説明

雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタ

【課題】高電圧の電源供給に用いられるコネクタを提供する。
【解決手段】電源と、電子機器とを接続するための雌コネクタと接続する雄コネクタであって、雄コネクタは、電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、導体からなる1本の制御用プラグ端子を有し、制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、雌コネクタは、2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、リレーは、制御用ジャック端子と接続されており、制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより前記リレーが動作し、電力用プラグ端子と電力用ジャック端子を介し、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする雄コネクタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給するために用いられる雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電気機器は、電源より電力の供給を受け動作する。このように、電源より電力の供給を受ける際には、通常コネクタを介し電源より電気機器へ電力が供給される。この際用いられるコネクタは、特許文献1、2に開示されているように、凸状の雄型タイプのコネクタと、凹状の雌型タイプのコネクタを嵌合することにより、電気的に接続を行うものである。
【0003】
一方近年では、地球温暖化等に対する対策の一つとして、ローカルエリアにおける送電においても、電圧変換や送電等における電力損失が少なく、ケーブルの太さも太くする必要のない、直流で高電圧の電力の供給が検討されている。特に、サーバ等の情報機器においては、大量に電力を消費するためこのような電力供給が望ましいものとされている。
【0004】
このように電気機器に供給される電力に関しては、電圧が高いと人体に影響を及ぼす場合や、電子部品の動作に影響を与える場合がある。
【0005】
このような高電圧の電力をサーバ等の情報機器に用いる場合においては、装置の設置やメンテナンスの際においては、人により作業が行われるため、電気的接続がされている部分であるコネクタは通常の交流の商用電源に用いられるものとは異なるものとする必要がある。
【特許文献1】特開平5−82208号公報
【特許文献2】特開2003−31301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、特に、高電圧の電力を安全に供給することが可能な雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、前記リレーは、前記制御用ジャック端子と接続されており、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記電力用プラグ端子と前記電力用ジャック端子を介し、前記リレーが動作し前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、前記リレーは、少なくとも1つのコイルと2つのリレー接点からなるものであり、前記コイルに電流が流れることにより前記2つのリレー接点が同時に接続されるものであり、前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレー接点がそれぞれ接続されており、前記電源は前記2つのリレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、2つのリレーを有しており、前記リレーは、各々1つのコイルと1つのリレー接点を有しており、前記コイルに電流が流れることにより前記リレー接点が接続されるものであり、前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレーの各々の前記リレー接点が接続されており、前記電源は前記リレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレーのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記制御用プラグ端子は導体からなるものであり、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより前記2つの制御用電極と接触させ、前記制御用プラグ端子を介し、前記2つの制御用電極を電気的に接続する構成のものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記2つの制御用電極はスイッチにおける2つの端子であって、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記スイッチの2つの端子が接続される構成のものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮は、スライドスイッチ、または、押ボタンスイッチにより行われるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、制御プラグ端子リンクを介し前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、伸縮可能なコイルバネと、を有し、前記スライドスイッチの移動方向と前記コイルバネの伸縮方向とが垂直となる中立状態となるものであって、前記スライドスイッチを移動させることにより、前記コイルバネを伸縮させるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し伸びるものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記雄コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して、前記差込方向に垂直に突出するロック端子が設けられており、前記ロック端子は、前記プラグ端子を前記差込方向に伸すことにより、前記差込方向に垂直に突出し、前記雌コネクタには、前記突出したロック端子に対応した形状の凹状部が設けられており、前記雄コネクタと雌コネクタとを嵌合した状態で、前記制御用プラグ端子を伸すことにより、前記雌コネクタの凹状部に前記ロック端子が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとの嵌合状態が維持されるものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、高電圧の電力を安全に供給することが可能な雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタについて説明する。図1に、本実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタの構成の概要を示す。
【0022】
本実施の形態におけるコネクタは、雄コネクタ10と雌コネクタ20から構成されている。雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40に接続されており、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、アースのための接地用プラグ端子14を有している。制御用プラグ端子13は、雄コネクタ10の差込方向に伸縮させることが可能な構成となっている。
【0023】
一方、雌コネクタ20は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
【0024】
また、雌コネクタ20には、2つのリレー31、32が設けられており、リレー31は、コイル33と、このコイル33に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点34が設けられている。このリレー接点34は、コイル33に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。また、リレー32には、コイル35と、このコイル35に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点36が設けられている。このリレー接点36は、コイル35に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。
【0025】
リレー接点34の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、リレー接点36の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子22に接続されている。
【0026】
雌コネクタ20はリレー31、32を駆動するためのリレー電源60に接続されている。具体的には、リレー31におけるコイル33の一方の端子と、リレー32におけるコイル35の一方の端子とが接続されており、リレー31におけるコイル33とリレー32におけるコイル35とは直列に接続された構成となっている。また、コイル33の他方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル35の他方の端子とリレー電源60の他方の端子とは、それぞれ制御スイッチ37に接続されている。
【0027】
この制御スイッチ37は、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを嵌合させた状態において、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、接点が接続されるものである。
【0028】
このように、制御スイッチ37の接点が接続されることにより、リレー31、32におけるコイル33、35にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点34、36がそれぞれ閉じ、雌コネクタ20における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタにおける電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
【0029】
本実施の形態におけるコネクタでは、電力用ジャック端子21、22の各々に、リレー31、32のリレー接点34、36が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が高いため、電力用ジャック端子21、22の双方にリレー接点34、36を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
【0030】
尚、制御スイッチ37は、それ単体でスイッチとして構成されるものではなくてもよい。即ち、制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、前述したコイル35の他方の端子とリレー電源50の他方の端子とが接続される構成のものであればよい。具体的には、後述する図5(b)、図6(b)に示すように、図1に示されるコイル35に接続された電極38と、図1に示されるリレー電源50に接続された電極39を設け、導体により制御用プラグ端子13を形成し、制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、制御用プラグ端子13が電極38と電極39とに、ともに接触し、制御用プラグ端子13を介し、コイル35の他方の端子とリレー電源50の他方の端子とが電気的に接続されるような構成であっても良い。
【0031】
また、本発明では、制御用ジャック端子23とは、制御用プラグ端子13が伸びた状態で嵌合する構造のもののみならず、制御用プラグ端子13の伸縮により力学的な力によりオン、オフが制御される制御スイッチ37等を内部に含む構成のものも含まれる。
【0032】
(コネクタの構造)
次に、図2から図6に基づき、本実施の形態におけるコネクタの構造及び接続方法について説明する。図2(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10の外観の斜視図であり、図2(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の本体の外観の斜視図である。図3(a)は、本実施の形態における雌コネクタ20の本体の上面図であり、図3(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の本体の長手方向の側面図であり、図3(c)は、本実施の形態における雌コネクタ20の本体の裏面図であり、図3(d)は、本実施の形態における雌コネクタ20の本体の短手方向の側面図である。図4(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の内部構造の斜視図であり、図4(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の内部構造の斜視図である。図5(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の外観の斜視図であり、図5(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続された状態において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の部分透過斜視図である。図6(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の外観の斜視図であり、図6(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続された状態において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の部分透過斜視図である。
【0033】
図2(a)に示されるように、本実施の形態における雄コネクタ10の本体の外観は、幅W1が30mm、長さD1が30mm、高さH1が16mmである。この雄コネクタ10には、400VDCの直流の電源ケーブル15が接続されており、反対側には、金属により形成された電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、接地用プラグ端子14が設けられている。電力用プラグ端子11、12の長さAは17mmであり、接地用プラグ端子14の長さBは19mmである。
【0034】
また、図5(a)に示すように、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の長さC1は10mmであり、図6(a)に示すように、制御用プラグ端子13が伸びている状態の長さC2は14.5mmである。
【0035】
一方、図2(b)及び図3に示すように、本実施の形態における雌コネクタ20の本体は、雄コネクタ10の本体の一部が嵌入する構成のものである。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12と接続される電力用ジャック端子21、22、接地用プラグ端子14に接続される接地用ジャック端子24、制御用プラグ端子13が伸びた状態で接続される制御用ジャック端子23が設けられている。尚、図5(b)、図6(b)に示されるように、制御用ジャック端子23の内部には、電極38、39が設けられている。また、雌コネクタ20の本体は、裏面にて後述するPDUの本体等に接続されるための端子が設けられている。具体的には、リレー31のリレー接点34と電力用ジャック端子21とを接続する電力用端子21A、リレー32のリレー接点36と電力用ジャック端子22とを接続する電力用端子22A、接地用ジャック端子24に接続されている接地端子24A、制御用ジャック端子23における電極38、39とそれぞれ接続されている制御用端子23A、23Bが設けられている。
【0036】
また、雌コネクタ20の本体の外観は、幅W2が56mm、長さD2が40mm、高さH2が40.5mmである。尚、本実施の形態では、リレー31、32は雌コネクタ20の本体の外部に設けた構成であるが、内部に設けた構成とすることも可能である。
【0037】
雌コネクタ20に設けられている電極38、39は、通常の状態では接触することはなく、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ制御用プラグ端子13と電極38、39とが各々接触し、制御用プラグ端子13を介し電極38と電極39とが電気的に接続され電流が流れる構成のものである。
【0038】
本実施の形態における雄コネクタ10は、雌コネクタ20に差し込まれた直後は、図4(a)に示す状態にあり、この後、押ボタン16を押すことにより、制御用プラグ端子13が伸びるとともに、ヒンジ17が回転し、差込方向と垂直方向にロック端子18が突出し、図4(b)に示す状態となる。
【0039】
図5(b)に示すように、雌コネクタ20には、突出したロック端子18に対応した凹部29が形成されており、図6(b)に示すように、凹部29において、ロック端子18が突出している状態では、雄コネクタ10と雌コネクタ20との接合が外れることはない。
【0040】
尚、本実施の形態においては、押ボタン16を用いて差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出する構成ものであるが、押ボタン16に代えて、差込方向に移動可能なスライドスイッチ等を用いて、差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出を行う構成であっても良い。
【0041】
このように、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ、電力用ジャック端子21、22より電力が供給されるように構成されているのは、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接続されていない状態において、電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されることを防止するためである。即ち、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接合されていない状態において、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されていると、電力用ジャック端子21、22に人が不注意に接触した場合や、電力用ジャック端子21、22よりドライバ、金属片又は切れかけ導線等を介し人が接触した場合において、人体に危険が及ぶ場合があり、このような事態を防ぐためである。
【0042】
以上より、本実施の形態におけるコネクタは、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11、12が、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に嵌合された状態において、制御用プラグ端子13を伸すことにより、制御用ジャック端子23に設けられた電極や制御スイッチを介して電流が流れ、リレーが動作し、電力用ジャック端子21、22に400VDCの電力が供給され、更には、雄コネクタ10のプラグ端子11、12より、情報機器40に電力が供給されるものである。
【0043】
(電力供給システム)
次に、本実施の形態におけるコネクタを用いた電力供給システムの構成を説明する。
【0044】
図7は、本実施の形態におけるコネクタを用いた電力供給システムの構成を示すものである。
【0045】
この電力供給システムは、商用電源70より供給されるAC100V又はAC200Vの電力を高圧電源50に入力し、高圧電源50におけるAC/DC変換器51により、AC100V又はAC200VをDC400Vに変換する。直流電力は、バッテリー等により蓄電することが可能であるため、バックアップ用にバッテリー52を設けることにより、停電等の場合においても容易に対応することが可能である。高圧電源50には電源ケーブルを介し、本実施の形態における雌コネクタ20が接続されており、高圧電源50からの400VDCの電力は、雌コネクタ20より供給される。
【0046】
一方、本実施の形態における雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40と電源ケーブル15を介し接続されており、雌コネクタ20と雄コネクタ10とを電気的に接続することにより、高圧電源50からの電力が、サーバ等の情報機器40に供給される。
【0047】
また、サーバ等の情報機器40内には、400VDCをCPU42等の電子部品の動作が可能な低電圧のDC出力に変換するDC/DC変換器41が設けられている。
【0048】
このような、電力供給システムでは、商用電源70からのACからDCへの変換が一回で済むため電力損失が少ないこと、高電圧な直流である400VDCでは、導線等の太さを気にする必要があまりないこと、直流であることからバッテリー52に蓄えることが可能であり、商用電源70の供給が停電等により停止した場合においても、対応しやすいこと等の利点を有している。
【0049】
次に、図8に基づき、本実施の形態におけるコネクタを用いたPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)について説明する。
【0050】
図7に示される高圧電源50より供給される400VDCは、一旦、分電盤70に入力し、各々のPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)30に電力が分配される。各々のPDU30には、本実施の形態における雌コネクタ20が複数設けられており、各々の雌コネクタ20を介し400VDCの電力を供給することが可能である。一方、サーバラック45には、複数のサーバ等の情報機器40が収納されており、各々のサーバ等の情報機器40には、電源供給を受けるための雄コネクタ10が電源ケーブル15を介し接続されている。雄コネクタ10は、PDU30に設けられた雌コネクタ20と電気的に接続することにより、400VDCの電力が供給されるように構成されている。
【0051】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタについて説明する。図9に、本実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタの構成の概要を示す。
【0052】
本実施の形態におけるコネクタは、雄コネクタ10と雌コネクタ120から構成されている。雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40に接続されており、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、アースのための接地用プラグ端子14を有している。制御用プラグ端子13は、雄コネクタ10の差込方向に伸縮させることが可能な構成となっている。
【0053】
一方、雌コネクタ120は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ120には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子121、122、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子123、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子124を有している。
【0054】
また、雌コネクタ120には、一つのコイル132と2つのリレー接点133、134からなるリレー131が設けられており、コイル132に電流を流すことにより、リレー接点133、134が閉じて各々が接続される。このリレー接点133、134は、コイル132に電流が流れていない状態では、ともに開いた状態となり接続されることはない。
【0055】
リレー接点133の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子121に接続されている。また、リレー接点134の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子122に接続されている。
【0056】
雌コネクタ120はリレー131を駆動するためのリレー電源60が接続されている。即ち、リレー131のコイル132の一方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル132の他方の端子とリレー電源60の他方の端子は、それぞれ制御スイッチ137に接続されている。
【0057】
この制御スイッチ137は、雄コネクタ10と雌コネクタ120とを嵌合させた状態で、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、電気的に接続されるものである。
【0058】
このように、制御スイッチ137が電気的に接続されることにより、リレー131におけるコイル132にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点133、134がそれぞれ閉じ、雌コネクタ120における電力用ジャック端子121、122に電力が供給され、更には、雄コネクタにおける電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
【0059】
本実施の形態におけるコネクタにおいては、電力用ジャック端子121、122の各々に、リレー131のリレー接点133、134が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用ジャック端子121、122の双方にリレー接点133、134を接続することにより、電力用ジャック端子121、122の双方への電力の供給を制御することにより、安全性をより一層高めている。
【0060】
尚、制御スイッチ137は、それ単体でスイッチとして構成されるものではなくてもよい。即ち、制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、コイル132の他方の端子とリレー電源50の他方の端子とが接続される構成のものであればよい。具体的には、図5(b)、図6(b)において示されるように、図9に示されるコイル132の他方の端子に接続された電極38と、図9に示されるリレー電源50の他方の端子に接続された電極39を設け、導体により制御用プラグ端子13を形成し、この制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、制御用プラグ端子13が電極38と電極39とに、ともに接触し、制御用プラグ端子13を介し、コイル132の他方の端子とリレー電源50の他方の端子とが電気的に接続されるような構成であっても良い。
【0061】
尚、本実施の形態におけるコネクタは、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
【0062】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態における雌コネクタについて、図1、図10に基づき説明する。図10(a)は、本実施の形態における雌コネクタの斜視図であり、図10(b)は、本実施の形態における要部拡大図である。
【0063】
本実施の形態における雌コネクタ220には、電力用ジャック端子221、222、接地用ジャック端子224が設けられている。制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子となる部分には、絶縁体の板バネ233を介して、制御スイッチ231(図1に示す37)として板バネ状のスイッチが設けられている。この制御スイッチ231は、接点236と接点237とが接続される構成のスイッチと、接点238と接点239とが接続される構成のスイッチとの2つのスイッチにより構成されている。また、アーク防止のため、接点236、237の近傍には永久磁石225Aが、接点238、239の近傍には永久磁石225Bが設けられている。接点237と接点239とは電気的に接続されており、接点236は、図1に示すリレー電源60に接続されており、接点238は、図1に示すリレー32のコイル35と接続されている。
【0064】
絶縁体の板バネ233は、不図示の雄コネクタの制御用プラグ端子が伸びた状態では、撓むことにより板バネ状のスイッチの接点236と接点237とが接続され、同時に板バネ状のスイッチの接点238と接点239とが接続される。これにより、接点236と接点238とは電気的に接続され、リレー電源60から電力が供給され、リレー31、32のコイル33、35に電流が流れ、リレー接点34、36が接続され、電力用ジャック端子221及び222を介し、高圧電源50から電力が供給される。
【0065】
尚、上述の実施の形態における雌コネクタはリレーを備えている。通常の永久磁石225A、225B等を有しないリレーの場合、高電圧においてはアークにより遮断が困難となるが、本実施の形態のように永久磁石225A、225Bを備えることにより、60V以上の高電圧であってもアークによる遮断の困難性といった問題がなくなり、本実施の形態における雌コネクタは、60V以上の電圧であっても実用的に使用することが可能である。
【0066】
以上、本実施の形態における雌コネクタについて説明したが、本実施の形態における雌コネクタは、第1の実施の形態における雌コネクタに代えて用いることができるものであり、本実施の形態における雌コネクタと、第1の実施の形態に記載されている雄コネクタとを組み合わせることにより、コネクタとして使用することができるものである。
【0067】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、本発明に係る雄コネクタに関するものである。具体的には、制御用プラグ端子の伸縮をスライドスイッチにより行う構成のものである。
【0068】
図11に、本実施の形態の雄コネクタの構成を示す。図11(a)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態の雄コネクタ310の斜視図であり、図11(b)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態の雄コネクタ310の斜視図である。
【0069】
本実施の形態における雄コネクタ310は、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子311、312、制御用プラグ端子313、アースのための接地用プラグ端子314、スライドスイッチ316、ロック端子308を有している。
【0070】
図11(a)に示す状態から、図11(b)に示す状態に、スライドスイッチ316を制御用プラグ端子313の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子313が伸びる構成のものである。
【0071】
次に、図12、図13に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ310において、制御用プラグ端子313を伸す場合について説明する。尚、制御用プラグ端子313を伸すことにより、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられたスイッチの接点が開いた状態から閉じた状態となる。
【0072】
図12(a)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態における内部構造図であり、図12(b)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態における内部斜視図である。図12(c)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部構造図であり、図12(d)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部斜視図である。図12(e)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態における内部構造図であり、図12(f)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態における内部斜視図である。また、図13は、図12(b)の部分的拡大図である。
【0073】
図12(a)、(b)に示すように、スライドスイッチ316は、雄コネクタ310の内部においてU字部317が設けられており、制御用プラグ端子リンク318を介し、制御用プラグ313が伸びる構成のものである。また、雄コネクタ310の内部には、コイルバネ319が設けられており、このコイルバネ319はコイルバネ319の伸縮を伝達する伝達部320の一方の端と接続されている。伝達部320の他方の端は、制御用プラグ端子リンク318のカム軸321と回転可能な状態で接続されており、このカム軸321は、カム溝322内を移動可能な構成となっている。
【0074】
また、制御用プラグ端子リンク318には、スライド軸323が設けられており、スライド溝324内を移動可能な構成となっている。また、制御プラグ端子リンク318の先端部325は、制御プラグ端子313に設けられた緩衝溝326内に挿入しており、移動可能な状態となっている。
【0075】
制御用プラグ端子313が縮んでいる状態では、図面上、スライドスイッチ316は左側に位置しており、制御用プラグ端子リンク318も左側に位置している。カム軸321は、カム溝322内の最も左側に位置しており、U字部317の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク318のスライド軸323は、スライド溝324内の左側に位置しており、先端部325は、緩衝溝326の左端と接している。この際、コイルバネ319は若干縮んだ状態にある。
【0076】
この後、スライドスイッチ316を差込方向に対し差込む方向(右方向)に移動させることにより、図12(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ316の移動方向と、コイルバネ319の伸縮方向とが垂直となっている。
【0077】
この状態では、図面上、スライドスイッチ316はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク318は、U字部317の左側の内部壁面により、カム軸321が右側に押され、カム溝322内を右側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、制御用プラグ端子リンク318の先端部325も右側に移動するが、緩衝溝326内での移動であるため、制御用プラグ端子313は、縮んだ状態のままである。この状態では、先端部325は、緩衝溝326の右端に接しており、また、コイルバネ319は、図12(a)、(b)に示す状態よりも更に縮んだ状態となっており、コイルバネ319の復元力により伝達部320を押し上げようとする力が強くなっている。
【0078】
この後、スライドスイッチ316を差込方向に対し差込む方向(右方向)に更に移動させることにより、コイルバネ319の復元力により図12(e)、(f)に示す状態となる。
【0079】
即ち、コイルバネ319が伸びる復元力により、図面上、伝達部320を介しカム溝322内をカム軸321が右方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク318の先端部325を介し、緩衝溝326の右端が押され、制御用プラグ端子313が差込方向に伸びるのである。
【0080】
この状態では、図面上、スライドスイッチ316は右側に移動しており、制御用プラグ端子リンク318も右側に移動している。また、カム軸321は、カム溝322内の最も右側に移動しており、U字部317の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク318のスライド軸323は、スライド溝324内の右側に移動し、先端部325は、緩衝溝326の右端と接している。この際、コイルバネ319は、中立状態よりも伸びた状態となっている。
【0081】
このようにして、制御用プラグ端子313を差込方向に伸すことができる。これは、中立状態からのコイルバネ319の復元力、即ち、コイルバネ319の伸びる力により、制御用プラグ端子313が差込方向に伸すものであるため、短時間に行われる。
【0082】
次に、図14に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ310において、制御用プラグ端子313を縮ませる場合について説明する。尚、制御用プラグ端子313が縮んだ状態では、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられたスイッチの接点が閉じた状態から開いた状態となる。
【0083】
図14(a)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態における内部構造図であり、図14(b)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態における内部斜視図である。図14(c)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態から縮んでいる状態に移行する際の中立状態における内部構造図であり、図14(d)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態から縮んでいる状態に移行する際の中立状態における内部斜視図である。図14(e)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態における内部構造図であり、図14(f)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態における内部斜視図である。
【0084】
図14(a)、(b)に示すように、制御用プラグ端子313が伸びている状態では、図面上、スライドスイッチ316は右側に位置しており、制御用プラグ端子リンク318も右側に位置している。カム軸321は、カム溝322内の最も右側に位置しており、U字部317の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク318のスライド軸323は、スライド溝324内の右側に位置しており、先端部325は、緩衝溝326の右端に接している。この際、コイルバネ319は若干縮んだ状態にある。
【0085】
この後、スライドスイッチ316を引抜く方向(左方向)に移動させることにより、図14(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ316の移動方向と、コイルバネ319の伸縮方向とが垂直となっている。
【0086】
この状態では、図面上、スライドスイッチ316はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク318は、U字部317の右側の内部壁面により、カム軸321が左側に押され、カム溝322内で左側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、先端部325も左側に移動するが、緩衝溝326内での移動であるため、制御用プラグ端子313は、伸びた状態のままである。この状態では、先端部325は、緩衝溝326の右端に接しており、また、コイルバネ319は、図14(a)、(b)に示す状態よりも更に縮んだ状態となっており、コイルバネ319の復元力により伝達部320を押し上げようとする力が強くなっている。
【0087】
この後、スライドスイッチ316を引抜く方向(左方向)に更に移動させることにより、コイルバネ319の復元力により図14(e)、(f)に示す状態となる。
【0088】
即ち、コイルバネ319が伸びる復元力により、図面上、伝達部320を介しカム溝322内をカム軸321が左方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク318の先端部325を介し、緩衝溝326の左端が押され、制御用プラグ端子313が差込方向に対し縮むのである。
【0089】
この状態では、図面上、スライドスイッチ316は左側に移動しており、制御用プラグ端子リンク318も左側に移動している。また、カム軸321は、カム溝322内の最も左側に移動しており、U字部317の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク318のスライド軸323は、スライド溝324内の左側に移動し、先端部325は、緩衝溝326の左端と接している。この際、コイルバネ319は、中立状態よりも伸びた状態となっている。
【0090】
このようにして、制御用プラグ端子313を差込方向に対し縮ませることができる。これは、中立状態からのコイルバネ319の復元力、即ち、コイルバネ319の伸びる力により、制御用プラグ端子313が差込方向に対し縮ませるものであるため、短時間に行われる。
【0091】
ところで、このようなコイルバネ319を有しない構成の場合、人の指の力のみで、制御用プラグ端子313を差込方向に伸したり縮めたりするが、人によって伸す速度や縮める速度が異なり、遅くなる場合がある。
【0092】
このような場合、制御用プラグ端子313の伸びる速度や縮める速度が遅いことに起因し、この制御用プラグ端子313により接続される不図示の雌コネクタの接点において、アークが発生したりチャタリングが発生したりする。このようなアークの発生やチャタリングの発生は、雌コネクタの接点を破損させたり、雄コネクタに接続されている機器を破損させたりするおそれがある。
【0093】
本実施の形態における雄コネクタ310においては、短時間に制御用プラグ端子313を伸したり、縮めたりすることができるため、このようなアークの発生やチャタリングの発生を防ぐことができ、雌コネクタの接点の破損や、雄コネクタに接続されている機器の破壊を防止することが可能となる。
【0094】
次に、図15に基づき本実施の形態における雄コネクタの機構について、より詳細に説明する。図15(a)は、制御用プラグ端子313が縮んでいる状態における雄コネクタの部分的な断面図であり、図15(b)は、中立状態における雄コネクタの部分的な断面図であり、図15(c)は、制御用プラグ端子313が伸びている状態における雄コネクタの部分的な断面図である。
【0095】
図15(a)において、図面上、スライドスイッチ316を左側に移動させることにより、U字部317の右側の内部壁面よりカム軸321が左側に押され、カム軸321がカム溝322内を左側に移動し、制御用プラグ端子リンク318が左側に移動する。この際、カム軸321より伝達部320を介し、コイルバネ319が縮む。尚、本実施の形態における雄コネクタ310のコイルバネ319は、コイルバネホルダ327内に納められており、伝達部320に接していない方の端は、コイルバネホルダ327の内部において固定されている。また、コイルバネホルダ327は、雄コネクタ310の筐体と回転軸328において回転可能な状態で支持されている。
【0096】
このようにして、図15(b)に示す中立状態となる。この状態では、コイルバネ319は縮んだ状態であり、伸びる方向への復元力が大きな状態となっている。
【0097】
この後、スライドスイッチ316を更に左側に移動させることにより、コイルバネ319の復元力により、伝達部320を押し上げ、この力により、カム軸321がカム溝322内を左側に移動する。この力により、制御用プラグ端子リンク318の先端部325を介し、制御用プラグ端子313が左方向に移動、即ち、制御用プラグ端子313が差込方向に伸び、図15(c)に示す状態となる。
【0098】
このようにして、短時間で制御用プラグ端子313を伸すことができるのである。
【0099】
同様に、制御用プラグ端子313を縮める場合も、コイルバネ319の復元力により、中立状態から制御用プラグ端子313が縮んだ状態とすることができるため、短時間で制御用プラグ端子313を縮めることができる。
【0100】
尚、本実施の形態では、コイルバネ319が縮んでいる状態から伸びる方向に働く復元力を利用して、制御用プラグ端子313を伸縮させるものについて説明したが、カム溝322の構造等を変えることにより、コイルバネ319が伸びた状態から縮む復元力を利用して、同様に制御用プラグ端子313の伸縮を行うことも可能である。また、本実施の形態では、コイルバネ319を用いたが、同様の作用が得られる弾性体であれば、どのような構成のものであってもよい。
【0101】
以上、本実施の形態における雄コネクタについて説明したが、本実施の形態における雄コネクタは、第1の実施の形態における雄コネクタに代えて用いることができるものであり、本実施の形態における雄コネクタと、第1の実施の形態に記載されている雌コネクタ及び第3の実施の形態に記載されている雌コネクタと組み合わせることにより、コネクタとして使用することができるものである。
【0102】
尚、上記説明においては、400VDCの場合について詳しく説明したが、本発明の実施の形態として記載されている雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタは直流(DC)であれば、用いることが可能である。特に、直流の場合はACと異なり、人体に安全な周波数というのも存在しないからである。
【0103】
また、人体における影響の観点から直流電圧としては、通常は48V以下の電圧が用いられている。これは、通常48V以下であれば、感電により人体に与える影響が殆どないためであり、このことから、48Vを超える電圧の場合、人体に与える影響は大きく、特に、200V以上の電圧は危険である。
【0104】
本発明の実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタは、安全性を高めた構成であることから、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧に特に顕著な効果を発揮するものである。即ち、本実施の形態における雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタは、従来とは異なる構成により安全性を高めているため、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧についても安全性が高められているため、特に、顕著な効果を発揮するものである。
【0105】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】第1の実施の形態におけるコネクタの構成図
【図2】第1の実施の形態におけるコネクタの外観の斜視図
【図3】第1の実施の形態における雌コネクタの構造図
【図4】第1の実施の形態におけるコネクタの内部構造の斜視図
【図5】第1の実施の形態におけるコネクタの制御用プラグ端子が縮んだ状態の斜視図
【図6】第1の実施の形態におけるコネクタの制御用プラグ端子が伸びた状態の斜視図
【図7】第1の実施の形態におけるコネクタを用いた電源供給システムの構成図
【図8】第1の実施の形態におけるコネクタを用いたPDUの斜視図
【図9】第2の実施の形態におけるコネクタの構成図
【図10】第3の実施の形態における雌コネクタの構成図
【図11】第4の実施の形態における雄コネクタの外観の斜視図
【図12】第4の実施の形態における雄コネクタの制御用プラグ端子を伸す場合の説明図
【図13】第4の実施の形態における雄コネクタの内部構造の斜視図
【図14】第4の実施の形態における雄コネクタの制御用プラグ端子を縮ませる場合の説明図
【図15】第4の実施の形態における雄コネクタの内部構造の部分的な断面図
【符号の説明】
【0107】
10 雄コネクタ
11 電力用プラグ端子(+)
12 電力用プラグ端子(−)
13 制御用プラグ端子
14 接地用プラグ端子
15 電源ケーブル
20 雌コネクタ
21 電力用ジャック端子(+)
22 電力用ジャック端子(−)
23 制御用プラグ端子
24 接地用プラグ端子
31 リレー
32 リレー
33 コイル
34 リレー接点
35 コイル
36 リレー接点
37 制御スイッチ
40 サーバ等の情報機器
50 高圧電源
60 リレー電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雌コネクタと接続する雄コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、
前記リレーは、前記制御用ジャック端子と接続されており、
前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより前記リレーが動作し、前記電力用プラグ端子と前記電力用ジャック端子を介し、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする雄コネクタ。
【請求項2】
前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮は、スライドスイッチ、または、押ボタンスイッチにより行われるものであることを特徴とする請求項1に記載の雄コネクタ。
【請求項3】
制御プラグ端子リンクを介し前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、伸縮可能なコイルバネと、を有し、
前記スライドスイッチの移動方向と前記コイルバネの伸縮方向とが垂直となる中立状態となるものであって、
前記スライドスイッチを移動させることにより、前記コイルバネを伸縮させるものであることを特徴とする請求項1に記載の雄コネクタ。
【請求項4】
前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、
前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し伸びるものであることを特徴とする請求項3に記載の雄コネクタ。
【請求項5】
前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、
前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする請求項3に記載の雄コネクタ。
【請求項6】
前記雄コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して、前記差込方向に垂直に突出するロック端子が設けられており、
前記ロック端子は、前記プラグ端子を前記差込方向に伸すことにより、前記差込方向に垂直に突出し、
前記雌コネクタには、前記突出したロック端子に対応した形状の凹状部が設けられており、
前記雄コネクタと雌コネクタとを嵌合した状態で、前記制御用プラグ端子を伸すことにより、前記雌コネクタの凹状部に前記ロック端子が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとの嵌合状態が維持されるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項7】
前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、
前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、
前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とは嵌合した状態にあることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項8】
前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項9】
前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項10】
電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと接続する雌コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、
前記リレーは、前記制御用ジャック端子と接続されており、
前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記電力用プラグ端子と前記電力用ジャック端子を介し、前記リレーが動作し前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする雌コネクタ。
【請求項11】
電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと接続する雌コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、
前記リレーは、少なくとも1つのコイルと2つのリレー接点からなるものであり、前記コイルに電流が流れることにより前記2つのリレー接点が同時に接続されるものであり、
前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレー接点がそれぞれ接続されており、前記電源は前記2つのリレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、
前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする雌コネクタ。
【請求項12】
電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと接続する雌コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、2つのリレーを有しており、
前記リレーは、各々1つのコイルと1つのリレー接点を有しており、前記コイルに電流が流れることにより前記リレー接点が接続されるものであり、
前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレーの各々の前記リレー接点が接続されており、前記電源は前記リレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、
前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレーのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とする雌コネクタ。
【請求項13】
前記制御用プラグ端子は導体からなるものであり、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより前記2つの制御用電極と接触させ、前記制御用プラグ端子を介し、前記2つの制御用電極を電気的に接続する構成のものであることを特徴とする請求項11または12に記載の雌コネクタ。
【請求項14】
前記2つの制御用電極はスイッチにおける2つの端子であって、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記スイッチにおける2つの端子が接続される構成のものであることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の雌コネクタ。
【請求項15】
前記雄コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して、前記差込方向に垂直に突出するロック端子が設けられており、
前記ロック端子は、前記プラグ端子を前記差込方向に伸すことにより、前記差込方向に垂直に突出し、
前記雌コネクタには、前記突出したロック端子に対応した形状の凹状部が設けられており、
前記雄コネクタと雌コネクタとを嵌合した状態で、前記制御用プラグ端子を伸すことにより、前記雌コネクタの凹状部に前記ロック端子が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとの嵌合状態が維持されるものであることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の雌コネクタ。
【請求項16】
前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、
前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、
前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と、前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態にあることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の雌コネクタ。
【請求項17】
前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の雌コネクタ。
【請求項18】
前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項10から17のいずれかに記載の雌コネクタ。
【請求項19】
電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、
前記リレーは、前記制御用ジャック端子と接続されており、
前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記電力用プラグ端子と前記電力用ジャック端子を介し、前記リレーが動作し前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項20】
電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、リレーを有しており、
前記リレーは、少なくとも1つのコイルと2つのリレー接点からなるものであり、前記コイルに電流が流れることにより前記2つのリレー接点が同時に接続されるものであり、
前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレー接点がそれぞれ接続されており、前記電源は前記2つのリレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、
前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項21】
電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子と、2つのリレーを有しており、
前記リレーは、各々1つのコイルと1つのリレー接点を有しており、前記コイルに電流が流れることにより前記リレー接点が接続されるものであり、
前記2つの電力用ジャック端子の各々に対応し、前記2つのリレーの各々の前記リレー接点が接続されており、前記電源は前記リレー接点を介し前記電力用ジャック端子より電力を供給するものであって、
前記制御用ジャック端子には、前記コイルに電流を流すための2つの制御用電極が設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が接続され、前記コイルに電流が流れ、前記2つのリレーのリレー接点が接続され、前記電子機器に電力が供給されるものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項22】
前記制御用プラグ端子は導体からなるものであり、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより前記2つの制御用電極と接触させ、前記制御用プラグ端子を介し、前記2つの制御用電極を電気的に接続する構成のものであることを特徴とする請求項20または21に記載のコネクタ。
【請求項23】
前記2つの制御用電極はスイッチにおける2つの端子であって、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記スイッチの2つの端子が接続される構成のものであることを特徴とする請求項20から22のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項24】
前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮は、スライドスイッチ、または、押ボタンスイッチにより行われるものであることを特徴とする請求項19から23のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項25】
制御プラグ端子リンクを介し前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、伸縮可能なコイルバネと、を有し、
前記スライドスイッチの移動方向と前記コイルバネの伸縮方向とが垂直となる中立状態となるものであって、
前記スライドスイッチを移動させることにより、前記コイルバネを伸縮させるものであることを特徴とする請求項19から23のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項26】
前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、
前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し伸びるものであることを特徴とする請求項25に記載のコネクタ。
【請求項27】
前記中立状態において、前記コイルバネは伸びた状態又は縮んだ状態にあり、
前記中立状態より、前記コイルバネの復元力により、前記制御プラグ端子は前記制御プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする請求項25に記載のコネクタ。
【請求項28】
前記雄コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して、前記差込方向に垂直に突出するロック端子が設けられており、
前記ロック端子は、前記プラグ端子を前記差込方向に伸すことにより、前記差込方向に垂直に突出し、
前記雌コネクタには、前記突出したロック端子に対応した形状の凹状部が設けられており、
前記雄コネクタと雌コネクタとを嵌合した状態で、前記制御用プラグ端子を伸すことにより、前記雌コネクタの凹状部に前記ロック端子が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとの嵌合状態が維持されるものであることを特徴とする請求項19から27のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項29】
前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、
前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、
前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態であることを特徴とする請求項19から28のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項30】
前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項19から29のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項31】
前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項19から30のいずれかに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図8】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−56056(P2010−56056A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251498(P2008−251498)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】