説明

集積化された光学的ヘッド装置および関連する方法

【課題】本発明は、より小型でかつ安価に製造できるディスク駆動装置のような光学的ヘッド、およびこれに関連する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る複数の集積化された光学装置を製造する方法は、第1の透明ウェーハを提供するステップと、複数の光検出器を第1の透明ウェーハの第1の表面に隣接して配置するステップと、複数のマイクロレンズを有する第2のウェーハを提供するステップと、各マイクロレンズがそれぞれの光検出器の光路上に配置されるように、第2のウェーハを第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせするステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学分野に関し、とりわけディスク駆動装置で用いられるような集積化された光学的ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの一般的なコンピュータシステムは、データを記憶し呼び出すために、記憶媒体と協働するディスク駆動装置を有している。一般的な光ディスク駆動装置は、光ディスクに光を当てるために、従来レーザを用いた光学的ヘッドを有する。ディスク表面から反射した光は、光検出器で検出され、ディスクからデータを読み取るように処理される。このような光学的ヘッドの一例が、オフェイ(Opheij)による「欠陥補正回折格子を有する平面光スキャンヘッド」と題する米国特許第5,204,516号に開示されている。しかし、さまざまな光学的ヘッド部品の容積が、多くの所望する用途や多くの市場の要請に対して、余りにも大き過ぎることがしばしばある。さらに、回路およびシステム基板の集積密度が高くなればなるほど、構成部品をより小さくすることが求められる。加えて、従来式の光学的ヘッドを製造する過程では、レーザ、検出器、および光学部品をアライメントさせるために、レーザを励起または動作(すなわち「点灯アライメント(active alignment)」させる)させる必要がある。点灯アライメントによる処理の一例として、光学技術(1989年6月)で公表された、リーによる「小型ディスク装置のためのホログラム光学的ヘッド」と題された論文に図解され開示されている。
【0003】
残念ながら、こうした点灯アライメントさせることは、複雑で、時間を要し、しかも比較的に高くつく。さらに、光学的ヘッドを垂直方向に容積を小さくするには限界がある。加えて、点灯アライメントさせる上での必要性から、操作可能な光学的ヘッドの構成部品は比較的大きなものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,204,516号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の背景を念頭に置いて、本発明の目的は、より小型で、安価に製造できる、ディスク駆動装置のような光学的ヘッド、およびこれに関連する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこれ例外の目的、利点、および特徴が、集積化された光学的ヘッドを用いて、さまざまな構成部品を非点灯アライメント(passive alignment)させることにより得られる。集積化された光学的ヘッドは、第1面および第2面を有する光学的に透明な基板を有することが望ましい。この基板は、基板の第2面上に形成された屈折光学部品を有していても良い。レーザのような光源は、光が基板および屈折光学部品を通過して光学的記憶媒体のような物標に向かって伝播するように、基板の第1面付近に配置される。光検出器は、回折光学部品および基板を通過した記憶媒体からの反射光を検出するために、基板の第1面付近に配置される。基板に対して、レーザまたは光学検出器を非点灯状態でアライメントさせるために、基板の第1面と、レーザおよび光検出器の少なくとも一方との間に、非点灯アライメント手段が配置される。したがって、レーザおよび検出器は、基板の第2面上の光学的部品とアライメントさせてもよい。
【0007】
本発明の光学的ヘッドは、フォトリソグラフィを用いた形状で配置された屈折光学部品および回折光学部品にある程度基づいて、先行技術と比して3倍以上容積を小さくすることができる。さらに、レーザおよび検出器は、フォトリソグラフィの手段を用いて非点灯状態で正確にアライメントできることが望ましい。特にある実施例では、コンタクトパッドにより与えられた反対側のアライメント領域における湿った領域および半田の塊により、非点灯状態でアライメントが実現される。
【0008】
別の実施例では、第2の透明基板は、第1基板とアライメントされ接合される。第2基板は、1つまたはそれ以上の構成部品を備えている。本発明のこの態様によれば、台またはその他の機械的形状(features)であるアライメント領域を、1つの表面および整合凹部内に形成してもよいし、例えば他の表面上に形成してもよい。接着剤による接合領域は、アライメント領域と重なり合うかもしれないが、基板を一体のものとして固定する。2つのウェーハを正確にアライメントするために、フォトリソグラフィを用いて、各ダイの構成部品を正確に配置することにより、アライメントさせることもできる。その後、第1基板および第2基板を接続するために必要な個別のアライメント手段またはアライメントステップなしで、アセンブリされたダイを切断することができる。
【0009】
本発明によると、光学的ヘッドを形成する方法が提供される。光学的ヘッドを形成する方法は、好適には、透明基板の第1面上に少なくとも1つの光学部品を形成するステップと、光を基板および少なくとも1つの光学部品を通じて、データ記録媒体に向かって発光させるために、基板の第1面付近にレーザを配置するステップと、を有している。データ記録媒体から反射して、基板を通過して光検出器に至る光を検出するために、光学的検出部が、レーザ付近の透明基板の第1面付近に配置されることが望ましい。レーザ、光検出器、および・または少なくとも1つの基板上の光学部品は、コンタクトパッドおよび半田バンプ、または上述の機械的アライメントのいずれかを用いて非点灯状態でアライメントさせる。
【0010】
本発明による集積化された光学的ヘッドおよび関連する方法によれば、好都合にも、点灯状態で部品をアライメントさせるために、レーザ光源を励起または点灯させることを必要とせず、はるかにより小さい光学的ヘッドを形成することができる。本発明による集積化された光学的ヘッドにより、先行技術が有する問題を解消された結果、その他の考慮すべき問題に代わって、レーザ波長が残された支配的な制限要素となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による集積化された光学的ヘッドの概略図である。
【図2】本発明による集積化された光学的ヘッドの側面断面図である。
【図3】本発明による集積化された光学的ヘッドの側面正面図である。
【図4】図3で示す本発明による集積化された光学的ヘッドを90度回転させたときの側面正面図である。
【図5】本発明による集積化された光学的ヘッドの第1透明基板の部品側からみた平面図である。
【図6】本発明による集積化された光学的ヘッドの第1透明基板に設けられたホログラム光学部品の平面図である。
【図7】本発明による集積化された光学的ヘッドの第2透明基板に設けられた屈折レンズ表面の平面図である。
【図8】本発明による集積化された光学的ヘッドの回折光学的部品の平面図である。
【図9】本発明による図4のマスク位置の拡大図である。
【図10】本発明による2つのウェーハを有する材料を示す斜視図である。
【図11】本発明による具体的なアライメントの形状を示す垂直方向の断面図である。
【図12】本発明による集積化された光学的ヘッドのための、ハイブリッドマイクロレンズを形成する方法を示す垂直方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のいくつかの目的および利点については、すでに述べたが、その他については、次の添付図面を参照しながらこの明細書を読み進めると、明らかとなるであろう。
【0013】
ここで、本発明の好適な実施例を示す添付図面を参照しながら、本発明を以下により詳しく説明する。ただし本発明は、数多くの異なる態様で実施されるものであって、ここに記述された説明的な実施例に限定して解釈すべきではない。むしろこれらの説明的な実施例は、この開示が一貫して完全となるように、そして当業者に本発明の概念を十分に理解させるために、提供されたものである。類似の符号は一貫して類似の要素を示し、プライムおよびダブルプライムの符号は、択一的な実施例における類似の要素を示すために用いられる。
【0014】
図1は、記録媒体上の光学的トラックを検出するのに用いられる本発明による装置の光学的設計の概略図である。光源10から15度の分散角度を有する可干渉光が、図示しない回折要素(DOE)を通じて対象距離d1だけ上方向に、屈折レンズ12に向かって伝播する。DOEは、光を数多くの光束に分割し、図1では複数の光束として3つだけ示す。光束は、レンズ12から画像距離d2だけ離れたところに配置される表面14の上に集光する。画像表面14上の光のスポットサイズおよび間隔により、トラッキングの正確度が決まり、ひいては媒体上に記録できる情報量が決まる。小さくできる限界のスポットサイズは、この設計の場合、約0.020mmである。図1の設計において、屈折レンズ12は、光を媒体上で0.0020mmのスポットで集光させるために、十分な曲率を有する必要がある。クロストークノイズを低減するために、媒体上の光のスポットの間隔は、それぞれ約0.100mmである。当業者には容易に理解されるところであるが、光学的ヘッドを図解された配置手段29により配置することができる。
【0015】
先行技術が教示するように、単一のレンズを用いて設計しようとすると、レーザ光を0.020mmのスポットとなるまで集光させるのに必要なレンズ曲率により、単一レンズの大きさが決まってしまう。つまり、光学的ヘッドの大きさを小さくするために先行技術が教示するように単一レンズを用いることが、全体的な光学的ヘッド装置を小型化する上での制限要素となる。本発明で単一レンズの代わりに複数レンズを採用する理由の1つがこの要素にある。
【0016】
図7を参照しながら後に示すように、距離d1は、DOEで十分幅広い光束を提供できる利点を得るために用いられる。距離d2は、媒体表面において十分なスポットサイズの変調深度および焦点深度が得られるように選択される。
【0017】
距離の比d1/d2により、レンズ内で起こる媒体から反射される画像の縮小量が決まる。単一レンズ設計では、この縮小率は、スポットサイズだけでなく、スポット間隔にも影響を与える。縮小率が1/4のとき、収差により0.025mmの領域に広がる0.005mmのスポットサイズが得られる。単一レンズを用いて設計された場合、スポット間隔が0.025mmにまで縮小されると、相当のクロストークノイズが生じる。約0.200mm間隔で配置した個別のレンズを用いることにより、検出器は約0.220mm間隔で配置され、これにより0.025mmの光スポットを用いても、クロストークノイズを排除することができる。
【0018】
図2は、本発明の好適な実施例による光学的トラッキング装置を有する磁気フロッピディスクヘッド5の側面図である。ヘッド5は、媒体31のさまざまなトラックに亙って延びるように、図示しない既知の手段によりアーム3に取り付けられる。ヘッド5は、フレキシブルプリント基板7を介して、読み出し・書き込み回路およびトレース制御回路に電気的に接続される。約2ミリメートル×1.6ミリメートルで、4.5または5ミリメートルの深さを有する凹部9がヘッド5に設けられ、ここに基板11からなる光学装置がフレキシブルプリント基板7に取り付けられ接続される。本発明に属する同じ製造技術および方法は、光学的トラッキングを有する磁気ディスクヘッドと同様に、光学的なディスク読み取りヘッドを製造するためにも利用できるものと理解されよう。
【0019】
ここで図3を参照すると、溶融石英または他の光学的材料を含む第1の透明基板11は、例えば基板の基準となるマークまたは印、およびフォトリソグラフィ用の正確にアライメントされたマスク、並びにマイクロエレクトロニクス回路の製造技術で既知の金属成長ステップを用いて、底面13の上に配置された金属皮膜パッドまたはコンタクトパッドを取り付ける部品を有している。この好適な実施例において、基板11の表面13は約1.6mm×2mmであり、基板厚は0.8mmである。レーザチップ15は、上述の金属皮膜パッドのいくつかにより表面13に取り付けられる。図4で示すように、レーザ15は端面発光レーザであって、このレーザ光は図4で示す精密鏡の手段を介して上方向に伝播する。端面発光レーザ15は、垂直方向の空洞表面発光レーザで置き換えると、レーザ光束を基板表面と垂直に向けるための精密鏡を要らなくなることが理解されよう。
【0020】
同様に、光検出チップ17を金属皮膜パッドで基板11の部品表面に取り付けることができる。基板11の反対側上のホログラム表面19には、図7で詳細に示す回折光学部品が設けてある。回折光学部品の位相図は、コンピュータ計算を用いて設計され、スワンソンらが米国特許第5,161,059号で教示する技術を用いて製造される。この特許の全開示内容は、ここに一体のものとして統合される。
【0021】
光学部品は、金属皮膜パッドを配置するために用いられる同一の基準マークまたは印をフォトリソグラフィで用いることにより形成される。択一的に、光学部品を形成するために用いられるマスクにアライメント(位置合わせ)させるのに、第1のマークにアライメントされた第2の基準となるマークを用いてもよい。このようにして、光源、鏡、および検出器が、金属皮膜パッド上に取り付けられる。デバイスの中における光学部品を通過する光路は、図3および4でより明確に示すように、光学的にアライメントされている。端面発光レーザからの光の方向を変える必要がある場合、シリコンチップを取り付けるとき、金属皮膜パッドおよび半田を用いて取り付けられるという理由だけで、精密鏡はこの明細書の主旨では1つのデバイスと考えられる。またホログラム表面19は、第2の透明基板21とともに第1の透明基板11に接合する接合領域23を有する。これら接合領域、および後に説明するアライメント領域については図11および図12で詳述する。
【0022】
第2基板21は表面25において、レンズ対またはダブレットからなる第2のレンズを設けた回折光学システムを有している。レーザ15からの光は、ホログラム表面19の回折光学部品により形成され、5つの異なる光束に分割され、基板を通過して媒体に向かって約2.4mm伝播する。説明しやすくするために、各光束の主要な光線だけを図3に示す。1つの光束は、レーザ15への電気エネルギを制御するために、強度フィードバックするために用いられる。他の4つの光束は、媒体位置またはトラッキングを検出するために用いられる。可干渉光からなる光束は、媒体31で反射し、第2基板21および第1基板11を通過して戻り、検出器17により検出される。構成部品はすべて、金属皮膜パッドを配置させることにより、設計通りに光学的にアライメントされるので、レーザを励起して、光学的にアライメントさせるために互いに対してこれらを移動させる必要がない。換言すると、先行技術にあるようにレーザを動作させる必要のある点灯アライメントではなく、非点灯状態で配置されている。光束は、最初に表面19上の屈折光学部品を通過することが望ましいが、本発明の概念から逸脱することなく、光路上の光学要素の順序を変更し、または2つ以上の複雑な要素に組み合わせることができる認識されよう。
【0023】
図4は、図3のもう一方の側面図である。図4で示すように、端面発光レーザ15から発する光は、部品表面13の平面とは実質的に平行に出射し、鏡33の45度の表面で部品表面と垂直な方向に反射させる必要がある。すると光は、基板11、表面19の屈折光学部品、表面25における屈折レンズ61、および基板21を通過して、図1および3で示すように媒体31で反射する。
【0024】
図5は、透明基板11を通じて下から見た部品表面13の平面上面図である。電気コンタクト金属皮膜39,41,43,45は、検出器17内の検出用ホトダイオードに電気的に接続されている。媒体31から反射する光を受光するための3つの開口部を有する金属皮膜領域53が、検出器17の下方中央部に設けてある。領域53の各々の側に半田ボールアライメント領域47は、この実施例において、電気的なコンタクトとして、そしてアライメント技術として機能する。また領域49は、半田ボールパッドであって、レーザ15を第1基板にアライメントし接続するように機能し、レーザ15に電流を供給する。他方、領域51は、鏡33を第1透明基板11に機械的にアライメントし機械的に接合するためだけに機能する。
【0025】
ホログラム表面19は、再び基板11上から見下ろすと、図6の平面図のように見える。ホログラム表面19は金属皮膜領域55を有し、これは迷光を減らす一方、レーザ15からの光で回折光学システムにより形成される3つの光束を許容するマスクとして機能し、この光は媒体31に向けられ、媒体で反射し、金属皮膜領域59で示す5つの開口部を通過し、そして検出器17に達する。周囲の金属皮膜領域55は、レーザ15からの迷光を散乱する回折格子57であって、検出器17に悪影響を与えないようにする。
【0026】
図7は、屈折レンズ表面25を示し、今回は基板21を通じて再び下から見た平面図である。マスク55における屈折光学部品と組み合わせたレンズ61が、レーザ光を形作り、媒体31の上で約20μm直径を有する3つのスポットを約100μm間隔で集光させる。レンズ63および65は、位置制御、および・または位置読み取りのために、媒体31から反射された光を、マスク59を介して検出器17に集光させる。レンズ67は、反射光を検出器17のホトダイオードに集光させ、この検出器は、レーザ15に供給される電気エネルギを制御するパワー制御回路に強度レベル信号を供給する。
【0027】
表面19および表面25の両方の周囲には、図6および図7で領域71として一般的に示す接合領域が配置されている。領域71には空間を空ける分離台があり、これは基板21に接着させるために接着剤が設けられた領域である。この分離台によれば、点灯させることなく、適切なまたは所望する垂直方向の間隔またはアライメントが決定される。接着剤は、硬化する時間を懸念することなく塗布できる紫外線硬化接着剤であることが望ましい。基板11および21がアライメントされた後に、接着剤が領域71に塗布され、接着剤を硬化させるために、この装置に紫外線を浴びせる。
【0028】
択一的な実施例では、フォトリソグラフィにより配置された金属皮膜パッドと接着剤を置き換えて、半田ボール技術を用いて2つの基板を接合する。
【0029】
図8は、3つの屈折光学要素73,75とともにマスク55を示す。これら3つの要素は、媒体から反射される光の5つの光束を与え、3つの主要な光線を図3に示す。要素75は、媒体で反射される、図8で示すようにマスク59内の開口部79で受光されるパワー制御光束を与える。要素73および77は各々、2つの光束を与え、暗いバンド(記録トラック)のいずれか一方の上に2つの明るいバンドとともに暗いバンドを形成するように、2つの光束は媒体表面で干渉する。明るいバンドは、図8で示す開口部81,83および85,87の対に反射して、媒体上の光学的トラックを検出するために用いられる、変動光強度を与える。回折要素を含む開口部73,75,77は各々、長さ100μmで、幅20μmである。
【0030】
図9を参照すると、図8の開口部を拡大して示す。各開口部73,75,77の端部は、干渉周辺部の方向を変える不規則な境界を有するため、これらは検出される光学的トラックとは平行でなく、正確度が向上する。
【0031】
図10は、光学装置としてアセンブリされて、ダイに切断される前の2つの基板11および21を示す。各構成部品は、フォトリソグラフィを用いて各基板の上に正確に配置されるので、基板11上のレーザデバイスを一切励起させる必要なく、ウェーハ全体をアライメントしてチップに裁断する前に接合することができる。図10は、各ダイの上部に配置したレーザ、鏡、および検出器を示すために、図2、図3および図4で示したのを反転させた基板を示す。
【0032】
ウェーハを一体とする前に、接着材料23を少なくとも1つのウェーハ上の各ダイの領域71に配置する。接着剤を配置した後、2つのウェーハを、一方が他方の上になるように配置してアライメントする。本発明の1つの実施例では、互いにアライメントするまで2つの基板の相対的な配置をモニタするために、既知のフォトリソグラフィマスクアライメント手段を補正基準マスク93,95とともに用いる。その後、基板11を基板21の上に降ろすことができ、アライメントしていることを再確認して、紫外線により接着剤を硬化させる。
【0033】
別の実施例では、アライメント手段91を用いて2つのウェーハを点灯させることなくアライメントする。アライメント手段の3つの形状が考案され、図11A、図11Bおよび図11Cで示されている。図11Aで示されたものは、基板11,21の整合面に切り込むV型溝の形態を取る。その後2つのウェーハをアライメントさせるために、これらの溝を球体99とともにアライメントさせる。ダイがウェーハとしてまだ一体のものであるときに、すべてのダイをアライメントさせるのに、ほんの少数の溝と球体だけが必要とされることに留意されたい。図11Bで示されるアライメント手段の別の実施例は、フォトリソグラフィで配置された金属皮膜パッド101からなり、その後これらは半田ボール103をリフローすることにより接続される。さらに別の図11Cの実施例では、周囲表面をエッチングすることにより台105を形成し、同様にフォトリソグラフィで配置されたエッチャント、好ましくは反応性イオンエッチャントにより形成された凹部107に、この台105を配置する。
【0034】
各ダイの接着領域71において、2つの基板の互いの間隔を正確に設けるための手段が必要となるかもしれない。図11Dで示すように、台109を用いた実施例でスペースを設けることが実現されている。3つまたはそれ以上の台109が、高耐圧強度の接着剤の中にある各ダイの周囲の領域71に配置されている。別の実施例では、図11Bで示すように、接合およびアライメントの両方を実現するために、半田バンプまたは半田ボール、および金属皮膜が領域23内で用いられている。択一的に、高耐圧強度の接着剤を選択した場合、接着剤を塗布した後、3つだけ、またはもう少し多くの上記台がウェーハ全体の間隔を空けるために必要で、接合ウェーハは、基板の間隔を設けることなく、ダイに切断することができる。
【0035】
図12を参照すると、屈折部品および・または電気デバイスとアライメントさせるように、フォトリソグラフィを用いて光学部品を基板表面25の上に配置する方法が示されている。マイクロレンズ115の形態のような屈折光学部品は、光学材料の表面の上にマスクを用いてフォトレジスト111の円形層を配置することにより形成される。そして制御された熱源を用いてフォトレジストの一部を変形させることにより、フォトレジストが部分的な球形状113を形成する。その後、表面25はエッチングされて、フォトレジスト113と実質的に同一形状を有する屈折部品115が、フォトレジスト113の連続的に厚さが変化するさまざまなエッチング速度で形成される。ハイブリッド光学部品を所望する場合、マイクロレンズ115はさらに、エッチング処理またはエンボッシング処理により形成される。1つの実施例では、フォトレジスト117の層をマイクロレンズ115の上方に配置し、フォトリソグラフィのマスクを介して屈折光学部品の状態パターンを用いて露光される。そして露光済みのフォトレジストが現像されると、ハイブリッド光学部品119を形成するために屈折光学部品のパターンを用いて、さらにマイクロレンズの表面をエッチング処理してもよい。別の実施例では、フォトレジストの代わりに、ポリマをマイクロレンズの上方に配置して、121で示すように状態パターンをポリマ内にエンボッシング処理する。凸状部品が示されたが、凹状マイクロレンズを形成するために、同一の技術を用いてもよいことが理解されよう。
【0036】
好適な実施例に関して本発明を説明してきたが、光学システムを設計する当業者には認識されるところであるが、本発明の精神と範疇から逸脱することなく、構造上および記述された装置の細部に関して、もっとさまざまに変化させることができる。例えば、電気的部品がフォトリソグラフィを用いてこれら屈折光学部品に対して正確に配置される基板の同一表面上に、屈折光学部品を配置してもよい。屈折光学部品は同様に、同一基板の他方の表面上にもフォトリソグラフィを用いてアライメントするように配置させることができ、これにより、アライメントさせるために、アセンブリ内の光源を能動的に励起させる必要なく、1つの基板を用いて全体の光学装置を形成することができる。
【0037】
図面および明細書の中で、本発明の好適な実施例が開示され説明された。特有の語彙を用いたが、これらの語彙は説明するためだけの意味しかなく、限定する意図で用いられたものではない。本発明は、これら図解した実施例に特に関連付けて相当詳細に説明された。しかし、多くの修正および変更が、上述の明細書および添付のクレームで定義されるように、本発明の精神および範疇の範囲で実現されることは明白であろう。
【符号の説明】
【0038】
3:アーム、5:磁気フロッピディスクヘッド、7:フレキシブルプリント基板、9:凹部、10:光源、11:第1の透明基板、12:屈折レンズ、13:底面、14:画像表面、15:レーザチップ、17:光検出チップ(検出器)、19:ホログラム表面、21:第2の透明基板、23:接合領域、25:屈折レンズ表面、31:媒体、33:鏡、39,41,43,45:電気コンタクト金属皮膜、47:半田ボールアライメント領域、53,55,59:金属皮膜領域(マスク)、57:回折格子、61:屈折レンズ、67:レンズ、71:接着領域、73,75,77:屈折光学要素、79,81,83,85,87:開口部、93,95:補正基準マスク、91:アライメント手段、99:球体、101:金属皮膜パッド、103:半田ボール、105:台、107:凹部、115:マイクロレンズ、113:フォトレジスト、117:フォトレジスト、119:ハイブリッド光学部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積化された光学装置を製造する方法であって
第1の透明ウェーハを提供するステップと、
複数の光検出器を第1の透明ウェーハの第1の表面に隣接して配置するステップと、
複数のマイクロレンズを有する第2のウェーハを提供するステップと、
各マイクロレンズがそれぞれの光検出器の光路上に配置されるように、第2のウェーハを第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせするステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
位置合わせされた第1および第2のウェーハを一体に接着するステップと、
各光学装置が少なくとも2つのマイクロレンズを有するように、第1および第2のウェーハをダイ切断して、複数の集積化された光学装置を形成するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
複数の光検出器は、第1のウェーハの第1の表面上に配置されること特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
第2のウェーハを第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせする前記ステップは、
第1のウェーハ表面とこれに対向する第2のウェーハ表面との間に、機械的整合部材を形成するサブステップと、
機械的整合部材が互いに係合するように、第1および第2のウェーハを相対的に配置するサブステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
第2のウェーハを第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせする前記ステップは、第1および第2のウェーハ上に位置合わせ用印を形成するサブステップを有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
光検出器を第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせするステップをさらに有し、このステップは、
第1のウェーハ表面上に複数の第1のコンタクトパッドを形成するサブステップと、
光検出器上に複数の第2のコンタクトパッドを形成するサブステップと、
光検出器を第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせするために、複数の第1および第2のコンタクトパッドの間に半田を形成するサブステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
複数の第1および第2のコンタクトパッドを形成するステップは、フォトリソグラフィ技術を用いることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
光源を第1のウェーハに非点灯状態で位置合わせするステップをさらに有し、このステップは、
第1のウェーハ表面と光検出器との間に、機械的整合部材を形成するサブステップと、
機械的整合部材が互いに係合するように、第1のウェーハと光検出器とを相対的に配置するサブステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
複数の光学部品を第1のウェーハ上に形成するステップをさらに有し、
各光学部品は、第1のウェーハ上においてそれぞれの光検出器の光路上に非点灯状態で位置合わせされることを特徴とする方法。
【請求項10】
光学装置であって、
第1および第2の表面を有する第1の基板と、
第1の基板の第1の表面に隣接して配置された光源と、
第1の基板上に配置され、光源から第1の基板を介して伝播した光より複数の光束を形成する回折光学部品と、
互いに隣接する複数のマイクロレンズを有する第2の基板と、
第1の基板の第1の表面に隣接して配置された複数の光検出器とを備え、
複数の光束のそれぞれが対象物上の複数の隣接するスポット上に集光し反射した後、対応するマイクロレンズを通って対応する各光検出部品で検出されることを特徴とする光学装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光学装置であって、
光源および光検出器は、第1の基板の第1の表面上に配置されることを特徴とする光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−238365(P2009−238365A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164638(P2009−164638)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【分割の表示】特願平10−515930の分割
【原出願日】平成9年9月26日(1997.9.26)
【出願人】(399036475)ディジタル・オプティックス・コーポレイション (10)
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL OPTICS CORPORATION
【Fターム(参考)】