説明

防犯センサ

【課題】 風による草木などの揺れや接近する昆虫などの影響によって内蔵するマイクロウエーブセンサが影響を受けて誤報が発生することを極力回避し、動作の信頼性を高めることが可能な防犯センサを提供する。
【解決手段】 検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号S1を出力するとともに、その検知対象物体までの距離情報Vdを出力するマイクロウエーブセンサ1と、距離情報Vdに基づいてその検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段102と、その検知対象物体までの距離が前記所定距離以上で、かつ、反射波検知信号S1が検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号Dout1を出力するように制御する警告信号出力制御手段104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロウエーブセンサを内蔵する防犯センサに関し、特に、近距離領域における誤報の発生を極力回避して信頼性を向上させた防犯センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防犯装置の一つとして、マイクロ波を検知エリアに向けて送信し、検知エリア内に人体(侵入者)が存在する場合には、その人体からの反射波(ドップラー効果によって変調したマイクロ波)を受信して人体を検知するマイクロウエーブセンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
さらに、マイクロウエーブセンサの1タイプとして、周波数の異なる複数のマイクロ波を利用して検知エリア内に存在する人体などの検知対象物体までの距離を計測するようにしたものも提案されている。この種のセンサは、例えば周波数の異なる2種類のマイクロ波を検知エリアに向けて送信し、それぞれの反射波に基づく2つのIF信号の位相差を検出するようになっている。この位相差は、検知対象物体までの距離に相関があり、検知対象物体までの距離が大きいほど位相差も大きくなる傾向がある。つまり、この位相差を求めることにより検知対象物体までの距離を計測することが可能である。また、この位相差の時間的な変化を認識することにより検知エリア内の検知対象物体が移動しているか否かを判定することも可能である。これにより、例えば検知エリア内で移動している検知対象物体のみを識別することが可能になる。
【0004】
例えば、周波数の異なる2種類のマイクロ波の反射波に基づくIF出力信号が図2(a)および(b)に示すような正弦波IFout1、IFout2(検知対象物体までの距離に応じた位相差を有している)である場合、これらのIF信号出力を波形整形して得られる矩形波W1、W2は、それぞれ図3(a)および(b)に示すようになる。そして、これらの矩形波W1、W2の位相差Δφ(図中における矩形波の立ち上がり部分の時間差Δtから換算)を検出することによって検知対象物体までの距離を計測することが可能になる。また、この矩形波W1、W2の位相差の時間的な変化を認識することにより、検知エリア内の検知対象物体の移動(センサに近づいているのか遠ざかっているのか)を認識することが可能である。
【0005】
ところで、この種のセンサを防犯用センサとして使用し、上記位相差の時間的な変化を認識して、検知エリア内で移動している検知対象物体のみを認識するようにした場合、次のような問題点があった。
【0006】
つまり、この種のセンサを屋外に設置した場合に、風による草木などの揺れによって上記矩形波W1、W2に位相差が生じ、これによって草木などを検知対象物体であると誤検知して誤報を発してしまう可能性がある。同様に、この種のセンサを屋内に設置した場合に、換気用のファンの回転動作や、風によるブラインドやカーテンの揺れ、あるいはマイクロウエーブセンサ自体の振動などによっても上記矩形波W1、W2に位相差が生じ、この場合にも人体以外の物体を検知対象物体であると誤検知して誤報を発してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明の発明者は、人体などの検知対象物体とそうでない物体(草木やファン等)との判別を正確に行って誤報を回避する技術について既に提案している(特許文献2参照。)。
【0008】
この提案は、各反射波に基づいて検知エリア内に存在する物体までの相対距離の単位時間当たりの変化量を計測し、その変化量が所定の閾値以上であるときにのみ、その物体を検知対象物体であると判定するものである。つまり、風によって揺れている草木や回転しているファン等は移動距離が僅かであるのに対し、人体などの検知対象物体では移動距離が大きくなるので、その差を認識することで検知対象物体であるか否かを的確に判定するようにしている。なお、以下の説明では、このような誤報防止対策を「草木対策」、上記の閾値を「草木対策レベル」と記すこととする。
【特許文献1】特開平7−37176号公報
【特許文献2】特開2003−207462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、遠距離の侵入者まで検知可能としている遠距離用のマイクロウエーブセンサでは、その検知感度が高く設定されているため、特に近距離領域に存在する草木などによって影響を受けやすかった。また、マイクロウエーブセンサに接近する昆虫などの影響によっても誤報が発生することがあった。
【0010】
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、風による草木などの揺れやマイクロウエーブセンサ自体の振動、あるいはマイクロウエーブセンサに接近する昆虫などの影響によって内蔵するマイクロウエーブセンサが影響を受けて誤報が発生することを極力回避し、動作の信頼性を高めることが可能な防犯センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の防犯センサは、検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、この距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合であって、さらに前記反射波検知信号が検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記所定距離は、前記マイクロウエーブセンサによって形成される検知エリアがいずれの方向においても一定幅以上存在するように定める必要がある。
【0013】
このような構成の防犯センサによれば、前記検知対象物体までの距離が前記所定距離未満である場合には、前記警告信号は出力されない。これにより、近距離領域における誤報などを極力回避して、動作の信頼性を高めることが可能となる。
【0014】
あるいは、本発明の防犯センサは、 検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいて、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、前記マイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離の単位時間当たりの変化量を計測し、その変化量が所定量以上であるか否かを判定する距離変化量判定手段と、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合であって、さらに前記距離変化量判定手段が前記変化量を前記所定量以上と判定しているときのみ警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴としてもよい。
【0015】
ここで、前記所定距離は、前記マイクロウエーブセンサによって形成される検知エリアがいずれの方向においても一定幅以上存在するように定める必要がある。
【0016】
このような構成の防犯センサによれば、前記検知対象物体までの距離が前記所定距離未満である場合や、前記検知対象物体までの距離の単位時間当たりの変化量が前記所定量未満である場合には、前記警告信号は出力されない。これにより、近距離領域における誤報などを極力回避して、動作の信頼性を高めることが可能となる。
【0017】
あるいは、本発明の防犯センサは、検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、前記検知エリア内からの赤外線を受け、周囲との温度差に基づいて前記検知エリア内の検知対象物体の有無を示す赤外線検知信号を出力する受動型赤外線センサと、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合は、前記反射波検知信号および前記赤外線検知信号がともに検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離未満であると判定している場合は、前記赤外線検知信号が検知対象物体の存在を示しているときに前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴としてもよい。
【0018】
このような構成の防犯センサによれば、前記検知対象物体までの距離が前記所定距離以上である場合には、前記マイクロウエーブセンサおよび前記受動型赤外線センサがともに検知対象物体を検知しているときのみ前記警告信号を出力することで、より確実な検知を行うことができる。また、前記検知対象物体までの距離が前記所定距離未満である場合にも、前記受動型赤外線センサのみによる検知を行う。これにより、誤報などを極力回避しつつ、マスキングなどの妨害行為に対してもより確実な検知や防止が可能となる。
【0019】
あるいは、本発明の防犯センサは、第1検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第1検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの第1検知エリア内の検知対象物体の有無を示す第1反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力する第1マイクロウエーブセンサと、この第1マイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、前記第1検知エリアよりも近距離側に設定される第2検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第2検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの第2検知エリア内の検知対象物体の有無を示す第2反射波検知信号を出力する第2マイクロウエーブセンサと、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合は、前記第1反射波検知信号が検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記第2反射波検知信号が検知対象物体の存在を示している場合は、前記距離判定手段の判定結果に関わらず前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴としてもよい。
【0020】
このような構成の防犯センサによれば、遠距離用の前記第1マイクロウエーブセンサと近距離用の前記第2マイクロウエーブセンサをそれぞれ適切な設定として組み合わせることにより、誤報などを極力回避しつつ、マスキングなどの妨害行為に対してもより確実な検知や防止が可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の防犯センサによれば、誤報などを極力回避しつつ、マスキングなどの妨害行為に対してもより確実な検知や防止が可能となり、動作の信頼性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る防犯センサ100の回路構成の概略図である。図2は、2周波数タイプのマイクロウエーブセンサ1におけるIF出力信号の波形図であり、(a)が一方のIFout1を示し、(b)が他方のIFout2を示す。図3は、これらのIF出力信号を波形整形して得られる矩形波の波形図であり、(a)が一方の矩形波W1を示し、(b)が他方の矩形波W2を示す。
【0024】
図1に示すように、この防犯センサ100は、RFモジュール2および信号処理部3を有するマイクロウエーブセンサ1と、このマイクロウエーブセンサ1からの出力に基づいて警告信号Dout1の出力を制御する出力制御回路101とを備えている。
【0025】
RFモジュール2は、マイクロ波を発振する発振器21と、この発振器21から発振されるマイクロ波の周波数を切り換えるための変調器22と、発振器21から発振されたマイクロ波を検知エリアに向けて送信する送信アンテナ23と、人体などの物体によって反射されたマイクロ波の反射波を受信する受信アンテナ24と、この受信されたマイクロ波と発振器21の電圧波形とをミキシングして出力するミキサ25とを備えている。つまり、送信アンテナ23から検知エリアに向けて送信されたマイクロ波は、検知エリア内に物体が存在する場合、ドップラー効果によりその物体からの反射波の周波数が変調されて受信アンテナ24に受信される。この受信された反射波はミキサ25によって発振器21の電圧波形とミキシングされた後、RFモジュール2の出力側2aからIF出力信号(IFout0)として信号処理部3に出力されるようになっている。
【0026】
一方、信号処理部3は、送信アンテナ23から送信する各周波数のマイクロ波毎に対応して、IFアンプ34およびコンパレータ36を有する第1出力ラインL1と、IFアンプ35およびコンパレータ37を有する第2出力ラインL2と、コンパレータ36、37の基準電圧となる電源33とを備えている。さらに、RFモジュール2が2種類のマイクロ波を発振するための電源31、32が備えられ、コンパレータ36、37の出力側には距離認識手段41、物体判定手段42が設けられている。なお、これらの各手段については後述する。
【0027】
IFアンプ34、35は、第1スイッチSW1を介してRFモジュール2の出力側2aに接続されている。この第1スイッチSW1は、上記2種類のマイクロ波のうち一方が送信アンテナ23から送信されている場合には第1出力ラインL1に接続し、他方のマイクロ波が送信アンテナ23から送信されている場合には第2出力ラインL2に接続するように切り換えられる。つまり、一方のマイクロ波の送信時に物体によって反射された反射波に係るIF出力信号は第1出力ラインL1に出力され、他方のマイクロ波の送信時にその物体によって反射された反射波に係るIF出力信号は第2出力ラインL2に出力される構成となっている。
【0028】
また、電源31、32は、上記第1スイッチSW1に連動する第2スイッチSW2を介してRFモジュール2の入力側2bに接続されている。この第2スイッチSW2も、2種類のマイクロ波のうちいずれのマイクロ波を送信アンテナ23から送信するかによって、電源31、32に対する接続状態が切り換わるようになっている。つまり、この第2スイッチSW2が一方の電源31に接続している状態と他方の電源32に接続している状態とで、変調器22がマイクロ波の周波数を切り換え、これによって送信アンテナ23から送信されるマイクロ波の周波数が切り換えられる構成となっている。
【0029】
このようにして、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の切り換え動作に伴い、2つの処理動作(第1処理動作および第2処理動作)が所定時間間隔(例えば数msec間隔)をもって切り換えられるようになっている。ここで、第1処理動作とは、一方の周波数のマイクロ波が送信アンテナ23から検知エリアに向けて送信され、その反射波に基づくIF出力信号が信号処理部3の第1出力ラインL1に出力されてこの第1出力ラインL1において信号処理が行われる動作である。第2処理動作とは、他方の周波数のマイクロ波が送信アンテナ23から検知エリアに向けて送信され、その反射波に基づくIF出力信号が信号処理部3の第2出力ラインL2に出力されてこの第2出力ラインL2において信号処理が行われる動作である。そして、第1処理動作では、RFモジュール2から出力されたIF出力信号がIFアンプ34によって増幅され、このIFアンプ34からの出力(IFout1)がコンパレータ36によって矩形波W1に成形された後に距離認識手段41に出力される。同様に、第2処理動作では、RFモジュール2から出力されたIF出力信号がIFアンプ35によって増幅され、このIFアンプ35からの出力(IFout2)がコンパレータ37によって矩形波W2に成形された後に距離認識手段41に出力されるようになっている。
【0030】
なお、検知エリア内に物体が存在していない場合には、送信アンテナ23から送信されたマイクロ波の周波数と受信アンテナ24に受信されたマイクロ波の周波数は等しいため、IFアンプ34、35からの出力信号におけるIF周波数は「0」となり、コンパレータ36、37からは信号が出力されない。これに対し、検知エリア内に物体が存在する場合には、送信アンテナ23から送信されたマイクロ波の周波数に対して、受信アンテナ24に受信されたマイクロ波は変調されて周波数が異なっているため、コンパレータ36、37の出力信号波形には変化が生じ、矩形波W1および矩形波W2が距離認識手段41に出力されるようになっている。
【0031】
距離認識手段41は、コンパレータ36、37からの出力信号波形を受け、これらの出力信号波形に基づいて検知エリア内に存在する物体までの相対距離を求める。つまり、検知エリア内に存在する物体からの各マイクロ波の反射波の位相差に基づいてその物体までの相対距離を計測するよう構成されている。上述したように、2つのIF出力信号(IFout1、IFout2)の位相差は、物体までの距離に相関があり、その物体までの距離が大きいほど位相差も大きくなる傾向がある。したがって、例えば、物体までの距離と位相差の関係のデータを予め記憶させておけば、位相差からそのデータに基づいてその物体までの距離を求めることができる。そして、このようにして求めた距離情報は物体判定手段42へ出力される。
【0032】
距離認識手段41は、さらに、上述のようにして求めた物体までの距離を電圧Vdに変換して出力するように構成されている。ここで、この電圧Vdは、距離が大きくなるほど電圧が高くなるように変換されるものとする。
【0033】
物体判定手段42は、距離認識手段41の出力を受けて、物体までの相対距離の単位時間当たりの変化量を計測してその物体の単位時間当たりの移動距離を求めるとともに、その結果に基づいて人体などの検知対象物体であるか否かの判定を行うように構成されている。すなわち、物体までの相対距離に応じて予め設定されている閾値に比べて上記変化量(物体の移動距離)が小さいときは、その物体は、例えば、風によって揺れている草木などであって人体などの検知対象物体ではないと判定し、物体判定手段42から出力される物体検知信号S1はローレベルとなる。一方、上記変化量が閾値より大きいときは、その物体は検知対象物体であると判定し、物体検知信号S1はハイレベルとなる。
【0034】
また、出力制御回路101は、コンパレータ102、電源103、およびANDゲート104によって構成されている。
【0035】
コンパレータ102の非反転入力端子には、距離認識手段41から出力される電圧Vdが入力するように接続されており、コンパレータ102の反転入力端子には所定の距離d1に対応する基準電圧となる電源103が接続されている。これにより、物体までの距離が距離d1以上であるときは、コンパレータ102からの出力信号S102はハイレベルとなり、物体までの距離が距離d1未満であるときは、出力信号S102はローレベルとなる。
【0036】
ANDゲート104が有する2つの入力端子には、物体検知信号S1および出力信号S102がそれぞれ接続されている。ここで、ANDゲート104の出力形式はオープンドレインあるいはオープンコレクタであるものとする。これにより、物体検知信号S1および出力信号S102がともにハイレベルの場合は、ANDゲート104の警告信号Dout1としての出力がONとなり、それ以外の場合は警告信号Dout1としての出力がオープンとなる。なお、ANDゲート104の出力形式はこれに限るものではなく、例えば、接続先などに応じて出力形式を変更してもよい。
【0037】
以上のような構成によれば、物体までの距離が距離d1以上であるときは出力信号S102がハイレベルとなるので、警告信号Dout1の出力には物体検知信号S1の出力状態がそのまま反映される。一方、物体までの距離が距離d1未満であるときは、出力信号S102がローレベルとなるので、警告信号Dout1の出力は物体検知信号S1の出力状態に関わらずオープンのままとなる。すなわち、物体までの距離が距離d1未満であるときは、マイクロウエーブセンサ1が例え検知対象物体を検知しても警告信号Dout1の出力をONとはしない。このようにすることで、中〜遠距離領域における侵入者検知機能をそのまま確保しつつ、近距離領域における誤報などを極力回避することが可能となる。
【0038】
図4は、本発明の第1実施形態に係る防犯センサ100によって形成される検知エリアA100の概略説明図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【0039】
図4(a)および(b)に示すように、防犯センサ100は、壁面51などにおいて地面50から一定の高さの位置に設置される。その検知エリアA100は、側面視では、設置場所から離れた位置を斜め下に見下ろす方向から設置位置のほぼ直下方向の範囲でほぼ直角三角形状に形成され、平面視では、楕円形に類似した形状に形成される。
【0040】
ただし、上述したように、物体までの距離が距離d1未満であるときは、防犯センサ100が例え検知対象物体を検知しても警告信号Dout1の出力をONとはしないので、防犯センサ100から距離d1の範囲内の近距離エリアA100nでは物体の検知は行わないことになる。したがって、検知エリアA100として実質的に有効な範囲は図中に斜線部で示した部分となる。
【0041】
なお、防犯センサ100から距離d1の範囲内の近距離エリアA100nでは物体の検知を一切行わないようにした場合、防犯センサ100に対するマスキングなどの妨害行為がなされてもそのことを認識できず、失報につながるおそれも想定され得る。しかし、防犯センサ100に対する妨害行為を行うには、その前提として防犯センサ100に外部から接近する必要がある。したがって、侵入者52が検知エリアA100内に侵入した後、近距離エリアA100n内に入る前の段階で検知して警告することが可能であり、妨害行為がなされること自体を防止できるので、妨害行為による失報の問題は通常発生しないと考えられる。
【0042】
ただし、距離d1をあまり大きくして近距離エリアA100nが広がりすぎると、図4(b)では壁面51まで達している検知エリアA100が壁面51まで達しなくなり、侵入者52が壁面51に沿って侵入することを検知できなくなる可能性もあるため、この点に留意して距離d1を適切な値に設定する必要がある。
【0043】
<第2実施形態>
マイクロウエーブセンサに受動型赤外線センサ(PIRセンサ)を組み合わせることにより、中〜遠距離領域ではマイクロウエーブセンサおよび受動型赤外線センサがともに物体を検知したときのみ警告信号を出力するとともに、近距離領域でも受動型赤外線センサが物体を検知したときには警告信号を出力するように構成した防犯センサを第2実施形態として以下に説明する。なお、次に述べる点以外は第1実施形態と同様であるので、同じ構成部材には同じ参照符号を付すこととし、主として相違点について説明する。
【0044】
図5は、本発明の第2実施形態に係る防犯センサ200の回路構成の概略図である。この図に示すように、この防犯センサ200は、上述したマイクロウエーブセンサ1と、検知エリア内からの赤外線を受け、周囲との温度差に基づいて検知対象物体の有無を示す赤外線検知信号S6(検知対象物体が存在するときはハイレベル、存在しないときはローレベル)を出力する受動型赤外線センサ6と、これらのマイクロウエーブセンサ1および受動型赤外線センサ6からの出力に基づいて警告信号Dout2の出力を制御する出力制御回路201とを備えている。
【0045】
この出力制御回路201は、コンパレータ202、電源203、インバータ204、3入力のANDゲート205、2入力のANDゲート206、および2入力のORゲート207によって構成されている。
【0046】
コンパレータ202の非反転入力端子には、マイクロウエーブセンサ1から出力される電圧Vdが入力するように接続されており、コンパレータ202の反転入力端子には所定の距離d1に対応する基準電圧となる電源203が接続されている。これにより、物体までの距離が距離d1以上であるときは、コンパレータ202からの出力信号S202はハイレベルとなり、物体までの距離が距離d1未満であるときは、出力信号S202はローレベルとなる。
【0047】
ANDゲート205が有する3つの入力端子には、マイクロウエーブセンサ1から出力される物体検知信号S1、出力信号S202、および受動型赤外線センサ6から出力される赤外線検知信号S6がそれぞれ接続されている。また、ANDゲート206が有する2つの入力端子には、出力信号S202がインバータ204によって反転された出力信号および受動型赤外線センサ6から出力される赤外線検知信号S6がそれぞれ接続されている。さらに、ORゲート207が有する2つの入力端子には、ANDゲート205の出力信号S205およびANDゲート206の出力信号S206がそれぞれ接続されている。ここで、ORゲート207の出力形式はオープンドレインあるいはオープンコレクタであるものとする。ただし、ORゲート207の出力形式はこれに限るものではなく、例えば、接続先などに応じて出力形式を変更してもよい。
【0048】
このようにすることで、物体までの距離が距離d1以上である場合は、出力信号S202がハイレベルになるとともにインバータ204の出力はローレベルとなる。そのため、ANDゲート205の出力信号S205は、物体検知信号S1および赤外線検知信号S6がともにハイレベルのときのみハイレベルとなり、それ以外のときはローレベルとなる。ANDゲート206の出力信号S206は常にローレベルである。したがって、ORゲート207の警告信号Dout2としての出力には出力信号S205の出力状態がそのまま反映される。
【0049】
一方、物体までの距離が距離d1未満である場合は、出力信号S202がローレベルになるとともにインバータ204の出力はハイレベルとなる。そのため、ANDゲート205の出力信号S205は常にローレベルである。ANDゲート206の出力信号S206には赤外線検知信号S6の出力状態がそのまま反映される。したがって、ORゲート207の警告信号Dout2としての出力には出力信号S206の出力状態がそのまま反映され、これはすなわち、赤外線検知信号S6の出力状態が反映されることに等しい。
【0050】
以上のような第2実施形態の構成によれば、中〜遠距離領域においては、マイクロウエーブセンサ1および受動型赤外線センサ6によるいわゆるAND検知によって検知対象物体をより確実に検知するとともに、近距離領域においては、受動型赤外線センサ6のみによる検知を行うことで、誤報などを極力回避しつつ、マスキングなどの妨害行為に対してもより確実な検知や防止が可能となる。
【0051】
なお、防犯センサ200によって形成される検知エリアは、第1実施形態に係る防犯センサ100の検知エリアA100(図4(a)および(b)参照)とほぼ同様であるが、防犯センサから距離d1の範囲内の近距離エリアA100nにおいても受動型赤外線センサ6による検知が行われる。
【0052】
<第3実施形態>
遠距離用のマイクロウエーブセンサに加えて、近距離用に別のマイクロウエーブセンサを組み合わせて構成した防犯センサを第3実施形態として以下に説明する。なお、次に述べる点以外は第1実施形態と同様であるので、同じ構成部材には同じ参照符号を付すこととし、主として相違点について説明する。
【0053】
図6は、本発明の第3実施形態に係る防犯センサ300の回路構成の概略図である。図7は、この防犯センサ300によって形成される検知エリアの概略説明図(側面図)である。
【0054】
これらの図に示すように、この防犯センサ300は、遠距離用の検知エリアA1aを形成するマイクロウエーブセンサ1aと、この検知エリアA1aよりも防犯センサ300に近い側に検知エリアA1bを形成する近距離用のマイクロウエーブセンサ1bと、これらのマイクロウエーブセンサ1aおよびマイクロウエーブセンサ1bからの出力に基づいて警告信号Dout3の出力を制御する出力制御回路301とを備えている。
【0055】
ここで、マイクロウエーブセンサ1aおよびマイクロウエーブセンサ1bの構成などは第1実施形態で説明したマイクロウエーブセンサ1とほぼ同様である。ただし、図7に示すように、マイクロウエーブセンサ1aによる検知エリアA1aの形成範囲は、設置位置のほぼ直下方向には及ばないように少し制限しておく。物体の検知距離制限の閾値については、第1実施形態で設定した距離d1よりも大きくしてもよい。近距離領域の物体やマスキングなどの妨害行為は近距離用のマイクロウエーブセンサ1bによって確実に検知されるため、専ら誤報発生の防止の観点を考慮すればよいからである。また、マイクロウエーブセンサ1bによる検知エリアA1bは、設置場所に比較的近い位置を斜め下に見下ろす方向から設置位置のほぼ直下方向の範囲とする。さらに、マイクロウエーブセンサ1bでは遠距離の物体を検知する必要はないので、その検知感度は遠距離用の設定よりも低くしておく。なお、マイクロウエーブセンサ1aからの出力信号については、物体検知信号S1aおよび電圧Vdaが使用されるが、マイクロウエーブセンサ1bからの出力信号については、物体検知信号S1bのみが使用される。
【0056】
出力制御回路301は、コンパレータ302、電源303、2入力のANDゲート304、および2入力のORゲート305によって構成されている。
【0057】
コンパレータ302の非反転入力端子には、マイクロウエーブセンサ1aから出力される電圧Vdaが入力するように接続されており、コンパレータ302の反転入力端子には所定の距離d2に対応する基準電圧となる電源203が接続されている。これにより、物体までの距離が距離d2以上であるときは、コンパレータ302からの出力信号S302はハイレベルとなり、物体までの距離が距離d2未満であるときは、出力信号S302はローレベルとなる。
【0058】
ANDゲート304が有する2つの入力端子には、マイクロウエーブセンサ1aから出力される物体検知信号S1aおよび出力信号S302がそれぞれ接続されている。また、ORゲート305が有する2つの入力端子には、ANDゲート304の出力信号S304およびマイクロウエーブセンサ1bから出力される物体検知信号S1bがそれぞれ接続されている。ここで、ORゲート305の出力形式はオープンドレインあるいはオープンコレクタであるものとする。ただし、ORゲート305の出力形式はこれに限るものではなく、例えば、接続先などに応じて出力形式を変更してもよい。
【0059】
このようにすることで、物体までの距離が距離d2以上であるときは出力信号S302がハイレベルとなるので、ANDゲート304の出力信号S304には物体検知信号S1aの出力状態がそのまま反映され、物体検知信号S1aもハイレベルであれば、ORゲート305の警告信号Dout3としての出力がONとなる。また、物体検知信号S1bがハイレベルであれば、物体検知信号S1aや電圧Vdaの出力に関わらず、ORゲート305の警告信号Dout3としての出力がONとなる。
【0060】
防犯センサ300によって形成される検知エリアは、図7に示すように、遠距離用のマイクロウエーブセンサ1aによる検知エリアA1aから防犯センサ300から距離d2の範囲内の近距離エリアA1anを除外した領域と、近距離用のマイクロウエーブセンサ1bによる検知エリアA1bを合わせた領域となる。
【0061】
以上のような第3実施形態の構成によれば、遠距離用のマイクロウエーブセンサと近距離用のマイクロウエーブセンサをそれぞれ適切な設定として組み合わせることにより、誤報などを極力回避しつつ、マスキングなどの妨害行為に対してもより確実な検知や防止が可能となる。
【0062】
<第4実施形態>
第1実施形態のマイクロウエーブセンサ1の一部の回路と出力制御回路101とを機器組込用のワンチップマイコンのソフトウェア処理に置き換えるとともに、さらに上述した「草木対策」を併用するように構成した防犯センサを第4実施形態として以下に説明する。なお、次に述べる点以外は第1実施形態と同様であるので、同じ構成部材には同じ参照符号を付すこととし、主として相違点について説明する。
【0063】
図8は、本発明の第4実施形態に係る防犯センサ400の回路構成の概略図である。この図に示すように、RFモジュール2については第1実施形態と同一であり、信号処理部3についてはIFアンプ34およびIFアンプ35までは第1実施形態と共通している。第1実施形態におけるコンパレータ36およびコンパレータ37以降と出力制御回路101による各種信号処理や演算と同等の機能が、この第4実施形態ではすべてワンチップマイコン401のソフトウェアで実現されている。なお、この防犯センサ400によって形成される検知エリアは、第1実施形態の防犯センサ100による検知エリアA100(図4(a)および(b)参照)と同様となる。
【0064】
ワンチップマイコン401は入力ポート、A/D入力ポート、および出力ポートを有している。IFアンプ34からの出力(IFout1)およびIFアンプ35からの出力(IFout2)はそれぞれA/D入力ポートに接続されている。出力ポートから出力される警告信号Dout4は、検知対象物体が検知されたときにONとなる。
【0065】
また、防犯センサ400は、上述の「草木対策」の実行・非実行を外部から切り換え可能とするため、草木対策スイッチSW3を備えており、この草木対策スイッチSW3がワンチップマイコン401の入力ポートに接続されている。ここで、草木対策スイッチSW3としては、例えば、ディップスイッチやジャンパスイッチなどが挙げられ、防犯センサ400設置時などにカバーを開いて操作できるようにしてもよいが、このような構成に限るものではない。
【0066】
図9は、本発明の第4実施形態に係る防犯センサ400のワンチップマイコン401で行われる概略処理のフローチャートである。
【0067】
この図9に示すように、処理の最初で警告信号Dout4がOFFに初期化される(ステップST101)。次に、IFout1およびIFout2の位相差が検出される(ステップST102)。そして、位相差の有無の判別が行われ(ステップST103)、位相差が検出されれば次のステップST104に進み、そうでなければステップST101に戻る。
【0068】
次に、草木対策スイッチSW3の状態が検出され(ステップST104)、草木対策スイッチSW3がONであれば、「草木対策」を実施するとともに近距離領域での検知対象物体の検知を禁止するためにステップST105へ進む。草木対策スイッチSW3がOFFであれば、「草木対策」や近距離領域での検知対象物体の検知禁止などは行わないため、ステップST109へ進んで警告信号Dout4をONにした後に処理を終了する。
【0069】
草木対策スイッチSW3がONであるときは、検出された位相差を防犯センサ400からの相対距離に変換する演算が行われる(ステップST105)。そして、その演算で求められた相対距離が所定の距離d1と比較され(ステップST106)、距離d1以上のときは次のステップST107に進み、距離d1未満のときは誤報の可能性が高いためステップST101に戻る。
【0070】
相対距離が距離d1以上であるときは、「草木対策」を実施するために相対距離の単位時間当たりの変化量を計測する(ステップST107)。そして、計測された相対距離の単位時間当たりの変化量が所定量以上であるか否かの判別が行われ(ステップST108)、所定量以上のときは次のステップST109に進んで警告信号Dout4をONにした後に処理を終了する。所定量以下だったときは、草木などの影響である可能性が高いため、ステップST101に戻る。
【0071】
以上のような第4実施形態の構成によれば、草木対策スイッチSW3によって「草木対策」を実施するように設定した場合、風によって揺れている草木や回転しているファン等による影響を極力受けないようにすることに加えて、さらに近距離領域の物体を検知対象物体としては検知しないようにできる。これにより、中〜遠距離領域における侵入者検知機能をそのまま確保しつつ、近距離領域における誤報などを極力回避することが可能となり、防犯センサとしての動作の信頼性を一層高めることができる。また、草木対策スイッチSW3の切り替えによってこのような処理を行わないようにすることもできるので、設置場所や状況に合わせて最適な警戒動作を行うことが可能となる。
【0072】
<その他の実施形態>
本発明の適用は、周波数の異なる2種類のマイクロ波を利用して検知対象物体を判定するようにしたマイクロウエーブセンサに限るものではなく、周波数の異なる3種類以上のマイクロ波を利用して検知対象物体を判定するようにしたマイクロウエーブセンサに適用してもよい。第2実施形態では、マイクロウエーブセンサと受動型赤外線センサとを組み合わせたが、検出対象との相対距離を検出するようなタイプのセンサ、例えば、超音波センサなどを代わりに使用することも可能である。
【0073】
また、上述の各マイクロウエーブセンサ内の回路の一部、および各出力制御回路などは、例えば、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などによっても容易に実現することができる。
【0074】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態に係る防犯センサの回路構成の概略図である。
【図2】2周波数タイプのマイクロウエーブセンサにおけるIF出力信号の波形図であり、(a)が一方のIFout1を示し、(b)が他方のIFout2を示す。
【図3】図2のIF出力信号を波形整形して得られる矩形波の波形図であり、(a)が一方の矩形波W1を示し、(b)が他方の矩形波W2を示す。
【図4】本発明の第1実施形態に係る防犯センサによって形成される検知エリアの概略説明図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る防犯センサの回路構成の概略図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る防犯センサの回路構成の概略図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る防犯センサによって形成される検知エリアの概略説明図(側面図)である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る防犯センサの回路構成の概略図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る防犯センサのワンチップマイコンで行われる概略処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 マイクロウエーブセンサ
2 RFモジュール
21 発振器
22 変調器
23 送信アンテナ
24 受信アンテナ
25 ミキサ
3 信号処理部
31 電源
32 電源
33 電源
34 IFアンプ
35 IFアンプ
36 コンパレータ
37 コンパレータ
41 距離認識手段
42 物体判定手段
50 地面
51 壁面
52 侵入者
100 防犯センサ(第1実施形態)
101 出力制御回路
102 コンパレータ
103 電源
104 ANDゲート(2入力)
200 防犯センサ(第2実施形態)
201 出力制御回路
202 コンパレータ
203 電源
204 インバータ
205 ANDゲート(3入力)
206 ANDゲート(2入力)
207 ORゲート(2入力)
300 防犯センサ(第3実施形態)
301 出力制御回路
302 コンパレータ
303 電源
304 ANDゲート(2入力)
305 ORゲート(2入力)
400 防犯センサ(第4実施形態)
401 ワンチップマイコン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、
このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、
この距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合であって、さらに前記反射波検知信号が検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。
【請求項2】
検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいて、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、
このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、
前記マイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離の単位時間当たりの変化量を計測し、その変化量が所定量以上であるか否かを判定する距離変化量判定手段と、
前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合であって、さらに前記距離変化量判定手段が前記変化量を前記所定量以上と判定しているときのみ警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の防犯センサにおいて、
前記所定距離は、前記マイクロウエーブセンサによって形成される検知エリアがいずれの方向においても一定幅以上存在するように定めることを特徴とする防犯センサ。
【請求項4】
検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、
このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、
前記検知エリア内からの赤外線を受け、周囲との温度差に基づいて前記検知エリア内の検知対象物体の有無を示す赤外線検知信号を出力する受動型赤外線センサと、
前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合は、前記反射波検知信号および前記赤外線検知信号がともに検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離未満であると判定している場合は、前記赤外線検知信号が検知対象物体の存在を示しているときに前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。
【請求項5】
第1検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第1検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの第1検知エリア内の検知対象物体の有無を示す第1反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力する第1マイクロウエーブセンサと、
この第1マイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、
前記第1検知エリアよりも近距離側に設定される第2検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第2検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの第2検知エリア内の検知対象物体の有無を示す第2反射波検知信号を出力する第2マイクロウエーブセンサと、
前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合は、前記第1反射波検知信号が検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記第2反射波検知信号が検知対象物体の存在を示している場合は、前記距離判定手段の判定結果に関わらず前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいてこの検知エリア内の検知対象物体の有無を示す反射波検知信号を出力するとともに、その検知対象物体までの距離に対応する検知対象物体距離情報を出力するマイクロウエーブセンサと、
このマイクロウエーブセンサから出力される前記検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定手段と、
前記検知エリア内からの赤外線を受け、周囲との温度差に基づいて前記検知エリア内の検知対象物体の有無を示す赤外線検知信号を出力する受動型赤外線センサと、
前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定している場合は、前記反射波検知信号および前記赤外線検知信号がともに検知対象物体の存在を示しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離未満であると判定している場合は、前記赤外線検知信号が検知対象物体の存在を示しているときに前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。
【請求項2】
設置位置の直下方向を含まないように設定される第1検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第1検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいて、その検知対象物体までの距離に対応する第1検知対象物体距離情報を出力する第1マイクロウエーブセンサと、
この第1マイクロウエーブセンサから出力される前記第1検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離が所定距離以上か否かを判定する第1距離判定手段と、
前記第1マイクロウエーブセンサから出力される前記第1検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離の単位時間当たりの変化量を第1変化量として計測し、その第1変化量が所定量以上であるか否かを判定する第1距離変化量判定手段と、
前記第1検知エリアよりも近距離側に設置位置の直下方向を含むように設定される第2検知エリアに向けて周波数の異なる複数のマイクロ波を送信し、この第2検知エリア内に存在する検知対象物体からの前記マイクロ波それぞれの反射波に基づいて、その検知対象物体までの距離に対応する第2検知対象物体距離情報を出力するとともに、前記第1マイクロウエーブセンサよりも検知感度が低く設定されている第2マイクロウエーブセンサと、
この第2マイクロウエーブセンサから出力される前記第2検知対象物体距離情報に基づいて、前記検知対象物体までの距離の単位時間当たりの変化量を第2変化量として計測し、その第2変化量が所定量以上であるか否かを判定する第2距離変化量判定手段と、
前記第1距離変化量判定手段が前記第1変化量を前記所定量以上であると判定している場合は、前記第1距離判定手段が前記検知対象物体までの距離は前記所定距離以上であると判定しているときのみ警告信号を出力するとともに、前記第2距離変化量判定手段が前記第2変化量を前記所定量以上と判定している場合にも前記警告信号を出力するように制御する警告信号出力制御手段とを備えることを特徴とする防犯センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−292537(P2006−292537A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113326(P2005−113326)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】