説明

鍋等用箸置き具及び箸置き付き食品用鍋等

【課題】 取り箸を食品用鍋等に取り付けるための用具であって、取り箸の置き場に困ることがなく、しかも衛生的で使い易い鍋等用箸置き具の提供。
【解決手段】 食品用鍋等9に取り付けて使用する箸置き具であって、食品用鍋等の周縁部90を跨ぐ状態で該食品用鍋等の周壁91に着脱可能に取り付ける固定部1と、取り箸8をその箸先部80が食品用鍋等の周縁部よりも内部に位置すると共に箸手元部81が食品用鍋等の周縁部よりも外方に出る姿勢に載置させる箸支持部2を備え、固定部1上に箸支持部2が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用鍋等から調理済の食品(具材等)や食材を取り箸によって取るような場合において、その取り箸を食品用鍋等に取り付けるための用具である鍋等用箸置き具、及び食品用鍋等自体に取り箸を直接に取り付けることができる箸置き付き食品用鍋等に関する。
【0002】
なお、本発明で言う「食品用鍋等」には、鍋類(土鍋、すき焼き鍋、しゃぶしゃぶ鍋、鉄鍋、ステンレス鍋、ホーロー鍋、アルミ鍋、銅鍋)、フライパン、それに器類(ガラス製、陶磁器製、金属製、木製、プラスチック製)、皿類(ガラス製、陶磁器製、金属製、木製、プラスチック製)等を含むあらゆる食品用鍋、器、皿類とし、これらを総称する文言として「食品用鍋等」を使用する。
【背景技術】
【0003】
鍋料理や大皿料理など、複数の人が一緒に食するような場合、具材や料理品を食品用鍋等から取り出すときに、衛生面や礼儀作法として皆で共通使用する取り箸が用いられる。
この取り箸の置き場所としては、一般には箸を食品用鍋等の上に直接に置いたり、箸先部を食品用鍋等の内部に突き入れたり、食品用鍋等の周囲のテーブル上に単に置くだけであったり、特に置き場所を設けるといったことは行われていない。
なお、本発明(請求項1)のような、取り箸を食品用鍋等に取り付けるための用具である鍋等用箸置き具については、従来から知られていない。
【0004】
また、本発明(請求項2)のような、食品用鍋等自体に取り箸を直接に取り付けることができる箸置き付き食品用鍋としては、鍋の付属品であるエリア鍋に取り箸を垂直に立てるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、食品用鍋等の内部で取り箸を垂直に立てるものでは、取り箸の箸手元部までもが食品用鍋等の内側に位置した姿勢になるため、食品用鍋等から立ち上る湯気で箸手元部、即ち箸の握り部分が濡れてしまい、そこを複数の人が握ることになるため、非常に不衛生になるし、湯気によって加熱されるため、箸手元部を含めて取り箸の全体が熱くなってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3052377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、取り箸を食品用鍋等に取り付けるための用具であって、取り箸の置き場に困ることがなく、しかも衛生的で使い易い鍋等用箸置き具を提供することを第1の課題としている。
また、食品用鍋等自体に取り箸を直接に取り付けることができるようしたもので、取り箸の置き場に困ることがなく、しかも衛生的で使い易い箸置き付き食品用鍋等を提供することを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1課題を解決するため、本発明(請求項1)の鍋等用箸置き具は、
食品用鍋等(9)に取り付けて使用する箸置き具であって、
前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)を跨ぐ状態で該食品用鍋等(9)の周壁(91)に着脱可能に取り付ける固定部(1)と、取り箸(8)をその箸先部(80)が前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)よりも内部に位置すると共に箸手元部(81)が食品用鍋等(9)の周縁部(90)よりも外方に出る姿勢に載置させる箸支持部(2)を備え、
前記固定部(1)上に箸支持部(2)が取り付けられている構成とした。
【0008】
上記第2課題を解決するため、本発明(請求項2)の箸置き付き食品用鍋等は、
取り箸(8)を直に取り付けるための箸置き部(60)が形成されている食品用鍋等であって、
食品用鍋等(6)に取り箸(8)の箸先部(80)を着脱可能に挿入して取り付けるための箸係止穴(64)が形成され、
この箸係止穴(64)は取り箸(8)の箸先部(80)を挿入した係止状態で箸手元部(81)を食品用鍋等(6)の周縁部(62a)よりも外方に出る姿勢に取り箸(8)を取り付けるように形成されている構成とした。
【0009】
また、本発明(請求項3)の鍋等用箸置き具は、
食品用鍋等(9)に取り付けて使用する箸置き具であって、
この箸置き具には内部に雫溜まり部(30)が形成されると共に、前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)を跨ぐ状態で該食品用鍋等(9)の周壁(91)に着脱可能に取り付ける固定部(31)と、雫溜まり部(30)に至る箸係止穴(32)が上面に形成され、この箸係止穴(32)は取り箸(8)の箸先部(80)を挿入した係止状態で箸手元部(81)を箸係止穴(32)の周縁部(32a)よりも外方に出る姿勢に取り箸(8)を取り付けるように形成されている構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明(請求項1)の鍋等用箸置き具は、以下に列挙するような効果を奏する。
イ)この鍋等用箸置き具を介して取り箸を食品用鍋等に取り付けることができるため、取り箸の置き場所に困らないし、その置き場所が一目で判り、誰でもが手に取り易く使いやすい。
ロ)取り箸をその取り箸の箸先部が食品用鍋等の周縁部よりも内部に位置すると共に箸手元部が食品用鍋等の周縁部よりも外方に出る姿勢に載置させるため、取り箸についた雫は食品用鍋等の内部に滴下し、雫が食品用鍋等の外部にこぼれることはない。
また、箸手元部、即ち箸の握り部分が湯気で濡れたり、熱くなったりすることがなく、衛生的かつ安全に使用できる。
ハ)食品用鍋等の周壁に着脱可能に取り付けられるため、その周壁のどこにでも取り付けることができ、また、必要に応じて着脱できるため調理の際などに邪魔にならないし、邪魔にならない場所を任意に選んで取り付けることができる。
【0011】
本発明(請求項2)の箸置き具付食品用鍋等は、以下に列記するような効果を奏する。
ニ)取り箸を食品用鍋等に直接に取り付けることができるため、取り箸の置き場所に困らないし、その置き場所が一目で判り、誰でもが手に取り易く使いやすい。
また、請求項1で示した鍋等用箸置き具を用いる必要がない。
ホ)取り箸をその取り箸の箸先部が食品用鍋等の周縁部よりも内部に位置すると共に箸手元部が食品用鍋等の周縁部よりも外方に出る姿勢に取り付けるため、取り箸についた雫は食品用鍋等の内部に滴下し、雫が食品用鍋等の外部にこぼれることはない。
また、箸手元部、即ち箸の握り部分が湯気で濡れたり、熱くなったりすることがなく、衛生的かつ安全に使用できる。
【0012】
また、本発明(請求項3)の鍋等用箸置き具では、取り箸についた雫はこの鍋等用箸置き具自身に形成した雫溜まり部内に溜まることになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の請求項1に対応した第1実施例の箸置き具を示すもので、箸置き具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】その箸置き具の斜視図である。
【図3】その箸置き具の使用状態を示す側断面図である。
【図4】その箸置き具の使用状態を示す平面図である。
【図5】本発明の請求項1に対応した第2実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図6】本発明の請求項1に対応した第3実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図7】本発明の請求項1に対応した第4実施例の箸置き具を示す斜視図である。
【図8】本発明の請求項1に対応した第5実施例の箸置き具を示す斜視図である。
【図9】本発明の請求項1に対応した第6実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図10】その箸置き具を示す平面図である。
【図11】本発明の請求項1に対応した第7実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図12】本発明の請求項1に対応した第8実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図13】本発明の請求項1に対応した第9実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図14】本発明の請求項1に対応した第10実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図15】その箸置き具における箸支持部の動作を示す平面図である。
【図16】本発明の請求項1に対応した第11実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図17】本発明の請求項1に対応した第12実施例の箸置き具を示す斜視図である。
【図18】本発明の請求項1に対応した第13実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図19】本発明の請求項1に対応した第14実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図20】本発明の請求項1に対応した第15実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図21】その箸置き具を示す正面図である。
【図22】本発明の請求項1に対応した第16実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【図23】本発明の箸置き具を取り付ける食品用鍋等の蓋の例を示す平面図である。
【図24】本発明の箸置き具を取り付ける食品用鍋等の例を示す平面図である。
【図25】図24のX−X断面図である。
【図26】本発明の請求項2に対応した実施例の箸置き付き食品用鍋等を示す平面図である。
【図27】図26のY−Y断面図である。
【図28】本発明の請求項3に対応した実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
なお、以下に述べる各実施例において、同様の構成部分については図面の符号を同一にする。
【0015】
図1〜図4は本発明の請求項1に対応した第1実施例の鍋等用箸置き具(以下、「箸置き具」という)を示すもので、図1は箸置き具の使用状態を示す斜視図、図2は箸置き具の斜視図、図3は箸置き具の使用状態を示す側断面図、図4は箸置き具の使用状態を示す平面図である。
【0016】
この箸置き具Aは、食品用鍋等9(この実施例では土鍋)に取り付けて使用するもので、固定部1と、箸支持部2を備えている。
【0017】
前記固定部1は、前記食品用鍋等9の周縁部90を跨ぐ状態で該食品用鍋等9の周壁91に着脱可能に取り付けられる。
この実施例では帯状鋼板を用い、これを食品用鍋等9の周縁部90を跨ぐ形状に湾曲形成させ、その一端に食品用鍋等9の外面に当接させる外面当接部11が形成され、他端に食品用鍋等9の内面に当接させる内面当接部12が形成されている。
【0018】
そして、前記固定部1の内部空間13に食品用鍋等9の周縁部90を嵌め込み、その状態で前記外面当接部11を支点として前記固定部1が食品用鍋等9の外方に回動(図3:矢印P方向)をするのを前記内面当接部12が食品用鍋等9の内面に当接して規制させることにより固定部1を食品用鍋等9の周壁91に固定させるように形成されている。
前記外面当接部11及び内面当接部12には、安定よく接触させるために、図2に示すように、左右2ヶ所に接触点を形成させている。
【0019】
前記箸支持部2には、取り箸8の箸先部80を係止する先端係止部21が形成され、前記固定部1の上に取り付けられている。
この実施例では帯状鋼板を用い、その先端を上向きに折り返すことで前記先端係止部21が形成され、その先端係止部21との間に雫排出用の横向き開放部22を保持させる状態にして、その両側縁に脱落防止用の側壁23が立設されている。
【0020】
また、実施例では前記固定部1と箸支持部2を別部材で形成させ、この両者を溶接によって一体に固定させているが、固定部1と箸支持部2を一体成形で形成させてもよい。
【0021】
そして、前記箸支持部2の上に取り箸8を載置させ、その載置状態で前記箸支持部2の後端24を支点として取り箸8が箸手元部81側を下向きにして回動(図3:矢印Q方向)するのを前記先端係止部21が箸先部80を係止して規制させることにより取り箸8を箸支持部2に載置させるように形成されている。
【0022】
前記取り箸8は、その箸先部80が前記食品用鍋等9の周縁部90よりも内部に位置すると共に箸手元部81が食品用鍋等9の周縁部90よりも外方に出る姿勢で載置される。
また、前記取り箸8は、その箸先部80が下側になる傾斜状態で箸支持部2上に載置され、この場合、取り箸8が箸支持部2の上を滑るのを先端係止部21によって受け止め、また、取り箸8が箸支持部2の側方に脱落するのを側壁23によって受け止めることができる。
【0023】
次に、図5は本発明の請求項1に対応した第2実施例の箸置き具を示す側断面図、図6は本発明の請求項1に対応した第3実施例の箸置き具を示す側断面図である。
【0024】
本発明の箸置き具は、固定部1における外面当接部11及び内面当接部12の位置、この固定部1に対する箸支持部2の取り付け位置や取り付け角度、それに食品用鍋等9の形状や周壁91の厚さ等の条件によって種々の形態に形成できるもので、図5で示した箸置き具Bは箸支持部2を急角度に傾斜させた例を示し、図6で示した箸置き具Cは箸支持部2を緩角度に傾斜させた例を示している。
【0025】
次に、図7は本発明の請求項1に対応した第4実施例の箸置き具を示す斜視図、図8は本発明の請求項1に対応した第5実施例の箸置き具を示す斜視図である。
【0026】
本発明の箸置き具では、その箸支持部2は、前記実施例で示したような板材(帯状鋼板)によって形成する必要は必ずしもなく、取り箸8の箸先部80が食品用鍋等9の周縁部90よりも内部に位置すると共に箸手元部81が食品用鍋等9の周縁部90よりも外方に出る姿勢に載置させることができる構造であればよい。
【0027】
例えば、図7で示した箸置き具Dは箸支持部2として管材を用い、この管材2aの先端穴の上側半分を小板材2bにより塞ぐことにより先端係止部21を形成させた例である。
【0028】
また、図8で示した箸置き具Eは箸支持部2として管材2aを用い、この管材2aの先端穴の上側半分を小板材2bにより塞ぐことにより先端係止部21を形成させると共に、先端係止部21よりも後方部分は管材上側部分を切除させて開放部2cを形成させた例であり、この開放部2cによって前記図7で示した箸置き具Dに比べて取り箸8の出し入れが容易になる。
【0029】
次に、図9は本発明の請求項1に対応した第6実施例の箸置き具を示す側断面図、図10はその箸置き具を示す平面図である。
【0030】
本発明の箸置き具は、便宜上、その名称を「箸置き具」としているが、載置対象物としては必ずしも箸に限るものではなく、例えば、図9及び図10で示す箸置き具Fのようにスプーン7を載置対象とすることができるし、この他、フォーク、ナイフ等を載置対象物とすることができる。
この場合、箸支持部2としては、載置対象物を載置することが可能な形状や構造にする必要がある。
【0031】
次に、図11は本発明の請求項1に対応した第7実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Gは、食品用鍋等9に取っ手94が有る場合に、この取っ手94の部分に取り付けることができるように、固定部1の内部空間13を大きく(いわゆる懐を深く)形成させた例である。
【0032】
次に、図12は本発明の請求項1に対応した第8実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Hは、固定部1における外面当接部11の位置を調節可能にしたもので、その調節手段としてアジャストネジ11aを用いている。このアジャストネジ11aを用いることで鍋等の厚さや形状の違いによる取付を容易にすると共に、箸置の設置も容易に変えられる。
【0033】
次に、図13は本発明の請求項1に対応した第9実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Iは、固定部1における内面当接部12の位置を調節可能にしたもので、その調節手段として複数(実施例では3個)の内面当接部12a,12b,12cを階段状に形成させている。
この場合、図13(イ)で示すように先端部の内面当接部12aを使用すると箸支持部2を緩角度に傾斜させることができ、図13(ハ)で示すように奥端部の内面当接部12cを使用すると箸支持部2を急角度に傾斜させることができ、図13(ロ)で示すように中間の内面当接部12bを使用すると箸支持部2を中間の角度に傾斜させることができるようになっている。
なお、固定部1において前記した外面当接部11の位置調節手段(例えば、アジャストネジ11a)と、内面当接部12の位置調節手段(例えば、階段状の内面当接部12a,12b,12c)の両方を備える構造に形成できる。
【0034】
次に、図14は本発明の請求項1に対応した第10実施例の箸置き具を示す側断面図、図15はその箸置き具における箸支持部の動作を示す平面図である。
この箸置き具Jは、固定部1に前記箸支持部2が、その箸支持部2の長手方向と直交する方向の回転軸25を中心として回転可能に形成されている。
このように箸支持部2を回転可能に形成させると、使用者にとって使い易い方向に箸支持部2を向けることができ、使い勝手がよくなる。
【0035】
次に、図16は本発明の請求項1に対応した第11実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Kは、箸支持部2の先端部に取り箸8に付着した汁等の雫を溜めるための雫受け部26が形成された例で、雫が食品用鍋等9の内部に滴下するのを好まない場合に有効である。
【0036】
次に、図17は本発明の請求項1に対応した第12実施例の箸置き具を示す斜視図である。
この箸置き具Lは、箸支持部2の先端部に取り箸8に付着した汁等の雫を食品用鍋等9の内部に滴下させるための滴下空間27が形成された例で、前記図16で示した箸置き具Kとは逆に雫が箸支持部2に溜まるのを好まない場合に有効である。
【0037】
次に、図18は本発明の請求項1に対応した第13実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Mは、固定部1に箸支持部2が立ち上げ片28を介して取り付けられたもので、これにより箸支持部2の位置を食品用鍋等9の周縁部90から上方に離すことができ、箸置き具Mを食品用鍋等9に取り付けたまま蓋95を被せることができる。
【0038】
次に、図19は本発明の請求項1に対応した第14実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Nは、固定部1と箸支持部2を陶器によって一体成形で形成させたものである。
なお、本発明の箸置き具にあっては、固定部1と箸支持部2の着脱式も可能である。
【0039】
これ以外に、本発明の箸置き具は、その材料としてステンレスや鋳物や鉄やアルミや銅等の金属、ガラス、陶器、磁気、木や竹等の木材、プラスチック、樹脂、セラミック等を使用できる。
また、前記したように、固定部1と箸支持部2を別部材で形成して、両者を後加工で一体化させてもよいし、固定部1と箸支持部2を当初から一体成形で形成させてもよい。
【0040】
次に、図20は本発明の請求項1に対応した第15実施例の箸置き具を示す側断面図、図21はその箸置き具を示す正面図である。
この箸置き具Oは、固定部1が鋏式クリップによって形成された例で、食品用鍋等9の外面に当接させる外面当接部11が一方の腕部材18に形成され、食品用鍋等9の内面に当接させる内面当接部12とが他方の腕部材19に形成され、この腕部材18,19の支軸14に箸支持部2が取り付けられると共に、両腕部材18,19間に弾性体15(スプリング)が装着されている。
従って、弾性体15による付勢で外面当接部11と内面当接部12で食品用鍋等9の周壁91を挟圧して固定させることができるし、弾性体15に抗して両腕部材18,19を対向方向に近づければ食品用鍋等9から取り外すことができる。
【0041】
次に、図22は本発明の請求項1に対応した第16実施例の箸置き具を示す側断面図である。
この箸置き具Sは、固定部1がスライド式クリップによって形成された例で、食品用鍋等9の内面に当接させる内面当接部12が箸支持部2に形成され、箸支持部2の下面にスライド板13aがスライド可能に設けられると共に、このスライド板13aに食品用鍋等9の外面に当接させる外面当接部11が形成され、前記外面当接部11と内面当接部12とで食品用鍋等の周壁91を挟圧するように、前記スライド板13aが弾性体15(スプリング)により付勢されている。
従って、弾性体15による付勢で外面当接部11と内面当接部12で食品用鍋等9の周壁91を挟圧して固定させることができるし、弾性体15に抗してスライド板13aを後退させれば食品用鍋等9から取り外すことができる。
【0042】
次に、図23は本発明の箸置き具を取り付ける食品用鍋等の蓋の例を示す平面図である。
本発明の箸置き具は、食品用鍋等9の周縁部90を跨ぐ状態で取り付けられるため、このままでは蓋95を被せる際に、蓋95が箸置き具(図面では箸置き具Aを示すが、箸置き具A〜箸置き具O,S,Tのいずれでもよい)に干渉して被せることができない。
これに対処するため、蓋95の外周部の一部に切欠部95aを形成させ、この切欠部95aによって箸置き具Aとの干渉を回避し、蓋95を被せることが可能になる。
なお、このような蓋95は、この蓋95を備えた食品用鍋等9と、本発明の箸置き具とを組み合わせてセット販売する際に好適である。
なお、複数個の箸置き具Aを食品用鍋等9の周縁部90(取っ手94を含む)に取り付けることもあるため、これに対応するために、前記切欠部95aを蓋95の外周部の複数個所に形成してもよい。
【0043】
次に、図24は本発明の箸置き具を取り付ける食品用鍋等の例を示す平面図、図25は図24のX−X断面図である。
本発明の箸置き具は、食品用鍋等9の周縁部90を跨ぐ状態で取り付けられるため、このままでは蓋95を被せる際に、蓋95が箸置き具Aに干渉して被せることができない。
これに対処するため、食品用鍋等9の周縁部90の一部に外方への張り出し部96を形成させ、この張り出し部96の周縁部96aに箸置き具Aを取り付けることによって、この箸置き具Aと蓋95との干渉を回避し、蓋95を被せることが可能になる。
なお、このような食品用鍋等9は、本発明の箸置き具と組み合わせてセット販売する際に好適である。
なお、食品用鍋等9の取っ手94の部分を前記張り出し部96として形成させ、その周縁部96aに箸置き具Aを取り付けることもできるし、また、張り出し部96を食品用鍋等9の周縁部複数個所に形成してもよい。
【0044】
次に、図26は本発明の請求項2に対応した実施例の箸置き付き食品用鍋等を示す平面図、図27は図26のY−Y断面図である。
【0045】
この箸置き付き食品用鍋等6は、取り箸8を直に取り付けるための箸置き部60が形成されている。
この場合、食品用鍋等6の周縁部61に外方への膨出部62が形成され、この膨出部62に上面から食品用鍋等6の周壁内面63に貫通して、取り箸8の箸先部80を着脱可能に差し込んで取り付けるための箸係止穴64が形成されている。
この箸係止穴64には、取り箸8の箸先部80を受け止める箸先受け部65と、この箸先受け部65よりも箸手元部81寄りで取り箸8の前面及び背面を支える前面支持部66と背面支持部67が形成されている。
【0046】
そして、前記箸係止穴64内に取り箸8をその箸先部80が下側になる傾斜状態で差し込み、その箸先部80を箸先受け部65で受け止めると共に、前記背面支持部67を支点として取り箸8が箸手元部81側を下向きにして回動(図27:矢印R方向)するのを前記前面支持部66が取り箸8の前面に係止して規制させることにより取り箸8を箸置き部60に着脱可能に載置できるように形成されている。
この場合、前記取り箸8は、その箸先部80が膨出部62の周縁部62aよりも内部に位置すると共に箸手元部81が膨出部62の周縁部62aよりも外方に出る姿勢で載置される。
なお、食品用鍋等6の取っ手68の部分を前記膨出部62として使用し、ここに箸係止穴64を形成することもできるし、この箸係止穴64を食品用鍋等6の周縁部複数個所に形成してもよい。
【0047】
次に、図28は本発明の請求項3に対応した実施例の鍋等用箸置き具を示す平面図である。
この鍋等用箸置き具Tは、食品用鍋等9に取り付けて使用する箸置き具である。
この箸置き具Tには内部に雫溜まり部30が形成されると共に、前記食品用鍋等9の周縁部90を跨ぐ状態で該食品用鍋等9の周壁91に着脱可能に取り付ける固定部31と、雫溜まり部30に至る箸係止穴32が上面に形成され、この箸係止穴32は取り箸8の箸先部80を挿入した係止状態で箸手元部81を箸係止穴の周縁部32aよりも外方に出る姿勢に取り箸8を取り付けるように形成されている。
この場合、取り箸8についた雫はこの鍋等用箸置き具T自身に形成した雫溜まり部30内に溜まることになる。
【0048】
以上、本発明の実施例を図面に基づき示してきたが、本発明の具体的構成は前記した実施例に限定されることはない。
【符号の説明】
【0049】
1 固定部
11 外面当接部
11a アジャストネジ
12 内面当接部
12a 内面当接部
12b 内面当接部
12c 内面当接部
13 内部空間
14 支軸
15 弾性体
18 腕部材
19 腕部材
2 箸支持部
2a 管材
2b 小板材
2c 開放部
21 先端係止部
22 開放部
23 側壁
24 後端
25 回転軸
26 雫受け部
27 滴下空間
28 立ち上げ片
30 雫溜まり部
31 固定部
32 箸係止穴
32a 周縁部
6 食品用鍋等
60 箸置き部
61 周縁部
62 膨出部
62a 周縁部
63 周壁内面
64 箸係止穴
65 箸先受け部
66 前面支持部
67 背面支持部
7 スプーン
8 取り箸
80 箸先部
81 箸手元部
9 食品用鍋等
90 周縁部
91 周壁
94 取っ手
95 蓋
95a 切欠部
96 張り出し部
96a 周縁部
A 鍋等用箸置き具
B 鍋等用箸置き具
C 鍋等用箸置き具
D 鍋等用箸置き具
E 鍋等用箸置き具
F 鍋等用箸置き具
G 鍋等用箸置き具
H 鍋等用箸置き具
I 鍋等用箸置き具
J 鍋等用箸置き具
K 鍋等用箸置き具
L 鍋等用箸置き具
M 鍋等用箸置き具
N 鍋等用箸置き具
O 鍋等用箸置き具
T 鍋等用箸置き具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用鍋等(9)に取り付けて使用する箸置き具であって、
前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)を跨ぐ状態で該食品用鍋等(9)の周壁(91)に着脱可能に取り付ける固定部(1)と、取り箸(8)をその箸先部(80)が前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)よりも内部に位置すると共に箸手元部(81)が食品用鍋等(9)の周縁部(90)よりも外方に出る姿勢に載置させる箸支持部(2)を備え、
前記固定部(1)上に箸支持部(2)が取り付けられていることを特徴とする鍋等用箸置き具。
【請求項2】
取り箸(8)を直に取り付けるための箸置き部(60)が形成されている食品用鍋等であって、
食品用鍋等(6)に取り箸(8)の箸先部(80)を着脱可能に挿入して取り付けるための箸係止穴(64)が形成され、
この箸係止穴(64)は取り箸(8)の箸先部(80)を挿入した係止状態で箸手元部(81)を食品用鍋等(6)の周縁部(62a)よりも外方に出る姿勢に取り箸(8)を取り付けるように形成されていることを特徴とする箸置き付き食品用鍋等。
【請求項3】
食品用鍋等(9)に取り付けて使用する箸置き具であって、
この箸置き具には内部に雫溜まり部(30)が形成されると共に、前記食品用鍋等(9)の周縁部(90)を跨ぐ状態で該食品用鍋等(9)の周壁(91)に着脱可能に取り付ける固定部(31)と、雫溜まり部(30)に至る箸係止穴(32)が上面に形成され、この箸係止穴(32)は取り箸(8)の箸先部(80)を挿入した係止状態で箸手元部(81)を箸係止穴(32)の周縁部(32a)よりも外方に出る姿勢に取り箸(8)を取り付けるように形成されていることを特徴とする鍋等用箸置き具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−172631(P2010−172631A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21034(P2009−21034)
【出願日】平成21年1月31日(2009.1.31)
【出願人】(509033538)
【Fターム(参考)】