物は、酸化性有機成分、例えばポリアミド様m−キシリレンアジパミド(一般的にMXD6と呼ばれる)および金属酸化促進剤(例えばコバルト化合物)を含む。
【0008】
米国特許第5,529,833号は、促進剤、例えば遷移金属触媒および塩化物、アセテート、ステアレート、パルミテート、2−エチルヘキサノエート、ネオデカノエートまたはナフテネートカウンターイオンによって触媒されたエチレン性不飽和炭化水素酸素掃去剤を含有する別の有機組成物を開示している。典型的な金属塩は、コバルト(II)2−エチルヘキサノエートおよびコバルト(II)ネオデカノエートから選択される。
【0009】
米国特許第6,406,766号、第6,558,762号、第6,346,308号、第6,365,247号、および第6,083,585号は、酸化性成分、例えば、ポリブタジエンオリゴマー、を官能化することおよびそれを主ポリマーマトリックス、例えばポリエチレンテレフタレートおよび/またはそのコポリマー(一般にPETと呼ばれる)の主鎖に反応させることを教示している。そのような組成物が、容器の壁体の分かれた層として容器の壁体に組み込まれても全壁体を構成してもよい。
【0010】
元素状態または還元金属掃去剤は別の活性バリア技術である。これらの金属は、通常、促進剤、例えば塩化ナトリウムの存在下において反応を誘発する水分に曝されない限り酸素と反応性ではない。金属掃去剤の利点は、金属ベースの掃去剤を含むペレットがペレットの外にある成分である水分と接触するまで酸素と反応しないことである。反応を開始するためのペレット組成物の外にある因子の使用は、これを誘発性システムにする。これは、成分を混合して容器またはペレットを作る場合、あらかじめ論議した活性有機システムと対照的である。酸素との固有の反応性および更に促進性および/または誘発性反応性の両方を有する幾つかの酸素反応性化合物が存在することに注目する。
【0011】
固相重合は、ポリエステルとポリアミド両方の固有粘度により測定される分子量を効率的に増加させる。固相重合法において、ペレットをペレットが液体になる温度未満の温度に曝す。この温度に曝すことは駆動力、例えば不活性ガスまたは真空、の存在下において生じる。重合反応の副生物をペレットから除去し、このようにポリマーの分子量における平衡を増加させる。ポリエステルおよびポリアミドが両方とも製造中ペレット化されるので、米国特許第5,340,884号は、ペレットのいずれか一方をその最初の製造中切断するときにそれらを混合することを支持している。ポリエステルとポリアミドをいずれか一方がペレットに切断される時に混合することは、次の押出および切断工程をなくす。しかしながら、第一切断工程におけるポリエステルとポリアミドの混合は、次のポリエステル−ポリアミド多成分ペレットを結晶化、固相重合および乾燥の熱処理工程に曝し、耐えさせる。これらの熱処理工程は、40℃からペレットが液体になる温度のわずかに下の温度、例えばペレットが液体になる温度の1℃、またはより典型的には商業的理由により、5℃下の温度までにおいて起こり得る。
【0012】
米国特許第5,340,884号はポリエステルとポリアミドを第一切断工程において混合することを支持しているが、マスターバッチ、コンセントレートおよびプレコンパウンド中の均一に分散されたポリアミドとポリエステルとの組み合わせは、ポリアミドの分子量を損なったり劇的なカラーシフトしたりせずに固相重合条件に曝され得ないことに注目している。米国特許第5,340,884号は、ポリエステルとブレンドされる予備配合されたポリアミドコンセントレートを使用することによってこのことを最小化している。予備配合されたコンセントレートは次の熱処理の幾つかの効果を減少し得るが、それほど効果的ではない。ポリアミド−ポリエステルコンセントレートは、一緒に乾燥される分かれたポリエステルポリアミドペレットと同じ問題を抱える。
【0013】
この問題は、ポリマーが溶融ブレンドされるときに酸化促進剤を添加する有機掃去システムの場合に大きくなる。このシステムは酸素に反応性であり、次の熱処理、および更に貯蔵を酸素がない状態で行わなければならない。
【0014】
結晶化プロセスにおいて、ペレット中の材料は実質的にアモルファスから結晶質に動く。ポリマーペレットは、通常アモルファスであるが、熱と時間を受けると結晶化する。結晶化度は、しばしば結晶化度パーセントとして表され、しばしば材料の密度と材料のアモルファス密度との差を100%結晶密度とアモルファス密度(結晶化度0%)との差で割ることにより補間される(interpolate)。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーに関して、アモルファス密度は1.335gm/cm3であり、結晶密度は1.455gm/cm3であり、従って、与えられるサンプルの結晶化度パーセントの式は:
(Ds−1.335)/(1.455−1.335)
(式中、Dsは、サンプルの密度gm/cm3である。)
である。
【0015】
結晶化度レベルは、更に材料を溶融するのに必要とされる熱の量対100%結晶化度のサンプルを溶融するのに必要とされる熱の量に関する示差走査熱量計(DSCまたはD.S.C.)によっても決定され得る。
【0016】
ペレットに酸素反応性成分を予備配合することはポリエステル−ポリアミドブレンドと同じ制限を生じる。酸素反応性ペレットの予備配合は、特に高価である。なぜなら予備配合ペレットは、酸素と反応性であり、酸素の存在しない状態で処理、貯蔵および輸送しなければならないからである。従って、酸素反応性ペレットは酸素の存在しない窒素下で密封ホイルバッグ(sealed foil bag)に包装される。
【0017】
更に、予備配合酸素反応性ペレットは熱処理、例えば乾燥、結晶化または固相重合後、作用しない。ポリエステルと酸素反応性材料とのプレコンパウンドを最終溶融混合の前に乾燥しなければならない。従って、ペレットは乾燥プロセスに耐えられなければならない。熱風乾燥は、酸素を消費する酸素反応性材料の能力を大いに減少させる。
【0018】
米国特許第6,406,766号は、重合後のプロセス、例えば、乾燥、脱蔵、結晶化、および固相重合が酸素掃去性を減少させることを教示しており、そのような操作を完全に酸素がない状態で行い、そのような操作後のコポリマーの酸素への曝露を制限することによって酸素掃去活性の損失が最小化されうることを教示している。
【0019】
この制限にもかかわらず、現在の工業アプローチは酸素感受性材料を促進剤/触媒と共に酸素反応性材料を作る最終製品の主成分を含むマスターバッチに予備配合し、酸素反応性材料をホイルバッグで輸送し、次にこのマスターバッチを窒素の存在下または真空中で最終溶融混合押出プロセスに添加する直前に乾燥する。
【0020】
別の方法は、分かれたペレットを利用する。あるペレットは酸素感受性成分を含み、別のペレットは主成分および促進剤を含む。ペレットの種々の比重および静電的性質によって生じる層別のため、これらの成分の正確な計量は困難であり、酸素感受性成分と別の成分との予備配合および最終溶融混合工程中の促進剤/触媒の添加は貯蔵コストを削減し得るが計量困難性および分かれた供給システムを再導入する。
【0021】
米国特許第5,627,218号、および米国特許第5,747,548号は、相互作用または相互反応性(interreactive)成分を最終溶融混合工程までペレットの分かれた区分またはゾーンに保つ、区分化(ゾーン化)ペレットを開示している。相互作用/相互反応性成分は熱的に活性化されて成形操作中ペレットの利用における化学反応に関与する化学反応体である。相互作用または相互反応性と分類される反応のタイプは、生成物が標準化され、成形中高分子成長が制限されて生成物が成形するのに剛くなりすぎるのを防ぐように完了に達しなければならない反応を有する成分である。一方、米国特許第5,627,218号の区分化ペレット組成物は、反応の遅さを利用して反応が易流動性材料をあまり流動性が容易でない材料に変える前に容易な金型充填を可能にする。相互反応性/相互作用コンパウンドの反応速度は、ほぼ例外なく遅い。溶融混合すると、含まれる材料の相互反応が始まる。ペレット含有反応物の反応時間は、一般的に、成形または押出工程に必要とされる時間と比較して長い。生じる分子サイズおよび結合複雑性の増加が物理的特性を高め、大部分は材料が最終形態に形成された後に生じる。後の成形硬化がゆっくりと行われるかまたはオーブン硬化がいつでも作用されうる。
【0022】
反応性押出処理は、典型的には熱硬化性である。理論的にはいくつかのポリエステル−ポリアミドはアミノ交換(trans−amination)として知られている反応でわずかに反応する。この反応は非常に早く、分子量を大きくしたり粘度を増大したりせず、溶融押出工程後は続かない。ポリエチレンテレフタレートがポリm−キシリレンアジパミド、MXD6と反応しないことが知られている。
【0023】
米国特許第5,627,218号および第5,747,548号は、区分化ペレットが熱的に活性化されて成形操作におけるペレットの利用における化学反応に関与する一種類以上の化学反応体を含むことを教示している。反応を促進する触媒を更に含んでもよい。少なくとも二種類の化学反応体に加えて、これらの特許は更に非化学反応性添加剤、例えば強化繊維、着色剤、滑剤などを意図している。
【0024】
相互作用/相互反応性成分を溶融混合まで別々にしておくことにより、単一ペレットを使用し、最終溶融混合工程に関連する複雑な供給システムを回避する。米国特許第5,627,218号も米国特許第5,747,548号も、反応がペレットの外部化合物、例えば酸素との反応である場合、区分化ペレットの使用を意図したり開示したりしていない。
【0025】
米国特許第6,669,986号は、結晶性ポリエステルで囲むことによる非結晶性ポリエステルの乾燥に役立ちブロッキングや粘着を防ぐ区分化ペレットの使用を開示している。このことを達成するために、米国特許第6,669,986号は、これらの成分が化学的に類似していて次の溶融処理に役立たなければならないことを教示している。米国特許第6,669,986号は、区分化ペレットを使用して製品を外部化合物、例えば空気中の酸素、との反応から保護することを開示も意図もしていない。米国特許第6,669,986号は、更に、水が金属ベースの酸素掃去剤の反応を誘発する場合、ペレットの成分を水から保護することも開示している。前に議論したように、これは誘発メカニズムからの保護であって化合物との反応からの保護も促進剤がペレット中に存在する場合も開示していない。しかしながら、米国特許第6,669,986号は、酸素との反応からの成分の保護を教示していない。
【0026】
米国特許第6,669,986号は更に、水が金属ベースの酸素掃去剤の反応を誘発する場合、ペレットの成分を水から保護することも開示している。前に論じたように、これは誘発メカニズムからの保護であり、化合物との反応からの保護または促進剤がペレット中に存在する場合を開示していない。しかしながら、米国特許第6,669,986号は成分が酸素と反応することからの保護を教示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
米国特許第5,747,548号および第6,669,986号は、どちらも区分化またはゾーン化ペレットのタイプおよびそのような区分化またはゾーン化ペレットの製造方法を記述している。先行技術で意図されていない組成物の例は、少なくとも一種類の成分が周囲化合物、例えば空気中で見出される酸素と反応する場合のペレット組成物である。
【課題を解決するための手段】
【0028】
発明の要旨
酸素感受性成分、酸素不活性成分および反応促進剤を含有し、酸素感受性成分が第一区分化ゾーンに存在し、酸素不活性成分が第二区分化ゾーンに存在し、第一区分化ゾーンおよび第二区分化ゾーンが並んだ配置で配列され、それによってどちらのゾーンも他方のゾーンをペレットのいずれの面においても囲わない、少なくとも三種類の化合物を同時に熱処理するプロセスおよび配列物品を開示する。本発明のペレットの好ましい態様は、本質的に二つの区分からなり、より好ましくは、二つの区分のみからなる。有利には、これらの区分は、連続構造を有する。
【0029】
本明細書は、更に、酸素感受性化合物、酸素不活性化合物、および反応促進剤を含有し、酸素感受性化合物が第一区分化ゾーンに存在し、酸素不活性成分が第二区分化ゾーンに存在し、樹脂ペレットを40℃からペレットが液体になる温度より少なくとも1℃低い温度までの範囲の温度に加熱する工程を包含する、樹脂ペレットを熱処理する方法も開示する。
【0030】
図面の簡単な説明
図1は、本発明によらない二つの区分またはゾーンをコア−シース(core−sheath)配置において有する樹脂ペレットである。
図2は、コアが外部シース層によって封入されるか、囲まれるか、または取り囲まれる、本発明によらないコア−シース配置において二つの区分またはゾーンを有する樹脂ペレットである。
図3は、三つの区分またはゾーンを多層またはサンドイッチ配置において有する樹脂ペレットである。
図4は、本発明によらないコアを囲む二つの同心円層における三つの区分化ゾーン配列の樹脂ペレットである。
図5A、5B、5Cは、二つの区分がいわゆる並んだ配置で互いのそばにある種々の樹脂ペレット配置の例である。
【0031】
発明の詳細な説明
以下に詳細に記述される区分化配置は、これらに限定されるわけではないが、乾燥、脱蔵、結晶化、固相重合および貯蔵を含む次の熱処理後の操作を酸素環境、例えば空気中で行うことを可能にすることによって酸素反応性システムに役立つ。
【0032】
区分化配置ペレットは少なくとも一種類の酸素不活性ポリマー、例えばポリエステル、少なくとも一種類の酸素感受性成分、例えばポリアミドまたはポリエステル含有ポリブタジエンモノマー、および酸素感受性成分と接触させると酸素感受性成分と酸素との反応を開始および/または触媒し、従って酸素感受性成分を酸素反応性成分にする少なくとも一種類の反応促進剤、例えばコバルト化合物を含む。
【0033】
この明細書の目的に関して、酸素と反応する成分は酸素反応性成分または酸素掃去剤として知られている。この成分と酸素との反応は、しばしばパッケージの壁体に存在する別の成分によっても促進される。促進剤が存在する場合に酸素と反応性になる成分は、酸素感受性成分と呼ばれる。促進剤は、通常酸素感受性成分と酸素との反応を開始し、しばしば触媒する。酸素感受性成分が促進剤に曝露され、酸素と反応性になった後、酸素感受性成分は、酸素反応性成分になる。酸素感受性/反応性成分は、有機、無機または還元原子価状態の金属であり得る。
【0034】
対照的に、語句、酸素不活性成分は、酸素感受性成分を酸素反応性成分にするレベルにある促進剤と接触するときに酸素と反応性にならない成分に言及する。これは、酸素感受性成分を促進剤と混合し、酸素消費量を測定することによって容易に決定され得る。次に、示される酸素不活性成分を促進剤のみと混合し、酸素反応性を測定する。大抵の有機化合物が酸素への反応性のいくつか非常に小さい固有量を示すことが観測された。酸素不活性成分は、促進剤の存在下においてほとんど増加しない酸素反応性を示さなければならない。良好な指針は、促進剤の存在下における酸素不活性成分が促進剤がない場合の酸素不活性成分の二倍の酸素反応性しか有さないことである。酸素不活性成分の酸素との二倍の反応性が許容できるが、好ましい酸素反応性量は、促進剤がある場合の酸素不活性成分が促進剤がない場合の酸素不活性成分と比較して酸素消費において20%未満、好ましくは10%未満の増加を示し、好ましくは増加を示さないことである。わずかに高い増加はそれ自体および本質的にほんのわずかに酸素と反応しうる触媒、不純物、または促進剤の痕跡量によって引き起こされ得る。
【0035】
図1の基本概念的態様において、酸素不活性ポリマー、酸素感受性成分および促進剤は、ペレットのゾーンまたは区分に不均一に配置され、実質的に酸素との反応を開始または触媒するのに不充分な量の促進剤が酸素感受性成分と直接接して存在するが、最終溶融押出工程中に混合されるときに成分が均質化されると酸素との反応を開始または触媒するのに充分以上の促進剤が存在する。
【0036】
促進剤および酸素感受性成分を、互いに均一に分散または可溶化するのと対照的に、実質的に不均一にペレットに配置してもよい。一態様において、酸素感受性成分を一区分(例えば図5A、5B、および5Cの要素5A1、5B1、および5C1参照。)に置き、促進剤を図5A、5B、および5Cの5A2、5B2、および5C2とラベル付けされた酸素不活性成分にペレットを最終溶融混合工程において処理するときに酸素感受性成分と酸素との反応を開始および/または触媒するのに充分な量分配する。この配置で酸素感受性成分を最終溶融混合中に促進剤と組み合わせるまで本質的に酸素と非反応性にしておくべきである。本発明のペレットは、今、酸素含有環境、例えば空気中で貯蔵され、酸素の存在下において熱処理され得る。なぜなら、酸素感受性化合物が最終溶融混合まで酸素とほとんど反応性を示さないかまたは全く反応性を示さないからである。
【0037】
酸素反応性化合物は多くの化合物のうちの一種であり得る。この特定の態様の酸素反応性化合物は、酸素との反応を開始または触媒する反応促進剤を必要とする酸素感受性成分である。Active Food Packaging、M.L.Rooney編、1995年、74〜110頁(その教示を参照することにより本明細書中に組み込む。)は、種々のタイプの酸化性有機酸素感受性化合物を記述している。酸素感受性化合物は、一般的にエチレン性不飽和有機化合物であり、酸素および開始剤または触媒である促進剤の存在下において開裂する少なくとも一種類のアリル性水素を有していてもよい。
【0038】
これに関連して、触媒が開始剤であってもよいが、開始剤は常に触媒ではない。一般的に、酸素との反応は、開始剤または触媒が存在しない場合、非常に遅いかまたは存在しない。開始剤は、化合物と酸素の早い反応を開始するものである。触媒は反応を開始し、反応速度を増加し得るが、反応に関与しない。
【0039】
ポリアミドは、ポリオレフィンと同様、遷移金属触媒の存在下において酸素と反応性になり、従って、更に酸素感受性成分である。従って、ポリアミドも更に好ましい酸素感受性成分の一種である。特に、後述のポリアミドは、好適な酸素感受性成分である。それらのポリアミドの中で、m−キシリレンアジパミド部分(MXD6)が好ましい。ポリブタジエン、ポリブタジエンオリゴマーおよびテルペンが遷移金属触媒によって促進される(開始および/または触媒される)酸素感受性材料の別の例である。
【0040】
酸化性有機化合物の別の例としては、ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキシドオリゴマー、およびメチルペンダント芳香族化合物が挙げられる。高シス(high−cis)、高ビニル(high−vinyl)およびシンジオタクチック微細構造を有するポリブタジエンを含む多くの形態のポリブタジエンが作用する。
【0041】
主成分と物理的にブレンドすることに加えて、酸素感受性成分を一以上の部位において化学的に官能化して主成分と相溶性の材料と反応させてもよい。官能化が、例えば少なくとも一種類のカルボキシル、ヒドロキシル、またはアミン基をその部分に配置してもよい。好ましくは、この部分の各末端に生じる二つの官能基が存在する。ポリエステルと相溶性の材料のタイプは、主に、USA 21 CFR 177.1590に列挙されるようなポリエステルおよびポリアミドからなる群から選択される重縮合物セグメントと、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキシドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素感受性成分セグメントとの反応生成物である。USA 21 CFR 177.1590は、重縮合物を一種類以上の以下のフタレート−ジメチルテレフタレート、ジメチルオルトフタレート、およびジメチルイソフタレート−をα−ヒドロω−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および/または1,4ブタンジオールと反応させる場合に完成エラストマーが数平均分子量20,000〜30,000を有するようにエステル交換反応によって製造されたポリエステルエラストマーとして記述している。これらの縮合物は、更に、テレフタレート、オルトフタレート、およびイソフタレートからなる群から選択される一種類以上のフタレートを含有する重縮合物であって、更にα−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および1,4ブタンジオールからなる群から選択される一種類以上のグリコールを含有し、数平均分子量20,000〜30,000を有する重縮合物とも記述され得る。α−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)は1,4ブタンジオールの重合体の形態である。モノ−エチレングリコール(エチレングリコール)およびポリエチレングリコールとしても知られているそのポリマーもまた好適である。
【0042】
通常、酸素掃去材料が主成分それ自体と反応する場合に最良の相溶性が得られる。従って、酸素掃去材料を有さず酸素不活性成分である分子を有する酸素掃去材料酸素感受性成分を含む分子をつくる。米国特許第6,406,766号は、これがどのように達成されるかを記述している。米国特許第6,406,766号が官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに反応させることを教示しているので、その発明者は官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに対するモノマーと見なしている。この開示の目的に関して、用語官能化ポリブタジエンは、米国特許第6,406,766号において見出される用語ポリブタジエンモノマーと同等である。好ましくは、官能化酸素掃去剤を主成分と同じタイプの材料と反応させる。言い換えると、ポリエチレンテレフタレートとの最良の相溶性は、官能化酸素掃去剤をポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと反応させる場合に得られる。
【0043】
促進剤は開始剤または触媒であり、酸素感受性成分と酸素との反応を開始および/または加速する化合物である。促進剤は、通常、遷移金属、最も好ましくはコバルト塩、例えばコバルトネオデカノエートであり、酸素感受性材料と酸素との反応によって消費されない。更に、酸素感受性成分は、促進剤が充分な量で存在しない場合、酸素と充分非反応性である。促進剤は、酸素との反応を開始するかまたは開始剤を放出するのに更にペレットの外部のイベント、例えば放射エネルギー(光、紫外線、マイクロ波)または別の物質、例えば水、との接触も必要とし得る。
【0044】
促進剤の量は、通常、必要とされる酸素消費量、酸素感受性成分のタイプ、および促進剤のタイプに基づいて実験的に決定される。一般的な意味では、促進剤の量は金属イオン対酸素感受性成分30〜1000ppmで変化する。しかしながら、酸素感受性成分の重量に基づいて値50〜500ppmおよび100〜300ppm金属イオンが更に酸素との反応を促進すると知られていた。
【0045】
別の態様は、少なくともいくつかの促進剤を含む酸素不活性成分の層の隣に高濃度の酸素感受性成分を有する区分化ペレットである。例えば、並んだペレットが、ペレットの95容積%を構成し、酸素感受性材料、例えばポリアミドおよび/またはポリブタジエン構造を含有する第一ゾーンを備え、更に5容積%を構成し、酸素不活性材料および促進剤を含有する第二ゾーンを備えてもよい。配置が以下に限定されるわけではないが、本発明の範囲内の配置の例は、図3のサンドイッチ形態、および図5に示される並んだ配置の変形である。このペレットをポリエステルペレットと熱処理してもよく、乾燥供給押出機において添加してもよく、ペレットは酸素感受性成分と酸素との反応を開始せずに酸素環境下において貯蔵され得る。
【0046】
一態様は、非促進酸素感受性成分、好ましくはポリアミド、例えばMXD6、非水素化ポリブタジエンオリゴマーまたはポリエステル主鎖に反応された非水素化ポリブタジエンオリゴマーをペレットの一成分に入れ、コバルト促進剤およびポリエステルを別の成分に入れることである。図1は、これをコア−シース配置として示し、図2はこれをコアが囲まれているコアシースとして示す。図3は、これをサンドイッチ配置において示し、図4は多重配置の配置を示す。図5A、5B、および5Cは並んだ配置の制限しない変形を示す。並んだ配置の優れた特徴は、環状、コア−シース、または封入配置と異なり、並んだ配置において、ペレットを通って描かれる想像上の面においてどちらのゾーンも別のゾーンを囲まないことである。
【0047】
図3および図5A、5B、および5Cに示されるように、これらの構造が上記基準を満たすことが明らかである。いずれの方向にも両方のゾーンを含み、他方のゾーンを完全に囲むゾーンを有するペレットを通る面がない。
【0048】
区分化配置において、促進剤、通常コバルト化合物は、酸素感受性成分がポリエステル中に分散され、コバルト塩と均質に接触し、それによって酸素と酸素感受性成分との反応を開始および触媒する最終溶融混合工程までポリエステル(酸素不活性)層中にとどまる。この時点で、酸素感受性成分が酸素反応性成分になる。
【0049】
当業者は、まだ酸素との反応を大きく促進していない酸素感受性成分に添加されうる促進剤の最高レベルを決定し、酸素感受性成分の酸素不活性成分中における完全分散下において反応を促進するのに必要とされる促進剤の総量を決定し、ポリエステルシース中に促進剤の少なくとも残量を置くことにより促進剤の量を最小化しうることに気づく。
【0050】
官能化(非水素化)酸素感受性/反応性成分が二種類の形態で存在しうることも注目に値する。第一に、ポリマー主鎖に反応していない官能化材料として存在し得る。他の区分中の成分の主鎖への反応が最終溶融混合中に生じる。
【0051】
明確にするため、いくつかの態様は、副生成物および/または酸素への反応に加えて更に相互作用/相互反応性成分も有するペレットである。酸素感受性または酸素反応性成分は、それらの相互作用/相互反応性成分の一種であってもなくてもよい。ある特徴は、酸素感受性成分とペレット外部の化合物、例えば酸素、との反応の促進剤の存在、および促進剤が酸素感受性化合物と分かれたままであることまたは酸素感受性化合物と接触している促進剤が十分少なく酸素との反応を開始せず、いずれの態様も室温(23℃ +/− 5℃)におけるペレットの酸素反応性の速度を対照ペレットを20%超えて減少することである。対照ペレットは成分が均一に分散されていること以外ほぼ同じサイズおよび組成のペレットである。
【0052】
区分化ゾーン化ペレット構造の酸素反応性の欠如を実施例シリーズIにおいて明らかにする。PET、酸素感受性成分(MXD6)および酸素反応促進剤(コバルトネオ−デカノエート)を含むゾーン化構造(IC)の酸素反応性はPETと酸素感受性成分のみを含む対照(IA)に類似している。第一日目の後の酸素反応量は、七日間にわたって消費の増加を示さない区分化構造と実質的に同じである。対照の七日目における低い結果が、サンプルが製造後少し経つまでバイアル中に置かれなかったという事実に起因していると考えられる。この時間中、少量の固有酸素反応性がすでに生じた。
【0053】
比較すると、比較例(IB)は七日間でほぼ二倍量の酸素と反応または消費した。酸素掃去性の保持を再ペレット化して全成分を混合するICのゾーン化構造である実施例IDにおいて明らかにする。このように、成分を組み合わされる状態になる最後の最後まで分離して、酸素掃去材料を酸素反応性材料に転化する。
【0054】
実験結果を図1に対応するコア−シース構造に行い、図5A、5B、および5Cのような並んだ配置に流し込むときに同様の結果を達成することに注目する。
【0055】
乾燥、結晶化および固相重合は本発明にも有益である熱処理である。本発明に想定される熱処理はペレットの含有物が充分に液体になってゾーンが混ざり合うようになる温度未満の温度において起こる。ペレット中の全熱可塑性成分が液体になるまでペレットを加熱することは押出処理として知られている。押出処理は熱処理の一つのタイプであるが、本発明により行われる熱処理のタイプではないので除外する。従って、本明細書において、語句「ペレットを速やかに加熱して充分な量のペレットの含有物が液体になってゾーンが混ざり合うようにする」は本発明に想定される熱処理ではない。
【0056】
以下の態様は、削除されない場合、区分化またはゾーン化構造を有するペレットのゾーンまたは区分への成分の適当な配置を通じて貯蔵または熱処理中に酸素と反応する問題を大いに減らし得ることを明らかにする。一態様において、酸素感受性成分を最終溶融混合まで外部材料、例えば酸素、と非反応性にしておく。米国特許第5,627,218号および第5,747,548号は、区分化ペレットの製造に関する多くの技術を教示している。一態様において、ペレット中に少なくとも二つのゾーン、または領域、通常コアおよびシースがある。しかしながら、並んだ配置に関して、材料を二つのストランドまたは二つの層に流し込む。
【0057】
全区分化ペレットは少なくとも二つの押出機を使用して得られる。別のゾーンの第三材料が所望される場合、別の押出機が必要とされる。第一押出機は、直線的に押し出される第一ゾーンを形成する液体供給を提供する。コア−シースデザインに関して、コアをストランドの中央に置く。同時に、第二材料を第二押出機において第二ゾーンに押し出す。コア−シース層デザインにおいて、第二ゾーンはコアを同心円状に包むシース層である。並んだ配置において、第一ゾーンは第二ゾーンの隣に流し込まれる。図5Bに示される、かみ合った並んだ配置において、ダイが二つのかみ合ったストランドを製造するように配置される。促進剤の配置は、酸素感受性材料を含むゾーンに依存する。後述するように、酸素感受性材料を含まないゾーンに促進剤の総量を置くことが好ましいが、酸素感受性材料を含むゾーンにいくつかの促進剤を置くことも意図されている。
【0058】
並んだ配置において、第一ゾーンを第二ゾーンの隣に同時押出するか、または図5Bに示されるかみ合った構造で同時押出する。
【0059】
米国特許第6,669,986号は、コア−シースペレットを製造するための多孔ダイ装置(multiple hole die apparatus)を開示している。図1は、実質的にシース2に包まれているコア1を有するコア−シース区分化ペレットである。この態様において、ポリエステルは外部シース2に押し出され、酸素感受性材料(例えば、MXD6、ポリブタジエンオリゴマー)はコア1に押し出される。ストランドが二種類以上の環状の同心円層からなってもよい(例えば、図4)ことが当業者に明らかである。このことは、別の押出機および別のダイを使用することにより達成され得る。
【0060】
第一工程は、多層ストランドを押し出すことである。コア−シース配置において、一種類の成分をペレットの中心に押し出し、別の成分を中心成分の回りに押し出す。並んだ配置において、二つのゾーンを並んで押し出す。押し出される多層ストランドをペレタイザーにより切断する前または後にこれを必要に応じて冷却し、多層ペレットに形成する。
【0061】
次にストランドを冷却する。例えば、ストランドを冷却水入りの水槽に漬けてもよい。水冷多層ストランドを、好ましくは表面の水分を除いた後に(これはしばしば遠心脱水機により行われる)ペレタイザーに送る。
【0062】
ペレタイザーは、回転ナイフなどを運転することにより多層ストランドを所定の長さに切断する。
【0063】
一般的に、外径約2〜8mmの多層ペレットを製造する。本発明は、更にストランドから製造されるペレットに限定されない。例えば、米国特許第5,627,218号に示されるように、熱可塑性ポリマーを次に更にキューブ形態に切断される積層シートに流し込んでもよい。図3のようなサンドイッチまたは積層構造において、一般的に中間層33が第一外部層31と第二外部層32の間にサンドイッチされる三層が存在する。
【0064】
同時押出された並んだストランドペレットは、キューブに切断される二層の並んだシートと同じ構造であり、唯一の差異は製造ルートである。
【0065】
区分化ゾーンは、第一区分化ゾーン、第二区分化ゾーン、および順次各増加するゾーン数で標識されて分類され得る。例えば、コア−シースデザインは最小の二つの区分化ゾーンを有する。コアシースデザインは、同心円の数に依存して、より多くのゾーンを有していてもよい。並んだものは更に二つの並んだ配置を囲むシースを有していてもよい。
【0066】
区分化ゾーンのサイズは均一分散と関連するゾーンに優れている。均一分散は、ゾーンをつくるが、ペレットの総体積の非常に小さい割合に相当する各ゾーンに細かく分かれている。区分化ゾーンは総体積のより大きな割合である。
【0067】
このことは図1に示されるコアシースを使用して容易に示される。区分化ゾーン(コア)の体積の総ペレットに対する割合は、コアの直径対ペレットの円筒形状部分の直径の比である。半径比が全く同様に作用する。この比は、押出ダイを調べ、ストランドを流し込む孔の直径比を使用することによって見積もられ得る。実際の比はSEM(走査電子顕微鏡法)、顕微鏡検査、または成分の分離および回収される成分の密度調節重量に関連して必要とされる体積の計算によって測定され得る。
【0068】
区分化ゾーンであるために、ゾーンの体積はペレットの総体積の少なくとも0.001パーセントでなければならない。実用的には、0.01体積パーセントがより好ましく、少なくとも0.1体積パーセントが最も好ましい。
【0069】
一態様は、一方が数平均分子量4000〜50,000のm−キシリレンアジパミドポリアミド(MXD6)を含有し、シースがポリエステル、特に固有粘度(I.V.)0.4〜1.2dl/gを有するポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有する、並んだデザインである。一度このペレットを作ると、次に、ポリエステル中に均一に分散されたMXD6を有し、同じ熱処理を受けた対照と比較して完成品に大きなカラーシフトを与えずに、両方の材料を更に空気中における結晶化、固相重合または乾燥の標準条件下で処理し得る。
【0070】
並んで配置されるペレットがI.V.0.2〜1.2dl/gを有する少なくとも一種類の成分を含有することが特に意図される。例えば、少なくとも0.45dl/g、中間供給I.V.0.49〜0.59dl/g、より好ましくは0.52〜0.56dl/gのフィルム形成ポリエステルを使用してもよい。典型的なボトルのI.V.範囲は0.72〜0.84dl/g、より好ましくは0.74〜0.82dl/gであるのに対して、ペレットは更に供給I.V.範囲0.59〜0.69dl/g、より好ましくは0.61〜0.64dl/gのポリエステルボトル樹脂を使用してもよい。包装トレイに関して、典型的なI.V.は0.85〜1.02dl/g、より好ましくは0.89〜0.95dl/gの範囲内である。ポリマーの測定I.V.は単一値であるが、値は種々の分子鎖長の混合物を示すことに注目する。熱処理中の典型的なI.V.増加は、少なくとも0.1dl/gであるが、0.2または更に0.4dl/gにもなり得る。
【0071】
配置は、材料が結晶であるかアモルファスであるかは重要でない。例えば、結晶化の前に数平均分子量25,000を有するMXD6ナイロン(MXD6−三菱ガス化学株式会社製のグレード6007)を含有する成分の隣に流し込むかまたは並べる0.49I.V.PET側を有するペレットが態様の一つである。結晶化後、固相重合し、PET I.V.が0.84であり、MXD6ナイロンの数平均分子量も更に増加した同一のペレットも態様の一つである。固相重合したペレットの乾燥もまた熱処理の想定される態様の一つである。
【0072】
更に想定されることは、前記態様のMXD6の代わりにポリブタジエンまたは別の酸素感受性有機化合物を用いることである。これは別のポリマー鎖に反応していても反応していなくてもよい官能化種を含む。
【0073】
当業者は、分子量が熱処理中にしばしば増加すること、および、ペレットにおける成分の位置がI.V.増加度に影響を及ぼすことに気づく。各成分に関して一度最終分子量を決定すると、当業者は熱処理後の各成分の最終分子量が完成品に必要とされる各成分の所望の分子量になるように各成分の低い開始分子量を選択する。この開始I.V.は従来の反復最適化技術によって容易に決定され得る。
【0074】
当業者は、更に、異なるゾーンにおいて固有粘度および溶融粘度および溶融粘度が大きく異なるペレットが製造され得ることに気づく。例えば、多官能性コモノマー、例えばピロメリット酸二無水物(PMDA)、およびペンタエリトリトールがポリエステルの固相重合速度を増加し、更に固相重合温度を下げることがよく知られている。このことは高温への長時間曝露を減らすことを可能にする。シース中にPET/PMDAを有するゾーン化ペレットが従来の固相重合条件を許容しえない材料の処理を可能にする。この態様に置いて、ペレットは外部シース中のPETおよび適切な量のPMDAおよびコア中の従来の時間および温度を許容し得ない材料で構成される。多くのアセトアルデヒド掃去剤およびバリアポリマー、例えばポリエチルビニルアルコール(EVOH)がこのカテゴリー内にある。ペレットを相重合条件に低温においてまたははるかに短時間、場合によっては従来の条件より低温において短時間曝す。
【0075】
区分化ゾーンの完全分離が必須ではないことを認識することが必要である。材料が分かれたゾーンに存在してもよいが、いくつかの酸素感受性材料がポリエステルゾーン中に存在しても、いくつかのポリエステルが酸素感受性ゾーン中に存在してもよい。本発明の有用性を決定するのは各ゾーン中の促進剤の配置および促進剤の量である。
【0076】
実際、酸素感受性ゾーンまたはポリエステルゾーンはそのゾーン中に均一に分散された相溶化剤を有して最終溶融混合工程中の酸素感受性材料とポリエステルの相溶化に役立つ。
【0077】
ポリアミド酸素感受性材料に関するそのような相溶化剤の例は、ポリアミド、PETまたはPET含有コポリマーを含有する相溶化ポリマーブレンドを含有する少なくとも一種類の第一層、およびイソフタル酸(IPA)変性PETおよびPETイオノマーから選択される少なくとも一種類の相溶化剤を備える曇り度が低い容器を記述している米国特許出願2004/0013833 A1中に見出される。この出願は、更に別の相溶化剤も記述している。この出願は好ましくは1〜6モルパーセントIPA(イソフタル酸)含有するIPA−変性PETを記述している。好ましいPETイオノマーは、スルホン化PETである。別の相溶化剤としては、p−トルエンスルホン酸変性PET、ピロメリット酸二無水物(pyrometillic dianhydride)変性PET、およびマレイン酸無水物変性PET、アクリル酸変性ポリオレフィンタイプイオノマーおよび低分子量ビスフェノールAエポキシ樹脂−E44、二官能性カップリング剤を使用してカップリングしたトリメリット酸無水物が挙げられる。
【0078】
相溶化剤は、イオン性相溶化剤、好ましくは金属スルホン酸塩基を含むコポリエステルである。スルホン酸塩の金属イオンはNa+、Li+、K+、Zn++、Mn++、およびCa++であってもよい。スルホン酸塩基を芳香核、例えばベンゼン、ナフタレン、ジフェニル、オキシジフェニル、スルホニルジフェニル、またはメチレンジフェニル核、に結合させる。
【0079】
好ましくは、芳香族酸核は、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、およびそれらのエステルである。イオン性相溶化剤の好ましい範囲は、各酸またはグリコール部分の重量に対して0.1〜2.0モルパーセントである。
【0080】
相溶化剤は区分化ペレット中に第三成分として存在してもよく、いずれの区分中に存在してもよい。代わりに、イオン性相溶化剤をポリエステル樹脂の分子鎖中に重合してもよい。
【0081】
ペレットの区分における使用に好適な熱可塑性ポリマーとしては、熱可塑性ホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。これらの例としては、脂肪族、部分芳香族および芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分枝ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンジクロリド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(3−フェニル−1−プロペン)およびポリ(ビニルシクロヘキサン)が挙げられる。酸素不活性熱可塑性ポリマーのいくつかの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分枝ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンジクロリド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマーが挙げられる。
【0082】
本発明において使用される熱可塑性ポリマーは、ポリエステルポリマーまたはコポリマー、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの結晶性コポリマー、を含有する。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーのコポリマーは更にコポリエチレンテレフタレートとして表される。ポリエチレンテレフタレートのコポリマーまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーは、酸単位の総数に基づいて繰り返し酸単位の少なくとも85%がテレフタル酸またはテレフタル酸のジエステルから誘導され、グリコール単位の総数に基づいて繰り返しグリコール単位の少なくとも85%がエチレングルコールから誘導され、酸および/またはグリコール単位の残部が少なくとも一種類の別の異なる繰り返し単位から誘導されるポリエステルである。第三の、次の繰り返し単位は、例えば、イソフタル酸、2,6ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、または1,4ブタンジオールであってもよい。
【0083】
明確化のために、非変性用語PETは、ポリエチレンテレフタレートまたはコポリエチレンテレフタレートに言及する。結晶性変性剤は、ポリマーが示差走査熱量計(D.S.C.)により測定されてある程度結晶化される能力に言及する。典型的な結晶化度レベルは、熱処理のタイプおよび使用される核形成技術に依存して5〜65パーセントの範囲で変化する。典型的には、結晶化度5%未満を有する場合、ポリマーはアモルファスと考えられる。
【0084】
二種類のタイプの結晶構造が存在する。一方は材料を融点未満の高温において力に曝すことにより分子にさせる歪誘導結晶化度である。このタイプの結晶化度は配向としても知られており、繊維が延伸されるかボトルがストレッチブロー(stretch blow)される場合に起こる。結晶のオーダーおよび配向のため、歪誘導結晶化度を有する材料は一般的に透明である。アモルファス材料をストレスが存在しない状態で加熱すると非歪誘導結晶化度が生じる。材料は白色になる。この結晶化度は本来ランダムであり、非常に脆い。本発明の態様は、アモルファスペレット(結晶化度5%未満)、歪誘導結晶ペレット、非歪誘導結晶ペレットおよび歪誘導および非歪誘導結晶化度両方を有するペレットに行われ得る。両方のタイプの結晶化度を有するペレットは、ストランドを押し出しプロセス中に配向し、次に切断ペレットまたはストランドを残りのペレット中のアモルファス材料のいくつかを非歪誘導結晶モルホロジーに転化するのに十分な熱に曝すことによりもたらされる。
【0085】
本発明における使用に好適な熱可塑性ポリマーは、フィルム、シート、または射出成形物品に製造されうることが理解される。
【0086】
本発明に用いられるポリマーは当業者によく知られている常套の重合手順により製造され得るが、別の方法でも同様に製造され得る。ポリエステルポリマーおよびコポリマーをジオールとジカルボン酸、または対応するジエステルとの反応を含む溶融相重合により製造してもよい。複数のジオールおよび二酸の使用に起因する種々のコポリマーを使用してもよい。一種類の化学組成のみの繰り返し単位を含むポリマーはホモポリマーである。同一高分子中に二種類以上の化学的に異なる繰り返し単位を有するポリマーは、コポリマーと呼ばれる。明確化のために、テレフタレート、イソフタレートおよびナフタレートとエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールとのポリマーは六種類の異なるモノマーを含み、コポリマーと見なされる。繰り返し単位の相違は、開始重合反応において存在する異なるタイプのモノマーの数に依存する。ポリエステルの場合、コポリマーは一種類以上のジオールと一種類以上の二酸とを反応させることを含み、ターポリマーと呼ばれる場合もある。更に、モノマーのランダム化は必要ではない。コポリマーまたはターポリマーは、ブロックまたはランダムに分散している異なるモノマーを有するポリマーにも言及する。
【0087】
好適なジカルボン酸としては、約6〜約40個の炭素原子を含有するジカルボン酸が挙げられる。特定のジカルボン酸としては、これらだけに限定されるわけではないが、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシ二酢酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,4−フェニレンジオキシ二酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。特定のエステルとしては、これらに限定されるわけではないが、フタル酸エステルおよびナフタール酸ジエステルが挙げられる。
【0088】
更に、ポリエステルイオノマーを作り出すモノマー、例えばメタロ−スルホネートが挙げられる。これらとしては、リチウム、硫黄、および燐のスルホン化イソフタル酸塩が挙げられる。
【0089】
これらの酸またはエステルを約2〜約10個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、約7〜約14個の炭素原子を有する脂環式ジオール、約6〜約15個の炭素原子を有する芳香族ジオール、または4〜10個の炭素原子を有するグリコールエーテルと反応させてもよい。好適なジオールとしては、これらに限定されるわけではないが、1,4−ブテンジオール、トリメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、レソルシノール、およびヒドロキノンが挙げられる。
【0090】
多官能性コモノマーを、典型的には約0.1〜約3モルパーセントの量で、使用してもよい。好適なコモノマーとしては、これらに限定されるわけではないが、トリメリット酸無水物、トリメチロプロパン、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、およびペンタエリトリトールが挙げられる。更にポリエステル形成多酸またはポリオールを使用してもよい。
【0091】
非制限ポリマーの一例は、テレフタル酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1の化学量論反応から形成されるポリエチレンテレフタレート(PETホモポリマー)である。別の好ましいポリエステルは、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1〜1:1.6の化学量論反応から形成されるポリエチレンナフタレート(PENホモポリマー)である。更に別の好ましいポリエステルは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。PETコポリマー、PENコポリマー、およびPBTコポリマーも更に好ましい。特定の興味深いコ−およびター−ポリマーは、PETとイソフタル酸またはそのジエステル、2,6−ナフタール酸またはそのジエステル、および/またはシクロヘキサンジメタノールとの組み合わせである。
【0092】
カルボン酸またはエステルとグリコールとのエステル化または重縮合反応を、典型的には、触媒の存在下において行う。好適な触媒としては、これらに限定されるわけではないが、酸化アンチモン、アンチモントリアセテート、アンチモンエチレングリコレート、有機マグネシウム、酸化錫、チタンアルコキシド、ジブチル錫ジラウレート、および酸化ゲルマニウムが挙げられる。これらの触媒を、亜鉛、マンガン、またはマグネシウムアセテートまたはベンゾエートとの組み合わせで使用してもよい。アンチモンを含有する触媒が好ましい。このペレットの食品包装への望ましさのために、別の好適なポリエステルおよび添加剤がUSA 21 CFR 177.1000〜177.2910(1997年4月改訂版)に列挙されている。
【0093】
別のポリエステルの例は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。これは、好ましくは、例えば1,3−プロパンジオールと少なくとも一種類の芳香族二酸またはそれらのアルキルエステルとを反応させることにより製造され得る。好ましい二酸およびアルキルエステルとしては、テレフタル酸(TPA)またはジメチルテレフタレート(DMT)が挙げられる。従って、PTTは、好ましくは、TPAまたはDMTいずれか少なくとも約80モルパーセントを含有する。そのようなポリエステル中に共重合され得る別のジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−ブタンジオールが挙げられる。コポリマーを製造するのに同時に使用されてもよい芳香族および脂肪酸としては、例えば、イソフタル酸およびセバシン酸が挙げられる。
【0094】
PTTの製造に好ましい触媒としては、チタンおよびジルコニウム化合物が挙げられる。好適な触媒チタン化合物としては、これらに限定されるわけではないが、アルキル化チタンおよびその誘導体、チタン錯塩、ヒドロキシカルボン酸とのチタン錯体、二酸化チタン−二酸化ケイ素共沈物、および水素化アルカリ含有二酸化チタンが挙げられる。特定の例としては、テトラ−(2−エチルヘキシル)−チタネート、テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)−チタン、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)−チタン、トリブチルモノアセチルチタネート、トリイソプロピルモノアセチルチタネート、テトラ安息香酸チタネート、アルカリチタンオキサレートおよびマロネート、カリウムヘキサフルオロチタネート、および酒石酸、クエン酸または乳酸とのチタン錯体が挙げられる。好ましい触媒チタン化合物は、チタンテトラブチレートおよびチタンテトラプロピレートである。対応するジルコニウム化合物も更に使用され得る。
【0095】
本発明において使用されるポリマーは、更に、少量のリン化合物、例えばホスフェート、および触媒、例えば青色を与える傾向があるコバルト化合物、を含んでもよい。このコバルト化合物は促進剤であってもなくてもよい。含まれてもよい別の薬品は、赤外線吸収剤、例えばカーボンブラック、グラファイト、および種々の鉄化合物である。
【0096】
上記溶融相重合の次に結晶化工程および次に固相重合(SSP)工程が続いてボトルの製造に必要な分子量(固有粘度として測定される)を増加させてもよい。結晶化および重合を回転式乾燥機中でバッチタイプシステムにおいて反応を行ってもよい。代わりに、結晶化および重合をそれによってポリマーが各容器における既定の熱処理後に一つの容器から別の容器に流れる連続固相法において行ってもよい。
【0097】
PETに関する結晶化条件としては、好ましくは約100℃〜約150℃の温度が挙げられる。PET結晶化に関する典型的な熱処理操作は、少なくとも5パーセントペレット中のPETの結晶化度を増加させる。本発明の態様において、例えばPET、またはポリアミドどちらかの成分の結晶化度を5パーセント増加し得るか、または合わせた二種類の成分の結晶化度の増加が5パーセントであり得る。結晶化度のパーセントにおける増加が成分の加重平均でも結晶化度の以前の量に対する割合または値でもないことに注目すべきである。結晶化度パーセントの増加、または結晶化度の増加は、結晶化度における絶対増加である。PETとポリアミドとの結晶化度を合わせると、結晶化度の増加はPETの結晶化度の絶対増加+ポリアミドの結晶化度の絶対増加である。例えば、語句「少なくとも5パーセントの結晶化度増加」は、成分の少なくとも5パーセントがアモルファスから結晶になったことを意味する。これは20%結晶化度を有するペレットが5%結晶化度増加して21%結晶化度を有することを意味しない。これはこのペレットが25%結晶化度を有することを意味する。多くの場合、結晶化度の増加は少なくとも10パーセントの増加であり、場合によっては15〜20パーセントもの増加である。
【0098】
固相重合条件としては、好ましくは、約200℃〜約235℃の温度、より好ましくは約215℃〜約235℃が挙げられる。固相重合は分子量を用途および初期固有粘度に依存する所望のレベルに上げるのに十分な時間行われうる。典型的なボトル用途に関して、好ましい分子量は、固有粘度約0.68〜約0.88デシリットル/グラム(方法のセクションに記述される方法により決定)に対応する。この分子量に到達するのに必要とされる時間は、約8〜約45時間の範囲である。
【0099】
典型的なI.V.増加は、少なくとも0.1dl/gであり、0.2〜0.4dl/gの増加がより典型的である。
【0100】
本発明の一態様において、本発明の熱可塑性ポリマーマトリックスは、リサイクルポリエステルまたはリサイクルポリエステルから誘導される材料、例えばポリエステルモノマー、触媒、およびオリゴマーを含有し得る。
【0101】
ポリエステルが酸素不活性成分である場合、ポリアミドが酸素感受性成分であり得る。酸素感受性成分であるのに好適なポリアミドは、繰り返し単位アミノカプロン酸またはA−D(ここで、Aはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レソルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸を含有するジカルボン酸残基、またはそれらの混合物であり、Dはm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、または1,4シクロヘキサンジメチルアミンを含有するジアミンの残基、またはそれらの混合物である)を含有すると記述され得る。これらのポリアミドは、数平均分子量2000〜60,000(末端基滴定により測定)の範囲内であり得る。これらのポリアミドは、更にアミノカプロン酸自身の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レソルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸を含有するジカルボン酸の残基、またはそれらの混合物とm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、または1,4シクロヘキサンジメチルアミンを含有するジアミンの残基、またはそれらの混合物との反応生成物としても記述され得る。
【0102】
当業者は、多くの組み合わせがよく知られている市販のポリアミドであると気づく。セバシン酸の残基とヘキサメチレンジアミンの残基との反応生成物はナイロン610であり、アジピン酸の残基とヘキサメチレンジアミンの残基との反応生成物はナイロン66である。ナイロン612は本発明の利益を受ける別のナイロンである。ナイロン6は特別のタイプのポリアミドであるカプロラクタムの開環、および次に生じる式HN−(CH−COOHを有するアミノカプロン酸の重合により作られる。好ましいポリアミドは、ポリ−m−キシリレンアジパミドとして知られているアジピン酸残基およびm−キシリレンジアミン残基の反応生成物である。この生成物は、MXD6またはナイロンMXD6として商業的に知られており、日本の三菱ガス化学株式会社から購入され得る。
【0103】
加えて、ポリアミドを、ポリアミドイオノマーをつくるモノマー(例えばメタロ−スルホネート)で変性し得る。これらとしてはリチウム、硫黄、および燐のスルホン化イソフタル酸塩が挙げられる。これらは、例えば、ジカルボン酸、予備反応ジエステル、またはジアミンとして導入され得る。米国特許第3,328,484号(この教示を参照することにより本明細書中に組み込む。)はそのような変性コポリアミドを記述する。
【0104】
試験結果
全ての試験研究において、ポリエステルおよびポリアミドを予備乾燥し、ペレットサイズは2グラム/100ペレットであった。好ましいペレットサイズは1.5グラム/100ペレット未満、より好ましくは1.8グラム/100ペレット未満である。
【0105】
区分化酸素掃去成分
このシリーズの試験は、酸素促進剤を酸素感受性成分から離れた状態にしておく機能性を明らかにする。
【0106】
IA(対照サンプル)において、区分化ペレットを、0.84I.V.ポリエチレンテレフタレートコポリマー(M&G Polymers USA製のCLEARTUF(登録商標)MAX)を作るのに使用される低分子量供給樹脂(0.42dl/g)である、ペレットの重量に対して95パーセントのコポリエチレンテレフタレート(酸素不活性成分)をシースに配置し、ペレットの重量に対して5パーセントのMXD6(日本の三菱ガス化学株式会社製のグレード6007)をコアに配置することによって作った。
【0107】
IB(比較例)において、比較例ペレットをペレットの重量に対して約95パーセントのポリエチレンテレフタレートコポリマー、ペレットの重量に対して約5%のMXD6(日本の三菱ガス化学株式会社製のグレード6007)、および125パーツパーミリオンのコバルトネオデカノエート(Shepherd Chemical、20.5%)を均一に分散することにより製造した。比重量はポリエチレンテレフタレートコポリマー(酸素不活性成分)5396グラム、MXD6(酸素感受性成分)284グラムおよび粉砕コバルトネオデカノエートパステル(pastille)(促進剤)0.71グラムであった。
【0108】
IC(実施例)において、ペレットの重量に対して約95パーセントのコポリエチレンテレフタレートおよびペレットの重量に対して125パーツパーミリオンの粉砕コバルトネオデカノエートパステルをシースに配置し、かつペレットの重量に対して約5パーセントのMXD6(日本の三菱ガス化学株式会社製のグレード6007)をコアに配置することによって区分化ペレットを作った。
【0109】
ID(確認例)において、ICの区分化ペレットを再ペレット化してコアとシースを混ぜた。
【0110】
全ペレットを同じサイズにし、次にペレット約4グラムをガスクロマトグラフバイアルに配置し、バイアルをシールし、酸素掃去量を分析することによって室温における酸素掃去を分析した。各バイアルを一回だけ分析した。七日間の掃去結果を表Iに示す。
【0111】
試験は低レベル酸素掃去において非常に変わりやすい。多くのポリマー、特にペレット化直後は、時間と共に増加せず、酸素と低反応性である。例えば、IAにおいて、このシステムは非反応性(コバルトなし)であり、一日サンプルは酸素反応0.0104ccを示し、一方、七日サンプルは0.0009ccを示した。本発明(IC)の酸素反応性の欠如を対照と同様である一日目の低反応性および一日目から七日目までの酸素消費の非増加により明らかにした。確認例は一日目に同様の低反応性を示したが、七日後に酸素消費の著しい増加を示した。材料が一度均一分散に組み合わされると反応性であることを示唆する。
【0112】
【表1】

【0113】
成分が並んだ配置に流し込まれると同様の結果が達成される。
【0114】
試験方法
酸素反応性
本発明のペレットによって反応された酸素の量を決定し、同量の成分を有する同様のサイズの対照ペレットと比較する。対照の場合、成分はペレット全体に均一に分散される。または、代わりに、促進剤を酸素感受性成分に分散し、次に酸素不活性材料に分散する。
【0115】
対照のペレットをシールされた容器に配置し、同数の同様のサイズおよび重量の区分化ペレットを同じサイズのシールされた容器に配置することによって酸素反応性を決定し得る。容器を同じ温度に保持し、各容器における酸素減少を所定の時点、好ましくは七日、において測定する。例えば、同量同数のペレットを二つのガスクロマトグラフバイアルに配置し、シールし得る。バイアルAは均一分散体を含む。バイアルBは本発明の態様を含む。これらのバイアルを同じ環境(温度、好ましくは23+/−5℃)中に七日間保持する。実際の温度レベルは両方のバイアルを同じ温度プロファイルに七日間曝しておくことほど重要ではない。七日後、各バイアルをその酸素含量に関して分析する。酸素の大気中の量からの酸素含量の減少は酸素掃去量または反応量である。ペレット重量の変化を、消費される酸素の量をバイアル中の材料の量で割り、ポリマー1グラム当たり掃去(反応)される酸素の立方センチメートル値を示すことによって明らかにする。ペレットが同じサイズであり、同数のペレットが使用される場合、この標準化調節は不要である。同じ試験がペレットをホイルバッグ中に配置し、酸素の減少に関してホイルバッグ中のガスを分析することによって行われ得る。好結果の構成は、七日間で対照より少なくとも20パーセント少ない酸素を消費する。
【0116】
固有粘度
60/40 フェノール/テトラクロロエタンに可溶である中間分子量低結晶ポリ(エチレンテレフタレート)および関連するポリマーの固有粘度を、ポリマーまたは粉砕ペレット0.1グラムを60/40 フェノール/テトラクロロエタン溶液25mlに溶解し、30℃+/−0.05において溶液の粘度を同じ温度における溶媒に対してUbbelohde 1B粘度計を使用して決定した。固有粘度を相対粘度に基づくBillmeyer方程式を使用して計算する。
【0117】
フェノール/テトラクロロエタンに不溶である高分子量または高結晶質ポリ(エチレンテレフタレート)および関連するポリマーの固有粘度を、ポリマーまたは粉砕ペレット0.1グラムを50/50 トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン25mlに溶解し、30℃+/−0.05における溶液の粘度を同じ温度における溶媒に対してType OC Ubbelohde粘度計を使用して決定した。固有粘度をBillmeyer方程式を使用して計算し、直線回帰を使用して換算して60/40 フェノール/テトラクロロエタン溶媒を使用して得られる結果と一致する結果を得る。直線回帰は以下の通りである。
I.V(60/40 フェノール/テトラクロロエタン中)=0.8229×I.V(50/50 トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン中)+0.0124
【0118】
結晶化度決定
結晶化度の決定は、いずれの周知技術によっても行われ得る。しかしながら、いずれの方法においても複数の化合物を含むペレットに関して、測定濃度または熱の必要量(DSC技術)はペレット中の化合物の量の加重平均によって調節される。
【0119】
ペレット中の成分分離および成分量の決定
ペレット中の各成分の量は、多くの異なる技術によって決定され得る。例えば、どの程度の化合物がペレット製造時に添加されているか知ることができるか、物理的に成分を分離できるか、または成分を互いに離れて溶解し、溶媒を除去し、重みを引き受けることにより分離することができる。ポリアミド−PETの場合、蟻酸を使用してポリアミドをコアから溶出し、PETシースを残すことができる。PETの量を直接秤量し、ポリアミド量を差によって決定し得る。ポリアミドコアが蟻酸に不溶の別の化合物を含む場合、溶液を濾過し、水を添加することによって蟻酸からポリアミドを沈殿させてもよい。次にこのサンプルを乾燥し、ポリアミドの量を直接秤量によって決定する。いずれの場合も、少量の添加剤または別の非ポリアミド、非PET材料は大きく結晶化度の絶対値に影響を及ぼさない。
【0120】
一旦ペレットから分離すると、成分の個々の結晶化度または固有粘度を決定しうる。単に説明の目的のみであり本発明の範囲の限定と見なされるべきではない以下の実施例または実施され得る方法によって本発明を説明する。特に別段示されない限り、部および割合は重量によって与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、本発明によらない二つの区分またはゾーンをコア−シース(core−sheath)配置において有する樹脂ペレットである。
【図2】図2は、コアが外部シース層によって封入されるか、囲まれるか、または取り囲まれる、本発明によらないコア−シース配置において二つの区分またはゾーンを有する樹脂ペレットである。
【図3】図3は、三つの区分またはゾーンを多層またはサンドイッチ配置において有する樹脂ペレットである。
【図4】図4は、本発明によらないコアを囲む二つの同心円層における三つの区分化ゾーン配列の樹脂ペレットである。
【図5A】図5Aは、二つの区分がいわゆる並んだ配置で互いのそばにある種々の樹脂ペレット配置の例である。
【図5B】図5Bは、二つの区分がいわゆる並んだ配置で互いのそばにある種々の樹脂ペレット配置の例である。
【図5C】図5Cは、二つの区分がいわゆる並んだ配置で互いのそばにある種々の樹脂ペレット配置の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素感受性成分、酸素不活性成分および反応促進剤を含有し、該酸素感受性成分が第一区分化ゾーン中に存在し、該酸素不活性成分が第二区分化ゾーン中に存在し、該第一区分化ゾーンおよび該第二区分化ゾーンが並んだ配置で配列されており、どちらのゾーンも他方のゾーンをペレットの面で囲っていない、樹脂ペレット。
【請求項2】
該酸素不活性成分がポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有する、請求項1に記載の樹脂ペレット。
【請求項3】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項4】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項3に記載の樹脂ペレット。
【請求項5】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項3に記載の樹脂ペレット。
【請求項6】
該遷移金属がコバルトである、請求項3に記載の樹脂ペレット。
【請求項7】
該酸素感受性成分が酸化性有機化合物を含有する、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項8】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項7に記載の樹脂ペレット。
【請求項9】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項8に記載の樹脂ペレット。
【請求項10】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項8に記載の樹脂ペレット。
【請求項11】
該遷移金属がコバルトである、請求項8に記載の樹脂ペレット。
【請求項12】
該酸感受性成分がポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキシドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも一種類の化合物を含む、請求項7に記載の樹脂ペレット。
【請求項13】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項7に記載の樹脂ペレット。
【請求項14】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項13に記載の樹脂ペレット。
【請求項15】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項13に記載の樹脂ペレット。
【請求項16】
該遷移金属がコバルトである、請求項13に記載の樹脂ペレット。
【請求項17】
該酸素感受性成分がポリブタジエンおよび官能化ポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも一種類の化合物を含む、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項18】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項17に記載の樹脂ペレット。
【請求項19】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項18に記載の樹脂ペレット。
【請求項20】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項18に記載の樹脂ペレット。
【請求項21】
該遷移金属がコバルトである、請求項18に記載の樹脂ペレット。
【請求項22】
該酸素感受性成分が、それ自身と反応したアミノカプロン酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レソルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸からなる群から選択されるジカルボン酸残基、またはそれらの混合物とm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、または1,4−シクロヘキサンジメチルアミンからなる群から選択されるジアミン残基、またはそれらの混合物との反応生成物からなる群から選択されるポリアミドを含有する、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項23】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項22に記載の樹脂ペレット。
【請求項24】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項23に記載の樹脂ペレット。
【請求項25】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項23に記載の樹脂ペレット。
【請求項26】
該遷移金属がコバルトである、請求項23に記載の樹脂ペレット。
【請求項27】
該酸素感受性成分がMXD−6ナイロン、ナイロン6、ナイロン66、またはそれらの混合物を含有する、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項28】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項27に記載の樹脂ペレット。
【請求項29】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項28に記載の樹脂ペレット。
【請求項30】
該遷移金属がコバルト、鉄、マンガン、およびニッケルからなる群から選択される、請求項28に記載の樹脂ペレット。
【請求項31】
該遷移金属がコバルトである、請求項28に記載の樹脂ペレット。
【請求項32】
該酸素感受性成分が主に、テレフタレート、オルトフタレート、およびイソフタレートからなる群から選択される一種類以上のフタレートを含有する重縮合物セグメントであって、更にα−ヒドロω−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールおよびエチレングリコールからなる群から選択される一種類以上のグリコールおよびポリアミドを含有する重縮合物と、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキシドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素感受性部分セグメントとの反応生成物である、請求項2に記載の樹脂ペレット。
【請求項33】
該反応促進剤が遷移金属である、請求項32に記載の樹脂ペレット。
【請求項34】
該遷移金属が遷移金属塩および/または遷移金属酸化物の形態である、請求項33に記載の樹脂ペレット。
【請求項35】
該遷移金属がコバルトである、請求項34に記載の樹脂ペレット。
【請求項36】
請求項1に記載の樹脂ペレットを40℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも1℃下の温度までの範囲内の所定の温度に加熱する工程を包含する、樹脂ペレットの熱処理方法。
【請求項37】
該熱処理がペレットを70℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも5℃下の温度までの範囲内の所定の温度に曝す工程を包含する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
該樹脂ペレットを該温度範囲内で第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
該酸素不活性成分が第一熱可塑性樹脂であり、該酸素感受性成分が第二熱可塑性樹脂であり、該ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して第一成分の結晶化度の増加と該酸素不活性成分の結晶化度の増加との合計を少なくとも5パーセントにする、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
該樹脂ペレットが熱処理の前に水分を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に存在する水分の少なくとも半分を除去する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも一種類の熱可塑性樹脂が熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する該熱可塑性樹脂のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させる、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
該第一熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートおよび結晶性コポリエチレンテレフタレートからなる群から選択されるポリエステルである、請求項39に記載の熱処理。
【請求項43】
該熱処理が該ペレットを70℃からポリエステルの結晶融点より5℃低い温度までの温度に曝す工程を包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
該樹脂ペレットを該温度範囲において第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
該酸素感受性成分が、アミノカプロン酸繰り返し単位および、Aがアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レソルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸からなる群から選択されるジカルボン酸残基、またはそれらの混合物であり、Dがm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、または1,4−シクロヘキサンジメチルアミンからなる群から選択されるジアミン残基、またはそれらの混合物であるA−Dの繰り返し単位からなる群から選択される残基を含有する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
該熱処理が該ペレットを70℃から該ポリエステルの結晶融点より5℃低い温度までの温度に曝す工程を包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
該樹脂ペレットを該温度範囲において第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
該樹脂ペレットが熱処理の前に水分を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に存在する水分の少なくとも半分を除去する、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
第一または第二の熱可塑性樹脂の少なくとも一種類が少なくとも0.2dl/gのI.V.を熱処理の前に有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させる、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
該酸素感受性成分がMXD−6ナイロン、ナイロン6、ナイロン66、またはそれらの混合物を含有する、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
該熱処理が該ペレットを70℃から該ポリエステルの結晶融点より5℃低い温度までの温度に曝す工程を包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
該樹脂ペレットを該温度範囲において第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
該ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して第一熱可塑性樹脂の結晶化度の増加と第二熱可塑性樹脂の結晶化度の増加との合計が少なくとも5パーセントになるようにする、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
該樹脂ペレットが熱処理の前に水分を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に存在する水分の少なくとも半分を除去する、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
該第一または第二の熱可塑性樹脂の少なくとも一種類が熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させる、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
該酸素感受性成分がポリブタジエン、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキシドオリゴマーおよびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも一種類の化合物を含有する、請求項42に記載の方法。
【請求項57】
該熱処理が該ペレットを70℃から該ポリエステルの結晶融点より5℃低い温度までの温度に曝す工程を包含する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
該樹脂ペレットを該温度範囲において該第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
該ペレットを該温度範囲において十分な時間熱処理して該第一熱可塑性樹脂の結晶化度の増加と該第二熱可塑性樹脂の結晶化度の増加の合計が少なくとも5パーセントになるようにする、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
該樹脂ペレットが熱処理の前に水分を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に存在する水分の少なくとも半分を除去する、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
該第一または第二熱可塑性樹脂の少なくとも一種類が熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させる、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
該酸素感受性成分がポリブタジエンおよび官能性ポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも一種類の化合物を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項63】
該熱処理が該ペレットを70℃から該ポリエステルの結晶融点より5℃低い温度までの温度に曝す工程を包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項64】
該樹脂ペレットを該温度範囲において該第一成分または第二成分の結晶化度を少なくとも5パーセント増加させるのに充分な時間熱処理する、請求項42に記載の方法。
【請求項65】
該ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して第一熱可塑性樹脂の結晶化度の増加と第二熱可塑性樹脂の結晶化度の増加の合計を少なくとも5パーセントにする、請求項42に記載の方法。
【請求項66】
該樹脂ペレットが熱処理の前に水分を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に存在する水分の少なくとも半分を除去する、請求項42に記載の方法。
【請求項67】
該第一または第二熱可塑性樹脂の少なくとも一種類が熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有し、該樹脂ペレットを該温度範囲において充分な時間熱処理して熱処理の前に少なくとも0.2dl/gのI.V.を有する成分のI.V.を少なくとも0.1dl/g増加させる、請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2008−540713(P2008−540713A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509390(P2008−509390)
【出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004223
【国際公開番号】WO2006/117235
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(502214480)エンメ エ ジ・ポリメリ・イタリア・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (16)
【Fターム(参考)】