電子回路部品装着機および電子回路部品装着システム
【課題】共通のベース上に配列された複数の装着モジュールの各々がそれぞれ分担の電子回路部品を装着する装着システムの設置位置の自由度を向上させる。
【解決手段】それぞれ基板搬送保持装置,部品供給装置,装着装置を備えた各装着モジュール10のモジュール本体18を、ベッド36と前後のコラム38,40とクラウン42とを備えたものとし、ベッド36内に装着モジュールのCPUボックス120,制御ボックス122,サーボボックス124等を収納し、それらが作動に伴って発生する熱により加熱された空気を、後コラム40内に形成した排気通路138を経てクラウン42の上面から上方へ排出させることにより排熱を行う。複数の装着モジュールを支持するベース内にも電気制御装置や補機を収納し、ベース内の空気もコラムを経て上方へ排出させてもよい。
【解決手段】それぞれ基板搬送保持装置,部品供給装置,装着装置を備えた各装着モジュール10のモジュール本体18を、ベッド36と前後のコラム38,40とクラウン42とを備えたものとし、ベッド36内に装着モジュールのCPUボックス120,制御ボックス122,サーボボックス124等を収納し、それらが作動に伴って発生する熱により加熱された空気を、後コラム40内に形成した排気通路138を経てクラウン42の上面から上方へ排出させることにより排熱を行う。複数の装着モジュールを支持するベース内にも電気制御装置や補機を収納し、ベース内の空気もコラムを経て上方へ排出させてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品を回路基板に装着して電子回路を組み立てる電子回路部品装着機あるいは電子回路部品装着システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子回路部品装着機(以下、特に必要がない場合には装着機と略称する)は、例えば下記特許文献1に記載されているように、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含むように構成される。また、このような電子回路部品装着機を複数台、装着モジュールとして共通のベース上に並べるとともに、その並び方向と直角な方向にベースに対して移動可能とした電子回路部品装着システム(以下、特に必要がない場合には装着システムと略称する)が下記特許文献1に記載されている。
これら装着機や装着モジュールは自動運転可能に構成され、電気制御装置を備えるが、これら電気制御装置の多くは本体フレームのベッド内に配設されることが多い。例えば、ベッド内には、CPUボックス,制御ボックス,サーボボックス等が配設されるが、これらは作動に伴って相当発熱する。従来は、ベッド内部の空気をベッドの側壁,後壁,底壁等に形成した排気口から側方,後方あるいは下方へ排出することにより、ベッド内部に新たな空気を流入させ、ベッド内部を換気することによって排熱が行われていた。下記特許文献2に記載のものがその一例である。この特許文献2に記載の装着機においては、ベッド内部に、過熱により誤動作の恐れがあるコントローラ,発熱量の多いドライバおよび電磁波を発生させて周辺の機器に悪影響を与える恐れのあるトランスを、それぞれ別個のコントローラ室,ドライバ室およびトランス室に配設し、各室に換気装置を備えて、側方への排気により排熱を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−111425号公報
【特許文献2】特開2004−104075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、側方や後方への排気は、装着機の設置場所に制約を与える。例えば、側方へ排気する装着機は、複数の装着機を配列してラインを構成する際、装着機同士を近接させてラインの長さを短くすることを妨げる。また、後方への排気は、装着機を壁際に設置することや、背面が近接する状態で背中合わせに配置することを妨げる。また、前方への排気は作業者に不快感を与え、下方への排気は床面の埃等を巻き上げるため望ましくない。同様な問題は、上記装着システムの装着モジュールにおいても生じる。この場合には、側方への排気は無理であるため、後方へ排気されるのが普通であるが、装着システムを壁際に設置したり、背中合わせに設置したりすることができないのである。このように、従来の装着機や装着システムには未だ改良の余地がある。
本発明は以上の事情を背景として、設置場所の制約が少ないなど、実用性に優れた装着機あるいは装着システムを得ることを課題として為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明によって、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含む電子回路部品装着機が得られる。
また、それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、複数の装着モジュールの各々が、ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むものが得られる。
【発明の効果】
【0006】
本体フレームの下部を構成するベッドの内部は電気制御装置を収納するのに絶好のスペースであるが、実際に電気制御装置を収納すれば、ベッド内において多量の熱が発生することを避け得ない。電気制御装置の中にはコントローラのように温度が高くなると誤作動を生じ易いものがあるため、ベッドの排熱性を良好にすることは、電気制御装置自体のためにも必要である。さらに、ベッドは本体フレームの基礎を成すものであるため、ベッド自体の温度が高くなれば、本体フレームの熱歪みが大きくなり、装着機あるいは装着システムの電子回路部品の装着精度低下の原因になるため、ベッドの排熱性を良好にすることは精度確保のためにも重要な問題である。
【0007】
その点、本発明に従えば、ベッド内で発生した熱を良好に装着機あるいは装着システムの外部に排出することができ、電気制御装置の誤作動を防止し、あるいは寿命を延長することができる。しかも、多量の熱を含んだ空気は、上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上方へ排出されるため、装着機あるいは装着システムを、他の装着機や装着システムあるいは壁に近接させて設置することができ、工場内におけるレイアウトの自由度が向上し、作業スペースの有効利用を図ることが可能となる。また、上方へ排出された空気は比重が小さいため作業スペースの上方に集まり、作業スペース外へ容易に排気することができ、良好な作業環境を維持することが容易となる。
【発明の態様】
【0008】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0009】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(6)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(8)項が請求項6に、(9)項が請求項7に、(13)項が請求項8に、それぞれ相当する。
【0010】
(1)回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電気部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
(2)前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(1)項に記載の電子回路部品装着機。
コラムはベッドとクラウンとの間において上下方向に延び、重量の増加を抑制しつつ剛性を高めるために中空とされるのが普通であるため、その内部は排気通路として絶好のものである。
(3)それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
複数の装着モジュールは、回路基板の搬送方向においてできる限り近接させて配置することが望ましいため、ベッドの側方への排気が不可能であるため、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(4)前記複数の装着モジュールの各々の前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(3)項に記載の電子回路部品装着システム。
(5)前記ベッド内空気排出装置が、前記コラムの入口側と出口側との少なくとも一方にファンを備えた(4)項に記載の電子回路部品装着システム。
排気通路は上下方向に延びており、比重の小さい暖かい空気は自然に排気通路内を上昇するため、ファンを設けることは不可欠ではないが、ファンを設けて積極的に空気の流れを生じさせれば、ベッド内に発生する熱を特に良好に排出することができる。
(5)項ないし(8)項に記載の特徴は、前記(1)項または(2)項に記載の電子回路部品装着機にも適用可能である。
(6)前記装着装置が、前記電気部品を保持する保持ヘッドと、その保持ヘッドを前記基板搬送保持装置により保持された回路基板の表面に平行なXY座表面の任意の位置へ移動させるXYロボットとを含み、そのXYロボット周辺の空気を上向きに排出するクラウン内空気排出装置を含む(4)項または(5)項に記載の電子回路部品装着システム。
XYロボットの駆動源たるリニアモータや回転電動モータも作動に伴って発熱するために、クラウン内部の空気も積極的に上方へ排出することが望ましい。
(7)前記複数の装着モジュールの各々が、前記本体フレームの前部と後部との両方に前記コラムを有し、前記ベッド内空気排出装置が後部のコラムの内部を経て前記ベッド内の空気を排出する(4)項ないし(6)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
前部のコラムを排気通路として利用することも可能である。しかし、前部には部品供給装置が設けられ、できる限り多種類の電子回路部品を供給可能とするために幅の広いものとされることが望ましいため、前部のコラムを太くすることが困難であり、その制約のない後部のコラムの方が排気通路に適している。
(8)前記複数の装着モジュールから成る装着モジュール列が、それら装着モジュールの背面において、作業者が入り得ない大きさの隙間を隔てて互いに対向する状態で設置された(3)項ないし(7)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
本項の構成を採用すれば、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(9)さらに、前記複数の装着モジュールを、それら複数の装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持するベースを含む(3)ないし(8)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
複数の装着モジュールを回路基板の搬送方向において互いに近接して配列すれば、各装着モジュールの装着装置等、作業スペース内の装置へのアクセスが困難または不可能になる。それに対し、複数の装着モジュールをベースに、それら装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持させれば、必要に応じて装着モジュールを移動させ、内部の装置へのアクセスを容易に行うことができる。
(10)前記ベースの内部に前記複数の装着モジュールの運転に必要な補機が配設され、かつ、当該電気部品装着システムが前記ベースの内部の空気をそのベースの外部に排出するベース内空気排出装置を含む(9)項に記載の電子回路部品装着システム。
ベースの内部に、装着モジュールの運転に必要なバキュームポンプ,トランスをはじめとする種々の補機を収納することは望ましいことであるが、これら補機も作動に伴って発熱する。この熱により加熱された空気をベース内空気排出装置により排出することが望ましい。ベース内部に電気制御装置を配設することも可能である。ベースは複数の装着モジュールに共通のものであるため、内部スペースの使用の自由度が大きく、また、複数の装着モジュール用の補機や電気制御装置を一体化することも可能であるため、内部スペースの利用効率を上げることが容易である。
(11)前記ベース内空気排出装置が、前記ベースの底板に形成された排気口からベース内の空気を排出するものである(10)項に記載の電子回路部品装着システム。
(12)前記ベース内空気排出装置が、前記ベース内の空気を、前記複数の装着モジュールの少なくとも一部のものの前記排気通路を経て前記クラウンから上向きに排出するものである(10)項に記載の電子回路部品装着システム。
(13)回路基板を保持する基板保持装置と、その回路基板保持装置の両側に設けられてそれぞれ電子回路部品を供給する2つの部品供給装置と、それら部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
上記装着装置は2つの部品供給装置に対して1つ設けられるのみでもよいが、2つの部品供給装置の各々に対して装着装置が1つずつ設けられることが望ましい。
(14)前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドの前記基板保持装置の両側の部分からそれぞれ立ち上がった第1コラムおよび第2コラムと、それら第1,第2コラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記第1コラムと前記第2コラムとの少なくとも一方を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(13)項に記載の電子回路部品装着機。
(15)前記基板保持装置,前記2つの部品供給装置および前記装着装置を1ユニットとして、2ユニットが、前記基板保持装置が横に並ぶ状態で配設され、前記本体フレームが、前記ユニットに共通のベッドと、前記2ユニットの間の位置において、前記基板保持装置の並び方向と直交する方向に延びるクラウンと、前記ベッドからそれぞれ立ち上がり前記クラウンの両端部をそれぞれ支持する第1コラムおよび第2コラムとを含み、それら第1,第2コラムの少なくとも一方の内部が前記排気通路とされた(13)項に記載の電子回路部品装着機。
(16)それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
本項の複数の装着モジュールの各々を、上記(14)項または(15)項に記載の電子回路部品装着機と同様の構成とすることが可能である。
(20)回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記基板保持装置が、
前記回路基板の背面を支持する複数のバックアップ部材と、
それらバックアップ部材を支持するバックアッププレートと、
そのバックアッププレートを着脱可能に支持する支持台と、
前記バックアッププレートに設けられ、そのバックアッププレートの着脱時に作業者によって持たれる取っ手と
を含む電子回路部品装着機。
(20)項ないし(26)項の各々の電子回路部品装着機を、前記(3)項ないし(12)項,(16)項のいずれかに記載の装着モジュールとすることも可能である。
(21)前記取っ手が、前記バックアッププレートに、そのバックアッププレートの表面に平行な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられた(20)項に記載の電子回路部品装着機。
(22)前記取っ手が、前記バックアッププレートの表面から突出しない収納姿勢と、前記バックアッププレートの表面から突出した起立姿勢とに回動可能である(20)項または(21)項に記載の電子回路部品装着機。
(23)前記取っ手が、位置決め突起を、前記収納姿勢にある状態では、前記支持台に設けられた位置決め凹部に嵌入して前記バックアッププレートを前記支持台に対して位置決めし、前記起立姿勢にある状態では、前記位置決め凹部から離脱する状態で備えた(22)項に記載の電子回路部品装着機。
(24)前記取っ手が、押離し突起を、前記収納姿勢にある状態では前記支持台から離間しており、前記起立姿勢にされるのに伴って前記支持台に当接してその支持台から前記バックアッププレートを押し離す状態で備えた(22)項または(23)項に記載の電子回路部品装着機。
(25)前記支持台が、その支持台の支持面に平行な方向に互いに隔たって設けられた第1位置決め部および第2位置決め部を備え、前記バックアッププレートが、それら第1位置決め部および第2位置決め部にそれぞれ対応する第3位置決め部および第4位置決め部を備え、第3位置決め部が前記第1位置決め部と係合するとともに、前記第2位置決め部と前記第4位置決め部との一方が、それら第2位置決め部と第4位置決め部との他方に設けられた係合凹部にスナップアクションで係合し、前記第3位置決め部を前記第1位置決め部に押し付けるとともに、前記バックアッププレートを前記支持台の前記支持面に押し付ける弾性係合突部を備えた(20)項ないし(23)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(26)前記支持台が、その支持台の支持面に平行な方向に互いに隔たって設けられた第1位置決め部および第2位置決め部を備え、前記バックアッププレートが、それら第1位置決め部および第2位置決め部にそれぞれ対応する第3位置決め部および第4位置決め部を備え、第3位置決め部が前記第1位置決め部と係合するとともに、前記第2位置決め部と前記第4位置決め部との一方が、それら第2位置決め部と第4位置決め部との他方に設けられた係合凹部にスナップアクションで係合し、一方、第4位置決め部が第2位置決め部に形成された係合凹部にスナップアクションで係合し、前記第3位置決め部を前記第1位置決め部に押し付けるとともに、前記バックアッププレートを前記支持台の前記支持面に押し付ける弾性係合突部を備え、かつ、前記取っ手が、押離し突起を、前記収納姿勢にある状態では前記支持台から離間しており、前記起立姿勢にされるのに伴って前記支持台に当接してその支持台から前記バックアッププレートを、前記弾性係合突部の前記係合凹部との係合力に打ち勝って押し離す状態で備えた(20)項ないし(23)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(30)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールを着脱可能に支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記ベースが、
そのベースの底部の水平方向に互いに隔たった3箇所以上にそれぞれ設けられ、そのベースの高さを調節する3つ以上のレベリング装置と、
それら3つ以上のレベリング装置のうちの少なくとも1つに近接した前記ベースの壁部に、当該ベースの内側から前記レベリング装置の操作を行うことを可能とする大きさで形成された開口と
を備えたことを特徴とする電子回路部品装着システム。
上記ベースの壁部は、側壁部と底壁部との一方でも、両方でもよい。後者の場合は側壁部と底壁部とに跨って1つの開口を形成しても、側壁部と底壁部とにそれぞれ開口を形成してもよい。
(31)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールを支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記ベースが四角形の平面視形状を有し、かつ、その四角形の4つの辺の少なくとも1つに対応する位置に、それぞれ機械加工された、鉛直な位置決め基準面と水平な位置決め基準面とを有することを特徴とする電子回路部品装着システム。
(32)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールをそれら複数の装着モジュールの並び方向と直交する方向に個別に移動可能に支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールの間の複数の隙間の少なくとも1つに、前記基板コンベヤによる回路基板の搬送を許容しつつ、両側の装着モジュールの側方へ開いた開口を覆う状態で配設された仕切板と、
前記ベースに設けられ、前記仕切板を前記隙間に沿って移動可能に案内する仕切板ガイドと、
前記仕切板を前記ベースに固定する仕切板固定装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】請求可能発明の一実施形態である装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記装着システムの構成要素である装着モジュールの構成を一部のカバーを除去して示す斜視図である。
【図3】上記装着モジュールにおける装着装置を取り出して示す斜視図である。
【図4】上記装着装置の構成要素である装着ヘッドの2例を示す斜視図である。
【図5】上記装着ヘッドの1例の内部構造を示す斜視図である。
【図6】上記装着モジュールのモジュール本体を、一部のカバーを除去して示す側面図である。
【図7】上記モジュール本体を、一部のカバーを除去して示す背面図である。
【図8】上記装着システムのベースの内部を概念的に示す斜視図である。
【図9】上記装着システムの別のベースの内部を概念的に示す斜視図である。
【図10】請求可能発明の別の実施形態である装着モジュールにおける加熱された空気の排出を説明するための一部断面側面図である。
【図11】図10の装着モジュールにおける接続装置を示す一部断面側面図である。
【図12】上記装着システムが2セット、背面が互いに近接して対向する状態で設置された状態を概略的に示す平面図である。
【図13】上記装着モジュールとは別の装着モジュールを示す図6に相当する図である。
【図14】図13に示す装着モジュールが複数配列されて構成された装着システムを概略的に示す平面図である。
【図15】上記装着モジュールとは別の装着モジュールを、一部を除去して示す斜視図である。
【図16】図15の装着モジュールの要部を取り出して示す平面図である。
【図17】図2に示した装着モジュールの基板保持装置の一部であるバックアッププレートおよび支持台とその周辺を示す平面図である。
【図18】上記バックアッププレートおよび支持台を下方から見た状態を示す斜視図である。
【図19】上記バックアッププレートおよび支持台の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図20】図19に示した部分の別の状態を示す正面断面図である。
【図21】上記バックアッププレートおよび支持台の図19に示した一部とは別の部分を拡大して示す正面断面図である。
【図22】図21に示した部分の別の状態を示す正面断面図である。
【図23】図12に示した装着システム2セットの設置時におけるレベル出し作業を説明するための図である。
【図24】図21の装着システムにおけるレベリング装置を示す正面断面図である。
【図25】図21の装着システムにおける位置決め基準部を示す正面図である。
【図26】図21の装着システムにおける仕切版のガイドレールを示す正面図である。
【図27】上記仕切版を示す図であり、(a)は上記仕切板の斜視図、(b)は(a)の一部拡大図、(c)は(b)の一部拡大図である。
【図28】図21の装着システムにおいて使用される作業床を示す平面図である。
【図29】上記作業床の正面図である。
【図30】図21の装着システムにおいて使用される移動補助具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、請求可能発明の実施形態を、上記各図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載した態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0013】
図1に、装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10の2台ずつが、それぞれ共通で一体のベース12上に、互いに隣接して横並びに配列されて固定されたものが、さらに複数横並びに配列されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ、請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着機に相当し、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0014】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、本体フレームとしてのモジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(図3参照),部品撮像装置30および電気制御装置32を備えている。
【0015】
モジュール本体18は、図2に示すように、前後方向に長いベッド36と、そのベッド36の前端部および後端部からそれぞれ立ち上がった2本ずつの前コラム38および後コラム40と、それら4本のコラム38,40に支持されたクラウン42とを備えている。クラウン42は、強度部材であるビーム44とそのビーム44の上方を覆うカバー46とを備えている。
【0016】
基板搬送装置20は、図2に示すように、2つの基板コンベヤ54,56を備え、ベッド36の、装着モジュール10の前後方向の中央部に設けられ、回路基板57を複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ54,56の各々について設けられ、後述するように、それぞれ回路基板57を下方から支持する支持部材および回路基板57の搬送方向に平行な両側縁部をそれぞれクランプするクランプ部材を備え、回路基板57をその電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。基板搬送装置20による回路基板57の搬送方向をX軸方向、基板保持装置22に保持された回路基板57の装着面に平行な平面である、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。
【0017】
部品供給装置24は、ベッド36の基板搬送装置20に対してY軸方向の一方の側であって、装着モジュール10の前面側に設けられている。部品供給装置24は、例えば、部品フィーダの一種であるテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)58により電子回路部品を供給するものとされ、複数のフィーダ58と、それらフィーダ58が取り付けられるフィーダ支持台(図示省略)とを含む。複数のフィーダ58はそれぞれ、多数の電子回路部品をテープにより保持した状態で供給し、それぞれ異なる種類の電子回路部品を保持した複数のフィーダ58が、各々の部品供給部がX軸方向に沿って並ぶ状態でフィーダ支持台に取り付けられる。部品供給装置はトレイによって電子回路部品を供給する装置としてもよい。
【0018】
装着装置26は、図2および図3に示すように、装着ヘッド60(60a,60b)と、その装着ヘッド60を移動させるヘッド移動装置62とを備えている。ヘッド移動装置62は、図3に示すように、X軸方向移動装置64およびY軸方向移動装置66を備えている。Y軸方向移動装置66は、モジュール本体18を構成するクラウン42に、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨って設けられたリニアモータ70を備え、可動部材としてのY軸スライド72をY軸方向の任意の位置へ移動させる。X軸方向移動装置64はY軸スライド72上に設けられ、Y軸スライド72に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド74,76と、それらスライド74,76をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置78(図3には第1X軸スライド74を移動させる移動装置のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、駆動源たる電動回転モータの一種であるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド74,76をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0019】
装着ヘッド60は、第2X軸スライド76に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置62により、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨る移動領域である装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド60は、部品保持具の一種である吸着ノズル86(86a,86b)によって電子回路部品を保持するものとされており、吸着ノズル86を保持し、保持具保持部を構成するノズルホルダの数を異にする複数種類の装着ヘッド60が用意され、電子回路部品が装着される回路基板57の種類に応じて選択的に第2X軸スライド76に取り付けられる。
【0020】
例えば、図4(a)に示す装着ヘッド60aはノズルホルダ88aを1つ備え、吸着ノズル86aが1つ保持され、図4(b)に示す装着ヘッド60bはノズルホルダ88bを複数、例えば3個以上(図示の例では12個)備え、吸着ノズル86bが最大12個保持され得る。吸着ノズル86は吸着管90および背景形成板92を備え、吸着管90の部品吸着面の直径と、平面視の形状が円形を成す背景形成板92の直径との少なくとも一方を異にする複数種類の吸着ノズル86があり、吸着する電子回路部品の種類に応じて使い分けられる。吸着ノズル86aは吸着ノズル86bより部品吸着面および背景形成板92aの各直径が大きく、大形の電子回路部品の装着に使用される。
【0021】
装着ヘッド60aにおいてノズルホルダ88aは、図示は省略するが、ヘッド本体に軸線方向であって鉛直方向に移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、ヘッド本体に設けられた移動装置である昇降装置および回転装置により昇降および回転させられる。装着ヘッド60bは、図5に示すように、ヘッド本体96に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体100と、回転体100を正逆両方向に任意の角度回転させる回転体回転装置102とを備えた回転型ヘッドである。回転体100には、その回転軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔、図示の装着ヘッド60bでは等角度を隔てた12の位置にそれぞれ、ノズルホルダ88bが回転体100の回転軸線に平行な方向に相対移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、それぞれ回転体100からの突出端部(装着ヘッド60が第二X軸スライド76に取り付けられた状態では下端部)において吸着ノズル86bを着脱可能に保持する。
【0022】
12個のノズルホルダ88bは、回転体100の回転により、回転体100の回転軸線のまわりに旋回させられ、12個の停止位置の1つである部品吸着装着位置へ順次移動させられ、ヘッド本体96の部品吸着装着位置に対応する位置に設けられた移動装置である昇降装置104によって昇降させられる。ノズルホルダ88bはさらに、ヘッド本体96に設けられたホルダ回転装置106により、自身の軸線まわりに回転させられる。なお、前記基準マーク撮像装置28は、図3に示すように、第二X軸スライド76に搭載され、ヘッド移動装置62により装着ヘッド60と共に移動させられる。
【0023】
前記電気制御装置32の大半はベッド36のベッド内室118に収納されており、一部が後述するようにベース12内部に収納されている。ベッド内室118には、図6に示すように、それぞれCPU,制御盤,サーボコントローラが収納されたCPUボックス120,コントローラボックス122,サーボボックス124等が収納されている。CPU,制御盤,サーボコントローラはいずれも作動に伴って熱を発生させるため、各ボックス120,122,124にはそれぞれ排気装置(図示省略)が設けられ、内部の加熱された空気がボックス外に、すなわちベッド内室118に排出される。ベッド内室118には強度確保等の必要に応じて複数の仕切壁126が設けられるているが、これら仕切壁126には開口が設けられ、ベッド内室118での空気の流れを妨げないようにされている。
【0024】
ベッド内室118へ排出された空気は、図6および図7に示すように、ベッド36の後端部の上壁に形成された2つの排気口128にそれぞれ設けられた2つのファン130によってベッド36の上方へ排出される。ベッド36の上面にはコラム支持台132が設けられ、そのコラム支持台132から2本の後コラム40が立ち上がらされている。図6においては、内部構造を理解し易くするために、ベッド36およびコラム支持台132のサイドカバー133が外され、図7においてはバックカバー134が外された状態が示されているが、実際には、コラム支持台132の両側方および後方への開口が閉塞されるとともに、後コラム40の後方への開口も閉塞されており、コラム支持台132および後コラム40の内部には、コラム支持台132の上壁に形成された連通口136によって互いに連通し、上下方向に延びる排気通路138が形成されている。
【0025】
前述のように、前コラム38と後コラム40とによりビーム44が支持されているが、ビーム44の後端部は中間部より幅が広くされて、2本の後コラム40の上壁に形成された連通口146により、上記2本の排気通路138の各々と連なる排気通路148を形成している。ビーム44の後端部の上壁には排気口152が形成され、これら排気口152を経て、排気通路148内の空気がファン154により上方へ排出される。
【0026】
一方、ビーム44の内部には前記Y軸方向移動装置66のリニアモータ70が配設されるとともに、ビーム44の下方にはX軸スライド移動装置78が配設されている。これらリニアモータ70およびX軸スライド移動装置78の駆動源(例えば、回転電動モータ)も作動に伴って熱を発生させる。これらの熱により加熱された空気は上昇し、主としてビーム44に受けられ、一部はカバー46に受けられる。ビーム44に受けられた空気は、ビーム44の前記後端部に隣接する位置に形成された排気口に設けられたファン156により上方へ排出される。
【0027】
上記ファン154およびファン156により上方へ排出された空気は、カバー46に設けられた排気口162からカバー46の外部、すなわち装着モジュール10の外部へ排出される。この際、前記カバー46によって受けられた空気も、ファン154,156により排出される空気と共に、外部に排出される。
本実施形態においては、ファン130,154,排気通路138,排気口162等によってベッド内空気排出装置が構成され、ファン156および排気口162によってクラウン内空気排出装置が構成されている。
なお、後コラム40の内部は、装着装置26等への電気配線やエア配管用のスペースとしても好適な部分であり、本実施形態においては、2本の後コラム40の両方が排気通路および配線,配管スペースとして利用されているが、2本の後コラム40の一方を排気通路専用とし、他方を配線,配管スペース専用とすることも可能である。
【0028】
前述のように、電気制御装置32の一部は、図8に代表的に示すバキュームポンプ166や、装着モジュール10をベース12に対して予め定められた位置に位置決めして固定する位置決め固定装置をはじめとする、装着モジュール10の運転のために必要な種々の補機と共に、ベース12内部のベース内室168に収納されている。例えば、CPU,制御盤が収納されたCPUボックス170,制御ボックス172等が収納されているのである。これらも作動に伴って熱を発生させるが、本実施形態においては、この熱は、ベース12の底壁に形成された、図示を省略する排気口からファンによって下方へ排出される。
なお、上記位置決め固定装置としては、例えば、装着モジュール10に設けられた位置決め穴と、ベース12に軸方向に移動可能に保持された位置決めピンおよびそれを軸方向に移動させて位置決め穴に嵌入,離脱させるエアシリンダとの組合わせを採用することができる。
【0029】
上記ベース12は、図1に示した装着モジュール10を2台ずつ支持するものである。これら2台の装着モジュール10は互いに近接して配置され、各装着モジュール10の基板搬送装置20間において、仲介の基板搬送装置を介することなく、直接回路基板57の受け渡しを行い得るようにされている。そのため、万一、装着モジュール10の内部において点検、整備等の作業者による作業が必要になった場合に、図1に示す作動位置に整列させられたままでは、それら作業を行うことができない。そのため、ベース12上にはガイドレール178が設けられ、各装着モジュール10には複数の車輪180(図6,7参照)が設けられ、各装着モジュールを互いに独立に前方へ引き出して作業を行い得るようにされている。補助の台車を使用すれば、装着モジュール10をベース12から取り外し、別の装着モジュール10と交換したり、配置換えを行うことも可能である。なお、図8においては、ベース12の中央部の2本のガイドレール178およびそれの支持部材が除去されている。
【0030】
図8に示したベース12は、2台の装着モジュール10を支持するものであるが、図9に示すように、4台の装着モジュール10を支持可能なベース184も準備されており、ベース12と共に、あるいはベース12に代えて使用することが可能である。このベース184は、ベース内室186内の空間利用の自由度が高いためにスペース効率がよく、図9に示すように、ベース12においては外部に設置されるトランス190も、CPUボックス192,制御ボックス194と共に、ベース内室186内に収納され得る。本ベース184においても排気は下方へ行われる。
また、装着モジュールも、図1に示した寸法のもののみならず、図示は省略するが、幅が2倍の装着モジュールも準備されている。この装着モジュールは、大形の電気部品を供給するフィーダ58や、トレイ型の部品供給装置の使用に適している。
【0031】
なお、以上の説明において、加熱された空気の排出のみについて説明し、補給のための空気の吸入については説明しなかったが、これは、本実施形態においては、ベッド36にもベース12にも適度の隙間が形成されており、それら隙間から充分な量の空気が吸入されるからである。しかし、必要に応じて、吸気口を設け、あるいは吸気口とともに吸気用のファンを設けることも可能であり、それらを設ければ、ベッド36およびベース12の冷却性能を向上させることができる。また、CPU等、特に温度の影響を受け易いものの近傍に吸気口やファンを設ければ、冷却の目的を一層良好に果たすことができる。
【0032】
別の実施形態を図10に示す。本実施形態においては、ベース200のベース内室202で発生させられた熱も上方へ排熱される点において、上記実施形態とは異なっている。すなわち、ベース200の上壁に接続装置204と排気用のファン206が設けられ、ベース内室202の空気がベース200の上方へ排出されるようになっているのである。この上方へ排出された空気は、ベッド36から排気口210およびファン212により排出される空気と共に、コラム214内の排気通路216を経て、排気口218およびファン220により上方へ排出される。この排出された空気が、ビーム44の内部からファン222により排出された空気と共に、カバー46の排気口162から装着モジュール10の外部へ排出されることは、前記実施形態と同様である。
【0033】
上記接続装置204は、装着モジュール10のベース202に対する相対移動を許容しつつ、ベース内室202から排出される空気をコラム214へ導くために設けられている。接続装置204は、案内装置により昇降可能に案内され、エアシリンダ(複動シリンダでもよいが、スプリングにより上昇位置へ付勢された単動アクチュエータが好適である)等のアクチューエタにより昇降させられるものとすることも可能である。しかし、図示の実施形態においては、アクチュエータなしで接続状態と離間状態とを取り得るものとされている。
【0034】
接続装置204は、図11に示すように、接続状態において互いに密着する固定継手部224と可動継手部材226とを備えている。固定継手部224は、後方の部分ほど高くなる向きに傾斜させられた状態で、モジュール10の後端部に設けられている。この固定継手部224は、モジュール10の底部に形成された凹部内に設けられている。一方、可動継手部材226は、ベース200の上面より高い位置に、固定継手部224の傾斜に応じた向きに傾斜した姿勢で設けられている。可動継手部材226は、ベース200の上面に設けられたブラケット228に、支持軸230により回動可能に保持されている。
【0035】
可動継手部材226とブラケット228との一方に設けらた軸受け穴(図示の例では可動継手部材226の軸受穴)は、上下方向に長い長穴232とされており、可動継手部材226の回動とともに、限られた距離の上下動が可能な状態でブラケット228に保持されている。ただし、ブラケット228は、支持軸230の軸線に平行な方向に隔たって2つ設けられており、長穴232の幅は支持軸230の直径より僅かに大きくされているのみであるため、可動継手部材226の必要以上の移動は防止されている。また、可動継手部材226とベース200とは、伸縮可能なベローズ234により接続されている。このベローズ234は、自由状態では、可動継手部材226を図11に示す接続位置より僅かに高い位置に保持するとともに、固定継手部材224により可動継手部材226が押し下げられた場合には、図11の接続位置へ移動することを許容する形状および弾性変形能を有している。したがって、装着モジュール10が後退端位置まで後退させられるとき、可動継手部材226は固定継手部224に密着する状態となるが、本実施形態においては、さらに気密性を良好にするために、固定継手部材224と可動継手部材226との一方(図示の例では可動継手部材226)に、シール部材236が設けられる。
本実施形態においては、接続装置204およびファン206が、排気通路216,ファン220,排気口162等を含むベース内空気排出装置と共同で、ベース内空気排出装置を構成している。
なお、ベース200は、前記ベース12と同様に上向きの大きな開口を備えて、内部の装置に対するアクセスが容易とされているが、装着モジュール10が作動位置に位置する状態では、この開口が装着モジュール10によってほぼ閉塞され、ベース200と装着モジュール10との狭い隙間から空気が吸入される。しかし、上記上向きの開口をカバーにより閉塞し、ベース200の所望の箇所に空気吸入口を形成すれば、ベース200内に好ましい空気の流れを生じさせたり、フィルタを設けてベース200内への埃の侵入を抑制したりすることができる。
【0036】
以上説明した実施形態の装着モジュール10は、いずれも背面から後方へ排気する部分がないため、例えば、図12に示すように、複数のベース12(184,200)を並べ、それらベース12の上に複数(例えば4つ)の装着モジュール10あるいは幅が2倍の装着モジュール240を複数台(例えば2台)並べて構成した2ラインの装着システム242,244を背中合わせに、すなわち背面246同士において互いに対向し、かつ、背面246間の隙間を作業者の身体が入り得ない大きさ(150mm以下であることが望ましく、100mm以下,80mm以下であることがさらに望ましい)として設置することが可能となる。また、一方の装着システム、例えば、装着システム242を、装着システム244の代わりに壁に背面246を近接させた配置することも可能である。スペース効率の観点からは、背面246同士、あるいは背面246と壁とを密着させることが特に望ましい。
【0037】
以上説明した装着モジュールは、基板搬送装置20の片側、すなわち前側のみに部品供給装置24を備えたものであったが、図13に示すように、基板搬送装置20の両側に部品供給装置250,252を備え、2つの装着装置254,256によって、それぞれの部品供給装置250,252から電子回路部品を受け取り、同じ回路基板57に装着する形態の装着モジュール258とすることも可能である。この形態の装着モジュール258においても、例えば、図13に示すように、部品供給装置250,252と基板搬送装置20との間の位置においてベッド260の両側部から立ち上がる2本ずつの第1コラム262,264の内部を排気通路とし、ベッド260内の加熱された空気(ベース内の加熱された空気と共にでもよい)をファン268,270によりクラウン271の上面に設けた排気口272,274からから上方へ排出させるのである。このように構成した装着モジュール258を、図14に示すように、互いに近接させて複数配列することにより装着システムを構成することができる。
【0038】
さらに、上記装着モジュール258を図15,16に示す形態の装着モジュール280に変更することも可能である。この装着モジュール280は、2台の上記装着モジュール258を合体させた構成を有する。すなわち、それぞれ部品供給装置250,252と装着装置252,254とを備えて装着モジュール258と類似の構成を有する2つの装着ユニット286,288が、モジュール本体290を共有させられているのである。モジュール本体290は、ベッド292と、そのベッド292のX軸方向の中央部でありかつY軸方向の両端部である部分から立ち上がった第1コラム294および第2コラム296と、それら第1,第2コラムに支持されたクラウン298とを備えている。ベッド292には、4つの部品供給装置250,252を収容するための4つの凹部300が形成されているが、互いに隣接する凹部300の間の部分から第1,第2コラム294,296が立ち上がらされているのである。見方を変えれば、ベッド292は平面視で矩形を成す単純な形状を有し、第1,第2コラム294,296はベッドの底壁と同じ高さの位置から立ち上がっており、それらコラム294、296が下部においてベッド292と一体化されていると考えることもできる。
【0039】
いずれにしても、ベッド292の内部に形成されたベッド内室には、前述の各実施形態と同様に装着モジュール280の電気制御装置301が収納されており、これらが作動に伴って発生する熱が、ベッド内室の空気を第1,第2コラム294,296内部の排気通路およびクラウン298の内部空間を経て、クラウン298の上面に開口した排気口302から、ファン304によって上方へ排出される。ベッド292および第1,第2コラム294,296の内部にも必要に応じてファンが設けられるが図示および説明を省略する。また、複数の装着モジュール280が図示を省略する共通のベースに、個別にY軸方向に移動可能に支持され、そのベース内のベース内室にも、電気制御装置や補機が配設され、それらが発生させる熱を含んだ空気も、上記第1,第2コラム294,296を経て上方へ排出される。
【0040】
クラウン298の内側には、前記装着装置254,256の各一部を構成するY軸方向移動装置310のY軸スライド312をY軸方向に移動させる2つのリニアモータ314が配設されている。これら2つのリニアモータ314の発生する熱を含んだ空気も、上記排気口302およびファン304により外部へ排出されるとともに、クラウン298の中央部に設けられた排気口316とファン318とにより外部へ排出される。さらに、各Y軸スライド312に沿ってX軸スライド320を移動させる回転電動モータ(図示せず)も熱を発生させるが、この熱をはじめ、装着モジュール280の作業空間内において照明装置等により発生させられる熱を含んだ空気も、排気口316およびファン318により外部へ排出される。
【0041】
以上説明した装着モジュール10,240,258,280はいずれも、複数のものが共通のベース上に互いに近接して配列され、装着システムを構成するものであるが、これらモジュール10,240,258,280と類似の構成を備えて個別に設置され、中間に設置される基板搬送装置を介して互いに、あるいは、はんだ印刷機,印刷検査機,電子回路検査機,リフロー炉等の対回路基板作業機と、回路基板の受渡しを行う電子回路部品装着機とすることも可能である。
【0042】
前述の装着モジュール10およびベース12を有する装着システムは、前述の冷却ないし放熱に関する特徴以外にも種々の特徴を備えている。以下、それら特徴について順次説明する。
まず、前記基板保持装置22の特徴について説明する。基板保持装置22は、前記基板搬送装置20によって、モジュール10内へ搬送された回路基板57の背面である下面を、下方から支持する基板バックアッププ装置と、回路基板57の側縁部を把持して固定する基板固定装置とを備えているが、そのうち、基板バックアップ装置に特徴を有している。
【0043】
基板バックアップ装置400は、図17に示すように、平面視において、基板搬送装置20を構成する固定レール402および可動レール404の間の位置に配設され、両レール402,404に沿って周回させられる2本のコンベヤベルトに支持され、搬入された回路基板を下方から図示しないバックアップピン等のバックアップ部材により背後からバックアップするものであるが、本実施形態においては、通常複数であるバックアップ部材を支持するバックアッププレート410が、図18に示す支持台412と別体とされ、支持台412に対して着脱可能とされている。支持台412は図示を省略する昇降装置によって昇降させられ、軽量化のためにアルミニウム合金製とされているが、バックアッププレート410は、バックアップ部材を磁石により着脱可能に取り付ける必要上、鋼製とされている。
【0044】
支持台412は、図19,20に示すように、基板搬送装置20の搬送方向に平行なX軸方向に互いに隔たった第1位置決め部および第2位置決め部を備えている。第1位置決め部は、本実施形態においては、支持台412の一側面に形成された、下方の部分ほど支持台412の中央部に近くなる向きに傾斜させられた傾斜面414により構成され、第2位置決め部は、支持台412の反対側の側面に形成されたV字形の係合溝416により構成されている。一方、バックアッププレート410には、第3位置決め部および第4位置決め部が設けられている。第3位置決め部は、バックアッププレート410の下面より下方の位置において、バックアッププレート410の一側面に平行に延びるリブ418に、前記傾斜面414に対応する傾斜を有して形成された傾斜面420により構成され、第4係合部は、バックアッププレート410の下面より下方の位置において、バックアッププレート410の対応する側面に平行に延びるブ422に、そのリブの長手方向に間隔をおいて取り付けられた複数のボールプランジャ424の群により構成されている。
【0045】
ボールプランジャ424は、外周面に雄ねじが形成された本体426内に、ボール428が、それの一部が外部に突出するが離脱は不能に配設されるとともに、スプリングにより突出する向きに付勢されたものであり、そのボール428が前記V字形の係合溝416に係合させられる。ボール428は、係合溝416の下方の部分ほど支持台412の中央部に近くなる向きに傾斜させられた溝側面に係合するため、斜面の効果により、リブ422を水平方向に関しては支持台412から離間する向きに、鉛直方向に関しては下向きに付勢し、結局バックアッププレート410のリブ422が設けられた側の端部を下向きに付勢する。
【0046】
そのため、バックアッププレート410は、図19において、左方へ付勢され、前記傾斜面420が傾斜面414に押し付けられ、斜面の効果により、バックアッププレート410のリブ418が設けられた側の端部を下方へ付勢する。結局、バックアッププレート410の被支持面たる下面430が、支持台312の支持面たる上面432に押し付けられて、バックアッププレート410上下方向の位置決めが行われるとともに、傾斜面420の傾斜面414への密着によりX軸方向の位置決めが行われる。
【0047】
バックアッププレート410は、上記のようにして支持台412に固定されるため、バックアッププレート410を支持台412から取り外すためには、ボールプランジャ424のボール428をスプリングの付勢力に抗して本体426内へ押し込むことが必要であり、かなりの力が必要である。また、バックアッププレート410は前述のように鋼製であるため重量も相当大きくなる。これらは、バックアッププレート410に、磁石の磁力により取り付けられるバックアップ部材が取り外される際に、バックアッププレート410に加えられる力に抗して、バックアッププレート410を支持台412に安定に保持させる上では有益なのであるが、バックアッププレート410の取外し作業を困難にする。特に、本実施形態においては、図17,18に示すように、バックアッププレート410の両側部に近接して、基板搬送装置20の搬送幅を回路基板57の幅に合わせて変更するためのねじ軸440や、2本のコンベヤベルトを同期させて駆動するための六角シャフト442が存在するため、これらが邪魔になってバックアッププレート410の取外し作業が一層困難になる。
【0048】
この困難を軽減するために、バックアッププレート410の両側部には、図17に示す取っ手448、449が設けられている。これら取っ手448、449はバックアッププレート410に、取付軸450によって、Y軸方向に平行な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられ、ばね部材であるねじりコイルスプリング452により、図19に示す収納姿勢に保たれている。取っ手448,449は収納姿勢においては、バックアッププレート410の上面から上方へ突出せず、邪魔にならないようにされているが、作業者が、ねじりコイルスプリング452の弾性力に抗して、図20に示す起立姿勢まで回動させることができ、その起立姿勢の取っ手448,449を掴んでバックアッププレート410を持ち上げ得るようにされている。
【0049】
しかも、上記取っ手448の回動が、バックアッププレート410の支持台412に対するY軸方向の位置決めと、バックアッププレート410の支持台412からの押離しとに利用されている。
まず、位置決めについて説明する。取っ手448は図17に示すように、2つのアーム部460,462とそれらを連結する連結部464とを備えて全体としてコの字形を成しているが、図21に示すように、一方のアーム部460の基端部から位置決め突起466が、取っ手448が収納姿勢にある状態で下方へ延び出すように形成されている。そして、この位置決め突起466が、支持台412に形成された位置決め凹部としての位置決め溝468に嵌入して、バックアッププレート410の支持台412に対するY軸方向の位置決めを行う。そして、取っ手448が図22に示す起立姿勢に回動させられるのに伴って、位置決め溝468から離脱して位置決めを解除する。
【0050】
他方のアーム部462の基端部からは、図19に示すように、押離し突起470が、取っ手448収納姿勢にある状態では、アーム部462とは反対向きに延び出すように形成されている。この押離し突起470は通常はバックアッププレート410に形成された切欠内に収容されているが、取っ手448が図20に示す起立姿勢に回動させられるのに伴って下方へ回動し、支持台412に当接して支持台412を下方へ押し、支持台412から反力によりバックアッププレート410を支持台412から押し離す。押離し突起470はアーム部462に比較して短いため、連結部464からアーム部462の自由端部に加えられる操作力が倍力された大きな力で、バックアッププレート410を支持台412から押し離す。取っ手448が収納姿勢から起立姿勢へ回動させられるのに伴って押離しが行われるため、押し離しのために特別な操作を行う必要がなく、バックアッププレート410の支持台412からの取外し作業が単純で済む利点がある。しかも、上記位置決め突起466および押離し突起470は、取っ手448のアーム部460,462と一体に形成されているため、構造も単純であり、製造コストを低減させることができる。
【0051】
前述の装着モジュール10およびベース12を有する装着システムにおいても、通常の生産機械と同様に、ベース12の下面と床面との間隔を調節し、ベース12を水平に設置するためのレベリング装置480が、図23に示すように、水平面内において互いに距離を隔てて複数設けられている。一方、本装着システムは、前述のように、各装着モジュール10の背面が、別の装着システムの装着モジュール10の背面と、狭い隙間を隔てたのみで対向する状態で配置される得ることを重要な特長としている。そして、この特長の効果を享受する場合に、上記複数のレベリング装置480の中に、操作が困難となるものが生じる。以下、この困難を軽減するためのいくつかの工夫を説明する。
【0052】
上記工夫の一つは、図24に示すように、レベリング装置480が予め組立体とし得ることである。すなわち、レベリング装置480は、ベース12の底壁482の雌ねじ穴に螺合される調節ボルト484、その調節ボルト484を任意螺合位置で底壁482に固定するためのロックナット486,および調節ボルト484の頭部の球面を受ける円錐面を備えたシート488を含んでいるが、シート488を小ねじ490およびリテーナ491により、調節ボルト484に結合しておけるようにされているのである。ただし、リテーナ491が小ねじ490により調節ボルト484に強く締め付けられた状態においても、シート488の調節ボルト484に対する限られた量の相対移動が許容されるように、シート486に形成されたリテーナ491の収容凹部492がやや大きく形成されている。
【0053】
このように構成されたレベリング装置480は、シート488が調節ボルト484から離脱することがないため、レベル出し作業を容易に行い得るのであるが、図23における下側のラインの中央のベース12のレベル出し作業が行われる際には、すでに、上側のラインを構成するベース12および装着モジュール10と、下側のラインの左端のベース12および装着モジュール10が設置されているため、レベリング装置480の操作、特に上側のラインおよび左側のベース12および装着モジュール10に近い位置のレベリング装置480の操作が困難なのである。それに対し、本実施形態のベース12には、底壁482に開口494が形成されている。開口494は、上記レベリング装置480に隣接する位置に、作業者の手や工具を容易に挿入し得る大きさで形成されている。したがって、作業者はこの開口494からレベリング装置480のレベル出し作業を容易に行うことができる。
【0054】
ただし、ベース12内に収納すべき機器の都合等により、底壁482に開口494を形成することが望ましくない、あるいは不可能な場合もあり、その場合に備えて、図23に示すように、特殊なスパナ500が準備されている。このスパナ500は、通常のラチェット式スパナのハンドル部に中空の付加ハンドルを着脱可能とすることにより、通常のスパナに比較してハンドル502が著しく長くされ、かつ、必要な剛性を確保しつつ軽量化が図られている。また、スパナ500の先端部を支持して移動する小形の支持台車が準備されている。この支持台車は、スパナ500の先端部を、回動操作は可能であるが脱落は防止された状態に支持する支持台と、その支持台を支持する3つ以上(実際は4つ)のキャスタとを備え、ベース12の底面と床面との間のスペースに進入可能な寸法とされている。支持台にスパナ500の先端部を支持させ、ハンドル502を押せば、スパナ500の先端部を調節ボルト484の頭部やロックナット486に容易に係合させることができる。また、スパナ500はラチェット式であるため、調節ボルト484の頭部やロックナット486に係合させたままで往復回動操作を行えば、調節ボルト484やロックナット486を締めたり、緩めたりすることができ、図23に示すように、未だベース12が設置されていない側のスペースから比較的容易に調節ボルト484およびロックナット486の操作を行うことができる。
【0055】
また、ベース12の前面には、図25に示すように、他の部分より前方へ突出した位置決め基準部512が設けられている。この位置決め基準部512は、ベース12の加工基準面、例えば、前記ガイドレール178が取り付けられるガイドレール取付面に対する相対位置が精度良く機械加工された水平位置決め基準面514および鉛直位置決め基準面516を備えている。互いに隣接するベース12の一方について通常の方法でレベル出し作業を行った後、それに隣接するベース12のレベル出し作業を行う際、両ベース12の水平位置決め基準面514および鉛直位置決め基準面516に跨って定規を当て、両基準面514,516と定規との間に隙間が丁度なくなるように、後から設置するベース12のレベル出し作業を行えば、レベル出し作業を容易に行うことができる。水平位置決め基準面と鉛直位置決め基準面とをそれぞれ別個の位置決め基準部(例えば、前面に形成される位置決め基準部と上面に形成される位置決め基準部)に形成することも可能である。
【0056】
また、ベース12には、図23に示すように、配列された複数の装着モジュール10間の複数の隙間のうちの少なくとも一部、図示の例では一つ置きの隙間に、仕切板520が設けられている。本装着システムは、複数の装着モジュール10のうちの1つが前方へ引き出された状態でも、いくつかの装着モジュール10においては電子回路部品の装着作業が続行されるようにされている。しかし、各装着モジュール10は点検,整備の容易化のために、側方へ開いた大きな開口が形成されているため、1つの装着モジュール10が引き出された状態では、装着作業を続行している装着モジュール10内へ手を入れ、装着装置26等の作動装置に触れることが可能となる。これは望ましいことではないため、仕切板520が設けられ、上記側方への大きな開口を覆うようにされている。したがって、仕切板520の片側の装着モジュール10が引き出された状態でも、その仕切板520の反対側の装着モジュール10には支障なく装着作業を続行させることができる。
【0057】
しかしながら、上記仕切板520が、ベース12のレベル出し作業等、ベース12に対する作業の邪魔になる場合がある。そこで、本実施形態においては、ベース12に図26に示すガイドレール522が設けられ、このガイドレール522に沿って仕切板520を邪魔にならない位置へ容易に移動させ得るようにされている。また、仕切板520は、図27に示す仕切板固定装置524によりベース12に固定されるのであるが、この仕切板固定装置524の固定操作および固定解除操作の容易化が図られている。仕切板固定装置524は、図23および図27(a)に示すように、ベース12に固定の柱525に図27(b)に示すボルト526により固定されるものとされているが、ボルト526のボルト穴が図27(c)に示すようにU字形の切欠528とされており、ボルト526を取り外さなくても、緩めるのみで固定を解除し得るようにされている。また、仕切板520のボルト526に隣接する部分に開口530が形成されており、作業者は、仕切板520のボルト526とは反対側からでも、開口530を通して、ボルト526の回転操作を行うことができる。したがって、必要に応じて、仕切板520を邪魔にならない位置へ移動させ、レベル出し作業をはじめ、ベース12に対する作業を容易に行うことができる。
【0058】
本実施形態においては、ベース12に対する作業を一層容易にするために、図28に示す作業床540が準備されている。作業床540は軽量化のために木製で、すのこ状とされている。複数の床板542が間隔をあけて並べられ、2本の桟544により互いに連結されているのであり、図29に示すように、2本の桟544が2本のガイドレール178の外側に位置し、それら2本のガイドレール178の互いに反対側の側面に係合することにより、作業床540がベース12に対してずれることを防止するずれ防止部としての機能も果たすようにされている。2本の桟544を2本のガイドレール178の互いに対向する側面に係合させることも可能である。また、ずれ防止用の係合突部をリブとすることも不可欠ではなく、例えば、2本で1組の係合突起を各ガイドレール178に係合可能に設けることも可能である。さらに、ベース12のガイドレール178以外の部分と係合してずれを防止する係合突部あるいは係合凹部とすることも可能である。
上記作業床540をベース12上に載置し、その上に足で乗り、あるいは腹這いになって乗れば、レベル出し作業等、ベース12に対する作業が容易となる。
【0059】
ベース12は、隣接するベース12に対して予め定められた位置に設置することが必要であるが、重量の大きいベース12を微小量移動させることは容易ではない。そのため、本実施形態においては、図30に示す移動補助具550が準備されている。移動補助具550は、短い頭部552と長い柄部554とを備えてL字形に曲がった工具で、頭部552と柄部554との境界部である支点部556を床面558に支持させ、頭部552をベース12の底面560に接触させた状態で、柄部554を矢印562で示すように下方へ回動させることにより、頭部552の回動に伴う頭部先端の上向きの運動成分564によりベース12を押し上げつつ、頭部先端の水平方向の運動成分566によりベース12を水平方向に移動させる道具である。柄部554の回動操作時に、頭部552が倒れることを防止するために、支点部556はある程度の幅を有する形状とすることが望ましい。
【符号の説明】
【0060】
10:装着モジュール 12:ベース 18:モジュール本体 20:基板搬送装置 22:基板保持装置 24:部品供給装置 26:装着装置 32:電気制御装置 36:ベッド 38:前コラム 40:後コラム 42:クラウン 44:ビーム 46:カバー 54、56:基板コンベヤ 57:回路基板 58:テープフィーダ(フィーダ) 60a,b:装着ヘッド 62:ヘッド移動装置 64:X軸方向移動装置 66:Y軸方向移動装置 70:リニアモータ 72:Y軸スライド 74:第1X軸スライド 76:第2X軸スライド 78:X軸スライド移動装置 86:吸着ノズル 118:ベッド内室 120:CPUボックス 122:制御ボックス 124:サーボボックス 128:排気口 130:ファン 132:コラム支持台 134:バックカバー 136:連通口 138:排気通路 146:連通口 148:排気通路 152:排気口 154、156:ファン 162:排気口 166:バキュームポンプ 170:CPUボックス 172:制御ボックス 178:ガイドレール 180:車輪 184:ベース 186:ベース内室 190:トランス 192:CPUボックス 194:制御ボックス 200:ベース 202:ベース内室 204:接続装置 206:ファン 210:排気口 212:ファン 214:コラム 216:排気通路 218:排気口 220,222:ファン 224:固定継手部 226:可動継手部材 228:ブラケット 230:支持軸 232:長穴 234:ベローズ 236:シール部材 240:装着モジュール 242,244:装着システム 246:背面 250、252:部品供給装置 254,256:装着装置 258:装着モジュール 260:ベッド 262:第1コラム 264:第2コラム 266:ベース 268,270:ファン 270:クラウン 272,274:排気口 280:装着モジュール 286,288:装着ユニット 290:モジュール本体 292:ベッド 294:第1コラム 296:第2コラム 298:クラウン 301:電気制御装置 302:排気口 304:ファン 310:Y軸方向移動装置 312:Y軸スライド 314:リニアモータ 316:排気口 318:ファン 320:X軸スライド
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品を回路基板に装着して電子回路を組み立てる電子回路部品装着機あるいは電子回路部品装着システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子回路部品装着機(以下、特に必要がない場合には装着機と略称する)は、例えば下記特許文献1に記載されているように、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含むように構成される。また、このような電子回路部品装着機を複数台、装着モジュールとして共通のベース上に並べるとともに、その並び方向と直角な方向にベースに対して移動可能とした電子回路部品装着システム(以下、特に必要がない場合には装着システムと略称する)が下記特許文献1に記載されている。
これら装着機や装着モジュールは自動運転可能に構成され、電気制御装置を備えるが、これら電気制御装置の多くは本体フレームのベッド内に配設されることが多い。例えば、ベッド内には、CPUボックス,制御ボックス,サーボボックス等が配設されるが、これらは作動に伴って相当発熱する。従来は、ベッド内部の空気をベッドの側壁,後壁,底壁等に形成した排気口から側方,後方あるいは下方へ排出することにより、ベッド内部に新たな空気を流入させ、ベッド内部を換気することによって排熱が行われていた。下記特許文献2に記載のものがその一例である。この特許文献2に記載の装着機においては、ベッド内部に、過熱により誤動作の恐れがあるコントローラ,発熱量の多いドライバおよび電磁波を発生させて周辺の機器に悪影響を与える恐れのあるトランスを、それぞれ別個のコントローラ室,ドライバ室およびトランス室に配設し、各室に換気装置を備えて、側方への排気により排熱を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−111425号公報
【特許文献2】特開2004−104075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、側方や後方への排気は、装着機の設置場所に制約を与える。例えば、側方へ排気する装着機は、複数の装着機を配列してラインを構成する際、装着機同士を近接させてラインの長さを短くすることを妨げる。また、後方への排気は、装着機を壁際に設置することや、背面が近接する状態で背中合わせに配置することを妨げる。また、前方への排気は作業者に不快感を与え、下方への排気は床面の埃等を巻き上げるため望ましくない。同様な問題は、上記装着システムの装着モジュールにおいても生じる。この場合には、側方への排気は無理であるため、後方へ排気されるのが普通であるが、装着システムを壁際に設置したり、背中合わせに設置したりすることができないのである。このように、従来の装着機や装着システムには未だ改良の余地がある。
本発明は以上の事情を背景として、設置場所の制約が少ないなど、実用性に優れた装着機あるいは装着システムを得ることを課題として為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明によって、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含む電子回路部品装着機が得られる。
また、それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、複数の装着モジュールの各々が、ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むものが得られる。
【発明の効果】
【0006】
本体フレームの下部を構成するベッドの内部は電気制御装置を収納するのに絶好のスペースであるが、実際に電気制御装置を収納すれば、ベッド内において多量の熱が発生することを避け得ない。電気制御装置の中にはコントローラのように温度が高くなると誤作動を生じ易いものがあるため、ベッドの排熱性を良好にすることは、電気制御装置自体のためにも必要である。さらに、ベッドは本体フレームの基礎を成すものであるため、ベッド自体の温度が高くなれば、本体フレームの熱歪みが大きくなり、装着機あるいは装着システムの電子回路部品の装着精度低下の原因になるため、ベッドの排熱性を良好にすることは精度確保のためにも重要な問題である。
【0007】
その点、本発明に従えば、ベッド内で発生した熱を良好に装着機あるいは装着システムの外部に排出することができ、電気制御装置の誤作動を防止し、あるいは寿命を延長することができる。しかも、多量の熱を含んだ空気は、上下方向に延びる排気通路を経て本体フレームの上方へ排出されるため、装着機あるいは装着システムを、他の装着機や装着システムあるいは壁に近接させて設置することができ、工場内におけるレイアウトの自由度が向上し、作業スペースの有効利用を図ることが可能となる。また、上方へ排出された空気は比重が小さいため作業スペースの上方に集まり、作業スペース外へ容易に排気することができ、良好な作業環境を維持することが容易となる。
【発明の態様】
【0008】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0009】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(6)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(8)項が請求項6に、(9)項が請求項7に、(13)項が請求項8に、それぞれ相当する。
【0010】
(1)回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電気部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
(2)前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(1)項に記載の電子回路部品装着機。
コラムはベッドとクラウンとの間において上下方向に延び、重量の増加を抑制しつつ剛性を高めるために中空とされるのが普通であるため、その内部は排気通路として絶好のものである。
(3)それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
複数の装着モジュールは、回路基板の搬送方向においてできる限り近接させて配置することが望ましいため、ベッドの側方への排気が不可能であるため、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(4)前記複数の装着モジュールの各々の前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(3)項に記載の電子回路部品装着システム。
(5)前記ベッド内空気排出装置が、前記コラムの入口側と出口側との少なくとも一方にファンを備えた(4)項に記載の電子回路部品装着システム。
排気通路は上下方向に延びており、比重の小さい暖かい空気は自然に排気通路内を上昇するため、ファンを設けることは不可欠ではないが、ファンを設けて積極的に空気の流れを生じさせれば、ベッド内に発生する熱を特に良好に排出することができる。
(5)項ないし(8)項に記載の特徴は、前記(1)項または(2)項に記載の電子回路部品装着機にも適用可能である。
(6)前記装着装置が、前記電気部品を保持する保持ヘッドと、その保持ヘッドを前記基板搬送保持装置により保持された回路基板の表面に平行なXY座表面の任意の位置へ移動させるXYロボットとを含み、そのXYロボット周辺の空気を上向きに排出するクラウン内空気排出装置を含む(4)項または(5)項に記載の電子回路部品装着システム。
XYロボットの駆動源たるリニアモータや回転電動モータも作動に伴って発熱するために、クラウン内部の空気も積極的に上方へ排出することが望ましい。
(7)前記複数の装着モジュールの各々が、前記本体フレームの前部と後部との両方に前記コラムを有し、前記ベッド内空気排出装置が後部のコラムの内部を経て前記ベッド内の空気を排出する(4)項ないし(6)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
前部のコラムを排気通路として利用することも可能である。しかし、前部には部品供給装置が設けられ、できる限り多種類の電子回路部品を供給可能とするために幅の広いものとされることが望ましいため、前部のコラムを太くすることが困難であり、その制約のない後部のコラムの方が排気通路に適している。
(8)前記複数の装着モジュールから成る装着モジュール列が、それら装着モジュールの背面において、作業者が入り得ない大きさの隙間を隔てて互いに対向する状態で設置された(3)項ないし(7)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
本項の構成を採用すれば、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(9)さらに、前記複数の装着モジュールを、それら複数の装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持するベースを含む(3)ないし(8)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
複数の装着モジュールを回路基板の搬送方向において互いに近接して配列すれば、各装着モジュールの装着装置等、作業スペース内の装置へのアクセスが困難または不可能になる。それに対し、複数の装着モジュールをベースに、それら装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持させれば、必要に応じて装着モジュールを移動させ、内部の装置へのアクセスを容易に行うことができる。
(10)前記ベースの内部に前記複数の装着モジュールの運転に必要な補機が配設され、かつ、当該電気部品装着システムが前記ベースの内部の空気をそのベースの外部に排出するベース内空気排出装置を含む(9)項に記載の電子回路部品装着システム。
ベースの内部に、装着モジュールの運転に必要なバキュームポンプ,トランスをはじめとする種々の補機を収納することは望ましいことであるが、これら補機も作動に伴って発熱する。この熱により加熱された空気をベース内空気排出装置により排出することが望ましい。ベース内部に電気制御装置を配設することも可能である。ベースは複数の装着モジュールに共通のものであるため、内部スペースの使用の自由度が大きく、また、複数の装着モジュール用の補機や電気制御装置を一体化することも可能であるため、内部スペースの利用効率を上げることが容易である。
(11)前記ベース内空気排出装置が、前記ベースの底板に形成された排気口からベース内の空気を排出するものである(10)項に記載の電子回路部品装着システム。
(12)前記ベース内空気排出装置が、前記ベース内の空気を、前記複数の装着モジュールの少なくとも一部のものの前記排気通路を経て前記クラウンから上向きに排出するものである(10)項に記載の電子回路部品装着システム。
(13)回路基板を保持する基板保持装置と、その回路基板保持装置の両側に設けられてそれぞれ電子回路部品を供給する2つの部品供給装置と、それら部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
上記装着装置は2つの部品供給装置に対して1つ設けられるのみでもよいが、2つの部品供給装置の各々に対して装着装置が1つずつ設けられることが望ましい。
(14)前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドの前記基板保持装置の両側の部分からそれぞれ立ち上がった第1コラムおよび第2コラムと、それら第1,第2コラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記第1コラムと前記第2コラムとの少なくとも一方を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである(13)項に記載の電子回路部品装着機。
(15)前記基板保持装置,前記2つの部品供給装置および前記装着装置を1ユニットとして、2ユニットが、前記基板保持装置が横に並ぶ状態で配設され、前記本体フレームが、前記ユニットに共通のベッドと、前記2ユニットの間の位置において、前記基板保持装置の並び方向と直交する方向に延びるクラウンと、前記ベッドからそれぞれ立ち上がり前記クラウンの両端部をそれぞれ支持する第1コラムおよび第2コラムとを含み、それら第1,第2コラムの少なくとも一方の内部が前記排気通路とされた(13)項に記載の電子回路部品装着機。
(16)それぞれ、(a)回路基板を基板搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記基板搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
本項の複数の装着モジュールの各々を、上記(14)項または(15)項に記載の電子回路部品装着機と同様の構成とすることが可能である。
(20)回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記基板保持装置が、
前記回路基板の背面を支持する複数のバックアップ部材と、
それらバックアップ部材を支持するバックアッププレートと、
そのバックアッププレートを着脱可能に支持する支持台と、
前記バックアッププレートに設けられ、そのバックアッププレートの着脱時に作業者によって持たれる取っ手と
を含む電子回路部品装着機。
(20)項ないし(26)項の各々の電子回路部品装着機を、前記(3)項ないし(12)項,(16)項のいずれかに記載の装着モジュールとすることも可能である。
(21)前記取っ手が、前記バックアッププレートに、そのバックアッププレートの表面に平行な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられた(20)項に記載の電子回路部品装着機。
(22)前記取っ手が、前記バックアッププレートの表面から突出しない収納姿勢と、前記バックアッププレートの表面から突出した起立姿勢とに回動可能である(20)項または(21)項に記載の電子回路部品装着機。
(23)前記取っ手が、位置決め突起を、前記収納姿勢にある状態では、前記支持台に設けられた位置決め凹部に嵌入して前記バックアッププレートを前記支持台に対して位置決めし、前記起立姿勢にある状態では、前記位置決め凹部から離脱する状態で備えた(22)項に記載の電子回路部品装着機。
(24)前記取っ手が、押離し突起を、前記収納姿勢にある状態では前記支持台から離間しており、前記起立姿勢にされるのに伴って前記支持台に当接してその支持台から前記バックアッププレートを押し離す状態で備えた(22)項または(23)項に記載の電子回路部品装着機。
(25)前記支持台が、その支持台の支持面に平行な方向に互いに隔たって設けられた第1位置決め部および第2位置決め部を備え、前記バックアッププレートが、それら第1位置決め部および第2位置決め部にそれぞれ対応する第3位置決め部および第4位置決め部を備え、第3位置決め部が前記第1位置決め部と係合するとともに、前記第2位置決め部と前記第4位置決め部との一方が、それら第2位置決め部と第4位置決め部との他方に設けられた係合凹部にスナップアクションで係合し、前記第3位置決め部を前記第1位置決め部に押し付けるとともに、前記バックアッププレートを前記支持台の前記支持面に押し付ける弾性係合突部を備えた(20)項ないし(23)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(26)前記支持台が、その支持台の支持面に平行な方向に互いに隔たって設けられた第1位置決め部および第2位置決め部を備え、前記バックアッププレートが、それら第1位置決め部および第2位置決め部にそれぞれ対応する第3位置決め部および第4位置決め部を備え、第3位置決め部が前記第1位置決め部と係合するとともに、前記第2位置決め部と前記第4位置決め部との一方が、それら第2位置決め部と第4位置決め部との他方に設けられた係合凹部にスナップアクションで係合し、一方、第4位置決め部が第2位置決め部に形成された係合凹部にスナップアクションで係合し、前記第3位置決め部を前記第1位置決め部に押し付けるとともに、前記バックアッププレートを前記支持台の前記支持面に押し付ける弾性係合突部を備え、かつ、前記取っ手が、押離し突起を、前記収納姿勢にある状態では前記支持台から離間しており、前記起立姿勢にされるのに伴って前記支持台に当接してその支持台から前記バックアッププレートを、前記弾性係合突部の前記係合凹部との係合力に打ち勝って押し離す状態で備えた(20)項ないし(23)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(30)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールを着脱可能に支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記ベースが、
そのベースの底部の水平方向に互いに隔たった3箇所以上にそれぞれ設けられ、そのベースの高さを調節する3つ以上のレベリング装置と、
それら3つ以上のレベリング装置のうちの少なくとも1つに近接した前記ベースの壁部に、当該ベースの内側から前記レベリング装置の操作を行うことを可能とする大きさで形成された開口と
を備えたことを特徴とする電子回路部品装着システム。
上記ベースの壁部は、側壁部と底壁部との一方でも、両方でもよい。後者の場合は側壁部と底壁部とに跨って1つの開口を形成しても、側壁部と底壁部とにそれぞれ開口を形成してもよい。
(31)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールを支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記ベースが四角形の平面視形状を有し、かつ、その四角形の4つの辺の少なくとも1つに対応する位置に、それぞれ機械加工された、鉛直な位置決め基準面と水平な位置決め基準面とを有することを特徴とする電子回路部品装着システム。
(32)回路基板を基板搬送方向に搬送する基板コンベヤと、その基板コンベヤに沿って互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールと、それら複数の装着モジュールに共通に設けられてそれら複数の装着モジュールをそれら複数の装着モジュールの並び方向と直交する方向に個別に移動可能に支持するベースとを含み、前記複数の装着モジュールの各々が、回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含み、それら複数の装着モジュールの各々が前記基板コンベヤにより搬入される回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記互いに隣接して並べられた複数の装着モジュールの間の複数の隙間の少なくとも1つに、前記基板コンベヤによる回路基板の搬送を許容しつつ、両側の装着モジュールの側方へ開いた開口を覆う状態で配設された仕切板と、
前記ベースに設けられ、前記仕切板を前記隙間に沿って移動可能に案内する仕切板ガイドと、
前記仕切板を前記ベースに固定する仕切板固定装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】請求可能発明の一実施形態である装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記装着システムの構成要素である装着モジュールの構成を一部のカバーを除去して示す斜視図である。
【図3】上記装着モジュールにおける装着装置を取り出して示す斜視図である。
【図4】上記装着装置の構成要素である装着ヘッドの2例を示す斜視図である。
【図5】上記装着ヘッドの1例の内部構造を示す斜視図である。
【図6】上記装着モジュールのモジュール本体を、一部のカバーを除去して示す側面図である。
【図7】上記モジュール本体を、一部のカバーを除去して示す背面図である。
【図8】上記装着システムのベースの内部を概念的に示す斜視図である。
【図9】上記装着システムの別のベースの内部を概念的に示す斜視図である。
【図10】請求可能発明の別の実施形態である装着モジュールにおける加熱された空気の排出を説明するための一部断面側面図である。
【図11】図10の装着モジュールにおける接続装置を示す一部断面側面図である。
【図12】上記装着システムが2セット、背面が互いに近接して対向する状態で設置された状態を概略的に示す平面図である。
【図13】上記装着モジュールとは別の装着モジュールを示す図6に相当する図である。
【図14】図13に示す装着モジュールが複数配列されて構成された装着システムを概略的に示す平面図である。
【図15】上記装着モジュールとは別の装着モジュールを、一部を除去して示す斜視図である。
【図16】図15の装着モジュールの要部を取り出して示す平面図である。
【図17】図2に示した装着モジュールの基板保持装置の一部であるバックアッププレートおよび支持台とその周辺を示す平面図である。
【図18】上記バックアッププレートおよび支持台を下方から見た状態を示す斜視図である。
【図19】上記バックアッププレートおよび支持台の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図20】図19に示した部分の別の状態を示す正面断面図である。
【図21】上記バックアッププレートおよび支持台の図19に示した一部とは別の部分を拡大して示す正面断面図である。
【図22】図21に示した部分の別の状態を示す正面断面図である。
【図23】図12に示した装着システム2セットの設置時におけるレベル出し作業を説明するための図である。
【図24】図21の装着システムにおけるレベリング装置を示す正面断面図である。
【図25】図21の装着システムにおける位置決め基準部を示す正面図である。
【図26】図21の装着システムにおける仕切版のガイドレールを示す正面図である。
【図27】上記仕切版を示す図であり、(a)は上記仕切板の斜視図、(b)は(a)の一部拡大図、(c)は(b)の一部拡大図である。
【図28】図21の装着システムにおいて使用される作業床を示す平面図である。
【図29】上記作業床の正面図である。
【図30】図21の装着システムにおいて使用される移動補助具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、請求可能発明の実施形態を、上記各図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載した態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0013】
図1に、装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10の2台ずつが、それぞれ共通で一体のベース12上に、互いに隣接して横並びに配列されて固定されたものが、さらに複数横並びに配列されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ、請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着機に相当し、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0014】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、本体フレームとしてのモジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(図3参照),部品撮像装置30および電気制御装置32を備えている。
【0015】
モジュール本体18は、図2に示すように、前後方向に長いベッド36と、そのベッド36の前端部および後端部からそれぞれ立ち上がった2本ずつの前コラム38および後コラム40と、それら4本のコラム38,40に支持されたクラウン42とを備えている。クラウン42は、強度部材であるビーム44とそのビーム44の上方を覆うカバー46とを備えている。
【0016】
基板搬送装置20は、図2に示すように、2つの基板コンベヤ54,56を備え、ベッド36の、装着モジュール10の前後方向の中央部に設けられ、回路基板57を複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ54,56の各々について設けられ、後述するように、それぞれ回路基板57を下方から支持する支持部材および回路基板57の搬送方向に平行な両側縁部をそれぞれクランプするクランプ部材を備え、回路基板57をその電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。基板搬送装置20による回路基板57の搬送方向をX軸方向、基板保持装置22に保持された回路基板57の装着面に平行な平面である、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。
【0017】
部品供給装置24は、ベッド36の基板搬送装置20に対してY軸方向の一方の側であって、装着モジュール10の前面側に設けられている。部品供給装置24は、例えば、部品フィーダの一種であるテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)58により電子回路部品を供給するものとされ、複数のフィーダ58と、それらフィーダ58が取り付けられるフィーダ支持台(図示省略)とを含む。複数のフィーダ58はそれぞれ、多数の電子回路部品をテープにより保持した状態で供給し、それぞれ異なる種類の電子回路部品を保持した複数のフィーダ58が、各々の部品供給部がX軸方向に沿って並ぶ状態でフィーダ支持台に取り付けられる。部品供給装置はトレイによって電子回路部品を供給する装置としてもよい。
【0018】
装着装置26は、図2および図3に示すように、装着ヘッド60(60a,60b)と、その装着ヘッド60を移動させるヘッド移動装置62とを備えている。ヘッド移動装置62は、図3に示すように、X軸方向移動装置64およびY軸方向移動装置66を備えている。Y軸方向移動装置66は、モジュール本体18を構成するクラウン42に、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨って設けられたリニアモータ70を備え、可動部材としてのY軸スライド72をY軸方向の任意の位置へ移動させる。X軸方向移動装置64はY軸スライド72上に設けられ、Y軸スライド72に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド74,76と、それらスライド74,76をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置78(図3には第1X軸スライド74を移動させる移動装置のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、駆動源たる電動回転モータの一種であるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド74,76をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0019】
装着ヘッド60は、第2X軸スライド76に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置62により、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨る移動領域である装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド60は、部品保持具の一種である吸着ノズル86(86a,86b)によって電子回路部品を保持するものとされており、吸着ノズル86を保持し、保持具保持部を構成するノズルホルダの数を異にする複数種類の装着ヘッド60が用意され、電子回路部品が装着される回路基板57の種類に応じて選択的に第2X軸スライド76に取り付けられる。
【0020】
例えば、図4(a)に示す装着ヘッド60aはノズルホルダ88aを1つ備え、吸着ノズル86aが1つ保持され、図4(b)に示す装着ヘッド60bはノズルホルダ88bを複数、例えば3個以上(図示の例では12個)備え、吸着ノズル86bが最大12個保持され得る。吸着ノズル86は吸着管90および背景形成板92を備え、吸着管90の部品吸着面の直径と、平面視の形状が円形を成す背景形成板92の直径との少なくとも一方を異にする複数種類の吸着ノズル86があり、吸着する電子回路部品の種類に応じて使い分けられる。吸着ノズル86aは吸着ノズル86bより部品吸着面および背景形成板92aの各直径が大きく、大形の電子回路部品の装着に使用される。
【0021】
装着ヘッド60aにおいてノズルホルダ88aは、図示は省略するが、ヘッド本体に軸線方向であって鉛直方向に移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、ヘッド本体に設けられた移動装置である昇降装置および回転装置により昇降および回転させられる。装着ヘッド60bは、図5に示すように、ヘッド本体96に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体100と、回転体100を正逆両方向に任意の角度回転させる回転体回転装置102とを備えた回転型ヘッドである。回転体100には、その回転軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔、図示の装着ヘッド60bでは等角度を隔てた12の位置にそれぞれ、ノズルホルダ88bが回転体100の回転軸線に平行な方向に相対移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、それぞれ回転体100からの突出端部(装着ヘッド60が第二X軸スライド76に取り付けられた状態では下端部)において吸着ノズル86bを着脱可能に保持する。
【0022】
12個のノズルホルダ88bは、回転体100の回転により、回転体100の回転軸線のまわりに旋回させられ、12個の停止位置の1つである部品吸着装着位置へ順次移動させられ、ヘッド本体96の部品吸着装着位置に対応する位置に設けられた移動装置である昇降装置104によって昇降させられる。ノズルホルダ88bはさらに、ヘッド本体96に設けられたホルダ回転装置106により、自身の軸線まわりに回転させられる。なお、前記基準マーク撮像装置28は、図3に示すように、第二X軸スライド76に搭載され、ヘッド移動装置62により装着ヘッド60と共に移動させられる。
【0023】
前記電気制御装置32の大半はベッド36のベッド内室118に収納されており、一部が後述するようにベース12内部に収納されている。ベッド内室118には、図6に示すように、それぞれCPU,制御盤,サーボコントローラが収納されたCPUボックス120,コントローラボックス122,サーボボックス124等が収納されている。CPU,制御盤,サーボコントローラはいずれも作動に伴って熱を発生させるため、各ボックス120,122,124にはそれぞれ排気装置(図示省略)が設けられ、内部の加熱された空気がボックス外に、すなわちベッド内室118に排出される。ベッド内室118には強度確保等の必要に応じて複数の仕切壁126が設けられるているが、これら仕切壁126には開口が設けられ、ベッド内室118での空気の流れを妨げないようにされている。
【0024】
ベッド内室118へ排出された空気は、図6および図7に示すように、ベッド36の後端部の上壁に形成された2つの排気口128にそれぞれ設けられた2つのファン130によってベッド36の上方へ排出される。ベッド36の上面にはコラム支持台132が設けられ、そのコラム支持台132から2本の後コラム40が立ち上がらされている。図6においては、内部構造を理解し易くするために、ベッド36およびコラム支持台132のサイドカバー133が外され、図7においてはバックカバー134が外された状態が示されているが、実際には、コラム支持台132の両側方および後方への開口が閉塞されるとともに、後コラム40の後方への開口も閉塞されており、コラム支持台132および後コラム40の内部には、コラム支持台132の上壁に形成された連通口136によって互いに連通し、上下方向に延びる排気通路138が形成されている。
【0025】
前述のように、前コラム38と後コラム40とによりビーム44が支持されているが、ビーム44の後端部は中間部より幅が広くされて、2本の後コラム40の上壁に形成された連通口146により、上記2本の排気通路138の各々と連なる排気通路148を形成している。ビーム44の後端部の上壁には排気口152が形成され、これら排気口152を経て、排気通路148内の空気がファン154により上方へ排出される。
【0026】
一方、ビーム44の内部には前記Y軸方向移動装置66のリニアモータ70が配設されるとともに、ビーム44の下方にはX軸スライド移動装置78が配設されている。これらリニアモータ70およびX軸スライド移動装置78の駆動源(例えば、回転電動モータ)も作動に伴って熱を発生させる。これらの熱により加熱された空気は上昇し、主としてビーム44に受けられ、一部はカバー46に受けられる。ビーム44に受けられた空気は、ビーム44の前記後端部に隣接する位置に形成された排気口に設けられたファン156により上方へ排出される。
【0027】
上記ファン154およびファン156により上方へ排出された空気は、カバー46に設けられた排気口162からカバー46の外部、すなわち装着モジュール10の外部へ排出される。この際、前記カバー46によって受けられた空気も、ファン154,156により排出される空気と共に、外部に排出される。
本実施形態においては、ファン130,154,排気通路138,排気口162等によってベッド内空気排出装置が構成され、ファン156および排気口162によってクラウン内空気排出装置が構成されている。
なお、後コラム40の内部は、装着装置26等への電気配線やエア配管用のスペースとしても好適な部分であり、本実施形態においては、2本の後コラム40の両方が排気通路および配線,配管スペースとして利用されているが、2本の後コラム40の一方を排気通路専用とし、他方を配線,配管スペース専用とすることも可能である。
【0028】
前述のように、電気制御装置32の一部は、図8に代表的に示すバキュームポンプ166や、装着モジュール10をベース12に対して予め定められた位置に位置決めして固定する位置決め固定装置をはじめとする、装着モジュール10の運転のために必要な種々の補機と共に、ベース12内部のベース内室168に収納されている。例えば、CPU,制御盤が収納されたCPUボックス170,制御ボックス172等が収納されているのである。これらも作動に伴って熱を発生させるが、本実施形態においては、この熱は、ベース12の底壁に形成された、図示を省略する排気口からファンによって下方へ排出される。
なお、上記位置決め固定装置としては、例えば、装着モジュール10に設けられた位置決め穴と、ベース12に軸方向に移動可能に保持された位置決めピンおよびそれを軸方向に移動させて位置決め穴に嵌入,離脱させるエアシリンダとの組合わせを採用することができる。
【0029】
上記ベース12は、図1に示した装着モジュール10を2台ずつ支持するものである。これら2台の装着モジュール10は互いに近接して配置され、各装着モジュール10の基板搬送装置20間において、仲介の基板搬送装置を介することなく、直接回路基板57の受け渡しを行い得るようにされている。そのため、万一、装着モジュール10の内部において点検、整備等の作業者による作業が必要になった場合に、図1に示す作動位置に整列させられたままでは、それら作業を行うことができない。そのため、ベース12上にはガイドレール178が設けられ、各装着モジュール10には複数の車輪180(図6,7参照)が設けられ、各装着モジュールを互いに独立に前方へ引き出して作業を行い得るようにされている。補助の台車を使用すれば、装着モジュール10をベース12から取り外し、別の装着モジュール10と交換したり、配置換えを行うことも可能である。なお、図8においては、ベース12の中央部の2本のガイドレール178およびそれの支持部材が除去されている。
【0030】
図8に示したベース12は、2台の装着モジュール10を支持するものであるが、図9に示すように、4台の装着モジュール10を支持可能なベース184も準備されており、ベース12と共に、あるいはベース12に代えて使用することが可能である。このベース184は、ベース内室186内の空間利用の自由度が高いためにスペース効率がよく、図9に示すように、ベース12においては外部に設置されるトランス190も、CPUボックス192,制御ボックス194と共に、ベース内室186内に収納され得る。本ベース184においても排気は下方へ行われる。
また、装着モジュールも、図1に示した寸法のもののみならず、図示は省略するが、幅が2倍の装着モジュールも準備されている。この装着モジュールは、大形の電気部品を供給するフィーダ58や、トレイ型の部品供給装置の使用に適している。
【0031】
なお、以上の説明において、加熱された空気の排出のみについて説明し、補給のための空気の吸入については説明しなかったが、これは、本実施形態においては、ベッド36にもベース12にも適度の隙間が形成されており、それら隙間から充分な量の空気が吸入されるからである。しかし、必要に応じて、吸気口を設け、あるいは吸気口とともに吸気用のファンを設けることも可能であり、それらを設ければ、ベッド36およびベース12の冷却性能を向上させることができる。また、CPU等、特に温度の影響を受け易いものの近傍に吸気口やファンを設ければ、冷却の目的を一層良好に果たすことができる。
【0032】
別の実施形態を図10に示す。本実施形態においては、ベース200のベース内室202で発生させられた熱も上方へ排熱される点において、上記実施形態とは異なっている。すなわち、ベース200の上壁に接続装置204と排気用のファン206が設けられ、ベース内室202の空気がベース200の上方へ排出されるようになっているのである。この上方へ排出された空気は、ベッド36から排気口210およびファン212により排出される空気と共に、コラム214内の排気通路216を経て、排気口218およびファン220により上方へ排出される。この排出された空気が、ビーム44の内部からファン222により排出された空気と共に、カバー46の排気口162から装着モジュール10の外部へ排出されることは、前記実施形態と同様である。
【0033】
上記接続装置204は、装着モジュール10のベース202に対する相対移動を許容しつつ、ベース内室202から排出される空気をコラム214へ導くために設けられている。接続装置204は、案内装置により昇降可能に案内され、エアシリンダ(複動シリンダでもよいが、スプリングにより上昇位置へ付勢された単動アクチュエータが好適である)等のアクチューエタにより昇降させられるものとすることも可能である。しかし、図示の実施形態においては、アクチュエータなしで接続状態と離間状態とを取り得るものとされている。
【0034】
接続装置204は、図11に示すように、接続状態において互いに密着する固定継手部224と可動継手部材226とを備えている。固定継手部224は、後方の部分ほど高くなる向きに傾斜させられた状態で、モジュール10の後端部に設けられている。この固定継手部224は、モジュール10の底部に形成された凹部内に設けられている。一方、可動継手部材226は、ベース200の上面より高い位置に、固定継手部224の傾斜に応じた向きに傾斜した姿勢で設けられている。可動継手部材226は、ベース200の上面に設けられたブラケット228に、支持軸230により回動可能に保持されている。
【0035】
可動継手部材226とブラケット228との一方に設けらた軸受け穴(図示の例では可動継手部材226の軸受穴)は、上下方向に長い長穴232とされており、可動継手部材226の回動とともに、限られた距離の上下動が可能な状態でブラケット228に保持されている。ただし、ブラケット228は、支持軸230の軸線に平行な方向に隔たって2つ設けられており、長穴232の幅は支持軸230の直径より僅かに大きくされているのみであるため、可動継手部材226の必要以上の移動は防止されている。また、可動継手部材226とベース200とは、伸縮可能なベローズ234により接続されている。このベローズ234は、自由状態では、可動継手部材226を図11に示す接続位置より僅かに高い位置に保持するとともに、固定継手部材224により可動継手部材226が押し下げられた場合には、図11の接続位置へ移動することを許容する形状および弾性変形能を有している。したがって、装着モジュール10が後退端位置まで後退させられるとき、可動継手部材226は固定継手部224に密着する状態となるが、本実施形態においては、さらに気密性を良好にするために、固定継手部材224と可動継手部材226との一方(図示の例では可動継手部材226)に、シール部材236が設けられる。
本実施形態においては、接続装置204およびファン206が、排気通路216,ファン220,排気口162等を含むベース内空気排出装置と共同で、ベース内空気排出装置を構成している。
なお、ベース200は、前記ベース12と同様に上向きの大きな開口を備えて、内部の装置に対するアクセスが容易とされているが、装着モジュール10が作動位置に位置する状態では、この開口が装着モジュール10によってほぼ閉塞され、ベース200と装着モジュール10との狭い隙間から空気が吸入される。しかし、上記上向きの開口をカバーにより閉塞し、ベース200の所望の箇所に空気吸入口を形成すれば、ベース200内に好ましい空気の流れを生じさせたり、フィルタを設けてベース200内への埃の侵入を抑制したりすることができる。
【0036】
以上説明した実施形態の装着モジュール10は、いずれも背面から後方へ排気する部分がないため、例えば、図12に示すように、複数のベース12(184,200)を並べ、それらベース12の上に複数(例えば4つ)の装着モジュール10あるいは幅が2倍の装着モジュール240を複数台(例えば2台)並べて構成した2ラインの装着システム242,244を背中合わせに、すなわち背面246同士において互いに対向し、かつ、背面246間の隙間を作業者の身体が入り得ない大きさ(150mm以下であることが望ましく、100mm以下,80mm以下であることがさらに望ましい)として設置することが可能となる。また、一方の装着システム、例えば、装着システム242を、装着システム244の代わりに壁に背面246を近接させた配置することも可能である。スペース効率の観点からは、背面246同士、あるいは背面246と壁とを密着させることが特に望ましい。
【0037】
以上説明した装着モジュールは、基板搬送装置20の片側、すなわち前側のみに部品供給装置24を備えたものであったが、図13に示すように、基板搬送装置20の両側に部品供給装置250,252を備え、2つの装着装置254,256によって、それぞれの部品供給装置250,252から電子回路部品を受け取り、同じ回路基板57に装着する形態の装着モジュール258とすることも可能である。この形態の装着モジュール258においても、例えば、図13に示すように、部品供給装置250,252と基板搬送装置20との間の位置においてベッド260の両側部から立ち上がる2本ずつの第1コラム262,264の内部を排気通路とし、ベッド260内の加熱された空気(ベース内の加熱された空気と共にでもよい)をファン268,270によりクラウン271の上面に設けた排気口272,274からから上方へ排出させるのである。このように構成した装着モジュール258を、図14に示すように、互いに近接させて複数配列することにより装着システムを構成することができる。
【0038】
さらに、上記装着モジュール258を図15,16に示す形態の装着モジュール280に変更することも可能である。この装着モジュール280は、2台の上記装着モジュール258を合体させた構成を有する。すなわち、それぞれ部品供給装置250,252と装着装置252,254とを備えて装着モジュール258と類似の構成を有する2つの装着ユニット286,288が、モジュール本体290を共有させられているのである。モジュール本体290は、ベッド292と、そのベッド292のX軸方向の中央部でありかつY軸方向の両端部である部分から立ち上がった第1コラム294および第2コラム296と、それら第1,第2コラムに支持されたクラウン298とを備えている。ベッド292には、4つの部品供給装置250,252を収容するための4つの凹部300が形成されているが、互いに隣接する凹部300の間の部分から第1,第2コラム294,296が立ち上がらされているのである。見方を変えれば、ベッド292は平面視で矩形を成す単純な形状を有し、第1,第2コラム294,296はベッドの底壁と同じ高さの位置から立ち上がっており、それらコラム294、296が下部においてベッド292と一体化されていると考えることもできる。
【0039】
いずれにしても、ベッド292の内部に形成されたベッド内室には、前述の各実施形態と同様に装着モジュール280の電気制御装置301が収納されており、これらが作動に伴って発生する熱が、ベッド内室の空気を第1,第2コラム294,296内部の排気通路およびクラウン298の内部空間を経て、クラウン298の上面に開口した排気口302から、ファン304によって上方へ排出される。ベッド292および第1,第2コラム294,296の内部にも必要に応じてファンが設けられるが図示および説明を省略する。また、複数の装着モジュール280が図示を省略する共通のベースに、個別にY軸方向に移動可能に支持され、そのベース内のベース内室にも、電気制御装置や補機が配設され、それらが発生させる熱を含んだ空気も、上記第1,第2コラム294,296を経て上方へ排出される。
【0040】
クラウン298の内側には、前記装着装置254,256の各一部を構成するY軸方向移動装置310のY軸スライド312をY軸方向に移動させる2つのリニアモータ314が配設されている。これら2つのリニアモータ314の発生する熱を含んだ空気も、上記排気口302およびファン304により外部へ排出されるとともに、クラウン298の中央部に設けられた排気口316とファン318とにより外部へ排出される。さらに、各Y軸スライド312に沿ってX軸スライド320を移動させる回転電動モータ(図示せず)も熱を発生させるが、この熱をはじめ、装着モジュール280の作業空間内において照明装置等により発生させられる熱を含んだ空気も、排気口316およびファン318により外部へ排出される。
【0041】
以上説明した装着モジュール10,240,258,280はいずれも、複数のものが共通のベース上に互いに近接して配列され、装着システムを構成するものであるが、これらモジュール10,240,258,280と類似の構成を備えて個別に設置され、中間に設置される基板搬送装置を介して互いに、あるいは、はんだ印刷機,印刷検査機,電子回路検査機,リフロー炉等の対回路基板作業機と、回路基板の受渡しを行う電子回路部品装着機とすることも可能である。
【0042】
前述の装着モジュール10およびベース12を有する装着システムは、前述の冷却ないし放熱に関する特徴以外にも種々の特徴を備えている。以下、それら特徴について順次説明する。
まず、前記基板保持装置22の特徴について説明する。基板保持装置22は、前記基板搬送装置20によって、モジュール10内へ搬送された回路基板57の背面である下面を、下方から支持する基板バックアッププ装置と、回路基板57の側縁部を把持して固定する基板固定装置とを備えているが、そのうち、基板バックアップ装置に特徴を有している。
【0043】
基板バックアップ装置400は、図17に示すように、平面視において、基板搬送装置20を構成する固定レール402および可動レール404の間の位置に配設され、両レール402,404に沿って周回させられる2本のコンベヤベルトに支持され、搬入された回路基板を下方から図示しないバックアップピン等のバックアップ部材により背後からバックアップするものであるが、本実施形態においては、通常複数であるバックアップ部材を支持するバックアッププレート410が、図18に示す支持台412と別体とされ、支持台412に対して着脱可能とされている。支持台412は図示を省略する昇降装置によって昇降させられ、軽量化のためにアルミニウム合金製とされているが、バックアッププレート410は、バックアップ部材を磁石により着脱可能に取り付ける必要上、鋼製とされている。
【0044】
支持台412は、図19,20に示すように、基板搬送装置20の搬送方向に平行なX軸方向に互いに隔たった第1位置決め部および第2位置決め部を備えている。第1位置決め部は、本実施形態においては、支持台412の一側面に形成された、下方の部分ほど支持台412の中央部に近くなる向きに傾斜させられた傾斜面414により構成され、第2位置決め部は、支持台412の反対側の側面に形成されたV字形の係合溝416により構成されている。一方、バックアッププレート410には、第3位置決め部および第4位置決め部が設けられている。第3位置決め部は、バックアッププレート410の下面より下方の位置において、バックアッププレート410の一側面に平行に延びるリブ418に、前記傾斜面414に対応する傾斜を有して形成された傾斜面420により構成され、第4係合部は、バックアッププレート410の下面より下方の位置において、バックアッププレート410の対応する側面に平行に延びるブ422に、そのリブの長手方向に間隔をおいて取り付けられた複数のボールプランジャ424の群により構成されている。
【0045】
ボールプランジャ424は、外周面に雄ねじが形成された本体426内に、ボール428が、それの一部が外部に突出するが離脱は不能に配設されるとともに、スプリングにより突出する向きに付勢されたものであり、そのボール428が前記V字形の係合溝416に係合させられる。ボール428は、係合溝416の下方の部分ほど支持台412の中央部に近くなる向きに傾斜させられた溝側面に係合するため、斜面の効果により、リブ422を水平方向に関しては支持台412から離間する向きに、鉛直方向に関しては下向きに付勢し、結局バックアッププレート410のリブ422が設けられた側の端部を下向きに付勢する。
【0046】
そのため、バックアッププレート410は、図19において、左方へ付勢され、前記傾斜面420が傾斜面414に押し付けられ、斜面の効果により、バックアッププレート410のリブ418が設けられた側の端部を下方へ付勢する。結局、バックアッププレート410の被支持面たる下面430が、支持台312の支持面たる上面432に押し付けられて、バックアッププレート410上下方向の位置決めが行われるとともに、傾斜面420の傾斜面414への密着によりX軸方向の位置決めが行われる。
【0047】
バックアッププレート410は、上記のようにして支持台412に固定されるため、バックアッププレート410を支持台412から取り外すためには、ボールプランジャ424のボール428をスプリングの付勢力に抗して本体426内へ押し込むことが必要であり、かなりの力が必要である。また、バックアッププレート410は前述のように鋼製であるため重量も相当大きくなる。これらは、バックアッププレート410に、磁石の磁力により取り付けられるバックアップ部材が取り外される際に、バックアッププレート410に加えられる力に抗して、バックアッププレート410を支持台412に安定に保持させる上では有益なのであるが、バックアッププレート410の取外し作業を困難にする。特に、本実施形態においては、図17,18に示すように、バックアッププレート410の両側部に近接して、基板搬送装置20の搬送幅を回路基板57の幅に合わせて変更するためのねじ軸440や、2本のコンベヤベルトを同期させて駆動するための六角シャフト442が存在するため、これらが邪魔になってバックアッププレート410の取外し作業が一層困難になる。
【0048】
この困難を軽減するために、バックアッププレート410の両側部には、図17に示す取っ手448、449が設けられている。これら取っ手448、449はバックアッププレート410に、取付軸450によって、Y軸方向に平行な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられ、ばね部材であるねじりコイルスプリング452により、図19に示す収納姿勢に保たれている。取っ手448,449は収納姿勢においては、バックアッププレート410の上面から上方へ突出せず、邪魔にならないようにされているが、作業者が、ねじりコイルスプリング452の弾性力に抗して、図20に示す起立姿勢まで回動させることができ、その起立姿勢の取っ手448,449を掴んでバックアッププレート410を持ち上げ得るようにされている。
【0049】
しかも、上記取っ手448の回動が、バックアッププレート410の支持台412に対するY軸方向の位置決めと、バックアッププレート410の支持台412からの押離しとに利用されている。
まず、位置決めについて説明する。取っ手448は図17に示すように、2つのアーム部460,462とそれらを連結する連結部464とを備えて全体としてコの字形を成しているが、図21に示すように、一方のアーム部460の基端部から位置決め突起466が、取っ手448が収納姿勢にある状態で下方へ延び出すように形成されている。そして、この位置決め突起466が、支持台412に形成された位置決め凹部としての位置決め溝468に嵌入して、バックアッププレート410の支持台412に対するY軸方向の位置決めを行う。そして、取っ手448が図22に示す起立姿勢に回動させられるのに伴って、位置決め溝468から離脱して位置決めを解除する。
【0050】
他方のアーム部462の基端部からは、図19に示すように、押離し突起470が、取っ手448収納姿勢にある状態では、アーム部462とは反対向きに延び出すように形成されている。この押離し突起470は通常はバックアッププレート410に形成された切欠内に収容されているが、取っ手448が図20に示す起立姿勢に回動させられるのに伴って下方へ回動し、支持台412に当接して支持台412を下方へ押し、支持台412から反力によりバックアッププレート410を支持台412から押し離す。押離し突起470はアーム部462に比較して短いため、連結部464からアーム部462の自由端部に加えられる操作力が倍力された大きな力で、バックアッププレート410を支持台412から押し離す。取っ手448が収納姿勢から起立姿勢へ回動させられるのに伴って押離しが行われるため、押し離しのために特別な操作を行う必要がなく、バックアッププレート410の支持台412からの取外し作業が単純で済む利点がある。しかも、上記位置決め突起466および押離し突起470は、取っ手448のアーム部460,462と一体に形成されているため、構造も単純であり、製造コストを低減させることができる。
【0051】
前述の装着モジュール10およびベース12を有する装着システムにおいても、通常の生産機械と同様に、ベース12の下面と床面との間隔を調節し、ベース12を水平に設置するためのレベリング装置480が、図23に示すように、水平面内において互いに距離を隔てて複数設けられている。一方、本装着システムは、前述のように、各装着モジュール10の背面が、別の装着システムの装着モジュール10の背面と、狭い隙間を隔てたのみで対向する状態で配置される得ることを重要な特長としている。そして、この特長の効果を享受する場合に、上記複数のレベリング装置480の中に、操作が困難となるものが生じる。以下、この困難を軽減するためのいくつかの工夫を説明する。
【0052】
上記工夫の一つは、図24に示すように、レベリング装置480が予め組立体とし得ることである。すなわち、レベリング装置480は、ベース12の底壁482の雌ねじ穴に螺合される調節ボルト484、その調節ボルト484を任意螺合位置で底壁482に固定するためのロックナット486,および調節ボルト484の頭部の球面を受ける円錐面を備えたシート488を含んでいるが、シート488を小ねじ490およびリテーナ491により、調節ボルト484に結合しておけるようにされているのである。ただし、リテーナ491が小ねじ490により調節ボルト484に強く締め付けられた状態においても、シート488の調節ボルト484に対する限られた量の相対移動が許容されるように、シート486に形成されたリテーナ491の収容凹部492がやや大きく形成されている。
【0053】
このように構成されたレベリング装置480は、シート488が調節ボルト484から離脱することがないため、レベル出し作業を容易に行い得るのであるが、図23における下側のラインの中央のベース12のレベル出し作業が行われる際には、すでに、上側のラインを構成するベース12および装着モジュール10と、下側のラインの左端のベース12および装着モジュール10が設置されているため、レベリング装置480の操作、特に上側のラインおよび左側のベース12および装着モジュール10に近い位置のレベリング装置480の操作が困難なのである。それに対し、本実施形態のベース12には、底壁482に開口494が形成されている。開口494は、上記レベリング装置480に隣接する位置に、作業者の手や工具を容易に挿入し得る大きさで形成されている。したがって、作業者はこの開口494からレベリング装置480のレベル出し作業を容易に行うことができる。
【0054】
ただし、ベース12内に収納すべき機器の都合等により、底壁482に開口494を形成することが望ましくない、あるいは不可能な場合もあり、その場合に備えて、図23に示すように、特殊なスパナ500が準備されている。このスパナ500は、通常のラチェット式スパナのハンドル部に中空の付加ハンドルを着脱可能とすることにより、通常のスパナに比較してハンドル502が著しく長くされ、かつ、必要な剛性を確保しつつ軽量化が図られている。また、スパナ500の先端部を支持して移動する小形の支持台車が準備されている。この支持台車は、スパナ500の先端部を、回動操作は可能であるが脱落は防止された状態に支持する支持台と、その支持台を支持する3つ以上(実際は4つ)のキャスタとを備え、ベース12の底面と床面との間のスペースに進入可能な寸法とされている。支持台にスパナ500の先端部を支持させ、ハンドル502を押せば、スパナ500の先端部を調節ボルト484の頭部やロックナット486に容易に係合させることができる。また、スパナ500はラチェット式であるため、調節ボルト484の頭部やロックナット486に係合させたままで往復回動操作を行えば、調節ボルト484やロックナット486を締めたり、緩めたりすることができ、図23に示すように、未だベース12が設置されていない側のスペースから比較的容易に調節ボルト484およびロックナット486の操作を行うことができる。
【0055】
また、ベース12の前面には、図25に示すように、他の部分より前方へ突出した位置決め基準部512が設けられている。この位置決め基準部512は、ベース12の加工基準面、例えば、前記ガイドレール178が取り付けられるガイドレール取付面に対する相対位置が精度良く機械加工された水平位置決め基準面514および鉛直位置決め基準面516を備えている。互いに隣接するベース12の一方について通常の方法でレベル出し作業を行った後、それに隣接するベース12のレベル出し作業を行う際、両ベース12の水平位置決め基準面514および鉛直位置決め基準面516に跨って定規を当て、両基準面514,516と定規との間に隙間が丁度なくなるように、後から設置するベース12のレベル出し作業を行えば、レベル出し作業を容易に行うことができる。水平位置決め基準面と鉛直位置決め基準面とをそれぞれ別個の位置決め基準部(例えば、前面に形成される位置決め基準部と上面に形成される位置決め基準部)に形成することも可能である。
【0056】
また、ベース12には、図23に示すように、配列された複数の装着モジュール10間の複数の隙間のうちの少なくとも一部、図示の例では一つ置きの隙間に、仕切板520が設けられている。本装着システムは、複数の装着モジュール10のうちの1つが前方へ引き出された状態でも、いくつかの装着モジュール10においては電子回路部品の装着作業が続行されるようにされている。しかし、各装着モジュール10は点検,整備の容易化のために、側方へ開いた大きな開口が形成されているため、1つの装着モジュール10が引き出された状態では、装着作業を続行している装着モジュール10内へ手を入れ、装着装置26等の作動装置に触れることが可能となる。これは望ましいことではないため、仕切板520が設けられ、上記側方への大きな開口を覆うようにされている。したがって、仕切板520の片側の装着モジュール10が引き出された状態でも、その仕切板520の反対側の装着モジュール10には支障なく装着作業を続行させることができる。
【0057】
しかしながら、上記仕切板520が、ベース12のレベル出し作業等、ベース12に対する作業の邪魔になる場合がある。そこで、本実施形態においては、ベース12に図26に示すガイドレール522が設けられ、このガイドレール522に沿って仕切板520を邪魔にならない位置へ容易に移動させ得るようにされている。また、仕切板520は、図27に示す仕切板固定装置524によりベース12に固定されるのであるが、この仕切板固定装置524の固定操作および固定解除操作の容易化が図られている。仕切板固定装置524は、図23および図27(a)に示すように、ベース12に固定の柱525に図27(b)に示すボルト526により固定されるものとされているが、ボルト526のボルト穴が図27(c)に示すようにU字形の切欠528とされており、ボルト526を取り外さなくても、緩めるのみで固定を解除し得るようにされている。また、仕切板520のボルト526に隣接する部分に開口530が形成されており、作業者は、仕切板520のボルト526とは反対側からでも、開口530を通して、ボルト526の回転操作を行うことができる。したがって、必要に応じて、仕切板520を邪魔にならない位置へ移動させ、レベル出し作業をはじめ、ベース12に対する作業を容易に行うことができる。
【0058】
本実施形態においては、ベース12に対する作業を一層容易にするために、図28に示す作業床540が準備されている。作業床540は軽量化のために木製で、すのこ状とされている。複数の床板542が間隔をあけて並べられ、2本の桟544により互いに連結されているのであり、図29に示すように、2本の桟544が2本のガイドレール178の外側に位置し、それら2本のガイドレール178の互いに反対側の側面に係合することにより、作業床540がベース12に対してずれることを防止するずれ防止部としての機能も果たすようにされている。2本の桟544を2本のガイドレール178の互いに対向する側面に係合させることも可能である。また、ずれ防止用の係合突部をリブとすることも不可欠ではなく、例えば、2本で1組の係合突起を各ガイドレール178に係合可能に設けることも可能である。さらに、ベース12のガイドレール178以外の部分と係合してずれを防止する係合突部あるいは係合凹部とすることも可能である。
上記作業床540をベース12上に載置し、その上に足で乗り、あるいは腹這いになって乗れば、レベル出し作業等、ベース12に対する作業が容易となる。
【0059】
ベース12は、隣接するベース12に対して予め定められた位置に設置することが必要であるが、重量の大きいベース12を微小量移動させることは容易ではない。そのため、本実施形態においては、図30に示す移動補助具550が準備されている。移動補助具550は、短い頭部552と長い柄部554とを備えてL字形に曲がった工具で、頭部552と柄部554との境界部である支点部556を床面558に支持させ、頭部552をベース12の底面560に接触させた状態で、柄部554を矢印562で示すように下方へ回動させることにより、頭部552の回動に伴う頭部先端の上向きの運動成分564によりベース12を押し上げつつ、頭部先端の水平方向の運動成分566によりベース12を水平方向に移動させる道具である。柄部554の回動操作時に、頭部552が倒れることを防止するために、支点部556はある程度の幅を有する形状とすることが望ましい。
【符号の説明】
【0060】
10:装着モジュール 12:ベース 18:モジュール本体 20:基板搬送装置 22:基板保持装置 24:部品供給装置 26:装着装置 32:電気制御装置 36:ベッド 38:前コラム 40:後コラム 42:クラウン 44:ビーム 46:カバー 54、56:基板コンベヤ 57:回路基板 58:テープフィーダ(フィーダ) 60a,b:装着ヘッド 62:ヘッド移動装置 64:X軸方向移動装置 66:Y軸方向移動装置 70:リニアモータ 72:Y軸スライド 74:第1X軸スライド 76:第2X軸スライド 78:X軸スライド移動装置 86:吸着ノズル 118:ベッド内室 120:CPUボックス 122:制御ボックス 124:サーボボックス 128:排気口 130:ファン 132:コラム支持台 134:バックカバー 136:連通口 138:排気通路 146:連通口 148:排気通路 152:排気口 154、156:ファン 162:排気口 166:バキュームポンプ 170:CPUボックス 172:制御ボックス 178:ガイドレール 180:車輪 184:ベース 186:ベース内室 190:トランス 192:CPUボックス 194:制御ボックス 200:ベース 202:ベース内室 204:接続装置 206:ファン 210:排気口 212:ファン 214:コラム 216:排気通路 218:排気口 220,222:ファン 224:固定継手部 226:可動継手部材 228:ブラケット 230:支持軸 232:長穴 234:ベローズ 236:シール部材 240:装着モジュール 242,244:装着システム 246:背面 250、252:部品供給装置 254,256:装着装置 258:装着モジュール 260:ベッド 262:第1コラム 264:第2コラム 266:ベース 268,270:ファン 270:クラウン 272,274:排気口 280:装着モジュール 286,288:装着ユニット 290:モジュール本体 292:ベッド 294:第1コラム 296:第2コラム 298:クラウン 301:電気制御装置 302:排気口 304:ファン 310:Y軸方向移動装置 312:Y軸スライド 314:リニアモータ 316:排気口 318:ファン 320:X軸スライド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【請求項2】
それぞれ、(a)回路基板を搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
【請求項3】
前記複数の装着モジュールの各々の前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである請求項2に記載の電子回路部品装着システム。
【請求項4】
前記装着装置が、前記電子回路部品を保持する保持ヘッドと、その保持ヘッドを前記基板搬送保持装置により保持された回路基板の表面に平行なXY座標面の任意の位置へ移動させるXYロボットとを含み、そのXYロボット周辺の空気を上向きに排出するクラウン内空気排出装置を含む請求項3に記載の電子回路部品装着システム。
【請求項5】
前記複数の装着モジュールの各々が、前記本体フレームの前部と後部との両方に前記コラムを有し、前記ベッド内空気排出装置が後部のコラムの内部を経て前記ベッド内の空気を排出する請求項3または4のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項6】
前記複数の装着モジュールから成る装着モジュール列が、それら装着モジュールの背面において、作業者が入り得ない大きさの隙間を隔てて互いに対向する状態で設置された請求項2ないし5のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項7】
さらに、前記複数の装着モジュールを、それら複数の装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持するベースを含む請求項2ないし6のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項8】
回路基板を保持する基板保持装置と、その基板保持装置の両側に設けられてそれぞれ電子回路部品を供給する2つの部品供給装置と、それら部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【請求項1】
回路基板を保持する基板保持装置と、電子回路部品を供給する部品供給装置と、その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【請求項2】
それぞれ、(a)回路基板を搬送方向に搬送するとともに停止位置に停止させて保持する基板搬送保持装置と、(b)その基板搬送保持装置の片側に設けられて電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記停止位置において前記基板搬送保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(d)それら基板搬送保持装置,部品供給装置および装着装置を支持する本体フレームとを含む複数の装着モジュールが、前記搬送方向に並べて配置され、それぞれの前記基板搬送保持装置により直接回路基板の受け渡しを行い、その回路基板にそれぞれ分担の電子回路部品を装着する電気部品装着システムであって、
前記複数の装着モジュールの各々の本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に各装着モジュールの電気制御装置が収納され、かつ、前記複数の装着モジュールの各々が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着システム。
【請求項3】
前記複数の装着モジュールの各々の前記本体フレームが、前記ベッドに加えて、そのベッドから立ち上がったコラムと、そのコラムにより支持されたクラウンとを含み、前記ベッド内空気排出装置が、前記ベッド内の空気を、前記排気通路としての前記コラムの内部を経て、前記クラウンから上向きに排出するものである請求項2に記載の電子回路部品装着システム。
【請求項4】
前記装着装置が、前記電子回路部品を保持する保持ヘッドと、その保持ヘッドを前記基板搬送保持装置により保持された回路基板の表面に平行なXY座標面の任意の位置へ移動させるXYロボットとを含み、そのXYロボット周辺の空気を上向きに排出するクラウン内空気排出装置を含む請求項3に記載の電子回路部品装着システム。
【請求項5】
前記複数の装着モジュールの各々が、前記本体フレームの前部と後部との両方に前記コラムを有し、前記ベッド内空気排出装置が後部のコラムの内部を経て前記ベッド内の空気を排出する請求項3または4のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項6】
前記複数の装着モジュールから成る装着モジュール列が、それら装着モジュールの背面において、作業者が入り得ない大きさの隙間を隔てて互いに対向する状態で設置された請求項2ないし5のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項7】
さらに、前記複数の装着モジュールを、それら複数の装着モジュールの並び方向と交差する方向に移動可能に支持するベースを含む請求項2ないし6のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
【請求項8】
回路基板を保持する基板保持装置と、その基板保持装置の両側に設けられてそれぞれ電子回路部品を供給する2つの部品供給装置と、それら部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、それら基板保持装置,部品供給装置および装着装置を保持する本体フレームとを含む電子回路部品装着機であって、
前記本体フレームがベッドを含み、そのベッド内に当該電子回路部品装着機の電気制御装置が収納され、かつ、当該電子回路部品装着機が、前記ベッド内の空気を上下方向に延びる排気通路を経て前記本体フレームの上面から上向きに排出するベッド内空気排出装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−263069(P2010−263069A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112619(P2009−112619)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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