説明

電子ペン及び電子ペンシステム

【課題】電子ペンを見るだけで電子ペンに設定された色や線の太さなど線種の属性を容易に認識することができる便利な電子ペン及び電子ペンシステムを提供する。
【解決手段】電子的に文字や線を描画する電子ペンであって、電子ペンの外周に沿って配置される表示手段と、前記表示手段の対向する両端の間に設けた隙間部と、前記隙間部に配置されるとともに前記表示手段に接続して前記表示手段を駆動する駆動信号を供給する導電手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレットに文字や図形を手書き入力したり、タブレットに表示される情報を選択して上位装置に入力するための電子ペン及び電子ペンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙に対して利用されるような筆記具の操作を模した入力手段として、パーソナルコンピューターに接続されたタブレット上を電子ペンで入力するものや、携帯端末の表示画面上に設けた透明タッチパネル上をスタイラスで入力するものが利用されている。例えば、赤LED、緑LED、青LEDを使って発色する表示手段と側面スイッチを備え、電子ペンに設定された色で電子ペンの表示手段を発色させるペン型ポインティングデバイスが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
さらに、販売支援装置において、電子ペンで文字を書く時の線の太さを選択指定する入力手段を設けた電子ペンが開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3520823号公報
【特許文献2】特開平6−110424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来の構成では、表示手段が電子ペンの端部に配置され、表示領域も小さいため、ユーザによる視認性が悪いという課題や、LED光源を点灯させて表示させるため使用時に電子ペンの消費電力が多くなり、かつ、電子ペンの電源をオフにした状態では電子ペンの色を表示することができないためユーザが色を認識できないという課題があった。
【0006】
また、線の太さを選択可能な上記の従来の構成では、電子ペンに設定された線の太さを電子ペン使用前にユーザが認識できないという課題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、電子ペンの電源がオフにされた状態であっても、電子ペンを見るだけで電子ペンに設定された色や線の太さなど線種の属性を容易に認識することができる便利な電子ペン及び電子ペンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、電子的に文字や線を描画する電子ペンであって、電子ペンの外周に沿って配置される表示手段と、前記表示手段の対向する両端の間に設けた隙間部と、前記隙間部に配置されるとともに前記表示手段に接続して前記表示手段を駆動する駆動信号を供給する導電手段とを備える構成としたものである。
【0009】
さらに、電子的に文字や線を描画する電子ペンと、前記電子ペンによる描画位置を検出し描画される文字や線を表示手段に表示する端末装置とからなる電子ペンシステムであって、前記電子ペンは、当該電子ペンで描画する文字や線の属性を設定する属性設定手段と、前記属性設定手段により設定した属性情報を当該電子ペン上に表示する表示手段と、前記端末装置との間で前記属性情報の通信を行う通信手段とを備え、前記端末装置は、前記電子ペンとの間で前記属性情報の通信を行う通信手段と、前記電子ペンによる描画を表示する表示手段と、前記電子ペンの描画位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された描画位置に合わせて、前記通信手段により前記電子ペンから受信した属性を有する文字や線を前記端末装置の表示手段に表示する制御手段とを備える構成としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子ペン及び電子ペンシステムによれば、ユーザが電子ペンを見てペンの色や線種などの属性を容易に認識でき、さらに、電子ペンを利用する情報端末装置に対して、電子ペンに設定したペン属性を簡単に反映させることができるので、複数の電子ペンと複数の情報端末装置を使用する状況でも、従来から紙に対して利用されるような筆記具の使用方法と同様な理解しやすい操作方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシステム概観図
【図2】本発明の実施の形態1における電子ペンシステムの基本ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における電子ペンの基本構成図
【図4】本発明の実施の形態1における電子ペンの表示部の構成図
【図5】本発明の実施の形態1における電子ペンシステムの動作フロー図
【図6】本発明の実施の形態1における電子ペンシステムの動作フロー図
【図7】本発明の実施の形態2における電子ペンの基本構成図
【図8】本発明の実施の形態2における電子ペンの表示部の断面図
【図9】本発明の実施の形態2における電子ペンシステムの動作フロー図
【図10】本発明の実施の形態3における電子ペンの基本構成図
【図11】本発明の実施の形態3における電子ペンの表示部の断面図
【図12】本発明の実施の形態4における電子ペンの基本構成図
【図13】本発明の実施の形態5における電子ペンの基本構成図
【図14】本発明の実施の形態5における電子ペン表示部の断面図
【図15】本発明の実施の形態5に用いられる電子ペンのクリップ部と隙間部の概要図
【図16】本発明の実施の形態5に用いられる電子ペンのクリップ部と隙間部の他の概要図
【図17】本発明の実施の形態1〜5に用いられる電子ペンのペン先の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な内容について実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施の形態1について図1〜図6を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム概観図である。電子ペンシステムは、電子ペンPと端末装置Tとから構成され、端末装置Tの端末の表示部10上に、ペン属性を設定するためのメニューとして、カラーパレットTcpが表示される。
【0014】
なお、この実施の形態1では濃度を設定する場合についてのみ説明するが、ペン属性の色や線の太さや、実線や破線や二重線などの線種を設定するためのメニューも合わせて端末の表示部10上に表示させるようにして同様に設定させるようにしてもよい。電子ペンPで書いた線は設定されたペン属性で端末の表示部10に表示される。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態1における電子ペンシステムの基本ブロック図である。電子ペンPは、色や線種などを表示する表示部1と、表示回路2と、CPU3と、記憶手段であるROM/RAM4と、電源部5と、端末装置Tと通信を行う通信部6と、電子ペンPの電源をオン/オフしたりペン属性を設定するスイッチ7と、ペン先において光を検出する光検出部8を備えている。
【0016】
図2において、表示回路2は、表示部1の備える複数の電極へ電圧を供給するための回路である。電極へ引加する電圧値や波形パターンを制御することにより、表示セルでの散乱と透過の割合を変化させて、1つの表示層から提供する反射光量を階調制御する。
【0017】
CPU3は、記憶手段であるROM/RAM4のプログラムとデータによって、電子ペンPの回路を制御する。
【0018】
電源部5は、電子ペンPの回路を動作させるためのエネルギーであり、電池や大容量のキャパシタで構成される。なお、電源部5はコイルで構成される図示していない受電回路と蓄電回路を備え、端末装置Tで発生させる電磁波の電磁誘導にて、非接触でエネルギー供給させることもできる。
【0019】
通信部6は、無線通信回路であり、電子ペンPと端末装置Tとの間で双方向にデータの送受信を行う。ここで、無線通信方式は、公知の無線LANである802.11b/gやBluetoothやRFIDの近接通信手段などを利用できる。
【0020】
電子ペンPはスイッチ7を1つ以上備え、スイッチ7は電子ペンPの入力手段であり、電子ペンの電源オン/オフの制御やペン属性の設定操作やペン先の押下を検知する。
【0021】
光検出部8は、ペン先側から外部へ照射された光が、外部で反射してペン先から入力してくる光を検出する。
【0022】
また、端末装置Tは、タブレットPCのようなパーソナルコンピューターに準じる装置であり、端末の表示部10と、表示回路11と、記憶手段であるROM/RAM12と、CPU13と、電子ペンPと通信を行う通信部14と、電子ペンPの位置を検出して入力する入力部15と、電源部16とを備えている。さらに、端末装置Tは、図示していないペン属性設定手段を備えている。また、入力部15は、抵抗膜によるタッチパネルや、電子ペンの位置を検出する電磁誘導方式のタブレットなどの入力手段で実現する。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1における電子ペンの基本構成図である。図3(A)は電子ペンの概観図であり、本実施の形態1に係る電子ペンPは、表示部1と、クリップ部9と、保護部材9aと、ペン先保持部1yと、ペン先1wとを備えている。
【0024】
図3(B)は、クリップ部9を取り付ける前の状態の電子ペンPの概観図であり、表示部1が1つの表示層を有し、この表示層が電子ペンの軸と同心円上に配置される。また、表示部1の両端面を対向させてできる隙間部Sが存在していることを示している。
【0025】
図3(C)は、図3(A)の破線X1−X2における電子ペンPの断面図であり、電子ペン筐体1aの外周面を表示部1が巻くように配置され、表示部1の対向する両端の間で、クリップ部9と電子ペン筐体1aの間に隙間部Sがあることを示している。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態1における電子ペンの表示部の構成図である。図4(A)は電子ペン筐体1aに巻き付ける前の表示部1を示す図で、図4(B)は図4(A)の破線X3−X4における表示部1の断面図である。
【0027】
図4(A)に示すように、本実施の形態1では1つの表示層のみを有し、表示部1の電極は導電部材に接続され、導電部材は接続部1jまで引き出されて、コネクタにより電子ペン筐体の内部に取り付けた表示回路に接続している。
【0028】
図4(B)に基づいて、本実施の形態1に係る表示部1の詳細について説明する。表示部1は、透明電極1etを備えた透明フィルム1fと、光吸収層1gと電極1eとを備えたベースフィルム1bと、スペーサー部材1rと、偏光フィルム1dfで構成し、表示部の周囲を熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの封止材料1nで封止してセルとし、そのセルの中に着色材やカイラル材やコレステリック液晶などで構成する表示保持特性のある液晶材料1Lを注入し、最後に注入口を封止して表示セルを作成する。
【0029】
表示セルは、透明電極1etと電極1eの間にかける電圧の大きさによって外光を散乱したり透過したりする液晶材料の性質を利用することで、外光が表示セルで散乱する時には色を表示し、外光が表示セル内を透過して光吸収層1gで吸収される時には黒表示となる。
【0030】
なお、ベースフィルム1bに電極1eと光吸収層1gとスペーサー部材1rとを設けてベースとするベースフィルム部と、透明フィルム1fに透明電極1etと偏光フィルム1dfとを設けた表層フィルム部とを貼り合わせる際は、製造プロセスで用いるローラーに密着させた状態で相互のフィルムを接着させることで、表示部1に曲率を持たせるようにする。
【0031】
また、光吸収層1gは、電極1eの表面に有色フィルムを貼り合わせたり、電極1eの表面に有色の塗料を塗布して構成することができる。また、電極1eとして有色(黒色がよい)の導電材料を用いることが好ましい。
【0032】
接続部1jは、透明フィルム1fをベースフィルム1bより短く加工し、ベースフィルム1bの端部に露出させた電極1eをパターンニング加工して2個の接続端子を備える。1個の接続端子は線状の電極であり、表示部1とほぼ同じ大きさのベースフィルム1bの電極1eとつながっている。また、もう一方の接続端子は、ベースフィルム1bの電極1eの一部をパターニング加工して分割した線状の電極で、この部位の封止材料1nをマスクして塗布しないようにし、透明フィルム1fの透明電極1etと接続している。
【0033】
ここで、線状の電極1eと透明電極1etの間には、電気的接続性を高めるために熱溶融する導電部材1pを塗布することができる。さらに、接続端子は金などの金属材料をメッキ処理して、コネクタ接続時の接触抵抗を低下させて接続信頼性を高めることが好ましい。
【0034】
図5、図6に基づいて、本発明の実施の形態1における電子ペンシステムの動作フロー図について説明する。なお、実施の形態1においては、表示部1の表示層を1つとしているので、電子ペンPによって描画される色は1色である。図5では色の濃度を端末装置上に表示されるメニューから選択して設定するものとして、図6では色の濃度を、ペン先1wに接続されるスイッチ7の押下により選択して設定するものとして説明する。以下、スイッチ7が0.5秒以下の時間、押下されてスイッチオンになる状態をノックと呼び、2秒以上の時間スイッチオンになる長い押下をホールドと呼ぶものとする。
【0035】
図5において、端末装置Tは、端末の表示部10に操作メニューを表示する(ステップS11)。例えば、図1のように、ペン属性の1つであるペンの色濃度を設定するためのカラーパレットTcpを表示する。
【0036】
続いて、電子ペンPの位置を検出するために入力回路である入力部15を駆動してペン検出走査を行う(ステップS12)。例えば、端末の表示部10の周囲を囲むように配置したコイルに交流電流を供給し、電磁波D1を出力する。
【0037】
一方、電子ペンは電源をオンにした後(ステップS21)、電子ペンの電源部5に内蔵するコイルとコンデンサにより構成される回路で、端末装置Tの入力部15からの電磁波を受信する(ステップS22)。
【0038】
なお、この時コイルで受けた電力により、電源部5が備える電池を充電して電子ペンのエネルギーにすることができる。さらに、電磁波D1を受信した信号により、別のコイルとコイルに接続するコンデンサの接続をスイッチで制御して、コイルから電磁波D2を端末装置Tに向けて出力する。
【0039】
端末装置Tの入力部15は、行と列方向に複数配置しループコイル状にした位置検出用配線(図示せず)を備え、各ループコイル配線を受信回路に接続してスキャンし、電磁波D2によって発生する信号レベルによりペン位置を検出する(ステップS13)。なお、ステップS13において、ペン位置を検出できない時はステップS12のペン検出走査に戻ってペン位置の検出を繰り返す。
【0040】
ペン位置とメニュー表示位置の関係から座標認識し(ステップS14)、電子ペンPと端末の表示部10の対応する位置に、電子ペンPの位置を示すカーソルが表示回路11を制御して表示される(ステップS15)。利用者が電子ペンPで端末装置Tの表示部10上を触れると、ペン先よりつながるスイッチが入り、ペン先が押下されたことを認識する(ステップS23)。ペン先が押下されると電子ペンは内蔵するROM/RAM4に記録している電子ペンの固有認識番号(以下、ペンIDと略す)とペン押下のステータスの情報D3を通信回路である通信部6より端末装置Tに送信する(ステップS24)。
【0041】
端末装置Tは、通信部14で電子ペンの押下とペンIDのデータを受信すると(ステップS16)、ペン属性の濃度を変更するメニュー表示上でペン押下されていれば、その位置に対応するメニュー表示を書き換える(ステップS17)。例えば、本実施の形態1のようにペンの色濃度を変更する場合、明度が異なる濃度領域を備えたカラーパレットTcpにおいて、カラーパレットTcp内の矩形の濃度領域内を電子ペンをノック操作して押下した時、その矩形の外枠の太さを太くし、かつ、ペンの色濃度を示す領域を、選択した領域と同じ色濃度に変更する。
【0042】
一方、ステップS16において、ペンの押下とペンIDを検出できない時はステップS12のペン検出走査に戻ってペン位置の検出を繰り返す。
【0043】
端末装置Tは、利用者が設定したペンIDに対応したペンについての属性設定を変更し(ステップS18)、続いて、ペンの属性データとペンIDを含んだデータD4を通信部14より電子ペンPへ送信し(ステップS19)、電子ペンPからの応答を待ち(ステップS20)、応答を受信するとステップS12に戻る。
【0044】
電子ペンPがペンの属性データとペンIDを通信部6で受信すると、通信部6よりペンIDと応答信号D5を端末装置Tへ送信し(ステップS25)、電子ペンの固有のIDと受信したペンIDが一致する場合は、ROM/RAM4へペン属性データを保存する(ステップS26)。さらに、表示回路2を制御して表示部1を対応するペン属性の濃度内容に書き換え表示する(ステップS27)。
【0045】
次に、図6を用いて、電子ペンで選択した色濃度を端末装置Tへ反映する方法を説明する。図6において、図5と同じ処理要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0046】
端末装置Tは、電子ペンPの検知(ステップS31)と、電子ペンPの位置を検出するために入力回路である入力部15を駆動してペン検出走査(ステップS12)と、ペン位置の検出(ステップ13)と、座標認識(ステップS14)と、表示書き換え(ステップS15)と、ペン押下とID検出(ステップS16)を繰り返している。
【0047】
ここで、電子ペンPが利用者によるスイッチ7の操作にて、モード選択としてペンの濃度を変更するモードに選択される(ステップS41)。例えば、スイッチ7を1秒以内に連続2回オン・オフさせる(以下、ダブルノックと略記)ことで使用状態からモード選択状態となる(ステップS41)。
【0048】
本例では、選択モードが濃度選択モードの状態になると(ステップS42)、その後の1回のオン・オフ動作(以下、ノックと略記)で、ノックを繰り返して行うことで、階調数を8段階準備している場合、濃度0レベルから7レベルまで1レベルずつ順番に変更させ(ステップS43)、その変更値に応じて表示回路2を制御して、表示部1を書き換える(ステップS44)。
【0049】
続いて、スイッチ7のダブルノック操作をCPU3が検知すると、選択された濃度レベルをペン属性値としてROM/RAM4に保存し、ペン属性の変更をしたことを意味するROM/RAM4内のステータスフラグを設定し、ペン属性の設定モードが終了したかどうかを確認する(ステップS45)。電子ペンPで端末装置Tの表示部10上をタッチすると、電子ペンPはペン先に接続されたスイッチでペン押下を検知し、ペン属性が変更されているので、通信部6よりペンIDとステータスフラグとペン属性(濃度)データD6を送信する(ステップS46)。
【0050】
端末装置Tは、通信部14で電子ペンPのペン先押下とペンIDとペン属性のデータを受信すると(ステップS16)、ペンのステータスフラグを確認し、ペン属性の変更を認識すると(ステップS32)、ペンIDに対応するペン属性を受信したデータ値に変更し、ペンの属性を提示している表示部10の属性表示を書き換える(ステップS33)。例えば、ペンの色濃度を濃度0から濃度4に変更した場合、属性表示を提示する矩形の領域内を濃度0から選択した濃度4に変更し、電子ペンPの表示部1の濃度と同一にする。
【0051】
端末装置Tはペン属性の変更が完了したので、属性変更の完了を知らせる応答信号D7を通信部14から送信する(ステップS34)。続いて、電子ペンPからの応答信号D5を待ち(ステップS20)、受信できるとステップS12に戻る。
【0052】
電子ペンPは、端末装置Tからの応答信号D7を受信すると通信部6より応答信号D5を端末装置Tへ送信し(ステップS25)、ペン属性が完了する。
【0053】
利用者が、端末装置Tの動作をペン入力モードにした場合は、電子ペンPの動きと入力位置に応じて、端末装置Tは表示部10に濃度4の線を描画する。例えば、ペンIDがV1のペン1が、濃度4の灰色に設定され、ペンIDがV2のペン2が、濃度7の黒色に設定されている場合、ペン1で表示部10に描画する線は灰色で書き込み、ペン2で表示部10に描画する線を黒色で書き込む。
【0054】
なお、描画する線の太さや線の種類は、検知した電子ペンのIDに対応して端末装置Tに設定されているペン属性が使用される。
【0055】
また、上記で電子ペンPの表示部1にペン濃度を表示する事例を説明したが、電源オフ時に表示部1の濃度レベルを濃度0の白色に変更し、電源オンで濃度レベルを濃度7の黒色、もしくは、前回までに設定している濃度レベル、例えば濃度4の灰色に変更することで、電子ペンPの電源がオンにされていることを提示することができる。
【0056】
なお、上記実施例では、表示部1の表示層として液晶材料を使用したが、電気泳動する着色した電子インクと液体の分散媒体を透明なマイクロカプセルに封入したEINK製の電子ペーパーデバイスなどのような電気泳動方式の表示材料を用いても同様の効果が得られる。この場合、電極を備えたフィルムの間に、多数の前記マイクロカプセルを敷き詰めて表示層が構成され、1組の電極により1つの表示層が形成されて1つの表示セルとなる。
【0057】
以上のように本実施の形態1によれば、電子ペンの外周面に設けられた表示部で、ペンの電源オンとオフを示す白/黒の表示切り替えや、ペン属性として設定した色濃度を表示させて利用者へ提示できる。
【0058】
さらに、電子ペンシステムと電子ペンの入力におけるペン属性設定が簡単にできるので、特に、個人の使用している電子ペンで、複数の端末装置にペン入力する場合は、電子ペンで設定しているペン属性を端末装置へ反映できるので高い利便性を与えることができる。
【実施例2】
【0059】
本発明の実施の形態2について図7、図8を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2における電子ペンの基本構成図であり、図8は、本発明の実施の形態2における電子ペンの表示部の断面図である。実施の形態2の基本ブロック図は、実施の形態1と同じく図2となる。実施の形態1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0060】
図7(A)と図7(B)は、本実施の形態2に係る電子ペンの表示部1を示している。また、図8(A)は、本実施の形態2に係る表示部1の破線X5−X6(図7(B)参照)における断面図を示し、図8(B)はY1(図7(B)参照)における矢視図を示している。
【0061】
図7(A)において、表示部1は、8種類の異なる表示層1c1〜1c8を有し、電子ペンPの軸と同心円上に表示層を配置している。また、スイッチ7の操作部を電子ペンPの上端部に備えている。なお、本図においてはクリップ部9を省略している。
【0062】
図7(B)において、表示部1は、複数の表示セルを有する表示領域1Mdと表示回路2へ接続する配線領域1Meから構成される。配線領域1Meは隙間部Sの位置に配置する。
【0063】
図8(A)において、表示部1は、透明電極1etとカラーフィルタ1cfと偏光フィルム1dfを備えた透明フィルム1fと、光吸収層1gと電極1eを備えたベースフィルム1bと、スペーサー部材1rとで構成し、フィルムの周囲を封止してセルを形成し、そのセルの中に液晶材料1dを注入し、注入口を封止して表示セルとする。
【0064】
表示部1の表示面は偏光フィルム1dfを貼り合わせた透明フィルム1fであり、透明フィルム1fに表示色となるカラーフィルタ1cfと透明電極1etを積層している。ここで、電極1eは表示領域とほぼ同じ大きさの1つの共通電極であり、各透明電極1etは、カラーフィルタ毎に配置されており、1c1〜1c8の各表示層を制御するための駆動電極となる。
【0065】
表示部1の背面は基材となるベースフィルム1bであり、ベースフィルム1bは電極1eを備え、透明電極1etと電極1eの間に電圧を供給して、表示セル内の液晶に電界を印加するためのものである。なお、電極1eの表面は光吸収する黒色の導電材料が好ましい。
【0066】
カラーフィルタ1cfと透明電極1etを積層している透明フィルム1fは、電極1eを備えるベースフィルム1bに対して、スペーサー部材1rで等間隔を保つように対向配置し、その表示セル空間内に液晶材料1dを充填し、表示部周囲を封止材料1nで封止する。
【0067】
表示セルは、外光を散乱したり透過したりする性質を利用して、外光が表示セルで散乱する時にはカラーフィルタ1cfの色を表示し、外光が表示セル内を透過して光吸収層1gで吸収される時には黒表示となる。
【0068】
このような表示セルを複数個備えた表示部1が図7(A)であり、例えば、表示層1c1を赤色、表示層1c2を橙色、表示層1c3を黄色、表示層1c4を黄緑色、表示層1c5を緑色、表示層1c6を青色、表示層1c7を紫色、表示層1c8を白色というように、カラーフィルタによる8種類の色と、白/黒色の合計9種類の基本色を表示する構成にしている。また、駆動電極へ印加する電圧値や電圧のパターンを変えることで、各色の反射光量を調整し、色濃度を制御することもできる。
【0069】
例えば、表示セルが透過状態で反射光を最小にした状態から、駆動電極へ電圧5Vで印加時間100μ秒のパルスを印加する。液晶材料1dは、加えた電界に反応して動くので、印加するパルス数を増加させることに比例して、より多くの分子レベルの液晶を反射状態に動かすことができる。
【0070】
また、印加時間10m秒で駆動電極へ印加する電圧を1Vから24Vまで、段階的に制御することで、反射光量を調整することができる。
【0071】
ここで、電極1eは、配線領域1Meにおいて導電部材1pにより表示面側の配線パターンに接続している。複数の駆動電極と電極1eは、配線領域1Meの配線パターンで、接続部1jまで引き出されている。なお、配線パターンは、透明フィルム1fの備える透明電極1etから配線部分を残して、その他の不要な部位を除去して作成できる。
【0072】
図8(B)は、表示部1の配線領域1Meを図7(B)に示すY1から見た矢視図である。ここで、配線領域1Meでは、絶縁部材1naを挟みこんで透明フィルム1fとベースフィルム1bを接着し、絶縁部材1naにより駆動電極と共通電極を絶縁している。また、接続部1jは、表示面側のフィルムよりベースフィルムを短くして、配線パターンを露出させ、その端面の配線パターンを金属メッキ処理してメッキ部1qを構成している。
配線領域の接続部1jのメッキ部1qは、図示していないコネクタで電子ペン筐体1aの内部に取り付けた表示回路2に接続する。
【0073】
表示回路2は、表示部1の備える複数の透明電極1etと電極1eとの間に電圧を供給するための回路であり、表示回路は表示層の色の数だけ、独立した出力を備える。
スイッチ7は、CPU3に接続され電子ペン上端部に設けられるスイッチ7の操作部のオン/オフを検知する。スイッチ7の操作に応じて、CPU3が表示部1に表示する表示層の選択情報を生成し、CPU3にて表示回路2を制御させる。
【0074】
次に、図9に基づいて、本発明の実施の形態2における電子ペンシステムの動作フロー図について説明する。なお、実施の形態2においては、表示部1の表示層を複数色としているので、電子ペンPによって描画される色は複数色であり、本形態ではスイッチ7を操作することにより色及び線種を選択して設定するものとして説明する。図9において、図6と同じ処理については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0075】
実施の形態2の電子ペンPは、ペンの上端部に設けたスイッチ7の操作で、電源がオン/オフされる。また、スイッチ7の入力パターンやその回数により、電子ペンにおいて、濃度を含む色や太さや線の種類などのペン属性を設定変更させることができる。
電子ペンPは、スイッチ7のホールドを検知することで、電源をオフからオンに、オンからオフに切り替える。また、連続するノックをダブルノックとして検知し、電源オン状態でのスチッチ7のダブルノックでモード選択の状態に入る。
【0076】
電子ペンPは、ペン属性として、色・濃度選択と太さ・線種選択を備える。電子ペンPのスイッチ7のダブルノック操作により電子ペンの動作を変更するためのモード選択の状態にして(ステップS41)、電子ペンPのペン属性(色と濃度や太さと線種など)の変更内容を選択する。ダブルノックで色選択モードにできるが、ダブルノックを連続して行うことで、後述する実施例で説明する太さや線種選択モードにすることもできる。
【0077】
例えば、色を設定する場合は、モード選択にて色・濃度選択モードにして、利用者が任意の色を電子ペンPの表示部1を確認しながらスイッチ7をノックすることで設定変更する。
【0078】
まず、色・濃度選択モードが選択された場合(ステップS42)、まず、スイッチ7をノック操作してペン色を選択する(ステップS43)。また、選択した色に対応したペン色になるように表示回路2を制御して表示部1を書き換える(ステップS44)。1回ノックする度に、表示部1の対応する表示層を制御して、赤色→橙色→黄色→黄緑→緑色→青色→紫→白色と、反射光の表示層を変化させる。
【0079】
なお、この時、選択していない色の表示層は透過モードで反射光のない状態にし、選択色の表示層は設定の濃度レベルに表示する。白色/黒色の表示層1c8はモノクロ時のペン濃度と電源のオフ時に白色を表示させる。色選択を終えると、ダブルノックすることで濃度選択できる。濃度選択は上記説明と同じなので省略する。
【0080】
続いて、ダブルノック操作にて、太さ・線種選択モードになる(ステップS50)。まず、太さ選択モードにて、太さを選択する(ステップS51)。1回ノックする度に、太さレベルが1→2→3→4→5と段階的に変更する。この時、変更内容に応じて、白色/黒色の表示層1c8の表示を変更させて利用者へ提示することができる。例えば、最細の時は濃度レベル1に、最太の時は濃度レベル7で表示を書き換える(ステップS52)。
【0081】
ここで、ダブルノック操作をすると線種選択モードになり、ノック操作にて線種を選択する(ステップS51)。例えば、1回ノックする度に、実線→破線→1点破線→2重線というように、変更する。
【0082】
この時、表示層の表面の一部へ線種の図柄を印刷しておき(図示なし)、線種に対応した表示層1c1〜1c7を一時的に変更して提示することができる(ステップS52)。次に、ダブルノック操作を2回連続させて、ペン属性の設定を終了されると、設定変更したペン属性をROM/RAM4に保存し(ステップS45)、ペン属性を電子ペンで変更したことを示すステータスフラグとペンのIDを含めたデータD6を通信部6で端末装置Tへ送信する(ステップS46)。なお、線種の設定の後で、ダブルノック操作を1回だけすると、再度、色・濃度選択モードのステップS42へ戻る。
【0083】
端末装置Tは、ステップS16においてデータD6を受信し、ペンステータスの変更を確認すると(ステップS32)、ペンIDに対応するペン属性を設定し表示を書き換え(ステップS33)、ペン属性の変更を完了したことを示す応答信号D7を電子ペンへ送信し(ステップS34)、電子ペンからの応答信号D5を待ち(ステップS20)、受信できるとステップS12に戻る。
【0084】
電子ペンは、端末装置Tの応答信号D7を受信すると通信部6より応答信号D5を端末装置Tへ送信する(ステップS25)。
【0085】
これにより、例えば、電子ペンの表示部1に赤色を表示して、ペン属性の色を赤色に変更した場合、表示部10に触れて端末装置Tのペン属性を変更する。その後は、電子ペンPで端末装置Tに赤色の線で入力させることができる。
【0086】
以上のように、本実施の形態2によれば、電子ペンの外周面に設けられた表示部で、ペン属性として設定した複数の色を提示し、色や濃度と太さや線種を電子ペンで変更させることができる。
【0087】
なお、上記実施の形態2では、表示部を8種類の表示層で構成しているが、任意の複数種類の表示層で構成することもできる。
【実施例3】
【0088】
本発明の実施の形態3について図10、図11を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態3における電子ペンの基本構成図であり、図11は、本発明の実施の形態3における電子ペンの表示部の断面図である。実施の形態3の基本ブロック図は、実施の形態1と同じく図2となる。図10において、実施の形態1、2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0089】
図10(A)と図10(B)は、本実施の形態3に係る表示部1を示している。また、図11(A)は、表示部1の破線X7−X8(図10(B)参照)における断面図を示し、図11(B)は、Y2(図10(B)参照)における矢視図を示している。
【0090】
図10(B)において、表示部1は、複数の表示セルを有する表示領域1Mdと表示回路2へ接続する配線領域1Meから構成される。配線領域1Meは隙間部Sの位置に配置する。
【0091】
図10(A)、(B)に示すように、表示部1は複数からなる表示層1c1〜1cnを有し、表示層のカラーフィルタが、R/赤色・G/緑色・B/青色で代表される基本の3色、もしくは、他の複数色で構成される基本色(例えば、C/シアン・M/マゼンタ・Y/イエロー・K/黒色)を備える。さらに、表示層1c1〜1cnは電子ペンの外周長さに対して各色の表示幅を細くし、RGBあるいはCMYKの基本色の表示層を順に繰り返し電子ペンの軸に対して同心円上に多数配置される。
【0092】
図11(A)の表示部1の断面図において、透明電極1etは、表示領域1Mdで各カラーフィルタの位置に対応して表示層の数だけ分割され、配線領域1Meにて、同色のカラーフィルタに対応した透明電極1et同士を導電材料1pでベースフィルム1bに設けた配線パターン1ptと接続している。
【0093】
なお、表示部1において、透明電極1etは、各表示層のカラーフィルタ1cf毎に配置しており、駆動電極となる。配線領域1Meは、スルーホール加工した絶縁フィルムと透明フィルム1fとベースフィルム1bで構成し、スルーホールに導電部材1pを充填して、フィルムを接着する。さらに、圧熱処理を配線領域に施すことで、各駆動電極の配線パターンは導電部材1pにより背面の基材となるベースフィルム1b上の配線パターンと接続される。
【0094】
なお、表示部1は、隣り合う表示層との間に、樹脂材料や封止材料で構成される隔壁を備えることが、より好適である。
【0095】
図11(B)の表示部1の配線領域1Meの矢視図において、配線領域1Meと表示回路2を接続するための接続部1jは、表示面側のフィルムよりベースフィルム1bを長くして、配線パターンを露出させ、その端面の配線パターンを金属メッキ処理してメッキ部1qを構成している。接続部1jのメッキ部は、図示していないコネクタで表示回路2に接続する。
【0096】
表示回路2は、表示部1の備える複数の透明電極1etへ電圧を供給するための回路であり、表示回路は表示層のカラーフィルタの色の種類数毎に独立した出力を備える。
【0097】
以上のように本実施の形態3によれば、電子ペンの表示部に、基本色の階調を制御して表示させることで、人間の目から見て沢山の色を利用者へ提示できる。例えば、R・G・Bの3種類のカラーフィルタで構成し、各色を8階調で駆動制御した場合、512色を表示できる。
【0098】
また、表示層の幅を細く同心円上に配置しているので、見る角度によって色が変化するという不具合を改善できる。
【0099】
なお、上記実施の形態3では、表示層の表示セルとして細長い矩形の形状を用いたが、湾曲した波線状や幅が一定でない形状を用いても同様の効果が得られる。
【0100】
また、実施の形態3の電子ペンの色選択、線種選択に関する動作は、実施の形態2の図9の動作フロー図と同じである。
【実施例4】
【0101】
本発明の実施の形態4について図12を用いて説明する。図12は、本発明の実施の形態4における電子ペンの基本構成図である。実施の形態4の基本ブロック図は、実施の形態1と同じく図2となる。図12において、実施の形態1〜3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0102】
図12(A)と図12(B)は、本実施の形態4に係る電子ペンの表示部1を示している。また、図12(C)は、クリップ部材の概要図である。
【0103】
図12(B)に示すように、表示部1は、複数の表示セルによる表示領域1Mdと表示回路2へ接続する配線領域1Meから構成され、配線領域1Meは電子ペンPの上端部側に配置されている。
【0104】
図12(B)において、表示部1は複数からなる表示層1c1〜1cnを有し、表示層のカラーフィルタが、R/赤色・G/緑色・B/青色で代表される基本の3色、もしくは、他の複数色で構成される基本色(例えば、C/シアン・M/マゼンタ・Y/イエロー・K/黒色)を備え、表示層1c1〜1cnは、電子ペンの外周長さに対して各色の表示幅を細くし、RGBあるいはCMYKの基本色の表示層を順に繰り返し電子ペンの軸方向に多数配置される。
【0105】
本実施の形態4の表示部1を図中の垂直方向で分割した場合の断面の構造は、図11(A)と同じであり、透明電極1etは、表示領域1Mdで各カラーフィルタの位置に対応した数だけあり、配線領域1Meにて、同色のカラーフィルタに対応した透明電極1et同士を導電材料1pで接続している。
【0106】
図12(C)は、電子ペンPのクリップ部材の概要図であり、クリップ部9が保護部材9aと一体化して構成され、電子ペンに取り付けた表示部1の上端側に位置する配線領域1Meをペン筐体1aとクリップ部材の保護部材9aで固定して保護する。
【0107】
以上のように本実施の形態4によれば、表示部の電子ペンの長手方向に生じる隙間部Sに設けていた駆動配線のための領域が不要となるため、隙間部Sの幅を両端の接合部のみとし最小にすることができる。
【0108】
また、実施の形態4の電子ペンの色選択、線種選択に関する動作は、実施の形態2の図9の動作フロー図と同じである。
【実施例5】
【0109】
本発明の実施の形態5について図13〜図16を用いて説明する。図13は、本発明の実施の形態5における電子ペンの基本構成図であり、図14は、本発明の実施の形態5における電子ペン表示部の断面図である。実施の形態5の基本ブロック図は、実施の形態1と同じく図2となる。図13、図14において、実施の形態1〜4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0110】
図13(A)は、本実施の形態5に係る電子ペンの表示部1を示している。図13(B)は、本実施の形態に係る電子ペンの概要図である。
【0111】
図13(A)では、電子ペンPの表示部1に、例えば、ペン太さ表示1Zaで電子ペンに設定された色(例えば、赤色)と字の太さを表示し、線種表示1Zbで設定された線種(例えば、破線)を表示している。本実施の形態5の電子ペンは、RGBあるいはCMYKの基本色で構成される表示セルをマトリックス配置した表示部1上に、任意の色と模様を表示できる。
【0112】
図13(B)に示すように、表示部1は、複数の表示セルによる表示領域1Mdと表示回路2へ接続するL字形状の配線領域1Meから構成される。表示部1はKx行×Ky列で構成する表示層を有し、表示層が、R/赤色・G/緑色・B/青色で代表される基本の3色、もしくは、他の複数色で構成される基本色(例えば、C/シアン・M/マゼンタ・Y/イエロー・K/黒色)のカラーフィルタを備え、表示セルの幅と長さを電子ペンの外周長さに対して細くし(例えば、セルの幅と長さは0.3mm以下)、各基本色を順に繰り返してマトリックス状に配置する。
【0113】
本実施の形態5の場合、図14の表示部1の断面図に示すように、駆動のための面状の共通電極は必要なく、表層フィルム部とベースフィルム部との両方に線形状の電極を備え、パッシブマトリックス駆動と同様に、互いの電極を直行交差するように配置し、各表示セルのカラーフィルタの位置に対応して透明フィルム側の行駆動電極をKx個行、ベースフィルム側の列駆動電極をKy個列備える。ここで、選択的に行駆動電極と列駆動電極の間に電圧を印加することで、その交差位置の表示層での反射光量を制御する。
【0114】
行と列駆動用の駆動ドライバ回路1kを配線領域1Meに備え、駆動ドライバ回路1kの出力端子を表示部1の駆動電極と接続している。また、駆動ドライバ回路1kの入力信号は図示していない配線で表示回路2と配線領域1Meの接続部1jを経由して接続している。なお、配線領域1Me上に設けた駆動ドライバ回路1kは、隙間部Sに配置する。
【0115】
ここで、駆動ドライバ回路1kには、異なる2種類の駆動用電源電圧を供給している。
駆動ドライバ回路1kは、表示回路2から供給した同期のためのクロック信号と書き込みのための駆動データを受信し、駆動電極の数の駆動データを受信した後、駆動データと駆動タイミング信号に基づいて駆動電極に3種類の電圧を出力する。
【0116】
例えば、+5v、0v、−5vの3種類の電圧を出力する。したがって、書き込みを行う場合、その表示層の行電極に+5vを、列電極に−5vを印加することで、その表示層に列電極を基準とした場合、+10vを印加できる。また、書き込みを行わない電極は0v状態にしておく。
【0117】
よって、同一行や同一列の書き込まない表示層には、+5Vもしくは、−5vが印加される。つまり、表示セルを構成する液晶や電気泳動材料の応答動作する電圧より駆動用電源電圧を小さくすることで、表示動作を制御できる。
【0118】
さらに、行電極に−5vを、列電極に+5vを印加することで、逆電位を印加して、もとの状態に表示層を戻すことができる。
【0119】
なお、上記実施の形態5では、駆動ドライバ回路1kを隙間部に一列で配置したが、駆動ドライバ回路1kを薄型で曲がるものを用いて、電子ペンの軸に対して直交する向きで配置しても同様の効果が得られる。
【0120】
次に、実施の形態5の電子ペンPに装着するクリップ部の構成について、図15、図16を用いて説明する。
【0121】
図15は、本発明の実施の形態5に用いられる電子ペンのクリップ部と隙間部の概要図である。図15(A)は、表示部1とクリップ部9の破線X11−X12(図15(C)参照)の断面図、図15(B)は電子ペンPのペン筐体の断面図、図15(C)は、クリップ部9の概観の拡大図である。
【0122】
図15(B)において、ペン筐体1aは、電子ペンの長手方向に沿って、平坦部Sfを設けている。さらに、図15(A)のように、表示部1の隙間部Sの配線領域1Meを構成する部位を、平坦部Sfに重ねるように配置させる。電子ペンPのペン先と反対にある上端側に配置される表示部1の配線領域1Meを、クリップ部9で覆うようにする。また、保護部材9aでクリップ部9と表示部1をペン筐体1aと固定する。また、電子ペンPを利用者の洋服のポケットなどにクリップさせるためのクリップ部9の長さを表示部1の長さより長くしている。
【0123】
ここで、クリップ部の他の構成について、図16を用いて説明する。図16(A)は、表示部1とクリップ部9の破線X13−X14(図16(B)参照)の断面図、図16(B)は、クリップ部9の概要の拡大図である。図16において、軸方向の保護部材9bを追加している。ここで、保護部材9bは、透明な円筒形状をしている。
【0124】
図16(A)において、表示部1をペン筐体1aの平坦部Sfに合わせて取り付け、表示部1の配線領域1Meの接続部1jをペン筐体内部にある表示回路2に接続後、保護部材9aをペン筐体1aの上端に取り付ける。保護部材9bは、表示部1の外側から電子ペンに挿入して配置し、クリップ部9と保護部材9aで固定する。
【0125】
以上のように、クリップ部を設けることにより、デザイン的に問題となる表示部1にできる隙間部Sを利用者から隠して見え難くするとともに、表示機能の性能を左右する配線領域について、外部から受ける衝撃力などのダメージから保護することができる。
【0126】
なお、上記実施の形態5では、クリップ部と保護部材9aを分割して構成したが、二つを一体化した構造や、さらに、組み立てやすく分割した3個以上の部品の構成にしても同様の効果が得られる。
【0127】
さらに、上記実施の形態5では、保護部材9aと保護部材9bを分離した構成にしているが、保護部材9aと保護部材9bを一体化した構成や、さらに、クリップ部9まで一体化することもできる。また、保護部材9bを円筒形状にしているが、半円筒形状のように、その断面が軸に対して円弧状に開放部を有するものでも同様の効果が得られる。さらに、全てが透明でなく、一部を着色、もしくは、シール貼付することで、隙間部の保護や視覚的遮蔽の効果が得られる。
【0128】
もちろん、本実施の形態5に示したクリップ部の構成は、実施の形態1〜4にも使用可能である。実施の形態2の電子ペンPに使用する場合は、保護部材9aの端部中心にスイッチ7のための円筒形の穴を設ければよい。
【0129】
図17は、本発明の実施の形態1〜5における電子ペンのペン先の断面図である。図2に示すように、本電子ペンPは光検出部8を備える。
【0130】
図17は、ペン先保持部1yの内部構造を示した断面図であり、本電子ペンPは、受光センサー91と、単数もしくは複数の光源92と、受光用導光部材93と、光反射膜94と、光源用導光部材95を備える。
【0131】
光検出部8は、R・G・Bなどの異なる波長帯域で個別に光レベルを検知する受光センサー91と、白色LEDもしくはR・G・Bの異なる光波長のLEDを組み合わせて構成する光源92を有する。なお、受光センサー91と光源92は、同一の基板上に設けることができる。
【0132】
ここで、受光センサー91は、受光できる感度波長帯域の広い3個の受光素子に、R・G・Bの波長に対応した透過波長を制限するためのカラーフィルタを設けて構成することもができる。
【0133】
ペン先保持部1yは、受光用導光部材93と光源用導光部材95と光反射膜94を備える。受光用導光部材93は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニ−ル樹脂、あるいはガラスのような透光性材料で構成され、レンズ効果を持たせるように、棒状の先端を球形に加工したものである。
【0134】
また、受光用導光部材93の球状先端部と終端部を除いた側面外周に光反射膜94を設けている。光反射膜94は、受光用導光部材93の表面にアルミニウムや金などの金属を蒸着してコーティングして構成する。もしくは、アルミニウムなどの金属を中空加工した円筒状の部材を受光用導光部材93に被せることで光反射の機能を受光用導光部材93に持たせることができる。
【0135】
光源用導光部材95は、受光用導光部材93と光反射膜94を保持しており、透光性材料で構成される。
【0136】
光源92より出力した光は、光源用導光部材95に入射され、ペン先保持部1yの筐体の内面や光源用導光部材95で反射して、ペン先側から電子ペンの外部を照射する。ここで、電子ペンのペン先1wが用紙の上にあれば、用紙を照射した光が反射して、受光用導光部材93に入る。
【0137】
受光用導光部材93に入射した光は、光反射膜94で反射され受光用導光部材93の内部を通して、受光センサー91へ供給される。受光センサー91で検出したレベルに応じて、電子ペンのペン先から入力した光を光検出部8で検知する。
【0138】
このように、電子ペンPに光検出部8を設けているので、電子ペンのモード選択で色検知モード(図示なし)にしておき、利用者が電子ペンのペン先で触れた場所の色を電子ペンで計測することができる。
【0139】
利用者が電子ペンの色選択モードでの色検知を終了させると、端末装置Tの動作がペン入力モードである場合は、電子ペンの押下にて、図6や図9のステップS46と同様に、検知した色についてのペン属性と電子ペンで変更したことを示すステータスフラグとペンのIDを含めて生成したデータD6を通信部6より端末装置Tへ送信する。端末装置Tは、電子ペンから受信したIDに対応するペン属性の色データを保存し、ここで、電子ペンで端末装置Tの表示部10上に触れて線を描画すると、前記で色検知させた色で端末装置Tは表示部10に表示させる。
【0140】
したがって、利用者は、端末装置Tの表示部10においてカラーパレットを表示していない部位で写真や図などを表示させて、その上を電子ペンで指定して測色したり、端末装置T以外の用紙などの現物の表面の色を直接測色し、その色を電子ペンの属性として端末装置Tへ設定することもできる。よって、カラーパレットによる色や濃度だけでなく、直感的な色や濃度の選択が電子ペンにて可能となる。
【0141】
なお、ペン先保持部1yの筐体の内面は、白色や光反射膜にすることが好ましい。また、図示していないが、光源92の光が直接的に受光センサー91に入射しないように、受光センサー91と光源92の間に遮光のための遮蔽部材を設けることが好ましい。
【0142】
また、受光用導光部材93にスイッチを設け可動させる機構を設け、ペン先で押下したタイミングで色を検出させる。さらに、端末装置Tの表示部10などの自発光している表示部上の色を検知する場合は、光源92を発光させないで、直接その出力光を測色させることもできる。つまり、受光光量の不足を検知してから、光源を点灯させることで、自発光していないものと自発光するものの両方を測色できる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明に係る電子ペンは、外周に沿って無電力でも表示可能な表示部を設けているので、利用者が電子ペンに設定した色などのペン属性を一目で把握できる。また、電子ペンの通信手段で、端末装置とペン属性情報を共有させることができる。
【0144】
よって、本発明は、電子ペンを幼児でも使いやすい筆記用具に適用することができる。また、教育現場における先生が生徒の端末装置に手書き添削するような用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0145】
P 電子ペン
T 端末装置
1、10 表示部
2、11 表示回路
3、13 CPU
4、12 ROM/RAM
5、16 電源部
6、14 通信部
7 スイッチ
8 光検出部
9 クリップ部
9a、9b 保護部材
15 入力部
91 受光センサー
92 光源
1Md 表示領域
1Me 配線領域
1Za ペン太さ表示
1Zb 線種表示
1a 電子ペン筐体
1b ベースフィルム
1c1〜1c8 表示層
1cf カラーフィルタ
1d 液晶材料
1e 電極
1et 透明電極
1f 透明フィルム
1j 接続部
1k 駆動ドライバ回路
1n 封止材料
1na 絶縁部材
1p 導電部材
1q メッキ部
1r スペーサー部材
1w ペン先
1y ペン先保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的に文字や線を描画する電子ペンであって、電子ペンの外周に沿って配置される表示手段と、前記表示手段の対向する両端の間に設けた隙間部と、前記隙間部に配置されるとともに前記表示手段に接続して前記表示手段を駆動する駆動信号を供給する導電手段とを備えることを特徴とする電子ペン。
【請求項2】
電子的に文字や線を描画する電子ペンであって、電子ペンの外周に沿って配置される表示手段と、前記電子ペンの上端側に配置されるとともに前記表示手段に接続して前記表示手段を駆動する駆動信号を供給する導電手段とを備えることを特徴とする電子ペン。
【請求項3】
電子的に文字や線を描画する電子ペンであって、電子ペンの外周に配置される表示手段と、前記表示手段に接続して前記表示手段を駆動する駆動信号を供給する導電手段とを備え、
前記表示手段が、複数の電極と、前記電極の間に封入した粘性流体及び粒子性物質を有するカラー電子ペーパーであることを特徴とする電子ペン。
【請求項4】
前記表示手段は、透明電極を有する透明フィルムと、電子インクを含んだマイクロカプセルを前記透明フィルム上に敷き詰めて構成された表示層と、前記表示層に密着させ前記表示層を駆動するための複数の駆動電極を有するベースフィルムと、前記駆動電極に合わせて配置した複数の表示色からなるカラーフィルタとを備え、
前記表示手段が電子ペンの外周に配置される際、前記カラーフィルタの各表示色を、所定幅で並べて前記外周上に配置することを特徴とする請求項3記載の電子ペン。
【請求項5】
前記表示手段は、R・G・Bで代表される基本の3色、もしくは、他の複数色で構成される基本色からなるカラーフィルタを備え、前記基本色を順に繰り返して構成され、表示層の階調と各基本色の組み合わせによって階調を有する表示色を作成することを特徴とする請求項4記載の電子ペン。
【請求項6】
前記表示手段は、R・G・Bで代表される基本の3色、もしくは、他の複数色で構成される基本色からなるカラーフィルタを備え、複数行及び複数列からなる表示層において前記基本色を順に繰り返すことによりマトリックス状に構成され、表示層の階調と各基本色の組み合わせによって前記電子ペンの属性情報を表示することを特徴とする請求項4記載の電子ペン。
【請求項7】
前記電子ペンを他の物品に保持するクリップ手段を備え、前記クリップ手段を前記隙間部とオーバーラップする位置に配設することを特徴とする請求項1記載の電子ペン。
【請求項8】
前記表示手段及び前記導電手段を外側から覆って保護するとともに前記電子ペンの筐体に前記表示手段及び前記導電手段を固定する保護手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ペン。
【請求項9】
前記電子ペンは、光源と、棒状の透明樹脂で構成されるとともに先端が球形の導光部材と、前記導光部材の球状の先端部と終端部を除いた側面外周に設けられた光反射膜と、前記導光部材の終端部に設けられた受光センサーとから構成されるペン先を備え、
前記光源から出力した光を前記ペン先から外部に照射し、外部から反射により前記導光部材に入射した光を前記光反射膜により前記受光センサーに導くことにより、前記電子ペンで触れた位置の色を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子ペン。
【請求項10】
前記電子ペンは、検知したペン先で触れた位置の色を、前記電子ペンで描画する文字や線の色として設定し、当該色を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項9記載の電子ペン。
【請求項11】
前記電子ペンで描画する文字や線の属性を設定する属性設定手段を備え、前記表示手段は、前記属性設定手段により設定された属性を表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子ペン。
【請求項12】
前記電子ペンは、ユーザが操作するスイッチ手段を備え、前記属性設定手段は前記スイッチ手段の操作に応じて属性を設定することを特徴とする請求項11記載の電子ペン。
【請求項13】
前記属性として、色、濃度、太さ、線の種類を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の電子ペン。
【請求項14】
電子的に文字や線を描画する電子ペンと、前記電子ペンによる描画位置を検出し描画される文字や線を表示手段に表示する端末装置とからなる電子ペンシステムであって、
前記電子ペンは、
当該電子ペンで描画する文字や線の属性を設定する属性設定手段と、
前記属性設定手段により設定した属性情報を当該電子ペン上に表示する表示手段と、
前記端末装置との間で前記属性情報の通信を行う通信手段とを備え、
前記端末装置は、
前記電子ペンとの間で前記属性情報の通信を行う通信手段と、
前記電子ペンによる描画を表示する表示手段と、
前記電子ペンの描画位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された描画位置に合わせて、前記通信手段により前記電子ペンから受信した属性を有する文字や線を前記端末装置の表示手段に表示する制御手段とを備えることを特徴とする電子ペンシステム。
【請求項15】
前記端末装置は、前記電子ペンの属性情報を記憶する記憶手段を備え、
前記端末装置の通信手段により前記記憶手段の属性情報を前記電子ペンに送信するとともに前記電子ペンから受信した属性情報により前記記憶手段の属性情報を更新することを特徴とする請求項14記載の電子ペンシステム。
【請求項16】
前記電子ペンは各々IDを有し、前記記憶手段の属性情報は前記電子ペンのID毎に記憶され、更新されることを特徴とする請求項15記載の電子ペンシステム。
【請求項17】
前記属性設定手段は、前記通信手段により前記端末装置から受信した属性情報に基づき当該電子ペンの属性を設定することを特徴とする請求項14記載の電子ペンシステム。
【請求項18】
前記端末装置の表示手段は、前記属性を選択するための操作メニューを表示し、
前記端末装置の通信手段は、前記操作メニューの中から選択された属性を前記電子ペンに送信し、
前記属性設定手段は、受信した属性を当該電子ペンの属性として設定することを特徴とする請求項14記載の電子ペンシステム。
【請求項19】
前記電子ペンは、ユーザが操作するスイッチ手段を備え、
前記属性設定手段は、前記スイッチ手段の操作に応じて当該電子ペンの属性を設定することを特徴とする請求項14記載の電子ペンシステム。
【請求項20】
前記属性として、色、濃度、太さ、線の種類を含むことを特徴とする請求項14から請求項19のいずれかに記載の電子ペンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−18090(P2011−18090A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160347(P2009−160347)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】