電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機
【課題】より実用性の高い電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機を得る。
【解決手段】マルチノズルヘッドの3個以上の吸着ノズルがそれぞれ電子回路部品を吸着した後(S1)、基板保持装置へ移動させられる途中に部品撮像システムにより撮像される(S2)。3個以上の吸着ノズルの全部が電子回路部品を保持しているが、保持状態が不安定な部品があれば、再度、撮像し(S3,S5,S7)、落下していれば、その旨を報知し、電子回路部品装着機を停止させる(S9)。不安定部品が落下していなければ収容箱に収容し、その後、さらに吸着ノズルを撮像し(S10,S11)、電子回路部品の落下がなければ回路基板に装着し(S6)、落下があれば、報知し、電子回路部品装着機を停止させる(S13)。不安定部品の解放前の落下の有無の検出により、電子回路部品が回路基板上に落下したままとされて不良基板が発生する可能性が低減される。
【解決手段】マルチノズルヘッドの3個以上の吸着ノズルがそれぞれ電子回路部品を吸着した後(S1)、基板保持装置へ移動させられる途中に部品撮像システムにより撮像される(S2)。3個以上の吸着ノズルの全部が電子回路部品を保持しているが、保持状態が不安定な部品があれば、再度、撮像し(S3,S5,S7)、落下していれば、その旨を報知し、電子回路部品装着機を停止させる(S9)。不安定部品が落下していなければ収容箱に収容し、その後、さらに吸着ノズルを撮像し(S10,S11)、電子回路部品の落下がなければ回路基板に装着し(S6)、落下があれば、報知し、電子回路部品装着機を停止させる(S13)。不安定部品の解放前の落下の有無の検出により、電子回路部品が回路基板上に落下したままとされて不良基板が発生する可能性が低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機に関するものであり、特に吸着ノズルからの電子回路部品の落下の監視に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子回路部品装着機において装着装置が吸着ノズルにより部品供給装置から電子回路部品を受け取る際、電子回路部品が安定した状態で保持されるとは限らない。そのため、下記の特許文献1ないし3に記載の電子回路部品装着機においては、電子回路部品を部品供給装置から受け取った後、撮像装置により撮像し、電子回路部品の保持状態が不安定な場合には、その電子回路部品は回路基板に装着せず、廃棄するようにされている。
【0003】
また、特許文献1に記載の電子回路部品装着機の装着装置は、複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送するように構成されており、複数の電子回路部品のうち、保持状態が不安定な電子回路部品(以後、不安定部品と称する)が廃棄された後、再度、電子回路部品の撮像が行われ、不安定部品がさらにあれば、廃棄されるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−210722号公報
【特許文献2】特開2007−200989号公報
【特許文献3】特開2009−4468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子回路部品装着機には未だ改善の余地がある。例えば、不安定部品は落下する可能性が高く、検出後、廃棄箱へ移動させられる間に落下してもわからず、落下部品が電子回路部品装着機の作動不良の原因となり、あるいは回路基板上に落下して基板不良の原因となるというように、実用上問題があるのである。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、より実用性の高い電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放するのであるが、その解放の前に、電子回路部品を第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことにより解決される。
上記第1,第2光学検出装置としては撮像装置が望ましいが、不可欠ではない。特に、第2光学検出装置は電子回路部品の有無を検出し得るものであればよいため、透過型光電スイッチ等、簡易な構成のものの採用も可能である。また、電子回路部品装着機においては、吸着ノズルによる電子回路部品の保持位置誤差を取得し、その誤差を補正して回路基板に装着することが広く行われており、そのための撮像装置を第1光学検出装置として利用する場合には、撮像装置とすることが不可欠であることになるが、上記撮像装置を第1光学検出装置として使用することは不可欠ではなく、使用しない場合は、第1光学検出装置も撮像装置とすることは不可欠ではなくなる。
第1光学検出装置と第2光学検出装置とを電子回路部品装着機の互いに異なる箇所に設けることも、第1光学検出装置と第2光学検出装置とを兼用とすることも可能である。
【0007】
上記の課題はまた、(A)回路基板を保持する基板保持装置と、(B)電子回路部品を供給する部品供給装置と、(C)その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(D)前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、(E)オペレータに対する報知を行う報知装置と、(F)前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置とを含む電子回路部品装着機の制御装置を、(a)前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、(b)前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、(c)前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部とを含むものとすることにより解決される。
本項の電子回路部品装着機において、通常制御部により電子回路部品を検出させられる光学検出装置と、異常時制御部により電子回路部品を検出させられる光学検出装置とを同一のものとすることも、別個のものとすることも可能である。後者の場合には、通常制御部により電子回路部品を検出させられるのが複数の光学検出装置の1つであり、異常時制御部により電子回路部品を検出させられるのが複数の光学検出装置の別の1つであることになる。
報知装置は、音,画像,光等、種々の報知媒体によって作業者に報知する装置、例えば、ブザー,ランプ,表示装置の少なくとも1つを含むものとすることができ、PDA(Personal Digital Assistant)として知られる携帯情報端末やパソコンへのエラーデータの送信,表示や、E−MailやSMS(Short Message Service)による携帯電話やPHSへのショートメッセージによるエラー発生メッセージの送信によって報知することもできる。
【発明の効果】
【0008】
吸着ノズルは、電子回路部品が第1光学検出装置によって検出された後、電子回路部品を装着すべく回路基板上方へ移動させられるが、その移動中に検出データの処理が行われることにより、装着サイクルタイムの短縮が図られる。しかし、不安定部品は移動中に落下する可能性がある。特に、データ処理中に回路基板上方へ到達し、検出データの処理の結果、不安定部品であると判定されるまでの間の移動により回路基板上に落下する可能性があることが重要である。それに対し、第2光学検出装置による検出によって、不安定部品の落下に直ちに対処することができる。報知により作業者が電子回路部品装着機を停止させて落下した電子回路部品を回収することができ、あるいは電子回路部品装着機が停止されることにより、電子回路部品が落下したままの状態で回路基板への電子回路部品の装着が行われることが回避されるのであり、不良基板の発生や電子回路部品装着機の故障の可能性を低減できる。また、光学検出装置によって検出が行われることにより、不安定部品が小さくても、落下を確実に検出することができる。
なお、不安定部品が装着前に解放されることにより、吸着ノズルにより安定した状態で保持されている電子回路部品の回路基板への装着時に、その電子回路部品の装着を不安定部品が干渉して妨げたり、落下させたり、吸着ノズルに対してずらして装着精度を低下させたりすることが回避される。また、電子回路部品の装着時の振動等により不安定部品が回路基板や電子回路部品装着機内に落下する可能性が低減されるという効果も得られる。これらの点は従来技術と同様である。
【0009】
本発明に係る電子回路部品装着機においては、電子回路部品が回路基板上方への移動の途中において撮像されるため、不安定部品があれば、撮像後の移動により落下する可能性がある。画像データの処理が撮像後の吸着ノズルの移動中に行われても、移動後あるいは移動前に停止させられた状態で行われても同じであるが、前2者の場合は、特に回路基板上に落下する可能性が高い。本発明に係る電子回路部品装着機によれば、異常時制御部の制御により、本発明に係る電子回路部品装着方法と同様の効果が得られる上、通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、異常時制御部の制御により未だ吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、その不安定部品の解放作動が行われるため、無駄な解放作動の実行が省略される効果も得られる。
【0010】
光学検出装置は、種々の態様で構成することができる。例えば、(i)位置を固定して設けてもよく、(ii)装着ヘッドと一体的に移動可能に設けてもよく、(iii)基板保持装置および装着ヘッドの両方に対して相対移動可能に設けてもよい。(iii)の場合、光学検出装置は装着ヘッドを移動させるヘッド移動装置によって移動させてもよく、装着機本体に設けられた専用の移動装置によって移動させてもよい。通常制御部および異常時制御部の各光学検出装置が同一である場合、(i)〜(iii)のうちのいずれの装置とされてもよく、別である場合、2つの光学検出装置はそれぞれ、(i)〜(iii)のうちのいずれの装置とされてもよい。
また、通常制御部および異常時制御部の各光学検出装置が同一である場合、その光学検出装置は、電子回路部品を吸着ノズルに対して対向する方向から検出する装置とされ、別である場合、少なくとも通常制御部の光学検出装置が電子回路部品を対向方向から検出する装置とされる。
さらに、電子回路部品が解放される位置は、固定して設定されてもよく、装着ヘッドを移動させるヘッド移動装置に、装着ヘッドに対して相対移動可能に設定されてもよい。いずれにしても、解放位置は、回路基板の上方から外れた箇所に設定されることが望ましく、回路基板が基板搬送装置により搬送される場合、その搬送経路内に設けられてもよいが、基板保持装置と部品供給装置との間に設定されることが特に望ましい。
解放位置が固定して設定される場合、異常時制御部により制御される光学検出装置が可動とされるのであれば、できるだけ解放位置に近い位置で検出が行われることが望ましく、固定とされるのであれば、できる限り解放位置に近接して設けられることが望ましい。不安定部品の保持の検出から解放までの移動距離を短くし、不安定部品の落下の可能性を低減することができるからである。
【発明の態様】
【0011】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0012】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(11)項が請求項3に、(12)項が請求項4に、(13)項が請求項5に、(15)項が請求項6にそれぞれ相当する。
【0013】
(1)電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放し、保持状態が不安定であることを発見しない場合に前記回路基板に装着する方法であって、
前記第1光学検出装置の検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を前記解放の前に第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことを特徴とする電子回路部品装着方法。
(2)前記電子回路部品装着機として、複数の吸着ノズルを保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備えたものを使用し、前記保持状態が不安定であることを発見した電子回路部品の解放後、前記第1光学検出装置または前記第2光学検出装置により前記複数の電子回路部品の検出を行い、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行う(1)項に記載の電子回路部品装着方法。
装着ヘッドが複数の吸着ノズルを保持する場合、不安定部品が解放される際、他の電子回路部品に当たって落とすことや、解放動作に伴って他の電子回路部品が落下することがある。本項に記載の電子回路部品装着方法によれば、解放時における電子回路部品の落下が発見され、電子回路部品が落ちたままの状態で回路基板への電子回路部品の装着が行われて不良基板が発生したり、装着機が故障したりすることが回避される。
(3)前記第2光学検出装置として、前記回路基板の上方空間から外れた位置に配設した光学検出装置を使用する(1)項または(2)項に記載の電子回路部品装着方法。
本項に記載の方法によれば、解放位置の設定次第で、第2光学検出装置による電子回路部品の検出後、回路基板の上方を通ることなく、吸着ノズルを解放位置へ移動させることが可能であり、検出後、解放位置への移動の間に電子回路部品が回路基板上に落下することを防止することができる。
(4)前記第1光学検出装置を前記第2光学検出装置と兼用とする(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
光学検出装置の数が少なくて済み、コストの増大を抑制することができる。
(5)前記第1光学検出装置が撮像装置である(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(6)前記第2光学検出装置が、吸着ノズルに電子回路部品が保持されている状態と保持されていない状態とで異なる電気信号を発する光電スイッチである(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(11)回路基板を保持する基板保持装置と、
電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、
オペレータに対する報知を行う報知装置と
前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置と
を含み、その制御装置が、
前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、
前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、
前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
(12)前記装着装置が、前記吸着ノズルを複数保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備え、
前記通常制御部が、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つに前記複数の吸着ノズルに保持された複数の電子回路部品を検出させ、それら複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがないことを検出した場合に、前記装着装置に、それら複数の電子回路部品を回路基板に装着させるものであり、
前記異常時制御部が、前記複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがあることを検出した場合に、少なくともその電子回路部品を、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行うものであり、
前記解放制御部が、前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせるものであり、
かつ、前記制御装置が、さらに、前記解放制御部の制御による電子回路部品の解放後に、前記1つ以上の光学検出装置の1つに前記複数の電子回路部品の検出を行わせ、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記装着装置の作動を停止させることとの少なくとも一方を行う、第1異常時制御部としての前記異常時制御部とは別の第2異常時制御部を含む(11)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、(2)項に記載の電子回路部品装着方法と同様の作用,効果が得られる。
(13)前記制御装置が、前記通常制御部の制御により前記1つ以上の光学検出装置の前記1つによって取得された検出データの処理を、前記吸着ノズルの移動中に行う検出データ処理部を含む(11)項または(12)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルの移動中に不安定部品が回路基板上に落下する可能性が高いが、その落下に対して直ちに対処することができる。
(14)前記光学検出装置が、水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に配設された(11)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルは部品供給装置から電子回路部品を受け取った後、基板保持装置へ移動させられるため、その移動の途中において光学検出装置によって電子回路部品が検出されるようにすることは合理的であり、検出のための移動距離の増大を抑制することができるが、反面、撮像後の移動において吸着ノズルが殆ど基板保持装置上に位置することとなり、その移動時および基板保持装置上から部品解放位置への移動時に不安定部品が回路基板上に落下する可能性が高くなる。それに対し、解放前の不安定部品の落下の検出、あるいは解放後の電子回路部品の落下の検出により、回路基板上への落下に対して迅速に対処することができる。
(15)水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置とが第1軸方向に並んで設けられ、前記装着装置が、前記第1軸に平行に延びるとともにその第1軸と水平面内において直交する第2軸に平行な方向に移動する第1スライドと、その第1スライド上を前記第1軸に平行な方向に移動する第2スライドとを含み、前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドが前記第2スライドに保持され、前記光学検出装置が、前記第1スライドの前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に保持された(14)項に記載の電子回路部品装着機。
第2軸方向については吸着ノズルと光学検出装置とが一体的に移動させられる上、吸着ノズルが部品供給装置から基板保持装置へ移動する際に必ず光学検出装置を通るため、検出のための吸着ノズルの移動が不要であり、部品供給装置から回路基板の部品装着箇所へ最短距離,最短時間で移動させながら、電子回路部品の検出を行うことができる。
(16)前記装着装置が、前記吸着ノズルを保持する可動部材と、その可動部材を水平面内の任意の位置へ移動させ得る移動装置とを含み、前記1つ以上の光学検出装置の少なくとも1つが前記可動部材に、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出可能な状態で保持された(11)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、吸着ノズルの移動中の任意の時期,移動経路中の任意の位置において電子回路部品の検出を行うことができる。
(17)前記1つ以上の光学検出装置の前記1つが撮像装置である(11)項ないし(16)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(18)前記1つ以上の光学検出装置の別の1つが、吸着ノズルに電子回路部品が保持されている状態と保持されていない状態とで異なる電気信号を発する光電スイッチである(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態である電子回路部品装着機を概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の装着装置においてヘッド保持装置によりシングルノズルヘッドが保持された状態を示す背面断面図である。
【図3】上記装着装置においてヘッド保持装置によりマルチノズルヘッドが保持された状態を示す背面断面図である。
【図4】上記電子回路部品装着機の部品撮像システムを示す正面断面図である。
【図5】上記電子回路部品装着機の制御装置を概念的に示すブロック図である。
【図6】上記制御装置の主体を成す装着制御コンピュータのROMに記憶させられた部品装着プログラムを表すフローチャートである。
【図7】別の実施形態である複数の装着モジュールにより構成される電子回路部品装着システムを示す斜視図である。
【図8】上記複数の装着モジュールの一部を示す斜視図である。
【図9】上記装着モジュールの装着装置を示す斜視図である。
【図10】上記装着モジュールの装着装置の装着ヘッドを示す斜視図である。
【図11】さらに別の実施形態である電子回路部品装着機の側方側部品撮像システムを示す背面図(一部断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、請求可能発明のいくつかの実施形態を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0016】
図1に、請求可能発明の一実施形態としての電子回路部品装着機が概略的に図示されている。本電子回路部品装着機は、図1に示すように、基板搬送装置10,基板保持装置12,それぞれ部品供給装置の一種であるフィーダ型部品供給装置14およびトレイ型部品供給装置16,装着装置18,基準マーク撮像システム20,部品撮像システム22および制御装置26(図5参照)を含み、請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着方法が実施される。
【0017】
基板搬送装置10は、システム本体としてのベッド30上に設けられ、回路基板32を水平な一方向に搬送する。基板保持装置12は基板搬送経路の途中に位置を固定して設けられ、図示は省略するが、例えば、回路基板32を下方から支持する基板支持装置と、回路基板32の基板搬送方向に平行な両縁部をそれぞれクランプするクランプ装置とを含み、基板搬送装置10により搬入された回路基板32を水平な姿勢で保持する。
【0018】
フィーダ型部品供給装置14およびトレイ型部品供給装置16は、本電子回路部品装着機では、図1に示すように、ベッド30上の、基板保持装置12に対して基板搬送方向と直交する水平方向に隔たった両側にそれぞれ設けられている。フィーダ型部品供給装置14は、部品供給具の一種であるフィーダ34を複数備えている。複数のフィーダ34はそれぞれ、各部品供給部が基板搬送方向に沿って並ぶ状態で設けられ、電子回路部品を1個ずつ順次、部品供給部に位置決めする。トレイ型部品供給装置16は、多数の収容部としての収容凹部を有するトレイ36に電子回路部品を収容して供給する装置である。本電子回路部品装着機においては、基板保持装置12と部品供給装置14,16とが並ぶ方向を第1軸方向としてのY軸方向、水平面内において第1軸と直交する第2軸に平行な方向をX軸方向とする。
【0019】
本装着装置18は、図1ないし図3に示すように、それぞれ装着ヘッドとしてのマルチノズルヘッド40およびシングルノズルヘッド42を含むとともに、ヘッド保持装置44,ヘッド移動装置46,ヘッド昇降装置48およびヘッド回転装置50を含む。ヘッド移動装置46は、図1に示すように、X軸方向移動装置54およびY軸方向移動装置56を含む。X軸方向移動装置54は、可動部材たる第1スライドとしてのX軸スライド60とX軸スライド移動装置62とを含む。X軸スライド60はY軸方向に平行に延び、フィーダ型部品供給装置14からトレイ型部品供給装置16にわたって設けられている。X軸スライド移動装置62は、駆動源たるX軸移動用モータ64と、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構66とを1対含む。Y軸方向移動装置56はX軸スライド60上に設けられ、可動部材たる第2スライドとしてのY軸スライド70とY軸スライド移動装置72とを含む。Y軸スライド移動装置72は、X軸スライド移動装置62と同様に、駆動源たるY軸移動用モータ74と送りねじ機構76(図2参照)とを含み、Y軸スライド70をX軸スライド60上においてY軸方向に移動させる。
【0020】
前記ヘッド保持装置44,ヘッド昇降装置48およびヘッド回転装置50は、図2に示すように、Y軸スライド70に設けられ、ヘッド移動装置46により水平面内の任意の位置へ移動させられる。マルチノズルヘッド40,シングルノズルヘッド42およびヘッド保持装置44等は、特開2006−261325号公報に記載のマルチノズルヘッド等と同様に構成されており、簡単に説明する。
【0021】
ヘッド保持装置44は、図2に示すように、軸状を成す装置本体80および装置本体80の下端部に一体的に設けられたヘッド保持部82とを含む。装置本体80内の通路84には、正圧と負圧とが択一的に供給される。また、装置本体80内の円環状通路86については負圧の供給が許容,遮断される。ヘッド回転装置50は回転用モータ100を駆動源とし、ヘッド保持装置44を自身の鉛直な軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させる。ヘッド昇降装置48は昇降用モータ102(図5参照)を駆動源とし、ヘッド保持装置44を鉛直方向において任意の位置へ移動させる。
【0022】
前記シングルノズルヘッド42は、図2に示すように、ノズル保持部を備えて部品保持具たる吸着ノズル110を1つ保持し、ヘッド保持装置44によって負圧により吸着されて同心状に保持される。吸着ノズル110は、通路84から供給される負圧により電子回路部品112を吸着する。
【0023】
前記マルチノズルヘッド40は、図3に示すように、ヘッド本体120,複数、本マルチノズルヘッド40においては3個以上のノズル保持部124,吸着ノズル126,ノズル保持部124の各々について設けられたバルブ装置128およびノズル昇降装置130を備え、ヘッド保持装置44によって負圧により吸着されて同心状に保持され、ノズル保持部124により吸着ノズル126が保持される。3個以上の吸着ノズル126は、ヘッド本体120の軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔を隔てて、本実施形態においては等角度間隔に保持されている。ヘッド保持装置44の通路84,86はマルチノズルヘッド40内に設けられた通路に連通させられ、バルブ装置128の切換えにより、電子回路部品の吸着時には吸着ノズル126に負圧が供給され、装着時には負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給される。複数のバルブ装置128の各切換えは、マルチノズルヘッド40の昇降に伴ってバルブ切換装置132により個々に行われる。なお、図3においては回転用モータ100の図示は省略されている。
【0024】
また、マルチノズルヘッド40の昇降に伴ってノズル昇降装置130が作動させられ、吸着ノズル126をヘッド本体120に対して昇降させ、複数の吸着ノズル126のうち、電子回路部品の吸着,装着を行う吸着ノズル126が、その他の吸着ノズル126に対して選択的に昇降させられる。ノズル昇降装置130は、バルブ切換装置132と一体的に設けられたノズル昇降装置駆動装置により作動させられる。
【0025】
前記基準マーク撮像システム20は、本電子回路部品装着機においては、図1に示すようにY軸スライド70に設けられ、回路基板32に設けられた基準マーク142を撮像する。本基準マーク撮像システム20は、撮像装置を構成するCCDカメラ144と照明装置146とを備え、ヘッド移動装置46により水平面内の任意の位置へ移動させられる。
【0026】
本電子回路部品装着機において前記部品撮像システム22は、図1に示すように、2組設けられ、一方はX軸スライド60のフィーダ型部品供給装置14と基板保持装置12との間の部分に設けられ、他方はX軸スライド60のトレイ型部品供給装置16と基板保持装置12との間の部分に設けられており、いずれも回路基板32の上方から外れた位置に配設されている。これら部品撮像システム22は同様に構成されており、それぞれ、図4に示すように、CCDカメラ148および導光装置としての反射装置150を含む撮像装置152と照明装置(図示省略)とを含む。撮像装置はCMOSカメラを含む装置とされてもよい。
【0027】
反射装置150は、図示を省略するブラケットによりX軸スライド60に固定されて取り付けられた1組の反射鏡154,156を含む。反射鏡154は、マルチノズルヘッド40およびシングルノズルヘッド42のX軸スライド60上におけるY軸方向の移動経路の真下に設けられ、反射鏡156はX軸スライド60を挟んだ反対側に反射鏡154と対向して設けられている。CCDカメラ148は、X軸スライド60の反射鏡156と対向する位置に下向きに固定されている。本部品撮像システム20は、マルチノズルヘッド40の全部の吸着ノズル126により保持された全部の電子回路部品を同時に撮像することができるものとされており、電子回路部品の正面像(電子回路部品を吸着ノズルと対向する方向から見た状態の像)を撮像する。
【0028】
さらに、本実施形態においては、ベッド30には、図1に示すように、収容部材としての収容箱160が2つ、着脱可能に取り付けられている。一方の収容箱160は、ベッド30の基板保持装置12とフィーダ型部品供給装置14との間の部分であって、X軸方向においてはフィーダ型部品供給装置14の中央部に対応する位置に設けられ、Y軸方向においてはX軸スライド60の基板保持装置12とフィーダ型部品供給装置14との間の部分に設けられた部品撮像システム22から外れた位置、本実施形態においてはフィーダ型部品供給装置14側へ外れた位置に設けられている。他方の収容箱160は、ベッド30のトレイ型部品供給装置16と基板保持装置12との間の部分であって、X軸方向においては一方の収容箱160と同じ位置に設けられ、Y軸方向においてはX軸スライド60の基板保持装置12とトレイ型部品供給装置16との間の部分に設けられた部品撮像システム22から外れた位置、本実施形態においてはトレイ型部品供給装置16側へ外れた位置に設けられている。2つの収容箱160が設けられた位置がそれぞれ解放位置である。
【0029】
前記制御装置26は、図5に示すように、CPU170,ROM172,RAM174およびそれらを接続するバス176を含む装着制御コンピュータ180を主体とするものであり、入・出力部182には、CCDカメラ144,148の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ184が接続され、制御装置26を構成している。入・出力部182にはまた、駆動回路190を介してX軸移動用モータ64等、種々のアクチュエータ等が接続されるとともに、制御回路192を介して表示画面194が接続され、制御回路192と共に表示装置196を構成している。本電子回路部品装着機においては、各種装置の駆動源を構成する電動モータの多くはエンコーダ付サーボモータにより構成されており、エンコーダ198は、1つを図5に代表的に示すように入・出力部182に接続されている。サーボモータは、回転角度の正確な制御が可能な電動回転モータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよく、リニアモータを用いてもよい。また、ROM172には、図示を省略するメインルーチン,図6にフローチャートで表す部品装着プログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。
【0030】
以上のように構成された電子回路部品装着機の作動を説明する。
マルチノズルヘッド40による電子回路部品の装着時には、図6に示す部品装着プログラムが実行される。まず、ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)が実行され、マルチノズルヘッド40が部品供給装置、例えば、フィーダ型部品供給装置14へ移動させられて電子回路部品を受け取る。3個以上の吸着ノズル126は、マルチノズルヘッド40の回転により順次、予め設定された部品受取位置へ移動させられるとともに、フィーダ34の部品供給部上に位置決めされ、マルチノズルヘッド40の昇降により、ヘッド本体120に対して昇降させられるとともに、フィーダ34に接近,離間させられ、電子回路部品を吸着し、フィーダ34から取り出す。
【0031】
全部の吸着ノズル126が電子回路部品を装着することが予定されているとする。全部の吸着ノズル126が電子回路部品を吸着した後、S2が実行され、全部の電子回路部品が部品撮像システム22により同時に撮像される。マルチノズルヘッド40は、電子回路部品の受取り後、全部の電子回路部品を保持して基板保持装置12へ一緒に搬送するが、X軸スライド60のフィーダ型部品供給装置14と基板保持装置12との間の部分に設けられた部品撮像システム22の反射境154の上方を必ず通り、吸着ノズル126により保持された電子回路部品が回路基板32の上方へ搬送される途中において撮像される。撮像は、マルチノズルヘッド40が移動したままの状態で行われてもよく、停止して行われ、撮像後、直ちに移動が再開されてもよい。
【0032】
撮像により取得された画像データは画像処理コンピュータ184により処理される。画像処理は、撮像後、マルチノズルヘッド40の基板保持装置12への移動中に行われ、全部の吸着ノズル126についてそれぞれ、電子回路部品の保持の有無および保持状態が検出されるとともに、吸着ノズル126による電子回路部品の保持位置誤差が算出される。例えば、電子回路部品の吸着ノズル126に対するずれが設定量以上である場合、電子回路部品の像がCCDカメラ148の撮像面からはみ出している場合、電子回路部品の像の形状が予定された形状とは異なっていて、電子回路部品が立ったり、傾いたりした姿勢で保持されていると推定される場合には、保持状態が不安定であるとされる。保持位置誤差には、吸着ノズル126の移動平面内たる水平面内において互いに直交する2方向であるX軸,Y軸方向における各位置誤差および電子回路部品の軸線まわりの位置誤差である回転位置誤差が含まれる。
【0033】
撮像後、S3が実行され、画像処理コンピュータ184による画像処理結果に基づいて、全部の吸着ノズル126が電子回路部品を保持しているか否かの判定が行われる。例えば、吸着ノズル126が電子回路部品を吸着し損なった場合、吸着したが撮像位置へ移動するまでの間に吸着ノズル126から外れた場合には、電子回路部品を保持していない吸着ノズル126があるため、S4が実行され、その他の処理が行われる。例えば、マルチノズルヘッド40がフィーダ型部品供給装置14へ戻され、電子回路部品を保持していない吸着ノズル126に再度、電子回路部品を吸着させる等の処理が行われる。そして、S2が実行される。
【0034】
全部の吸着ノズル126が電子回路部品を保持していれば、S5において保持状態が不安定な電子回路部品があるか否かの判定が行われ、なければS6が実行され、マルチノズルヘッド40が回路基板32の部品装着箇所へ移動させられ、電子回路部品を回路基板32に装着する。装着時には、マルチノズルヘッド40の移動位置の修正および回転により、吸着ノズル126による電子回路部品の保持位置誤差と、基準マーク撮像システム20による基準マーク142の撮像により得られた部品装着箇所のX軸,Y軸方向の各位置誤差および回転位置誤差とが修正され、マルチノズルヘッド40の昇降により吸着ノズル126が昇降させられて電子回路部品を回路基板32に装着する。
【0035】
吸着ノズル126による保持状態が不安定な電子回路部品があれば、S7が実行され、電子回路部品が再度、部品撮像システム22により撮像される。マルチノズルヘッド40はY軸方向においては部品撮像システム22へ移動させられ、電子回路部品が撮像される。保持状態が不安定な電子回路部品は回路基板32に装着されず、収容箱160に収容されるべきであるため、マルチノズルヘッド40はX軸方向においては収容箱160へ移動させられる。2回目の撮像は、本実施形態では電子回路部品を1回目に撮像した部品撮像システム22により行われ、電子回路部品は、2回目の撮像を行う部品撮像システム22にY軸方向において近い方の収容箱160であって、基板保持装置12に対してY軸方向において同じ側に位置する収容箱160に収容される。ただし、2つの部品撮像システム22のうち、S5の判定結果がYESになった時点で、マルチノズルヘッド40にY軸方向において近い方の部品撮像システム22により電子回路部品が撮像され、その部品撮像システム22と基板保持装置12に対してY軸方向において同じ側に位置する収容箱160に電子回路部品が収容されるようにしてもよい。撮像は、できる限り収容箱160に近く、かつ、マルチノズルヘッド40が収容箱160に到達するまでに画像処理が完了する位置において行われることが望ましい。
【0036】
撮像後、画像データが処理され、初回の撮像により、電子回路部品の保持状態が不安定であることが検出された吸着ノズル126について、電子回路部品が保持されているか否かが調べられる。そして、S8が実行され、不安定部品が落下しているか否かの判定が行われる。吸着ノズル126が不安定部品を保持していなければ、初回の撮像から2回目の撮像までの間に不安定部品が落ちたのであり、S9が実行され、その旨が表示画面194に表示されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。2回目の撮像後、電子回路部品の保持状態が安定とされた吸着ノズルも含めて、全部の吸着ノズルについて電子回路部品が落下しているか否かの判定が行われてもよい。少なくとも不安定部品が落下しているか否かの判定が行われればよいのである。
【0037】
不安定部品の落下がなければ、S10が実行される。マルチノズルヘッド40は、Y軸方向においては部品撮像システム22を通って収容箱160上へ到達し、電子回路部品の装着時と同様に昇降させられる。それにより、吸着ノズル126への負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給され、不安定部品が解放されて収容箱160に収容される。
【0038】
電子回路部品の解放後、S11が実行され、マルチノズルヘッド40により保持されている電子回路部品が部品撮像システム22によりさらに撮像される。マルチノズルヘッド40はY軸方向において部品撮像システム22へ移動させられて電子回路部品が撮像され、電子回路部品を解放した吸着ノズル126以外の全部の吸着ノズル126について、初回の撮像時と同様に電子回路部品の保持の有無の検出および保持位置誤差の算出が行われる。この撮像は、本実施形態においては、Y軸方向において基板保持装置12に対して収容箱160と同じ側に設けられた部品撮像システム22、ここでは初回の撮像を行った部品撮像システム22により行われる。
【0039】
そして、S12が実行され、電子回路部品の落下があるか否かの判定が行われ、落下がなければ、S6が実行されて電子回路部品が回路基板32に装着される。この際、S11の撮像により得られた保持位置誤差が修正される。それにより、S11の撮像までに電子回路部品の保持位置がずれた場合でも、保持位置誤差の修正が適正に為される。落下した電子回路部品があればS13が実行され、その旨が表示装置196により報知されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。なお、部品解放後の撮像に基づいて、電子回路部品を解放した吸着ノズルについても電子回路部品の保持の有無が検出されてもよい。それにより、例えば、吸着ノズルが不安定部品を正常に解放したか否かがわかる。また、不安定部品解放後の撮像により得られる画像データに基づいて、不安定部品があるか否かの判定が行われ、あれば、収容箱に収容されるようにしてもよい。さらに、不安定部品解放後の撮像により得られる画像データに基づいて、電子回路部品の保持の有無のみが検出され、電子回路部品の装着時には、S2の撮像に基づいて取得された保持位置誤差が修正されるようにしてもよい。
【0040】
シングルノズルヘッド42によって電子回路部品が回路基板32に装着される場合には、図6に示す部品装着プログラムのS1〜S10と同様のステップを含む部品装着プログラムが実行される。
【0041】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、2つの部品撮像システム22の各撮像装置152がそれぞれ、第1,第2光学検出装置としての第1,第2撮像装置を構成し、装着制御コンピュータ240のS2,S5,S6を実行する部分が通常制御部を構成し、S5,S7〜S9を実行する部分が異常時制御部を構成し、S10を実行する部分が解放制御部を構成し、S11〜S13を実行する部分が第2異常時制御部を構成し、画像処理コンピュータ184が画像処理部を構成している。
【0042】
別の実施形態を説明する。
本実施形態においては、図7に示すように、複数の装着モジュール300が複数、共通で一体のベース302上に互いに隣接して1列に配列され、電子回路部品装着システムを構成している。複数の装着モジュール300はそれぞれ、請求可能発明の電子回路部品装着機に相当し、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0043】
装着モジュール300については、例えば特開2004−104075号公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
装着モジュール300は、図8に示すように、装着機本体としてのモジュール本体304,基板搬送装置306,基板保持装置308,部品供給装置310,装着装置312,基準マーク撮像システム314(図9参照),部品撮像システム316および制御装置318を備えている。
【0044】
基板搬送装置306は、図8に示すように、モジュール本体304を構成する基台部328に設けられた基板コンベヤ324,326を備え、回路基板330を水平な一方向に搬送する。本実施形態においては、基板搬送方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。基板保持装置308は2つの基板コンベヤ324,326の各々について設けられ、それぞれ、例えば、前記基板保持装置12と同様に構成されている。部品供給装置310は、例えば、フィーダ型部品供給装置とされ、基台部328の基板保持装置308に対してY軸方向の一方の側に設けられている。
【0045】
装着装置312は、図8および図9に示すように、装着ヘッド340と、その装着ヘッド340を移動させるヘッド移動装置342とを備えている。ヘッド移動装置342は装着ヘッド340を、回路基板330の部品装着面に平行な一平面内において互いに直交する2方向へ移動させる。本実施形態においては、その2方向の一方がX軸方向、他方がY軸方向であり、ヘッド移動装置342は、図9に示すように、X軸方向移動装置344およびY軸方向移動装置346を備えている。Y軸方向移動装置346は、モジュール本体304を構成するビーム部348に、部品供給装置310の部品供給部と2つの基板保持装置308とに跨って設けられたリニアモータ350を備え、可動部材としてのY軸スライド352をY軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0046】
X軸方向移動装置344はY軸スライド352に設けられ、Y軸スライド352に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる可動部材としての第1,第2X軸スライド354,356と、それらスライド354,356をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置358(図9には第2X軸スライド356を移動させる移動装置358のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、エンコーダ付サーボモータと送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド354,356をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0047】
装着ヘッド340は、第2X軸スライド356に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置342により、部品供給装置310の部品供給部と2つの基板保持装置308とに跨る装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド340は、図10に示すように、吸着ノズル360によって電子回路部品を保持するものとされており、保持具保持部たるノズルホルダ362,ホルダ昇降装置364,ホルダ回転装置366および正負圧選択供給装置(図示省略)を備えている。図8〜図10に示す装着ヘッド340は、回転体368により吸着ノズル360を複数、例えば、3個以上、保持するものであり、回転体368が回転体駆動装置369によって回転させられることにより、複数の吸着ノズル360が順次、予め設定された部品受取装着位置へ移動させられる。
【0048】
前記基準マーク撮像システム314は、前記基準マーク撮像システム20と同様に構成されて第2X軸スライド356に搭載され、回路基板330に設けられた基準マークを撮像する。また、前記部品撮像システム316は、図8に示すように、撮像装置としてのCCDカメラ370および照明装置372を備え、複数の吸着ノズル360により保持された全部の電子回路部品を1度に撮像し得るものとされている。部品撮像システム316は、基台部328の基板保持装置308と部品供給装置310との間の部分であって、部品供給装置310の、基板保持装置308と部品供給装置310とが並ぶ方向と水平面内において直交する方向に平行な方向における中央部に対応する部分に位置を固定して設けられている。
【0049】
基台部328にはまた、図8に示すように、収容箱380が設けられている。本収容箱380は、基台部328の基板保持装置306と基板供給装置310との間の部分であって、部品撮像システム316にX軸方向に隣接する部分に固定され、着脱可能に設けられている。
【0050】
制御装置318は、図8に概念的に示すように、前記制御装置28と同様に装着制御コンピュータ390を主体として構成されており、駆動回路(図示省略)を介して、基板搬送装置306の駆動源等を制御するとともに、表示装置392を構成する表示画面394を制御する。また、CCDカメラ370等の撮像により得られた画像データは画像処理コンピュータ400により処理される。
【0051】
装着モジュール300において、吸着ノズル360を複数保持した装着ヘッド340により電子回路部品の回路基板330への装着が行われる場合には、前記図6に示す部品装着プログラムと同様のプログラムが実行される。但し、部品撮像システム316が位置を固定して1つ、設けられているため、S2,S7,S11の各々に相当するステップのいずれの実行による電子回路部品の撮像時にも、装着ヘッド340は部品撮像システム316上へ移動させられて電子回路部品が撮像される。そして、不安定部品検出後の撮像後、不安定部品が落下していなければ、装着ヘッド340は収容箱380上において吸着ノズル360に不安定部品を解放させ、収容箱380に収容させる。
【0052】
電子回路部品の検出は、1回目と2回目とで異なる光学検出装置により行われてもよく、2回目の検出は吸着ノズルの軸線と直交する方向から行われてもよい。その実施形態を図11に基づいて説明する。
本電子回路部品装着機は、電子回路部品を吸着ノズルの軸線と直交する方向から撮像する側方側部品撮像システム450が設けられていることを除いて、図1〜図6に示す電子回路部品装着機と同様に構成されている。側方側部品撮像システム450はY軸スライド70に搭載され、マルチノズルヘッド40あるいはシングルノズルヘッド42と共に移動させられる。側方側部品撮像システム450は、未だ公開されていないが、本出願人の出願に係る特願2008−004720の明細書に記載されている側方側部品撮像システムと同様に構成されており、簡単に説明する。
【0053】
側方側部品撮像システム450は、ヘッド保持装置44に保持されたマルチノズルヘッド42の回転軌跡およびバルブ切換装置132の旋回軌跡の外側に設けられている。側方側部品撮像システム450は、側方側部品撮像装置452および照明装置454を含む。側方側部品撮像装置452はCCDカメラ456および導光装置458を含み、撮像中心線が水平に、かつヘッド回転軸線と直交する状態に設けられている。側方側部品撮像装置452は、吸着ノズル126の軸線に平行な方向である高さ(鉛直)方向においては、部品受取り時における上昇端位置へ上昇させられたマルチノズルヘッド40の吸着ノズル126により保持された電子回路部品を、その本体部の下面に平行な真横の位置から撮像する位置に設けられている。照明装置454は、複数のLED(Light Emitting Diode)460を含む。導光装置456は、複数のプリズム462を含み、電子回路部品から反射された像形成光の方向を転換させ、CCDカメラ456に水平に入光させる。なお、図11においては回転用モータ100の図示は省略されている。
【0054】
本電子回路部品装着機においてマルチノズルヘッド42による電子回路部品の回路基板32への装着は、図6に示す部品装着プログラムと同様のプログラムに従って行われるが、S2,S11に対応するステップの実行による電子回路部品の撮像は、部品撮像システム22により行われ、S7に対応するステップの実行による電子回路部品の撮像が側方側部品撮像システム450により行われる。そのため、3個以上の吸着ノズル126のうち、電子回路部品の保持状態が不安定であることが検出された吸着ノズル126は、マルチノズルヘッド42の回転により側方側部品撮像装置452と対向する位置(吸着ノズル126の軸線が、CCDカメラ456の撮像中心線と直交する状態となる位置)へ移動させられ、真横から撮像される。それにより得られた画像データに基づいて不安定部品が吸着ノズル126により保持されているか否かが検出される。側方側部品撮像システム450による電子回路部品の撮像は、不安定部品の検出後、任意の時期に行うことができ、マルチノズルヘッド40が収容箱160に近い位置に位置する状態で行うことができる。
本実施形態においては、Y軸スライド70のマルチノズルヘッド40あるいはシングルノズルヘッド42を保持する部分が可動部材を構成し、ヘッド移動装置46がその可動部材を移動させる移動装置を構成すると考えてもよく、Y軸スライド70が可動部材を構成し、ヘッド移動装置46のY軸スライド70以外の部分(Y軸スライド移動装置72,X軸スライド60,X軸スライド移動装置62)が移動装置を構成すると考えてもよい。
【0055】
なお、光学検出装置は、例えば、未だ公開されていないが、本出願人の出願に係る特願2009−4124の明細書に記載の撮像装置のように、装着ヘッドに設けてもよい。
【0056】
また、撮像装置はラインセンサを含む装置とされてもよい。ラインセンサは、複数の撮像素子が1列に並べられて成り、ラインセンサによる撮像と電子回路部品の移動とによって電子回路部品の二次元像が得られる。さらに、撮像装置により、電子回路部品のシルエット像が撮像されるようにしてもよい。
【0057】
さらに、装着装置が複数の吸着ノズルを保持する装着ヘッドを備える場合、それら吸着ノズルは一列にあるいは複数列に並べられた状態で保持されてもよく、例えば、基板保持装置と部品供給装置とが並ぶ方向に平行な直線と水平面内においてその直線と直交する直線との少なくとも一方に沿って並べられる。
【符号の説明】
【0058】
12:基板保持装置 14:フィーダ型部品供給装置 16:トレイ型部品供給装置 18:装着装置 22:部品撮像システム 26:制御装置 32:回路基板 40:マルチノズルヘッド 126:吸着ノズル 160:収容箱 196:表示装置 308:基板保持装置 310:部品供給装置 312:装着装置 316:部品撮像システム 318:制御装置 330:回路基板 340:装着ヘッド 360:吸着ノズル 380:収容箱 392:表示装置 450:側方側部品撮像システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機に関するものであり、特に吸着ノズルからの電子回路部品の落下の監視に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子回路部品装着機において装着装置が吸着ノズルにより部品供給装置から電子回路部品を受け取る際、電子回路部品が安定した状態で保持されるとは限らない。そのため、下記の特許文献1ないし3に記載の電子回路部品装着機においては、電子回路部品を部品供給装置から受け取った後、撮像装置により撮像し、電子回路部品の保持状態が不安定な場合には、その電子回路部品は回路基板に装着せず、廃棄するようにされている。
【0003】
また、特許文献1に記載の電子回路部品装着機の装着装置は、複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送するように構成されており、複数の電子回路部品のうち、保持状態が不安定な電子回路部品(以後、不安定部品と称する)が廃棄された後、再度、電子回路部品の撮像が行われ、不安定部品がさらにあれば、廃棄されるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−210722号公報
【特許文献2】特開2007−200989号公報
【特許文献3】特開2009−4468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子回路部品装着機には未だ改善の余地がある。例えば、不安定部品は落下する可能性が高く、検出後、廃棄箱へ移動させられる間に落下してもわからず、落下部品が電子回路部品装着機の作動不良の原因となり、あるいは回路基板上に落下して基板不良の原因となるというように、実用上問題があるのである。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、より実用性の高い電子回路部品装着方法および電子回路部品装着機を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放するのであるが、その解放の前に、電子回路部品を第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことにより解決される。
上記第1,第2光学検出装置としては撮像装置が望ましいが、不可欠ではない。特に、第2光学検出装置は電子回路部品の有無を検出し得るものであればよいため、透過型光電スイッチ等、簡易な構成のものの採用も可能である。また、電子回路部品装着機においては、吸着ノズルによる電子回路部品の保持位置誤差を取得し、その誤差を補正して回路基板に装着することが広く行われており、そのための撮像装置を第1光学検出装置として利用する場合には、撮像装置とすることが不可欠であることになるが、上記撮像装置を第1光学検出装置として使用することは不可欠ではなく、使用しない場合は、第1光学検出装置も撮像装置とすることは不可欠ではなくなる。
第1光学検出装置と第2光学検出装置とを電子回路部品装着機の互いに異なる箇所に設けることも、第1光学検出装置と第2光学検出装置とを兼用とすることも可能である。
【0007】
上記の課題はまた、(A)回路基板を保持する基板保持装置と、(B)電子回路部品を供給する部品供給装置と、(C)その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(D)前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、(E)オペレータに対する報知を行う報知装置と、(F)前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置とを含む電子回路部品装着機の制御装置を、(a)前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、(b)前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、(c)前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部とを含むものとすることにより解決される。
本項の電子回路部品装着機において、通常制御部により電子回路部品を検出させられる光学検出装置と、異常時制御部により電子回路部品を検出させられる光学検出装置とを同一のものとすることも、別個のものとすることも可能である。後者の場合には、通常制御部により電子回路部品を検出させられるのが複数の光学検出装置の1つであり、異常時制御部により電子回路部品を検出させられるのが複数の光学検出装置の別の1つであることになる。
報知装置は、音,画像,光等、種々の報知媒体によって作業者に報知する装置、例えば、ブザー,ランプ,表示装置の少なくとも1つを含むものとすることができ、PDA(Personal Digital Assistant)として知られる携帯情報端末やパソコンへのエラーデータの送信,表示や、E−MailやSMS(Short Message Service)による携帯電話やPHSへのショートメッセージによるエラー発生メッセージの送信によって報知することもできる。
【発明の効果】
【0008】
吸着ノズルは、電子回路部品が第1光学検出装置によって検出された後、電子回路部品を装着すべく回路基板上方へ移動させられるが、その移動中に検出データの処理が行われることにより、装着サイクルタイムの短縮が図られる。しかし、不安定部品は移動中に落下する可能性がある。特に、データ処理中に回路基板上方へ到達し、検出データの処理の結果、不安定部品であると判定されるまでの間の移動により回路基板上に落下する可能性があることが重要である。それに対し、第2光学検出装置による検出によって、不安定部品の落下に直ちに対処することができる。報知により作業者が電子回路部品装着機を停止させて落下した電子回路部品を回収することができ、あるいは電子回路部品装着機が停止されることにより、電子回路部品が落下したままの状態で回路基板への電子回路部品の装着が行われることが回避されるのであり、不良基板の発生や電子回路部品装着機の故障の可能性を低減できる。また、光学検出装置によって検出が行われることにより、不安定部品が小さくても、落下を確実に検出することができる。
なお、不安定部品が装着前に解放されることにより、吸着ノズルにより安定した状態で保持されている電子回路部品の回路基板への装着時に、その電子回路部品の装着を不安定部品が干渉して妨げたり、落下させたり、吸着ノズルに対してずらして装着精度を低下させたりすることが回避される。また、電子回路部品の装着時の振動等により不安定部品が回路基板や電子回路部品装着機内に落下する可能性が低減されるという効果も得られる。これらの点は従来技術と同様である。
【0009】
本発明に係る電子回路部品装着機においては、電子回路部品が回路基板上方への移動の途中において撮像されるため、不安定部品があれば、撮像後の移動により落下する可能性がある。画像データの処理が撮像後の吸着ノズルの移動中に行われても、移動後あるいは移動前に停止させられた状態で行われても同じであるが、前2者の場合は、特に回路基板上に落下する可能性が高い。本発明に係る電子回路部品装着機によれば、異常時制御部の制御により、本発明に係る電子回路部品装着方法と同様の効果が得られる上、通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、異常時制御部の制御により未だ吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、その不安定部品の解放作動が行われるため、無駄な解放作動の実行が省略される効果も得られる。
【0010】
光学検出装置は、種々の態様で構成することができる。例えば、(i)位置を固定して設けてもよく、(ii)装着ヘッドと一体的に移動可能に設けてもよく、(iii)基板保持装置および装着ヘッドの両方に対して相対移動可能に設けてもよい。(iii)の場合、光学検出装置は装着ヘッドを移動させるヘッド移動装置によって移動させてもよく、装着機本体に設けられた専用の移動装置によって移動させてもよい。通常制御部および異常時制御部の各光学検出装置が同一である場合、(i)〜(iii)のうちのいずれの装置とされてもよく、別である場合、2つの光学検出装置はそれぞれ、(i)〜(iii)のうちのいずれの装置とされてもよい。
また、通常制御部および異常時制御部の各光学検出装置が同一である場合、その光学検出装置は、電子回路部品を吸着ノズルに対して対向する方向から検出する装置とされ、別である場合、少なくとも通常制御部の光学検出装置が電子回路部品を対向方向から検出する装置とされる。
さらに、電子回路部品が解放される位置は、固定して設定されてもよく、装着ヘッドを移動させるヘッド移動装置に、装着ヘッドに対して相対移動可能に設定されてもよい。いずれにしても、解放位置は、回路基板の上方から外れた箇所に設定されることが望ましく、回路基板が基板搬送装置により搬送される場合、その搬送経路内に設けられてもよいが、基板保持装置と部品供給装置との間に設定されることが特に望ましい。
解放位置が固定して設定される場合、異常時制御部により制御される光学検出装置が可動とされるのであれば、できるだけ解放位置に近い位置で検出が行われることが望ましく、固定とされるのであれば、できる限り解放位置に近接して設けられることが望ましい。不安定部品の保持の検出から解放までの移動距離を短くし、不安定部品の落下の可能性を低減することができるからである。
【発明の態様】
【0011】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0012】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(11)項が請求項3に、(12)項が請求項4に、(13)項が請求項5に、(15)項が請求項6にそれぞれ相当する。
【0013】
(1)電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放し、保持状態が不安定であることを発見しない場合に前記回路基板に装着する方法であって、
前記第1光学検出装置の検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を前記解放の前に第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことを特徴とする電子回路部品装着方法。
(2)前記電子回路部品装着機として、複数の吸着ノズルを保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備えたものを使用し、前記保持状態が不安定であることを発見した電子回路部品の解放後、前記第1光学検出装置または前記第2光学検出装置により前記複数の電子回路部品の検出を行い、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行う(1)項に記載の電子回路部品装着方法。
装着ヘッドが複数の吸着ノズルを保持する場合、不安定部品が解放される際、他の電子回路部品に当たって落とすことや、解放動作に伴って他の電子回路部品が落下することがある。本項に記載の電子回路部品装着方法によれば、解放時における電子回路部品の落下が発見され、電子回路部品が落ちたままの状態で回路基板への電子回路部品の装着が行われて不良基板が発生したり、装着機が故障したりすることが回避される。
(3)前記第2光学検出装置として、前記回路基板の上方空間から外れた位置に配設した光学検出装置を使用する(1)項または(2)項に記載の電子回路部品装着方法。
本項に記載の方法によれば、解放位置の設定次第で、第2光学検出装置による電子回路部品の検出後、回路基板の上方を通ることなく、吸着ノズルを解放位置へ移動させることが可能であり、検出後、解放位置への移動の間に電子回路部品が回路基板上に落下することを防止することができる。
(4)前記第1光学検出装置を前記第2光学検出装置と兼用とする(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
光学検出装置の数が少なくて済み、コストの増大を抑制することができる。
(5)前記第1光学検出装置が撮像装置である(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(6)前記第2光学検出装置が、吸着ノズルに電子回路部品が保持されている状態と保持されていない状態とで異なる電気信号を発する光電スイッチである(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(11)回路基板を保持する基板保持装置と、
電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、
オペレータに対する報知を行う報知装置と
前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置と
を含み、その制御装置が、
前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、
前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、
前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
(12)前記装着装置が、前記吸着ノズルを複数保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備え、
前記通常制御部が、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つに前記複数の吸着ノズルに保持された複数の電子回路部品を検出させ、それら複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがないことを検出した場合に、前記装着装置に、それら複数の電子回路部品を回路基板に装着させるものであり、
前記異常時制御部が、前記複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがあることを検出した場合に、少なくともその電子回路部品を、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行うものであり、
前記解放制御部が、前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせるものであり、
かつ、前記制御装置が、さらに、前記解放制御部の制御による電子回路部品の解放後に、前記1つ以上の光学検出装置の1つに前記複数の電子回路部品の検出を行わせ、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記装着装置の作動を停止させることとの少なくとも一方を行う、第1異常時制御部としての前記異常時制御部とは別の第2異常時制御部を含む(11)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、(2)項に記載の電子回路部品装着方法と同様の作用,効果が得られる。
(13)前記制御装置が、前記通常制御部の制御により前記1つ以上の光学検出装置の前記1つによって取得された検出データの処理を、前記吸着ノズルの移動中に行う検出データ処理部を含む(11)項または(12)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルの移動中に不安定部品が回路基板上に落下する可能性が高いが、その落下に対して直ちに対処することができる。
(14)前記光学検出装置が、水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に配設された(11)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルは部品供給装置から電子回路部品を受け取った後、基板保持装置へ移動させられるため、その移動の途中において光学検出装置によって電子回路部品が検出されるようにすることは合理的であり、検出のための移動距離の増大を抑制することができるが、反面、撮像後の移動において吸着ノズルが殆ど基板保持装置上に位置することとなり、その移動時および基板保持装置上から部品解放位置への移動時に不安定部品が回路基板上に落下する可能性が高くなる。それに対し、解放前の不安定部品の落下の検出、あるいは解放後の電子回路部品の落下の検出により、回路基板上への落下に対して迅速に対処することができる。
(15)水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置とが第1軸方向に並んで設けられ、前記装着装置が、前記第1軸に平行に延びるとともにその第1軸と水平面内において直交する第2軸に平行な方向に移動する第1スライドと、その第1スライド上を前記第1軸に平行な方向に移動する第2スライドとを含み、前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドが前記第2スライドに保持され、前記光学検出装置が、前記第1スライドの前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に保持された(14)項に記載の電子回路部品装着機。
第2軸方向については吸着ノズルと光学検出装置とが一体的に移動させられる上、吸着ノズルが部品供給装置から基板保持装置へ移動する際に必ず光学検出装置を通るため、検出のための吸着ノズルの移動が不要であり、部品供給装置から回路基板の部品装着箇所へ最短距離,最短時間で移動させながら、電子回路部品の検出を行うことができる。
(16)前記装着装置が、前記吸着ノズルを保持する可動部材と、その可動部材を水平面内の任意の位置へ移動させ得る移動装置とを含み、前記1つ以上の光学検出装置の少なくとも1つが前記可動部材に、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出可能な状態で保持された(11)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、吸着ノズルの移動中の任意の時期,移動経路中の任意の位置において電子回路部品の検出を行うことができる。
(17)前記1つ以上の光学検出装置の前記1つが撮像装置である(11)項ないし(16)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
(18)前記1つ以上の光学検出装置の別の1つが、吸着ノズルに電子回路部品が保持されている状態と保持されていない状態とで異なる電気信号を発する光電スイッチである(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の電子回路部品装着方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態である電子回路部品装着機を概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の装着装置においてヘッド保持装置によりシングルノズルヘッドが保持された状態を示す背面断面図である。
【図3】上記装着装置においてヘッド保持装置によりマルチノズルヘッドが保持された状態を示す背面断面図である。
【図4】上記電子回路部品装着機の部品撮像システムを示す正面断面図である。
【図5】上記電子回路部品装着機の制御装置を概念的に示すブロック図である。
【図6】上記制御装置の主体を成す装着制御コンピュータのROMに記憶させられた部品装着プログラムを表すフローチャートである。
【図7】別の実施形態である複数の装着モジュールにより構成される電子回路部品装着システムを示す斜視図である。
【図8】上記複数の装着モジュールの一部を示す斜視図である。
【図9】上記装着モジュールの装着装置を示す斜視図である。
【図10】上記装着モジュールの装着装置の装着ヘッドを示す斜視図である。
【図11】さらに別の実施形態である電子回路部品装着機の側方側部品撮像システムを示す背面図(一部断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、請求可能発明のいくつかの実施形態を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0016】
図1に、請求可能発明の一実施形態としての電子回路部品装着機が概略的に図示されている。本電子回路部品装着機は、図1に示すように、基板搬送装置10,基板保持装置12,それぞれ部品供給装置の一種であるフィーダ型部品供給装置14およびトレイ型部品供給装置16,装着装置18,基準マーク撮像システム20,部品撮像システム22および制御装置26(図5参照)を含み、請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着方法が実施される。
【0017】
基板搬送装置10は、システム本体としてのベッド30上に設けられ、回路基板32を水平な一方向に搬送する。基板保持装置12は基板搬送経路の途中に位置を固定して設けられ、図示は省略するが、例えば、回路基板32を下方から支持する基板支持装置と、回路基板32の基板搬送方向に平行な両縁部をそれぞれクランプするクランプ装置とを含み、基板搬送装置10により搬入された回路基板32を水平な姿勢で保持する。
【0018】
フィーダ型部品供給装置14およびトレイ型部品供給装置16は、本電子回路部品装着機では、図1に示すように、ベッド30上の、基板保持装置12に対して基板搬送方向と直交する水平方向に隔たった両側にそれぞれ設けられている。フィーダ型部品供給装置14は、部品供給具の一種であるフィーダ34を複数備えている。複数のフィーダ34はそれぞれ、各部品供給部が基板搬送方向に沿って並ぶ状態で設けられ、電子回路部品を1個ずつ順次、部品供給部に位置決めする。トレイ型部品供給装置16は、多数の収容部としての収容凹部を有するトレイ36に電子回路部品を収容して供給する装置である。本電子回路部品装着機においては、基板保持装置12と部品供給装置14,16とが並ぶ方向を第1軸方向としてのY軸方向、水平面内において第1軸と直交する第2軸に平行な方向をX軸方向とする。
【0019】
本装着装置18は、図1ないし図3に示すように、それぞれ装着ヘッドとしてのマルチノズルヘッド40およびシングルノズルヘッド42を含むとともに、ヘッド保持装置44,ヘッド移動装置46,ヘッド昇降装置48およびヘッド回転装置50を含む。ヘッド移動装置46は、図1に示すように、X軸方向移動装置54およびY軸方向移動装置56を含む。X軸方向移動装置54は、可動部材たる第1スライドとしてのX軸スライド60とX軸スライド移動装置62とを含む。X軸スライド60はY軸方向に平行に延び、フィーダ型部品供給装置14からトレイ型部品供給装置16にわたって設けられている。X軸スライド移動装置62は、駆動源たるX軸移動用モータ64と、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構66とを1対含む。Y軸方向移動装置56はX軸スライド60上に設けられ、可動部材たる第2スライドとしてのY軸スライド70とY軸スライド移動装置72とを含む。Y軸スライド移動装置72は、X軸スライド移動装置62と同様に、駆動源たるY軸移動用モータ74と送りねじ機構76(図2参照)とを含み、Y軸スライド70をX軸スライド60上においてY軸方向に移動させる。
【0020】
前記ヘッド保持装置44,ヘッド昇降装置48およびヘッド回転装置50は、図2に示すように、Y軸スライド70に設けられ、ヘッド移動装置46により水平面内の任意の位置へ移動させられる。マルチノズルヘッド40,シングルノズルヘッド42およびヘッド保持装置44等は、特開2006−261325号公報に記載のマルチノズルヘッド等と同様に構成されており、簡単に説明する。
【0021】
ヘッド保持装置44は、図2に示すように、軸状を成す装置本体80および装置本体80の下端部に一体的に設けられたヘッド保持部82とを含む。装置本体80内の通路84には、正圧と負圧とが択一的に供給される。また、装置本体80内の円環状通路86については負圧の供給が許容,遮断される。ヘッド回転装置50は回転用モータ100を駆動源とし、ヘッド保持装置44を自身の鉛直な軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させる。ヘッド昇降装置48は昇降用モータ102(図5参照)を駆動源とし、ヘッド保持装置44を鉛直方向において任意の位置へ移動させる。
【0022】
前記シングルノズルヘッド42は、図2に示すように、ノズル保持部を備えて部品保持具たる吸着ノズル110を1つ保持し、ヘッド保持装置44によって負圧により吸着されて同心状に保持される。吸着ノズル110は、通路84から供給される負圧により電子回路部品112を吸着する。
【0023】
前記マルチノズルヘッド40は、図3に示すように、ヘッド本体120,複数、本マルチノズルヘッド40においては3個以上のノズル保持部124,吸着ノズル126,ノズル保持部124の各々について設けられたバルブ装置128およびノズル昇降装置130を備え、ヘッド保持装置44によって負圧により吸着されて同心状に保持され、ノズル保持部124により吸着ノズル126が保持される。3個以上の吸着ノズル126は、ヘッド本体120の軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔を隔てて、本実施形態においては等角度間隔に保持されている。ヘッド保持装置44の通路84,86はマルチノズルヘッド40内に設けられた通路に連通させられ、バルブ装置128の切換えにより、電子回路部品の吸着時には吸着ノズル126に負圧が供給され、装着時には負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給される。複数のバルブ装置128の各切換えは、マルチノズルヘッド40の昇降に伴ってバルブ切換装置132により個々に行われる。なお、図3においては回転用モータ100の図示は省略されている。
【0024】
また、マルチノズルヘッド40の昇降に伴ってノズル昇降装置130が作動させられ、吸着ノズル126をヘッド本体120に対して昇降させ、複数の吸着ノズル126のうち、電子回路部品の吸着,装着を行う吸着ノズル126が、その他の吸着ノズル126に対して選択的に昇降させられる。ノズル昇降装置130は、バルブ切換装置132と一体的に設けられたノズル昇降装置駆動装置により作動させられる。
【0025】
前記基準マーク撮像システム20は、本電子回路部品装着機においては、図1に示すようにY軸スライド70に設けられ、回路基板32に設けられた基準マーク142を撮像する。本基準マーク撮像システム20は、撮像装置を構成するCCDカメラ144と照明装置146とを備え、ヘッド移動装置46により水平面内の任意の位置へ移動させられる。
【0026】
本電子回路部品装着機において前記部品撮像システム22は、図1に示すように、2組設けられ、一方はX軸スライド60のフィーダ型部品供給装置14と基板保持装置12との間の部分に設けられ、他方はX軸スライド60のトレイ型部品供給装置16と基板保持装置12との間の部分に設けられており、いずれも回路基板32の上方から外れた位置に配設されている。これら部品撮像システム22は同様に構成されており、それぞれ、図4に示すように、CCDカメラ148および導光装置としての反射装置150を含む撮像装置152と照明装置(図示省略)とを含む。撮像装置はCMOSカメラを含む装置とされてもよい。
【0027】
反射装置150は、図示を省略するブラケットによりX軸スライド60に固定されて取り付けられた1組の反射鏡154,156を含む。反射鏡154は、マルチノズルヘッド40およびシングルノズルヘッド42のX軸スライド60上におけるY軸方向の移動経路の真下に設けられ、反射鏡156はX軸スライド60を挟んだ反対側に反射鏡154と対向して設けられている。CCDカメラ148は、X軸スライド60の反射鏡156と対向する位置に下向きに固定されている。本部品撮像システム20は、マルチノズルヘッド40の全部の吸着ノズル126により保持された全部の電子回路部品を同時に撮像することができるものとされており、電子回路部品の正面像(電子回路部品を吸着ノズルと対向する方向から見た状態の像)を撮像する。
【0028】
さらに、本実施形態においては、ベッド30には、図1に示すように、収容部材としての収容箱160が2つ、着脱可能に取り付けられている。一方の収容箱160は、ベッド30の基板保持装置12とフィーダ型部品供給装置14との間の部分であって、X軸方向においてはフィーダ型部品供給装置14の中央部に対応する位置に設けられ、Y軸方向においてはX軸スライド60の基板保持装置12とフィーダ型部品供給装置14との間の部分に設けられた部品撮像システム22から外れた位置、本実施形態においてはフィーダ型部品供給装置14側へ外れた位置に設けられている。他方の収容箱160は、ベッド30のトレイ型部品供給装置16と基板保持装置12との間の部分であって、X軸方向においては一方の収容箱160と同じ位置に設けられ、Y軸方向においてはX軸スライド60の基板保持装置12とトレイ型部品供給装置16との間の部分に設けられた部品撮像システム22から外れた位置、本実施形態においてはトレイ型部品供給装置16側へ外れた位置に設けられている。2つの収容箱160が設けられた位置がそれぞれ解放位置である。
【0029】
前記制御装置26は、図5に示すように、CPU170,ROM172,RAM174およびそれらを接続するバス176を含む装着制御コンピュータ180を主体とするものであり、入・出力部182には、CCDカメラ144,148の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ184が接続され、制御装置26を構成している。入・出力部182にはまた、駆動回路190を介してX軸移動用モータ64等、種々のアクチュエータ等が接続されるとともに、制御回路192を介して表示画面194が接続され、制御回路192と共に表示装置196を構成している。本電子回路部品装着機においては、各種装置の駆動源を構成する電動モータの多くはエンコーダ付サーボモータにより構成されており、エンコーダ198は、1つを図5に代表的に示すように入・出力部182に接続されている。サーボモータは、回転角度の正確な制御が可能な電動回転モータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよく、リニアモータを用いてもよい。また、ROM172には、図示を省略するメインルーチン,図6にフローチャートで表す部品装着プログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。
【0030】
以上のように構成された電子回路部品装着機の作動を説明する。
マルチノズルヘッド40による電子回路部品の装着時には、図6に示す部品装着プログラムが実行される。まず、ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)が実行され、マルチノズルヘッド40が部品供給装置、例えば、フィーダ型部品供給装置14へ移動させられて電子回路部品を受け取る。3個以上の吸着ノズル126は、マルチノズルヘッド40の回転により順次、予め設定された部品受取位置へ移動させられるとともに、フィーダ34の部品供給部上に位置決めされ、マルチノズルヘッド40の昇降により、ヘッド本体120に対して昇降させられるとともに、フィーダ34に接近,離間させられ、電子回路部品を吸着し、フィーダ34から取り出す。
【0031】
全部の吸着ノズル126が電子回路部品を装着することが予定されているとする。全部の吸着ノズル126が電子回路部品を吸着した後、S2が実行され、全部の電子回路部品が部品撮像システム22により同時に撮像される。マルチノズルヘッド40は、電子回路部品の受取り後、全部の電子回路部品を保持して基板保持装置12へ一緒に搬送するが、X軸スライド60のフィーダ型部品供給装置14と基板保持装置12との間の部分に設けられた部品撮像システム22の反射境154の上方を必ず通り、吸着ノズル126により保持された電子回路部品が回路基板32の上方へ搬送される途中において撮像される。撮像は、マルチノズルヘッド40が移動したままの状態で行われてもよく、停止して行われ、撮像後、直ちに移動が再開されてもよい。
【0032】
撮像により取得された画像データは画像処理コンピュータ184により処理される。画像処理は、撮像後、マルチノズルヘッド40の基板保持装置12への移動中に行われ、全部の吸着ノズル126についてそれぞれ、電子回路部品の保持の有無および保持状態が検出されるとともに、吸着ノズル126による電子回路部品の保持位置誤差が算出される。例えば、電子回路部品の吸着ノズル126に対するずれが設定量以上である場合、電子回路部品の像がCCDカメラ148の撮像面からはみ出している場合、電子回路部品の像の形状が予定された形状とは異なっていて、電子回路部品が立ったり、傾いたりした姿勢で保持されていると推定される場合には、保持状態が不安定であるとされる。保持位置誤差には、吸着ノズル126の移動平面内たる水平面内において互いに直交する2方向であるX軸,Y軸方向における各位置誤差および電子回路部品の軸線まわりの位置誤差である回転位置誤差が含まれる。
【0033】
撮像後、S3が実行され、画像処理コンピュータ184による画像処理結果に基づいて、全部の吸着ノズル126が電子回路部品を保持しているか否かの判定が行われる。例えば、吸着ノズル126が電子回路部品を吸着し損なった場合、吸着したが撮像位置へ移動するまでの間に吸着ノズル126から外れた場合には、電子回路部品を保持していない吸着ノズル126があるため、S4が実行され、その他の処理が行われる。例えば、マルチノズルヘッド40がフィーダ型部品供給装置14へ戻され、電子回路部品を保持していない吸着ノズル126に再度、電子回路部品を吸着させる等の処理が行われる。そして、S2が実行される。
【0034】
全部の吸着ノズル126が電子回路部品を保持していれば、S5において保持状態が不安定な電子回路部品があるか否かの判定が行われ、なければS6が実行され、マルチノズルヘッド40が回路基板32の部品装着箇所へ移動させられ、電子回路部品を回路基板32に装着する。装着時には、マルチノズルヘッド40の移動位置の修正および回転により、吸着ノズル126による電子回路部品の保持位置誤差と、基準マーク撮像システム20による基準マーク142の撮像により得られた部品装着箇所のX軸,Y軸方向の各位置誤差および回転位置誤差とが修正され、マルチノズルヘッド40の昇降により吸着ノズル126が昇降させられて電子回路部品を回路基板32に装着する。
【0035】
吸着ノズル126による保持状態が不安定な電子回路部品があれば、S7が実行され、電子回路部品が再度、部品撮像システム22により撮像される。マルチノズルヘッド40はY軸方向においては部品撮像システム22へ移動させられ、電子回路部品が撮像される。保持状態が不安定な電子回路部品は回路基板32に装着されず、収容箱160に収容されるべきであるため、マルチノズルヘッド40はX軸方向においては収容箱160へ移動させられる。2回目の撮像は、本実施形態では電子回路部品を1回目に撮像した部品撮像システム22により行われ、電子回路部品は、2回目の撮像を行う部品撮像システム22にY軸方向において近い方の収容箱160であって、基板保持装置12に対してY軸方向において同じ側に位置する収容箱160に収容される。ただし、2つの部品撮像システム22のうち、S5の判定結果がYESになった時点で、マルチノズルヘッド40にY軸方向において近い方の部品撮像システム22により電子回路部品が撮像され、その部品撮像システム22と基板保持装置12に対してY軸方向において同じ側に位置する収容箱160に電子回路部品が収容されるようにしてもよい。撮像は、できる限り収容箱160に近く、かつ、マルチノズルヘッド40が収容箱160に到達するまでに画像処理が完了する位置において行われることが望ましい。
【0036】
撮像後、画像データが処理され、初回の撮像により、電子回路部品の保持状態が不安定であることが検出された吸着ノズル126について、電子回路部品が保持されているか否かが調べられる。そして、S8が実行され、不安定部品が落下しているか否かの判定が行われる。吸着ノズル126が不安定部品を保持していなければ、初回の撮像から2回目の撮像までの間に不安定部品が落ちたのであり、S9が実行され、その旨が表示画面194に表示されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。2回目の撮像後、電子回路部品の保持状態が安定とされた吸着ノズルも含めて、全部の吸着ノズルについて電子回路部品が落下しているか否かの判定が行われてもよい。少なくとも不安定部品が落下しているか否かの判定が行われればよいのである。
【0037】
不安定部品の落下がなければ、S10が実行される。マルチノズルヘッド40は、Y軸方向においては部品撮像システム22を通って収容箱160上へ到達し、電子回路部品の装着時と同様に昇降させられる。それにより、吸着ノズル126への負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給され、不安定部品が解放されて収容箱160に収容される。
【0038】
電子回路部品の解放後、S11が実行され、マルチノズルヘッド40により保持されている電子回路部品が部品撮像システム22によりさらに撮像される。マルチノズルヘッド40はY軸方向において部品撮像システム22へ移動させられて電子回路部品が撮像され、電子回路部品を解放した吸着ノズル126以外の全部の吸着ノズル126について、初回の撮像時と同様に電子回路部品の保持の有無の検出および保持位置誤差の算出が行われる。この撮像は、本実施形態においては、Y軸方向において基板保持装置12に対して収容箱160と同じ側に設けられた部品撮像システム22、ここでは初回の撮像を行った部品撮像システム22により行われる。
【0039】
そして、S12が実行され、電子回路部品の落下があるか否かの判定が行われ、落下がなければ、S6が実行されて電子回路部品が回路基板32に装着される。この際、S11の撮像により得られた保持位置誤差が修正される。それにより、S11の撮像までに電子回路部品の保持位置がずれた場合でも、保持位置誤差の修正が適正に為される。落下した電子回路部品があればS13が実行され、その旨が表示装置196により報知されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。なお、部品解放後の撮像に基づいて、電子回路部品を解放した吸着ノズルについても電子回路部品の保持の有無が検出されてもよい。それにより、例えば、吸着ノズルが不安定部品を正常に解放したか否かがわかる。また、不安定部品解放後の撮像により得られる画像データに基づいて、不安定部品があるか否かの判定が行われ、あれば、収容箱に収容されるようにしてもよい。さらに、不安定部品解放後の撮像により得られる画像データに基づいて、電子回路部品の保持の有無のみが検出され、電子回路部品の装着時には、S2の撮像に基づいて取得された保持位置誤差が修正されるようにしてもよい。
【0040】
シングルノズルヘッド42によって電子回路部品が回路基板32に装着される場合には、図6に示す部品装着プログラムのS1〜S10と同様のステップを含む部品装着プログラムが実行される。
【0041】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、2つの部品撮像システム22の各撮像装置152がそれぞれ、第1,第2光学検出装置としての第1,第2撮像装置を構成し、装着制御コンピュータ240のS2,S5,S6を実行する部分が通常制御部を構成し、S5,S7〜S9を実行する部分が異常時制御部を構成し、S10を実行する部分が解放制御部を構成し、S11〜S13を実行する部分が第2異常時制御部を構成し、画像処理コンピュータ184が画像処理部を構成している。
【0042】
別の実施形態を説明する。
本実施形態においては、図7に示すように、複数の装着モジュール300が複数、共通で一体のベース302上に互いに隣接して1列に配列され、電子回路部品装着システムを構成している。複数の装着モジュール300はそれぞれ、請求可能発明の電子回路部品装着機に相当し、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0043】
装着モジュール300については、例えば特開2004−104075号公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
装着モジュール300は、図8に示すように、装着機本体としてのモジュール本体304,基板搬送装置306,基板保持装置308,部品供給装置310,装着装置312,基準マーク撮像システム314(図9参照),部品撮像システム316および制御装置318を備えている。
【0044】
基板搬送装置306は、図8に示すように、モジュール本体304を構成する基台部328に設けられた基板コンベヤ324,326を備え、回路基板330を水平な一方向に搬送する。本実施形態においては、基板搬送方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。基板保持装置308は2つの基板コンベヤ324,326の各々について設けられ、それぞれ、例えば、前記基板保持装置12と同様に構成されている。部品供給装置310は、例えば、フィーダ型部品供給装置とされ、基台部328の基板保持装置308に対してY軸方向の一方の側に設けられている。
【0045】
装着装置312は、図8および図9に示すように、装着ヘッド340と、その装着ヘッド340を移動させるヘッド移動装置342とを備えている。ヘッド移動装置342は装着ヘッド340を、回路基板330の部品装着面に平行な一平面内において互いに直交する2方向へ移動させる。本実施形態においては、その2方向の一方がX軸方向、他方がY軸方向であり、ヘッド移動装置342は、図9に示すように、X軸方向移動装置344およびY軸方向移動装置346を備えている。Y軸方向移動装置346は、モジュール本体304を構成するビーム部348に、部品供給装置310の部品供給部と2つの基板保持装置308とに跨って設けられたリニアモータ350を備え、可動部材としてのY軸スライド352をY軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0046】
X軸方向移動装置344はY軸スライド352に設けられ、Y軸スライド352に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる可動部材としての第1,第2X軸スライド354,356と、それらスライド354,356をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置358(図9には第2X軸スライド356を移動させる移動装置358のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、エンコーダ付サーボモータと送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド354,356をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0047】
装着ヘッド340は、第2X軸スライド356に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置342により、部品供給装置310の部品供給部と2つの基板保持装置308とに跨る装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド340は、図10に示すように、吸着ノズル360によって電子回路部品を保持するものとされており、保持具保持部たるノズルホルダ362,ホルダ昇降装置364,ホルダ回転装置366および正負圧選択供給装置(図示省略)を備えている。図8〜図10に示す装着ヘッド340は、回転体368により吸着ノズル360を複数、例えば、3個以上、保持するものであり、回転体368が回転体駆動装置369によって回転させられることにより、複数の吸着ノズル360が順次、予め設定された部品受取装着位置へ移動させられる。
【0048】
前記基準マーク撮像システム314は、前記基準マーク撮像システム20と同様に構成されて第2X軸スライド356に搭載され、回路基板330に設けられた基準マークを撮像する。また、前記部品撮像システム316は、図8に示すように、撮像装置としてのCCDカメラ370および照明装置372を備え、複数の吸着ノズル360により保持された全部の電子回路部品を1度に撮像し得るものとされている。部品撮像システム316は、基台部328の基板保持装置308と部品供給装置310との間の部分であって、部品供給装置310の、基板保持装置308と部品供給装置310とが並ぶ方向と水平面内において直交する方向に平行な方向における中央部に対応する部分に位置を固定して設けられている。
【0049】
基台部328にはまた、図8に示すように、収容箱380が設けられている。本収容箱380は、基台部328の基板保持装置306と基板供給装置310との間の部分であって、部品撮像システム316にX軸方向に隣接する部分に固定され、着脱可能に設けられている。
【0050】
制御装置318は、図8に概念的に示すように、前記制御装置28と同様に装着制御コンピュータ390を主体として構成されており、駆動回路(図示省略)を介して、基板搬送装置306の駆動源等を制御するとともに、表示装置392を構成する表示画面394を制御する。また、CCDカメラ370等の撮像により得られた画像データは画像処理コンピュータ400により処理される。
【0051】
装着モジュール300において、吸着ノズル360を複数保持した装着ヘッド340により電子回路部品の回路基板330への装着が行われる場合には、前記図6に示す部品装着プログラムと同様のプログラムが実行される。但し、部品撮像システム316が位置を固定して1つ、設けられているため、S2,S7,S11の各々に相当するステップのいずれの実行による電子回路部品の撮像時にも、装着ヘッド340は部品撮像システム316上へ移動させられて電子回路部品が撮像される。そして、不安定部品検出後の撮像後、不安定部品が落下していなければ、装着ヘッド340は収容箱380上において吸着ノズル360に不安定部品を解放させ、収容箱380に収容させる。
【0052】
電子回路部品の検出は、1回目と2回目とで異なる光学検出装置により行われてもよく、2回目の検出は吸着ノズルの軸線と直交する方向から行われてもよい。その実施形態を図11に基づいて説明する。
本電子回路部品装着機は、電子回路部品を吸着ノズルの軸線と直交する方向から撮像する側方側部品撮像システム450が設けられていることを除いて、図1〜図6に示す電子回路部品装着機と同様に構成されている。側方側部品撮像システム450はY軸スライド70に搭載され、マルチノズルヘッド40あるいはシングルノズルヘッド42と共に移動させられる。側方側部品撮像システム450は、未だ公開されていないが、本出願人の出願に係る特願2008−004720の明細書に記載されている側方側部品撮像システムと同様に構成されており、簡単に説明する。
【0053】
側方側部品撮像システム450は、ヘッド保持装置44に保持されたマルチノズルヘッド42の回転軌跡およびバルブ切換装置132の旋回軌跡の外側に設けられている。側方側部品撮像システム450は、側方側部品撮像装置452および照明装置454を含む。側方側部品撮像装置452はCCDカメラ456および導光装置458を含み、撮像中心線が水平に、かつヘッド回転軸線と直交する状態に設けられている。側方側部品撮像装置452は、吸着ノズル126の軸線に平行な方向である高さ(鉛直)方向においては、部品受取り時における上昇端位置へ上昇させられたマルチノズルヘッド40の吸着ノズル126により保持された電子回路部品を、その本体部の下面に平行な真横の位置から撮像する位置に設けられている。照明装置454は、複数のLED(Light Emitting Diode)460を含む。導光装置456は、複数のプリズム462を含み、電子回路部品から反射された像形成光の方向を転換させ、CCDカメラ456に水平に入光させる。なお、図11においては回転用モータ100の図示は省略されている。
【0054】
本電子回路部品装着機においてマルチノズルヘッド42による電子回路部品の回路基板32への装着は、図6に示す部品装着プログラムと同様のプログラムに従って行われるが、S2,S11に対応するステップの実行による電子回路部品の撮像は、部品撮像システム22により行われ、S7に対応するステップの実行による電子回路部品の撮像が側方側部品撮像システム450により行われる。そのため、3個以上の吸着ノズル126のうち、電子回路部品の保持状態が不安定であることが検出された吸着ノズル126は、マルチノズルヘッド42の回転により側方側部品撮像装置452と対向する位置(吸着ノズル126の軸線が、CCDカメラ456の撮像中心線と直交する状態となる位置)へ移動させられ、真横から撮像される。それにより得られた画像データに基づいて不安定部品が吸着ノズル126により保持されているか否かが検出される。側方側部品撮像システム450による電子回路部品の撮像は、不安定部品の検出後、任意の時期に行うことができ、マルチノズルヘッド40が収容箱160に近い位置に位置する状態で行うことができる。
本実施形態においては、Y軸スライド70のマルチノズルヘッド40あるいはシングルノズルヘッド42を保持する部分が可動部材を構成し、ヘッド移動装置46がその可動部材を移動させる移動装置を構成すると考えてもよく、Y軸スライド70が可動部材を構成し、ヘッド移動装置46のY軸スライド70以外の部分(Y軸スライド移動装置72,X軸スライド60,X軸スライド移動装置62)が移動装置を構成すると考えてもよい。
【0055】
なお、光学検出装置は、例えば、未だ公開されていないが、本出願人の出願に係る特願2009−4124の明細書に記載の撮像装置のように、装着ヘッドに設けてもよい。
【0056】
また、撮像装置はラインセンサを含む装置とされてもよい。ラインセンサは、複数の撮像素子が1列に並べられて成り、ラインセンサによる撮像と電子回路部品の移動とによって電子回路部品の二次元像が得られる。さらに、撮像装置により、電子回路部品のシルエット像が撮像されるようにしてもよい。
【0057】
さらに、装着装置が複数の吸着ノズルを保持する装着ヘッドを備える場合、それら吸着ノズルは一列にあるいは複数列に並べられた状態で保持されてもよく、例えば、基板保持装置と部品供給装置とが並ぶ方向に平行な直線と水平面内においてその直線と直交する直線との少なくとも一方に沿って並べられる。
【符号の説明】
【0058】
12:基板保持装置 14:フィーダ型部品供給装置 16:トレイ型部品供給装置 18:装着装置 22:部品撮像システム 26:制御装置 32:回路基板 40:マルチノズルヘッド 126:吸着ノズル 160:収容箱 196:表示装置 308:基板保持装置 310:部品供給装置 312:装着装置 316:部品撮像システム 318:制御装置 330:回路基板 340:装着ヘッド 360:吸着ノズル 380:収容箱 392:表示装置 450:側方側部品撮像システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放し、保持状態が不安定であることを発見しない場合に前記回路基板に装着する方法であって、
前記第1光学検出装置の検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を前記解放の前に第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことを特徴とする電子回路部品装着方法。
【請求項2】
前記電子回路部品装着機として、複数の吸着ノズルを保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備えたものを使用し、前記保持状態が不安定であることを発見した電子回路部品の解放後、前記第1光学検出装置または前記第2光学検出装置により前記複数の電子回路部品の検出を行い、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行う請求項1に記載の電子回路部品装着方法。
【請求項3】
回路基板を保持する基板保持装置と、
電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、
オペレータに対する報知を行う報知装置と
前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置と
を含み、その制御装置が、
前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、
前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、
前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【請求項4】
前記装着装置が、前記吸着ノズルを複数保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備え、
前記通常制御部が、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つに前記複数の吸着ノズルに保持された複数の電子回路部品を検出させ、それら複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがないことを検出した場合に、前記装着装置に、それら複数の電子回路部品を回路基板に装着させるものであり、
前記異常時制御部が、前記複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがあることを検出した場合に、少なくともその電子回路部品を、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行うものであり、
前記解放制御部が、前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせるものであり、
かつ、前記制御装置が、さらに、前記解放制御部の制御による電子回路部品の解放後に、前記1つ以上の光学検出装置の1つに前記複数の電子回路部品の検出を行わせ、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記装着装置の作動を停止させることとの少なくとも一方を行う、第1異常時制御部としての前記異常時制御部とは別の第2異常時制御部を含む請求項3に記載の電子回路部品装着機。
【請求項5】
前記制御装置が、前記通常制御部の制御により前記1つ以上の光学検出装置の前記1つによって取得された検出データの処理を、前記吸着ノズルの移動中に行う検出データ処理部を含む請求項3または4に記載の電子回路部品装着機。
【請求項6】
水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置とが第1軸方向に並んで設けられ、前記装着装置が、前記第1軸に平行に延びるとともにその第1軸と水平面内において直交する第2軸に平行な方向に移動する第1スライドと、その第1スライド上を前記第1軸に平行な方向に移動する第2スライドとを含み、前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドが前記第2スライドに保持され、前記光学検出装置が、前記第1スライドの前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に保持された請求項3ないし5のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
【請求項1】
電子回路部品装着機において、回路基板に装着すべき電子回路部品を部品供給装置から吸着ノズルにより受け取り、回路基板上方へ搬送する途中において、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を第1光学検出装置により検出し、その検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を解放位置まで搬送して解放し、保持状態が不安定であることを発見しない場合に前記回路基板に装着する方法であって、
前記第1光学検出装置の検出により取得された検出データの処理を前記吸着ノズルの移動中に行い、その処理の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを発見した場合に、その電子回路部品を前記解放の前に第2光学検出装置により検出し、その電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行うことを特徴とする電子回路部品装着方法。
【請求項2】
前記電子回路部品装着機として、複数の吸着ノズルを保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備えたものを使用し、前記保持状態が不安定であることを発見した電子回路部品の解放後、前記第1光学検出装置または前記第2光学検出装置により前記複数の電子回路部品の検出を行い、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記電子回路部品装着機を停止させることとの少なくとも一方を行う請求項1に記載の電子回路部品装着方法。
【請求項3】
回路基板を保持する基板保持装置と、
電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から電子回路部品を吸着ノズルにより受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
前記吸着ノズルに保持された電子回路部品を検出する1つ以上の光学検出装置と、
オペレータに対する報知を行う報知装置と
前記装着装置,前記光学検出装置および前記報知装置を制御する制御装置と
を含み、その制御装置が、
前記装着装置が前記吸着ノズルにより保持した電子回路部品を回路基板上方へ搬送する途中において、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出しない場合に、その電子回路部品を前記回路基板に装着させる通常制御部と、
前記光学検出装置による検出の結果に基づいて電子回路部品の保持状態が不安定であることを検出した場合に、その電子回路部品を前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行う異常時制御部と、
前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせる解放制御部と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【請求項4】
前記装着装置が、前記吸着ノズルを複数保持し、それら複数の吸着ノズルにより複数の電子回路部品を保持して一緒に搬送する装着ヘッドを備え、
前記通常制御部が、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つに前記複数の吸着ノズルに保持された複数の電子回路部品を検出させ、それら複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがないことを検出した場合に、前記装着装置に、それら複数の電子回路部品を回路基板に装着させるものであり、
前記異常時制御部が、前記複数の電子回路部品の中に保持状態が不安定なものがあることを検出した場合に、少なくともその電子回路部品を、前記1つ以上の光学検出装置の前記1つあるいは別の1つに検出させ、その検出結果に基づいてその電子回路部品が前記吸着ノズルに保持されていないことを検出した場合に、その事実を前記報知装置に報知させることと、前記装着装置に作動を停止させることとの少なくとも一方を行うものであり、
前記解放制御部が、前記通常制御部の制御により保持状態が不安定であることが検出された電子回路部品が、前記異常時制御部の制御により未だ前記吸着ノズルに保持されていることが検出された場合に、前記装着装置に前記電子回路部品の解放作動を行わせるものであり、
かつ、前記制御装置が、さらに、前記解放制御部の制御による電子回路部品の解放後に、前記1つ以上の光学検出装置の1つに前記複数の電子回路部品の検出を行わせ、その検出結果に基づいて、前記解放した電子回路部品以外の電子回路部品のうちに無くなったものがあることを発見した場合に、その事実をオペレータに報知することと、前記装着装置の作動を停止させることとの少なくとも一方を行う、第1異常時制御部としての前記異常時制御部とは別の第2異常時制御部を含む請求項3に記載の電子回路部品装着機。
【請求項5】
前記制御装置が、前記通常制御部の制御により前記1つ以上の光学検出装置の前記1つによって取得された検出データの処理を、前記吸着ノズルの移動中に行う検出データ処理部を含む請求項3または4に記載の電子回路部品装着機。
【請求項6】
水平方向に関して前記基板保持装置と前記部品供給装置とが第1軸方向に並んで設けられ、前記装着装置が、前記第1軸に平行に延びるとともにその第1軸と水平面内において直交する第2軸に平行な方向に移動する第1スライドと、その第1スライド上を前記第1軸に平行な方向に移動する第2スライドとを含み、前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドが前記第2スライドに保持され、前記光学検出装置が、前記第1スライドの前記基板保持装置と前記部品供給装置との間の位置に保持された請求項3ないし5のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−124276(P2011−124276A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278688(P2009−278688)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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