説明

電力変換装置

【課題】スイッチング素子を有するコンバータ回路を備えた電力変換装置において、コンバータ回路で異常が発生した場合でも、該コンバータ回路を、極力、駆動停止しないような構成を得る。
【解決手段】コンバータ回路(2)を、複数のスイッチング素子と、該各スイッチング素子に並列に接続されたダイオードとを備えた構成とする。このコンバータ回路(2)の動作制御を行うコンバータ用マイコン(20)を、上記コンバータ回路(2)において該回路(2)の駆動停止を伴わないような異常を検出可能に構成された異常検出部(24)と、上記異常検出部(24)によって異常が検出された場合に、上記スイッチング素子をON−OFFさせてリトライ動作を行うリトライ制御部(25)と、を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、コンバータ回路の制御に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、交流電源の交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路と、該コンバータ回路の直流電力を所定の周波数の交流電力に変換するインバータ回路とを備えた電力変換装置が知られている。このような電力変換装置としては、例えば、特許文献1に開示されるように、複数のダイオードをブリッジ状に接続してコンバータ回路を構成するとともに、複数のスイッチング素子をブリッジ状に接続してインバータ回路を構成したものが一般的に知られている。この電力変換装置では、上記コンバータ回路によって交流電源の交流電力を直流電力に整流した後、上記インバータ回路によって所定周波数の交流電力に変換するようにしている。
【特許文献1】特開2004−222421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述のようにコンバータ回路をダイオードによって構成する場合、該ダイオードに作用する電位差が小さくなると電流が流れにくくなるため、理想的には正弦波状である交流側の電流波形に歪みが生じ、これが高調波発生の原因になるという問題がある。
【0004】
これに対して、上記コンバータ回路において、ダイオードの代わりにスイッチング素子を用いて、該スイッチング素子の動作を制御することが考えられる。こうすることで、上記コンバータ回路の交流側(電源側)に流れる電流波形を正弦波に近づけることができ、高調波の発生を極力、抑えることが可能となる。
【0005】
しかしながら、このようにコンバータ回路を複数のスイッチング素子によって構成すると、該コンバータ回路の構成が複雑になって、その分、異常が発生しやすくなる。
【0006】
一方、上述のようなダイオードブリッジを利用した従来の構成では、通常、インバータ回路側に制御用のマイコンが設けられているだけなので、コンバータ回路側で異常が発生すると、インバータ側と同様、装置保護の観点などから、すぐに装置全体が停止するように構成されている。
【0007】
したがって、上述のように、コンバータ回路をスイッチング素子によって構成すると、該コンバータ回路の構成が複雑になって異常が発生しやすくなるため、インバータ回路と同様、どのような異常が発生してもすぐに装置全体の駆動を停止するような構成にすると、従来の構成よりも停止の頻度が多くなり、ユーザーに不快な思いをさせることになる。例えば、空調機の場合には、圧縮機を停止させることになり、これにより、空調機の能力不足になるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スイッチング素子を有するコンバータ回路を備えた電力変換装置において、コンバータ回路で異常が発生した場合でも、該コンバータ回路を、極力、駆動停止しないような構成を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る電力変換装置(1)では、スイッチング素子とダイオードとが並列接続されてなるコンバータ回路(2)の動作を制御するコンバータ制御手段(20)が、該コンバータ回路(2)内の異常を検出した場合にスイッチング素子にON−OFF動作させてリトライ動作を行うリトライ制御手段(25)を備えた構成とすることで、運転継続しながらの復帰を可能にし、できる限り連続運転できるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明は、交流電源(5)に接続され、交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路(2)を備えた電力変換装置を対象とする。
【0011】
そして、上記コンバータ回路(2)は、複数のスイッチング素子と、該各スイッチング素子に並列に接続されたダイオードとを有しており、上記コンバータ回路(2)の動作制御を行うコンバータ制御手段(20)を備えていて、上記コンバータ制御手段(20)は、上記コンバータ回路(2)において該回路(2)の駆動停止を伴わないような異常を検出可能に構成された異常検出部(24)と、上記異常検出部(24)によって上記異常が検出された場合に、上記スイッチング素子にON−OFF動作させてリトライ動作を行うリトライ制御部(25)と、を備えているものとする。
【0012】
以上の構成により、コンバータ回路(2)は、複数のスイッチング素子と該各スイッチング素子に並列接続されたダイオードとを有しているため、該スイッチング素子をOFFにしてもダイオードによって整流回路としての機能を維持することができる。したがって、異常検出部(24)によって上記コンバータ回路(2)内の異常を検出して、リトライ制御部(25)によって上記スイッチング素子にON−OFF動作させてリトライ動作を行う場合、上記スイッチング素子がOFFの状態でもダイオード側に電流が流れるため、装置全体の駆動を一旦、停止する必要がなくなる。これにより、コンバータ回路(2)側の異常発生によるインバータ回路(3)の駆動停止をできる限り減らすことができ、例えば空調機では、圧縮機の動作停止による能力不足などの発生を極力、防止することができる。
【0013】
また、上記スイッチング素子のリトライ動作を行うリトライ制御部(25)を設けることで、コンバータ回路(2)の異常の度合いによっては自己修復することが可能となるため、装置全体の運転停止を伴う修復が不要になり、連続運転が可能になる。
【0014】
上述の構成において、上記リトライ制御部(25)は、上記異常検出部(24)によって上記異常が検出された場合に、上記スイッチング素子を一旦、OFF状態にした後、所定間隔で上記スイッチング素子をON−OFF動作させるのが好ましい(第2の発明)。
【0015】
このように、コンバータ回路(2)で異常が発生した場合に、上記スイッチング素子を所定間隔でON−OFF動作させることにより、該コンバータ回路(2)の正常化を促すことができる。なお、上述のとおり、上記スイッチング素子をOFF状態にしている間は、ダイオード側に電流が流れるため、従来のダイオードを用いたブリッジ回路と同様、高調波が発生してしまう。したがって、上記所定間隔は、高調波の出力の影響が小さい範囲内で設定される。
【0016】
また、上記コンバータ制御手段(20)は、上記コンバータ回路(2)の出力を検出する出力検出部(26)と、上記出力検出部(26)によって検出される出力が所定時間、継続して所望の出力と一致するかどうかを判定する出力判定部(27)と、をさらに備え、上記リトライ制御部(25)は、上記出力判定部(27)によって、所定時間以上、継続して上記コンバータ回路(2)の出力が所望の出力に一致していると判定された場合に、上記リトライ動作を停止して通常運転動作に戻すように構成されているのが好ましい(第3の発明)。
【0017】
これにより、コンバータ回路(2)が正常に戻った場合に、リトライ動作を無駄に行うのを防止できる。すなわち、コンバータ回路(2)からの出力が正常に戻った状態が所定時間以上、継続している場合には、該コンバータ回路(2)の異常が解消されたと判断し、リトライ制御部(25)によるリトライ動作を終了して通常の運転動作に戻ることで、コンバータ回路(2)の効率の良い駆動が可能になる。また、このように、リトライ動作を終了して、そのまま通常の運転動作に戻ることで、コンバータ回路(2)の駆動を停止することなく、該コンバータ回路(2)を連続して駆動させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明に係る電力変換装置(1)によれば、コンバータ回路(2)において、スイッチング素子に対して並列にダイオードを設けるとともに、コンバータ制御手段(20)が、コンバータ回路(2)内で駆動停止を伴わないような異常を検出した場合にスイッチング素子にON−OFF動作させてリトライ動作を行うリトライ制御部(25)を備えた構成としたため、上記コンバータ回路(2)内で異常が発生した場合でも、装置(1)をできるだけ連続運転させることができ、装置停止によってユーザーに不快な思いをさせるのを極力、防止することができる。
【0019】
また、第2の発明によれば、上記リトライ制御部(25)は、異常発生後、スイッチング素子を一旦、OFF状態にした後、所定間隔で該スイッチング素子をON−OFF動作させるように構成されているため、装置(1)の運転を停止することなく、繰り返しリトライ動作を行って、コンバータ回路(2)の動きを正常に戻すことが可能となる。
【0020】
さらに、第3の発明によれば、上記リトライ制御部(25)は、上記コンバータ回路(2)の出力が所定時間以上、継続して所望の出力と一致している場合には、リトライ動作を停止して通常運転動作に戻るように構成されているため、無駄にリトライ動作を行うことなく、効率良くコンバータ回路(2)を駆動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
〈全体構成〉
本発明の実施形態について以下で説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電力変換装置(1)は、コンバータ回路(2)と、インバータ回路(3)と、コンデンサ回路(4)とを備えている。このコンバータ回路(2)は、その入力側が交流電力を供給する商用電源(5)に接続されている一方、出力側には上記コンデンサ回路(4)及びインバータ回路(3)が並列に接続されている。また、上記インバータ回路(3)には、例えば空気調和装置の圧縮機の電動機(モータ)(6)などが接続されている。
【0023】
上記コンバータ回路(2)は、上記商用電源(5)から出力される3相の交流電力を直流電力に変換するためのものであり、いわゆる整流回路として構成されている。一般的には、上記コンバータ回路(2)は、ダイオードのブリッジ回路によって構成されるが、この実施形態では、高調波の低減のために、IGBT(insulated gate bipolar transistor)などのスイッチング素子を三相ブリッジ結線することにより構成されている。また、本実施形態では、このスイッチング素子に対して並列にダイオードが接続されている。このように、ダイオードをスイッチング素子に並列接続することで、後述するように、インバータ回路(3)の駆動を停止することなくコンバータ回路(2)におけるスイッチング素子のリトライ動作等が可能になり、これにより、該コンバータ回路(2)内で異常が発生した場合のインバータ回路(3)の駆動停止の頻度を低減することができる。なお、上記図1では、ダイオードはスイッチング素子に対して逆並列に接続されているが、この限りではなく、ダイオードの接続方向はどちらでもよい。また、上記図1では、説明簡略化のために、スイッチング素子のブリッジ回路の記載は省略している。
【0024】
また、上記図1に示すように、上記コンバータ回路(2)と商用電源(5)との間には、各相にリアクトル(7,7,7)が設けられている。さらに、上記商用電源(5)とリアクトル(7,7,7)との間には、三相のうちの二相に跨るように後述するゼロクロス検出回路(11)(図1においてZ/C)が設けられている。
【0025】
さらに、上記リアクトル(7,7)とコンバータ回路(2)との間には、3相のうちの2相の電流iを検出するためのDCCT(8,8)が設けられている。このDCCT(8,8)で検出された各相の電流は、対応する信号に変換された後、後述するコンバータ用マイコン(10)に送信され、上記コンバータ回路(2)におけるスイッチング素子の駆動制御のパラメータの一つとして利用される。
【0026】
上記コンデンサ回路(4)は、2つのコンデンサ(4a,4b)が直列に接続されたもので、上記コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)に対して並列に接続されている。このコンデンサ回路(4)は、上記コンバータ回路(2)で変換された直流電力を充放電可能に構成されていて、該直流電力の放電によって、上記インバータ回路(3)に直流電力を供給するためのものである。
【0027】
上記インバータ回路(3)は、上記コンデンサ回路(4)から放出される直流電力を交流電力に変換するためのものである。具体的には、上記インバータ回路(3)は、複数のスイッチング素子が三相ブリッジ結線されたものであり、上記コンデンサ回路(4)から放電される直流電圧を、モータ(6)の要求する所定の周波数の交流電圧に変換するように構成されている。なお、上記インバータ回路(3)で用いられるスイッチング素子も、上記コンバータ回路(2)と同様、例えばIGBTなどのスイッチング素子であり、上記図1では、説明簡略化のために、スイッチング素子のブリッジ回路の構成の記載は省略している。
【0028】
また、上記コンデンサ回路(4)とインバータ回路(3)との間には、直列に接続された2つの抵抗(9,9)が、該コンデンサ回路(4)及びインバータ回路(3)に対して並列に接続されている。これらの抵抗(9,9)の中間の電圧eは、直流電圧を計測する電圧センサ(図示省略)によって検出され、対応する信号に変換された後、後述するコンバータ用マイコン(20)やインバータ用マイコン(30)、過電圧検出手段(12)(図1におけるOVP)などに送られる。
【0029】
さらに、上記電力変換装置(1)には、上記コンバータ回路(2)の出力側及び上記インバータ回路(3)の入力側に、電流センサ(図示省略)によって電流を検出するためのシャント抵抗(10a,10b)が設けられている。上記コンバータ回路(2)の出力側に設けられたシャント抵抗(10a)で計測された電流iは、対応する信号に変換された後、後述するコンバータ用マイコン(20)や過電流検出手段(13)(図1におけるOCP)などに送られる。一方、上記インバータ回路(3)の入力側に設けられたシャント抵抗(10b)で計測された電流iは、対応する信号に変換された後、後述するインバータ用マイコン(30)や過電流検出手段(14)などに送られる。
【0030】
上記過電流検出手段(13,14)は、過電流の状態を検出可能に構成されていて、過電流状態を検出すると、それぞれ、上記コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)に対してスイッチング素子の駆動を停止する強制信号を出力するように構成されている。
【0031】
また、上記電力変換装置(1)には、商用電源(5)に接続される入力側に、ゼロクロス検出回路(11)が設けられている。このゼロクロス検出回路(11)は、3相のうちの2相に跨るように設けられていて、2相間の電圧差を検出することにより、入力電圧のゼロクロス点を検出できるように構成されたものである。このゼロクロス検出回路(11)で検出された入力電圧のゼロクロス点に基づいて上記コンバータ回路(2)のスイッチング素子が駆動制御される。
【0032】
〈マイコンの構成〉
上述のような回路構成を有する電力変換装置(1)は、上記コンバータ回路(2)のスイッチング素子の駆動制御を行うためのコンバータ用マイコン(20)(コンバータ制御手段)と、上記インバータ回路(3)のスイッチング素子の駆動制御を行うためのインバータ用マイコン(30)と、これらのマイコン(20,30)に対して電力変換装置(1)全体の運転制御信号を送信する制御マイコン(40)とを備えている。
【0033】
上記コンバータ用マイコン(20)は、上記ゼロクロス検出回路(11)で検出されたゼロクロス点や、上記DCCT(8)によって検出された入力側の電流値i、上記シャント抵抗(10a)で電流センサによって検出された出力側の電流値i、上記抵抗(9,9)間で検出された電圧値eなどに基づいて、上記コンバータ回路(2)のスイッチング素子の駆動を制御するように構成されている。すなわち、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記ゼロクロス点や入力側及び出力側の電流値、電圧値等に基づいて、スイッチング素子の駆動信号を生成し、出力する駆動信号生成部(21)を備えている。
【0034】
また、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記コンバータ回路(2)の出力側に設けられたシャント抵抗(10a)で計測される直流電流に基づいて、過電流を検知できるように構成されている。すなわち、上記シャント抵抗(10a)で計測された直流電流は、上記過電流検出手段(13)によって過電流の検出が行われ、該過電流検出手段(13)で過電流であると検出された場合には、該過電流検出手段(13)から上記コンバータ回路(2)のスイッチング素子に対して駆動停止の強制信号が送られる。そうすると、上記コンバータ用マイコン(20)では、上記コンバータ回路(2)のスイッチング素子が駆動していないことが検出され、これにより、該コンバータ用マイコン(20)側で過電流状態であることが認識される。
【0035】
また、上記コンバータ用マイコン(20)には、電圧センサ(図示省略)によって計測される上記抵抗(9,9)間の電圧eに基づいて過電圧状態が検出されると、信号として入力されるように構成されている。すなわち、上記電圧センサによって計測された電圧eは、上記過電圧検出手段(12)に入力され、該過電圧検出手段(12)で過電圧状態が検出される。該過電圧検出手段(12)で過電圧状態が検出されると、過電圧信号が上記コンバータ用マイコン(20)に送信されて、該コンバータ用マイコン(20)で過電圧が検出される。
【0036】
さらに、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記コンバータ回路(2)内で生じた異常を検出するための異常検出部(24)と、該異常検出部(24)で検出された異常の度合いに応じて信号を生成する注意報信号生成部(22)及び異常信号生成部(23)とを備えている。
【0037】
上記異常検出部(24)は、上記DCCT(8)や、電流センサ、電圧センサ、ゼロクロス検出回路(11)、過電圧検出手段(12)、過電流検出手段(13)などから出力される信号に基づいて、コンバータ回路(2)内の異常を検出するように構成されている。この異常検出部(24)で検出される異常は、コンバータ回路(2)の駆動を停止しなくてもよい軽微なものと、該コンバータ回路(2)の駆動を停止する必要がある重大なものとに、大きく2つに分類される。よって、上記異常検出部(24)は、コンバータ回路(2)の駆動を停止しなくてもよい軽微な異常(軽異常)の場合には、注意報信号生成部(22)に対して注意報信号の生成を指示する一方、コンバータ回路(2)の駆動を停止する必要がある重大な異常(重異常)の場合には、異常信号生成部(23)に対して異常信号の生成を指示するように構成されている。
【0038】
具体的には、上記異常検出部(24)は、上記DCCT(8)やシャント抵抗(10a)に設けられた電流センサなどの異常、過電圧状態、上記抵抗(9,9)間の電圧eを検出する電圧センサの異常や、上記過電流検出手段(13)の動作を介して検出される瞬時過電流状態、電源周波数に対するスイッチング素子の同期不良等を検出した場合などには、コンバータ回路(2)の駆動停止の必要がないため、上記注意報信号生成部(22)に対して注意報信号の生成を指示する。
【0039】
一方、上記異常検出部(24)は、上記ゼロクロス検出回路(11)の検出データに基づいて入力電圧の逆相・欠相が検知された場合や、ゼロクロス信号の異常が検出された場合、スイッチング素子の異常が検出された場合などには、コンバータ回路(2)の駆動の停止が必要であるため、上記異常信号生成部(23)に対して異常信号の生成を指示する。
【0040】
上記注意報信号生成部(22)は、上記コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)の駆動を完全に停止しなくてもよいような異常が上記異常検出部(24)で検出された場合に、注意報信号を生成するように構成されている。
【0041】
なお、詳しくは後述するように、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記注意報信号生成部(22)で注意報信号が生成されると、コンバータ回路(2)内のスイッチング素子の動作をリセットして、再動作させるリトライ動作を行うよう構成されている。ただし、このリトライ動作も、後述するように異常信号が出力されている間は、中止される。
【0042】
上記異常信号生成部(23)は、上記コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)の駆動を一旦、完全に停止する必要のある異常が上記異常検出部(24)で検出された場合、異常信号を生成するように構成されている。
【0043】
また、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記インバータ用マイコン(30)に対して複数のポートを介して接続されていて、上記注意報信号生成部(22)や異常信号生成部(23)で信号が生成されると、それぞれの信号専用のポートを介して上記インバータ用マイコン(30)に信号を送信するように構成されている。さらに、上記コンバータ用マイコン(20)は、上記インバータ用マイコン(30)に対して、専用のポートを介してコンバータ回路(2)からの出力波形の状態を示す波形出力状態信号を送信するとともに、上記インバータ用マイコン(30)から専用のポートを介して運転許可信号(コンバータ回路(2)の駆動の可否に関する信号)を受信するように構成されている。
【0044】
上記インバータ用マイコン(30)は、上記抵抗(9,9)間の電圧を検出する電圧センサ(図示省略)の出力及び上記シャント抵抗(10b)での電流センサ(図示省略)の出力、上記コンバータ用マイコン(20)から送信された波形出力状態信号等に基づいて上記インバータ回路(3)のスイッチング素子を駆動制御するように構成されている。すなわち、上記インバータ用マイコン(30)は、電圧及び電流の検出値等に基づいてスイッチング素子の駆動信号を生成する駆動信号生成部(31)を備えている。
【0045】
また、上記インバータ用マイコン(30)は、上記インバータ回路(3)内で異常が発生した場合に、異常信号を生成する異常信号生成部(32)を備えている。この異常信号生成部(32)は、例えば、インバータ回路(3)内のスイッチング素子の異常や、上記過電流検出手段(14)によって過電流が検出された場合などに、異常信号を生成するように構成されている。なお、上記インバータ回路(3)は、異常が発生した場合にはすぐに駆動を停止するため、上記インバータ用マイコン(30)には、上述のコンバータ用マイコン(20)のような注意報信号生成部(22)は存在しない。
【0046】
さらに、上記インバータ用マイコン(30)には、上記コンバータ用マイコン(20)から送信される注意報信号または異常信号に基づいて異常フラグまたは注意報フラグを生成するフラグ生成部(33)と、該注意報信号または異常信号に基づいて異常コードまたは注意報コードを生成するコード生成部(34)と、該コード生成部(34)によって生成された異常コードに基づいて待機要求信号を生成する待機要求信号生成部(35)を備えている。
【0047】
具体的には、上記フラグ生成部(33)は、上記コンバータ用マイコン(20)から異常信号が送信された場合には異常フラグを1にする一方、該コンバータ用マイコン(20)から注意報信号が送信された場合には注意報フラグを1にするように構成されている。また、上記コード生成部(34)は、上記コンバータ用マイコン(20)から異常信号が送信された場合に異常コードに対応する信号を生成する一方、該コンバータ用マイコン(20)から注意報信号が送信された場合に注意報コードに対応する信号を生成するように構成されている。また、上記待機要求信号生成部(35)では、上記コード生成部(34)によって異常コードに対応する信号が生成された場合にのみ、待機要求信号を生成するように構成されている。
【0048】
また、上記インバータ用マイコン(30)は、制御マイコン(40)に対して相互通信可能に構成されていて、上記各コード及び各フラグに対応する信号や、待機要求信号を該制御マイコン(40)に送信可能に構成されている。さらに、上記インバータ用マイコン(30)は、上記制御マイコン(40)が待機要求信号を受け取った場合に該制御マイコン(40)から出力される異常受信完了信号を受信したり、該制御マイコン(40)からの運転停止信号などの運転制御信号を受信したりできるように構成されている。なお、上記インバータ用マイコン(30)と制御マイコン(40)との間は、シリアル通信またはパラレル通信によって信号の授受可能に接続されている。
【0049】
上記制御マイコン(40)は、電力変換装置(1)の運転制御を行うためのものであり、上記インバータ用マイコン(30)に対して、コンバータ回路(2)やインバータ回路(3)の駆動を制御するための運転制御信号を出力するように構成されている。また、上述のとおり、上記制御マイコン(40)は、上記インバータ用マイコン(30)から注意報信号や異常信号に対応するコード及びフラグの信号、待機要求信号などを受信した場合に、異常受信完了信号を出力するとともに、待機要求信号を受信した場合に運転停止信号を出力するように構成されている。
【0050】
なお、上記インバータ用マイコン(30)では、上記コンバータ用マイコン(20)から注意報信号や異常信号を受信すると、それらの信号とともに運転状態などの情報も履歴として記憶するように構成されている。また、上記制御マイコン(40)では、上記インバータ用マイコン(30)から各フラグやコードに対応する信号を受信すると、それらを履歴として記憶するように構成されている。これらの構成により、作業者が異常原因を特定する際には、上記インバータ用マイコン(30)や制御マイコン(40)に記憶されている履歴情報を利用することが可能となる。
【0051】
〈リトライ制御部などの構成〉
上記コンバータ用マイコン(20)は、コンバータ回路(2)内で上述のような注意報信号に相当する異常が発生した場合に、該コンバータ回路(2)内のスイッチング素子に対してON−OFF動作(リトライ動作)を行わせる、リトライ制御部(25)を備えている。このリトライ制御部(25)は、上記異常検出部(24)で注意報信号に相当する異常が検出された場合に、スイッチング素子を一旦、OFF状態にして、その後、所定間隔でON−OFF動作を繰り返し行わせるように構成されている。なお、このように、スイッチング素子をOFF状態にしている間は、該スイッチング素子に対して並列に設けられたダイオードに電流が流れて高調波が発生するため、スイッチング素子にON動作を行わせる上記所定間隔は、高調波の発生があまり問題とならないような間隔に設定される。
【0052】
また、上記コンバータ用マイコン(20)は、コンバータ回路(2)の出力側の電流センサ及び電圧センサ(図示省略)から送信される信号を受信し、該コンバータ回路(2)の出力側の電流値及び電圧値をコンバータ回路(2)の出力として検出する出力検出部(26)と、該出力検出部(26)で検出された出力(電流値、電圧値)とマイコン(20)側で予測していた所望の出力とが一致するかどうかを判定する出力判定部(27)とを備えている。
【0053】
上記出力判定部(27)は、上述のような出力値の一致の判定を行うとともに、上記出力検出部(26)で検出された出力と上記所望の出力とが一致している時間が所定時間以上、継続しているかどうかの判定も行うように構成されている。ここで、上記出力判定部(27)で出力が一致していると判定される場合には、コンバータ回路(2)が正常に動作している状態であるため、その一致している時間が所定時間以上、継続している場合には、該コンバータ回路(2)の異常要因が解消されたと判断される。なお、この所定時間は、上記コンバータ回路(2)の出力に基づいて該回路(2)の異常要因が解消されたと判断できるような時間に設定される。
【0054】
上記リトライ制御部(25)は、上記出力判定部(27)でコンバータ回路(2)の出力が予測していた出力と所定時間以上、継続して一致していると判定された場合には、リトライ動作を中止するように構成されている。換言すれば、上記リトライ制御部(25)は、上記出力判定部(27)でコンバータ回路(2)の出力が予測していた出力と所定時間以上、継続して一致していなければ、該所定時間以上、継続して一致するまでリトライ動作を継続するように構成されている。
【0055】
−運転動作−
以下で、コンバータ回路(2)内で異常が発生した時のコンバータ用マイコン(20)及びインバータ用マイコン(30)の動作について説明する。まず、各マイコン(20,30)における注意報信号や異常信号の処理について先に説明し、その後、本発明の特徴部分である上記コンバータ用マイコン(20)のリトライ動作について説明する。
【0056】
〈異常発生時のインバータ用マイコンの動作〉
(注意報信号相当の異常発生時の処理)
図2は、上述のような構成の電力変換装置(1)において、コンバータ回路(2)で注意報信号に相当する異常が発生した場合の上記インバータ用マイコン(30)における処理の様子をタイムチャートで模式的に示した図である。
【0057】
上記図2に示すように、t1で上記コンバータ回路(2)内で注意報信号に相当する異常が発生する(図において注意報要因あり)と、上記コンバータ用マイコン(20)の注意報信号生成部(22)で注意報信号が生成されて、専用のポートを介して上記インバータ用マイコン(30)に出力される。そうすると、該インバータ用マイコン(30)では、フラグ生成部(33)によって注意報フラグが1に変更され、コード生成部(34)によって注意報コードに対応する信号が生成されて上記制御マイコン(40)に送信される。
【0058】
上記制御マイコン(40)側では、これらの注意報コードや注意報フラグを受信すると、異常受信完了信号を上記インバータ用マイコン(30)に対して送信する。該インバータ用マイコン(30)では異常受信完了信号を受信した場合には、異常受信完了のフラグを1にして再びゼロに戻す。
【0059】
なお、上記インバータ用マイコン(30)は、上記異常受信完了信号を受信した場合でも、上記コンバータ回路(2)内で注意報に相当する要因がなくなるまで(t2で注意報信号を受信しなくなるまで)、注意報フラグや注意報コードはクリアしないように構成されている。
【0060】
〈異常信号相当の異常発生時の処理〉
図3は、上記コンバータ回路(2)において、異常信号に相当する異常が発生した場合の上記インバータ用マイコン(30)における処理の様子をタイムチャートで模式的に示した図である。
【0061】
上記図3に示すように、t1で上記コンバータ回路(2)で異常信号に相当する異常が発生した場合には、コンバータ用マイコン(20)の異常信号生成部(23)で異常信号が生成され、該異常信号が専用のポートを介してインバータ用マイコン(30)に送信される。そして、該インバータ用マイコン(30)のフラグ生成部(33)によって異常フラグが1に変更され、コード生成部(34)によって異常コードに対応する信号が生成される。これに対応して、待機要求信号生成部(35)で待機要求信号が生成され、これらのフラグ及びコードに対応する信号や待機要求信号が上記制御マイコン(40)に送信される。これにより、該制御マイコン(40)からインバータ用マイコン(30)に対して、運転停止信号が送信されて、コンバータ回路(2)インバータ回路(3)での駆動が停止される。なお、t2で異常要因がなくなると、上記フラグ生成部(33)で異常フラグがゼロに変更されるとともに、上記コード生成部(34)で異常コードに対応する信号の生成が停止され、待機要求信号生成部(35)での待機要求信号の生成も停止される。
【0062】
−リトライ動作−
図4は、コンバータ回路(2)内で異常が発生し、上記注意報信号が生成された場合のコンバータ用マイコン(20)内でのリトライ動作をタイムチャートで模式的に示した図である。
【0063】
上記図4に示すように、T1で上記コンバータ回路(2)内で注意報信号相当の異常が発生すると、上記異常検出部(24)で異常を検出し、異常コードありの状態となる。そして、注意報信号生成部(22)で注意報信号が生成される(図において注意報出力がHIGHの状態)。なお、上記異常コードは、異常の発生を表示するためのものであり、一時的に異常コードありの状態になった後、一定時間が経過すれば異常コードなしの状態に戻る。
【0064】
上述のように、上記異常検出部(24)で異常が検出されると、リトライ制御部(25)でリトライ動作が開始される。具体的には上記コンバータ回路(2)内のスイッチング素子を一旦、OFF状態にするために、上記リトライ制御部(25)から駆動信号生成部(21)に対してスイッチング素子をOFF状態にするための信号が出力される。
【0065】
その後、上記スイッチング素子がOFFになってから所定間隔を空けて、T2で上記リトライ制御部(25)から駆動信号生成部(21)に対してスイッチング素子をONにするための信号が出力される。そして、上記スイッチング素子を動作させている間、出力検出部(25)でコンバータ回路(2)の出力側の電流値や電圧値を検出し、出力判定部(26)で上記コンバータ回路(2)の出力がスイッチング素子の動作で期待される所望の出力と一致していて、その一致している期間が所定時間(図4の例では30sec)、継続しているかどうかの判定が行われる。上記図4の例では、上記出力判定部(26)で出力の一致が所定時間以上、継続していないと判定され、T3で上記リトライ制御部(25)から駆動信号生成部(21)に対してスイッチング素子をOFF状態にするための信号が出力される。
【0066】
上記T2、T3におけるリトライ動作は、上記出力判定部(26)でコンバータ回路(2)の出力がスイッチング素子の動作によって期待される所望の出力に所定時間、継続して一致していると判定されるまで、繰り返し行われる(上記図4の例では、T4、T6で上記T2と同様の動作が、T5で上記T3と同様の動作が行われる)。なお、上記図4の例では、T3及びT5において、コンバータ回路(2)に別の異常が発生していて、そのタイミングでスイッチング素子がOFFになるように制御されている。
【0067】
このように、スイッチング素子のリトライ動作を繰り返し行って、上記出力判定部(26)でコンバータ回路(2)の出力が上記所望の出力に所定時間、継続して一致していると判定される(図4においてT7)と、上記コンバータ回路(2)内の異常要因が解消され、正常な状態に戻ったと判断し、上記リトライ制御部(25)によるリトライ動作を中止して、通常の運転動作(要求される出力波形となるような動作制御)に戻る。また、上記注意報信号生成部(22)による注意報信号の生成も中止する(図において注意報出力がLOWの状態)。
【0068】
−実施形態の効果−
以上より、この実施形態によれば、複数のスイッチング素子を有するコンバータ回路(2)には、該各スイッチング素子に対して並列にダイオードが設けられており、該コンバータ回路(2)を駆動制御するコンバータ用マイコン(20)は、上記コンバータ回路(2)が駆動を停止しなくてもよい程度の異常が発生した場合に、上記スイッチング素子のリトライ動作を行うリトライ制御部(25)を備えているため、上記コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)の駆動を停止することなく、スイッチング素子のリトライ動作を行うことが可能になる。そのため、上述の構成により、上記コンバータ回路(2)内で軽微な異常が発生しても、該コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)の駆動を停止することなく、異常要因を自己で解消して、通常運転動作に戻ることが可能となる。したがって、上記コンバータ回路(2)内の軽微な異常の発生に伴う電力変換装置(1)の停止によってユーザーに不快な思いをさせるのを防止することができる。
【0069】
また、上記リトライ制御部(25)によるリトライ動作は、スイッチング素子がOFF状態になってから高調波発生の影響が小さい所定間隔で行われるため、該スイッチング素子がOFF状態でダイオードに電流が流れている間の高調波の発生をできるだけ抑制することができ、リトライ動作中における高調波の影響をできるだけ低減することができる。
【0070】
さらに、上記リトライ制御部(25)は、リトライ動作中のコンバータ回路(2)からの出力が、スイッチング素子を動作させたときに期待される所望の出力と所定時間以上、継続して一致している場合に、該リトライ動作を停止して通常運転動作に戻るように構成されているため、上記コンバータ回路(2)の異常要因が解消されたことを確実且つ迅速に検出して、迅速に通常運転動作に戻ることができる。したがって、上述の構成により、上記コンバータ回路(2)をできるだけ効率良く駆動させることができる。
【0071】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0072】
上記実施形態では、コンバータ回路(2)及びインバータ回路(3)を構成するスイッチング素子としてIGBTを用いているが、この限りではなく、例えばMOS−FETなど、他の構成のスイッチング素子であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、電力変換装置(1)は、コンバータ回路(2)内で発生する異常を2段階に分けて、注意報信号または異常信号を出力するように構成されているが、この限りではなく、3段階以上に分けて信号出力するようにしてもよい。この場合でも、コンバータ回路(2)が駆動可能なときに、本発明のようなリトライ動作を行うようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上説明したように、本発明は、複数のスイッチング素子を有するコンバータ回路を備えた電力変換装置に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す回路図である。
【図2】コンバータ用マイコンから注意報信号が出力された場合のインバータ用マイコンにおける処理を示すタイムチャートである。
【図3】コンバータ用マイコンから異常信号が出力された場合のインバータ用マイコンにおける処理を示すタイムチャートである。
【図4】コンバータ用マイコン内でのリトライ動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 電力変換装置
2 コンバータ回路
3 インバータ回路
4 コンデンサ回路
5 商用電源(交流電源)
6 電動機
7 リアクトル
8 DCCT
9 抵抗
10a、10b シャント抵抗
11 ゼロクロス検出回路
12 過電圧検出手段
13 過電流検出手段
14 過電流検出手段
20 コンバータ用マイコン(コンバータ制御手段)
21 駆動信号生成部
22 注意報信号生成部
23 異常信号生成部
24 異常検出部
25 リトライ制御部
26 出力検出部
27 出力判定部
30 インバータ用マイコン
31 駆動信号生成部
32 異常信号生成部
33 フラグ生成部
34 コード生成部
35 待機要求信号生成部
40 制御マイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源(5)に接続され、交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路(2)を備えた電力変換装置であって、
上記コンバータ回路(2)は、複数のスイッチング素子と、該各スイッチング素子に並列に接続されたダイオードとを有しており、
上記コンバータ回路(2)の動作制御を行うコンバータ制御手段(20)を備えていて、
上記コンバータ制御手段(20)は、
上記コンバータ回路(2)において該回路(2)の駆動停止を伴わないような異常を検出可能に構成された異常検出部(24)と、
上記異常検出部(24)によって上記異常が検出された場合に、上記スイッチング素子にON−OFF動作させてリトライ動作を行うリトライ制御部(25)と、を備えていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記リトライ制御部(25)は、上記異常検出部(24)によって上記異常が検出された場合に、上記スイッチング素子を一旦、OFF状態にした後、所定間隔で上記スイッチング素子をON−OFF動作させることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記コンバータ制御手段(20)は、
上記コンバータ回路(2)の出力を検出する出力検出部(26)と、
上記出力検出部(26)によって検出される出力が所定時間、継続して所望の出力と一致するかどうかを判定する出力判定部(27)と、をさらに備え、
上記リトライ制御部(25)は、上記出力判定部(27)によって、所定時間以上、継続して上記コンバータ回路(2)の出力が所望の出力に一致していると判定された場合に、上記リトライ動作を停止して通常運転動作に戻すように構成されていることを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−247063(P2009−247063A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88504(P2008−88504)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】