説明

電力制御による研削方法および研削装置

【課題】研削動力の目標電力を設定し、目標電力に実削電力が極力追従するように送り速度を演算して制御することにより、品質を安定させ、生産性を上げる。
【解決手段】ワーク切込台1と、ワーク切込台に目標電力に基づく送り速度Vで切込送りを与える切込モータ2と、研削砥石6を回転させる駆動モータ7と、該駆動モータでの実削電力を検出する電力検出部8と、電力検出部で検出された実削電力の変化量に基づいて補正係数を求め、その補正係数を、目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に掛けて送り速度指令値を演算する送り速度指令値演算部5と、送り速度指令値に基づいて送り速度をフィードバック制御する切込台制御部3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円環状ワークや円筒状ワークの内面研削あるいは外面研削を行うに際し、研削時の電力(以下、実削電力と呼ぶ。)を検出して、検出した実削電力から送り速度(ワークに対する砥石の送り速度又は砥石に対するワークの送り速度)を演算して制御する電力制御による研削方法および研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを研削加工する場合、適正な研削を行うために研削抵抗を安定させる必要がある。研削抵抗を安定させる方法の一つに、研削状態によって砥石を回転駆動するための駆動モータの消費電力が変化するところに目をつけ、この消費電力が一定となるように制御するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、測定した実削電力が目標電力に対してどれだけ過不足しているかを求め(実削電力と目標電力の偏差を求め)、その結果を基に、送り速度を比例制御を用いてフィードバック制御する方法が開示されている。
【0004】
比例制御は、ある時刻tにおける入力値をX(t)、出力値をY(t)、目標値をY0、補正値をX0とすると、次式(1)のように表現される。
X(t)=Kp{Y(t)−Y}+X ・・・(1)
【0005】
従って、目標電力に基づく送り速度の比例制御は次式(2)のように表現できる。
送り速度X(t)=ゲインKp×{実削電力Y(t)−目標電力Y}+送り速度補正値X ・・・(2)
ここで、送り速度補正値Xは、実削電力Y(t)が目標電力Yと等しいときの送り速度を維持するための値である。
【0006】
この場合、電力の偏差{=実削電力Y(t)−目標電力Y}に比例して送り速度X(t)を決定し、その送り速度X(t)で研削することによって新たに検出される実削電力Y(t)を上式(2)に入力して次の送り速度を決定している。なお、従来例では、ゲインKpを、入力値(送り速度)と出力値(実削電力)の関係を基に、目標電力のときに所定の送り速度となるように固定的に設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3362952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、目標電力と実測電力から算出される系全体のゲイン定数にしたがって内部目標電力を算出しているので制御が複雑かつ、定速研削時に研削抵抗が変化しない等の前提条件を必要とする問題があった。
【0009】
従って、入力値(送り速度)と出力値(実削電力)の関係が変わらない場合は問題ないが、入力値と出力値の関係が変わった場合は、出力値が目標値を超えたり、出力値が一定の値に収まらなかったり、出力値が目標値に達せずに一定の値になったり、することがある。
【0010】
実削電力(出力値)と送り速度(入力値)の関係は、ワーク直径、砥石直径、ワーク材質、砥石材質、ワーク回転数、砥石回転数、砥石の切れ味などによって異なるため、結果的に出力値(実削電力)と目標値(目標電力)との間に偏差が生じ、それが原因で品質が悪化する可能性があった。例えば、送り速度が100μm/secの時に電力量が5kwとなる場合にゲインを設定して上式(2)を用いて制御を行なっているとすると、砥石の交換等により砥石の切れ味がよくなり送り速度が100μm/secの時に電力量が4kwとなった場合、送り速度に対する電力量の変化の度合いが少ないため、実削電力が目標電力に到達できないという現象が生じる。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、研削時の目標電力を設定し、目標電力に実削電力が極力追従するように送り速度を演算して制御することにより、品質を安定させ、生産性を上げることのできる、電力制御による研削方法および研削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は以下の態様により達成される。
(1) 回転する研削砥石をワークに摺接させて目標電力に基づく送り速度で研削加工を行うに当たり、研削加工中に検出される実削電力に基づいて前記送り速度をフィードバック制御するようにした電力制御による研削方法において、
前記目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に、前記実削電力の変化量に対応して変化する補正係数を掛けて送り速度指令値を演算し、該送り速度指令値に基づいて前記送り速度を制御することを特徴とする電力制御による研削方法。
(2) 前記研削砥石のドレス直後は、前記設定送り速度を、前記目標電力に基づいて予め設定された初期の設定送り速度よりも低い値に設定し、所定サイクル数で、前記初期の設定送り速度に戻るように比例上昇させることを特徴とする(1)に記載の電力制御による研削方法。
(3) 黒皮のついたワークを加工する際に、研削工程を、黒皮を取り除くため研削砥石がワークに対して完全に接触しない状態で研削を行う黒皮研削工程と、黒皮研削工程後に研削砥石がワークに全面当りした状態で研削を行う全面当たり研削工程と、の2つの工程に分け、
前記実削電力が所定の閾値を超えたら前記全面当たり研削工程に移行したと判断し、前記目標電力と実削電力に基づいて前記送り速度をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御による研削方法。
(4) ワークを回転駆動可能に取り付けたワーク切込台と、
該ワーク切込台に目標電力に基づく送り速度で切込送りを与える切込モータと、
研削砥石を回転させる駆動モータと、
該駆動モータでの実削電力を検出する電力検出部とを備え、
該電力検出部で検出された実削電力に基づいて前記ワーク切込台の送り速度をフィードバック制御する研削装置において、
前記電力検出部で検出された実削電力の目標値との差と変化量から演算し、これを前回の補正係数に足すことで新たな補正係数を求め、その補正係数を、前記目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に掛けて送り速度指令値を演算する送り速度指令値演算部と、
該送り速度指令値演算部で演算した送り速度指令値に基づいて送り速度をフィードバック制御する切込台制御部と、
を備えることを特徴とする研削装置。
【発明の効果】
【0013】
上記(1)および(4)の構成の研削方法および装置によれば、予め設定された設定送り速度に補正係数を掛けて送り速度を演算(送り速度指令値=補正係数×設定送り速度)する際に、その補正係数を、検出した実削電力の目標値との差と変化量から演算し、これを前回計算結果に足し、補正係数を演算する。これにより、実削電力と目標電力の偏差を少なくすることができ、生産性を上げながら品質の高い加工を行うことができる。
上記(2)の構成の研削方法によれば、研削砥石のドレス直後の切れ味が悪くなる条件の時に、送り速度の基準値(設定送り速度)を下げ、所定サイクル数で、初期の設定送り速度に戻るように比例上昇させるので、ドレス前後の砥石の切れ味の変動による電力のオーバーシュートを防止することができる。
上記(3)の構成の研削方法によれば、研削砥石がワークに全面当りした段階で電力制御(目標電力と実削電力に基づく送り速度のフィードバック制御)を開始するので、生産効率の高い研削を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の研削装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の送り速度演算部の構成を示すブロック図である。
【図3】同装置の研削工程における時間と電力の関係を示す特性図である。
【図4】(a)は、同装置において、定速研削を行った場合の時間と電力の関係を示す特性図、(b)は電力制御を行った場合の時間と電力の関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態に係る内面研削装置の構成を示すブロック図、図2は図1の送り速度演算部の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、円筒状のワークWは、ワーク切込台1に回転駆動可能に取り付けられている。ワーク切込台1は、切込モータ2により駆動されることで、ワークWを研削砥石6に対して切込送りする。切込方向と速度は図1中矢印Vで示す。切込モータ2は、切込台制御部3からの制御信号に基づいて駆動制御され、切込台制御部3には、送り速度指令値演算部5からの送り速度指令値が入力されている。
【0017】
一方、研削砥石6は駆動モータ7で回転駆動され、駆動モータ7での実削電力は電力検出部8で検出される。電力検出部8で検出された実削電力は送り速度指令値演算部5に入力され、送り速度指令値演算部5で、入力された実削電力と目標電力設定部4から入力された目標電力とに基づいて送り速度指令値を演算する。
【0018】
送り速度指令値演算部5は、図2に示すように、後述する補正係数を演算する補正係数演算部5aと、補正係数を記憶する補正係数記憶部5bと、目標電力に基づいて予め送り速度(以下、設定送り速度とも呼ぶ。)を設定する送り速度設定部5cと、送り速度指令値を演算する送り速度演算部5dと、から構成される。
【0019】
この装置で、ワークWの内面研削を行う場合は、まず、ワークWを回転させると共に、駆動モータ7を駆動して研削砥石6を回転させる。そして、ワークWの中心孔内に研削砥石6を挿入し、切込モータ2の駆動によりワーク切込台1を移動させる。これにより、研削砥石6がワークWの内周面に摺接し、研削が開始される。
【0020】
この研削加工の際、送り速度指令値演算部5では、補正係数演算部5aにおいて、実削電力の目標値との差と変化量から演算された値に前回補正係数を足すことで新たな補正係数が算出される。そして、送り速度演算部5dにおいて、目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に、補正係数演算部5aで算出された変化する補正係数を掛けて送り速度指令値を演算する。即ち、送り速度指令値演算部5では次式による演算がなされる。
【0021】
送り速度指令値=補正係数×設定送り速度
【0022】
その際、上式に用いる補正係数は、次式(3)で演算する。
【0023】
R=R(n−1)+{(P−P)×K×C−P×K×C・・・(3)
R:補正係数(初期値:100%)
:目標電力
P:実削電力(現在電力)
:ゲイン
:定数
:電力傾き
:ゲイン
:定数
【0024】
電力制御の流れとしては、まず、ある送り速度指令値で研削し、その時の実削電力を測定する。そして次の制御では、その実削電力と目標電力の偏差を小さくするように、補正係数を演算し、前回の速度設定値に補正係数を乗算することで、新たな速度指令値を導き出す。このループを回して目標電力に追従するように送り速度をフィードバック制御していく。
【0025】
たとえば、P>P(目標電力より実削電力(現在電力)が小さい)の場合(電力傾きは0とする)では、現在電力が目標電力に足りないので、Rは100以上となり、目標電力に近づけようと制御する。ある計算周期でフィードバックさせる場合、前回計算されたR(n−1)に、現在測定された電力で現在の送り速度での過不足を計算して足し、目標電力に近づけるように送り速度を制御することで、目標電力との偏差を小さくでき、目標電力に追従するように制御することができる。
【0026】
ところで、研削砥石6のスピンドル回転数が一定の場合、ドレス回数が進むにつれて、砥石径が小さくなると同時に砥石周速も小さくなっていく。この砥石周速の減少によって、研削砥石6を回転させる駆動モータ7の消費電力(実削電力)も小さくなり、目標電力の補正が必要になってくる。そこで、本実施形態では、最大砥石径での目標電力から最小砥石径での目標電力への補正を次のように行う。
【0027】
まず、砥石径変化に対する補正値Hを求める。補正値Hは、次式(4)で算出するか、任意で設定した値とする。
【0028】
H=W/W ・・・(4)
:最小砥石使用径
:最大砥石使用径
【0029】
更に、この砥石径変化に対する補正値Hを用いて、次式(5)により現在砥石径での補正値を計算して、目標電力値を求める。
【0030】
=W×H/W ・・・(5)
:現在砥石径での補正値
:現在砥石径
【0031】
また、研削砥石6は材質によっては、ドレス直後に砥石の切刃が十分に作られず、一時的にドレス前よりも砥石の切れ味が極端に悪くなり、ドレスの前後で切れ味が変動し、送り速度に対する実削電力の変動が大きくなることがある。ドレス後に切れ味が極端に悪くなる時、ドレス前と同じ値の設定送り速度を用いて制御すると、ドレス前よりも研削抵抗が大きくなり目標電力を超えてしまうことがある。実削電力が目標電力を超えると(この現象をオーバーシュートと言う)、焼き付きや砥石の損傷、スピンドルの過負荷による損傷の原因となる。
【0032】
例えば、CBN砥石等でドレス後切れ味の低下する条件で砥石を使用した場合には、電力が大きくオーバーシュートすることがある。本実施形態では、この対策として、研削砥石6のドレス直後は、設定送り速度を、目標電力に基づいて予め設定された初期の設定送り速度よりも低い値に設定し、所定サイクル数で、初期の設定送り速度に戻るように比例上昇させるようにしている。
【0033】
こうすることで、ドレス後の、切れ味が悪い状態でも、オーバーシュートすることなく研削可能となる。
【0034】
また、予め設定した設定送り速度に対して、前述の補正係数による送り速度の変更を行っていくと、目標電力と現在電力の差が大きい時に、砥石限界(砥粒の異常脱落や焼けが発生するレベル)を超えた送り速度で送ってしまうことがあり得る。これを防止するため、補正係数の上限値を指定しておくことで、研削砥石6へのダメージを防止するようにしている。例えば、粗工程(詳細は後述する)では、補正係数の上限値を120%に設定すれば、設定速度に対して1.2倍の速度以上にはならない。従って、この速度で送っても問題ないことを確認しておけば、砥石脱落等の危険を回避することができる。
【0035】
また、黒皮のついたワークWを加工する際に、本実施形態では、研削工程を、黒皮を取り除くため研削砥石6がワークWに対して完全に接触しない状態で研削を行う黒皮研削工程と、黒皮研削工程後に研削砥石6がワークWに全面当りした状態で研削を行う全面当たり研削工程と、の2つの工程に分けており、実削電力が所定の閾値を超えたら全面当たり研削工程に移行したと判断し、全面当たり研削工程に移行した段階で、目標電力と実削電力に基づいた前記フィードバック制御を行うようにしている。
【0036】
図3は研削工程における電力の変化を示す特性図で、実削電力が、予め設定された電力値(閾値=電力制御開始電力)に達した段階で、電力制御を開始していることを示している。
【0037】
つまり、研削砥石6とワークWの接触を検知してから、黒皮部を研削して全面当りするまでの黒皮研削区間(黒皮研削工程)と、定電力での粗区間(粗工程)と、精度を出すための仕上区間(仕上工程)と、からなる研削パターンのなかで、粗区間と仕上区間の送り速度を制御して、電力を目標値へ追従させている。黒皮工程から粗工程への切替は、電力制御開始電力を設定し、この電力を基準に行っており、設定した電力制御開始電力以上を確認した後、電力制御を開始し、粗工程から仕上工程までを電力制御によって研削する。
【0038】
なお、この電力制御開始電力に対しても、目標電力と同様に砥石径による補正をすることで、砥石径が小さくなった際にも、黒皮工程から粗工程への切替をスムーズに行うことができる。
【0039】
図4(a)、(b)は、CBN砥石使用時の定速送りと電力制御研削のドレス後の電力波形の違いを示している。
(a)の定速送りでは、切れ味ばらつき等を考慮して、初期速度は安全側(低め)の速度設定となっているため、電力も低めでの研削となっている。一方、(b)の電力制御研削では、目標電力での研削が可能であるが、ドレス後の切れ味が極端に悪くなった時には、通常よりも応答性が悪くなってオーバーシュートやハンチングが発生してしまうのを防ぐため、送り速度(設定送り速度)を別に設定しておき、指定個数加工する間に、通常送り速度になるように比例上昇させる。こうすることで、切れ味変化によるオーバーシュートやハンチングを抑えることができる。この結果、目標電力で加工することができるようになり、サイクルタイムの削減にもつながる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め設定された設定送り速度に補正係数を掛けて送り速度を演算する際に、その補正係数を、検出した実削電力の目標値との差と変化量から演算し、これを前回計算結果に足し、補正係数を演算している。これにより、実削電力と目標電力の偏差を少なくすることができ、生産性を上げながら品質の高い加工を行うことができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、研削砥石のドレス直後の切れ味が悪くなる条件の時に、送り速度の基準値(設定送り速度)を下げ、所定サイクル数で、初期の設定送り速度に戻るように比例上昇させるので、ドレス前後の砥石の切れ味の変動による電力のオーバーシュートを防止することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、予め設定した開始点ではなく、電力値で電力制御を開始するので、ワークのばらつきがあっても最適な条件で加工ができるので、安定して生産効率の高い研削が可能となる。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0044】
W ワーク
1 ワーク切込台
2 切込モータ
3 切込台制御部
4 目標電力設定部
5 送り速度指令値演算部
6 研削砥石
7 駆動モータ
8 電力検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する研削砥石をワークに摺接させて目標電力に基づく送り速度で研削加工を行うに当たり、研削加工中に検出される実削電力に基づいて前記送り速度をフィードバック制御するようにした電力制御による研削方法において、
前記目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に、前記実削電力の変化量に対応して変化する補正係数を掛けて送り速度指令値を演算し、該送り速度指令値に基づいて前記送り速度を制御することを特徴とする電力制御による研削方法。
【請求項2】
前記研削砥石のドレス直後は、前記設定送り速度を、前記目標電力に基づいて予め設定された初期の設定送り速度よりも低い値に設定し、所定サイクル数で、前記初期の設定送り速度に戻るように比例上昇させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御による研削方法。
【請求項3】
黒皮のついたワークを加工する際に、研削工程を、黒皮を取り除くため研削砥石がワークに対して完全に接触しない状態で研削を行う黒皮研削工程と、黒皮研削工程後に研削砥石がワークに全面当りした状態で研削を行う全面当たり研削工程と、の2つの工程に分け、
前記実削電力が所定の閾値を超えたら前記全面当たり研削工程に移行したと判断し、前記目標電力と実削電力に基づいて前記送り速度をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御による研削方法。
【請求項4】
ワークを回転駆動可能に取り付けたワーク切込台と、
該ワーク切込台に目標電力に基づく送り速度で切込送りを与える切込モータと、
研削砥石を回転させる駆動モータと、
該駆動モータでの実削電力を検出する電力検出部とを備え、
該電力検出部で検出された実削電力に基づいて前記ワーク切込台の送り速度をフィードバック制御する研削装置において、
前記電力検出部で検出された実削電力の目標値との差と変化量から演算し、これを前回の補正係数に足すことで新たな補正係数を求め、その補正係数を、前記目標電力に基づいて予め設定された設定送り速度に掛けて送り速度指令値を演算する送り速度指令値演算部と、
該送り速度指令値演算部で演算した送り速度指令値に基づいて送り速度をフィードバック制御する切込台制御部と、
を備えることを特徴とする研削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−115930(P2012−115930A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266464(P2010−266464)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】