説明

電圧発生回路

【課題】微小電圧で、且つ任意の供給電流を設定することができ、負荷の電圧遷移を高速に行うことが可能である、安定した微小電圧を発生する電圧発生回路の提供を目的とする。
【解決手段】演算増幅器11と、第1のPMOSトランジスタ12と、第1の抵抗13とからなる定電流回路と、第2のPMOSトランジスタ21と、第1のNMOSトランジスタ22と、第2の抵抗23と、第3のPMOSトランジスタ24と、第2のNMOSトランジスタ25と、第3の抵抗26と、出力端子27とからなるカレントミラー回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の定電圧発生回路に係り、詳しくは、電源電位に対して微小の電位となる小電圧を発生する電圧発生回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置内部で一定電圧を発生する従来の定電圧発生回路を図4に示す。図4において、第1及び第2の演算増幅器30、31の反転入力端子には、第1及び第2の基準電位がそれぞれ入力され、非反転入力端子は互いに接続された状態で抵抗34の中間タップPに接続されている。PMOSトランジスタ32のソースは電源Vccに、ゲートは第1の演算増幅器の出力端子に接続されている。NMOSトランジスタ33のドレインはPMOSトランジスタのドレインに、ゲートは第2の演算増幅器の出力端子に、ソースは接地に接続されている。NMOSトランジスタ33のドレインと接地間に抵抗34が接続され、出力端子35が同様に、NMOSトランジスタ33のドレインに接続されている。
【0003】
第1及び第2の演算増幅器30、31は、出力端子35の電圧が抵抗34の中間タップPで分圧された電圧値を、第1及び第2の基準電位とそれぞれ比較する。またその比較値に応じてPMOSトランジスタ32およびNMOSトランジスタ33を制御し、所望の電圧を出力端子34に出力する。ところが、電源電圧に比べて微小な電圧を発生させる場合、電源電圧と出力電圧の差がわずかであるため、出力を上昇させる系と下降させる系の動作範囲が大幅に異なる。そのため、増幅率のバランスが極端に異なることとなり、出力レベルは振動し易く、短時間に安定させることが困難であった。
【0004】
また特許文献1には、電源電位から微小電圧だけ小さい基準出力電圧を作り出すことができる基準電圧発生回路について記載されている。特許文献1の図1に示されるように、この基準電圧発生回路は、定電流源として第1定電流Iを発生させるため、自己のゲートGとソースSとが飽和結線されたデプレッション型nチャネルMOSトランジスタM3を用いている。ところで、半導体集積回路におけるMOSトランジスタの電流特性は、加工バラツキ及び温度による影響を受けやすいという問題があった。
【特許文献1】特開2000−112548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、微小電圧で、且つ任意の供給電流を設定することができ、負荷の電圧遷移を高速に行うことが可能となる、安定した微小電圧を発生する電圧発生回路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電圧発生回路は、反転入力端子に基準電位が入力された演算増幅器と、演算増幅器の非反転入力端子と出力端子にドレインとゲートがそれぞれ接続され、ソースが電源に接続された第1のPMOSトランジスタと、第1のPMOSトランジスタのドレインと接地間に接続された第1の抵抗とからなる定電流回路と、ソースが電源に、ゲートが第1のPMOSトランジスタのゲートに接続された第2のPMOSトランジスタと、ドレインとゲートが接続された状態で、第2のPMOSトランジスタのドレインに接続された第1のNMOSトランジスタと、第1のNMOSトランジスタのソースと接地間に接続された第2の抵抗と、ソースが電源に、ゲートがドレインに接続された第3のPMOSトランジスタと、第3のPMOSトランジスタのドレインにドレインが、第1のNMOSトランジスタのゲートにゲートが接続された第2のNMOSトランジスタと、第2のNMOSトランジスタのソースと接地間に接続された第3の抵抗と、第2のNMOSトランジスタのソースに接続された出力端子とからなるカレントミラー回路とを有すること特徴とする。
【0007】
本発明の電圧発生回路の第1乃至第3の抵抗が、ポリシリコン又は拡散層又は前記ポリシリコン及び拡散層の組み合わせにより形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明の電圧発生回路の基準電位が、バンドギャプレファレンスにより生成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の電圧発生回路は、行線と列線とに接続された浮遊ゲート型電界効果トランジスタのメモリセルをマトリクス状に配置したメモリアレイが、前記メモリセルの制御ゲートを駆動するロウデコーダ回路を備え、浮遊ゲート型電界効果トランジスタは、半導体基板のN型ウエル内に設けられたP型ウエル内に形成されたソース及びドレインと、前記ソース及びドレイン間上に絶縁膜を介して形成された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲート上に絶縁膜を介して形成された制御ゲートとを含み、ロウデコーダ回路の負側電源に出力端が接続されることを特徴とする。
【0010】
本発明の電圧発生回路は、反転入力端子に基準電位が入力された演算増幅器と、演算増幅器の非反転入力端子と出力端子にドレインとゲートがそれぞれ接続され、ソースが電源に接続された第1のPMOSトランジスタと、第1のPMOSトランジスタのドレインと接地間に接続された第1の抵抗とからなる定電流回路と、ソースが電源に、ゲートが第1のPMOSトランジスタのゲートに接続された第4のPMOSトランジスタと、ドレインとゲートが接続された状態で、第4のPMOSトランジスタのドレインに接続され、ソースが接地に接続された第3のNMOSトランジスタとからなるレベルシフト回路と、ソースが接地に接続され、ゲートが第3のNMOSトランジスタのゲートに接続された第1´のNMOSトランジスタと、ドレインとゲートが接続された状態で、第1´のNMOSトランジスタのドレインに接続された第2´のPMOSトランジスタと、第2´のPMOSトランジスタのソースと電源間に接続された第2´の抵抗と、ソースが接地に接続され、ドレインとゲートが接続された第2´のNMOSトランジスタと、ドレインが第2´のNMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが第2´のPMOSトランジスタのゲートに接続された第3´のPMOSトランジスタと、第3´のPMOSトランジスタのソースと電源間に接続された第3´の抵抗と、第3´のPMOSトランジスタのソースに接続された出力端子とからなるカレントミラー回路と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の電圧発生回路の第2´及び第3´の抵抗が、ポリシリコン又は拡散層又はポリシリコン及び拡散層の組み合わせにより形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電圧発生回路によれば、微小電圧で、且つ任意の供給電流を設定することができるため、負荷の電圧遷移を高速に行うことが可能となる。また定電流を設定する定電流回路の抵抗は、トランジスタタイプの素子に比べてプロセスバラツキが少なく、抵抗の温度依存性も小さいため、安定した微小電圧を発生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による電圧発生回路の実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本発明による電圧発生回路(1)の回路図である。図1において、電圧発生回路(1)100は、定電流回路10とカレントミラー回路20とで構成されている。定電流回路10は、反転入力端子に基準電位が入力された演算増幅器11と、演算増幅器11の非反転入力端子と出力端子にドレインとゲートがそれぞれ接続され、ソースが電源に接続された第1のPMOSトランジスタ12と、第1のPMOSトランジスタ12のドレインと接地間に接続された第1の抵抗13とからなる。
【0014】
カレントミラー回路20は、ソースが電源に、ゲートが第1のPMOSトランジスタ12のゲートに接続された第2のPMOSトランジスタ21と、ドレインとゲートが接続された状態で、第2のPMOSトランジスタ21のドレインに接続された第1のNMOSトランジスタ22と、第1のNMOSトランジスタ22のソースと接地間に接続された第2の抵抗23と、ソースが電源に、ゲートがドレインに接続された第3のPMOSトランジスタ24と、第3のPMOSトランジスタ24のドレインにドレインが、第1のNMOSトランジスタ22のゲートにゲートが接続された第2のNMOSトランジスタ25と、第2のNMOSトランジスタ25のソースと接地間に接続された第3の抵抗26と、第2のNMOSトランジスタ25のソースに接続された出力端子27とからなる。
【0015】
演算増幅器11は、反転入力端子に基準電位VREFが印加されると、第1のPMOSトランジスタ12のソースの電位を常に基準電位VREFに保つように動作する。第1の抵抗13の抵抗値をR1とすると、第1の抵抗13に流れる電流I1は、I1=VREF/R1となる。第1のPMOSトランジスタ12と第1の抵抗13とは、ソースフォロアーを形成しているため、第1のPMOSトランジスタ12は、電流I1を維持するように動作する。
【0016】
例えば第1のPMOSトランジスタ12と第2のPMOSトランジスタ21のゲート幅と長さの比(W/L)を同一にすると、互いのゲートには演算増幅器11の出力電圧が印加されているため、第2の抵抗23に流れる電流I2は、第1の抵抗13に流れる電流I1と同じI1=I2となる。したがって、第2の抵抗23に抵抗値をR2、接地に対する端子電圧をV2とすると、V2=I2×R2=(R2/R1)×VREFとなる。
【0017】
第3のPMOSトランジスタ24と第2のNMOSトランジスタ25のW/Lを、それぞれ第2のPMOSトランジスタ21と第1のNMOSトランジスタ22のW/Lのn倍に設定すると、カレントミラー動作により、第3の抵抗26に流れる電流I3は、I3=n×I2となる。第3の抵抗26の抵抗値R3を、第2の抵抗23の抵抗値R2の1/nに設定すると、第3の抵抗26の接地に対する端子電圧V3は、V3=I3×R3=n×I2×R2/n=I2×R2=V2となる。
【0018】
したがって、1.0V以下の微小な定電圧を得たい場合は、基準電位VREFをバンドギャップレファレンス回路により発生させると、電源電圧の変動や温度の変動に係らず、ほぼ一定の電圧(〜1.25V)を得ることができるため、第2の抵抗23の抵抗値R2を適宜設定することにより、1.0V以下の任意の微小な定電圧を得ることが可能となる。
【0019】
また、接地電圧より負荷を微小電圧遷移させる場合、負荷を駆動する第2のNMOSトランジスタ25がソースフォロアであるため、高速に負荷を充電することができる。さらに大きな駆動能力を設定したい場合は、第1のPMOSトランジスタ12が維持する電流I1を基に、第2のPMOSトランジスタ21のW/Lに対し第3のPMOSトランジスタ24と第2のNMOSトランジスタ25のW/Lをn倍に設定し、第2の抵抗23の抵抗値R2に対し、第3の抵抗26の抵抗値R3を1/nに設定することにより、大容量負荷に対しn倍の駆動能力を設定することが可能となる。
【0020】
第1のPMOSトランジスタ12、第1のNMOSトランジスタ22、及び第2のNMOSトランジスタ25にそれぞれ接続される第1の抵抗13、第2の抵抗23、及び第3の抵抗26は、ポリシリコン、又は拡散層、又はポリシリコンと拡散層の組み合わせにより形成されるため、トランジスタタイプの素子に比べてプロセスバラツキが少なく、また抵抗の温度依存性も小さいため、安定した微小電圧、且つ大電流を発生することが可能となる。
【0021】
図2は、公知であるバンドギャップレファレンス回路の回路例である。演算増幅器OPの出力端と非反転入力端子間に抵抗R1が、出力端と反転入力端子間にR2が接続されている。また非反転入力端子と接地間には、正極を非反転入力側にしてダイオードD1が接続され、反転入力端子と接地間には、ダイオードD2の負極側を接地側にして、抵抗R3とダイオードD2が直列接続されて接続されている。ダイオードD1、D2のサイズ及び抵抗R1、R2、R3を適宜設定することにより、電圧変動、温度変動に係らず一定の電圧レベル(〜1.25V)を、出力端から得ることができる。
【0022】
図3は、NOR型フラッシュメモリ装置の構成を示すブロック図である。図3において、コントローラは、コマンドインターフェースでデコードされたコマンドに基づいてデータの書き込み、読み出し、消去等のシーケンス制御を行う。データの書き込み及び消去には、電源電圧を昇圧した昇圧電圧が用いられる。このため、コントローラにより動作モードに応じて制御される内部電源制御回路が設けられている。内部電源制御回路の出力は、ロウデコーダやカラムデコーダを介して行線や列線に供給される。
【0023】
メモリアレイは、行線と列線とに接続された浮遊ゲート型電界効果トランジスタのメモリセルをマトリクス状に配置されて構成され、メモリセルの制御ゲートを駆動するロウデコーダ回路を備えている。浮遊ゲート型電界効果トランジスタは、半導体基板のN型ウエル内に設けられたP型ウエル内に形成されたソース及びドレインと、ソース及びドレイン間上に絶縁膜を介して形成された浮遊ゲートと、浮遊ゲート上に絶縁膜を介して形成された制御ゲートとを含む。
【0024】
従来から、フラッシュメモリは周知であり、従来に於ける当該フラッシュメモリにおける消去方法である例えば基板消去方法では、ゲートVgを負電圧(例えば−9V)、ソースVsとドレインVdをオープン状態、基板Vbを正電圧(例えば5V〜9V)として、浮遊ゲートに蓄積された電子を基板に放出し、消去が行われる。
【0025】
このとき、セルアレイの浮遊ゲート内の電子の抜け方は均一ではないため、一部メモリセルの閾値(Vt)は、許容するVt分布よりも低いVtとなってしまう。メモリアレイ中にVtが低くなったメモリセルがあると、行線電圧が0V、つまり非選択状態でも列線に電流が流れ始める。このため、選択したメモリセルの情報をセンスアンプで読み出すことが不可能となってしまう。メモリアレイのメモリセルのVt分布がこのように低くなったかどうかを判定する方法として、メモリセルの行線を全非選択とし、かつ、非選択行線の電位となるロウデコーダの負側電源電圧を0.2〜0.3Vに浮かした状態で、メモリアレイの列線に流れる電流をセンスアンプでチェックすることができる。したがって本発明の電圧発生回路を内部電源制御回路内に設け、コントローラにより制御することにより、消去時のメモリアレイのVt状態をチェックすることが可能となる。
【0026】
図5は、本発明による電圧発生回路(2)の回路図である。図5において、電圧発生回路(2)200は、定電流回路10とレベルシフト回路40とカレントミラー回路30とで構成されている。定電流回路10は、図1の電圧発生回路(1)100の定電流回路10と同一の回路である。
【0027】
レベルシフト回路40は、ソースが電源に、ゲートが第1のPMOSトランジスタ12のゲートに接続された第4のPMOSトランジスタ28と、ドレインとゲートが接続された状態で、第4のPMOSトランジスタ28のドレインに接続され、ソースが接地に接続された第3のNMOSトランジスタ29とからなる。
【0028】
カレントミラー回路30は、ソースが接地に接続され、ゲートが第3のNMOSトランジスタ29のゲートに接続された第1´のNMOSトランジスタ22´と、ドレインとゲートが接続された状態で、第1´のNMOSトランジスタ22´のドレインに接続された第2´のPMOSトランジスタ21´と、第2´のPMOSトランジスタ21´のソースと電源間に接続された第2´の抵抗23´と、ソースが接地に接続され、ドレインとゲートが接続された第2´のNMOSトランジスタ25´と、ドレインが第2´のNMOSトランジスタ25´のドレインに接続され、ゲートが第2´のPMOSトランジスタ21´のゲートに接続された第3´のPMOSトランジスタ24´と、第3´のPMOSトランジスタ24´のソースと電源間に接続された第3´の抵抗26´と、第3´のPMOSトランジスタ24´のソースに接続された出力端子27´とからなる。
【0029】
図5において、定電流回路10は、図1の電圧発生回路(1)100の定電流回路10と同様、所定の電流I1´を維持するように動作し、第1のPMOSトランジスタ12のゲート電圧Vgp1がレベルシフト回路40の第4のPMOSトランジスタ28のゲートに入力される。第1のPMOSトランジスタ12と第4のPMOSトランジスタ28のW/Lを等しくし、かつ、I1´の電流が流せるよう第3のNMOSトランジスタ29のW/Lを設定することにより、Vgp1は、NMOSトランジスタを駆動できるゲート電圧Vgn3に変換される。
【0030】
このVgn3が、カレントミラー回路30の第1´のNMOSトランジスタ22´のゲートに入力される。第1´のNMOSトランジスタ22´のW/Lを第3のNMOSトランジスタ29に等しくすることにより、第1´のNMOSトランジスタ22´に流れる電流I2´は、I1´と等しくなる。第3´のPMOSトランジスタ24´と第2´のNMOSトランジスタ25´のW/Lを、それぞれ第2´のPMOSトランジスタ21´と第1´NMOSトランジスタ22´のW/Lのn倍に設定すると、カレントミラー動作により、第3´の抵抗26´に流れる電流I3´は、I3´=n×I2´となる。第3´の抵抗26´の抵抗値R3´を、第2´の抵抗23´の抵抗値R2´の1/nに設定し、第2´の抵抗23´の電源に対する端子電圧をV2´とすると、第3´の抵抗26´の電源に対する端子電圧V3´は、V3´=I3´×R3´=n×I2´×R2´/n=I2´×R2´=V2´となる。
【0031】
したがって、1.0V以下の微小な定電圧を得たい場合は、基準電位VREFをバンドギャップレファレンス回路により発生させると、電源電圧の変動や温度の変動に係らず、ほぼ一定の電圧(〜1.25V)を得ることができるため、第2´の抵抗23´の抵抗値R2´を適宜設定することにより、電源電圧に対し1.0V以下の任意の微小な定電圧を得ることが可能となる。
【0032】
また、電源電圧より負荷を微小電圧遷移させる場合、負荷を駆動する第3´のPMOSトランジスタ26´がソースフォロアであるため、高速に負荷を充電することができる。さらに大きな駆動能力を設定したい場合は、第1のPMOSトランジスタ12が維持する電流I1´を基に、第2´のPMOSトランジスタ21´と第1´のNMOSトランジスタ22´のW/Lに対し、それぞれ第3´のPMOSトランジスタ24´と第2´のNMOSトランジスタ25´のW/Lをn倍に設定し、第2の抵抗23´の抵抗値R2に対し、第3の抵抗26´の抵抗値R3を1/nに設定することにより、大容量負荷に対しn倍の駆動能力を設定することが可能となる。
【0033】
第1のPMOSトランジスタ12、第2´のPMOSトランジスタ21´、及び第3´のPMOSトランジスタ24´にそれぞれ接続される第1の抵抗13、第2´の抵抗23´、及び第3´の抵抗26´は、ポリシリコン、又は拡散層、又はポリシリコンと拡散層の組み合わせにより形成されるため、トランジスタタイプの素子に比べてプロセスバラツキが少なく、また抵抗の温度依存性も小さいため、安定した微小電圧、且つ大電流を発生することが可能となる。
【0034】
以上説明したように、本発明による電圧発生回路によると、微小電圧で、且つ任意の供給電流を設定することができるため、負荷の電圧遷移を高速に行うことが可能となる。また定電流を設定する定電流回路の抵抗は、トランジスタタイプの素子に比べてプロセスバラツキが少なく、また抵抗の温度依存性も小さいため、安定した微小電圧を発生することができる。さらに本発明の電圧発生回路(1)をフラッシュメモリに適用することにより、消去時のメモリアレイのVt状態をチェックすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による電圧発生回路(1)を示す回路図。
【図2】従来のバンドギャップレファレンス回路を示す回路図。
【図3】NOR型フラッシュメモリ装置の構成を示すブロック図。
【図4】従来の定電圧発生回路を示す回路図。
【図5】本発明による電圧発生回路(2)を示す回路図。
【符号の説明】
【0036】
10 定電流回路
11、30、31 演算増幅器
12 第1のPMOSトランジスタ
13 第1の抵抗
20、30 カレントミラー回路
21、21´ 第2、第2´のPMOSトランジスタ
22、22´ 第1、第1´のNMOSトランジスタ
23、23´ 第2、第2´の抵抗
24、24´ 第3、第24´のPMOSトランジスタ
25、25´ 第2、第2´のNMOSトランジスタ
26、26´ 第3、第3´の抵抗
27、27´、35 出力端子
32 PMOSトランジスタ
33 NMOSトランジスタ
34 抵抗
100 電圧発生回路(1)
200 電圧発生回路(2)
R1〜R3 抵抗
D1、D2 ダイオード
OP 演算増幅器
VDD 電源電圧
GND 接地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反転入力端子に基準電位が入力された演算増幅器と、
前記演算増幅器の非反転入力端子と出力端子にドレインとゲートがそれぞれ接続され、ソースが電源に接続された第1のPMOSトランジスタと、
前記第1のPMOSトランジスタのドレインと接地間に接続された第1の抵抗とからなる定電流回路と、
ソースが電源に、ゲートが前記第1のPMOSトランジスタのゲートに接続された第2のPMOSトランジスタと、
ドレインとゲートが接続された状態で、前記第2のPMOSトランジスタのドレインに接続された第1のNMOSトランジスタと、
前記第1のNMOSトランジスタのソースと接地間に接続された第2の抵抗と、
ソースが電源に、ゲートがドレインに接続された第3のPMOSトランジスタと、
前記第3のPMOSトランジスタのドレインにドレインが、前記第1のNMOSトランジスタのゲートにゲートが接続された第2のNMOSトランジスタと、
前記第2のNMOSトランジスタのソースと接地間に接続された第3の抵抗と、
前記第2のNMOSトランジスタのソースに接続された出力端子とからなるカレントミラー回路と、
を有することを特徴とする電圧発生回路。
【請求項2】
前記第1乃至第3の抵抗が、ポリシリコン又は拡散層又は前記ポリシリコン及び拡散層の組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項3】
前記基準電位が、バンドギャプレファレンスにより生成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電圧発生回路。
【請求項4】
行線と列線とに接続された浮遊ゲート型電界効果トランジスタのメモリセルをマトリクス状に配置したメモリアレイが、前記メモリセルの制御ゲートを駆動するロウデコーダ回路を備え、
前記浮遊ゲート型電界効果トランジスタは、半導体基板のN型ウエル内に設けられたP型ウエル内に形成されたソース及びドレインと、前記ソース及びドレイン間上に絶縁膜を介して形成された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲート上に絶縁膜を介して形成された制御ゲートとを含み、
前記ロウデコーダ回路の負側電源に前記出力端が接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電圧発生回路。
【請求項5】
反転入力端子に基準電位が入力された演算増幅器と、
前記演算増幅器の非反転入力端子と出力端子にドレインとゲートがそれぞれ接続され、ソースが電源に接続された第1のPMOSトランジスタと、
前記第1のPMOSトランジスタのドレインと接地間に接続された第1の抵抗とからなる定電流回路と、
ソースが電源に、ゲートが前記第1のPMOSトランジスタのゲートに接続された第4のPMOSトランジスタと、
ドレインとゲートが接続された状態で、前記第4のPMOSトランジスタのドレインに接続され、ソースが接地に接続された第3のNMOSトランジスタとからなるレベルシフト回路と、
ソースが接地に接続され、ゲートが前記第3のNMOSトランジスタのゲートに接続された第1´のNMOSトランジスタと、
ドレインとゲートが接続された状態で、前記第1´のNMOSトランジスタのドレインに接続された第2´のPMOSトランジスタと、
前記第2´のPMOSトランジスタのソースと電源間に接続された第2´の抵抗と、
ソースが接地に接続され、ドレインとゲートが接続された第2´のNMOSトランジスタと、
ドレインが前記第2´のNMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第2´のPMOSトランジスタのゲートに接続された第3´のPMOSトランジスタと、
前記第3´のPMOSトランジスタのソースと電源間に接続された第3´の抵抗と、
前記第3´のPMOSトランジスタのソースに接続された出力端子とからなるカレントミラー回路と、
を有することを特徴とする電圧発生回路。
【請求項6】
請求項5に記載の第1、第2´及び第3´の抵抗が、ポリシリコン又は拡散層又は前記ポリシリコン及び拡散層の組み合わせにより形成されることを特徴とする電圧発生回路。
【請求項7】
請求項5に記載の基準電位が、バンドギャプレファレンスにより生成されることを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の電圧発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−3787(P2008−3787A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171646(P2006−171646)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】