説明

電子制御装置

【課題】 内部圧力の上昇、および、異物の侵入を抑制する電子制御装置を提供する。
【解決手段】 制御回路部10は、制御回路11、パッケージ部12、および、複数の第1ターミナル13を有する。配線ユニット部20は、複数の第1ターミナル13と電気的に接続されている複数の第2第2ターミナル22、第2第2ターミナル22の一部をモールドするモールド部21、および、制御回路部10を囲むようモールド部21の制御回路部10側に枠状に形成されている第1嵌合部23を有する。蓋部30は、第1嵌合部23と嵌合可能な第2嵌合部31を有し、第2嵌合部31が第1嵌合部23に嵌合することで制御回路部10を覆うよう、配線ユニット部20に設けられている。第1嵌合部23と第2嵌合部31との間には、第1方向にクランク状に延び、かつ、第1方向と直交する第2方向にクランク状に延びる隙間が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置に関し、特に自動変速機を制御する電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素を選択的に係合または開放して変速を行う。このような摩擦要素は、リニアソレノイド弁の出力ポートから供給される作動油によって動作する。このリニアソレノイド弁へ指令を送出する電子制御装置の構成は様々である。例えば、特許文献1には、自動変速機の内部に電子制御装置を内蔵する形態であり、さらに、ターミナルにより電気的に接続されている制御回路部と配線ユニット部とが上部樹脂部材および下部樹脂部材により密封されている構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0051596号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の電子制御装置の構成は、上部樹脂部材と下部樹脂部材との間の内部空間が密閉されている。このため、内部空間の圧力が温度上昇により高まることで、樹脂部材の変形またはターミナル接続部の破損を引き起こすおそれがある。また、所定方向にクランク状に延びる小さな隙間が部分的に存在する場合、針状の細長い異物が所定方向と直交する向きで内部空間に浸入する。ここで、内部空間に浸入した異物が導電性異物の場合、隣り合うターミナルの短絡を引き起こすおそれがある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部圧力の上昇、および、異物の侵入を抑制する電子制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明によると、電子制御装置は、自動変速機の内部に搭載され、自動変速機を制御する。電子制御装置は、制御回路部、配線ユニット部、および蓋部を備える。制御回路部は、制御回路、制御回路をモールドするパッケージ部、および、制御回路に電気的に接続されパッケージ部の外部に露出している複数の第1ターミナルを有する。配線ユニット部は、複数の第1ターミナルと電気的に接続されている複数の第2ターミナル、第2ターミナルの一部をモールドするモールド部、および、制御回路部を囲むようモールド部の制御回路部側に枠状に形成されている第1嵌合部を有する。蓋部は、第1嵌合部と嵌合可能な第2嵌合部を有し、第2嵌合部が第1嵌合部に嵌合することで制御回路部を覆うよう、配線ユニット部に設けられている。第1嵌合部と第2嵌合部との間には、第1方向にクランク状に延び、かつ、第1方向と直交する第2方向にクランク状に延びる隙間が形成されている。ここで、「直交」とは、第1方向と第2方向とが厳密に直交する状態に限らず、所定角度傾斜して交わる状態も含む。以下、「直交」との語句を用いた場合、同様の意味とする。
【0006】
本発明では、第1嵌合部と第2嵌合部との間に隙間が形成されているため、蓋部と配線ユニット部との間の内部空間(以下、蓋部と配線ユニット部との間の内部空間を単に「内部空間」という)の圧力が温度の上昇により高まることを抑制することができる。よって、蓋部の変形または第1ターミナルと第2ターミナルとの接続部の破損を抑制することができる。また、第1嵌合部と第2嵌合部との間の隙間は、第1方向にクランク状に延び、かつ第1方向と直交する第2方向にもクランク状に延びるよう形成されている。これにより、細長い針状の異物が第1方向または第2方向と平行となる向きで内部空間に侵入することを抑制することができる。このため、隣り合う二つの第1ターミナル同士、または、隣り合う二つの第2ターミナル同士が導電性異物によって短絡することを抑制することができる。ここで、「平行」とは、厳密に平行な状態に限らず、互いに所定角度傾斜する状態も含む。以下、「平行」との語句を用いた場合、同様の意味とする。さらに、第1嵌合部と第2嵌合部との間に隙間が形成されているため、第1嵌合部および第2嵌合部の成形精度を緩和することで製造コストを低減することができる。
【0007】
請求項2に係る発明によると、第1方向は第1嵌合部の周方向と一致する。これにより、隙間が第1嵌合部の周方向にクランク状に延びるため、異物が第1嵌合部の周方向と平行となる向きで内部空間に侵入することを抑制することができる。
【0008】
請求項3に係る発明によると、第1嵌合部は第1方向に凹凸状に延びる凹凸部を有し、第2嵌合部は凹凸部に対応するよう第1方向に凸凹状に延びる凸凹部を有する。凹凸部および凸凹部の凹部の第1方向の幅は、いずれも、隣り合う二つの第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの第2ターミナル間の距離より小さい。
ここで、凹凸部および凸凹部の凹部の第1方向の幅が隣り合う二つの第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの第2ターミナル間の距離より小さいため、隣り合う二つの第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの第2ターミナル間の距離より長い異物が第1方向と平行となる向きで内部空間に侵入することを抑制することができる。このため、隣り合う二つの第1ターミナル同士、または、隣り合う二つの第2ターミナル同士が導電性異物によって短絡することを抑制することができる。
【0009】
請求項4に係る発明によると、隙間の第2方向で直角に形成されている部分において、隙間の第2方向の幅の最小値をXとし、隙間の第1方向および第2方向と直交する第3方向の幅の最小値をYとする。そして、隣り合う二つの第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの第2ターミナル間の距離の最小値をLとすると、第1嵌合部および第2嵌合部は、下記式1を満たすよう形成されている。ここで、「隣り合う二つの第2ターミナル間の距離」というのは、隣り合う二つの第2ターミナルの第1ターミナルと接続している端部間の距離を言う。
Y<−X√(1/(X/L)2/3−1)+L√(1−(X/L)2/3)・・・式1
これにより、隣り合う二つの第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの第2ターミナル間の距離より長い異物が第1方向と直交となる向きで内部空間に侵入することを抑制することができる。このため、隣り合う二つの第1ターミナル同士、または、隣り合う二つの第2ターミナル同士が導電性異物によって短絡することを抑制することができる。
【0010】
請求項5に係る発明によると、電子制御装置は、蓋部が配線ユニット部に対し鉛直方向下側に位置するよう自動変速機に搭載される。
本発明では、蓋部が配線ユニット部に対し鉛直方向下側に位置するため、異物は内部空間に入ると蓋部に落ちる。よって、内部空間に入った異物が第1ターミナルまたは第2ターミナルの近傍に体積することを抑制することができる。
【0011】
請求項6に係る発明によると、配線ユニット部と蓋部とは第1嵌合部の周方向の所定箇所で接合している。
これにより、蓋部と配線ユニット部とが密着することを抑制することができ、内部空間の圧力が温度の上昇により高まることを抑制することができる。また、組付け工程の時間コストを低減することができるとともに、第1嵌合部と第2嵌合部との間の隙間の幅を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の電子制御装置の分解斜視図。
【図2】本発明の一実施形態の自動変速機を示す模式図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図3のV−V線断面図。
【図6】本発明の一実施形態の電子制御装置の特徴を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(一実施形態)
以下、本発明による一実施形態の電子制御装置を、図面に基づいて説明する。
図2に示すように、本実施形態の電子制御装置1は、車両の自動変速機100に搭載され、複数の摩擦要素を選択的に係合または開放して変速を行うためのリニアソレノイド弁への指令を送出するものである。
図1に示すように、電子制御装置1は、制御回路部10、配線ユニット部20、および、略矩形の蓋部30等を備える。また、電子制御装置1は、蓋部30が配線ユニット部20に対して鉛直方向の下側に位置するよう、自動変速機100に搭載されている(図2参照)。
【0014】
制御回路部10は、TCU(Transmission Control Unit )であり、制御回路11、薄板長方形形状のパッケージ部12、および、パッケージ部12から側方へ延びる複数の第1ターミナル13を備えている。
【0015】
制御回路11は、CPU、ROM、RAM、I/O、及びこれらを接続するバスラインなどを含み、コンピュータとして機能する。
パッケージ部12は、例えば樹脂により形成され、制御回路11をモールドしている。
【0016】
第1ターミナル13は、一端が制御回路11に電気的に接続され、他端がパッケージ部12の側部から突出している。ここで、隣り合う二つの第1ターミナル13間の距離をL1とする。
【0017】
配線ユニット部20は、モールド部21、第2ターミナル22、および、第1嵌合部23などを有する。配線ユニット部20には、図1に示すように、上述した制御回路部10が載置されている。
【0018】
モールド部21は、例えば樹脂で板状に形成され、内部に第2ターミナル22をモールドしている。また、モールド部21には、油圧コネクタ部27および外部コネクタ部28が形成されている。油圧コネクタ部27には、自動変速機の油圧を検出する油圧センサ、及び、自動変速機の油圧を制御する電磁油圧制御手段としてのリニアソレノイド弁からの配線が接続される。外部コネクタ部28には、車速、エンジン回転数等の各種運転情報が入力される。また、外部コネクタ部28には、電源から電力が供給される。
【0019】
複数の第2ターミナル22は、いずれも、一部がモールド部21の内部にモールドされ、一部がモールド部21の外部に露出している。また、複数の第2ターミナル22は、一端が油圧コネクタ27内の端子または外部コネクタ28内の端子と電気的に接続され、他端が第1ターミナル13に電気的に接続されている。ここで、隣合う二つの第2ターミナル22の他端間の距離をL2とする。
【0020】
第1嵌合部23は、制御回路部10を囲むようモールド部21と一体に形成されている。第1嵌合部23は、四角い枠状に形成されている三層の壁部から構成され、内壁233、中間凹凸壁232、および外壁231を有する。ここで、図1に示すように、第1嵌合部23の周方向を第1方向とし、モールド部21の面方向において第1方向と略直交する方向を第2方向とし、モールド部21の板面と略直交する方向を第3方向とする。
【0021】
内壁233および外壁231は、いずれも、モールド部21の制御回路部10側から四角い枠状に立設して形成されている。中間凹凸壁232は、内壁233と外壁231との間に形成され、複数の凸部234および複数の凹部235を有する。ここで、中間凹凸壁232は、特許請求の範囲における「凹凸部」に対応する。凸部234と凹部235とは、第1方向に交互に並ぶよう形成されている。凸部234は、第3方向の高さが内壁233および外壁231の第3方向の高さより小さく形成されている。内壁233には、第3方向に突出する突出棒236が周方向の所定箇所に四つ形成されている。
【0022】
蓋部30は、例えば樹脂で形成され、四角い板状に形成されている。蓋部30の周縁には、第2嵌合部31が周方向に形成されている。第2嵌合部31は、第3方向に立設されている複数の凸部32、および、隣り合う凸部32の間に形成されている複数の凹部33を有する。ここで、複数の凸部32および複数の凹部33は、特許請求の範囲における「凸凹部」を構成する。蓋部30には、配線ユニット20の突出棒236と対応する位置に固定孔34が形成されている。
【0023】
蓋部30と配線ユニット部20とは、固定孔34に挿入されている突出棒236の端部237をピンカシメ(端部237を熱で溶かして冷却)することで接合されている。ここで、凸部32が配線ユニット部20の凹部235に挿入され、配線ユニット部20の凸部234が蓋部30の凹部33に挿入されることにより、蓋部30の第2嵌合部31と配線ユニット部20の第1嵌合部23とが嵌合する。本実施形態では、突出棒236の基端部周りに所定高さの台座238が形成されている。この台座238により、第1嵌合部23の内壁233と蓋部30との間に所定高さの隙間が形成される。
【0024】
ここで、第1嵌合部23と第2嵌合部31とが嵌合することにより、第1嵌合部23と第2嵌合部31との間に形成される隙間Mについて図3〜図5に基づいて詳細に説明する。
図3に示すように、隙間Mは、第1方向にクランク状に延びている。また、凹部235の第1方向の幅をb1とし、凹部33の第1方向の幅をb2とすると、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、b1およびb2がいずれもL1およびL2の最小値より小さくなるよう形成されている。
【0025】
図4および図5に示すように、隙間Mは、第2方向にクランク状に延びている。ここで、第2方向において、第2嵌合部31と第1嵌合部23の外壁231との間の距離をx1とし、第2嵌合部31と第1嵌合部23の内壁233との間の距離をx2とする。また、第3方向において、蓋部30と第1嵌合部23の内壁233との間の距離をy1とし、第1嵌合部23の凸部234と第2嵌合部31の凹部33との間の距離をy2とし、第1嵌合部23の凹部235と第2嵌合部31の凸部32との間の距離をy3とする。ここで、x1およびx2は隙間Mの第2方向の幅に相当し、y1、y2、およびy3は隙間Mの第3方向の幅に相当する。
【0026】
ここで、x1、x2は特許の請求の範囲における「隙間の第2方向の幅の最小値」に対応し、y1、y2、y3は特許の請求の範囲における「隙間の第3方向の幅の最小値」に対応する。
すると、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、x1、x2、y1、y2、が下記の式2、式3、および式4のうち少なくとも一方を満たすよう形成されていることが好ましい。
y1<−x2√(1/(x2/L)2/3−1)+L√(1−(x2/L)2/3)・・・式2
y2<−x2√(1/(x2/L)2/3−1)+L√(1−(x2/L)2/3)・・・式3
y2<−x1√(1/(x1/L)2/3−1)+L√(1−(x1/L)2/3)・・・式4
【0027】
また、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、x1、x2、y1、y3、が式2、下記の式5および式6のうち少なくとも一方を満たすよう形成されていることが好ましい。
y3<−x2√(1/(x2/L)2/3−1)+L√(1−(x2/L)2/3)・・・式5
y3<−x1√(1/(x1/L)2/3−1)+L√(1−(x1/L)2/3)・・・式6
ここで、Lは、L1およびL2の最小値である。
【0028】
本実施形態の場合、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、x1およびy2が式4に満たし、x1およびy3が式6に満たすよう形成されている。図6は、長さがLの金属異物Kが隙間Mに引っ掛った状態を示す。(a)は金属異物Kが第1嵌合部23の凸部234と第2嵌合部31の凹部33との間に引っ掛かった状態を示し、(b)は金属異物Kが第1嵌合部23の凹部235と第2嵌合部31の凸部32との間に引っ掛かった状態を示す。図6に示すように、矢印方向に沿って移動する金属異物Kは、第1嵌合部23と第2嵌合部31との間に引っ掛かって、内部空間に侵入することができない。
【0029】
以上説明したように、本実施形態では、第1嵌合部23と第2嵌合部31との間に隙間Mが形成されている。これにより、配線ユニット部20と蓋部30との間の内部空間の圧力が温度の上昇により高まることを抑制することができる。このため、蓋部30の変形または第1ターミナル13と第2ターミナル22との接続部の破損を抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態では、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、隙間Mが第1方向および第2方向にクランク状に延びるよう形成されている。このため、細長い針状の異物が第1方向または第2方向と平行となる向きで隙間Mから内部空間に侵入することを抑制することができる。よって、隣り合う二つの第1ターミナル13同士、または、隣り合う二つの第2ターミナル22同士が導電性異物によって短絡することを抑制することができる。
【0031】
本実施形態では、第1方向において、b1およびb2のいずれも、Lより小さい。これにより、長さがLより長い異物が第1方向と平行となる向きで内部空間に侵入することを抑制することがでる。
また、本実施形態では、第1嵌合部23および第2嵌合部31は、x1およびy2が式4に満たし、x1およびy3が式6に満たすよう形成されている。このため、長さがLより長い異物が第1方向と直交となる向きで内部空間に侵入することを抑制することができる(図6参照)。
ここで、長さがLより長い異物が内部空間に入ることを抑制することができるため、隣り合う二つの第1ターミナル13同士、または、隣り合う二つの第2ターミナル22同士の短絡を抑制することができる。
【0032】
本実施形態では、電子制御装置1は、蓋部30が配線ユニット部20に対し鉛直方向下側に位置するよう搭載される。これにより、例え異物が内部空間に入ったとしても、異物は蓋部30に落ちる。よって、内部空間に入った異物が第1ターミナル13または第2ターミナル22の近傍に堆積することを抑制することができる。
【0033】
本実施形態では、配線ユニット部20と蓋部30とは周方向の所定箇所に位置する突出棒236の端部237をピンカシメすることにより接合されている。これにより、蓋部30と配線ユニット部20とが密着することを抑制することができ、内部空間の圧力が温度の上昇により高まることを抑制することができる。また、配線ユニット部20と蓋部30との組付け工程の時間コストを低減することができる。また、突出棒236に設けられている台座238の高さを調整することで、第1嵌合部23と第2嵌合部31との間の隙間Mの第3方向の幅を調整することができる。
【0034】
(他の実施形態)
上記実施形態では、第1嵌合部および第2嵌合部は四角い枠状に形成されている。これに対し、他の実施形態では、第1嵌合部および第2嵌合部を、円形の枠状または他の多角形の枠状に形成することとしても良い。
【0035】
上記実施形態では、第1嵌合部および第2嵌合部は、x1およびy2が式4を満たし、x1およびy3が式6を満たすよう形成されている。これに対し、他の実施形態では、x1、x2、y1、y2、が式2、式3、および式4のうち少なくとも一つを満たし、x1、x2、y1、y3、が式2、式5、および式6のうち少なくとも一つを満たすよう、第1嵌合部および第2嵌合部を形成することとしても良い。
【0036】
上記実施形態では、第1方向は第1嵌合部の周方向と一致する。これに対し、他の実施形態では、第1方向は周方向と一致しないこととしても良い。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ・・・電子制御装置、
10 ・・・制御回路部、
11 ・・・制御回路、
12 ・・・パッケージ部、
13 ・・・第1ターミナル、
20 ・・・配線ユニット部、
21 ・・・モールド部、
22 ・・・第2ターミナル、
23 ・・・第1嵌合部、
30 ・・・蓋部、
31 ・・・第2嵌合部、
32 ・・・凸部(凸凹部)、
33 ・・・凹部(凸凹部)、
100・・・自動変速機、
232・・・中間凹凸壁(凹凸部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動変速機の内部に搭載され、前記自動変速機を制御する電子制御装置であって、
制御回路、当該制御回路をモールドするパッケージ部、および、前記制御回路に電気的に接続され前記パッケージ部の外部に露出している複数の第1ターミナルを有する制御回路部と、
前記複数の第1ターミナルと電気的に接続されている複数の第2ターミナル、前記第2ターミナルの一部をモールドするモールド部、および、前記制御回路部を囲むよう前記モールド部の前記制御回路部側に枠状に形成されている第1嵌合部を有する配線ユニット部と、
前記第1嵌合部と嵌合可能な第2嵌合部を有し、前記第2嵌合部が前記第1嵌合部に嵌合することで前記制御回路部を覆うよう、前記配線ユニット部に設けられている蓋部と、を備え、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との間には、第1方向にクランク状に延び、かつ、前記第1方向と直交する第2方向にクランク状に延びる隙間が形成されていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記第1方向は、前記第1嵌合部の周方向と一致することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記第1嵌合部は、前記第1方向に凹凸状に延びる凹凸部を有し、
前記第2嵌合部は、前記凹凸部に対応するよう、前記第1方向に凸凹状に延びる凸凹部を有し、
前記凹凸部および前記凸凹部の凹部の前記第1方向の幅は、いずれも、隣り合う二つの前記第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの前記第2ターミナル間の距離より小さいことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記隙間の前記第2方向で直角に形成されている部分において、
前記隙間の前記第2方向の幅の最小値をXとし、
前記隙間の前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向の幅の最小値をYとし、
隣り合う二つの前記第1ターミナル間の距離、および、隣り合う二つの前記第2ターミナル間の距離の最小値をLとすると、
前記第1嵌合部および前記第2嵌合部は、下記式1を満たすよう形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の電子制御装置。
Y<−X√(1/(X/L)2/3−1)+L√(1−(X/L)2/3)・・・式1
【請求項5】
前記蓋部が前記配線ユニット部に対し鉛直方向下側に位置するよう前記自動変速機に搭載されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項6】
前記配線ユニット部と前記蓋部とは、前記第1嵌合部の周方向の所定箇所で接合していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−96438(P2013−96438A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237083(P2011−237083)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】