電力変換システム
【課題】別電源が故障した場合でも、負荷への電力供給が停止することのない電力変換システムを提供する。
【解決手段】この電力変換システムは、商用交流電源4と負荷5の間に並列接続された複数のコンバータC1〜C3と、直流電力を負荷5に供給する直流電源1と、複数のコンバータC1〜C3および直流電源1から負荷5に供給される電流を検出する電流センサ2と、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させる制御部3とを備える。したがって、別電源である直流電源1が故障停止した場合でも、コンバータから負荷5に直流電力が供給される。
【解決手段】この電力変換システムは、商用交流電源4と負荷5の間に並列接続された複数のコンバータC1〜C3と、直流電力を負荷5に供給する直流電源1と、複数のコンバータC1〜C3および直流電源1から負荷5に供給される電流を検出する電流センサ2と、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させる制御部3とを備える。したがって、別電源である直流電源1が故障停止した場合でも、コンバータから負荷5に直流電力が供給される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電力変換システムに関し、特に、並列接続された複数の電力変換装置を備えた電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、並列接続された複数の無停電電源装置によって負荷を駆動する無停電電源システムが知られている。この無停電電源システムでは、全無停電電源装置で負荷電流を平等に分担して負荷を駆動する。このシステムでは、1台の無停電電源装置が故障した場合でも、残りの無停電電源装置によって負荷を駆動することが可能となっている。
【0003】
また、従来の他の無停電電源システムでは、負荷電流に応じて、無停電電源装置の運転台数を変更する(たとえば、特許文献1参照)。このシステムでは、不要な無停電電源装置を停止させることにより、無停電電源装置で発生する損失を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−124228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無停電電源装置とは別の電源を負荷に接続したい場合がある。この場合、別電源から負荷に十分な電力が供給されているときは、全無停電電源装置が停止される。この状態で別電源が故障停止すると、無停電電源装置が起動するまでの間は負荷への電力供給が停止してしまうと言う問題がある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、電力変換装置と別の電源が故障した場合でも、負荷への電力供給が停止することのない電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電力変換システムは、第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の電源から供給される第1の電力を第2の電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、第3の電力を負荷に供給する第2の電源と、複数の電力変換装置および第2の電源から負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる制御部とを備えたものである。したがって、別電源である第2の電源から十分な電力が供給されている場合でも、その電力を供給するために必要な台数の電力変換装置が運転される。よって、別電源が故障停止した場合でも、運転中の電力変換装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【0008】
また、この発明に係る他の電力変換システムは、第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の電源から供給される第1の電力を直流電力である第2の電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、複数の電力変換装置および電力貯蔵装置から負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、電流検出器および電圧検出器の検出結果に基いて複数の電力変換装置を制御する制御部とを備えたものである。制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。また、制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも低下した場合は、電流検出器によって検出された電流を供給し、かつ電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。したがって、負荷に接続された別電源が故障停止した場合でも、電力貯蔵装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【0009】
また、この発明にさらに係る他の電力変換システムは、第1の直流電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の直流電源から供給される第1の直流電力を第2の直流電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、第1の直流電源から複数の電力変換装置に供給される電流を検出する電流検出器と、電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、電流検出器および電圧検出器の検出結果に基いて複数の電力変換装置を制御する制御部とを備えたものである。制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、電流検出器によって検出された電流を電力変換するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。また、制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも低下した場合は、電流検出器によって検出された電流を電力変換し、かつ電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。したがって、負荷に接続された別電源が故障停止した場合でも、電力貯蔵装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明よれば、電力変換装置と別の電源が故障した場合でも、負荷への電力供給が停止することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した制御部の構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示した記憶部に格納されたテーブルを示す図である。
【図4】図1に示した電力変換システムの動作を示すタイムチャートである。
【図5】実施の形態1の比較例を示す回路ブロック図である。
【図6】実施の形態1の変更例を示す図である。
【図7】実施の形態1の他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図8】実施の形態1のさらに他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図である。
【図10】実施の形態2の変更例を示す図である。
【図11】実施の形態2の他の変更例を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1の電力変換システムは、図1に示すように、複数台(図では3台)のコンバータC1〜C3、直流電源1、電流センサ2、および制御部3を備える。コンバータC1〜C3の入力ノードはともにノードN1に接続され、コンバータC1〜C3の出力ノードはともにノードN2に接続される。ノードN1は商用交流電源4に接続され、ノードN2は負荷5に接続される。コンバータC1〜C3の各々は、商用交流電源4からノードN1を介して供給される商用周波数の交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をノードN2を介して負荷5に供給する。
【0013】
直流電源1は、たとえば太陽電池であり、ノードN2に接続されて直流電力を生成し、その直流電力をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、コンバータC1〜C3および直流電源1から負荷5に供給される電流を検出し、検出した電流値を示す信号を制御部3に与える。制御部3は、電流センサ2の出力信号に基づいて、電流センサ2によって検出された値の電流を供給するのに必要なコンバータの台数(たとえば1台)を求め、その台数のコンバータ(たとえばC1)のみを運転させ、残りのコンバータ(この場合、C2,C3)を停止させる。
【0014】
また、制御部3は、複数のコンバータC1〜C3の運転時間が等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。たとえば、制御部3は、運転させるコンバータを1日周期で変更し、3台のコンバータC1〜C3を1台ずつ順繰りに運転させる。なお、制御部3をコンバータC1〜C3の各々の制御部(図示せず)に含ませておき、1台のコンバータの制御部3によって3台のコンバータC1〜C3を制御してもよい。
【0015】
制御部3は、図2に示すように、比較回路11,12、運転台数決定部13、タイマ14、記憶部15、故障検出部16、および運転指令部17を含む。比較回路11は、電流センサ2で検出された負荷電流Iと定格電流の33%に相当するしきい値電流Ith1との高低を比較する。比較回路11の出力信号φ11は、負荷電流Iがしきい値電流Ith1よりも低い場合は「L」レベルにされ、負荷電流Iがしきい値電流Ith1よりも高い場合は「H」レベルにされる。
【0016】
比較回路12は、電流センサ2で検出された負荷電流Iと定格電流の66%に相当するしきい値電流Ith1との高低を比較する。比較回路12の出力信号φ12は、負荷電流Iがしきい値電流Ith2よりも低い場合は「L」レベルにされ、負荷電流Iがしきい値電流Ith2よりも高い場合は「H」レベルにされる。
【0017】
運転台数決定部13は、比較回路11,12の出力信号φ11,φ12に基づいて、コンバータの運転台数を決定する。信号φ11,φ12がともに「L」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の33%よりも小さいので、コンバータの運転台数は1台に決定される。また、信号φ11,φ12がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の33%よりも大きく、66%よりも小さいので、コンバータの運転台数は2台に決定される。また、信号φ11,φ12がともに「H」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の66%よりも大きいので、コンバータの運転台数は3台に決定される。
【0018】
タイマ14は、クロック信号CLKのパルス数をカウントするカウンタを含み、カウンタのカウント値が0,1,2の場合はそれぞれ期間T1,T2,T3を示す信号を出力する。カウンタのカウント値が2のときにクロック信号CLKのパルスが入力されると、カウンタのカウント値は0に戻る。
【0019】
記憶部15には、図3に示されるテーブルが格納されている。テーブルの最上欄には期間T1,T2,T3が示され、第2欄には運転台数が1台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるコンバータの番号C1,C2,C3が示されている。また、第3欄には運転台数が2台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるもう1台のコンバータの番号C2,C3,C1が示され、第4欄には運転台数が3台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるもう1台のコンバータの番号C3,C1,C2が示されている。
【0020】
運転指令部17は、記憶部15に格納されたテーブルを参照して、運転台数決定部13によって決定された台数のコンバータを運転させる。すなわち、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T3においてそれぞれコンバータC1〜C3を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3においてそれぞれコンバータC1とC2,C2とC3,C3とC1を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が3台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T3に関係無く、3台のコンバータC1〜C3を運転させる。
【0021】
また、運転指令部17は、ある期間において、運転台数決定部13によって運転台数が変更された場合も、図3のテーブルに従ってコンバータを運転させる。たとえば、期間T1において運転台数が3台から2台に変更された場合は、運転させていた3台のコンバータC1〜C3のうちのコンバータC3を停止させる。また、期間T2において運転台数が1台から2台に変更された場合は、運転中のコンバータC2に加えてコンバータC3を運転させる。
【0022】
また、故障検出部16は、コンバータC1〜C3の各々の故障の有無を検出し、検出結果を示す信号を運転指令部17に与える。たとえば、故障検出部16によって1台のコンバータ(たとえばC1)の故障が検出され、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号に関係無く、予め定められた周期で残りの2台のコンバータ(この場合、C2とC3)が交互に運転される。また、故障検出部16によって1台のコンバータ(たとえばC1)の故障が検出され、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号に関係無く、2台のコンバータ(この場合、C2とC3)が運転される。
【0023】
図4は、この無停電電源システムの動作を例示するタイムチャートである。ある時刻t0において、3台のコンバータC1〜C3の運転が開始され、負荷電流Iが検出される。負荷電流Iとしきい値電流Ith1,Ith2が比較され、その比較結果に基づいてコンバータの運転台数が決定される。ここでは、1台と決定されたものとする。
【0024】
時間t1において、タイマ14内のカウンタのカウント値が0にリセットされ、タイマ14から期間T1を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1のみを運転させ、残りのコンバータC2,C3を停止させる。
【0025】
時間t2において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて1となり、タイマ14から期間T2を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC2を運転させた後、残りのコンバータC3,C1を停止させる。
【0026】
時間t3において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて2となり、タイマ14から期間T3を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC3を運転させた後、残りのコンバータC1,C2を停止させる。
【0027】
時間t4において、タイマ14内のカウンタのカウント値がリセットされて0となり、タイマ14から期間T1を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1を運転させた後、残りのコンバータC2,C3を停止させる。
【0028】
その後、負荷電流Iが増大し、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定されたものとする。時間t5において、運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1に加えて、コンバータC2の運転を開始させる。
【0029】
時間t6において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて1となり、タイマ14から期間T2を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC2,C3を運転させた後、残りのコンバータC1を停止させる。
【0030】
時間t7において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて2となり、タイマ14から期間T3を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC3,C1を運転させた後、残りのコンバータC2を停止させる。
【0031】
この実施の形態1では、コンバータC1〜C3とは別電源である直流電源1から負荷5に十分な電力が供給されている場合でも、その電力を供給するために必要な台数のコンバータが運転される。したがって、直流電源1が故障停止した場合でも、運転中のコンバータから負荷5に即座に電力供給されるので、負荷5への電力供給が停止されることがない。
【0032】
また、直流電源1の出力が変動する場合でも、負荷電流が一定であるときはコンバータの運転台数は変化しない。
【0033】
また、3台のコンバータC1〜C3のうちの負荷電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。したがって、負荷電流に関係無く全コンバータC1〜C3を運転する場合に比べ、コンバータC1〜C3で発生する損失を小さくすることができ、効率を高くすることができる。
【0034】
また、3台のコンバータC1〜C3の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。したがって、各コンバータの連続運転時間を短くすることができ、コンバータの故障を減らすことができる。また、停止中に故障したコンバータを迅速に見つけることができる。
【0035】
[比較例]
図5は、実施の形態1の比較例を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図5において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、直流電源1がノードN2と負荷5の間の配線のうちの電流センサ2よりも負荷5側のノードN3に接続されている点である。この比較例では、直流電源1から負荷5に十分な電流が供給されている場合は、コンバータC1〜C3から負荷5に電流が流れないので、コンバータC1〜C3の運転が停止される。この状態で直流電源1が故障停止した場合、コンバータC1〜C3が起動されるまでの間は、負荷5に電流が供給されないことになる。
【0036】
[変更例1]
上記実施の形態1では、3台のコンバータC1〜C3を備えた場合について説明したが、4台以上のコンバータを備えた場合も同様である。たとえば、4台のコンバータC1〜C4を備えた場合、タイマ14は、クロック信号CLKのパルス数をカウントするカウンタを含み、カウンタのカウント値が0,1,2,3の場合はそれぞれ期間T1,T2,T3,T4を示す信号を出力する。カウンタのカウント値が3のときにクロック信号CLKのパルスが入力されると、カウンタのカウント値は0に戻る。
【0037】
記憶部15には、図6に示されるテーブルが格納される。テーブルの最上欄には期間T1,T2,T3,T4が示され、第2欄には運転台数が1台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるコンバータの番号C1,C2,C3,C4が示されている。また、第3欄には運転台数が2台の場合に期間にT1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C2,C3,C4,C1が示され、第4欄には運転台数が3台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C3,C4,C1,C2が示され、第5欄には運転台数が4台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C4,C1,C2,C3が示されている。
【0038】
運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T4においてそれぞれコンバータC1〜C4を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3,T4においてそれぞれコンバータC1とC2,C2とC3,C3とC4,C4とC1を運転させる。
【0039】
また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が3台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3,T4においてそれぞれコンバータC1とC2とC3,C2とC3とC4,C3とC4とC1,C4とC1とC2を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が4台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T4に関係無く、4台のコンバータC1〜C4を運転させる。
【0040】
また、記憶部15には、1台のコンバータが故障した場合のテーブルも格納されている。たとえば、コンバータC4が故障した場合のテーブルとして図3のテーブルが格納されている。この場合、タイマ14は、期間T1〜T4を示す信号の代わりに期間T1〜T3を示す信号を出力し、図1〜図4で示したシステムと同じ動作が行なわれる。この変更例1でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0041】
[変更例2]
上記実施の形態1では、負荷5を駆動するため最低限必要な台数のコンバータを運転したが、この変更例2では、それに加えて予備のコンバータを運転し、いわゆる冗長運転を行なう。運転指令部17は、運転台数決定部13によって決定された台数に1を加えた台数のコンバータを運転させる。たとえば、負荷電流Iが定格電流の33%よりも低い場合、上記実施の形態1では1台のコンバータのみを運転させたが、この変更例では2台のコンバータを運転させる。この場合、運転中に1台のコンバータが突然故障しても、もう1台のコンバータによって負荷5を駆動することができる。運転させるコンバータのローテーションは、実施の形態1と同様に行なわれる。
【0042】
[変更例3]
図7は、実施の形態1の変更例3を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図7において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、商用交流電源4が直流電源6で置換され、コンバータC1〜C3がDC/DCコンバータC11〜C13で置換されている点である。直流電源6は、たとえば燃料電池であり、ノードN1を介してDC/DCコンバータC11〜C13に直流電力を供給する。DC/DCコンバータC11〜C13の各々は、直流電源6からノードN1を介して供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、直流電源1およびDC/DCコンバータC11〜C13から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0043】
制御部3は、電流センサ2からの信号によって示される電流を供給するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに、残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。この変更例3でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0044】
[変更例4]
図8は、実施の形態1の変更例4を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図8において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、コンバータC1〜C3が無停電電源装置U1〜U3で置換され、直流電源1が交流電源24で置換されている点である。
【0045】
無停電電源装置U1〜U3の各々は、コンバータ21、バッテリ22、およびインバータ23を含む。3台のコンバータ21の入力ノードはノードN1に共通接続され、ノードN1は商用交流電源4に接続される。コンバータ21は、商用交流電源4からの商用交流電力を直流電力に変換する。バッテリ22は、コンバータ21で生成された直流電力を蓄える。インバータ23は、コンバータ21またはバッテリ22から供給される直流電力を交流電力に変換する。3台のインバータ23の出力ノードはノードN2に共通接続されている。
【0046】
商用交流電源4から交流電力が供給されている場合は、コンバータ21で生成された直流電力がバッテリ22に蓄えられるとともに、インバータ23に供給され、インバータ23で生成された交流電力は負荷5に供給される。商用交流電源4からの交流電力の供給が停止された場合(停電時)は、コンバータ21が停止され、バッテリ22に蓄えられた直流電力がインバータ23に供給され、インバータ23で生成された交流電力は負荷5に供給される。したがって、バッテリ22に直流電力が貯蔵されている期間は、停電時でも負荷5を駆動することができる。
【0047】
交流電源24は、たとえば発電機であり、ノードN2に接続されて商用周波数の交流電力を生成し、その交流電力を負荷5に供給する。電流センサ2は、交流電源24および無停電電源装置U1〜U3から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0048】
制御部3は、電流センサ2からの信号によって示される電流を供給するために必要な台数の無停電電源装置を選択し、選択した各無停電電源装置を運転させるとともに、残りの各無停電電源装置を停止させる。また、制御部3は、3台の無停電電源装置の運転時間が互いに等しくなるように、運転させる無停電電源装置を予め定められた周期で変更する。この変更例4でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0049】
なお、上記実施の形態1と変更例1〜4を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0050】
[実施の形態2]
図9は、この発明の実施の形態2による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図9において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、バッテリ30および電圧センサ31が追加され、直流電源1がノードN2と負荷5の間の配線のうちの電流センサ2よりも負荷5側のノードN3に接続されている点である。
【0051】
バッテリ30の正極はノードN2に接続され、その負極は接地される。バッテリ30は、コンバータC1〜C3によって充電され、負荷電流の不足分をノードN2を介して負荷5に供給する。電圧センサ31は、ノードN2の電圧(すなわちバッテリ30の端子間電圧)を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0052】
制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。
【0053】
また、制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のコンバータC1〜C3の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。
【0054】
次に、この電力変換システムの動作について説明する。この電力変換システムの定格出力電圧を100Vとし、出力電圧の許容範囲を90〜110Vとする。電流センサ2によって検出された電流値が定格電流の30%であり、1台のコンバータ(たとえば、C1)が運転されているものとする。この状態で直流電源1の出力が低下し、電流センサ2の検出値が定格値の30%から50%に増加した場合、1台のコンバータ(この場合、C1)の出力電流は定格電流の33%に上昇し、バッテリ30から負荷5に定格電流の17%の電流が放電される。
【0055】
バッテリ30の端子間電圧が92Vまで低下した段階で、もう1台のコンバータ(たとえば、C2)を起動させ、合計2台のコンバータ(この場合、C1,C2)によって定格電流の50%の電流を負荷5に供給するとともに、バッテリ30の端子間電圧が100Vになるまでバッテリ30を充電する。
【0056】
また、バッテリ30の端子間電圧が92Vまで低下するまでに、直流電源1の出力が回復し、電流センサ2の検出値が定格電流の30%になった場合は、1台のコンバータ(この場合、C1)で定格電流の30%の電流を負荷5に供給するとともに、定格電流の3%の電流をバッテリ30に供給してバッテリ30を充電する。
【0057】
この実施の形態2では、負荷5に接続された別電源である直流電源1が故障停止した場合でも、バッテリ30から負荷5に即座に電力供給されるので、負荷5への電力供給が停止されることがない。
【0058】
また、直流電源1の出力が低下して電流センサ2の検出値が増加した場合でも、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下したときだけもう1台のコンバータを起動させる。したがって、直流電源1の出力が変動する場合でも、コンバータの起動と停止が頻繁に繰り返されるのを防止することができる。他の効果は実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0059】
[変更例1]
図10は、実施の形態2の変更例1を示す回路ブロック図であって、図9と対比される図である。図10において、この電力変換システムが図9の電力変換システムと異なる点は、商用交流電源4が直流電源6で置換され、コンバータC1〜C3がDC/DCコンバータC11〜C13で置換されている点である。直流電源6は、ノードN1を介してDC/DCコンバータC11〜C13に直流電力を供給する。DC/DCコンバータC11〜C13の各々は、直流電源6からノードN1を介して供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、DC/DCコンバータC11〜C13から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0060】
制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。
【0061】
また、制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。この変更例1でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。
【0062】
[変更例2]
図11は、実施の形態2の変更例2を示す回路ブロック図であって、図10と対比される図である。図11において、この電力変換システムが図10の電力変換システムと異なる点は、電流センサ2が直流電源6からDC/DCコンバータC11〜C13に供給される電流を検出する点である。制御部3は、電流センサ2および電圧センサ31の検出結果に基いてDC/DCコンバータC11〜C13を制御する。
【0063】
すなわち制御部3は、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を電力変換するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を電力変換し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。
【0064】
この変更例2でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。なお、ノードN1,N2の電圧を検出し、その検出結果に基いてDC/DCコンバータC11〜C13を制御してもよい。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1,6 直流電源、2 電流センサ、3 制御部、4 商用交流電源、5 負荷、C1〜C3,21 コンバータ、11,12 比較回路、13 運転台数決定部、14 タイマ、15 記憶部、16 故障検出部、17 運転指令部、C11〜C13 DC/DCコンバータ、U1〜U3 無停電電源装置、22,30 バッテリ、23 インバータ、24 交流電源、31 電圧センサ。
【技術分野】
【0001】
この発明は電力変換システムに関し、特に、並列接続された複数の電力変換装置を備えた電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、並列接続された複数の無停電電源装置によって負荷を駆動する無停電電源システムが知られている。この無停電電源システムでは、全無停電電源装置で負荷電流を平等に分担して負荷を駆動する。このシステムでは、1台の無停電電源装置が故障した場合でも、残りの無停電電源装置によって負荷を駆動することが可能となっている。
【0003】
また、従来の他の無停電電源システムでは、負荷電流に応じて、無停電電源装置の運転台数を変更する(たとえば、特許文献1参照)。このシステムでは、不要な無停電電源装置を停止させることにより、無停電電源装置で発生する損失を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−124228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無停電電源装置とは別の電源を負荷に接続したい場合がある。この場合、別電源から負荷に十分な電力が供給されているときは、全無停電電源装置が停止される。この状態で別電源が故障停止すると、無停電電源装置が起動するまでの間は負荷への電力供給が停止してしまうと言う問題がある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、電力変換装置と別の電源が故障した場合でも、負荷への電力供給が停止することのない電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電力変換システムは、第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の電源から供給される第1の電力を第2の電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、第3の電力を負荷に供給する第2の電源と、複数の電力変換装置および第2の電源から負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる制御部とを備えたものである。したがって、別電源である第2の電源から十分な電力が供給されている場合でも、その電力を供給するために必要な台数の電力変換装置が運転される。よって、別電源が故障停止した場合でも、運転中の電力変換装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【0008】
また、この発明に係る他の電力変換システムは、第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の電源から供給される第1の電力を直流電力である第2の電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、複数の電力変換装置および電力貯蔵装置から負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、電流検出器および電圧検出器の検出結果に基いて複数の電力変換装置を制御する制御部とを備えたものである。制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。また、制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも低下した場合は、電流検出器によって検出された電流を供給し、かつ電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。したがって、負荷に接続された別電源が故障停止した場合でも、電力貯蔵装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【0009】
また、この発明にさらに係る他の電力変換システムは、第1の直流電源と負荷の間に並列接続され、各々が、第1の直流電源から供給される第1の直流電力を第2の直流電力に変換して負荷に供給する複数の電力変換装置と、負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、第1の直流電源から複数の電力変換装置に供給される電流を検出する電流検出器と、電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、電流検出器および電圧検出器の検出結果に基いて複数の電力変換装置を制御する制御部とを備えたものである。制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、電流検出器によって検出された電流を電力変換するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。また、制御部は、電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも低下した場合は、電流検出器によって検出された電流を電力変換し、かつ電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる。したがって、負荷に接続された別電源が故障停止した場合でも、電力貯蔵装置から負荷に即座に電力供給されるので、負荷への電力供給が停止されることがない。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明よれば、電力変換装置と別の電源が故障した場合でも、負荷への電力供給が停止することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した制御部の構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示した記憶部に格納されたテーブルを示す図である。
【図4】図1に示した電力変換システムの動作を示すタイムチャートである。
【図5】実施の形態1の比較例を示す回路ブロック図である。
【図6】実施の形態1の変更例を示す図である。
【図7】実施の形態1の他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図8】実施の形態1のさらに他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図である。
【図10】実施の形態2の変更例を示す図である。
【図11】実施の形態2の他の変更例を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1の電力変換システムは、図1に示すように、複数台(図では3台)のコンバータC1〜C3、直流電源1、電流センサ2、および制御部3を備える。コンバータC1〜C3の入力ノードはともにノードN1に接続され、コンバータC1〜C3の出力ノードはともにノードN2に接続される。ノードN1は商用交流電源4に接続され、ノードN2は負荷5に接続される。コンバータC1〜C3の各々は、商用交流電源4からノードN1を介して供給される商用周波数の交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をノードN2を介して負荷5に供給する。
【0013】
直流電源1は、たとえば太陽電池であり、ノードN2に接続されて直流電力を生成し、その直流電力をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、コンバータC1〜C3および直流電源1から負荷5に供給される電流を検出し、検出した電流値を示す信号を制御部3に与える。制御部3は、電流センサ2の出力信号に基づいて、電流センサ2によって検出された値の電流を供給するのに必要なコンバータの台数(たとえば1台)を求め、その台数のコンバータ(たとえばC1)のみを運転させ、残りのコンバータ(この場合、C2,C3)を停止させる。
【0014】
また、制御部3は、複数のコンバータC1〜C3の運転時間が等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。たとえば、制御部3は、運転させるコンバータを1日周期で変更し、3台のコンバータC1〜C3を1台ずつ順繰りに運転させる。なお、制御部3をコンバータC1〜C3の各々の制御部(図示せず)に含ませておき、1台のコンバータの制御部3によって3台のコンバータC1〜C3を制御してもよい。
【0015】
制御部3は、図2に示すように、比較回路11,12、運転台数決定部13、タイマ14、記憶部15、故障検出部16、および運転指令部17を含む。比較回路11は、電流センサ2で検出された負荷電流Iと定格電流の33%に相当するしきい値電流Ith1との高低を比較する。比較回路11の出力信号φ11は、負荷電流Iがしきい値電流Ith1よりも低い場合は「L」レベルにされ、負荷電流Iがしきい値電流Ith1よりも高い場合は「H」レベルにされる。
【0016】
比較回路12は、電流センサ2で検出された負荷電流Iと定格電流の66%に相当するしきい値電流Ith1との高低を比較する。比較回路12の出力信号φ12は、負荷電流Iがしきい値電流Ith2よりも低い場合は「L」レベルにされ、負荷電流Iがしきい値電流Ith2よりも高い場合は「H」レベルにされる。
【0017】
運転台数決定部13は、比較回路11,12の出力信号φ11,φ12に基づいて、コンバータの運転台数を決定する。信号φ11,φ12がともに「L」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の33%よりも小さいので、コンバータの運転台数は1台に決定される。また、信号φ11,φ12がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の33%よりも大きく、66%よりも小さいので、コンバータの運転台数は2台に決定される。また、信号φ11,φ12がともに「H」レベルである場合は、負荷電流Iが定格電流の66%よりも大きいので、コンバータの運転台数は3台に決定される。
【0018】
タイマ14は、クロック信号CLKのパルス数をカウントするカウンタを含み、カウンタのカウント値が0,1,2の場合はそれぞれ期間T1,T2,T3を示す信号を出力する。カウンタのカウント値が2のときにクロック信号CLKのパルスが入力されると、カウンタのカウント値は0に戻る。
【0019】
記憶部15には、図3に示されるテーブルが格納されている。テーブルの最上欄には期間T1,T2,T3が示され、第2欄には運転台数が1台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるコンバータの番号C1,C2,C3が示されている。また、第3欄には運転台数が2台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるもう1台のコンバータの番号C2,C3,C1が示され、第4欄には運転台数が3台の場合に期間T1,T2,T3で運転されるもう1台のコンバータの番号C3,C1,C2が示されている。
【0020】
運転指令部17は、記憶部15に格納されたテーブルを参照して、運転台数決定部13によって決定された台数のコンバータを運転させる。すなわち、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T3においてそれぞれコンバータC1〜C3を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3においてそれぞれコンバータC1とC2,C2とC3,C3とC1を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が3台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T3に関係無く、3台のコンバータC1〜C3を運転させる。
【0021】
また、運転指令部17は、ある期間において、運転台数決定部13によって運転台数が変更された場合も、図3のテーブルに従ってコンバータを運転させる。たとえば、期間T1において運転台数が3台から2台に変更された場合は、運転させていた3台のコンバータC1〜C3のうちのコンバータC3を停止させる。また、期間T2において運転台数が1台から2台に変更された場合は、運転中のコンバータC2に加えてコンバータC3を運転させる。
【0022】
また、故障検出部16は、コンバータC1〜C3の各々の故障の有無を検出し、検出結果を示す信号を運転指令部17に与える。たとえば、故障検出部16によって1台のコンバータ(たとえばC1)の故障が検出され、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号に関係無く、予め定められた周期で残りの2台のコンバータ(この場合、C2とC3)が交互に運転される。また、故障検出部16によって1台のコンバータ(たとえばC1)の故障が検出され、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号に関係無く、2台のコンバータ(この場合、C2とC3)が運転される。
【0023】
図4は、この無停電電源システムの動作を例示するタイムチャートである。ある時刻t0において、3台のコンバータC1〜C3の運転が開始され、負荷電流Iが検出される。負荷電流Iとしきい値電流Ith1,Ith2が比較され、その比較結果に基づいてコンバータの運転台数が決定される。ここでは、1台と決定されたものとする。
【0024】
時間t1において、タイマ14内のカウンタのカウント値が0にリセットされ、タイマ14から期間T1を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1のみを運転させ、残りのコンバータC2,C3を停止させる。
【0025】
時間t2において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて1となり、タイマ14から期間T2を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC2を運転させた後、残りのコンバータC3,C1を停止させる。
【0026】
時間t3において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて2となり、タイマ14から期間T3を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC3を運転させた後、残りのコンバータC1,C2を停止させる。
【0027】
時間t4において、タイマ14内のカウンタのカウント値がリセットされて0となり、タイマ14から期間T1を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1を運転させた後、残りのコンバータC2,C3を停止させる。
【0028】
その後、負荷電流Iが増大し、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定されたものとする。時間t5において、運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC1に加えて、コンバータC2の運転を開始させる。
【0029】
時間t6において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて1となり、タイマ14から期間T2を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC2,C3を運転させた後、残りのコンバータC1を停止させる。
【0030】
時間t7において、タイマ14内のカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて2となり、タイマ14から期間T3を示す信号が出力される。運転指令部17は、図3のテーブルを参照してコンバータC3,C1を運転させた後、残りのコンバータC2を停止させる。
【0031】
この実施の形態1では、コンバータC1〜C3とは別電源である直流電源1から負荷5に十分な電力が供給されている場合でも、その電力を供給するために必要な台数のコンバータが運転される。したがって、直流電源1が故障停止した場合でも、運転中のコンバータから負荷5に即座に電力供給されるので、負荷5への電力供給が停止されることがない。
【0032】
また、直流電源1の出力が変動する場合でも、負荷電流が一定であるときはコンバータの運転台数は変化しない。
【0033】
また、3台のコンバータC1〜C3のうちの負荷電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。したがって、負荷電流に関係無く全コンバータC1〜C3を運転する場合に比べ、コンバータC1〜C3で発生する損失を小さくすることができ、効率を高くすることができる。
【0034】
また、3台のコンバータC1〜C3の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。したがって、各コンバータの連続運転時間を短くすることができ、コンバータの故障を減らすことができる。また、停止中に故障したコンバータを迅速に見つけることができる。
【0035】
[比較例]
図5は、実施の形態1の比較例を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図5において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、直流電源1がノードN2と負荷5の間の配線のうちの電流センサ2よりも負荷5側のノードN3に接続されている点である。この比較例では、直流電源1から負荷5に十分な電流が供給されている場合は、コンバータC1〜C3から負荷5に電流が流れないので、コンバータC1〜C3の運転が停止される。この状態で直流電源1が故障停止した場合、コンバータC1〜C3が起動されるまでの間は、負荷5に電流が供給されないことになる。
【0036】
[変更例1]
上記実施の形態1では、3台のコンバータC1〜C3を備えた場合について説明したが、4台以上のコンバータを備えた場合も同様である。たとえば、4台のコンバータC1〜C4を備えた場合、タイマ14は、クロック信号CLKのパルス数をカウントするカウンタを含み、カウンタのカウント値が0,1,2,3の場合はそれぞれ期間T1,T2,T3,T4を示す信号を出力する。カウンタのカウント値が3のときにクロック信号CLKのパルスが入力されると、カウンタのカウント値は0に戻る。
【0037】
記憶部15には、図6に示されるテーブルが格納される。テーブルの最上欄には期間T1,T2,T3,T4が示され、第2欄には運転台数が1台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるコンバータの番号C1,C2,C3,C4が示されている。また、第3欄には運転台数が2台の場合に期間にT1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C2,C3,C4,C1が示され、第4欄には運転台数が3台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C3,C4,C1,C2が示され、第5欄には運転台数が4台の場合に期間T1,T2,T3,T4で運転されるもう1台のコンバータの番号C4,C1,C2,C3が示されている。
【0038】
運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が1台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T4においてそれぞれコンバータC1〜C4を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が2台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3,T4においてそれぞれコンバータC1とC2,C2とC3,C3とC4,C4とC1を運転させる。
【0039】
また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が3台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1,T2,T3,T4においてそれぞれコンバータC1とC2とC3,C2とC3とC4,C3とC4とC1,C4とC1とC2を運転させる。また、運転指令部17は、運転台数決定部13によって運転台数が4台と決定された場合は、タイマ14の出力信号によって示される期間T1〜T4に関係無く、4台のコンバータC1〜C4を運転させる。
【0040】
また、記憶部15には、1台のコンバータが故障した場合のテーブルも格納されている。たとえば、コンバータC4が故障した場合のテーブルとして図3のテーブルが格納されている。この場合、タイマ14は、期間T1〜T4を示す信号の代わりに期間T1〜T3を示す信号を出力し、図1〜図4で示したシステムと同じ動作が行なわれる。この変更例1でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0041】
[変更例2]
上記実施の形態1では、負荷5を駆動するため最低限必要な台数のコンバータを運転したが、この変更例2では、それに加えて予備のコンバータを運転し、いわゆる冗長運転を行なう。運転指令部17は、運転台数決定部13によって決定された台数に1を加えた台数のコンバータを運転させる。たとえば、負荷電流Iが定格電流の33%よりも低い場合、上記実施の形態1では1台のコンバータのみを運転させたが、この変更例では2台のコンバータを運転させる。この場合、運転中に1台のコンバータが突然故障しても、もう1台のコンバータによって負荷5を駆動することができる。運転させるコンバータのローテーションは、実施の形態1と同様に行なわれる。
【0042】
[変更例3]
図7は、実施の形態1の変更例3を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図7において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、商用交流電源4が直流電源6で置換され、コンバータC1〜C3がDC/DCコンバータC11〜C13で置換されている点である。直流電源6は、たとえば燃料電池であり、ノードN1を介してDC/DCコンバータC11〜C13に直流電力を供給する。DC/DCコンバータC11〜C13の各々は、直流電源6からノードN1を介して供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、直流電源1およびDC/DCコンバータC11〜C13から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0043】
制御部3は、電流センサ2からの信号によって示される電流を供給するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに、残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。この変更例3でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0044】
[変更例4]
図8は、実施の形態1の変更例4を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図8において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、コンバータC1〜C3が無停電電源装置U1〜U3で置換され、直流電源1が交流電源24で置換されている点である。
【0045】
無停電電源装置U1〜U3の各々は、コンバータ21、バッテリ22、およびインバータ23を含む。3台のコンバータ21の入力ノードはノードN1に共通接続され、ノードN1は商用交流電源4に接続される。コンバータ21は、商用交流電源4からの商用交流電力を直流電力に変換する。バッテリ22は、コンバータ21で生成された直流電力を蓄える。インバータ23は、コンバータ21またはバッテリ22から供給される直流電力を交流電力に変換する。3台のインバータ23の出力ノードはノードN2に共通接続されている。
【0046】
商用交流電源4から交流電力が供給されている場合は、コンバータ21で生成された直流電力がバッテリ22に蓄えられるとともに、インバータ23に供給され、インバータ23で生成された交流電力は負荷5に供給される。商用交流電源4からの交流電力の供給が停止された場合(停電時)は、コンバータ21が停止され、バッテリ22に蓄えられた直流電力がインバータ23に供給され、インバータ23で生成された交流電力は負荷5に供給される。したがって、バッテリ22に直流電力が貯蔵されている期間は、停電時でも負荷5を駆動することができる。
【0047】
交流電源24は、たとえば発電機であり、ノードN2に接続されて商用周波数の交流電力を生成し、その交流電力を負荷5に供給する。電流センサ2は、交流電源24および無停電電源装置U1〜U3から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0048】
制御部3は、電流センサ2からの信号によって示される電流を供給するために必要な台数の無停電電源装置を選択し、選択した各無停電電源装置を運転させるとともに、残りの各無停電電源装置を停止させる。また、制御部3は、3台の無停電電源装置の運転時間が互いに等しくなるように、運転させる無停電電源装置を予め定められた周期で変更する。この変更例4でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0049】
なお、上記実施の形態1と変更例1〜4を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0050】
[実施の形態2]
図9は、この発明の実施の形態2による電力変換システムの構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図9において、この電力変換システムが図1の電力変換システムと異なる点は、バッテリ30および電圧センサ31が追加され、直流電源1がノードN2と負荷5の間の配線のうちの電流センサ2よりも負荷5側のノードN3に接続されている点である。
【0051】
バッテリ30の正極はノードN2に接続され、その負極は接地される。バッテリ30は、コンバータC1〜C3によって充電され、負荷電流の不足分をノードN2を介して負荷5に供給する。電圧センサ31は、ノードN2の電圧(すなわちバッテリ30の端子間電圧)を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0052】
制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。
【0053】
また、制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のコンバータを選択し、選択した各コンバータを運転させるとともに残りの各コンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のコンバータC1〜C3の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるコンバータを予め定められた周期で変更する。
【0054】
次に、この電力変換システムの動作について説明する。この電力変換システムの定格出力電圧を100Vとし、出力電圧の許容範囲を90〜110Vとする。電流センサ2によって検出された電流値が定格電流の30%であり、1台のコンバータ(たとえば、C1)が運転されているものとする。この状態で直流電源1の出力が低下し、電流センサ2の検出値が定格値の30%から50%に増加した場合、1台のコンバータ(この場合、C1)の出力電流は定格電流の33%に上昇し、バッテリ30から負荷5に定格電流の17%の電流が放電される。
【0055】
バッテリ30の端子間電圧が92Vまで低下した段階で、もう1台のコンバータ(たとえば、C2)を起動させ、合計2台のコンバータ(この場合、C1,C2)によって定格電流の50%の電流を負荷5に供給するとともに、バッテリ30の端子間電圧が100Vになるまでバッテリ30を充電する。
【0056】
また、バッテリ30の端子間電圧が92Vまで低下するまでに、直流電源1の出力が回復し、電流センサ2の検出値が定格電流の30%になった場合は、1台のコンバータ(この場合、C1)で定格電流の30%の電流を負荷5に供給するとともに、定格電流の3%の電流をバッテリ30に供給してバッテリ30を充電する。
【0057】
この実施の形態2では、負荷5に接続された別電源である直流電源1が故障停止した場合でも、バッテリ30から負荷5に即座に電力供給されるので、負荷5への電力供給が停止されることがない。
【0058】
また、直流電源1の出力が低下して電流センサ2の検出値が増加した場合でも、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下したときだけもう1台のコンバータを起動させる。したがって、直流電源1の出力が変動する場合でも、コンバータの起動と停止が頻繁に繰り返されるのを防止することができる。他の効果は実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0059】
[変更例1]
図10は、実施の形態2の変更例1を示す回路ブロック図であって、図9と対比される図である。図10において、この電力変換システムが図9の電力変換システムと異なる点は、商用交流電源4が直流電源6で置換され、コンバータC1〜C3がDC/DCコンバータC11〜C13で置換されている点である。直流電源6は、ノードN1を介してDC/DCコンバータC11〜C13に直流電力を供給する。DC/DCコンバータC11〜C13の各々は、直流電源6からノードN1を介して供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧をノードN2を介して負荷5に供給する。電流センサ2は、DC/DCコンバータC11〜C13から負荷5に供給される電流を検出し、その検出値を示す信号を制御部3に与える。
【0060】
制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。
【0061】
また、制御部3は、電圧センサ31によって検出されたバッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を供給し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。この変更例1でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。
【0062】
[変更例2]
図11は、実施の形態2の変更例2を示す回路ブロック図であって、図10と対比される図である。図11において、この電力変換システムが図10の電力変換システムと異なる点は、電流センサ2が直流電源6からDC/DCコンバータC11〜C13に供給される電流を検出する点である。制御部3は、電流センサ2および電圧センサ31の検出結果に基いてDC/DCコンバータC11〜C13を制御する。
【0063】
すなわち制御部3は、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも高い場合は、電流センサ2によって検出された電流を電力変換するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、バッテリ30の端子間電圧が所定電圧よりも低下した場合は、電流センサ2によって検出された電流を電力変換し、かつバッテリ30を充電するために必要な台数のDC/DCコンバータを選択し、選択した各DC/DCコンバータを運転させるとともに残りの各DC/DCコンバータを停止させる。また、制御部3は、3台のDC/DCコンバータC11〜C13の運転時間が互いに等しくなるように、運転させるDC/DCコンバータを予め定められた周期で変更する。
【0064】
この変更例2でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。なお、ノードN1,N2の電圧を検出し、その検出結果に基いてDC/DCコンバータC11〜C13を制御してもよい。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1,6 直流電源、2 電流センサ、3 制御部、4 商用交流電源、5 負荷、C1〜C3,21 コンバータ、11,12 比較回路、13 運転台数決定部、14 タイマ、15 記憶部、16 故障検出部、17 運転指令部、C11〜C13 DC/DCコンバータ、U1〜U3 無停電電源装置、22,30 バッテリ、23 インバータ、24 交流電源、31 電圧センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の電源から供給される第1の電力を第2の電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
第3の電力を前記負荷に供給する第2の電源と、
前記複数の電力変換装置および前記第2の電源から前記負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる制御部とを備える、電力変換システム。
【請求項2】
前記第1の電源は交流電源であって前記第1の電力は交流電力であり、
前記第2の電力は第1の直流電力であり、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は第2の直流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記第1の電源は直流電源であって前記第1の電力は第1の直流電力であり、
前記第2の電力は第2の直流電力であり、
各電力変換装置は、前記第1の電源の出力電圧を予め定められた直流電圧に変換するDC/DCコンバータを含み、
前記第2の電源は第2の直流電源であって前記第3の電力は第3の直流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記第1の電源は第1の交流電源であって前記第1の電力は商用周波数の第1の交流電力であり、
前記第2の電力は商用周波数の第2の交流電力であり、
前記複数の電力変換装置の各々は無停電電源装置であり、
各無停電電源装置は、
前記第1の交流電源から供給される前記第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータから供給される前記直流電力を前記第2の交流電力に変換するインバータとを含み、
前記第1の交流電源から前記第1の交流電力が供給されている場合は、前記コンバータで生成された前記直流電力は前記インバータに供給されるとともに電力貯蔵装置に蓄えられ、前記第1の交流電源から前記第1の交流電力の供給が停止された場合は、前記コンバータの運転が停止されるとともに前記電力貯蔵装置から前記インバータに前記直流電力が供給され、
前記第2の電源は第2の交流電源であって前記第3の電力は商用周波数の第3の交流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項5】
第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の電源から供給される第1の電力を直流電力である第2の電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
前記負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、
前記複数の電力変換装置および前記電力貯蔵装置から前記負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、
前記電流検出器および前記電圧検出器の検出結果に基いて前記複数の電力変換装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、前記電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させ、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が前記予め定められた電圧よりも低下した場合は、前記電流検出器によって検出された電流を供給し、かつ前記電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる、電力変換システム。
【請求項6】
前記第1の電源は交流電源であって前記第1の電力は交流電力であり、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は直流電力である、請求項5に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記第1の電源は直流電源であって前記第1の電力は直流電力であり、
各電力変換装置は、前記第1の電源の出力電圧を予め定められた直流電圧に変換するDC/DCコンバータを含み、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は直流電力である、請求項5に記載の電力変換システム。
【請求項8】
さらに、前記負荷に直流電力を供給する第3の電源を備える、請求項5から請求項7までのいずれかに記載の電力変換システム。
【請求項9】
第1の直流電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の直流電源から供給される第1の直流電力を第2の直流電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
前記負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、
前記第1の直流電源から前記複数の電力変換装置に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、
前記電流検出器および前記電圧検出器の検出結果に基いて前記複数の電力変換装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、前記電流検出器によって検出された電流を電力変換するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させ、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が前記予め定められた電圧よりも低下した場合は、前記電流検出器によって検出された電流を電力変換し、かつ前記電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる、電力変換システム。
【請求項10】
さらに、前記負荷に第3の直流電力を供給する第2の直流電源を備える、請求項9に記載の電力変換システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数の電力変換装置の運転時間が互いに等しくなるように、運転させる電力変換装置を予め定められた周期で変更する、請求項1から請求項10までのいずれかに記載の電力変換システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記複数の電力変換装置のうちの故障中の電力変換装置を選択対象から除外し、複数の正常な電力変換装置から前記運転させる電力変換装置を選択し、
前記複数の正常な電力変換装置の運転時間が互いに等しくなるように、前記運転させる電力変換装置を予め定められた周期で変更する、請求項11に記載の電力変換システム。
【請求項13】
前記運転させる電力変換装置は、最低限必要な台数の電力変換装置を含む、請求項11または請求項12に記載の電力変換システム。
【請求項14】
前記運転させる電力変換装置は、さらに予備の電力変換装置を含む、請求項13に記載の電力変換システム。
【請求項1】
第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の電源から供給される第1の電力を第2の電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
第3の電力を前記負荷に供給する第2の電源と、
前記複数の電力変換装置および前記第2の電源から前記負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる制御部とを備える、電力変換システム。
【請求項2】
前記第1の電源は交流電源であって前記第1の電力は交流電力であり、
前記第2の電力は第1の直流電力であり、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は第2の直流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記第1の電源は直流電源であって前記第1の電力は第1の直流電力であり、
前記第2の電力は第2の直流電力であり、
各電力変換装置は、前記第1の電源の出力電圧を予め定められた直流電圧に変換するDC/DCコンバータを含み、
前記第2の電源は第2の直流電源であって前記第3の電力は第3の直流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記第1の電源は第1の交流電源であって前記第1の電力は商用周波数の第1の交流電力であり、
前記第2の電力は商用周波数の第2の交流電力であり、
前記複数の電力変換装置の各々は無停電電源装置であり、
各無停電電源装置は、
前記第1の交流電源から供給される前記第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータから供給される前記直流電力を前記第2の交流電力に変換するインバータとを含み、
前記第1の交流電源から前記第1の交流電力が供給されている場合は、前記コンバータで生成された前記直流電力は前記インバータに供給されるとともに電力貯蔵装置に蓄えられ、前記第1の交流電源から前記第1の交流電力の供給が停止された場合は、前記コンバータの運転が停止されるとともに前記電力貯蔵装置から前記インバータに前記直流電力が供給され、
前記第2の電源は第2の交流電源であって前記第3の電力は商用周波数の第3の交流電力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項5】
第1の電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の電源から供給される第1の電力を直流電力である第2の電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
前記負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、
前記複数の電力変換装置および前記電力貯蔵装置から前記負荷に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、
前記電流検出器および前記電圧検出器の検出結果に基いて前記複数の電力変換装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、前記電流検出器によって検出された電流を供給するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させ、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が前記予め定められた電圧よりも低下した場合は、前記電流検出器によって検出された電流を供給し、かつ前記電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる、電力変換システム。
【請求項6】
前記第1の電源は交流電源であって前記第1の電力は交流電力であり、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は直流電力である、請求項5に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記第1の電源は直流電源であって前記第1の電力は直流電力であり、
各電力変換装置は、前記第1の電源の出力電圧を予め定められた直流電圧に変換するDC/DCコンバータを含み、
前記第2の電源は直流電源であって前記第3の電力は直流電力である、請求項5に記載の電力変換システム。
【請求項8】
さらに、前記負荷に直流電力を供給する第3の電源を備える、請求項5から請求項7までのいずれかに記載の電力変換システム。
【請求項9】
第1の直流電源と負荷の間に並列接続され、各々が、前記第1の直流電源から供給される第1の直流電力を第2の直流電力に変換して前記負荷に供給する複数の電力変換装置と、
前記負荷に接続されて直流電力を貯蔵し、負荷電流の不足分を供給するための電力貯蔵装置と、
前記第1の直流電源から前記複数の電力変換装置に供給される電流を検出する電流検出器と、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧を検出する電圧検出器と、
前記電流検出器および前記電圧検出器の検出結果に基いて前記複数の電力変換装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた電圧よりも高い場合は、前記電流検出器によって検出された電流を電力変換するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させ、
前記電力貯蔵装置の端子間電圧が前記予め定められた電圧よりも低下した場合は、前記電流検出器によって検出された電流を電力変換し、かつ前記電流貯蔵装置を充電するために必要な台数の電力変換装置を選択し、選択した各電力変換装置を運転させるとともに残りの各電力変換装置を停止させる、電力変換システム。
【請求項10】
さらに、前記負荷に第3の直流電力を供給する第2の直流電源を備える、請求項9に記載の電力変換システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数の電力変換装置の運転時間が互いに等しくなるように、運転させる電力変換装置を予め定められた周期で変更する、請求項1から請求項10までのいずれかに記載の電力変換システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記複数の電力変換装置のうちの故障中の電力変換装置を選択対象から除外し、複数の正常な電力変換装置から前記運転させる電力変換装置を選択し、
前記複数の正常な電力変換装置の運転時間が互いに等しくなるように、前記運転させる電力変換装置を予め定められた周期で変更する、請求項11に記載の電力変換システム。
【請求項13】
前記運転させる電力変換装置は、最低限必要な台数の電力変換装置を含む、請求項11または請求項12に記載の電力変換システム。
【請求項14】
前記運転させる電力変換装置は、さらに予備の電力変換装置を含む、請求項13に記載の電力変換システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−217299(P2012−217299A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82038(P2011−82038)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
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