除塵装置、及び除電除塵装置
【課題】除塵能力の高い除塵装置、及び除電除塵装置を提供する。
【解決手段】対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置１であって、気体を噴射する噴射手段（イオナイザ１６ａ、１６ｂ）と、噴射手段から噴射される気体を対象物８７の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段（噴射ノズル１９ａ、１９ｂ）と、を備える。対象物８７の同一箇所に向けて複数の方向から気体を吹き付けるので、１方向からのみ気体を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。よって、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高い。
【解決手段】対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置１であって、気体を噴射する噴射手段（イオナイザ１６ａ、１６ｂ）と、噴射手段から噴射される気体を対象物８７の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段（噴射ノズル１９ａ、１９ｂ）と、を備える。対象物８７の同一箇所に向けて複数の方向から気体を吹き付けるので、１方向からのみ気体を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。よって、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、除塵装置、及び除電除塵装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、対象物に１方向から空気を噴射して当該対象物に付着している塵埃を飛散させる除塵装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平５−１５８６２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、空気を１方向から噴射すると塵埃が対象物に押し付けられるだけで飛散しない場合がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、除塵能力の高い除塵装置、及び除電除塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
第１の発明は、対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置であって、気体を噴射する噴射手段と、前記噴射手段から噴射される気体を前記対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段と、を備える。
この発明によると、対象物の同一箇所に向けて複数の方向から気体を吹き付けるので、１方向からのみ気体を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。
よってこの発明によると、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高くなる。
【０００５】
第２の発明は、第１の発明の除塵装置であって、複数の前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、各前記噴射手段から噴射される気体を互いに異なる方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、互いに異なる複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００６】
第３の発明は、第１の発明の除塵装置であって、一つの前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、前記噴射手段の噴射口側に設けられる噴射ノズルと、前記噴射ノズルを回転軸線周りに回転させる回転手段とを有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、噴射手段の噴射口側に噴射ノズルを設け、その噴射ノズルから回転軸線に対して傾いた方向から気体を吹き付けるので、噴射ノズルを回転軸線周りに回転させることにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００７】
第４の発明は、第１の発明の除塵装置であって、一つの前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、前記対象物を回転軸線周りに回転させる回転手段を有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、回転軸線に対して傾いた方向から気体を吹き付けるので、対象物を回転軸線周りに回転させることにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００８】
第５の発明は、第２の発明の除塵装置であって、各前記噴射手段をグループに分けた各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射させる噴射制御手段を備える。
この発明によると、各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射するので、あるグループからは気体が噴射され、別のグループからは気体が噴射されないという期間が生じる。したがって、少なくともその期間においては、全てのグループから同時に気体を噴射する場合に比べて噴射される気体の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【０００９】
第６の発明は、第１〜第５のいずれかの発明の除塵装置であって、前記対象物が収容される収容室を形成する筐体と、排気ファンと、を備え、前記噴射手段を前記収容室の上部に設け、前記噴射手段から噴射される気体を前記吹き付け手段により前記収容室内に収容された前記対象物に吹き付け、その吹き付けられた気体を前記排気ファンにより排気する。
この発明によると、収容室内に対象物を搬入することにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【００１０】
第７の発明は、除電除塵装置であって、第１〜第６のいずれかの発明の除塵装置と、放電針と前記放電針に電圧を印加してイオンを発生させる電圧印加手段とを有するイオン生成手段と、を備え、前記噴射手段は前記イオン生成手段で生成したイオンを噴射する。
この発明によると、除塵とともに除電も行うことができる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
＜実施形態１＞
本発明の実施形態１を図１ないし図６によって説明する。
（１）除電除塵装置の概略
図１は本発明の実施形態１に係る除電除塵装置１の斜視図であり、図２は除電除塵装置１の正面図、図３は図２に示すＸ方向から見た側面図である。
【００１３】
除電除塵装置１は、空気（気体の一例）をイオン化して対象物に吹き付けることにより対象物を除電、除塵する装置である。例えば電子部品のように静電気によって破損する虞がある対象物の場合は、イオン化した空気を吹き付けて静電気を中和することにより、静電気を除電することができる。
また、例えば静電気によって塵埃が付着した対象物の場合は、イオン化した空気を吹き付けて除電することにより静電気による付着力を失わせ、風圧によって塵埃を飛散させることにより除塵することができる。
【００１４】
図１に示すように、除電除塵装置１の筺体１１は略Ｌ字状に形成されており、筺体１１と透明な板状の部材１２、１３、１４とによって収容室１５が形成されている。収容室１５の前面は開放されており、前面から対象物が収容室１５内に搬入、搬出される。
筺体１１（吹き付け手段の一例）の上部にはコロナ放電によって空気をイオン化するタイプのイオン発生器１６（１６ａ及び１６ｂ）（以下「イオナイザ」という）が設けられている。各イオナイザ１６ａ、１６ｂ（噴射手段の一例）は収容室１５の上方に設けられており、外部のエアコンプレッサから供給される圧縮空気をイオン化して噴射する。イオナイザ１６から噴射された空気は噴射ノズル１９（１９ａ及び１９ｂ）から収容室１５内の対象物に向けて吹き付けられる。
【００１５】
ここで、噴射ノズル１９が対象物に空気を吹き付ける方向は筐体１１がイオナイザ１６を支持する角度によっても変わるので、筺体１１は吹き付け手段の一部を構成するものである。
【００１６】
筺体１１の台座部１７は上側が開口しており、その開口は多数の通気孔が形成されているエキスパンドメタル１８によって覆われている。噴射ノズル１９から吹き付けられた空気によって対象物から飛散した塵埃は筺体１１内に設けられている排気ファン４７（図４参照）によって開口から筺体１１内に吸い込まれ、筺体１１の背面に設けられている図示しない排気ダクトから筺体１１外に排出される。なお、排気ダクトに塵埃を集塵するフィルタを設けてもよい。
【００１７】
図２に示すように、各イオナイザ１６の図示しない噴射口７０（図５参照）側には、イオナイザ１６から噴射される気体を対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける噴射ノズル１９（吹き付け手段の一例）が設けられている。各噴射ノズル１９の先端には空気を吹き出す噴射口２２（２２ａ、２２ｂ）が形成されている。図２において一点鎖線２１ａ及び２１ｂはそれぞれ各噴射口２２ａ、２２ｂの噴射軸線を示している。噴射軸線２１ａ、２１ｂは図示するように収容室１５内の一点で互いに交差するように噴射ノズル１９によって方向が設定されている。
【００１８】
図示するように噴射軸線２１ａ、２１ｂは互いに平行ではなく、したがって収容室１５の噴射軸線２１ａ、２１ｂが交差する点（交差点）付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に２方向から空気が吹き付けられる、言い換えると、対象物８７の同一箇所に２方向から空気が吹き付けられる。
【００１９】
（２）除電除塵装置の構成
図４は、除電除塵装置１の要部構成を示すブロック図である。除電除塵装置１は、制御回路４４、継手３１〜３５、樹脂製のチューブ５１〜６０、レギュレータ３８、圧力センサ３９、エアバルブ４０（４０ａ、４０ｂ）、イオナイザ１６（１６ａ、１６ｂ）、操作パネル４５、動作設定部４６、排気ファン４７、光電センサ４８などを備えている。
【００２０】
チューブ５１〜６０は継手３１〜３５によって接続されることにより、エアコンプレッサからの空気をイオナイザ１６に供給する空気流路を構成している。
制御回路４４（噴射制御手段、イオン生成手段、電圧印加手段の一例）は、図示しないＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、フラッシュメモリ、各種の入出力インタフェースなどを有するマイクロコンピュータである。制御回路４４にはレギュレータ３８、圧力センサ３９、エアバルブ４０、イオナイザ１６、操作パネル４５、動作設定部４６、排気ファン４７、光電センサ４８などが電気的に接続されており、制御回路４４はこれら各部の作動を制御する。
【００２１】
レギュレータ３８は、エアコンプレッサから供給された空気の圧力脈動などを除去して空気の圧力を安定させる。
圧力センサ３９は、レギュレータ３８とエアバルブ４０との間の空気の圧力を検出して制御回路４４に出力する。制御回路４４は圧力センサ３９によって空気の圧力異常を検出すると所定の異常時処理を実行する。
【００２２】
エアバルブ４０は、空気流路を開閉する電磁弁である。エアバルブ４０は制御回路４４からパルス信号として出力される開閉信号によって駆動され、例えば開閉信号がＯＮになると空気流路を開き、開閉信号がＯＦＦになると空気流路を閉じる。制御回路４４は開閉信号を断続的にＯＮにし、これによりイオナイザ１６から空気が間欠的に噴射される。
【００２３】
イオナイザ１６は、放電針に交流電圧を印加して接地電極との間にコロナ放電を起こすいわゆる交流電圧タイプのものである。なお、イオナイザ１６は交流電圧タイプのものに限定されず、例えば正極性及び負極性の直流電圧がそれぞれ印加される正負１対の放電針を備えたいわゆる直流電圧タイプのものを用いてもよい。
【００２４】
操作パネル４５は、圧力センサで検出される圧力の表示や、圧力異常を判定するための閾値を設定するためのものであり、圧力センサで検出される圧力を表示するための表示装置や圧力異常を判定するための閾値を設定するための複数の押しボタンなどで構成されている。
動作設定部４６は、作業者が除電除塵装置１の動作を設定するためのものである。動作設定部４６は各種の動作を設定するための複数のディップスイッチなどで構成されており、筐体１１の背面に設けられている。
【００２５】
排気ファン４７は、モータと当該モータによって回転駆動されるファンなどで構成されている。
光電センサ４８は、投光器４８ａと受光器４８ｂとを有している。投光器４８ａと受光器４８ｂとは収容室１５内に上下に分かれて配置されている。収容室１５内に対象物が搬入されていないときは投光器４８ａから発光された光が受光器４８ｂに入光し、対象物が収容室１５内に搬入されると投光器４８ａから発光された光が対象物によって遮られる。投光器４８ａから発光された光が遮られると受光器４８ｂから制御回路４４に検出信号が出力される。制御回路４４は受光器４８ｂから検出信号が出力されることにより、収容室１５内に対象物が搬入されたことを検知する。制御回路４４は収容室１５内に対象物が搬入されたことを検知すると各エアバルブ４０に上述した開閉信号を出力する。
【００２６】
（３）イオナイザ及び噴射ノズルの内部構造
図５は、イオナイザ１６ａ及び噴射ノズル１９ａの内部構造を示す模式図である。イオナイザ１６ｂはイオナイザ１６ａと同構造であるためここではイオナイザ１６ａを例に説明する。イオナイザ１６ａは、イオン生成室６５、イオン生成室６５内に配置されている放電針６６（イオン生成手段の一例）、接地電極６７などを有している。
【００２７】
接地電極６７は金属の筒状部材で構成されており、イオン生成室６５にネジ固定されている。図示するように筒状の接地電極６７の内周部には放電針６６に近い側に筒状の絶縁物６８が嵌合されている。
イオン生成室６５には空気流路からイオン生成室６５内に空気を流入させる空気流入口６９、及び空気流入口６９から流入した空気を噴射する噴射口７０が形成されている。
【００２８】
イオナイザ１６ａは放電針６６に交流電圧を印加して接地電極６７との間にコロナ放電を起こすことにより、放電針６６の周囲の空気をプラスイオンとマイナスイオンとに交互にイオン化する。
【００２９】
噴射ノズル１９ａはイオナイザ１６ａに支持されている側の端部を始端として鉛直下向きに伸びる鉛直部分７１、鉛直部分７１の下端側から収容室１５内の前述した交差点に向かって傾いた姿勢で延びる傾斜部分７２などで構成されている。なお、噴射ノズル１９ａを回動軸線７３周りに回動可能にイオナイザ１６ａに支持させ、噴射ノズル１９ａを回動軸線７３周りに回動させることにより空気を噴射する方向を変更できるようにしてもよい。これにより、対象物において空気が吹き付けられる位置を作業者が変更できるようになる。
【００３０】
（４）除電除塵装置の作動
（４−１）作動の概要
本実施形態では、２つのイオナイザ１６ａ、１６ｂから互いに異なるタイミングで空気を噴射する。
仮に同一のエアコンプレッサから供給される空気を複数のイオナイザ１６ａ、１６ｂから同時に噴射するようにすると、一つのイオナイザのみから噴射する場合に比べて対象物に吹き付けられる空気の圧力が低下する。このため、対象物に付着している塵埃が飛散し難くなり、除塵性能が低下する。以下、具体的に説明する。
【００３１】
式１、式２は流量と圧力損失との関係を示す式である。ここでＲは配管（チューブ）による定数、Ｑは流量である。
圧力Ｐ＝元圧Ｐ'−圧力損失ΔＰ ・・・ 式１
ΔＰ＝Ｒ×Ｑ２ ・・・ 式２
上記式１及び式２によれば、流量の二乗に比例して圧力損失が増大する。すなわち、同時に複数のイオナイザから空気を噴射すると、流量が多くなり、その多くなった流量の二乗に比例して圧力損失が発生することにより、対象物に吹き付けられる空気の圧力が低下する。このため、対象物に付着している塵埃が飛散し難くなり、除塵性能が低下する。
【００３２】
逆にいうと、例えば噴射口が２つある場合は、同時に一つのイオナイザのみから空気を噴射するようにすると、同時に２つのイオナイザから空気を噴射する場合に比べて圧力損失は１／４に低下する。同様に、イオナイザが３つある場合は、同時に一つのイオナイザのみから空気を噴射するようにすると、同時に３つのイオナイザから空気を噴射する場合に比べて圧力損失は１／９に低下する。
【００３３】
そこで、本実施形態では同一のエアバルブに接続されているイオナイザを１つのグループとし、グループ毎に互いに異なるタイミングで空気を噴射する。具体的には、本実施形態ではイオナイザ１６ａ、１６ｂ毎に独立してエアバルブ４０を設け、各イオナイザ１６ａ、１６ｂをそれぞれ１つのグループとする。ここではイオナイザ１６ａを第１グループ、イオナイザ１６ｂを第２グループというものとし、第１グループと第２グループとから交互に空気を噴射する。すなわち第１グループと第２グループとから空気を排他的に噴射する。
【００３４】
（４−２）作動の詳細
図６は、制御回路４４が各エアバルブ４０に出力する開閉信号のタイミングチャートである。実施形態１に係る制御回路４４は図示するように各エアバルブ４０間でタイミングをずらして開閉信号をＯＮにする。具体的には、一方のエアバルブ４０ａ（図６では第１エアバルブ）の開閉信号をＯＮにしている間（期間Ｔ１）は他方のエアバルブ４０ｂ（図６では第２エアバルブ）の開閉信号をＯＦＦにする。そして、一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＮにしてから一定時間が経過すると当該一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＦＦにする。期間Ｔ２ではいずれのエアバルブ４０ａの開閉信号もＯＦＦとし、期間Ｔ３では他方のエアバルブ４０ｂの開閉信号をＯＮにする。そして、期間Ｔ４では再びいずれのエアバルブ４０の開閉信号もＯＦＦにする。
【００３５】
したがって２つのエアバルブ４０ａ、４０ｂは同時に開状態にはならず、第１グループから空気が噴射されている間（期間Ｔ１）は第２グループからは空気は噴射されない。そして、一定時間が経過すると第１グループからの空気の噴射が停止し、第２グループから空気が噴射される（期間Ｔ３）。これにより、２つのイオナイザ１６ａ、１６ｂから排他的に空気が噴射される。
【００３６】
なお、本実施形態ではいずれのエアバルブ４０の開閉信号もＯＦＦにする休止期間（期間Ｔ２及びＴ４）を設けているが、休止期間を設けずに常にどちらかのエアバルブ４０の開閉信号をＯＮにするようにしてもよい。
【００３７】
（５）実施形態の効果
以上説明した本発明の実施形態１に係る除電除塵装置１によると、対象物の同一箇所に向けて２方向から空気を吹き付けるので、当該同一箇所に付着した塵埃を飛散させるとき、１方向からのみ空気を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。よって除電除塵装置１によると、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高い。
【００３８】
なお、本実施形態では対象物の同一箇所に向けて空気を吹き付けるので、対象物の全体を除塵する場合には、作業者が対象物の位置を変えて各個所に空気をあてるようにすればよい。
【００３９】
更に、除電除塵装置１によると、各グループから排他的に空気を噴射するので、あるグループから気体が噴射されている間は別のグループからは空気が噴射されない。したがって、どの時点においても、全てのグループから同時に空気を噴射する場合に比べて対象物に吹き付けられる空気の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【００４０】
＜実施形態２＞
次に、本発明の実施形態２を図７によって説明する。
実施形態２では、グループ毎に互いに異なるタイミングで空気を噴射するが、各グループから空気が噴射される時期が一部重なる。
【００４１】
図７は、実施形態２に係る制御回路４４が各エアバルブ４０に出力する開閉信号のタイミングチャートである。実施形態２に係る制御回路４４は図示するように期間Ｓ１では一方のエアバルブ４０ａ（図７では第１エアバルブ）の開閉信号をＯＮにし、他方のエアバルブ４０ｂ（図７では第２エアバルブ）の開閉信号をＯＦＦにする。
【００４２】
期間Ｓ２では、制御回路４４は一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＦＦにし、他方のエアバルブ４０ｂの開閉信号をＯＮにする。
したがって期間Ｓ１及びＳ２では２つのグループから交互に空気が噴射される。
期間Ｔ３では、制御回路４４は各エアバルブ４０の開閉信号を同時にＯＮにする。したがって期間Ｓ３では２つのグループから同時に空気が噴射される。
【００４３】
以上説明した本発明の実施形態２に係る除電除塵装置によると、各グループから互いに異なるタイミングで空気を噴射するので、あるグループからは空気が噴射され、別のグループからは空気が噴射されないという期間（期間Ｓ１、Ｓ２）が生じる。したがって、少なくともその期間においては、全てのグループから同時に空気を噴射する場合に比べて対象物に吹き付ける気体の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【００４４】
更に、実施形態２に係る除電除塵装置によると、各グループから空気が噴射される時期が一部重なるようにしているので、空気の圧力に強弱を持たせることができ、これにより塵埃の周囲にランダムな空気の流れが生じ易くなり、一方向のみから空気を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易くなる。
実施形態２はその他の点において実施形態１と同一である。
【００４５】
＜実施形態３＞
次に、本発明の実施形態３を図８によって説明する。
実施形態３では、イオナイザを一つのみ備え、そのイオナイザに複数の噴射口を設ける。
【００４６】
図８は、実施形態３に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。実施形態３に係る噴射ノズル８１（吹き付け手段の一例）はイオナイザ８０（噴射手段の一例）に支持されている側の端部を始端として鉛直下向きに伸びる鉛直部分８２、鉛直部分８２の下端側から分岐して互いに逆方向に延びる２つの水平部分８３ａ、８３ｂ、各水平部分８３ａ、８３ｂの鉛直部分８２とは逆側から収容室１５内の同一点に向かって傾いた姿勢で延びる傾斜部分８４ａ、８４ｂなどで構成されている。
【００４７】
各傾斜部分８４ａ、８４ｂの先端には空気を吹き出す噴射口８５ａ、８５ｂが形成されている。各噴射口８５ａ、８５ｂの噴射軸線８６ａ、８６ｂは互いに平行ではなく、図示するように収容室１５内の上述した点（交差点）で交差するように設定されている。
【００４８】
以上説明した本発明の実施形態３に係る除電除塵装置によると、収容室１５の上述した交差点付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に２方向から空気が吹き付けられる。
実施形態３はその他の点において実施形態１と同一である。
【００４９】
＜実施形態４＞
次に、本発明の実施形態４を図９によって説明する。
実施形態４では、噴射ノズルを回転軸線周りに回転させることによって対象物に複数の方向から空気を吹き付ける。
【００５０】
図９は、実施形態４に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。噴射ノズル９１（吹き付け手段の一例）は水平部分９３及び傾斜部分９４がそれぞれ一つであることを除いて実施形態３の噴射ノズル８１と同形状である。図中の一点鎖線９７は鉛直部分９２の回転軸線を示している。噴射口９５の噴射軸線９６は回転軸線９７に対して傾いており、鉛直部分９２の下方で回転軸線９７と交差する。
【００５１】
イオナイザ９０（噴射手段の一例）の内部にはモータなどの駆動源９８（回転手段の一例）が設けられており、駆動源９８によって噴射ノズル９１の鉛直部分９２を回転軸線９７周りに回転させる。
【００５２】
以上説明した本発明の実施形態４に係る除電除塵装置によると、回転軸線９７と噴射軸線９６とが交差する点（交差点）付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に３６０度から空気が吹き付けられる。対象物に付着した塵埃を飛散させる場合、より多くの方向から空気を吹き付けた方が飛散する可能性が高くなる。したがって、実施形態４に係る除電除塵装置によると、塵埃を除塵する能力が高くなる。
実施形態４はその他の点において実施形態１と同一である。
【００５３】
＜実施形態５＞
次に、本発明の実施形態５を図１０によって説明する。
実施形態５では、対象物を回転させることによって対象物に複数の方向から空気を吹き付ける。
【００５４】
図１０は、実施形態５に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。
ターンテーブル１０２（回転手段の一例）は、対象物８７が置かれる円盤状のテーブル１０３、テーブル１０３から下方向に伸びる軸部１０４、軸部１０４を回転軸線１０５周りに回転させる図示しないモータなどで構成されており、テーブル１０３に置かれた対象物８７を回転させる。なお、対象物８７に応じてテーブル１０３の高さを変えられるように構成してもよい。
【００５５】
イオナイザ１００（噴射手段の一例）は回転軸線１０５に対して傾いた姿勢で筐体１１（吹き付け手段の一例）に支持されている。噴射ノズル１０１の先端には噴射口１０６が形成されており、噴射口１０６の噴射軸線１０７はイオナイザ１００の中心軸線方向に延びてテーブル１０３の表面付近で回転軸線１０５と交差するように設定されている。
【００５６】
以上説明した本発明の実施形態５に係る除電除塵装置によると、ターンテーブル１０２の回転軸線１０５が通過する位置に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において回転軸線１０５と噴射軸線１０７とが交差する点の近傍箇所に３６０度から空気が吹き付けられる。したがって、実施形態５に係る除電除塵装置によると、塵埃を除塵する能力が高くなる。
なお、実施形態５ではイオナイザ１００の中心軸線方向に空気を吹き付けるので、噴射ノズル１０１は必ずしも必要ではない。
実施形態５はその他の点において実施形態１と同一である。
【００５７】
＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【００５８】
（１）上記実施形態１では除電除塵装置１の上方から見て２つの噴射軸線が一直線状になるように噴射軸線２１ａ、２１ｂを設定しているが、これらは必ずしも一直線状である必要はなく、例えば図１１に示すように噴射軸線２１ａ、２１ｂが９０度で交差するように設定してもよい。図１１は除電除塵装置１を上方から見た模式図であり、噴射軸線２１ａと２１ｂとは９０度の角度で交差するように設定されている。なお、２つの噴射軸線２１ａ、２１ｂが交差する角度は９０度に限られるものではなく、適宜設定可能である。
【００５９】
（２）上記実施形態１では１つのグループが１つのイオナイザからなる場合を例に説明したが、グループの分割の仕方はこれに限られるものではない。例えばイオナイザが３つあって各イオナイザがそれぞれ異なるエアバルブに接続されている場合は、１つのイオナイザを１グループとして３つのグループに分けてもよいし、２つのイオナイザを１グループとし、残りのイオナイザを別の１グループとしてもよい。また、例えばイオナイザが４つあって２つ毎に同じエアバルブに接続されている場合は、同一のエアバルブに接続されている２つのイオナイザが１つのグループを構成することになる。
【００６０】
（３）上記実施形態１では噴射ノズル１９に傾斜部分７２を設けることによって空気を吹き付ける方向を設定しているが、筐体１１（吹き付け手段の一例）が各イオナイザ１６を傾いた姿勢で支持することによって方向を設定してもよい。
【００６１】
（４）上記実施形態５では筐体１１（吹き付け手段の一例）がイオナイザ１００を傾いた姿勢で支持することによって噴射方向を設定しているが、噴射ノズル１０１に傾斜部分７２を設けることによって噴射方向を設定してもよい。
【００６２】
（５）上記実施形態では除塵装置としてイオナイザを備える除電除塵装置を例に説明したが、除塵装置はイオナイザを備えないもの、すなわちイオン化されていない空気を噴射して除塵のみを行うものであってもよい。
【００６３】
（６）上記実施形態ではイオナイザから空気を間欠的に噴射する場合を例に説明したが、すべてのイオナイザから連続的に空気を噴射してもよい。
【００６４】
（７）噴射ノズルには、その噴射ノズルから吹き出す空気の噴射軸線を示す可視光を出射する手段を設けてもよい。これにより、作業者は対象物をどこに配置すればよいかを視覚的に把握できる。この可視光を出射する手段としては、例えばＬＥＤなどを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の一実施形態に係る除塵装置の斜視図。
【図２】本発明の一実施形態に係る除塵装置の正面図。
【図３】本発明の一実施形態に係る除塵装置の側面図。
【図４】本発明の一実施形態に係る除塵装置のブロック図。
【図５】本発明の一実施形態に係るイオナイザの内部構造を示す模式図。
【図６】本発明の一実施形態に係るタイミングチャート。
【図７】本発明の一実施形態に係るタイミングチャート。
【図８】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図９】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図１０】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図１１】本発明の一実施形態に係る噴射軸線の模式図。
【符号の説明】
【００６６】
１・・・除電除塵装置（除塵装置）
１１・・・筐体（吹き付け手段）
１６・・・イオナイザ（噴射手段）
１９ａ、１９ｂ・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
４４・・・制御回路（噴射制御手段、イオン生成手段、電圧印加手段）
６６・・・放電針（イオン生成手段）
７３・・・回動軸線
８０・・・イオナイザ（噴射手段）
８１・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
８７・・・対象物
９０・・・イオナイザ（噴射手段）
９１・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
９７・・・回転軸線
９８・・・駆動源（回転手段）
１００・・・イオナイザ（噴射手段）
１０２・・・ターンテーブル（回転手段）
１０５・・・回転軸線
１１０ａ、１１０ｂ・・・イオナイザ（噴射手段）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、除塵装置、及び除電除塵装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、対象物に１方向から空気を噴射して当該対象物に付着している塵埃を飛散させる除塵装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平５−１５８６２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、空気を１方向から噴射すると塵埃が対象物に押し付けられるだけで飛散しない場合がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、除塵能力の高い除塵装置、及び除電除塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
第１の発明は、対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置であって、気体を噴射する噴射手段と、前記噴射手段から噴射される気体を前記対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段と、を備える。
この発明によると、対象物の同一箇所に向けて複数の方向から気体を吹き付けるので、１方向からのみ気体を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。
よってこの発明によると、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高くなる。
【０００５】
第２の発明は、第１の発明の除塵装置であって、複数の前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、各前記噴射手段から噴射される気体を互いに異なる方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、互いに異なる複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００６】
第３の発明は、第１の発明の除塵装置であって、一つの前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、前記噴射手段の噴射口側に設けられる噴射ノズルと、前記噴射ノズルを回転軸線周りに回転させる回転手段とを有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、噴射手段の噴射口側に噴射ノズルを設け、その噴射ノズルから回転軸線に対して傾いた方向から気体を吹き付けるので、噴射ノズルを回転軸線周りに回転させることにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００７】
第４の発明は、第１の発明の除塵装置であって、一つの前記噴射手段を備え、前記吹き付け手段は、前記対象物を回転軸線周りに回転させる回転手段を有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
この発明によると、回転軸線に対して傾いた方向から気体を吹き付けるので、対象物を回転軸線周りに回転させることにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【０００８】
第５の発明は、第２の発明の除塵装置であって、各前記噴射手段をグループに分けた各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射させる噴射制御手段を備える。
この発明によると、各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射するので、あるグループからは気体が噴射され、別のグループからは気体が噴射されないという期間が生じる。したがって、少なくともその期間においては、全てのグループから同時に気体を噴射する場合に比べて噴射される気体の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【０００９】
第６の発明は、第１〜第５のいずれかの発明の除塵装置であって、前記対象物が収容される収容室を形成する筐体と、排気ファンと、を備え、前記噴射手段を前記収容室の上部に設け、前記噴射手段から噴射される気体を前記吹き付け手段により前記収容室内に収容された前記対象物に吹き付け、その吹き付けられた気体を前記排気ファンにより排気する。
この発明によると、収容室内に対象物を搬入することにより、対象物に複数の方向から気体を吹き付けることができる。
【００１０】
第７の発明は、除電除塵装置であって、第１〜第６のいずれかの発明の除塵装置と、放電針と前記放電針に電圧を印加してイオンを発生させる電圧印加手段とを有するイオン生成手段と、を備え、前記噴射手段は前記イオン生成手段で生成したイオンを噴射する。
この発明によると、除塵とともに除電も行うことができる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
＜実施形態１＞
本発明の実施形態１を図１ないし図６によって説明する。
（１）除電除塵装置の概略
図１は本発明の実施形態１に係る除電除塵装置１の斜視図であり、図２は除電除塵装置１の正面図、図３は図２に示すＸ方向から見た側面図である。
【００１３】
除電除塵装置１は、空気（気体の一例）をイオン化して対象物に吹き付けることにより対象物を除電、除塵する装置である。例えば電子部品のように静電気によって破損する虞がある対象物の場合は、イオン化した空気を吹き付けて静電気を中和することにより、静電気を除電することができる。
また、例えば静電気によって塵埃が付着した対象物の場合は、イオン化した空気を吹き付けて除電することにより静電気による付着力を失わせ、風圧によって塵埃を飛散させることにより除塵することができる。
【００１４】
図１に示すように、除電除塵装置１の筺体１１は略Ｌ字状に形成されており、筺体１１と透明な板状の部材１２、１３、１４とによって収容室１５が形成されている。収容室１５の前面は開放されており、前面から対象物が収容室１５内に搬入、搬出される。
筺体１１（吹き付け手段の一例）の上部にはコロナ放電によって空気をイオン化するタイプのイオン発生器１６（１６ａ及び１６ｂ）（以下「イオナイザ」という）が設けられている。各イオナイザ１６ａ、１６ｂ（噴射手段の一例）は収容室１５の上方に設けられており、外部のエアコンプレッサから供給される圧縮空気をイオン化して噴射する。イオナイザ１６から噴射された空気は噴射ノズル１９（１９ａ及び１９ｂ）から収容室１５内の対象物に向けて吹き付けられる。
【００１５】
ここで、噴射ノズル１９が対象物に空気を吹き付ける方向は筐体１１がイオナイザ１６を支持する角度によっても変わるので、筺体１１は吹き付け手段の一部を構成するものである。
【００１６】
筺体１１の台座部１７は上側が開口しており、その開口は多数の通気孔が形成されているエキスパンドメタル１８によって覆われている。噴射ノズル１９から吹き付けられた空気によって対象物から飛散した塵埃は筺体１１内に設けられている排気ファン４７（図４参照）によって開口から筺体１１内に吸い込まれ、筺体１１の背面に設けられている図示しない排気ダクトから筺体１１外に排出される。なお、排気ダクトに塵埃を集塵するフィルタを設けてもよい。
【００１７】
図２に示すように、各イオナイザ１６の図示しない噴射口７０（図５参照）側には、イオナイザ１６から噴射される気体を対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける噴射ノズル１９（吹き付け手段の一例）が設けられている。各噴射ノズル１９の先端には空気を吹き出す噴射口２２（２２ａ、２２ｂ）が形成されている。図２において一点鎖線２１ａ及び２１ｂはそれぞれ各噴射口２２ａ、２２ｂの噴射軸線を示している。噴射軸線２１ａ、２１ｂは図示するように収容室１５内の一点で互いに交差するように噴射ノズル１９によって方向が設定されている。
【００１８】
図示するように噴射軸線２１ａ、２１ｂは互いに平行ではなく、したがって収容室１５の噴射軸線２１ａ、２１ｂが交差する点（交差点）付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に２方向から空気が吹き付けられる、言い換えると、対象物８７の同一箇所に２方向から空気が吹き付けられる。
【００１９】
（２）除電除塵装置の構成
図４は、除電除塵装置１の要部構成を示すブロック図である。除電除塵装置１は、制御回路４４、継手３１〜３５、樹脂製のチューブ５１〜６０、レギュレータ３８、圧力センサ３９、エアバルブ４０（４０ａ、４０ｂ）、イオナイザ１６（１６ａ、１６ｂ）、操作パネル４５、動作設定部４６、排気ファン４７、光電センサ４８などを備えている。
【００２０】
チューブ５１〜６０は継手３１〜３５によって接続されることにより、エアコンプレッサからの空気をイオナイザ１６に供給する空気流路を構成している。
制御回路４４（噴射制御手段、イオン生成手段、電圧印加手段の一例）は、図示しないＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、フラッシュメモリ、各種の入出力インタフェースなどを有するマイクロコンピュータである。制御回路４４にはレギュレータ３８、圧力センサ３９、エアバルブ４０、イオナイザ１６、操作パネル４５、動作設定部４６、排気ファン４７、光電センサ４８などが電気的に接続されており、制御回路４４はこれら各部の作動を制御する。
【００２１】
レギュレータ３８は、エアコンプレッサから供給された空気の圧力脈動などを除去して空気の圧力を安定させる。
圧力センサ３９は、レギュレータ３８とエアバルブ４０との間の空気の圧力を検出して制御回路４４に出力する。制御回路４４は圧力センサ３９によって空気の圧力異常を検出すると所定の異常時処理を実行する。
【００２２】
エアバルブ４０は、空気流路を開閉する電磁弁である。エアバルブ４０は制御回路４４からパルス信号として出力される開閉信号によって駆動され、例えば開閉信号がＯＮになると空気流路を開き、開閉信号がＯＦＦになると空気流路を閉じる。制御回路４４は開閉信号を断続的にＯＮにし、これによりイオナイザ１６から空気が間欠的に噴射される。
【００２３】
イオナイザ１６は、放電針に交流電圧を印加して接地電極との間にコロナ放電を起こすいわゆる交流電圧タイプのものである。なお、イオナイザ１６は交流電圧タイプのものに限定されず、例えば正極性及び負極性の直流電圧がそれぞれ印加される正負１対の放電針を備えたいわゆる直流電圧タイプのものを用いてもよい。
【００２４】
操作パネル４５は、圧力センサで検出される圧力の表示や、圧力異常を判定するための閾値を設定するためのものであり、圧力センサで検出される圧力を表示するための表示装置や圧力異常を判定するための閾値を設定するための複数の押しボタンなどで構成されている。
動作設定部４６は、作業者が除電除塵装置１の動作を設定するためのものである。動作設定部４６は各種の動作を設定するための複数のディップスイッチなどで構成されており、筐体１１の背面に設けられている。
【００２５】
排気ファン４７は、モータと当該モータによって回転駆動されるファンなどで構成されている。
光電センサ４８は、投光器４８ａと受光器４８ｂとを有している。投光器４８ａと受光器４８ｂとは収容室１５内に上下に分かれて配置されている。収容室１５内に対象物が搬入されていないときは投光器４８ａから発光された光が受光器４８ｂに入光し、対象物が収容室１５内に搬入されると投光器４８ａから発光された光が対象物によって遮られる。投光器４８ａから発光された光が遮られると受光器４８ｂから制御回路４４に検出信号が出力される。制御回路４４は受光器４８ｂから検出信号が出力されることにより、収容室１５内に対象物が搬入されたことを検知する。制御回路４４は収容室１５内に対象物が搬入されたことを検知すると各エアバルブ４０に上述した開閉信号を出力する。
【００２６】
（３）イオナイザ及び噴射ノズルの内部構造
図５は、イオナイザ１６ａ及び噴射ノズル１９ａの内部構造を示す模式図である。イオナイザ１６ｂはイオナイザ１６ａと同構造であるためここではイオナイザ１６ａを例に説明する。イオナイザ１６ａは、イオン生成室６５、イオン生成室６５内に配置されている放電針６６（イオン生成手段の一例）、接地電極６７などを有している。
【００２７】
接地電極６７は金属の筒状部材で構成されており、イオン生成室６５にネジ固定されている。図示するように筒状の接地電極６７の内周部には放電針６６に近い側に筒状の絶縁物６８が嵌合されている。
イオン生成室６５には空気流路からイオン生成室６５内に空気を流入させる空気流入口６９、及び空気流入口６９から流入した空気を噴射する噴射口７０が形成されている。
【００２８】
イオナイザ１６ａは放電針６６に交流電圧を印加して接地電極６７との間にコロナ放電を起こすことにより、放電針６６の周囲の空気をプラスイオンとマイナスイオンとに交互にイオン化する。
【００２９】
噴射ノズル１９ａはイオナイザ１６ａに支持されている側の端部を始端として鉛直下向きに伸びる鉛直部分７１、鉛直部分７１の下端側から収容室１５内の前述した交差点に向かって傾いた姿勢で延びる傾斜部分７２などで構成されている。なお、噴射ノズル１９ａを回動軸線７３周りに回動可能にイオナイザ１６ａに支持させ、噴射ノズル１９ａを回動軸線７３周りに回動させることにより空気を噴射する方向を変更できるようにしてもよい。これにより、対象物において空気が吹き付けられる位置を作業者が変更できるようになる。
【００３０】
（４）除電除塵装置の作動
（４−１）作動の概要
本実施形態では、２つのイオナイザ１６ａ、１６ｂから互いに異なるタイミングで空気を噴射する。
仮に同一のエアコンプレッサから供給される空気を複数のイオナイザ１６ａ、１６ｂから同時に噴射するようにすると、一つのイオナイザのみから噴射する場合に比べて対象物に吹き付けられる空気の圧力が低下する。このため、対象物に付着している塵埃が飛散し難くなり、除塵性能が低下する。以下、具体的に説明する。
【００３１】
式１、式２は流量と圧力損失との関係を示す式である。ここでＲは配管（チューブ）による定数、Ｑは流量である。
圧力Ｐ＝元圧Ｐ'−圧力損失ΔＰ ・・・ 式１
ΔＰ＝Ｒ×Ｑ２ ・・・ 式２
上記式１及び式２によれば、流量の二乗に比例して圧力損失が増大する。すなわち、同時に複数のイオナイザから空気を噴射すると、流量が多くなり、その多くなった流量の二乗に比例して圧力損失が発生することにより、対象物に吹き付けられる空気の圧力が低下する。このため、対象物に付着している塵埃が飛散し難くなり、除塵性能が低下する。
【００３２】
逆にいうと、例えば噴射口が２つある場合は、同時に一つのイオナイザのみから空気を噴射するようにすると、同時に２つのイオナイザから空気を噴射する場合に比べて圧力損失は１／４に低下する。同様に、イオナイザが３つある場合は、同時に一つのイオナイザのみから空気を噴射するようにすると、同時に３つのイオナイザから空気を噴射する場合に比べて圧力損失は１／９に低下する。
【００３３】
そこで、本実施形態では同一のエアバルブに接続されているイオナイザを１つのグループとし、グループ毎に互いに異なるタイミングで空気を噴射する。具体的には、本実施形態ではイオナイザ１６ａ、１６ｂ毎に独立してエアバルブ４０を設け、各イオナイザ１６ａ、１６ｂをそれぞれ１つのグループとする。ここではイオナイザ１６ａを第１グループ、イオナイザ１６ｂを第２グループというものとし、第１グループと第２グループとから交互に空気を噴射する。すなわち第１グループと第２グループとから空気を排他的に噴射する。
【００３４】
（４−２）作動の詳細
図６は、制御回路４４が各エアバルブ４０に出力する開閉信号のタイミングチャートである。実施形態１に係る制御回路４４は図示するように各エアバルブ４０間でタイミングをずらして開閉信号をＯＮにする。具体的には、一方のエアバルブ４０ａ（図６では第１エアバルブ）の開閉信号をＯＮにしている間（期間Ｔ１）は他方のエアバルブ４０ｂ（図６では第２エアバルブ）の開閉信号をＯＦＦにする。そして、一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＮにしてから一定時間が経過すると当該一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＦＦにする。期間Ｔ２ではいずれのエアバルブ４０ａの開閉信号もＯＦＦとし、期間Ｔ３では他方のエアバルブ４０ｂの開閉信号をＯＮにする。そして、期間Ｔ４では再びいずれのエアバルブ４０の開閉信号もＯＦＦにする。
【００３５】
したがって２つのエアバルブ４０ａ、４０ｂは同時に開状態にはならず、第１グループから空気が噴射されている間（期間Ｔ１）は第２グループからは空気は噴射されない。そして、一定時間が経過すると第１グループからの空気の噴射が停止し、第２グループから空気が噴射される（期間Ｔ３）。これにより、２つのイオナイザ１６ａ、１６ｂから排他的に空気が噴射される。
【００３６】
なお、本実施形態ではいずれのエアバルブ４０の開閉信号もＯＦＦにする休止期間（期間Ｔ２及びＴ４）を設けているが、休止期間を設けずに常にどちらかのエアバルブ４０の開閉信号をＯＮにするようにしてもよい。
【００３７】
（５）実施形態の効果
以上説明した本発明の実施形態１に係る除電除塵装置１によると、対象物の同一箇所に向けて２方向から空気を吹き付けるので、当該同一箇所に付着した塵埃を飛散させるとき、１方向からのみ空気を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易い。よって除電除塵装置１によると、対象物に付着した塵埃を除塵する能力が高い。
【００３８】
なお、本実施形態では対象物の同一箇所に向けて空気を吹き付けるので、対象物の全体を除塵する場合には、作業者が対象物の位置を変えて各個所に空気をあてるようにすればよい。
【００３９】
更に、除電除塵装置１によると、各グループから排他的に空気を噴射するので、あるグループから気体が噴射されている間は別のグループからは空気が噴射されない。したがって、どの時点においても、全てのグループから同時に空気を噴射する場合に比べて対象物に吹き付けられる空気の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【００４０】
＜実施形態２＞
次に、本発明の実施形態２を図７によって説明する。
実施形態２では、グループ毎に互いに異なるタイミングで空気を噴射するが、各グループから空気が噴射される時期が一部重なる。
【００４１】
図７は、実施形態２に係る制御回路４４が各エアバルブ４０に出力する開閉信号のタイミングチャートである。実施形態２に係る制御回路４４は図示するように期間Ｓ１では一方のエアバルブ４０ａ（図７では第１エアバルブ）の開閉信号をＯＮにし、他方のエアバルブ４０ｂ（図７では第２エアバルブ）の開閉信号をＯＦＦにする。
【００４２】
期間Ｓ２では、制御回路４４は一方のエアバルブ４０ａの開閉信号をＯＦＦにし、他方のエアバルブ４０ｂの開閉信号をＯＮにする。
したがって期間Ｓ１及びＳ２では２つのグループから交互に空気が噴射される。
期間Ｔ３では、制御回路４４は各エアバルブ４０の開閉信号を同時にＯＮにする。したがって期間Ｓ３では２つのグループから同時に空気が噴射される。
【００４３】
以上説明した本発明の実施形態２に係る除電除塵装置によると、各グループから互いに異なるタイミングで空気を噴射するので、あるグループからは空気が噴射され、別のグループからは空気が噴射されないという期間（期間Ｓ１、Ｓ２）が生じる。したがって、少なくともその期間においては、全てのグループから同時に空気を噴射する場合に比べて対象物に吹き付ける気体の圧力の低下が小さくなり、除塵性能の低下を低減できる。
【００４４】
更に、実施形態２に係る除電除塵装置によると、各グループから空気が噴射される時期が一部重なるようにしているので、空気の圧力に強弱を持たせることができ、これにより塵埃の周囲にランダムな空気の流れが生じ易くなり、一方向のみから空気を吹き付ける場合に比べて塵埃が飛散し易くなる。
実施形態２はその他の点において実施形態１と同一である。
【００４５】
＜実施形態３＞
次に、本発明の実施形態３を図８によって説明する。
実施形態３では、イオナイザを一つのみ備え、そのイオナイザに複数の噴射口を設ける。
【００４６】
図８は、実施形態３に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。実施形態３に係る噴射ノズル８１（吹き付け手段の一例）はイオナイザ８０（噴射手段の一例）に支持されている側の端部を始端として鉛直下向きに伸びる鉛直部分８２、鉛直部分８２の下端側から分岐して互いに逆方向に延びる２つの水平部分８３ａ、８３ｂ、各水平部分８３ａ、８３ｂの鉛直部分８２とは逆側から収容室１５内の同一点に向かって傾いた姿勢で延びる傾斜部分８４ａ、８４ｂなどで構成されている。
【００４７】
各傾斜部分８４ａ、８４ｂの先端には空気を吹き出す噴射口８５ａ、８５ｂが形成されている。各噴射口８５ａ、８５ｂの噴射軸線８６ａ、８６ｂは互いに平行ではなく、図示するように収容室１５内の上述した点（交差点）で交差するように設定されている。
【００４８】
以上説明した本発明の実施形態３に係る除電除塵装置によると、収容室１５の上述した交差点付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に２方向から空気が吹き付けられる。
実施形態３はその他の点において実施形態１と同一である。
【００４９】
＜実施形態４＞
次に、本発明の実施形態４を図９によって説明する。
実施形態４では、噴射ノズルを回転軸線周りに回転させることによって対象物に複数の方向から空気を吹き付ける。
【００５０】
図９は、実施形態４に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。噴射ノズル９１（吹き付け手段の一例）は水平部分９３及び傾斜部分９４がそれぞれ一つであることを除いて実施形態３の噴射ノズル８１と同形状である。図中の一点鎖線９７は鉛直部分９２の回転軸線を示している。噴射口９５の噴射軸線９６は回転軸線９７に対して傾いており、鉛直部分９２の下方で回転軸線９７と交差する。
【００５１】
イオナイザ９０（噴射手段の一例）の内部にはモータなどの駆動源９８（回転手段の一例）が設けられており、駆動源９８によって噴射ノズル９１の鉛直部分９２を回転軸線９７周りに回転させる。
【００５２】
以上説明した本発明の実施形態４に係る除電除塵装置によると、回転軸線９７と噴射軸線９６とが交差する点（交差点）付近に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において当該交差点の近傍箇所に３６０度から空気が吹き付けられる。対象物に付着した塵埃を飛散させる場合、より多くの方向から空気を吹き付けた方が飛散する可能性が高くなる。したがって、実施形態４に係る除電除塵装置によると、塵埃を除塵する能力が高くなる。
実施形態４はその他の点において実施形態１と同一である。
【００５３】
＜実施形態５＞
次に、本発明の実施形態５を図１０によって説明する。
実施形態５では、対象物を回転させることによって対象物に複数の方向から空気を吹き付ける。
【００５４】
図１０は、実施形態５に係るイオナイザ及び噴射ノズルの模式図である。
ターンテーブル１０２（回転手段の一例）は、対象物８７が置かれる円盤状のテーブル１０３、テーブル１０３から下方向に伸びる軸部１０４、軸部１０４を回転軸線１０５周りに回転させる図示しないモータなどで構成されており、テーブル１０３に置かれた対象物８７を回転させる。なお、対象物８７に応じてテーブル１０３の高さを変えられるように構成してもよい。
【００５５】
イオナイザ１００（噴射手段の一例）は回転軸線１０５に対して傾いた姿勢で筐体１１（吹き付け手段の一例）に支持されている。噴射ノズル１０１の先端には噴射口１０６が形成されており、噴射口１０６の噴射軸線１０７はイオナイザ１００の中心軸線方向に延びてテーブル１０３の表面付近で回転軸線１０５と交差するように設定されている。
【００５６】
以上説明した本発明の実施形態５に係る除電除塵装置によると、ターンテーブル１０２の回転軸線１０５が通過する位置に対象物８７を配置した場合には、対象物８７において回転軸線１０５と噴射軸線１０７とが交差する点の近傍箇所に３６０度から空気が吹き付けられる。したがって、実施形態５に係る除電除塵装置によると、塵埃を除塵する能力が高くなる。
なお、実施形態５ではイオナイザ１００の中心軸線方向に空気を吹き付けるので、噴射ノズル１０１は必ずしも必要ではない。
実施形態５はその他の点において実施形態１と同一である。
【００５７】
＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【００５８】
（１）上記実施形態１では除電除塵装置１の上方から見て２つの噴射軸線が一直線状になるように噴射軸線２１ａ、２１ｂを設定しているが、これらは必ずしも一直線状である必要はなく、例えば図１１に示すように噴射軸線２１ａ、２１ｂが９０度で交差するように設定してもよい。図１１は除電除塵装置１を上方から見た模式図であり、噴射軸線２１ａと２１ｂとは９０度の角度で交差するように設定されている。なお、２つの噴射軸線２１ａ、２１ｂが交差する角度は９０度に限られるものではなく、適宜設定可能である。
【００５９】
（２）上記実施形態１では１つのグループが１つのイオナイザからなる場合を例に説明したが、グループの分割の仕方はこれに限られるものではない。例えばイオナイザが３つあって各イオナイザがそれぞれ異なるエアバルブに接続されている場合は、１つのイオナイザを１グループとして３つのグループに分けてもよいし、２つのイオナイザを１グループとし、残りのイオナイザを別の１グループとしてもよい。また、例えばイオナイザが４つあって２つ毎に同じエアバルブに接続されている場合は、同一のエアバルブに接続されている２つのイオナイザが１つのグループを構成することになる。
【００６０】
（３）上記実施形態１では噴射ノズル１９に傾斜部分７２を設けることによって空気を吹き付ける方向を設定しているが、筐体１１（吹き付け手段の一例）が各イオナイザ１６を傾いた姿勢で支持することによって方向を設定してもよい。
【００６１】
（４）上記実施形態５では筐体１１（吹き付け手段の一例）がイオナイザ１００を傾いた姿勢で支持することによって噴射方向を設定しているが、噴射ノズル１０１に傾斜部分７２を設けることによって噴射方向を設定してもよい。
【００６２】
（５）上記実施形態では除塵装置としてイオナイザを備える除電除塵装置を例に説明したが、除塵装置はイオナイザを備えないもの、すなわちイオン化されていない空気を噴射して除塵のみを行うものであってもよい。
【００６３】
（６）上記実施形態ではイオナイザから空気を間欠的に噴射する場合を例に説明したが、すべてのイオナイザから連続的に空気を噴射してもよい。
【００６４】
（７）噴射ノズルには、その噴射ノズルから吹き出す空気の噴射軸線を示す可視光を出射する手段を設けてもよい。これにより、作業者は対象物をどこに配置すればよいかを視覚的に把握できる。この可視光を出射する手段としては、例えばＬＥＤなどを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の一実施形態に係る除塵装置の斜視図。
【図２】本発明の一実施形態に係る除塵装置の正面図。
【図３】本発明の一実施形態に係る除塵装置の側面図。
【図４】本発明の一実施形態に係る除塵装置のブロック図。
【図５】本発明の一実施形態に係るイオナイザの内部構造を示す模式図。
【図６】本発明の一実施形態に係るタイミングチャート。
【図７】本発明の一実施形態に係るタイミングチャート。
【図８】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図９】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図１０】本発明の一実施形態に係る噴射手段及び吹き付け手段の模式図。
【図１１】本発明の一実施形態に係る噴射軸線の模式図。
【符号の説明】
【００６６】
１・・・除電除塵装置（除塵装置）
１１・・・筐体（吹き付け手段）
１６・・・イオナイザ（噴射手段）
１９ａ、１９ｂ・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
４４・・・制御回路（噴射制御手段、イオン生成手段、電圧印加手段）
６６・・・放電針（イオン生成手段）
７３・・・回動軸線
８０・・・イオナイザ（噴射手段）
８１・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
８７・・・対象物
９０・・・イオナイザ（噴射手段）
９１・・・噴射ノズル（吹き付け手段）
９７・・・回転軸線
９８・・・駆動源（回転手段）
１００・・・イオナイザ（噴射手段）
１０２・・・ターンテーブル（回転手段）
１０５・・・回転軸線
１１０ａ、１１０ｂ・・・イオナイザ（噴射手段）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置であって、
気体を噴射する噴射手段と、
前記噴射手段から噴射される気体を前記対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段と、
を備える除塵装置。
【請求項２】
請求項１に記載の除塵装置であって、
複数の前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、各前記噴射手段から噴射される気体を互いに異なる方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項３】
請求項１に記載の除塵装置であって、
一つの前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、前記噴射手段の噴射口側に設けられる噴射ノズルと、前記噴射ノズルを回転軸線周りに回転させる回転手段とを有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項４】
請求項１に記載の除塵装置であって、
一つの前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、前記対象物を回転軸線周りに回転させる回転手段を有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項５】
請求項２に記載の除塵装置であって、
各前記噴射手段をグループに分けた各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射させる噴射制御手段を備える。
【請求項６】
請求項１乃至請求項５のいずれか一項に記載の除塵装置であって、
前記対象物が収容される収容室を形成する筐体と、
排気ファンと、
を備え、前記噴射手段を前記収容室の上部に設け、前記噴射手段から噴射される気体を前記吹き付け手段により前記収容室内に収容された前記対象物に吹き付け、その吹き付けられた気体を前記排気ファンにより排気する。
【請求項７】
請求項１乃至請求項６のいずれか一項に記載の除塵装置と、
放電針と前記放電針に電圧を印加してイオンを発生させる電圧印加手段とを有するイオン生成手段と、
を備え、前記噴射手段は前記イオン生成手段で生成したイオンを噴射する、除電除塵装置。
【請求項１】
対象物に気体を吹き付けて除塵する除塵装置であって、
気体を噴射する噴射手段と、
前記噴射手段から噴射される気体を前記対象物の同一箇所に複数の方向から吹き付ける吹き付け手段と、
を備える除塵装置。
【請求項２】
請求項１に記載の除塵装置であって、
複数の前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、各前記噴射手段から噴射される気体を互いに異なる方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項３】
請求項１に記載の除塵装置であって、
一つの前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、前記噴射手段の噴射口側に設けられる噴射ノズルと、前記噴射ノズルを回転軸線周りに回転させる回転手段とを有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項４】
請求項１に記載の除塵装置であって、
一つの前記噴射手段を備え、
前記吹き付け手段は、前記対象物を回転軸線周りに回転させる回転手段を有し、前記噴射手段から噴射される気体を前記回転軸線に対して傾いた方向から前記対象物に吹き付ける。
【請求項５】
請求項２に記載の除塵装置であって、
各前記噴射手段をグループに分けた各グループから互いに異なるタイミングで気体を噴射させる噴射制御手段を備える。
【請求項６】
請求項１乃至請求項５のいずれか一項に記載の除塵装置であって、
前記対象物が収容される収容室を形成する筐体と、
排気ファンと、
を備え、前記噴射手段を前記収容室の上部に設け、前記噴射手段から噴射される気体を前記吹き付け手段により前記収容室内に収容された前記対象物に吹き付け、その吹き付けられた気体を前記排気ファンにより排気する。
【請求項７】
請求項１乃至請求項６のいずれか一項に記載の除塵装置と、
放電針と前記放電針に電圧を印加してイオンを発生させる電圧印加手段とを有するイオン生成手段と、
を備え、前記噴射手段は前記イオン生成手段で生成したイオンを噴射する、除電除塵装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１０−１０４９６９（Ｐ２０１０−１０４９６９Ａ）
【公開日】平成２２年５月１３日（２０１０．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２８２４７５（Ｐ２００８−２８２４７５）
【出願日】平成２０年１０月３１日（２００８．１０．３１）
【出願人】（０００１０６２２１）サンクス株式会社 (578)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年５月１３日（２０１０．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１０月３１日（２００８．１０．３１）
【出願人】（０００１０６２２１）サンクス株式会社 (578)
【Ｆターム（参考）】
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