説明

障害イベント自動対応システム

【課題】バッチジョブの正常実行確認や未知障害発生時の自動対応を十分にして適確に行うことができる障害イベント自動対応システムを提供する。
【解決手段】システム105では、対応コマンド発行部109が対応実績確認部107でのエラー内容を判断した結果に応じ、既知であればバッチジョブを自動実行し、未知であれば携帯電話115へメール作成部112のメール内容をメール機能113の働きで送信し、携帯電話115から返信されるバッチジョブの保存先を通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた文字列に応じてバッチジョブを自動実行する際、仮想環境のサーバ102で対応コマンド実行のテストを完了した時点で実環境のサーバ101での対応コマンド実行を行わせる。メール作成部112は、サーバ102での対応コマンド実行のテスト、サーバ102での対応コマンド実行の結果を携帯電話115へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム情報を管理するデータセンタとして働くサーバ内に備えられ、各種運用対象サーバの障害発生時の対応についてのアウトソーシングにおいて、業務担当者からの音声情報に基づいて障害を回復させるためのバッチジョブを実行して障害イベントの自動対応機能を構築した障害イベント自動対応システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバ障害発生時の対応に関連する周知技術としては、例えば、サーバ障害発生時に既知障害であるか否かを判定した結果に応じて、既知障害の場合には該当するバッチジョブを抽出して自動実行させ、未知障害の場合には該当する解析者のメールアドレスを特定し、特定したメールアドレス宛に障害解析依頼を行う「コンピュータ障害の対処方法、障害対処システム」(特許文献1参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−148538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等で互いにネットワーク接続されたサーバに障害が発生した場合は、障害を検知した後にオペレータから該当するサーバの業務担当者へメールを送付したり、或いは電話を使用して連絡を行い、連絡を受けた業務担当者が障害の解析、対策を実施するという方法が採られているが、業務担当者に連絡が取れない場合や夜間に障害が発生した場合には対応遅れになる恐れがあり、こうした場合の対策案も幾つか考案されているが、現状では十分に対策し切れていないという問題がある。
【0005】
例えば特許文献1記載の技術では、構成変更の発生後の障害対応において既存バッチジョブ実行時にエラーが発生する可能性がある、バッチジョブ実行時の正常完了及びエラー発生の連絡が行われない、未知障害の場合には対策用のバッチジョブを生成し、回答をメールで連絡する必要があるといった不具合があり、バッチジョブの正常実行確認や未知障害発生時の自動対応を十分にして適確に行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、バッチジョブの正常実行確認や未知障害発生時の自動対応を十分にして適確に行うことができる障害イベント自動対応システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するため、本発明は、障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた実環境及び仮想環境を含む相手側の障害発生サーバとネットワーク接続されたサーバに具備される障害イベント自動対応システムであって、実環境のサーバを対象として障害発生を検知する障害検知部と、システム情報を蓄積して格納するシステム情報用データベースと、障害検知部により障害発生を検知した後にシステム情報を参照してエラー内容を判断する対応実績確認部と、システム情報を参照してエラー内容に応じて対応コマンド発行を行ってバッチジョブを自動的に実行する対応コマンド発行部と、通信通話回線網を介して接続された通信通話端末機の所有者である業務担当者からの通話内容についての音声情報を文字情報に変換する音声変換部と、文字情報から文字列を抽出する文字列抽出部と、対応コマンド発行部による対応状況を示す通信内容を作成する通信内容作成部と、を備え、対応コマンド発行部は、対応実績確認部によるエラー内容を判断した結果に応じて、既知のエラーである場合に障害対策用のバッチジョブを自動的に実行するとき、並びに未知のエラーである場合に通信通話端末機宛てに通信内容作成部による通信内容で当該システムに付設される通信機能の働きにより送信し、当該通信通話端末からの返信内容であって、障害対策用のバッチジョブの保存先を当該システムへ通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた文字列に応じてバッチジョブを自動的に実行するときの何れについても、実環境のサーバへ適用する前に仮想環境のサーバで対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で当該実環境のサーバでの当該対応コマンド実行を行わせる処理を行い、通信内容作成部は、通信内容として、対応コマンド発行部による仮想環境のサーバでの対応コマンド実行のテスト、及び実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果を通信機能の働きにより通信通話回線網を介して通信通話端末機宛てに送信することを特徴とする。
【0008】
また、上記障害イベント自動対応システムの一実施態様は、文字列抽出部は、システム情報を参照して対応コマンドのファイルパスを生成し、対応コマンド発行部は、対応実績確認部によるエラー内容を判断した結果が既知のエラーであればシステム情報に従い、未知のエラーであればファイルパスに従い、それぞれ実環境のサーバへ適用する前に仮想環境のサーバで対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で当該実環境のサーバでの当該対応コマンド実行を行わせる処理を行うことを特徴とする。
【0009】
更に、上記何れかの障害イベント自動対応システムの他の実施態様は、システム情報を参照して対応コマンドを抽出して対応コマンド発行部へ引き渡すコマンド抽出部と、対応コマンド発行部による仮想環境のサーバでの対応コマンド実行のテスト、及び実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果を確認する実行結果確認部と、を備え、通信内容作成部は、実行結果確認部による対応コマンド実行の結果が完了されなければ通信内容としてエラーの旨を作成し、完了されれば完了の旨を作成し、通信機能は、通信内容としてエラーの旨、完了の旨を通信通話回線網を介して通信通話端末機へ送信することを特徴とする。
【0010】
加えて、上記障害イベント自動対応システムの別の実施態様は、対応コマンド発行部は、仮想環境のサーバでの対応コマンド実行のテスト、及び実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果、完了されなければ通信内容作成部によるエラーの旨の作成前にシステム情報用データベースにおけるシステム情報の該当分を削除し、完了されれば当該通信内容作成部による完了の旨の作成前に当該実環境のサーバについての当該システム情報用データベースにおける当該システム情報に通信通話端末機に係る通信通話番号、対応コマンドを登録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のサーバに具備される障害イベント自動対応システムによれば、ネットワーク接続された障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた実環境及び仮想環境を含む相手側の障害発生サーバにおける実環境のサーバの障害発生検知後にエラー内容を判断した結果に応じて、既知のエラーである場合に障害対策用のバッチジョブを自動的に実行するとき、並びに未知のエラーである場合に通信通話回線網に接続された業務担当者の所有する通信通話端末機宛てに通信内容を送信し、業務担当者の通信通話端末機からの返信内容であって、障害対策用のバッチジョブの保存先をシステムへ通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた文字列に応じてバッチジョブを自動的に実行するときの何れについても、実環境のサーバへ適用する前に仮想環境のサーバで対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で実環境のサーバでの対応コマンド実行を行わせ、係る処理内容の結果を業務担当者の通信通話端末機で逐次確認できる機能を構築しているため、障害イベント自動対応機能として従来に無く迅速且つ高品質なサービスを提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る障害イベント自動対応システムを備えたサーバの運用環境全体の構成を例示したブロック図である。
【図2−1】図1に示す障害イベント自動対応システムの処理動作の前半部分を各部のシーケンスに対応させて示したフローチャートである。
【図2−2】図1に示す障害イベント自動対応システムの処理動作の後半部分を各部のシーケンスに対応させて示したフローチャートである。
【図3】図1に示す障害イベント自動対応システムに備えられるテーブル形式のシステム情報用データベースの構成内容を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の障害イベント自動対応システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る障害イベント自動対応システム105を備えたサーバ104の運用環境全体の構成を例示したブロック図である。
【0015】
ここでの障害イベント自動対応システム105と通信機能としてのメール機能113とを備えたサーバ104の運用環境は、接続用LAN(ローカルエリアネットワーク)103により互いに接続された障害対策用のコマンドジョブ発行先であると共に、障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた実環境の障害発生サーバ(以下、実環境のサーバとする)101と、障害対策用のコマンドジョブ発行先であると共に、障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた仮想環境(テスト環境)の障害発生サーバ(以下、仮想環境のサーバとする)102と、を備える他、通信通話回線網である携帯電話網118及びインターネット114に接続された携帯電話115を備えた全体構成となっている。
【0016】
このうち、障害イベント自動対応システム105は、接続用LAN103により接続された相手側のサーバ101、102における障害発生を検知する(本実施例では実環境のサーバ101の障害発生を検知するものとする)障害検知部106と、システム情報である管理No、会社名、システム名、サーバ名、電話番号、エラーID、エラー内容、対応コマンドをテーブル形式で蓄積して格納するシステム情報用データベース111と、障害検知部106により障害を検知した後にシステム情報を参照して発生した障害の対応実績を確認してエラー内容を判断する対応実績確認部107と、システム情報を参照して障害対策用の対応コマンドを抽出するコマンド抽出部108と、システム情報を参照してエラー内容に応じて障害対策用の対応コマンド発行を行ってバッジジョブを自動的に実行する対応コマンド発行部109と、対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認部110と、業務担当者への連絡用通信内容としてメールを作成する通信内容作成部としてのメール作成部112と、業務担当者が所有する通信通話端末機である携帯電話115からの携帯電話網118経由で送信された通話を受信する通話受信部119と、受信した通話内容の音声情報を文字情報に変換する音声変換部120と、文字情報から文字列を抽出する文字列抽出部121と、を備えて構成される。
【0017】
業務担当者による通話及び送信メール用の携帯電話115は、携帯電話網118経由でサーバ104へ通話するための通話機能117と、サーバ104のメール機能113からのインターネット114経由でのメールを受信する通信機能であるメール機能116と、を備えて構成される。
【0018】
尚、携帯電話網118は携帯電話115からサーバ104向けの通話に使用するためのものであるが、インターネット114はメール機能113、116によるメール通信をサーバ104及び携帯電話115間で双方向通信可能とするためのものであるため、携帯電話115のメール機能116からサーバ104のメール機能113へメールすることもできる。
【0019】
このうち、対応コマンド発行部109は、対応実績確認部107によるエラー内容を判断した結果に応じて、既知のエラーの場合に障害対策用のバッチジョブを自動的に実行するとき、並びに未知のエラーである場合に携帯電話115宛てにメール作成部112によるメール内容でシステムに付設されるメール機能113の働きにより送信し、携帯電話115からの返信内容であって、障害対策用のバッチジョブの保存先をシステムへ通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた文字列に応じてバッチジョブを自動的に実行するときの何れについても、実環境のサーバ101へ適用する前に仮想環境のサーバ102で対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で実環境のサーバ101での対応コマンド実行を行わせる処理を行う。
【0020】
また、通信内容作成部としてのメール作成部112は、通信内容(メール内容)として、対応コマンド発行部109による仮想環境のサーバ102での対応コマンド実行のテスト、及び実環境のサーバ101での対応コマンド実行の結果を通信機能であるメール機能の働きにより通信通話回線網のインターネット114を介して携帯電話115宛てに送信する。
【0021】
更に、文字列抽出部121は、システム情報を参照して対応コマンドのファイルパスを生成し、対応コマンド発行部109では、対応実績確認部107によるエラー内容を判断した結果が既知のエラーであればシステム情報に従い、未知のエラーであればファイルパスに従い、それぞれ実環境のサーバ101へ適用する前に仮想環境のサーバ102で対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で実環境のサーバ101での対応コマンド実行を行わせる処理を行う。
【0022】
加えて、通信内容作成部としてのメール作成部112は、実行結果確認部110による対応コマンド実行の結果が完了されなければ通信内容としてエラーの旨を作成し、完了されれば完了の旨を作成する。そこで、通信機能であるメール機能113は、通信内容としてエラーの旨、完了の旨を通信通話回線網のインターネット114を介して携帯電話115へ送信する。また、対応コマンド発行部109は、仮想環境のサーバ102での対応コマンド実行のテスト、及び実環境のサーバ101での対応コマンド実行の結果、完了されなければメール作成部112によるエラーの旨の作成前にシステム情報用データベース11におけるシステム情報の該当分を削除し、完了されればメール作成部112による完了の旨の作成前に実環境のサーバ101についてのシステム情報用データベース111におけるシステム情報に通信通話端末機(携帯電話115)に係る通信通話番号(電話番号)、対応コマンドを登録する。
【0023】
即ち、ここでのサーバ104が備える障害イベント自動対応システム105は、システム情報を管理するシステム情報用データベース111を備えたデータセンタとして働き、各種運用対象サーバ101、104の障害発生時の対応についてのアウトソーシングにおいて、業務担当者からの音声情報を文字変換した文字情報より抽出した文字列に応じて障害を回復させるためのバッチジョブを実行することにより、障害イベントの自動対応機能を構築したものである。
【0024】
図2−1は、この障害イベント自動対応システムの処理動作の前半部分を各部のシーケンスに対応させて示したフローチャートである。また、図2−2は同処理動作の後半部分を各部のシーケンスに対応させて示したフローチャートである。尚、図2−1及び図2−2中では、システム情報用データベース111をシステムテーブルとして表記する。また、コマンド抽出部108に係る基本機能、システムテーブルからシステム情報を参照して対応コマンドを抽出して対応コマンド発行部109へ引き渡す処理については、説明を省略する。
【0025】
図2−1を参照すれば、障害イベント自動対応システム105の処理動作では、障害発生サーバ(実環境のサーバ)101で障害発生(ステップ201)した場合、その障害検知機能(障害検知部)が検知してサーバ104の障害イベント自動対応システム105の障害検知部106へ通達することにより、障害検知部106の障害検知(ステップ202)が行われた後、対応実績確認部107が障害情報の登録(ステップ203)を行う。
【0026】
また、対応実績確認部107では、障害情報の登録後、システムテーブル(ステップ204)にアクセスし、システムテーブルからシステム名、サーバ名、エラーID、エラー内容を抽出(ステップ205)する。
【0027】
この後、対応実績確認部107では、障害情報にシステム名と一致する内容が含まれているか否かを障害情報=システム名であるか否かの判定(ステップ206)により行い、含まれていれば(OKであれば)、障害情報にサーバ名と一致する内容が含まれているかを障害情報=サーバ名であるか否かの判定(ステップ207)により行い、含まれていれば(OKであれば)、障害情報にエラーIDと一致する内容が含まれているかを障害情報=エラーIDであるか否かの判定(ステップ208)により行い、含まれていれば(OKであれば)、障害情報にエラー内容と一致する内容が含まれているかを障害情報=エラー内容であるか否かの判定(ステップ209)により行い、含まれていれば(OKであれば)、引き続いてシステムテーブル(ステップ210)を対象とし、システムテーブルから対応コマンドを抽出(ステップ211)する。
【0028】
更に、上述した各判定(ステップ206、ステップ207、ステップ208、ステップ209)の結果、内容が含まれていなければ(NGであれば)、レコードが最終行か否かを判定(ステップ212)する。この判定の結果、最終行でなければ(NGであれば)、システムテーブルから対応コマンドを抽出(ステップ211)する処理にリターンして次レコードを抽出するように移行するが、レコードが最終行であれば(OKであれば)、システムテーブル(ステップ213)にアクセスし、システムテーブルに管理No、会社名、システム名、サーバ名、エラーID、エラー内容を登録(ステップ214)する処理を行った後、その登録を行った旨をメール作成部112に伝達する。
【0029】
そこで、メール作成部112では、エラー対策未登録メールの作成(ステップ215)を行い、管理No、会社名、システム名、サーバ名、エラーID、エラー内容を記載し、これを受けてメール機能113がエラー対策未登録メールの発行(ステップ216)をインターネット114経由で業務担当者が所有する携帯電話115宛てに行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー対策未登録メールの受信(ステップ217)が行われると、エラー対策未登録メールの確認(ステップ218)処理を経てから通話機能117による通話(ステップ237)に移行する。この通話(ステップ237)では、通話内容として、業務担当者が管理No、対応コマンド(ドライブ名、フォルダ名、ファイル名)を音声情報で伝える。
【0030】
また、先の対応実績確認部107のシステムテーブルから対応コマンドを抽出(ステップ211)する処理の後は、対応コマンド発行部109が障害発生サーバ(仮想環境のサーバ)102に対応コマンド発行(ステップ219)する処理を行い、障害発生サーバ(仮想環境のサーバ)102では対応コマンド実行機能(対応コマンド実行部)により対応コマンド実行(ステップ220)する処理を行うと共に、実行結果確認機能(実行結果確認部)により完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ221)する。
【0031】
この判定の結果、完了メッセージが出力されなければ(NGであれば)、メール作成部112がエラー発生メールの作成(ステップ222)を行い、これを受けてメール機能113がエラー発生メールの発行(ステップ223)をインターネット114経由で業務担当者の所有する携帯電話115宛てに行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー発生メール受信(ステップ224)が行われると、エラー発生メールの確認(ステップ225)を経て処理を終了する。
【0032】
更に、先の完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ221)した結果、完了メッセージが出力されれば(OKであれば)、対応コマンド発行部109が障害発生サーバ(実環境のサーバ)101に対応コマンド発行(ステップ226)する処理を行い、障害発生サーバ(実環境のサーバ)101では対応コマンド実行機能(対応コマンド実行部)により対応コマンド実行(ステップ227)する処理を行うと共に、実行結果確認機能(実行結果確認部)により完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ228)する。
【0033】
この判定の結果、完了メッセージが出力されていなければ(NGであれば)、メール作成部112がエラー発生メールの作成(ステップ229)を行い、これを受けてメール機能113がエラー発生メールの発行(ステップ230)をインターネット114経由で業務担当者の所有する携帯電話115宛てに行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー発生メール受信(ステップ231)が行われると、エラー発生メールの確認(ステップ232)を経て処理を終了する。
【0034】
加えて、先の完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ228)した結果、完了メッセージが出力されれば(OKであれば)、メール作成部112が完了メールの作成(ステップ233)を行い、これを受けてメール機能113がインターネット114経由での業務担当者の所有する携帯電話115宛てに完了メールの発行(ステップ234)を行う。携帯電話115のメール機能116では、完了メール受信(ステップ235)が行われると、完了メールの確認(ステップ236)を経て処理を終了する。
【0035】
ところで、上述した携帯電話115の通話機能117による通話(ステップ237)は、エラー対策未登録メールの確認(ステップ235)の後、通話内容として、対応コマンドのドライブ名、フォルダ名、ファイル名を音声情報により伝えることは上述した通りである。
【0036】
図2−2を参照すれば、係る通話(ステップ237)を携帯電話網118経由で通話受信部119が受けることにより、電話受付(ステップ238)が行われ、その後の処理は音声変換部120に移行する。
【0037】
音声変換部120では、通信元発信ナンバーを文字情報として登録(ステップ239)する処理に続き、通話内容を音声情報として登録(ステップ240)する処理を行った後、登録された音声情報を文字情報へ変換(ステップ241)して文字列抽出部121へ引き渡す。
【0038】
文字列抽出部121では、システムテーブル(ステップ242)にアクセスし、システムテーブルから管理Noを抽出(ステップ243)した後、変換後の文字情報に管理Noと一致する内容が含まれているかを文字情報=管理Noであるか否かの判定(ステップ244)により行い、含まれていれば(OKであれば)、文字情報にドライブ名と一致する内容が含まれているか否かを文字情報=ドライブ名であるか否かの判定(ステップ246)により行い、含まれていれば(OKであれば)、文字情報にフォルダ名と一致する内容が含まれているか否かを文字情報=フォルダ名であるか否かの判定(ステップ247)により行い、含まれていれば(OKであれば)、文字情報にファイル名と一致する内容が含まれているかを文字情報=ファイル名であるか否かの判定(ステップ248)により行い、含まれていれば(OKであれば)、引き続いて抽出したドライブ名、フォルダ名、ファイル名から対応コマンドのファイルパスを生成(ステップ249)する処理を行う。
【0039】
また、先の文字情報=管理Noであるか否かの判定(ステップ244)の結果、含まれていなければ(NGであれば)、レコードが最終行か否かの判定(ステップ245)を行う。この判定の結果、最終行でなければ(NGであれば)、システムテーブルから管理Noを抽出(ステップ243)する処理にリターンして次レコードを抽出するように移行するが、レコードが最終行であれば(OKであれば)、先の各判定(ステップ246、ステップ247、ステップ248)の結果で内容が含まれていない(NGである)場合と同様に、それらの旨をメール作成部112に伝達する。
【0040】
そこで、メール作成部112では、エラー発生メールの作成(ステップ250)を行い、これを受けてメール機能113が業務担当者の所有する携帯電話115宛てにインターネット114経由でエラー発生メールの発行(ステップ251)を行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー発生メール受信(ステップ252)が行われると、エラー発生メールの確認(ステップ253)を経てから再度通話(ステップ237)へリターンする。
【0041】
更に、先の文字列抽出部121で抽出したドライブ名、フォルダ名、ファイル名から対応コマンドのファイルパスを生成(ステップ249)する処理の後は、対応コマンド発行部109が障害発生サーバ(仮想環境のサーバ)102に対応コマンド発行(ステップ254)する処理を行い、障害発生サーバ(仮想環境のサーバ)102では対応コマンド実行機能(対応コマンド実行部)により対応コマンド実行(ステップ255)する処理を行うと共に、実行結果確認機能(実行結果確認部)により完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ256)する。
【0042】
この判定の結果、完了メッセージが出力されなければ(NGであれば)、対応コマンド発行部109がシステムテーブル(ステップ257)にアクセスし、システムテーブルから管理No、会社名、システム名、サーバ名、エラーID、エラー内容を削除(ステップ258)する処理を行った後、メール作成部112へその旨を伝達する。
【0043】
そこで、メール作成部112では、エラー発生メールの作成(ステップ259)を行い、これを受けてメール機能113がエラー発生メールの発行(ステップ260)をインターネット114経由で業務担当者が所有する携帯電話115宛てに行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー発生メール受信(ステップ261)が行われると、エラー発生メールの確認(ステップ262)を経て処理を終了する。
【0044】
一方、先の完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ256)した結果、完了メッセージが出力されれば(OKであれば)、対応コマンド発行部109が障害発生サーバ(実環境のサーバ)101に対応コマンド発行(ステップ263)する処理を行い、障害発生サーバ(実環境のサーバ)101では対応コマンド実行機能(対応コマンド実行部)により対応コマンド実行(ステップ264)する処理を行うと共に、実行結果確認機能(実行結果確認部)により完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ265)する。
【0045】
この判定の結果、完了メッセージが出力されていなければ(NGであれば)、対応コマンド発行部109がシステムテーブル(ステップ266)にアクセスし、システムテーブルから管理No、会社名、システム名、サーバ名、エラーID、エラー内容を削除(ステップ267)する処理を行った後、その旨をメール作成部112に伝達する。
【0046】
そこで、メール作成部112では、エラー発生メールの作成(ステップ268)を行い、これを受けてメール機能113がエラー発生メールの発行(ステップ269)をインターネット114経由で業務担当者が所有する携帯電話115宛てに行う。携帯電話115のメール機能116では、エラー発生メール受信(ステップ270)が行われると、エラー発生メールの確認(ステップ271)を経て処理を終了する。
【0047】
更に、先の完了メッセージが出力されたか否かを判定(ステップ265)した結果、完了メッセージが出力されれば(OKであれば)、対応コマンド発行部109がシステムテーブル(ステップ272)にアクセスし、システムテーブルから管理Noを抽出(ステップ273)し、文字情報に管理Noと一致する内容が含まれているか否かを文字情報=管理Noであるか否かの判定(ステップ274)により行い、含まれていなければ(NGであれば)、システムテーブルから管理Noを抽出(ステップ273)する処理にリターンするが、含まれていれば(OKであれば)、システムテーブル(ステップ275)にアクセスし、システムテーブルに携帯電話番号、対応コマンドを登録(ステップ276)した後、その旨をメール作成部112に伝達する。
【0048】
そこで、メール作成部112では、完了メールの作成(ステップ277)を行い、これを受けてメール機能113がインターネット114経由での業務担当者が所有する携帯電話115に対して完了メールの発行(ステップ278)を行う。携帯電話115のメール機能116では、完了メール受信(ステップ279)が行われると、対応完了確認(ステップ280)を経て処理を終了する。
【0049】
図3は、上述した障害イベント自動対応システム105に備えられるテーブル形式のシステム情報用データベース(システムテーブル)111の構成内容を例示した図である。
【0050】
図3を参照すれば、システムテーブルは番号(No)に順次対応する項目名、並びにそれらの項目説明の具体的内容をテーブル形式で格納して成り、そのデータ例は上述したようなシステム情報である管理No、会社名、システム名、サーバ名、電話番号、エラーID、エラー内容、対応コマンドの具体的内容をそれぞれテーブル形式で格納したものである。
【0051】
要するに、実施例1に係るサーバ104に具備される障害イベント自動対応システム105では、ネットワーク接続された障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた相手側の障害発生サーバである実環境のサーバ101及び仮想環境のサーバ102における実環境のサーバ101の障害発生検知後にエラー内容を判断した結果に応じて、既知のエラーであれば障害対策用のバッチジョブを自動的に実行し、未知のエラーであれば携帯電話網118及びインターネット114に接続された業務担当者の所有する携帯電話115宛てに通信内容を送信し、その携帯電話115からの返信内容であって、障害対策用のバッチジョブの保存先をシステムへ通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた文字列に応じてバッチジョブを自動的に実行するときの何れについても、実環境のサーバ101へ適用する前に仮想環境のサーバ102で対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で実環境のサーバ101での対応コマンド実行を行わせ、係る処理内容の結果を業務担当者の通信通話端末機で逐次確認できる機能を構築している。このため、障害イベント自動対応機能として従来に無く迅速且つ高品質なサービスを提供できるようになる。
【符号の説明】
【0052】
101 実環境のサーバ(障害発生サーバ)
102 仮想環境のサーバ(障害発生サーバ)
103 接続用LAN
104 サーバ
105 障害イベント自動対応システム
106 障害検知部
107 対応実績確認部
108 コマンド抽出部
109 対応コマンド発行部
110 実行結果確認部
111 システム情報用データベース(システムテーブル)
112 メール作成部
113 サーバ側メール機能
114 インターネット
115 携帯電話
116 携帯電話側メール機能
117 通話機能
118 携帯電話網
119 通話受信部
120 音声変換部
121 文字列抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害発生の検知機能、対応コマンド実行機能、及び対応コマンドの実行結果を確認する実行結果確認機能を備えた実環境及び仮想環境を含む相手側の障害発生サーバとネットワーク接続されたサーバに具備される障害イベント自動対応システムであって、
前記実環境のサーバを対象として前記障害発生を検知する障害検知部と、システム情報を蓄積して格納するシステム情報用データベースと、前記障害検知部により前記障害発生を検知した後に前記システム情報を参照してエラー内容を判断する対応実績確認部と、前記システム情報を参照して前記エラー内容に応じて対応コマンド発行を行ってバッチジョブを自動的に実行する対応コマンド発行部と、通信通話回線網を介して接続された通信通話端末機の所有者である業務担当者からの通話内容についての音声情報を文字情報に変換する音声変換部と、前記文字情報から文字列を抽出する文字列抽出部と、前記対応コマンド発行部による対応状況を示す通信内容を作成する通信内容作成部と、を備え、
前記対応コマンド発行部は、前記対応実績確認部による前記エラー内容を判断した結果に応じて、既知のエラーである場合に障害対策用のバッチジョブを自動的に実行するとき、並びに未知のエラーである場合に前記通信通話端末機宛てに前記通信内容作成部による前記通信内容で当該システムに付設される通信機能の働きにより送信し、当該通信通話端末からの返信内容であって、障害対策用のバッチジョブの保存先を当該システムへ通話連絡したときの通話内容に基づいて得られた前記文字列に応じてバッチジョブを自動的に実行するときの何れについても、前記実環境のサーバへ適用する前に前記仮想環境のサーバで前記対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で当該実環境のサーバでの当該対応コマンド実行を行わせる処理を行い、
前記通信内容作成部は、前記通信内容として、前記対応コマンド発行部による前記仮想環境のサーバでの前記対応コマンド実行のテスト、及び前記実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果を前記通信機能の働きにより前記通信通話回線網を介して前記通信通話端末機宛てに送信することを特徴とする障害イベント自動対応システム。
【請求項2】
請求項1記載の障害イベント自動対応システムにおいて、前記文字列抽出部は、前記システム情報を参照して対応コマンドのファイルパスを生成し、前記対応コマンド発行部は、前記対応実績確認部による前記エラー内容を判断した結果が前記既知のエラーであれば前記システム情報に従い、前記未知のエラーであれば前記ファイルパスに従い、それぞれ前記実環境のサーバへ適用する前に前記仮想環境のサーバで前記対応コマンド実行のテストを行って完了した時点で当該実環境のサーバでの当該対応コマンド実行を行わせる処理を行うことを特徴とする障害イベント自動対応システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の障害イベント自動対応システムにおいて、前記システム情報を参照して対応コマンドを抽出して前記対応コマンド発行部へ引き渡すコマンド抽出部と、前記対応コマンド発行部による前記仮想環境のサーバでの前記対応コマンド実行のテスト、及び前記実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果を確認する実行結果確認部と、を備え、前記通信内容作成部は、前記実行結果確認部による前記対応コマンド実行の結果が完了されなければ前記通信内容としてエラーの旨を作成し、完了されれば完了の旨を作成し、前記通信機能は、前記通信内容として前記エラーの旨、前記完了の旨を前記通信通話回線網を介して前記通信通話端末機へ送信することを特徴とする障害イベント自動対応システム。
【請求項4】
請求項3記載の障害イベント自動対応システムにおいて、前記対応コマンド発行部は、前記仮想環境のサーバでの前記対応コマンド実行のテスト、及び前記実環境のサーバでの当該対応コマンド実行の結果、完了されなければ前記通信内容作成部による前記エラーの旨の作成前に前記システム情報用データベースにおける前記システム情報の該当分を削除し、完了されれば当該通信内容作成部による前記完了の旨の作成前に当該実環境のサーバについての当該システム情報用データベースにおける当該システム情報に前記通信通話端末機に係る通信通話番号、対応コマンドを登録することを特徴とする障害イベント自動対応システム。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−93894(P2012−93894A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239694(P2010−239694)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】