電子制御装置及び異常箇所判定方法
【課題】 インジェクタを駆動する駆動回路の故障箇所の特定精度を高めた電子制御装置を提供する。
【解決手段】 インジェクタ30を駆動する駆動回路26の異常を判定するEFI−ECU20であって、インジェクタ30を駆動するための駆動電流が流れる電流経路Iを導通、遮断するFET262の遮断時に、FET262に印加されるサージ電圧の値をモニタする第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28と、第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28の出力に基づいて、異常が発生している駆動回路26の部位を判定するCPU22とを有する構成を採用している。
【解決手段】 インジェクタ30を駆動する駆動回路26の異常を判定するEFI−ECU20であって、インジェクタ30を駆動するための駆動電流が流れる電流経路Iを導通、遮断するFET262の遮断時に、FET262に印加されるサージ電圧の値をモニタする第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28と、第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28の出力に基づいて、異常が発生している駆動回路26の部位を判定するCPU22とを有する構成を採用している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジェクタを駆動する駆動回路の故障個所を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御式による燃料噴射方式では、エンジンの各気筒に設けられたインジェクタ(電磁弁)を駆動する駆動回路を設けて、燃料の噴射を制御している。
駆動回路の構成を図1に示す。駆動回路には、インジェクタを駆動する駆動電流が流れる電流経路Iに、スイッチング素子として例えば電界効果トランジスタ(以下、FET(Field Effect Transistor)という)を設けている。このFETを、目標噴射量に応じたパルス幅を有する噴射信号にてオン/オフ制御することで電流経路Iを導通/遮断し、インジェクタに燃料噴射を行わせている。
【0003】
インジェクタ等の電磁弁は、大きなインダクタンスを有しているため、通電期間の終了時にFETが電流経路Iを遮断すると大きな逆起電力が生じ、その結果、FETにサージ電圧が印加され、FETを破壊してしまう恐れがあった。
そこで、サージ電圧を吸収し、電流経路Iに流れる駆動電流を速やかに0に収束させるために、FETのドレイン・ゲート間に、ツェナーダイオードと、ダイオードとを直列接続してなるクランプ回路を設けている。
【0004】
しかしながら、クランプ回路は、サージ電圧の発生自体を抑制するものではないので、駆動回路の異常を判定するときに駆動回路の出力をCPU又はIC等で直接モニタすることはできなかった。
そこで、特許文献1では、駆動回路からインジェクタへ供給される駆動電流の通電停止時に生じるサージ電圧に基づいて、インジェクタ駆動検出手段でインジェクタ駆動確認信号を生成し、このインジェクタ駆動確認信号に基づいてインジェクタの駆動異常を判定している。
【0005】
【特許文献1】特開2007−32502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、インジェクタの駆動異常を判定するとだけ記載されており、具体的に駆動回路の故障箇所を特定することはできない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、インジェクタを駆動する駆動回路の故障箇所の特定精度を高めた電子制御装置及び異常箇所判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために本発明の電子制御装置は、インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する電子制御装置であって、前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするモニタ手段と、前記モニタ手段の出力に基づいて、異常が発生している前記駆動回路の部位を判定する判定手段とを有する構成を採用している。
本発明によれば、サージ電圧の値をモニタして、モニタした値により駆動回路の故障箇所を特定しているので、駆動回路の故障個所の特定精度を高めることができる。
【0009】
上記電子制御装置において、前記モニタ手段は、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第1しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の異常を通知する信号を出力する第1モニタ回路と、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第2しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の正常を通知する信号を出力する第2モニタ回路とを有する構成を採用できる。
従って、サージ電圧の値を複数モニタすることができる。このため、駆動回路の異常箇所の特定精度を高めることができる。
【0010】
上記電子制御装置において、前記判定手段は、前記第1モニタ回路から異常を通知する信号を入力した場合に、前記スイッチング素子に印加される前記サージ電圧を前記スイッチング素子の耐圧よりも小さな電圧に制限する素子の異常と判定する構成を採用できる。
【0011】
上記電子制御装置において、前記判定手段は、前記第2モニタ回路から正常を通知する信号が途絶した場合に、前記スイッチング素子の異常又は前記電流経路の断線と判定する構成を採用できる。
【0012】
本発明の異常箇所判定方法は、インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する異常箇所判定方法であって、前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするステップと、モニタしたサージ電圧の値に基づいて、異常が発生している駆動回路の部位を判定するステップとを有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駆動回路の故障箇所の特定精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、図2を参照しながら本実施例の構成を説明する。図2には、エンジンの運転を制御するEFI−ECU(Electronic fuel Injection−Electronic Control Unit)20の構成を示す。
【0016】
EFI−ECU20には、エンジンの運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
図2には、各種センサとして、エアフロメータ11と、スロットル開度センサ12と、アクセル開度センサ13と、車速センサ14と、クランク角センサ15とを示す。また図示のセンサ以外にも複数のセンサによって測定されたセンサ信号がEFI−ECU20には入力されているものとする。
【0017】
エアフロメータ11は、エンジンの吸気通路(不図示)を流れる吸入空気量を検出するセンサである。エアフロメータ11は、検出した吸入空気量を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
スロットル開度センサ12は、吸気管に設けられた電子制御スロットル32の開度に応じたセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
アクセル開度センサ13は、ドライバによるアクセルペダルの操作量を検出する。アクセル開度センサ13は、検出したアクセル開度を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
車速センサ14は、例えば、ドライブシャフトの回転数に基づいて車両の走行速度である車速を検出する。車速センサ14は、検出した車速を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
クランク角センサ15は、クランクシャフトの回転速度(エンジン回転数)およびクランクシャフトの回転角度を検出する。クランク角センサ15は、検出したクランクシャフトの回転速度や回転角度を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
【0018】
EFI−ECU20は、入力インターフェース回路21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)25、駆動回路26、第1モニタ回路27、第2モニタ回路28、出力インターフェース回路29等を有している。
【0019】
CPU22は、ROM23に記録されたプログラムを読み込んで、このプログラムに従った演算を行う。CPU22の処理手順については、フローチャートを参照しながら後述する。RAM24には、演算結果のデータが書き込まれ、EEPROM25には、RAM24に書き込まれていたデータで、電源オフ時に保存の必要なデータが書き込まれる。
【0020】
CPU22は、センサ信号に基づいてエンジンの点火タイミングや、燃料噴射量を決定する。決定した情報に基づいて、点火プラグ31やインジェクタ30を駆動する駆動信号を出力する。また、CPU22は、アクセル開度センサ13によって測定されたアクセルペダルの操作量に応じて、電子制御スロットル(スロットルバルブの開度)32を制御する。
CPU22で生成された駆動信号は、出力インターフェース回路29を介して、インジェクタ30、点火プラグ31、電子制御スロットル32等に出力される。
【0021】
駆動回路26は、CPU22から出力される駆動信号に従って、インジェクタ30の駆動と、停止とを行う。また、第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28は、インジェクタ30の停止時に駆動回路26で発生するサージ電圧をモニタする。
【0022】
図3に、駆動回路26と、第1モニタ回路27と、第2モニタ回路28との詳細な構成を示す。
駆動回路26は、コネクタによってインジェクタ30と接続している。駆動回路26には、トランジスタ261と、電解効果トランジスタ(以下、FETという)262と、ダイオード263と、ツェナーダイオード264とが設けられている。
トランジスタ261は、エミッタ端子をVccの5[V]電源に接続し、ベース端子をCPU22の出力端子に接続し、コレクタ端子は、抵抗R1を介して接地している。
また、FET262は、ドレイン端子をインジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに接続している。ゲート端子は抵抗R2を介してトランジスタ261のコレクタ端子に接続している。また、ソース端子は接地している。
また、FET262のドレイン・ゲート間には、ダイオード263とツェナーダイオード264とを直列に接続したクランプ回路を設けている。ダイオード263とツェナーダイオード264とは、それぞれのカソード端子同士を接続している。また、ダイオード263のアノード端子は、電流流路Iに接続し、ツェナーダイオード264のアノード端子は、トンラジスタ261のコレクタ端子と、FET262のゲート端子とをつなぐ接続線265に接続している。
【0023】
第1モニタ回路27は、インジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに、抵抗R3と抵抗R4とを直列に接続した分圧回路272を接続している。電流経路IがFET262によって遮断されると、インジェクタ30のインダクタンス成分によって大きな逆起電力が生じる。分圧回路272は、抵抗R3とR4との抵抗値で決まる分圧比で、電流経路Iに生じる電圧を分圧する。分圧回路272で分圧した電圧は、オペアンプ271の反転入力端子に入力される。オペアンプ271は、分圧回路272で分圧した電圧と、非反転入力端子に入力する基準電圧α[V]と比較する。分圧した電圧が基準電圧α[V]よりも高くなると、オペアンプ271は、CPU22に異常を検出する異常検出信号を出力する。
【0024】
第2モニタ回路28は、インジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに、抵抗R6と抵抗R7とを直列に接続した分圧回路282を接続している。分圧回路282も、抵抗R6とR7との抵抗値で決まる分圧比で、電流経路Iに生じる電圧を分圧する。分圧回路282で分圧した電圧は、オペアンプ281の反転入力端子に入力される。オペアンプ281は、分圧回路282で分圧した電圧と、非反転入力端子に入力する基準電圧β[V]と比較する。分圧された電圧が基準電圧β[V]よりも高ければ、オペアンプ281は、CPU22に正常を表す正常検出信号を出力する。
【0025】
本実施例は、FET262による電流経路Iの遮断時に、電流経路Iに生じる逆起電力(サージ電圧)の大きさをモニタする第1モニタ回路27、第2モニタ回路28を設けている。第1モニタ回路27、第2モニタ回路28のモニタ結果により、CPU22は駆動回路26の故障個所を特定する。
例えば、ダイオード263とツェナーダイオード264とからなるクランプ回路によってサージ電圧の値を55V以下に抑制している場合において、サージ電圧の値が60Vよりも大きければ、ツェナーダイオード264が機能していないことになる。この場合、ツェナーダイオード264の異常であると判定できる。
また、サージ電圧の値が50V以下になると、FET262がオフできないオフ故障の発生又は電流経路Iのいずれかで断線が発生していると判定することができる。
【0026】
図4(A)に、CPU22からトランジスタ261に出力される駆動信号の出力タイミングを示す。図4(B)に、第1モニタ回路27で、分圧回路272の出力電圧と基準電圧α[V]とを比較している様子を示す。図4(C)に、第2モニタ回路28で、分圧回路282の出力電圧と基準電圧β[V]とを比較している様子を示す。第1モニタ回路27は、分圧回路272の出力電圧が基準電圧α[V]よりも高くなると、CPU22に異常検出信号を出力する。同様に、第2モニタ回路28は、分圧回路282の出力電圧が基準電圧β[V]よりも高くなると、CPU22に正常検出信号を出力する。
第1モニタ回路27は、例えば、抵抗R3の値を100[kΩ]、抵抗R4の値を4.3[kΩ]、基準電圧αを2.5[V]に設定している。サージ電圧の値が60[V]以上となると、分圧回路272の出力電圧は、2.5[V]よりも大きくなるので、オペアンプ271からCPU22に異常検出信号が出力される。
また、第2モニタ回路28は、例えば、抵抗R6の値を100[kΩ]、抵抗R7の値を5.1[kΩ]、基準電圧βを2.5[V]に設定している。サージ電圧の値が50[V]よりも小さくなると、分圧回路282の出力電圧は、2.5[V]よりも小さくなるので、オペアンプ281からCPU22に正常検出信号が出力されなくなる。
【0027】
図5に示すフローチャートを参照しながらCPU22の異常判定手順を説明する。
CPU22は、燃料の噴射タイミングとなると(ステップS1)、インジェクタ30を駆動する駆動信号信号をトランジスタ261に出力する(ステップS2)。この駆動信号は、目標噴射量に応じたパルス幅を有している。所定のパルス幅の駆動信号がCPU22からトランジスタ261のベース端子に出力されることで、トランジスタ261と、FET262とが所定時間導通し、インジェクタ30が駆動される。
次にCPU22は、第1モニタ回路27から異常検出信号を入力したか否かを判定する(ステップS3)。所定パルス幅の駆動信号がオフされることにより、FET262が電流経路Iを遮断し、電流経路Iに逆起電力が生じる。第1モニタ回路27と第2モニタ回路28とは、この逆起電力をモニタしている。
【0028】
CPU22は、第1モニタ回路27から異常検出信号を入力した場合には(ステップS3/YES)、次に、第1モニタ回路27から異常検出信号を所定回連続して入力したか否かを判定する(ステップS4)。第1モニタ回路27から異常検出信号を所定回連続して入力した場合には(ステップS4/YES)、CPU22はツェナーダイオード264に異常が発生していると判定する(ステップS5)。また、第1モニタ回路27からの異常検出信号の入力回数が所定回数に満たない場合には(ステップS4/NO)、CPU22は、異常検出信号の入力回数をカウントするカウンタを1インクリメントして、この処理を終了する。なお、このカウンタは、第1モニタ回路27から異常検出信号が連続して入力されないときや、異常検出信号の入力回数が所定回数に達したときにクリアされる。
【0029】
また、ステップS3において、第1モニタ回路27からの異常検出信号の入力がなかった場合には(ステップS3/NO)、CPU22は、次に、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力したか否かを判定する(ステップS6)。CPU22は、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力しなかった場合には(ステップS6/NO)、第2モニタ回路28から正常検出信号を所定回連続して入力しなかったか否かを判定する(ステップS7)。第2モニタ回路28から正常検出信号を所定回連続して入力しなかった場合には(ステップS7/YES)、CPU22はFET262の異常、又は電流経路Iに断線が発生していると判定する(ステップS8)。
また、第2モニタ回路28からの正常検出信号の不入力回数が所定回数に満たない場合には(ステップS7/NO)、CPU22は、正常検出信号の不入力回数をカウントするカウンタを1インクリメントして、この処理を終了する。なお、このカウンタも、第2モニタ回路28から正常検出信号が連続して入力されるときや、正常検出信号の不入力回数が所定回数に達したときにクリアされる。
また、CPU22は、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力した場合には(ステップS6/YES)、駆動回路26は正常に動作していると判定する(ステップS9)。
【0030】
このように本実施例は、FET262のオフ時に生じるサージ電圧の値により、ツェナーダイオード264の異常、FETのオフ故障や断線の発生を判定することができる。
【0031】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来の駆動回路の構成を示す図である。
【図2】EFI−ECUの構成を示す図である。
【図3】駆動回路と、第1モニタ回路と、第2モニタ回路との詳細な構成を示す図である。
【図4】(A)は、CPUから出力される噴射信号の出力タイミングを示し、(B)は、第1モニタ回路で、分圧回路の出力電圧と基準電圧αとを比較している様子を示し、(C)は、第2モニタ回路で、分圧回路の出力電圧と基準電圧βとを比較している様子を示す図である。
【図5】CPUの異常判定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
11 エアフロメータ
12 スロットル開度センサ
13 アクセル開度センサ
14 車速センサ
15 クランク角センサ
20 EFI−ECU
21 入力インターフェース回路
22 CPU
23 ROM
24 RAM
25 EEPROM
26 駆動回路
27 第1モニタ回路
28 第2モニタ回路
29 出力インターフェース回路
30 インジェクタ回路
31 点火プラグ
32 電子制御スロットル
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジェクタを駆動する駆動回路の故障個所を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御式による燃料噴射方式では、エンジンの各気筒に設けられたインジェクタ(電磁弁)を駆動する駆動回路を設けて、燃料の噴射を制御している。
駆動回路の構成を図1に示す。駆動回路には、インジェクタを駆動する駆動電流が流れる電流経路Iに、スイッチング素子として例えば電界効果トランジスタ(以下、FET(Field Effect Transistor)という)を設けている。このFETを、目標噴射量に応じたパルス幅を有する噴射信号にてオン/オフ制御することで電流経路Iを導通/遮断し、インジェクタに燃料噴射を行わせている。
【0003】
インジェクタ等の電磁弁は、大きなインダクタンスを有しているため、通電期間の終了時にFETが電流経路Iを遮断すると大きな逆起電力が生じ、その結果、FETにサージ電圧が印加され、FETを破壊してしまう恐れがあった。
そこで、サージ電圧を吸収し、電流経路Iに流れる駆動電流を速やかに0に収束させるために、FETのドレイン・ゲート間に、ツェナーダイオードと、ダイオードとを直列接続してなるクランプ回路を設けている。
【0004】
しかしながら、クランプ回路は、サージ電圧の発生自体を抑制するものではないので、駆動回路の異常を判定するときに駆動回路の出力をCPU又はIC等で直接モニタすることはできなかった。
そこで、特許文献1では、駆動回路からインジェクタへ供給される駆動電流の通電停止時に生じるサージ電圧に基づいて、インジェクタ駆動検出手段でインジェクタ駆動確認信号を生成し、このインジェクタ駆動確認信号に基づいてインジェクタの駆動異常を判定している。
【0005】
【特許文献1】特開2007−32502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、インジェクタの駆動異常を判定するとだけ記載されており、具体的に駆動回路の故障箇所を特定することはできない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、インジェクタを駆動する駆動回路の故障箇所の特定精度を高めた電子制御装置及び異常箇所判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために本発明の電子制御装置は、インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する電子制御装置であって、前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするモニタ手段と、前記モニタ手段の出力に基づいて、異常が発生している前記駆動回路の部位を判定する判定手段とを有する構成を採用している。
本発明によれば、サージ電圧の値をモニタして、モニタした値により駆動回路の故障箇所を特定しているので、駆動回路の故障個所の特定精度を高めることができる。
【0009】
上記電子制御装置において、前記モニタ手段は、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第1しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の異常を通知する信号を出力する第1モニタ回路と、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第2しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の正常を通知する信号を出力する第2モニタ回路とを有する構成を採用できる。
従って、サージ電圧の値を複数モニタすることができる。このため、駆動回路の異常箇所の特定精度を高めることができる。
【0010】
上記電子制御装置において、前記判定手段は、前記第1モニタ回路から異常を通知する信号を入力した場合に、前記スイッチング素子に印加される前記サージ電圧を前記スイッチング素子の耐圧よりも小さな電圧に制限する素子の異常と判定する構成を採用できる。
【0011】
上記電子制御装置において、前記判定手段は、前記第2モニタ回路から正常を通知する信号が途絶した場合に、前記スイッチング素子の異常又は前記電流経路の断線と判定する構成を採用できる。
【0012】
本発明の異常箇所判定方法は、インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する異常箇所判定方法であって、前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするステップと、モニタしたサージ電圧の値に基づいて、異常が発生している駆動回路の部位を判定するステップとを有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駆動回路の故障箇所の特定精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、図2を参照しながら本実施例の構成を説明する。図2には、エンジンの運転を制御するEFI−ECU(Electronic fuel Injection−Electronic Control Unit)20の構成を示す。
【0016】
EFI−ECU20には、エンジンの運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
図2には、各種センサとして、エアフロメータ11と、スロットル開度センサ12と、アクセル開度センサ13と、車速センサ14と、クランク角センサ15とを示す。また図示のセンサ以外にも複数のセンサによって測定されたセンサ信号がEFI−ECU20には入力されているものとする。
【0017】
エアフロメータ11は、エンジンの吸気通路(不図示)を流れる吸入空気量を検出するセンサである。エアフロメータ11は、検出した吸入空気量を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
スロットル開度センサ12は、吸気管に設けられた電子制御スロットル32の開度に応じたセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
アクセル開度センサ13は、ドライバによるアクセルペダルの操作量を検出する。アクセル開度センサ13は、検出したアクセル開度を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
車速センサ14は、例えば、ドライブシャフトの回転数に基づいて車両の走行速度である車速を検出する。車速センサ14は、検出した車速を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
クランク角センサ15は、クランクシャフトの回転速度(エンジン回転数)およびクランクシャフトの回転角度を検出する。クランク角センサ15は、検出したクランクシャフトの回転速度や回転角度を表すセンサ信号をEFI−ECU20に出力する。
【0018】
EFI−ECU20は、入力インターフェース回路21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)25、駆動回路26、第1モニタ回路27、第2モニタ回路28、出力インターフェース回路29等を有している。
【0019】
CPU22は、ROM23に記録されたプログラムを読み込んで、このプログラムに従った演算を行う。CPU22の処理手順については、フローチャートを参照しながら後述する。RAM24には、演算結果のデータが書き込まれ、EEPROM25には、RAM24に書き込まれていたデータで、電源オフ時に保存の必要なデータが書き込まれる。
【0020】
CPU22は、センサ信号に基づいてエンジンの点火タイミングや、燃料噴射量を決定する。決定した情報に基づいて、点火プラグ31やインジェクタ30を駆動する駆動信号を出力する。また、CPU22は、アクセル開度センサ13によって測定されたアクセルペダルの操作量に応じて、電子制御スロットル(スロットルバルブの開度)32を制御する。
CPU22で生成された駆動信号は、出力インターフェース回路29を介して、インジェクタ30、点火プラグ31、電子制御スロットル32等に出力される。
【0021】
駆動回路26は、CPU22から出力される駆動信号に従って、インジェクタ30の駆動と、停止とを行う。また、第1モニタ回路27及び第2モニタ回路28は、インジェクタ30の停止時に駆動回路26で発生するサージ電圧をモニタする。
【0022】
図3に、駆動回路26と、第1モニタ回路27と、第2モニタ回路28との詳細な構成を示す。
駆動回路26は、コネクタによってインジェクタ30と接続している。駆動回路26には、トランジスタ261と、電解効果トランジスタ(以下、FETという)262と、ダイオード263と、ツェナーダイオード264とが設けられている。
トランジスタ261は、エミッタ端子をVccの5[V]電源に接続し、ベース端子をCPU22の出力端子に接続し、コレクタ端子は、抵抗R1を介して接地している。
また、FET262は、ドレイン端子をインジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに接続している。ゲート端子は抵抗R2を介してトランジスタ261のコレクタ端子に接続している。また、ソース端子は接地している。
また、FET262のドレイン・ゲート間には、ダイオード263とツェナーダイオード264とを直列に接続したクランプ回路を設けている。ダイオード263とツェナーダイオード264とは、それぞれのカソード端子同士を接続している。また、ダイオード263のアノード端子は、電流流路Iに接続し、ツェナーダイオード264のアノード端子は、トンラジスタ261のコレクタ端子と、FET262のゲート端子とをつなぐ接続線265に接続している。
【0023】
第1モニタ回路27は、インジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに、抵抗R3と抵抗R4とを直列に接続した分圧回路272を接続している。電流経路IがFET262によって遮断されると、インジェクタ30のインダクタンス成分によって大きな逆起電力が生じる。分圧回路272は、抵抗R3とR4との抵抗値で決まる分圧比で、電流経路Iに生じる電圧を分圧する。分圧回路272で分圧した電圧は、オペアンプ271の反転入力端子に入力される。オペアンプ271は、分圧回路272で分圧した電圧と、非反転入力端子に入力する基準電圧α[V]と比較する。分圧した電圧が基準電圧α[V]よりも高くなると、オペアンプ271は、CPU22に異常を検出する異常検出信号を出力する。
【0024】
第2モニタ回路28は、インジェクタ30の駆動電流が流れる電流経路Iに、抵抗R6と抵抗R7とを直列に接続した分圧回路282を接続している。分圧回路282も、抵抗R6とR7との抵抗値で決まる分圧比で、電流経路Iに生じる電圧を分圧する。分圧回路282で分圧した電圧は、オペアンプ281の反転入力端子に入力される。オペアンプ281は、分圧回路282で分圧した電圧と、非反転入力端子に入力する基準電圧β[V]と比較する。分圧された電圧が基準電圧β[V]よりも高ければ、オペアンプ281は、CPU22に正常を表す正常検出信号を出力する。
【0025】
本実施例は、FET262による電流経路Iの遮断時に、電流経路Iに生じる逆起電力(サージ電圧)の大きさをモニタする第1モニタ回路27、第2モニタ回路28を設けている。第1モニタ回路27、第2モニタ回路28のモニタ結果により、CPU22は駆動回路26の故障個所を特定する。
例えば、ダイオード263とツェナーダイオード264とからなるクランプ回路によってサージ電圧の値を55V以下に抑制している場合において、サージ電圧の値が60Vよりも大きければ、ツェナーダイオード264が機能していないことになる。この場合、ツェナーダイオード264の異常であると判定できる。
また、サージ電圧の値が50V以下になると、FET262がオフできないオフ故障の発生又は電流経路Iのいずれかで断線が発生していると判定することができる。
【0026】
図4(A)に、CPU22からトランジスタ261に出力される駆動信号の出力タイミングを示す。図4(B)に、第1モニタ回路27で、分圧回路272の出力電圧と基準電圧α[V]とを比較している様子を示す。図4(C)に、第2モニタ回路28で、分圧回路282の出力電圧と基準電圧β[V]とを比較している様子を示す。第1モニタ回路27は、分圧回路272の出力電圧が基準電圧α[V]よりも高くなると、CPU22に異常検出信号を出力する。同様に、第2モニタ回路28は、分圧回路282の出力電圧が基準電圧β[V]よりも高くなると、CPU22に正常検出信号を出力する。
第1モニタ回路27は、例えば、抵抗R3の値を100[kΩ]、抵抗R4の値を4.3[kΩ]、基準電圧αを2.5[V]に設定している。サージ電圧の値が60[V]以上となると、分圧回路272の出力電圧は、2.5[V]よりも大きくなるので、オペアンプ271からCPU22に異常検出信号が出力される。
また、第2モニタ回路28は、例えば、抵抗R6の値を100[kΩ]、抵抗R7の値を5.1[kΩ]、基準電圧βを2.5[V]に設定している。サージ電圧の値が50[V]よりも小さくなると、分圧回路282の出力電圧は、2.5[V]よりも小さくなるので、オペアンプ281からCPU22に正常検出信号が出力されなくなる。
【0027】
図5に示すフローチャートを参照しながらCPU22の異常判定手順を説明する。
CPU22は、燃料の噴射タイミングとなると(ステップS1)、インジェクタ30を駆動する駆動信号信号をトランジスタ261に出力する(ステップS2)。この駆動信号は、目標噴射量に応じたパルス幅を有している。所定のパルス幅の駆動信号がCPU22からトランジスタ261のベース端子に出力されることで、トランジスタ261と、FET262とが所定時間導通し、インジェクタ30が駆動される。
次にCPU22は、第1モニタ回路27から異常検出信号を入力したか否かを判定する(ステップS3)。所定パルス幅の駆動信号がオフされることにより、FET262が電流経路Iを遮断し、電流経路Iに逆起電力が生じる。第1モニタ回路27と第2モニタ回路28とは、この逆起電力をモニタしている。
【0028】
CPU22は、第1モニタ回路27から異常検出信号を入力した場合には(ステップS3/YES)、次に、第1モニタ回路27から異常検出信号を所定回連続して入力したか否かを判定する(ステップS4)。第1モニタ回路27から異常検出信号を所定回連続して入力した場合には(ステップS4/YES)、CPU22はツェナーダイオード264に異常が発生していると判定する(ステップS5)。また、第1モニタ回路27からの異常検出信号の入力回数が所定回数に満たない場合には(ステップS4/NO)、CPU22は、異常検出信号の入力回数をカウントするカウンタを1インクリメントして、この処理を終了する。なお、このカウンタは、第1モニタ回路27から異常検出信号が連続して入力されないときや、異常検出信号の入力回数が所定回数に達したときにクリアされる。
【0029】
また、ステップS3において、第1モニタ回路27からの異常検出信号の入力がなかった場合には(ステップS3/NO)、CPU22は、次に、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力したか否かを判定する(ステップS6)。CPU22は、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力しなかった場合には(ステップS6/NO)、第2モニタ回路28から正常検出信号を所定回連続して入力しなかったか否かを判定する(ステップS7)。第2モニタ回路28から正常検出信号を所定回連続して入力しなかった場合には(ステップS7/YES)、CPU22はFET262の異常、又は電流経路Iに断線が発生していると判定する(ステップS8)。
また、第2モニタ回路28からの正常検出信号の不入力回数が所定回数に満たない場合には(ステップS7/NO)、CPU22は、正常検出信号の不入力回数をカウントするカウンタを1インクリメントして、この処理を終了する。なお、このカウンタも、第2モニタ回路28から正常検出信号が連続して入力されるときや、正常検出信号の不入力回数が所定回数に達したときにクリアされる。
また、CPU22は、第2モニタ回路28から正常検出信号を入力した場合には(ステップS6/YES)、駆動回路26は正常に動作していると判定する(ステップS9)。
【0030】
このように本実施例は、FET262のオフ時に生じるサージ電圧の値により、ツェナーダイオード264の異常、FETのオフ故障や断線の発生を判定することができる。
【0031】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来の駆動回路の構成を示す図である。
【図2】EFI−ECUの構成を示す図である。
【図3】駆動回路と、第1モニタ回路と、第2モニタ回路との詳細な構成を示す図である。
【図4】(A)は、CPUから出力される噴射信号の出力タイミングを示し、(B)は、第1モニタ回路で、分圧回路の出力電圧と基準電圧αとを比較している様子を示し、(C)は、第2モニタ回路で、分圧回路の出力電圧と基準電圧βとを比較している様子を示す図である。
【図5】CPUの異常判定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
11 エアフロメータ
12 スロットル開度センサ
13 アクセル開度センサ
14 車速センサ
15 クランク角センサ
20 EFI−ECU
21 入力インターフェース回路
22 CPU
23 ROM
24 RAM
25 EEPROM
26 駆動回路
27 第1モニタ回路
28 第2モニタ回路
29 出力インターフェース回路
30 インジェクタ回路
31 点火プラグ
32 電子制御スロットル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する電子制御装置であって、
前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするモニタ手段と、
前記モニタ手段の出力に基づいて、異常が発生している前記駆動回路の部位を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記モニタ手段は、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第1しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の異常を通知する信号を出力する第1モニタ回路と、
前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第2しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の正常を通知する信号を出力する第2モニタ回路と、を有することを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記第1モニタ回路から異常を通知する信号を入力した場合に、前記スイッチング素子に印加される前記サージ電圧を前記スイッチング素子の耐圧よりも小さな電圧に制限する素子の異常と判定することを特徴とする請求項2記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第2モニタ回路から正常を通知する信号が途絶した場合に、前記スイッチング素子の異常又は前記電流経路の断線と判定することを特徴とする請求項2記載の電子制御装置。
【請求項5】
インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する異常箇所判定方法であって、
前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするステップと、
モニタしたサージ電圧の値に基づいて、異常が発生している駆動回路の部位を判定するステップと、
を有することを特徴とする異常箇所判定方法。
【請求項1】
インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する電子制御装置であって、
前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするモニタ手段と、
前記モニタ手段の出力に基づいて、異常が発生している前記駆動回路の部位を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記モニタ手段は、前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第1しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の異常を通知する信号を出力する第1モニタ回路と、
前記サージ電圧の値をモニタし、該サージ電圧が第2しきい値よりも大きい場合に、前記駆動回路の正常を通知する信号を出力する第2モニタ回路と、を有することを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記第1モニタ回路から異常を通知する信号を入力した場合に、前記スイッチング素子に印加される前記サージ電圧を前記スイッチング素子の耐圧よりも小さな電圧に制限する素子の異常と判定することを特徴とする請求項2記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第2モニタ回路から正常を通知する信号が途絶した場合に、前記スイッチング素子の異常又は前記電流経路の断線と判定することを特徴とする請求項2記載の電子制御装置。
【請求項5】
インジェクタを駆動する駆動回路の異常を判定する異常箇所判定方法であって、
前記インジェクタを駆動するための駆動電流が流れる電流経路を導通、遮断するスイッチング素子遮断の際に、前記スイッチング素子に印加されるサージ電圧の値をモニタするステップと、
モニタしたサージ電圧の値に基づいて、異常が発生している駆動回路の部位を判定するステップと、
を有することを特徴とする異常箇所判定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2009−273289(P2009−273289A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123059(P2008−123059)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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