説明

電子回路装置、その電子回路基板および電子回路チップ

【課題】従来のワイヤレスTSVなどに比較して、電子回路基板と電子回路チップとが強力に無線通信することができる電子回路装置を提供する。
【解決手段】電子回路基板110の上面に導体で形成されている輻射配線210が八木アンテナ200の輻射器として機能し、輻射配線210の下方で電子回路基板110の下面に導体で形成されている反射部材220が反射器として機能し、輻射配線210の上面に絶縁層231を各々介して積層されている導体からなる導波部材230が導波器として機能する。そして、電子回路基板110に積載された状態で輻射配線210の上方に位置する導体で形成されている電子回路チップ120の無線通信端子121が無線信号を送受信する。このため、従来のワイヤレスTSVなどに比較して、電子回路基板110と電子回路チップ120とが強力に無線通信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板の上面に少なくとも一個の電子回路チップを積載した構造の電子回路装置に関し、特に、電子回路基板と電子回路チップとが無線通信する電子回路装置、その電子回路基板および電子回路チップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子回路の実装密度を向上させるため、電子回路基板の上面に複数の電子回路チップを積層した構造の電子回路装置がある。このような電子回路装置の一従来例を図5および図6を参照して以下に説明する。
【0003】
ここで例示する電子回路装置300は、図5に示すように、電子回路基板310の上面に複数の電子回路チップ320を積層した構造に形成されている。電子回路基板310は、プリント配線などにより上面と下面とに各種の配線311が形成されている。電子回路チップ320は、内部に各種の電子回路が形成されている(図示せず)。
【0004】
そして、電子回路基板310および電子回路チップ320の外周部には、接続端子312,322が銅箔などの導体で形成されている。これらの接続端子312,322に、上述の配線311や電子回路が適宜接続されている。
【0005】
そして、この電子回路基板310および電子回路チップ320の接続端子312,322がボンディングワイヤ323でワイヤボンディングされている。なお、電子回路基板310および複数の電子回路チップ320は、絶縁性の接着層324で接合されている。
【0006】
上述のような構成において、上述のような構造の電子回路装置300では、電子回路基板310および電子回路チップ320の信号通信は、外周部の接続端子312,322に接続されているボンディングワイヤ323で実行される。
【0007】
なお、このような電子回路装置300では、電子回路基板310および電子回路チップ320の電源とアースとの接続も、外周部の接続端子312,322に接続されているボンディングワイヤ323で実行されている。
【0008】
しかし、上述のような構造の電子回路装置300では、接続端子312,322を外周部にしか形成できない。このため、接続端子312,322の個数が制限されている。従って、電子回路基板310と複数の電子回路チップ320との通信チャネルの個数も制限されている。
【0009】
このような課題を解決するため、電子回路基板と積層された複数の電子回路チップとが無線通信端子で無線通信するワイヤレスTSV(Through-Silicon via)が提案されている。
【0010】
ワイヤレスTSVでは、電子回路基板に積層された複数の電子回路チップが、上下方向で重複する位置に形成された無線通信端子で磁界結合により無線通信する。このため、外周部以外にも無線通信端子を形成することにより、通信チャネルを増加することができる。
【0011】
さらに、複数の電子回路チップの無線通信のクロストークを防止する提案もある。その電子回路装置では、送信コイルを下のチップに、受信コイルを上のチップに設けて、チップ間の距離をX、通信チャネル間の距離(すなわち、コイル中心間の水平距離)をYとしたとき、所定のYoにおいて、送信コイルに起因する受信コイル内の磁束密度が0になる位置が存在する。
【0012】
すなわち、Yが小さいと大きなクロストークが発生し、Yが大きいと逆符号の小さなクロストークが発生するため、その途中で磁束密度Bを受信コイル内で積分した値が0になる位置が必ず存在することになる。
【0013】
この位置においては原理的にクロストークが発生しない。従って、基板間通信を誘導性結合によって実現する場合に、複数の通信チャネルを近接して並列に並べてもクロストークの発生を実際上無視できる程度に小さくすることができる電子回路を提供することができる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−66454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、上述したワイヤレスTSVは、実際には電子回路基板と電子回路チップとが良好に無線通信することが困難である。特に、通信チャネルを増加させるために高密度に無線通信端子を配列すると、クロストークが発生しやすい。特許文献1の技術では、クロストークの防止を目的としているが、制限が多々あり実用的でない。
【0016】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、従来のワイヤレスTSVなどに比較して、電子回路基板と電子回路チップとが強力に無線通信することができる電子回路装置、その電子回路基板および電子回路チップ、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の電子回路装置は、電子回路基板の上面に少なくとも一個の電子回路チップを積載した構造の電子回路装置であって、電子回路基板の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されていて八木アンテナの輻射器として機能する輻射配線と、輻射配線の下方で電子回路基板の下面に導体で形成されていて八木アンテナの反射器として機能する反射部材と、輻射配線の上面に絶縁層を各々介して積層されている導体で形成されていて八木アンテナの導波器として機能する少なくとも一つの導波部材と、電子回路基板に積載された状態で輻射配線の上方に位置する導体で形成されていて無線信号を送受信する電子回路チップの無線通信端子と、を有する。
【0018】
従って、本発明の電子回路装置では、電子回路基板の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されている輻射配線が八木アンテナの輻射器として機能する。輻射配線の下方で電子回路基板の下面に導体で形成されている反射部材が八木アンテナの反射器として機能する。輻射配線の上面に絶縁層を各々介して積層されている少なくとも一つの導体からなる導波部材が八木アンテナの導波器として機能する。そして、電子回路基板に積載された状態で輻射配線の上方に位置する導体で形成されている電子回路チップの無線通信端子が無線信号を送受信する。このため、電子回路基板に輻射配線と反射部材と導波部材とで形成されている八木アンテナと、電子回路チップの無線通信端子とが、無線信号を送受信する。
【0019】
また、上述のような電子回路装置において、輻射配線の上面に複数の絶縁層と複数の導波部材とが交互に積層されていてもよい。
【0020】
また、上述のような電子回路装置において、輻射配線がループ形状に形成されていてもよい。
【0021】
また、上述のような電子回路装置において、輻射配線がコイル形状に形成されていてもよい。
【0022】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材が導体の層膜で形成されていてもよい。
【0023】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材がループ形状に形成されていてもよい。
【0024】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材がコイル形状に形成されていてもよい。
【0025】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材が導体の層膜で形成されていてもよい。
【0026】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材がループ形状に形成されていてもよい。
【0027】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材がコイル形状に形成されていてもよい。
【0028】
また、上述のような電子回路装置において、無線通信端子が導体の層膜で形成されていてもよい。
【0029】
また、上述のような電子回路装置において、無線通信端子がループ形状に形成されていてもよい。
【0030】
また、上述のような電子回路装置において、無線通信端子がコイル形状に形成されていてもよい。
【0031】
また、上述のような電子回路装置において、無線通信端子が、輻射配線と反射部材と少なくとも一つの導波部材とで八木アンテナとして形成されていてもよい。
【0032】
また、上述のような電子回路装置において、輻射配線がループ形状に形成されていてもよい。
【0033】
また、上述のような電子回路装置において、輻射配線がコイル形状に形成されていてもよい。
【0034】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材が導体の層膜で形成されていてもよい。
【0035】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材がループ形状に形成されていてもよい。
【0036】
また、上述のような電子回路装置において、反射部材がコイル形状に形成されていてもよい。
【0037】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材が導体の層膜で形成されていてもよい。
【0038】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材がループ形状に形成されていてもよい。
【0039】
また、上述のような電子回路装置において、導波部材がコイル形状に形成されていてもよい。
【0040】
また、上述のような電子回路装置において、電子回路基板の上面に複数の電子回路チップが積層されており、電子回路基板に積載された状態で輻射配線の上方に位置する無線通信端子が複数の電子回路チップの各々に形成されていてもよい。
【0041】
また、上述のような電子回路装置において、電子回路基板は、輻射配線と反射部材と導波部材からなる複数の八木アンテナが前後左右に配列されており、電子回路チップは、複数の八木アンテナに個々に対応した複数の無線通信端子が前後左右に配列されていてもよい。
【0042】
本発明の電子回路基板は、本発明の電子回路装置の電子回路基板であって、電子回路基板の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されていて八木アンテナの輻射器として機能する輻射配線と、輻射配線の下方で電子回路基板の下面に導体で形成されていて八木アンテナの反射器として機能する反射部材と、輻射配線の上面に絶縁層を各々介して積層されている導体で形成されていて八木アンテナの導波器として機能する少なくとも一つの導波部材と、を有する。
【0043】
本発明の電子回路チップは、本発明の電子回路装置の電子回路チップであって、電子回路基板に積載された状態で輻射配線の上方に位置する導体で形成されていて無線信号を送受信する無線通信端子を有し、無線通信端子が、輻射配線と反射部材と少なくとも一つの導波部材とで八木アンテナとして形成されている。
【0044】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0045】
さらに、本発明では前後左右上下の方向を規定しているが、これは本発明の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【発明の効果】
【0046】
本発明の電子回路装置では、電子回路基板に輻射配線と反射部材と導波部材とで形成されている八木アンテナと、電子回路チップの無線通信端子とが、無線信号を送受信することができる。このため、従来のワイヤレスTSVなどに比較して、電子回路基板と電子回路チップとが強力に無線通信することができる。特に、八木アンテナは指向性が強力なので、複数の八木アンテナおよび無線通信端子を電子回路基板および電子回路チップに高密度に配列しても、無線通信のクロストークを良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態の電子回路装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。
【図2】電子回路基板に形成された八木アンテナの構造を示す模式図である。
【図3】八木アンテナの内部構造を示す模式的な斜視図である。
【図4】電子回路基板の外観を示す平面図である。
【図5】一従来例の電子回路装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。
【図6】電子回路基板の外観を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の実施の一形態を図1ないし図4を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0049】
本発明の電子回路装置100は、図1に示すように、電子回路基板110の上面に少なくとも一個の電子回路チップ120を積載した構造の電子回路装置100であって、電子回路基板110の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されていて八木アンテナ200の輻射器として機能する輻射配線210と、輻射配線210の下方で電子回路基板110の下面に導体で形成されていて八木アンテナ200の反射器として機能する反射部材220と、輻射配線210の上面に絶縁層231を各々介して積層されている導体で形成されていて八木アンテナ200の導波器として機能する少なくとも一つの導波部材230と、電子回路基板110に積載された状態で輻射配線210の上方に位置する導体で形成されていて無線信号を送受信する電子回路チップ120の無線通信端子121と、を有する。
【0050】
より詳細には、本実施の形態の電子回路装置100では、図1ないし図3に示すように、輻射配線210の上面に複数の絶縁層231と複数の導波部材230とが交互に積層されている。
【0051】
また、輻射配線210は、例えば、プリント配線により矩形のループ形状に銅箔などの導体で形成されている。また、反射部材220は、銅箔などの導体の層膜で形成されている。導波部材230も、銅箔などの導体の層膜で形成されている。
【0052】
なお、図示するように、反射部材220は、輻射配線210より一回り大型の矩形に形成されており、導波部材230は、輻射配線210より一回り小型の矩形に形成されている。
【0053】
輻射配線210は、通信周波数の1/2λの直径のループ形状に形成されている。また、絶縁層231は、例えば、10〜30μmの層厚に形成されており、導波部材230は、例えば、5μmの層厚に形成されている。
【0054】
電子回路チップ120の無線通信端子121も、銅箔などの導体の層膜で形成されている。なお、この無線通信端子121は、例えば、輻射配線210と同等なサイズの矩形に形成されている。
【0055】
電子回路基板110は、いわゆるインターポーザ基板などからなり、プリント配線などにより上面と下面とに各種の配線111が形成されており、特定の配線111に上述の輻射配線210も接続されている。電子回路チップ120は、内部に各種の電子回路が形成されており(図示せず)、特定の電子回路に上述の無線通信端子121が接続されている。
【0056】
本実施の形態の電子回路装置100では、電子回路基板110の上面に複数の電子回路チップ120が積層されており、電子回路基板110に積載された状態で輻射配線210の上方に位置する無線通信端子121が複数の電子回路チップ120の各々に形成されている。
【0057】
さらに、電子回路基板110は、図4に示すように、輻射配線210と反射部材220と導波部材230からなる複数の八木アンテナ200が前後左右に配列されており、電子回路チップ120は、複数の八木アンテナ200に個々に対応した複数の無線通信端子121が前後左右に配列されている。
【0058】
なお、本実施の形態の電子回路装置100でも、従来と同様に、電子回路基板110および電子回路チップ120の外周部に、接続端子112,122が銅箔などの導体で形成されている。
【0059】
そして、これらの接続端子112,122がボンディングワイヤ123でワイヤボンディングされている。また、電子回路基板110および複数の電子回路チップ120は、絶縁性の接着層124で接合されている。
【0060】
なお、電子回路基板110には、複数の電子回路チップ120との無線通信を実現するため、例えば、無線通信チップが搭載されて八木アンテナ200に結線されていたり、電子回路基板110とは別体の無線通信装置が八木アンテナ200に結線されている(図示せず)。
【0061】
上述のような構成において、本実施の形態の電子回路装置100では、図2に示すように、電子回路基板110の上面に導体で形成されている輻射配線210が八木アンテナ200の輻射器として機能する。
【0062】
また、輻射配線210の下方で電子回路基板110の下面に導体で形成されている反射部材220が八木アンテナ200の反射器として機能する。さらに、輻射配線210の上面に絶縁層231を各々介して積層されている複数の導波部材230が八木アンテナ200の導波器として機能する。
【0063】
そして、電子回路基板110に積載された状態で輻射配線210の上方に位置する導体で形成されている電子回路チップ120の無線通信端子121が無線信号を送受信する。
【0064】
このため、本実施の形態の電子回路装置100では、電子回路基板110に輻射配線210と反射部材220と導波部材230とで形成されている八木アンテナ200と、電子回路チップ120の無線通信端子121とが、無線信号を送受信することができる。
【0065】
電子回路チップ120の無線通信端子121と無線通信するデバイスとして八木アンテナ200が電子回路基板110に形成されているので、従来のワイヤレスTSVなどに比較して、電子回路基板110と電子回路チップ120とが強力に無線通信することができる。
【0066】
特に、電子回路基板110の上面に複数の電子回路チップ120が積層されており、電子回路基板110に積載された状態で輻射配線210の上方に位置する無線通信端子121が複数の電子回路チップ120の各々に形成されている。このため、電子回路基板110は積層されている複数の電子回路チップ120の全部と良好に無線通信することができる。
【0067】
しかも、八木アンテナ200は指向性が強力なので、複数の八木アンテナ200および無線通信端子121を電子回路基板110および電子回路チップ120に高密度に配列しても、無線通信のクロストークを良好に防止することができる。
【0068】
特に、輻射配線210の上面に複数の絶縁層231と複数の導波部材230とが交互に積層されている。このため、簡単な構造で指向性が良好な八木アンテナ200が形成されている。
【0069】
なお、本実施の形態の電子回路装置100では、電子回路基板110および電子回路チップ120の電源とアースとは、外周部の接続端子112,122によりボンディングワイヤ123で接続されている。
【0070】
このため、大出力の通電が必要な電源とアースは、従来と同様に外周部の接続端子112,122によりボンディングワイヤ123で通電され、小出力で充分な信号通信は、電子回路基板110の八木アンテナ200と電子回路チップ120の無線通信端子121で実行される。
【0071】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では電子回路基板110の輻射配線210がループ形状に形成されていることを例示した。しかし、この輻射配線がコイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0072】
また、上記形態では反射部材220が導体の層膜からなることを例示した。しかし、この反射部材が、導体でループ形状に形成されていてもよく、コイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0073】
同様に、上記形態では導波部材230が導体の層膜からなることを例示した。しかし、この導波部材が、導体でループ形状に形成されていてもよく、コイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。なお、上記形態では輻射配線210に複数の導波部材230が積層されていることを例示した。しかし、この導波部材が一つでもよい(図示せず)。
【0074】
さらに、上記形態では電子回路チップ120の無線通信端子121が導体の層膜からなることを例示した。しかし、この無線通信端子が、導体でループ形状に形成されていてもよく、コイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0075】
また、電子回路チップの無線通信端子が、輻射配線と反射部材と少なくとも一つの導波部材とで八木アンテナとして形成されていてもよい(図示せず)。このような電子回路装置の電子回路チップにおいて、八木アンテナの輻射配線がループ形状やコイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0076】
さらに、上述のような電子回路装置の電子回路チップにおいて、八木アンテナの反射部材が導体の層膜で形成されていてもよく、反射部材がループ形状やコイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0077】
また、上述のような電子回路装置において、八木アンテナの導波部材が導体の層膜で形成されていてもよく、導波部材がループ形状やコイル形状に形成されていてもよい(図示せず)。
【0078】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0079】
100 電子回路装置
110 電子回路基板
111 配線
112,122 接続端子
120 電子回路チップ
121 無線通信端子
123 ボンディングワイヤ
124 接着層
200 八木アンテナ
210 輻射配線
220 反射部材
230 導波部材
231 絶縁層
300 電子回路装置
310 電子回路基板
311 配線
312,322 接続端子
320 電子回路チップ
323 ボンディングワイヤ
324 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路基板の上面に少なくとも一個の電子回路チップを積載した構造の電子回路装置であって、
前記電子回路基板の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されていて八木アンテナの輻射器として機能する輻射配線と、
前記輻射配線の下方で前記電子回路基板の下面に導体で形成されていて前記八木アンテナの反射器として機能する反射部材と、
前記輻射配線の上面に絶縁層を各々介して積層されている導体で形成されていて前記八木アンテナの導波器として機能する少なくとも一つの導波部材と、
前記電子回路基板に積載された状態で前記輻射配線の上方に位置する導体で形成されていて無線信号を送受信する前記電子回路チップの無線通信端子と、
を有する電子回路装置。
【請求項2】
前記輻射配線の上面に複数の前記絶縁層と複数の前記導波部材とが交互に積層されている請求項1に記載の電子回路装置。
【請求項3】
前記輻射配線がループ形状に形成されている請求項1または2に記載の電子回路装置。
【請求項4】
前記輻射配線がコイル形状に形成されている請求項1または2に記載の電子回路装置。
【請求項5】
前記反射部材が導体の層膜で形成されている請求項1ないし4の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項6】
前記反射部材がループ形状に形成されている請求項1ないし4の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項7】
前記反射部材がコイル形状に形成されている請求項1ないし4の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項8】
前記導波部材が導体の層膜で形成されている請求項1ないし7の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項9】
前記導波部材がループ形状に形成されている請求項1ないし7の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項10】
前記導波部材がコイル形状に形成されている請求項1ないし7の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項11】
前記無線通信端子が導体の層膜で形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項12】
前記無線通信端子がループ形状に形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項13】
前記無線通信端子がコイル形状に形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項14】
前記無線通信端子が、前記輻射配線と前記反射部材と少なくとも一つの前記導波部材とで前記八木アンテナとして形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項15】
前記輻射配線がループ形状に形成されている請求項14に記載の電子回路装置。
【請求項16】
前記輻射配線がコイル形状に形成されている請求項14に記載の電子回路装置。
【請求項17】
前記反射部材が導体の層膜で形成されている請求項14ないし16の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項18】
前記反射部材がループ形状に形成されている請求項14ないし16の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項19】
前記反射部材がコイル形状に形成されている請求項14ないし16の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項20】
前記導波部材が導体の層膜で形成されている請求項14ないし19の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項21】
前記導波部材がループ形状に形成されている請求項14ないし19の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項22】
前記導波部材がコイル形状に形成されている請求項14ないし19の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項23】
前記電子回路基板の上面に複数の前記電子回路チップが積層されており、
前記電子回路基板に積載された状態で前記輻射配線の上方に位置する前記無線通信端子が複数の前記電子回路チップの各々に形成されている請求項1ないし22の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項24】
前記電子回路基板は、前記輻射配線と前記反射部材と前記導波部材からなる複数の八木アンテナが前後左右に配列されており、
前記電子回路チップは、複数の前記八木アンテナに個々に対応した複数の無線通信端子が前後左右に配列されている請求項1ないし23の何れか一項に記載の電子回路装置。
【請求項25】
請求項1に記載の電子回路装置の電子回路基板であって、
前記電子回路基板の上面の少なくとも一つの所定位置に導体で形成されていて八木アンテナの輻射器として機能する輻射配線と、
前記輻射配線の下方で前記電子回路基板の下面に導体で形成されていて前記八木アンテナの反射器として機能する反射部材と、
前記輻射配線の上面に絶縁層を各々介して積層されている導体で形成されていて前記八木アンテナの導波器として機能する少なくとも一つの導波部材と、
を有する電子回路基板。
【請求項26】
請求項1に記載の電子回路装置の電子回路チップであって、
前記電子回路基板に積載された状態で前記輻射配線の上方に位置する導体で形成されていて無線信号を送受信する無線通信端子を有する電子回路チップ。
【請求項27】
前記無線通信端子が、前記輻射配線と前記反射部材と少なくとも一つの前記導波部材とで前記八木アンテナとして形成されている請求項25に記載の電子回路チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−130329(P2011−130329A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288899(P2009−288899)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】