電子機器および補正方法
【課題】 テロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正を行う電子機器およびテロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正方法を提供する。
【解決手段】 テロップデータ補正参照領域を構成する各画素の色相を検出し、この検出された色相に基づいてテロップデータ検出領域中にて検出されたテロップデータ領域を構成する各画素の色相を補正する。テロップデータ周辺の色相のパターンを考慮してテロップデータ領域中を補正領域に区分し、区分された夫々の領域をテロップデータ補正参照領域にて検出された色相よりも低い色調を有する色を用いて補正する。
【解決手段】 テロップデータ補正参照領域を構成する各画素の色相を検出し、この検出された色相に基づいてテロップデータ検出領域中にて検出されたテロップデータ領域を構成する各画素の色相を補正する。テロップデータ周辺の色相のパターンを考慮してテロップデータ領域中を補正領域に区分し、区分された夫々の領域をテロップデータ補正参照領域にて検出された色相よりも低い色調を有する色を用いて補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ上に重畳するように文字・数字・記号・図形等からなるテロップデータを表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像技術の一つとして、映像データ上にテロップと称される文字・数字・記号・図形等のデータを重畳する技術が開発された。
【0003】
この技術に関して、特許文献1に示すように、動画データ上に重畳されるテロップの可読性を高めるために、文字領域の色とこの文字領域の周辺領域の色との組み合わせに基づいて可読性を判別し、可読性が低いと判定された文字領域の画像データについて可読性を改善する補正処理を行う技術があった。
【特許文献1】特開2003−209704号公報(第8頁、第12図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術が開発される理由は、上述したように、ユーザにとって文字領域の可読性を向上させるためであるが、このケースとは逆に、動画データに対してテロップが調和せずに目立ちすぎることで視聴者の快適なコンテンツ視聴を阻害するので文字や記号の可読性を低下させたいというニーズもある。
【0005】
そこで、本発明は、テロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正を行う電子機器およびテロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項7に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、前記テロップデータ領域を含む領域を形成する画素が示す色相の中で、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相とは異なる色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、を具備することを特徴とする
【0008】
また、請求項12に関わる補正方法は、ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出し、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出し、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示し前記検出された色相と前記テロップデータ領域の画素が示し前記検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする。
【0009】
また、請求項18に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相とが同系の色相では無い場合に、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相で補正する第1のモード、または、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を補正しない第2のモードに設定することが可能な設定手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、テロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正を行う電子機器およびテロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、テレビ画面にテロップが付加されている映像データが映し出されている状態を示す図である。
【0012】
図1に示すように、テレビ1のディスプレイ13上にテロップ13cが付加された映像データが映し出される。テロップとは、映像データ上に重ねあわされた文字・数字・記号・図形等のデータのことを言う。テロップの一例としては、字幕、時刻表示等がある。テロップはディスプレイ13上の所定の領域に表示される。
【0013】
図1に示されるテロップ13cは赤色のテロップデータであり、テロップの下に存在する映像データは、芝生13aと空13bを示す画像である。芝生の色は黄緑色であり、空の色は水色である。
【0014】
図2は、テレビのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
テレビ1のハードウェア構成について説明する。コントローラ10は、テレビ1の主な動作を制御する。このコントローラ10は、リモコン14から送信されるコマンドをデコードし、コマンド内容に応じて各制御を実行する。
【0016】
チューナ12は、チューナ12に接続されるアンテナ12aを介して放送信号を受信する。例えばMPEG2、MPEG4といったデジタル圧縮符号化方式のMPEG形式でエンコードされたストリームデータを受信する。
【0017】
チューナ12は、映像処理部11と接続される。映像処理部11は、デコーダ部110、テロップデータ処理部111から構成される。
【0018】
デコーダ部110は、チューナ部12から入力された映像信号をデコード処理する。例えば、チューナ12にて受信した、MPEG形式でエンコードされたストリームデータをデコード処理する。
【0019】
テロップデータ処理部111は、デコーダ部110にてデコード処理された信号に含まれるテロップデータに対して処理を行う。このテロップデータ処理部111にて行われる処理については、後述にて詳細に説明する。
【0020】
リモコン14は、テロップデータ検出/テロップデータ補正参照領域を設定するためのコマンドを送信し、コントローラ10はそのコマンドを受信する。
【0021】
コントローラ10は受信したコマンドをデコードする。ここで、コントローラ10によってデコード処理されることで生成された信号を、テロップデータ検出/補正参照領域設定内容と称する。このテロップデータ検出/補正参照領域設内容については、後述にて詳細に説明する。
【0022】
コントローラ10によって生成されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容は、テロップデータ処理部111に入力される。
【0023】
ディスプレイ13は、映像処理部11から出力された信号に基づいて映像データを表示する。
【0024】
また、リモコン14は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモード(通常モード)の何れかのモードを設定するためのコマンドを送信し、コントローラ10はそのコマンドを受信する。このモード切替については、後述にて説明する。
【0025】
コントローラ10は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信した場合、コントローラ10はデコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111で処理するように、デコーダ処理部110に設定する。
【0026】
一方、コントローラ10は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わないモードを設定するためのコマンドを受信した場合、コントローラ10はデコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111に出力せずに、ディスプレイ13に出力するように、デコーダ処理部110に設定する。
【0027】
図3は、テロップデータ処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
テロップデータ処理部111は、映像データ入力部100、テロップデータ検出部101、テロップデータ補正部102、映像データ出力部103、領域設定データ入力部104、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105、領域設定データ出力部106から構成される。
【0029】
映像データ入力部100は、デコーダ部110にてデコード処理された信号をデコーダ部110から入力する。
【0030】
テロップデータ検出部101は、映像データ入力部100に入力されたデコード処理された映像信号に含まれるテロップデータを検出する。このテロップデータの検出処理については、後述にて詳細に説明する。
【0031】
テロップデータ補正部102は、テロップデータ検出部101にて検出されたテロップデータに対して補正処理を行う。このテロップデータに対する補正処理については、後述にて詳細に説明する。
【0032】
映像データ出力部103は、補正処理が施されたテロップデータを含む映像信号をディスプレイ13に出力する。
【0033】
領域設定データ入力部104は、コントローラ10によってデコード処理されることで生成されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容を、コントローラ10から入力する。
【0034】
テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105は、領域設定データ入力部104に入力されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容をテロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102に設定する。このテロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102への設定については、後述にて詳細に説明する。
【0035】
領域設定データ出力部106は、領域設定データ入力部104に入力されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容を、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105を介して、ディスプレイ13に出力する。次に、テロップデータ検出部101にて実行される処理について説明する。
【0036】
まず、テロップデータ検出領域およびテロップデータ補正参照領域について説明する。
【0037】
図4は、テレビ画面上に表示される、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域の一例を示した図である。
【0038】
図5は、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について説明した図である。
【0039】
ユーザがテロップデータを補正するモードに変更させると、図4に示すように、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域が、テレビ画面上に表示される。ユーザは、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域(po1,po2,po3,po4)のうち、どの領域のテロップデータを検出するのか、また、これらの領域の大きさ等を、リモコン14を用いて設定する。リモコン14を用いて設定された内容は、コマンドとしてテレビ1に送信され、前述にて説明したとおり、コントローラ10がこのコマンドをデコードして、テロップデータ検出/補正参照領域設定内容を生成する。テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について、図5を用いてさらに詳しく説明する。
【0040】
"テロップデータ検出領域"とは、図5の(1)に示すように、点線200で囲まれた領域である。この領域は、テロップデータの検出対象となる領域である。
【0041】
"テロップデータ補正参照領域"とは、図5の(2)に示すように、点線201と点線200とで囲まれた領域である。この領域は、テロップデータを構成する画素を補正する際に参考とされる色相データの検出対象となる領域である。
【0042】
次に、色相−色調パレット300について説明する。
【0043】
図6は、色相−色調パレット300について説明した図である。
【0044】
色相−色調パレット300とは、色相および色調の関係を示すものである。
【0045】
色相−色調パレット300は円形のパレットであり、円周に沿って等間隔に代表的な色相を表示する。色相とは、"色合いの違い"を表わすパラメータである。図6に示すように、例えば色相として円周に沿って等間隔に"赤""青""緑""黄"を表示する。
【0046】
また、色相−色調パレット300にて、半径方向に沿って"色調"を表示する。色調とは、"明度"と"彩度"を考慮したパラメータである。明度とは、光の輝度に応じた色の明るさの度合いのことを指し、彩度とは、色の鮮やかさ、すなわち、色の純粋さの度合いのことを指す。例えば、彩度が高い色は鮮やかな原色となり、彩度が低くなるにつれてくすんだ色みを感じない色に変化する。
【0047】
例えば、図6に示すように、色相−色調パレット300にて、半径方向に沿って、色調が低い色を円の中心側に表示し、色調が高い色を円周側に表示するようにする。
【0048】
テロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102は、この色相−色調パレット300を用いる。
【0049】
図7は、テロップデータ検出部101にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0050】
ここで、テロップデータ検出101は、図3を用いて説明したテロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105によって設定されたテロップデータ検出領域/補正参照領域設定内容の内容を用いて以下の処理を行う。
【0051】
テロップデータ検出部101は、テロップデータ補正参照領域を構成する各画素の色相を検出する(ステップ S100)。図5の(2)に示すように、領域(Area1)を構成する画素群が表示する色相が水色であることを検出し、領域(Area2)を構成する画素群が表示する色相が黄緑色であることを検出する。
【0052】
さらに、テロップデータ検出部101は、ステップS100にて検出した色相を、色相−色調パレット300に表示する(ステップ S101)。
【0053】
図8に示すように、色相−色調パレット300に表示されている色相"黄"と"緑"との間に、テロップデータ補正参照領域に含まれる領域(Area2)にて検出した黄緑色を表示(300a)し、色相"緑"と"青"との間に、テロップデータ補正参照領域に含まれる領域(Area1)にて検出した水色を表示(300b)する。
【0054】
図9に示すように、ステップS301にて色相−色調パレット300上に表示した色相を用いて、色相−色調パレット300上に同系色領域を設定する(ステップ S102)。同系色領域とは、ステップS301にてパレット上に表示された色相の色と同系色であるとみなされる色を示す領域である。例えば、図8に示すように、黄緑色(300a)を含む同系色領域301aは、黄緑色と同系色であるとみなされる色を示す領域であり、水色(300b)を含む同系色領域301bは、水色と同系色であるとみなされる色を示す領域である。この同系色領域を設定することは、同系の色相であるか、異なる系統の色相であるのかを判別するための閾値を設定することである。
【0055】
同系色領域の設定の一例として、ステップS301にてパレット上に表示された色相の色(300a,300b)を含むように同系色領域を設定する。その際、同系色領域の中心角(302a,302b)はユーザによって設定可能である。
【0056】
テロップデータ検出部101は、テロップデータ検出領域を構成する画素群の色相の中で、ステップS102にて設定した同系色領域(300a,300b)とは異なる色相を検出する(ステップ S103)。
【0057】
図10に示すように、領域(Area3)および領域(Area4)を構成する画素群が表示する色相が、ステップS102にて設定した同系色領域(300a,300b)とは異なる色相の"赤"であることを検出する。
【0058】
さらに、テロップデータ検出部101は、ステップS103にて検出した色相を、色相−色調パレット300に表示する(ステップ S104)。
【0059】
図11に示すように、色相−色調パレット300に表示されている色相"赤"の近傍に、テロップデータ検出領域に含まれる領域(Area3)および領域(Area4)にて検出した赤色を表示(300c)する。
【0060】
次に、テロップデータ補正部102にて実行される処理について説明する。
【0061】
図12は、テロップデータ補正部102にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0062】
ここで、テロップデータ補正部102は、図3を用いて説明したテロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105によって設定されたテロップデータ検出領域/補正参照領域設定内容の内容を用いて以下の処理を行う。
【0063】
テロップデータ補正部102は、ステップS104にて色相が"赤"であると検出した領域(Area3)および領域(Area4)を、補正対象画素として指定する(ステップ S200)。
【0064】
テロップデータ検出領域中、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域(Area3,Area4)以外の領域の画素が表示する色相に基づいて、これらの領域を区切るボーダーラインを決定する(ステップ S201)。
【0065】
図13の(1)に示すように、水色の色相である領域(Area1)と黄緑色の色相である領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2を決定する。
【0066】
さらに、テロップデータ補正部102は、ステップS201にて決定したボーダーラインの配置傾向に基づいて、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域内に設けるボーダーラインを決定する(ステップ S202)。
【0067】
図13の(2)に示すように、水色の色相である領域(Area1)と黄緑色の色相である領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2の配置傾向に基づいて、補正対象画素として指定した色相が"赤"である領域(Area3)内に設けるborder3を決定する。
【0068】
図14に示すように、図13(2)の領域(Area3)のうち、border3で区切られた上の部分をArea3a、下の部分をArea3bと称す。
【0069】
図15に示した色相−色調パレット300を用いて、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域を補正するための色を選択する(ステップ S203)。
【0070】
図15に示すように、領域(Area3)の色相である黄緑色よりも色調の低い"濃い黄緑色"(300d)、および領域(Area1)の色相である水色よりも色調の低い"濃い水色"(300e)を選択する。
【0071】
領域(Area3)の色相である黄緑色および領域(Area1)の色相である水色と比較してどの程度低い色調を選択するかは、ユーザによって選択可能である。
【0072】
図15にて示した色相−色調パレット300を用いて選択した領域(Area3)の色相および領域(Area1)の色相よりも濃い色調を用いて、領域(Area3a)、領域(Area3b)および領域(Area4)を補正する(ステップ S204)。
【0073】
図16に示すように、領域(Area4)および領域(Area3b)を構成する画素群を、領域(Area3)の色相である黄緑色よりも色調の低い"濃い黄緑色"に表示させ、領域(Area3a)を構成する画素群を、領域(Area1)の色相である水色よりも色調の低い"濃い水色"に表示させる。
【0074】
上述にて説明ように、映像データに対するテロップデータの可読性を低下させることで、視聴者に快適な環境を提供することが可能となる。
【0075】
また、テロップデータ周辺の色相のパターンを考慮してテロップデータ領域中を補正領域に区分し、区分された夫々の領域をテロップデータ補正参照領域にて検出された色相よりも低い色調を有する色を用いて補正することで、テロップデータを単一の色相で補正する場合と比較して、映像データに対するテロップデータの可読性をさらに低下させることが可能となる。
【0076】
図17は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードの設定に要する、ディスプレイに表示される設定画面の一例を示す図である。
【0077】
ディスプレイ13上に、テロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードを設定するための設定画面m1が表示される。
【0078】
ユーザは、この設定画面m1を見ながら、テロップの可読性を低くする補正処理を行うモードにするのか、または、補正処理を行わないモードにしないのかを設定する。
【0079】
図18は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードに設定する手順の一例を示す流れ図である。
【0080】
ユーザは設定画面m1を見て、例えば、テロップの可読性を低くする補正処理を行いたい場合、設定画面m1中の"はい"を選択・決定する。これらの操作は、ユーザによる例えばリモコン操作によって行われる。
【0081】
ユーザによって例えばリモコン14を操作することで設定画面m1中"はい"が選択・決定された場合、例えばリモコン14は、ユーザの操作に応じて、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを送信し(ステップ S300 Yes)、コントローラ10は、例えばリモコン14から送信された、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信する(ステップ S301)。
【0082】
コントローラ10は、ステップS301にて映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信すると、デコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111で処理するように、デコーダ処理部110に設定する(ステップ S302)。
【0083】
一方、ユーザによって例えばリモコン14を操作することで設定画面m1中"いいえ"が選択・決定された場合、例えばリモコン14は、ユーザの操作に応じて、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを送信し(ステップ S300 No)、コントローラ10は、例えばリモコン14から送信された、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを受信する(ステップ S303)。
【0084】
コントローラ10は、ステップS303にて映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを受信すると、デコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をディスプレイ13に出力するように、デコーダ処理部110に設定する(ステップ S304)。
【0085】
このように、ユーザによる例えばリモコン操作によって映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うのか行わないのかを設定可能な設計にしておくことで、ユーザがテロップの可読性を低くしたい場合にのみ、テロップの可読性を低くする補正処理を実行することが可能となる。
【0086】
本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示されている全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】テロップデータが付加された映像データがテレビ画面に映し出されている状態を示す図。
【図2】テレビのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】テロップデータ処理部の構成の一例を示すブロック図。
【図4】テロップ画面上に表示される、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域の一例を示した図。
【図5】テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について説明した図。
【図6】色相−色調パレットについて説明する図。
【図7】テロップデータ検出部にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図。
【図8】テロップデータ補正参照領域に含まれる領域にて検出した色を表示する色相−色調パレットを説明する図。
【図9】同系色領域を設定した色相−色調パレットについて説明する図。
【図10】領域(Area3)および領域(Area4)を構成する画素群が表示する色相が"赤"であることを示す図。
【図11】テロップデータ検出領域にて検出したテロップデータの色を表示する色相−色調パレットを説明する図。
【図12】テロップデータ補正部にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図。
【図13】領域(Area1)と領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2を決定することを示す図。
【図14】領域(Area3)のうち、border3で区切られた上の部分をArea3a、下の部分をArea3bであることを示す図。
【図15】色相−色調パレットを用いて、補正対象画素として指定した領域を補正するための色を選択することを示す図。
【図16】領域(Area4)および領域(Area3b)を構成する画素群、領域(Area3a)を構成する画素群を夫々、色調の低い色に表示することを示す図。
【図17】映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードの設定に要する、ディスプレイに表示される設定画面の一例を示す図。
【図18】映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードに設定する手順の一例を示す流れ図。
【符号の説明】
【0088】
1…テレビ、10…コントローラ、11…映像処理部、12…チューナ、
13…ディスプレイ、14…リモコン、110…デコーダ部、
111…テロップデータ処理部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ上に重畳するように文字・数字・記号・図形等からなるテロップデータを表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像技術の一つとして、映像データ上にテロップと称される文字・数字・記号・図形等のデータを重畳する技術が開発された。
【0003】
この技術に関して、特許文献1に示すように、動画データ上に重畳されるテロップの可読性を高めるために、文字領域の色とこの文字領域の周辺領域の色との組み合わせに基づいて可読性を判別し、可読性が低いと判定された文字領域の画像データについて可読性を改善する補正処理を行う技術があった。
【特許文献1】特開2003−209704号公報(第8頁、第12図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術が開発される理由は、上述したように、ユーザにとって文字領域の可読性を向上させるためであるが、このケースとは逆に、動画データに対してテロップが調和せずに目立ちすぎることで視聴者の快適なコンテンツ視聴を阻害するので文字や記号の可読性を低下させたいというニーズもある。
【0005】
そこで、本発明は、テロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正を行う電子機器およびテロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項7に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、前記テロップデータ領域を含む領域を形成する画素が示す色相の中で、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相とは異なる色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、を具備することを特徴とする
【0008】
また、請求項12に関わる補正方法は、ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出し、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出し、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示し前記検出された色相と前記テロップデータ領域の画素が示し前記検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする。
【0009】
また、請求項18に関わる電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相とが同系の色相では無い場合に、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相で補正する第1のモード、または、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を補正しない第2のモードに設定することが可能な設定手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、テロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正を行う電子機器およびテロップと重畳する位置にある映像データに対する該テロップの可読性を低くする補正方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、テレビ画面にテロップが付加されている映像データが映し出されている状態を示す図である。
【0012】
図1に示すように、テレビ1のディスプレイ13上にテロップ13cが付加された映像データが映し出される。テロップとは、映像データ上に重ねあわされた文字・数字・記号・図形等のデータのことを言う。テロップの一例としては、字幕、時刻表示等がある。テロップはディスプレイ13上の所定の領域に表示される。
【0013】
図1に示されるテロップ13cは赤色のテロップデータであり、テロップの下に存在する映像データは、芝生13aと空13bを示す画像である。芝生の色は黄緑色であり、空の色は水色である。
【0014】
図2は、テレビのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
テレビ1のハードウェア構成について説明する。コントローラ10は、テレビ1の主な動作を制御する。このコントローラ10は、リモコン14から送信されるコマンドをデコードし、コマンド内容に応じて各制御を実行する。
【0016】
チューナ12は、チューナ12に接続されるアンテナ12aを介して放送信号を受信する。例えばMPEG2、MPEG4といったデジタル圧縮符号化方式のMPEG形式でエンコードされたストリームデータを受信する。
【0017】
チューナ12は、映像処理部11と接続される。映像処理部11は、デコーダ部110、テロップデータ処理部111から構成される。
【0018】
デコーダ部110は、チューナ部12から入力された映像信号をデコード処理する。例えば、チューナ12にて受信した、MPEG形式でエンコードされたストリームデータをデコード処理する。
【0019】
テロップデータ処理部111は、デコーダ部110にてデコード処理された信号に含まれるテロップデータに対して処理を行う。このテロップデータ処理部111にて行われる処理については、後述にて詳細に説明する。
【0020】
リモコン14は、テロップデータ検出/テロップデータ補正参照領域を設定するためのコマンドを送信し、コントローラ10はそのコマンドを受信する。
【0021】
コントローラ10は受信したコマンドをデコードする。ここで、コントローラ10によってデコード処理されることで生成された信号を、テロップデータ検出/補正参照領域設定内容と称する。このテロップデータ検出/補正参照領域設内容については、後述にて詳細に説明する。
【0022】
コントローラ10によって生成されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容は、テロップデータ処理部111に入力される。
【0023】
ディスプレイ13は、映像処理部11から出力された信号に基づいて映像データを表示する。
【0024】
また、リモコン14は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモード(通常モード)の何れかのモードを設定するためのコマンドを送信し、コントローラ10はそのコマンドを受信する。このモード切替については、後述にて説明する。
【0025】
コントローラ10は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信した場合、コントローラ10はデコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111で処理するように、デコーダ処理部110に設定する。
【0026】
一方、コントローラ10は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わないモードを設定するためのコマンドを受信した場合、コントローラ10はデコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111に出力せずに、ディスプレイ13に出力するように、デコーダ処理部110に設定する。
【0027】
図3は、テロップデータ処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
テロップデータ処理部111は、映像データ入力部100、テロップデータ検出部101、テロップデータ補正部102、映像データ出力部103、領域設定データ入力部104、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105、領域設定データ出力部106から構成される。
【0029】
映像データ入力部100は、デコーダ部110にてデコード処理された信号をデコーダ部110から入力する。
【0030】
テロップデータ検出部101は、映像データ入力部100に入力されたデコード処理された映像信号に含まれるテロップデータを検出する。このテロップデータの検出処理については、後述にて詳細に説明する。
【0031】
テロップデータ補正部102は、テロップデータ検出部101にて検出されたテロップデータに対して補正処理を行う。このテロップデータに対する補正処理については、後述にて詳細に説明する。
【0032】
映像データ出力部103は、補正処理が施されたテロップデータを含む映像信号をディスプレイ13に出力する。
【0033】
領域設定データ入力部104は、コントローラ10によってデコード処理されることで生成されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容を、コントローラ10から入力する。
【0034】
テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105は、領域設定データ入力部104に入力されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容をテロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102に設定する。このテロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102への設定については、後述にて詳細に説明する。
【0035】
領域設定データ出力部106は、領域設定データ入力部104に入力されたテロップデータ検出/補正参照領域設定内容を、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105を介して、ディスプレイ13に出力する。次に、テロップデータ検出部101にて実行される処理について説明する。
【0036】
まず、テロップデータ検出領域およびテロップデータ補正参照領域について説明する。
【0037】
図4は、テレビ画面上に表示される、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域の一例を示した図である。
【0038】
図5は、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について説明した図である。
【0039】
ユーザがテロップデータを補正するモードに変更させると、図4に示すように、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域が、テレビ画面上に表示される。ユーザは、テロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域(po1,po2,po3,po4)のうち、どの領域のテロップデータを検出するのか、また、これらの領域の大きさ等を、リモコン14を用いて設定する。リモコン14を用いて設定された内容は、コマンドとしてテレビ1に送信され、前述にて説明したとおり、コントローラ10がこのコマンドをデコードして、テロップデータ検出/補正参照領域設定内容を生成する。テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について、図5を用いてさらに詳しく説明する。
【0040】
"テロップデータ検出領域"とは、図5の(1)に示すように、点線200で囲まれた領域である。この領域は、テロップデータの検出対象となる領域である。
【0041】
"テロップデータ補正参照領域"とは、図5の(2)に示すように、点線201と点線200とで囲まれた領域である。この領域は、テロップデータを構成する画素を補正する際に参考とされる色相データの検出対象となる領域である。
【0042】
次に、色相−色調パレット300について説明する。
【0043】
図6は、色相−色調パレット300について説明した図である。
【0044】
色相−色調パレット300とは、色相および色調の関係を示すものである。
【0045】
色相−色調パレット300は円形のパレットであり、円周に沿って等間隔に代表的な色相を表示する。色相とは、"色合いの違い"を表わすパラメータである。図6に示すように、例えば色相として円周に沿って等間隔に"赤""青""緑""黄"を表示する。
【0046】
また、色相−色調パレット300にて、半径方向に沿って"色調"を表示する。色調とは、"明度"と"彩度"を考慮したパラメータである。明度とは、光の輝度に応じた色の明るさの度合いのことを指し、彩度とは、色の鮮やかさ、すなわち、色の純粋さの度合いのことを指す。例えば、彩度が高い色は鮮やかな原色となり、彩度が低くなるにつれてくすんだ色みを感じない色に変化する。
【0047】
例えば、図6に示すように、色相−色調パレット300にて、半径方向に沿って、色調が低い色を円の中心側に表示し、色調が高い色を円周側に表示するようにする。
【0048】
テロップデータ検出部101およびテロップデータ補正部102は、この色相−色調パレット300を用いる。
【0049】
図7は、テロップデータ検出部101にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0050】
ここで、テロップデータ検出101は、図3を用いて説明したテロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105によって設定されたテロップデータ検出領域/補正参照領域設定内容の内容を用いて以下の処理を行う。
【0051】
テロップデータ検出部101は、テロップデータ補正参照領域を構成する各画素の色相を検出する(ステップ S100)。図5の(2)に示すように、領域(Area1)を構成する画素群が表示する色相が水色であることを検出し、領域(Area2)を構成する画素群が表示する色相が黄緑色であることを検出する。
【0052】
さらに、テロップデータ検出部101は、ステップS100にて検出した色相を、色相−色調パレット300に表示する(ステップ S101)。
【0053】
図8に示すように、色相−色調パレット300に表示されている色相"黄"と"緑"との間に、テロップデータ補正参照領域に含まれる領域(Area2)にて検出した黄緑色を表示(300a)し、色相"緑"と"青"との間に、テロップデータ補正参照領域に含まれる領域(Area1)にて検出した水色を表示(300b)する。
【0054】
図9に示すように、ステップS301にて色相−色調パレット300上に表示した色相を用いて、色相−色調パレット300上に同系色領域を設定する(ステップ S102)。同系色領域とは、ステップS301にてパレット上に表示された色相の色と同系色であるとみなされる色を示す領域である。例えば、図8に示すように、黄緑色(300a)を含む同系色領域301aは、黄緑色と同系色であるとみなされる色を示す領域であり、水色(300b)を含む同系色領域301bは、水色と同系色であるとみなされる色を示す領域である。この同系色領域を設定することは、同系の色相であるか、異なる系統の色相であるのかを判別するための閾値を設定することである。
【0055】
同系色領域の設定の一例として、ステップS301にてパレット上に表示された色相の色(300a,300b)を含むように同系色領域を設定する。その際、同系色領域の中心角(302a,302b)はユーザによって設定可能である。
【0056】
テロップデータ検出部101は、テロップデータ検出領域を構成する画素群の色相の中で、ステップS102にて設定した同系色領域(300a,300b)とは異なる色相を検出する(ステップ S103)。
【0057】
図10に示すように、領域(Area3)および領域(Area4)を構成する画素群が表示する色相が、ステップS102にて設定した同系色領域(300a,300b)とは異なる色相の"赤"であることを検出する。
【0058】
さらに、テロップデータ検出部101は、ステップS103にて検出した色相を、色相−色調パレット300に表示する(ステップ S104)。
【0059】
図11に示すように、色相−色調パレット300に表示されている色相"赤"の近傍に、テロップデータ検出領域に含まれる領域(Area3)および領域(Area4)にて検出した赤色を表示(300c)する。
【0060】
次に、テロップデータ補正部102にて実行される処理について説明する。
【0061】
図12は、テロップデータ補正部102にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0062】
ここで、テロップデータ補正部102は、図3を用いて説明したテロップデータ検出領域/テロップデータ補正参照領域設定部105によって設定されたテロップデータ検出領域/補正参照領域設定内容の内容を用いて以下の処理を行う。
【0063】
テロップデータ補正部102は、ステップS104にて色相が"赤"であると検出した領域(Area3)および領域(Area4)を、補正対象画素として指定する(ステップ S200)。
【0064】
テロップデータ検出領域中、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域(Area3,Area4)以外の領域の画素が表示する色相に基づいて、これらの領域を区切るボーダーラインを決定する(ステップ S201)。
【0065】
図13の(1)に示すように、水色の色相である領域(Area1)と黄緑色の色相である領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2を決定する。
【0066】
さらに、テロップデータ補正部102は、ステップS201にて決定したボーダーラインの配置傾向に基づいて、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域内に設けるボーダーラインを決定する(ステップ S202)。
【0067】
図13の(2)に示すように、水色の色相である領域(Area1)と黄緑色の色相である領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2の配置傾向に基づいて、補正対象画素として指定した色相が"赤"である領域(Area3)内に設けるborder3を決定する。
【0068】
図14に示すように、図13(2)の領域(Area3)のうち、border3で区切られた上の部分をArea3a、下の部分をArea3bと称す。
【0069】
図15に示した色相−色調パレット300を用いて、ステップS200にて補正対象画素として指定した領域を補正するための色を選択する(ステップ S203)。
【0070】
図15に示すように、領域(Area3)の色相である黄緑色よりも色調の低い"濃い黄緑色"(300d)、および領域(Area1)の色相である水色よりも色調の低い"濃い水色"(300e)を選択する。
【0071】
領域(Area3)の色相である黄緑色および領域(Area1)の色相である水色と比較してどの程度低い色調を選択するかは、ユーザによって選択可能である。
【0072】
図15にて示した色相−色調パレット300を用いて選択した領域(Area3)の色相および領域(Area1)の色相よりも濃い色調を用いて、領域(Area3a)、領域(Area3b)および領域(Area4)を補正する(ステップ S204)。
【0073】
図16に示すように、領域(Area4)および領域(Area3b)を構成する画素群を、領域(Area3)の色相である黄緑色よりも色調の低い"濃い黄緑色"に表示させ、領域(Area3a)を構成する画素群を、領域(Area1)の色相である水色よりも色調の低い"濃い水色"に表示させる。
【0074】
上述にて説明ように、映像データに対するテロップデータの可読性を低下させることで、視聴者に快適な環境を提供することが可能となる。
【0075】
また、テロップデータ周辺の色相のパターンを考慮してテロップデータ領域中を補正領域に区分し、区分された夫々の領域をテロップデータ補正参照領域にて検出された色相よりも低い色調を有する色を用いて補正することで、テロップデータを単一の色相で補正する場合と比較して、映像データに対するテロップデータの可読性をさらに低下させることが可能となる。
【0076】
図17は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードの設定に要する、ディスプレイに表示される設定画面の一例を示す図である。
【0077】
ディスプレイ13上に、テロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードを設定するための設定画面m1が表示される。
【0078】
ユーザは、この設定画面m1を見ながら、テロップの可読性を低くする補正処理を行うモードにするのか、または、補正処理を行わないモードにしないのかを設定する。
【0079】
図18は、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードに設定する手順の一例を示す流れ図である。
【0080】
ユーザは設定画面m1を見て、例えば、テロップの可読性を低くする補正処理を行いたい場合、設定画面m1中の"はい"を選択・決定する。これらの操作は、ユーザによる例えばリモコン操作によって行われる。
【0081】
ユーザによって例えばリモコン14を操作することで設定画面m1中"はい"が選択・決定された場合、例えばリモコン14は、ユーザの操作に応じて、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを送信し(ステップ S300 Yes)、コントローラ10は、例えばリモコン14から送信された、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信する(ステップ S301)。
【0082】
コントローラ10は、ステップS301にて映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモードを設定するためのコマンドを受信すると、デコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をテロップデータ処理部111で処理するように、デコーダ処理部110に設定する(ステップ S302)。
【0083】
一方、ユーザによって例えばリモコン14を操作することで設定画面m1中"いいえ"が選択・決定された場合、例えばリモコン14は、ユーザの操作に応じて、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを送信し(ステップ S300 No)、コントローラ10は、例えばリモコン14から送信された、映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを受信する(ステップ S303)。
【0084】
コントローラ10は、ステップS303にて映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行わない通常モードを設定するためのコマンドを受信すると、デコーダ部110にてデコード処理することで生成された信号をディスプレイ13に出力するように、デコーダ処理部110に設定する(ステップ S304)。
【0085】
このように、ユーザによる例えばリモコン操作によって映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うのか行わないのかを設定可能な設計にしておくことで、ユーザがテロップの可読性を低くしたい場合にのみ、テロップの可読性を低くする補正処理を実行することが可能となる。
【0086】
本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示されている全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】テロップデータが付加された映像データがテレビ画面に映し出されている状態を示す図。
【図2】テレビのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】テロップデータ処理部の構成の一例を示すブロック図。
【図4】テロップ画面上に表示される、テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域の一例を示した図。
【図5】テロップデータ検出領域、テロップデータ補正参照領域について説明した図。
【図6】色相−色調パレットについて説明する図。
【図7】テロップデータ検出部にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図。
【図8】テロップデータ補正参照領域に含まれる領域にて検出した色を表示する色相−色調パレットを説明する図。
【図9】同系色領域を設定した色相−色調パレットについて説明する図。
【図10】領域(Area3)および領域(Area4)を構成する画素群が表示する色相が"赤"であることを示す図。
【図11】テロップデータ検出領域にて検出したテロップデータの色を表示する色相−色調パレットを説明する図。
【図12】テロップデータ補正部にて実行される処理の流れの一例を示す流れ図。
【図13】領域(Area1)と領域(Area3)とを区切るborder1およびborder2を決定することを示す図。
【図14】領域(Area3)のうち、border3で区切られた上の部分をArea3a、下の部分をArea3bであることを示す図。
【図15】色相−色調パレットを用いて、補正対象画素として指定した領域を補正するための色を選択することを示す図。
【図16】領域(Area4)および領域(Area3b)を構成する画素群、領域(Area3a)を構成する画素群を夫々、色調の低い色に表示することを示す図。
【図17】映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードの設定に要する、ディスプレイに表示される設定画面の一例を示す図。
【図18】映像データに対するテロップの可読性を低くする補正処理を行うモード/補正処理を行わないモードに設定する手順の一例を示す流れ図。
【符号の説明】
【0088】
1…テレビ、10…コントローラ、11…映像処理部、12…チューナ、
13…ディスプレイ、14…リモコン、110…デコーダ部、
111…テロップデータ処理部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、
前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記補正手段は、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、
前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
からなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり、且つ、前記テロップデータ領域の周辺の色相が有する色調よりも低い色調で補正する手段であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記テロップデータ周辺検出手段が検出する色相を示す画素領域および前記テロップデータ色相検出手段が検出する色相を示す画素領域を設定する設定手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記補正手段は、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系色相であるか否かを判別するための閾値を設定する同系色相判別閾値設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定する設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、
前記テロップデータ領域を含む領域を形成する画素が示す色相の中で、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相とは異なる色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、
前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記補正手段は、前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が示す同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調よりも低い色調で補正する手段であることを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
前記テロップデータ周辺検出手段が検出する色相を示す画素領域および前記テロップデータ色相検出手段が検出する色相を示す画素領域を設定する設定手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項10】
前記補正手段は、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相であるか否かを判別するための閾値を設定する同系色相判別閾値設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項11】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータの周辺の画素が示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定する設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項12】
ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出し、
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出し、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示し前記検出された色相と前記テロップデータ領域の画素が示し前記検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする補正方法。
【請求項13】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータの領域内を複数の補正領域に区分し、
前記区分によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項14】
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり、且つ、前記テロップデータ領域の周辺の色相が有する色調よりも低い色調で補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項15】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出する画素領域および前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出する画素領域を設定し、
前記設定した画素領域内において、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相および前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項16】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の画素が示す色相とが同系色相であるか否かを判別するための閾値を設定し、
前記設定した閾値に基づいて、これらの色相が同系の色相ではない場合に補正を行うことを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項17】
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定し、
前記設定した色調の度合いを用いて、前記テロップデータの画素が示す色相を補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項18】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相とが同系の色相では無い場合に、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相で補正する第1のモード、または、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を補正しない第2のモードに設定することが可能な設定手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、
前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記補正手段は、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、
前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
からなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり、且つ、前記テロップデータ領域の周辺の色相が有する色調よりも低い色調で補正する手段であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記テロップデータ周辺検出手段が検出する色相を示す画素領域および前記テロップデータ色相検出手段が検出する色相を示す画素領域を設定する設定手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記補正手段は、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系色相であるか否かを判別するための閾値を設定する同系色相判別閾値設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定する設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出するテロップデータ周辺色相検出手段と、
前記テロップデータ領域を含む領域を形成する画素が示す色相の中で、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相とは異なる色相を検出するテロップデータ色相検出手段と、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータ領域内を複数の補正領域に区分する区分手段と、
前記区分手段によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記補正手段は、前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が示す同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調よりも低い色調で補正する手段であることを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
前記テロップデータ周辺検出手段が検出する色相を示す画素領域および前記テロップデータ色相検出手段が検出する色相を示す画素領域を設定する設定手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項10】
前記補正手段は、前記テロップデータ周辺色相検出手段によって検出された色相と前記テロップデータ色相検出手段によって検出された色相とが同系の色相であるか否かを判別するための閾値を設定する同系色相判別閾値設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項11】
前記補正手段は、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータの周辺の画素が示す色相の有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定する設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項12】
ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出し、
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出し、
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示し前記検出された色相と前記テロップデータ領域の画素が示し前記検出された色相とが同系の色相ではない場合、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり且つ前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする補正方法。
【請求項13】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す複数の同系色相に基づいて、前記同系色相からなる領域を形成するための境界線を決定し、この決定した境界線の配置傾向に基づいて前記テロップデータの領域内を複数の補正領域に区分し、
前記区分によって生成された前記複数の補正領域の画素が夫々示す色相を、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相と同系の色相であり、且つ、前記複数の補正領域の周辺の画素が夫々示す色相が有する色調とは異なる色調で補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項14】
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相であり、且つ、前記テロップデータ領域の周辺の色相が有する色調よりも低い色調で補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項15】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相を検出する画素領域および前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出する画素領域を設定し、
前記設定した画素領域内において、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相および前記テロップデータ領域の画素が示す色相を検出することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項16】
前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の画素が示す色相とが同系色相であるか否かを判別するための閾値を設定し、
前記設定した閾値に基づいて、これらの色相が同系の色相ではない場合に補正を行うことを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項17】
前記テロップデータ領域の画素が示す色相を、前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相が有する色調とは異なる色調で補正する場合の色調の度合いを設定し、
前記設定した色調の度合いを用いて、前記テロップデータの画素が示す色相を補正することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項18】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示される映像データ上に重畳されるテロップデータ領域の画素が示す色相と前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相とが同系の色相では無い場合に、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を前記テロップデータ領域の周辺の画素が示す色相と同系の色相で補正する第1のモード、または、前記テロップデータ領域の画素が示す色相を補正しない第2のモードに設定することが可能な設定手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−81542(P2009−81542A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247635(P2007−247635)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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