説明

雨樋

【課題】輸送時に起こる押出成形品よりなる雨樋同士の擦れ、梱包状態からの引き抜き、他の物体との接触により雨樋の表面に傷が付き難い雨樋を提供する。
【解決手段】合成樹脂の押出成形品よりなる雨樋である。表面の一部又は全部に押出成形方向と同方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝が、該表面の押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成してあると共に、前記溝のピッチが前記溝の深さ以上である。前記溝の側面と該溝間にある凸部の側面とが一傾斜面となって連続することで波状となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨樋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂の押出成形品である雨樋には、パイプ状もしくは異型中空で押出成形した縦樋と、雨水を受けられる形状に異型押出成形した軒樋とがある。
【0003】
縦樋及び軒樋を構成する材料としては塩化ビニル樹脂が一般的であり、強度や耐熱性を付加する目的で鋼板、ガラス繊維、カーボン繊維等をインサート成形したものや、耐候性等の表面特性を付加させるためにアクリル樹脂、ASA樹脂、AES樹脂等の耐候性に優れた樹脂を表層に用いたりしている。
【0004】
このように、押出成形された雨樋の表面は塩化ビニル樹脂等の樹脂であるため、雨樋同士の接触及び金属や鉱物等の硬い物質との接触により傷付き易いという問題がある。
【0005】
これらの傷に対する問題の解決手段としては、「雨樋の表面を硬くする」、「雨樋表面の摩擦抵抗を下げて滑りやすくする」等の対策が考えられてきた。
【0006】
しかしながら、雨樋表面の樹脂硬度を上げても、同硬度の雨樋同士による接触なので、傷への対策としては効果的でない。
【0007】
そこで、輸送時などの雨樋同士の擦れや、梱包状態からの引き抜きの際の雨樋同士の接触による擦れが生じないように、従来から雨樋間に擦れ防止材を介在させて多数の雨樋を梱包することが特許文献1により提案されているが、このように雨樋間に擦れ防止材を介在させて梱包するものは、梱包が面倒であり、更に、特別な構成の擦れ防止材を必要とするという問題がある。
【0008】
また、雨樋表面にワックス等を塗布して、雨樋の表面摩擦係数を下げることにより、輸送時の雨樋同士の擦れや梱包状態からの引き抜きといった雨樋間の接触による傷付き易さへの改善効果は見られるが、足場や路面といった物との接触による傷付きに対しては効果が見られない。また、雨樋表面にワックス等を塗布するため、ワックス等の塗布工程が必要で、また、ワックス等に埃や汚れが付着して雨樋表面が汚れ易いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−301815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、輸送時に起こる押出成形品よりなる雨樋同士の擦れ、梱包状態からの引き抜き、他の物体との接触により雨樋の表面に傷が付き難い雨樋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の雨樋は、合成樹脂の押出成形品よりなる雨樋であって、表面の一部又は全部に押出成形方向と同方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝が、該表面の押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成してあると共に、前記溝のピッチが前記溝の深さ以上であって、前記溝の側面と該溝間にある凸部の側面とが一傾斜面となって連続することで波状となったことを特徴とするものである。
【0012】
このように細かい溝1を連続的に形成することで、合成樹脂の押出成形品3よりなる雨樋同士の接触に起因する擦れ傷に対しては接触面積が減るために傷付き難くなる。また、梱包状態から引き出す時に発生する傷に対しては、溝1が接触面積低減による傷付き難さと共に引き抜く方向(雨樋の押出方向と同じ方向に引き抜く)に連続しているため傷が目立ち難くなる。また、足場や路面等の他の物体との接触により起こる傷に関しては、このように押出方向に連続する細かい溝1を押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmの間隔で多数連続して設けてあるので、足場や路面との接触面積が減り、傷つき難くなる。
【0013】
ここで、溝1の深さを5μm〜50μmとしたのは、溝1の深さが5μm未満では溝1が浅くて傷への効果が出なくなり、一方、溝1の深さが50μmを超えると傷への効果は見られるが雨樋の外観に違和感が生じるので好ましくない。
【0014】
また、溝1間のピッチを50μm〜500μmとしたのは以下の理由による。すなわち、溝1間のピッチが50μm未満の場合、溝1と溝1とのピッチが狭いため、溝1と溝1との間にある凸部2ピッチが狭く、単位長さ当たりの凸部2の数が多くなって、雨樋の表面に占める凸部2の割合が大きくなるため、接触面積低減への効果が乏しくなる。
【0015】
一方、溝1間のピッチが500μmを超えると、溝1と溝1との間にある凸部2ピッチが広くなって、単位長さ当たりの凸部2の数が少なくなるが、溝1の深さが上記のように5μm〜50μmと浅いため、溝1と溝1との間にある凸部2の頂部の角度が緩やかになり、雨樋の表面に物を押付けた場合に凸部2一つ当たりの頂部の実質的な接触面積が大きくなり、この結果、接触面積低減への効果が乏しくなる。
【0016】
また、前記押出成形品よりなる雨樋の表面が、塩化ビニル系樹脂又はアクリル系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂であることが好ましい。
【0017】
また、表面の溝1と溝1との間にある凸部2が尖った頂点を有する形状であったり、アール形状の頂点を有する形状であることが好ましい。
【0018】
このような構成とすることで、同じ雨樋同士や、雨樋以外の物体との接触面積を更に低下することができ、傷付きにくくできる。
【0019】
また、押出成形品3よりなる雨樋としては、竪樋、軒樋であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、上記のように、合成樹脂の押出成形品よりなる雨樋であって、表面の一部又は全部に押出成形方向と同方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝が、該表面の押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成してあると共に、前記溝のピッチが前記溝の深さ以上であって、前記溝の側面と該溝間にある凸部の側面とが一傾斜面となって連続することで波状となっているので、簡単な構成で、輸送時に起こる押出成形品同士の擦れ、梱包状態からの引き抜き、他の物体との接触により押出成形品よりなる雨樋の表面に傷が付き難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願の一実施形態を示し、(a)は断面図であり、(b)は(a)のX部分の拡大断面図である。
【図2】本願の他の実施形態を示し、(a)は断面図であり、(b)は(a)のX部分の拡大断面図である。
【図3】本願の更に他の実施形態を示し、(a)は断面図であり、(b)は(a)のX部分の拡大断面図である。
【図4】本発明の押出成形品を成形するための押出成形装置を示す概略構成図である。
【図5】同上の単層成形金型を示し、(a)は側面断面図であり、(b)は正面断面図である。
【図6】同上の二層成形金型を示し、(a)は側面断面図であり、(b)は正面断面図である。
【図7】同上の金型の出口部分における溝部を形成した部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0023】
本発明の押出成形品3は合成樹脂押出成形装置4により成形された長尺の押出成形品3であり、押出成形品3としては、例えば、縦樋、軒樋等の合成樹脂の押出成形により成形された雨樋を挙げることができる。
【0024】
本発明の押出成形品3を成形する合成樹脂押出成形装置4は、図4に示すように、押出機5、金型6、冷却器7、引取機8、切断機9よりなる。
【0025】
金型6としては図5に示すような単層成形用のもの、または図6に示すような二層成形用の金型を用いることができるが、本発明においては、図5、図6に示した金型6の出口部10に図7に示すような溝部11を形成してあり、この出口部10の内面に溝部11を形成した金型6を用いて押出成形することで、成形される押出成形品3の表面(外面)に溝1を形成するようになっている。
【0026】
金型6の出口部10の内面に形成される溝部11は深さ5μm〜50μmのもので、この溝部11を出口部10の内面の周方向の一部又は全周に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成してある。この周方向に連続する溝部11はその底部の底点が尖った形状またはアール形状の底点を有する形状となった連続する波状となっているのが好ましい。
【0027】
そして、押出機5から供給する合成樹脂を金型6の出口部10から所定断面形状となるように押出し、冷却器7で冷却し、引取機8で引き取って、切断機9で所定長さの押出成形品3を得る。
【0028】
ここで、上記のように押出成形される押出成形品3は、金型6の出口部10の形状により、図1(a)に示すようなパイプ状押出成形品3a、図2(a)に示すような断面多角形形状等の異型中空押出成形品3b、図3(a)に示すような断面半円形状等の異型押出成形品3cが成形される。
【0029】
なお、図1(a)においてパイプ状押出成形品3aとして断面が丸型の縦樋の例を示し、図2(a)においては断面多角形形状等の異型中空押出成形品3bとして断面が角型の縦樋の例を示し、図3(a)においては断面半円形状等の異型押出成形品3cとして軒樋の例を示している。
【0030】
上記のようにして、押出成形された押出成形品3の表面の一部又は全部には、金型6の出口部10の内面に形成した溝部11により、図1(b)、図2(b)、図3(b)のように押出成形方向と同方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝1が、該表面の押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成されることになる。つまり、押出成形品3である丸型の縦樋、角型の縦樋、軒樋の表面の一部又は全面に、押出方向である長手方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝1が、該表面の長手方向と直交する周面に沿った方向(周方向)に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成されることになる。
【0031】
上記のように押出成形品3の表面の一部又は全部に多数の溝1を形成することで、前述のように、輸送時に起こる押出成形品3同士の擦れ、梱包状態からの引き抜き、他の物体との接触により押出成形品3の表面に傷が付き難くなるので、本発明においては、押出成形品3の表面の素材には特に限定はなく、例えば、使用する合成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂等を用いることができる。また、内層部に金属や繊維状物質をインサート成形した押出成形品3においても上記表面に多数の溝1を設けることによる傷付き防止効果がある。
【0032】
以下、本発明の実施例につき説明する。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
異方向回転の二軸押出機の先端にJIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型を取付ける。この金型は出口部の内面に深さ10μmの溝部を周方向に150μmの間隔(ピッチ)で多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。
【0034】
次に、塩化ビニル樹脂に安定剤、顔料、充填材及び滑剤よりなる塩化ビニル樹脂コンパウンドを用いて押出成形品を成形した。
【0035】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ10μmの溝1が押出方向と直交する方向に150μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0036】
(実施例2)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ5μmの溝部を周方向に100μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0037】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ5μmの溝1が押出方向と直交する方向に100μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0038】
(実施例3)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ50μmの溝部を周方向に500μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0039】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ50μmの溝1が押出方向と直交する方向に500μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0040】
(実施例4)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ5μmの溝部を周方向に100μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点がアール形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0041】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ5μmの溝1が押出方向と直交する方向に100μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点がアール形状(これを便宜上、「波形」と称する)となっていた。
【0042】
(実施例5)
外形寸法が一辺60mmで厚みが1mmの中空で断面がほぼ角形形状の押出成形品を成形できる異型中空押出成形用の金型の出口部の内面に、深さ10μmの溝部を周方向に150μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0043】
このようにして得られた押出成形品3は、断面がほぼ角形形状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ10μmの溝1が押出方向と直交する方向に150μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0044】
(実施例6)
JIS A5706に適合する断面が半丸形状の押出成形品を成形できる異型押出成形用の金型の出口部の内面に、深さ10μmの溝部を周方向に150μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0045】
このようにして得られた押出成形品3は、断面が半円形状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ10μmの溝1が押出方向と直交する方向に150μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0046】
(比較例1)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面を平滑面とした(つまり溝部を形成しない)ものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0047】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面が平滑面となっていた。
【0048】
(比較例2)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ4μmの溝部を周方向に100μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0049】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ4μmの溝1が押出方向と直交する方向に100μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0050】
(比較例3)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ60μmの溝部を周方向に500μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0051】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ60μmの溝1が押出方向と直交する方向に500μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0052】
(比較例4)
JIS A5706に適合する60φ形状の押出成形品を成形できる金型の出口部の内面に、深さ10μmの溝部を周方向に550μmのピッチで多数形成し、溝部の底部を底点が尖った形状に加工したものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0053】
このようにして得られた押出成形品3は、パイプ状をしていて、表面に押出方向(長手方向)に連続する深さ10μmの溝1が押出方向と直交する方向に550μmの間隔(ピッチ)で多数形成されており、また、溝1と溝1との間にある凸部2は頂点が尖った形状(これを便宜上、「山切り状」と称する)となっていた。
【0054】
(比較例5)
外形寸法が一辺60mmで厚みが1mmの中空で断面がほぼ角形形状の押出成形品を成形できる異型中空押出成形用の金型の出口部の内面を平滑面とした(つまり溝部を形成しない)ものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0055】
このようにして得られた押出成形品3は、断面がほぼ角形形状をしていて、表面が平滑面となっていた。
【0056】
(比較例6)
JIS A5706に適合する断面が半丸形状の押出成形品を成形できる異型押出成形用の金型の出口部の内面を平滑面とした(つまり溝部を形成しない)ものを用いた。他は上記実施例1と同じ条件で押し出し成形品を成形した。
【0057】
このようにして得られた押出成形品3は、断面が半円形状をしていて、表面が平滑面となっていた。
【0058】
上記のようにして成形した実施例1〜実施例6の押出成形品、比較例1〜比較例6の押出成形品につき、引き抜き試験(押出成形品を多数束ねたものの中から引き抜く際の傷付の試験)、擦り合わせ試験(押出成形品同士を擦り合わせた際の傷付の試験)、路面転がし試験(押出成形品を路面上で転がした際の傷付の試験)、外観の各試験を行い、これらの総合評価をした評価結果を以下の表1に示す。
【0059】
【表1】

上記表1から明らかなように、実施例1〜6のものは比較例1〜6のものに比べて、各試験結果、総合評価がよく、傷付き難いことが判る。
【符号の説明】
【0060】
1 溝
2 凸部
3 押出成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂の押出成形品よりなる雨樋であって、表面の一部又は全部に押出成形方向と同方向に連続する深さ5μm〜50μmの溝が、該表面の押出成形方向と直交する方向に50μm〜500μmのピッチで多数連続して形成してあると共に、前記溝のピッチが前記溝の深さ以上であって、前記溝の側面と該溝間にある凸部の側面とが一傾斜面となって連続することで波状となったことを特徴とする雨樋。
【請求項2】
前記押出成形品よりなる雨樋の表面が、塩化ビニル系樹脂又はアクリル系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の雨樋。
【請求項3】
前記表面の溝と溝との間にある前記凸部が尖った頂点を有する形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の雨樋。
【請求項4】
前記表面の溝と溝との間にある前記凸部がアール形状の頂点を有する形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の雨樋。
【請求項5】
前記押出成形品よりなる雨樋が竪樋であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の雨樋。
【請求項6】
前記押出成形品よりなる雨樋が軒樋であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の雨樋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−77608(P2012−77608A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4662(P2012−4662)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【分割の表示】特願2007−279493(P2007−279493)の分割
【原出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】