説明

金箔パッケージ

【課題】誰であっても、破断或いは損傷することなく、また、浮遊してしまうこともなく、金箔の細片を所望の場所まで持っていき、付着させる作業を容易に行えるようにした金箔のパッケージを提供する。
【解決手段】折り線2を介して表面板3と、底板4と、抑え板6とを連続形成したバッケージ本体1の、抑え板の取り出し用窓孔5に臨ませて金箔の細片を静電気により付着したプラスチックフィルムを合紙を介して適数組、抑え板に載置し、抑え板の両側に延設した抑え片7をプラスチックフィルムの上方に折り返すと共に底板の両側に延設した掛止片9を内方に折り返し抑え片をプラスチックフィルムの上方に折り返す。抑え板の下方に延設した挿入片8を屈曲して掛止片の内方に差し込み、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金箔細片を破断或いは損傷することなく所望の付着面に置くことができるようにした金箔のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開昭63−225699号公報に記載されている通り、金箔を皮膚表面に擦り込むと金の微粒子が生体内に取り込まれ、生体における新陳代謝およびエネルギー変換を促進し、皮膚の健康を保持しうるとされている。
【0003】
ところで、金箔の規格寸法は、8.5cm角、10.0cm角、10.9cm角、11.5cm角、12.7cm角、15.8cm角、21.8cm角であるが、金箔を皮膚表面に擦り込むためにはこれらを更に分割し細分化すると共に金箔を所定の皮膚表面に付着させる作業が必要となる。
【0004】
金箔を分割し細分化することは熟練者には容易なことであり、細分化した金箔、即ち、金箔細片の提供は容易である。しかし、金箔は0.1〜0.3μmと極めて薄く、かつ、極めて軽いものであるから、金箔細片をたとえ僅かな距離であっても、所定の皮膚表面まで持っていくまでに破断或いは損傷しやすいだけでなく、室内の僅かな空気の流れによっても浮遊してしまうから、所定の皮膚表面まで持っていく作業は勿論、金箔を所定の皮膚表面に付着させる作業も、相当の慣れが必要で、素人では難しかった。このため、従来は、金箔を使用する場合には石鹸等に金箔を封入し、石鹸成分の溶解により露出した金箔が皮膚表面に当たるようにする他はなかった。しかし、これでは、所定の皮膚表面に金箔が当たる保証はない。このため、金を皮膚表面に擦り込むために、一般的には、金コロイド液を使用していた。
【0005】
また、近時、ブローチ等を造形してその表面に金箔細片を付着させ、固定させ、金箔で加飾したアクセサリーや工芸品を造る趣味が次第に普及しつつあるが、ブローチ等の所望の表面に金箔細片を付着させる作業も、同様に、相当の慣れが必要で、素人では難しく、アクセサリーや工芸品を金箔で加飾する趣味普及の制約となっている。
【特許文献1】特開昭63−225699号公報(特許請求の範囲(1)、技術の背景および従来技術の説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、誰であっても、破断或いは損傷することなく、また、浮遊してしまうこともなく、金箔を細分化した金箔細片を所望の場所まで持っていき、さらに、金箔細片を所望の場所に付着させる作業を容易に行える金箔のパッケージを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、任意枚数の金箔細片を破断或いは損傷することなしに収納することができると共に収納した金箔細片を一枚一枚、破断或いは損傷することなしに取り出して所望の場所まで確実に持っていき、所望の場所に付着させることができるようにした金箔のパッケージを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、金箔細片を外気に直接さらさずに所望枚数収納することができ、したがって、金箔細片に塵や埃が付着することもなく、美麗に金箔を収納保存することができる金箔のパッケージを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、任意枚数の金箔細片を簡単な折り畳み作業で収納することができ、かつ、構造が簡易な金箔のパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の構成は、金箔を所望数に分割してなる金箔細片を静電気により付着した可撓体のプラスチックフィルムを任意数備えるようにしたものである。
【0011】
また、本発明の別の構成は、金箔細片を静電気により付着する可撓体のプラスチックフィルムに代えて弾性変形するプラスチック板を用いたものである。この場合、肌等の付着面へのフィット性を高めるために、弾性計数のできるだけ大きいプラスチック板を用いることが望ましい。
【0012】
また、本発明の別の構成は、金箔細片の付着側を容易に識別することができるように、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板が不透明又は半透明としたものである。
【0013】
また、本発明の別の構成は、可撓体のプラスチックフィルム若しくは弾性変形するプラスチック板への金箔細片の静電気による付着力を大きなものとすることにより、肌等の付着面への持ち運びの利便性を向上すると共に金箔細片の付着作業の利便性を向上するために、可撓体のプラスチックフィルム若しくは弾性変形するプラスチック板が静電気により付着する金箔細片の上下方向のいずれか一方若しくは双方、又は(及び)左右方向のいずれか一方若しくは双方より張り出すようにしたものである。
【0014】
また、本発明の別の構成は、金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を任意数備えると共に該プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を止着する保持部を有する取り出し片を備えるようにしたものである。
【0015】
また、本発明の別の構成は、取り出し片の上記保持部がプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を疑似接着して止着するものとしたものである。
【0016】
また、本発明の別の構成は、取り出し片がプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の屈曲その他の変形による金箔細片の破損や剥離を防止することのできるものとしたものである。
【0017】
また、本発明の別の構成は、金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を複数枚、合紙を介して積み重ねたものである。
【0018】
また、本発明の別の構成は、パッケージに取り出し用窓孔を設けて、金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を該取り出し用窓孔から取り出すようにしたものである。プラスチック板を用いる場合には、取り出しの際にプラスチック板が取り出し用窓孔に引っ掛かって変形し、金箔細片が剥離しないように、取り出し用窓孔の形状をプラスチック板とほぼ同形状とすることが望ましい。
【0019】
また、本発明の別の構成は、パッケージの構造を、表面板と、底板と、取り出し用窓孔を穿設した抑え板とを折り線を介して連続形成したパッケージ本体の抑え板の取り出し用窓孔に臨ませて金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を適数組抑え板に載置し、抑え板の両側に延設した抑え片を金箔と前記プラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上方に折り返すと共に底板の両側に延設した掛止片を内方に折り返して抑え板の下方に延設した挿入片を屈曲して前記掛止片の内方に差し込み、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆するようにしたものである。
【0020】
また、本発明の別の構成は、表面板と、底板と、取り出し用窓孔を穿設した抑え板とを折り線を介して連続形成したパッケージ本体の抑え板の取り出し用窓孔に臨ませて金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を適数組抑え板に載置し、抑え板の両側に延設した抑え片を金箔とプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上方に折り返すと共に、底板の両側に延設した掛止片を内方に折り返し、抑え板の下方に延設した挿入片を屈曲して前記掛止片の内方に差し込み、抑え板の取り出し用窓孔に前記プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を止着させる保持部を有する取り出し片を挿入係止し、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆するようにしたものである。
【0021】
本発明は、二四金箔、金98.912%、銀0.495%、銅0.593%の金箔五毛、金97.666%、銀1.357%、銅0.977%の金箔一号色、金96.721%、銀2.602%、銅0.677%の金箔二号色、金95.795%、銀3.535%、銅0.670%の金箔三号色、金94.438%、銀4.901%、銅0.661%の金箔四号色、金90.498%、銀9.050%、銅0.452%の金箔梅色、金94.44%と銀5.56%のひぬき箔、金75.534%、銀24.466%の金箔三歩色、金58.824%、銀41.176%の金箔定色、金99.0%とプラチナ1%の合金箔、その他、すべての種類の金箔について実施可能であるが、皮膚の健康保持のような美容の分野で本発明を実施する場合には、皮膚に接するものであるから、金の成分比が高く銀銅の成分比の低い、二四金箔、金箔五毛、金箔一号色乃至金箔四号色、金94.44%と銀5.56%のひぬき箔、金99.00%とプラチナ1.00%の合金箔のいずれかであることが望ましい。金箔の規格寸法は、上記の通り、8.5cm角、10.0cm角、10.9cm角、11.5cm角、12.7cm角、15.8cm角、21.8cm角であるが、本発明は、付着面が皮膚のように凹凸に富むことを考慮して、皮膚等の付着面へのフィット性を向上するため、これらの金箔を二〜九分割して細分化した金箔細片を用いる。尚、上記した配合比は、純度99.99%の金を、純度100%と見做して算出してある。
【0022】
本発明は、プラスチックの帯電性を利用して金箔細片をプラスチックフィルム若しくはプラスチック板に静電気で疑似接着するものである。一般に、疑似接着は粘着剤や接着剤を使用する方法によるが、そうすると微量であっても粘着剤や接着剤が金箔細片表面に残留することになり、それが肌に悪影響を及ぼすおそれがあるばかりでなく、肌への付着性が悪化するばかりか、金箔細片が破損して肌に付着するおそれが大きくなるので望ましくない。また、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板の帯電性が強いと、上記の通り金箔細片は極めて薄く、極めて軽いものであるから、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板への付着力が大きくなりすぎて肌への付着性が悪化する。これを避けるためには、金箔細片をプラスチックフィルム若しくはプラスチック板に静電気で疑似接着する前に、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板に帯電した静電気を適宜除去し、金箔細片の肌への付着性を良好なものとすることが望ましい。
【0023】
また、本発明の実施に際し、取り出し片は、保持部によってプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を止着して取り出すときに、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を裏打ちしてプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の屈曲その他の変形を防止し、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板の屈曲その他の変形による金箔細片の破損や剥離を防止するものであることが望ましい。そのため、取り出し片は変形しにくいようにある程度の剛性があることが望ましいし、取り出し片の寸法、形状をプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の寸法、形状にある程度近似させることが望ましい。取り出し片の材質としては、紙、ポリエチレン樹脂その他のプラスチック等、種々のものを用いることができる。使い勝手を考慮すると、完全に透明なものはあまり良くないので、部分的に、或いは、全面的に不透明或いは半透明とすることが望ましい。また、取り出し片には一側に摘みを形成しておくと便宜である。そして、取り出し片の保持部は、パッケージに収納したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板をすべて取り出せるようにするため、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を疑似接着する粘着剤を中心部だけに塗布して形成することが望ましい。
【0024】
尚、合紙を使用した場合、取り出し片は合紙を取り出すのにも用いることができるものであることが望ましい。
【0025】
また、本発明において、合紙は、主に、金箔細片に塵や埃が付着するのを防止すると共に金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を複数枚積み重ねた際に下層の金箔細片が直上のプラスチックフィルム若しくはプラスチック板に静電気により付着するのを防止するために使用される。したがって、金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を複数枚積み重ねた際には、それぞれの金箔細片の下でプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上、パッケージの底板の上、及び、最上段のプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上に配置することが望ましい。本発明の実施に際し、合紙の材質としては、金箔の仕切りとして用いられている切紙に使用されているような和紙が望ましい。合紙を使用しない場合には、顔面等に付着しても肌に悪影響を及ぼすおそれがない化粧用パウダーをプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上面に塗布する等して下層の金箔細片が直上のプラスチックフィルム若しくはプラスチック板に静電気により付着するのを防止することが望ましい。
【0026】
そして、本発明において、合紙、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を取り出すための取り出し用窓孔は、取り出しの際にその摩擦抵抗でプラスチックフィルム若しくはプラスチック板から金箔細片が剥離しない程度にプラスチックフィルム若しくはプラスチック板や合紙の四隅が多少引っ掛かるような形態、例えば、開口面積を大きく取った六角形、同じくプラスチックフィルムや合紙の四隅が多少引っ掛かる楕円形その他の長円形が望ましい。
【0027】
そして、本発明において、取り出し用窓孔は、プラスチックフィルムを用いた場合には、取り出しの際にその摩擦抵抗でプラスチックフィルムから金箔細片が剥離しない程度にプラスチックフィルムの四隅が多少引っ掛かるような形態、例えば、開口面積を大きく取った六角形、同じくプラスチックフィルムの四隅が多少引っ掛かる楕円形その他の長円形が望ましく、プラスチック板を用いた場合には、引っ掛かりによる摩擦抵抗等で金箔細片の剥離が生じやすいので、プラスチック板とほとんど同形とすることが望ましい。
【0028】
本発明の実施に際し、金箔細片の形状は、金箔の規格寸法との関係から、正方形又は長方形とするのが有利であるが、三角形、5角以上の多角形、円形、長円形その他所望の形状を選択することができるし、金箔細片が静電気により付着するプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の形状も、所望の形状を選択することができることはいうまでもない。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上記の通りの構成であるから、誰であっても、破断、損傷することなく、また、浮遊してしまうこともなく、金箔細片をプラスチックフィルム若しくはプラスチック板によって所望の場所まで容易に持っていき、さらに、プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を所望の場所にあてがうことにより、金箔細片を所望の場所に容易に付着させることができる。美容に用いる場合には顔面や手指にクリーム類が塗布してあれば金箔細片は破断、損傷することなく顔面や手指に付着するし、工芸品の加飾に用いる場合には金箔細片は破断、損傷することなく工芸品に塗布した接着剤に付着する。その際、手指が濡れていたり、或いは、手指に化粧品が付着していても何の不都合もない。
【0030】
そして、本発明によれば、任意枚数の金箔細片を破断、損傷することなしに収納することができると共に、誰であっても収納した金箔細片一枚一枚を破断、損傷することなしに取り出して所望の場所まで容易に持っていき、所望の場所に容易に付着させることができる。
【0031】
また、本発明によれば、金箔細片を外気に直接さらさずに所望枚数収納することができ、従って、金箔細片に塵や埃が付着することもなく、美麗に金箔細片を収納保存することができる。
【0032】
しかも、本発明によれば、任意枚数の金箔細片を簡単な折り畳み作業で収納することができ、かつ、構造が簡易な金箔のパッケージを提供することができる等の優れた効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0034】
図例は、図1に示したパッケージ本体1と、図2に示したパッケージ本体1に係止される取り出し片12と、図3に示したパッケージ本体1に収納されるプラスチックフィルム15とプラスチックフィルム15に静電気で付着した金箔細片16、及び、合紙17とから構成されている。
【0035】
パッケージ本体1を図1及び図4を参照して説明すると、パッケージ本体1は厚紙製で、折り線2を介して表面板3と、底板4と、取り出し用窓孔5を穿設した抑え板6が連続形成されている。抑え板6の両側には折り線2を介して抑え片7が延設されており、抑え板6の下方には挿入片8が延設されている。また、底板4の両側には折り線2を介して掛止片9が延設されている。そして、表面板3の上方には舌片10が延設されており、抑え板6の下部には表面板12の舌片10を挿入するスリット11が形成されている。抑え板6に穿設した取り出し用窓孔5は、後記するプラスチックフィルム15の取り出しの際に該プラスチックフィルム15の四隅部が僅かに接触するように、開口面積を大きく取った六角形である。
【0036】
図3のaに示した通り、プラスチックフィルム15は、可撓性のあるポリエチレン樹脂製フィルムであって、静電気により止着する金箔細片16と同形に形成されている。金箔細片16は、10.9cm角の金箔を六分割したものである。金箔細片16を静電気により止着したプラスチックフィルム15は、プラスチックフィルム15を上、金箔細片16を下として図例にあっては6枚積み重ねられている。上段のプラスチックフィルム15に静電気により止着した金箔細片16と次段のプラスチックフィルム15の間にはそれぞれ合紙17が介在しており、さらに、最上段のプラスチックフィルム15の上面、及び、最下段の金箔細片16の下面にも合紙17が配置されている。プラスチックフィルム15と金箔細片16の間の合紙17は金箔細片16が静電気によって直下のプラスチックフィルム15に付着するのを防止するために介在し、最上段のプラスチックフィルム15の上面の合紙17はプラスチックフィルム15に塵や埃が付着することを防止すると共に前記抑え片7によって金箔細片16が破損されるのを防止するために配置され、最下段の金箔細片16の下面の合紙17はパッケージ本体1の底板4から金箔細片16に塵や埃が付着することを防止するために配置される。
【0037】
プラスチックフィルム15は、透明度が高いと金箔細片16の美麗な外観が透視できる反面、注意しないと、金箔細片16の付着している側と付着していない側の見分けがつきにくいので、図例にあっては、半透明としてある。
【0038】
金箔細片16の肌等の付着面への持ち運びの利便性と、金箔細片16の付着作業の利便性は、金箔細片16のプラスチックフィルム15への静電気による付着力を大きければ高い。また、金箔細片16が周囲の物と接触する機会が少なければ、金箔細片16が持ち運びから付着作業終了までに損傷したり、遊離したりするおそれは少なくなる。このため、図3のbに示した通り、プラスチックフィルム15の外形寸法を金箔細片16の外形寸法よりも大きく形成し、静電気により付着する金箔細片16の上下方向のいずれか一方若しくは双方、又は(及び)左右方向のいずれか一方若しくは双方より張り出すようにすることが望ましい。
【0039】
パッケージ本体1に係止される取り出し片12は、図2に示した如く、弾力性に富む塩化ビニル樹脂製であって、一側に摘み13を一体に突設し、合紙17、プラスチックフィルム15を疑似接着する粘着剤を中心部だけに塗布して保持部14を形成してある。取り出し片12は、保持部14に合紙17、プラスチックフィルム15を疑似接着してパッケージ本体1より取り出すだけでなく、プラスチックフィルム15に静電気で疑似接着した金箔細片16を所望の場所、例えば頬、まで運ぶ手段も兼ねている。取り出し片12により取り出されたプラスチックフィルム15と金箔細片16は、プラスチックフィルム15を下に金箔細片16を上にした状態で所望の場所まで運ばれる。取り出し片12は、この状態でプラスチックフィルム15の裏側にあってプラスチックフィルム15のほとんどを裏打ちする形状としてあり、所望の場所まで運ぶ間に、可撓体であるプラスチックフィルム15の撓み等の屈曲その他の変形、及び屈曲その他の変形による金箔細片16の破損や剥離を防止している。
【0040】
次に、図4を参照して、上記図例のパッケージの組立を説明する。
【0041】
パッケージ本体1を裏返し、抑え板6上の取り出し用窓孔5に臨ませて、その上に、合紙17、金箔細片16を静電気により止着したプラスチックフィルム15の順で、プラスチックフィルム15を6組積み重ね、最後に合紙17をプラスチックフィルム15に静電気により止着された金箔細片16の上に合紙17を重ねる。次に、抑え板6の両側に延設された抑え片7を折り線2により合紙17の上方に折り返すと共に、底板4の両側に延設された掛止片9を折り線2により底板4の上方に折り返す(図4a参照)。続いて、抑え板6を折り線2により底板4の上方に折り返すと共に抑え板6の下方に延設された挿入片8を屈曲し、折り返された前記掛止片9の内側に挿入掛止する(図4b参照)。最後に、取り出し片12を保持部14を外向きの状態で取り出し用窓孔5に挿入係止し、表面板3を折り線2により抑え板6の上方に折り返し、表面板3の上方に延設された舌片10を抑え板6の下部に形成されたスリット11に挿入する(図4c、図4d参照)。
【0042】
図5を参照して、上記図例のパッケージの使用を説明する。
【0043】
上記図例のパッケージの使用は、舌片10をスリット11から引き出して表面板3を折り線2によって折り曲げて取り出し用窓孔5を露出させ、取り出し片12を手指で摘んで取り出す(図5a参照)。そして、保持部14が下向きになるように摘み13を手指で摘み、取り出し片12の保持部14を最上段の合紙17に当てる。最上段の合紙17は取り出し片12の保持部14に疑似接着するので、上方に引いて合紙17を取り除く。続いて、取り出し片12の保持部14に疑似接着した合紙17を保持部14から外し、取り出し片12の保持部14をプラスチックフィルム15に当てると、プラスチックフィルム15は取り出し片12の保持部14に疑似接着する。取り出し片12を上方に引くと、プラスチックフィルム15とプラスチックフィルム15に静電気により止着された金箔細片16が一体となって取り出し用窓孔5から取り出される(図5b参照)。そのまま、プラスチックフィルム15を下側、金箔細片16を上側にして所望の場所まで運び、所望の場所、例えば、顔面の頬等に金箔細片16を破断、損傷することなしに当てることができる。このとき、プラスチックフィルム15は可撓体であるから、誰でもしごく容易に、頬等の曲面にフィットさせることができる。そして、頬等にクリーム類が塗布されていれば、金箔細片16はそのままの状態で頬等に止着する。そこで、頬等をマッサージすれば、金箔細片16は皮膚表面に擦り込まれ、金の微粒子が生体内に取り込まれ、生体における新陳代謝およびエネルギー変換を促進し、シワの除去その他、皮膚の健康を保持することができる。
【0044】
この金箔パッケージを続けて使用する場合は、取り出し片12で合紙17を取り除き、金箔細片16を静電気で止着したプラスチックフィルム15を取り出して、同様に、所望の場所まで運び、所望の場所に止着する。図例にあっては、取り出し片12は、金箔パッケージ内のプラスチックフィルム15をすべて取り出し、すべての金箔細片16を所望の場所に付着させ終わるまで反復使用される。
【0045】
エステティクサロンのように多量の金箔を消費する場所においては、上記した図4、図5に示したような容器では、金箔細片の肌等の付着面への持ち運びの利便性が乏しい場合がある。そのようなときには、図6に示したように、プラスチックフィルム15と合紙17の形状に対応する内径の上方が開口する容器に、金箔細片16を静電気で止着したプラスチックフィルム15と合紙17を所望枚数交互に積み重ねた状態で収納する。この容器の、前方に切欠きを設けると、残量が目視できるので有利である。また、積み重ねたプラスチックフィルム15と合紙17を置く底板を縮装したスプリングで押圧するようにすれば、金箔細片16を静電気で止着したプラスチックフィルム15の取り出し作業に便宜である。
【0046】
尚、図例は、金箔細片16をプラスチックフィルム15に付着させるようにしたものであるが、本発明の実施は、弾性変形するプラスチック板を採択し、これに金箔細片16を静電気により止着することによっても可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の金箔パッケージの実施の一例の展開裏面図である。
【図2】図1の金箔パッケージに収納される取り出し片の平面図である。
【図3】aは図1の金箔パッケージに収納される金箔細片を静電気により止着したプラスチックフィルム、及び、合紙の斜視図、bは金箔細片の外径寸法より一回り大きいプラスチックフィルムを使用した別の例の斜視図である。
【図4】図1の金箔パッケージの組立過程を示すもので、aは合紙、金箔細片を静電気により止着したプラスチックフィルムを抑え板に載置し、抑え板の両側の抑え片を折り返すと共に、底板の両側の掛止片を折り返した状態の平面図、bはaの状態から抑え板の下方の挿入片を屈曲して前記掛止片の内方に差し込む状態の説明図、cはbの状態から取り出し片を挿入係止し、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆する作業の説明図、dは組立てられた金箔パッケージの平面図である。
【図5】図1の金箔パッケージの使用状態を示す斜視図であって、aは取り出し片で合紙を取り出す状態を示す斜視図、bは合紙を取り出し後に金箔細片を静電気により止着したプラスチックフィルムを取り出し片で取り出す状態を示す斜視図である。
【図6】図4及び図5と異なるの金箔パッケージの斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 パッケージ本体
2 折り線
3 表面板
4 底板
5 取り出し用窓孔
6 抑え板
7 抑え片
8 挿入片
9 掛止片
10 舌片
11 スリット
12 取り出し片
13 摘み
14 保持部
15 プラスチックフィルム
16 金箔細片
17 合紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金箔を適宜分割してなる金箔細片を静電気により付着した可撓体のプラスチックフィルムを任意数備えた金箔パッケージ。
【請求項2】
金箔を適宜分割してなる金箔細片を静電気により付着した弾性変形するプラスチック板を任意組数備えた金箔パッケージ。
【請求項3】
可撓体のプラスチックフィルム若しくは弾性変形するプラスチック板が不透明又は半透明である請求項1又は請求項2に記載の金箔パッケージ。
【請求項4】
可撓体のプラスチックフィルム若しくは弾性変形するプラスチック板が静電気により付着する金箔細片の上下方向のいずれか一方若しくは双方、又は(及び)左右方向のいずれか一方若しくは双方より張り出している請求項1から請求項3のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項5】
金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を任意数備えると共に該プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を止着する保持部を有する取り出し片を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項6】
取り出し片の保持部がプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を疑似接着して止着するものである請求項1から請求項5のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項7】
取り出し片がプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の屈曲その他の変形による金箔細片の分離を防止することのできるものである請求項1から請求項6のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項8】
金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を複数枚、合紙を介して積み重ねた請求項1から請求項7のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項9】
金箔細片を静電気により付着したプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を取り出し用窓孔から取り出すようにした請求項1から請求項8のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項10】
金箔細片が二四金箔、金箔五毛、金箔一号色乃至金箔四号色、金94.44%と銀5.56%のひぬき箔、金99.00%とプラチナ1.00%の合金箔のいずれからか製作されている請求項1から請求項9のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項11】
表面板と、底板と、取り出し用窓孔を穿設した抑え板とを折り線を介して連続形成したパッケージ本体の抑え板の取り出し用窓孔に臨ませて金箔細片を静電気により付着した可撓体のプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を適数組抑え板に載置し、抑え板の両側に延設した抑え片を金箔と前記プラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上方に折り返すと共に底板の両側に延設した掛止片を内方に折り返して抑え板の下方に延設した挿入片を屈曲して前記掛止片の内方に差し込み、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆した請求項1から請求項10のいずれかに記載の金箔パッケージ。
【請求項12】
表面板と、底板と、取り出し用窓孔を穿設した抑え板とを折り線を介して連続形成したパッケージ本体の抑え板の取り出し用窓孔に臨ませて金箔細片を静電気により付着した可撓体のプラスチックフィルム若しくはプラスチック板を適数組抑え板に載置し、抑え板の両側に延設した抑え片を金箔とプラスチックフィルム若しくはプラスチック板の上方に折り返すと共に、底板の両側に延設した掛止片を内方に折り返し、抑え板の下方に延設した挿入片を屈曲して前記掛止片の内方に差し込み、抑え板の取り出し用窓孔に前記プラスチックフィルム若しくはプラスチック板を止着させる保持部を有する取り出し片を挿入係止し、表面板を折り返して抑え板の取り出し用窓孔を被覆した請求項1から請求項10のいずれかに記載の金箔パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−302342(P2007−302342A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223662(P2006−223662)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(397017755)箔座株式会社 (5)
【Fターム(参考)】