説明

電圧補償装置

【課題】電圧補償装置において、負荷が大容量のコンデンサを有する場合、起動時にバイパススイッチ(第1の開閉器)を閉路したときに、バイパススイッチ(開閉器)を構成する接点にコンデンサを充電する為の大電流が通電されるのを防止する。
【解決手段】負荷起動中はインバータ9を電力系統1から切り離し、負荷2と並列接続させることのできる第2の開閉器8を有し、インバータ9により負荷2にかかる電圧をソフトスタート出力することで、第1の開閉器7の接点への突入電流を抑制し、接点の溶着を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源である電力系統により負荷に供給する電圧が低下したとき、電圧低下分を補償する電圧を生成し、電力系統に加算して出力して負荷側の電圧を所定電圧に維持する電圧補償装置に関するものであり、特に電源電圧印加時に負荷への過大な突入電流を抑制した電圧補償装置に係る。
【背景技術】
【0002】
雷などにより電力系統の電圧が瞬時的に低下し、工場などの生産ライン機器の誤動作や一時運停等により、生産ラインに被害を被ることがある。このような電力系統の瞬時的電圧低下などの電圧変動を監視して、電圧低下を補償するための電圧補償装置として、交流電源に補償回路を直列接続し、この電源電圧を監視する電圧検出部および電源電圧に基づく給電制御を行う制御部と、前記補償回路をバイパスするための機械式の短絡スイッチを補償回路に備え、前記制御部が電源電圧が定常時には短絡スイッチを閉じて補償回路をバイパスし、前記電源電圧が低下時には短絡スイッチを開放することにより、補償回路からの補償電圧出力により電源電圧の低下を補償する技術が示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−287193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電圧補償装置は、短絡スイッチを閉路としたときに、負荷が例えば大容量のコンデンサを有する整流器負荷であった時には、短絡スイッチを構成する接点にコンデンサを充電するための大電流(例えば1000A)の突入電流が通電されることにより、接点の溶着などが発生するという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、負荷側に大容量のコンデンサを有する整流器負荷や、トランスなどを備え、電源電圧印加時に過大な突入電流が流れる負荷が接続されている場合にでも、短絡スイッチの接点に溶着などの支障が発生することのない過大な突入電流を抑制した電圧補償装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、電力系統と負荷との間に設置され、電力系統側A極端子と負荷側A極端子との間に接続される第1の開閉器と、第1の開閉器に並列にインバータと、このインバータに接続されたコンデンサとを備え、電力系統の電圧が所定電圧の場合には、第1の開閉器を介し、電力系統からの入力を直接前記負荷に供給し、電力系統の電圧が低下した場合には、コンデンサの蓄積エネルギに基づいて、インバータで低下電圧分を補償する電圧を生成させて電力系統電圧に加算して、負荷に供給する電圧を所定電圧に維持する電圧補償装置において、
電力系統側のA極端子につながる経路とB極端子につながる経路間には、入力電圧検出回路と、入力電力に基づいて制御電源を生成する制御電源回路と、制御電源回路からの制御電源が供給される制御回路と、制御回路により制御されインバータの入力端と負荷側B極端子間に接続される第2の開閉器と、前記電力系統A極端子と前記インバータの入力端間に接続される第3の開閉器とが設けられており、電力系統からの電力が供給開始されたときに、第1の開閉器を開、及び第3の開閉器の開、第2の開閉器を閉とし、インバータから漸増させた交流電圧を前記負荷に出力するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る電圧補償装置は、電力系統と負荷との間に設置され、電力系統側A極端子と負荷側A極端子との間に接続される第1の開閉器と、第1の開閉器に並列にインバータと、インバータに接続されたコンデンサとを備え、電力系統の電圧が所定電圧の場合には、第1の開閉器を介し、電力系統からの入力を直接前記負荷に供給し、電力系統の電圧が低下した場合には、コンデンサの蓄積エネルギに基づいて、インバータで低下電圧分を補償する電圧を生成させて電力系統電圧に加算して、負荷に供給する電圧を所定電圧に維持するものにおいて、
電力系統側のA極端子につながる経路とB極端子につながる経路間には、入力電圧検出回路と、入力電力に基づいて制御電源を生成する制御電源回路と、制御電源回路からの制御電源が供給される制御回路と、この制御回路により制御されインバータの入力端と負荷側B極端子間に接続される第2の開閉器と、前記電力系統A極端子と前記インバータの入力端間に接続される第3の開閉器とが設けられており、電力系統からの電力が供給開始されたときに、第1の開閉器を開、及び第3の開閉器を開、第2の開閉器を閉とし、インバータから漸増させた交流電圧を負荷に出力するので、電力系統から負荷に直接電力を供給する回路上の第1の開閉器への電流の突入を抑制しているので、開閉器接点の溶着を防止することが可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電圧補償装置を示すブロック図、図2は、電源投入時の動作を示すタイムチャートである。
【0009】
図1において、電圧補償装置100は、電力系統1と負荷2との間に設けられる。負荷2は、整流器2aを介して電源投入時に大電流が流れる大容量の整流器コンデンサ2bを有し、整流器コンデンサ2bには整流器負荷2cが接続されている。
電力系統1は、電源スイッチ1aを介して電圧補償装置100の電源側(電力系統側)A極端子3と電源側(電力系統側)B極端子4に接続され、負荷2は負荷側A極端子5と負荷側B極端子6に接続される。
電源側A極端子3と負荷側A極端子5との間には、第1の開閉器7が接続され、第1の開閉器7に並列に第3の開閉器16とインバータ9と電流検出部10が直列に接続されている。インバータ9にはコンデンサ11が接続されている。電流検出部10はインバータ9に流れる電流を検出する。
【0010】
電源側A極端子3につながる経路と電源側B極端子4につながる経路間には、電力系統1から入力された電圧を検出する入力電圧検出回路12と、電力系統1から入力された電力に基づいて制御電源を生成する制御電源回路13と、電力系統1から入力された電力に基づいてコンデンサ11を充電する充電回路14が接続されている。制御電源回路13は、インバータ9の出力端にも接続されており、電力系統1が電圧低下をおこしたときにも電力供給を受けることができる。
負荷側A極端子5と負荷側B極端子6につながる経路間には出力電圧を検出する出力電圧検出回路15が接続されている。第2の開閉器8は、第3の開閉器16とインバータ9の接続点つまりインバータの入力側と電源側B極端子4と負荷側B極端子6を接続する回路との間に接続されている。
【0011】
制御回路17は、制御電源回路13から制御電源を得て、第1の開閉器7、第2の開閉器8、第3の開閉器16を開閉制御すると共に、充電回路14に働きかけコンデンサ11を充電させる。また、コンデンサ11の両端に接続されたコンデンサ電圧検出回路18によりコンデンサ11の電圧を検出する。
なお、第1の開閉器7、第3の開閉器16は無励磁時開の接点を有している。
【0012】
次に、この発明の実施の形態1における電圧補償装置100の動作を、(1)制御回路起動動作、(2)ソフトスタート出力動作、(3)スルー出力動作、(4)電圧低下補償待機動作の順に説明する。なお、図2(a)〜(d)のタイムチャートによって前記の(1)制御回路起動動作、(2)ソフトスタート出力動作をSTEP1〜STEP6として説明する。
【0013】
(1)制御回路起動動作
STEP1
電源スイッチ1aをオンにすると、制御電源回路13が動作し、制御回路17に制御電源を供給する。
STEP2
制御回路17は起動すると充電回路14を制御し、インバータ9のコンデンサ11を充電する。この時第2の開閉器8は開でも閉でもよい。第1の開閉器7および第3の開閉器16は開としておく。
制御回路17は、コンデンサ電圧検出回路18の検出するコンデンサ11の電圧が所定値(例えば600V)になると、第2の開閉器8が開のときは閉じ、インバータ9を動作させ正弦波電圧を生成し、負荷2へ漸増させた交流電圧を出力するソフトスタート出力に移行する。
【0014】
ここで以下の動作説明では、整流器負荷2cは電源投入時に通常動作前の高インピーダンス状態にあるものとする。つまり、負荷2の整流器コンデンサ2bに充電されたエネルギをほとんど消費しない状態にある。
【0015】
(2)ソフトスタート出力動作
STEP3
インバータ9は周知の方法によりコンデンサ11の直流電圧を交流電圧に変換し出力電圧を0Vから徐々に大きくしていく。
STEP4
これにより整流器2aで直流に整流されコンデンサ2bの充電を開始する。
STEP5
負荷2への充電電流は、コンデンサ11の蓄積エネルギーにより生成されているので、コンデンサ11の電圧は徐々に低下する。
STEP6
ソフトスタート出力により、負荷2の整流器コンデンサ2bは緩やかに充電され、充電の為の大きな突入電流が流れることはない。
【0016】
また、この時、電流検出部10により、負荷2へ流れる電流を監視し、過度の電流が流れないように電圧上昇率を調整することで、より小さな充電電流で充電することも可能である。
コンデンサ11の電圧が所定値(例えば300V)以下に低下したときは、インバータ9の出力を停止し、充電回路14により、コンデンサ11を再度所定値(例えば600V)まで充電し、ソフトスタート出力を再開する。
出力電圧検出回路15の検出電圧が、所定電圧(例えばAC200V)になると、ソフトスタート出力を完了し、以下のインバータ9が0Vを出力するスルー出力動作に移行する。
【0017】
(3)スルー出力動作
ソフトスタート出力完了後は、第2の開閉器8を開き、第3の開閉器16を閉じ、インバータ9を0V出力(以下、スルー出力)する。つまり、電圧補償装置100は、電力系統1の電圧に0Vを加算して出力する状態となる。
負荷2の整流器コンデンサ2bの充電が不十分であるときは、スルー出力により、補充電電流が流れる。この電流を電流検出部10の出力で監視し、インバータ9の電流耐量に対応した値(例えば100A)を超えたときは、インバータ9をオフし、電流検出部10の出力が所定値(例えば25A)を下回ったときは、インバータ9を再度スルー出力し補充電を再開する。
【0018】
インバータ9のオフ、スルー出力の間欠動作により、負荷2の整流器コンデンサ2bは補充電され、やがて充電電流は低下する。
電流検出部10の出力が第1の開閉器7の電流耐量に対応した値(例えば20A)を下回るとスルー出力を完了し、以下の電圧低下補償待機動作に移行する。
【0019】
(4)電圧低下補償待機動作
スルー出力完了後は、第1の開閉器7を閉じ、充電回路14を動作させ、コンデンサ11の電圧が所定値(例えば600V)になるまでコンデンサ11を充電した後、入力電圧検出回路12により、電力系統1からの入力電圧の電圧低下検出を開始する。
以後はコンデンサ11の電圧を所定の範囲(例えば500V〜600V)になるように、充電回路14を制御する。
【0020】
電力系統1からの入力電圧が低下したときは、入力電圧検出回路12により電圧低下を検出し、制御回路17は第1の開閉器7を開制御し、充電回路14による充電を停止し、入力電圧の低下分の電圧をインバータ9により生成し、負荷2へ出力する。制御電源回路13は負荷側A極端子5からも電力を得ることができるので、制御回路17への制御電源供給を維持できる。
電力系統1からの入力電圧が復帰したとき、制御回路17は入力電圧検出回路12により正常復帰を検出し、インバータ9を0V出力し、第1の開閉器7を閉制御し、電圧低下補償待機動作に移行する。このとき第2の開閉器8は開、第3の開閉器16は閉である。
【0021】
以上のように、この発明の実施の形態1における電圧補償装置100によれば、大容量の整流器コンデンサ2bを有する負荷2が接続されているときでも、ソフトスタート出力により負荷2内の整流器コンデンサ2bを緩やかに充電するので、過大な突入電流による、第1の開閉器7の接点が溶着するなどの支障が生じることがない。
また、出力にトランスが接続されたときには、電圧印加時の励磁突入電流が流れるが、ソフトスタート出力により、励磁突入電流を抑制することも可能である。
【0022】
なお、第2の開閉器8の接点は無励磁時閉(b接点)、第3の開閉器16の接点は無励磁時開(a接点)とすることで、第2の開閉器8と記第3の開閉器16は、c接点をもつ1つの開閉器で構成することでき、部品点数の低減が可能である。
また、第2の開閉器8は、待機時の負荷2の整流器コンデンサ2bの充電電流のみを流せばよいので、通電容量の小さい開閉器とすることができる。電流検出部10により、負荷への充電電流を監視し、電流が小さくなるようにインバータ9のソフトスタート出力を制御することで、さらに小さい容量の開閉器とすることができ、コスト、スペース的に有利である。
【0023】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2における電圧補償装置100aを示すブロック図であり、この電圧補償装置100aは電力系統1と並列に設置された第1の負荷2と第2の負荷21との間に設けられている。
【0024】
図3において、電圧補償装置100aの制御回路17には起動モードを設定する起動モードスイッチ20が接続されている。負荷投入スイッチ22は前記第2の負荷2を投入する。そして、前述した実施の形態1で示した図1の負荷2をこの実施の形態2では第1の負荷とし、この第1の負荷2は第1の整流器2a、第1の整流器コンデンサ2b、第1の整流器負荷2cを有している。なお、図3の第2の負荷21には第2の整流器21a、第2の大容量の整流器コンデンサ21b、第2の整流器負荷21cを有している。その他の部分は実施の形態1と同じである。
【0025】
次に、この発明の実施の形態2における電圧補償装置100aの動作について説明する。
この実施形態2においては、複数の整流器負荷の投入が同時でないときを想定しており、第2の負荷21が第1の負荷2の投入より時間をおいて負荷投入スイッチ22により投入される。ここでは、1つの負荷を後で投入するときを示しているが、複数の負荷と複数の負荷投入スイッチがあり、複数の時間遅れをもって投入されてもよい。
【0026】
一連の負荷投入が完了するまでは、起動モードスイッチ20は起動モード設定にしておく。制御回路17は起動モードスイッチ20が起動モード設定のときは、前記スルー出力動作において、電流検出部10の出力が第1の開閉器7の電流耐量に対応した値(例えば20A)を下回ったときでも、前記電圧低下補償待機動作に移行せず、起動モードスイッチ20が起動モード設定でなくなるまで前記スルー出力動作を継続する。
【0027】
次に、オペレータ等が負荷投入スイッチ22を投入すると、第2の負荷21の第2の整流器コンデンサ21bを充電する為の充電電流が流れ、電流検出部10の出力がインバータ9の電流耐量に対応した値(例えば100A)を超えたときは、インバータ9をオフし、第3の開閉器16を開き、第2の開閉器8を閉じ、前記ソフトスタート出力動作を開始する。
【0028】
ソフトスタート出力動作が完了すると前記スルー出力動作に移行し、前記スルー出力動作が完了しても、起動モードスイッチ20が起動モード設定でなくなるまで、前記電圧低下補償待機動作に移行しない。
負荷の投入が完了すると、オペレータ等が起動モードスイッチ20を起動モード設定でない設定にすることにより、電圧補償装置100aは前記電圧低下補償待機動作に移行する。
【0029】
以上のように、この発明の実施の形態2における電圧補償装置100aによれば、複数の大容量の整流器コンデンサを有する負荷が接続され、投入される時間が複数あるときでも、起動モードスイッチ20により、起動モードであることを設定することで、スルー出力動作を継続させることができ、第1の開閉器7に過大な電流を流すことがなく、第1の開閉器7の接点が溶着するなどの支障が生じることがないという効果がある。なお起動モードスイッチ20によるスルー出力動作は複数の整流器負荷の場合で述べたが1台の負荷であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明は、電力系統から供給される電圧が雷などにより瞬時の電圧低下した場合、支障が発生する電気機器を保護する電圧補償装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1における電圧補償装置を示すブロック図である。
【図2】電源投入時の電圧補償装置の動作を示すタイムチャートである。
【図3】実施の形態2における電圧補償装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
1 電力系統、2 負荷、3 電源側A極端子、4 電源側B極端子、
5 負荷側A極端子、7 第1の開閉器、8 第2の開閉器、9 インバータ、
10 電流検出部、11 コンデンサ、12 入力電圧検出回路、13 制御電源回路、
14 充電回路、15 出力電圧検出回路、16 第3の開閉器、17 制御回路、
18 コンデンサ電圧検出回路、20 起動モードスイッチ、
100,100a 電圧補償装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統と負荷との間に設置され、前記電力系統側A極端子と負荷側A極端子との間に接続される第1の開閉器と、この第1の開閉器に並列にインバータと、このインバータに接続されたコンデンサとを備え、前記電力系統の電圧が所定電圧の場合には、前記第1の開閉器を介し前記電力系統からの入力を直接前記負荷に供給し、前記電力系統の電圧が低下した場合には、前記コンデンサの蓄積エネルギに基づいて、前記インバータで低下電圧分を補償する電圧を生成させて前記電力系統電圧に加算して、前記負荷に供給する電圧を所定電圧に維持する電圧補償装置において、
この電圧補償装置の電力系統側のA極端子につながる経路とB極端子につながる経路間には、電力系統から入力する電圧を検出する入力電圧検出回路と、この入力電力に基づいて制御電源を生成する制御電源回路と、この制御電源回路からの制御電源が供給される制御回路と、この制御回路により制御され前記インバータの入力端と負荷側B極端子間に接続される第2の開閉器と、前記電力系統A極端子と、前記インバータの入力端間に接続される第3の開閉器とが設けられており、前記電力系統からの電力が供給開始されたときに、前記第1の開閉器を開、及び第3の開閉器を開、前記第2の開閉器を閉とし、前記インバータから漸増させた交流電圧を前記負荷に出力することを特徴とする電圧補償装置。
【請求項2】
前記電力系統側のA極端子につながる経路とB極端子につながる経路間には加えて、前記電力系統から入力する電力に基づいて前記コンデンサを充電する充電回路と、前記コンデンサの両端に接続されコンデンサの電圧を検出するコンデンサ電圧検出回路と、前記負荷への出力電圧を検出する出力電圧検出回路とを備え、前記制御回路は、前記電力系統から電力を供給されているとき、前記コンデンサ電圧検出回路が検出するコンデンサ電圧が所定値より低い場合には、前記充電回路を動作させて前記コンデンサの電圧が所定値になるよう充電した後に、前記インバータから前記負荷に漸増させた交流電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載の電圧補償装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記出力電圧検出回路の検出電圧が、所定値となるまで、前記インバータから前記負荷へ交流電圧の漸増出力を継続し、前記出力電圧検出回路の検出電圧が前記所定値以上になったときには、前記インバータの出力を停止し前記第1の開閉器を閉路するよう制御することを特徴とする請求項2に記載の電圧補償装置。
【請求項4】
前記制御電源回路は、前記電力系統の電圧が低下したときに、前記インバータの出力の電力に基づいて電源を生成するよう制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電圧補償装置。
【請求項5】
加えて前記インバータの出力端と前記負荷側A極端子との間に設けられ前記インバータの通電電流を検出する電流検出部を備え、
前記制御回路は、前記インバータから前記負荷へ交流電圧の漸増出力完了後に、前記第3の開閉器を閉じ、前記インバータに0V出力させ、前記インバータを0V出力している間に、前記電流検出部の出力が第1の所定電流値を超えたときは前記インバータをオフさせるとともに、前記電流検出部の出力が第1の所定電流値より小さい値の第2の所定電流値を下回ったときは、再度前記インバータに0V出力させ、前記電流検出部の出力が第2の所定電流値より小さい値の第3の所定電流値を下回るまで前記インバータの0V出力を継続し、前記電流検出部の出力が前記第3の所定電流値を下回った後に、前記第1の開閉器を閉じることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電圧補償装置。
【請求項6】
前記第2の開閉器と前記第3の開閉器とを一体的に構成して、前記第2の開閉器を無励磁時閉、前記第3の開閉器を無励磁時開に形成させたことを特徴とする請求項5に記載の電圧補償装置。
【請求項7】
前記第2の開閉器の通電容量は、前記第3の開閉器の通電容量より小さいことを特徴とする請求項5に記載の電圧補償装置。
【請求項8】
前記制御回路は起動モードを設定する起動モードスイッチを有し、この起動モードスイッチが起動モード設定のときは、前記インバータの0V出力動作において、前記電流検出部の出力が第3の所定電流値以下のときに、前記コンデンサの蓄積エネルギーに基づいて前記インバータで電圧低下分を補償する電圧を生成させ、前記電力系統の電圧に加算して前記負荷に供給される電圧を所定電圧に維持する動作に移行することなく、前記インバータの0V出力動作を継続し、
前記電流検出部の出力が前記第1の所定電流値を超えたときは、前記インバータをオフし、前記第3の開閉器を開き、前記第2の開閉器を閉じ、前記インバータから前記負荷へ漸増させた交流電圧の出力動作を開始し、前記起動モードスイッチが起動モード設定でないときは、前記インバータの0V出力動作において、前記電流検出部の出力が前記第3の所定電流値を下回ったときには、電圧低下補償待機動作に移行することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電圧補償装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−299554(P2008−299554A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144391(P2007−144391)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】