防犯防災装置
【課題】不審者等と居住者等とを簡単に識別し、不審者等に対してのみ効果的な警告を行うことにより誤作動を無くした防犯防災装置を提供する。
【解決手段】防犯防災装置10は、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16、識別センサ18、発光ダイオード20、スピーカー22、及び制御回路24とを備える。識別センサ18は携帯端末26から発信される識別信号を受信している場合、制御回路24に携帯端末検知信号を発信する。制御回路24は携帯端末検知信号を受信すると、人感センサ12、煙感センサ14や熱感センサ16の作動を無効にする。又は、発光ダイオード20やスピーカー22の作動を無効にする。
【解決手段】防犯防災装置10は、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16、識別センサ18、発光ダイオード20、スピーカー22、及び制御回路24とを備える。識別センサ18は携帯端末26から発信される識別信号を受信している場合、制御回路24に携帯端末検知信号を発信する。制御回路24は携帯端末検知信号を受信すると、人感センサ12、煙感センサ14や熱感センサ16の作動を無効にする。又は、発光ダイオード20やスピーカー22の作動を無効にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建造物に設置することができる防犯防災装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建造物内に侵入する不審者等を威嚇して防犯を行うための装置や火災の発生を報知するための装置として、人感センサ、煙感センサ、熱感センサ等を備えた防犯防災装置が考案されている(特許文献1)。例えば、特許文献1に示す防犯防災装置では、不審者等が近寄ると人感センサによりそれを検知し、ランプの光やスピーカーからの音により、その不審者等を威嚇する。また、火災発生の際には、火災による煙や熱を煙感センサや熱感センサにより検知し、ランプを点灯させたり、警報を発したりする。
【0003】
【特許文献1】特開平11−31286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される防犯防災装置では、人感センサにより人体の存在を一律に検知するので、人の出入が頻繁に発生する場所、例えば、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)や一般の戸建住宅の玄関先等に設置した場合、不審者等が侵入した場合に限らず、居住者や管理人等が出入する際にも人感センサにより検知されると、居住者や管理人等の警告をする必要がない者(警告非対象者)に対しても光や音による威嚇(警告)が行われてしまうという不都合が生じる。また、火災発生の際においても、居住者や管理人等が火災発生に気付いて消化活動を開始した後に煙感センサや熱感センサにより煙や熱を検知して無駄な警告を発したり、消火活動を行っているときに人感センサがその消火活動に反応して威嚇するような警告を発したりすると、余計な混乱を招くうえ、消火活動に支障が生じるおそれもある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、不審者(侵入者)等の警告対象者と居住者や管理人等の警告非対象者とを簡単に識別し、不審者(侵入者)等に対してのみ、効果的な警告を行うことができる防犯防災装置を提供することを目的とする。また、火災発生時においては、居住者や管理人等がその場に不在のときに、煙や熱を検知して効果的な報知を行う防犯防災装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における人体の存在を検知する人体検知手段と、光を発生させる発光手段と、音を発生させる音発生手段と、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記人体検知手段によって所定距離の範囲内で人体の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させる防犯防災装置において、識別用携帯端末と信号の送受信を行う識別手段を備え、その識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て又はいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における煙の存在を検知する煙検知手段を備え、その煙検知手段よって所定距離の範囲内で煙の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記煙検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における熱を検知する熱検知手段を備え、前記熱検知手段よって所定距離の範囲内で所定温度以上の熱を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記熱検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明に係る防犯防災装置は、撮影手段を備え、常時又は前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記撮影手段によって所定距離の範囲内を撮影することを特徴とするものである。
請求項5記載の発明に係る防犯防災装置は、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記撮影手段の作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明に係る防犯防災装置は、記憶手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは熱検知手段による検知履歴、又は前記撮影手段によって撮影した映像若しくは画像を記憶することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明に係る防犯防災装置は、外部端末と接続する通信手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段又は前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記通信手段によって接続先となる前記外部端末に異常発生を通知することを特徴とするものである。
請求項8記載の発明に係る防犯防災装置は、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記通信手段の作動を無効にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る防犯防災装置によれば、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知しない状態で、所定距離の範囲内(検知範囲)で人体検知手段が人体の存在を検知したときは発光手段と音発生手段によって光と音による警告(威嚇)を行う一方、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では、人体検知手段や発光手段や音発生手段の作動を無効にしているので、所定距離の範囲内に人体が侵入しても上記警告を行わない。即ち、識別用携帯端末の有無によって通行の許可・不許可を自動的に決定しているので、居住者や管理人等は、識別用携帯端末をただ所持しているだけで、不審者等と識別することができ、防犯防災装置の検知範囲内に入った場合でも上記警告を受けることはない。このため、一般の戸建住宅の玄関先は勿論、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)等の人の出入が頻繁にある場所に設置しても、警告対象者(不審者等)と警告非対象者(住居者や管理人等)とを効率良く的確に識別し、不審者等に対してのみ光と音による警告を行うことができるので、誤作動を防止することができ、実用性が格段に向上する。
本発明に係る防犯防災装置によれば、煙検知手段や熱検知手段によって火災発生時の煙や炎の熱を感知して警告を行うことができる。特に、放火や不審火等は、居住者や管理人等がいないときに不審者等が侵入することにより発生する確率が高いが、人体検知手段と連動することにより、好適に対応することができる。この際、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では、人体検知手段や煙検知手段や熱検知手段や発光手段や音発生手段の作動を無効にしているので、居住者や管理人等が火災に気付いた後や消火活動を行っているときの無駄な警告や余計な警告、即ち誤作動を防止することができる。なお、光と音で警告を発するので、この防犯防災装置を消火器と一体化したり、消火器の近隣に設置しておけば、火災発生のパニック時においても、消火器の位置を居住者や管理人等の消化活動に当たろうとする者に効率良く的確に報せることもできる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、常時又は異常発生時(不審者等を検知した際や火災発生時等)にその近辺を撮影することにより、不審者等や火災の情報を確認し易くなる。また、その撮影した映像や画像を記憶しておくことにより、後から何度でも確認できるので、不審者等や火災原因等を特定し易くなると共に、証拠として残すこともできる。また、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では撮影手段の作動を無効にすることにより、識別用携帯端末を所持する居住者や管理人等を撮影しないこととなるので、肖像権やプライバシーを保護することができる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、不審者等の侵入履歴や火災の発生履歴を記憶しておくことができるので、不審者等や火災原因等を特定し易くなると共に、証拠として残すこともできる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、外部に接続されたパソコン、携帯電話、警備会社のシステム、警察や消防等の公的機関のシステム等の外部端末に不審者等の侵入や火災発生を通知するので、異常発生の際により迅速かつ早急な対応を実現することができる。また、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では通信手段の作動を無効にすることにより、誤作動(誤報)により関係各所に迷惑を掛けることもなく、それに伴う無駄な費用を発生させることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づき、本発明に係る防犯防災装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る防犯防災装置及び識別用携帯端末の正面図である。図2は、同防犯防災装置のブロック構成図である。
防犯防災装置10は、人体検知手段である人感センサ12、煙検知手段である煙感センサ14、熱検知手段である熱感センサ16、識別手段である識別センサ18、発光手段である発光ダイオード20、音発生手段であるスピーカー22、及びそれらを制御する制御回路24とを備える。
【0009】
人感センサ12は、温度等で防犯防災装置10に近付く人体を検知するものであり、例えば、人が動くことにより発生する熱量の変化を感知するもの等が用いられるが、他にも超音波、マイクロ波等の信号波を利用して人体を感知するものでも良い。この人感センサ12によって人体の存在を検知すると、人体検知信号が人感センサ12から制御回路24に発信される。なお、検知範囲(検知角度・検知距離)は、その都度任意に調整し設定できるようにしても良い。人感センサ12の検知感度は任意に調整することができ、どの程度の温度変化から認識するようにするか等、その精度を調整することができる。
【0010】
煙感センサ14は、従来から火災警報器等に利用されている煙を感知するセンサであり、例えば、光の乱反射を利用して煙を感知する光電式スポット型センサ等が用いられる。また、熱感センサ16としては、例えば、定温式、差動式、サーミスタ式等の熱を感知するセンサが用いられる。火災が発生した際、この煙感センサ14や熱感センサ16で煙や炎の熱を検知すると、煙検知信号や熱検知信号が煙感センサ14や熱感センサ16から制御回路24に発信される。なお、本実施例では、煙感センサ14と熱感センサ16とを併設しているが、煙感センサ14のみ又は熱感センサ16のみ設置しても構わない。煙感センサ14と熱感センサ16の適性に関しては、一般に火災の初期には熱よりも煙が多く発生する傾向があるので、煙感センサ14の方がより早く火災を発見できるが、タバコの煙や湯気等に反応して誤作動を起こすこともあるので、設置場所により適宜対応することが好ましい。
【0011】
識別センサ18は、識別用携帯端末(以下、携帯端末26)と信号の送受信を行うものである。本実施例では、識別センサ18は、携帯端末26から連続的に発信されている識別信号を常時受信可能な状態で待機しており、検知範囲内において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)すると、携帯端末検知信号が識別センサ18から制御回路24に発信される。このとき、識別センサ18による識別信号の検知範囲は、人感センサ12の検知範囲と同等若しくはそれよりも広くすることが好ましい。
識別センサ18と信号の送受信を行う携帯端末26は、防犯防災装置10とは別途構成されるものであって、例えば、居住者や管理人等が日常的に携帯して移動することが可能なものである。本実施例においては、携帯端末26は、送信部28から識別信号(赤外線等のワイヤレス信号)を連続的に発信していると共に、防犯防災装置10の諸機能を制御する所謂リモコンの役割を果たしており、例えば、停止ボタン30を押すことにより、防犯防災装置10の警告を停止させることができる。なお、携帯端末26は本実施例のようなリモコン機能を有するものに限らず、単なるキーホルダーや財布等に収容できるようなカード等でも良い。
本実施例においては、識別手段として、携帯端末26から発信される識別信号を受信する識別センサ18を用いたが、これに限らず、携帯端末26と信号の送受信を行うものであれば良い。即ち、信号の発信受信の方向は問わない。例えば、本実施例とは逆に識別手段から識別信号を発信し、識別信号受信機能を備えた識別用携帯端末がその識別信号を受信したことを識別手段が確認したときに、検知範囲内に識別用携帯端末の存在を認識する構成としても良い。なお、識別用携帯端末が識別手段から発信された識別信号を受信したか否かを識別手段が確認する方法としては、例えば、識別信号を相手(識別用携帯端末)が受信したときに発信元(識別手段)がそれを認識できるようにしたり、識別信号を受信したときにのみ識別用携帯端末から識別手段に向けて信号を返信するようにすることが考えられる。
【0012】
発光ダイオード20は、不審者等を威嚇する光(警告光)を発生させるものであり、人感センサ12によって所定距離内で人体を検知したときに、制御回路24からの指令により発光(例えば点灯又は点滅)する構成とする。警告光は不審者等を威嚇するためのものであるので、目立つ位置に配置して、例えば赤い光を点滅させる等の威圧的かつ刺激的な光とする方が効果的である。本実施例のように複数配置しても良い。発光ダイオード20は、人感センサ12が所定距離内で人体を検知している間は発光し続けることとし、例えば人体を検知してから30秒経過後に自動的に終了する等、発光している時間を任意に設定することもできる。また、発光パターンを任意に調整できるようにしても良い。例えば、10秒間強い光(明るい光)を発光した後に10秒間弱い光を発光するように設定することもできるし、人感センサ12が所定距離内に人体を検知している間は強い光を発光し、人感センサ12が所定距離内から人体が離れたことを検知したときはその後暫く弱い光を発光するように設定しても良い。なお、発光手段としては、本実施例のような発光ダイオード20の他にも、白熱灯、蛍光灯、散光式警告灯、回転灯等が利用できる。
【0013】
スピーカー22は、不審者等を威嚇するアラーム音(警告音)を発生させるものであり、人感センサ12によって所定距離内で人体を感知したときに、制御回路24からの指令により警告音を所定時間発する構成とする。警告音は、音量(ボリューム)を任意に調整することができると共に、鳴らないよう(OFF)に設定することもできる。警告音は、発行ダイオード20に連動して同時に鳴らすようにしても良いし、警告光より先や後に少しずらして鳴らすようにしても良い。発光ダイオード20から警告光が発光されている間、鳴り続けていても良いし、警告光より先や後に鳴り終わるようにしても良い。また、警告音のパターンは任意に切り換えることができるようにし、発光ダイオード20の発光パターンと連動させて警告音のパターンを変更させることもできる。例えば、強い光を発光しているときは警告音Aとし、弱い光を発光しているときは警告音Bとすることができる。また、スピーカー22は相対的に大きい音と相対的に小さい音等の音量の異なる2種類の音を切り換えて発生させるものとしても良い。例えば、人感センサ12が所定距離内に人体を検知している間はスピーカー22から相対的に大きい音を発生し、人感センサ12が所定距離内から人体が離れたことを検知した場合にスピーカー22から相対的に小さい音を発生することができる。また、スピーカー22を通じて管理人室や外部の警備会社等と通話可能な構成として、管理人や警備会社等の監視者の音声で直接言語による警告等ができるようにしても良い。なお、音発生手段としては、本実施例のようなスピーカーの他にも、ベル、ブザー、サイレン、チャイム等が利用できる。
【0014】
制御回路24は、汎用のマイクロコンピュータ等から構成されるものであり、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16、識別センサ18、発光ダイオード20、スピーカー22等と電気的に接続され、それらの作動を制御したり、それらと各種信号の送受信を行うものである。
【0015】
上記の通り構成された防犯防災装置10の動作の一例を以下に示す。
図3は、防犯防災装置10の動作を説明する簡略図である。なお、ここでは、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置10を設置した場合を想定する。また、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16及び識別センサ18の検知範囲は全て同じ範囲とする。
【0016】
防犯防災装置10は、携帯端末26から連続的に発信されている識別信号を識別センサ18により常時受信可能な状態で待機している。図3(a)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、人体32が人感センサ12の検知範囲Aに侵入すると、人感センサ12はその人体32を検知し、制御回路24に人体検知信号を発信する。制御回路24は、人感センサ12から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、発光ダイオード20に発光指令を発信すると共に、スピーカーに発音指令を発信する。
発光ダイオード20は、制御回路24から発信された発光指令を受信すると、赤色に点滅して警告を行い、その不審者等を威嚇する。また、スピーカー22も、制御回路24から発信された発音指令を受信すると、警告音を発してその不審者等を威嚇する。このとき、光と音により警告を行うので、視覚と聴覚による相乗効果が期待でき、侵入した不審者等に対して与える心理的圧迫感が大きく威嚇効果は絶大である。また、居住者や管理人は勿論、近隣住民等周囲の第三者にとっても、光と音により異常を認識できるので、不審者等に早く気付くことができ、迅速な対応が可能となる。
【0017】
また、火災発生時においても、図3(a)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、火災による煙が煙感センサ14の検知範囲Aに侵入すると、煙感センサ14はその煙を検知し、制御回路24に煙検知信号を発信する。制御回路24は、煙感センサ14から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近で火災が発生したと認識して、発光ダイオード20に発光指令を発信すると共に、スピーカー22に発音指令を発信する。発光ダイオード20は、制御回路24から発信された発光指令を受信すると、赤色に点滅して居住者や管理人等の周囲に火災発生を報知する。また、スピーカー22も、制御回路24から発信された発音指令を受信すると、警告音を発し居住者や管理人等の周囲に火災発生を報知する。なお、火災の原因が失火である場合は、比較的初期の段階で報知できるのでそれだけでも効果は大きいが、この防犯防災装置10は人感センサ12も備えているので、放火である場合は、火を付けようとする不審者等を人感センサ12によっても検知することができ、人感センサ12と煙感センサ14や熱感センサ16により二重にチェックできるうえ、火災(放火)を未然に防止できる確率が格段に向上する。
しかし、このように不審者等の侵入や火災の発生に対して効果が大きいと、誤作動が起こった場合の居住者や管理人や近隣住民等の迷惑や精神的被害は甚大であるという面も有している。
【0018】
一方、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、識別センサ18は制御回路24に携帯端末検知信号を発信する。制御回路24は、識別センサ18から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ12、煙感センサ14及び熱感センサ16に作動停止信号を発信する。人感センサ12は、制御回路24から発信された作動停止信号を受信すると、人体32が人感センサ12の検知範囲Aに侵入した場合でも、その人体32を検知しない。また、煙感センサ14や熱感センサ16も、制御回路24から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ14の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ16の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0019】
その結果、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18が検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲Aに人体32や煙が侵入しても光や音による警告を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、不審者等の警告対象者と識別されて光や音による警告を受けないので、誤作動を防止することができる。また、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、喫煙しながら帰宅したときや火災に気付いた後(例えば、初期消火活動を行っているとき等)に無駄な警告や余計な警告を受けないので、誤作動を防止することができる。このように誤作動を防止することができるので、居住者や管理人のみならず近隣住民等にも迷惑を掛けたり精神的被害を与えることもない。
なお、来客時には、管理人が客(外部の者)に携帯端末26を貸出したり、その都度管理人が防犯防災装置10の設定を無効にして対応すれば良い。これにより、来客はエントランスを通過する際、必ず管理人の許可を得なければいけないシステムになるので、防犯効果の一層の向上も期待できる。
【0020】
また、上記の例では、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18が検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときに、人感センサ12、煙感センサ14及び熱感センサ16の全ての作動を無効にする構成としているが、人感センサ12の作動のみ無効にするというように設定しても良い。例えば、マンションのエントランス部分を禁煙スペースに規定しているような場合にあっては、居住者が喫煙しながら近付いた場合は煙感センサ14に反応して防犯防災装置10による警告が行われ効果的である。また、タバコの場合に限らず、居住者や管理人が近くにいるときであっても、小火や不注意による失火にその場にいる居住者や管理人自身が気付いていない場合も想定され得るが、このような場合にも煙感センサ14や熱感センサ16が煙や熱を検知して警告が行われるので効果的である。
【0021】
また、人感センサ12や煙感センサ14や熱感センサ16の作動を無効にするのではなく、制御回路24から発光ダイオード20やスピーカー22に発光指令や発音指令を発信しないようにすることや、制御回路24から発光ダイオード20やスピーカー22に作動停止信号を発信して発光ダイオード20やスピーカー22を無効にするように設定することも可能である。具体的には、制御回路24は、識別センサ18から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ12から発信された人体検知信号を受信しても発光ダイオード20やスピーカー22に発光指令や発音指令を発信しないか、若しくは、このとき制御回路24から発光ダイオード20とスピーカー22に作動停止信号を発信する。なお、作動停止信号は発光指令や発音指令に優先して発信される構成としておく。
このように、人感センサ12を有効に保ったままで、発光ダイオード20やスピーカー22の方の作動を無効にすることとすれば、発光ダイオード20だけ又はスピーカー22だけというように、どちらか片方の作動は有効にしたまま、他方の作動を無効にするというようなことも可能となる。例えば、発光ダイオード20の発光パターンや光の種類を威嚇用と照明用(送迎用)とに使い分けるようにすれば、居住者の帰宅時等に発光ダイオード20の光で出迎えるというような利用法も可能となる。
【0022】
次に本発明係る防犯防災装置の他の実施形態について説明する。
この第二の実施形態に係る防犯防災装置110は、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10の変形例であり、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10の構成に加え、撮影手段である撮影装置134と記憶手段である記憶装置136とを備えたものであり、図4にそのブロック構成図を示す。
【0023】
撮影装置134は、汎用のビデオカメラ等が用いられる。撮影装置134は、常時作動する構成としても良いし、人感センサ112によって人体を検知したときや、煙感センサ114や熱感センサ116によって煙や熱を検知したときに限定して作動する構成としても良い。撮影装置134は、取得した映像又は画像を処理及び伝送する機能を備えていることが好ましい。
記憶装置136は、汎用のハードディスク、フラッシュメモリ等から成り、撮影装置134によって取得した映像又は画像を保存しておくことができるものである。また、人感センサ112や煙感センサ114や熱感センサ116による検知履歴を保存しておくこともできる。記憶装置136は、常時作動する構成としても良いし、人感センサ112によって人体を検知したときや煙検知センサ114によって煙を検知したときに限定して作動する構成としても良いが、いずれにしても、撮影装置134に連動して作動させることが好ましい。
【0024】
次に、この第二の実施形態に係る防犯防災装置110の動作の一例を以下に示す。なお、ここでは、第一の実施形態と同様、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置110を設置した場合を想定する。
【0025】
識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、制御回路124は、人感センサ112から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、撮影装置134に撮影指令を発信すると共に、記憶装置136に記憶指令を発信する。撮影装置134は、制御回路124から発信された撮影指令を受信すると、防犯防災装置110の周囲の撮影を開始する。また、記憶装置136も、制御回路124から発信された記憶指令を受信すると、撮影装置134によって撮影された映像又は画像を記憶する。
【0026】
また、火災発生時においても、識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、制御回路124は、煙感センサ114から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近で火災が発生したと認識して、撮影装置134に撮影指令を発信すると共に、記憶装置136に記憶指令を発信する。撮影装置134は、制御回路124から発信された撮影指令を受信すると、防犯防災装置110の周囲の撮影を開始する。また、記憶装置136も、制御回路124から発信された記憶指令を受信すると、撮影装置134によって撮影された映像又は画像を記憶する。
このように、不審者等が侵入した場合や火災が発生した場合等の異常発生時に、防犯防災装置110の周囲を撮影し、かつ、その撮影した映像又は画像を記憶して保存しておくことにより、後から何度でも確認できるので、不審者等や火災の発生原因を特定し易くなると共に、証拠として残しておくことができる。
【0027】
一方、識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、制御回路124は、識別センサ118から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ112、煙感センサ114及び熱感センサ116に作動停止信号を発信する。人感センサ112は、制御回路124から発信された作動停止信号を受信すると、人体が人感センサ112の検知範囲に侵入した場合でも、その人体を検知しない。また、煙感センサ114や熱感センサ116も、制御回路124から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ114の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ116の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0028】
その結果、識別センサ118が検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲に人体や煙が侵入しても撮影や記憶を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、
不審者等の警告対象者と識別されて撮影されないことになるので、居住者等の肖像権やプライバシーを保護することができる。なお、このとき、人感センサ112の作動のみ無効とすれば、居住者等であっても喫煙しながら近付いた場合は火災の原因になり得る可能性があるので、煙感センサ114で検知して撮影をしておく等の柔軟な対応もできる。
【0029】
また、人感センサ112や煙感センサ114や熱感センサ116の作動を無効にするのではなく、制御回路124から撮影装置134や記憶装置136に撮影指令や記憶指令を発信しないようにすることや、制御回路124から撮影装置134と記憶装置136に作動停止信号を発信して撮影装置134や記憶装置136を無効にするように設定することも可能である。
なお、その他の動作は上述の第一の実施形態に係る防犯防災装置10と概ね同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】
さらに、本発明係る防犯防災装置の他の実施形態について説明する。
この第三の実施形態に係る防犯防災装置210は、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10や第二の実施形態に係る防犯防災装置110の変形例であり、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10や上記第二の実施形態に係る防犯防災装置110の構成に加え、通信手段である通信部238とを備えたものであり、図5にそのブロック構成図を示す。
【0031】
通信部238とは、ここでは、パソコン等の外部端末240に接続するためのゲート及び外部端末240への通信を制御する機能を有するマイコン等を示し、有線又は無線の回線(電話回線やインターネット回線等)を介して外部端末240と接続されている。また、通信部238と接続される外部端末240としては、具体的には、居住者等が各自の部屋や勤務先等で所有するパソコン、居住者等の携帯電話、契約している警備会社のシステム、警察や消防等の公的機関のシステム等が想定される。
【0032】
次に、この第三の実施形態に係る防犯防災装置210の動作の一例を以下に示す。なお、ここでは、第一の実施形態と同様、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置210を設置した場合を想定する。
【0033】
識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、制御回路224は、人感センサ212から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、通信部238に通信指令を発信する。通信部238は、制御回路224から発信された通信指令を受信すると、接続先の外部端末240に向けて異常発生(不審者等侵入)を通知する。
【0034】
また、火災発生時においても、識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、制御回路224は、煙感センサ214から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近で火災が発生したと認識して、通信部238に通信指令を発信する。通信部238は、制御回路224から発信された通信指令を受信すると、接続先の外部端末240に向けて異常発生(火災発生)を通知する。
このように、不審者等が侵入した場合や火災が発生した場合等の異常発生時に、防犯防災装置210から接続先の外部端末240に向けて不審者等の侵入や火災発生を通知することにより、異常発生の際に迅速かつ早急な対応が可能となる。なお、このとき、撮影装置234によって映像又は画像を撮影しているときは、その映像又は画像も外部端末240に送信することもできる。
【0035】
一方、識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、制御回路224は、識別センサ218から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ212、煙感センサ214及び熱感センサ216に作動停止信号を発信する。人感センサ212は、制御回路224から発信された作動停止信号を受信すると、人体が人感センサ212の検知範囲に侵入した場合でも、その人体を検知しない。また、煙感センサ214や熱感センサ216も、制御回路224から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ214の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ216の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0036】
その結果、識別センサ218が検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲に人体や煙が侵入しても異常発生の通知を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、不審者等の警告対象者と識別されるので、誤作動(誤報)により接続先の関係各所に迷惑を掛けることもなく、それに伴う無駄な費用も発生しない。
【0037】
また、人感センサ212や煙感センサ214や熱感センサ216の作動を無効にするのではなく、制御回路224から通信部238に通信指令を発信しないようにすることや、制御回路224から通信部238に作動停止信号を発信して通信部238を無効にするように設定することも可能である。
なお、その他の動作は上述の第一の実施形態に係る防犯防災装置10と概ね同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る防犯防災装置は、不審者等の警告対象者と居住者や管理人等の警告非対象者とを識別用携帯端末の有無により自動的に識別するので、簡単に誤作動を無くすことができる。このため、一般の戸建住宅の玄関先は勿論、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)等の人の出入が頻繁にある場所にも設置することが可能となる。また、本発明に係る防犯防災装置は、火災発生の際にも居住者や管理人等の存在の有無を考慮して警告を行うので、誤作動を無くすことができる。
これらの事情から、本発明に係る防犯防災装置は、建設会社や住宅メーカーが、マンション・ビル等の大型建造物や一般の戸建住宅を建築、販売する際のオプションとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る防犯防災装置及び識別用携帯端末の正面図である。
【図2】本発明に係る防犯防災装置のブロック構成図である。
【図3】本発明に係る防犯防災装置の動作を説明する簡略図である。
【図4】本発明に係る防犯防災装置の第二の実施形態を示すブロック構成図である。
【図5】本発明に係る防犯防災装置の第三の実施形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0040】
10 防犯防災装置
12 人感センサ
14 煙感センサ
16 熱感センサ
18 識別センサ
20 発光ダイオード
22 スピーカー
24 制御回路
26 携帯端末
32 人体
134 撮影装置
136 記憶装置
238 通信部
240 外部端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建造物に設置することができる防犯防災装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建造物内に侵入する不審者等を威嚇して防犯を行うための装置や火災の発生を報知するための装置として、人感センサ、煙感センサ、熱感センサ等を備えた防犯防災装置が考案されている(特許文献1)。例えば、特許文献1に示す防犯防災装置では、不審者等が近寄ると人感センサによりそれを検知し、ランプの光やスピーカーからの音により、その不審者等を威嚇する。また、火災発生の際には、火災による煙や熱を煙感センサや熱感センサにより検知し、ランプを点灯させたり、警報を発したりする。
【0003】
【特許文献1】特開平11−31286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される防犯防災装置では、人感センサにより人体の存在を一律に検知するので、人の出入が頻繁に発生する場所、例えば、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)や一般の戸建住宅の玄関先等に設置した場合、不審者等が侵入した場合に限らず、居住者や管理人等が出入する際にも人感センサにより検知されると、居住者や管理人等の警告をする必要がない者(警告非対象者)に対しても光や音による威嚇(警告)が行われてしまうという不都合が生じる。また、火災発生の際においても、居住者や管理人等が火災発生に気付いて消化活動を開始した後に煙感センサや熱感センサにより煙や熱を検知して無駄な警告を発したり、消火活動を行っているときに人感センサがその消火活動に反応して威嚇するような警告を発したりすると、余計な混乱を招くうえ、消火活動に支障が生じるおそれもある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、不審者(侵入者)等の警告対象者と居住者や管理人等の警告非対象者とを簡単に識別し、不審者(侵入者)等に対してのみ、効果的な警告を行うことができる防犯防災装置を提供することを目的とする。また、火災発生時においては、居住者や管理人等がその場に不在のときに、煙や熱を検知して効果的な報知を行う防犯防災装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における人体の存在を検知する人体検知手段と、光を発生させる発光手段と、音を発生させる音発生手段と、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記人体検知手段によって所定距離の範囲内で人体の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させる防犯防災装置において、識別用携帯端末と信号の送受信を行う識別手段を備え、その識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て又はいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における煙の存在を検知する煙検知手段を備え、その煙検知手段よって所定距離の範囲内で煙の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記煙検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明に係る防犯防災装置は、所定距離の範囲内における熱を検知する熱検知手段を備え、前記熱検知手段よって所定距離の範囲内で所定温度以上の熱を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記熱検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明に係る防犯防災装置は、撮影手段を備え、常時又は前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記撮影手段によって所定距離の範囲内を撮影することを特徴とするものである。
請求項5記載の発明に係る防犯防災装置は、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記撮影手段の作動を無効にすることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明に係る防犯防災装置は、記憶手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは熱検知手段による検知履歴、又は前記撮影手段によって撮影した映像若しくは画像を記憶することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明に係る防犯防災装置は、外部端末と接続する通信手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段又は前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記通信手段によって接続先となる前記外部端末に異常発生を通知することを特徴とするものである。
請求項8記載の発明に係る防犯防災装置は、前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記通信手段の作動を無効にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る防犯防災装置によれば、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知しない状態で、所定距離の範囲内(検知範囲)で人体検知手段が人体の存在を検知したときは発光手段と音発生手段によって光と音による警告(威嚇)を行う一方、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では、人体検知手段や発光手段や音発生手段の作動を無効にしているので、所定距離の範囲内に人体が侵入しても上記警告を行わない。即ち、識別用携帯端末の有無によって通行の許可・不許可を自動的に決定しているので、居住者や管理人等は、識別用携帯端末をただ所持しているだけで、不審者等と識別することができ、防犯防災装置の検知範囲内に入った場合でも上記警告を受けることはない。このため、一般の戸建住宅の玄関先は勿論、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)等の人の出入が頻繁にある場所に設置しても、警告対象者(不審者等)と警告非対象者(住居者や管理人等)とを効率良く的確に識別し、不審者等に対してのみ光と音による警告を行うことができるので、誤作動を防止することができ、実用性が格段に向上する。
本発明に係る防犯防災装置によれば、煙検知手段や熱検知手段によって火災発生時の煙や炎の熱を感知して警告を行うことができる。特に、放火や不審火等は、居住者や管理人等がいないときに不審者等が侵入することにより発生する確率が高いが、人体検知手段と連動することにより、好適に対応することができる。この際、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では、人体検知手段や煙検知手段や熱検知手段や発光手段や音発生手段の作動を無効にしているので、居住者や管理人等が火災に気付いた後や消火活動を行っているときの無駄な警告や余計な警告、即ち誤作動を防止することができる。なお、光と音で警告を発するので、この防犯防災装置を消火器と一体化したり、消火器の近隣に設置しておけば、火災発生のパニック時においても、消火器の位置を居住者や管理人等の消化活動に当たろうとする者に効率良く的確に報せることもできる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、常時又は異常発生時(不審者等を検知した際や火災発生時等)にその近辺を撮影することにより、不審者等や火災の情報を確認し易くなる。また、その撮影した映像や画像を記憶しておくことにより、後から何度でも確認できるので、不審者等や火災原因等を特定し易くなると共に、証拠として残すこともできる。また、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では撮影手段の作動を無効にすることにより、識別用携帯端末を所持する居住者や管理人等を撮影しないこととなるので、肖像権やプライバシーを保護することができる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、不審者等の侵入履歴や火災の発生履歴を記憶しておくことができるので、不審者等や火災原因等を特定し易くなると共に、証拠として残すこともできる。
本発明に係る防犯防災装置によれば、外部に接続されたパソコン、携帯電話、警備会社のシステム、警察や消防等の公的機関のシステム等の外部端末に不審者等の侵入や火災発生を通知するので、異常発生の際により迅速かつ早急な対応を実現することができる。また、識別手段によって識別用携帯端末の存在を検知した状態では通信手段の作動を無効にすることにより、誤作動(誤報)により関係各所に迷惑を掛けることもなく、それに伴う無駄な費用を発生させることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づき、本発明に係る防犯防災装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る防犯防災装置及び識別用携帯端末の正面図である。図2は、同防犯防災装置のブロック構成図である。
防犯防災装置10は、人体検知手段である人感センサ12、煙検知手段である煙感センサ14、熱検知手段である熱感センサ16、識別手段である識別センサ18、発光手段である発光ダイオード20、音発生手段であるスピーカー22、及びそれらを制御する制御回路24とを備える。
【0009】
人感センサ12は、温度等で防犯防災装置10に近付く人体を検知するものであり、例えば、人が動くことにより発生する熱量の変化を感知するもの等が用いられるが、他にも超音波、マイクロ波等の信号波を利用して人体を感知するものでも良い。この人感センサ12によって人体の存在を検知すると、人体検知信号が人感センサ12から制御回路24に発信される。なお、検知範囲(検知角度・検知距離)は、その都度任意に調整し設定できるようにしても良い。人感センサ12の検知感度は任意に調整することができ、どの程度の温度変化から認識するようにするか等、その精度を調整することができる。
【0010】
煙感センサ14は、従来から火災警報器等に利用されている煙を感知するセンサであり、例えば、光の乱反射を利用して煙を感知する光電式スポット型センサ等が用いられる。また、熱感センサ16としては、例えば、定温式、差動式、サーミスタ式等の熱を感知するセンサが用いられる。火災が発生した際、この煙感センサ14や熱感センサ16で煙や炎の熱を検知すると、煙検知信号や熱検知信号が煙感センサ14や熱感センサ16から制御回路24に発信される。なお、本実施例では、煙感センサ14と熱感センサ16とを併設しているが、煙感センサ14のみ又は熱感センサ16のみ設置しても構わない。煙感センサ14と熱感センサ16の適性に関しては、一般に火災の初期には熱よりも煙が多く発生する傾向があるので、煙感センサ14の方がより早く火災を発見できるが、タバコの煙や湯気等に反応して誤作動を起こすこともあるので、設置場所により適宜対応することが好ましい。
【0011】
識別センサ18は、識別用携帯端末(以下、携帯端末26)と信号の送受信を行うものである。本実施例では、識別センサ18は、携帯端末26から連続的に発信されている識別信号を常時受信可能な状態で待機しており、検知範囲内において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)すると、携帯端末検知信号が識別センサ18から制御回路24に発信される。このとき、識別センサ18による識別信号の検知範囲は、人感センサ12の検知範囲と同等若しくはそれよりも広くすることが好ましい。
識別センサ18と信号の送受信を行う携帯端末26は、防犯防災装置10とは別途構成されるものであって、例えば、居住者や管理人等が日常的に携帯して移動することが可能なものである。本実施例においては、携帯端末26は、送信部28から識別信号(赤外線等のワイヤレス信号)を連続的に発信していると共に、防犯防災装置10の諸機能を制御する所謂リモコンの役割を果たしており、例えば、停止ボタン30を押すことにより、防犯防災装置10の警告を停止させることができる。なお、携帯端末26は本実施例のようなリモコン機能を有するものに限らず、単なるキーホルダーや財布等に収容できるようなカード等でも良い。
本実施例においては、識別手段として、携帯端末26から発信される識別信号を受信する識別センサ18を用いたが、これに限らず、携帯端末26と信号の送受信を行うものであれば良い。即ち、信号の発信受信の方向は問わない。例えば、本実施例とは逆に識別手段から識別信号を発信し、識別信号受信機能を備えた識別用携帯端末がその識別信号を受信したことを識別手段が確認したときに、検知範囲内に識別用携帯端末の存在を認識する構成としても良い。なお、識別用携帯端末が識別手段から発信された識別信号を受信したか否かを識別手段が確認する方法としては、例えば、識別信号を相手(識別用携帯端末)が受信したときに発信元(識別手段)がそれを認識できるようにしたり、識別信号を受信したときにのみ識別用携帯端末から識別手段に向けて信号を返信するようにすることが考えられる。
【0012】
発光ダイオード20は、不審者等を威嚇する光(警告光)を発生させるものであり、人感センサ12によって所定距離内で人体を検知したときに、制御回路24からの指令により発光(例えば点灯又は点滅)する構成とする。警告光は不審者等を威嚇するためのものであるので、目立つ位置に配置して、例えば赤い光を点滅させる等の威圧的かつ刺激的な光とする方が効果的である。本実施例のように複数配置しても良い。発光ダイオード20は、人感センサ12が所定距離内で人体を検知している間は発光し続けることとし、例えば人体を検知してから30秒経過後に自動的に終了する等、発光している時間を任意に設定することもできる。また、発光パターンを任意に調整できるようにしても良い。例えば、10秒間強い光(明るい光)を発光した後に10秒間弱い光を発光するように設定することもできるし、人感センサ12が所定距離内に人体を検知している間は強い光を発光し、人感センサ12が所定距離内から人体が離れたことを検知したときはその後暫く弱い光を発光するように設定しても良い。なお、発光手段としては、本実施例のような発光ダイオード20の他にも、白熱灯、蛍光灯、散光式警告灯、回転灯等が利用できる。
【0013】
スピーカー22は、不審者等を威嚇するアラーム音(警告音)を発生させるものであり、人感センサ12によって所定距離内で人体を感知したときに、制御回路24からの指令により警告音を所定時間発する構成とする。警告音は、音量(ボリューム)を任意に調整することができると共に、鳴らないよう(OFF)に設定することもできる。警告音は、発行ダイオード20に連動して同時に鳴らすようにしても良いし、警告光より先や後に少しずらして鳴らすようにしても良い。発光ダイオード20から警告光が発光されている間、鳴り続けていても良いし、警告光より先や後に鳴り終わるようにしても良い。また、警告音のパターンは任意に切り換えることができるようにし、発光ダイオード20の発光パターンと連動させて警告音のパターンを変更させることもできる。例えば、強い光を発光しているときは警告音Aとし、弱い光を発光しているときは警告音Bとすることができる。また、スピーカー22は相対的に大きい音と相対的に小さい音等の音量の異なる2種類の音を切り換えて発生させるものとしても良い。例えば、人感センサ12が所定距離内に人体を検知している間はスピーカー22から相対的に大きい音を発生し、人感センサ12が所定距離内から人体が離れたことを検知した場合にスピーカー22から相対的に小さい音を発生することができる。また、スピーカー22を通じて管理人室や外部の警備会社等と通話可能な構成として、管理人や警備会社等の監視者の音声で直接言語による警告等ができるようにしても良い。なお、音発生手段としては、本実施例のようなスピーカーの他にも、ベル、ブザー、サイレン、チャイム等が利用できる。
【0014】
制御回路24は、汎用のマイクロコンピュータ等から構成されるものであり、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16、識別センサ18、発光ダイオード20、スピーカー22等と電気的に接続され、それらの作動を制御したり、それらと各種信号の送受信を行うものである。
【0015】
上記の通り構成された防犯防災装置10の動作の一例を以下に示す。
図3は、防犯防災装置10の動作を説明する簡略図である。なお、ここでは、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置10を設置した場合を想定する。また、人感センサ12、煙感センサ14、熱感センサ16及び識別センサ18の検知範囲は全て同じ範囲とする。
【0016】
防犯防災装置10は、携帯端末26から連続的に発信されている識別信号を識別センサ18により常時受信可能な状態で待機している。図3(a)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、人体32が人感センサ12の検知範囲Aに侵入すると、人感センサ12はその人体32を検知し、制御回路24に人体検知信号を発信する。制御回路24は、人感センサ12から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、発光ダイオード20に発光指令を発信すると共に、スピーカーに発音指令を発信する。
発光ダイオード20は、制御回路24から発信された発光指令を受信すると、赤色に点滅して警告を行い、その不審者等を威嚇する。また、スピーカー22も、制御回路24から発信された発音指令を受信すると、警告音を発してその不審者等を威嚇する。このとき、光と音により警告を行うので、視覚と聴覚による相乗効果が期待でき、侵入した不審者等に対して与える心理的圧迫感が大きく威嚇効果は絶大である。また、居住者や管理人は勿論、近隣住民等周囲の第三者にとっても、光と音により異常を認識できるので、不審者等に早く気付くことができ、迅速な対応が可能となる。
【0017】
また、火災発生時においても、図3(a)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、火災による煙が煙感センサ14の検知範囲Aに侵入すると、煙感センサ14はその煙を検知し、制御回路24に煙検知信号を発信する。制御回路24は、煙感センサ14から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近で火災が発生したと認識して、発光ダイオード20に発光指令を発信すると共に、スピーカー22に発音指令を発信する。発光ダイオード20は、制御回路24から発信された発光指令を受信すると、赤色に点滅して居住者や管理人等の周囲に火災発生を報知する。また、スピーカー22も、制御回路24から発信された発音指令を受信すると、警告音を発し居住者や管理人等の周囲に火災発生を報知する。なお、火災の原因が失火である場合は、比較的初期の段階で報知できるのでそれだけでも効果は大きいが、この防犯防災装置10は人感センサ12も備えているので、放火である場合は、火を付けようとする不審者等を人感センサ12によっても検知することができ、人感センサ12と煙感センサ14や熱感センサ16により二重にチェックできるうえ、火災(放火)を未然に防止できる確率が格段に向上する。
しかし、このように不審者等の侵入や火災の発生に対して効果が大きいと、誤作動が起こった場合の居住者や管理人や近隣住民等の迷惑や精神的被害は甚大であるという面も有している。
【0018】
一方、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18の検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、識別センサ18は制御回路24に携帯端末検知信号を発信する。制御回路24は、識別センサ18から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ12、煙感センサ14及び熱感センサ16に作動停止信号を発信する。人感センサ12は、制御回路24から発信された作動停止信号を受信すると、人体32が人感センサ12の検知範囲Aに侵入した場合でも、その人体32を検知しない。また、煙感センサ14や熱感センサ16も、制御回路24から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ14の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ16の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0019】
その結果、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18が検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲Aに人体32や煙が侵入しても光や音による警告を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、不審者等の警告対象者と識別されて光や音による警告を受けないので、誤作動を防止することができる。また、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、喫煙しながら帰宅したときや火災に気付いた後(例えば、初期消火活動を行っているとき等)に無駄な警告や余計な警告を受けないので、誤作動を防止することができる。このように誤作動を防止することができるので、居住者や管理人のみならず近隣住民等にも迷惑を掛けたり精神的被害を与えることもない。
なお、来客時には、管理人が客(外部の者)に携帯端末26を貸出したり、その都度管理人が防犯防災装置10の設定を無効にして対応すれば良い。これにより、来客はエントランスを通過する際、必ず管理人の許可を得なければいけないシステムになるので、防犯効果の一層の向上も期待できる。
【0020】
また、上記の例では、図3(b)に示す状態、即ち、識別センサ18が検知範囲Aにおいて携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときに、人感センサ12、煙感センサ14及び熱感センサ16の全ての作動を無効にする構成としているが、人感センサ12の作動のみ無効にするというように設定しても良い。例えば、マンションのエントランス部分を禁煙スペースに規定しているような場合にあっては、居住者が喫煙しながら近付いた場合は煙感センサ14に反応して防犯防災装置10による警告が行われ効果的である。また、タバコの場合に限らず、居住者や管理人が近くにいるときであっても、小火や不注意による失火にその場にいる居住者や管理人自身が気付いていない場合も想定され得るが、このような場合にも煙感センサ14や熱感センサ16が煙や熱を検知して警告が行われるので効果的である。
【0021】
また、人感センサ12や煙感センサ14や熱感センサ16の作動を無効にするのではなく、制御回路24から発光ダイオード20やスピーカー22に発光指令や発音指令を発信しないようにすることや、制御回路24から発光ダイオード20やスピーカー22に作動停止信号を発信して発光ダイオード20やスピーカー22を無効にするように設定することも可能である。具体的には、制御回路24は、識別センサ18から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置10の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ12から発信された人体検知信号を受信しても発光ダイオード20やスピーカー22に発光指令や発音指令を発信しないか、若しくは、このとき制御回路24から発光ダイオード20とスピーカー22に作動停止信号を発信する。なお、作動停止信号は発光指令や発音指令に優先して発信される構成としておく。
このように、人感センサ12を有効に保ったままで、発光ダイオード20やスピーカー22の方の作動を無効にすることとすれば、発光ダイオード20だけ又はスピーカー22だけというように、どちらか片方の作動は有効にしたまま、他方の作動を無効にするというようなことも可能となる。例えば、発光ダイオード20の発光パターンや光の種類を威嚇用と照明用(送迎用)とに使い分けるようにすれば、居住者の帰宅時等に発光ダイオード20の光で出迎えるというような利用法も可能となる。
【0022】
次に本発明係る防犯防災装置の他の実施形態について説明する。
この第二の実施形態に係る防犯防災装置110は、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10の変形例であり、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10の構成に加え、撮影手段である撮影装置134と記憶手段である記憶装置136とを備えたものであり、図4にそのブロック構成図を示す。
【0023】
撮影装置134は、汎用のビデオカメラ等が用いられる。撮影装置134は、常時作動する構成としても良いし、人感センサ112によって人体を検知したときや、煙感センサ114や熱感センサ116によって煙や熱を検知したときに限定して作動する構成としても良い。撮影装置134は、取得した映像又は画像を処理及び伝送する機能を備えていることが好ましい。
記憶装置136は、汎用のハードディスク、フラッシュメモリ等から成り、撮影装置134によって取得した映像又は画像を保存しておくことができるものである。また、人感センサ112や煙感センサ114や熱感センサ116による検知履歴を保存しておくこともできる。記憶装置136は、常時作動する構成としても良いし、人感センサ112によって人体を検知したときや煙検知センサ114によって煙を検知したときに限定して作動する構成としても良いが、いずれにしても、撮影装置134に連動して作動させることが好ましい。
【0024】
次に、この第二の実施形態に係る防犯防災装置110の動作の一例を以下に示す。なお、ここでは、第一の実施形態と同様、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置110を設置した場合を想定する。
【0025】
識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、制御回路124は、人感センサ112から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、撮影装置134に撮影指令を発信すると共に、記憶装置136に記憶指令を発信する。撮影装置134は、制御回路124から発信された撮影指令を受信すると、防犯防災装置110の周囲の撮影を開始する。また、記憶装置136も、制御回路124から発信された記憶指令を受信すると、撮影装置134によって撮影された映像又は画像を記憶する。
【0026】
また、火災発生時においても、識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、制御回路124は、煙感センサ114から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近で火災が発生したと認識して、撮影装置134に撮影指令を発信すると共に、記憶装置136に記憶指令を発信する。撮影装置134は、制御回路124から発信された撮影指令を受信すると、防犯防災装置110の周囲の撮影を開始する。また、記憶装置136も、制御回路124から発信された記憶指令を受信すると、撮影装置134によって撮影された映像又は画像を記憶する。
このように、不審者等が侵入した場合や火災が発生した場合等の異常発生時に、防犯防災装置110の周囲を撮影し、かつ、その撮影した映像又は画像を記憶して保存しておくことにより、後から何度でも確認できるので、不審者等や火災の発生原因を特定し易くなると共に、証拠として残しておくことができる。
【0027】
一方、識別センサ118の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、制御回路124は、識別センサ118から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置110の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ112、煙感センサ114及び熱感センサ116に作動停止信号を発信する。人感センサ112は、制御回路124から発信された作動停止信号を受信すると、人体が人感センサ112の検知範囲に侵入した場合でも、その人体を検知しない。また、煙感センサ114や熱感センサ116も、制御回路124から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ114の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ116の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0028】
その結果、識別センサ118が検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲に人体や煙が侵入しても撮影や記憶を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、
不審者等の警告対象者と識別されて撮影されないことになるので、居住者等の肖像権やプライバシーを保護することができる。なお、このとき、人感センサ112の作動のみ無効とすれば、居住者等であっても喫煙しながら近付いた場合は火災の原因になり得る可能性があるので、煙感センサ114で検知して撮影をしておく等の柔軟な対応もできる。
【0029】
また、人感センサ112や煙感センサ114や熱感センサ116の作動を無効にするのではなく、制御回路124から撮影装置134や記憶装置136に撮影指令や記憶指令を発信しないようにすることや、制御回路124から撮影装置134と記憶装置136に作動停止信号を発信して撮影装置134や記憶装置136を無効にするように設定することも可能である。
なお、その他の動作は上述の第一の実施形態に係る防犯防災装置10と概ね同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】
さらに、本発明係る防犯防災装置の他の実施形態について説明する。
この第三の実施形態に係る防犯防災装置210は、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10や第二の実施形態に係る防犯防災装置110の変形例であり、上記第一の実施形態に係る防犯防災装置10や上記第二の実施形態に係る防犯防災装置110の構成に加え、通信手段である通信部238とを備えたものであり、図5にそのブロック構成図を示す。
【0031】
通信部238とは、ここでは、パソコン等の外部端末240に接続するためのゲート及び外部端末240への通信を制御する機能を有するマイコン等を示し、有線又は無線の回線(電話回線やインターネット回線等)を介して外部端末240と接続されている。また、通信部238と接続される外部端末240としては、具体的には、居住者等が各自の部屋や勤務先等で所有するパソコン、居住者等の携帯電話、契約している警備会社のシステム、警察や消防等の公的機関のシステム等が想定される。
【0032】
次に、この第三の実施形態に係る防犯防災装置210の動作の一例を以下に示す。なお、ここでは、第一の実施形態と同様、マンションのエントランス(集合玄関)に防犯防災装置210を設置した場合を想定する。
【0033】
識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)していない場合、制御回路224は、人感センサ212から発信された人体検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近に不審者等が近付いた(マンションに不審者等が侵入した)と認識して、通信部238に通信指令を発信する。通信部238は、制御回路224から発信された通信指令を受信すると、接続先の外部端末240に向けて異常発生(不審者等侵入)を通知する。
【0034】
また、火災発生時においても、識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26から発せられる識別信号を受信)していない場合、例えば、制御回路224は、煙感センサ214から発信された煙検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近で火災が発生したと認識して、通信部238に通信指令を発信する。通信部238は、制御回路224から発信された通信指令を受信すると、接続先の外部端末240に向けて異常発生(火災発生)を通知する。
このように、不審者等が侵入した場合や火災が発生した場合等の異常発生時に、防犯防災装置210から接続先の外部端末240に向けて不審者等の侵入や火災発生を通知することにより、異常発生の際に迅速かつ早急な対応が可能となる。なお、このとき、撮影装置234によって映像又は画像を撮影しているときは、その映像又は画像も外部端末240に送信することもできる。
【0035】
一方、識別センサ218の検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)している場合、制御回路224は、識別センサ218から発信された携帯端末検知信号を受信すると、防犯防災装置210の設置場所付近に携帯端末26を所持した者、即ち、居住者や管理人等が近付いたと認識して、人感センサ212、煙感センサ214及び熱感センサ216に作動停止信号を発信する。人感センサ212は、制御回路224から発信された作動停止信号を受信すると、人体が人感センサ212の検知範囲に侵入した場合でも、その人体を検知しない。また、煙感センサ214や熱感センサ216も、制御回路224から発信された作動停止信号を受信すると、煙が煙感センサ214の検知範囲Aに侵入した場合でもその煙を検知しないし、熱感センサ216の検知範囲Aで高熱が発生した場合でもその熱を検知しない。
【0036】
その結果、識別センサ218が検知範囲において携帯端末26の存在を検知(携帯端末26の送信部28から発信される識別信号を受信)しているときは、検知範囲に人体や煙が侵入しても異常発生の通知を行わないことになる。即ち、居住者や管理人等の携帯端末26を所持する者は、不審者等の警告対象者と識別されるので、誤作動(誤報)により接続先の関係各所に迷惑を掛けることもなく、それに伴う無駄な費用も発生しない。
【0037】
また、人感センサ212や煙感センサ214や熱感センサ216の作動を無効にするのではなく、制御回路224から通信部238に通信指令を発信しないようにすることや、制御回路224から通信部238に作動停止信号を発信して通信部238を無効にするように設定することも可能である。
なお、その他の動作は上述の第一の実施形態に係る防犯防災装置10と概ね同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る防犯防災装置は、不審者等の警告対象者と居住者や管理人等の警告非対象者とを識別用携帯端末の有無により自動的に識別するので、簡単に誤作動を無くすことができる。このため、一般の戸建住宅の玄関先は勿論、マンションやオフィスビルのエントランス(集合玄関)等の人の出入が頻繁にある場所にも設置することが可能となる。また、本発明に係る防犯防災装置は、火災発生の際にも居住者や管理人等の存在の有無を考慮して警告を行うので、誤作動を無くすことができる。
これらの事情から、本発明に係る防犯防災装置は、建設会社や住宅メーカーが、マンション・ビル等の大型建造物や一般の戸建住宅を建築、販売する際のオプションとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る防犯防災装置及び識別用携帯端末の正面図である。
【図2】本発明に係る防犯防災装置のブロック構成図である。
【図3】本発明に係る防犯防災装置の動作を説明する簡略図である。
【図4】本発明に係る防犯防災装置の第二の実施形態を示すブロック構成図である。
【図5】本発明に係る防犯防災装置の第三の実施形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0040】
10 防犯防災装置
12 人感センサ
14 煙感センサ
16 熱感センサ
18 識別センサ
20 発光ダイオード
22 スピーカー
24 制御回路
26 携帯端末
32 人体
134 撮影装置
136 記憶装置
238 通信部
240 外部端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離の範囲内における人体の存在を検知する人体検知手段と、光を発生させる発光手段と、音を発生させる音発生手段と、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記人体検知手段によって所定距離の範囲内で人体の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させる防犯防災装置において、
識別用携帯端末と信号の送受信を行う識別手段を備え、その識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て又はいずれかの作動を無効にすることを特徴とする防犯防災装置。
【請求項2】
所定距離の範囲内における煙の存在を検知する煙検知手段を備え、その煙検知手段よって所定距離の範囲内で煙の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記煙検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とする請求項1記載の防犯防災装置。
【請求項3】
所定距離の範囲内における熱を検知する熱検知手段を備え、前記熱検知手段よって所定距離の範囲内で所定温度以上の熱を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記熱検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とする請求項1又は2記載の防犯防災装置。
【請求項4】
撮影手段を備え、常時又は前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記撮影手段によって所定距離の範囲内を撮影することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項5】
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記撮影手段の作動を無効にすることを特徴とする請求項4記載の防犯防災装置。
【請求項6】
記憶手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは熱検知手段による検知履歴、又は前記撮影手段によって撮影した映像若しくは画像を記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項7】
外部端末と接続する通信手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段又は前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記通信手段によって接続先となる前記外部端末に異常発生を通知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項8】
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記通信手段の作動を無効にすることを特徴とする請求項7記載の防犯防災装置。
【請求項1】
所定距離の範囲内における人体の存在を検知する人体検知手段と、光を発生させる発光手段と、音を発生させる音発生手段と、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記人体検知手段によって所定距離の範囲内で人体の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させる防犯防災装置において、
識別用携帯端末と信号の送受信を行う識別手段を備え、その識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には、前記人体検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て又はいずれかの作動を無効にすることを特徴とする防犯防災装置。
【請求項2】
所定距離の範囲内における煙の存在を検知する煙検知手段を備え、その煙検知手段よって所定距離の範囲内で煙の存在を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記煙検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とする請求項1記載の防犯防災装置。
【請求項3】
所定距離の範囲内における熱を検知する熱検知手段を備え、前記熱検知手段よって所定距離の範囲内で所定温度以上の熱を検知したときに前記発光手段と前記音発生手段を作動させて光及び/又は音を発生させるに際して、
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記熱検知手段と前記発光手段と前記音発生手段の全て若しくはいずれかの作動を無効にすることを特徴とする請求項1又は2記載の防犯防災装置。
【請求項4】
撮影手段を備え、常時又は前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記撮影手段によって所定距離の範囲内を撮影することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項5】
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記撮影手段の作動を無効にすることを特徴とする請求項4記載の防犯防災装置。
【請求項6】
記憶手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段若しくは熱検知手段による検知履歴、又は前記撮影手段によって撮影した映像若しくは画像を記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項7】
外部端末と接続する通信手段を備え、前記人体検知手段、前記煙検知手段又は前記熱検知手段によって所定距離の範囲内において異常を検知したときに、前記通信手段によって接続先となる前記外部端末に異常発生を通知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の防犯防災装置。
【請求項8】
前記識別手段によって所定の範囲内に前記識別用携帯端末の存在を検知した場合には前記通信手段の作動を無効にすることを特徴とする請求項7記載の防犯防災装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2010−92191(P2010−92191A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260230(P2008−260230)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(507062473)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(507062473)
【Fターム(参考)】
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