説明

電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラム

【課題】移動体の検出状態で処理部への電力供給を制御する場合に、当該処理部での処理中における電力の無駄を改善する。
【解決手段】判定部58には、モード移行対象処理部情報と、人感センサ28の検出/未検出信号と、基準値を超えた超過信号とが入力される。「現在実行中のジョブの処理に不要な処理部であって、電力供給されており、かつ、当該ジョブの責任ユーザーが画像処理装置10を離れてから基準時間tsを超えた」、ことを認識すると、モード移行対象処理部に対する節電モードへの移行を指示する。一方、「現在実行中のジョブの処理に不要な処理部であって、節電モードへ移行された後、当該ジョブの責任ユーザーが戻ってきた」ことを認識すると、モード移行対象処理部に対する電力供給モードへの移行を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、必要最小限の電力とすることを目的として、省エネルギーモード時に駆動が必要な人体検知センサを時分割駆動にして、人体を検出したら時分割の周期を短くするなどして、時分割駆動による人体検知センサの平均電力を省エネすることが記載されている。また、機器が操作中には、人体検出センサを駆動停止して更に省エネしている。なお、この特許文献1において、ジョブ実行中に関する省エネ対策についての記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−071833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、移動体の検出状態で処理部への電力供給を制御する場合に、当該処理部での処理中における電力の無駄を改善することができる電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、商用電力電源部から電力の供給を受け、当該電力によって動作する複数の処理部に対して独立して、電力を供給する電力供給モード又は電力供給を休止する節電モードを選択的に実行する電力供給制御手段と、前記処理部の何れかに対して使用する意志のある使用者を含み、予め設定された領域内で、移動体を検出する検出手段と、前記検出手段での前記移動体の検出結果に基づいて、前記電力供給制御手段を制御して、電力供給モード又は節電モードの一方から他方へのモード移行を指示する電力供給モード移行指示手段と、前記移動体が前記領域内にいることを前記検出手段で検出している状態で、前記使用者が指示するジョブに基づいて選択されて稼動する処理部での処理中に、前記検出手段による移動体の検出状況に基づいて、前記ジョブを実行するには不要な処理部の電力供給状態を制御するようにモード移行を制御する制御手段と、を有している。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記制御手段が、前記検出手段による移動体の検出が途絶えた場合に当該ジョブに不要かつ電力供給モード中の処理部を節電モードへ移行し、前記検出手段による移動体の検出が復帰した場合に、当該節電モードへ移行した処理部を電力供給モードへ移行する。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ジョブの処理量を演算する演算手段をさらに有し、前期演算手段の演算結果において、前記ジョブの処理量が予め定めた基準値を超えた場合に、前記制御手段によるモード移行制御の実行を許可する。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記ジョブの処理量が、当該ジョブの実行が開始されてからの処理実行累積時間、或いは当該ジョブの処理によって消費される消費媒体の消費量から換算される。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ジョブの実行中における、前記検出手段による移動体の未検出時期を計数する計数手段をさらに有し、前記計数手段の計数結果において、前記未検出時間が予め定めた基準値を超えた場合に、前記制御手段によるモード移行制御の実行を許可する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明において、前記処理部が、前記節電モードから電力供給モードへ移行するのにかかる時間によって少なくとも2種のプロセスに分類され、前記制御手段では、モード移行時期を、前記ジョブの処理量に基づいて段階的に制御する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理装置が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部の少なくとも1つを含んでおり、前記画像読取部、前記画像形成部、前記ファクシミリ通信制御部が、使用者から指示される、画像読取機能、画像形成機能、画像複写機能、ファクシミリ受信機能、ファクシミリ送信機能の各画像処理機能に対して、相互に連携しあって当該画像処理機能を実行する画像処理装置である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、請求項2、請求項6、請求項7記載の発明によれば、移動体の検出状態で処理部への電力供給を制御する場合に、当該処理部での処理中における電力の無駄を改善することができる。
【0014】
請求項3、請求項4、請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、モード移行時期を利便性を維持しながら、省エネ性を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】本実施の形態に係るジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】変形例1に係るジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】変形例2に係るジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】変形例3にジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図7の変形例2の電力供給制御の実施例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0017】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)30が接続されている。図1では、2台のPC30が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC30に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0018】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC30から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0019】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部12又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0020】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0021】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0022】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0023】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0024】
(制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0025】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス32A〜32Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。
【0026】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス32Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線34A〜34Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(節電モード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0027】
また、メインコントローラ200には、人感センサ28が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この人感センサ28については後述する。
【0028】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0029】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0030】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0031】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである。
【0032】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0033】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0034】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0035】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0036】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0037】
第2の電源部250の24V電源部250H及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部258、画像形成部260、ファクシミリ通信制御回路部264、UIタッチパネル216に接続されている。
【0038】
画像読取部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0039】
画像形成部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0040】
ファクシミリ通信回路部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0041】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第6のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−6」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216に接続されている。
【0042】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部と5V電源部が供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0043】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0044】
(監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「節電モード(スリープモード)」という場合がある。
【0045】
節電モードは、例えば、画像処理が終了した時点でタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記タイマが起動してから所定時間をカウントすることで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、節電モードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からタイマが起動される。
【0046】
一方、上記節電モード中において、常に電力を供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0047】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ272、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0048】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電解除ボタン26が接続されており、節電中に使用者がこの節電解除ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。
【0049】
ここで、節電モードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電ボタンや各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが前提となる。
【0050】
従って、節電モードであっても、UIタッチパネル216等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給は供給されているのが現状である。
【0051】
さらに、節電モード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電解除ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0052】
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、人感センサ28を設置すると共に、節電モードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。
【0053】
人感センサ28は、検出部28Aと回路基板部28Bとを備えており、回路基板部28Bは、検出部28Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0054】
なお、人感センサ28は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。
【0055】
人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、人の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である。
【0056】
この焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、人の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0057】
人感センサ28の仕様は、人の有無(存在・不存在)を検出するものであってもよい。このようなセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0058】
この反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって人の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0059】
さらには、同一仕様、異仕様に関わらず、複数の人感センサ28を設置するようにしてもよい。
【0060】
ここで、本実施の形態の画像処理装置10に搭載される、前記人感センサ28は、前述したように前記節電中監視制御部24に接続され、その検出信号が節電中監視制御部24へ入力されるようになっている。
【0061】
節電中監視制御部24では、人感センサ28からの信号に基づいて、人の接近、さらには操作の意志を見極めるようになっている。
【0062】
人感センサ28は、例えば画像処理装置10の画像読取部238の手前側上面に設けられた操作パネルに対して裏面側、すなわち、下面側に固定的に取り付けられている(図1、図2参照)。
【0063】
人感センサ28の検出光軸は、画像処理装置10の前に立って操作を行なう使用者が存在すると予測される装置前方に向けられている(図1の検出領域M参照)。なお、この検出領域Mは、人感センサ28の取付位置、取付時の光軸の方向等によって変更可能であり、例えば、人感センサ28を画像処理装置10から離して、天井等に設置する構成であってもよい。
【0064】
ところで、画像処理装置10では、その設置場所によって人の動きが異なる場合がある。すなわち、画像処理装置10は、設置場所(例えば、事務所等)の環境によって異なる。環境によって異なるということは、人感センサ28によって検出する対象が、実際の画像処理装置10を操作する人以外の人(例えば、単に通りすぎる人、ほとんど画像処理装置10に近づかない人等)も検出する可能性がある。
【0065】
さらには、画像処理装置10の使用頻度によっても、画像処理装置10の近傍での人の動きが異なる場合がある。例えば、人がある程度近づいた場合に、画像処理装置10の操作目的である場合と、操作目的でない場合との比率が異なる。
【0066】
このため、画像処理装置10の設置状態に基づいて、人感センサ28の感度を調整可能な構造とすることが好ましい。
【0067】
上記説明したように、本実施の形態の画像処理装置10では、画像処理が終了した時点でタイマを起動させて所定時間後の節電モードへ移行し、人感センサ28によって画像処理装置10の周囲の検出領域Mに人が侵入したことで電力供給モードへ移行することを繰り返すことになる。
【0068】
ところで、前述したタイマによる節電モードへの移行では、全ての処理部が稼働していないことが前提である。言い換えれば、節電モードの状態から特定の処理が指定された場合を除き、複写処理が実行された後に、画像読取処理が実行されると、タイマは起動しないため、電力供給が不要な画像形成部240やファクシミリ通信制御回路236に電力が供給された状態となる。これでは、部分節電の機能を充分に発揮したとは言えない。
【0069】
しかしながら、その一方で、次のジョブによっては、稼働していない処理部に対して電力供給を継続しておいた方がよい場合もあり得る。
【0070】
そこで、本実施の形態では、人感センサ28の検出情報に基づいて、現在処理しているジョブに対する責任ユーザー(画像処理装置10の前で処理実行の指示をして待機しているユーザー)がいるかいないかを判断し、当該処理中にも関わらず、画像処理装置10から離れるような状況を認識した場合に(人感センサ28に人を未検出)、一時的に当該処理に不要な処理部への電力供給を遮断するようにした。
【0071】
また、ユーザーが戻ってきた(人感センサ28で人を検出)時には、電力供給を遮断した処理部への電力供給を再開するようにした。
【0072】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0073】
本実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件が揃うと、節電モード(スリープモード)へ移行する。この節電モードでは、節電モードから復帰する要求のある通信回線検出部、FAX回線検出部、節電ボタン、節電中監視制御部などを除くファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240メインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対して電力供給を遮断する。
【0074】
図5は、本実施の形態に係るジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0075】
ステップ100では、ジョブスタート処理が実行され、次のステップ102では、当該ジョブが実行中か否かが判断される。
【0076】
このステップ102で否定判定されると、ステップ128へ移行する。ステップ128以降の処理は後述する。また、ステップ102肯定判定されると、ステップ104へ移行して、人感センサ28の検出情報を取得し、次いでステップ106へ移行して、移動体(すなわち、好ましくは、画像処理装置10の使用者)を検出したか否かが判断される。
【0077】
このステップ106で人を検出していると判断された場合は、ジョブ処理指示者が使用者として画像処理装置10に対面していると判断し、ステップ102へ戻る。
【0078】
また、ステップ106で人を検出していないと判断された場合は、ジョブ処理指示者が画像処理装置10から離れた(人が不在となった)と判断され、ステップ108へ移行する。
【0079】
ステップ108では、実行中のジョブ種を特定し、次いでステップ110で特定したジョブ種に基づいて、処理を振り分ける。
【0080】
すなわち、ステップ110でジョブ種が「SCAN」、「FAX送信」(画像読取ジョブ、ファクシミリ送信ジョブ)と判定された場合は、ステップ112へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がないで処理部(モジュール)として、UIタッチパネル216、画像形成部240を選択して、節電対象に設定して、ステップ118へ移行する。
【0081】
また、ステップ110でジョブ種が「PRINT」(画像記録ジョブ)と判定された場合は、ステップ114へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がないで処理部(モジュール)として、UIタッチパネル216、画像読取238、ファクシミリ通信制御回路236を選択して、節電対象に設定して、ステップ118へ移行する。
【0082】
さらに、ステップ110でジョブ種が「COPY」(画像複写ジョブ)と判定された場合は、ステップ116へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がないで処理部(モジュール)として、UIタッチパネル216、ファクシミリ通信制御回路236を選択して、節電対象に設定して、ステップ118へ移行する。
【0083】
ステップ118では、前記ステップ112、114、116の何れかにおいて、節電対象となった処理部の節電移行処理を実行し、ステップ120へ移行する。
【0084】
ステップ120では、前記ステップ104に続いて、再度人感センサ28の検出情報を取得し、次いでステップ122へ移行して、移動体(すなわち、好ましくは、画像処理装置10の使用者)を検出したか否かが判断される。
【0085】
このステップ122で人を検出していると判断された場合は、ジョブ処理指示者(使用者)が画像処理装置10に向かって戻ってきたと判断し、ステップ124へ移行して、前記ステップ118で実行した節電処理対象の処理部の復帰処理を実行し、ステップ102へ移行する。
【0086】
また、ステップ122で人を検出していないと判断された場合は、ジョブ処理指示者が画像処理装置10から離れた使用者が戻ってきていないと判断され、ステップ126へ移行する。
【0087】
ステップ126ではジョブが依然として実行中か否かが判断され、肯定判定された場合は、ステップ122へ移行する。
【0088】
また、ステップ126で否定判定、すなわち、ジョブが終了したと判断された場合は、ステップ128へ移行する。このステップ128は、前記ステップ102の否定判定においても移行する。
【0089】
ステップ128では、ジョブエンド処理を実行し、次いで、ステップ130へ移行して次のジョブ実行指示があるか否かが判断される。このステップ130で肯定判定されると、ステップ100へ戻り、本ルーチンを最初から実行する。また、ステップ130で否定判定された場合は、ステップ132へ移行して、所定時間処理が無いか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ130へ戻り、このステップ130で肯定判定、或いはステップ132で肯定判定されるまで、ステップ130、132を繰り返す。
【0090】
ステップ132で肯定判定された場合は、次のジョブ処理が終了して所定時間経過したと判断し、ステップ134へ移行して、全ての処理部に対して節電移行処理を行い、画像処理装置10をスリープ状態としてこのルーチンは終了する。なお、本実施の形態では、画像処理装置10のスリープ状態は、メインコントローラ200の一部(監視制御部24など)や節電ボタン、回線検出部の最低限のエリアのみに電力供給がなされる状態となる。図5の通り、例えば使用者が大量の原稿をSCANで読み込んでいる場合に、ジョブ時間がかかるため画像処理装置から離れる事があるが、不在に合せて画像形成部などをジョブ中に節電できる。またジョブ中に戻ってくれば元の状態に復帰するので、ジョブ終了後に画像形成部などの復帰を待つ事なく次のジョブを続ける事が出来る。
【0091】
(変形例1)
図6は、図5で説明したジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンの変形例(変形例1)を示すフローチャートである。
【0092】
上記実施の形態では、画像処理装置10の前から現在処理しているジョブの責任ユーザーが不在となったとき(不在となってから基準時間が経過したとき)、非実行中の処理部を対象として節電処理を実行するようにした。
【0093】
これに対して、変形例1では、上記実施の形態の「人の不在」という節電処理の条件に加え、現在実行中のジョブの処理量を判定対象とした点にある。
【0094】
なお、図6では、図5に示すフローチャートで示すステップと同一処理を実行するステップについては、同一の符号の後に「A」を付して、説明を省略する。
【0095】
図6は、ステップ106Aとステップ108Aの間にステップ150が追加されたものである。
【0096】
ステップ106Aで人未検出と判定されるとステップ150へ移行する。ステップ150では、現在実行中のジョブの処理量が基準値以上か否かが判断され、否定判定された場合はステップ102Aへ移行し、肯定判定された場合はステップ108Aへ移行する。
【0097】
処理量の基準値としては、例えば、(1)ジョブスタートしてから20秒以上経過した、(2)処理枚数が50枚以上、(3)処理枚数からの換算値で処理時間が20秒以上等が挙げられるが、この(1)〜(3)の条件に限られるものではない。図6の通り、ジョブ処理量が基準値より小さい場合は、人が不在となっても節電させない為、短いジョブの実行中に次の原稿の準備などで画像処理装置から離れても節電復帰を待つ時間が発生しない。長いジョブ時の省エネ性と短いジョブ時の利便性が自動で対応できる。
【0098】
(変形例2)
図7は、図5で説明したジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンの変形例(変形例2)を示すフローチャートである。
【0099】
上記実施の形態では、画像処理装置10の前から現在処理しているジョブの責任ユーザーが不在となったとき(不在となってから基準時間が経過したとき)、非実行中の処理部を対象として節電処理を実行するようにした。
【0100】
これに対して、変形例2では、上記実施の形態の「人の不在」という節電処理の条件に加え、当該不在となってから基準値を超えて不在が継続されたか否かを判定対象とした点にある。
【0101】
なお、図7では、図5に示すフローチャートで示すステップと同一処理を実行するステップについては、同一の符号の後に「B」を付して、説明を省略する。
【0102】
図7は、ステップ106Bとステップ108Bの間にステップ152が追加されたものである。
【0103】
ステップ106Bで人未検出と判定されるとステップ152へ移行する。ステップ152では、未検出(不在時間)が基準値以上か否かが判断され、否定判定された場合はステップ102Bへ移行し、肯定判定された場合はステップ108Bへ移行する。
【0104】
不在時間の基準値としては、例えば、未検出となってから10秒以上等が挙げられるが、この条件に限られるものではない。
【0105】
(変形例3)
図8は、図5で説明したジョブ実行指示時に実行される電力供給制御ルーチンの変形例(変形例1)を示すフローチャートである。
【0106】
上記実施の形態では、画像処理装置10の前から現在処理しているジョブの責任ユーザーが不在となったとき(不在となってから基準時間が経過したとき)、非実行中の処理部を対象として節電処理を実行するようにした。
【0107】
これに対して、変形例3では、上記実施の形態の「人の不在」という節電処理の条件に加え、現在実行中のジョブの処理量を判定対象とした点、並びに、節電処理に段階(プロセス1、プロセス2)を設定した点にある。
【0108】
上記プロセス1は、節電状態から復帰時間が早い処理部を対象とする節電移行であり、UIタッチパネル216が挙げられる。
【0109】
一方、プロセス2は、節電状態から復帰時間が遅い処理部を対象とする節電移行であり、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240が挙げられる。
【0110】
なお、画像処理装置10の機種によっては、画像読取部238が復帰時間の早い方に分類される場合がある。
【0111】
なお、図8では、図5に示すフローチャートで示すステップと同一処理を実行するステップについては、同一の符号の後に「C」を付して、説明を省略する。
【0112】
図8は、ステップ106Cとステップ118Cの間に処理が追加されたものである。
【0113】
ステップ106Cで人未検出と判定されるとステップ154へ移行する。ステップ154では、実行中のジョブ種を特定し、次いでステップ156へ移行して、復帰時間が早い処理部を節電対象に設定し(プロセス1)、ステップ158へ移行する。
【0114】
ステップ158では、現在実行中のジョブの処理量が基準値以上か否かが判断され、否定判定された場合はステップ160へ移行し、肯定判定された場合はステップ162へ移行する。
【0115】
処理量の基準値としては、例えば、(1)ジョブスタートしてから20秒以上経過した、(2)処理枚数が50枚以上、(3)処理枚数からの換算値で処理時間が20秒以上等が挙げられるが、この(1)〜(3)の条件に限られるものではない。
【0116】
ステップ160では、人感センサ28の検出情報を取得し、次いでステップ164へ移行して、移動体(すなわち、好ましくは、画像処理装置10の使用者)を検出したか否かが判断される。
【0117】
このステップ164で人を検出していると判断された場合は、ステップ166へ移行して、プロセス1の復帰処理を実行し、ステップ100Cへ移行する。
【0118】
また、ステップ164で人を検出していないと判断された場合は、ステップ158Cへ移行する。
【0119】
一方、ステップ162では、実行中のジョブ種を特定し、次いでステップ168で特定したジョブ種に基づいて、処理を振り分ける。
【0120】
すなわち、ステップ168でジョブ種が「SCAN」、「FAX送信」(画像読取ジョブ、ファクシミリ送信ジョブ)と判定された場合は、ステップ170へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がない処理部(モジュール)として、画像形成部240を選択して、節電対象に設定して(プロセス2)、ステップ118Cへ移行する。
【0121】
また、ステップ168でジョブ種が「PRINT」(画像記録ジョブ)と判定された場合は、ステップ172へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がない処理部(モジュール)として、画像読取238、ファクシミリ通信制御回路236を選択して、節電対象に設定して(プロセス2)、ステップ118Cへ移行する。
【0122】
さらに、ステップ168でジョブ種が「COPY」(画像複写ジョブ)と判定された場合は、ステップ174へ移行して、このジョブ種には電力供給の必要がない処理部(モジュール)として、ファクシミリ通信制御回路236を選択して、節電対象に設定して(プロセス2)、ステップ118Cへ移行する。
【実施例】
【0123】
図9は、上記図7(変形例2)の電力供給制御ルーチンに基づく状態遷移の実施例を示すタイミングチャートである。
【0124】
状況としては、画像処理装置10がスリープ中に、画像処理装置10を占有するユーザーが、ユーザーA→ユーザーB→ユーザーC→ユーザーDの順にそれぞれジョブを実行するときの遷移である。
【0125】
ユーザーAは、ジョブ種として、「SCAN」ジョブ、続いて「COPY」ジョブを実行する。このため、処理部は、まず、「SCAN」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像読取部238を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236、画像形成部240は節電を維持)。
【0126】
ユーザーAの「SCAN」ジョブが終了すると、次いで、「COPY」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像読取部238と、画像形成部240を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236は節電を維持)。
【0127】
続いて、次のユーザーBが、ジョブ種として「SCAN」ジョブ、続いて「(サーバー)PRINT」ジョブを実行する。「(サーバー)PRINT」ジョブとは、予めサーバーに蓄積した情報をユーザーBが画像処理装置10から指示することで読み出し、画像形成するものである。
【0128】
ここで、処理部は、現状(ユーザーAの処理終了時)で稼動している処理部で「SCAN」ジョブが実行可能であるため、処理が継続される。
【0129】
ユーザーBの「SCAN」ジョブの実行中において、途中でユーザーBが画像処理装置10から離れ、その時間taが基準時間よりも長くなると(ta>ts「tsは基準値」)、実行中の「SCAN」ジョブに不要な処理部であるUIタッチパネル216、画像形成部240を節電モードへ移行する。
【0130】
また、ユーザーB(と予測される人)が画像処理装置10の向かって戻ってきた場合は、当該「SCAN」ジョブの開始時の稼動状態に戻す。
【0131】
ユーザーBの「SCAN」ジョブが終了すると、次いで、「(サーバー)PRINT」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像形成部240を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236は節電を維持する)。
【0132】
ユーザーBのジョブ処理が終了すると、スリープ移行時間(例えば、1分〜10分程度)が経過した時点で、スリープモードとなり、全ての処理部が節電状態となる。
【0133】
次に、スリープモード中に、ユーザーCが、ジョブ種として、「(サーバー)PRINT」を実行する。このため、処理部は、「(サーバー)PRINT」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像形成部240を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236、画像読取部238は節電を維持)。
【0134】
このユーザーCのジョブ終了後、最後に、ユーザーDが、ジョブ種として、「SCAN」ジョブ、続いて「(サーバー)PRINT」ジョブを実行する。このため、処理部は、まず、「SCAN」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像読取部238を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236を維持)。
【0135】
ユーザーDの「SCAN」ジョブの実行中において、途中でユーザーDが画像処理装置10から離れたとしても、その離れた時間tbが基準時間よりも短いと(ts>tb「tsは基準値」)、前記ユーザーBのときと異なり、実行中の「SCAN」ジョブに不要な処理部であるUIタッチパネル216、画像形成部240を節電モードへは移行しない。
【0136】
ユーザーDの「SCAN」ジョブが終了すると、次いで、「(サーバー)PRINT」ジョブに必要なUIタッチパネル216と、画像形成部240を稼動させる(その他のファクシミリ通信制御回路部236は節電を維持する。
【符号の説明】
【0137】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
22 電話回線網
24 監視制御部
26 節電解除ボタン
28 人感センサ
30 PC
50 画像処理状況認識部
52 稼働中処理部特定部
54 電力供給中・非稼働処理部特定部
56 電力供給中処理部認識部
58 判定部
60 ジョブ処理中人感センサ出力信号取得部
62 信号振分部
64 タイマ管理部
66 モード移行指示部
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路(電力供給制御手段)
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取機能電源供給部
260 画像形成機能電源供給部
262 画像複写機能電源供給部
264 ファクシミリ受信機能電源供給部
266 ファクシミリ送信機能電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第5のサブ電源スイッチ(「SW−5」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−6」)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力電源部から電力の供給を受け、当該電力によって動作する複数の処理部に対して独立して、電力を供給する電力供給モード又は電力供給を休止する節電モードを選択的に実行する電力供給制御手段と、
前記処理部の何れかに対して使用する意志のある使用者を含み、予め設定された領域内で、移動体を検出する検出手段と、
前記検出手段での前記移動体の検出結果に基づいて、前記電力供給制御手段を制御して、電力供給モード又は節電モードの一方から他方へのモード移行を指示する電力供給モード移行指示手段と、
前記移動体が前記領域内にいることを前記検出手段で検出している状態で、前記使用者が指示するジョブに基づいて選択されて稼動する処理部での処理中に、前記検出手段による移動体の検出状況に基づいて、前記ジョブを実行するには不要な処理部の電力供給状態を制御するようにモード移行を制御する制御手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記制御手段が、
前記検出手段による移動体の検出が途絶えた場合に当該ジョブに不要かつ電力供給モード中の処理部を節電モードへ移行し、
前記検出手段による移動体の検出が復帰した場合に、当該節電モードへ移行した処理部を電力供給モードへ移行する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記ジョブの処理量を演算する演算手段をさらに有し、
前期演算手段の演算結果において、前記ジョブの処理量が予め定めた基準値を超えた場合に、前記制御手段によるモード移行制御の実行を許可する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記ジョブの処理量が、当該ジョブの実行が開始されてからの処理実行累積時間、或いは当該ジョブの処理によって消費される消費媒体の消費量から換算される請求項3記載の電力供給制御装置。
【請求項5】
前記ジョブの実行中における、前記検出手段による移動体の未検出時期を計数する計数手段をさらに有し、
前記計数手段の計数結果において、前記未検出時間が予め定めた基準値を超えた場合に、前記制御手段によるモード移行制御の実行を許可する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
前記処理部が、前記節電モードから電力供給モードへ移行するのにかかる時間によって少なくとも2種のプロセスに分類され、前記制御手段では、モード移行時期を、前記ジョブの処理量に基づいて段階的に制御する請求項1〜5の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理装置が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部の少なくとも1つを含んでおり、前記画像読取部、前記画像形成部、前記ファクシミリ通信制御部が、使用者から指示される、画像読取機能、画像形成機能、画像複写機能、ファクシミリ受信機能、ファクシミリ送信機能の各画像処理機能に対して、相互に連携しあって当該画像処理機能を実行する画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−142778(P2012−142778A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293981(P2010−293981)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】