説明

障害情報・装置情報蓄積装置

【課題】検出対象の装置に発生した障害に関する情報および障害が発生した装置に関する情報を効率的に収集する。
【解決手段】検出対象の装置の障害を検出する障害検出部42,82、および、障害検出部42,82により検出された障害および当該障害が発生した装置に基づいて、当該障害に関する情報の外部サーバ2への蓄積に対する優先度を決定する優先度決定部45,85を有する制御装置4,8と、優先度決定部45,85により決定された優先度に基づいて、障害情報および対応する装置情報を外部サーバ2に送信する通信装置7とを備え、優先度決定部45,85は、障害検出部42,82により検出された障害が致命的なものである場合に、優先度を高く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検出対象の装置で発生した障害に関する情報および当該障害が発生した装置に関する情報を外部サーバに送信し蓄積させるセットトップボックス(STB)等の障害情報・装置情報蓄積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blue−ray Disc)といった各種デジタルコンテンツの視聴に用いる機器は複雑になってきている。また、ネットワーク経由でデジタルテレビの番組視聴を行うIPTV(Internet Protocol TeleVision)の普及も進んでいる。このIPTVでは、IP放送やVOD(Video On Demand)といったインターネット経由でのコンテンツ視聴を可能にする機能も追加されてきている。そして、それらに対応したセットトップボックス(STB:Set Top Box)やレコーダといった視聴機器はますます複雑化している。そのため、これらの機器に障害が発生した場合、複雑なシステムを有するために、障害発生箇所の特定と原因分析には多大な時間と労力を要するという課題がある。また、障害が発生した装置を迅速に改修するためには、障害に関する情報と障害が発生した装置に関する情報を収集しておく必要がある。
【0003】
そのような課題に対して、セットトップボックス等のストリーミング情報処理装置において、障害が発生した際の障害情報収集処理を効率よく行うように構成されたものが提供されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1では、ネットワークを介して予め取得した既知の障害情報と新たに発生した障害情報を比較し、情報が同一の場合には、発生した障害情報を障害情報収集サーバに送信するのを遅延または抑止し、同一なものがない場合には、発生した障害情報を障害情報収集サーバに送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−130158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に開示される方法では、ストリーミング情報処理装置で障害が発生した際の障害情報収集処理を効率よく行うことができる。しかしながら、この方法はソフトウェア品質改善のための障害情報を効率的に収集することに重点が置かれているため、既知の障害情報に関しては送信を遅延または抑止しており、送信が遅延または抑止された障害情報は収集することができないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、検出対象の装置に発生した障害に関する情報および障害が発生した装置に関する情報を効率的に収集することができる障害情報・装置情報蓄積装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る障害情報・装置情報蓄積装置は、検出対象の装置の障害を検出する障害検出部、および、障害検出部により検出された障害および当該障害が発生した装置に基づいて、当該障害に関する情報の外部サーバへの蓄積に対する優先度を決定する優先度決定部を有する制御装置と、優先度決定部により決定された優先度に基づいて、障害情報および対応する装置情報を外部サーバに送信する通信装置とを備え、優先度決定部は、障害検出部により検出された障害が致命的なものである場合に、優先度を高く設定するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、上記のように構成したので、検出対象の装置に発生した障害に関する情報および障害が発生した装置に関する情報を効率的に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る障害情報・装置情報蓄積システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるメインCPUの構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるサブCPUの構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るセットトップボックスの優先度決定処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1における優先度決定基準表の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るセットトップボックスの障害情報・装置情報蓄積処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1における障害情報・装置情報リストの一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る障害情報・装置情報蓄積システムの構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2におけるメインCPUの構成を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2におけるサブCPUの構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るセットトップボックスの障害情報・装置情報蓄積処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る障害情報・装置情報蓄積システムの構成を示す図である。以下では、障害情報・装置情報蓄積装置として、IPTV用のセットトップボックス1を用いた場合について説明を行う。なお、障害情報・装置情報蓄積装置は、セットトップボックス1に限るものではなく、同様のIPTV機能を有する機器であれば適用可能である。
障害情報・装置情報蓄積システムは、図1に示すように、セットトップボックス1、障害情報・装置情報蓄積サーバ(外部サーバ)2およびネットワーク3から構成されている。
【0011】
セットトップボックス1は、ネットワーク3を介して映像・音声コンテンツを受信・処理する機能、セットトップボックス1内の装置の障害を検出する機能や、検出した障害に関する情報(障害情報)および障害が発生した装置に関する情報(装置情報)を障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信・蓄積させる機能等を有するものである。このセットトップボックス1は、メインCPU(制御装置)4、一次記憶装置5、二次記憶装置6、通信装置7、サブCPU(制御装置)8、一次記憶装置9、二次記憶装置10およびリアルタイムクロック11から構成されている。
【0012】
メインCPU4は、図2に示すように、映像・音声処理部41、障害検出部42、障害判断部43、再起動指示部44、優先度決定部45、優先度比較部46、サーバ送信指示部47および内部記憶指示部48から構成されている。
【0013】
映像・音声処理部41は、通信装置7から受信した映像信号および音声信号を処理するものである。
障害検出部42は、メインCPU4の処理に関連する装置(一次記憶装置5、二次記憶装置6、通信装置7、サブCPU8およびリアルタイムクロック11)の障害を検出するものである。
【0014】
障害判断部43は、障害検出部42により検出された障害が、サブCPU8の再起動が必要な障害(致命的な障害)であるかを判断するものである。
再起動指示部44は、障害判断部43によりサブCPU8の再起動が必要な障害であると判断された場合に、サブCPU8を再起動させるものである。
【0015】
優先度決定部45は、障害検出部42により検出された障害および障害の発生した装置に基づいて、この障害情報の障害情報・装置情報蓄積サーバ2への蓄積に対する優先度を決定するものである。
優先度比較部46は、優先度決定部45により決定された障害情報の優先度と、障害情報・装置情報蓄積サーバ2の後述する優先度保持装置13に保持されている閾値とを比較するものである。
【0016】
サーバ送信指示部47は、優先度比較部46により障害情報の優先度が閾値より高いと判断された場合に、この障害情報および対応する装置情報をネットワーク3を介して障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信するように通信装置7に指示するものである。
内部記憶指示部48は、優先度比較部46により障害情報の優先度が閾値以下であると判断された場合に、この障害情報および対応する装置情報をセットトップボックス1内(二次記憶装置6または二次記憶装置10)に蓄積させるものである。
【0017】
一次記憶装置5は、メインCPU4によりアクセスされる揮発性記憶装置である。
二次記憶装置6は、メインCPU4の処理に関連する装置において、過去に発生した障害に関する情報(リアルタイムクロック11から取得した障害が発生した時刻情報を含む)および障害が発生した装置に関する情報を蓄積する不揮発性記憶装置である。
通信装置7は、ネットワーク3との間で通信を行うものである。なおネットワーク3は、インターネットプロトコルで通信を行うネットワークであってもよいし、その他のプロトコルを用いて通信を行うネットワークであってもよい。
【0018】
サブCPU8は、図3に示すように、起動部81、障害検出部82、障害判断部83、再起動指示部84、優先度決定部85、優先度比較部86、サーバ送信指示部87および内部記憶指示部88から構成されている。
【0019】
起動部81は、セットトップボックス1のタイマやリモコンにより自機を起動させるものである。
障害検出部82は、メインCPU4と、サブCPU8の処理に関連する装置(一次記憶装置9、二次記憶装置10およびリアルタイムクロック11)の障害を検出するものである。
【0020】
障害判断部83は、障害検出部82により検出された障害が、メインCPU4の再起動が必要な障害(致命的な障害)であるかを判断するものである。
再起動指示部84は、障害判断部83によりメインCPU4の再起動が必要な障害であると判断された場合に、メインCPU4を再起動させるものである。
【0021】
優先度決定部85は、障害検出部82により検出された障害および障害の発生した装置に基づいて、この障害情報の障害情報・装置情報蓄積サーバ2への蓄積に対する優先度を決定するものである。
優先度比較部86は、優先度決定部85により決定された障害情報の優先度と、優先度保持装置13に保持されている優先度の閾値とを比較するものである。
【0022】
サーバ送信指示部87は、優先度比較部86により障害情報の優先度が閾値より高いと判断された場合に、この障害情報および対応する装置情報をネットワーク3を介して障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信するように通信装置7に指示するものである。
内部記憶指示部88は、優先度比較部86により障害情報の優先度が閾値以下であると判断された場合に、この障害情報および対応する装置情報をセットトップボックス1内(二次記憶装置6または二次記憶装置10)に蓄積させるものである。
【0023】
一次記憶装置9は、サブCPU8によりアクセスされる揮発性記憶装置である。
二次記憶装置10は、メインCPU4とサブCPU8の処理に関連する装置において、過去に発生した障害に関する情報(リアルタイムクロック11から取得した障害が発生した時刻情報を含む)および障害が発生した装置に関する情報を蓄積する不揮発性記憶装置である。
リアルタイムクロック11は、時刻情報を保持するものである。
【0024】
また、障害情報・装置情報蓄積サーバ2は、ネットワーク3を介してセットトップボックス1から障害情報および対応する装置情報を受信し、蓄積するものである。この障害情報・装置情報蓄積サーバ2は、通信装置12、優先度保持装置13および蓄積装置14から構成されている。
【0025】
通信装置12は、ネットワーク3との間で通信を行うものである。
優先度保持装置13は、蓄積装置14に蓄積する障害情報の優先度に対する閾値を保持するものである。なお、閾値は使用者が自由に設定することができる。
蓄積装置14は、通信装置12から受信した障害情報および対応する装置情報を蓄積するものである。
【0026】
次に、上記のように構成されたセットトップボックス1において、装置の障害を検出した場合での障害情報に対する優先度決定処理について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1に係るセットトップボックス1の優先度決定処理を示すフローチャートである。なお以下では、メインCPU4による処理について説明するが、サブCPU8による処理についても同様である。
【0027】
セットトップボックス1の優先度決定処理では、図4に示すように、まず、障害検出部42は、メインCPU4の処理に関連する装置(一次記憶装置5、二次記憶装置6、通信装置7、サブCPU8およびリアルタイムクロック11)の障害を検出する(ステップST41)。
【0028】
次いで、障害判断部43は、障害検出部42により検出された障害が、サブCPU8の暴走等、サブCPU8の再起動が必要な障害であるかを判断する(ステップST42)。この障害判断部43による判断方法としては、例えばメインCPU4内の継続的に繰り上がるカウンタをサブCPU8に定期的に初期値に戻させ、このカウンタが特定の値まで繰り上がった場合にサブCPU8の再起動が必要であると判断する方法がある。また、別の判断方法を用いてもよい。
【0029】
このステップST42において、障害判断部43がサブCPU8の再起動が必要な障害であると判断した場合、再起動指示部44はサブCPU8を再起動させる(ステップST43)。この際、再起動までに外部要因により電源断とならないような再起動までの時間が設定されている。
一方、ステップST42において、障害判断部43がサブCPU8の再起動が必要な障害ではないと判断した場合には、ステップST43はスキップされ、シーケンスはステップST44に進む。
【0030】
次いで、優先度決定部45は、障害検出部42により検出された障害および障害が発生した装置に基づいて、この障害情報の障害情報・装置情報蓄積サーバ2への蓄積に対する優先度を決定する(ステップST44)。この際、優先度決定部45は、例えば図5に示すような優先度決定基準表を参照して障害情報の優先度を決定する。図5に示す優先度決定基準表では、優先度決定基準(同じ装置で繰り返し検出されている障害であるか、再起動が必要な障害であるか、障害情報・装置情報の保存先)に応じた優先度が設定されている。なお、図5に示す優先度は、値が小さくなるほど優先度が高いことを示している。
【0031】
具体的には、ある装置に障害が発生した場合に、優先度決定部45は、二次記憶装置6から過去に発生した障害情報・装置情報を参照する。
そして、同様の障害が同装置にて特定時間内に発生していた場合(図5の「繰り返し」項目“YES”)、同様の障害を障害情報・装置情報蓄積サーバ2へ通報するのはサーバ負荷を考慮すると効率が悪いと考えられるため、優先度決定部45はこの障害情報の優先度を低く設定する。また、検出された障害がメインCPU4の再起動を必要とする障害の場合(図5の「繰り返し」項目“NO”,「再起動が必要か」項目“YES”)には、致命的な障害であると考えられるため、優先度決定部45はこの障害情報の優先度を高く設定する。また、例えば通信装置7の障害等のように障害情報・装置情報蓄積サーバ2との通信が不可となる障害の場合(図5の「繰り返し」項目“−”,「再起動が必要か」項目“−”)には、セットトップボックス1内に障害情報を蓄積するため、優先度決定部45はこの障害情報の優先度を低く設定する。また、障害の発生間隔に応じて優先度を下げるようにしてもよい。
また、図5に示すような優先度決定基準に限らず、別の基準を用いて優先度の決定を行うようにしてもよい。
【0032】
次に、セットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理について説明する。
図6はこの発明の実施の形態1に係るセットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理を示すフローチャートである。なお以下では、メインCPU4による処理について説明するが、サブCPU8による処理についても同様である。
【0033】
セットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理では、図6に示すように、まず、優先度比較部46は、優先度保持装置13に保持されている閾値を参照できたかを判断する(ステップST61)。
【0034】
このステップST61において、優先度比較部46は、閾値を参照できた場合には、この閾値と、優先度決定部45により障害情報に対して決定された優先度とを比較する(ステップST62)。
【0035】
このステップST62において、優先度比較部46が障害情報の優先度が閾値より高いと判断した場合、サーバ送信指示部47は、この障害情報および対応する装置情報をネットワーク3を介して障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信するように通信装置7に指示し、蓄積装置14に蓄積させる(ステップST63)。この際、通信装置7は、例えばHTTPによる通信を行ってもよいし、別の通信プロトコルを用いて通信を行ってもよい。これにより、例えば図7に示すように、障害情報・装置情報がリスト化されて蓄積装置14に蓄積される。なお、蓄積装置14に蓄積される情報は、図7に示すような障害情報・装置情報リストに限るものではなく、別の形態であってもよいし、別の項目を有していてもよい。
【0036】
一方、ステップST61において、優先度比較部46が閾値を参照できなかった場合、または、ステップST62において、優先度比較部46が障害情報の優先度が閾値以下であると判断した場合には、内部記憶指示部48は、この障害情報および対応する装置情報を二次記憶装置6に蓄積可能かを判断する(ステップST64)。例えば二次記憶装置6の障害により、障害情報・蓄積情報を二次記憶装置6に蓄積できない場合には二次記憶装置10に蓄積するようにする。なお、ここでは二次記憶装置6に障害情報・装置情報を優先して蓄積する場合を示しているが、二次記憶装置10に障害情報・装置情報を優先して蓄積するようにしてもよい。
【0037】
このステップST64において、内部記憶指示部48は、二次記憶装置6に蓄積可能と判断した場合には、障害情報および対応する装置情報を二次記憶装置6に蓄積させる(ステップST65)。
一方、ステップST64において、内部記憶指示部48は、二次記憶装置6に蓄積不可能と判断した場合には、障害情報および対応する装置情報を二次記憶装置10に蓄積させる(ステップST66)。
【0038】
以上のように、この実施の形態1によれば、発生した障害および障害が発生した装置に基づいて優先度を決定することで、同一装置での同一の障害に関する情報が障害情報・装置情報蓄積サーバ2に繰り返し蓄積されることを抑止し、また致命的な障害に関する情報を優先的に障害情報・装置情報蓄積サーバ2に蓄積させることで、障害情報・装置情報の蓄積を効率的に行うことができる。また何らかの障害により障害情報・装置情報蓄積サーバ2に障害情報・装置情報を蓄積できない場合でも、セットトップボックス1内にこの障害情報・装置情報を蓄積することで、装置毎の障害情報を蓄積することができる。さらに、タイマやリモコンによる起動を可能にするサブCPU8の二次記憶装置10を利用することによって障害情報・装置情報蓄積の多重化を実現することができる。
【0039】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る障害情報・装置情報蓄積システムの構成を示す図であり、図9はメインCPU4の構成を示す図であり、図10はサブCPU8の構成を示す図である。
図8に示す実施の形態2に係る障害情報・装置情報蓄積システムは、図1に示す実施の形態1に係る障害情報・装置情報蓄積システムにファームウェア配信サーバ15を追加したものであり、図9,10に示す実施の形態2におけるメインCPU4およびサブCPU8は、図2,3に示す実施の形態1におけるメインCPU4およびサブCPU8にそれぞれ待機時間設定部49,89を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
ファームウェア配信サーバ15は、セットトップボックス1のファームウェアを配信するサーバである。このファームウェア配信サーバ15に新バージョンのファームウェアが登録された場合、セットトップボックス1はファームウェア配信サーバ15からこの新バージョンのファームウェアを入手し、セットトップボックス1のファームウェアを更新する。
【0041】
待機時間設定部49は、障害検出部42により検出された障害に基づいて、この障害情報および対応する装置情報を障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信する前の待機時間を設定するものである。待機時間設定部89も同様の構成である。
なお、通信装置7は、障害情報・装置情報を障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信する際に、待機時間設定部49または待機時間設定部89により設定された時間分待機した後に送信を行う。
【0042】
次に、上記のように構成されたセットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理について説明する。
図11はこの発明の実施の形態2に係るセットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理を示すフローチャートである。なお以下では、メインCPU4による処理について説明するが、サブCPU8による処理についても同様である。また、図6に示す実施の形態1に係るセットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理と同様の処理については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0043】
セットトップボックス1の障害情報・装置情報蓄積処理では、図11に示すように、まず、優先度比較部46は、優先度保持装置13に保持されている閾値を参照できたかを判断し(ステップST61)、閾値を参照できた場合には、この閾値と、優先度決定部45により障害情報に対して決定された優先度とを比較する(ステップST62)。
【0044】
このステップST62において、優先度比較部46が障害情報の優先度が閾値より高いと判断した場合、待機時間設定部49は、この障害に基づいて、障害情報および対応する装置情報を障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信する前に待機する時間を設定する(ステップST111)。この待機時間は複数のセットトップボックス1で同時多発的に障害が発生することが予想される場合に、障害情報・装置情報蓄積サーバ2の負荷を分散する目的で設定するものである。例えばファームウェア配信サーバ15に最新のファームウェアが登録された直後には複数のセットトップボックス1で障害が発生する恐れがあるため、待機時間をランダムに設定する。また、別の障害においても待機時間を設定するようにしてもよいし、同時多発的に発生せず、障害情報・装置情報蓄積サーバ2に負荷が集中しないと予想される障害に関しては待機時間を設定しなくてもよい。
【0045】
次いで、通信装置7は、待機時間設定部49により設定された時間分待機する(ステップST112)。
次いで、サーバ送信指示部47は、この障害情報および対応する装置情報をネットワーク3を介して障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信するように通信装置7に指示し、蓄積装置14に蓄積させる(ステップST63)。
【0046】
一方、ステップST61において、優先度比較部46が閾値を参照できなかった場合、または、ステップST62において、優先度比較部46が障害情報の優先度が閾値以下であると判断した場合には、内部記憶指示部48は、この障害情報および対応する装置情報を二次記憶装置6に蓄積可能かを判断する(ステップST64)。
このステップST64において、内部記憶指示部48は、二次記憶装置6に蓄積可能と判断した場合には、障害情報・装置情報を二次記憶装置6に蓄積させ(ステップST65)、二次記憶装置6に蓄積不可能と判断した場合には、障害情報・装置情報を二次記憶装置10に蓄積させる(ステップST66)。
【0047】
以上のように、この実施の形態2によれば、検出した障害内容に応じて、障害情報・装置情報を障害情報・装置情報蓄積サーバ2に送信する前に待機するように構成したので、複数のセットトップボックス1で同時多発的に障害が発生した場合にも、障害情報・装置情報蓄積サーバ2の負荷を分散させることができる。
【0048】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 セットトップボックス(障害情報・装置情報蓄積装置)、2 障害情報・装置情報蓄積サーバ(外部サーバ)、3 ネットワーク、4 メインCPU(制御装置)、5 一次記憶装置、6 二次記憶装置、7 通信装置、8 サブCPU(制御装置)、9 一次記憶装置、10 二次記憶装置、11 リアルタイムクロック、12 通信装置、13 優先度保持装置、14 蓄積装置、15 ファームウェア配信サーバ、41 映像・音声処理部、42 障害検出部、43 障害判断部、44 再起動指示部、45 優先度決定部、46 優先度比較部、47 サーバ送信指示部、48 内部記憶指示部、49 待機時間設定部、81 起動部、82 障害検出部、83 障害判断部、84 再起動指示部、85 優先度決定部、86 優先度比較部、87 サーバ送信指示部、88 内部記憶指示部、89 待機時間設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の装置で発生した障害に関する情報および当該障害が発生した装置に関する情報を外部サーバに送信し蓄積させる障害情報・装置情報蓄積装置において、
検出対象の装置の障害を検出する障害検出部、および、前記障害検出部により検出された障害および当該障害が発生した装置に基づいて、当該障害に関する情報の前記外部サーバへの蓄積に対する優先度を決定する優先度決定部を有する制御装置と、
前記優先度決定部により決定された優先度に基づいて、障害情報および対応する装置情報を前記外部サーバに送信する通信装置とを備え、
前記優先度決定部は、前記障害検出部により検出された障害が致命的なものである場合に、優先度を高く設定する
ことを特徴とする障害情報・装置情報蓄積装置。
【請求項2】
前記障害検出部により検出された障害に関する情報および対応する装置情報を蓄積する記憶装置をさらに備え、
前記優先度決定部は、前記障害検出部により検出された障害に関する情報および対応する装置情報が前記記憶装置に既に記憶されている場合には、当該障害情報の優先度を低く設定する
ことを特徴とする請求項1記載の障害情報・装置情報蓄積装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記優先度決定部により決定された優先度と、前記外部サーバに保持されている閾値とを比較する優先度比較部をさらに有し、
前記通信装置は、前記優先度比較部により優先度が閾値より高い障害情報および対応する装置情報を前記外部サーバに送信する
ことを特徴とする請求項1記載の障害情報・装置情報蓄積装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記障害検出部により検出された障害に基づいて、待機時間を設定する待機時間設定部をさらに有し、
前記通信装置は、前記待機時間設定部により設定された時間分待機した後、当該障害情報および対応する装置情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の障害情報・装置情報蓄積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−155461(P2012−155461A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13004(P2011−13004)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】