電力変換装置および電力変換システム
【課題】簡易な構成で双方向の電力変換を行うことが可能な電力変換装置および電力変換システムを提供する。
【解決手段】電力変換装置101は、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を第2電源ノードNP2,NM2へ出力するか、第2電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替えるための切り替え回路52A,52Bとを備える。
【解決手段】電力変換装置101は、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を第2電源ノードNP2,NM2へ出力するか、第2電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替えるための切り替え回路52A,52Bとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、双方向の電力変換を行う電力変換装置および電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の交流電力を用いて電気自動車(EV:Electric Vehicle)およびプラグイン方式のハイブリッドカー(HV:Hybrid Vehicle)等の駆動用の主電池を充電するための電力変換装置が開発されている。
【0003】
今後、震災時などの停電時、および電気が得られないキャンプ場等の場所では、自動車側から家側に電力を送ることが要求されるため、双方向型の電力変換装置の開発が必要となる。
【0004】
このようなEV等の主電池への充電を目的とするものではないが、交流電力を直流電力に変換する電源装置用絶縁回路の一例が、たとえば、特許第3595329号公報(特許文献1)に記載されている。すなわち、この電源装置用絶縁回路は、交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、上記整流回路から供給される直流電流に残存する脈流成分を低減する第1のコンデンサーと、上記第1のコンデンサーから供給される直流電流のプラス側およびマイナス側を同時に開閉する第1のスイッチ回路と、上記第1のスイッチ回路から供給される電流を蓄積する第2のコンデンサーと、上記第2のコンデンサーから供給される直流電流のプラス側およびマイナス側を同時に開閉する第2のスイッチ回路と、上記第2のスイッチ回路から供給される電流を保持するとともに負荷側に放出する第3のコンデンサーとを備える。また、ONとなる時間がOFFとなる時間よりも短く設定された方形波によって構成されるコントロール信号φ1、および上記コントロール信号φ1と相補的にONするとともにON時間がOFF時間よりも短く設定されたコントロール信号φ2を生成するゲートコントロール回路を備える。上記コントロール信号φ1により上記第1のスイッチ回路の開閉を行い、上記コントロール信号φ2により上記第2のスイッチ回路の開閉を行う。このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ交流電源側と負荷側とを電気的に絶縁することができる。
【0005】
また、双方向型の昇降圧回路の一例として、たとえば、特開2001−268900号公報(特許文献2)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、低電圧のバッテリに入力端側を接続するとともに出力端側をDCモータに接続した双方向型昇降圧チョッパ回路である。この双方向型昇降圧チョッパ回路は、スイッチング素子とダイオードを並列に接続した複数のスイッチング回路と、スイッチング回路を2個接続したカスコード回路とを備える。そして、DCモータの駆動時にはバッテリの電圧を昇圧または降圧してDCモータを駆動し、DCモータの回生時にはDCモータの逆起電力を昇圧または降圧してバッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3595329号公報
【特許文献2】特開2001−268900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
双方向型の電力変換装置では、自動車側および家側間で電力を双方向に伝達するために、電力変換装置内で入力電圧のレベルを調整して出力する必要がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路では、電力変換装置内で入力電圧のレベルを調整することができない。
【0009】
また、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、たとえば特許文献2に記載の構成のように昇降圧回路を双方向化し、かつ絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことが可能な電力変換装置および電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路経由で上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える。
【0012】
このような構成により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0013】
(2)好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記整流回路および上記インバータ回路として、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して上記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備え、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記整流/インバータ回路へ出力するかを切り替える。
【0014】
このような構成により、電力変換装置の外部にインバータ回路を別途設ける必要がなくなる。
【0015】
(3)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路と上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記整流/インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0016】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0017】
(4)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記第1のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第2のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記第3のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第2のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む。
【0018】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0019】
(5)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチおよび上記第4のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続される。
【0020】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0021】
(6)好ましくは、上記インバータ回路は、上記電力変換装置の外部に設けられ、上記切り替え回路は、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替える。
【0022】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0023】
(7)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流回路と上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0024】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0025】
(8)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流回路に電気的に接続された第1端子と、上記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、上記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む。
【0026】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0027】
(9)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される。
【0028】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0029】
(10)またこの発明の別の局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を昇圧するとともに交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、上記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える。
【0030】
このような構成により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0031】
(11)好ましくは、上記切り替え回路は、上記昇降圧回路の出力側と上記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0032】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0033】
(12)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記昇降圧回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、上記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む。
【0034】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0035】
(13)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される。
【0036】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0037】
(14)好ましくは、上記電力伝達用絶縁回路は、第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、上記第1の蓄電素子の第1端と上記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および上記第1の蓄電素子の第2端と上記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、上記第1のスイッチ素子の第1端および上記第2のスイッチ素子の第1端において受けた電力を上記第2の蓄電素子に供給するための入力スイッチ部と、上記第2の蓄電素子の第1端と上記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および上記第2の蓄電素子の第2端と上記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、上記第2の蓄電素子に蓄えられた電力を上記第3の蓄電素子に供給するための出力スイッチ部とを含む。
【0038】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ第1電源ノードと第2電源ノードとを電気的に絶縁することができる。
【0039】
(15)またこの発明の別の局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、上記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、上記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および上記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードおよび上記第2ノード間を絶縁しながら上記第1ノードおよび上記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、上記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路とを備える。
【0040】
このような構成により、電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0041】
(16)好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記整流回路および上記インバータ回路として、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して上記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備える。
【0042】
このような構成により、電力変換装置の外部にインバータ回路を別途設ける必要がなくなる。
【0043】
(17)より好ましくは、上記昇降圧回路は、上記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1ノードおよび上記第1の切り替え回路に電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して上記第2ノードから出力する動作、および上記第2ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して上記第1ノードから出力する動作を行うことが可能である。
【0044】
このように、双方向の昇降圧回路を用いることにより、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路の構成を簡易化することができる。
【0045】
(18)より好ましくは、上記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第1の切り替え回路は、上記昇降圧回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、上記昇降圧回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、上記第2の切り替え回路は、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む。
【0046】
このような構成により、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路におけるスイッチの数を少なくすることができる。また、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路間の配線が不要となるため、配線が複雑になることを防ぐことができる。また、電力変換装置では、通常、ある程度大きな電力を伝達するために、配線としてたとえばハーネスが用いられるが、このようなハーネスの長さを短くすることが可能となる。
【0047】
(19)より好ましくは、上記第1電力変換動作および上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる。
【0048】
このようなスイッチ制御により、電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0049】
(20)好ましくは、上記インバータ回路は、上記電力変換装置の外部に設けられ、上記電力変換装置は、さらに、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記第1の切り替え回路へ出力するか、上記第1の切り替え回路経由で上記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路を備える。
【0050】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0051】
(21)より好ましくは、上記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記インバータ回路は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第1の切り替え回路は、第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、上記第2の切り替え回路は、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含み、上記第3の切り替え回路は、上記昇降圧回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第1のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、上記インバータ回路の負側ノードに接続された第3端子とを有する第5のスイッチと、上記昇降圧回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、上記インバータ回路の正側ノードに接続された第3端子とを有する第6のスイッチとを含む。
【0052】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0053】
(22)より好ましくは、上記第1電力変換動作および上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第6のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、かつ上記第5のスイッチおよび上記第6のスイッチの第2端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる。
【0054】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0055】
(23)より好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記第1電源ノードから供給される交流電力を受けるための交流外部端子と、上記インバータ回路へ直流電力を出力するための直流外部端子とを備える。
【0056】
このように、第1電源ノード用の端子に加えて、インバータ回路用の端子を備える構成により、電力変換装置からインバータ回路への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0057】
(24)好ましくは、上記電力伝達用絶縁回路は、上記第1ノードである第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、上記第2ノードである第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、上記第1の蓄電素子の第1端と上記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および上記第1の蓄電素子の第2端と上記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、上記第1ノードおよび上記第2の蓄電素子間で電力を伝達するための第1の電力伝達スイッチ部と、上記第2の蓄電素子の第1端と上記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および上記第2の蓄電素子の第2端と上記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、上記第2の蓄電素子および上記第2ノード間で電力を伝達するための第2の電力伝達スイッチ部とを含む。
【0058】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ第1電源ノードと第2電源ノードとを電気的に絶縁することができる。
【0059】
(25)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む。
【0060】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0061】
(26)またこの発明の別の局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、上記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む。
【0062】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0063】
(27)好ましくは、上記電力変換システムは、さらに、直流電力を生成するための発電装置と、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するか、上記第2の電力変換装置から受けた直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第2の切り替え回路とを備える。
【0064】
このような構成により、第2の電力変換装置から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として発電装置用のインバータ回路を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0065】
(28)より好ましくは、上記第2電源ノードには蓄電池が接続され、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置が上記第2電力変換動作を行っている状態において、上記蓄電池の蓄電量を監視し、上記蓄電量が所定値以下になると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第2電力変換動作を停止し、さらに、上記第2の切り替え回路を制御することにより、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する。
【0066】
このような構成により、蓄電池の充電量を自動的に監視し、第1電源ノードへの電力供給元を適切に切り替えることができる。
【0067】
(29)好ましくは、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、上記電気的接続を検出すると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第1電力変換動作を開始する。
【0068】
このような構成により、第1の電力変換装置に第2の電力変換装置が接続されたことを自動的に認識し、第1電源ノードへの電力供給を適切に開始することができる。
【0069】
(30)またこの発明の別の局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、上記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、上記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および上記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードおよび上記第2ノード間を絶縁しながら上記第1ノードおよび上記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、上記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記第1の切り替え回路へ出力するか、上記第1の切り替え回路経由で上記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路とを含む。
【0070】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0071】
(31)好ましくは、上記電力変換システムは、さらに、直流電力を生成するための発電装置と、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するか、上記第2の電力変換装置から受けた直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第4の切り替え回路とを備える。
【0072】
このような構成により、電力変換装置から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として発電装置用のインバータ回路を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0073】
(32)より好ましくは、上記第2電源ノードには蓄電池が接続され、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置が上記第2電力変換動作を行っている状態において、上記蓄電池の蓄電量を監視し、上記蓄電量が所定値以下になると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路ないし上記第3の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第2電力変換動作を停止し、さらに、上記第4の切り替え回路を制御することにより、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する。
【0074】
このような構成により、蓄電池の充電量を自動的に監視し、第1電源ノードへの電力供給元を適切に切り替えることができる。
【0075】
(33)好ましくは、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、上記電気的接続を検出すると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路ないし上記第3の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第1電力変換動作を開始する。
【0076】
このような構成により、第1の電力変換装置に第2の電力変換装置が接続されたことを自動的に認識し、第1電源ノードへの電力供給を適切に開始することができる。
【発明の効果】
【0077】
本発明によれば、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0080】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0081】
図1を参照して、電力変換装置101は、整流/インバータ回路51と、切り替え回路52A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを備える。
【0082】
整流/インバータ回路51は、トランジスタTR1〜TR4と、ダイオードD1〜D4とを含む。切り替え回路52Aは、スイッチSWP1,SWP2と、スイッチSWM1,SWM2とを含む。切り替え回路52Bは、スイッチSWP3,SWP4と、スイッチSWM3,SWM4とを含む。昇降圧回路53は、キャパシタC11,C12と、インダクタL11と、トランジスタTR11と、ダイオードD15とを含む。電力伝達用絶縁回路54は、キャパシタC0〜C2と、ダイオードD9〜D12と、入力スイッチ部21と、出力スイッチ部22とを含む。入力スイッチ部21は、スイッチ素子としてのトランジスタTR21,TR22と、ダイオードD5,D6とを含む。出力スイッチ部22は、スイッチ素子としてのトランジスタTR23,TR24と、ダイオードD7,D8とを含む。電力変換装置101における各トランジスタは、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置において、「インダクタ」は、リアクトルのような大型の部品も含むものとする。
【0083】
整流/インバータ回路51において、トランジスタTR1は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD1のアノードおよび電源ノードNP1に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR2は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD2のカソードおよび電源ノードNP1に接続されたコレクタと、ダイオードD2のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR3は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD3のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD3のアノードおよび電源ノードNM1に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR4は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD4のカソードおよび電源ノードNM1に接続されたコレクタと、ダイオードD4のアノードに接続されたエミッタとを有する。
【0084】
切り替え回路52Aにおいて、スイッチSWP1は、整流/インバータ回路51のトランジスタTR1,TR3のコレクタに接続された端子T1と、端子T2と、端子T3とを有する。スイッチSWM1は、整流/インバータ回路51のトランジスタTR2,TR4のエミッタに接続された端子T21と、端子T22と、端子T23とを有する。スイッチSWP2は、スイッチSWP1の端子T2に接続された端子T4と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T5と、端子T6とを有する。スイッチSWM2は、スイッチSWM1の端子T22に接続された端子T24と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T25と、端子T26とを有する。
【0085】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、スイッチSWP2の端子T5およびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD15のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD15のアノードとキャパシタC12の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL11の第2端と、キャパシタC12の第2端と、スイッチSWM2の端子T25とが接続されている。
【0086】
電力伝達用絶縁回路54において、キャパシタC0は、ダイオードD9のアノードおよび昇降圧回路53のキャパシタC12の第2端に接続された第1端と、ダイオードD10のカソードおよび昇降圧回路53のキャパシタC12の第1端に接続された第2端とを有する。トランジスタTR21は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD5のカソードおよびダイオードD9のアノードに接続されたコレクタと、ダイオードD5のアノード、キャパシタC1の第1端およびダイオードD11のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR22は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD6のカソード、ダイオードD12のカソードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD6のアノードおよびダイオードD10のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR23は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD7のカソードおよびダイオードD11のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD7のアノードおよびキャパシタC2の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR24は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD8のカソードおよびキャパシタC2の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD8のアノードおよびダイオードD12のアノードに接続されたエミッタとを有する。
【0087】
切り替え回路52Bにおいて、スイッチSWP3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のトランジスタTR23のエミッタに接続された端子T7と、端子T8と、スイッチSWP1の端子T3に接続された端子T9とを有する。スイッチSWM3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のトランジスタTR24のコレクタに接続された端子T27と、端子T28と、スイッチSWM1の端子T23に接続された端子T29とを有する。スイッチSWP4は、スイッチSWP3の端子T8に接続された端子T10と、正側電源ノードNP2に接続された端子T11と、スイッチSWP2の端子T6に接続された端子T12とを有する。スイッチSWM4は、スイッチSWM3の端子T28に接続された端子T30と、電源ノードNM2に接続されたT31と、スイッチSWM2の端子T26に接続された端子T32とを有する。
【0088】
電力変換装置101は、交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置101は、負荷202から供給された直流電力を交流電力に変換して交流電源201に供給する。すなわち、電力変換装置101は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する第2電力変換動作を行う。ここで、負荷202は、たとえば、EVおよびプラグイン方式のHV等の駆動用の主電池である。
【0089】
整流/インバータ回路51は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する動作を行うことが可能である。
【0090】
より詳細には、整流/インバータ回路51は、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジと、ダイオードD1〜D4にそれぞれ並列接続されたトランジスタTR1〜TR4とを含む。
【0091】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR1〜TR4に出力することにより、トランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して切り替え回路52Aへ出力する。
【0092】
また、制御部14は、制御信号をトランジスタTR1〜TR4に出力することにより、トランジスタTR1〜TR4をたとえばPWM(Pulse Width Modulation)制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路52Aから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0093】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、キャパシタC11と電気的に接続され、キャパシタC11との接続ノード経由で受けた電圧すなわち切り替え回路52Aから受けた電圧をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR11によってスイッチングされた電圧を受ける。キャパシタC11は、インダクタL11に誘起された電圧を蓄える。ダイオードD15は、インダクタL11からキャパシタC11への電流を阻止する。
【0094】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR11に出力することにより、トランジスタTR11のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路53は、切り替え回路52Aから受けた電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0095】
より詳細には、昇降圧回路53の入力電圧をViとし、出力電圧をVaとし、トランジスタTR11のオンデューティ比をDとすると、出力電圧Vaは以下のように表される。
Va=−{D/(1−D)}×Vi
【0096】
この式から分かるように、昇降圧回路53は、デューティ比の設定次第で、入力電圧よりも高い出力電圧および低い出力電圧のいずれを得ることも可能である。すなわち、Vi<VaおよびVi>Vaの両方を実現することができる。なお、昇降圧回路53の出力電圧は入力電圧に対して極性が反転するので、電力伝達用絶縁回路54との電気的接続の極性は反転されている。
【0097】
また、昇降圧回路53は、力率改善回路としての機能も有している。すなわち、トランジスタTR11は、制御部14により、昇降圧回路53の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように制御される。
【0098】
電力伝達用絶縁回路54は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路53から受けた電力を伝達する。
【0099】
より詳細には、キャパシタC0は、昇降圧回路53から受けた電力を蓄える。入力スイッチ部21は、トランジスタTR21のコレクタおよびトランジスタTR22のエミッタにおいて昇降圧回路53から受けた電力すなわちキャパシタC0に蓄えられた電力をキャパシタC1に供給する。出力スイッチ部22は、キャパシタC1に蓄えられた電力をキャパシタC2に供給する。キャパシタC2に蓄えられた電力は、放電されて切り替え回路52Bへ出力される。
【0100】
また、キャパシタC0により、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が平滑化される。また、キャパシタC0を設けることにより、電力伝達用絶縁回路54への入力電流のリップルを防ぎ、回路動作の安定化を図るという効果が得られる。
【0101】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR21〜TR24に出力することにより、トランジスタTR21〜TR24のオンおよびオフをそれぞれ切り替える。電力伝達用絶縁回路54は、制御部14のスイッチ制御により、昇降圧回路53および切り替え回路52Bを絶縁しながら、昇降圧回路53から受けた電力を切り替え回路52Bに伝達する。
【0102】
切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替える。
【0103】
ここで、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4は、たとえばリレー等のメカスイッチである。メカスイッチを用いることにより、低コスト化を図ることができる。
【0104】
また、メカスイッチの代わりに半導体スイッチを用いてもよい。但し、半導体スイッチではスイッチング損失が大きくなるため、半導体スイッチではなくメカスイッチを用いることにより、電力変換装置101における電力効率を高めることができる。
【0105】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0106】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0107】
図2を参照して、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC0に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、昇降圧回路53および切り替え回路52B間の絶縁が確保される。
【0108】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、入力スイッチ部21における各スイッチおよび出力スイッチ部22における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間、すなわち昇降圧回路53および切り替え回路52B間が短絡することを防ぐことができる。
【0109】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、昇降圧回路53および切り替え回路52B間の絶縁が確保される。
【0110】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0111】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC0は昇降圧回路53からの電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路52Bへ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0112】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路53からの電力を切り替え回路52Bに伝達する。
【0113】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0114】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図3における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0115】
図3を参照して、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して切り替え回路52Aへ出力する。
【0116】
また、制御部14は、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP1の端子T1および端子T2、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM1の端子T21および端子T22、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0117】
すなわち、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0118】
これにより、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0119】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図4における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0120】
図4を参照して、制御部14は、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP1の端子T1および端子T3、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM1の端子T21および端子T23、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0121】
すなわち、切り替え回路52A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と整流/インバータ回路51とを電気的に接続する。
【0122】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が整流/インバータ回路51へ出力される。
【0123】
また、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をPWM制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路52Bから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0124】
制御部14は、電力変換装置101への給電が停止された状態において、図3および図4に示す切り替え回路52A,52Bの各スイッチの切り替えを行う。このような構成により、各スイッチの切り替えにおいてアークが発生することを防ぐことができるため、アーク対策を講じる必要がなくなり、電力変換装置101の構成の簡易化および低コスト化を図ることができる。このような制御部14によるスイッチの切り替え動作のタイミングは、たとえばタイマーによって制御される。たとえば、電力料金が高い昼間はバッテリの放電によって自動車側からインフラ側へ電力を供給し、電力料金が安い夜間はインフラ側から自動車側へ電力を供給してバッテリを充電することが考えられる。
【0125】
なお、切り替え回路52A,52Bにおける各スイッチの切り替えは、手動で行ってもよい。
【0126】
ところで、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、たとえば特許文献2に記載の構成のように昇降圧回路を双方向化し、かつ絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0127】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替える。
【0128】
すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0129】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0130】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と整流/インバータ回路51とを電気的に接続するかを切り替える。
【0131】
このように、切り替え回路52A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0132】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0133】
このように、切り替え回路52A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0134】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP1の端子T1および端子T2、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM1の端子T21および端子T22、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP1の端子T1および端子T3、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM1の端子T21および端子T23、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0135】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0136】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、図1に示すような電力伝達用絶縁回路54を備えることにより、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ電源ノードNP1,NM1と電源ノードNP2,NM2とを電気的に絶縁することができる。
【0137】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、制御部14を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部14が電力変換装置101の外部に設けられる構成であってもよい。
【0138】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路は、キャパシタC0〜C2を備える構成であるとしたが、キャパシタに限らず、コイル(インダクタ)等の他の蓄電素子を備える構成であってもよい。
【0139】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0140】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて回路接続を変更した電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0141】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0142】
図5を参照して、電力変換装置102は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、切り替え回路52A,52Bの代わりに切り替え回路62A,62Bを備え、昇降圧回路53の代わりに昇降圧回路63を備え、電力伝達用絶縁回路54の代わりに電力伝達用絶縁回路64を備える。
【0143】
切り替え回路62Aは、スイッチSWP11と、スイッチSWM11とを含む。切り替え回路62Bは、スイッチSWP12と、スイッチSWM12とを含む。電力伝達用絶縁回路64は、キャパシタC0〜C2と、ダイオードD9〜D12と、第1電力伝達スイッチ部31と、第2電力伝達スイッチ部32とを含む。第1電力伝達スイッチ部31は、スイッチ素子としてのトランジスタTR21,TR22と、ダイオードD5,D6とを含む。第2電力伝達スイッチ部32は、スイッチ素子としてのトランジスタTR23,TR24と、ダイオードD7,D8とを含む。
【0144】
昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Aと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有する。
【0145】
電力伝達用絶縁回路64は、昇降圧回路63に切り替え回路62Aを介して電気的に接続された正側ノードNP12,負側ノードNM12、および電源ノードNP2,NM2に切り替え回路62Bを介して電気的に接続されたノードNP13,NM13を有する。
【0146】
切り替え回路62Aにおいて、スイッチSWP11は、昇降圧回路63の負側ノードNM11に接続された端子T1と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第1端すなわち正側ノードNP12に接続された端子T2と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第2端すなわち負側ノードNM12に接続された端子T3とを有する。スイッチSWM11は、昇降圧回路63の正側ノードNP11に接続された端子T7と、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12に接続された端子T8と、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12に接続された端子T9とを有する。
【0147】
切り替え回路62Bにおいて、スイッチSWP12は、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC2の第1端すなわち正側ノードNP13に接続された端子T4と、正側電源ノードNP2に接続された端子T5と、負側電源ノードNM2に接続された端子T6とを有する。スイッチSWM12は、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC2の第2端すなわち負側ノードNM13に接続された端子T10と、負側電源ノードNM2に接続された端子T11と、正側電源ノードNP2に接続された端子T12とを有する。
【0148】
昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧する。より詳細には、昇降圧回路63は、ノードNP10,NM10において整流/インバータ回路51から受けた交流電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧してノードNP11,NM11から出力する動作、およびノードNP11,NM11において切り替え回路62Aから受けた電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧してノードNP10,NM10から出力する動作を行うことが可能である。たとえば、昇降圧回路63は、特許文献2に記載の昇降圧回路と同様の構成である。
【0149】
電力伝達用絶縁回路64は、ノードNP12,NM12およびノードNP13,NM13間を絶縁しながらノードNP12,NM12およびノードNP13,NM13間で電力を伝達する。
【0150】
切り替え回路62Aは、昇降圧回路63のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0151】
切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0152】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0153】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図6における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0154】
図6を参照して、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して昇降圧回路63へ出力する。
【0155】
また、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11をそれぞれ接続する。
【0156】
すなわち、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続し、昇降圧回路63の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および正側電源ノードNP2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および負側電源ノードNM2を接続する。
【0157】
これにより、昇降圧回路63によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路64へ出力され、この直流電力が電力伝達用絶縁回路64によって電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0158】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図7における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0159】
図7を参照して、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12をそれぞれ接続する。
【0160】
すなわち、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続し、昇降圧回路63の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および負側電源ノードNM2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および正側電源ノードNP2を接続する。
【0161】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で直流電力が電力伝達用絶縁回路64に供給され、この電力が電力伝達用絶縁回路64によって昇降圧回路63へ伝達され、伝達された電力が昇降圧回路63によって昇圧または降圧されて整流/インバータ回路51へ出力される。
【0162】
また、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をPWM制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路62Bから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0163】
また、制御部14は、電力変換装置102への給電が停止された状態において、図6および図7に示す切り替え回路62A,62Bにおける各スイッチの切り替えを行う。このような構成により、各スイッチの切り替えにおいてアークが発生することを防ぐことができるため、アーク対策を講じる必要がなくなり、構成の簡易化および低コスト化を図ることができる。このような制御部14によるスイッチの切り替え動作のタイミングは、たとえばタイマーによって制御される。たとえば、電力料金が高い昼間はバッテリの放電によって自動車側からインフラ側へ電力を供給し、電力料金が安い夜間はインフラ側から自動車側へ電力を供給してバッテリを充電することが考えられる。
【0164】
なお、切り替え回路62A,62Bにおける各スイッチの切り替えは、手動で行ってもよい。
【0165】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0166】
まず、第1電力変換動作において本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0167】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0168】
図8を参照して、第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作において、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC0に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0169】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、第1電力伝達スイッチ部31における各スイッチおよび第2電力伝達スイッチ部32における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間、すなわち切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間が短絡することを防ぐことができる。
【0170】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0171】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0172】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC0は昇降圧回路63からの電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路62Bへ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0173】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間を絶縁しながら、切り替え回路62Aからの電力を切り替え回路62Bに伝達する。
【0174】
また、第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作において、まず、制御部14は、期間T11において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC2に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0175】
次に、制御部14は、期間T12において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、第1電力伝達スイッチ部31における各スイッチおよび第2電力伝達スイッチ部32における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間、すなわち切り替え回路62Bおよび切り替え回路62A間が短絡することを防ぐことができる。
【0176】
次に、制御部14は、期間T13において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC0に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0177】
次に、制御部14は、期間T14において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T12と同様に、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0178】
ここで、期間T11〜T14において、キャパシタC2は負荷202からの電力により充電されており、また、キャパシタC0に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路62Aへ出力されている。また、期間T12およびT14においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0179】
そして、制御部14は、これら期間T11、期間T12、期間T13および期間T14をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間を絶縁しながら、切り替え回路62Bからの電力を切り替え回路62Aに伝達する。
【0180】
ところで、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0181】
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0182】
すなわち、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bによって回路接続を変更することにより、電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0183】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様に、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0184】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Aと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有し、正側ノードNP10,負側ノードNM10において受けた電力を昇圧または降圧して正側ノードNP11,負側ノードNM11から出力する動作、および正側ノードNP11,負側ノードNM11において受けた電力を昇圧または降圧して正側ノードNP10,負側ノードNM10から出力する動作を行うことが可能である。
【0185】
このように、双方向の昇降圧回路を用いることにより、切り替え回路62A,62Bの構成を簡易化することができる。
【0186】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bは、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12を含む。
【0187】
このように、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、昇降圧回路を双方向化する必要はあるが、切り替え回路62A,62Bにおけるスイッチの合計数を8個から4個に削減することができる。また、切り替え回路62A,62B間の配線が不要となるため、配線が複雑になることを防ぐことができる。また、電力変換装置101,102では、ある程度大きな電力を伝達するために、配線としてたとえばハーネスが用いられるが、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、このようなハーネスの長さを短くすることが可能となる。
【0188】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12がそれぞれ接続される。
【0189】
このようなスイッチ制御により、電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0190】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、図5に示すような電力伝達用絶縁回路64を備えることにより、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ電源ノードNP1,NM1と電源ノードNP2,NM2とを電気的に絶縁することができる。
【0191】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0192】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0193】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べてインバータ回路を外部に設けた電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0194】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0195】
図9を参照して、電力変換システム301は、電力変換装置103と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0196】
電力変換装置103は、整流回路61と、切り替え回路72A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを含む。整流回路61は、ダイオードD1〜D4を含む。切り替え回路72Aは、スイッチSWP2と、スイッチSWM2とを含む。
【0197】
インフラ側装置150は、パワーコンディショナ(インバータ回路)204と、切り替え回路72Cと、交流外部端子TP11,TM11と、直流外部端子TP12,TM12とを含む。切り替え回路72Cは、スイッチSWP21,SWM21を含む。
【0198】
整流回路61において、ダイオードD1のアノードおよびダイオードD2のカソードが交流外部端子TP1,TP11を介して電源ノードNP1に接続され、ダイオードD3のアノードおよびダイオードD4のカソードが交流外部端子TM1,TM11を介して電源ノードNM1に接続され、ダイオードD1のカソードおよびダイオードD3のカソードが接続され、ダイオードD2のアノードおよびダイオードD4のアノードが接続されている。
【0199】
切り替え回路72Aにおいて、スイッチSWP2は、整流回路61のダイオードD1,D3のカソードに接続された端子T4と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T5と、端子T6とを有する。スイッチSWM2は、整流回路61のダイオードD2,D4のアノードに接続された端子T24と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T25と、端子T26とを有する。
【0200】
切り替え回路52Bにおいて、スイッチSWP3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された端子T7と、端子T8と、直流外部端子TP2に電気的に接続された端子T9とを有する。スイッチSWM3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された端子T27と、端子T28と、直流外部端子TM2に電気的に接続された端子T29とを有する。スイッチSWP4は、スイッチSWP3の端子T8に接続された端子T10と、正側電源ノードNP2に電気的に接続された端子T11と、スイッチSWP2の端子T6に接続された端子T12とを有する。スイッチSWM4は、スイッチSWM3の端子T28に接続された端子T30と、電源ノードNM2に電気的に接続されたT31と、スイッチSWM2の端子T26に接続された端子T32とを有する。
【0201】
インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21は、パワーコンディショナ204に電気的に接続された端子T41と、直流外部端子TP12に電気的に接続された端子T42と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T43とを有する。スイッチSWM21は、パワーコンディショナ204に電気的に接続された端子T44と、直流外部端子TM12に電気的に接続された端子T45と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T46とを有する。
【0202】
たとえば、交流外部端子TP1,TM1および直流外部端子TP2,TM2を含むコネクタと、交流外部端子TP11,TM11および直流外部端子TP12,TM12を含むコネクタとが勘合することにより、交流外部端子TP1,TM1および直流外部端子TP2,TM2と交流外部端子TP11,TM11および直流外部端子TP12,TM12とがそれぞれ接続され、電力変換装置103とインフラ側装置150とが電気的に接続される。
【0203】
電力変換装置103は、交流外部端子TP1,TM1経由で交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置103は、負荷202から供給された直流電力を直流外部端子TP2,TM2経由でインフラ側装置150に供給する。
【0204】
すなわち、電力変換装置103は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54経由でパワーコンディショナ204へ出力する第2電力変換動作を行う。
【0205】
太陽光発電モジュール205は、太陽光によって直流電力を生成し、スイッチSWP21,SWM21へ出力する。
【0206】
スイッチSWP21,SWM21は、直流外部端子TP12,TM12を介して電力変換装置103から受けた直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するか、太陽光発電モジュール205から受けた直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0207】
パワーコンディショナ204は、スイッチSWP21,SWM21経由で受けた直流電力を交流電力に変換し、電源ノードNP1,NM1を介して交流電源201に供給する。
【0208】
整流回路61は、たとえば、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジを含み、電源ノードNP1,NM1および交流外部端子TP1,TP11,TM1,TM11経由で交流電源201から供給された交流電力を全波整流して切り替え回路72Aへ出力する。
【0209】
切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0210】
[動作]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0211】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図10における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0212】
図10を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0213】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0214】
電力変換装置103において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0215】
すなわち、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0216】
これにより、整流回路61によって整流された交流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0217】
ここで、たとえば、インフラ側装置150は、電力変換装置103との電気的接続の有無を監視し、電気的接続を検出すると、電力変換装置103における制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。たとえば、インフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204が、有線通信または無線通信によって制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。
【0218】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路72A,52Bを上記のように制御することにより、電力変換装置103の第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作を開始する。
【0219】
このような構成により、インフラ側装置150に電力変換装置103が接続されたことを自動的に認識し、負荷202への電力供給を適切に開始することができる。
【0220】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図11における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0221】
図11を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0222】
電力変換装置103において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0223】
すなわち、切り替え回路72A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と直流外部端子TP2,TM2とを電気的に接続する。
【0224】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0225】
また、インフラ側装置150は、電力変換装置103が第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作を行っている状態において、たとえば蓄電池である負荷202の蓄電量を監視する。そして、インフラ側装置150は、蓄電量が所定値以下になると、電力変換装置103における制御部14に第2電力変換動作の停止を指示する。
【0226】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路72A,52Bにおける各スイッチを開放状態へ制御することにより、電力変換装置103の第2電力変換動作を停止する。
【0227】
さらに、インフラ側装置150は、切り替え回路72Cを制御することにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力する。
【0228】
たとえば、電力変換装置103における制御部14が、蓄電池である負荷202の充電量を監視し、有線通信または無線通信によってインフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204へ当該充電量を定期的に通知する。そして、パワーコンディショナ204が、通知された充電量に基づいて、切り替え回路72Cを制御し、かつ制御部14を介して切り替え回路72A,52Bを制御する。
【0229】
このような構成により、蓄電池である負荷202の充電量を自動的に監視し、交流電源201の充電元を適切に切り替えることができる。
【0230】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0231】
すなわち、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0232】
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0233】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側とパワーコンディショナ204とを電気的に接続するかを切り替える。
【0234】
このように、切り替え回路72A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0235】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0236】
このように、切り替え回路72A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0237】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0238】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0239】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、電源ノードNP1,NM1から供給される交流電力を受けるための交流外部端子TP1,TM1と、パワーコンディショナ204へ直流電力を出力するための直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0240】
このように、交流電源201用の端子に加えて、パワーコンディショナ204用の端子を備える構成により、電力変換装置103からインフラ側装置150への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0241】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置103は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。そして、電力変換装置103における切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2へ出力するか、電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0242】
このような構成により、電力変換装置103において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。
【0243】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0244】
このような構成により、電力変換装置103から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0245】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0246】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0247】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態に係る電力変換装置と比べて外部のインバータ回路の昇圧機能または降圧機能を利用する電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る電力変換システムと同様である。
【0248】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0249】
図12を参照して、電力変換システム302は、電力変換装置104と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0250】
電力変換装置104は、整流回路61と、切り替え回路82A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを含む。切り替え回路82Aは、スイッチSWP2と、スイッチSWM2とを含む。
【0251】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1,D3のカソードおよびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD15のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD15のアノードとキャパシタC12の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL11の第2端と、キャパシタC12の第2端と、ダイオードD2,D4のアノードとが接続されている。
【0252】
切り替え回路82Aにおいて、スイッチSWP2は、昇降圧回路53の出力側に電気的に接続された、すなわちダイオードD15のアノードおよびキャパシタC12の第1端に接続された端子T4と、電力伝達用絶縁回路54の入力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のキャパシタC0の第2端およびダイオードD10のカソードに接続された端子T5と、スイッチSWP4の端子T12に接続された端子T6とを有する。スイッチSWM2は、昇降圧回路53の出力側に電気的に接続された、すなわちキャパシタC12の第2端に接続された端子T24と、電力伝達用絶縁回路54の入力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のキャパシタC0の第1端およびダイオードD9のアノードに接続された端子T25と、スイッチSWM4の端子T32に接続された端子T26とを有する。
【0253】
電力伝達用絶縁回路54において、キャパシタC0は、ダイオードD9のアノードおよびスイッチSWM2の端子T25に接続された第1端と、ダイオードD10のカソードおよびスイッチSWP2の端子T5に接続された第2端とを有する。
【0254】
電力変換装置104は、交流外部端子TP1,TM1経由で交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置104は、負荷202から供給された直流電力を直流外部端子TP2,TM2経由でインフラ側装置150へ出力する。
【0255】
すなわち、電力変換装置104は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54経由でパワーコンディショナ204へ出力する第2電力変換動作を行う。
【0256】
パワーコンディショナ204は、スイッチSWP21,SWM21経由で受けた直流電力を昇圧または降圧するとともに交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201に供給する。
【0257】
整流回路61は、たとえば、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジを含み、電源ノードNP1,NM1および交流外部端子TP1,TP11,TM1,TM11経由で交流電源201から供給された交流電力を全波整流して昇降圧回路53へ出力する。
【0258】
切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0259】
[動作]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0260】
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図13における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0261】
図13を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0262】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0263】
電力変換装置104において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0264】
すなわち、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53の出力側と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0265】
これにより、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路54へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0266】
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図14における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0267】
図14を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0268】
電力変換装置104において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0269】
すなわち、切り替え回路82A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と直流外部端子TP2,TM2とを電気的に接続する。
【0270】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が電力伝達用絶縁回路54へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0271】
そして、パワーコンディショナ204は、電力変換装置104から受けた直流電力を昇圧または降圧するとともに交流電力に変換し、交流電源201に供給する。
【0272】
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0273】
すなわち、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0274】
したがって、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0275】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53の出力側と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側とパワーコンディショナ204とを電気的に接続するかを切り替える。
【0276】
このように、切り替え回路82A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0277】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0278】
このように、切り替え回路82A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0279】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0280】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0281】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置104は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。電力変換装置104において、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2へ出力するか、電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0282】
このような構成により、電力変換装置104において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。また、負荷202から供給された直流電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができる。
【0283】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0284】
このような構成により、電力変換装置104から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0285】
その他の構成および動作は第3の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0286】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0287】
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る電力変換装置と比べてインバータ回路を外部に設け、かつ当該インバータ回路の昇圧機能または降圧機能を利用する電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係る電力変換装置および第4の実施の形態に係る電力変換システムと同様である。
【0288】
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0289】
図15を参照して、電力変換システム303は、電力変換装置105と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0290】
電力変換装置105は、整流回路61と、切り替え回路62A,62B,62Cと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路64と、制御部14とを含む。整流回路61は、ダイオードD1〜D4を含む。切り替え回路62Cは、スイッチSWP31と、スイッチSWM31とを含む。
【0291】
昇降圧回路53は、整流回路61と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Cと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有する。パワーコンディショナ204は、正側ノードNP21と、負側ノードNM21とを有する。
【0292】
切り替え回路62Cにおいて、スイッチSWP31は、昇降圧回路53の負側ノードNM11に電気的に接続された端子T21と、スイッチSWP11の端子T1に接続された端子T22と、直流外部端子TP2に電気的に接続された端子T23とを有する。スイッチSWM31は、昇降圧回路53の正側ノードNP11に電気的に接続された端子T24と、スイッチSWM11の端子T7に接続された端子T25と、直流外部端子TM2に電気的に接続された端子T26とを有する。
【0293】
切り替え回路62Aにおいて、スイッチSWP11は、スイッチSWP31の端子T22に接続された端子T1と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第1端すなわち正側ノードNP12に電気的に接続された端子T2と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第2端すなわち負側ノードNM12に電気的に接続された端子T3とを有する。スイッチSWM11は、スイッチSWM31の端子T25に接続された端子T7と、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12に接続された端子T8と、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12に電気的に接続された端子T9とを有する。
【0294】
切り替え回路62Aは、昇降圧回路53のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0295】
切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0296】
インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21は、パワーコンディショナ204の負側ノードNM21に電気的に接続された端子T41と、直流外部端子TP12に電気的に接続された端子T42と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T43とを有する。スイッチSWM21は、パワーコンディショナ204の正側ノードNP21に電気的に接続された端子T44と、直流外部端子TM12に電気的に接続された端子T45と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T46とを有する。
【0297】
[動作]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0298】
図16は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図16における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0299】
図16を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0300】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0301】
電力変換装置105において、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11をそれぞれ接続する。また、制御部14は、スイッチSWP31およびスイッチSWM31へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP31の端子T21および端子T22、スイッチSWM31の端子T24および端子T25をそれぞれ接続する。
【0302】
すなわち、切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力する。
【0303】
そして、切り替え回路62Aは、昇降圧回路53の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続し、昇降圧回路53の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および正側電源ノードNP2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および負側電源ノードNM2を接続する。
【0304】
これにより、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路64へ出力され、この直流電力が電力伝達用絶縁回路64によって電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0305】
ここで、たとえば、インフラ側装置150は、電力変換装置105との電気的接続の有無を監視し、電気的接続を検出すると、電力変換装置105における制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。たとえば、インフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204が、有線通信または無線通信によって制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。
【0306】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路62A,62B,62Cを上記のように制御することにより、電力変換装置105の第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作を開始する。
【0307】
このような構成により、インフラ側装置150に電力変換装置105が接続されたことを自動的に認識し、負荷202への電力供給を適切に開始することができる。
【0308】
図17は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図17における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0309】
図17を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0310】
電力変換装置105において、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12をそれぞれ接続する。また、制御部14は、スイッチSWP31およびスイッチSWM31へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP31の端子T22および端子T23、スイッチSWM31の端子T25および端子T26をそれぞれ接続する。
【0311】
すなわち、切り替え回路62Cは、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をパワーコンディショナ204へ出力する。
【0312】
そして、切り替え回路62Aは、パワーコンディショナ204の正側ノードNP21および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続し、パワーコンディショナ204の負側ノードNM21および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および負側電源ノードNM2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および正側電源ノードNP2を接続する。
【0313】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で直流電力が電力伝達用絶縁回路64に供給され、この電力が電力伝達用絶縁回路64によってパワーコンディショナ204へ伝達され、伝達された電力がパワーコンディショナ204によって昇圧または降圧されるとともに交流電力に変換されて交流電源201に供給される。
【0314】
また、インフラ側装置150は、電力変換装置105が第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作を行っている状態において、たとえば蓄電池である負荷202の蓄電量を監視する。そして、インフラ側装置150は、蓄電量が所定値以下になると、電力変換装置105における制御部14に第2電力変換動作の停止を指示する。
【0315】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路62A,62B,62Cにおける各スイッチを開放状態へ制御することにより、電力変換装置105の第2電力変換動作を停止する。
【0316】
さらに、インフラ側装置150は、切り替え回路72Cを制御することにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力する。
【0317】
たとえば、電力変換装置105における制御部14が、蓄電池である負荷202の充電量を監視し、有線通信または無線通信によってインフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204へ当該充電量を定期的に通知する。そして、パワーコンディショナ204が、通知された充電量に基づいて、切り替え回路72Cを制御し、かつ制御部14を介して切り替え回路62A,62B,62Cを制御する。
【0318】
このような構成により、蓄電池である負荷202の充電量を自動的に監視し、交流電源201の充電元を適切に切り替えることができる。
【0319】
以上のように、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力するか、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。そして、切り替え回路62Aは、昇降圧回路53のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0320】
すなわち、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62B,62Cによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0321】
したがって、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0322】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bは、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12を含む。切り替え回路62Cは、スイッチSWP31,SWM31を含む。
【0323】
このように、切り替え回路62A,62B,62Cにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0324】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11がそれぞれ接続され、スイッチSWP31の端子T21および端子T22、スイッチSWM31の端子T24および端子T25がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12がそれぞれ接続され、スイッチSWP31の端子T22および端子T23、スイッチSWM31の端子T25および端子T26がそれぞれ接続される。
【0325】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0326】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、電源ノードNP1,NM1から供給される交流電力を受けるための交流外部端子TP1,TM1と、パワーコンディショナ204へ直流電力を出力するための直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0327】
このように、交流電源201用の端子に加えて、パワーコンディショナ204用の端子を備える構成により、電力変換装置105からインフラ側装置150への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0328】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置105は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。電力変換装置105における切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力するか、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0329】
このような構成により、電力変換装置105において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。また、負荷202から供給された直流電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができる。
【0330】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0331】
このような構成により、電力変換装置105から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0332】
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る電力変換装置および第4の実施の形態に係る電力変換システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0333】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0334】
14 制御部
21 入力スイッチ部
22 出力スイッチ部
51 整流/インバータ回路
52A,52B,62A,62B,62C,72A、72C,82A 切り替え回路
53,63 昇降圧回路
54,64 電力伝達用絶縁回路
61 整流回路
101〜105 電力変換装置
150 インフラ側装置
201 交流電源
202 負荷
204 パワーコンディショナ(インバータ回路)
205 太陽光発電モジュール
301,302,303 電力変換システム
TR1〜TR4,TR11,TR21,TR22,TR23,TR24 トランジスタ
D1〜D12,D15 ダイオード
SWP1,SWP2,SWM1,SWM2,SWP3,SWP4,SWM3,SWM4,SWP21,SWM21,SWP31,SWM31 スイッチ
C0〜C2,C11,C12 キャパシタ
L11 インダクタ
TP1,TM1,TP11,TM11 交流外部端子
TP2,TM2,TP12,TM12 直流外部端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、双方向の電力変換を行う電力変換装置および電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の交流電力を用いて電気自動車(EV:Electric Vehicle)およびプラグイン方式のハイブリッドカー(HV:Hybrid Vehicle)等の駆動用の主電池を充電するための電力変換装置が開発されている。
【0003】
今後、震災時などの停電時、および電気が得られないキャンプ場等の場所では、自動車側から家側に電力を送ることが要求されるため、双方向型の電力変換装置の開発が必要となる。
【0004】
このようなEV等の主電池への充電を目的とするものではないが、交流電力を直流電力に変換する電源装置用絶縁回路の一例が、たとえば、特許第3595329号公報(特許文献1)に記載されている。すなわち、この電源装置用絶縁回路は、交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、上記整流回路から供給される直流電流に残存する脈流成分を低減する第1のコンデンサーと、上記第1のコンデンサーから供給される直流電流のプラス側およびマイナス側を同時に開閉する第1のスイッチ回路と、上記第1のスイッチ回路から供給される電流を蓄積する第2のコンデンサーと、上記第2のコンデンサーから供給される直流電流のプラス側およびマイナス側を同時に開閉する第2のスイッチ回路と、上記第2のスイッチ回路から供給される電流を保持するとともに負荷側に放出する第3のコンデンサーとを備える。また、ONとなる時間がOFFとなる時間よりも短く設定された方形波によって構成されるコントロール信号φ1、および上記コントロール信号φ1と相補的にONするとともにON時間がOFF時間よりも短く設定されたコントロール信号φ2を生成するゲートコントロール回路を備える。上記コントロール信号φ1により上記第1のスイッチ回路の開閉を行い、上記コントロール信号φ2により上記第2のスイッチ回路の開閉を行う。このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ交流電源側と負荷側とを電気的に絶縁することができる。
【0005】
また、双方向型の昇降圧回路の一例として、たとえば、特開2001−268900号公報(特許文献2)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、低電圧のバッテリに入力端側を接続するとともに出力端側をDCモータに接続した双方向型昇降圧チョッパ回路である。この双方向型昇降圧チョッパ回路は、スイッチング素子とダイオードを並列に接続した複数のスイッチング回路と、スイッチング回路を2個接続したカスコード回路とを備える。そして、DCモータの駆動時にはバッテリの電圧を昇圧または降圧してDCモータを駆動し、DCモータの回生時にはDCモータの逆起電力を昇圧または降圧してバッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3595329号公報
【特許文献2】特開2001−268900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
双方向型の電力変換装置では、自動車側および家側間で電力を双方向に伝達するために、電力変換装置内で入力電圧のレベルを調整して出力する必要がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路では、電力変換装置内で入力電圧のレベルを調整することができない。
【0009】
また、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、たとえば特許文献2に記載の構成のように昇降圧回路を双方向化し、かつ絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことが可能な電力変換装置および電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路経由で上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える。
【0012】
このような構成により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0013】
(2)好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記整流回路および上記インバータ回路として、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して上記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備え、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記整流/インバータ回路へ出力するかを切り替える。
【0014】
このような構成により、電力変換装置の外部にインバータ回路を別途設ける必要がなくなる。
【0015】
(3)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路と上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記整流/インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0016】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0017】
(4)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記第1のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第2のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記第3のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第2のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む。
【0018】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0019】
(5)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチおよび上記第4のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続される。
【0020】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0021】
(6)好ましくは、上記インバータ回路は、上記電力変換装置の外部に設けられ、上記切り替え回路は、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替える。
【0022】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0023】
(7)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流回路と上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0024】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0025】
(8)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記整流回路に電気的に接続された第1端子と、上記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、上記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む。
【0026】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0027】
(9)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される。
【0028】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0029】
(10)またこの発明の別の局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を昇圧するとともに交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、上記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える。
【0030】
このような構成により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0031】
(11)好ましくは、上記切り替え回路は、上記昇降圧回路の出力側と上記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記第2電源ノードとを電気的に接続するか、上記第2電源ノードと上記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ上記電力伝達用絶縁回路の出力側と上記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える。
【0032】
このように、切り替え回路によって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0033】
(12)より好ましくは、上記切り替え回路は、上記昇降圧回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、上記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、上記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、上記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、上記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む。
【0034】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0035】
(13)より好ましくは、上記第1電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチおよび上記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、上記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される。
【0036】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0037】
(14)好ましくは、上記電力伝達用絶縁回路は、第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、上記第1の蓄電素子の第1端と上記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および上記第1の蓄電素子の第2端と上記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、上記第1のスイッチ素子の第1端および上記第2のスイッチ素子の第1端において受けた電力を上記第2の蓄電素子に供給するための入力スイッチ部と、上記第2の蓄電素子の第1端と上記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および上記第2の蓄電素子の第2端と上記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、上記第2の蓄電素子に蓄えられた電力を上記第3の蓄電素子に供給するための出力スイッチ部とを含む。
【0038】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ第1電源ノードと第2電源ノードとを電気的に絶縁することができる。
【0039】
(15)またこの発明の別の局面に係わる電力変換装置は、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、上記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、上記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および上記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードおよび上記第2ノード間を絶縁しながら上記第1ノードおよび上記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、上記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路とを備える。
【0040】
このような構成により、電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。したがって、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0041】
(16)好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記整流回路および上記インバータ回路として、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して上記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備える。
【0042】
このような構成により、電力変換装置の外部にインバータ回路を別途設ける必要がなくなる。
【0043】
(17)より好ましくは、上記昇降圧回路は、上記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1ノードおよび上記第1の切り替え回路に電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して上記第2ノードから出力する動作、および上記第2ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して上記第1ノードから出力する動作を行うことが可能である。
【0044】
このように、双方向の昇降圧回路を用いることにより、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路の構成を簡易化することができる。
【0045】
(18)より好ましくは、上記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第1の切り替え回路は、上記昇降圧回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、上記昇降圧回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、上記第2の切り替え回路は、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む。
【0046】
このような構成により、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路におけるスイッチの数を少なくすることができる。また、第1の切り替え回路および第2の切り替え回路間の配線が不要となるため、配線が複雑になることを防ぐことができる。また、電力変換装置では、通常、ある程度大きな電力を伝達するために、配線としてたとえばハーネスが用いられるが、このようなハーネスの長さを短くすることが可能となる。
【0047】
(19)より好ましくは、上記第1電力変換動作および上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる。
【0048】
このようなスイッチ制御により、電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0049】
(20)好ましくは、上記インバータ回路は、上記電力変換装置の外部に設けられ、上記電力変換装置は、さらに、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記第1の切り替え回路へ出力するか、上記第1の切り替え回路経由で上記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を上記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路を備える。
【0050】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0051】
(21)より好ましくは、上記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、上記インバータ回路は正側ノードおよび負側ノードを含み、上記第1の切り替え回路は、第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、第1端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記電力伝達用絶縁回路の上記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、上記第2の切り替え回路は、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、上記電力伝達用絶縁回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、上記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含み、上記第3の切り替え回路は、上記昇降圧回路の上記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、上記第1のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、上記インバータ回路の負側ノードに接続された第3端子とを有する第5のスイッチと、上記昇降圧回路の上記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、上記第2のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、上記インバータ回路の正側ノードに接続された第3端子とを有する第6のスイッチとを含む。
【0052】
このように、切り替え回路における各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0053】
(22)より好ましくは、上記第1電力変換動作および上記第2電力変換動作において、上記第1のスイッチないし上記第6のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、上記第1のスイッチないし上記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、かつ上記第5のスイッチおよび上記第6のスイッチの第2端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる。
【0054】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路および電力伝達用絶縁回路を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0055】
(23)より好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、上記第1電源ノードから供給される交流電力を受けるための交流外部端子と、上記インバータ回路へ直流電力を出力するための直流外部端子とを備える。
【0056】
このように、第1電源ノード用の端子に加えて、インバータ回路用の端子を備える構成により、電力変換装置からインバータ回路への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0057】
(24)好ましくは、上記電力伝達用絶縁回路は、上記第1ノードである第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、上記第2ノードである第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、上記第1の蓄電素子の第1端と上記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および上記第1の蓄電素子の第2端と上記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、上記第1ノードおよび上記第2の蓄電素子間で電力を伝達するための第1の電力伝達スイッチ部と、上記第2の蓄電素子の第1端と上記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および上記第2の蓄電素子の第2端と上記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、上記第2の蓄電素子および上記第2ノード間で電力を伝達するための第2の電力伝達スイッチ部とを含む。
【0058】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ第1電源ノードと第2電源ノードとを電気的に絶縁することができる。
【0059】
(25)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記整流回路によって整流された交流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記昇降圧回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む。
【0060】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0061】
(26)またこの発明の別の局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、上記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第2電源ノードへ出力するか、上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ上記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む。
【0062】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0063】
(27)好ましくは、上記電力変換システムは、さらに、直流電力を生成するための発電装置と、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するか、上記第2の電力変換装置から受けた直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第2の切り替え回路とを備える。
【0064】
このような構成により、第2の電力変換装置から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として発電装置用のインバータ回路を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0065】
(28)より好ましくは、上記第2電源ノードには蓄電池が接続され、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置が上記第2電力変換動作を行っている状態において、上記蓄電池の蓄電量を監視し、上記蓄電量が所定値以下になると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第2電力変換動作を停止し、さらに、上記第2の切り替え回路を制御することにより、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する。
【0066】
このような構成により、蓄電池の充電量を自動的に監視し、第1電源ノードへの電力供給元を適切に切り替えることができる。
【0067】
(29)好ましくは、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、上記電気的接続を検出すると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第1電力変換動作を開始する。
【0068】
このような構成により、第1の電力変換装置に第2の電力変換装置が接続されたことを自動的に認識し、第1電源ノードへの電力供給を適切に開始することができる。
【0069】
(30)またこの発明の別の局面に係わる電力変換システムは、受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、上記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および上記第2電源ノードから供給された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、上記第2の電力変換装置は、上記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、上記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、上記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および上記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、上記第1ノードおよび上記第2ノード間を絶縁しながら上記第1ノードおよび上記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、上記昇降圧回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、上記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、上記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路と、上記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を上記第1の切り替え回路へ出力するか、上記第1の切り替え回路経由で上記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路とを含む。
【0070】
このような構成により、電力変換装置において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、電力変換装置の構成の簡易化を図ることができる。
【0071】
(31)好ましくは、上記電力変換システムは、さらに、直流電力を生成するための発電装置と、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するか、上記第2の電力変換装置から受けた直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第4の切り替え回路とを備える。
【0072】
このような構成により、電力変換装置から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として発電装置用のインバータ回路を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0073】
(32)より好ましくは、上記第2電源ノードには蓄電池が接続され、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置が上記第2電力変換動作を行っている状態において、上記蓄電池の蓄電量を監視し、上記蓄電量が所定値以下になると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路ないし上記第3の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第2電力変換動作を停止し、さらに、上記第4の切り替え回路を制御することにより、上記発電装置によって生成された直流電力を上記第1の電力変換装置へ出力する。
【0074】
このような構成により、蓄電池の充電量を自動的に監視し、第1電源ノードへの電力供給元を適切に切り替えることができる。
【0075】
(33)好ましくは、上記第1の電力変換装置は、上記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、上記電気的接続を検出すると、上記第2の電力変換装置における上記第1の切り替え回路ないし上記第3の切り替え回路を制御することにより、上記第2の電力変換装置の上記第1電力変換動作を開始する。
【0076】
このような構成により、第1の電力変換装置に第2の電力変換装置が接続されたことを自動的に認識し、第1電源ノードへの電力供給を適切に開始することができる。
【発明の効果】
【0077】
本発明によれば、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0080】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0081】
図1を参照して、電力変換装置101は、整流/インバータ回路51と、切り替え回路52A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを備える。
【0082】
整流/インバータ回路51は、トランジスタTR1〜TR4と、ダイオードD1〜D4とを含む。切り替え回路52Aは、スイッチSWP1,SWP2と、スイッチSWM1,SWM2とを含む。切り替え回路52Bは、スイッチSWP3,SWP4と、スイッチSWM3,SWM4とを含む。昇降圧回路53は、キャパシタC11,C12と、インダクタL11と、トランジスタTR11と、ダイオードD15とを含む。電力伝達用絶縁回路54は、キャパシタC0〜C2と、ダイオードD9〜D12と、入力スイッチ部21と、出力スイッチ部22とを含む。入力スイッチ部21は、スイッチ素子としてのトランジスタTR21,TR22と、ダイオードD5,D6とを含む。出力スイッチ部22は、スイッチ素子としてのトランジスタTR23,TR24と、ダイオードD7,D8とを含む。電力変換装置101における各トランジスタは、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置において、「インダクタ」は、リアクトルのような大型の部品も含むものとする。
【0083】
整流/インバータ回路51において、トランジスタTR1は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD1のアノードおよび電源ノードNP1に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR2は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD2のカソードおよび電源ノードNP1に接続されたコレクタと、ダイオードD2のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR3は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD3のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD3のアノードおよび電源ノードNM1に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR4は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD4のカソードおよび電源ノードNM1に接続されたコレクタと、ダイオードD4のアノードに接続されたエミッタとを有する。
【0084】
切り替え回路52Aにおいて、スイッチSWP1は、整流/インバータ回路51のトランジスタTR1,TR3のコレクタに接続された端子T1と、端子T2と、端子T3とを有する。スイッチSWM1は、整流/インバータ回路51のトランジスタTR2,TR4のエミッタに接続された端子T21と、端子T22と、端子T23とを有する。スイッチSWP2は、スイッチSWP1の端子T2に接続された端子T4と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T5と、端子T6とを有する。スイッチSWM2は、スイッチSWM1の端子T22に接続された端子T24と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T25と、端子T26とを有する。
【0085】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、スイッチSWP2の端子T5およびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD15のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD15のアノードとキャパシタC12の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL11の第2端と、キャパシタC12の第2端と、スイッチSWM2の端子T25とが接続されている。
【0086】
電力伝達用絶縁回路54において、キャパシタC0は、ダイオードD9のアノードおよび昇降圧回路53のキャパシタC12の第2端に接続された第1端と、ダイオードD10のカソードおよび昇降圧回路53のキャパシタC12の第1端に接続された第2端とを有する。トランジスタTR21は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD5のカソードおよびダイオードD9のアノードに接続されたコレクタと、ダイオードD5のアノード、キャパシタC1の第1端およびダイオードD11のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR22は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD6のカソード、ダイオードD12のカソードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD6のアノードおよびダイオードD10のアノードに接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR23は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD7のカソードおよびダイオードD11のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD7のアノードおよびキャパシタC2の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR24は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD8のカソードおよびキャパシタC2の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD8のアノードおよびダイオードD12のアノードに接続されたエミッタとを有する。
【0087】
切り替え回路52Bにおいて、スイッチSWP3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のトランジスタTR23のエミッタに接続された端子T7と、端子T8と、スイッチSWP1の端子T3に接続された端子T9とを有する。スイッチSWM3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のトランジスタTR24のコレクタに接続された端子T27と、端子T28と、スイッチSWM1の端子T23に接続された端子T29とを有する。スイッチSWP4は、スイッチSWP3の端子T8に接続された端子T10と、正側電源ノードNP2に接続された端子T11と、スイッチSWP2の端子T6に接続された端子T12とを有する。スイッチSWM4は、スイッチSWM3の端子T28に接続された端子T30と、電源ノードNM2に接続されたT31と、スイッチSWM2の端子T26に接続された端子T32とを有する。
【0088】
電力変換装置101は、交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置101は、負荷202から供給された直流電力を交流電力に変換して交流電源201に供給する。すなわち、電力変換装置101は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する第2電力変換動作を行う。ここで、負荷202は、たとえば、EVおよびプラグイン方式のHV等の駆動用の主電池である。
【0089】
整流/インバータ回路51は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する動作を行うことが可能である。
【0090】
より詳細には、整流/インバータ回路51は、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジと、ダイオードD1〜D4にそれぞれ並列接続されたトランジスタTR1〜TR4とを含む。
【0091】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR1〜TR4に出力することにより、トランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して切り替え回路52Aへ出力する。
【0092】
また、制御部14は、制御信号をトランジスタTR1〜TR4に出力することにより、トランジスタTR1〜TR4をたとえばPWM(Pulse Width Modulation)制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路52Aから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0093】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、キャパシタC11と電気的に接続され、キャパシタC11との接続ノード経由で受けた電圧すなわち切り替え回路52Aから受けた電圧をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR11によってスイッチングされた電圧を受ける。キャパシタC11は、インダクタL11に誘起された電圧を蓄える。ダイオードD15は、インダクタL11からキャパシタC11への電流を阻止する。
【0094】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR11に出力することにより、トランジスタTR11のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路53は、切り替え回路52Aから受けた電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0095】
より詳細には、昇降圧回路53の入力電圧をViとし、出力電圧をVaとし、トランジスタTR11のオンデューティ比をDとすると、出力電圧Vaは以下のように表される。
Va=−{D/(1−D)}×Vi
【0096】
この式から分かるように、昇降圧回路53は、デューティ比の設定次第で、入力電圧よりも高い出力電圧および低い出力電圧のいずれを得ることも可能である。すなわち、Vi<VaおよびVi>Vaの両方を実現することができる。なお、昇降圧回路53の出力電圧は入力電圧に対して極性が反転するので、電力伝達用絶縁回路54との電気的接続の極性は反転されている。
【0097】
また、昇降圧回路53は、力率改善回路としての機能も有している。すなわち、トランジスタTR11は、制御部14により、昇降圧回路53の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように制御される。
【0098】
電力伝達用絶縁回路54は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路53から受けた電力を伝達する。
【0099】
より詳細には、キャパシタC0は、昇降圧回路53から受けた電力を蓄える。入力スイッチ部21は、トランジスタTR21のコレクタおよびトランジスタTR22のエミッタにおいて昇降圧回路53から受けた電力すなわちキャパシタC0に蓄えられた電力をキャパシタC1に供給する。出力スイッチ部22は、キャパシタC1に蓄えられた電力をキャパシタC2に供給する。キャパシタC2に蓄えられた電力は、放電されて切り替え回路52Bへ出力される。
【0100】
また、キャパシタC0により、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が平滑化される。また、キャパシタC0を設けることにより、電力伝達用絶縁回路54への入力電流のリップルを防ぎ、回路動作の安定化を図るという効果が得られる。
【0101】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR21〜TR24に出力することにより、トランジスタTR21〜TR24のオンおよびオフをそれぞれ切り替える。電力伝達用絶縁回路54は、制御部14のスイッチ制御により、昇降圧回路53および切り替え回路52Bを絶縁しながら、昇降圧回路53から受けた電力を切り替え回路52Bに伝達する。
【0102】
切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替える。
【0103】
ここで、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4は、たとえばリレー等のメカスイッチである。メカスイッチを用いることにより、低コスト化を図ることができる。
【0104】
また、メカスイッチの代わりに半導体スイッチを用いてもよい。但し、半導体スイッチではスイッチング損失が大きくなるため、半導体スイッチではなくメカスイッチを用いることにより、電力変換装置101における電力効率を高めることができる。
【0105】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0106】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0107】
図2を参照して、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC0に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、昇降圧回路53および切り替え回路52B間の絶縁が確保される。
【0108】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、入力スイッチ部21における各スイッチおよび出力スイッチ部22における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間、すなわち昇降圧回路53および切り替え回路52B間が短絡することを防ぐことができる。
【0109】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、昇降圧回路53および切り替え回路52B間の絶縁が確保される。
【0110】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0111】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC0は昇降圧回路53からの電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路52Bへ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0112】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路53からの電力を切り替え回路52Bに伝達する。
【0113】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0114】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図3における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0115】
図3を参照して、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して切り替え回路52Aへ出力する。
【0116】
また、制御部14は、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP1の端子T1および端子T2、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM1の端子T21および端子T22、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0117】
すなわち、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0118】
これにより、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0119】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図4における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0120】
図4を参照して、制御部14は、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP1の端子T1および端子T3、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM1の端子T21および端子T23、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0121】
すなわち、切り替え回路52A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と整流/インバータ回路51とを電気的に接続する。
【0122】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が整流/インバータ回路51へ出力される。
【0123】
また、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をPWM制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路52Bから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0124】
制御部14は、電力変換装置101への給電が停止された状態において、図3および図4に示す切り替え回路52A,52Bの各スイッチの切り替えを行う。このような構成により、各スイッチの切り替えにおいてアークが発生することを防ぐことができるため、アーク対策を講じる必要がなくなり、電力変換装置101の構成の簡易化および低コスト化を図ることができる。このような制御部14によるスイッチの切り替え動作のタイミングは、たとえばタイマーによって制御される。たとえば、電力料金が高い昼間はバッテリの放電によって自動車側からインフラ側へ電力を供給し、電力料金が安い夜間はインフラ側から自動車側へ電力を供給してバッテリを充電することが考えられる。
【0125】
なお、切り替え回路52A,52Bにおける各スイッチの切り替えは、手動で行ってもよい。
【0126】
ところで、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、たとえば特許文献2に記載の構成のように昇降圧回路を双方向化し、かつ絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0127】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を整流/インバータ回路51へ出力するかを切り替える。
【0128】
すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0129】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0130】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、整流/インバータ回路51と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と整流/インバータ回路51とを電気的に接続するかを切り替える。
【0131】
このように、切り替え回路52A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0132】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路52A,52Bは、スイッチSWP1,SWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM1,SWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0133】
このように、切り替え回路52A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0134】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP1の端子T1および端子T2、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM1の端子T21および端子T22、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP1の端子T1および端子T3、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM1の端子T21および端子T23、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0135】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0136】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、図1に示すような電力伝達用絶縁回路54を備えることにより、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ電源ノードNP1,NM1と電源ノードNP2,NM2とを電気的に絶縁することができる。
【0137】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、制御部14を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部14が電力変換装置101の外部に設けられる構成であってもよい。
【0138】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路は、キャパシタC0〜C2を備える構成であるとしたが、キャパシタに限らず、コイル(インダクタ)等の他の蓄電素子を備える構成であってもよい。
【0139】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0140】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて回路接続を変更した電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0141】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0142】
図5を参照して、電力変換装置102は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、切り替え回路52A,52Bの代わりに切り替え回路62A,62Bを備え、昇降圧回路53の代わりに昇降圧回路63を備え、電力伝達用絶縁回路54の代わりに電力伝達用絶縁回路64を備える。
【0143】
切り替え回路62Aは、スイッチSWP11と、スイッチSWM11とを含む。切り替え回路62Bは、スイッチSWP12と、スイッチSWM12とを含む。電力伝達用絶縁回路64は、キャパシタC0〜C2と、ダイオードD9〜D12と、第1電力伝達スイッチ部31と、第2電力伝達スイッチ部32とを含む。第1電力伝達スイッチ部31は、スイッチ素子としてのトランジスタTR21,TR22と、ダイオードD5,D6とを含む。第2電力伝達スイッチ部32は、スイッチ素子としてのトランジスタTR23,TR24と、ダイオードD7,D8とを含む。
【0144】
昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Aと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有する。
【0145】
電力伝達用絶縁回路64は、昇降圧回路63に切り替え回路62Aを介して電気的に接続された正側ノードNP12,負側ノードNM12、および電源ノードNP2,NM2に切り替え回路62Bを介して電気的に接続されたノードNP13,NM13を有する。
【0146】
切り替え回路62Aにおいて、スイッチSWP11は、昇降圧回路63の負側ノードNM11に接続された端子T1と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第1端すなわち正側ノードNP12に接続された端子T2と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第2端すなわち負側ノードNM12に接続された端子T3とを有する。スイッチSWM11は、昇降圧回路63の正側ノードNP11に接続された端子T7と、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12に接続された端子T8と、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12に接続された端子T9とを有する。
【0147】
切り替え回路62Bにおいて、スイッチSWP12は、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC2の第1端すなわち正側ノードNP13に接続された端子T4と、正側電源ノードNP2に接続された端子T5と、負側電源ノードNM2に接続された端子T6とを有する。スイッチSWM12は、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC2の第2端すなわち負側ノードNM13に接続された端子T10と、負側電源ノードNM2に接続された端子T11と、正側電源ノードNP2に接続された端子T12とを有する。
【0148】
昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧する。より詳細には、昇降圧回路63は、ノードNP10,NM10において整流/インバータ回路51から受けた交流電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧してノードNP11,NM11から出力する動作、およびノードNP11,NM11において切り替え回路62Aから受けた電力を直流電力に変換するとともに昇圧または降圧してノードNP10,NM10から出力する動作を行うことが可能である。たとえば、昇降圧回路63は、特許文献2に記載の昇降圧回路と同様の構成である。
【0149】
電力伝達用絶縁回路64は、ノードNP12,NM12およびノードNP13,NM13間を絶縁しながらノードNP12,NM12およびノードNP13,NM13間で電力を伝達する。
【0150】
切り替え回路62Aは、昇降圧回路63のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0151】
切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0152】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0153】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図6における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0154】
図6を参照して、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をオフする。これにより、整流/インバータ回路51は、交流電源201から受けた交流電力を全波整流して昇降圧回路63へ出力する。
【0155】
また、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11をそれぞれ接続する。
【0156】
すなわち、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続し、昇降圧回路63の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および正側電源ノードNP2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および負側電源ノードNM2を接続する。
【0157】
これにより、昇降圧回路63によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路64へ出力され、この直流電力が電力伝達用絶縁回路64によって電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0158】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図7における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0159】
図7を参照して、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12をそれぞれ接続する。
【0160】
すなわち、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続し、昇降圧回路63の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および負側電源ノードNM2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および正側電源ノードNP2を接続する。
【0161】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で直流電力が電力伝達用絶縁回路64に供給され、この電力が電力伝達用絶縁回路64によって昇降圧回路63へ伝達され、伝達された電力が昇降圧回路63によって昇圧または降圧されて整流/インバータ回路51へ出力される。
【0162】
また、制御部14は、トランジスタTR1〜TR4へ制御信号を出力してトランジスタTR1〜TR4をPWM制御する。これにより、整流/インバータ回路51は、切り替え回路62Bから受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201へ出力する。
【0163】
また、制御部14は、電力変換装置102への給電が停止された状態において、図6および図7に示す切り替え回路62A,62Bにおける各スイッチの切り替えを行う。このような構成により、各スイッチの切り替えにおいてアークが発生することを防ぐことができるため、アーク対策を講じる必要がなくなり、構成の簡易化および低コスト化を図ることができる。このような制御部14によるスイッチの切り替え動作のタイミングは、たとえばタイマーによって制御される。たとえば、電力料金が高い昼間はバッテリの放電によって自動車側からインフラ側へ電力を供給し、電力料金が安い夜間はインフラ側から自動車側へ電力を供給してバッテリを充電することが考えられる。
【0164】
なお、切り替え回路62A,62Bにおける各スイッチの切り替えは、手動で行ってもよい。
【0165】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0166】
まず、第1電力変換動作において本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0167】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0168】
図8を参照して、第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作において、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC0に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0169】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、第1電力伝達スイッチ部31における各スイッチおよび第2電力伝達スイッチ部32における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間、すなわち切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間が短絡することを防ぐことができる。
【0170】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0171】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0172】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC0は昇降圧回路63からの電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路62Bへ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0173】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間を絶縁しながら、切り替え回路62Aからの電力を切り替え回路62Bに伝達する。
【0174】
また、第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作において、まず、制御部14は、期間T11において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC2に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0175】
次に、制御部14は、期間T12において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、第1電力伝達スイッチ部31における各スイッチおよび第2電力伝達スイッチ部32における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間、すなわち切り替え回路62Bおよび切り替え回路62A間が短絡することを防ぐことができる。
【0176】
次に、制御部14は、期間T13において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC0に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、切り替え回路62Aおよび切り替え回路62B間の絶縁が確保される。
【0177】
次に、制御部14は、期間T14において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T12と同様に、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0178】
ここで、期間T11〜T14において、キャパシタC2は負荷202からの電力により充電されており、また、キャパシタC0に蓄えられた電力は放電されて切り替え回路62Aへ出力されている。また、期間T12およびT14においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0179】
そして、制御部14は、これら期間T11、期間T12、期間T13および期間T14をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路64の入力側および出力側間を絶縁しながら、切り替え回路62Bからの電力を切り替え回路62Aに伝達する。
【0180】
ところで、特許文献1に記載の電源装置用絶縁回路を双方向型の電力変換装置に変更する場合には、絶縁回路を双方向化するためにスイッチの数を増やす必要があるため、回路構成が複雑になってしまう。
【0181】
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62Aは、昇降圧回路63のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0182】
すなわち、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bによって回路接続を変更することにより、電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0183】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様に、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0184】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、昇降圧回路63は、整流/インバータ回路51と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Aと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有し、正側ノードNP10,負側ノードNM10において受けた電力を昇圧または降圧して正側ノードNP11,負側ノードNM11から出力する動作、および正側ノードNP11,負側ノードNM11において受けた電力を昇圧または降圧して正側ノードNP10,負側ノードNM10から出力する動作を行うことが可能である。
【0185】
このように、双方向の昇降圧回路を用いることにより、切り替え回路62A,62Bの構成を簡易化することができる。
【0186】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bは、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12を含む。
【0187】
このように、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、昇降圧回路を双方向化する必要はあるが、切り替え回路62A,62Bにおけるスイッチの合計数を8個から4個に削減することができる。また、切り替え回路62A,62B間の配線が不要となるため、配線が複雑になることを防ぐことができる。また、電力変換装置101,102では、ある程度大きな電力を伝達するために、配線としてたとえばハーネスが用いられるが、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、このようなハーネスの長さを短くすることが可能となる。
【0188】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12がそれぞれ接続される。
【0189】
このようなスイッチ制御により、電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0190】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、図5に示すような電力伝達用絶縁回路64を備えることにより、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ電源ノードNP1,NM1と電源ノードNP2,NM2とを電気的に絶縁することができる。
【0191】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0192】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0193】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べてインバータ回路を外部に設けた電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0194】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0195】
図9を参照して、電力変換システム301は、電力変換装置103と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0196】
電力変換装置103は、整流回路61と、切り替え回路72A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを含む。整流回路61は、ダイオードD1〜D4を含む。切り替え回路72Aは、スイッチSWP2と、スイッチSWM2とを含む。
【0197】
インフラ側装置150は、パワーコンディショナ(インバータ回路)204と、切り替え回路72Cと、交流外部端子TP11,TM11と、直流外部端子TP12,TM12とを含む。切り替え回路72Cは、スイッチSWP21,SWM21を含む。
【0198】
整流回路61において、ダイオードD1のアノードおよびダイオードD2のカソードが交流外部端子TP1,TP11を介して電源ノードNP1に接続され、ダイオードD3のアノードおよびダイオードD4のカソードが交流外部端子TM1,TM11を介して電源ノードNM1に接続され、ダイオードD1のカソードおよびダイオードD3のカソードが接続され、ダイオードD2のアノードおよびダイオードD4のアノードが接続されている。
【0199】
切り替え回路72Aにおいて、スイッチSWP2は、整流回路61のダイオードD1,D3のカソードに接続された端子T4と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T5と、端子T6とを有する。スイッチSWM2は、整流回路61のダイオードD2,D4のアノードに接続された端子T24と、昇降圧回路53の入力側に電気的に接続された端子T25と、端子T26とを有する。
【0200】
切り替え回路52Bにおいて、スイッチSWP3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された端子T7と、端子T8と、直流外部端子TP2に電気的に接続された端子T9とを有する。スイッチSWM3は、電力伝達用絶縁回路54の出力側に電気的に接続された端子T27と、端子T28と、直流外部端子TM2に電気的に接続された端子T29とを有する。スイッチSWP4は、スイッチSWP3の端子T8に接続された端子T10と、正側電源ノードNP2に電気的に接続された端子T11と、スイッチSWP2の端子T6に接続された端子T12とを有する。スイッチSWM4は、スイッチSWM3の端子T28に接続された端子T30と、電源ノードNM2に電気的に接続されたT31と、スイッチSWM2の端子T26に接続された端子T32とを有する。
【0201】
インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21は、パワーコンディショナ204に電気的に接続された端子T41と、直流外部端子TP12に電気的に接続された端子T42と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T43とを有する。スイッチSWM21は、パワーコンディショナ204に電気的に接続された端子T44と、直流外部端子TM12に電気的に接続された端子T45と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T46とを有する。
【0202】
たとえば、交流外部端子TP1,TM1および直流外部端子TP2,TM2を含むコネクタと、交流外部端子TP11,TM11および直流外部端子TP12,TM12を含むコネクタとが勘合することにより、交流外部端子TP1,TM1および直流外部端子TP2,TM2と交流外部端子TP11,TM11および直流外部端子TP12,TM12とがそれぞれ接続され、電力変換装置103とインフラ側装置150とが電気的に接続される。
【0203】
電力変換装置103は、交流外部端子TP1,TM1経由で交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置103は、負荷202から供給された直流電力を直流外部端子TP2,TM2経由でインフラ側装置150に供給する。
【0204】
すなわち、電力変換装置103は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54経由でパワーコンディショナ204へ出力する第2電力変換動作を行う。
【0205】
太陽光発電モジュール205は、太陽光によって直流電力を生成し、スイッチSWP21,SWM21へ出力する。
【0206】
スイッチSWP21,SWM21は、直流外部端子TP12,TM12を介して電力変換装置103から受けた直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するか、太陽光発電モジュール205から受けた直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0207】
パワーコンディショナ204は、スイッチSWP21,SWM21経由で受けた直流電力を交流電力に変換し、電源ノードNP1,NM1を介して交流電源201に供給する。
【0208】
整流回路61は、たとえば、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジを含み、電源ノードNP1,NM1および交流外部端子TP1,TP11,TM1,TM11経由で交流電源201から供給された交流電力を全波整流して切り替え回路72Aへ出力する。
【0209】
切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0210】
[動作]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0211】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図10における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0212】
図10を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0213】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0214】
電力変換装置103において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0215】
すなわち、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0216】
これにより、整流回路61によって整流された交流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0217】
ここで、たとえば、インフラ側装置150は、電力変換装置103との電気的接続の有無を監視し、電気的接続を検出すると、電力変換装置103における制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。たとえば、インフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204が、有線通信または無線通信によって制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。
【0218】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路72A,52Bを上記のように制御することにより、電力変換装置103の第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作を開始する。
【0219】
このような構成により、インフラ側装置150に電力変換装置103が接続されたことを自動的に認識し、負荷202への電力供給を適切に開始することができる。
【0220】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図11における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0221】
図11を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0222】
電力変換装置103において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0223】
すなわち、切り替え回路72A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と直流外部端子TP2,TM2とを電気的に接続する。
【0224】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が昇降圧回路53へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0225】
また、インフラ側装置150は、電力変換装置103が第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作を行っている状態において、たとえば蓄電池である負荷202の蓄電量を監視する。そして、インフラ側装置150は、蓄電量が所定値以下になると、電力変換装置103における制御部14に第2電力変換動作の停止を指示する。
【0226】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路72A,52Bにおける各スイッチを開放状態へ制御することにより、電力変換装置103の第2電力変換動作を停止する。
【0227】
さらに、インフラ側装置150は、切り替え回路72Cを制御することにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力する。
【0228】
たとえば、電力変換装置103における制御部14が、蓄電池である負荷202の充電量を監視し、有線通信または無線通信によってインフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204へ当該充電量を定期的に通知する。そして、パワーコンディショナ204が、通知された充電量に基づいて、切り替え回路72Cを制御し、かつ制御部14を介して切り替え回路72A,52Bを制御する。
【0229】
このような構成により、蓄電池である負荷202の充電量を自動的に監視し、交流電源201の充電元を適切に切り替えることができる。
【0230】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0231】
すなわち、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0232】
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0233】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、整流回路61と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と昇降圧回路53の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側とパワーコンディショナ204とを電気的に接続するかを切り替える。
【0234】
このように、切り替え回路72A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0235】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路72A,52Bは、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0236】
このように、切り替え回路72A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0237】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0238】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0239】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、電源ノードNP1,NM1から供給される交流電力を受けるための交流外部端子TP1,TM1と、パワーコンディショナ204へ直流電力を出力するための直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0240】
このように、交流電源201用の端子に加えて、パワーコンディショナ204用の端子を備える構成により、電力変換装置103からインフラ側装置150への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0241】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置103は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。そして、電力変換装置103における切り替え回路72A,52Bは、整流回路61によって整流された交流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2へ出力するか、電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を昇降圧回路53へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0242】
このような構成により、電力変換装置103において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。
【0243】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0244】
このような構成により、電力変換装置103から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0245】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0246】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0247】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態に係る電力変換装置と比べて外部のインバータ回路の昇圧機能または降圧機能を利用する電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る電力変換システムと同様である。
【0248】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0249】
図12を参照して、電力変換システム302は、電力変換装置104と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0250】
電力変換装置104は、整流回路61と、切り替え回路82A,52Bと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを含む。切り替え回路82Aは、スイッチSWP2と、スイッチSWM2とを含む。
【0251】
昇降圧回路53において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1,D3のカソードおよびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD15のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD15のアノードとキャパシタC12の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL11の第2端と、キャパシタC12の第2端と、ダイオードD2,D4のアノードとが接続されている。
【0252】
切り替え回路82Aにおいて、スイッチSWP2は、昇降圧回路53の出力側に電気的に接続された、すなわちダイオードD15のアノードおよびキャパシタC12の第1端に接続された端子T4と、電力伝達用絶縁回路54の入力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のキャパシタC0の第2端およびダイオードD10のカソードに接続された端子T5と、スイッチSWP4の端子T12に接続された端子T6とを有する。スイッチSWM2は、昇降圧回路53の出力側に電気的に接続された、すなわちキャパシタC12の第2端に接続された端子T24と、電力伝達用絶縁回路54の入力側に電気的に接続された、すなわち電力伝達用絶縁回路54のキャパシタC0の第1端およびダイオードD9のアノードに接続された端子T25と、スイッチSWM4の端子T32に接続された端子T26とを有する。
【0253】
電力伝達用絶縁回路54において、キャパシタC0は、ダイオードD9のアノードおよびスイッチSWM2の端子T25に接続された第1端と、ダイオードD10のカソードおよびスイッチSWP2の端子T5に接続された第2端とを有する。
【0254】
電力変換装置104は、交流外部端子TP1,TM1経由で交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。また、電力変換装置104は、負荷202から供給された直流電力を直流外部端子TP2,TM2経由でインフラ側装置150へ出力する。
【0255】
すなわち、電力変換装置104は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54経由でパワーコンディショナ204へ出力する第2電力変換動作を行う。
【0256】
パワーコンディショナ204は、スイッチSWP21,SWM21経由で受けた直流電力を昇圧または降圧するとともに交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1経由で交流電源201に供給する。
【0257】
整流回路61は、たとえば、ダイオードD1〜D4で構成されるダイオードブリッジを含み、電源ノードNP1,NM1および交流外部端子TP1,TP11,TM1,TM11経由で交流電源201から供給された交流電力を全波整流して昇降圧回路53へ出力する。
【0258】
切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0259】
[動作]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0260】
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図13における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0261】
図13を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0262】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0263】
電力変換装置104において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31をそれぞれ接続する。
【0264】
すなわち、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53の出力側と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続する。
【0265】
これにより、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路54へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力が電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0266】
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図14における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0267】
図14を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0268】
電力変換装置104において、制御部14は、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32をそれぞれ接続する。
【0269】
すなわち、切り替え回路82A,52Bは、電源ノードNP2,NM2と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と直流外部端子TP2,TM2とを電気的に接続する。
【0270】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で供給された直流電力が電力伝達用絶縁回路54へ出力され、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0271】
そして、パワーコンディショナ204は、電力変換装置104から受けた直流電力を昇圧または降圧するとともに交流電力に変換し、交流電源201に供給する。
【0272】
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2経由で負荷202へ出力するか、電源ノードNP2,NM2経由で負荷202から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。
【0273】
すなわち、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0274】
したがって、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0275】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53の出力側と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側と電源ノードNP2,NM2とを電気的に接続するか、電源ノードNP2,NM2と電力伝達用絶縁回路54の入力側とを電気的に接続し、かつ電力伝達用絶縁回路54の出力側とパワーコンディショナ204とを電気的に接続するかを切り替える。
【0276】
このように、切り替え回路82A,52Bによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0277】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路82A,52Bは、スイッチSWP2,SWP3,SWP4およびスイッチSWM2,SWM3,SWM4を含む。
【0278】
このように、切り替え回路82A,52Bにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0279】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T4および端子T5、スイッチSWP3の端子T7および端子T8、スイッチSWP4の端子T10および端子T11、スイッチSWM2の端子T24および端子T25、スイッチSWM3の端子T27および端子T28、スイッチSWM4の端子T30および端子T31がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP2の端子T5および端子T6、スイッチSWP3の端子T7および端子T9、スイッチSWP4の端子T11および端子T12、スイッチSWM2の端子T25および端子T26、スイッチSWM3の端子T27および端子T29、スイッチSWM4の端子T31および端子T32がそれぞれ接続される。
【0280】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路54を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0281】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置104は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。電力変換装置104において、切り替え回路82A,52Bは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力を電源ノードNP2,NM2へ出力するか、電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力を電力伝達用絶縁回路54へ出力し、かつ電力伝達用絶縁回路54によって伝達された電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0282】
このような構成により、電力変換装置104において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。また、負荷202から供給された直流電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができる。
【0283】
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0284】
このような構成により、電力変換装置104から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0285】
その他の構成および動作は第3の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0286】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0287】
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る電力変換装置と比べてインバータ回路を外部に設け、かつ当該インバータ回路の昇圧機能または降圧機能を利用する電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係る電力変換装置および第4の実施の形態に係る電力変換システムと同様である。
【0288】
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。
【0289】
図15を参照して、電力変換システム303は、電力変換装置105と、インフラ側装置150と、交流電源201と、バッテリ202と、太陽光発電モジュール205と、交流外部端子TP1,TM1と、直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0290】
電力変換装置105は、整流回路61と、切り替え回路62A,62B,62Cと、昇降圧回路53と、電力伝達用絶縁回路64と、制御部14とを含む。整流回路61は、ダイオードD1〜D4を含む。切り替え回路62Cは、スイッチSWP31と、スイッチSWM31とを含む。
【0291】
昇降圧回路53は、整流回路61と電気的に接続された正側ノードNP10,負側ノードNM10および切り替え回路62Cと電気的に接続された正側ノードNP11,負側ノードNM11を有する。パワーコンディショナ204は、正側ノードNP21と、負側ノードNM21とを有する。
【0292】
切り替え回路62Cにおいて、スイッチSWP31は、昇降圧回路53の負側ノードNM11に電気的に接続された端子T21と、スイッチSWP11の端子T1に接続された端子T22と、直流外部端子TP2に電気的に接続された端子T23とを有する。スイッチSWM31は、昇降圧回路53の正側ノードNP11に電気的に接続された端子T24と、スイッチSWM11の端子T7に接続された端子T25と、直流外部端子TM2に電気的に接続された端子T26とを有する。
【0293】
切り替え回路62Aにおいて、スイッチSWP11は、スイッチSWP31の端子T22に接続された端子T1と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第1端すなわち正側ノードNP12に電気的に接続された端子T2と、電力伝達用絶縁回路64のキャパシタC0の第2端すなわち負側ノードNM12に電気的に接続された端子T3とを有する。スイッチSWM11は、スイッチSWM31の端子T25に接続された端子T7と、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12に接続された端子T8と、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12に電気的に接続された端子T9とを有する。
【0294】
切り替え回路62Aは、昇降圧回路53のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0295】
切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0296】
インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21は、パワーコンディショナ204の負側ノードNM21に電気的に接続された端子T41と、直流外部端子TP12に電気的に接続された端子T42と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T43とを有する。スイッチSWM21は、パワーコンディショナ204の正側ノードNP21に電気的に接続された端子T44と、直流外部端子TM12に電気的に接続された端子T45と、太陽光発電モジュール205に電気的に接続された端子T46とを有する。
【0297】
[動作]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が双方向の電力変換を行う際の動作について図面を用いて説明する。
【0298】
図16は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置がインフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作を示す図である。図16における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0299】
図16を参照して、たとえば、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T43が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T46が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0300】
これにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力がパワーコンディショナ204へ出力される。
【0301】
電力変換装置105において、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11をそれぞれ接続する。また、制御部14は、スイッチSWP31およびスイッチSWM31へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP31の端子T21および端子T22、スイッチSWM31の端子T24および端子T25をそれぞれ接続する。
【0302】
すなわち、切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力する。
【0303】
そして、切り替え回路62Aは、昇降圧回路53の正側ノードNP11および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続し、昇降圧回路53の負側ノードNM11および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および正側電源ノードNP2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および負側電源ノードNM2を接続する。
【0304】
これにより、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力が電力伝達用絶縁回路64へ出力され、この直流電力が電力伝達用絶縁回路64によって電源ノードNP2,NM2経由で負荷202に供給される。
【0305】
ここで、たとえば、インフラ側装置150は、電力変換装置105との電気的接続の有無を監視し、電気的接続を検出すると、電力変換装置105における制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。たとえば、インフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204が、有線通信または無線通信によって制御部14に第1電力変換動作の開始を指示する。
【0306】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路62A,62B,62Cを上記のように制御することにより、電力変換装置105の第1電力変換動作すなわちインフラ(家)側から自動車側への電力供給動作を開始する。
【0307】
このような構成により、インフラ側装置150に電力変換装置105が接続されたことを自動的に認識し、負荷202への電力供給を適切に開始することができる。
【0308】
図17は、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置が自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作を示す図である。図17における点線の矢印は、電流の流れを示している。
【0309】
図17を参照して、インフラ側装置150の切り替え回路72Cにおいて、スイッチSWP21の端子T41および端子T42が接続され、スイッチSWM21の端子T44および端子T45が接続される。このスイッチSWP21,SWM21の制御は、たとえばパワーコンディショナ204が行う。
【0310】
電力変換装置105において、制御部14は、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12をそれぞれ接続する。また、制御部14は、スイッチSWP31およびスイッチSWM31へ制御信号を出力することにより、スイッチSWP31の端子T22および端子T23、スイッチSWM31の端子T25および端子T26をそれぞれ接続する。
【0311】
すなわち、切り替え回路62Cは、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をパワーコンディショナ204へ出力する。
【0312】
そして、切り替え回路62Aは、パワーコンディショナ204の正側ノードNP21および電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM12を接続し、パワーコンディショナ204の負側ノードNM21および電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP12を接続する。また、切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64の正側ノードNP13および負側電源ノードNM2を接続し、電力伝達用絶縁回路64の負側ノードNM13および正側電源ノードNP2を接続する。
【0313】
これにより、負荷202から電源ノードNP2,NM2経由で直流電力が電力伝達用絶縁回路64に供給され、この電力が電力伝達用絶縁回路64によってパワーコンディショナ204へ伝達され、伝達された電力がパワーコンディショナ204によって昇圧または降圧されるとともに交流電力に変換されて交流電源201に供給される。
【0314】
また、インフラ側装置150は、電力変換装置105が第2電力変換動作すなわち自動車側からインフラ(家)側への電力供給動作を行っている状態において、たとえば蓄電池である負荷202の蓄電量を監視する。そして、インフラ側装置150は、蓄電量が所定値以下になると、電力変換装置105における制御部14に第2電力変換動作の停止を指示する。
【0315】
そして、制御部14は、この指示を受けて、切り替え回路62A,62B,62Cにおける各スイッチを開放状態へ制御することにより、電力変換装置105の第2電力変換動作を停止する。
【0316】
さらに、インフラ側装置150は、切り替え回路72Cを制御することにより、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力する。
【0317】
たとえば、電力変換装置105における制御部14が、蓄電池である負荷202の充電量を監視し、有線通信または無線通信によってインフラ側装置150におけるパワーコンディショナ204へ当該充電量を定期的に通知する。そして、パワーコンディショナ204が、通知された充電量に基づいて、切り替え回路72Cを制御し、かつ制御部14を介して切り替え回路62A,62B,62Cを制御する。
【0318】
このような構成により、蓄電池である負荷202の充電量を自動的に監視し、交流電源201の充電元を適切に切り替えることができる。
【0319】
以上のように、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力するか、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をパワーコンディショナ204へ出力するかを切り替える。そして、切り替え回路62Aは、昇降圧回路53のノードNP11,NM11と、電力伝達用絶縁回路64のノードNP12,NM12との間の電気的接続の極性を切り替える。切り替え回路62Bは、電力伝達用絶縁回路64のノードNP13,NM13と、電源ノードNP2,NM2との間の電気的接続の極性を切り替える。
【0320】
すなわち、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62B,62Cによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0321】
したがって、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、簡易な構成で双方向の電力変換を行うことができる。
【0322】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、切り替え回路62A,62Bは、スイッチSWP11,SWP12およびスイッチSWM11,SWM12を含む。切り替え回路62Cは、スイッチSWP31,SWM31を含む。
【0323】
このように、切り替え回路62A,62B,62Cにおける各スイッチの切り替えによって回路接続を変更することにより、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0324】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、インフラ(家)側から自動車側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T3、スイッチSWP12の端子T4および端子T5、スイッチSWM11の端子T7および端子T9、スイッチSWP12の端子T10および端子T11がそれぞれ接続され、スイッチSWP31の端子T21および端子T22、スイッチSWM31の端子T24および端子T25がそれぞれ接続される。また、自動車側からインフラ(家)側に電力を供給する動作において、スイッチSWP11の端子T1および端子T2、スイッチSWP12の端子T4および端子T6、スイッチSWM11の端子T7および端子T8、スイッチSWP12の端子T10および端子T12がそれぞれ接続され、スイッチSWP31の端子T22および端子T23、スイッチSWM31の端子T25および端子T26がそれぞれ接続される。
【0325】
このようなスイッチ制御により、昇降圧回路53および電力伝達用絶縁回路64を双方向化することなく、双方向型の電力変換装置を実現することが可能となる。
【0326】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換装置では、電源ノードNP1,NM1から供給される交流電力を受けるための交流外部端子TP1,TM1と、パワーコンディショナ204へ直流電力を出力するための直流外部端子TP2,TM2とを備える。
【0327】
このように、交流電源201用の端子に加えて、パワーコンディショナ204用の端子を備える構成により、電力変換装置105からインフラ側装置150への直流電力の供給経路を確保することが可能となる。
【0328】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムでは、電力変換装置105は、電源ノードNP1,NM1から供給された交流電力を直流電力に変換して電源ノードNP2,NM2に供給する第1電力変換動作、および電源ノードNP2,NM2から供給された直流電力をインフラ側装置150へ出力する第2電力変換動作を行う。電力変換装置105における切り替え回路62Cは、昇降圧回路53によって昇圧または降圧された電力を切り替え回路62Aへ出力するか、切り替え回路62A経由で電力伝達用絶縁回路64から伝達された直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。そして、インフラ側装置150は、受けた直流電力を交流電力に変換して電源ノードNP1,NM1に供給する。
【0329】
このような構成により、電力変換装置105において直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路を設ける必要がなくなり、整流回路を設ければ足りるため、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、構成の簡易化を図ることができる。また、負荷202から供給された直流電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができる。
【0330】
また、本発明の第5の実施の形態に係る電力変換システムでは、切り替え回路72Cは、太陽光発電モジュール205によって生成された直流電力をインフラ側装置150へ出力するか、電力変換装置103から受けた直流電力をインフラ側装置150へ出力するかを切り替える。
【0331】
このような構成により、電力変換装置105から出力される直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路として太陽光発電モジュール205用のパワーコンディショナ204を流用することができるため、低コストで電力変換システムを構築することができる。
【0332】
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る電力変換装置および第4の実施の形態に係る電力変換システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0333】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0334】
14 制御部
21 入力スイッチ部
22 出力スイッチ部
51 整流/インバータ回路
52A,52B,62A,62B,62C,72A、72C,82A 切り替え回路
53,63 昇降圧回路
54,64 電力伝達用絶縁回路
61 整流回路
101〜105 電力変換装置
150 インフラ側装置
201 交流電源
202 負荷
204 パワーコンディショナ(インバータ回路)
205 太陽光発電モジュール
301,302,303 電力変換システム
TR1〜TR4,TR11,TR21,TR22,TR23,TR24 トランジスタ
D1〜D12,D15 ダイオード
SWP1,SWP2,SWM1,SWM2,SWP3,SWP4,SWM3,SWM4,SWP21,SWM21,SWP31,SWM31 スイッチ
C0〜C2,C11,C12 キャパシタ
L11 インダクタ
TP1,TM1,TP11,TM11 交流外部端子
TP2,TM2,TP12,TM12 直流外部端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路経由で前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項2】
前記電力変換装置は、さらに、
前記整流回路および前記インバータ回路として、前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して前記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備え、
前記切り替え回路は、前記整流/インバータ回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記整流/インバータ回路へ出力するかを切り替える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記切り替え回路は、前記整流/インバータ回路と前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記整流/インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記切り替え回路は、
前記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記第3のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第2のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチおよび前記第4のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続される、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記インバータ回路は、前記電力変換装置の外部に設けられ、
前記切り替え回路は、前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記切り替え回路は、前記整流回路と前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記切り替え回路は、
前記整流回路に電気的に接続された第1端子と、前記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
受けた直流電力を昇圧するとともに交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、
前記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項11】
前記切り替え回路は、前記昇降圧回路の出力側と前記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記切り替え回路は、
前記昇降圧回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む、請求項11に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される、請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記電力伝達用絶縁回路は、
第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、
前記第1の蓄電素子の第1端と前記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および前記第1の蓄電素子の第2端と前記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、前記第1のスイッチ素子の第1端および前記第2のスイッチ素子の第1端において受けた電力を前記第2の蓄電素子に供給するための入力スイッチ部と、
前記第2の蓄電素子の第1端と前記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および前記第2の蓄電素子の第2端と前記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、前記第2の蓄電素子に蓄えられた電力を前記第3の蓄電素子に供給するための出力スイッチ部とを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項15】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
前記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、
前記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および前記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードおよび前記第2ノード間を絶縁しながら前記第1ノードおよび前記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路と、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、
前記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、前記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項16】
前記電力変換装置は、さらに、
前記整流回路および前記インバータ回路として、前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して前記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備える、請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項17】
前記昇降圧回路は、前記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1ノードおよび前記第1の切り替え回路に電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して前記第2ノードから出力する動作、および前記第2ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して前記第1ノードから出力する動作を行うことが可能である、請求項16に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、前記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、
前記第1の切り替え回路は、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、
前記第2の切り替え回路は、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む、請求項17に記載の電力変換装置。
【請求項19】
前記第1電力変換動作および前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる、請求項18に記載の電力変換装置。
【請求項20】
前記インバータ回路は、前記電力変換装置の外部に設けられ、
前記電力変換装置は、さらに、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記第1の切り替え回路へ出力するか、前記第1の切り替え回路経由で前記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路を備える、請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項21】
前記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、前記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記インバータ回路は正側ノードおよび負側ノードを含み、
前記第1の切り替え回路は、
第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、
第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、
前記第2の切り替え回路は、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含み、
前記第3の切り替え回路は、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第1のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、前記インバータ回路の負側ノードに接続された第3端子とを有する第5のスイッチと、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、前記インバータ回路の正側ノードに接続された第3端子とを有する第6のスイッチとを含む、請求項20に記載の電力変換装置。
【請求項22】
前記第1電力変換動作および前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第6のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、かつ前記第5のスイッチおよび前記第6のスイッチの第2端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる、請求項21に記載の電力変換装置。
【請求項23】
前記電力変換装置は、さらに、
前記第1電源ノードから供給される交流電力を受けるための交流外部端子と、
前記インバータ回路へ直流電力を出力するための直流外部端子とを備える、請求項6から13および20から22のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項24】
前記電力伝達用絶縁回路は、
前記第1ノードである第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、
前記第2ノードである第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、
前記第1の蓄電素子の第1端と前記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および前記第1の蓄電素子の第2端と前記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、前記第1ノードおよび前記第2の蓄電素子間で電力を伝達するための第1の電力伝達スイッチ部と、
前記第2の蓄電素子の第1端と前記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および前記第2の蓄電素子の第2端と前記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、前記第2の蓄電素子および前記第2ノード間で電力を伝達するための第2の電力伝達スイッチ部とを含む、請求項15から23のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項25】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項26】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、
前記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項27】
前記電力変換システムは、さらに、
直流電力を生成するための発電装置と、
前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するか、前記第2の電力変換装置から受けた直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第2の切り替え回路とを備える、請求項25または26に記載の電力変換システム。
【請求項28】
前記第2電源ノードには蓄電池が接続され、
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置が前記第2電力変換動作を行っている状態において、前記蓄電池の蓄電量を監視し、前記蓄電量が所定値以下になると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第2電力変換動作を停止し、さらに、前記第2の切り替え回路を制御することにより、前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する、請求項27に記載の電力変換システム。
【請求項29】
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、前記電気的接続を検出すると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第1電力変換動作を開始する、請求項25から28のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【請求項30】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
前記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、
前記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および前記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードおよび前記第2ノード間を絶縁しながら前記第1ノードおよび前記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路と、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、
前記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、前記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記第1の切り替え回路へ出力するか、前記第1の切り替え回路経由で前記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項31】
前記電力変換システムは、さらに、
直流電力を生成するための発電装置と、
前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するか、前記第2の電力変換装置から受けた直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第4の切り替え回路とを備える、請求項30に記載の電力変換システム。
【請求項32】
前記第2電源ノードには蓄電池が接続され、
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置が前記第2電力変換動作を行っている状態において、前記蓄電池の蓄電量を監視し、前記蓄電量が所定値以下になると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路ないし前記第3の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第2電力変換動作を停止し、さらに、前記第4の切り替え回路を制御することにより、前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する、請求項31に記載の電力変換システム。
【請求項33】
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、前記電気的接続を検出すると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路ないし前記第3の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第1電力変換動作を開始する、請求項30から32のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【請求項1】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路経由で前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項2】
前記電力変換装置は、さらに、
前記整流回路および前記インバータ回路として、前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して前記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備え、
前記切り替え回路は、前記整流/インバータ回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記整流/インバータ回路へ出力するかを切り替える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記切り替え回路は、前記整流/インバータ回路と前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記整流/インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記切り替え回路は、
前記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記第3のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第2のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチおよび前記第4のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続される、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記インバータ回路は、前記電力変換装置の外部に設けられ、
前記切り替え回路は、前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記切り替え回路は、前記整流回路と前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記昇降圧回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記切り替え回路は、
前記整流回路に電気的に接続された第1端子と、前記昇降圧回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
受けた直流電力を昇圧するとともに交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、
前記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項11】
前記切り替え回路は、前記昇降圧回路の出力側と前記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記第2電源ノードとを電気的に接続するか、前記第2電源ノードと前記電力伝達用絶縁回路の入力側とを電気的に接続し、かつ前記電力伝達用絶縁回路の出力側と前記インバータ回路とを電気的に接続するかを切り替える、請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記切り替え回路は、
前記昇降圧回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の入力側に電気的に接続された第2端子と、第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の出力側に電気的に接続された第1端子と、第2端子と、前記インバータ回路に電気的に接続された第3端子とを有する第2のスイッチと、
前記第2のスイッチの第2端子に電気的に接続された第1端子と、前記第2電源ノードに電気的に接続された第2端子と、前記第1のスイッチの第3端子に電気的に接続された第3端子とを有する第3のスイッチとを含む、請求項11に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記第1電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第3のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続され、前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチの各々の第2端子および第3端子が接続され、前記第2のスイッチの第1端子および第3端子が接続される、請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記電力伝達用絶縁回路は、
第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、
前記第1の蓄電素子の第1端と前記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および前記第1の蓄電素子の第2端と前記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、前記第1のスイッチ素子の第1端および前記第2のスイッチ素子の第1端において受けた電力を前記第2の蓄電素子に供給するための入力スイッチ部と、
前記第2の蓄電素子の第1端と前記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および前記第2の蓄電素子の第2端と前記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、前記第2の蓄電素子に蓄えられた電力を前記第3の蓄電素子に供給するための出力スイッチ部とを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項15】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するためのインバータ回路が内部または外部に設けられ、前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記インバータ回路へ出力する第2電力変換動作を行うための電力変換装置であって、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
前記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、
前記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および前記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードおよび前記第2ノード間を絶縁しながら前記第1ノードおよび前記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路と、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、
前記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、前記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路とを備える、電力変換装置。
【請求項16】
前記電力変換装置は、さらに、
前記整流回路および前記インバータ回路として、前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流する動作、および受けた直流電力を交流電力に変換して前記第1電源ノードに供給する動作を行うことが可能な整流/インバータ回路を備える、請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項17】
前記昇降圧回路は、前記整流/インバータ回路に電気的に接続された第1ノードおよび前記第1の切り替え回路に電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して前記第2ノードから出力する動作、および前記第2ノードにおいて受けた電力を昇圧または降圧して前記第1ノードから出力する動作を行うことが可能である、請求項16に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、前記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、
前記第1の切り替え回路は、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、
前記第2の切り替え回路は、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含む、請求項17に記載の電力変換装置。
【請求項19】
前記第1電力変換動作および前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる、請求項18に記載の電力変換装置。
【請求項20】
前記インバータ回路は、前記電力変換装置の外部に設けられ、
前記電力変換装置は、さらに、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記第1の切り替え回路へ出力するか、前記第1の切り替え回路経由で前記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を前記インバータ回路へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路を備える、請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項21】
前記昇降圧回路の第2ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードおよび第2ノードの各々は正側ノードおよび負側ノードを含み、前記第2電源ノードは正側ノードおよび負側ノードを含み、前記インバータ回路は正側ノードおよび負側ノードを含み、
前記第1の切り替え回路は、
第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第1のスイッチと、
第1端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記電力伝達用絶縁回路の前記第1ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第2のスイッチとを含み、
前記第2の切り替え回路は、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第3端子とを有する第3のスイッチと、
前記電力伝達用絶縁回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2電源ノードの負側ノードに接続された第2端子と、前記第2電源ノードの正側ノードに接続された第3端子とを有する第4のスイッチとを含み、
前記第3の切り替え回路は、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの正側ノードに接続された第1端子と、前記第1のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、前記インバータ回路の負側ノードに接続された第3端子とを有する第5のスイッチと、
前記昇降圧回路の前記第2ノードの負側ノードに接続された第1端子と、前記第2のスイッチの第1端子に接続された第2端子と、前記インバータ回路の正側ノードに接続された第3端子とを有する第6のスイッチとを含む、請求項20に記載の電力変換装置。
【請求項22】
前記第1電力変換動作および前記第2電力変換動作において、前記第1のスイッチないし前記第6のスイッチの各々の第1端子および第2端子が接続される状態と、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチの各々の第1端子および第3端子が接続され、かつ前記第5のスイッチおよび前記第6のスイッチの第2端子および第3端子が接続される状態とが切り替えられる、請求項21に記載の電力変換装置。
【請求項23】
前記電力変換装置は、さらに、
前記第1電源ノードから供給される交流電力を受けるための交流外部端子と、
前記インバータ回路へ直流電力を出力するための直流外部端子とを備える、請求項6から13および20から22のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項24】
前記電力伝達用絶縁回路は、
前記第1ノードである第1端および第2端を有する第1の蓄電素子と、
第1端および第2端を有する第2の蓄電素子と、
前記第2ノードである第1端および第2端を有する第3の蓄電素子と、
前記第1の蓄電素子の第1端と前記第2の蓄電素子の第1端との間に接続された第1のスイッチ素子および前記第1の蓄電素子の第2端と前記第2の蓄電素子の第2端との間に接続された第2のスイッチ素子を含み、前記第1ノードおよび前記第2の蓄電素子間で電力を伝達するための第1の電力伝達スイッチ部と、
前記第2の蓄電素子の第1端と前記第3の蓄電素子の第1端との間に接続された第3のスイッチ素子および前記第2の蓄電素子の第2端と前記第3の蓄電素子の第2端との間に接続された第4のスイッチ素子を含み、前記第2の蓄電素子および前記第2ノード間で電力を伝達するための第2の電力伝達スイッチ部とを含む、請求項15から23のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項25】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記昇降圧回路から受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記整流回路によって整流された交流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記昇降圧回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項26】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流して出力するための整流回路と、
前記整流回路から受けた電力を昇圧または降圧して出力するための昇降圧回路と、
入力側および出力側間を絶縁しながら、受けた電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第2電源ノードへ出力するか、前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記電力伝達用絶縁回路へ出力し、かつ前記電力伝達用絶縁回路によって伝達された電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第1の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項27】
前記電力変換システムは、さらに、
直流電力を生成するための発電装置と、
前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するか、前記第2の電力変換装置から受けた直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第2の切り替え回路とを備える、請求項25または26に記載の電力変換システム。
【請求項28】
前記第2電源ノードには蓄電池が接続され、
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置が前記第2電力変換動作を行っている状態において、前記蓄電池の蓄電量を監視し、前記蓄電量が所定値以下になると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第2電力変換動作を停止し、さらに、前記第2の切り替え回路を制御することにより、前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する、請求項27に記載の電力変換システム。
【請求項29】
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、前記電気的接続を検出すると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第1電力変換動作を開始する、請求項25から28のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【請求項30】
受けた直流電力を交流電力に変換して第1電源ノードに供給するための第1の電力変換装置と、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を直流電力に変換して第2電源ノードに供給する第1電力変換動作、および前記第2電源ノードから供給された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する第2電力変換動作を行うための第2の電力変換装置とを備え、
前記第2の電力変換装置は、
前記第1電源ノードから供給された交流電力を整流するための整流回路と、
前記整流回路と電気的に接続され、受けた電力を昇圧または降圧するための昇降圧回路と、
前記昇降圧回路に電気的に接続された第1ノード、および前記第2電源ノードに電気的に接続された第2ノードを有し、前記第1ノードおよび前記第2ノード間を絶縁しながら前記第1ノードおよび前記第2ノード間で電力を伝達するための電力伝達用絶縁回路と、
前記昇降圧回路と、前記電力伝達用絶縁回路の第1ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第1の切り替え回路と、
前記電力伝達用絶縁回路の第2ノードと、前記第2電源ノードとの間の電気的接続の極性を切り替えるための第2の切り替え回路と、
前記昇降圧回路によって昇圧または降圧された電力を前記第1の切り替え回路へ出力するか、前記第1の切り替え回路経由で前記電力伝達用絶縁回路から伝達された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第3の切り替え回路とを含む、電力変換システム。
【請求項31】
前記電力変換システムは、さらに、
直流電力を生成するための発電装置と、
前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するか、前記第2の電力変換装置から受けた直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力するかを切り替えるための第4の切り替え回路とを備える、請求項30に記載の電力変換システム。
【請求項32】
前記第2電源ノードには蓄電池が接続され、
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置が前記第2電力変換動作を行っている状態において、前記蓄電池の蓄電量を監視し、前記蓄電量が所定値以下になると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路ないし前記第3の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第2電力変換動作を停止し、さらに、前記第4の切り替え回路を制御することにより、前記発電装置によって生成された直流電力を前記第1の電力変換装置へ出力する、請求項31に記載の電力変換システム。
【請求項33】
前記第1の電力変換装置は、前記第2の電力変換装置との電気的接続の有無を監視し、前記電気的接続を検出すると、前記第2の電力変換装置における前記第1の切り替え回路ないし前記第3の切り替え回路を制御することにより、前記第2の電力変換装置の前記第1電力変換動作を開始する、請求項30から32のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−34559(P2012−34559A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187999(P2010−187999)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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