電子カメラ
【課題】記録媒体の残容量が不足するとき、複数コマの画像を記録する撮影モードの撮影動作を禁止するようにした電子カメラを得る。
【解決手段】演算回路101(図1)は、WBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、メモリカードに記録可能な残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に撮影動作を許可(ステップS17を肯定判定)する。演算回路101は、WBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に撮影動作を禁止(ステップS17を否定判定)する。
【解決手段】演算回路101(図1)は、WBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、メモリカードに記録可能な残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に撮影動作を許可(ステップS17を肯定判定)する。演算回路101は、WBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に撮影動作を禁止(ステップS17を否定判定)する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子などによって撮像された画像を記録する電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する撮影モードを有する電子カメラが知られている。たとえば、ホワイトバランス(WB)ブラケティング撮影を行う電子カメラは、撮像された画像信号に対する色温度調整の基準を変更してWB調整値を段階的に変化させ、それぞれのWB調整値でWB調整処理を施して複数コマの画像を得る。これら複数の画像は、メモリカードなどの記録媒体に記録される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メモリカードにWBブラケティングによる複数コマの画像を記録するのに十分な残容量(残コマ数)がない場合、複数コマの画像の全てを記録することができなくなる。異なるWB調整値による画像を記録したいという撮影者の意図に反して、記録できない画像が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による電子カメラは、被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、画像信号を記録媒体に記録する画像記録回路と、レリーズ操作に応じて1コマの画像信号を記録する第1の撮影モードと、レリーズ操作に応じて2コマ以上の画像信号を記録する第2の撮影モードとを切換える切換え手段と、記録媒体に記録可能な残コマ数を検出する残コマ数検出回路と、切換え手段によって第2の撮影モードに切換えられているとき、残コマ数が第2の撮影モードによる記録コマ数より小となる場合に報知する報知手段とを備えることにより、上述した目的を達成する。
上記電子カメラはさらに、報知手段によって報知が行われている状態で、レリーズ操作後の撮像および記録を禁止する禁止手段を備えてもよい。
第2の撮影モードは、画像信号に対するホワイトバランス調整値を変更してホワイトバランス調整した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するホワイトバランスブラケティング撮影を行うこともできる。
第2の撮影モードは、露出値を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するAEブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、被写体を照明する閃光装置の発光量を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録する調光ブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、露出値および被写体を照明する閃光装置の発光量をそれぞれ変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するAE調光ブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、連続して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録する連写撮影を行うものでもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、残コマ数が不足すると報知するようにしたので、2コマ以上の画像を記録する撮影モードで撮影したにもかかわらず、未記録画像が生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。図1において、CCDなどの撮像素子を含めて構成される撮像装置121は、被写体像を撮像して画像信号を出力する。A/D変換回路122は、撮像装置121から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。ASICなどで構成される画像処理回路123は、デジタル画像信号に対してホワイトバランス(WB)調整などの画像処理、画像処理後の画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮されたデータを伸長する伸長処理などを行う。画像処理は、輪郭補償およびガンマ補正を含む。タイミング回路124は、タイミング信号を発生して撮像装置121およびA/D変換回路122に駆動信号を出力する。バッファメモリ125は、画像処理、圧縮処理および伸長処理など、各種の処理を施す画像データを一時的に格納するメモリである。メモリカードなどの記録媒体126は、画像データが記録されるもので、電子カメラに対して着脱可能に構成されている。
【0007】
演算回路101は、電子カメラの測距演算や測光時のアペックス演算などの各種演算と、カメラ動作のシーケンス制御とを行う。測光装置102は、被写体の輝度を検出して検出信号を演算回路101に出力する。焦点検出装置103は、不図示の撮影レンズによる焦点位置の調節状態を検出し、検出信号を演算回路101へ出力する。レンズ駆動装置104は、演算回路101の指令により不図示の撮影レンズを構成するフォーカスレンズを光軸方向に進退駆動し、撮影レンズの焦点位置を調節する。
【0008】
絞り位置検出装置110は、絞り値に対応する絞り位置を検出して検出信号を演算回路101に出力する。絞り係止装置111は、駆動中の絞りを係止し、所定の絞り値で絞りを停止させる。レリーズスイッチ114は、不図示のレリーズボタンに連動してレリーズ操作信号を演算回路101に出力する。
【0009】
シャッタ制御回路105は、シャッタ106の不図示の先幕および後幕の保持および解除をそれぞれ制御する。モータ制御回路107は、演算回路101の指令によってシーケンスモータ108を駆動制御する。シーケンスモータ108は、不図示のシーケンス駆動装置を構成し、不図示のミラーのアップ/ダウン、不図示の絞りの駆動、およびシャッタ106のチャージなどを行う。シーケンススイッチ109は、上述したシーケンス駆動装置を構成し、シーケンスモータ108のブレーキ制御タイミングなどを発生するスイッチである。
【0010】
WBブラケティング設定操作部材113は、たとえば、不図示のWBブラケティングボタン、メインコマンドダイヤルおよびサブコマンドダイヤルによって構成され、WBブラケティングの設定操作に応じて設定操作信号を出力する。WBブラケティング設定操作部材113は、WBブラケティングボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、回転操作のたびにWBブラケティングの設定および解除を行うための操作信号を交互に出力する。
【0011】
WBブラケティングは、撮像された画像データに対する色温度調整の基準を変更してWB調整値を段階的に変化させ、それぞれのWB調整値を用いてWB調整した複数の画像を得るものである。本実施の形態では、WB調整値を3段階に変化させて3つの画像データを得る。つまり、撮像装置121から出力された画像データに3通りのWB調整を行う。ここで、WB調整値の変更は、たとえば、ミレッド値の変更によって行われる。ミレッド値を+方向に変更すると画像の色が青みがかり、−方向に変更すると画像の色が赤みがかる。WBブラケティングを設定して撮影動作を行うと、カメラにあらかじめ設定されているWB調整値による画像、この画像に対して青みがかった画像および赤みがかった画像の計3コマの画像データが記録媒体126に記録される。
【0012】
WBブラケティング設定操作部材113は、WBブラケティングボタンが押下されている状態でサブコマンドダイヤルが回転されると、WBブラケティング設定時に段階的に変化させるミレッド値の補正ステップを調節する操作信号を、回転操作に応じて出力する。演算回路101は、入力される回転操作信号に応じて画像処理回路123に補正ステップ変更の指示を行う。
【0013】
画質モード選択操作部材115は、たとえば、不図示の画質ボタン、メインコマンドダイヤルによって構成され、画質モードの選択操作に応じて選択操作信号を出力する。画質ボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、演算回路101は、入力される回転操作信号に応じて画像処理回路123に以下の指示を行う。すなわち、記録媒体126に画像データを記録する際の記録画質を変更するために、画像処理回路123に画像処理の要否および圧縮処理時の圧縮率を指示する。記録画質は、たとえば、次の5通りに変更可能に構成されている。画質[1]側が高画質であり、画質[5]側が低画質である。
画質[1]画像データに画像処理を施さずに記録する「RAW」
画質[2]画像処理後の画像データを非圧縮で記録する「TIFF」
画質[3]画像処理後の画像データを圧縮率約1/4で記録する「FINE」
画質[4]画像処理後の画像データを圧縮率約1/8で記録する「NORMAL」
画質[5]画像処理後の画像データを圧縮率約1/16で記録する「BASIC」
【0014】
画像サイズ選択操作部材116は、たとえば、不図示の画素数ボタン、メインコマンドダイヤルによって構成され、画像サイズの選択操作に応じて選択操作信号を出力する。画素数ボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、演算回路101は、入力される回転操作信号に応じてタイミング回路124に以下の指示を行う。すなわち、撮像装置121から読み出す1画面当たりの信号の数(1画像当たりの画素数)の変更を指示する。これにより、記録媒体126に記録する画像データの記録画素数が変更される。記録画素数は、たとえば、次の3段階に変更可能に構成されている。
画素数[1]1画面を構成する画素数が3008×2000ドットの「Lサイズ」
画素数[2]1画面を構成する画素数が2240×1488ドットの「Mサイズ」
画素数[3]1画面を構成する画素数が1504×1000ドットの「Sサイズ」
【0015】
表示装置112は、たとえば、液晶表示器によって構成され、電子カメラの設定内容を示す情報を文字やマークで表示する。表示装置112には、シャッタ速度、絞り値などの撮影情報も表示される。図2は、表示装置112の表示セグメントを説明する図である。セグメント21は、撮影時の露光時間(シャッタ速度)、WBブラケティングボタン押下時の記録コマ数などを示す表示に使用される。セグメント22は、撮影時の絞り値、WBブラケティングボタン押下時の補正ステップなどを示す表示に使用される。セグメント23は、撮影コマ数もしくは残コマ数などを示すカウンタ表示に使用される。セグメント24は、ブラケティング設定を示す表示に使用される。セグメント25は、ブラケティング設定時のバーグラフ表示などに使用される。セグメント26は、WBブラケティング設定時の微調整表示などに使用される。セグメント27は、画像サイズを示す表示に使用される。セグメント28は、画質モードを示す表示に使用される。
【0016】
本発明は、上述したWBブラケティング撮影のように、電子カメラがレリーズ操作に応じた一連の撮影動作で複数コマの画像を記録媒体126に記録する撮影モードに設定された状態で、複数コマの画像を記録する残容量が記録媒体にないとき、当該撮影モードにおける撮影動作を禁止するようにしたものである。ここでは、複数コマの画像を記録する撮影モードとしてWBブラケティングを例にあげて説明する。
【0017】
電子カメラの演算回路101で行われるカメラ動作の処理について、図3および図4のフローチャートを参照して説明する。図3、図4によるプログラムは、電子カメラに不図示の電池が装填されると起動して繰り返される。図3のステップS1において、演算回路101は以下の初期設定を行う。すなわち、WBブラケティングフラグBに0を、ブラケティング記録回数パラメータnに3を、ブラケティング補正ステップパラメータYに1を、画質モードパラメータQに4を、画像サイズパラメータSに1を、それぞれセットしてステップS2へ進む。
【0018】
ここで、WBブラケティングフラグBは、WBブラケティングが設定されると1に、WBブラケティングが解除されると0にセットされるフラグである。初期設定においては、WBブラケティングが解除される。ブラケティング記録回数パラメータnは、WBブラケティングによる複数回の画像処理(WB調整処理)のうち、画像処理を行うごとに減算してゆくパラメータである。本実施の形態によるWBブラケティングは、WB調整値を変えて3回画像処理を行うので、nは3、2、1のいずれかの値をとる。
【0019】
ブラケティング補正ステップパラメータYは、上述したミレッド値の補正ステップを示すパラメータであり、1、2、3のいずれかの値をとる。実際のWB調整で行うミレッド値の補正ステップは、5×Yとする。画質モードパラメータQは、上述した記録画質[1]〜[5]に対応してそれぞれQ=5〜1がセットされる。初期設定では、記録画質が「TIFF」に設定される。画像サイズパラメータSは、上述した記録画素数[1]〜[3]に対応してそれぞれS=1〜3がセットされる。初期設定では、記録画像サイズが「Lサイズ」に設定される。
【0020】
ステップS2において、演算回路101は、記録媒体126(メモリカード)にアクセスしてステップS3へ進む。ステップS3において、演算回路101は、メモリカードが装着されているか否かを判定する。演算回路101は、上記アクセスによってメモリカードが検出された場合にステップS3を肯定判定してステップS4へ進み、メモリカードが検出されなかった場合にステップS3を否定判定してステップS6へ進む。
【0021】
ステップS4において、演算回路101は、フラグMに1をセットしてステップS5へ進む。フラグMは、メモリカードが装着されている場合に1がセットされ、メモリカードが非装着の場合に0がセットされるフラグである。一方、ステップS6において、演算回路101は、フラグMに0をセットしてステップS7へ進む。
【0022】
ステップS5において、演算回路101は、メモリカードの未記録領域の記録容量(残容量)と、電子カメラに設定されている記録画素数(画像サイズ)および記録画質とによって未記録領域に記録可能なコマ数、すなわち、残コマ数Nを算出してステップS7へ進む。残コマ数Nは、残容量を1画像当たりの画像記録容量で除算して求める。残コマ数Nは、記録画素数および記録画質のいずれを変更しても変化する。
【0023】
ステップS7において、演算回路101は、設定・表示処理を行ってステップS8へ進む。設定・表示処理の詳細については後述する。ステップS8において、演算回路101は、測光装置102から入力される検出信号によって被写体輝度を演算する測光を行い、ステップS9へ進む。ステップS9において、演算回路101は、所定の露出演算処理を行ってステップS10へ進む。
【0024】
ステップS10において、演算回路101は、表示処理を行ってステップS11へ進む。表示処理の詳細については後述する。ステップS11において、演算回路101は、焦点検出装置103に指令を送り、不図示の撮影レンズによる焦点位置の調節状態を検出させてステップS12へ進む。ステップS12において、演算回路101は、焦点検出装置103による検出結果に基づいてフォーカスレンズの駆動量を算出し、ステップS13へ進む。ステップS13において、演算回路101は、レンズ駆動装置104に指令を送り、フォーカスレンズを合焦位置に駆動させてステップS14へ進む。
【0025】
ステップS14において、演算回路101は、フラグM=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS14を肯定判定してステップS18へ進み、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS14を否定判定してステップS15へ進む。ステップS15において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS15を肯定判定してステップS16へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS15を否定判定してステップS17へ進む。
【0026】
ステップS16において、演算回路101は、残コマ数Nが0か否かを判定する。演算回路101は、N=0の場合にステップS16を肯定判定してステップS2へ戻る。この結果、残コマ数Nが0の場合にレリーズ判定に進まないから撮影動作が禁止される。一方、演算回路101は、N≠0の場合にステップS16を否定判定してステップS18へ進む。この結果、WBブラケティングが解除され、かつ残コマ数Nが0でない場合に、レリーズ判定に進んで撮影動作が許可される。
【0027】
ステップS17において、演算回路101は、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立するか否かを判定する。演算回路101は、N≧nが成立する場合にステップS17を肯定判定してステップS18へ進む。この結果、WBブラケティングが設定され、かつ残コマ数Nがブラケティング記録回数(コマ数)n以上である場合に、レリーズ判定に進むので撮影動作が許可される。一方、演算回路101は、N≧nが成立しない場合にステップS17を否定判定し、ステップS2へ戻る。この結果、WBブラケティングが設定され、かつ残コマ数Nがブラケティング記録回数(コマ数)n未満である場合に、レリーズ判定に進まないから撮影動作が禁止される。
【0028】
ステップS18において、演算回路101は、レリーズスイッチ114が操作されたか否かを判定する。演算回路101は、レリーズスイッチ114から操作信号が入力された場合にステップS18を肯定判定して図4のステップS19へ進み、レリーズスイッチ114から操作信号が入力されない場合にステップS18を否定判定してステップS2へ戻る。
【0029】
図4のステップS19において、演算回路101は、露出制御を行ってステップS20へ進む。具体的には、シャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットに通電して先幕および後幕を保持させる。演算回路101はさらに、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108に正転を開始させる。これにより、不図示のミラーのミラーアップおよび絞りの絞り込みが開始される。演算回路101は、絞り位置検出装置110から入力される検出信号によるパルス数Pkをカウントし、制御絞り値AVcに対応するパルス数Pcとの間にPk≧Pcが成立するか否かを判定する。ここで、制御絞り値AVcは、ステップS9の露出演算処理で得られるものである。演算回路101は、Pk≧Pcが成立するまで判定処理を繰り返し、Pk≧Pcが成立すると絞り係止装置111に絞りを係止させる。
【0030】
演算回路101は、シーケンススイッチ109からオン信号が入力されるとミラーアップが終了したとみなし、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108の正転を停止させる。演算回路101は、時間tsの計時を開始するとともに、シャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットへの通電を解除して先幕保持を解除させる。これにより、シャッタ先幕の走行が開始される。演算回路101は、タイミング回路124に駆動信号の発生を開始させて撮像装置121の駆動を開始し、撮像装置121に電荷蓄積を開始させる。
【0031】
演算回路101は、計時時間tsと制御シャッタ速度時間Tcとの間にts≧Tcが成立するとシャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットへの通電を解除して後幕保持を解除させる。ここで、制御シャッタ速度時間Tcは、ステップS9の露出演算処理で得られるものである。演算回路101は、シャッタ後幕が走行して撮像装置121の撮像領域を遮光すると、タイミング回路124による撮像装置121の駆動を停止させる。この結果、撮像装置121は電荷蓄積を終了する。演算回路101は、モータ制御回路107に指令を出力し、シーケンスモータ108に逆転を開始させる。これにより、不図示のミラーのミラーダウンおよび絞りの開放復帰が開始される。
【0032】
ステップS20において、演算回路101は、フラグM=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS20を肯定判定してステップS2へ戻る。この場合には、画像データの記録がスキップされる。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS20を否定判定してステップS21へ進む。ステップS21において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像装置121から画像信号の読み出しを開始させ、ステップS22へ進む。これにより、撮像装置121から蓄積電荷による画像信号が出力され、A/D変換回路122でデジタルデータに変換される。
【0033】
ステップS22において、演算回路101は、画質モードパラメータQが5か否かを判定する。演算回路101は、パラメータQ=5の場合にステップS22を肯定判定してステップS27へ進む。この場合は、画像データに画像処理を施さずに記録する「RAW」、すなわち、上記記録画質[1]が設定されている場合である。一方、演算回路101は、パラメータQ≠5の場合にステップS22を否定判定してステップS23へ進む。この場合は、画像処理を施した画像データを記録する記録画質[2]〜[5]のいずれかの場合である。
【0034】
ステップS23において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS23を肯定判定してステップS24へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS23を否定判定してステップS29へ進む。
【0035】
ステップS24において、演算回路101は、デジタル画像信号を画像処理回路123へ送り、画像処理を指示してステップS25へ進む。ステップS25において、演算回路101は、画質モードパラメータQが4か否かを判定する。演算回路101は、パラメータQ=4の場合にステップS25を肯定判定してステップS27へ進み、パラメータQ=1〜3の場合にステップS25を否定判定してステップS26へ進む。ステップS27に進む場合は、画像データに圧縮処理を施さずに記録する「TIFF」、すなわち、上記記録画質[2]が設定されている場合である。ステップS26に進む場合は、画像データに圧縮処理を施して記録する記録画質[3]〜[5]のいずれかに設定されている場合である。
【0036】
ステップS26において、演算回路101は、画像処理回路123に圧縮処理を指示してステップS27へ進む。ステップS27において、演算回路101は、画像データを記録媒体126(メモリカード)に記録してステップS28へ進む。ここで、演算回路101は、シーケンススイッチ109からオン信号が入力されるとミラーダウンが終了したとみなし、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108の逆転を停止させる。
【0037】
ステップS28において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS28を肯定判定してステップS2へ戻り、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS28を否定判定してステップS30へ進む。ステップS2へ戻る場合は、一連の撮影処理が終了した場合である。
【0038】
上述したステップS23を否定判定して進むステップS29において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=3か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=3の場合にステップS29を肯定判定してステップS24へ進み、パラメータn≠3の場合にステップS29を否定判定してステップS33へ進む。ステップS24へ進む場合は、WBブラケティング設定時の1画像目の画像処理を行う場合である。
【0039】
上述したステップS28を否定判定して進むステップS30において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータnから1を減じてステップS31へ進む。ステップS31において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=0か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=0の場合にステップS31を肯定判定してステップS32へ進む。この場合は、WBブラケティング設定時に3画像の画像処理が終了している場合である。一方、演算回路101は、パラメータn≠0の場合にステップS31を否定判定してステップS33へ進む。ステップS33へ進む場合は、WBブラケティング設定時に2画像目もしくは3画像目の画像処理を行う場合である。ステップS32において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータnを初期値3に戻してステップS2へ戻る。これにより、WBブラケティングによる一連の撮影処理が終了する。
【0040】
ステップS33において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=2か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=2の場合にステップS33を肯定判定してステップS34へ進み、パラメータn=1の場合にステップS33を否定判定してステップS35へ進む。ステップS34において、演算回路101は、画像処理回路123に指令を出力し、ミレッド値を基準値から−方向に5×Yミレッド下げた画像処理を指示し、ステップS25へ進む。これにより、WBの基準色温度を低くした画像処理が行われる。
【0041】
ステップS35において、演算回路101は、画像処理回路123に指令を出力し、ミレッド値を基準値から+方向に5×Y上げた画像処理を指示し、ステップS25へ進む。これにより、WBの基準色温度を高くした画像処理が行われる。
【0042】
設定・表示処理の詳細について、図5および図6のフローチャートを参照して説明する。図5のステップS101において、演算回路101は、WBブラケティング設定操作部材113を構成するWBブラケティングボタンが押下されているか否かを判定する。演算回路101は、WBブラケティングボタンから操作信号が入力されている場合にステップS101を肯定判定してステップS102へ進み、操作信号が入力されていない場合にステップS101を否定判定してステップS115へ進む。
【0043】
ステップS102において、演算回路101は、メインコマンドダイヤルが回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、メインコマンドダイヤルから回転操作信号が入力されるとステップS102を肯定判定してステップS103へ進み、回転操作信号が入力されない場合にステップS102を否定判定してステップS106へ進む。ステップS103において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティングが解除)の場合にステップS103を肯定判定してステップS104へ進み、フラグB=1(WBブラケティングが設定)の場合にステップS103を否定判定してステップS105へ進む。
【0044】
ステップS104において、演算回路101は、WBブラケティングを設定するとともに、WBブラケティングフラグBに1をセットして図6のステップS116へ進む。ステップS105において、演算回路101は、WBブラケティングを解除するとともに、WBブラケティングフラグBに0をセットして図6のステップS116へ進む。
【0045】
ステップS106において、演算回路101は、サブコマンドダイヤルがアップ回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、サブコマンドダイヤルからアップ回転を示す操作信号が入力されるとステップS106を肯定判定してステップS107へ進み、アップ回転を示す操作信号が入力されない場合にステップS106を否定判定してステップS110へ進む。アップ回転は、たとえば、時計回り方向の回転とする。ステップS107において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータY=3か否かを判定する。演算回路101は、パラメータY=3の場合にステップS107を肯定判定してステップS109へ進み、Y≠3の場合にステップS107を否定判定してステップS108へ進む。
【0046】
ステップS108において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに1を加えて図6のステップS116へ進む。ステップS109において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに1をセットして図6のステップS116へ進む。アップ回転操作によってパラメータY=3の次にY=1がセットされるので、パラメータYをサイクリックに変更できる。
【0047】
ステップS110において、演算回路101は、サブコマンドダイヤルがダウン回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、サブコマンドダイヤルからダウン回転を示す操作信号が入力されるとステップS110を肯定判定してステップS111へ進み、ダウン回転を示す操作信号が入力されない場合にステップS110を否定判定して図6のステップS116へ進む。ダウン回転は、たとえば、反時計回り方向の回転とする。ステップS111において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータY=1か否かを判定する。演算回路101は、パラメータY=1の場合にステップS111を肯定判定してステップS113へ進み、パラメータY≠1の場合にステップS111を否定判定してステップS112へ進む。
【0048】
ステップS112において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYから1を減じて図6のステップS116へ進む。ステップS113において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに3をセットして図6のステップS116へ進む。ダウン回転操作によってパラメータY=1の次にY=3がセットされるので、パラメータYをサイクリックに変更できる。
【0049】
上述したステップS101を否定判定して進むステップS115において、演算回路101は、その他の機能の設定および表示のための処理を行って図5による処理を終了し、図3のステップS8へ進む。その他の機能には、記録画質の選択、および画像サイズの選択が含まれる。演算回路101は、画質モード選択操作部材115もしくは画像サイズ選択操作部材116から操作信号が入力された場合に、記録画質もしくは記録画素数の設定処理をそれぞれ行う。これらの設定処理の詳細についての説明は省略する。
【0050】
図6のステップS116において、演算回路101は、表示装置12のセグメント21(図2)に記録コマ数を、セグメント22に補正ステップを、それぞれ点灯表示させてステップS117へ進む。ステップS117において、演算回路101は、残コマ数N≧3か否かを判定する。演算回路101は、N≧3が成立する場合にステップS117を肯定判定してステップS118へ進み、N≧3が成立しない場合にステップS117を否定判定してステップS122へ進む。
【0051】
ステップS118において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点灯表示させてステップS119へ進む。ステップS119において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS119を肯定判定してステップS120へ進み、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS119を否定判定してステップS121へ進む。
【0052】
ステップS120において、演算回路101は、表示装置12のセグメント24にブラケティング設定を示す「BKT」マークを点灯表示させるとともに、セグメント26に微調整マークを点滅表示させてステップS121へ進む。図7は、ステップS118〜ステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図7において、セグメント21によってブラケティング時に記録されるコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフがそれぞれ点灯表示され、セグメント26によって微調整マークが点滅表示される。なお、「”」は点滅表示を示す。補正ステップ「1」は、ブラケティング補正ステップパラメータYの値に応じて変化する。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てをメモリカードに記録可能であることを示す。
【0053】
上述したステップS117を否定判定して進むステップS122において、演算回路101は、残コマ数N=0か否かを判定する。演算回路101は、N=0の場合にステップS122を肯定判定してステップS123へ進み、N=1または2の場合にステップS122を否定判定してステップS124へ進む。ステップS123において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点滅表示させてステップS119へ進む。図8は、ステップS123、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図8において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークがそれぞれ点灯表示され、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフが、セグメント26によって微調整マークがそれぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点滅させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てがメモリカードに記録不可であることを示す。
【0054】
ステップS124において、演算回路101は、残コマ数N=1か否かを判定する。演算回路101は、N=1の場合にステップS124を肯定判定してステップS125へ進み、N=2の場合にステップS124を否定判定してステップS126へ進む。ステップS125において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25のバーグラフの中央を点灯表示させるとともに、バーグラフの左右を点滅表示させてステップS119へ進む。図9は、ステップS125、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図9において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、それぞれ点灯表示され、セグメント25Lおよび25Rによってバーグラフ左右が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち1つ(上記の例では25C)を点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち1画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0055】
ステップS126において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25のバーグラフの中央および右を点灯表示させるとともに、バーグラフの左を点滅表示させてステップS119へ進む。図10は、ステップS126、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図10において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cおよびセグメント25Rによってバーグラフ中央およびバーグラフ右が、それぞれ点灯表示され、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち2つ(上記の例では25C、25R)を点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち2画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0056】
図11は、ステップS123、ステップS119を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図11において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、それぞれ点灯表示され、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフがそれぞれ点滅表示される。この場合には、WBブラケティングが解除されているので、「BKT」マークおよび微調整マークは点灯されない。
【0057】
ステップS121において、演算回路101は、WBブラケティング設定操作部材113を構成するWBブラケティングボタンが押下されているか否かを判定する。演算回路101は、WBブラケティングボタンから操作信号が入力されている場合にステップS121を肯定判定して図5のステップS102へ戻り、操作信号が入力されていない場合にステップS121を否定判定して図6による処理を終了し、図3のステップS8へ進む。
【0058】
表示処理の詳細について、図12、図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS201において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS201を肯定判定してステップS202へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS201を否定判定し、図13のステップS207へ進む。
【0059】
ステップS202において、演算回路101は、フラグM=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS202を肯定判定してステップS203へ進み、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS202を否定判定してステップS206へ進む。ステップS203において、演算回路101は、残コマ数N>0か否かを判定する。演算回路101は、残コマ数Nが0より大の場合にステップS203を肯定判定してステップS204へ進み、残コマ数Nが0の場合にステップS203を否定判定してステップS205へ進む。
【0060】
ステップS204において、演算回路101は、残コマ数Nの値、シャッタ速度および絞り値を示す値と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図14は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図14において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「4000」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって残コマ数Nを示す「10」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0061】
ステップS205において、演算回路101は、残コマ数0およびメモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図15は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図15において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント23によって残コマ数0を示す「0」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0062】
ステップS206において、演算回路101は、メモリカード非装着を示す「−E−」、シャッタ速度および絞り値を示す値、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図16は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図16において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「4000」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって「−E−」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0063】
図13のステップS207において、演算回路101は、フラグM=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS207を肯定判定してステップS208へ進み、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS207を否定判定してステップS212へ進む。ステップS208において、演算回路101は、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立するか否かを判定する。演算回路101は、N≧nが成立する場合にステップS208を肯定判定してステップS209へ進み、N≧nが成立しない場合にステップS208を否定判定してステップS213へ進む。
【0064】
ステップS209において、演算回路101は、表示装置12に残コマ数Nを点灯表示させてステップS210へ進む。一方、ステップS212において、演算回路101は、メモリカード非装着を示す「−E−」を表示装置112に点灯表示させてステップS210へ進む。ステップS210において、演算回路101は、シャッタ速度および絞り値を示す値と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフとをそれぞれ表示装置112に点灯表示させてステップS211へ進む。ステップS211において、演算回路101は、微調整マークを表示装置12に点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0065】
図17は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図17において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「125」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって残コマ数Nを示す「35」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフが、それぞれ点灯表示される。また、セグメント26によって微調整マークが点滅表示される。上述したように、「”」は点滅表示されることを示す。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てをメモリカードに記録可能であることを示す。
【0066】
ステップS213において、演算回路101は、残コマ数N=2か否かを判定する。演算回路101は、N=2の場合にステップS213を肯定判定してステップS214へ進み、N=1もしくは0の場合にステップS213を否定判定してステップS216へ進む。
【0067】
ステップS214において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフ中央およびバーグラフ右とを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS215へ進む。ステップS215において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフ左と、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0068】
図18は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図18において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cおよび25Rによってバーグラフ中央およびバーグラフ右が、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「2」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち2つを点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち2画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0069】
ステップS216において、演算回路101は、残コマ数N=1か否かを判定する。演算回路101は、N=1の場合にステップS216を肯定判定してステップS217へ進み、N=0の場合にステップS216を否定判定してステップS219へ進む。
【0070】
ステップS217において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフ中央とを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS218へ進む。ステップS218において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフ左右と、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0071】
図19は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図19において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「1」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント25Rによってバーグラフ右が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち1つを点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち1画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0072】
ステップS219において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークとを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS220へ進む。ステップS220において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフと、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0073】
図20は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図20において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「0」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント25Rによってバーグラフ右が、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てを点滅させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てがメモリカードに記録不可であることを示す。
【0074】
以上説明した実施の形態による電子カメラでは、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、メモリカードに記録可能な残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に撮影動作を許可(ステップS17を肯定判定)するようにした。この結果、WBブラケティングによって3通りのWB調整値でそれぞれ画像処理される3コマの画像データを、メモリカードに全て記録することができる。
(2)電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に撮影動作を禁止(ステップS17を否定判定)するようにした。この結果、WBブラケティングによって得られる3コマの画像データのいずれかが、メモリカードの残容量不足によって記録不可にされることが防止される。
(3)表示装置12の表示に関して、電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS201を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に、シャッタ速度や絞り値などの撮影条件とともに「BKT」マークおよびバーコードを点灯表示し、微調整マークを点滅表示するようにした(図17)。これにより、WBブラケティングが設定されていることを撮影者にわかりやすく報知できる。
(4)表示装置12の表示に関して、電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS201を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に、撮影条件に代えて「FuLL」を点灯表示し、残コマ数Nを点滅表示する(図18、図19、図20)。この結果、メモリカードの残容量の不足に起因して撮影動作が禁止されたことを撮影者にわかりやすく報知できる。さらに、バーコードを構成する3つのセグメント25L、25C、および25Rの表示形態について、点灯表示するセグメントと点滅表示するセグメントの数を残コマ数Nに応じて変えるようにした。これにより、メモリカードの残容量が何コマ分不足するかをバーコードの表示形態によってわかりやすく報知できる。
(5)WBブラケティング設定操作中の表示装置12の表示に関して、上記(3)と同様にバーコードの表示形態を変えるようにしたので、WBブラケティング設定操作中の表示画面(図7〜図11)のように残コマ数Nの表示を行わない場合でも、メモリカードの残容量が足りている(図7)か、メモリカードの残容量が何コマ分不足している(図8〜図11)かを撮影者にわかりやすく報知できる。
【0075】
以上説明したWBブラケティングの撮影モードでは、レリーズ操作されるとWB調整値が異なる3コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録されるようにした。記録画像数は、上述した3コマに限らなくてもよい。たとえば、2コマであってもよく、5コマであってもよい。
【0076】
レリーズ操作されると複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)に記録される撮影モードとしてWBブラケティングを例にあげて説明したが、AEブラケティングにも本発明を適用することができる。AEブラケティングは、撮影時の露出値(EV)を段階的に変化させ、それぞれ異なる露出値で複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録される。記録画像数は、WBブラケティングと同様に、3コマに限らず適宜設定してよい。
【0077】
また、レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する他の撮影モードとして、調光ブラケティングに本発明を適用してもよい。調光ブラケティングは、撮影時に被写体を照明する閃光装置の発光量を段階的に変化させ、それぞれ異なる発光量で複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録される。記録画像数は、3コマに限らず適宜設定してよい。
【0078】
撮影時の露出値および閃光装置の発光量を段階的に変化させ、それぞれ異なる露出値および発光量で複数コマの撮影を行い、これら複数コマの画像を記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録するAE調光ブラケティングに本発明を適用してもよい。
【0079】
また、オートシフトに本発明を適用してもよい。オートシフトは、撮影時の露出を固定しつつシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変更して複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)に記録される。
【0080】
さらにまた、レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する他の撮影モードとして、連写撮影モードにも本発明を適用することができる。
【0081】
以上の説明では、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に、残容量不足を報知するために表示装置112に「FuLL」を点灯表示するとともに、残コマ数Nを点滅表示する(図18、図19、図20)ようにした。このような報知形態の他に、たとえば、電子音などを発して撮影者に報知したり、LEDを点灯して撮影者に報知するようにしてもよい。
【0082】
上述した説明において、WBブラケティングの設定および解除はWBブラケティング設定操作部材113の操作によって行われるようにしたが、演算回路101が自動的に切換えてもよい。たとえば、画像データに画像処理を施さずに記録する上記記録画質[1]「RAW」が設定された場合に、WBブラケティングを解除する。
【0083】
上述した図6のフローチャートにおいて、次のように変形してもよい。すなわち、演算回路101は、ステップS117において残コマ数N≧3か否かを判定し、N≧3が成立しない場合にステップS117を否定判定してステップS123へ進む。N≧3が成立する場合は上述した通りである。
【0084】
ステップS123において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点滅表示させてステップS119へ進む。この場合には、残コマ数Nが0、1、2のいずれであっても、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てがそれぞれ点滅表示される。この結果、セグメント25L、25Cおよび25Rのうちいずれかが点滅する場合に比べて、メモリカードの残容量不足が報知されていることを撮影者が気づきやすくなる。
【0085】
さらに、上述した図13のフローチャートにおいて、次のように変形してもよい。すなわち、演算回路101は、ステップS208において残コマ数N≧nか否かを判定し、N≧nが成立しない場合にステップS208を否定判定して以下の処理を行う。N≧nが成立する場合は上述した通りである。
【0086】
演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークとを表示装置112にそれぞれ点灯表示させる。演算回路101はさらに、残コマ数Nと、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rと、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。この場合には、残コマ数Nが0、1、2のいずれであっても、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てがそれぞれ点滅表示される。この結果、セグメント25L、25Cおよび25Rのうちいずれかが点滅する場合に比べて、メモリカードの残容量不足が報知されていることを撮影者が気づきやすくなる。
【0087】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施の形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置の表示セグメントを説明する図である。
【図3】電子カメラの演算回路で行われるカメラ動作の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】電子カメラの演算回路で行われるカメラ動作の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】設定・表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】設定・表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図8】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図9】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図10】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図11】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図12】表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図13】表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図14】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図15】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図16】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図17】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図18】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図19】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図20】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101…演算回路
113…WBブラケティング設定操作部材
114…レリーズスイッチ
115…画質モード選択操作部材
116…画像サイズ選択操作部材
121…撮像装置
123…画像処理回路
126…記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子などによって撮像された画像を記録する電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する撮影モードを有する電子カメラが知られている。たとえば、ホワイトバランス(WB)ブラケティング撮影を行う電子カメラは、撮像された画像信号に対する色温度調整の基準を変更してWB調整値を段階的に変化させ、それぞれのWB調整値でWB調整処理を施して複数コマの画像を得る。これら複数の画像は、メモリカードなどの記録媒体に記録される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メモリカードにWBブラケティングによる複数コマの画像を記録するのに十分な残容量(残コマ数)がない場合、複数コマの画像の全てを記録することができなくなる。異なるWB調整値による画像を記録したいという撮影者の意図に反して、記録できない画像が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による電子カメラは、被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、画像信号を記録媒体に記録する画像記録回路と、レリーズ操作に応じて1コマの画像信号を記録する第1の撮影モードと、レリーズ操作に応じて2コマ以上の画像信号を記録する第2の撮影モードとを切換える切換え手段と、記録媒体に記録可能な残コマ数を検出する残コマ数検出回路と、切換え手段によって第2の撮影モードに切換えられているとき、残コマ数が第2の撮影モードによる記録コマ数より小となる場合に報知する報知手段とを備えることにより、上述した目的を達成する。
上記電子カメラはさらに、報知手段によって報知が行われている状態で、レリーズ操作後の撮像および記録を禁止する禁止手段を備えてもよい。
第2の撮影モードは、画像信号に対するホワイトバランス調整値を変更してホワイトバランス調整した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するホワイトバランスブラケティング撮影を行うこともできる。
第2の撮影モードは、露出値を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するAEブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、被写体を照明する閃光装置の発光量を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録する調光ブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、露出値および被写体を照明する閃光装置の発光量をそれぞれ変更して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録するAE調光ブラケティング撮影を行うものでもよい。
第2の撮影モードは、連続して撮像した2コマ以上の画像信号を記録媒体にそれぞれ記録する連写撮影を行うものでもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、残コマ数が不足すると報知するようにしたので、2コマ以上の画像を記録する撮影モードで撮影したにもかかわらず、未記録画像が生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。図1において、CCDなどの撮像素子を含めて構成される撮像装置121は、被写体像を撮像して画像信号を出力する。A/D変換回路122は、撮像装置121から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。ASICなどで構成される画像処理回路123は、デジタル画像信号に対してホワイトバランス(WB)調整などの画像処理、画像処理後の画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮されたデータを伸長する伸長処理などを行う。画像処理は、輪郭補償およびガンマ補正を含む。タイミング回路124は、タイミング信号を発生して撮像装置121およびA/D変換回路122に駆動信号を出力する。バッファメモリ125は、画像処理、圧縮処理および伸長処理など、各種の処理を施す画像データを一時的に格納するメモリである。メモリカードなどの記録媒体126は、画像データが記録されるもので、電子カメラに対して着脱可能に構成されている。
【0007】
演算回路101は、電子カメラの測距演算や測光時のアペックス演算などの各種演算と、カメラ動作のシーケンス制御とを行う。測光装置102は、被写体の輝度を検出して検出信号を演算回路101に出力する。焦点検出装置103は、不図示の撮影レンズによる焦点位置の調節状態を検出し、検出信号を演算回路101へ出力する。レンズ駆動装置104は、演算回路101の指令により不図示の撮影レンズを構成するフォーカスレンズを光軸方向に進退駆動し、撮影レンズの焦点位置を調節する。
【0008】
絞り位置検出装置110は、絞り値に対応する絞り位置を検出して検出信号を演算回路101に出力する。絞り係止装置111は、駆動中の絞りを係止し、所定の絞り値で絞りを停止させる。レリーズスイッチ114は、不図示のレリーズボタンに連動してレリーズ操作信号を演算回路101に出力する。
【0009】
シャッタ制御回路105は、シャッタ106の不図示の先幕および後幕の保持および解除をそれぞれ制御する。モータ制御回路107は、演算回路101の指令によってシーケンスモータ108を駆動制御する。シーケンスモータ108は、不図示のシーケンス駆動装置を構成し、不図示のミラーのアップ/ダウン、不図示の絞りの駆動、およびシャッタ106のチャージなどを行う。シーケンススイッチ109は、上述したシーケンス駆動装置を構成し、シーケンスモータ108のブレーキ制御タイミングなどを発生するスイッチである。
【0010】
WBブラケティング設定操作部材113は、たとえば、不図示のWBブラケティングボタン、メインコマンドダイヤルおよびサブコマンドダイヤルによって構成され、WBブラケティングの設定操作に応じて設定操作信号を出力する。WBブラケティング設定操作部材113は、WBブラケティングボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、回転操作のたびにWBブラケティングの設定および解除を行うための操作信号を交互に出力する。
【0011】
WBブラケティングは、撮像された画像データに対する色温度調整の基準を変更してWB調整値を段階的に変化させ、それぞれのWB調整値を用いてWB調整した複数の画像を得るものである。本実施の形態では、WB調整値を3段階に変化させて3つの画像データを得る。つまり、撮像装置121から出力された画像データに3通りのWB調整を行う。ここで、WB調整値の変更は、たとえば、ミレッド値の変更によって行われる。ミレッド値を+方向に変更すると画像の色が青みがかり、−方向に変更すると画像の色が赤みがかる。WBブラケティングを設定して撮影動作を行うと、カメラにあらかじめ設定されているWB調整値による画像、この画像に対して青みがかった画像および赤みがかった画像の計3コマの画像データが記録媒体126に記録される。
【0012】
WBブラケティング設定操作部材113は、WBブラケティングボタンが押下されている状態でサブコマンドダイヤルが回転されると、WBブラケティング設定時に段階的に変化させるミレッド値の補正ステップを調節する操作信号を、回転操作に応じて出力する。演算回路101は、入力される回転操作信号に応じて画像処理回路123に補正ステップ変更の指示を行う。
【0013】
画質モード選択操作部材115は、たとえば、不図示の画質ボタン、メインコマンドダイヤルによって構成され、画質モードの選択操作に応じて選択操作信号を出力する。画質ボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、演算回路101は、入力される回転操作信号に応じて画像処理回路123に以下の指示を行う。すなわち、記録媒体126に画像データを記録する際の記録画質を変更するために、画像処理回路123に画像処理の要否および圧縮処理時の圧縮率を指示する。記録画質は、たとえば、次の5通りに変更可能に構成されている。画質[1]側が高画質であり、画質[5]側が低画質である。
画質[1]画像データに画像処理を施さずに記録する「RAW」
画質[2]画像処理後の画像データを非圧縮で記録する「TIFF」
画質[3]画像処理後の画像データを圧縮率約1/4で記録する「FINE」
画質[4]画像処理後の画像データを圧縮率約1/8で記録する「NORMAL」
画質[5]画像処理後の画像データを圧縮率約1/16で記録する「BASIC」
【0014】
画像サイズ選択操作部材116は、たとえば、不図示の画素数ボタン、メインコマンドダイヤルによって構成され、画像サイズの選択操作に応じて選択操作信号を出力する。画素数ボタンが押下されている状態でメインコマンドダイヤルが回転されると、演算回路101は、入力される回転操作信号に応じてタイミング回路124に以下の指示を行う。すなわち、撮像装置121から読み出す1画面当たりの信号の数(1画像当たりの画素数)の変更を指示する。これにより、記録媒体126に記録する画像データの記録画素数が変更される。記録画素数は、たとえば、次の3段階に変更可能に構成されている。
画素数[1]1画面を構成する画素数が3008×2000ドットの「Lサイズ」
画素数[2]1画面を構成する画素数が2240×1488ドットの「Mサイズ」
画素数[3]1画面を構成する画素数が1504×1000ドットの「Sサイズ」
【0015】
表示装置112は、たとえば、液晶表示器によって構成され、電子カメラの設定内容を示す情報を文字やマークで表示する。表示装置112には、シャッタ速度、絞り値などの撮影情報も表示される。図2は、表示装置112の表示セグメントを説明する図である。セグメント21は、撮影時の露光時間(シャッタ速度)、WBブラケティングボタン押下時の記録コマ数などを示す表示に使用される。セグメント22は、撮影時の絞り値、WBブラケティングボタン押下時の補正ステップなどを示す表示に使用される。セグメント23は、撮影コマ数もしくは残コマ数などを示すカウンタ表示に使用される。セグメント24は、ブラケティング設定を示す表示に使用される。セグメント25は、ブラケティング設定時のバーグラフ表示などに使用される。セグメント26は、WBブラケティング設定時の微調整表示などに使用される。セグメント27は、画像サイズを示す表示に使用される。セグメント28は、画質モードを示す表示に使用される。
【0016】
本発明は、上述したWBブラケティング撮影のように、電子カメラがレリーズ操作に応じた一連の撮影動作で複数コマの画像を記録媒体126に記録する撮影モードに設定された状態で、複数コマの画像を記録する残容量が記録媒体にないとき、当該撮影モードにおける撮影動作を禁止するようにしたものである。ここでは、複数コマの画像を記録する撮影モードとしてWBブラケティングを例にあげて説明する。
【0017】
電子カメラの演算回路101で行われるカメラ動作の処理について、図3および図4のフローチャートを参照して説明する。図3、図4によるプログラムは、電子カメラに不図示の電池が装填されると起動して繰り返される。図3のステップS1において、演算回路101は以下の初期設定を行う。すなわち、WBブラケティングフラグBに0を、ブラケティング記録回数パラメータnに3を、ブラケティング補正ステップパラメータYに1を、画質モードパラメータQに4を、画像サイズパラメータSに1を、それぞれセットしてステップS2へ進む。
【0018】
ここで、WBブラケティングフラグBは、WBブラケティングが設定されると1に、WBブラケティングが解除されると0にセットされるフラグである。初期設定においては、WBブラケティングが解除される。ブラケティング記録回数パラメータnは、WBブラケティングによる複数回の画像処理(WB調整処理)のうち、画像処理を行うごとに減算してゆくパラメータである。本実施の形態によるWBブラケティングは、WB調整値を変えて3回画像処理を行うので、nは3、2、1のいずれかの値をとる。
【0019】
ブラケティング補正ステップパラメータYは、上述したミレッド値の補正ステップを示すパラメータであり、1、2、3のいずれかの値をとる。実際のWB調整で行うミレッド値の補正ステップは、5×Yとする。画質モードパラメータQは、上述した記録画質[1]〜[5]に対応してそれぞれQ=5〜1がセットされる。初期設定では、記録画質が「TIFF」に設定される。画像サイズパラメータSは、上述した記録画素数[1]〜[3]に対応してそれぞれS=1〜3がセットされる。初期設定では、記録画像サイズが「Lサイズ」に設定される。
【0020】
ステップS2において、演算回路101は、記録媒体126(メモリカード)にアクセスしてステップS3へ進む。ステップS3において、演算回路101は、メモリカードが装着されているか否かを判定する。演算回路101は、上記アクセスによってメモリカードが検出された場合にステップS3を肯定判定してステップS4へ進み、メモリカードが検出されなかった場合にステップS3を否定判定してステップS6へ進む。
【0021】
ステップS4において、演算回路101は、フラグMに1をセットしてステップS5へ進む。フラグMは、メモリカードが装着されている場合に1がセットされ、メモリカードが非装着の場合に0がセットされるフラグである。一方、ステップS6において、演算回路101は、フラグMに0をセットしてステップS7へ進む。
【0022】
ステップS5において、演算回路101は、メモリカードの未記録領域の記録容量(残容量)と、電子カメラに設定されている記録画素数(画像サイズ)および記録画質とによって未記録領域に記録可能なコマ数、すなわち、残コマ数Nを算出してステップS7へ進む。残コマ数Nは、残容量を1画像当たりの画像記録容量で除算して求める。残コマ数Nは、記録画素数および記録画質のいずれを変更しても変化する。
【0023】
ステップS7において、演算回路101は、設定・表示処理を行ってステップS8へ進む。設定・表示処理の詳細については後述する。ステップS8において、演算回路101は、測光装置102から入力される検出信号によって被写体輝度を演算する測光を行い、ステップS9へ進む。ステップS9において、演算回路101は、所定の露出演算処理を行ってステップS10へ進む。
【0024】
ステップS10において、演算回路101は、表示処理を行ってステップS11へ進む。表示処理の詳細については後述する。ステップS11において、演算回路101は、焦点検出装置103に指令を送り、不図示の撮影レンズによる焦点位置の調節状態を検出させてステップS12へ進む。ステップS12において、演算回路101は、焦点検出装置103による検出結果に基づいてフォーカスレンズの駆動量を算出し、ステップS13へ進む。ステップS13において、演算回路101は、レンズ駆動装置104に指令を送り、フォーカスレンズを合焦位置に駆動させてステップS14へ進む。
【0025】
ステップS14において、演算回路101は、フラグM=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS14を肯定判定してステップS18へ進み、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS14を否定判定してステップS15へ進む。ステップS15において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS15を肯定判定してステップS16へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS15を否定判定してステップS17へ進む。
【0026】
ステップS16において、演算回路101は、残コマ数Nが0か否かを判定する。演算回路101は、N=0の場合にステップS16を肯定判定してステップS2へ戻る。この結果、残コマ数Nが0の場合にレリーズ判定に進まないから撮影動作が禁止される。一方、演算回路101は、N≠0の場合にステップS16を否定判定してステップS18へ進む。この結果、WBブラケティングが解除され、かつ残コマ数Nが0でない場合に、レリーズ判定に進んで撮影動作が許可される。
【0027】
ステップS17において、演算回路101は、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立するか否かを判定する。演算回路101は、N≧nが成立する場合にステップS17を肯定判定してステップS18へ進む。この結果、WBブラケティングが設定され、かつ残コマ数Nがブラケティング記録回数(コマ数)n以上である場合に、レリーズ判定に進むので撮影動作が許可される。一方、演算回路101は、N≧nが成立しない場合にステップS17を否定判定し、ステップS2へ戻る。この結果、WBブラケティングが設定され、かつ残コマ数Nがブラケティング記録回数(コマ数)n未満である場合に、レリーズ判定に進まないから撮影動作が禁止される。
【0028】
ステップS18において、演算回路101は、レリーズスイッチ114が操作されたか否かを判定する。演算回路101は、レリーズスイッチ114から操作信号が入力された場合にステップS18を肯定判定して図4のステップS19へ進み、レリーズスイッチ114から操作信号が入力されない場合にステップS18を否定判定してステップS2へ戻る。
【0029】
図4のステップS19において、演算回路101は、露出制御を行ってステップS20へ進む。具体的には、シャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットに通電して先幕および後幕を保持させる。演算回路101はさらに、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108に正転を開始させる。これにより、不図示のミラーのミラーアップおよび絞りの絞り込みが開始される。演算回路101は、絞り位置検出装置110から入力される検出信号によるパルス数Pkをカウントし、制御絞り値AVcに対応するパルス数Pcとの間にPk≧Pcが成立するか否かを判定する。ここで、制御絞り値AVcは、ステップS9の露出演算処理で得られるものである。演算回路101は、Pk≧Pcが成立するまで判定処理を繰り返し、Pk≧Pcが成立すると絞り係止装置111に絞りを係止させる。
【0030】
演算回路101は、シーケンススイッチ109からオン信号が入力されるとミラーアップが終了したとみなし、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108の正転を停止させる。演算回路101は、時間tsの計時を開始するとともに、シャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットへの通電を解除して先幕保持を解除させる。これにより、シャッタ先幕の走行が開始される。演算回路101は、タイミング回路124に駆動信号の発生を開始させて撮像装置121の駆動を開始し、撮像装置121に電荷蓄積を開始させる。
【0031】
演算回路101は、計時時間tsと制御シャッタ速度時間Tcとの間にts≧Tcが成立するとシャッタ制御回路105に指令を出力し、シャッタ106の不図示のマグネットへの通電を解除して後幕保持を解除させる。ここで、制御シャッタ速度時間Tcは、ステップS9の露出演算処理で得られるものである。演算回路101は、シャッタ後幕が走行して撮像装置121の撮像領域を遮光すると、タイミング回路124による撮像装置121の駆動を停止させる。この結果、撮像装置121は電荷蓄積を終了する。演算回路101は、モータ制御回路107に指令を出力し、シーケンスモータ108に逆転を開始させる。これにより、不図示のミラーのミラーダウンおよび絞りの開放復帰が開始される。
【0032】
ステップS20において、演算回路101は、フラグM=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS20を肯定判定してステップS2へ戻る。この場合には、画像データの記録がスキップされる。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS20を否定判定してステップS21へ進む。ステップS21において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像装置121から画像信号の読み出しを開始させ、ステップS22へ進む。これにより、撮像装置121から蓄積電荷による画像信号が出力され、A/D変換回路122でデジタルデータに変換される。
【0033】
ステップS22において、演算回路101は、画質モードパラメータQが5か否かを判定する。演算回路101は、パラメータQ=5の場合にステップS22を肯定判定してステップS27へ進む。この場合は、画像データに画像処理を施さずに記録する「RAW」、すなわち、上記記録画質[1]が設定されている場合である。一方、演算回路101は、パラメータQ≠5の場合にステップS22を否定判定してステップS23へ進む。この場合は、画像処理を施した画像データを記録する記録画質[2]〜[5]のいずれかの場合である。
【0034】
ステップS23において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS23を肯定判定してステップS24へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS23を否定判定してステップS29へ進む。
【0035】
ステップS24において、演算回路101は、デジタル画像信号を画像処理回路123へ送り、画像処理を指示してステップS25へ進む。ステップS25において、演算回路101は、画質モードパラメータQが4か否かを判定する。演算回路101は、パラメータQ=4の場合にステップS25を肯定判定してステップS27へ進み、パラメータQ=1〜3の場合にステップS25を否定判定してステップS26へ進む。ステップS27に進む場合は、画像データに圧縮処理を施さずに記録する「TIFF」、すなわち、上記記録画質[2]が設定されている場合である。ステップS26に進む場合は、画像データに圧縮処理を施して記録する記録画質[3]〜[5]のいずれかに設定されている場合である。
【0036】
ステップS26において、演算回路101は、画像処理回路123に圧縮処理を指示してステップS27へ進む。ステップS27において、演算回路101は、画像データを記録媒体126(メモリカード)に記録してステップS28へ進む。ここで、演算回路101は、シーケンススイッチ109からオン信号が入力されるとミラーダウンが終了したとみなし、モータ制御回路107に指令を出力してシーケンスモータ108の逆転を停止させる。
【0037】
ステップS28において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS28を肯定判定してステップS2へ戻り、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS28を否定判定してステップS30へ進む。ステップS2へ戻る場合は、一連の撮影処理が終了した場合である。
【0038】
上述したステップS23を否定判定して進むステップS29において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=3か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=3の場合にステップS29を肯定判定してステップS24へ進み、パラメータn≠3の場合にステップS29を否定判定してステップS33へ進む。ステップS24へ進む場合は、WBブラケティング設定時の1画像目の画像処理を行う場合である。
【0039】
上述したステップS28を否定判定して進むステップS30において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータnから1を減じてステップS31へ進む。ステップS31において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=0か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=0の場合にステップS31を肯定判定してステップS32へ進む。この場合は、WBブラケティング設定時に3画像の画像処理が終了している場合である。一方、演算回路101は、パラメータn≠0の場合にステップS31を否定判定してステップS33へ進む。ステップS33へ進む場合は、WBブラケティング設定時に2画像目もしくは3画像目の画像処理を行う場合である。ステップS32において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータnを初期値3に戻してステップS2へ戻る。これにより、WBブラケティングによる一連の撮影処理が終了する。
【0040】
ステップS33において、演算回路101は、ブラケティング記録回数パラメータn=2か否かを判定する。演算回路101は、パラメータn=2の場合にステップS33を肯定判定してステップS34へ進み、パラメータn=1の場合にステップS33を否定判定してステップS35へ進む。ステップS34において、演算回路101は、画像処理回路123に指令を出力し、ミレッド値を基準値から−方向に5×Yミレッド下げた画像処理を指示し、ステップS25へ進む。これにより、WBの基準色温度を低くした画像処理が行われる。
【0041】
ステップS35において、演算回路101は、画像処理回路123に指令を出力し、ミレッド値を基準値から+方向に5×Y上げた画像処理を指示し、ステップS25へ進む。これにより、WBの基準色温度を高くした画像処理が行われる。
【0042】
設定・表示処理の詳細について、図5および図6のフローチャートを参照して説明する。図5のステップS101において、演算回路101は、WBブラケティング設定操作部材113を構成するWBブラケティングボタンが押下されているか否かを判定する。演算回路101は、WBブラケティングボタンから操作信号が入力されている場合にステップS101を肯定判定してステップS102へ進み、操作信号が入力されていない場合にステップS101を否定判定してステップS115へ進む。
【0043】
ステップS102において、演算回路101は、メインコマンドダイヤルが回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、メインコマンドダイヤルから回転操作信号が入力されるとステップS102を肯定判定してステップS103へ進み、回転操作信号が入力されない場合にステップS102を否定判定してステップS106へ進む。ステップS103において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティングが解除)の場合にステップS103を肯定判定してステップS104へ進み、フラグB=1(WBブラケティングが設定)の場合にステップS103を否定判定してステップS105へ進む。
【0044】
ステップS104において、演算回路101は、WBブラケティングを設定するとともに、WBブラケティングフラグBに1をセットして図6のステップS116へ進む。ステップS105において、演算回路101は、WBブラケティングを解除するとともに、WBブラケティングフラグBに0をセットして図6のステップS116へ進む。
【0045】
ステップS106において、演算回路101は、サブコマンドダイヤルがアップ回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、サブコマンドダイヤルからアップ回転を示す操作信号が入力されるとステップS106を肯定判定してステップS107へ進み、アップ回転を示す操作信号が入力されない場合にステップS106を否定判定してステップS110へ進む。アップ回転は、たとえば、時計回り方向の回転とする。ステップS107において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータY=3か否かを判定する。演算回路101は、パラメータY=3の場合にステップS107を肯定判定してステップS109へ進み、Y≠3の場合にステップS107を否定判定してステップS108へ進む。
【0046】
ステップS108において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに1を加えて図6のステップS116へ進む。ステップS109において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに1をセットして図6のステップS116へ進む。アップ回転操作によってパラメータY=3の次にY=1がセットされるので、パラメータYをサイクリックに変更できる。
【0047】
ステップS110において、演算回路101は、サブコマンドダイヤルがダウン回転操作されたか否かを判定する。演算回路101は、サブコマンドダイヤルからダウン回転を示す操作信号が入力されるとステップS110を肯定判定してステップS111へ進み、ダウン回転を示す操作信号が入力されない場合にステップS110を否定判定して図6のステップS116へ進む。ダウン回転は、たとえば、反時計回り方向の回転とする。ステップS111において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータY=1か否かを判定する。演算回路101は、パラメータY=1の場合にステップS111を肯定判定してステップS113へ進み、パラメータY≠1の場合にステップS111を否定判定してステップS112へ進む。
【0048】
ステップS112において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYから1を減じて図6のステップS116へ進む。ステップS113において、演算回路101は、ブラケティング補正ステップパラメータYに3をセットして図6のステップS116へ進む。ダウン回転操作によってパラメータY=1の次にY=3がセットされるので、パラメータYをサイクリックに変更できる。
【0049】
上述したステップS101を否定判定して進むステップS115において、演算回路101は、その他の機能の設定および表示のための処理を行って図5による処理を終了し、図3のステップS8へ進む。その他の機能には、記録画質の選択、および画像サイズの選択が含まれる。演算回路101は、画質モード選択操作部材115もしくは画像サイズ選択操作部材116から操作信号が入力された場合に、記録画質もしくは記録画素数の設定処理をそれぞれ行う。これらの設定処理の詳細についての説明は省略する。
【0050】
図6のステップS116において、演算回路101は、表示装置12のセグメント21(図2)に記録コマ数を、セグメント22に補正ステップを、それぞれ点灯表示させてステップS117へ進む。ステップS117において、演算回路101は、残コマ数N≧3か否かを判定する。演算回路101は、N≧3が成立する場合にステップS117を肯定判定してステップS118へ進み、N≧3が成立しない場合にステップS117を否定判定してステップS122へ進む。
【0051】
ステップS118において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点灯表示させてステップS119へ進む。ステップS119において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS119を肯定判定してステップS120へ進み、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS119を否定判定してステップS121へ進む。
【0052】
ステップS120において、演算回路101は、表示装置12のセグメント24にブラケティング設定を示す「BKT」マークを点灯表示させるとともに、セグメント26に微調整マークを点滅表示させてステップS121へ進む。図7は、ステップS118〜ステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図7において、セグメント21によってブラケティング時に記録されるコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフがそれぞれ点灯表示され、セグメント26によって微調整マークが点滅表示される。なお、「”」は点滅表示を示す。補正ステップ「1」は、ブラケティング補正ステップパラメータYの値に応じて変化する。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てをメモリカードに記録可能であることを示す。
【0053】
上述したステップS117を否定判定して進むステップS122において、演算回路101は、残コマ数N=0か否かを判定する。演算回路101は、N=0の場合にステップS122を肯定判定してステップS123へ進み、N=1または2の場合にステップS122を否定判定してステップS124へ進む。ステップS123において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点滅表示させてステップS119へ進む。図8は、ステップS123、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図8において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークがそれぞれ点灯表示され、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフが、セグメント26によって微調整マークがそれぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点滅させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てがメモリカードに記録不可であることを示す。
【0054】
ステップS124において、演算回路101は、残コマ数N=1か否かを判定する。演算回路101は、N=1の場合にステップS124を肯定判定してステップS125へ進み、N=2の場合にステップS124を否定判定してステップS126へ進む。ステップS125において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25のバーグラフの中央を点灯表示させるとともに、バーグラフの左右を点滅表示させてステップS119へ進む。図9は、ステップS125、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図9において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、それぞれ点灯表示され、セグメント25Lおよび25Rによってバーグラフ左右が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち1つ(上記の例では25C)を点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち1画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0055】
ステップS126において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25のバーグラフの中央および右を点灯表示させるとともに、バーグラフの左を点滅表示させてステップS119へ進む。図10は、ステップS126、ステップS119およびステップS120を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図10において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cおよびセグメント25Rによってバーグラフ中央およびバーグラフ右が、それぞれ点灯表示され、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち2つ(上記の例では25C、25R)を点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち2画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0056】
図11は、ステップS123、ステップS119を経て表示装置12に表示された画面の例を示す図である。図11において、セグメント21によってコマ数「3F」が、セグメント22によって補正ステップ「1」が、それぞれ点灯表示され、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフがそれぞれ点滅表示される。この場合には、WBブラケティングが解除されているので、「BKT」マークおよび微調整マークは点灯されない。
【0057】
ステップS121において、演算回路101は、WBブラケティング設定操作部材113を構成するWBブラケティングボタンが押下されているか否かを判定する。演算回路101は、WBブラケティングボタンから操作信号が入力されている場合にステップS121を肯定判定して図5のステップS102へ戻り、操作信号が入力されていない場合にステップS121を否定判定して図6による処理を終了し、図3のステップS8へ進む。
【0058】
表示処理の詳細について、図12、図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS201において、演算回路101は、WBブラケティングフラグB=0か否かを判定する。演算回路101は、フラグB=0(WBブラケティング解除)の場合にステップS201を肯定判定してステップS202へ進み、フラグB=1(WBブラケティング設定)の場合にステップS201を否定判定し、図13のステップS207へ進む。
【0059】
ステップS202において、演算回路101は、フラグM=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS202を肯定判定してステップS203へ進み、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS202を否定判定してステップS206へ進む。ステップS203において、演算回路101は、残コマ数N>0か否かを判定する。演算回路101は、残コマ数Nが0より大の場合にステップS203を肯定判定してステップS204へ進み、残コマ数Nが0の場合にステップS203を否定判定してステップS205へ進む。
【0060】
ステップS204において、演算回路101は、残コマ数Nの値、シャッタ速度および絞り値を示す値と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図14は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図14において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「4000」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって残コマ数Nを示す「10」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0061】
ステップS205において、演算回路101は、残コマ数0およびメモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図15は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図15において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント23によって残コマ数0を示す「0」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0062】
ステップS206において、演算回路101は、メモリカード非装着を示す「−E−」、シャッタ速度および絞り値を示す値、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示をそれぞれ表示装置112に点灯表示させて図12による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。図16は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図16において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「4000」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって「−E−」が、セグメント27によって画像サイズを示す「L」が、セグメント28によって画質モードを示す「RAW」が、それぞれ点灯表示される。
【0063】
図13のステップS207において、演算回路101は、フラグM=1か否かを判定する。演算回路101は、フラグM=1(メモリカード装着)の場合にステップS207を肯定判定してステップS208へ進み、フラグM=0(メモリカード非装着)の場合にステップS207を否定判定してステップS212へ進む。ステップS208において、演算回路101は、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立するか否かを判定する。演算回路101は、N≧nが成立する場合にステップS208を肯定判定してステップS209へ進み、N≧nが成立しない場合にステップS208を否定判定してステップS213へ進む。
【0064】
ステップS209において、演算回路101は、表示装置12に残コマ数Nを点灯表示させてステップS210へ進む。一方、ステップS212において、演算回路101は、メモリカード非装着を示す「−E−」を表示装置112に点灯表示させてステップS210へ進む。ステップS210において、演算回路101は、シャッタ速度および絞り値を示す値と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフとをそれぞれ表示装置112に点灯表示させてステップS211へ進む。ステップS211において、演算回路101は、微調整マークを表示装置12に点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0065】
図17は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図17において、セグメント21によってシャッタ速度を示す「125」が、セグメント22によって絞り値を示す「F5.6」が、セグメント23によって残コマ数Nを示す「35」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25L、25Cおよび25Rによってバーグラフが、それぞれ点灯表示される。また、セグメント26によって微調整マークが点滅表示される。上述したように、「”」は点滅表示されることを示す。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rを全て点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てをメモリカードに記録可能であることを示す。
【0066】
ステップS213において、演算回路101は、残コマ数N=2か否かを判定する。演算回路101は、N=2の場合にステップS213を肯定判定してステップS214へ進み、N=1もしくは0の場合にステップS213を否定判定してステップS216へ進む。
【0067】
ステップS214において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフ中央およびバーグラフ右とを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS215へ進む。ステップS215において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフ左と、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0068】
図18は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図18において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cおよび25Rによってバーグラフ中央およびバーグラフ右が、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「2」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち2つを点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち2画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0069】
ステップS216において、演算回路101は、残コマ数N=1か否かを判定する。演算回路101は、N=1の場合にステップS216を肯定判定してステップS217へ進み、N=0の場合にステップS216を否定判定してステップS219へ進む。
【0070】
ステップS217において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークと、バーグラフ中央とを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS218へ進む。ステップS218において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフ左右と、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0071】
図19は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図19において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「1」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント25Rによってバーグラフ右が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rのうち1つを点灯させることで、WBブラケティングによる3つの画像のうち1画像だけがメモリカードに記録可能であることを示す。
【0072】
ステップS219において、演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークとを表示装置112にそれぞれ点灯表示させてステップS220へ進む。ステップS220において、演算回路101は、残コマ数Nと、バーグラフと、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。
【0073】
図20は、表示装置12に表示される画面の例を示す図である。図20において、セグメント21によって「FuLL」が、セグメント27によって画像サイズを示す「M」が、セグメント28によって画質モードを示す「FINE」が、セグメント24によって「BKT」マークが、それぞれ点灯表示される。また、セグメント23によって残コマ数Nを示す「0」が、セグメント25Lによってバーグラフ左が、セグメント25Rによってバーグラフ右が、セグメント25Cによってバーグラフ中央が、セグメント26によって微調整マークが、それぞれ点滅表示される。セグメント25を構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てを点滅させることで、WBブラケティングによる3つの画像の全てがメモリカードに記録不可であることを示す。
【0074】
以上説明した実施の形態による電子カメラでは、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、メモリカードに記録可能な残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に撮影動作を許可(ステップS17を肯定判定)するようにした。この結果、WBブラケティングによって3通りのWB調整値でそれぞれ画像処理される3コマの画像データを、メモリカードに全て記録することができる。
(2)電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS15を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に撮影動作を禁止(ステップS17を否定判定)するようにした。この結果、WBブラケティングによって得られる3コマの画像データのいずれかが、メモリカードの残容量不足によって記録不可にされることが防止される。
(3)表示装置12の表示に関して、電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS201を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立する場合に、シャッタ速度や絞り値などの撮影条件とともに「BKT」マークおよびバーコードを点灯表示し、微調整マークを点滅表示するようにした(図17)。これにより、WBブラケティングが設定されていることを撮影者にわかりやすく報知できる。
(4)表示装置12の表示に関して、電子カメラにWBブラケティングが設定されている(ステップS201を否定判定)状態で、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に、撮影条件に代えて「FuLL」を点灯表示し、残コマ数Nを点滅表示する(図18、図19、図20)。この結果、メモリカードの残容量の不足に起因して撮影動作が禁止されたことを撮影者にわかりやすく報知できる。さらに、バーコードを構成する3つのセグメント25L、25C、および25Rの表示形態について、点灯表示するセグメントと点滅表示するセグメントの数を残コマ数Nに応じて変えるようにした。これにより、メモリカードの残容量が何コマ分不足するかをバーコードの表示形態によってわかりやすく報知できる。
(5)WBブラケティング設定操作中の表示装置12の表示に関して、上記(3)と同様にバーコードの表示形態を変えるようにしたので、WBブラケティング設定操作中の表示画面(図7〜図11)のように残コマ数Nの表示を行わない場合でも、メモリカードの残容量が足りている(図7)か、メモリカードの残容量が何コマ分不足している(図8〜図11)かを撮影者にわかりやすく報知できる。
【0075】
以上説明したWBブラケティングの撮影モードでは、レリーズ操作されるとWB調整値が異なる3コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録されるようにした。記録画像数は、上述した3コマに限らなくてもよい。たとえば、2コマであってもよく、5コマであってもよい。
【0076】
レリーズ操作されると複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)に記録される撮影モードとしてWBブラケティングを例にあげて説明したが、AEブラケティングにも本発明を適用することができる。AEブラケティングは、撮影時の露出値(EV)を段階的に変化させ、それぞれ異なる露出値で複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録される。記録画像数は、WBブラケティングと同様に、3コマに限らず適宜設定してよい。
【0077】
また、レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する他の撮影モードとして、調光ブラケティングに本発明を適用してもよい。調光ブラケティングは、撮影時に被写体を照明する閃光装置の発光量を段階的に変化させ、それぞれ異なる発光量で複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録される。記録画像数は、3コマに限らず適宜設定してよい。
【0078】
撮影時の露出値および閃光装置の発光量を段階的に変化させ、それぞれ異なる露出値および発光量で複数コマの撮影を行い、これら複数コマの画像を記録媒体126(メモリカード)にそれぞれ記録するAE調光ブラケティングに本発明を適用してもよい。
【0079】
また、オートシフトに本発明を適用してもよい。オートシフトは、撮影時の露出を固定しつつシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変更して複数コマの撮影を行うものである。これら複数コマの画像が記録媒体126(メモリカード)に記録される。
【0080】
さらにまた、レリーズ操作に応じて複数コマの画像を記録する他の撮影モードとして、連写撮影モードにも本発明を適用することができる。
【0081】
以上の説明では、残コマ数Nとブラケティング記録回数パラメータnとの間にN≧nが成立しない場合に、残容量不足を報知するために表示装置112に「FuLL」を点灯表示するとともに、残コマ数Nを点滅表示する(図18、図19、図20)ようにした。このような報知形態の他に、たとえば、電子音などを発して撮影者に報知したり、LEDを点灯して撮影者に報知するようにしてもよい。
【0082】
上述した説明において、WBブラケティングの設定および解除はWBブラケティング設定操作部材113の操作によって行われるようにしたが、演算回路101が自動的に切換えてもよい。たとえば、画像データに画像処理を施さずに記録する上記記録画質[1]「RAW」が設定された場合に、WBブラケティングを解除する。
【0083】
上述した図6のフローチャートにおいて、次のように変形してもよい。すなわち、演算回路101は、ステップS117において残コマ数N≧3か否かを判定し、N≧3が成立しない場合にステップS117を否定判定してステップS123へ進む。N≧3が成立する場合は上述した通りである。
【0084】
ステップS123において、演算回路101は、表示装置12のセグメント25にバーグラフを点滅表示させてステップS119へ進む。この場合には、残コマ数Nが0、1、2のいずれであっても、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てがそれぞれ点滅表示される。この結果、セグメント25L、25Cおよび25Rのうちいずれかが点滅する場合に比べて、メモリカードの残容量不足が報知されていることを撮影者が気づきやすくなる。
【0085】
さらに、上述した図13のフローチャートにおいて、次のように変形してもよい。すなわち、演算回路101は、ステップS208において残コマ数N≧nか否かを判定し、N≧nが成立しない場合にステップS208を否定判定して以下の処理を行う。N≧nが成立する場合は上述した通りである。
【0086】
演算回路101は、メモリカードが記録データでいっぱいであることを示す「FuLL」と、画質モード(記録画質)および画像サイズ(記録画素数)を示すマークなどの表示と、「BKT」マークとを表示装置112にそれぞれ点灯表示させる。演算回路101はさらに、残コマ数Nと、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rと、微調整マークとを表示装置12にそれぞれ点滅表示させて図13による処理を終了し、図3のステップS11へ進む。この場合には、残コマ数Nが0、1、2のいずれであっても、バーグラフを構成するセグメント25L、25Cおよび25Rの全てがそれぞれ点滅表示される。この結果、セグメント25L、25Cおよび25Rのうちいずれかが点滅する場合に比べて、メモリカードの残容量不足が報知されていることを撮影者が気づきやすくなる。
【0087】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施の形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置の表示セグメントを説明する図である。
【図3】電子カメラの演算回路で行われるカメラ動作の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】電子カメラの演算回路で行われるカメラ動作の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】設定・表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】設定・表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図8】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図9】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図10】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図11】WBブラケティングボタン押下時に表示装置に表示された画面の例を示す図である。
【図12】表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図13】表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図14】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図15】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図16】WBブラケティング解除時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図17】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図18】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図19】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図20】WBブラケティング設定時に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101…演算回路
113…WBブラケティング設定操作部材
114…レリーズスイッチ
115…画質モード選択操作部材
116…画像サイズ選択操作部材
121…撮像装置
123…画像処理回路
126…記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
前記画像信号を記録媒体に記録する画像記録回路と、
レリーズ操作に応じて1コマの画像信号を記録する第1の撮影モードと、レリーズ操作に応じて2コマ以上の画像信号を記録する第2の撮影モードとを切換える切換え手段と、
前記記録媒体に記録可能な残コマ数を検出する残コマ数検出回路と、
前記切換え手段によって前記第2の撮影モードに切換えられているとき、前記残コマ数が前記第2の撮影モードによる記録コマ数より小となる場合に報知する報知手段とを備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記報知手段によって前記報知が行われている状態で、前記レリーズ操作後の前記撮像および前記記録を禁止する禁止手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、前記画像信号に対するホワイトバランス調整値を変更してホワイトバランス調整した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するホワイトバランスブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、露出値を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するAEブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、被写体を照明する閃光装置の発光量を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録する調光ブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、露出値および被写体を照明する閃光装置の発光量をそれぞれ変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するAE調光ブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、連続して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録する連写撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項1】
被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
前記画像信号を記録媒体に記録する画像記録回路と、
レリーズ操作に応じて1コマの画像信号を記録する第1の撮影モードと、レリーズ操作に応じて2コマ以上の画像信号を記録する第2の撮影モードとを切換える切換え手段と、
前記記録媒体に記録可能な残コマ数を検出する残コマ数検出回路と、
前記切換え手段によって前記第2の撮影モードに切換えられているとき、前記残コマ数が前記第2の撮影モードによる記録コマ数より小となる場合に報知する報知手段とを備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記報知手段によって前記報知が行われている状態で、前記レリーズ操作後の前記撮像および前記記録を禁止する禁止手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、前記画像信号に対するホワイトバランス調整値を変更してホワイトバランス調整した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するホワイトバランスブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、露出値を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するAEブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、被写体を照明する閃光装置の発光量を変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録する調光ブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、露出値および被写体を照明する閃光装置の発光量をそれぞれ変更して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録するAE調光ブラケティング撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記第2の撮影モードは、連続して撮像した2コマ以上の画像信号を前記記録媒体にそれぞれ記録する連写撮影を行うことを特徴とする電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−67401(P2008−67401A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263165(P2007−263165)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【分割の表示】特願2002−41831(P2002−41831)の分割
【原出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【分割の表示】特願2002−41831(P2002−41831)の分割
【原出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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