説明

防災設備の支援システム

【課題】 火災受信機、総合操作盤または消火制御盤を、防災センタ要員や警備員等の監視員が日常使用していなくても、火災時に、防災センタ要員や警備員等の監視員が、それらを正しい操作手順で操作することができる防災設備の支援システムを提供することを目的とするものである。
【解決手段】 いずれかの防災用受信機から呼出手段により呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記防災用受信機から受信した状態の情報を上記表示部に表示させる第1の表示手段とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動火災報知設備、消火設備等の防災設備の支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】防災設備の火災受信機、総合操作盤または消火制御盤は防災センタや警備員室等に設けられている場合が多く、火災時に、火災感知器が火災を検出すると、火災受信機または総合操作盤の表示部、たとえばCRT上に火災の発生した火災警戒地区が表示される。
【0003】また、スプリンクラヘッドが作動すると、消火制御盤の表示部に放水の開始した箇所が表示される。防災センタの要員または警備員室の警備員等の監視員は、この表示に基づき、火災の確認、操作部に設けられた各種スイッチを用いての防火や消火の制御処理操作、消防署への通報等を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】監視員は、ある程度の訓練を受けているが、火災受信機、総合操作盤または消火制御盤は、日常使用しているものではなく、火災時に使用するものであり、いざというときに正しい操作手順で操作できない事例がある。
【0005】本発明は、火災受信機、総合操作盤または消火制御盤を、防災センタ要員や警備員等の監視員が日常使用していなくても、火災時に、防災センタ要員や警備員等の監視員が、それらを正しい操作手順で操作することができる防災設備の支援システムを提供することを目的とするものである。
【0006】つまり、本発明は、火災時に防災センタ要員や警備員等の監視員の火災受信機、総合操作盤または消火制御盤等の防災用受信機の操作を支援することを目的とするものである。
【0007】また、監視員の防災用受信機の訓練を支援することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と支援センタの中央支援装置とを有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機には外防災用受信機に接続された被接続機器の作動または防災用受信機が操作されたときに上記中央支援装置を呼び出して通信可能状態にする第1の呼出手段と、防災用受信機の状態の情報を上記中央支援装置に送信する第1の送信手段とが設けられ、上記中央支援装置には、上記複数の建造物の建造物情報および複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報(表示部情報、操作部情報等)を記憶している第1の記憶手段と、いずれかの防災用受信機から呼出手段により呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記防災用受信機から受信した状態の情報を上記表示部に表示させる第1の表示手段とが設けられてなることを特徴とするものである。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、上記中央支援装置には、呼び出しを行った上記防災受信機に対する制御命令を作成する第1の制御命令作成手段と、上記第1の制御命令作成手段によって作成された制御命令を当該防災受信機に送信する第2の送信手段とが設けられ、上記防災用受信機には、上記中央支援装置から送信される制御命令を受信して当該受信機を制御する第1の制御手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0010】第3の発明は、ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と支援センタの中央支援装置とを有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機にはシミュレーションを行うために上記中央支援装置を呼び出して通信可能状態にする第2の呼出手段と、上記中央支援装置から受信するシミュレーション情報に基づきシミュレーションを行う実行手段と、上記実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報および状態情報を上記中央支援装置に送信する第3の送信手段とが設けられ、上記中央支援装置には、上記複数の建造物の建造物情報および複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報およびシミュレーション情報を記憶している第2の記憶手段と、いずれかの防災用受信機から第2の呼出手段により呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該防災用受信機に対するシミュレーション情報を読み出して送信する第4の送信手段と、上記第2の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記第3の送信手段から送信された操作情報および状態情報を上記表示部に表示させる第2の表示手段とが設けられてなることを特徴とするものである。
【0011】第4の発明は、ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と支援センタの中央支援装置とを有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機には外防災用受信機に接続された被接続機器の作動または防災用受信機が操作されたときに上記中央支援装置を呼び出して通信可能状態にする第1の呼出手段と、防災用受信機の状態の情報を上記中央支援装置に送信する第1の送信手段と、シミュレーションを行うために上記中央支援装置を呼び出して通信可能状態にする第2の呼出手段と、上記中央支援装置から受信するシミュレーション情報に基づきシミュレーションを行う実行手段と、上記実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報および状態情報を上記中央支援装置に送信する第3の送信手段とが設けられ、上記中央支援装置には、上記複数の建造物の建造物情報および複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報(表示部情報、操作部情報を含む)を記憶している第1の記憶手段と、上記複数の建造物の建造物情報および複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報およびシミュレーション情報を記憶している第2の記憶手段と、いずれかの防災用受信機から第1の呼出手段により呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記防災用受信機から受信した状態の情報を上記表示部に表示させる第1の表示手段と、いずれかの防災用受信機から第2の呼出手段により呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該防災用受信機に対するシミュレーション情報を読み出して送信する第4の送信手段と、いずれかの防災用受信機から、第1の呼出手段により呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記防災用受信機から受信した状態の情報を上記表示部に表示させ、第2の呼出手段により呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記第3の送信手段から送信された操作情報および状態情報を上記表示部に表示させる第3の表示手段とが設けられてなることを特徴とするものである。
【0012】第5の発明は、ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と支援センタの中央支援装置とを有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機にはシミュレーションを行うために上記中央支援装置を呼び出して通信可能状態にする第2の呼出手段と、当該防災用受信機のシミュレーション情報を記憶している第3の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶されているシミュレーション情報に基づきシミュレーションを行う第2の実行手段と、上記第2の実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報および状態情報を上記中央支援装置に送信する第5の送信手段とが設けられ、上記中央支援装置には、上記複数の建造物の建造物情報および複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報を記憶している第4の記憶手段と、いずれかの防災用受信機から上記第2の呼出手段により呼び出されたときに、上記第4の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記第5の送信手段から送信された操作情報および状態情報を上記表示部に表示させる第3の表示手段とが設けられてなることを特徴とするものである。
【0013】第6の発明は、第1、第2または第4の発明のいずれかにおいて、上記複数の建造物のそれぞれには上記第1の呼出手段により上記中央支援装置を呼び出したときに上記支援センタと通話可能となる第1の通話手段が設けられ、上記支援センタには、上記第1の呼出手段による呼び出しを受けたときに上記第1の通話手段と通話可能となる第2の通話手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0014】第7の発明は、第3、第4または第5の発明において、上記複数の建造物のそれぞれには上記第2の呼出手段により上記中央支援装置を呼び出したときに上記支援センタと通話可能となる第3の通話手段が設けられ、上記支援センタには、上記第1の呼出手段による呼び出しを受けたときに上記第1の通話手段と通話可能となる第4の通話手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明の一実施例の系統図である。
【0016】図1において、1は支援を受けるユーザのビル、2はビル1の防災センタ、3は防災センタ2に設置されている防災用受信機の一例としての総合操作盤、4は支援センタ5のあるビル、6は中央支援装置、7は有線または無線の通信回線の一例としての公衆電話回線である。なお、支援センタ5の中央支援装置6には、複数のビル、工場、地下街等の建造物にそれぞれ設けられた火災受信機、総合操作盤、消火制御盤等の各種の防災用受信機が通信回線7を介して接続されているが、図1ではこれらを代表して1つのビル1、1台の総合操作盤3のみを図示している。
【0017】総合操作盤3は、表示部であるCRT31を有するとともに、図示を省略した、各種のスイッチを有する操作部、各種の表示灯を有する表示部、中央支援装置6とデータ等の情報を送受信するモデム、ダイアラ等が設けられている。
【0018】中央支援装置6は、本実施例では、主装置61とサーバー63で構成されている。主装置61は、表示部の主表示部である主CRT62を有するとともに、図示を省略した、各種のスイッチを有する操作部、各種の表示灯を有する表示部、総合操作盤3とデータ等の情報を送受信するモデム、ダイアラ等が設けられている。サーバ62は、表示部の副表示部である副CRT64を有するとともに、図示を省略した、各種のスイッチを有する操作部、各種の表示灯を有する表示部、各種の物件データを記憶している記憶装置等が設けられている。なお、主および副CRT62、64の代わりに液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いるようにしてもよい。
【0019】図2は、総合操作盤3の動作を説明するフローチャートである。
【0020】なお、図示を省略した他の防災用受信機でも同様の動作を行う。図3は中央支援装置6の動作を説明するフローチャートである。
【0021】図4〜図6は、図2のフローチャートの詳細な動作を説明するフローチャートである。
【0022】図7〜図9は、図3のフローチャートの詳細な動作を説明するフローチャートで有る。
【0023】そして、図4と図7とが対応し、図5と図8R>8とが対応し、図6と図9とが対応している。
【0024】総合操作盤3は、図2に示すように、ビル1内に配設された図示しない火災感知器や発信機の状態を監視しており(S10)、火災が発生すると(S10のY)、図4に詳細な動作フローを示す火災発生処理(S100)を行う。また、総合操作盤3の図示しない操作部のシミュレーション開始スイッチがオン操作されると(S20のY)、図5に詳細な動作フローを示すシミュレーション処理(S200)を行う。また、中央支援装置6から制御命令を受信すると(S30のY)、図6R>6に詳細な動作フローを示す制御実行処理(S300)を行う。
【0025】中央支援装置6は、複数の防災用受信機のいずれかから呼び出しを受けたかを常時監視している(S40)。たとえばビル1の総合受信盤3から呼び出しを受けると(S40のY)、総合操作盤3が火災発生処理S100の中で送信した火災情報の受信か(S50)シミュレーション処理S200の中でシミュレーション要求の受信か(S60)を判別する。火災情報の受信であると(S50のY)、図7に詳細な動作フローを示す火災時処理(S500)を行い、シミュレーション要求の受信であると(S60のY)、図8に詳細な動作フローを示すシミュレーション要求処理(S600)を行う。また、中央支援装置6の主装置61の図示しない操作部から制御入力があると(S70のY)、図9に詳細な動作フローを示す制御処理(S700)を行う。
【0026】次に、上記実施例における火災時の動作、を図2、図3、図4と図7で説明する。
【0027】総合操作盤3は、接続された図示しない火災感知器から受信した情報に基づき火災発生と判断すると(S10のY)、図示しないダイアラ、モデムを起動して支援センタ5の中央支援装置6を呼び出す(S102)。この総合操作盤3と中央支援装置6との間の呼び出しおよび以後の通信は、インターネット形式、いわゆるパソコン通信形式、その他の形式のいずれでもよく、総合操作盤3と中央支援装置6との間で各種情報の通信が行うことができる方式であれば方式を問わない。
【0028】総合操作盤3は、中央支援装置6がこの呼び出しに応答したら(S40)、ビル1および総合操作盤3に関する物件情報、たとえば物件識別番号(ID番号)を送信する(S104)とともに、火災信号の受信状態、各種スイッチの状態、各種表示灯の状態等の総合操作盤3の状態のデータを火災情報として送信するとともに、送信した火災情報を図示を省略した記憶装置(メモリ)に送信済み火災情報として記憶しておく(S106)。また、支援センタ5から呼び出しに対する応答があると(S40)、図示しないハンドフリーの電話機を自動起動して支援センタ5の図示を省略した電話機を呼び出し、防災センタ2にいる要員と支援センタ5に待機している支援員との間の通話を確保し、以後の支援がスムーズに行えるようにする。なお、通常の電話機を用いる代わりに、いわゆるインターネット電話を利用するようにしてもよい。
【0029】中央支援装置6の主装置61は、ビル1の総合操作盤3から呼び出しを受けると応答信号を返送し(S40のY)、続いて物件情報と火災情報を受信すると(S50のY)、受信したID番号すなわち物件情報から、サーバ63の図示を省略したハードディスク等の記憶装置に記憶された物件データベース(DB)から対応物件の物件データ、たとえば物件名(ビル1の名称)、物件所在地、使用防災受信機の型名、本実施例の場合は総合操作盤3の型名、総合操作盤3に接続されている各種機器および警戒地区情報等を読み出すとともに、総合操作盤3の型名に基づき、記憶装置の各種防災用受信機の表示部画面や操作部画面等の機種情報を記憶している機器DBから総合操作盤3の機種情報を読み出す(S502)。そして、主CRT62に、物件DBから読み出した物件データのうち必要な情報、たとえば物件名、物件所在地、物件の規模、総合操作盤3に接続されている火災感知器等の監視用機器や防火戸、排煙装置等の被制御機器の接続状況等を表示するとともに、副CRT64に、機器DBから読み出した総合操作盤3の表示部画面情報と操作部画面情報、並びに総合操作盤3から受信した火災情報とから、ビル1の総合操作盤3の表示部および操作部の盤面状態の表示画面を作成して表示する(S504)。
【0030】これにより、総合操作盤3の盤面状態と中央支援装置6の副CRT64の表示状態とが一致し、支援員はビル1の防災センタ2の総合操作盤3の前にいるのと同様の状態となり、防災センタ2の監視員に対し電話機を通じて、または主装置61の操作部であるキーボードを操作して総合操作盤3に情報を送りCRT31に表示させること等により、適切なアドバイスを行うことが可能になる。
【0031】次に、総合操作盤3は、中央支援装置6から制御命令を受信したか判別し(S108)、受信していなければ(S108のN)総合操作盤3の状態に変化があったか、すなわち先に送った火災情報に対し変化した情報があるか、たとえば新たな火災警戒地区で火災が発生したか、操作部の複数あるスイッチのいずれかのスイッチ状態が変化したかを判別する(S112)。判別の結果、総合操作盤3の状態に変化があると(S112のY)、その状態変化の情報を新たな火災情報として中央支援装置6に送信する(S114)。
【0032】中央支援装置6は、新たな火災情報を受信すると(S506のY)、副CRT64に現在表示中の内容から変化があるか判別し(S508)、変化があると(S508のY)新たな火災情報に基づいて副CRT64の表示内容を更新する(S510)。
【0033】そして、中央支援装置6の主装置61は、受信した火災情報と副CRT64の表示内容からサーバ62の記憶装置のガイド用DBを参照してガイドが必要か否か判別し(S512)、必要であれば(S512のY)ガイド内容を主CRT62に表示する(S514)。支援員はこの主CRT62のガイド表示と副CRT64の表示内容をみて、防災センタ2の監視員に対し支援する必要があると判断すると、通話状態にある電話機を用いて必要なアドバイスを送る。なお、S514による表示内容を総合操作盤3に自動的または支援員のスイッチ操作により送信し、総合操作盤3のCRT31にも表示させるようにしてもよい。
【0034】また、中央支援装置6の主装置61は、受信した火災情報と副CRT64の表示内容からサーバ62の記憶装置に設けられた制御用DBのビル1に対する制御情報を参照して総合操作盤3に対する制御が必要か否か判別し(S516)、必要であれば(S516のY)その制御内容を主CRT62に表示する(S516)。支援員はこの主CRT62の要制御内容の表示と副CRT64の表示内容をみて、防災センタ2の監視員に対し制御の支援をする必要があると判断して制御命令送信スイッチを操作すると(S520のY)、制御命令と制御データを送信する(S522)。一方、支援員が主CRT62と副CRT64の表示内容から制御不要であると判断して制御不要スイッチを操作すると(S520のN、S524のY)、主CRT62に表示された要制御内容をクリアするととも制御データ等をクリアする(S526)。なお、S518による要制御内容に基づく制御命令と制御データを自動的に送信するようにしてもよく、また、自動的な送信と支援員の操作による送信とを切り替えられるようにしてもよく、物件DBに物件毎に自動的送信か支援員の操作による送信かをあらかじめ記憶させておき、それに基づき行うようにしてもよく、この場合は送信が自動か手動かを主CRTに表示させるようにするとよい。
【0035】総合操作盤3は、中央支援装置6から制御命令を受信すると(S108のY)、制御命令とともに受信した制御データに基づき必要な制御処理、たとえば地区音響装置の制御、防排煙機器の制御、消火設備の制御等を行う(S110)。そして、総合操作盤3は、この制御命令の処理により生じる状態変化を新たな火災情報として送信し(S112のY、S114)、中央支援装置6は新たに受信した火災情報に基づき表示内容を更新表示する(S506〜S510)。
【0036】そして、総合操作盤3の図示を省略した操作部の火災復旧スイッチが操作されると(S116のY)、図示しない火災地区表示のクリア、主音響装置や地区音響装置の鳴動解除その他の火災復旧動作が行われるとともに、復旧情報を中央支援装置6に送信し、その後中央支援装置6との接続を遮断し(S118)、通常の監視状態に戻る。
【0037】中央監視装置6は、復旧情報を受信すると(S528のY)、総合操作盤3と送受信した情報を記憶装置の物件支援記録DBのビル1に対応する部分に履歴情報として格納する(S530)とともに、主CRT62および副CRT64の表示画面およびその情報をクリアし(S532)、通常の監視状態に戻る。
【0038】次に、シミュレーション時の動作を図2、図3、図5と図8を参照して説明する。
【0039】総合操作盤3のシミュレーション開始スイッチがオン操作されると(S20のY)、図示しないダイアラ、モデムを起動して中央支援装置6を呼び出す(S202)。総合操作盤3は、中央支援装置6が呼び出しに応答したら(S40のY)、物件情報としてたとえばID番号を送信し(S204)、シミュレーション要求情報を送信する(S206)とともに、現在の総合操作盤3の状態の情報を開始時状態情報として図示しない記憶装置に記憶する。
【0040】中央支援装置6は、シミュレーション要求情報を受信すると(S60のY)、物件情報に基づいてサーバ63の物件DBからビル1の情報を検索して読み出し、読み出した防災用受信機この場合は総合操作盤3の型式その他の情報に基づいてシミュレーションDBから必要なシミュレーションデータを読み出し(S602)、最初の実行データを作成して実行命令とともに総合操作盤3に送信する(S604)。そして、主CRT62に火災時と同様に必要な表示を行うとともに、機器DBから総合操作盤3の表示部と操作部の画面情報を読み出し、副CRT64に盤面表示を行う(S606)。
【0041】総合操作盤3は、実行命令を受信すると(S208のY)、実行命令とともに受信したシミュレーションデータに基づき、火災感知器の疑似作動、被制御機器に対する疑似制御処理等のシミュレーションを実施処理する(S210)。この実施処理により、総合操作盤3のCRT31の表示内容の状態に変化が生じたり、または、監視員が操作部にあるスイッチを操作してスイッチ内容の状態に変化が生じると(S212)、変化内容の状態情報を送信する(S214)。
【0042】中央支援装置6は、この状態情報を受信すると(S608のY)、状態情報に基づいて副CRT64の表示画面を総合操作盤3の状態と一致させるべく更新する(S610)。そして、受信した状態情報、たとえば監視員による操作結果が先に送信した実行データに対し正解であれば(S612のY)、次の実行データを送信する(S614)。受信した状態情報が正解でなければ、正解のガイドデータを実行命令とともに総合操作盤3に送信し(S616)、正しい操作等が行われるようにする。
【0043】この実行命令を受信した総合操作盤3は、ガイドデータに基づいてCRT31に正解を表示し、監視員に次の操作を促す(S208のY、S210)。これにより、間違った操作を行った監視員は正しい操作を行うことができる。
【0044】なお、シミュレーション要求情報の送信とともに、火災時の場合と同様に、防災センタ2と支援センタ5との間で電話機等による通話状態を形成し、支援員が監視員に正しい対応を説明するようにしてもよい。
【0045】そして、総合操作盤3のシミュレーション終了スイッチが操作されると(S216のY)、シミュレーション終了情報を送信し、記憶している開始時状態情報に基づき、総合操作盤3をシミュレーション開始直前の状態に戻す処理を行うとともに、中央支援装置6との接続を遮断してシミュレーションを終了する(S218)。
【0046】中央支援装置6は、シミュレーション終了情報を受信すると(S618のY)、主CRT62と副CRT64の表示をクリアするとともに、物件支援記憶DBにビル1の総合操作盤3のシミュレーション結果を履歴情報として格納する(S620)。
【0047】次に、中央支援装置6からユーザ側の防災用受信機を呼び出して制御する場合の動作について、図2R>2、図3、図6および図9を参照して説明する。
【0048】支援センタ5からビル1の総合操作盤3に対する制御が必要となった場合には、中央支援装置6の主装置61の操作部から総合操作盤3の呼出番号を入力するとともに制御内容を入力する。呼出番号と制御内容が入力されると(S70のY)、呼出番号と制御内容を読み込み(S702)、ダイアラとモデムを起動して総合操作盤3を呼び出す(S704)。総合操作盤3から呼び出しに対する応答があると(S706)、制御命令と制御内容を送信する(S708)。
【0049】総合操作盤3は、制御命令と制御内容を受信すると(S30のY)、制御命令により制御内容を実行処理し(S302)、その処理した結果の情報を送信する(S304)。
【0050】中央支援装置6は、処理結果情報を受信すると(S710のY)、処理結果を主CRT62に表示する(S712)。そして、全ての制御内容の送信が行われ(S714のY)、主装置61の操作部から制御終了の入力が行われると(S716のY)、制御内容と処理結果情報をビル1の総合操作盤3の履歴情報として物件支援DBに記憶するとともに、総合操作盤3との通信接続状態を遮断して制御処理を終了する。
【0051】なお、上記各説明では、各防災用受信機の表示部と操作部の盤面に関する表示用の基本データを中央支援装置にデータベースとして記憶しているようにしたが、各防災用受信機に自己の表示部と操作部の表示用の基本データを記憶しておき、火災時またはシミュレーション時に防災用受信機から表示用基本データを中央支援装置に送信するようにしてもよい。
【0052】また、上記のシミュレーションでは、各防災用受信機に対するシミュレーションデータを中央支援装置が記憶装置に記憶しているようにしたが、中央支援装置に代わって各防災用受信機の記憶装置に記憶させるようにし、各防災用受信機ではシミュレーション開始スイッチがオン操作されたときに自己の記憶装置のデータに基づきシミュレーションを実行し、その実行内容とそのときの防災用受信機の状態情報を中央支援装置に送信し表示させるようにしてもよい。
【0053】また、中央支援装置は1台の装置としてもよく、防災用受信機と中央支援装置との間はインターネットで常時接続するようにしてもよく、このようにすると、防災用受信機側で何らかの状態変化があったときに直ちに中央支援装置側で知ることができ、適切な支援をよりきめ細かく行うことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、火災受信機、総合操作盤または消火制御盤を、防災センタ要員や警備員等の監視員が日常使用していなくても、火災時に、防災センタ要員や警備員等の監視員が、それらを正しい操作手順で操作することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の系統図である。
【図2】防災用受信機の動作を説明するフローチャートである。
【図3】中央支援装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】防災用受信機の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図5】防災用受信機の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図6】防災用受信機の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図7】中央支援装置の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図8】中央支援装置の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図9】中央支援装置の詳細な動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…ビル、
2…防災センタ、
3…総合操作盤、
5…支援センタ、
6…中央支援装置、
61…主装置、
62…主CRT、
63…サーバ、
64…副CRT、
7…通信回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と、支援センターの中央支援装置とを、有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機には、外防災用受信機に接続された被接続機器の作動または防災用受信機が操作されたときに、上記中央支援装置を呼び出し、通信可能状態にする第1の呼出手段と;防災用受信機の状態の情報を上記中央支援装置に送信する第1の送信手段と;を有し、上記中央支援装置には、上記複数の建造物の建造物情報と複数の建造物にそれぞれ設置されている防災用受信機の受信機情報(表示部情報、操作部情報を含む)とを記憶している第1の記憶手段と;いずれかの防災用受信機から呼出手段によって呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から、当該建造物の建造物情報と当該防災用受信機の受信機情報とを表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記防災用受信機から受信した状態の情報を、上記表示部に表示させる第1の表示手段と;を有することを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項2】 請求項1において、上記中央支援装置は、呼び出しを行った上記防災受信機に対する制御命令を作成する第1の制御命令作成手段と;上記第1の制御命令作成手段によって作成された制御命令を、当該防災受信機に送信する第2の送信手段と;を有し、上記防災用受信機は、上記中央支援装置から送信される制御命令を受信し、当該受信機を制御する第1の制御手段を有することを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項3】 ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と、支援センタの中央支援装置とを、有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機は、シミュレーションを行うために上記中央支援装置を呼び出し、通信可能状態にする第2の呼出手段と;上記中央支援装置から、受信するシミュレーション情報に基づいて、シミュレーションを行う実行手段と;上記実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報と状態情報とを、上記中央支援装置に送信する第3の送信手段と;を有し、上記中央支援装置は、上記複数の建造物の建造物情報と複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報とシミュレーション情報とを記憶している第2の記憶手段と;いずれかの防災用受信機から、第2の呼出手段によって呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該防災用受信機に対するシミュレーション情報を読み出し、送信する第4の送信手段と;上記第2の記憶手段から当該建造物の建造物情報および当該防災用受信機の受信機情報を表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して上記第3の送信手段から送信された操作情報および状態情報を上記表示部に表示させる第2の表示手段と;を有することを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項4】 ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と、支援センタの中央支援装置とを、有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機は、外防災用受信機に接続された被接続機器の作動または防災用受信機が操作されたときに、上記中央支援装置を呼び出し、通信可能状態にする第1の呼出手段と;防災用受信機の状態の情報を、上記中央支援装置に送信する第1の送信手段と;シミュレーションを行うために、上記中央支援装置を呼び出し、通信可能状態にする第2の呼出手段と;上記中央支援装置から受信するシミュレーション情報に基づいて、シミュレーションを行う実行手段と;上記実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報と状態情報とを、上記中央支援装置に送信する第3の送信手段と;を有し、上記中央支援装置は、上記複数の建造物の建造物情報と、複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報(表示部情報、操作部情報を含む)とを記憶している第1の記憶手段と;上記複数の建造物の建造物情報と、複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報と、シミュレーション情報とを記憶している第2の記憶手段と;いずれかの防災用受信機から、第1の呼出手段によって呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報と、当該防災用受信機の受信機情報とを表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して、上記防災用受信機から受信した状態の情報を上記表示部に表示させる第1の表示手段と;いずれかの防災用受信機から、第2の呼出手段によって呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該防災用受信機に対するシミュレーション情報を読み出して送信する第4の送信手段と;いずれかの防災用受信機から、第1の呼出手段によって呼び出されたときに、上記第1の記憶手段から当該建造物の建造物情報と当該防災用受信機の受信機情報とを表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して、上記防災用受信機から受信した状態の情報を、上記表示部に表示させ、第2の呼出手段によって呼び出されたときに、上記第2の記憶手段から当該建造物の建造物情報と当該防災用受信機の受信機情報とを表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して、上記第3の送信手段から送信された操作情報と状態情報とを、上記表示部に表示させる第3の表示手段と;を有することを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項5】 ビル、工場、地下街等の複数の建造物にそれぞれ設置される防災用受信機と、支援センタの中央支援装置とを、有線または無線の通信回線で接続し、上記防災用受信機は、シミュレーションを行うために上記中央支援装置を呼び出し、通信可能状態にする第2の呼出手段と;当該防災用受信機のシミュレーション情報を記憶している第3の記憶手段と;上記第3の記憶手段に記憶されているシミュレーション情報に基づいて、シミュレーションを行う第2の実行手段と;上記第2の実行手段による実行中の当該防災受信機の操作情報と状態情報とを上記中央支援装置に送信する第5の送信手段と;を有し、上記中央支援装置は、上記複数の建造物の建造物情報と、複数の建造物にそれぞれ設置された防災用受信機の受信機情報とを記憶している第4の記憶手段と;いずれかの防災用受信機から、上記第2の呼出手段によって、呼び出されたときに、上記第4の記憶手段から、当該建造物の建造物情報と当該防災用受信機の受信機情報とを表示部に表示するとともに、当該受信機情報に追加して、上記第5の送信手段から送信された操作情報と状態情報とを上記表示部に表示させる第3の表示手段と;を有することを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項4のいずれか1項において、上記複数の建造物のそれぞれには、上記第1の呼出手段によって、上記中央支援装置を呼び出したときに、上記支援センタと通話可能となる第1の通話手段が設けられ、上記支援センタには、上記第1の呼出手段による呼び出しを受けたときに、上記第1の通話手段と通話可能となる第2の通話手段が設けられていることを特徴とする防災設備の支援システム。
【請求項7】 請求項3、請求項4、請求項5のいずれか1項において、上記複数の建造物のそれぞれには、上記第2の呼出手段によって、上記中央支援装置を呼び出したときに、上記支援センタと通話可能となる第3の通話手段が設けられ、上記支援センタには、上記第1の呼出手段による呼び出しを受けたときに、上記第1の通話手段と通話可能となる第4の通話手段が設けられていることを特徴とする防災設備の支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−298772(P2003−298772A)
【公開日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−98102(P2002−98102)
【出願日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】