説明

電子デバイスにおいてディスプレイを制御するための方法および装置

電子デバイスのディスプレイを制御するための新規の方法および装置が提供される。一実施形態において、該デバイスは、無線Eメールおよび無線電話の組み合わされた機構を有する可搬型電子デバイスである。該可搬型電子デバイスはまた、カメラを含んでいる。該デバイスは、該デバイスがカメラとして用いられる場合に、ファインダー内に示される画像を制御するために用いられ得るトラックボールを含んでいる。該デバイスはまた、該トラックボール、感光性トランスデューサ、ディスプレイ、持続性ストレージデバイスおよび揮発性ストレージデバイスを相互接続するプロセッサを備え、該プロセッサは、該トラックボールから回転入力を受信し、該回転入力の方向に依存して該ファインダー上の画像を拡大するか、または縮小するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示は、概して電子デバイスに関し、特に、電子デバイスにおいてディスプレイを制御するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
可搬型電子デバイスは、より小型化し、より多くの機能を組み込み続けている。無線のEメール能力を有する従来の携帯情報端末(「PDA」)の機能を単一のデバイスに組み込むことは周知であり、カナダ、WaterlooのResearch in MotionによるBlackberryTMは一例である。無線の音声機能性、音楽プレーヤおよびビデオプレーヤを可搬型電子デバイスに組み込むこともまた周知である。
【0003】
より多くの特徴および機能が、可搬型電子デバイスに組み込まれるので、使用性を最大化するために、デバイスの制御およびディスプレイを構成することが非常に難しくなっている。カメラが、ますます可搬型電子デバイスに組み込まれており、このことが、デバイスの使用性を強化することに対して特有の課題を提示する。
【0004】
実際に、デバイスの使用性を向上させ、なおかつ可搬性を保証するために所望される小型の形状因子を維持するように、デバイス上の入力デバイスは複数の目的に役立つべきである。例えば、BlackberryTM 7100可搬型電子デバイス、およびその前モデルは、可搬型電子デバイスの側面に位置決めされたトラックホイールを備える。トラックホイールは、ユーザがデバイスを保持し、かつデバイスのディスプレイを見ながら、親指によって作動させられ得て、メニューを通してスクロールし、メニュー選択をするために内方に押し下げられ得る。当業者は、トラックホイールが、可搬型電子デバイスに対して非常に有用な多目的の入力デバイスであり得ることを認識する。
【0005】
しかし、可搬型電子デバイス内にカメラを組み込む場合に、トラックホイールは問題になってくる。なぜならば、カメラのためのレンズが、概して可搬型電子デバイスの後ろに位置しているからである。ユーザが可搬型電子デバイスを把持して、トラックホイールを操作するために親指を配向させる場合に、ユーザの人差し指は、カメラレンズを覆い隠し得る。なぜなら、その人物が可搬型電子デバイスを把持するからである。実際に、当業者は、カメラに対する従来の形状因子が、セル式電話または携帯情報端末に対する形状因子と根本的に異なることを認識する。なぜならば、従来のカメラの形状因子は、写真画像の撮影に関連するときの使用性に対して設計されるのに対し、セル式電話または携帯情報端末の形状因子が、電話通信またはテキストベースでディスプレイと相互作用を行う使用性に対して設計されるからである。
【0006】
従来技術の別の局面は、ズームのオン/オフ、フラッシュのオン/オフなどのカメラ機能性の機構が、概してその特定のカメラ機能に対して独自に専用の別個の物理的なボタンを介して、従来技術のカメラにおいては起動されることである。しかし、一次機能(例えば、電話通話およびEメール)が通信している可搬型電子デバイスにおいては、デバイスは、カメラ機能に対する一次入力として専用のボタンがない。従って、カメラ機能に対してデバイス上の既存のキーおよびコントローラを用いることは重要である。しかし、そのようなキーの使用は、ユーザのために直観的であるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
セル式電話および/または携帯情報端末内にカメラの機構を結合することは公知であるが、従来技術のデバイスの使用性はまだ遺憾な点が多い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
一局面は、カメラ機能を有する可搬型電子デバイスのディスプレイを制御するための方法を提供する。該可搬型電子デバイスは、第1の画像を受信するための感光性トランスデューサ(light sensitive transducer)およびユーザ入力デバイスとして用いるためのトラックボールを含んでいる。該方法は、
デフォルトのズームレベルを設定するステップと、
該ディスプレイ上で画像に対応する第2の画像を生成することによってファインダーを起動させるステップであって、該第2の画像は、該デフォルトのズームレベルに対応する視野を有する、ステップと、
該トラックボールから回転入力を受信するステップであって、該入力は、該視野からズームインすることか、またはズームアウトすることのいずれかの指示を表す、ステップと、
該指示がズームインすることか、またはズームアウトすることのいずれを示したかに基づき該ズームレベルを調整するステップと、
該調整するステップからの該ズームレベルに従って拡大または縮小された視野で該第2の画像を該ファインダー上に再生成するステップと
を包含する。
【0009】
上記デバイスは、カメラ機能に加えて少なくとも1つの追加機能を含み得、上記方法は、上記設定するステップの前に、カメラアプリケーションを起動させる要求を受信するステップをさらに包含し得る。
【0010】
少なくとも1つの追加機能は、無線電話、無線Eメール、および無線インスタントメッセージングのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0011】
第1の方向におけるトラックボールの回転入力は、ズームインすることを表し得、該第1の方向と反対の第2の方向における該トラックボールの回転入力は、ズームアウトすることを表し得る。とにかく、該トラックボールは、任意の方向に回転させられ得る。
【0012】
上記方法は、トラックボールが押し下げられることに対応する該トラックボールからの入力を受信し、該ズームレベルに従って該ファインダー上の該画像に対応する画像を捕捉するステップをさらに包含し得る。
【0013】
上記方法は、トラックボールが静止位置(position)にあるか、または回転位置にあるかに対応する、ディスプレイ上に該トラックボールのアイコン画像を生成するステップをさらに包含し得る。
【0014】
上記静止位置は、最小のズームレベル、中間のズームレベルおよび最大のズームレベルのうちのいずれか1つにあるズームに対応し得、上記方法は、3つのアイコン画像のうちの1つを生成するステップをさらに包含し得る。
【0015】
上記最小のズームレベルに対応するアイコンは、ズームインすることのみが利用可能であることを示し得る。該中間のレベルに対応するアイコンは、ズームインすることと、ズームアウトすることとの両方が利用可能であることを示し得る。該最大のズームレベルに対応するアイコンは、ズームアウトすることのみが利用可能であることを示し得る。
【0016】
上記デバイスは、電話アプリケーションまたはインスタントメッセージングアプリケーションを含み得、上記方法は、入り通信(incoming communication)が、該アプリケーションを介して受信されていることを示す通知画面を該ファインダーにオーバーレイして提示するステップをさらに包含し得る。
【0017】
上記通知画面は、入り通信の発信者の識別子を含み得、該識別子は、該発信者の写真を含み得るか、または写真の代わりに、該発信者を表すグラフィックを含み得る。
【0018】
該通知画面は、無視するフィールド(ignore field)および受諾するフィールドを含み得る。該通知画面が最初に起動されるときに、該無視するフィールドは、デフォルトで強調され得る。
【0019】
別の局面は、トラックボール、感光性トランスデューサ、ディスプレイ、持続性ストレージデバイスおよび揮発性ストレージデバイスを相互接続するプロセッサを備える可搬型電子デバイスを提供する。該プロセッサは、該ディスプレイ上のファインダーを生成するように構成され得る。該ファインダーは、該感光性トランスデューサを介してリアルタイムに受信されている画像をリアルタイムに再生する。該プロセッサは、回転入力を、トラックボールを介して受信し、該回転入力の方向に依存して該ファインダー上の画像を拡大するか、または縮小するようにさらに構成される。
【0020】
上記感光性トランスデューサは、電荷結合デバイス(「CCD」)のアレイであり得る。
【0021】
上記プロセッサは、押し下げられているトラックボールに対応する信号を受信し、該信号に応答して、上記持続性ストレージデバイス上に格納するために該感光性トランスデューサによって受信された画像の少なくとも一部分を捕捉するように構成され得る。該捕捉された画像の視野は、該ファインダー上の画像の視野に対応する。
【0022】
第1の方向における回転入力は、ズームインすることを表し得、該第1の方向と反対の第2の方向における回転入力は、ズームアウトすることを表し得る。
【0023】
上記デバイスのプロセッサは、トラックボールが静止位置にあるか、または回転位置にあるかに対応する該トラックボールのアイコン画像を、ファインダーと連携してディスプレイ上に生成するようにさらに構成され得る。
【0024】
静止位置は、最小のズームレベル、中間のズームレベルおよび最大のズームレベルのうちのいずれか1つにあるズームに対応し得る。
【0025】
上記プロセッサは、上記静止位置に対応する3つのアイコンを生成するように構成され得る。該複数のアイコンの第1のアイコンは、最小のズームレベルに対応しており、ズームインすることのみが利用可能であることを示し得る。中間のレベルに対応する該複数のアイコンの第2のアイコンは、ズームインすることと、ズームアウトすることとの両方が利用可能であることを示し得る。最大のズームレベルに対応する該複数のアイコンの第3のアイコンは、ズームアウトすることのみが利用可能であることを示し得る。
【0026】
上記デバイスは、電話アプリケーションまたはインスタントメッセージングアプリケーションを含み得る。プロセッサは、入り通信が、該電話アプリケーションまたは該インスタントメッセージングアプリケーションを介して受信されていることを示す該ファインダー上の通知画面を生成するようにさらに構成され得る。該通知画面は、該入り通信の発信者の識別子を含み得、該識別子は、該発信者の写真を含み得る。該通知画面は、無視するフィールドおよび受諾するフィールドを含み得る。一実施形態において、該無視するフィールドはデフォルトで強調される。
【0027】
別の局面は、上記のうちのいずれかに従う、一組のプログラミング命令を格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0028】
電子デバイスのディスプレイを制御するための新規の方法および装置が提供される。一実施形態において、該デバイスは、無線Eメールおよび電話の組み合わされた機構を有する可搬型電子デバイスである。該可搬型電子デバイスはまたカメラを含む。該デバイスは、該デバイスがカメラとして用いられる場合に、ファインダー内に示される画像を制御するために用いられ得るトラックボールを含む。他の実施形態において、該トラックボールはタッチパッドに置換され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、一実施形態に従う可搬型電子デバイスの正面の概略図である。
【図2】図2は、図1の可搬型電子デバイスの背面の概略図である。
【図3】図3は、図1のデバイスの特定の構成要素の等角分解図である。
【図4】図4は、図1のデバイスのトラックボールを、さらに詳細に、かつ動作の3つのモードにおいて示す。
【図5】図5は、図1のデバイスの特定の内部コンポーネントのブロック図である。
【図6】図6は、別の実施形態に従う可搬型電子デバイスのディスプレイを制御する方法を描くフローチャートである。
【図7】図7は、撮影される対象に関連して図1のデバイスを示す。
【図8】図8は、図7のデバイスのファインダーを介して図7の対象を示す。
【図9】図9は、ズームイン機能の一部の実行中における図7のデバイスのディスプレイの制御を示す。
【図10】図10は、ズームアウト機能の一部の実行中における図7のデバイスのディスプレイの制御を示す。
【図11】図11は、ズームイン機能を実行する終局における図7のデバイスのディスプレイの制御を示す。
【図12】図12は、ズームアウト機能を実行する終局における図7のデバイスのディスプレイの制御を示す。
【図13】図13は、別の実施形態に従って生成され得るプレビュー画面を示す。
【図14】図14は、別の実施形態に従って生成され得るトリミング(crop)選択画面を示す。
【図15】図15は、図14のトリミング選択画面を示すけれども、選択ウィンドウが動かされている。
【図16】図16は、別の実施形態に従う、着呼(incoming call)の画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
単に例示的な実施形態が、ここで添付の図面を参照して論じられる。
【0031】
(実施形態の詳細な説明)
ここで図1を参照すると、一実施形態に従う可搬型電子デバイスの正面図が、概して30で示される。本実施形態において、デバイス30は、無線電話器、無線Eメールページングデバイスおよびデジタルカメラの機能性を含んでいる。
【0032】
図1に最もよく示されるように、デバイス30は、キーボード38、一組のソフトキー42、トラックボール46およびマイクロホン50の形態の複数の入力デバイスの骨組みを作る筐体34を含んでいる。筐体34はまた、ディスプレイ54およびスピーカ58の形態の複数の出力デバイスの骨組みを作る。
【0033】
従って、デバイス30のユーザは、入力デバイスおよび出力デバイスと相互作用し得て、Eメールを送受信し、音声電話の通話を行い、アポイントメントおよび連絡先を管理し、インターネットをブラウズし、ならびにデバイス30などの公知の、またはまだ考案されていない電子デバイス上で見出され得るそのような他の機能を実行する。
【0034】
デバイス30は、説明の目的のために単純化されており、他の実施形態において、デバイス30は、追加の機能および/またはアプリケーション、ならびに/あるいは種々の機能および/またはアプリケーションを含み得、それに応じて入力デバイスおよび出力デバイスを含むことが理解されるべきである。そのような他の機能性は、音楽再生、音声録音およびビデオ再生を含み得る。結合された入力/出力デバイスの例は、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポート、ハンズフリーヘッドセットをデバイス30に接続するヘッドセットジャック、またはブルートゥースTM(または等価な技術)の送受信器を含んでいる。同様に、デバイス30に含まれる特定の機能が省略され得ることは、本明細書の教示から理解される。
【0035】
本実施形態において、デバイス30はまた、カメラを含んでいる。ここで図2を参照すると、デバイス30の背面図が示される。従って、デバイス30はまた、カメラレンズ/感光性トランスデューサ62の形態の追加の入力デバイスと、フラッシュ66の形態の追加の出力デバイスとを含んでいる。当業者は、感光性トランスデューサ62が、各トランスデューサがピクセルに対応するアレイに置かれた複数の感光性トランスデューサとして実装され得ることを認識する。公知の感光性トランスデューサの例は、カメラの感光性トランスデューサを介して受信される画像の電子信号を実際に作成する電荷結合デバイス(CCD)を含む。
【0036】
この時点で、本実施形態において、デバイス30の形状因子は、ユーザが左手または右手のいずれかによってデバイス30を把持し得、親指によってソフトキー42およびトラックボール46を起動させることが可能なように構築されることが指摘され得る。(トラックボール46は親指に対して構成されるが、ユーザがその手の他の指もまた用い得ることは理解されるべきである)。同じように、レンズおよび感光性トランスデューサ62は、ユーザの人差し指が、デバイス30に巻きつけられる場合に、レンズを覆い隠さず、従ってカメラとしてのデバイス30の使用を妨げないように、ディスプレイ54の後ろに配置される。ディスプレイ54の後ろの感光性トランスデューサ62の位置決めもまた、デバイス30がカメラとして作動する場合に、ファインダーとしてディスプレイ54の使用性を向上させる。なぜならば、ディスプレイ54は、ディスプレイ54のすぐ後ろの風景をユーザに提示するからである。
【0037】
ここで図3を参照すると、キーボード38、ソフトキー42、トラックボール46、および筐体34の一部分(ディスプレイ54の骨組みを作る)がさらに詳しく示される。本実施形態において、キーボード38が、低減型QWERTYスタイルキーボードであることにより、デバイス30の幅は、デバイス30が片手で把持されることを可能にする。しかし、他のキーボード配列および構成が企図される。トラックボール46およびソフトキー42が、ディスプレイ54の下方で、かつキーボード38の上方に置かれることは注意を要する。トラックボール46は、ソフトキー42の間に配置される。トラックボール46およびソフトキー42は、それらの機能が、ディスプレイ54上に提示されるアプリケーションまたはデータのコンテキストに従って変わり得るように配置される。ソフトキー42は特に、それらソフトキーと関連づけられた機能が、特定のソフトキー42の位置に直観的に対応する位置においてディスプレイ54上で、適切に提示され得るように位置決めされる。
【0038】
また、図3において、トラックボール46を保持し、トラックボール46がその内側で自由に回転することを可能にする空洞を提示するトランスデューサの筐体70が示される。以下でさらに論じられるように、トラックボール46は、ユーザ入力を提供するために任意の方向に動かされ得る。トラックボール46の回転は、トランスデューサの筐体70内のトランスデューサによって感知される。トラックボール46はまた内方に押し下げられ、それによって、ソフトキー42とキーボード38上の他の任意のキーと実質的に同じ方法で入力を提供し得る。また図3に、スカート74が含まれ、それはトラックボール46の周縁部のまわりでトランスデューサの筐体70に搭載される。
【0039】
ここで図4を参照すると、トラックボール46、トランスデューサの筐体70およびスカート74が、動作の3つの異なるモードにおいてさらに詳しく示される。モードAにおいて、ユーザの親指Tは、トラックボール46を矢印F1の方向に回転させる、矢印Fの方向に動いている。今後、方向F1は順方向F1と称される。モードBにおいて、親指Tは、トラックボールを矢印R1の方向(順方向F1と反対の方向)に回転させる、矢印Rの方向に動いている。今後、方向R1は逆方向R1と称される。モードCにおいて、親指Tがスカート74に向かって矢印Dの方向に動いていることを示され、それによってトラックボール46を押し下げて、矢印D1の方向にトラックボール46を押し進める。今後、方向D1は押し下げ方向D1と称される。当業者はここで、押し下げ方向D1が、キーボード38上のキーを親指Tが押し下げるときにキーに及ぼす影響と実質的に同じであることを認識する。
【0040】
モードAおよびモードBは、本質的に互いに逆の方向であることが認識される。トラックボール46は、任意の方向に動かされ得、モードAおよびモードBにおいて示された方向に限定されないこともまた認識される。モードAおよびモードB、そしてトラックボール46の同様の回転は、ディスプレイ54上でカーソルを移動するか、またはディスプレイ54上に表示されるコンテンツをスクロールするか、またはコンテンツをブラウズするか、またはダイアログボックス内の焦点を変更するために用いられ得る。同じように、モードCは、ディスプレイ54上に表示されたコンテンツの最終選択をするために用いられ得ることが認識される。
【0041】
本実施形態に対して、スカート74の深さ、およびトラックボール46に向かって内方に傾斜するテーパーが、親指Tの形状に適合するように選択されて、トラックボール46がモードAおよびモードBにおいて回転させられる場合に、トラックボール46を相対的に露出された位置にしておくことにより、親指TがモードAおよびモードBの間にスカート74に接触しないことは注意を要する。しかし、スカート74の深さはまた、モードCの間に、親指Tが押し下げ方向D1に動く場合に、露出されたスカートのエッジが親指Tと係合し、その結果、親指Tに摩擦を発生させ(introduce)、モードCを通してトラックボール46を押し下げることをユーザが実際に試みる間、ユーザがトラックボール46を不注意に回転させる可能性を低減するように選択される。この局面は、さらに以下で論じられる。
【0042】
ここで図5を参照すると、デバイス30の特定の内部コンポーネントを表すブロック図が示される。このように、デバイス30はプロセッサ78を含み、このプロセッサ78は、デバイス30の入力デバイス(すなわち、トラックボール46、ソフトキー42、キーボード38、カメラの感光性トランスデューサ62およびマイクロホン50)と、デバイス30の出力デバイス(すなわち、スピーカ58、ディスプレイ54およびフラッシュ66)とを相互接続する。プロセッサ78はまた、持続性ストレージデバイス82と接続される。(持続性ストレージデバイス82は、フラッシュメモリなどを用いて実装され得、および/または他のプログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)技術を含み得、および/または読み取り専用メモリ(ROM)技術を含み得、および/または取外し可能な「スマートカード」を含み得、および/または上記の組み合わせからなり得る)。デバイス30はまた、筐体34内に配置された無線通信器86を含み、この無線通信器86は、ネットワークの基地局の1つと無線で接続して、デバイス30の無線Eメール、電話およびウェブブラウズ機能性を提供する。
【0043】
デバイス30はまた、典型的に再充電可能なバッテリ90を含み、デバイス30のコンポーネントに電力を提供する。単に例示的な本実施形態において、バッテリ90は、最小で約3.0ボルトと最大で約42ボルトとの間の動作電圧を有するリチウムバッテリである。図5において、簡単のために、バッテリ90は、プロセッサ78のみと接続されて示されるけれども、バッテリ90は、動作するために電力が必要なデバイス30内の任意のコンポーネント(例えば、感光性トランスデューサ62に結合したCCD、無線通信器88、ディスプレイ54およびフラッシュ66)と接続されることが理解される。
【0044】
デバイス30はまた、揮発性ストレージ94を含み、この揮発性ストレージ94は、ランダムアクセスメモリ(RAM)として実装され得、プロセッサ78によって用いられるときにアプリケーションおよびデータを一時的に格納するために用いられ得る。
【0045】
ここで図6を参照すると、電子デバイスにおいてディスプレイを制御する方法がフローチャートで表され、概して300で示される。方法300の理解を助けるために、この方法300は、トラックボール46のコンテキストにおいてデバイス30を用いて、その方法の動作に関して説明される。しかし、この議論が制限的な意味で解釈されず、その方法300がデバイス30以外のデバイス上で実行され得、および/またはその方法300が変更され得ることは理解されるべきである。
【0046】
ステップ310から開始すると、カメラアプリケーションの要求が受信される。デバイス30上で、このステップは、図7のメニュー画面に従って遂行され得、そのメニュー画面は、デバイス30のユーザに多くのアプリケーションを提示する。ユーザは、カメラアプリケーションが強調されるまで、様々なアプリケーションを通してスクロールするようにトラックボール46を回転させ得る。一旦強調されると、ユーザは、カメラアプリケーションを実際に要求するためにトラックボール46を押し下げ得る。ユーザは、対象Sのデジタル画像を捕捉するためにカメラアプリケーションを選択し得る。ユーザがカメラアプリケーションを用いることを所望する入力を、トラックボール46を介してプロセッサ78が受信する場合に、方法300は、ステップ310からステップ315に進む。
【0047】
次に、ステップ315およびステップ320において、ファインダーは、デフォルトのズームレベルで起動させられる。
【0048】
デバイス30に対して、用語「ファインダー」は、トランスデューサ62およびディスプレイ54と連携してプロセッサ78によって実行される、ソフトウェアアプリケーションとして実装されたデジタルファインダーを示す。このソフトウェアアプリケーションは、従来のカメラ上で用いられる光学ファインダーの機能を模倣する。しかし、本明細書中の教示は、従来のカメラ上で用いられる光学ファインダー、および/または光学ファインダーとデジタルファインダーの両方を有するカメラに適用され得る。
【0049】
また、デバイス30に対して、用語「ズーム」は、デジタルズームを示すことに注意する。そのズームは、プロセッサ78上で実行されるソフトウェアアプリケーションを介して遂行されるズーム効果である。そのソフトウェアアプリケーションは、トランスデューサ62から受信された画像を処理し、当業者に公知の方法でディスプレイ54上に対応する画像を生成する。しかし、方法300は、ズーム効果がカメラレンズの動きを介して遂行される「光学ズーム」を利用するデバイスに適用可能であることもまた理解されるべきである。従って、本明細書中の教示は、デジタルズーム、光学ズームおよびそれらの組み合わせに適用される。
【0050】
ステップ310とステップ315との間で、トラックボール46の機能は、少なくともユーザの見地から、ナビゲーション入力デバイスからズーム制御入力デバイスへと直ちに変わることが認識される。このように、方法300の残りの動作の間、デバイス30の挙動は、ズームレベルを制御するための専用の入力デバイス(すなわち、トラックボール46)によって従来技術のカメラを模倣し、従ってユーザの体験(experience)は、ユーザが従来技術のカメラを操作する場合の体験と実質的に類似している。
【0051】
本実施形態において、デフォルトズームレベルは、2.6x(2.6倍)に設定される。ステップ315およびステップ320は図8に表され、そこで、ディスプレイ54がファインダー100を提示することが示される。ファインダー100は、感光性トランスデューサ62を介して対象Sの画像を受信し、次いでディスプレイ54上にその画像の表示を生成するようにプロセッサ78を構成することによって実装される。この実施例において、ファインダー100上の対象Sのサイズは、2.6xのズームレベルに対応しており、従って、対象Sの全体が、ディスプレイ54上のファインダーの範囲を占めて示されるわけではない。
【0052】
ファインダー100に加えて、プロセッサ78はまた、ディスプレイ54を制御するように構成されて、ディスプレイ54上にステータスバー104を提示する。ステータスバー104は、ズームレベル表示器108およびフラッシュアイコン112を含む。従って、ズームレベル表示器108は、ズームレベルを示す値「2.6x」とともに図8に示される。フラッシュアイコン112は、アクティブな場合に、実際の写真が撮られるときにフラッシュ66が発光することを示す。ステータスバー104はまた、ピクチャカウント表示器116を含み、ピクチャカウント表示器116は、撮影されて、デバイス30のメモリ内に格納され得るピクチャの数を示している。ステータスバー104はまたシャッター制御表示器120を含む。
【0053】
シャッター制御表示器120は、トラックボール46とインラインにディスプレイ54上に描かれて、トラックボール46の作動がカメラの動作を制御することを示す。シャッター制御表示器116は、中央にカメラのピクチャという形態のアイコンを含み、ユーザがモードCに対応する方法でトラックボール46を押し下げる場合、次いで、ファインダー100内の対象のピクチャが撮られて、格納されることを表す。
【0054】
シャッター制御表示器120はまた、中空の円内の中実の円として描かれて、モードAまたはモードB(または同様なモード)に対応する方法におけるトラックボール46の回転が、対象Sにズームインするか、または対象Sからズームアウトするようにカメラを制御することを表す。シャッター制御表示器120は、実質的にステータスバー104の水平および垂直の中線の交差点に置かれる。この位置は、トラックボール46が静止していて、回転されていないことを表している。シャッター制御表示器120の外観が、トラックボール46の全体の外観を模倣しており、その結果、トラックボール46の機能をカメラに関して直観的に示すことが認識される。
【0055】
次に、ステップ325において、トラックボールが回転しているか否かについて判断がなされる。回転していない場合、方法300はステップ330に進み、その段階で、トラックボール46が押し下げられているか否かについて判断がなされる。「押し下げられていない」場合、方法300は、ステップ330からステップ335に進み、カメラ機能を続行するか否かについて判断がなされる。「いいえ」の判断は、ステップ335で様々な理由に対してなされ得る。例えば、着呼は、着呼を管理するデバイス30上のアプリケーションのために、自動的にカメラ機能が中断させられるようにできる。代わりに、デバイス30のユーザは、ソフトキー42またはキーボード38を用いて、ユーザがカメラアプリケーションを終了することを望んだことを示すコマンドを入力し得る。
【0056】
しかし、ステップ330に戻り、トラックボール46がモードCに対応する方法で押し下げられる場合には、方法300は、ステップ330からステップ345に進み、ステップ345において、対象がファインダー100内に現われるときに対象の画像が捕捉される。
【0057】
しかし、ステップ325に戻り、トラックボール46が回転させられている場合には、方法300は、ステップ325からステップ350に進む。ステップ350において、トラックボール46の回転が「ズームインする」指示を示したか否かについて判断がなされる。本実施形態において、トラックボール46が、モードAに対応する方法で回転させられる場合に、「はい」の判断はステップ350でなされ、従って、方向Fは、シャッター制御表示器120に向いている。換言すると、トラックボール46によって回転させられ得る方向が、コンパスの主要な方位に対応する場合、(図8に示されるように)トラックボールが「北の」方向に回転させられる場合に、「はい」の判断がなされる。(代わりに、またはさらに、トラックボール46が「東の」方向に回転させられる場合に、「はい」の判断がステップ350でなされ得る)。
【0058】
ステップ350における判断が、「いいえ」である場合、ステップ360において、トラックボール46の回転が「ズームアウトする」指示を示したか否かについて判断がなされる。本実施形態において、トラックボール46が、モードAに対応する方法で回転させられる場合に、「はい」の判断はステップ350でなされ、従って、方向Rは、キーボード38に向いている。換言すると、トラックボール46によって回転させられ得る方向が、コンパスの主要な方位に対応する場合、トラックボールが「南の」方向に回転させられる場合に、「はい」の判断がなされる。(代わりに、またはさらに、トラックボール46が「西の」方向に回転させられる場合に、「はい」の判断がステップ350でなされ得る)。
【0059】
ステップ355およびステップ365は従って、それぞれ実際のズームイン機能またはズームアウト機能の実行のために確保される。ステップ355の最初の部分として、トラックボールが北の方向に回転させられる場合に、シャッター制御表示器120は外観において変わり、図9に示されるようにアイコン120aという形態で現われる。シャッター制御アイコン120aが、ステータスバー104の水平の中線の上方の位置でステータスバー104内に現われる。アイコン120aは、「北の」方向に回転させられているトラックボールの入力が受信されていることをユーザに示す。アイコン120aはまた、その外の周囲の頂上部のふくらみを特徴とし、ふくらみにおける線の太さは、外の周囲の底部の線の太さよりも大きい。さらに、「プラス」符号がアイコン120aに現われて、「ズームインする」ためのコマンドが受信されていることを示す。
【0060】
同じように、ステップ365の最初の部分として、トラックボールが南の方向に回転させられる場合に、シャッター制御表示器120は外観において変わり、図10に示されるようにアイコン120bという形態で現われる。シャッター制御アイコン120bが、ステータスバー104の水平の中線の下方の位置でステータスバー104内に現われる。アイコン120bは、「南の」方向に回転させられているトラックボールの入力が受信されていることをユーザに示す。アイコン120bはまた、その外の周囲の底部のふくらみを特徴とし、ふくらみにおける線の太さは、外の周囲の頂上部の線の太さよりも大きい。さらに、「マイナス」符号がアイコン120bに現われて、「ズームアウトする」ためのコマンドが受信されていることを示す。
【0061】
ステップ355におけるズームインの終局(そしてステップ320への戻りによって延長)が、図11において表される。図11において、ズームレベル表示器はここで「5x」を示し、その倍率は本実施形態において、デバイス30に対してズームインする最大のレベルである。従って、対象Sはファインダー100内で、より近くにあるように見える。ここでアイコン120cは、ステータスバー104の水平および垂直の中線の交差点で現われる。アイコン120cの位置は、トラックボール46が現在静止していることを表す。アイコン120cが底部に「マイナス」符号を含む以外、アイコン120cは、その他の点においてアイコン120と同じに見える。その「マイナス」符号は、さらに「ズームインする」ことが可能でなく、「ズームアウトする」ことがここにおいて唯一のオプションであることを示す。ユーザが万一、「ズームイン」を続けることを試みる場合、オプションで、プロセッサ78は、ステータスバー104の水平の中線の上方に現われる(アイコン120aと同じ位置において)アイコン120cを描くように構成され得るけれども、さらにズームインすることは実際起こらない。代わりに、さらにズームインすることが可能でないことを示す「マイナス」符号の表示器は、ユーザに視覚の合図として残存する。さらなる助力のために、ユーザは、現在のズームレベルをユーザに知らせるズームレベル表示器108を調査し得る。ユーザは、アイコン120がトラックボール46の回転の間に外観において変わる一方で、ズームレベルが変わらないことを確かめ得る。ユーザは従って、デバイス30が入力を受信しているけれども、一番端のズームレベルに到達しているので応答できないことを視覚フィードバックによって提供される。
【0062】
同様に、ステップ365におけるズームアウトの終局(そしてステップ320への戻りによって延長)が、図12において表される。図12において、ズームレベル表示器はここで「1x」を示し、その倍率は本実施形態において、デバイス30に対するズームの最小のレベルである。従って、対象Sはファインダー100内で、より遠く離れて見える。ここでアイコン120dは、ステータスバー104の水平および垂直の中線の交差点で現われる。アイコン120dの位置は、トラックボール46が現在静止していることを表す。アイコン120cが頂上部に「プラス」符号を含む以外、アイコン120dは、その他の点においてアイコン120と同じに見える。その「プラス」符号は、さらに「ズームアウトする」ことが可能でなく、「ズームインする」ことがここにおいて唯一のオプションであることを示す。ユーザが万一、「ズームアウト」を続けることを試みる場合、オプションで、プロセッサ78は、ステータスバー104の水平の中線の下方に現われる(アイコン120bと同じ位置において)アイコン120dを描くように構成され得るけれども、さらにズームインすることは実際起こらない。代わりに、さらにズームアウトすることが可能でないことを示す「プラス」符号の表示器は、ユーザに視覚の合図として残存する。ここでまた、さらなる助力のために、ユーザは、ズームレベル表示器108を調査し得る。ユーザは、アイコン120がトラックボール46の回転の間に外観において変わる一方で、ズームレベルが変わらないことを確かめ得る。ユーザは従って、デバイス30が入力を受信しているけれども、一番端のズームレベルに到達しているので応答できないことを視覚フィードバックによって提供される。
【0063】
上記の実施形態がズームの3つのレベルを企図するけれども、一方で所望に応じて、任意の数のズームのレベルが実装され得ることは理解されるべきである。しかし、本実施形態において、3つのレベルが、高度の使用性を達成すると判断された。上記の実施形態はまた、単に1つのズームレベル(ズームインするか、またはズームアウトするかのいずれか)が、偶然直接に1xから5xまで動かないように、トラックボール46の所与の回転に対して遂行されることを企図するけれども、このことは不可欠ではない。実施形態のこの局面は、図4に戻って参照することによって理解され得、そこで、ステップ350において「はい」の判断を達成するために、トラックボール46は、順方向F1の最小距離を回転させられる必要がある。しかし、一旦その最小距離が超えられると、ステップ350は、トラックボール46が静止位置に戻り、回転を停止するまで完了されない。トラックボール46が実際に回転させられた実際の距離(すなわち角度の数)を問わない。最小距離は、トラックボール46の押し下げの間のトラックボール46の偶然の回転が、ズームインまたはズームアウトのコマンドとして誤解されないことを保証することに役立つ。同様に、ステップ360において「はい」の判断を達成するために、トラックボール46は、逆方向R1の最小距離を回転させられる。しかし、一旦その最小距離が超えられると、ステップ350は、トラックボール46がその方向の回転を停止するまで完了されない。トラックボール46が実際に回転させられた実際の距離(すなわち角度の数)を問わない。
【0064】
この段階で、対象Sのピクチャの構図を決めることは複雑であり、ユーザ側の多くの集中を必要としていることは強調されるべきである。従って、デバイス30の高度な使用性に対するニーズがある。ピクチャの構図を決める間に、ユーザは、厄介な照明状態、対象の動き、および感光性トランスデューサ62と対象Sとの間に現われる他の物体からの妨害に対処する必要があり得る。その他の困難がピクチャの構図を決めるときに生じ得る。従って、写真を撮るときにズームが、偶然押し下げられたトラックボール46によってトリガされないように、トラックボール46の回転の感度が十分に低くなるように構成することが現在所望される。本実施形態において、図4に示された構造に従って、スカート74、トラックボール46およびトランスデューサの筐体70の構成が配置されていることにより、方法300がステップ325と330との間で動作するときに、上記されたように、ユーザがその意図を誤ってプロセッサ78に伝達する可能性は低減され、従ってユーザに対してデバイス30の使用性を高める。すなわち、この構成は、ユーザがトラックボール46と明らかに相互作用して、明示的にズームインするか、またはズームアウトするいずれかのコマンドを提供することを可能にするか、あるいはユーザが、明示的にトラックボール46を押し下げて、それによって、ファインダー100内で現在決められた構図のようにピクチャを撮ることを可能にする。
【0065】
別の実施形態において、デバイス30などの電子デバイスによって以前に撮られた写真を見るための新規のプレビュー画面が提供される。実施形態に従う新規の画面が、図13において概して124で示される。プレビュー画面124は、プロセッサ78によってディスプレイ54上に、例えば、方法300のステップ345が実行された後、生成され得る。特定の実施例を続けると、図13内の画面124は、図12に従って構図を決められた対象Sのピクチャとともに示される。従って、プレビュー画面124は、図12のファインダー100内で構図を決められたように、対象Sを示すピクチャウィンドウ128を含む。プレビュー画面124はまた、ステータスバー104を置き換えるプレビューステータスバー132を含んでいる。
【0066】
プレビューステータスバー132は5つのアイコンを含み、それは、ユーザに利用可能な5つの異なるオプションに対応する。これらのアイコンは、ファインダーに戻る136と、ピクチャを削除する140と、トリミングする144と、送る148と、ファイルする152である。プレビュー画面124が、方法300の実行の後で提示される場合に、(ピクチャ124内の)ピクチャはファイルアイコン、すなわちファイルする152に隣接のファイル位置内で格納されている。ファインダーに戻る136は名前が暗示するように、ファイルする152に隣接して見出されたファイル名および位置に従って、ピクチャウィンドウ128内で示されたピクチャを持続性ストレージデバイス82内に格納されたままにしておく。ファインダーに戻る136の選択は、方法300を改めて開始するために用いられ得る。ピクチャを削除する140は、ピクチャウィンドウ128内で示されたピクチャを持続性ストレージデバイス82から削除するために用いられ得る。一旦ピクチャを削除する140が選択されると、ピクチャが削除され、次いで、方法300が改めて開始する。トリミングする144は、ピクチャウィンドウ128において格納されたピクチャの特定の部分を選択するために用いられ得て、そのような部分は持続性ストレージデバイス82上の新しいピクチャとして格納され得、および/またはデバイス30上で実行する連絡先マネージャアプリケーション内の1つ以上の連絡先と関連づけられ得る。送る148は、ピクチャウィンドウ128内のピクチャをEメール、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)などを介して、デバイス30の無線Eメール能力を用いて送るために用いられ得る。ファイルする152は、ピクチャのファイル名を見る、かつ/または編集し、ならびに/あるいは持続性ストレージデバイス82上に格納された他の写真を通してブラウズし、プレビュー画面124内で見るためにそれらの写真をロードするために用いられ得る。
【0067】
プレビューステータスバー132上の個々のアイコンは、トラックボール46を用いて、所望のアイコンが強調されるまで複数のアイコンの各1つを逐次強調するように選択され得、次いでそのアイコンと関連づけられた機能を実際に選択するためにトラックボール46を押し下げる。
【0068】
別の実施形態において、トリミングアイコン144の選択を介してアクセスされ得るトリミング選択画面が提供される。実施形態に従う新規の画面が、図14において概して156で示される。本実施形態において、トリミング選択画面156は、デバイス30上の連絡先マネージャアプリケーション内の連絡先と関連して格納され得る、トリミングされたピクチャを作成するために用いられ得る。トリミングされたピクチャは概して個人の顔になるけれども、これは不可欠ではない。トリミング選択画面156は、順番に選択サブウィンドウ164とコンテキストサブウィンドウ168とからなる選択ウィンドウ160を含んでいる。選択サブウィンドウ164は示されるように、範囲を定める可視の縁を有する円形で、かつ透明であり、好適には完全に透明である。コンテキストサブウィンドウ168は長方形であり、ディスプレイ54の高さのすべてを占めるが、幅のすべてを占めない。コンテキストサブウィンドウは半透明であり、好適には選択サブウィンドウ164よりも透明ではない。トリミング選択画面156は、ユーザがピクチャをトリミングすることを可能にするように最適化されて、ピクチャ内の対象の顔または主に顔を格納するための選択をする。トリミング選択画面156はまた、選択画面156がデバイス30などの上に実装される場合に、ユーザのためにトリミング機能を簡素化するように使用性に対して最適化される。対象らの同じ捕捉された顔の画像が、デバイス30上で動作する連絡先マネージャアプリケーションのレコード内のフィールドとして格納され得るように、対象の顔の画像の捕捉が所望される。
【0069】
背景として、連絡先マネージャ内のレコードは、撮影されている対象に対する連絡先およびアドレスの詳細のフルセットと関連づけられる。このことは、ここでまた、デバイス30の全体の使用性を向上させ得る。なぜならば、ユーザがデバイス30を用いて電話するか、Eメールするか、さもなければ連絡するために所望の人物を選択する目的で、連絡先マネージャアプリケーション内の写真を通してスクロールし得るからである。同じように、「視覚的」識別機能(例えば、「コーラーID(caller−ID)」)はデバイス30内で構成され得、それによって、対象からデバイス30への着呼(あるいはEメールまたはインスタントメッセージングアプリケーションなどの他の通信)は、格納された対象のピクチャを、ディスプレイ54上に表示されるようにさせ、その結果、入り通信のソースを識別することについてデバイス30のユーザを助力し、ユーザがそれに応じて反応することを可能にする。
【0070】
ユーザが画面156をアクセスする場合に、ユーザは、トラックボール46を用いて選択ウィンドウ160を(図14内の表示に関して)「東」または「西」に動かすオプションを有する。図14内で見られ得るように、選択サブウィンドウ164が対象Sの顔をフレームに入れてないことにより、対象Sの顔は、選択サブウィンドウ164の中央に現われる。トラックボール46は、図15に示されるように選択サブウィンドウ164を左に動かし、それによって、対象Sの顔を選択サブウィンドウ164の中央に位置決めするように用いられ得る。コンテキストサブウィンドウ168は、ユーザが、選択された部分を取り囲むピクチャの部分を見ることを可能にすることにより、トラックボール46を介する選択ウィンドウ160の動きの間、ユーザが、さらなる情報を有して、ピクチャの所望の部分を選択することを可能にすることは有利である。一旦選択ウィンドウ160が所望の位置に決められると、ユーザはトラックボール46を押し下げ(または、等価な入力を提供し)て、選択に従いピクチャを実際にトリミングし得る。
【0071】
上記の実施形態において、選択サブウィンドウ164は円形で、かつ透明であるが、一方でコンテキストサブウィンドウ168は、長方形であり、ディスプレイ54の高さのすべてを占めるが、幅のすべてを占めない。選択サブウィンドウ164が、コンテキストサブウィンドウ168内で正方形または長方形を含む任意の形状であり得ることは理解されるべきである。コンテキストサブウィンドウ168はまた、様々な形状であり得、選択サブウィンドウ164よりも小さくあり得る。同様に、選択サブウィンドウ164が完全に省略され得ることにより、選択ウィンドウは、コンテキストサブウィンドウによって覆われる範囲に対応する。ユーザが、選択サブウィンドウ164の形状および/またはサイズ、ならびに/あるいはコンテキストサブウィンドウ168の形状および/またはサイズを事前に規定し得るように、デバイス30を構成することもまた所望され得る。
【0072】
トリミング選択画面156に加えて、またはトリミング選択画面156の代わりに、ユーザがトリミングアイコン144を選択する場合に、ユーザは、プレビュー画面124内のピクチャをデバイス30に対するホーム画面として設定するオプションを与えられ得ることにより、このピクチャが、例えば、図7に示されるメインメニュー画面上の背景として現われる。トリミングアイコン144を選択することは、ユーザが、トリミング選択画面156に進むオプションを与えられるか、またはホーム画面に対するピクチャとしてそのピクチャを単に設定するか、または連絡先マネージャ内の連絡先と関連してそのピクチャを格納することを結果としてもたらし得る。代わりに、トリミング選択画面156は、連絡先マネージャアプリケーション内に格納するための個人の顔を単に選択すること以外の他の目的のために、ピクチャをトリミングするように用いられ得る。
【0073】
別の実施形態において、方法300の実行の間、いつでも生成され得る着呼の画面が提供される。実施形態に従う新規の着呼の画面が、図16において概して172で示される。着呼の画面172は、デバイス30が、方法300の実行の間に入る電話通信(など)を受信する場合に現われ、従って、着呼の画面172がファインダー100にオーバーレイして、着呼をユーザに知らせる。
【0074】
着呼の画面172は、識別フィールド176を含み、この識別フィールド176は、本実施例において、「Sally Chan +1(555)555−5555からの着呼」を知らせる。従って、識別フィールド176は、入り通信の性質(すなわち、電話対インスタントメッセージ)、発呼者の名前(すなわち、Sally Chan)、そして発呼者の電話番号を識別する。
【0075】
着呼の画面172はまた、写真フィールド180を含み、そこで、発呼者(この場合、「Sally Chan」)の写真が表示される。写真フィールド180に表示された写真は、方法300を用いて以前に捕捉され、持続性ストレージデバイス82内に格納され得たか、またはその写真は、なんらかの他の方法によって持続性ストレージデバイス82上に格納され得た。
【0076】
着呼の画面172はまた、無視するフィールド184および受諾するフィールド188を含んでいる。無視するフィールド184および受諾するフィールド188のうちのどちらかの1つが、トラックボール46を用いてそれらの間をスクロールすることによって選択され得る。選択される実際のフィールドは強調され、図16の場合は、無視するフィールド184が強調される。強調されたフィールドに対応するオプションは、押し下げられたトラックボール46によって最終的に起動させられ得る。無視するフィールド184を選択することは、着呼が拒絶されて、ボイスメールか、または所望の別な方法を介して処理される結果をもたらす。無視するフィールド184が選択される場合、デバイス30は方法300の動作を再開する。それは、本実施例において、図8に示された状態にディスプレイ54を戻すことを結果としてもたらす。受諾するフィールド188を選択することは、着呼が受容されて、デバイス30と発呼者との間の通信が通常の方法で確立されることを結果としてもたらす。所望に応じて、デバイス30は、電話の通話の間、方法300の実行を続けるように構成され得、可能性としては、スピーカホンオプションを起動させるか、またはヘッドセットを用いることによって、ユーザが方法300を完成する一方で、電話通話を遂行することを可能にする。代替としては、着呼が受容される場合、デバイス30は、方法300を終了させるように構成され得る。
【0077】
本実施形態において、画面172は、デフォルトで無視するフィールド184が強調されるように構成されて、ユーザが着呼の性質を迅速に評価して、単にトラックボール46を押し下げることによってその着呼を拒否することを可能にし、ユーザができるだけ速く方法300の実行に戻ることを可能にすることにより、着呼は、最も少ない量の割り込みを方法300の実行に提示する。しかし、受諾するフィールド188が、デフォルトで強調されるように画面172を構成することもまた所望され得、ユーザが着呼を迅速に受容することを可能にする。画面172が起動されるときに、無視するフィールド184または受諾するフィールド188のどちらをデフォルトで強調させるかを、ユーザが選択することを可能にするように、デバイス30が構成され得ることもまた企図される。
【0078】
画面172に関連した上の議論は、写真が撮られている間に現われ得る他の種類の通知にも適用可能である。入りEメール、入りテキストメッセージ、入りインスタントメッセージ、およびカレンダアラームは、そのような他の種類の通知の例である。所望される場合、デバイス30は、画面172などの画面を有するように構成され得、その画面は、方法300の実行の間に現われ得る。代替としては、ユーザは、そのような通知のどの種類が方法300の実行を中断することを可能とされ、どの種類の通知が可能とされないかを、個人の好みに従って構成するオプションを与えられ得る。
【0079】
上記は例示的な実施形態を表しており、本明細書に添付した特許請求の範囲を限定することを意図していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ機能を有する可搬型電子デバイスのディスプレイを制御するための方法であって、該可搬型電子デバイスは、第1の画像を受信するための感光性トランスデューサと、ユーザの入力デバイスとして用いるためのトラックボールとを含み、該方法は、
デフォルトのズームレベルを設定するステップと、
該ディスプレイ上で該第1の画像に対応する第2の画像を生成することによってファインダーを起動させるステップであって、該第2の画像は、該デフォルトのズームレベルに対応する視野を有する、ステップと、
該トラックボールから回転入力を受信するステップであって、該入力は、該視野からズームインすることか、またはズームアウトすることのいずれかの指示を表す、ステップと、
該指示がズームインすることか、またはズームアウトすることのいずれを示したかに基づき該ズームレベルを調整するステップと、
該調整するステップからの該ズームレベルに従って拡大または縮小された視野で該第2の画像を該ファインダー上に再生成するステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記デバイスは、前記カメラ機能に加えて少なくとも1つの追加機能を含み、前記方法は、前記設定するステップの前に、カメラアプリケーションを起動させる要求を受信するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加機能は、無線電話および無線Eメールのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の方向における前記回転入力は、ズームインすることを表しており、該第1の方向と反対の第2の方向における該回転入力は、ズームアウトすることを表している、請求項1、2または3のうちの1項に記載の方法。
【請求項5】
前記トラックボールが押し下げられることに対応する該トラックボールからの入力を受信するステップと、前記第1の画像の少なくとも一部分を捕捉するステップであって、該一部分は、前記ズームレベルに従って前記ファインダー内の前記第2の画像に対応する、ステップとをさらに包含する、請求項1、2、3または4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記トラックボールが静止位置にあるか、または回転位置にあるかに対応する、前記ディスプレイ上に該トラックボールのアイコン画像を生成するステップをさらに包含する、請求項1〜5のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
前記静止位置は、最小のズームレベル、中間のズームレベルおよび最大のズームレベルのうちのいずれか1つにある前記ズームに対応し、前記方法は、3つのアイコン画像のうちの1つを生成するステップをさらに包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記最小のズームレベルに対応する前記アイコンは、ズームインすることのみが利用可能であることを示し、前記中間のレベルに対応する前記アイコンは、ズームインすることと、ズームアウトすることとの両方が利用可能であることを示し、前記最大のズームレベルに対応する前記アイコンは、ズームアウトすることのみが利用可能であることを示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記デバイスは、電話またはインスタントメッセージングアプリケーションを含み、前記方法は、入り通信が該アプリケーションを介して受信されていることを示す通知画面を前記ファインダーにオーバーレイして提示するステップをさらに包含する、請求項1〜8のうちの1項に記載の方法。
【請求項10】
前記通知画面は、前記入り通信の発信者の識別子を含み、該識別子は、該発信者の写真を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記通知画面は、無視するフィールドおよび受諾するフィールドを含み、該無視するフィールドは、デフォルトで強調される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
可搬型電子デバイスであって、
トラックボール、感光性トランスデューサ、ディスプレイ、持続性ストレージデバイスおよび揮発性ストレージデバイスを相互接続するプロセッサ
を備え、
該プロセッサは、該ディスプレイ上でファインダーを生成するように構成され、該ファインダーは、該感光性トランスデューサを介して受信されている画像を再生し、該画像は視野を有し、
該プロセッサは、該トラックボールから回転入力を受信し、該回転入力の方向に依存して該ファインダー上の該画像の視野を拡大するか、または縮小するように構成される、
デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、押し下げられている前記トラックボールに対応する信号を受信し、該信号に応答して、捕捉された画像を前記持続性ストレージデバイス上に格納するために捕捉するようにさらに構成され、該捕捉された画像は、前記ズームレベルに従った前記ファインダー上の画像に対応する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
第1の方向における前記回転入力は、ズームインすることを表し、該第1の方向と反対の第2の方向における回転入力は、ズームアウトすることを表す、請求項12または13のうちの1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記トラックボールが静止位置にあるか、または回転位置にあるかに対応する該トラックボールのアイコン画像を、前記ファインダーと連携して前記ディスプレイ上に生成するようにさらに構成される、請求項12、13または14のうちの1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記静止位置は、最小のズームレベル、中間のズームレベルおよび最大のズームレベルのうちのいずれか1つにある前記ズームに対応する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記静止位置に対応する3つのアイコンを生成するように構成され、前記最小のズームレベルに対応する該複数のアイコンの第1のアイコンは、ズームインすることのみが利用可能であることを示し、前記中間のレベルに対応する該複数のアイコンの第2のアイコンは、ズームインすることと、ズームアウトすることとの両方が利用可能であることを示し、前記最大のズームレベルに対応する該複数のアイコンの第3のアイコンは、ズームアウトすることのみが利用可能であることを示す、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスは、電話アプリケーションまたはインスタントメッセージングアプリケーションの少なくとも1つを含み、前記プロセッサは、入り通信が、該電話アプリケーションまたは該インスタントメッセージングアプリケーションを介して受信されていることを示す通知画面を前記ファインダーにオーバーレイして生成するようにさらに構成される、請求項12〜17のうちの1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記通知画面は、前記入り通信の発信者の識別子を含み、該識別子は、該発信者の写真を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記通知画面は、無視するフィールドおよび受諾するフィールドを含み、該無視するフィールドは、デフォルトで強調される、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
請求項1〜11に記載の方法に従う、一組のプログラミング命令を格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−502134(P2010−502134A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525867(P2009−525867)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001437
【国際公開番号】WO2008/025120
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】