説明

電子文書処理装置

【課題】電子文書の作成に際し、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる電子文書処理装置を提供すること。
【解決手段】電子文書処理装置10は、手書き入力エリア203とキー選択エリア204とによって手入力を受け付ける。そして、電子文書処理装置10は、表示させた電子文書を構成する表示欄ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させた表示欄ごとの複数のセルのうち一のセルと、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示されたスタイラスペン301の軌跡、又はスタイラスペン301によって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付け、対応付けられたデータを、当該一のセルによって構成される表示欄に対応する電子文書のデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、企業や公共機関等で大量に発生する文書は、電子文書化され、コンピュータによって保存、管理されている。例えば、医療機関によるカルテの作成は、患者ごとに作成され、コンピュータによって保存や、管理ができるように電子カルテ化されている。このような電子カルテは、書式や記述法が異なる複数のサブカテゴリー、例えば、項目名と数値とからなる検査結果、患部を示す図形や所見からなる診療内容、薬の投与等を示す処方等の記録によって構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された電子カルテシステムは、電子カルテを構成する複数のサブカテゴリーの内容を、その入力の書式の違いに拘わらず、行単位に入力し、同じ1つの電子カルテに編集することを可能にしている。そして、特許文献1に開示された電子カルテシステムは、同じ一人の対象患者に対する電子カルテのうちのサブカテゴリーの内容の決定及びデータ入力を、同じ電子カルテのうちの他のサブカテゴリーの内容等を閲覧及び参照しながら、行うことができる。また、特許文献1に開示された電子カルテシステムは、画面表示された診療記録シートの中の任意の位置に、画像データや(超音波写真やレントゲン写真等)、図形データ(患者の患部を図示するための図形等)を関連付けて、貼り付けることによって、文字データとは異なる画像データを同じ1つの電子カルテに編集する。
【0004】
また、例えば、特許文献2に開示された電子カルテシステムは、入力キーの操作により、表示手段の入力項目選択欄に表示された項目を選択し、順次、入力項目選択欄に次の入力に必要な項目を表示可能にし、入力作業を簡略化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−99610号公報
【特許文献2】国際公開第2005/022432号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、文字データとは書式や記述法が異なる図形データについて、電子カルテと関連付ける技術を開示するだけであって、同じ電子カルテシステムで図形のような手書きデータを作成する技術を開示するものではない。また、特許文献2は、画像データについて、予め、登録されている複数の身体部位画像の中から選択した画像に、ペン、マウス等を用いて画像に部位、症状等を書き込み、カルテへ貼り付けることが記載されているだけである。
【0007】
そこで、電子カルテ等の電子文書の作成に際し、手書きデータと文字データとのように書式や記述法が異なるデータであっても、容易に書き込むことができる装置が求められている。
【0008】
本発明は、電子カルテ等の電子文書の作成に際し、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる電子文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
(1) 文書を電子データ化した電子文書を作成する電子文書処理装置であって、前記電子文書を構成するデータをデータ欄ごとに記憶する電子文書記憶手段と、前記電子文書を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段とは別に画像を表示する第2の表示手段と、前記第2の表示手段の前面に配置され透光性を有する入力タブレットを一体に構成させた手入力手段と、前記手入力手段に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリアと、キーの選択を受け付けるキー選択エリアとを表示させる入力エリア表示手段と、前記入力エリア表示手段によって表示された前記手書き入力エリアに前記入力タブレットを介してスタイラスペンによって手書きされた軌跡を、当該手書き入力エリアに表示させる手書き入力表示手段と、前記入力エリア表示手段によって表示された前記キー選択エリアのキーのうち、前記入力タブレットを介して前記スタイラスペンが接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字を、前記手書き入力エリアに表示させるキー入力表示手段と、前記第1の表示手段を、前記電子文書を構成するデータ欄に対応付けた表示欄に区分けし、区分けした表示欄ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させた前記セルごとに画像を表示させるセル表示構成手段と、前記セル表示構成手段によって構成された前記表示欄ごとの複数のセルのうち一のセルと、前記手書き入力エリアと、を前記手書き入力エリアに表示された前記スタイラスペンの軌跡、又は前記スタイラスペンによって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付けるセル対応付け手段と、前記手書き入力エリアに入力された前記スタイラスペンの軌跡を前記セル対応付け手段によって対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成し、前記スタイラスペンによって選択された文字を前記セル対応付け手段によって対応付けられた一のセルに表示させると共に文字データを作成するデータ表示作成手段と、前記データ表示作成手段によって作成されたデータを、当該一のセルによって構成される前記表示欄に対応する前記電子文書の前記データ欄に書き込み、前記電子文書記憶手段に記憶させる電子文書生成手段と、を備える電子文書処理装置。
【0011】
(1)の構成によれば、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書を構成するデータをデータ欄ごとに記憶する電子文書記憶手段と、電子文書を表示する第1の表示手段と、第1の表示手段とは別に画像を表示する第2の表示手段と、第2の表示手段の前面に配置され透光性を有する入力タブレットを一体に構成させた手入力手段と、を備えている。そして、電子文書処理装置は、手入力手段に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリアと、キーの選択を受け付けるキー選択エリアとを表示させ、表示した手書き入力エリアに入力タブレットを介してスタイラスペンによって手書きされた軌跡を、手書き入力エリアに表示させ、表示したキー選択エリアのキーのうち、入力タブレットを介してスタイラスペンが接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字を、手書き入力エリアに表示させる。そして、電子文書処理装置は、第1の表示手段を、電子文書を構成するデータ欄に対応付けた表示欄に区分けし、区分けした表示欄ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させたセルごとに画像を表示させ、構成させた表示欄ごとの複数のセルのうち一のセルと、手書き入力エリアと、を手書き入力エリアに表示させたスタイラスペンの軌跡、又はスタイラスペンによって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付け、手書き入力エリアに入力されたスタイラスペンの軌跡を、手書き入力エリアに対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成し、スタイラスペンによって選択された文字を、手書き入力エリアに対応付けられた一のセルに表示させると共に文字データを作成し、作成したデータを、当該一のセルによって構成される表示欄に対応する電子文書のデータ欄に書き込み、電子文書記憶手段に記憶させる。
【0012】
すなわち、本発明に係る電子文書処理装置は、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリアと、キーの選択を受け付けるキー選択エリアとを、電子文書の表示とは別に表示して、入力を受け付ける。そして、電子文書処理装置は、電子文書を構成するデータ欄ごとに対応させた表示欄を構成する複数のセルのうち一のセルに、手書き入力エリアに表示されたスタイラスペンの軌跡、又はスタイラスペンによって選択された文字を表示させ、表示させたデータをデータ欄に書き込み、電子文書記憶手段に記憶させる。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる。
【0013】
(2) 前記セル表示構成手段によってセルが構成された前記表示欄と、前記手書き入力エリアと、を前記手書き入力エリアに表示された前記スタイラスペンの軌跡、又は前記スタイラスペンによって選択された文字が前記表示欄に表示される様に対応付ける表示欄対応付け手段と、前記セル対応付け手段による対応付けと、前記表示欄対応付け手段による対応付けとを切り替えるセル対応切替手段と、をさらに備える、(1)に記載の電子文書処理装置。
【0014】
(2)の構成によれば、(1)に記載の電子文書処理装置は、セルが構成された表示欄と、手書き入力エリアと、を手書き入力エリアに表示されたスタイラスペンの軌跡、又はスタイラスペンによって選択された文字が表示欄に表示される様に対応付け、セルと手書き入力エリアとの対応付けと、表示欄と手書き入力エリアとの対応付けと、を切り替える。
【0015】
すなわち、(2)に記載の電子文書処理装置は、さらに、表示欄と、手書き入力エリアとを対応付け、セルと手書き入力エリアとの対応付けと、表示欄と手書き入力エリアとの対応付けと、を切り替える。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書き入力エリアに描かれた軌跡を、手書き入力エリアに対応付けられた表示欄に表示し、データ欄に書き込むことができ、データ欄に対するデータであっても、容易に書き込むことができる。
【0016】
(3) 前記電子文書を構成する前記データ欄の選択を受け付けるデータ欄受付手段と、前記電子文書を構成する前記データ欄の種類と、前記手入力手段に表示する前記手書き入力エリア及び前記キー選択エリアの入力タイプとを対応付けて記憶する入力タイプ対応記憶手段と、をさらに備え、前記入力エリア表示手段は、前記データ欄受付手段によって受け付けられて選択された前記データ欄の種類に、前記入力タイプ対応記憶手段によって対応付けられた前記入力タイプの前記手書き入力エリア及び前記キー選択エリアを表示させる、(1)又は(2)に記載の電子文書処理装置。
【0017】
(3)の構成によれば、(1)又は(2)に記載の電子文書処理装置は、電子文書を構成するデータ欄の種類と、手書き入力エリア及びキー選択エリアの入力タイプとを対応付ける入力タイプ対応記憶手段をさらに備え、電子文書を構成するデータ欄の選択を受け付け、受け付けたデータ欄の種類に、入力タイプ対応記憶手段によって対応付けられた入力タイプの手書き入力エリア及びキー選択エリアを表示させる。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、書式や記述法が異なるデータ欄ごとに対応付けられた入力タイプの手書き入力エリア及びキー選択エリアによって、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータをさらに容易に書き込むことができる。
【0018】
(4) 前記手書き入力エリアに、前記スタイラスペンの軌跡を手書き入力することができる通常入力エリアと、当該通常入力エリアの外周に沿って囲まれた拡張入力エリアと、を構成する入力範囲構成手段と、前記通常入力エリアと、前記セル表示構成手段によって構成された複数のセルのうち一のセルと、を前記通常入力エリアに入力された前記スタイラスペンの軌跡が当該一のセルに表示される様に対応付ける通常セル対応付け手段と、前記拡張入力エリアを所定の区画に区分けし、当該区分けした区画のうち一の区画と前記通常入力エリアとの位置関係と、前記通常セル対応付け手段によって前記通常入力エリアに対応付けられた一のセルに接するセルのうち一の接するセルと当該一のセルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接するセルとを対応付ける拡張セル対応付け手段と、をさらに備え、前記セル対応付け手段は、前記通常セル対応付け手段と前記拡張セル対応付け手段とにより、セルと前記手書き入力エリアとの対応付けを行い、前記データ表示作成手段は、前記手入力手段によって検出された前記スタイラスペンの軌跡が、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ連続して検出された場合に、前記拡張入力エリアのうち前記スタイラスペンが停留している区画に前記拡張セル対応付け手段によって対応付けられたセルに、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ手書きされた前記スタイラスペンの軌跡を延長して表示させる、(1)から(3)のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【0019】
(4)の構成によれば、(1)から(3)のいずれかに記載の電子文書処理装置は、さらに、手書き入力エリアに、スタイラスペンの軌跡を手書き入力することができる通常入力エリアと、当該通常入力エリアの外周に沿って囲まれた拡張入力エリアと、を構成し、通常入力エリアと、第1の表示手段に表示させた電子文書を構成するデータ欄ごとに構成された複数のセルのうち一のセルと、を通常入力エリアに入力されたスタイラスペンの軌跡が当該一のセルに表示される様に対応付ける。さらに、電子文書処理装置は、拡張入力エリアを所定の区画に区分けし、当該区分けした区画のうち一の区画と通常入力エリアとの位置関係と、通常入力エリアに対応付けられた一のセルに接するセルのうち一の接するセルと当該一のセルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接するセルとを対応付ける。そして、電子文書処理装置は、通常入力エリアに入力されたスタイラスペンの軌跡を、通常入力エリアに対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成する。さらに、電子文書処理装置は、手入力手段によって検出されたスタイラスペンの軌跡が、通常入力エリアから拡張入力エリアへ連続して検出された場合に、拡張入力エリアのうちスタイラスペンが停留している区画に対応付けられたセルに、通常入力エリアから拡張入力エリアへ手書きされたスタイラスペンの軌跡を自動的に延長して表示させる。
【0020】
すなわち、本発明に係る電子文書処理装置は、手書き入力エリアに通常入力エリアと拡張入力エリアとを設け、通常入力エリアに手書きされた軌跡を、第1の表示手段のデータ欄ごとに対応付けられた一のセルに表示すると共に、ストロークデータを作成する。そして、本発明に係る電子文書処理装置は、拡張入力エリアのうちスタイラスペンが停留している区画に対応付けられたセルに、通常入力エリアから拡張入力エリアへ手書きされた軌跡を延長して表示させる。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、文字データと書式や記述法が異なる手書きデータを、さらに容易に書き込むことができる。
【0021】
(5) 前記手入力手段によって検出された前記スタイラスペンの軌跡が、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ連続して検出された場合に、前記拡張入力エリアのうち同一の区画内に停留している時間を計測する時間計測手段、をさらに備え、前記データ表示作成手段は、前記時間計測手段によって計測された時間が所定の時間以上である場合に、前記拡張入力エリアのうち前記スタイラスペンが停留している区画に前記拡張セル対応付け手段によって対応付けられたセルに、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ手書きされた前記スタイラスペンの軌跡を延長して表示させる、(4)に記載の電子文書処理装置。
【0022】
(5)の構成によれば、電子文書処理装置は、手入力手段によって検出されたスタイラスペンの軌跡が、通常入力エリアから拡張入力エリアへ連続して検出された場合に拡張入力エリアのうち同一区画内に停留している時間を計測し、計測された時間が所定の時間以上である場合に、拡張入力エリアのうちスタイラスペンが停留している区画に対応付けられたセルに、通常入力エリアから拡張入力エリアへ手書きされたスタイラスペンの軌跡を自動的に延長して表示させる。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、拡張入力エリアへの手書きを受け付けて、スタイラスペンの停留に従って表示させることができ、文字データと書式や記述法が異なる手書きデータを、さらに容易に書き込むことができる。
【0023】
(6) 前記手書き入力表示手段は、前記データ表示作成手段がセルに表示させた延長した線分を前記第2の表示手段に表示させると共に、当該セル内に表示させた最後の点を前記第2の表示手段に明示する(4)又は(5)に記載の電子文書処理装置。
【0024】
(6)の構成によれば、電子文書処理装置は、セルに表示させた延長した線分を第2の表示手段に表示させると共に、当該セル内に表示させた最後の点を明示して表示させる。したがって、電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、文字データと書式や記述法が異なる手書きデータについて、次々と通常入力エリアよりも大きな手書きデータを受け付けて、容易に書き込むことができる。
【0025】
(7) 前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる対応セル移動手段と、前記手入力手段によって検出されていた前記スタイラスペンの位置が検出されなくなった場合に、検出されない時間を計測する中断時間計測手段と、入力の終了を指示する入力終了手段と、をさらに備え、前記対応セル移動手段は、前記中断時間計測手段によって計測された時間がストローク閾値以上である場合、又は前記入力終了手段によって入力の終了が指示された場合に、前記対応セル移動手段によって、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる(4)から(6)のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【0026】
(7)の構成によれば、電子文書処理装置は、スタイラスペンの位置が検出されなくなってからの時間を計測し、計測した時間がストローク閾値以上である場合、又は入力の終了が指示された場合に、対応付けられた一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる。したがって、電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を次々と受け付けて、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる。
【0027】
(8) 前記データ表示作成手段は、前記中断時間計測手段によって時間が計測されるごとに、前記ストロークデータに当該計測された時間を対応付けて記憶させる中断時間記憶制御手段と、前記中断時間記憶制御手段によって前記ストロークデータに対応付けて記憶された時間に基づいて統計処理により前記ストローク閾値を算出し、最適化する閾値最適化手段と、をさらに備える(7)に記載の電子文書処理装置。
【0028】
(8)の構成によれば、電子文書処理装置は、ストローク待ち時間を計測するごとに、ストロークデータに当該計測した時間を対応付けて記憶させ、ストロークデータに対応付けて記憶された時間に基づいて統計処理によりストローク閾値を算出し、最適化する。すなわち、電子文書処理装置は、ストローク閾値(入力の終了の指示がされない場合に入力の終了とみなす時間)を、ユーザの手書きによるストローク間の時間に基づいた統計処理により最適化する。よって、電子文書処理装置は、ユーザごとの手書きに応じて、通常入力エリアとセルとの対応付けを移動させることができる、したがって、電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータを入力の終了の指示がされなくても次々と受け付けて、容易に書き込むことができる。
【0029】
(9) 前記対応セル移動手段は、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させるごとに移動させた方向を記憶手段に記憶させ、前記中断時間計測手段によって計測された時間が前記ストローク閾値以上である場合に、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、前記記憶手段に記憶させた移動方向と同じ方向の所定のセルに、対応付けを移動させる(8)に記載の電子文書処理装置。
【0030】
(9)の構成によれば、電子文書処理装置は、通常入力エリアに対応付けられた一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させるごとに移動させた方向を記憶手段に記憶させ、スタイラスペンの位置が検出されない場合に計測された時間がストローク閾値以上である場合、通常入力エリアに対応付けられた一のセルから、記憶手段に記憶させた移動方向と同じ方向の所定のセルに、対応付けを移動させる。したがって、電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を入力の終了の指示がされなくてもさらに次々と受け付けて、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる。
【0031】
(10) 前記入力エリア表示手段は、前記手入力手段に、前記手書き入力エリアと前記キー選択エリアとを表示させると共に、前記電子文書を表示させ、前記セル表示構成手段は、前記電子文書を表示させた前記手入力手段に、前記第1の表示手段に構成させたセルと同様のセルを構成させ、前記セル対応付け手段は、前記第1の表示手段と同様に、前記手入力手段に構成されたセルと前記手書き入力エリアとを対応付ける、(1)から(9)のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【0032】
(10)の構成によれば、(1)から(9)のいずれかに記載の電子文書処理装置は、手入力手段に、手書き入力エリアとキー選択エリアとを表示させると共に、電子文書を表示させ、表示させた手入力手段に、第1の表示手段に構成させたセルと同様のセルを構成させ、第1の表示手段と同様に、手入力手段に構成されたセルと手書き入力エリアとを対応付ける。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を受け付ける手入力手段に電子文書を表示させながら、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる。
【0033】
(11) 前記データ欄に書き込まれた内容を確定する確定手段と、前記確定手段によって確定された内容に基づいてチェック値を生成し、前記電子文書に書き込むチェック値生成手段と、前記電子文書のチェック値を算出し、算出したチェック値と、前記チェック値生成手段によって書き込まれたチェック値とを比較するチェック手段と、をさらに備える、(1)から(10)のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【0034】
(11)の構成によれば、(1)から(10)のいずれかに記載の電子文書処理装置は、データ欄に書き込まれた内容を確定し、確定した内容に基づいてチェック値を生成し、電子文書に書き込む。そして、電子文書処理装置は、電子文書のチェック値を算出し、算出したチェック値と、書き込んだチェック値とを比較する。したがって、本発明に係る電子文書処理装置は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができ、さらに、電子文書の改竄を防止することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータを容易に書き込むことができる。さらに、本発明は、書式や記述法が異なるデータ欄ごとに対応付けられた入力タイプの手書き入力エリア及びキー選択エリアによって、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、書式や記述法が異なるデータをさらに容易に書き込むことができる。また、本発明は、電子文書のチェック値を生成し、電子文書の改竄を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、入力表示装置と一の表示欄との一の対応を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、入力表示装置と一の表示欄との別の対応を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、入力表示装置と別の表示欄との対応を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、入力表示装置とさらに別の表示欄との対応を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、表示欄とデータ欄との対応を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の機能の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における手入力部の構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置におけるキー選択エリアのキー処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における手書き入力エリアの入力タイプを記憶する手書き入力タイプDBを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における入力タイプ対応DBを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における、手書き入力エリアと、表示欄を構成するセルとの対応を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置のストロークデータの例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の拡張入力エリア処理を示すフローチャートである。
【図16】図15に続く処理内容を示すフローチャートである。
【図17】図15に続く処理内容を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の手書き入力の例を示す説明図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の手書き入力の別の例を示す説明図である。
【図20】図19に続く説明図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の手書き入力の別の例を示す説明図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の実施形態2における電子文書と軌跡データとの関係を説明する説明図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の実施形態2の拡張入力エリアにおける区画の一例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の実施形態2の拡張入力エリアにおける区画の別の例を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の実施形態3における手入力部の構成を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置の実施形態3における入力表示装置の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。以下の説明において、本発明の実施形態を、電子文書の実施形態として電子カルテによって説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、入力表示装置201と一の表示欄314との一の対応を示す図である。
【0039】
電子文書処理装置10は、電子文書を表示装置1080(後述する図7参照)に表示し、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202を一体に構成させた手入力部12に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリア203と、キーの選択を受け付けるキー選択エリア204とを表示させる。そして、電子文書処理装置10は、手書き入力エリア203に入力タブレット202を介してスタイラスペン301によって手書きされた軌跡を、当該手書き入力エリア203に表示させ、キー選択エリア204のキーのうち、入力タブレット202を介してスタイラスペン301が接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字(記号及び数字を含む)を、手書き入力エリア203に表示させる。そして、電子文書処理装置10は、表示装置1080を、電子文書を構成するデータ欄に対応付けた表示欄311〜316に区分けし、区分けした表示欄311〜316ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させたセルごとに画像を表示させる。例えば、図1で構成させた表示欄311〜316ごとの複数のセルのうち診断の表示欄314のうちの一のセルC1104と、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示させたスタイラスペン301の軌跡が当該一のセルC1104に表示される様に対応付け、手書き入力エリア203に入力されたスタイラスペン301の軌跡を、手書き入力エリア203に対応付けられた一のセルC1104の解像度に合わせて当該一のセルC1104に表示させると共に、ストロークデータを作成し、作成したデータを、当該一のセルC1104によって構成される診断の表示欄314に対応する電子文書の診断のデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、入力表示装置201と一の表示欄314との別の対応を示す図である。図2において、電子文書処理装置10は、セルと手書き入力エリア203との対応付けを、診断の表示欄314と手書き入力エリア203との対応付けに切り替え、セルが構成された診断の表示欄314と、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示されたスタイラスペン301の軌跡が診断の表示欄314に表示される様に対応付ける。そして、電子文書処理装置10は、診断の表示欄314に表示させたデータを診断のデータに書き込み、電子文書DB31に記憶させる。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、入力表示装置201と別の表示欄315との対応を示す図である。図3において、電子文書処理装置10は、電子文書を構成する処方箋のデータ欄に対応付けた処方箋の表示欄315に構成させた複数のセルのうち一のセルC112と、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示させた、スタイラスペン301によって選択された文字が当該一のセルC112に表示される様に対応付ける。例えば、キー選択エリア204においてスタイラスペン301によって接触されて選択されたキーに対応するデータ(選択されたキーに対応する文字や記号等)は、カレントのセルC112を構成するドット構成によって対応付けられるカレントのカーソル350に表示される。そして、電子文書処理装置10は、文字データを作成し、作成したデータを、処方箋の表示欄315に対応する電子文書の処方箋のデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。
【0042】
図4は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、入力表示装置201とさらに別の表示欄316との対応を示す図である。電子文書処理装置10は、電子文書を構成する補助情報のデータ欄に対応する補助情報の表示欄316に構成させた複数のセルのうち一のセルC0303と、手書き入力エリア203と、を対応付ける。すなわち、電子文書処理装置10は、手書き入力エリア203のうち通常入力エリア211と、セルC0303と、を通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡が当該一のセルC0303に表示される様に対応付け、通常入力エリア211と拡張入力エリア221の所定の区画との位置関係が、セルC0303とセルC0303の周辺のセルとの位置関係と同じ位置関係になるように対応付ける(図12参照)。そして、電子文書処理装置10は、例えば、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して手書きされたスタイラスペン301の軌跡263を、セルC0303からセルC0308へ延長して表示(延長線264)させる。そして、電子文書処理装置10は、ストロークデータを作成し、作成したデータを補助情報の表示欄316に対応付けられた補助情報のデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。
【0043】
図1から図4に示すように、電子文書処理装置10は、書式や記述法が異なるデータ欄ごとに最適な入力方法(入力タイプ)を対応付け、対応付けられた手書き入力エリア203及びキー選択エリア204によって、手書きデータや、文字データの入力を受け付けて、電子文書に書き込む。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、表示欄とデータ欄との対応を示す図である。図5の例は、電子カルテを構成する、1の患者のデータ欄3131〜3162であって書式や記述法が異なるデータ欄3131〜3162と、表示装置1080を区分けした表示欄311〜316との対応を示す例である。例えば、基本情報が書き込まれる基本情報のデータ欄3131、3132は、基本情報の表示欄313に対応している。そして、ページの切り替えによってデータ欄3131からデータ欄3132に切り替えられて表示される。1ページのデータ欄はスクロールされることによって、対応する表示欄311〜316に表示されるとしてもよい。また、電子文書処理装置10は、表示欄311〜316にデータ欄3131〜3162を表示させる際に、表示欄311〜316を構成するセルごとにタグ情報を対応させる。タグ情報は、セルが固定セル(データ入力をしない箇所)であることや、セルがストロークデータによって書かれているセルであること、セルが写真等の画像データをリンクしていること、セルが複数のセルによって構成されるストロークデータのうちのセルであること、セルが文字コードによって書かれているセルであること等を示す情報である。タグ情報は、表示欄を初期構成する際や、ストロークデータ作成時、写真等の画像データをセルにリンクさせる際、文字コードを書き込む際等に、作成され、電子文書に記憶される。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の機能の構成を示す機能ブロック図である。電子文書処理装置10は、第1の表示手段としての表示装置1080と、第2の表示手段としての入力表示装置201と、セル表示構成手段としてのセル表示構成部11と、手入力手段としての手入力部12と、データ欄受付手段としてのデータ欄受付部121と、入力表示手段としての入力エリア表示部13と、手書き入力表示手段としての手書き入力表示部131と、キー入力表示手段としてのキー入力表示部132と、入力範囲構成手段としての入力範囲構成部14と、セル対応付け手段としてのセル対応付け部150と、通常セル対応付手段としての通常セル対応付け部15と、表示欄対応付け手段としての表示欄対応付け部151と、セル対応切替手段としてのセル対応切替部152と、拡張セル対応付手段としての拡張セル対応付け部16と、データ表示作成手段としてのデータ表示作成部17と、電子文書生成手段としての電子文書生成部171と、時間計測手段としての時間計測部18と、対応セル移動手段としての対応セル移動部19と、中断時間計測手段としての中断時間計測部20と、入力終了手段としての入力終了部21と、電子文書記憶手段としての電子文書DB31と、入力タイプ対応記憶手段としての入力タイプ対応DB32とを備える。以下、各部について詳述する。
【0046】
表示装置1080は、上述の様に電子文書を構成するデータ欄を対応する表示欄に表示する。入力表示装置201は、手書き入力エリア203と、キー選択エリア204とを表示し、手入力されたデータを表示する。
【0047】
電子文書DB31は、電子文書を構成するデータを書式や記述法(例えば、手書きの軌跡データ、画像データ、文字コード等)が異なるデータ欄ごとに記憶する(後述する図5参照)。入力タイプ対応DB32は、電子文書を構成するデータ欄の種類(例えば、手書きの軌跡データからなる補助情報のデータ欄、手書きの軌跡データや画像データを含む診断のデータ欄、文字コードからなる処方箋のデータ欄等)と、入力表示装置201に表示する手書き入力エリア203及びキー選択エリア204の入力タイプ(例えば、手書き入力、文字入力等)とを対応付けて記憶する(後述する図11参照)。
【0048】
手入力部12は、表示装置1080と異なる入力表示装置201と、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202とが一体に構成される。入力タブレット202は、スタイラスペン301との接触を検出し、検出した接触の位置を示す座標情報を出力する。手入力部12は、入力タブレット202に透光性を有するタッチパッドを使用し、液晶ディスプレイ等の表示装置を一体に構成させたタッチパネルであってもよい。入力タブレット202は、抵抗感圧方式や、静電容量方式、電磁誘導方式等であってよい。入力タブレット202と表示装置1080とは、それぞれ別な解像度であってもよい。スタイラスペン301は、それぞれの方式に合った専用のペンが望ましいが、抵抗感圧方式の場合、一般のペンや、鉛筆等であってもよい。データ欄受付部121は、電子文書を構成するデータ欄の選択を受け付ける。
【0049】
入力エリア表示部13は、手入力部12に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリア203と、キーの選択を受け付けるキー選択エリア204とを表示させる。さらに、入力エリア表示部13は、電子文書を構成するデータ欄の選択を受け付けるデータ欄受付部121によって受け付けられて選択されたデータ欄の種類に、入力タイプ対応DB32によって対応付けられた入力タイプの手書き入力エリア203及びキー選択エリア204を表示させる。そして、手書き入力表示部131は、入力エリア表示部13によって表示された手書き入力エリア203に入力タブレット202を介してスタイラスペン301によって手書きされた軌跡を、手書き入力エリア203に表示させる。キー入力表示部132は、入力エリア表示部13によって表示されたキー選択エリア204のキーのうち、入力タブレット202を介してスタイラスペン301が接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字を、手書き入力エリア203に表示させる。例えば、入力エリア表示部13は、スタイラスペン301によって手書きされた軌跡の座標情報を入力タブレット202から受信し、受信した座標情報が手書き入力エリア203内である場合に、手書き入力エリア203にスタイラスペン301の軌跡を表示する。スタイラスペン301の軌跡は、受信した座標値に対応する入力表示装置201の表示点を曲線(例えばスプライン関数等)で連続させて作成される。また、例えば、入力エリア表示部13は、スタイラスペン301の接触を検知した入力タブレット202から、座標情報を受信し、受信した座標情報がキー選択エリア204内である場合に、受信した座標情報に対応する文字(記号及び数字を含む)をカレントのセル(例えば、図3のC112)を構成するドット構成によって対応付けられるカレントのカーソル位置(例えば、カーソル350)に表示する。
【0050】
セル表示構成部11は、表示装置1080を、電子文書を構成するデータ欄に対応付けた表示欄311〜316に区分けし、区分けした表示欄311〜316ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させた前記セルごとに画像を表示させる。例えば、セル表示構成部11は、表示装置1080の解像度に合わせて、マトリックス状のセルを構成させ、入力エリア表示部13に手書き入力された軌跡を、表示装置1080の解像度に合わせて、セルに表示させる。セルの所定の数は、セル数についての設定値によって可変である。
【0051】
セル対応付け部150は、セル表示構成部11によって構成された表示欄311〜316ごとの複数のセルのうち一のセルと、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示されたスタイラスペン301の軌跡、又はスタイラスペン301によって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付ける。表示欄対応付け部151は、セル表示構成部11によってセルが構成された表示欄311〜316と、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示されたスタイラスペン301の軌跡、又はスタイラスペン301によって選択された文字が表示欄311〜316に表示される様に対応付ける。セル対応切替部152は、セル対応付け部150による対応付けと、表示欄対応付け部151による対応付けとを切り替える。
【0052】
データ表示作成部17は、手書き入力エリア203に入力されたスタイラスペン301の軌跡をセル対応付け部150によって対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成し、スタイラスペン301によって選択された文字をセル対応付け部150によって対応付けられた一のセルに表示させると共に文字データを作成する。
【0053】
電子文書生成部171は、データ表示作成部17によって作成されたデータを、当該一のセルによって構成される表示欄311〜316に対応する電子文書のデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。
【0054】
入力範囲構成部14は、手入力部12上に、スタイラスペン301の軌跡を手書き入力することができる通常入力エリア211と、当該通常入力エリア211の外周に沿って囲まれた拡張入力エリア221と、を構成する。例えば、入力範囲構成部14は、手入力部12の入力表示装置201の手書き入力エリア203を図12のように構成する。通常入力エリア211の大きさや、拡張入力エリア221の幅は、設定値によって可変である。
【0055】
通常セル対応付け部15は、通常入力エリア211と、セル表示構成部11によって構成された複数のセルのうち一のセルと、を通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡が当該一のセルに表示される様に対応付ける。例えば、通常セル対応付け部15は、図12に示すように、通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡がセルC704に表示される様に対応付ける。
【0056】
拡張セル対応付け部16は、拡張入力エリア221を所定の区画に区分けし、当該区分けした区画のうち一の区画と通常入力エリア211との位置関係と、通常入力エリア211に対応付けられた一のセルに接するセルのうち一の接するセルと当該一のセルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接するセルとを対応付ける。例えば、拡張セル対応付け部16は、図12に示すように、拡張入力エリア221を所定の区画221−1〜221−4及び区画221−A〜221−Dに区分けする。そして、拡張セル対応付け部16は、当該区分けした区画221−1〜221−4及び区画221−A〜221−Dのうち、例えば区画221−1と通常入力エリア211との位置関係(区画221−1が通常入力エリア211に対し上部の関係)と、通常セル対応付け部15によって通常入力エリア211に対応付けられたセルC704に接するセルC603〜セルC805のうちセルC704との位置関係とが、同じ位置関係となる様なセルC604(セルC604がセルC704に対し上部の関係)と区画221−1とを対応付ける。
【0057】
通常入力エリア211及び拡張入力エリア221において、データ表示作成部17は、手書き入力エリア203のうち通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡を、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルの解像度に合わせて表示させると共に、ストロークデータを作成する。例えば、データ表示作成部17は、図12に示すように、通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡を、通常セル対応付け部15によって対応付けられたセルC704の解像度に合わせて表示させると共に、ストロークデータを作成する。そして、データ表示作成部17は、手入力部12によって検出されたスタイラスペン301の軌跡が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に、拡張入力エリア221のうちスタイラスペン301が停留している区画に対応付けられたセルに、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。
【0058】
さらに、データ表示作成部17は、中断時間記憶制御手段としての中断時間記憶制御部22と、閾値最適化手段としての閾値最適化部23とを備える。中断時間記憶制御部22は、中断時間計測部20によって時間が計測されるごとに、ストロークデータに当該計測された時間を対応付けて記憶させる。閾値最適化部23は、中断時間記憶制御部22によってストロークデータに対応付けて記憶された時間に基づいて統計処理によりストローク閾値を算出し、最適化する。例えば、中断時間計測部20は、手書きされる際にスタイラスペン301による軌跡と軌跡との間の時間(例えば、文字を入力する際の一画ごとに次のストロークを待つ時間)を計測する。そして、中断時間記憶制御部22は、その計測された時間をストロークデータに対応付けて記憶させる(例えば、図13のストロークデータにおけるストローク待ち時間Tsを参照)。そして、閾値最適化部23は、例えば、1セルの入力終了ごとに、ストロークデータに対応付けて記憶された時間を集計し、統計処理をする。統計処理は、例えば、一定の値以上の時間や、一定の値以下の時間を除いて相加平均を行ったり、ストロークデータの長さによる加重平均を行ったりする。閾値最適化部23は、算出した値をさらに最適化(例えば、入力待ち時間Tgの統計値よりも小さい値で、算出した値の2倍等)し、入力の終了とみなすストローク閾値を動的に決定する。
【0059】
時間計測部18は、手入力部12によって検出されたスタイラスペン301の位置が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に拡張入力エリア221のうち同一区画内に停留している時間を計測する。例えば、時間計測部18は、図12に示すように、手入力部12によって検出されたスタイラスペン301の位置が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に拡張入力エリア221のうち同一の区画221−1内に停留している時間を計測する。そして、データ表示作成部17は、時間計測部18によって計測された時間が所定の時間(設定値によって例えば、0.3秒)以上である場合に、拡張入力エリア221のうちスタイラスペン301が停留している区画221−1に対応付けられたセルC603に、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。そして、データ表示作成部17は、延長させたストロークデータ(後述する図13参照)を作成し、電子文書DB31に記憶させる。
【0060】
対応セル移動部19は、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルから、当該一のセルとは別のセルに対応付けを移動させる。例えば、対応セル移動部19は、ニュートラルの状態で、拡張入力エリア221の区画でのスタイラスペン301の接触を検出すると、当該セルと通常入力エリア211との対応付けを接触された区画に従って移動させる。対応セル移動部19は、接触を検出した区画が上区画221−1、右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4の場合に、当該セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ上方向、右方向、下方向又は左方向へ移動させる。さらに、対応セル移動部19は、接触を検出した区画が左上隅区画221−A、右上隅区画221−B、右下隅区画221−C又は左下隅区画221−Dの場合に、当該セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ左上方向、右上方向、右下方向又は左下方向へ移動させる。ここで、ニュートラルの状態とは、スタイラスペン301が通常入力エリア211及び拡張入力エリア221に接触していない状態のことである。また、入力終了部21から入力の終了を指示されると、入力終了部21によって検出された拡張入力エリア221の区画に従って、当該セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ移動させる。ここで、所定のセルは、例えば、右方向への移動の場合、隣接する右のセルであり、例えば、右端のセルの場合、次行の左端のセルである。
【0061】
さらに、対応セル移動部19は、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させるごとに移動させた方向をメモリ2012に記憶させる。そして、対応セル移動部19は、中断時間計測部20によって計測された時間がストローク閾値以上である場合に、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルから、メモリ2012に記憶させた移動方向と同じ方向の所定のセルに、対応付けを移動させる。例えば、対応セル移動部19は、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルから、右に隣接するセルに対応付けを移動させるごとに移動させた右方向をメモリ2012に記憶させる。そして、対応セル移動部19は、中断時間計測部20によって計測された時間がストローク閾値以上である場合に、入力の終了とみなし、メモリ2012に記憶させた右方向(すなわち、直前の方向と同じ方向)の隣接するセルに、対応付けを移動させる。
【0062】
中断時間計測部20は、手入力部12によって検出されていたスタイラスペン301の位置が検出されなくなった場合に、検出されない時間を計測する。中断時間計測部20が計測した時間によって、電子文書処理装置10は、ストロークとストロークとの間の待ち時間や、1セルへの入力から次のセルへの入力の待ち時間を計測することができる。
【0063】
入力終了部21は、入力の終了を指示する。例えば、入力終了部21は、中断時間計測部20によって計測中の状態で、拡張入力エリア221の区画でのスタイラスペン301の接触を検出すると、当該セルでの入力の終了を対応セル移動部19に指示する。なお、拡張入力エリア221の特定の区画(例えば、拡張入力エリア221の右下隅区画221−C)でのスタイラスペン301の接触を検出すると、当該セルでの入力の終了を指示する、としてもよい。電子文書処理装置10は、中断時間計測部20によって計測された時間がストローク閾値以上である場合、又は入力終了部21によって入力の終了が指示された場合に、通常セル対応付け部15によって対応付けられた一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。電子文書処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)1000、通信I/F1040、メインメモリ1050、BIOS(Basic Input Output System)1060、I/Oコントローラ1070、ハードディスク1074、表示装置1080、入力装置1100、入出力I/F装置2000、及び入力エリア表示部13を備え、バスライン1005により接続され、入力エリア表示部13に接続された手入力部12は、入力表示装置201及び入力タブレット202から構成されている。
【0065】
CPU1000は、電子文書処理装置10を統括的に制御する部分であり、ハードディスク1074に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0066】
通信I/F1040は、電子文書処理装置10を専用ネットワーク又は公共ネットワークを介してユーザ端末や担当者端末等と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。
【0067】
メインメモリ1050は、適宜読み出して実行されるプログラムを記憶し、プログラムの実行によって作成される種々の情報を記憶する。BIOS1060は、電子文書処理装置10の起動時にCPU1000が実行するブートプログラムや、電子文書処理装置10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0068】
I/Oコントローラ1070には、ハードディスク1074等の記憶手段を接続することができる。ハードディスク1074は、電子文書処理装置10が本発明の機能を実行するためのプログラムを記憶しており、電子文書DB31及び入力タイプ対応DB32等を記憶している。
【0069】
電子文書処理装置10に提供されるプログラムは、ハードディスク1074、又はメモリカード等の記録媒体に格納されて提供される。このプログラムは、I/Oコントローラ1070を介して、記録媒体から読み出され、又は通信I/F1040を介してダウンロードされることによって、電子文書処理装置10にインストールされ実行されてもよい。
【0070】
表示装置1080は、電子文書処理装置10による演算処理結果の画面、オペレータの指示を受け付ける画面等を表示するものであり、ブラウン管表示装置、液晶表示装置等のディスプレイ装置を含む。入力装置1100は、電子文書処理装置10のオペレータによる入力を行う装置であり、キーボード及びマウス等で構成される。入出力I/F装置2000は、電子文書処理装置10と、他の機器、例えば補助記憶装置等とを接続する。
【0071】
入力エリア表示部13は、スタイラスペン301によって手入力部12の入力タブレット202に手書きされた軌跡を手入力部12の入力表示装置201に表示させる。手入力部12は、入力表示装置201と、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202とが一体に構成される。
【0072】
入力表示装置201は、LCDや有機EL等によって構成され、入力タブレット202に入力された軌跡を表示する。入力タブレット202は、透光性を有するタブレットや、タッチパッド等によって構成され、スタイラスペン301の接触を検出し、検出した接触の位置の座標情報を出力する。
【0073】
図8は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における手入力部12の構成を示す図である。手入力部12は、入力表示装置201と、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202とが一体に構成される。入力表示装置201は、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリア203と、キーの選択を受け付けるキー選択エリア204及びキー51、53〜63、66〜70とを表示する。入力タブレット202は、スタイラスペン301による接触を示すデータや、軌跡データの座標情報を出力する。
【0074】
手書き入力エリア203にスタイラスペン301によって手書きされた軌跡データは、手書き入力エリア203に表示され、手書き入力エリア203に対応付けられているカレントのセル(例えば、図1のC1104)に表示され、表示された表示欄311〜316に対応するデータ欄のデータとして書き込まれて、電子文書DB31に記憶される。
【0075】
さらに、手入力部12は、表示欄311〜316におけるページの更新を行うページボタン251、一のセルと手書き入力エリア203との対応と、表示欄311〜316と手書き入力エリア203との対応とを切り替えるセル対応切替ボタン252、表示欄311〜316を選択するための表示欄用ボタン253、カレントのセルを移動させる移動ボタン254を備えるとしてもよい。入力表示装置201は、手書き入力エリア203のみを表示して入力を受け付ける場合(手書き入力パターン)、キー選択エリア204のみを表示して入力を受け付ける場合(キー入力パターン)、手書き入力エリア203とキー選択エリア204とを表示して入力を受け付ける場合(併用入力パターン)がある(後述する入力タイプ対応DB32を参照)。
【0076】
キー選択エリア204は、フルキー表示領域51、特殊キー表示領域52、及びメインキー表示領域65を具備している。フルキー表示領域51内には、上下に並ぶ2つのキー列が表示されている。そして、上段のキー列においては、アルファベットのA〜M(又はa〜m)をそれぞれ個別に入力するための13個のキーが画面左右方向に一直線状に並んでいる。また、下段のキー列においては、アルファベットのN〜Z(又はn〜z)をそれぞれ個別に入力するための13個のキーが画面左右方向に一直線状に並んでいる。これら26個のキーを利用することで、A〜Zの全てのアルファベットを入力することが可能であるが、図示のような上下2段の配列で並ぶ26個のキーをスタイラスペン301で操作するには、どうしてもスタイラスペン301を持っている手の手首を動かす必要がある。このため、フルキー表示領域51内の各キーをスタイラスペン301でタップして各種の文字を入力する場合には、その操作速度をある程度遅くしないと、正確なタップを行うことができず、誤入力を引き起こすことになる。
【0077】
メインキー表示領域65内には、母音キー列66、第1非母音キー列67、及び第2非母音キー列68という3つのキー列と、2つの円状の小キーとが表示されている。母音キー列66、第1非母音キー列67、第2非母音キー列68は何れも、複数のキーを弓状に並べた形状をしており、互いに同心円上に並んでいる。具体的には、母音キー列66は、3つの同心円軌道のうち、最も内側の円軌道上に位置している。また、第1非母音キー列67は、真ん中の円軌道上に位置している。また、第2非母音キー列68は、最も外側の円軌道上に位置している。母音キー列66、第1非母音キー列67、第2非母音キー列68は、互いに同数のキーを具備している。各キー列におけるキーの数については、5個、6個、又は7個の何れかを選択することが可能である。この選択は、後述するメニューキー63をタップして図示しないメニューダイヤログボックスを表示することによって行う。図8においては、各キー列のキーの数を5個に設定した場合におけるキー配列を示している。3つのキー列にそれぞれ5個のキーが存在することから、メインキー表示領域65全体としては、15個のキーを表示している。各キー列のキーの数を6個ずつに設定した場合には合計18個、各キー列のキーの数を7個ずつに設定した場合には合計21個のキーがメインキー表示領域65に表示される。但し、キーの数にかかわらず、メインキー表示領域65の大きさは一定である。このため、各キー列のキーの数を6個や7個に設定した場合には、各キーが図示の状態よりも小さく表示される。各キーの大きさが小さくなるため、操作性は若干悪くなる。以下、各キー列のキーの数を、図示のように5個に設定した場合を例にして、説明する。
【0078】
図8に示したキー選択エリア204は、右手仕様の表示になっている。スタイラスペン301を鉛筆と同じ要領で右手にもって右手の指を動かした場合には、スタイラスペン301のペン先が時計の概ね9時から12時までの領域を指すよう移動する。このため、右手仕様の表示の場合には、母音キー列66、第1非母音キー列67、第2非母音キー列68がそれぞれ、概ね9時から12時にかけての領域を結ぶような弓形状で表示される。標準的な大人の手では、手首を殆ど動かすことなく、指の動作だけで、ペン先をそれら3つのキー列の中で移動させることができる。このため、それら3つのキー列のキーだけをタップする場合には、非常に高速なタイピングを行うことが可能である。但し、ペン先を上述したフルキー表示領域51内に移動させたり、後述する特殊キー表示領域52に移動させたりするためには、指の動作だけでなく、手首を動かす必要がある。このため、フルキー表示領域51内のキーや、特殊キー表示領域52内のキーをタップする際には、入力速度が一時的に低下する。
【0079】
キー選択エリア204は、図8に示した右手仕様の表示の他、左手仕様の表示(図示せず)を行うことも可能である。スタイラスペン301を鉛筆と同じ要領で左手にもって左手の指を動かした場合には、スタイラスペン301のペン先が時計の概ね12時から3時までの領域を指すよう移動する。このため、左手仕様の表示の場合には、母音キー列66、第1非母音キー列67、第2非母音キー列68がそれぞれ、概ね12時から3時にかけての領域を結ぶような弓形状で表示される。右手仕様、左手仕様の表示の切り換えについては、後述するメニューキー63をタップして図示しないメニューダイヤログボックスを表示することによって行う。以下、右手仕様の表示を例にして、キー選択エリア204を説明する。
【0080】
先に示した図8において、3つの同心円における最も内側の円軌道に沿っている母音キー列66は、母音を表すアルファベットであるE(又はe)、A(又はa)、I(又はi)、U(又はu)、O(又はo)をそれぞれ個別に入力するための5つのキーを具備している(以下、それらアルファベットを母音文字という)。それら5つのキーの位置は、不変である。なお、各キー列におけるキーの数を6個に設定した場合には、前述した5つのキーに加えて、句点(、)を入力するためのキーが母音キー列66に表示される。また、各キー列におけるキーの数を7個に設定した場合には、さらに読点(。)を入力するためのキーが母音キー列66に表示される。
【0081】
3つの同心円における真ん中の円軌道に沿っている第1非母音キー列67は、互いに異なる非母音文字を入力するための5つのキーを具備している。また、3つの同心円における最も外側の円軌道に沿っている第2非母音キー列68も、互いに異なる非母音文字を入力するための5つのキーを具備している。第1非母音キー列67に具備されるキーと、第2非母音キー列68に具備されるキーとは、互いに異なる非母音文字列を入力するためのものである。非母音文字は、5つの母音文字を除く21個のアルファベット、句点、読点、その他の各種記号等である。キー選択エリア204は、それらの非母音文字のうち、特に、21個のアルファベット、句点、あるいは読点を入力するためのキーを、第1非母音キー列67や第2非母音キー列68に表示する。21個のアルファベット、句点及び読点をそれぞれ個別に入力するためには、23個のキーが必要であるが、第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68には、合計で10個のキーしか表示しない。残りの13個のキーとして、メインキー表示領域65の外に配設されたキーを使用すると、その度にタイピング速度の低下を余儀なくされてしまう。そこで、キー選択エリア204は、統計結果と、操作者の文字入力履歴とに応じて、23個のキーのうち、使用される可能性の高い上位10個(各列6個表示の場合には上位12個、各列7個表示の場合には上位14個)を、第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68に表示するように、キー配列を適宜更新する。この更新については、後に詳述する。
【0082】
メインキー表示領域65は、3つのキー列(66、67、68)に具備される15個のキーの他に、2つの円状の小キーを具備している。それら2つの小キーは、何れも母音キー列66よりも円の内側の位置に配設されている。2つの小キーのうち、一方は、句点を入力するための句点小キー69である。また、他方は、読点を入力するための読点キー70である。
【0083】
メインキー表示領域65の左上には、特殊キー表示領域52が配設されている。そして、この特殊キー表示領域52は、第1記号モードキー53、電卓モードキー54、英数モード切替キー55、第2記号モードキー56、Deleteキー57、インサートキー58、バックスペースキー59、Enterキー60、日英モード切替キー61、SHIFTキー62、及びメニューキー63という10個のキーを具備している。
【0084】
第1記号モードキー53は、メインキー表示領域65の3つのキー列(66、67、68)による入力モードを、第1記号入力モードに設定するためのものである。図8においては、入力モードとしてローマ字入力モードが設定されている場合のメインキー表示領域65を示している。この状態で、第1記号モードキー53がタップされると、メインキー表示領域65による入力モードが第1記号入力モードに切り替えられる。すると、メインキー表示領域65の3つのキー列のキー配列が、図8に示すものから変更される。この変更により、メインキー表示領域65にて、「<」、「>」、「[」、「]」、「@」、「(」、「)」、「{」、「}」、「?」、「%」、「$」、「#」、「〜」、「!」という記号を入力することが可能になる。このキーがもう一度タップされると、メインキー表示領域65は直前のアルファベットの表示に戻る。
【0085】
先に図8に示した電卓モードキー54は、メインキー表示領域65の3つのキー列による入力モードを、電卓入力モードに設定するためのものである。電卓モードキー54がタップされると、メインキー表示領域65による入力モードが電卓入力モードに切り替えられる。すると、メインキー表示領域65の3つのキー列のキー配列が、図8に示すものから変更される。この変更により、メインキー表示領域65にて、「+」、「−」、「*」、「/」、「=」という記号や、0〜9の数字を入力することが可能になる。このキーがもう一度タップされると、メインキー表示領域65は直前のアルファベットの表示に戻る。
【0086】
先に図8に示した英数モード切替キー55は、メインキー表示領域65の3つのキー列による入力モードを、ローマ字入力モードと数字入力モードとで交互に切り替えるためのものである。図8においては、ローマ字入力モードが設定されている場合には、図示のように、英数モード切替キー55に、「1」という図柄が描かれる。この状態で英数モード切替キー55がタップされると、入力モードがローマ字入力モードから数字入力モードに切り替えられる。すると、それまで英数モード切替キー55に描かれていた「1」という図柄が、「A」という図柄に変更される。同時に、メインキー表示領域65における各キー列のキー配列が変更される。この変更により、メインキー表示領域65にて、「@」、「.」、「¥」、「/」、「#」という記号や0〜9の数字を入力することが可能になる。なお、この状態で、英数モード切替キー(55)がタップされると、入力モードが数字入力モードからローマ字入力モードに切り替えられるが、このとき、それまで英数モード切替キーに描かれていた「A」という図柄が、「1」という図柄に変化する。同時に、メインキー表示領域65における各キー列のキー配列が図8に示したものに変更される。
【0087】
先に図8に示した第2記号モードキー56は、メインキー表示領域65の3つのキー列による入力モードを、第2記号入力モードに切り替えるためのものである。第2記号モードキー56がタップされると、メインキー表示領域65による入力モードが第2記号入力モードに切り替えられる。すると、メインキー表示領域65の3つのキー列のキー配列が、図8に示すものから変更される。これにより、メインキー表示領域65にて、「、」、「。」、「:」、「;」、「?」、「!」、「“」、「’」、「(」、「)」、「%」、「$」、「#」、「{」、「}」という記号を入力することが可能になる。
【0088】
先に示した図8において、Deleteキー57、インサートキー58、Enterキー60は、一般的なキーボードのものと同様であるので、それらの役割については説明を省略する。メニューキー63は、上述したメニューダイヤログボックスを表示してメニュー操作を行うためのものである。また、SHIFTキー62は、アルファベットの入力を大文字入力モードと小文字入力モードとで交互に切り替えるためのものである。図示の状態では、大文字入力モードが設定されている。この場合、フルキー表示領域51やメインキー表示領域65に表示される各種のアルファベットキーによるアルファベットの入力が大文字で行われる。この状態でSHIFTキー62がタップされると、大文字入力モードから小文字入力モードに切り替えられる。すると、フルキー表示領域51やメインキー表示領域65に表示される各種のアルファベットキーに描かれるアルファベット図柄が大文字図柄から小文字図柄に変更される。そして、各種のアルファベットキーによるアルファベットの入力が小文字で行われる。
【0089】
日英モード切替キー61は、上述したローマ字入力モードが設定されている状態において、日本語入力モードと英語入力モードとを交互に切り替えるためのものである。日本語入力モードが設定されていると、子音+母音、あるいは母音+母音、という組合せで順次入力されたアルファベットが日本語のひらがなに自動変換される。また、自動変換されたひらがなは、仮入力の状態になっており、この状態でスペースキーがタップされると、図示しない変換候補ダイヤログボックスが表示されて、ひらがなが、漢字(あるいは漢字+送り仮名)に変換される。変換された漢字が所望のものでない場合、操作者はスペースキーをさらにタップすることで、次の変換候補を表示することができる。スペースキーを繰り返しタップして所望の漢字が表示されたら、何れかのキーをタップして次の文字を入力することで、その漢字を確定入力することができる。なお、次の文字をタップする代わりに、Enterキー60をタップすることによっても、漢字を確定入力することが可能である。英語入力モードの場合には、キーがタップされるごとに、それに対応するアルファベット、記号、スペース等が順次確定入力されていく。
【0090】
キー選択エリア204のうち、各種のキーを表示していない領域を、全てスペースキーであるとみなすようになっている。例えば、フルキー表示領域51における各キーの間の領域、メインキー表示領域65における各キーの間の領域等である。このようにキー間の領域をスペースキーとみなすことで、操作者は何れかのアルファベットや記号のキーをタップした後、その位置から僅かにペン先をずらすだけで、スペースを入力したり(英語入力モードの場合)、ひらがなから漢字への変換を実行したり(日本語入力モードの場合)することができる。これにより、タイピング速度の高速化を図ることができる。
【0091】
キー選択エリア204の初期表示では、キー選択エリア204の前回の終了時と全く同様のキー配列のものを表示する。そして、起動しているときには、タッチパネル10に対するタップ位置を周知の技術によって検知した結果に基づいて、タップ操作が行われたキーを特定してそのキーに対応する文字の入力を受け付ける入力受付処理を実施する。また、操作者による文字入力履歴に基づいて、キー特定データベースを順次更新する更新処理を実施する。具体的には、ハードディスク内には、日本語入力用キー特定データベース、及び英語入力用キー特定データベース、という2つのデータベースを格納している。それらデータベースは、何れも、「26個の何れかのアルファベット+母音文字」という2文字からなる各種の文字列について、それに続いて入力されると予測される非母音文字を確率の高いものから所定数(10個、12個あるいは14個)だけ特定するためのものである。アルファベットについては、大文字、小文字を区別せず、例えばAとaとを同一のものであるとして取り扱うようになっている。母音文字は、A(又はa)、I(又はi)、U(又はu)、E(又はe)、O(又はo)の5文字であるので、26×5=130の文字列について、それぞれその入力後における非母音文字の入力実績(1文字)を記録している。非母音文字としては、5つの母音文字を除く21個のアルファベット、句点、及び読点の23文字を検索対象としている。よって、130の文字列についてそれぞれ、それに続く入力実績を23の非母意文字を対象にして記録する。例えば、「KA」という文字列に対し、それに続く入力実績を23の非母意文字についてそれぞれ記録している。入力実績としては、累積入力回数を採用している。更新処理では、「KA」に続いて「K」が入力された場合には、キー特定データベースにおいて、「KA」に関連付けられている「K」の累積入力回数を1回増加させる。
【0092】
キー特定データベースとしては、上述したように、日本語入力用のもの、及び英語入力用のもの、の2つをハードディスク内に格納している。日本語入力モードが設定されている場合には、更新処理によって前者のキー特定データベースを更新し、英語入力モードが設定されている場合には、更新処理によって後者のキー特定データベースを更新する。同じ文字列であっても、それに続いて入力される可能性の高い非母音文字が、日本語入力の場合と、英語入力の場合とで異なるからである。なお、文字列として、2文字からなるものを採用した例について説明したが、3文字以上の文字列から、それに続いて入力される可能性の高い非文字列を特定するようにしてもよい。
【0093】
なお、工場出荷時においては、日本語入力用キー特定データベース、及び英語入力用キー特定データベース、としてそれぞれ、初期状態のものを記憶させている。初期状態のものは、日本語の新聞や英字新聞の文章における各種文字の出現頻度に基づいて構築されたものである。このような初期状態の日本語入力用キー特定データベース、及び英語入力用キー特定データベースを記憶させていることで、ユーザのもとでの初回起動時から、後述する文字特定処理やキー表示更新処理を実行することができる。
【0094】
また、キー選択エリア204のキー処理は、図9のフローチャートに示すような文字特定処理、及びキー表示変更処理を実施するようになっている。図9は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置におけるキー選択エリアのキー処理を示すフローチャートである。文字特定処理では、まず、母音キー列66における5つの母音キーの何れかがタップされるまで待機する(ステップ1でY)。なお、以下、ステップを「S」と記す。母音キーがタップされると、メインキー表示領域(65)における2つの非母音キー列のキー数Nに応じて、変数Xの値を10、12又は14に設定する(S2〜S6)。このとき、変数Xの値は、2つの非母音キー列のキー数と同じに設定される。次いで、それまでの2回のタップ操作によって入力された文字列に続いて入力されると予測される非母音文字として、可能性の高い上位X個を、前述のキー特定データベースに基づいて特定する(S7)。例えば、それまでの2回のタップ操作で「KI」という文字列が入力された場合には、キー特定データベースにおいて、「KI」に関連付けられている23個の非母音文字のうち、累積入力回数の多い上位X個を特定する。累積入力回数が多いものほど、次に入力される可能性が高いからである。この特定のとき、日本語入力モードが設定されている場合には、日本語入力用キー特定データベースを用いる。また、英語入力モードが設定されている場合には、英語入力用キー特定データベースを用いる。
【0095】
このようにして文字特定処理が実行されると、次に、キー表示変更処理が実行される(S8)。このキー表示変更処理においては、図8に示したメインキー表示領域65における第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68におけるキー配列が、文字特定処理で特定されたX個の非母音文字に応じたものに変更される。この変更は、予めのメニュー操作によって操作者が設定しておいた配列変更モードに基づいてなされる。具体的には、キー選択エリア204では、配列変更モードとして、確率優先モードと、既知配列優先モードとの2つが用意されている。確率優先モードは、各キーをそれぞれの入力確率の順位に応じて配設するモードである。具体的には、第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68の各キーには、位置番号が付与されている(図示せず)。確率優先モードでは、次に入力される確率の順位が1、2、3・・・10位であるキーを、位置番号1、2、3・・・10の位置に配設する。キー数が12個、14個である場合も、同様に、確率の順位に応じて各キーを配設する。
【0096】
一方、既知配列優先モードは、それまでのキー配列を優先して、配列の変更を最小限に留めるモードである。例えば、母音キーがタップされる前において、第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68に、図8に示した10個のキーが表示されていたとする。そして、母音キーがタップされたことに基づいて文字特定処理を実行した結果、Y、S、M、H、K、W、N、D、T、Rがその順序で上位1〜10の非母音文字として特定されたとする。その順序に従って確率優先モードで各キーの表示を更新した場合、図8の第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68における10個のキーの全てが、それまでとは異なる位置に表示されることになる。しかしながら、既知配列優先モードでは、それまでの位置の保持を最優先にしつつ、それまでに表示していた10個のキーのうち、新たな上位10位に入らなかったキーだけを新たなキーと入れ替える。図8に示した状態から、文字特定処理によって新たにY、S、M、H、K、W、N、D、T、Rの10個の非母音文字が特定された場合、それらは何れも、それまでに第1非母音キー列67及び第2非母音キー列68に表示されていた10個のキーに対応している。よって、各キーの配列は図8に示した状態のまま変わらない。これに対し、新たに特定された10個の非母音文字がY、S、M、H、K、W、N、D、J、Gであった場合には、それらのうち、J及びGがそれまでに非母音キー列(67、68)に表示されていなかった新たなものになる。そして、図8に示した10個の非母音キーのうち、Tキー及びRキーが不要になる。そこで、この場合には、T、Rの2つのキーが、J、Gにそれぞれ入れ替えられる。他の8つのキーは、それまでの位置にそのまま留めることになる。
【0097】
なお、既知配列優先モードでは、入力確率が上位半分である非母音文字列のキーと、下位半分である非母音文字列のキーとで、キーの色を異ならせるようになっている。例えば、前回の文字特定処理で特定した非母音文字の入力確率の順位がY、S、M、H、K、W、N、D、T、Rであったとする。また、今回の文字特定処理で特定した非母音文字の入力確率の順位がS、H、W、K、M、D、Y、N、T、Rであったとする。何れも、同じ10個の非母音文字列が特定されているが、順位は前回と今回とで大きく異なっている。上位半分(キー数が10個の場合には上位5個)の非母音文字列では、キーに描かれる文字の色が赤色になる。これに対し、下位半分(キー数が10個の場合には下位5個)の非母音文字列では、キーに描かれる文字の色が黒色になる。
【0098】
第1非母音キー列67や第2非母音キー列68のキー配列の変更は、既に説明したように、母音キー列66における5つの母音キーの何れかがタップされたときに行われる。母音キー列66は、3つのキー列のうち、最も内側に位置しており、操作者の手はそのさらに内側に位置している。5つの母音キーの何れかがタップされたとき、操作者の手の中にあるスタイラスペン301は、母音キー列66の真上やそれよりも内側に位置している。よって、母音キーがタップされて第1非母音キー列67や第2非母音キー列68のキー配列が変更されたとき、スタイラスペン301はそれら2つのキー列よりも内側に位置しているため、スタイラスペン301によってそれら2つのキー列を隠してしまうことがない。母音キー列66を2つの非母音キー列よりも内側に配設したことで、キー配列変更時に2つの非母音キー列をスタイラスペン301で隠してしまうことなく、操作者に容易に視認してもらうことができるのである。
【0099】
図10は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における手書き入力エリア203の入力タイプを記憶する手書き入力タイプDBを示す図である。手書き入力タイプDBは、入力表示装置201に表示される手書き入力エリア203の入力タイプを記憶している。手書き入力エリア203の入力タイプは、手書き入力エリア203のタイプと、手書き入力エリア203とセルとの対応のタイプとの組合せからなる。手書き入力エリア203のタイプは、例えば、通常入力エリア211のみを有するタイプと、通常入力エリア211及び拡張入力エリア221を有するタイプとがある。手書き入力エリア203とセルとの対応のタイプは、例えば、手書き入力エリア203と表示欄を構成するセルとが対応するタイプと、手書き入力エリア203と表示欄とが対応するタイプとがある。
【0100】
図11は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置における入力タイプ対応DB32を示す図である。入力タイプ対応DB32は、電子文書ごとに、電子文書の構成と、手入力部12のパターンとを対応付けて記憶している。
【0101】
電子文書の構成は、データ欄とセル構成と入力パターンのタイプとからなる。データ欄は、電子文書を構成するデータであって書式や記述法が異なるデータごとに設けられている。セル構成は、データ欄に対応する表示欄を構成するセルの構成(例えば、補助情報の表示欄は縦16セル×横21セルから構成される)である。入力パターンのタイプは、データ欄に対応する表示欄を構成するセルに入力されるデータの種別(例えば、数字のみの日付用タイプ、数値と記号等とを含む数値入力用のタイプ、手書き入力用のタイプ、文字入力用のタイプ等)である。電子文書処理装置10は、例えば、キー選択エリア204に表示する第1非母音キー列67や第2非母音キー列68の配列を入力パターンのタイプに合わせて変更する。入力パターンのタイプは、癌用や結核用等の分野による特有の文字セット(漢字変換用の用語セット)や、図形セット(胃や肺の図形パターン等)を示す情報を含むとしてもよい。例えば、電子文書D0001が癌用の電子カルテである場合に、診断欄の入力パターンのタイプの癌用に基づいて、電子文書処理装置10は、癌用の文字セットに基づいて漢字変換を行い、図形データを選択できるようにしてもよい。
【0102】
手入力部12のパターンは、手書き入力エリア203のタイプとキー選択エリア204のタイプとからなる。手書き入力エリア203のタイプは、手書き入力エリア203の入力タイプ(図10参照)に対応し、キー選択エリア204のタイプは、キー選択エリア204を表示するか否かを示す。例えば、手書き入力エリア203がなし又はキー選択エリア204がなしの場合、手書き入力エリア203又はキー選択エリア204が表示されていても誤操作を防止するため機能させない。
【0103】
図12は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10における、手書き入力エリア203(通常入力エリア211及び拡張入力エリア221を有するタイプ)と、表示欄を構成するセルとの対応を示す図である。図12が示す例は、電子文書処理装置10の表示装置1080を構成するセルと、手入力部12に表示された手書き入力エリア203を構成する通常入力エリア211及び拡張入力エリア221との対応関係を示す例である。
【0104】
表示装置1080は、所定の数のセル101(以下、表示装置1080に構成されたセルをセル101といい、構成されたセルのうち特定の位置のセル、例えば1行1列目のセルをセルC101という)がマトリックス状に構成されている。表示装置1080は、構成されたセル101ごとに画像を表示する。手書き入力エリア203は、スタイラスペン301の軌跡を手書き入力することができる通常入力エリア211と、当該通常入力エリア211の外周に沿って囲まれた拡張入力エリア221(以下、拡張入力エリア221の全体を拡張入力エリア221といい、拡張入力エリア221のうちの特定の区画を拡張入力エリア221−1,221−2,221−3,221−4や、拡張入力エリア221−A,221−B,221−C,221−Dという)とから構成されている。
【0105】
そして、図12の破線411〜414は、手書き入力エリア203の通常入力エリア211と、表示装置1080に構成された複数のセル101のうち一のセルC704とが、通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡401が当該一のセルC704に表示される様に対応付けられていることを示している。さらに、図12の破線421〜428は、拡張入力エリア221を所定の区画に区分けし、当該区分けした各々の区画と、通常入力エリア211に対応付けられた一のセルC704に接する各々のセルと、を拡張入力エリア221のうち一の区画に入力されたスタイラスペン301の軌跡が当該接する各々のセルのうち一のセルに延長される様に対応付けられていることを示している。
【0106】
そして、図12の例は、スタイラスペン301によって手入力部12の手書き入力エリア203に手書きされた軌跡401が手入力部12の手書き入力エリア203に表示されていることを示す例である。さらに、図12の例は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へスタイラスペン301の軌跡が連続して検出されたので、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡401を延長して表示(延長線402)させていることを示す例である。この例において、電子文書処理装置10は、直前に採取された軌跡の座標点のうちの所定個数(例えば4点)の座標を利用して、線形補間又はスプライン補間をして、スタイラスペン301が直前の移動の流れに乗って進むはずの軌跡の座標点を算出しながら軌跡401を延長して、表示装置1080にセルC704からセルC404まで延長して表示(延長線402)させている。そして、電子文書処理装置10は、例えば、セルC704からセルC404までのストロークデータを作成し、記憶部(例えば、ハードディスク1074)に記憶させる。
【0107】
図13は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10のストロークデータの例を示す図である。ストロークデータは、例えば、セル情報と、入力待ち時間Tgと、座標情報と、ストローク待ち時間Tsとから構成される。
【0108】
セル情報は、通常入力エリア211に対応付けられたセルの位置情報(例えば、表示装置1080に構成されたセルの位置情報)や、セルのタグ情報を含む。
【0109】
入力待ち時間Tgは、1セル内の入力の終了を検出し次のセル内の入力を検出するまで(例えば、1文字を手書きし終わってから、次のセルに手書きし始めるまで)に計測された時間である。電子文書処理装置10は、実際に計測した入力待ち時間Tgが所定の入力待ち時間(例えばTgの平均の1.618倍)より長ければ、所定の入力待ち時間を、このセルに入力し終わってから次のセルに入力し始めるまでの入力待ち時間Tgとする。電子文書処理装置10は、この所定の入力待ち時間を、電子文書DB31に記憶されたストロークデータに基づいて入力待ち時間Tgについて平均処理等の統計処理をし、算出する。
【0110】
ストローク待ち時間Tsは、1ストロークから次のストロークまで(例えば、文字の一画を書き終えてから次の一画を書き始めるまで)に計測された時間である。そして、電子文書処理装置10は、電子文書DB31に記憶されたストロークデータに基づいてストローク待ち時間Tsについて平均処理等の統計処理をする。そして、電子文書処理装置10は、例えば、1セルの入力終了ごとに入力待ち時間Tgを統計処理した値及びストローク待ち時間Tsを統計処理した値に基づいて、1セルの入力終了を監視するためのストローク閾値(例えば、Tsを統計処理した値より大きく、Tgを統計処理した値より小さい値)を動的に決定する。例えば、ユーザの手書きのスピードが速い場合、ストローク閾値はより小さい値となる。よって、電子文書処理装置10は、ユーザの手書きスピードに合わせて、1セル内の入力終了を自動的に判断することができる。
【0111】
座標情報は、入力タブレット202から出力された座標情報である。電子文書処理装置10は、スタイラスペン301の接触からスタイラスペン301の離脱まで(ペンダウンからペンアップまで)に、入力タブレット202から出力された座標情報を一定時間間隔(例えば0.1秒)でサンプリングし、所定の条件によって座標情報を抽出する。例えば、電子文書処理装置10は、同一点のデータ(例えば、所定の範囲内のデータ)と判断した場合に、同一点のデータを削除する。また、電子文書処理装置10は、スタイラスペン301の先が拡張入力エリア221に停留している間、通常入力エリア211で採取した直近の座標点(例えば4点)の座標情報を利用して、線形補間又はスプライン補間を行い、隣接のセルへの軌跡を自動的に延長させていく。電子文書処理装置10は、延長線上の座標情報として、サンプリングして採取する代わりに補間で得られた座標情報を使う。スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けると、電子文書処理装置10は、延長させた軌跡を次の新たなセルに延長させ、拡張入力エリア221でのスタイラスペン301の停留を計測する時間をリセットし、計測時間が再び所定の時間(例えば0.3秒)より長くなると軌跡点の自動延長も再び再開させる。座標情報は、色情報(例えば、指定された色)や、線の種別(例えば、曲線についての補間の種別)等を含んでもよい。
【0112】
図14は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の処理内容を示すフローチャートである。本処理は、プログラムの開始指令により開始し、終了指令により終了する。また、本処理の開始により、各種フラグ等は初期化される。
【0113】
ステップS201において、CPU1000は、文書IDが入力されたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS202に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS203に移す。
【0114】
ステップS202において、CPU1000は、電子文書を表示する。その後、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0115】
ステップS203において、CPU1000は、データ欄の選択がされたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS204に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS205に移す。
【0116】
ステップS204において、CPU1000は、入力タイプ対応DB32により入力エリアを表示する。その後、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0117】
ステップS205において、CPU1000は、通常入力エリア211への手書きデータの入力か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS206に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS207に移す。
【0118】
ステップS206において、CPU1000は、手書きデータの入力処理を行う。その後、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0119】
ステップS207において、CPU1000は、拡張入力エリア221への手書きデータの入力か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS208に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS209に移す。
【0120】
ステップS208において、CPU1000は、拡張入力エリア処理を行う。その後、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0121】
ステップS209において、CPU1000は、キー入力エリアからのキー選択か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS210に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0122】
ステップS210において、CPU1000は、キー入力エリアからのキー選択に応じた処理を行う。その後、CPU1000は、処理をステップS201に移す。
【0123】
図15は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の拡張入力エリア処理を示すフローチャートである。図16及び図17は、図15に続く処理内容を示すフローチャートである。
【0124】
ステップS101において、CPU1000は、スタイラスペン301が入力タブレット202の通常入力エリア211内で接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、入力タブレット202から通常入力エリア211内のスタイラスペン301の座標情報を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS102に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS103に移す。
【0125】
ステップS102において、CPU1000は、通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡を入力表示装置201に表示させる。CPU1000は、中断時間監視フラグがセットされている場合、中断時間をストローク待ち時間Tsとしてストロークデータに記憶させる。そして、CPU1000は、通常入力フラグをセットし、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0126】
ステップS103において、CPU1000は、スタイラスペン301が拡張入力エリア221内で接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、入力タブレット202から拡張入力エリア221内のスタイラスペン301の座標情報を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS104に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS109に移す。
【0127】
ステップS104において、CPU1000は、拡張入力エリア221内の入力を延長するための時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、拡張入力エリア221内の入力を監視するための拡張入力時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS107に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS105に移す。
【0128】
ステップS105において、CPU1000は、直前の入力が通常入力エリア211内の入力か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、ステップS102で通常入力フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS106に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS117に移す。
【0129】
ステップS106において、CPU1000は、拡張入力エリア221内での接触の継続を計測する接触継続時間の計測を開始する。CPU1000は、拡張入力時間監視フラグをセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0130】
ステップS107において、CPU1000は、ステップS106で開始した接触継続時間が所定時間以上になったか否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、プログラムを管理するOS(Operating System)によって計測された接触継続時間が所定時間(例えば、0.3秒)以上か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS108に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0131】
ステップS108において、CPU1000は、延長表示処理をする。より具体的には、CPU1000は、拡張入力エリア221のうちスタイラスペン301が停留している区画に対応付けられたセルに、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。次に、CPU1000は、通常入力フラグをリセットし、接触継続時間をリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0132】
ステップS109において、CPU1000は、拡張入力エリア221での接触を監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、拡張入力時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS110に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS112に移す。
【0133】
ステップS110において、CPU1000は、拡張入力エリア221での接触の監視を解除する。より具体的には、CPU1000は、拡張入力時間監視フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS111に移す。
【0134】
ステップS111において、CPU1000は、スタイラスペン301が離れたことによって通常入力エリア211からの軌跡を延長して表示することを停止し、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、ステップS108において延長して最後に表示させたセルとの対応付けに移動させる。そして、CPU1000は、通常入力エリア211から延長させたストロークデータを作成し、電子文書DB31に記憶させ、通常入力フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0135】
ステップS112において、CPU1000は、直前の入力が通常入力エリア211内の入力か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、通常入力フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS116に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS113に移す。
【0136】
ステップS113において、CPU1000は、中断時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、中断時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS114に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0137】
ステップS114において、CPU1000は、ステップS116で開始した中断時間がストローク閾値以上になったか否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、プログラムを管理するOS(Operating System)によって計測された中断時間がストローク閾値(例えば、1秒)以上か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS115に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0138】
ステップS115において、CPU1000は、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、ステップS118又はステップS120において記憶させた移動方向へ1つ移動させる(例えば、隣接する右のセルに移動させる)。そして、CPU1000は、通常入力終了フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0139】
ステップS116において、CPU1000は、入力タブレット202との接触が離れている時間を計測する中断時間の計測を開始する。そして、CPU1000は、中断時間監視フラグをセットし、通常入力終了フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0140】
ステップS117において、CPU1000は、中断時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、中断時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS119に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS118に移す。
【0141】
ステップS118において、CPU1000は、ニュートラルの状態において、通常入力エリア211とセルとの対応付けを移動させる。より具体的には、CPU1000は、ニュートラルの状態において、入力タブレット202から受信したスタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち上区画221−1の範囲内を示す場合に、通常入力エリア211とセルとの対応付けを上方向へ1つ移動させる。同様に、CPU1000は、入力タブレット202から受信したスタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち右区画221−2の範囲内を示す場合に、右方向へ1つ移動させ、下区画221−3の範囲内を示す場合に、下方向へ1つ移動させ、左区画221−4の範囲内を示す場合に、左方向へ1つ移動させる。さらに、CPU1000は、入力タブレット202から受信したスタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち左上隅区画221−Aの範囲内を示す場合に、左上方向へ1つ移動させ、右上隅区画221−Bの範囲内を示す場合に、右上方向へ1つ移動させ、右下隅区画221−Cの範囲内を示す場合に、右下方向へ1つ移動させ、左下隅区画221−Dの範囲内を示す場合に、左下方向へ1つ移動させる。そして、CPU1000は、それぞれ移動方向をメモリ2012に記憶させる。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0142】
ステップS119において、CPU1000は、入力の終了において、スタイラスペン301が拡張入力エリア221の上下左右の区画に接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU1000は、入力の終了において、拡張入力エリア221の上区画221−1、右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4にスタイラスペン301の接触を検出したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1000は、処理をステップS120に移し、NOの場合、CPU1000は、処理をステップS121に移す。
【0143】
ステップS120において、CPU1000は、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、接触を検出した区画の方向へ移動させ、移動方向をメモリ2012に記憶させる。より具体的には、CPU1000は、入力の終了の状態において、入力タブレット202から受信したスタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち上区画221−1、右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4の範囲内を示す場合に、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、それぞれ上方向、右方向、下方向又は左方向へ移動させる。そして、CPU1000は、移動方向をメモリ2012に記憶させ、中断時間(例えば、入力待ち時間Tg)をストロークデータに記憶させ、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0144】
ステップS121において、CPU1000は、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、記憶させた移動方向へ移動させる。より具体的には、CPU1000は、入力の終了の状態において、入力タブレット202から受信したスタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち左上隅区画221−A、右上隅区画221−B、右下隅区画221−C又は左下隅区画221−Dの範囲内を示す場合に、通常入力エリア211とセルとの対応付けを、それぞれステップS118又はステップS120において記憶させた移動方向へ移動させる。そして、CPU1000は、中断時間(例えば、入力待ち時間Tg)をストロークデータに記憶させ、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU1000は、処理をステップS101に移す。
【0145】
図18は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の手書き入力の例を示す説明図である。図18〜図21において、手書き入力エリア203のみが構成されているものとする。図18(1)〜(3)の例は、1セルごとの手書き入力を示す例である。図18(1)〜(3)の例において、電子文書処理装置10は、ニュートラルの状態で、拡張入力エリア221の上区画221−1にスタイラスペン301が接触したことを検出すると、セルと通常入力エリア211との対応付けを上方向へ移動させる(通常入力エリア211に手書き入力中であった場合は、通常入力エリア211への手書き入力を終了して、上方向へ移動させる)。同様に、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221の右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4にスタイラスペン301が接触したことを検出すると、セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ右方向、下方向又は左方向へ移動させる。さらに、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221の左上隅区画221−A、右上隅区画221−B、右下隅区画221−C又は左下隅区画221−Dにスタイラスペン301が接触したことを検出すると、セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ左上方向、右上方向、右下方向又は左下方向へ移動させる。また、セルを示す格子のうち太い線で囲まれた格子(以後、カーソル230という)は、通常入力エリア211とセルとの現在の対応付けを示している。
【0146】
図18(1)の例は、拡張入力エリア221でのスタイラスペン301の接触を検知した電子文書処理装置10が、セルと通常入力エリア211との対応付けをC101からC704へ移動させたことを破線431で示す例である。
【0147】
図18(2)の例は、通常入力エリア211でのスタイラスペン301の接触を検知した電子文書処理装置10が、通常入力エリア211でのスタイラスペン301の軌跡に従って入力表示装置201に表示させると共に、通常入力エリア211に対応付けられたセルC704にスタイラスペン301の軌跡を表示させていることを示す例である。
【0148】
図18(3)の例は、図18(2)で通常入力エリア211の軌跡を手書き入力後、拡張入力エリア221の右区画221−2でのスタイラスペン301の接触を検出し、通常入力エリア211とセルC704との対応付けを、右のセルC705に1つ移動させたことを示す例である。
【0149】
図19は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の手書き入力の別の例を示す説明図である。図20は、図19に続く説明図である。図19及び図20は、電子文書処理装置10が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡を、拡張入力エリア221のうちスタイラスペン301が停留している区画に対応付けられた一のセルに延長して表示させていることを示す図である。
【0150】
図19(1)が示す例において、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211でスタイラスペン301の接触を検出する。続いて、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続してスタイラスペン301を検出し、その後、所定の時間(例えば、0.3秒)以上の間、スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、スタイラスペン301の軌跡をセルC603からセルC503へ延長して表示させる。そして、電子文書処理装置10は、セルC503において計測する時間をリセットし、再び所定の時間(例えば、0.3秒)以上の間、スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、自動延長を再開させ、セルC503からセルC403へ延長して表示させる。このようにして、電子文書処理装置10は、さらにセルC403からセルC303、セルC303からセルC203、セルC203からセルC103へ延長して表示させる。
【0151】
図19(2)が示す例において、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221からスタイラスペン301が離れたことを検出すると、延長して表示させることを停止する。そして、電子文書処理装置10は、延長して表示させることを停止させたセルC103を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けたセルC103にカーソル230を表示させ、セルC103に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
【0152】
図19(3)が示す例において、電子文書処理装置10は、最後の点の近傍(最後の点の座標値と検出したスタイラスペン301の座標値との差が所定の値以内)でスタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続してスタイラスペン301を検出し、その後、スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、スタイラスペン301の軌跡をセルC203からセルC606へさらに延長して表示させる。そして、電子文書処理装置10は、スタイラスペン301が離れたことを検出すると、延長して表示させることを停止する。
【0153】
図19(4)が示す例において、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221からスタイラスペン301が離れたことを検出し、延長して表示させることを停止する。そして、電子文書処理装置10は、延長して表示させることを停止させたセルC606を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けたセルC606にカーソル230を表示させ、セルC606に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
【0154】
図20(1)が示す例において、図19と同様に、電子文書処理装置10は、最後の点の近傍でスタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続してスタイラスペン301を検出し、その後、スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出し、スタイラスペン301の軌跡をセルC605からセルC603へさらに延長して表示させる。そして、電子文書処理装置10は、スタイラスペン301の接触が離れたことを検出し、延長して表示させることを停止する。
【0155】
図20(2)が示す例において、電子文書処理装置10は、延長して表示させることを停止したセルC603を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けたセルC603にカーソル230を表示させ、セルC603に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
【0156】
図20(3)が示す例において、電子文書処理装置10は、最後の点の近傍でスタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211でスタイラスペン301の接触を検出し、通常入力エリア211でのスタイラスペン301の軌跡を入力表示装置201に表示させると共に、対応するセルC603にスタイラスペン301の軌跡を表示させる。このようにして、電子文書処理装置10は、入力タブレット202の面積よりも大きな、例えば、三角形の軌跡を表示装置1080に表示させて、その軌跡のストロークデータを作成することができる。
【0157】
図21は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の手書き入力の別の例を示す説明図である。図21が示す例は、電子文書処理装置10がセルに表示させている軌跡に、検出した軌跡を追加して表示させていることを示す例である。
【0158】
図21の例において、電子文書処理装置10は、セルC403を通常入力エリア211に対応付け、対応付けたセルC403にカーソル230を表示させ、セルC403に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示する。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211で検出したスタイラスペン301の軌跡に従って入力表示装置201に表示させると共に、通常入力エリア211に対応付けられたセルC403にスタイラスペン301の軌跡を表示させる。
【0159】
本実施形態1によれば、電子文書処理装置10は、電子文書を記憶する電子文書DB31と、電子文書を表示する表示装置1080と、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202を一体に構成させた手入力部12とを備える。そして、電子文書処理装置10は、電子文書を表示装置1080に表示し、手入力部12に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリア203と、キーの選択を受け付けるキー選択エリア204とを表示させる。そして、電子文書処理装置10は、手書き入力エリア203に入力タブレット202を介してスタイラスペン301によって手書きされた軌跡を、当該手書き入力エリア203に表示させ、キー選択エリア204のキーのうち、入力タブレット202を介してスタイラスペン301が接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字を、手書き入力エリア203に表示させる。さらに、電子文書処理装置10は、表示させた電子文書を構成するデータ欄ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させたデータ欄ごとの複数のセルのうち一のセルと、手書き入力エリア203と、を手書き入力エリア203に表示されたスタイラスペン301の軌跡、又はスタイラスペン301によって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付け、対応付けられたデータを、当該一のセルによって構成されるデータ欄に書き込み、電子文書DB31に記憶させる。また、電子文書処理装置10は、電子文書を構成するデータ欄により、手書き入力エリア203に、スタイラスペン301の軌跡を手書き入力することができる通常入力エリア211と、当該通常入力エリア211の外周に沿って囲まれた拡張入力エリア221と、を構成し、通常入力エリア211と、表示装置1080に表示されたデータ欄に構成された複数のセルのうち一のセルと、を通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡が当該一のセルに表示される様に対応付ける。さらに、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221を所定の区画に区分けし、当該区分けした区画のうち一の区画と通常入力エリア211との位置関係と、通常入力エリア211に対応付けられた一のセルに接するセルのうち一の接するセルと当該一のセルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接するセルとを対応付ける。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211に入力されたスタイラスペン301の軌跡を、対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成する。さらに、電子文書処理装置10は、検出したスタイラスペン301の軌跡が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に、拡張入力エリア221のうち同一区画内に停留している時間を計測し、計測された時間が所定の時間以上である場合に、拡張入力エリア221のうちスタイラスペン301が停留している区画に対応付けられた一のセルに、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされたスタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。したがって、電子文書処理装置10は、電子文書の作成に際し、書式や記述法が異なる欄であっても、手書きデータや、文字データを書き込むことが1台の入力表示装置201のみによって容易にできる。
【0160】
[実施形態2]
実施形態2は、実施形態1の機能に加えて、モード切替機能を備えている。電子文書処理装置10は、モード切替機能によって、実施形態1において説明した通常モードと、後述するページモードとを切り替える。電子文書処理装置10は、ページモードにおいて、ページ単位での手書き入力を可能とする。さらに、実施形態2は、拡張入力エリア221の区画に対応して各種の機能を備えている。実施形態2について図を参照しながら説明する。
【0161】
図22は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の実施形態2における電子文書(例えば、電子シート501)と軌跡データとの関係を説明する説明図である。図22の例は、通常モードにおいて、手入力部12の手書き入力エリア203の通常入力エリア211が表示装置1080を構成する一のセルC1004に対応し、表示装置1080を構成する一のセルC1004が、電子シート501の一のセルD1004に対応していることを示す例である。そして、図22の例は、ページモードにおいて、手入力部12の手書き入力エリア203の通常入力エリア211が表示装置1080の一のセルC101に対応し、表示装置1080の一のセルC101が電子シート501の一のページ511に対応していることを示す例である。例えば、電子文書処理装置10は、通常モードのニュートラルの状態において、拡張入力エリア221の左上隅区画221−Aにスタイラスペン301の接触を検出すると、ページモードに切り替える。そして、電子文書処理装置10は、ページモードのニュートラルの状態において、拡張入力エリア221の左上隅区画221−Aにスタイラスペン301の接触を検出すると、通常モードに切り替える。
【0162】
図23は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の実施形態2の拡張入力エリア221における区画の一例を示す図である。図23が示す例は、拡張入力エリア221の区画のうち、左上隅区画221−Aにモード切替機能(M)、右上隅区画221−Bにセル内消去機能(EC)、右下隅区画221−Cにページ消去機能(EP)、左下隅区画221−Dに色機能(Col)が割り当てられていることを示す例である。電子文書処理装置10は、それぞれの区画にスタイラスペン301の接触を検出すると、それぞれの区画に割り当てられた機能を実行する。なお、実施形態2において、セルと通常入力エリア211との対応付けを移動させる拡張入力エリア221の区画は、上区画221−1、右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4である。また、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221に連続してスタイラスペン301の軌跡を検出した場合、実施形態1と同様にスタイラスペン301の軌跡を延長させる。
【0163】
電子文書処理装置10は、左上隅区画221−Aにスタイラスペン301の接触を検出すると、表示装置1080に表示させるモードを、通常モードからページモード又はページモードから通常モードに切り替える。電子文書処理装置10は、通常モードにおいて、電子シート501上の一のセルと、表示装置1080上の一のセルとを対応付け、表示装置1080上の一のセルと通常入力エリア211とを対応付ける。また、電子文書処理装置10は、ページモードにおいて、電子文書を構成するデータ欄の一のページと、表示装置1080上の対応する表示欄を構成する一のセルとを対応付け、表示装置1080上の対応する表示欄を構成する一のセルと通常入力エリア211とを対応付ける。
【0164】
電子文書処理装置10は、右上隅区画221−Bにスタイラスペン301の接触を検出すると、セル内消去機能(EC)によって、通常入力エリア211に表示させている軌跡を消去し、通常入力エリア211に対応付けられているセルの内容を消去する。例えば、通常モードにおいて、セル内消去機能(EC)は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のセル)の単位で操作に従ってストロークデータを消去する。ページモードにおいて、セル内消去機能は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)の単位で操作に従ってストロークデータを消去する。なお、電子文書処理装置10は、セル内消去機能として、消しゴムで消すようにスタイラスペン301で触れたストロークを消去するとしてもよい。
【0165】
電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221の右下隅区画221−Cにスタイラスペン301の接触を検出すると、ページ消去機能(EP)によってページ内のストロークデータを消去する。例えば、通常モードにおいて、ページ消去機能(EP)は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のセル)を含むの一のページのストロークデータを消去する。ページモードにおいて、ページ消去機能(EP)は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)を含む表示装置1080に表示されている全てのページのストロークデータを消去する。
【0166】
電子文書処理装置10は、左下隅区画221−Dにスタイラスペン301の接触を検出すると、色機能によって色を設定する。電子文書処理装置10は、色の設定を、スタイラスペン301の接触を検出するごとに、例えば、デフォルトを黒として、赤、黄、緑、青、白等の順に切り替える。そして、電子文書処理装置10は、スタイラスペン301の軌跡に色を付加して表示させ、ストロークデータに軌跡の色を示す色種別を付加する。色機能は、通常モードであっても、ページモードであっても同じである。
【0167】
図24は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の実施形態2の拡張入力エリア221における区画の別の例を示す図である。なお、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221に連続してスタイラスペン301の軌跡を検出した場合、実施形態1と同様にスタイラスペン301の軌跡を延長させる。
【0168】
図24が示す例は、拡張入力エリア221の区画のうち、左上隅区画221−Aにモード機能(M)、F区画221−1−1に全ページ機能、セル移動区画221−1−2〜221−1−5にセル移動機能、ストローク消去区画221−1−6にストローク消去機能、右上隅区画221−Bにセル内消去機能(EC)、右下隅区画221−Cにページ消去機能(EP)、ページ移動区画221−3−1〜221−3−4にページ移動機能、ページジャンプ区画221−3−5にページジャンプ機能、マークジャンプ区画221−3−6にマークジャンプ機能、左下隅区画221−Dに色機能(Col)が割り当てられていることを示し、さらに拡張入力エリア221の外周に入力の終了を指示する終了指示エリア250を備えていることを示す例である。ここで、モード機能(M)、セル内消去機能(EC)、ページ消去機能(EP)及び色機能(Col)は、図23と同様である。なお、拡張入力エリア221の区画のうち、右区画221−2及び左区画221−4は、線種別(実線や破線の種類、線の太さ等)等の機能が割り当てられるとしてもよいし、入力の終了を指示する終了指示エリア250に追加され、入力の終了を指示する機能が割り当てられるとしてもよい。
【0169】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221のF区画221−1−1にスタイラスペン301の接触を検出すると、全ページを表示装置1080に表示させる(全ページモードという)。ここで、全ページは、電子シート501のうち、ストロークデータが書き込まれている全てのページである。例えば、電子シート501のうち、12ページ迄ストロークデータが書き込まれているとすると、電子文書処理装置10は、1ページから12ページ迄を表示装置1080に全て表示させるように、表示装置1080を構成するセルの個数(例えば、4行3列)を決定し、電子シート501の1ページから12ページをそれぞれのセルに対応付けて表示させる。
【0170】
通常モード、ページモード及び全ページモードごとに、各機能について説明する。電子文書処理装置10は、上述の区画にスタイラスペン301の接触を検出すると、各区画に割り当てられた各機能を実行する。
【0171】
通常モードにおいて、電子文書処理装置10は、セル移動区画221−1−2〜221−1−5にスタイラスペン301の接触を検出すると、セル移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセル(すなわちの一のセル)との対応付けを操作に従って移動させる。例えば、上矢印区画221−1−2に割り当てられた上セル移動機能は、通常入力エリア211と、表示装置1080を構成するセル(すなわちの一のセル)との対応付けを上方向へ1つ移動させる。同様に、下矢印区画221−1−3、右矢印区画221−1−4又は左矢印区画221−1−5にそれぞれ割り当てられた下セル移動機能、右セル移動機能又は左セル移動機能は、それぞれ、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセルとの対応付けを、それぞれ、下方向、右方向又は左方向へ1つ移動させる。そして、電子文書処理装置10は、移動方向をメモリ2012に記憶させる。
【0172】
通常モードにおいて、電子文書処理装置10は、ストローク消去区画221−1−6にスタイラスペン301の接触を検出すると、ストローク消去機能によって、その検出以降にスタイラスペン301で触れたストロークデータを消去する。なお、電子文書処理装置10は、ストローク消去区画221−1−6にスタイラスペン301の接触を再び検出すると、通常に戻す。例えば、ストローク消去機能は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のセル)の単位でスタイラスペン301が触れたストロークデータを消去する。
【0173】
通常モードにおいて、電子文書処理装置10は、ページ移動区画221−3−1〜221−3−4にスタイラスペン301の接触を検出すると、ページ移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセルとの対応付けを変えずに、表示装置1080とのページとの対応付けを操作に従って移動させる。例えば、上方向区画221−3−1に割り当てられた左ページ移動機能は、表示装置1080とのページとの対応付けを上に移動させる。同様に、下方向区画221−3−2に割り当てられた下ページ移動機能、右方向区画221−3−3に割り当てられた右ページ移動機能、又は左方向区画221−3−4に割り当てられた左ページ移動機能は、表示装置1080とのページとの対応付けを、それぞれ下、右又は左に移動させる。
【0174】
通常モードにおいて、電子文書処理装置10は、ページジャンプ区画221−3−5にスタイラスペン301の接触を検出すると、ページジャンプ機能によってページの入力を受け付ける。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセルとの対応付けを変えずに、表示装置1080とのページとの対応付けを、受け付けたページに移動させる。
【0175】
通常モードにおいて、電子文書処理装置10は、マークジャンプ区画221−3−6にスタイラスペン301の接触を検出すると、マークジャンプ機能によって、電子シート501上でマークされているセルを含むページと、表示装置1080とを対応付け、表示装置1080に表示されたマークされているセルと、通常入力エリア211とを対応付ける。電子文書処理装置10は、拡張入力エリア221の所定の区画(例えば、右区画221−2)にスタイラスペン301の接触を検出すると、通常入力エリア211に表示装置1080の一のセルを介して対応付けられた電子シート501のセルに、マークジャンプ機能に対応するマークを記憶させる。
【0176】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、セル移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)との対応付けを、操作に従って移動させる。例えば、セル移動区画のうち上矢印区画221−1−2に割り当てられた上セル移動機能は、通常入力エリア211と表示装置1080を構成するセル(すなわちの一のページ)との対応付けを上方向へ1つ移動させる。同様に、セル移動区画のうち下矢印区画221−1−3、右矢印区画221−1−4又は左矢印区画221−1−5にそれぞれ割り当てられた下セル移動機能、右セル移動機能又は左セル移動機能は、通常入力エリア211と表示装置1080の一のセルとの対応付けを、それぞれ、下方向、右方向又は左方向へ1つ移動させる。そして、電子文書処理装置10は、移動方向をメモリ2012に記憶させる。
【0177】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、ストローク消去機能によって、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)の単位でスタイラスペン301が触れたストロークデータを消去する。
【0178】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、ページ移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセルとの対応付けを変えずに、表示装置1080の一のセルとのページとの対応付けを操作に従って移動させる。例えば、上方向区画221−3−1に割り当てられた左ページ移動機能は、表示装置1080の一のセルとのページとの対応付けを上に移動させる。同様に、下方向区画221−3−2に割り当てられた下ページ移動機能、右方向区画221−3−3に割り当てられた右ページ移動機能、又は左方向区画221−3−4に割り当てられた左ページ移動機能は、表示装置1080の一のセルとのページとの対応付けを、それぞれ下、右又は左に移動させる。
【0179】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、ページジャンプ機能によってページの入力を受け付ける。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセルとの対応付けを変えずに、表示装置1080の一のセル(例えばセルC101)とのページとの対応付けを、受け付けたページに移動させる。
【0180】
ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、マークジャンプ機能によって、電子シート501上でマークされているセルを含むページと、表示装置1080の一のセル(例えばセルC101)とを対応付け、表示装置1080のその一のセルと、通常入力エリア211とを対応付ける。
【0181】
全ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、セル移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)との対応付けを、操作に従って移動させる。例えば、セル移動区画のうち上矢印区画221−1−2に割り当てられた上セル移動機能は、通常入力エリア211と表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)との対応付けを上方向へ1つ移動させる。同様に、下矢印区画221−1−3、右矢印区画221−1−4又は左矢印区画221−1−5にそれぞれ割り当てられた下セル移動機能、右セル移動機能又は左セル移動機能は、通常入力エリア211と表示装置1080の一のセルとの対応付けを、それぞれ、下方向、右方向又は左方向へ1つ移動させる。そして、電子文書処理装置10は、移動方向をメモリ2012に記憶させる。
【0182】
全ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、ページ移動機能によって、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)との対応付けを、操作に従って、セル移動機能と同様に移動させる。
【0183】
全ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、ページジャンプ機能によってページの入力を受け付ける。そして、電子文書処理装置10は、通常入力エリア211と、表示装置1080の一のセルとの対応付けを、受け付けたページに移動させる。
【0184】
全ページモードにおいて、電子文書処理装置10は、マークジャンプ機能によって、電子シート501上でマークされているセルを含むページに対応する表示装置1080の一のセルと、通常入力エリア211とを対応付ける。
【0185】
全ページモードにおいて、ストローク消去機能及びセル内消去機能(EC)は、通常入力エリア211に対応付けられた表示装置1080の一のセル(すなわちの一のページ)の単位で操作に従ってストロークデータを消去する。ページ消去機能(EP)は、表示装置1080に表示されている全てのページのストロークデータを消去する。
【0186】
終了指示エリア250は、入力の終了を指示するスタイラスペン301の接触を受け付けるエリアである。すなわち、電子文書処理装置10は、終了指示エリア250にスタイラスペン301の接触を検出すると、通常入力エリア211に入力中の軌跡データに基づいてストロークデータを作成し、通常入力エリア211とセルとの対応付けをメモリ2012に記憶させた移動方向(すなわち、セル移動機能によって移動させ、記憶させた直前の移動方向)と同じ方向へ移動させる。終了指示エリア250は、通常入力エリア211の外周に設置されているので、手書きが右側の終了指示エリア250に近い場所で終了した場合、右側の終了指示エリア250にスタイラスペン301を接触させることにより容易に終了させることができる。同様に、手書きが左側の終了指示エリア250に近い場所で終了した場合、左側の終了指示エリア250に、上側の終了指示エリア250に近い場所で終了した場合、上側の終了指示エリア250に、下側の終了指示エリア250に近い場所で終了した場合、下側の終了指示エリア250に、スタイラスペン301を接触させることにより容易に終了させることができる。
【0187】
本実施形態2によれば、電子文書処理装置10は、通常モードとページモードとを切り替える。通常モードは、電子文書(例えば、電子シート501)上に構成されたマトリックス状の複数のセルのうち一のセルと、表示装置1080上に構成された一のセルとが対応付けられる。ページモードは、電子文書(例えば、電子シート501)上に構成されたページと、表示装置1080上に構成された一のセルとが対応付けられる。したがって、電子文書処理装置10は、次々と手書き入力を受け付けて、通常モードで表示させたり、ページモードで表示させたりすることによって、電子文書の作成に際し、書式や記述法が異なる欄であっても、手書きデータや、文字データを容易に書き込むことができるようにする。
【0188】
[実施形態3]
実施形態3は、入力表示装置201に、手書き入力エリア203及びキー選択エリア204と、電子文書(例えば、電子カルテ)とを表示する機能を備えている。すなわち、入力エリア表示部13は、手入力部12に、手書き入力エリア203力エリアとキー選択エリア204とを表示させると共に、電子文書を表示させ、セル表示構成部11は、電子文書を表示させた手入力部12に、表示装置1080に構成させたセルと同様のセルを構成させ、セル対応付け部150は、表示装置1080と同様に、手入力部12に構成されたセルと手書き入力エリア203とを対応付ける。そして、電子文書処理装置10は、電子文書(例えば、電子カルテ)を入力表示装置201に表示し、操作者が入力表示装置201だけを用いて電子文書を閲覧しながら電子文書を作成することができるような機能を提供する。
【0189】
さらに、実施形態3において、電子文書処理装置10は、データ欄に書き込まれた内容を確定する確定手段としてのセキューボタン391(図25参照)と、チェック値生成手段としてのチェック値生成部172(図6参照)と、チェック手段としてのチェック部173(図6参照)とを備えている。チェック値生成部172は、セキューボタン391によって確定された内容に基づいてチェック値を生成し、電子文書に書き込む。チェック部173は、電子文書のチェック値を算出し、算出したチェック値と、チェック値生成部172によって書き込まれたチェック値とを比較する。
【0190】
図25は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の実施形態3における手入力部12の構成を示す図である。図25の例は、手入力部12の入力表示装置201に、手書き入力エリア203及びキー選択エリア204と、電子文書を表示する表示エリア901とが構成されていることを示す例である。表示エリア901は、表示欄を選択できる選択欄902と表示欄903とから構成されている。選択欄902は、表示欄を選択するためのボタン911〜916を備えている。表示欄903と手書き入力エリア203及びキー選択エリア204との対応関係は、実施形態1と同様である。
【0191】
図26は、本発明の一実施形態に係る電子文書処理装置10の実施形態3における入力表示装置201の表示例を示す図である。図26の例は、図25において、選択欄902のうち診断ボタン914がスタイラスペン301による接触によって選択されて、診断が表示欄903に表示されていることを示す例である。表示欄903と手書き入力エリア203及びキー選択エリア204との対応関係は、実施形態1と同様である。電子文書処理装置10は、入力タブレット202を介して、表示欄903に直接入力された手書き軌跡データを受け付けるとしてもよい。
【0192】
電子文書処理装置10は、手書き入力エリア203に手書きされた軌跡に基づいて、漢字変換を行う。手書き入力エリア203に手書きされた軌跡は、ストロークデータとして、セルごとに纏められている。すなわち、ストロークデータによって、セルごとの手書きされた軌跡と、その軌跡を構成する線の書き順(ストロークデータの座標情報が軌跡を書いた順に記憶されている)とが正確に纏められている。よって、電子文書処理装置10は、文字認識のアルゴリズムを用いてセルごとに手書きされた軌跡から1文字を認識し、さらに、セル同士の隣接関係から文節解析のアルゴリズムを適用し、一括してテキストデータに変換することができる。
【0193】
電子文書処理装置10は、データ欄ごとに書き込まれたデータを暗号化し、データの改竄を防止することができる。電子文書処理装置10は、例えば、電子カルテの場合、一件の診断を終えた医者によるセキューボタン391の押下を受け付けて、データ欄に書かれたストロークデータ等に基づいてチェック値を算出し、算出したデータ欄ごとのチェック値を電子カルテに埋め込んで記憶させる。チェック値は、例えば、ストロークデータによって軌跡データを表示装置1080に表示させた場合の画素値(例えば、Rチャネル及びGチャネルの階調値)に基づいて算出し、算出したチェック値をデータ欄に埋め込む(例えば、データ欄内に埋め込むための画素を求め、求めた画素のBチャネルに、チェック値を構成するビットの重みに従った値を書き込む)。チェック値を格納するための、電子文書を構成するチェック欄を設け、チェック欄にデータ欄のチェック値をデータ欄に対応付けて記憶させるとしてもよい。
【0194】
このような暗号化により、例えば、電子カルテは、一件の診断に付き、1つのチェック値が埋め込まれ、その診断についての変更が不可能になる。その電子カルテを単に書き込み禁止にした場合と異なり、強制的にデータが変更されたとしても、変更されたデータと埋め込まれたチェック値とは不一致になるので、電子カルテの改竄は明らかになる。セキューボタン391が押された後に、内容を修正する必要がある場合、電子文書処理装置10は、修正ボタン(図示せず)を受け付け、現在の電子カルテを構成するデータ欄の内容を新しいデータ欄にコピーし、元のデータ欄に自動的に廃棄の印を付けて保存し、新しいデータ欄に書き込んだ後のセキューボタン391を受け付けて暗号を埋め込む。電子文書処理装置10は、キー選択エリア204から入力されて書き込まれた文字コード等を含めてデータ欄ごとのチェック値を生成し、同様に記憶させる。
【0195】
実施形態3によれば、電子文書処理装置10は、入力表示装置201に、手書き入力エリア203及びキー選択エリア204と、電子文書(例えば、電子カルテ)とを表示する。よって、電子文書処理装置10は、操作者に、入力表示装置201だけを用いて電子文書を閲覧しながら電子文書を作成させることができる。また、電子文書処理装置10は、セキューボタン391によって確定された内容に基づいてチェック値を生成し、電子文書に書き込み、算出したチェック値と、書き込んだチェック値とを比較する。したがって、電子文書処理装置10は、電子文書の作成に際し、手書きデータや、文字データを容易に書き込むことができるようにし、さらに、容易に書き込めても電子文書の改竄についてはできないようにする。
【0196】
実施形態1から3において、入力表示装置201は、手書き入力エリア203又はキー選択エリア204のどちらかだけを表示するとしてもよい。電子文書処理装置10は、入力タイプ対応DB32で対応付けられた最適な入力タイプの手書き入力エリア203及びキー選択エリア204に優先順位を設け、優先順位の高い一方の入力タイプのみを表示し、指示ボタン(図示せず)によって、他方の入力タイプのみを表示して、手入力を受け付ける。このようにすれば、入力表示装置201を小型にすることができる。
【0197】
電子文書が、例えば、電子メールの場合、電子文書処理装置10は、入力表示装置201から入力して作成したストロークデータに基づいて、電子メールに合わせて貼り付けることができるデータ(例えば、手書きのサインのイメージデータ)を作成する。このような、携帯電話やパソコンに組み込まれた本機能は、使用者の個性を反映できるような自筆の電子メールを作成することができる。
【0198】
以上、本実施形態について説明したが、本機能を、電子手帳、PDA、電子辞書、MP3、デジタルカメラ、携帯電話、携帯型GPS装置、カーナビゲーション装置、電子ブックリーダ、ノートパソコンに組み込んで実施することができる。
【0199】
また、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0200】
10 電子文書処理装置
11 セル表示構成部
12 手入力部
13 入力エリア表示部
131 手書き入力表示部
132 キー入力表示部
14 入力範囲構成部
15 通常セル対応付け部
150 セル対応付け部
151 表示欄対応付け部
152 セル対応切替部
16 拡張セル対応付け部
17 データ表示作成部
171 電子文書生成部
172 チェック値生成部
173 チェック部
18 時間計測部
19 対応セル移動部
20 中断時間計測部
21 入力終了部
22 中断時間記憶制御部
23 閾値最適化部
31 電子文書DB
32 入力タイプ対応DB
201 入力表示装置
202 入力タブレット
203 手書き入力エリア
204 キー選択エリア
211 通常入力エリア
221 拡張入力エリア
301 スタイラスペン
1080 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を電子データ化した電子文書を作成する電子文書処理装置であって、
前記電子文書を構成するデータをデータ欄ごとに記憶する電子文書記憶手段と、
前記電子文書を表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段とは別に画像を表示する第2の表示手段と、
前記第2の表示手段の前面に配置され透光性を有する入力タブレットを一体に構成させた手入力手段と、
前記手入力手段に、手書きの入力を受け付ける手書き入力エリアと、キーの選択を受け付けるキー選択エリアとを表示させる入力エリア表示手段と、
前記入力エリア表示手段によって表示された前記手書き入力エリアに前記入力タブレットを介してスタイラスペンによって手書きされた軌跡を、当該手書き入力エリアに表示させる手書き入力表示手段と、
前記入力エリア表示手段によって表示された前記キー選択エリアのキーのうち、前記入力タブレットを介して前記スタイラスペンが接触することによって選択されたキーに対応付けられた文字を、前記手書き入力エリアに表示させるキー入力表示手段と、
前記第1の表示手段を、前記電子文書を構成するデータ欄に対応付けた表示欄に区分けし、区分けした表示欄ごとに、所定の数のセルをマトリックス状に構成させ、構成させた前記セルごとに画像を表示させるセル表示構成手段と、
前記セル表示構成手段によって構成された前記表示欄ごとの複数のセルのうち一のセルと、前記手書き入力エリアと、を前記手書き入力エリアに表示された前記スタイラスペンの軌跡、又は前記スタイラスペンによって選択された文字が当該一のセルに表示される様に対応付けるセル対応付け手段と、
前記手書き入力エリアに入力された前記スタイラスペンの軌跡を前記セル対応付け手段によって対応付けられた一のセルの解像度に合わせて当該一のセルに表示させると共に、ストロークデータを作成し、前記スタイラスペンによって選択された文字を前記セル対応付け手段によって対応付けられた一のセルに表示させると共に文字データを作成するデータ表示作成手段と、
前記データ表示作成手段によって作成されたデータを、当該一のセルによって構成される前記表示欄に対応する前記電子文書の前記データ欄に書き込み、前記電子文書記憶手段に記憶させる電子文書生成手段と、
を備える電子文書処理装置。
【請求項2】
前記セル表示構成手段によってセルが構成された前記表示欄と、前記手書き入力エリアと、を前記手書き入力エリアに表示された前記スタイラスペンの軌跡、又は前記スタイラスペンによって選択された文字が前記表示欄に表示される様に対応付ける表示欄対応付け手段と、
前記セル対応付け手段による対応付けと、前記表示欄対応付け手段による対応付けとを切り替えるセル対応切替手段と、をさらに備える、請求項1に記載の電子文書処理装置。
【請求項3】
前記電子文書を構成する前記データ欄の選択を受け付けるデータ欄受付手段と、
前記電子文書を構成する前記データ欄の種類と、前記手入力手段に表示する前記手書き入力エリア及び前記キー選択エリアの入力タイプとを対応付けて記憶する入力タイプ対応記憶手段と、をさらに備え、
前記入力エリア表示手段は、前記データ欄受付手段によって受け付けられて選択された前記データ欄の種類に、前記入力タイプ対応記憶手段によって対応付けられた前記入力タイプの前記手書き入力エリア及び前記キー選択エリアを表示させる、請求項1又は2に記載の電子文書処理装置。
【請求項4】
前記手書き入力エリアに、前記スタイラスペンの軌跡を手書き入力することができる通常入力エリアと、当該通常入力エリアの外周に沿って囲まれた拡張入力エリアと、を構成する入力範囲構成手段と、
前記通常入力エリアと、前記セル表示構成手段によって構成された複数のセルのうち一のセルと、を前記通常入力エリアに入力された前記スタイラスペンの軌跡が当該一のセルに表示される様に対応付ける通常セル対応付け手段と、
前記拡張入力エリアを所定の区画に区分けし、当該区分けした区画のうち一の区画と前記通常入力エリアとの位置関係と、前記通常セル対応付け手段によって前記通常入力エリアに対応付けられた一のセルに接するセルのうち一の接するセルと当該一のセルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接するセルとを対応付ける拡張セル対応付け手段と、をさらに備え、
前記セル対応付け手段は、前記通常セル対応付け手段と前記拡張セル対応付け手段とにより、セルと前記手書き入力エリアとの対応付けを行い、
前記データ表示作成手段は、前記手入力手段によって検出された前記スタイラスペンの軌跡が、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ連続して検出された場合に、前記拡張入力エリアのうち前記スタイラスペンが停留している区画に前記拡張セル対応付け手段によって対応付けられたセルに、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ手書きされた前記スタイラスペンの軌跡を延長して表示させる、
請求項1から3のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【請求項5】
前記手入力手段によって検出された前記スタイラスペンの軌跡が、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ連続して検出された場合に、前記拡張入力エリアのうち同一の区画内に停留している時間を計測する時間計測手段、をさらに備え、
前記データ表示作成手段は、前記時間計測手段によって計測された時間が所定の時間以上である場合に、前記拡張入力エリアのうち前記スタイラスペンが停留している区画に前記拡張セル対応付け手段によって対応付けられたセルに、前記通常入力エリアから前記拡張入力エリアへ手書きされた前記スタイラスペンの軌跡を延長して表示させる、請求項4に記載の電子文書処理装置。
【請求項6】
前記手書き入力表示手段は、前記データ表示作成手段がセルに表示させた延長した線分を前記第2の表示手段に表示させると共に、当該セル内に表示させた最後の点を前記第2の表示手段に明示する請求項4又は5に記載の電子文書処理装置。
【請求項7】
前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる対応セル移動手段と、
前記手入力手段によって検出されていた前記スタイラスペンの位置が検出されなくなった場合に、検出されない時間を計測する中断時間計測手段と、
入力の終了を指示する入力終了手段と、をさらに備え、
前記対応セル移動手段は、前記中断時間計測手段によって計測された時間がストローク閾値以上である場合、又は前記入力終了手段によって入力の終了が指示された場合に、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させる請求項4から6のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【請求項8】
前記データ表示作成手段は、
前記中断時間計測手段によって時間が計測されるごとに、前記ストロークデータに当該計測された時間を対応付けて記憶させる中断時間記憶制御手段と、
前記中断時間記憶制御手段によって前記ストロークデータに対応付けて記憶された時間に基づいて統計処理により前記ストローク閾値を算出し、最適化する閾値最適化手段と、
をさらに備える請求項7に記載の電子文書処理装置。
【請求項9】
前記対応セル移動手段は、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、当該一のセルとは別の所定のセルに対応付けを移動させるごとに移動させた方向を記憶手段に記憶させ、前記中断時間計測手段によって計測された時間が前記ストローク閾値以上である場合に、前記通常セル対応付け手段によって対応付けられた前記一のセルから、前記記憶手段に記憶させた移動方向と同じ方向の所定のセルに、対応付けを移動させる請求項8に記載の電子文書処理装置。
【請求項10】
前記入力エリア表示手段は、前記手入力手段に、前記手書き入力エリアと前記キー選択エリアとを表示させると共に、前記電子文書を表示させ、
前記セル表示構成手段は、前記電子文書を表示させた前記手入力手段に、前記第1の表示手段に構成させたセルと同様のセルを構成させ、
前記セル対応付け手段は、前記第1の表示手段と同様に、前記手入力手段に構成されたセルと前記手書き入力エリアとを対応付ける、請求項1から9のいずれかに記載の電子文書処理装置。
【請求項11】
前記データ欄に書き込まれた内容を確定する確定手段と、
前記確定手段によって確定された内容に基づいてチェック値を生成し、前記電子文書に書き込むチェック値生成手段と、
前記電子文書のチェック値を算出し、算出したチェック値と、前記チェック値生成手段によって書き込まれたチェック値とを比較するチェック手段と、
をさらに備える、請求項1から10のいずれかに記載の電子文書処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−48585(P2012−48585A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191450(P2010−191450)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(510040732)
【Fターム(参考)】