説明

電子バイオメトリック識別認識のための方法及び装置

特定個人の心臓鼓動パターンの表現と複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、特定個人を識別する第1のバイオメトリックシグニチャを作成して格納する電子バイオメトリック識別認識、即ち照合のための方法及び装置である。該方法及び装置は、上記作成するステップの後、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、上記選択された個人の心臓鼓動パターンと上記複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、第2のバイオメトリックシグニチャを作成する。それから該方法及び装置は、上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと比較し、上記選択された個人が上記特定個人であるか判定する。該装置及び方法は、スタンドアローンユニットとして、若しくは、本明細書に記載の多数の利用例による別のデバイスの一部として、利用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年11月8日出願のPCT出願第PCT/IB04/03899号に優先権を主張するものであり、該PCT出願は2003年7月24日出願の国際特許出願第PCT/US2003/23016号の一部継続出願であり、該国際出願は2002年7月29日出願の米国仮出願60/398832号の利益を主張するものである。その開示内容の全体は参照の上本明細書に援用される。
【0002】
自動バンキングサービス、eコマース、eバンキング、e投資、eデータ保護、リソースへのリモートアクセス、eトランザクション、ワークセキュリティ、盗難防止用デバイス、犯罪認識、安全エントリ、及び職場でのエントリ登録を含む多数の生活識別局面で、識別認識は重要な役割を果たす。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ化されたシステムでは、ユーザ認識のため、パスワードと個人識別番号(PIN)がしばしば利用される。しかし、安全性を維持するために、パスワードは定期的に変更されねばならず、このことはユーザに負荷をかけることになる。同様に、署名認証法は、偽造や記載詐欺を含む他の欠点に悩まされる。例えば、Beatsonらによる特許文献1を参照されたい。
【0004】
結果として、個人の生物学的現象の計測−バイオメトリクス−を利用する識別認識システムが、近年成長を遂げた。単独利用で、若しくは、スマートカード、暗号鍵、デジタル署名などの他の技術と統合されて、バイオメトリクスは、経済界及び我々の日々の生活のほぼ全ての局面に行き渡ることが予想されている。
【0005】
指紋認識、網膜虹彩認識、顔認識、及び音声認識を含むバイオメトリクス認識のための、進歩的技術が複数開発されている。例えば、Shockleyらによる特許文献2は、指紋認識などのバイオメトリックデータを利用して、個人のためのコンピュータアクセスをオーソライズすることを概略記載する。Scheidtらによる特許文献3は、バイオメトリックデータを利用する識別認証を記載する。Duludeらによる特許文献4は、バイオメトリック認証証明書の一部として、指紋、掌形認識、網膜虹彩スキャン、及びスピーチパターンの利用を記載する。Murakamiらによる特許文献5は、バイオメトリック認証のための、赤外線放射を含む“生理学的及び組織学的マーカ”を記載する。しかしながら、これらのタイプの技術は、複雑で不親切な取得手順、(採光状況や背景音などの)環境パラメータへの敏感性、及び高コストのために、限定された市場にしか浸透しない。更に、複雑な取得手順のために、前述の技術は通常、オペレータの傾注を要求する。
【0006】
指紋認識は、確立された技術であり最も成熟した技術である。しかし、幾つかの欠点がある。指紋認識システムは、指紋所有者の肉体の存在を照合できず従って誤る傾向があり、オンラインの利用例に対する適合性を制限してしまう。光学センサは、高価で脆弱なデバイスであり、消費市場には概略不適合である。更に、該システムは、犯罪学に関わるマイナスの意味合いを負っている。
【0007】
網膜走査技術は、高パフォーマンスで特徴付けられる。しかしながら、それらは高精度光学センサを要求し、更にそれらは頭位の操作及び非常に鋭敏な器官である人間の目への操作を要求するのであるから利用し易いものとはいえない。光学センサは高価で脆弱である。
【0008】
虹彩及び顔面認識システムは、遠くから画像を撮り非侵入的であるので、使いやすい技術である。しかしながら、それらはデジタル写真器具を要求し、更に採光状況、瞳孔サイズ変化、及び顔面表情に鋭敏である。更に、虹彩認識のパフォーマンスは、暗い色の眼鏡やコンタクトレンズの利用により退行してしまい、顔面認識は顔まねにより惑う可能性がある。
【0009】
音声認識は最も使いやすい技術であるが、しかしながら、その技術は低ノイズの設定を要求し、イントネーションを含む固有の可変のスピーチパラメータに非常に鋭敏である。更に、現存する従来の録音技術は、スピーチベースの認識システムを欺くために利用される可能性がある。
【0010】
従って、スタンドアローンで利用され得る、又は、現存のセキュリティシステムと統合され得る、信頼でき確固としており、(オンラインでもオフラインでも)欺くのが困難であり、低コストで使いやすい同一性認識システムを求める要求が存在する。
【0011】
数年に渡り、心電図(“ECG”)計測が、多数の様々な目的のために利用されてきた。心電図信号は心臓により生成される電気信号であり、通常患者の胸部に搭載される従来技術の表面電極を利用して採取され得る。心電図信号は、個々の心臓鼓動の間の種々の機能段階を示す複数の成分で構成され、発電組織の電位方向に従って突出する。
【0012】
心臓組織構造、心臓方向、及び電気組織方向における通常の変化による、心電図信号において、個人は、種々の、患者特有の詳細を示すのであり、それら心臓組織構造、心臓方向、及び電気組織方向の全ては、四肢から計測される心電図信号に影響する。多数のタイプのシステムは、これらの患者特有の変化を利用する。
【0013】
例えば、Blazeyらによる特許文献6は、心電図信号を利用して、個人の生理学的及び認識状況を評価し、又はプロファイルすることを記載する。識別といえば、非特許文献1は、識別のために、患者の心電図を予め登録された心電図特性パラメータと、比較する。Wiederholdは、特許文献7で、直接に又は遠隔で収集された心電図信号を利用して患者を識別することを提案し、個人を識別するための特性抽出を“探索し”、そのような方法の“予備分析”を提示する。
【0014】
しかし、心電図信号は、一つのグループに共通し得る特性を有する心電図成分で構成される。これらの文献のうちには、心電図成分の共通特性を除去して患者識別のためのシグニチャを形成するようなシステム、又は方法を記載するものは無い。従って、これらの特質によって個人を識別するシステム及び方法に対する要求は、依然存在する。
【0015】
この背景技術における前述の文献の提示は、本明細書に開示される発明に関してそれらが先行技術若しくは類似技術であることを自認するものではない。しかしながら、この背景技術の記載における文献の全ては、本明細書に完全に設定されるものとして、参照の上組み込まれる。
【特許文献1】米国特許第5892824号
【特許文献2】米国特許第5534855号
【特許文献3】米国特許第6490680号
【特許文献4】米国特許第6310966号
【特許文献5】米国特許第6483929号
【特許文献6】米国特許第6293904号
【特許文献7】米国出願第2003013509号
【非特許文献1】“Development of an ECG Identification System”というタイトルの、Kyosoらによる(トルコ、イスタンブールにおける)Medicine and Biology Societyの第23回年次国際IEEE会議(Conference)での2001コンファランスペーパ
【非特許文献2】「Electric potential probes−new directions in the remote sensing of the human body」(Sci.Technol.13(2002)163−169)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
出願人は、バイオメトリック識別の前述問題に対して、複数の形態を有する種々の装置及び方法による解決策を与える。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の形態では、以下の方法及びその変形例の利用によって、バイオメトリック識別に関する前述の問題の各々を解決する。即ち、
特定個人の心臓鼓動パターンの表現と複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、特定個人を識別する第1のバイオメトリックシグニチャを作成して格納するステップと、
上記作成するステップの後、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、上記選択された個人の心臓鼓動パターンと上記複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、第2のバイオメトリックシグニチャを作成するステップと、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと比較し、上記選択された個人が上記特定個人であるか判定するステップと
を含む方法である。
【0018】
この形態に係るシステムは、心電図信号収集モジュール、心電図シグニチャ生成器を含む心電図信号処理モジュール、及び、出力モジュールを含む。
【0019】
従って、この第1の形態によると、本明細書に開示されるシステム及び方法は、生体電気信号を無比の電子バイオメトリックシグニチャに変換する。心電図シグニチャの無比性により、システムを欺くことは困難となり、方法固有の強固性により、ローカルだけでなくリモート及びオンラインの利用で、理想的なものとなる。更に、バイオメトリックシグニチャベースのシステムは、高識別パフォーマンスにより特徴付けられ、開かれたサーチモードと閉じられたサーチモードの両方をサポートする。
【0020】
第1の形態に係る一つの好適な方法では、一つ又は複数の心電図成分の格納される表現は、複数の個人のためのその表現を計測して格納し格納された表現の全てを平均することによって、得られる。一方で、共通特性は、主成分解析、ファジークラスタリング解析、ウエーブレット分解などの技術により取得され得る。
【0021】
この第1の心電図方法は強固であるので、別の利点もある。それらは、低コストでユーザフレンドリな収集装置として実装され得る簡素で率直な収集技術を許容し、更に、熟練のオペレータを求める必要を排除する。
【0022】
これらのシステム及び方法に関する変形によると、一つ又は複数の患者の心電図成分の共通特性は、経験的モデルの代わりに、若しくは、それに加えて、一つ又は複数の心電図成分の共通特性の解析モデルを利用して、除かれ得る。同様に、まず格納された表現をサブグループに分類し、少なくとも一つのサブグループ内の共通特性を識別し、サブグループに従って患者特性を分類し、患者信号から一つ又は複数のサブグループ心電図成分の共通特性を除いて患者シグニチャを形成し、サブグループシグニチャに対する患者のシグニチャの相関を計算して患者を識別することによって、共通特性は除かれ得る。
【0023】
共通特性は、個人のグループから、同調させた心電図を平均化することで決定され得、続いて、患者の心電図から差し引かれて患者のシグニチャを決定する。しかしながら、この方法は、共通特性は個人のグループにおいて一定であることを仮定する。実際には、所与の個人においてある程度大きく若しくは小さく、共通特性は存在する。従って、共通特性を除いて患者のシグニチャを取得する前に、所与の患者の心電図に最も良くフィットするように、共通特性を近似することがより良い。この擬寿トランジスタは、患者のシグニチャを拠り正確に決定するためのものである。
【0024】
この方法によれば、心電図のグループは特徴的波形のセットに解体(分解)され得る。グループの共通特性を表す特性波形は加重され、患者の心電図内に存在する共通特性の範囲を最も良く近似する。それから近似は患者の心電図から差し引かれる。残余のものは、患者の心電図シグニチャを含む。
【0025】
多数のテンプレートは、種々の心拍数で個別に生成される多数シグニチャを格納することなどにより、個別の患者のためにも維持され得る。この実施形態では、患者シグニチャは、適切な心拍数のためのものなどの、適切なテンプレートと相関付けされてもよい。よって、変形例では、本明細書に開示のシステム及び方法は、ある範囲の情況及び反応における個人を識別する多数のシグニチャテンプレートを用いてもよい。一方で、又は、更に、第1の形態によって、患者信号及び登録信号は、心拍数に基づいて正規化されてもよい。
【0026】
本明細書に開示の第2の形態によると、識別のためのプロセスは、動的閾値を設定してもよい。この動的閾値は、信頼スコアにより決定されるような、識別内の信頼の所望レベルに基づいてもよい。
【0027】
本明細書に開示の第3の形態によると、本明細書に開示のシステム及び方法は“Qファクタ”を利用してノイズによる信号の汚れを減じるかを決定してもよい。同様に、Qファクタ、若しくは別の信号性質の計測が利用され、所望の信頼レベルで患者を識別するのに要求される患者サンプルの長さを決定しても良い。それは、サンプルが将来の比較に対しても適切であるように、所望の信頼レベルでサンプルを登録するのにも、利用されても良い。
【0028】
“Qファクタ”計算に関する別の実施形態では、本明細書に開示のシステム及び方法は、ノイズのための、患者のシグニチャ、及び/又は、登録されたシグニチャの標準偏差を計算し、それらの計算から信号性質が識別に適切であるかを判定しても良い。
【0029】
同様に、本明細書に開示のシステム及び方法は、接触部若しくはプローブのインピーダンスを計測して、信号性質を判定しても良い。この形態に係る信号性質計測は、センサ若しくはプローブとの接触を調整するように、又は、センサ若しくはプローブに対する配置を調整するように、患者に知らせるのにも、利用され得る。
【0030】
第4の形態によると、患者及びデータベースシグニチャは、シグニチャに対する非認証のアクセス及び利用に対する安全警戒として、暗号化されても良い。
【0031】
第5の形態によると、心電図信号は、一貫した信号を生じるある身体部位と接触して配置される電極により、収集され得る。ある体の配置に対しては、電極配置の僅かな変化でも、受信信号形態でドラスティックな変化を生じることもあり、明瞭な信号成分を生じさせたり消してしまったりすることが起こり得る。よって、この形態では、本明細書に開示のシステム及び方法は、部位内での電極配置の変動に拘わらず強固である患者特有の一貫した信号を生成する電極配置部位を利用しても良い。これらの部位は、(指やつま先を含む)腕や足を含む。これらの部位内の電極配置の強固さは、電極が四肢先端に近い限り変動しない、一貫した心電図信号の射出から生じる。
【0032】
この同じ第5の形態によると、極めて高いインピーダンス感知プローブとして周知の、ある感知プローブは、指などの単一の身体ポイントからの信号を含む、信号を収集するように用いられてもよい。一方で、又は更に、これらの極めて高いインピーダンスプローブは、心電図信号を遠隔で感知し、このことにより信号の一貫性を維持しつつ電極配置の困難性を排除し得る。
【0033】
第6の形態によると、本明細書に開示のシステム及び方法は、登録不正に対して保護し、且つ、データベース登録者が患者の識別を表せない可能性を減じさせる要素及びステップを含んでも良い。
【0034】
第7の形態によると、本明細書に開示のシステム及び方法は、患者の適合スコアをデータベース登録者の適合スコアと比較することにより、患者を識別し得る。
【0035】
第8の形態によると、本明細書に開示のシステム及び方法は、加重相関技術を用いて、シグニチャを生成するために種々の加重を種々の心電図信号成分に帰するようにしてもよい。一方で、又は更には、二乗平均平方根計算若しくはL1メトリクスを含む種々のメトリクスを用いてシグニチャが正規化されても良い。
【0036】
受信するユーザデータが有効であることを保証するチャレンジレスポンスプロトコルを、バイオメトリック技術が利用することもある。その場合、バイオメトリックデータの再生によりシステムが欺かれる危険が減じられ得る。しかしながら、今までは、バイオメトリックシステムのためのチャレンジレスポンスメカニズムは、ユーザに能動的な参加を要求してきた。更に能動的なユーザの参加は、ユーザの照合プロセスを面倒にして拡大する。例えば、音声認識システムは、通常、ユーザがランダムに選択された言葉や文章を繰り返すことを要求する。従って、別の形態によると、バイオメトリックIDシステムは、ユーザからの意識的な応答を要求しない生物学的チャレンジレスポンスメカニズムを有利に利用することによって、欺かれるリスクを減じ得る。
【0037】
前述の形態の各々に係るシステム及び方法は、認識を識別するために、それらのタスクを自動的に行うことが好ましい。更に、これらのシステム及び方法は、広範囲のデバイス及びシステムの中に組み込まれ得る。少しの限定の無い例は以下の通りである。スマートカード、パスポート、運転免許装置、バイオログオン識別装置、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、細胞埋め込み識別装置、盗難防止装置、心電図モニタ装置、eバンキング装置、e取引装置、ペット識別装置、物理的アクセス装置、論理的アクセス装置、及び、心電図と指紋モニタ、血圧モニタ、及び/又は、他の形態のバイオメトリックデバイスを組み合わせた装置。
【0038】
更に、本明細書に開示のシステム及び方法は、患者のQRS群の幅、若しくはより一般的には患者のQRS関連シグニチャ成分を、登録されたグループのもの、若しくは解析心電図モデルと比較するなどして、個人の年齢を識別するのに利用され得る。
【0039】
別の例では、本明細書に開示のシステム及び方法は、一連のドラッグ関連シグニチャテンプレートを登録して計算することなどによって、若しくは解析的に導出することなどによって、投薬中の個人を識別するのに利用され得る。この方法は、薬物を利用して自分の心電図信号を変えてしまうことによって、システムを欺こうとする患者を識別し若しくは捕捉するのにも利用され得る。
【0040】
建物及び室アクセスコントロール、サーベイランスシステムアクセス、ワイヤレスデバイスアクセス、コントロール及びユーザ照合、携帯電話起動、(ラップトップ経由、PC、マウス、及び/又はキーボードを含む)コンピュータアクセスコントロール、(ドキュメントコントロールを含む)データアクセス、公共交通の乗客認識、エレベータアクセスコントロール、小火器ロッキング、(イグニションスタート及びドアロック経由を含む)乗物コントロールシステム、スマートカードコントロール及びスマートカードクレジット認証、(著作権保護作品を含む)オンライン−ライン部材へのアクセス、電子チケット、核物質のアクセス及びコントロール、ロボットコントロール、航空機アクセス及びコントロール(乗客識別、飛行制御、メンテナンス作業員のアクセス)、自動販売機アクセス及びコントロール、ローンドロマット洗濯機/乾燥機アクセス及びコントロール、ロッカーアクセス、子供が操作できないロック、テレビ及び/又はビデオアクセスコントロール、解読キーアクセス及び利用、キャッシュレススロットマシン、スロットマシンメンテナンスアクセス、(オンライントランザクション機能を含む)ゲームコンソールアクセス、(ネットワークアクセス及びコントロールを含む)コンピュータネットワークセキュリティ、POS購買者識別、(顧客識別及び口座アクセスを含む)オンライントランザクション、現金支払いサービス若しくは電信送金識別、建物メンテナンスアクセス及びコントロール、及び、インプラント医療機器プログラミングコントロールを、本明細書に開示のシステム及び方法を利用する他の利用例が、含むものである。他の利用例は当業者には明白であり、本開示の範囲内のものである。
【0041】
どの利用例に対しても、前述の形態のどれにも係る若しくは全てに係る装置は、連続して若しくは要求に応じて、動作し得る。装置は、一つ又は複数の電極を個人に接触させることにより、若しくは、センサを個人から離隔して設けることにより、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得するように、構成され得る。装置がスマートカード内に設けられると、装置は、連続する認識の後限定された期間動作可能であり、その後次の連続する認識が実施されるまで動作不能となる。装置は、暗号化キー若しくはデジタルシグニチャにより動作するように構成されても良い。
【0042】
本明細書に開示の方法に関して、前述の方法のステップは、連続して実施されても良く、別の順序で実施されても良い。本明細書に開示のシステム及び方法は、人間に対して、若しくは別の動物の患者に対して、利用されても良い。
【0043】
これらの形態の各々は相互に、置き換えて及び組み合わせて、利用されても良い。修正、変形、及び拡張のみならず更なる実施形態も、本明細書に記載されるものである。
【発明の効果】
【0044】
本明細書に開示のシステム及び方法は、バイオメトリック識別の前述問題に対して解決策を与え得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
[定義]
他に指示がなければ、“識別する”、“識別すること”及び“識別”の用語の意味は、夫々、“識別を証明する”、“識別を証明すること”及び“識別の証明”の概念を含むものとする。
【0046】
“閉じられたサーチ”は、一つの格納されたシグニチャが審査されて個人の識別を証明するような、サーチを意味する。
【0047】
“開かれたサーチ”は、複数の格納されたシグニチャが調査されて患者を識別するような、サーチを意味する。
【0048】
[第1の形態]
第1の形態によると、生物−電気信号が収集され、処理されて解析され個人識別を識別する。この第1の形態に係るシステム及び方法の好適な実施形態は、例として、図1に示される。図1は、電子−バイオメトリック識別(E−BioID)と呼ばれるシステムを示す。この好適な形態では、複数の個人の一つ又はそれ以上の心電図コンポーネントの共通特性の格納される表現は、それら個人の一つ又はそれ以上の心電図コンポーネントの平均である。しかしながら、他の実施形態は、様々なタイプの共通特性の格納される表現を利用する。例えば、主成分解析、ファジークラスタリング解析、ウエーブレット分解により遂げられるもの、又は、解析モデルにより得られるものなどである。
【0049】
好適な実施形態では、E−BioIDシステムの基本要素は、信号取得モジュール12、信号処理モジュール14、及びアウトプットモジュール16を含み、それらは1つのハウジングに実装される。別の好適な実施形態では、システムは、局所的に取得された電子−バイオメトリック信号をリモートで解析するのに設けられる。図1に示される要素の各々は、本開示と組み合わせて既に周知である原理及び技術に基づいて、当業者により容易に実施され得る。
【0050】
図2は、E−BioIDシステムでの信号取得モジュールの構成の好適な構成を示す。データ取得モジュールは、一つ又はそれ以上のセンサ22、プリアンプ24、バンドパスフィルタ26、及びアナログデジタル(A/D)コンバータ28を含むのが好ましい。これらの要素の各々は、本開示と組み合わせて既に公知である原理及び技術に基づいて、当業者であれば容易に実施され得る。
【0051】
センサ22は、鼓動パターンを検出できるどのタイプのものでもよい。例えば、標準的なコンピュータキーボードの“付加装置”として接続される金属プレートセンサであればよい。別の形態では、単体のセンサは、それ自身、指で触れるなど、単体の接触ポイントから信号を取得し得る。一方で、センサは患者に全く触れなくてもよい。
【0052】
図3は、E−BioIDシステムでの信号処理モジュール14の好適な要素を示す。信号処理モジュールは、デジタル信号プロセッサ(DSP)32、デュアルポートラム(DPR)34、電気的消去プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)36、及びI/Oポート38を含むのが好ましい。これらの要素の各々は、本開示と組み合わせて既に公知といえる原理及び技術に基づいて、当業者であれば容易に実施され得る。信号処理モジュール14は、ポート38を介して、信号取得モジュール12及び出力モジュール16に接続する。
【0053】
別の実施形態では、信号処理モジュールは、適切なプログラムによりパーソナルコンピュータで実現可能である。そのパーソナルコンピュータは拡張可能計算機プラットフォームであり、家庭、オフィス若しくは大学/企業環境での現存するコンピュータ施設の中にシステムを簡単に統合できる。
【0054】
出力モジュール16は、LCDやCRTモニタなどの専用ディスプレイユニットから構成されるのが好ましく、ロッキング機構などの外部電気装置の動作のための中継器を含んでもよい。一方で、出力モジュールは、認識結果を更なる活動のために遠隔場所に中継する通信ラインを含んでもよい。
【0055】
[信号取得、処理、及び分析]
生体電気信号、即ち心臓鼓動信号は、簡素な方法で取得され、その方法では患者は数秒間少なくとも1つのセンサに接触するように指示される。金属プレートでもよい一つ又はそれ以上のセンサは、生体電気信号をアンプ24に導き、アンプ24は生体電気信号を所望の電圧範囲に増幅する。好適な実施形態では、電圧範囲は0〜5ボルトである。
【0056】
増幅された信号は、4〜40Hzの好適な周波数範囲以外の寄与を除去するために、フィルタ26を通過する。一方で、より広い範囲の0.1〜100Hzがノッチフィルタと共に利用され主要な周波数干渉(50/60Hz)が拒絶されてもよい。信号のデジタル化は、好ましくは約250Hzのサンプリング周波数で、12−ビットA/Dコンバータ28によって為されるのが好ましい。
【0057】
モジュール14では、信号は、概ね外因性電気特性に関連する信号規模変数を説明するために、’R’ピークの規模で正規化される。正規化されたデータは、予め格納される電子−バイオメトリックテンプレートに対比される電子−バイオメトリックシグニチャに変換される。対比の結果は、定量化され、任意で信頼度は割り当てられ、出力モジュール16に伝送される。出力モジュール16はE−BioIDシステムの利用者に認識内容をフィードバックし、錠やサイレンなどの外部装置、ネットワークログイン確認などの仮想装置、又は通信リンクも活動させ得る。
【0058】
一方で、若しくは更に、信号は脈拍数に対して正規化されてもよい。心電図信号は、周知の心電図変動である脈拍数での変動により影響されるので、このことは有用である。脈拍数変動は、心電図信号の’QRS’成分に関する’P’と’T’成分の、潜伏的な、振幅及び形態の変動を生じ得る(これらの成分は図7に示される)。しかしながら、脈拍数変動は、信号複合体の遡及的な脈拍数駆動調整により、自動的に補填され得る。しかも、システムの適応動作モードは、脈拍数誘導変動を追跡して補填できる。心臓鼓動波形の1周期の時間スケールを圧縮若しくは拡張することにより、このことは為され得る。波形特性(例えば、S−T、P−Qセグメント期間)と脈拍数の間の関係を規定するより洗練された処方も利用され得る。このように、この変動に係る方法は、心電図信号識別に基づくものであり、解析は心臓鼓動と同期して実施され、一般集団に共通する特性を除去し、このことにより電子−バイオメトリック、若しくはバイオメトリック、シグニチャを構成し生の心電図信号では通常検出できない患者特有の特性を拡張する。
【0059】
別の実施形態では、E−BioIDシステムは、多くの機能要素がASICベースのシステムで実装されている完全に統合されたコンパクトデバイスとして実現される。
【0060】
別の実施形態では、装置は手首に着装する時計に組み込まれることができ、その場合信号は、時計が着装される腕の手首と着装者の別の腕との間で計測される。時計の背面は、手首の背面と接触する(例えば、金属プレートの)導電媒質からなり、時計の表面には、別の手の指で接触される必要がある別の金属プレートが設けられる。時計は、着装者の識別の確認を示し、及び/又は、ドア、コンピュータ、金庫などの物理的若しくは論理的にロックされた装置を起動する信号を伝送してもよい。時計は、着装者の個人情報も伝送してもよい。同様に、装置はベルトに組み込まれてもよく、誘電媒質を含むどのアパレルアイテムに組み込まれてもよい。ベルト若しくは他のアパレルアイテムは、着装者の識別の確認を示し、及び/又は、物理的若しくは論理的にロックされた装置を起動し、及び/又は、着装者の個人情報を伝送する信号を、伝送してもよい。
【0061】
[動作の原理]
バイオメトリック認識は、新たに取得されたバイオメトリックシグニチャを、登録若しくは記録されたバイオメトリックシグニチャテンプレートデータベースのシグニチャテンプレートと比較することが求められる。ここでは、システム動作の2つのフェーズ:登録と認識が要求される。
【0062】
[登録フェーズ]
好適な実施形態では、個々の新しい患者は、左手の指で第1のセンサに触れ、右手の指で別のセンサに触れるように指示される。別の実施形態では、患者は、好ましくは手や足である体の他の部位で、通常金属からなるセンサに触ってもよい。別の実施形態では、患者は、体の単一のポイントで単一のセンサに触ってもよい。一方で、患者はセンサに触らなくてもよい。システムは、患者の脈拍数をモニタし記録を開始し、少なくとも20秒間続けるのが好ましい。要求される正確さのレベルに依存するが、より短い間隔も用いられ得る。記録が終了すると、システムは、登録されたセグメントの2つの部分から導出される少なくとも2つのバイオメトリックシグニチャを比較してシグニチャの一貫性を照合するセルフテストを行う。2つの部位は、2つの半分のものでもよく、2つのより大きい重なり合うセグメントであってもよい。2つの部位は、2つのバイオメトリックシグニチャを導出するのに利用される。セルフテスト結果が成功すれば、その患者の登録が終了し、成功しなければ、手順が繰り返される。成功した記録が、心電図信号、若しくは一連の心電図信号の構築の為に利用され、それらは心電図信号データベースに付加される。
【0063】
心電図信号は、データセットに参加された患者の全て若しくはサブセットに共通する特性を除去することによって、心電図シグニチャテンプレートのセットに変換され、このことにより、患者特質識別特性を強化することになる。
【0064】
好適な実施形態では、システムは、全平均の心電図テンプレートを形成するが、その全平均は、全体プールの患者の正規化された心電図信号の同期平均により計算される。全平均は、上述の共通特性を表象し、従って心電図信号の各々からの全平均の差異は、明瞭な、患者特質の電子バイオメトリックテンプレートシグニチャのセットを生じることになる。別の実施形態では、主成分分析、ファジークラスタリング解析若しくはウエーブレット分解などの共通特性を除去する他の手段が、利用され得る。
【0065】
別の好適な実施形態では、心電図のグループは特徴波形のセットに分類(分解)されてもよい。この好適な実施形態によれば、ノイズは、個人のグループの心電図から除去される。システムは、主成分解析(PCA)を利用してグループの心電図を直交(無相関)成分に分解する。これら無相関成分は、総合すれば、信号の全体エネルギを表し、これは100%の信号変動である。
【0066】
PCA表現の最も大きい固有値に係る第1の主成分。グループの心電図のうち、通常3から5の第1の成分、及び、いずれにせよ10以下の第1の成分は、通常、心電図のエネルギ及び分散の約90%を表し、共通の特性を含む。これらの最初の成分は人的集団において全体として存在し安定的な共通特性を表す。結果として、これらの第1の主成分は、どの患者のシグニチャを識別するのにも利用され、個々の患者に対して再計算される必要がない。(通常、全体波形エネルギの10%に過ぎない)残余のより小さい成分は、ノイズ、及びグループの幾分の個人の情報を表す。
【0067】
グループの共通する特性を表す特性波形が、患者の心電図から減じられる。その残余には、更に残るノイズに加えて、患者の心電図シグニチャが含まれる。
【0068】
特性波形は様々に形成可能であり、個々の波形間の所望の“距離”若しくは“オーバラップ”に依存する。例えば、相関関数は波形間の所望の距離を決定するのに利用され得るのが好ましい。但し、他の方法でもよい。
【0069】
顕著なことであるが、心電図が登録データセットに加わっていない個人から採取されれば、登録データセット及びそれらの時間シフトバージョンに関する3から4の第1の主成分のみを通常参照することで、彼若しくは彼女の心電図シグニチャを判定することが可能である。
【0070】
[シグニチャの判定]
全ての患者の心電図は、多かれ少なかれ、第1の主成分の各々を含む。この好適な実施形態では、患者の心電図は、以下の方程式に係るサンプルセットから主成分を利用して、近似され得る。
【数1】

【0071】
この式では、Cは再構成係数であり、pはモデルオーダであり、PCは主成分である。目的は、患者の心電図を最もよく近似するためデータベースの主成分に重みを付ける係数を見出すことである。言い換えれば、目的は、データベースの主成分に重みを付けることにより構成される患者の信号の近似と、元の患者の信号との間のエラーを最小限にすることである。
【0072】
このことは様々な方法で為され得る。一つの方法は、再構成エラーのノルムを最小限にする最小自乗近似を用いて、再構成係数を決定することである。これを以下に示す。
【数2】

または、
【数3】


最適な係数が決定されると、以下の式に従って(3又は4などの)データベースの第1の主成分を総和するのに利用され得る。
【数4】


この総和は、患者の信号から減じられる。そうすると、患者のシグニチャ及び恐らくノイズが残る。
【0073】
更に、定義上、ノイズは無相関であるから、最後の主成分、即ち最小の固有値に係るものにより、通常ノイズが記述される。結果として、ノイズは、これらの最後の主成分に重み付けし患者のシグニチャと最適に適合させそれから患者信号からそれらを除去するというようにして、患者信号からの除去を行ってもよい。ノイズは他の方法により除去されてもよい。
【0074】
[潜伏的変動の説明]
心電図成分のデータベースの変動には、潜伏的変動、即ち登録されたデータシグニチャの時間変動によるものがある。結果として、前述の方法は、主成分を時間シフトすることにより向上され得るのであり、シフトは右でも左でも構わない。例えば、3の主成分が共通心電図特性を近似するのに利用されるのであれば、6以上の成分が、右シフトでも左シフトでも、個々の成分に対して2つ、潜伏的変動となるように加えられ得る。
【0075】
この例では、3の主成分と6倍のシフト成分が、構成係数を計算するのに利用される。そして、最良の構成係数が決定されると、共通特性成分が構成され元の患者の心電図シグニチャから減じられて個人のシグニチャが生成される。
【数5】

【0076】
図4は、100人の患者のプールから抽出した第1の6個の影響力の大きいPC(主成分)と、データ変動の表現に対する第1の10個のPC(主成分)の寄与を示す。図5は、元の心電図信号、及び、3個の影響力の大きいPC(主成分)とそれらの潜伏的なシフトバージョンとの最適な組合せを除去することによって構成されるそれらの個々のシグニチャとを示す。
【0077】
PCAは、メイン信号、二次的変動及びノイズの間における規模の明確な区別を、成分に関する漸進的で影響の大きい表現に与える確固としたアルゴリズムであるが、少なくとも2つの別途の技術が、グループの心電図を分解するのに利用され得る。第1の別途の実施形態では、独立成分分析(ICA)が、(PCAの直交成分と対照的に)複合信号を独立成分に分解するのに利用され得る。これらの独立成分は、PCAと類似のやり方で、心電図をモデル化し再構成するのに利用され得る。
【0078】
第2の別の実施形態では、ウエーブレット分解(WD)が、複合信号を、ウエーブレットと称される時間スケール波形のセットに分解するのに利用され得る。WDは、(連続するサイン及びコサインの分解に基づく)フーリエ分解とは対照的に、過渡のウエーブレット波形に基づく。結果として、ウエーブレットが心電図のような過渡の信号成分をより実効的に記載するという点において。WDはフーリエ解析に対して利点を有する。
【0079】
一方で、更に、共通特性は、記録データから計算される経験的モデルを利用するのではなく、一つ又はそれ以上の心電図成分の共通特性のための解析モデルを利用することにより、除去され得る。
【0080】
別の好適な実施形態では、サブセット内の相似とサブセット間の格差を強めるように、データベースは複数のサブセットに分割される。該実施形態では、一つ又はそれ以上のサブセットに対する、明白な総平均、若しくは他の共通特性判定を計算する。このデータベースの区分はそれ自身、線形分類、ベイズ分類、ファジー分類若しくはニューラルネットワークなどの標準的なパターン分類スキームを利用して、為され得る。膨大なデータベースの場合、心電図信号間の類似性の適切な表現としての総平均の妥当性を保証するためだけでなく、サーチプロセスを簡素化し短くするためにも、データベースをサブセットに区分することが有用である。患者のシグニチャは、適当なサブグループ内で見出される共通特性を除去することにより、生成されることになる。
【0081】
図6は、データベースに加えられた20人の患者のプールから構成された、総平均の例を示す。
【0082】
図7は、心電図信号の10例を示し、図8は、データベース内に含まれる全ての患者に共通の特性を除去することによって上記心電図信号から導出された電子−バイオメトリックテンプレートシグニチャを示す。特に、図8の個々のシグニチャは、図7の対応する信号から図6の波形を差し引くことによって得られる。元の心電図信号が相当に類似していても、導出される電子−バイオメトリックシグニチャが顕著に異なることが見られる。これらの差異は、E−BioIDシステムの認識可能性の根拠をなす独特の心電図格差を本来的に反映することがわかる。
【0083】
[認識フェーズ]
認識フェーズでは、患者は登録フェーズのときと同様にシステムに係わるが、しかしながら数秒のオーダーのより短い記録時間で充分となる。
【0084】
好適な実施形態では、システムは照合手続き(閉じられたサーチ)を実行する。システムは取得された信号を処理し、全体データベース内に見出される、データベースの区分サブグループ内に見出される、若しくは解析心電図モデルにより与えられる共通特性を除去することによって電子−バイオメトリック患者シグニチャを形成し、シグニチャを脈拍数に従って調整し、調整された電子−バイオメトリックシグニチャを患者の登録された電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートと比較する。
【0085】
別の好適な実施形態では、システムは識別手続き(開かれたサーチ)を実行する。システムは、全体データベース若しくはデータベースの区分サブグループに対する比較処理を繰り返し、調和する識別の同定を行う。
【0086】
[比較プロセス]
好適な実施形態では、比較は、電子−バイオメトリックシグニチャσjと電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートΦiとの間の相関係数ρを計算することにより、実施される。以下のようになる。
【0087】
【数6】

【0088】
相関係数は、2乗されつつその元の符号を維持する:η=sign(ρ)*|ρ|。別の実施形態では、比較は、電子−バイオメトリックシグニチャの間のRMSエラーなどの、他の類似の測定に基づいてもよい。
【0089】
閉じられたサーチか開かれたサーチか操作のモードに依存して、比較により一つ若しくは複数の相関係数を生じる。閉じられたサーチでは、符号が維持された2乗相関係数(η)は、認識判定を為すために利用される。所与の閾値より大きい値は、肯定的な識別、即ち合致として受けとめられる。ボーダライン、閾値近傍の値は、記録の拡張若しくは繰り返しの必要を示し得る。開かれたサーチでは、最も高い係数が選択された閾値より上であれば、全ての符号維持2乗相関係数の中での最大の符号維持2乗相関係数により、最も本当らしい患者識別を生じることになる。
【0090】
前もってセットされた閾値は、要求される信頼レベルから導出される。より高い所望の信頼レベルはより高い閾値を要求する。一つの実施形態では、0.8より大きい符号維持2乗相関値は適合の特性を示し、0.7より小さい符号維持2乗相関値は不適合の特性を示す。従って、0.8より大きい符号維持2乗相関値は真の適合値と考えることができ、0.7より小さい値は不適合値と考えることができる。
【0091】
図9の上側グラフは、符号維持2乗相関値の散乱プロットを示し、0.8閾値を点線でマークしている。適合値(円)と不適合(星)との間の明確な分離は明白である。他の2つのグラフのヒストグラムは、E−BioIDシステムの効果的な認識能力の異なる見方を示し、そこでは不適合値はゼロ値(相関無し)近傍に集中し適合値は1.0(絶対相関)近くに密度高く分布することがわかる。
【0092】
別の実施形態では、マルチパラメータスキーム(例えば、ファジーロジックスキーム)などのより洗練された判断スキームが利用され得、そのマルチパラメータスキームは一つ以上の距離計測を利用する。例えば、多重相関値が分割されたデータ分析から導出され得る。
【0093】
好適な実施形態では、信号内の変更が生じるときに心電図信号を患者のデータベースファイルに加えることによって、システムは時間の経過と共にそのパフォーマンスを向上する。その後の認識では、システムは新たに取得された信号を処理し、脈拍数を計算し、電子−バイオメトリックシグニチャを形成し、最も類似する脈拍数により、登録された電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートを選択し、新たな電子−バイオメトリックシグニチャを選択された登録電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートと比較する。
【0094】
別の好適な実施形態では、システムは、長期間のシステムの動作の間に収集される信号を利用して登録された患者の心電図信号での起こり得る変動を追跡し、もし一貫した変動が生じるならば登録された信号はこれら変動を反映するように自動的に調整される。この追跡の処理は、長期間に渡る心電図信号での漸次の変動を補償するが、しかしながら、臨床の心臓状況と関連して予想されるもののような急速、敏感な変動を補償するものではない。別の実施形態では、そのような敏感な変動は、医療的な相談の要求を示す患者に報告されてもよい。
【0095】
[第2の形態]
バイオメトリック識別方法は、識別閾値の適正な決定により益を得る。識別閾値は、対象シグニチャと登録されたデータベースシグニチャとの間の相関解析から導出され得る。閾値は、最適の識別パフォーマンスとなるように、経験的データの分布を利用して決定され得る。但し、固定された閾値は、決定論的シグニチャ及び静的ノイズを暗黙に仮定するのであり、一方、実際にはシグニチャは可変であり、ノイズも殆ど予測できない外部的影響に依存する。従って、第1の形態を含めて、バイオメトリック識別方法は、データベース及びテスト読み取りにおける信号及びノイズの変動により、悪影響をうける。一般的に、このことにより、適合と不適合の両方に対して、相関の減少を生じてしまう。
【0096】
従って、第2の形態では、バイオメトリック識別の方法及びシステムは、第1の形態に係るものも含めて、信号変動及びノイズ干渉の効果を補償することができる動的閾値を利用できる。この形態では、動的なデータ独立の識別閾値を提示する。好適な実施形態では、相関データを正規化してこれにより定量化された統計的に有意の識別閾値の計算を可能にする統計アプローチを利用して、個々の識別試行で動的閾値が再計算される。閾値は、可変信号及びノイズ状況に対して耐性があることが示されている。
【0097】
この第2の形態に係る好適な方法は、試行のシグニチャと登録されたシグニチャのセットとの間の相関ベースのスコアに対する信頼限界の決定に基づく。これらの心電図シグニチャは経験的に決定され得るが、しかしながら、それらは総合的であってもよく、その場合、バイオメトリック適合処理においてバックグラウンドデータベースに対する要求はない。総合的心電図シグニチャは、主成分解析モデル内の再構成係数のセットを利用することにより、形成され得る。一方で、再構成係数のセットは、現実の患者から導出される現実の再構成係数の分布から抽出されるルールのセットに従って、引き出され得る。
【0098】
いずれにせよ、信頼限界は、統計上の信頼度に関する所与の程度で、件の値のための上側及び下側の限界を規定する。両側限定は上側及び下側の両方の境界を規定し、一方、片側限定は、変数の値の下側も上側も限界がないという了解の下で、上側若しくは下側のみのカットオフを規定する。信頼限界は、個々の統計的方法に適合する或る統計上の基準を満たすならば、複数の異なるやり方で統計上決定され得る。
【0099】
最も統計的な方法は、正規分布変数値に依存するのであり、即ち、ベル型のガウス分布に従う。正規分布変数は、十分に統計的特性を備えており、それらの統計上の限界は、可変平均及び偏差に基づく率直なやり方で決定され得る。
【0100】
変数が正規分布でない場合、元の変数を正規分布する新たな変数に変換し、信頼限界を決定する正規化変換が利用されてもよい。統計的考察を利用して、若しくは十分に大規模なデータベースの経験的調査により、適切な数学的変換が決定されてもよい。元の変数の形で信頼限界を表現するために、逆変換も要求される。
【0101】
信号相互相関解析が、適合手順のために利用されてもよい。値は、−1(絶対逆相関)から0(無相関)を介して1(絶対正相関)までの範囲となる。概略、有意な正相関は、強い真の同定を示し、従って、片側限定の、上側信頼限界は、動的識別閾値を規定するのに用いられるべきである。
【0102】
定義からして、相関は有界変数であり、従って正規分布ではない。上側信頼限界を決定せしめる相関分布を正規化する数学的変換が必要である。一方で、かような変換に依存しない経験的技術が用いられてもよい。
【0103】
以下により完全に記載する好適な方法は、相関解析に対して特に適切である。それはフィッシャ(Fisher)のZ変換に基づくものであり、相関を正規分布変数にコンバートする。
【0104】
別の方法は、2乗相関を利用し得る。生の相関は付加的でないから、平均若しくは相関に関する他の統計関数は、統計的意味を有さない。2乗相関は付加的であるが、それらも正規分布ではなく、そのため付加的変換が要求される。相関の先行処理がそれらの値の分布を変更するのであれば、これらの変更を明らかにするために付加的変換が必要となり得る。これらの付加的変換は、ロガリズム、2乗、平方根、及び超越関数を含むが、それらに限定されるものではない。
【0105】
更に別の方法が、ある程度の先行の経験的テストを含み、該テストでは多数の対象が膨大なデータベースに相関することが好ましい。偽の識別の可能性はこのデータベースの調査により直接に判定されるが、さもなければ、変換は経験的に判定され得る。しかしながら、この方法は動的ではなく実際のテストに先だって為されなければならないので、テスト条件の効果は容易には補償され得ず、ノイズの影響のための数学的モデル開発を要求するものである。
【0106】
この第2の形態に係る好適な方法、フィッシャ変換(Fisher−transform)法は、より正規分布に近いスコア分布を得るために、対象のシグニチャと登録されたシグニチャとの間の相関関係の変換を含む。上記のように、正規化の条件に適うデータは、パラメータの信頼限界を導出するのに利用され得る。
【0107】
フィッシャのZ変換は、相関関係を正規化するのに設計された。変換は以下のように表現され得る。
【数7】

【0108】
Zfが変換値であり、arctanhは、ハイパボリックアークタンジェント関数であり、rは変換係数である。arctanhはラジアンで表されるものである。
【0109】
全ての相関関係が変換されると、変換されたスコアに対する片側の信頼限界は、対象の相関関係を除いて、全ての変換された相関関係の平均と全ての変換された相関関係の標準偏差を求め、以下のように計算することによって決定される。
【数8】


ここで、zは正規分布’z スコア’であり、Zfmeanはデータベースによる変換された相関関係の平均であり、sdZfはデータベースによる変換された相関関係の標準偏差である。
【0110】
本明細書での下方のケースzは、正規分布z−scoreの値を示すのであり、それはカットオフ内の所望の信頼程度に基づいて導出される。そのようなスコアのテーブルは、図10に示される。
【0111】
図10のテーブルでは、標準偏差は適切なz−scoreにより積出されて平均に加算され、全体量はハイパボリックタンジェントを採ることによって相関関係に逆変換される。
【0112】
例えば、95%信頼限界は、1.65のz scoreを用いて決定され得る。従って変換された値の平均が0.05、標準偏差が0.25であれば、95%の信頼限界は0.72となる。即ち、0.72を超える相関値は、5%以下の機会で偶々生じるに過ぎない。
【0113】
特定の対象識別が偶然によるものとなる可能性を判定するのに、逆の手順が利用され得る。z−scoreに対して以下の式を解く。
【数9】


ここで、zは正規分布’z スコア’であり、Zfcは変換された対象の相関関係であり、Zfmeanはデータベースによる変換された相関関係の平均であり、sdZfはデータベースによる変換された相関関係の標準偏差である。
【0114】
結果としてz−scoreは、累積正規分布のテーブルを参照して、必要であれば内挿法を利用して、片側の確率値に変換され得る。例えば、上述の簡潔なテーブルを参照して、1.80のz−scoreは、対象が偶々非常に高く相関する3.75%の確率を示す。
【0115】
上述のように、登録されたシグニチャ内の、即ち対象シグニチャ内のノイズがランダムであるならば、対象値との全体の相関を減少させることになる。従って、真の識別は、存在するとしても、対象とより低い相関を有することになる。高い生の相関は最大限の相関のシーリング効果によりあまり変動しないので、生の相関の値が減少すると生の相関の変動性が増加することに留意すべきであるが、しかしながら、変換によりこれは補償される。従って、所望の確実性を伴う動的閾値は、前述の方法を用いて、個々の識別の試行で再計算され得る。全体のランダムノイズは、尚、前相関をゼロに推進し全体の真の可変性を減少する傾向にあり、このことにより信頼限界を下げてしまう、ということは重要である。しかし、ノイズに対する信号の比率が或る限界以下に落ちない限り、真の適合は依然有意である。
【0116】
第2の形態の以下の例は、38人の患者のデータベースに基づくものである。全ての患者は健康な個体であり、任意ベースで調査に参加している。
【0117】
[例1:相関の正規化]
データベース内の全ての対を相関させることによって、703の相互相関のセットが得られた。生の相関分布とz−変換された相関分布が、図11に示される。生の相関は正規分布ではない(上図)が、変換された相関は、正規分布に近いものを示しているようである(下図)。
【0118】
[例2:実施]
バイオメトリック識別方法は、38の登録されたシグニチャと38のテストのシグニチャの分析を利用して、実施された。図12は、静的閾値の関数としてFAR及びFRR実施曲線を示し、図13は動的閾値の関数として実施曲線を示す。動的閾値が有意に優れた結果を示しているのが明白である(例えば、EERstatic=3%、EERdynamic=0%)
【0119】
[第3の形態]
上述のように、動的識別閾値はデータ駆動型の閾値であり、個々の識別セッションで再計算され信頼限界を確立し識別プロセスの統計的有意性を実証するのが好ましい。しかし、全体スコアは背景ノイズによる信号の性質の低下によりやはり減少し、動的閾値を下げ、このことにより識別信頼を減少してしまう。この問題は、高パフォーマンスの認識を促進するために、登録フェーズと識別フェーズの両方で、信号の性質の評価を要求する。
【0120】
第3の形態は、Q値、一つのタイプの信号の性質のインデクスを計算することにより、この問題を解決する。信号の性質のインデクスQは、心電図シグニチャの性質の量的記述である。それは、2つ又はそれ以上の心電図波形でのランダムのエラーに基づくものであり、それらの信号平均心電図を参照して導出される。
【0121】
Q値は、登録フェーズと識別フェーズの間で信号の性質を確認するのに利用されてもよく、このことにより十分なシステムパフォーマンスを保証する。(それ自身、所望のレベルの識別信頼に基づいて)予め定義された閾値によって要求されるよりもより低いQファクタの場合、信頼要求が適うまで計測が拡張されても若しくは繰り返されてもよい。
【0122】
Qを導出する一つの好適な方法は、以下のような一連のステップとなる。
(1)インプット心電図信号は、従来の波形モルフォロジ特性(例えば、P、Q−R−S、Tエレメント)からなる心電図波形に区分される。
(2)R波ピークに対して心電図波形が並べられる(“時間固定される”)。
(3)平均心電図が、並べられた心電図波形から導出される。調和平均、幾何平均、加重平均、若しくは中間値などの別の方法も利用され得るが、好適な方法は、算術平均を取る。更に別の方法は、主成分解析などの他の方法により元の信号を変換することを含む。
(4)個々の元の心電図波形は平均心電図に対して処理され、平均心電図に対して幾分かの差異が導出される。別の方法(例えば、平均心電図による元の心電図への除算)も利用可能であるが、好適な方法は、減算を行う。平均心電図が安定しており患者の心電図の真の徴表であるならば、結果として差異は、個々の個体の心電図波形に固有のノイズ(心電図ノイズ)の徴表となる。
(5)個々の心電図ノイズ波形において時間軸に対応する個々のサンプルポイントが共に処理され、可変性の大きさが導出される。最も好適な方法は分散を決定することである。利用され得る別の方法は、標準偏差即ち距離を含む。
(6)平均はこれらの可変性の大きさから求められる。最も好適な方法は、算術平均を取ることである。別の方法は、変換(例えば、log)後の平均を取ること、若しくは、別の平均(気化、調和、中間)を取ることを含み得る。最大値などの、別のサマリスコアも利用可能で有り得る。
【0123】
解析に先立ち信号が正規化され得ることに留意して、平均が、SNRに直接的に関連するとして、それ自身Qインデクスとして利用されてもよい。一方で、種々の別のスケーリング変換が平均に適用され、所望の最小値、最大値、及び直線性特性で平均をインデクスにコンバートしてもよい。
【0124】
[第3の形態に係る例1:Q(信号の性質)とNSR(信号−ノイズ比率)]
Xが心電図データマトリクスを示すならば、一つの心電図波形を示す個々の列はXi(n)を示し、ここでiは心電図波形のインデクスであり、nは離散時間単位を示す。全ての心電図波形の平均は、(n)で示される。時間nのあらゆるポイントに対して、エラー項を計算する.
【数10】


ここで、分散はδ(n)で示される。可変平均を0から1の距離に変換する好適なスケーリングコンバージョンは、以下のように規定される。
【数11】

【0125】
図14に示すシミュレーションは、上記Qファクタを利用して信号をノイズレベルに対して評価することを示すものである。このシミュレーションは、ガウスのホワイトノイズの増加レベルを信号に付加して、現実の心電図記録を利用している。図14は、対信号ノイズ比(NSR)の関数としてQ値を示す。Qがプラトーから下がり始めると、NSRの増加と共に単調減少し、ついには心電図アラインメント手順が崩れる(NSR〜−35dB、Q〜0.2)ことがわかる。
【0126】
[第3の形態に係る例2:信号の性質の関数としてのスコア]
理論的には、1に近い適合スコアは、正適合を示し、非適合スコアは、相関関係を完全に欠くことを示すゼロとなる傾向がある。しかしながら、実際には、真の適合スコアは、心電図シグニチャの一時的変動に影響され、更に重要なことに、背景ノイズから影響される。従って、より高い信号の性質が、短い時間の、高スコア識別に対して、求められる。高性質の信号は適合スコア上の上方境界を増加させるが、心臓学的シグニチャの可変性に依存する下方境界に影響しないことに、留意すべきである。図13及び図14に示される例は、38人の患者のデータベースに基づいて、信号の性質の関数としてスコア分布を示す。図15は、夫々5秒の短いデータ区分を示す。対照的に、図16は夫々20秒のより長い区分を示す(図16)。明らかに、より長い区分ではノイズの効果が相当程度まで補償され、スコア分布が平坦である。
【0127】
[第3の形態に係る例3:信号の性質と記録の期間]
信号の性質は、Qパラメータを利用して定量化され得る。より小さいQ値であるが、Qが、心電図アラインメント処理が崩れる或る限界以下にはならない場合、統計的優位性を維持するためにはより長い記録が必要である。図15及び図16は、所与のQ値に対する記録期間の関数として識別スコアにおける増加を示す。
【0128】
従って、この第3の形態によれば、本明細書に開示される方法及びシステムは、Qファクタ若しくは他の手段を利用して信号の性質を計算でき、システムに対して、ノイズの減少したサンプルを探させること、又は、Qファクタ若しくは別の信号の性質の基準、及び所望の程度の識別信頼に基づくより長いサンプルを採用させることを、可能ならしめる。
【0129】
[第4の形態]
第4の形態によれば、本明細書に開示される方法及びシステムは、格納されたシグニチャを暗号化し得る。この安全性の特性は、本明細書の種々の方法及びシステムは生の心電図データではなく格納されたシグニチャに基づいて通常動作するにもかかわらず、データベース内のデータを誤用してしまうことを防ぐように設計されている。従って、シグニチャ自身を暗号化することによって、セキュリティの追加的層が利用されてもよい。そのためには、クレジットカードデータに利用されるPKI(公開鍵基盤)技術を含む種々の波長変更技術が用いられてもよい。認証されていない個人がシグニチャを解読し更にシグニチャを生データ信号に変換する必要があり、それはどの共通特性が生データから除去されたのかを知らなければ不可能な作業であるから、この第4の形態によれば登録された患者データの不適切な利用がいっそう難しくなる。従って、本明細書に開示されるシステム及び方法の一つの利点は、格納された情報を誤用することが非常に困難になることである。
【0130】
[第5の形態]
バイオメトリック識別システムは、一般に登録詐欺には脆弱である。この第5の形態に係るシステム及び方法は、データベースに登録された発生学的に関連する個人からの心電図データを利用することによって、この問題を解決する。肉親は、共通特性を共有する心電図を有する。患者のシグニチャを一般集団と相関させ、及び/又は、患者と意図的に関連する登録者と相関させることによって、システムは、患者が彼らの意図する者であるか否かが、確信して判定できる。この技術は、写真認識及び/又は指紋適合などの従来方法を介して個人識別を確認することに加えて、利用されてもよい。しかしながら、非ユークリッドであり類似性に基づくクラスタ化に従順でないそれらの方法とは異なり、この技術は、登録者の心電図シグニチャに基づいて発生学的関係の確率を決定することによって、登録プロセスのどの段階でも、詐欺を判定できる。
【0131】
[第6の形態]
本明細書に開示されるシステム及び方法は、心電図を計測するための極めて高いインピーダンスプローブも利用する。信頼性及び利用容易性は、心電図ベースのバイオメトリック識別システムのとって重要であるから、単一ポイントで、若しくは患者に触れさえもせず、心電図を計測することは有用である。バイオメトリック識別の信頼性及び利用容易性を増加するために、本明細書に記載のものを含むバイオメトリック方法及びシステムと共に、電位プローブが動作してもよい。極めて高いインピーダンスプローブは種々の形態となる。例えば、Harlandらによる非特許文献2を参照されたい。この形態に係る極めて高いインプットインピーダンスプローブは、極めて低いノイズ特性を有し、動作するために電流伝導経路を要求しないのが好ましい。結果として、それらは、エキスパートシステムオペレータの助け無く素人が利用する場合であっても、前述の方法及びシステムと十分に動作する。従って、個人が衣服をまとって(金属探知器に類似する)スキャナを通過する際に心電図信号を収集することなど、これらのプローブは空港をベースにしたバイオメトリック識別システムで利用され得る。同様に、ATMやゲーム機などで、個人の指先から心電図を収集するのに、単体のプローブが利用されてもよい。単体のプローブに利用により、患者にはより動作の自由が与えられ、患者が識別及び登録管理に応じることがより容易になる。このことは、本明細書に記載のバイオメトリック識別システムが患者の機械操作を制御するのに利用される場合に特に有用であり、とりわけ、機械が操作するのに身体的接触を必要とする場合(例えば、小火器や乗物)にそうである。本形態に係る単体のプローブ及び遠隔プローブ心電図捕獲システムは、身体ノイズ及びEMGを減少させるノイズ減少計略により補完されてもよい。
【0132】
第7の形態によると、バイオメトリック識別方法及びシステムは、(患者のシグニチャをデータベース登録者のものと比較することで形成される)患者のための適合スコアを、(登録者のシグニチャをデータベース登録者のものと比較することで形成される)複数の登録者の適合スコアと、相関させてもよい。従って、患者の相関付けされた適合スコアの分布を解析するのではなく、この識別技術は、患者の適合スコアの相関の分布と登録者のそれらを解析する。第5の形態に関して、本形態に係る方法及びシステムは、関係する個人を識別するのに有用である。これは、一つのグループの登録者に関係する個人は、登録者に関係しない個人に対する適合スコアのガウス分布よりも、実質的により高いメジアンを有する適合スコアのガウス分布を有するからである。従って、適合スコアの分布を調べることにより、登録者との患者の発生学的関係の確率が確認できる。
【0133】
[第8の形態]
最後に、上述の相関技術の代替技術で、若しくはそれらに加えて、本明細書に記載の方法及びシステムは、識別のための加重相関を利用してもよい。本形態によると、相関関係が種々のシグニチャ差分に対して種々の加重を与え得る。例えば、QRS群特性によるシグニチャの差分は、T若しくはPコンプレクス特性によるシグニチャの差分よりも加重されてもよい。Tは高度に可変であり、QRSは安定であり、Pはその中間であるから、システム及び方法は、加重関数の一部として、シグニチャ値の二乗平均平方根を利用してもよい。従って、シグニチャは、二乗平均平方根計算、L1メトリックス、若しくは別の正規化技術を利用して、正規化され得る。
【0134】
[全ての形態と共に利用され得る好適な実施形態]
図19は、好適なシステムの機能図を示す。同様に、図20は、好適な信号プロセッサの機能図を示す。“プロセッサ”という用語は、本明細書では、一般的用法で用いられており、プロセシングは、ICチップ上のコプロセッサなど、物理的な個別部品によりなされてもよく、又は、プロセッサは物理的な統合ユニットを含んでもよい。
【0135】
[全ての形態と共に利用され得る一般的な例:登録のアルゴリズム]
以下は、前述の形態のいずれとも利用され得る登録フェーズのための例示のアルゴリズムである。
i.x(n)は、i番目の新たな患者の20秒、250Hzデジタルサンプルを示し、nは時間の離散単位を示す。
ii.x(n)は4Hz−40Hzの範囲でバンドパスフィルタされる。
iii.フィルタされた信号は、y(n)で示される。
iv.フィルタされた信号y(n)は、QRS群が探索され、’R’ピークをアンカーポイントとして識別する。
v.フィルタされた信号y(n)は、維持され若しくはインバートされ、正の’R’ピークを得る。
vi.識別されたQRS群が計算され平均脈拍数読み取りPRを確立する。
vii.フィルタされた信号y(n)は、アンカーポイント周りでセグメント化され、個々の’R’アンカーポイントの前に50サンプル、アンカーポイントの後に90サンプルを取る。
viii.個々のデータセグメントは、’R’アンカーポイントの大きさで正規化される。
ix.セグメントはアンカーポイント周りで整列されて平均化され、s(n)で示される患者の心電図信号を生成する。
x.患者の心電図信号s(n)は、脈拍数に係る’P’と’T’の潜伏を正規化することによって、平均脈拍数PRに従って調整される。調整された心電図信号は、v(n)で示される。
xi.脈拍数を調整した患者の心電図信号v(n)は、データベースに付加され、全平均T(n)に持ち込まれる。
xii.システムデータベース内に格納された脈拍数を調整した心電図信号の各々から全平均T(n)を差し引くことによって、電子−バイオメトリックシグニチャΦのセットが構築される。
【0136】
[例:認識のアルゴリズム]
以下は、認識フェーズのための例示のアルゴリズムである。
i.x(n)は、テストされる患者の10秒、250Hzデジタルサンプルを示す。
ii.x(n)は4Hz−40Hzの範囲でバンドパスフィルタされる。
iii.フィルタされた信号は、y(n)で示される。
iv.フィルタされた信号y(n)は、QRS群の位置が探索され、Rピークをアンカーポイントとして利用する。
v.フィルタされた信号y(n)は、維持され若しくはインバートされ、正の’R’ピークを得る。
vi.識別されたQRS群が計算され平均脈拍数読み取りPRを確立する。
vii.フィルタされた信号y(n)は、アンカーポイント周りでセグメント化され、個々のアンカーポイントの前に50サンプル、アンカーポイントの後に90サンプルを取る。
viii.セグメントはアンカーポイント周りで整列されて平均化され、s(n)で示される患者の心電図信号を生成する。
ix.患者の心電図信号s(n)は、平均脈拍数PRに従って正規化される。脈拍数を調整した患者の心電図信号は、v(n)で示される。
x.脈拍数を調整した心電図信号v(n)から全平均T(n)を差し引くことによって、電子−バイオメトリックシグニチャσが構築される。
xi.電子−バイオメトリックシグニチャσと全ての登録された電子−バイオメトリックシグニチャΦとの間の相関係数が計算されて2乗され、その元の符号を維持する。
xii.最大の符号維持2乗相関値が選択され前にセットされた閾値と比較される。
xiii.選択された最大の符号維持2乗相関値が前にセットされた閾値より大きければ、正の適合が示され、患者が識別される。
【0137】
従って、電子−バイオメトリック識別認識のための心電図信号の取得、処理、及び分析の方法及び装置は、以下の登録及び認識のステップのどのサブセットを含んでもよい。
【0138】
[登録]
患者からの心電図信号の取得、デジタル化、及び格納;
a.心電図信号データベースの編成;
b.心電図信号の類似性に基づくテンプレートデータベースの複数サブセットへの分割;
c.一つ又はそれ以上の全平均の構築;
d.患者固有電子−バイオメトリックシグニチャの導出。
【0139】
[認識]
[照合]
新たに捕獲された電子−バイオメトリックシグニチャは、患者固有の登録された電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートと比較される;
a.関連して格納された電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートと、新たに捕獲された患者の電子−バイオメトリックシグニチャの相関と信頼分析;
b.認識結果の表示及び登録、及び/又は、物理的若しくは仮想的ローカル/リモートメカニズムの作動。
【0140】
[識別]
新たに捕獲された電子−バイオメトリックシグニチャは、データベース内に加わる電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートの全てと比較される;
a.全ての格納された電子−バイオメトリックシグニチャテンプレートと、新たに捕獲された患者の電子−バイオメトリックシグニチャの相関と信頼解析;
b.認識結果の表示及び登録、及び/又は、物理的若しくは仮想的ローカル/リモートメカニズムの作動。
【0141】
好適な実施形態では、E−BioIDシステムは、伝導センサプレートを介して人体から電気的生体信号を計測する。これらの同じプレートは、例えば、プレートを介して与えられる小規模電気刺激でユーザ内の交感神経性皮膚反応を誘導することにより、患者の神経系との双方向相互作用のために利用され得る。このような双方向相互作用は、チャレンジレスポンス手順でのユーザの積極的な関与を要求することなく、新鮮な生体信号の提出を保証する生物学的チャレンジレスポンスメカニズムを構築する。
【0142】
他のものは、過度の実験をすることもなく且つ包括的概念から乖離することなく種々の利用例に対して本明細書の実施形態を容易に修正して適合することができる。そのような適合及び修正は開示された実施形態の均等物の意義及び範囲の内部に包含されるべきであり、又、包含されることを意図する。
【0143】
本明細書で用いた文体若しくは用語は、記述のためのものであり内容を限定するものではないことが理解されるべきである。種々の開示された機能を実施するための手段、部材、及びステップは、種々の代替の形態を取り得、請求項の文言若しくは均等物の範囲内に依然収まるものである。
【0144】
従って、上述の明細書及び/又は請求項で見出され、機能的記述が続く“・・する手段”及び“・・ための手段”という表現、若しくは方法のステップの用語は、現在若しくは将来存在し上述の明細書で開示される実施形態の正確な均等物若しくは実施形態であろうと無かろうと、列挙の機能を実行する、即ち、同じ機能を実施する他の手段若しくはステップが利用され得る、あらゆる構造的な、物理的な、化学的な若しくは電気的な要素若しくは構成、又はあらゆる方法のステップを定義しカバーすることを意図しており、更に、それらの表現は最も広い解釈を与えるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】信号取得モジュール、信号処理モジュール、及び出力モジュールから構成される、本明細書で開示される形態と共に利用するための、システムの単純化したブロック図である。
【図2】図1のシステムの信号取得モジュールの形態のブロック図である。
【図3】図1のシステムの信号処理モジュールの形態のブロック図である。
【図4】100人の患者のプールから抽出した第1の6個の影響力の大きいPC(主成分)と、データ変動の表現に対する第1の10個のPC(主成分)の寄与を示す。
【図5】元の心電図信号、及び、3個の影響力の大きいPC(主成分)とそれらの潜伏的なシフトバージョンとの最適な組合せを除去することによって構成されるそれらの個々のシグニチャとを示す。
【図6】20人の患者のデータベースから計算された総平均心電図信号波形を示すグラフである。
【図7】データベースに加わり且つ図4の平均波形に対して寄与する、10人の患者の心電図信号波形のグループを示す。
【図8】図7の信号波形から導出された、心電図シグニチャ波形、若しくはテンプレートのグループを示す。
【図9】図4の総平均波形に寄与した20人の患者の、標識が維持された自乗相関値の散布図及び分布ヒストグラムを示す。
【図10】識別カットオフの所望の程度の信頼性に基づくzスコアのテーブルを示す。
【図11A】相関分布を示す。
【図11B】Z変換相関の分布を示す。
【図12】識別パフォーマンスカーブ(静的)を示す。
【図13】識別パフォーマンスカーブ(動的)を示す。
【図14】NSRの関数としての信号の性質を示す。
【図15】5秒分割に対する信号の性質の関数としての、適合スコア分布を示す。
【図16】20秒分割に対する信号の性質の関数としての、適合スコア分布を示す。
【図17】(Q=0.8に対する)記録期間の関数としての、適合スコアを示す。
【図18】(Q=0.5に対する)記録期間の関数としての、適合スコアを示す。
【図19】好適なシステムの機能要素図を示す。
【図20】好適な信号プロセッサの機能要素図を示す。
【符号の説明】
【0146】
12・・・信号取得モジュール、14・・・信号処理モジュール、16・・・出力モジュール、22・・・センサ、38・・・I/Oポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人を識別する方法であって、
特定個人の心臓鼓動パターンの表現と複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、特定個人を識別する第1のバイオメトリックシグニチャを作成して格納するステップと、
上記作成するステップの後、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、上記選択された個人の心臓鼓動パターンと上記複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、第2のバイオメトリックシグニチャを作成するステップと、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと比較し、上記選択された個人が上記特定個人であるか判定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
上記作成して格納するステップが、複数の第1のバイオメトリックシグニチャを作成し格納するステップを含み、各々は、個々の個別の個人の心臓鼓動パターンの表現と心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、個別の個人を識別し、
上記比較するステップが、上記第1のバイオメトリックシグニチャの各々に関して、実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、少なくとも選択された数の上記表現から、複数の個人の心臓鼓動パターンの共通特性の表現を導出し格納する予備的ステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の個人の心臓鼓動パターンの共通特性の表現を導出し格納するステップが、上記複数の個人からなる夫々の異なるグループから、複数の個人の心臓鼓動パターンの共通特性の表現を各々導出し格納するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
複数の個人の心臓鼓動パターンの共通特性の表現を導出し格納するステップが、上記複数個人の心臓鼓動パターンの平均を作成するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
複数の個人の心臓鼓動パターンの共通特性の表現を導出し格納するステップが、主成分解析若しくはウエーブレット分解のいずれかを実施するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
上記比較するステップが、上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャの各々と相関をとり、上記第2のバイオメトリックシグニチャに最も近く相関する上記第1のバイオメトリックシグニチャの一つを識別するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
上記相関するステップが、個々の第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を取得するステップ含み、
上記比較するステップが更に、識別された第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を相関係数閾値と比較するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記比較するステップが、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと相関して相関係数を取得し、識別された第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を相関係数閾値と比較するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1のバイオメトリックシグニチャを作成し格納する上記ステップが、ローカルデータベース内にシグニチャを格納するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のバイオメトリックシグニチャを作成し格納する上記ステップが、リモートデータベース内にシグニチャを格納するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得する上記ステップが、選択された脈拍数からの、選択された個人の脈拍数の偏差を補償するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得する上記ステップが、心臓鼓動パターンの複数の表現を取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
特定個人の第1のバイオメトリックシグニチャを作成し格納する上記ステップが、所定期間に渡って特定個人の心臓鼓動パターンの複数の表現を取得し、特定個人の心臓鼓動パターの複数の表現の夫々から各々連続する第1のバイオメトリックシグニチャを作成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
個人を識別する装置であって、
特定個人の心臓鼓動パターンの表現と複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、特定個人を識別する第1のバイオメトリックシグニチャを作成して格納する手段と、
第1のバイオメトリックシグニチャが作成され格納された後、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、上記選択された個人の心臓鼓動パターンと上記複数個人の心臓鼓動パターンの共通特性平均の格納された表現との間で差異を形成して、第2のバイオメトリックシグニチャを作成する手段と、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと比較し、上記選択された個人が上記特定個人であるか判定する手段と
を含む装置。
【請求項16】
上記作成して格納する手段が、複数の第1のバイオメトリックシグニチャを作成し格納する手段を含み、各々は、個々の個別の個人の心臓鼓動パターンの表現と心臓鼓動パターンの共通特性の格納された表現との間で差異を形成して、個別の個人を識別し、
上記比較する手段が、上記第1のバイオメトリックシグニチャの各々に関して、実施されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
作成し格納する上記手段は、
複数の個人の心臓鼓動パターンの表現を取得する手段と、
少なくとも選択された数の上記表現から共通特性の表現を導出する手段を含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
上記導出する手段が、夫々の異なるグループから各々、共通特性の複数の格納された表現を導出する手段を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
上記比較する手段が、上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャの各々と相関をとり、上記第2のバイオメトリックシグニチャに最も近く相関する上記第1のバイオメトリックシグニチャの一つを識別する手段を含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
上記相関する手段が、個々の第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を取得する手段を含み、
上記比較する手段が更に、識別された第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を相関係数閾値と比較する手段を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
上記比較する手段が、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと相関して相関係数を取得する手段と、識別された第1のバイオメトリックシグニチャに係る相関係数を相関係数閾値と比較する手段を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項22】
上記装置が、スマートカード、パスポート、運転免許装置、バイオログオン識別装置、パームパイロット、細胞埋め込み識別装置、盗難防止装置、心電図モニタ装置、eバンキング装置、e取引装置、ペット識別装置、物理的アクセス装置、論理的アクセス装置、心電図と指紋モニタを組み合わせた装置、及び、心電図シグニチャ比較と他の形態のバイオメトリック解析とを組み合わせた装置のうちの、一つであることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項23】
上記装置が、安全リソースに遠隔ログオンするためのバイオログオン識別装置であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項24】
上記装置が、連続して動作することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項25】
上記の取得する手段が、選択された個人の手又は足で接触されるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項26】
上記装置が、連続する認識の後限定された期間動作可能であり、その後次の連続する認識が実施されるまで動作不能となるスマートカード内に設けられることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項27】
上記装置が、暗号キー若しくはデジタルシグニチャにより動作するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項28】
手首に装備する時計に組み込まれ、信号が、時計の装着する手首と、装着者の他のティとの間で計測されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項29】
a)心電図信号収集モジュール、
b)心電図シグニチャテンプレート生成器を含む心電図信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項30】
上記心電図シグニチャテンプレート生成器が、上記心電図収集モジュールにより得られる心電図信号の一つ又は複数の成分から共通特性を除去するのに用いられる解析心電図モデル入力を有することを特徴とする請求項29に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項31】
サブセットに分割される、登録されたシグニチャデータベースを更に含み、
上記心電図シグニチャテンプレート生成器が、上記心電図収集モジュールにより得られる心電図信号の一つ又は複数の成分から共通特性を除去するのに、少なくとも1つの上記データベースのサブセットを利用することを特徴とする請求項29に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項32】
a)心電図信号収集モジュール、
b)登録されたシグニチャデータベース、
c)更に心電図シグニチャ生成器、及び、心電図シグニチャを少なくとも一つの登録された心電図シグニチャと比較するシグニチャ比較器を含む信号プロセッサ、及び、
d)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項33】
上記比較器が閉じられたサーチ比較器であることを特徴とする請求項32に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項34】
上記シグニチャ比較器がシグニチャ相関解析器であることを特徴とする請求項32に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項35】
a)心電図信号収集モジュール、
b)登録されたシグニチャデータベース、
c)心電図シグニチャ生成器、上記心電図シグニチャ生成器により生成される一つ又は複数の心電図シグニチャを上記登録されたシグニチャデータベースからの複数の登録された心電図シグニチャと比較するシグニチャ比較器、上記シグニチャ比較器の出力に基づいて一連の適合スコアを出力する適合スコア生成器、及び上記一つ又は複数の心電図シグニチャに対する上記適合スコアを少なくとも1つの登録されたシグニチャに対する適合スコアと相関させる適合スコア相関器を含む信号プロセッサ、及び、
d)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項36】
a)心電図信号収集モジュール、
b)更に、心電図シグニチャ生成器、及び、少なくとも1つの心電図シグニチャを少なくとも1つの登録された心電図シグニチャと比較するファジーロジックアナライザを含むシグニチャ比較器を含む信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項37】
a)心電図信号収集モジュール、
b)更に、
i)心電図シグニチャ生成器、
ii)シグニチャ比較器、
iii)及び動的閾値生成器を含む
信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項38】
上記シグニチャ比較器がシグニチャ相関器であることを特徴とする請求項37に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項39】
a)心電図信号収集モジュール、
b)更に、
i)心電図シグニチャ生成器、
ii)シグニチャ相関器、及び、
iii)相関変換器を含む動的閾値生成器
を含む信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項40】
上記相関変換器がZ−score生成器であることを特徴とする請求項39に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項41】
上記相関変換器が二乗相関変換器であることを特徴とする請求項39に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項42】
a)信号収集モジュール、
b)更に、
i)心電図シグニチャ生成器、
ii)シグニチャ相関器、及び、
iii)信号性質計算機
を含む信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項43】
上記信号性質計算機がQ値生成器を含むことを特徴とする請求項42に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項44】
低性質の信号計算により上記心電図信号収集モジュールがより長い収集期間を利用するようになるように、上記信号計算機が上記心電図信号収集モジュールに接続することを特徴とする請求項43に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項45】
低性質の信号計算により上記出力モジュールがノイズの減少された新たな信号の収集が要求されることを示すように、上記信号計算機が上記出力モジュールに接続することを特徴とする請求項43に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項46】
a)心電図信号収集モジュール、
b)登録されたシグニチャデータベース、
c)心電図シグニチャ生成器、及び、上記心電図シグニチャ生成器により生成された一つ又は複数の心電図シグニチャを上記登録されたシグニチャデータベースからの複数の登録された心電図シグニチャと比較するシグニチャ比較器を含む信号プロセッサ、及び、
d)シグニチャ暗号化モジュール、及び、
e)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項47】
上記シグニチャ暗号化モジュールが、公開鍵基盤技術を利用するスクランブラを含むことを特徴とする請求項46に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項48】
a)極めて高い入力インピーダンスプローブを含む信号収集モジュール、
b)心電図シグニチャ生成器及びシグニチャ比較器を含む心電図信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項49】
上記の極めて高い入力抵抗プローブが極めて低いノイズ特性を有することを特徴とする請求項48に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項50】
a)信号収集モジュール、
b)心電図シグニチャ生成器、心電図シグニチャ相関器、及びシグニチャ相関加重機構を含む信号プロセッサ、及び、
c)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項51】
a)信号収集モジュール、
b)心電図シグニチャ生成器及び心電図シグニチャ比較器を更に含む心電図信号プロセッサ、及び、
c)ロッキング機構
を含む錠。
【請求項52】
a)信号収集モジュール、
b)心電図シグニチャ生成器及びシグニチャ比較器を含む心電図信号プロセッサ、及び、
c)ルームアクセスコントロール
を含むルームアクセスコントロールデバイス。
【請求項53】
a)信号収集モジュール、
b)心拍数正規化モジュールを含む心電図信号プロセッサ、及び、
c)識別出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項54】
上記心電図信号プロセッサがデジタル信号プロセッサであることを特徴とする請求項53に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項55】
少なくとも1つの一つの上記心電図信号プロセッサが別の装置に統合されていることを特徴とする請求項53に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項56】
上記信号収集モジュール、上記信号プロセッサ、及び上記信号出力モジュールが、統合デバイスの一部であることを特徴とシステムする請求項53に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項57】
個人を識別する方法であって、
特定個人の心臓鼓動パターンの表現と心臓鼓動パターンの共通特性の解析の表現との間で差異を形成して、特定個人を識別する第1のバイオメトリックシグニチャを作成して格納するステップと、
上記作成するステップの後、選択された個人の心臓鼓動パターンの表現を取得し、上記選択された個人の心臓鼓動パターンと上記心臓鼓動パターンの共通特性の解析の表現との間で差異を形成して、第2のバイオメトリックシグニチャを作成するステップと、
上記第2のバイオメトリックシグニチャを上記第1のバイオメトリックシグニチャと比較し、上記選択された個人が上記特定個人であるか判定するステップと
を含む方法。
【請求項58】
a)第1の心電図信号を収集するステップ、
b)上記第1の心電図信号を処理して心電図シグニチャテンプレートを生成するステップ、
c)第2の心電図信号を収集するステップ、
d)上記第2の心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
e)上記心電図シグニチャを上記心電図シグニチャテンプレートと比較するステップ、及び、
f)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項59】
上記の心電図シグニチャテンプレートを生成するステップが、解析心電図モデルにより与えられる一つ又は複数の心電図成分の共通特性を減じることにより、上記心電図信号から一つ又は複数の心電図成分の共通特性を除くことを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
更に、
g)心電図シグニチャテンプレートのデータベースを形成するステップ、
h)心電図シグニチャテンプレートをサブセットに分割するステップ、及び、
i)少なくとも1つのデータベースのサブセットを用いて、心電図信号から一つ又は複数の心電図成分の共通特性を除くステップ
を更に含むことを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項61】
a)第1の心電図信号を収集するステップ、
b)上記第1の心電図信号を処理して心電図シグニチャテンプレートを生成するステップ、
c)登録されたシグニチャデータベース内に上記心電図シグニチャテンプレートを格納するステップ、
d)上記a)から上記c)のステップを繰り返すステップ、
e)第2の心電図信号を収集するステップ、
f)上記第2の心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
g)上記第2の心電図シグニチャを少なくとも1つの登録された心電図シグニチャと比較するステップ、及び、
h)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項62】
上記比較するステップは、上記心電図シグニチャを一つの登録された心電図シグニチャとのみ比較することを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項63】
上記比較するステップが、上記心電図シグニチャを複数の登録されたシグニチャと相関させることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項64】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して登録されたシグニチャデータベースを生成するステップ、
c)データベース内に結果としての心電図シグニチャを配置するステップ、
d)上記a)から上記c)のステップを繰り返すステップ、
e)一つ又は複数の心電図シグニチャを複数の登録されたシグニチャと比較するステップ、
f)上記比較するステップの結果に基づいて一連の適合スコアを生成するステップ、
g)上記一つ又は複数の心電図シグニチャに対する上記適合スコアを少なくとも1つの登録された心電図シグニチャに対する適合スコアと相関させるステップ、及び、
h)上記相関の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項65】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)心電図シグニチャを形成するステップ、
c)ファジーロジックを利用して上記心電図シグニチャを少なくとも1つの登録された心電図シグニチャと比較するステップ、及び、
d)上記比較結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項66】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理し心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを複数の登録された心電図シグニチャと比較するステップ、
d)上記比較のための動的閾値を生成するステップ、及び、
e)識別結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項67】
上記シグニチャ比較のステップが、上記シグニチャと相関をとることを特徴とする請求項66に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項68】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを複数の登録された心電図シグニチャと相関させるステップ、及び、
d)一つ又は複数の上記相関を変換するステップ、
e)上記相関のための動的閾値を生成するステップ、及び、
f)識別結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項69】
一つ又は複数の上記相関を変換するステップが、Z−scoreを生成するのに利用されることを特徴とする請求項68に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項70】
上記一つ又は複数の相関を変換する上記ステップが、上記一つ又は複数の相関を二乗することを特徴とする請求項68に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項71】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記信号の性質を計算するステップ、
c)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
d)上記心電図シグニチャを一つ又は複数の登録された心電図シグニチャと相関させるステップ、
e)上記相関ステップの結果を閾値と比較するステップ、及び、
d)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項72】
上記信号性質を計算するステップが、Q値を計算することを特徴とする請求項71に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項73】
信号の性質に基づいて、収集の時間を調整するステップを、更に含むことを特徴とする請求項71に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項74】
信号性質の計算に応じて、新しい信号を収集するステップを、更に含むことを特徴とする請求項71に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項75】
a)第1の心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記シグニチャを暗号化するステップ、
d)上記暗号化されたシグニチャを登録されたシグニチャデータベースに加えるステップ、
e)第2の心電図信号を収集するステップ、
f)上記心電図信号を処理して第2のシグニチャを生成するステップ、及び、
g)上記第2のシグニチャを上記登録されたシグニチャデータベース内の一つ又は複数の上記登録された心電図シグニチャと比較するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項76】
上記シグニチャ暗号化ステップが、公開鍵基盤技術を利用してシグニチャをスクランブルすることを特徴とする請求項75に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項77】
a)極めて高い入力インピーダンスプローブを利用して心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記シグニチャを、登録されたシグニチャデータベース内の少なくとも1つの登録されたシグニチャと比較するステップ、及び、
d)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項78】
上記の極めて高い入力抵抗プローブが極めて低いノイズ特性を有することを特徴とする請求項77に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項79】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを、登録されたシグニチャデータベース内の少なくとも1つの心電図シグニチャテンプレートと相関させるステップ、
d)上記シグニチャ相関の結果を加重するステップ、
e)上記加重された相関の結果を閾値と比較するステップ、及び、
f)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項80】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを登録されたシグニチャデータベース内の一つ又は複数の心電図シグニチャテンプレートと比較するステップ、
d)上記比較の結果を識別閾値と比較するステップ、及び、
e)上記比較に基づいてロッキング機構に作用するステップ
を含むセキュリティデバイスをロックする方法。
【請求項81】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを登録されたシグニチャデータベース内の一つ又は複数の心電図シグニチャテンプレートと比較するステップ、
d)上記比較の結果を識別閾値と比較するステップ、及び、
e)上記比較に基づいてルームアクセスを許可する若しくは拒否するステップ
を含むルームアクセスをコントロールする方法。
【請求項82】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)心拍数に対して上記信号を正規化することによって上記信号を処理するステップ、
c)心電図シグニチャを生成するステップ、
d)上記心電図シグニチャを、正規化された心拍数で取られた、即ち、心拍数に対して正規化された信号からの、少なくとも一つの心電図シグニチャテンプレートと、相関させるステップ、
e)上記相関の結果を閾値と比較するステップ、及び、
f)上記比較の結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項83】
上記処理するステップが、上記信号をデジタルで処理することを特徴とする請求項82に記載のバイオメトリック識別システム。
【請求項84】
更に、非心電図バイオメトリック読み取りを取得するステップを含むことを特徴とする請求項82に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項85】
更に、上記非心電図バイオメトリック読み取り、及び個人を識別する出力された比較結果を評価するステップを含むことを特徴とする請求項84に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項86】
更に、非心電図バイオメトリック読み取りを取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のバイオメトリック識別の方法。
【請求項87】
正の認識の後限定された期間動作可能であり、その後次の連続する正の認識が実施されるまで動作不能となるクレジットカードを、更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項88】
非心電図バイオメトリック収集モジュールを、更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項89】
非心電図バイオメトリック収集モジュールを、更に含むことを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項90】
a)心電図収集モジュール、
b)心電図信号プロセッサ、
c)処理された心電図信号比較器、及び、
d)年齢解析出力モジュール
を含む年齢アナライザ。
【請求項91】
上記心電図信号プロセッサがシグニチャ生成器を含み、上記処理された信号比較器がシグニチャ比較器であることを特徴とする請求項90に記載のアナライザ。
【請求項92】
上記処理された心電図比較器が、患者のQRS群の幅をQRS群信号プレートの幅と比較することを特徴とする請求項90に記載のアナライザ。
【請求項93】
上記出力モジュールがインターネットにおいて出力を出力することを特徴とする請求項90に記載のアナライザ。
【請求項94】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理するステップ、
c)上記処理された心電図信号を一つ又は複数の参照信号と比較するステップ、及び、
d)上記比較するステップの結果に基づいて、インターネットウエブサイトへのアクセスを制御するステップ
を含む年齢検出の方法。
【請求項95】
上記比較のステップが、心電図シグニチャを一つ又は複数の心電図シグニチャテンプレートと比較することを特徴とする請求項94に記載の年齢検出の方法。
【請求項96】
上記比較のステップが、QRS信号群の幅を、一つ又は複数の参照信号QRS群の幅と比較することを特徴とする請求項94に記載のアナライザ。
【請求項97】
a)心電図信号収集モジュール、
b)登録されたシグニチャデータベース、
c)上記心電図信号収集モジュールにより収集された心電図信号から、個人のグループの共通心電図特性を表す特性波形を除く心電図シグニチャ生成器を含む心電図信号プロセッサ、及び、
d)心電図シグニチャを少なくとも1つの登録された心電図シグニチャと比較する心電図シグニチャ比較器、及び、
e)出力モジュール
を含むバイオメトリック識別システム。
【請求項98】
上記心電図シグニチャ生成器は、上記グループの心電図信号の主成分解析から導出される第1の主成分を表す特性波形を除くことを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
上記特性波形は、心電図信号収集モジュールにより収集される心電図信号内に存在する特性波形の範囲を近似するように加重されることを特徴とする請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
上記心電図シグニチャ生成器が、心電図信号収集モジュールにより収集された心電図信号から上記近似値を除くことを特徴とする請求項99に記載の方法。
【請求項101】
上記心電図信号収集モジュールが、上記個人のグループのメンバでない個人から心電図信号を収集することを特徴とする請求項98に記載のシステム。
【請求項102】
上記特性波形が、総合的心電図から導出されることを特徴とする請求項97、98及び99のうちのいずれか一に記載のシステム。
【請求項103】
上記心電図シグニチャ生成器が、上記グループの心電図信号の独立成分分析(ICA)から導出される特性波形を除くことを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項104】
上記心電図シグニチャ生成器が、上記グループの心電図信号のウエーブレット分解(WD)から導出される特性波形を除くことを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項105】
上記特性波形を加重する再構成係数を利用することを特徴とする請求項99に記載のシステム。
【請求項106】
上記心電図収集モジュールが、ユーザからの意識的応答を要求しない生物学的チャレンジレスポンスメカニズムのために備わる双方向インターフェースを含むことを特徴とする請求項97、98及び99のうちのいずれか一に記載のシステム。
【請求項107】
上記双方向インターフェースが伝導媒質を含むことを特徴とする請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
上記伝導媒質がアパレルアイテムの中に総合されていることを特徴とする請求項107に記載のシステム。
【請求項109】
a)患者の心電図を収集するステップ、
b)個人のグループからの心電図を分解し該グループの共通特性を表す特性波形のセットを決定するステップ、
c)上記特性波形を除くことによって、上記患者の心電図を処理するステップ、及び、
d)患者の処理された心電図を利用して該患者を識別するステップ
を含む個人を識別する方法。
【請求項110】
上記患者が上記個人のグループのメンバでないことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
上記分解された心電図が総合的であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項112】
上記ステップがリストされた順序で実施されることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
上記特性波形を加重し患者の心電図信内に存在する共通特性の範囲を近似するステップを更に含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項114】
上記特性波形を除くステップが、上記近似を除くことにより完遂されることを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項115】
上記分解するステップが、主成分解析を個人のグループからの心電図に適用することにより為され、上記加重するステップが、患者の心電図内に存在する上記共通特性の範囲を近似するように共通特性を表す主成分に対する再構成係数を決定することにより為されることを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項116】
上記近似が患者の心電図から除かれることを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項117】
共通特性を表す主成分がタイムシフトされて上記再構成係数を決定することを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項118】
上記分解するステップが独立成分分析(ICA)であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項119】
上記分解するステップがウエーブレット分解(WD)であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項120】
患者の意識的応答を要求しないように患者を喚起するステップを更に含む請求項109、110、111及び112のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項121】
上記喚起するステップが、患者の心電図を収集するのに利用される伝導媒質を介して電気的刺激を与えるステップを含むことを特徴とする請求項120に記載の方法。
【請求項122】
a)心電図信号を収集するステップ、
b)上記心電図信号を処理して心電図シグニチャを生成するステップ、
c)上記心電図シグニチャを複数の総合的心電図シグニチャと相関させるステップ、
d)上記相関の一つ又は複数を変換するステップ、
e)上記相関のための動的閾値を生成するステップ、及び、
f)識別結果を出力するステップ
を含むバイオメトリック識別の方法。
【請求項123】
上記ステップがリストされた順序で実施されることを特徴とする請求項122に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公表番号】特表2008−518709(P2008−518709A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539648(P2007−539648)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003281
【国際公開番号】WO2006/059190
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(505036087)イデシア・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】IDESIA LTD
【Fターム(参考)】