電子機器及びプログラム
【課題】コストをかけずに、従来よりも機器の設定を容易に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供する。
【解決手段】(a)の画面表示状態でリモコンの下ボタンの押下が検出された場合、(b)に示すようにフォーカス枠55を「スペシャル」セットの位置へ移動させて描画する。(b)の画面表示状態でリモコンのモードボタンの押下が検出された場合には、(c)に示すように「スペシャル」セットの選択表示部51bの表示を「◎」として、「スペシャル」の各設定項目の設定値を一括して現在の設定値とし、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。「カスタム」セットについては「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」の各セットとは、区別した表示態様で表示する。すなわち「カスタム」セットと「オール」との間に、区別するための左右方向の線を描画している。
【解決手段】(a)の画面表示状態でリモコンの下ボタンの押下が検出された場合、(b)に示すようにフォーカス枠55を「スペシャル」セットの位置へ移動させて描画する。(b)の画面表示状態でリモコンのモードボタンの押下が検出された場合には、(c)に示すように「スペシャル」セットの選択表示部51bの表示を「◎」として、「スペシャル」の各設定項目の設定値を一括して現在の設定値とし、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。「カスタム」セットについては「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」の各セットとは、区別した表示態様で表示する。すなわち「カスタム」セットと「オール」との間に、区別するための左右方向の線を描画している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に設定項目を表示させてユーザからの操作に基づき機器の設定が可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等の表示装置に機器の動作を設定するための複数の設定項目と各設定項目の設定値の候補を表示し、その候補の中からユーザによって選択された設定値を、当該機器の現在の設定として当該設定に基づいて機器の動作を制御する電子機器が知られている。
【0003】
設定項目の数が少ない場合には、ユーザは各設定項目の意味や各設定値の意味を把握することができるが、設定項目の数が増えるとその設定項目がどういう機能のための設定項目なのかを把握するのが困難になり、設定値の数が増えると各設定値によってどのような動作するのかを把握するのが困難になるという問題がある。
【0004】
近年機器の多機能化により、設定項目や設定値の数が増えているため、この問題が顕著になっている。この問題を解決するため、例えば、設定項目を大分類・中分類・小分類等に分類し、大分類・中分類・小分類の順に選択することで設定項目を表示する階層的な選択対象構造を採用して設定項目の意味を分かりやすくしたり、特許文献1に示されるように、一般向けの選択対象と初心者向けの選択対象を設けて切り替え可能とし、初心者向けの選択対象画面には各選択対象項目に関する説明文を併記して各設定項目や設定値の意味を分かりやすくしたりする工夫がなされている。
【特許文献1】特開2004−274135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、階層的な選択対象構造を採用すると、どの階層にどの項目があるのかが分かりにくくなるといった問題が生じることがある。また、設定を行うためには、階層を順に選択していく必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、初心者向け選択対象画面に説明文を併記するためには、画面のサイズを大きくしたり、画面の解像度を高めたりする必要があり、機器のサイズが大きくなったり、コストがかかったりするといった問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、コストをかけずに、従来よりも機器の設定を容易に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、(1)複数の設定項目についての設定が可能であり、現在の設定値に基づいて動作を制御する電子機器であって、 前記複数の設定項目を1つのセットとして、複数のセットを設け、各セットにおける前記複数の設定項目の設定値を予め記憶しておき、前記各セットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1の選択対象の選択を受け付け、当該選択された選択対象に対応するセットにおける記憶された設定値に基づき前記複数の設定項目の設定値を一括で前記現在の設定値とする構成とした。
【0009】
本発明によれば、ユーザは、表示された各セットに対応する選択対象の中から所望の選択対象を選択するだけで、複数の設定項目の設定値を一括で現在の設定値として設定できる。そのためユーザは各設定項目について1つ1つ設定値を設定する必要はなく、従来よりも機器の設定を容易に行うことができる。
【0010】
なお、選択対象としては、例えば、各セットを象徴するシンボルとするとよく、具体的には、セットの名称、セットの図(アイコン)やこれらの組み合わせなどを用いるとよい。
【0011】
(2)前記複数の設定項目として、当該電子機器の本質的機能に関する設定と、当該電子機器における付随的機能に関する設定とを有し、前記複数のセットの1つは、前記本質的機能に関する設定項目をすべてオンとし、当該付随的機能に関する設定項目をすべてオフとする設定値を記憶するとよい。
【0012】
ユーザがこのセットの選択対象を選択した場合、本質的機能に関する設定項目がすべてオン、付随的機能に関する設定項目がすべてオフである設定値が、一括で現在の設定値となって、この設定値に基づいて動作の制御が行われる。動作の制御として、例えば、設定項目の設定値がオンの場合に当該設定項目の動作を行い、設定項目の設定値がオフの場合に当該設定項目の動作を行なわない制御を行うようにすれば、本質的機能のみを機器に実行させることができる。
【0013】
このようにすれば、ユーザは、単にこのセットの選択対象を選択するだけで、1つ1つの設定項目が機器の本質的機能に関する設定項目なのか付随的機能に関する設定項目なのかを意識する必要なく、容易に本質的機能のみを機器に実行させることができる。
【0014】
(3)前記設定項目に対応したイベントの発生時に、前記設定項目の設定値がオンである場合には当該イベントに対応する処理を行う一方、前記設定項目の設定値がオフである場合には当該イベントに対応する処理をスキップするようにするとよい。
【0015】
このようにすれば、一括して、処理負荷を変更することができる。選択対象として、例えば、各セットを象徴するシンボルの内容として処理負荷を示す表示をすれば、ユーザはその内容を見て選択するだけで、一括して処理負荷を容易に変更できる。
【0016】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がなされる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がスキップされることとなる。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、本質的機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。さらには、付随的機能に関する処理はスキップされることとなるので、本質的機能のイベントに対する応答性能を高めることや、付随的機能の処理のために必要な消費電力を削減することも容易にできる。
【0017】
(4)前記複数の設定項目の各々に対応した処理を順次実行する機能を備え、前記設定項目の設定値がオフである場合に当該設定項目に対応する処理をスキップするとよい。このようにすれば、一括して、機器の一連の処理に要する時間を変更することができる。選択対象として、例えば、各セットを象徴するシンボルの内容として機器の一連の処理に要する時間を示す表示をすれば、ユーザはその内容を見て選択するだけで、一括して処理負荷を容易に変更できる。
【0018】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、本質的機能に関する設定項目に対応した処理は順次実行されることとなる。一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、付随的機能に関する設定項目に対応した処理はスキップされることとなる。
【0019】
したがって、例えば、機器の一連の処理に要する時間を短縮することができる。その結果、処理を行っていない時間に機器を低消費電力状態にして消費電力を削減したり、本質的機能に関する処理を実行可能な回数を増やしたりすることもできる。例えば、本質的機能における応答性能を高めることも容易に可能となる。
【0020】
(5)また、無線受信の機能を備え、前記複数の設定項目として、異なる所定の周波数において電波を受信するかどうかを設定する項目を有し、各設定項目の設定値がオフである場合には、当該設定項目に対応する前記所定の周波数の前記無線受信をスキップするようにするとよい。このようにすれば、一括して、無線機器の受信周波数を設定することができ、一連の周波数スキャンの範囲を一括して変更することができる。
【0021】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、本質的機能に関する設定項目に対応する所定周波数の無線受信が行われる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、付随的機能に関する設定項目に対応する所定周波数の無線受信はスキップされる。そのため、本質的機能に関する無線受信の頻度を多くすることが可能となり、本質的機能に関する無線受信に対する応答性能を高めることができる。
【0022】
(6)前記設定項目に対応したイベントの発生時に前記設定項目の設定値に基づき警報を報知するか否かを決定する機能を備え、前記複数のセットは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットと警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットとを有するとよい。
【0023】
このようにすれば、ユーザは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットの選択対象と警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットの選択対象のいずれかから、1の選択対象を選択するだけで、所望の警報頻度で警報を行わせることが可能となる。警報が頻繁になされて煩わしいと感じる場面と、警報が頻繁になされたほうが良いと感じる場面とで、ユーザは、各設定項目の設定値を変更したりすることなく、瞬時に警報頻度を変えることできる。
【0024】
(7)特に 各セットに付与した選択対象の表示は、前記警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて表示することにより、頻度の順が分かりやすくできる。
【0025】
(8)さらに、前記複数のセットの1つとして、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるカスタム設定を有するとよい。このようにすれば、セットを選択するだけで簡単に設定したいユーザと、各設定項目の設定値を設定したいというユーザとの双方の要求を満たすことができる。
【0026】
(9)前記(8)の構成を前提として、前記カスタム設定の前記選択対象は、カスタム設定以外のセットの選択対象とは区別した表示態様で表示するとよい。このようにすれば、簡単に設定したいというユーザが誤ってカスタム設定を選択してしまうことを防止することに役立つ。
【0027】
なお、カスタム設定の数は1つでもよいが複数有するようにしてもよい。例えば、複数の前記カスタム設定のセットを有し、前記選択項目として前記カスタム設定以外の選択項目とともに前記カスタム設定であること示す1の選択対象を表示し、当該カスタム設定であること示す選択対象が選択された場合に、前記複数の前記カスタム設定のセットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1のカスタム設定に対応する選択対象の選択を受け付け、当該選択された選択対象に対応するカスタム設定のセットにつき、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるようにしてもよい。
【0028】
(10)前記表示を行う3インチ以下の画面を有し、前記ユーザの操作を入力するボタンまたはリモコンの少なくともいずれか一方を有する車載用の電子機器とするとよい。画面サイズが3インチ以下である場合、従来技術のように設定項目に関する説明を表示することは困難であり、特に、車両内に設置する機器で、本発明は特に優れた効果を発揮する。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子機器としての機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、コストをかけずに、従来よりも機器の設定を容易に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1,図2は、本発明の電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。図2に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2並びにスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両へ配置される側)内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置し、ケース本体1の後面側(ユーザ側へ配置される側)に表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャックを配置する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5は2.2インチの液晶ディスプレイであり、表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。このようにレーダー探知機の表示部としては3インチ以下の画面を用いるのが好適である。
【0031】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込むことができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータは、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0032】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0033】
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。更に、本実施形態のレーダー探知機は、無線受信器15を備えている。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。
【0034】
リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。
【0035】
図4は、リモコン17の構成を示す図である。リモコン17は、上ボタン17aと、右ボタン17bと、下ボタン17cと、左ボタン17dと、モードボタン17eと、機能ボタン17fと、キャンセルボタン17gと、リモコン送信器17hを有する。ユーザは、リモコン送信器17hをリモコン受信器16へ向けてボタンを押下する。リモコン送信器17hは、ボタンの押下を検出した場合、いずれのボタンが押下されかを示す情報を、赤外線通信により送信し、制御部18はリモコン受信器16で受信した赤外線通信信号からいずれのボタンが押下されたかを示す情報を取得し、押下されたボタンに応じた処理を行なう。
【0036】
また、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器8、マイクロ波受信器4、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ6,スピーカ20等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0037】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0038】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などが挙げられる。
【0039】
待ち受け画面表示機能は、図4(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示する機能である。レーダースコープ表示機能は、図4(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図4(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。図4(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、図4(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替え、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0040】
GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能は、データベース19に記憶された図5に示す設定項目の設定内容に基づいて実行される。図5に示すように、GPS警報機能においては「GPS設定」欄の各項目である測位アナウンス、道路選択、レーダー、レーダー直前速度、レーダー通過、レーダー制限速度、レーダーカメラ位置、制限速度切替りポイント、取締警報レベル、検問警報レベル、高速道 交通警察隊、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、長/連続トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング、駐禁最重点エリア内有料駐車場の各設定項目の設定値を参照して処理を行う。
【0041】
測位アナウンスは、GPS受信器8で現在位置が測位できない状態から測位できる状態になった場合とGPS受信器8で現在位置が測位できる状態から測位できない状態になった場合にその旨を報知するか否かを設定する項目である。設定値が「ON」であれば、報知を行ない、「OFF」であれば報知を行なわない。
【0042】
道路選択は、「一般道」「高速道」「オール」「オート」の設定値を有し、選択された範囲の目標物のみ報知する。すなわち、目標物ごとに、その目標物が一般道上にあるか高速道上にあるかの道路種別情報を持っており、一般道が選択されている場合には、一般道上の目標物に関してのみ報知を行ない、高速道が選択されている場合には、高速道上の目標物に関してのみ報知を行なう。また、オールが選択されている場合には、一般道、高速道の双方の目標物について報知を行ない、オートが選択されている場合には、GPS受信器8で現在の速度を検出し、検出した現在の速度が70km/h以上の場合には高速道、70km/h未満の場合には一般道の目標物について報知を行なう。
【0043】
レーダー、レーダー直前速度、レーダー通過、レーダー制限速度、レーダーカメラ位置、制限速度切替りポイント、高速道 交通警察隊、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、長/連続トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング、駐禁最重点エリア内有料駐車場)は、目標物の種別を示す項目であり、設定値として「ON」と「OFF」を有する。設定値が「ON」の場合には、その目標物に関する報知を行ない、「OFF」の場合には、その目標物に関する報知を行なわない。
【0044】
取締警報レベルは、取締位置ごとに取り締まりの頻度・信頼度が高いものから順にレベル5・レベル4・レベル3・レベル2・レベル1として記憶しており、設定値として「OFF」・「レベル5」・「レベル4以上」・「レベル3以上」・「レベル2以上」・「ALL」を有する。設定値が「OFF」の場合には、現在位置と取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合であっても、取締位置である旨の報知を行なわない。一方、設定が「ALL」の場合には、すべての取締位置において現在位置と取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合に、取締位置である旨の報知を行う。また、例えば、設定が「レベル3以上」の場合には、現在位置とレベル3以上として記憶された取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合にのみ、取締位置である旨の報知を行う。
【0045】
検問警報レベルは、検問位置ごとに検問の頻度・信頼度が高いものから順にレベル5・レベル4・レベル3・レベル2・レベル1として記憶しており、設定として「OFF」・「レベル5」・「レベル4以上」・「レベル3以上」・「レベル2以上」・「ALL」を有する。設定内容及び動作については、取締警報レベルに準じた動作としている。
【0046】
図5に示すように、レーダー波警報機能においては「RD設定」(「RD」は「レーダー」を示す)の各項目である警報音設定、受信感度モード設定、Iキャンセル設定、Iキャンセルサウンドの各設定項目の設定値を参照して処理を行う。
【0047】
警報音設定は、スピーカ20からの報知方法の設定であり、「電子音」、「ボイス」、「メロディ1」、「メロディ2」、「メロディ3」を有する。電子音は「ピピピピ」という報知を行なう設定値であり、ボイスは音声で「レーダーです」と報知する設定値であり、「メロディ1」、「メロディ2」、「メロディ3」はそれぞれ異なる曲で報知する設定値である。
【0048】
受信感度モード設定は、マイクロ波受信機4の受信感度の設定であり、設定値として「HI」「LO」「AUTO」を有する。「HI」は、受信感度を最高(High)に設定するものであり、「LO」は受信感度を最低(Low)に設定するものである。「AUTO」は、GPS受信器8によって検出した現在の自車速度が30km/h以上の場合には受信感度を最高に設定し、自車速度が30km/h未満の場合には受信感度を最低に設定するものである。
【0049】
Iキャンセル設定は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を受信した際に、そのマイクロ波が速度測定装置と同周波数帯を利用する自動ドア等の誤警報源からのマイクロ波か否かを判定し、誤警報源からのマイクロ波と判定した場合に、GPS受信器8で受信した現在位置から所定の範囲(例えば半径100mの範囲)では、以後、マイクロ波受信器4によってマイクロ波が検出されたとしても警報を行わないようにする機能についての設定である。設定値として「ON」「OFF」を有し、「ON」は、Iキャンセルを行う設定であり、「OFF」はIキャンセルを行わない設定である。
Iキャンセルサウンドは、Iキャンセルを行う場合の音の設定であり、その設定値は、前述の警告音設定に準じた設定内容である。
【0050】
図5に示すように、無線警報機能においては、「無線設定」の各項目である無線警報、無線感度、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線の設定項目を有し、設定値としてそれぞれ「ON」「OFF」を有する。設定値「ON」は、当該無線の受信を行う設定であり、「OFF」は当該無線の受信を行わない設定である。
各設定項目は、製品出荷時にデータベース19に図5に示すセットごとの設定値が記憶されている。
【0051】
図5に示すように、「セット」として、「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」、「カスタム」を設けており、それぞれのセットにおける設定項目の設定値を関連付けて記憶している。各セットにおける各設定項目の設定値は、図5に示すとおりの値で記憶している。
【0052】
「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」の各セットの設定値は、ユーザが変更することができない。一方、「カスタム」セットの設定値は、設定項目ごとにユーザが変更することができ、ユーザが設定した値を記憶保持する。なお、図5の「カスタム」セットの設定値は、出荷時の設定値(デフォルト値)を示すものである。
【0053】
ユーザは、「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」、「カスタム」のセットから、所望のセットを選択し、各機能を実現する処理においては、選択されたセットを現在のセットとして、各設定項目の設定値として参照する。すなわち、選択されたセットにおける記憶された設定値を一括で現在の設定値とする。なお、出荷時に選択されているセットは、「バランス」セットとしている。
【0054】
「スマート」セットは、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能において、最低限の報知を行なう設定である。「スマート」セットを選択することにより、他のセットを選択した場合に比べ、警告の頻度を減らすことができる。
「バランス」セットは、推奨の設定で、バランスを重視した設定である。
【0055】
「スペシャル」セットは、図5に示すように、レーダー探知機の本質的機能である取締に関係する設定項目をすべて「ON」とした設定である。一方でレーダー探知機における付随的機能に関する設定は、すべて「OFF」としている。また、報知の取りこぼしを無くすために「Iキャンセル」設定は「OFF」とし、受信感度モード設定及び無線感度は「HI」としている。
「オール」セットは、すべての設定を「ON」としたセットである。
【0056】
「カスタム」セットは、前述のとおり、他のセットとは異なり、設定項目ごとにユーザが変更することができるセットである。
【0057】
これらのセットの選択・設定は、設定処理によって行う。設定処理は、待ち受け画面表示機能実行中またはレーダースコープ表示機能実行中にリモコン17のモードボタン17eの押下が検出された場合に開始する。
【0058】
設定処理では、まず、図6(a)の設定画面を表示部5に表示する。設定画面は、タイトル表示部50、セット項目表示部51、フォーカス枠55を有する。タイトル表示部50は、設定画面のタイトルを表示する領域である。セット項目表示部51は各セットに対応した選択対象を表示する領域であり、画面上から順に「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」「カスタム」の5個分の領域を設けている。セット項目表示部51は、「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」「カスタム」といったセットのタイトルを表示するセット項目タイトル表示部51aと、これらのセットのいずれが選択されているかを示す選択表示部51bを備える。選択されているセットは、選択表示部51bの表示を、選択されていないセットとは異なる表示とする。すなわち、図6(a)に示すように、選択されていないセットは「○」、選択されているセットは「◎」で表示する。
【0059】
この状態で、表示した選択対象のセットの中から、ユーザの操作に基づいて1の選択対象のセットの選択を受け付ける。ユーザが、選択されているセットを変更する場合には、リモコン17の上ボタン17aまたは下ボタン17cを押下し、フォーカス枠55を上下に移動して、選択したいセットへフォーカス枠55を移動させてから、モードボタン17eを押下する。
【0060】
すなわち、フォーカス枠55は、選択対象のセットを示す矩形の枠であり、選択対象のセットのセット項目表示部51内に表示する。フォーカス枠55は、リモコン17の上ボタン17aの押下を検出した場合に1つ上のセットのセット項目表示部51内へ移動させて描画する。また、フォーカス枠55は、リモコン17の下ボタン17cの押下を検出した場合に1つ下のセットのセット項目表示部51内へ移動させて描画する。なお、最上部のセット項目表示部51内にフォーカス枠55を表示した状態で、リモコン17の上ボタン17aの押下を検出した場合には、そのままの表示として、フォーカス枠55は移動しない。同様に最下部のセット項目表示部51内にフォーカス枠55を表示した状態で、リモコン17の下ボタン17cの押下を検出した場合には、そのままの表示として、フォーカス枠55は移動しない。
【0061】
モードボタン17eの押下を検出した場合、フォーカス枠55を現在表示しているセット項目表示部51内の選択表示部51bの表示を「◎」とし、そのセットを選択されているセットとして、図5に示した当該セットの各設定項目の設定値を、各設定項目の現在の設定値とするとともに、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。
なお、設定処理において、5秒間リモコン17からの信号がない場合には、元の機能の処理(図4(a)ないし(b)の画面表示)へ戻る。
【0062】
例えば、図6(a)の画面表示状態(「バランス」セットにフォーカス枠55がある状態)で、リモコン17の下ボタン17cの押下が検出された場合、図6(b)に示すようにフォーカス枠を「スペシャル」セットの位置へ移動させて描画する。図6(b)の画面表示状態で、リモコン17のモードボタン17eの押下が検出された場合には、図6(c)に示すように「バランス」セットの選択表示部51bの表示を「◎」として、図5の「バランス」の各設定項目の設定値を、各設定項目の現在の設定値とし、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。そして、5秒間リモコン17からの信号がない場合には、元の機能の処理(図4(a)ないし(b)の画面表示)へ戻る。
各機能においては、後述するように、各設定項目の現在の設定値現在の設定値を参照して処理を行う。
【0063】
このように、ユーザは、表示された各セットの中から所望のセットを選択するだけで、複数の設定項目の設定値を一括で現在の設定値として設定できる。そのためユーザは各設定項目について1つ1つ設定値を設定する必要はなく、従来よりも機器の設定を容易に行うことができる。例えば、ユーザが「スペシャル」セットを選択すれば、容易に本質的機能のみを機器に実行させることができる。すなわち、1つの1つの設定項目が機器の本質的機能に関する設定項目なのか付随的機能に関する設定項目なのかを意識する必要がない。
【0064】
また、図5に示したように、各セットは、警報を報知する頻度が最も少なくなる設定値のセットである「スマート」と、「スマート」の次に警報を報知する頻度が少なくなる設定値のセットである「バランス」、「バランス」よりも警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットである「スペシャル」、「スペシャル」よりも警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットである「オール」のセットとを有する。そして、図6に示したようにセットを選択可能としたことで、ユーザは、「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」のいずれかから、1の選択対象を選択するだけで、所望の警報頻度で警報を行わせることが可能となる。したがって、警報が頻繁になされて煩わしいと感じる場面と、警報が頻繁になされたほうが良いと感じる場面とで、ユーザは、各設定項目の設定値をそれぞれ変更したりすることなく、単にセットを選ぶだけで、瞬時に警報頻度を変えることできる。
【0065】
また図6に示したように、各セットに付与した選択対象の表示は、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」と表示することにより、頻度の順が分かりやすく、設定が容易にできる。
【0066】
なお、「カスタム」セットについては、図5(a)に示すように「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」の各セットとは、区別した表示態様で表示する。すなわち「カスタム」セットと他のセット(図4(a)の例では「オール」)との間に、区別するための左右方向の線を描画している。なお、本実施形態では、区別した表示態様として、左右方向の線を描画することとしたが、これに限らず例えば「カスタム」の文字を異なる色やフォントで表示するようにしてもよいし、「カスタム」セットのセット項目表示部51の色を他のセットのセット項目表示部51の色とは異なる色とするようにしてもよい。特に、「カスタム」セットに関する色は他のセットに関する色よりも目立たない色(例えば薄い色など)とするとよい。
【0067】
図7(a)に示すように「カスタム」のセットにフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図7(b)に示すように、図5の左側欄にある大分類の項目名「RD設定」「GPS設定」「無線設定」の選択項目を表示する。ユーザは、設定したい大分類の項目名へフォーカス枠55を移動し、リモコン17の右ボタン17bを押下する。例えば図7(b)に示すように、「GPS設定」にフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図8(a)に示すように、図5の「GPS設定」に含まれる各項目名を表示する。すなわち「測位アナウンス」「道路選択」「レーダー」「レーダー通過」「レーダー制限速度」の選択項目を表示する。なお、「レーダーカメラ位置」「制限速度切替りポイント」等、表示しきれていない項目については、フォーカス枠55を最下欄に表示している状態で、リモコン17の下ボタン17cが押下された場合に、スクロール表示するようにする。
【0068】
ユーザはリモコン17のボタン操作により、設定を変更したい項目にフォーカス枠55を、移動させる。例えばレーダーの設定を変更したい場合には、図8(a)に示すようにフォーカス枠55を「レーダー」にあわせ、リモコン17の右ボタン17bを押下する。
【0069】
図8(a)に示すように「レーダー」のセットにフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図8(b)に示すように、その設定である「ON」「OFF」の選択項目を表示する。「OFF」に設定したい場合は、リモコン17の下ボタン17dを押下してフォーカス枠55を「OFF」の設定へ移動して、モードボタン17eを押下する。このような操作が検出された場合には、図5の「カスタム」セットにおける「レーダー」の設定を「OFF」に変更する。
【0070】
以上のように、セットの選択によって一括して設定された各設定項目の現在の設定値に基づいて、制御部18は、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能の各機能を実現する処理を実行する。
【0071】
GPS警報機能は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能の実行中に、目標物と現在位置の距離が所定の距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す音声を出力する処理である。例えば、図4(b)のレーダースコープ機能の実行中に、図5の設定項目「レーダー」の現在の設定値が「ON」であり、図中上方にある目標物「L」(ループコイル式レーダーを示す)と自車位置との距離が500mになった場合には、図4(c)のように、目標物であるループコイルの模式図または写真を表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20から「500m先、ループコイルです」と音声を出力する接近報知を行なう。一方、現在の設定値が「OFF」の場合には、図4(b)の画面表示を続け、図4(c)に示す表示やスピーカからの報知は行なわない。他の目標物についても、同様に、その目標物の現在の設定が「ON」の場合にのみ、その目標物に関する接近報知を行なう。すなわち、設定項目の設定値が「ON」である目標物に対応する接近報知処理を行う一方、設定項目の設定値が「OFF」である目標物に対応する接近報知処理をスキップする。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、ユーザが必要とする機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。例えば、接近報知の時間を長くしたり、接近報知をより遠くの位置(例えば自車から1kmの範囲)から行ったりすることも容易にできるようになる。
【0072】
特に「スペシャル」セットを選択した場合には、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がなされる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がスキップされることとなる。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、本質的機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。さらには、付随的機能に関する処理はスキップされることとなるので、本質的機能のイベントに対する応答性能を高めることや、付随的機能の処理のために必要な消費電力を削減することも容易にできる。
【0073】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器8によって速度測定装置(移動式レーダー等)から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図9に示すように、レーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、現在の警告音設定の音をスピーカ20から出力する。
【0074】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。図5の無線設定に示した各設定項目の現在の設定値が「OFF」である場合には、その設定項目に対応する周波数の無線受信をスキップし、現在の設定値が「ON」である設定項目に対応する周波数の無線受信を行う。例えば、「スマート」セットが現在の設定値である場合には、取締無線及びかーロケ無線の周波数のみスキャンし、他の無線の周波数のスキャンを行わないようにする。スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、その周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図2】レーダー探知機の構成例を示すブロック図である。
【図3】リモコンの構成を示す図である。
【図4】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図5】設定項目と各セットの設定内容を示す図である。
【図6】設定処理におけるセットの設定画面の表示例を示す図である。
【図7】設定処理におけるカスタムセットの設定画面の表示例を示す図である。
【図8】設定処理におけるカスタムセットの各設定値の設定画面の表示例を示す図である。
【図9】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に設定項目を表示させてユーザからの操作に基づき機器の設定が可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等の表示装置に機器の動作を設定するための複数の設定項目と各設定項目の設定値の候補を表示し、その候補の中からユーザによって選択された設定値を、当該機器の現在の設定として当該設定に基づいて機器の動作を制御する電子機器が知られている。
【0003】
設定項目の数が少ない場合には、ユーザは各設定項目の意味や各設定値の意味を把握することができるが、設定項目の数が増えるとその設定項目がどういう機能のための設定項目なのかを把握するのが困難になり、設定値の数が増えると各設定値によってどのような動作するのかを把握するのが困難になるという問題がある。
【0004】
近年機器の多機能化により、設定項目や設定値の数が増えているため、この問題が顕著になっている。この問題を解決するため、例えば、設定項目を大分類・中分類・小分類等に分類し、大分類・中分類・小分類の順に選択することで設定項目を表示する階層的な選択対象構造を採用して設定項目の意味を分かりやすくしたり、特許文献1に示されるように、一般向けの選択対象と初心者向けの選択対象を設けて切り替え可能とし、初心者向けの選択対象画面には各選択対象項目に関する説明文を併記して各設定項目や設定値の意味を分かりやすくしたりする工夫がなされている。
【特許文献1】特開2004−274135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、階層的な選択対象構造を採用すると、どの階層にどの項目があるのかが分かりにくくなるといった問題が生じることがある。また、設定を行うためには、階層を順に選択していく必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、初心者向け選択対象画面に説明文を併記するためには、画面のサイズを大きくしたり、画面の解像度を高めたりする必要があり、機器のサイズが大きくなったり、コストがかかったりするといった問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、コストをかけずに、従来よりも機器の設定を容易に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、(1)複数の設定項目についての設定が可能であり、現在の設定値に基づいて動作を制御する電子機器であって、 前記複数の設定項目を1つのセットとして、複数のセットを設け、各セットにおける前記複数の設定項目の設定値を予め記憶しておき、前記各セットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1の選択対象の選択を受け付け、当該選択された選択対象に対応するセットにおける記憶された設定値に基づき前記複数の設定項目の設定値を一括で前記現在の設定値とする構成とした。
【0009】
本発明によれば、ユーザは、表示された各セットに対応する選択対象の中から所望の選択対象を選択するだけで、複数の設定項目の設定値を一括で現在の設定値として設定できる。そのためユーザは各設定項目について1つ1つ設定値を設定する必要はなく、従来よりも機器の設定を容易に行うことができる。
【0010】
なお、選択対象としては、例えば、各セットを象徴するシンボルとするとよく、具体的には、セットの名称、セットの図(アイコン)やこれらの組み合わせなどを用いるとよい。
【0011】
(2)前記複数の設定項目として、当該電子機器の本質的機能に関する設定と、当該電子機器における付随的機能に関する設定とを有し、前記複数のセットの1つは、前記本質的機能に関する設定項目をすべてオンとし、当該付随的機能に関する設定項目をすべてオフとする設定値を記憶するとよい。
【0012】
ユーザがこのセットの選択対象を選択した場合、本質的機能に関する設定項目がすべてオン、付随的機能に関する設定項目がすべてオフである設定値が、一括で現在の設定値となって、この設定値に基づいて動作の制御が行われる。動作の制御として、例えば、設定項目の設定値がオンの場合に当該設定項目の動作を行い、設定項目の設定値がオフの場合に当該設定項目の動作を行なわない制御を行うようにすれば、本質的機能のみを機器に実行させることができる。
【0013】
このようにすれば、ユーザは、単にこのセットの選択対象を選択するだけで、1つ1つの設定項目が機器の本質的機能に関する設定項目なのか付随的機能に関する設定項目なのかを意識する必要なく、容易に本質的機能のみを機器に実行させることができる。
【0014】
(3)前記設定項目に対応したイベントの発生時に、前記設定項目の設定値がオンである場合には当該イベントに対応する処理を行う一方、前記設定項目の設定値がオフである場合には当該イベントに対応する処理をスキップするようにするとよい。
【0015】
このようにすれば、一括して、処理負荷を変更することができる。選択対象として、例えば、各セットを象徴するシンボルの内容として処理負荷を示す表示をすれば、ユーザはその内容を見て選択するだけで、一括して処理負荷を容易に変更できる。
【0016】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がなされる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がスキップされることとなる。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、本質的機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。さらには、付随的機能に関する処理はスキップされることとなるので、本質的機能のイベントに対する応答性能を高めることや、付随的機能の処理のために必要な消費電力を削減することも容易にできる。
【0017】
(4)前記複数の設定項目の各々に対応した処理を順次実行する機能を備え、前記設定項目の設定値がオフである場合に当該設定項目に対応する処理をスキップするとよい。このようにすれば、一括して、機器の一連の処理に要する時間を変更することができる。選択対象として、例えば、各セットを象徴するシンボルの内容として機器の一連の処理に要する時間を示す表示をすれば、ユーザはその内容を見て選択するだけで、一括して処理負荷を容易に変更できる。
【0018】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、本質的機能に関する設定項目に対応した処理は順次実行されることとなる。一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、付随的機能に関する設定項目に対応した処理はスキップされることとなる。
【0019】
したがって、例えば、機器の一連の処理に要する時間を短縮することができる。その結果、処理を行っていない時間に機器を低消費電力状態にして消費電力を削減したり、本質的機能に関する処理を実行可能な回数を増やしたりすることもできる。例えば、本質的機能における応答性能を高めることも容易に可能となる。
【0020】
(5)また、無線受信の機能を備え、前記複数の設定項目として、異なる所定の周波数において電波を受信するかどうかを設定する項目を有し、各設定項目の設定値がオフである場合には、当該設定項目に対応する前記所定の周波数の前記無線受信をスキップするようにするとよい。このようにすれば、一括して、無線機器の受信周波数を設定することができ、一連の周波数スキャンの範囲を一括して変更することができる。
【0021】
また、例えば、前記(2)の構成を有し、前記(2)のセットをユーザが選択した場合、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、本質的機能に関する設定項目に対応する所定周波数の無線受信が行われる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、付随的機能に関する設定項目に対応する所定周波数の無線受信はスキップされる。そのため、本質的機能に関する無線受信の頻度を多くすることが可能となり、本質的機能に関する無線受信に対する応答性能を高めることができる。
【0022】
(6)前記設定項目に対応したイベントの発生時に前記設定項目の設定値に基づき警報を報知するか否かを決定する機能を備え、前記複数のセットは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットと警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットとを有するとよい。
【0023】
このようにすれば、ユーザは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットの選択対象と警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットの選択対象のいずれかから、1の選択対象を選択するだけで、所望の警報頻度で警報を行わせることが可能となる。警報が頻繁になされて煩わしいと感じる場面と、警報が頻繁になされたほうが良いと感じる場面とで、ユーザは、各設定項目の設定値を変更したりすることなく、瞬時に警報頻度を変えることできる。
【0024】
(7)特に 各セットに付与した選択対象の表示は、前記警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて表示することにより、頻度の順が分かりやすくできる。
【0025】
(8)さらに、前記複数のセットの1つとして、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるカスタム設定を有するとよい。このようにすれば、セットを選択するだけで簡単に設定したいユーザと、各設定項目の設定値を設定したいというユーザとの双方の要求を満たすことができる。
【0026】
(9)前記(8)の構成を前提として、前記カスタム設定の前記選択対象は、カスタム設定以外のセットの選択対象とは区別した表示態様で表示するとよい。このようにすれば、簡単に設定したいというユーザが誤ってカスタム設定を選択してしまうことを防止することに役立つ。
【0027】
なお、カスタム設定の数は1つでもよいが複数有するようにしてもよい。例えば、複数の前記カスタム設定のセットを有し、前記選択項目として前記カスタム設定以外の選択項目とともに前記カスタム設定であること示す1の選択対象を表示し、当該カスタム設定であること示す選択対象が選択された場合に、前記複数の前記カスタム設定のセットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1のカスタム設定に対応する選択対象の選択を受け付け、当該選択された選択対象に対応するカスタム設定のセットにつき、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるようにしてもよい。
【0028】
(10)前記表示を行う3インチ以下の画面を有し、前記ユーザの操作を入力するボタンまたはリモコンの少なくともいずれか一方を有する車載用の電子機器とするとよい。画面サイズが3インチ以下である場合、従来技術のように設定項目に関する説明を表示することは困難であり、特に、車両内に設置する機器で、本発明は特に優れた効果を発揮する。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子機器としての機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、コストをかけずに、従来よりも機器の設定を容易に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1,図2は、本発明の電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。図2に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2並びにスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両へ配置される側)内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置し、ケース本体1の後面側(ユーザ側へ配置される側)に表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャックを配置する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5は2.2インチの液晶ディスプレイであり、表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。このようにレーダー探知機の表示部としては3インチ以下の画面を用いるのが好適である。
【0031】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込むことができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータは、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0032】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0033】
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。更に、本実施形態のレーダー探知機は、無線受信器15を備えている。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。
【0034】
リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。
【0035】
図4は、リモコン17の構成を示す図である。リモコン17は、上ボタン17aと、右ボタン17bと、下ボタン17cと、左ボタン17dと、モードボタン17eと、機能ボタン17fと、キャンセルボタン17gと、リモコン送信器17hを有する。ユーザは、リモコン送信器17hをリモコン受信器16へ向けてボタンを押下する。リモコン送信器17hは、ボタンの押下を検出した場合、いずれのボタンが押下されかを示す情報を、赤外線通信により送信し、制御部18はリモコン受信器16で受信した赤外線通信信号からいずれのボタンが押下されたかを示す情報を取得し、押下されたボタンに応じた処理を行なう。
【0036】
また、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器8、マイクロ波受信器4、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ6,スピーカ20等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0037】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0038】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などが挙げられる。
【0039】
待ち受け画面表示機能は、図4(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示する機能である。レーダースコープ表示機能は、図4(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図4(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。図4(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、図4(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替え、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0040】
GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能は、データベース19に記憶された図5に示す設定項目の設定内容に基づいて実行される。図5に示すように、GPS警報機能においては「GPS設定」欄の各項目である測位アナウンス、道路選択、レーダー、レーダー直前速度、レーダー通過、レーダー制限速度、レーダーカメラ位置、制限速度切替りポイント、取締警報レベル、検問警報レベル、高速道 交通警察隊、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、長/連続トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング、駐禁最重点エリア内有料駐車場の各設定項目の設定値を参照して処理を行う。
【0041】
測位アナウンスは、GPS受信器8で現在位置が測位できない状態から測位できる状態になった場合とGPS受信器8で現在位置が測位できる状態から測位できない状態になった場合にその旨を報知するか否かを設定する項目である。設定値が「ON」であれば、報知を行ない、「OFF」であれば報知を行なわない。
【0042】
道路選択は、「一般道」「高速道」「オール」「オート」の設定値を有し、選択された範囲の目標物のみ報知する。すなわち、目標物ごとに、その目標物が一般道上にあるか高速道上にあるかの道路種別情報を持っており、一般道が選択されている場合には、一般道上の目標物に関してのみ報知を行ない、高速道が選択されている場合には、高速道上の目標物に関してのみ報知を行なう。また、オールが選択されている場合には、一般道、高速道の双方の目標物について報知を行ない、オートが選択されている場合には、GPS受信器8で現在の速度を検出し、検出した現在の速度が70km/h以上の場合には高速道、70km/h未満の場合には一般道の目標物について報知を行なう。
【0043】
レーダー、レーダー直前速度、レーダー通過、レーダー制限速度、レーダーカメラ位置、制限速度切替りポイント、高速道 交通警察隊、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、長/連続トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング、駐禁最重点エリア内有料駐車場)は、目標物の種別を示す項目であり、設定値として「ON」と「OFF」を有する。設定値が「ON」の場合には、その目標物に関する報知を行ない、「OFF」の場合には、その目標物に関する報知を行なわない。
【0044】
取締警報レベルは、取締位置ごとに取り締まりの頻度・信頼度が高いものから順にレベル5・レベル4・レベル3・レベル2・レベル1として記憶しており、設定値として「OFF」・「レベル5」・「レベル4以上」・「レベル3以上」・「レベル2以上」・「ALL」を有する。設定値が「OFF」の場合には、現在位置と取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合であっても、取締位置である旨の報知を行なわない。一方、設定が「ALL」の場合には、すべての取締位置において現在位置と取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合に、取締位置である旨の報知を行う。また、例えば、設定が「レベル3以上」の場合には、現在位置とレベル3以上として記憶された取締位置が所定範囲内(例えば500mの範囲内)になった場合にのみ、取締位置である旨の報知を行う。
【0045】
検問警報レベルは、検問位置ごとに検問の頻度・信頼度が高いものから順にレベル5・レベル4・レベル3・レベル2・レベル1として記憶しており、設定として「OFF」・「レベル5」・「レベル4以上」・「レベル3以上」・「レベル2以上」・「ALL」を有する。設定内容及び動作については、取締警報レベルに準じた動作としている。
【0046】
図5に示すように、レーダー波警報機能においては「RD設定」(「RD」は「レーダー」を示す)の各項目である警報音設定、受信感度モード設定、Iキャンセル設定、Iキャンセルサウンドの各設定項目の設定値を参照して処理を行う。
【0047】
警報音設定は、スピーカ20からの報知方法の設定であり、「電子音」、「ボイス」、「メロディ1」、「メロディ2」、「メロディ3」を有する。電子音は「ピピピピ」という報知を行なう設定値であり、ボイスは音声で「レーダーです」と報知する設定値であり、「メロディ1」、「メロディ2」、「メロディ3」はそれぞれ異なる曲で報知する設定値である。
【0048】
受信感度モード設定は、マイクロ波受信機4の受信感度の設定であり、設定値として「HI」「LO」「AUTO」を有する。「HI」は、受信感度を最高(High)に設定するものであり、「LO」は受信感度を最低(Low)に設定するものである。「AUTO」は、GPS受信器8によって検出した現在の自車速度が30km/h以上の場合には受信感度を最高に設定し、自車速度が30km/h未満の場合には受信感度を最低に設定するものである。
【0049】
Iキャンセル設定は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を受信した際に、そのマイクロ波が速度測定装置と同周波数帯を利用する自動ドア等の誤警報源からのマイクロ波か否かを判定し、誤警報源からのマイクロ波と判定した場合に、GPS受信器8で受信した現在位置から所定の範囲(例えば半径100mの範囲)では、以後、マイクロ波受信器4によってマイクロ波が検出されたとしても警報を行わないようにする機能についての設定である。設定値として「ON」「OFF」を有し、「ON」は、Iキャンセルを行う設定であり、「OFF」はIキャンセルを行わない設定である。
Iキャンセルサウンドは、Iキャンセルを行う場合の音の設定であり、その設定値は、前述の警告音設定に準じた設定内容である。
【0050】
図5に示すように、無線警報機能においては、「無線設定」の各項目である無線警報、無線感度、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線の設定項目を有し、設定値としてそれぞれ「ON」「OFF」を有する。設定値「ON」は、当該無線の受信を行う設定であり、「OFF」は当該無線の受信を行わない設定である。
各設定項目は、製品出荷時にデータベース19に図5に示すセットごとの設定値が記憶されている。
【0051】
図5に示すように、「セット」として、「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」、「カスタム」を設けており、それぞれのセットにおける設定項目の設定値を関連付けて記憶している。各セットにおける各設定項目の設定値は、図5に示すとおりの値で記憶している。
【0052】
「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」の各セットの設定値は、ユーザが変更することができない。一方、「カスタム」セットの設定値は、設定項目ごとにユーザが変更することができ、ユーザが設定した値を記憶保持する。なお、図5の「カスタム」セットの設定値は、出荷時の設定値(デフォルト値)を示すものである。
【0053】
ユーザは、「スマート」、「バランス」、「スペシャル」、「オール」、「カスタム」のセットから、所望のセットを選択し、各機能を実現する処理においては、選択されたセットを現在のセットとして、各設定項目の設定値として参照する。すなわち、選択されたセットにおける記憶された設定値を一括で現在の設定値とする。なお、出荷時に選択されているセットは、「バランス」セットとしている。
【0054】
「スマート」セットは、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能において、最低限の報知を行なう設定である。「スマート」セットを選択することにより、他のセットを選択した場合に比べ、警告の頻度を減らすことができる。
「バランス」セットは、推奨の設定で、バランスを重視した設定である。
【0055】
「スペシャル」セットは、図5に示すように、レーダー探知機の本質的機能である取締に関係する設定項目をすべて「ON」とした設定である。一方でレーダー探知機における付随的機能に関する設定は、すべて「OFF」としている。また、報知の取りこぼしを無くすために「Iキャンセル」設定は「OFF」とし、受信感度モード設定及び無線感度は「HI」としている。
「オール」セットは、すべての設定を「ON」としたセットである。
【0056】
「カスタム」セットは、前述のとおり、他のセットとは異なり、設定項目ごとにユーザが変更することができるセットである。
【0057】
これらのセットの選択・設定は、設定処理によって行う。設定処理は、待ち受け画面表示機能実行中またはレーダースコープ表示機能実行中にリモコン17のモードボタン17eの押下が検出された場合に開始する。
【0058】
設定処理では、まず、図6(a)の設定画面を表示部5に表示する。設定画面は、タイトル表示部50、セット項目表示部51、フォーカス枠55を有する。タイトル表示部50は、設定画面のタイトルを表示する領域である。セット項目表示部51は各セットに対応した選択対象を表示する領域であり、画面上から順に「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」「カスタム」の5個分の領域を設けている。セット項目表示部51は、「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」「カスタム」といったセットのタイトルを表示するセット項目タイトル表示部51aと、これらのセットのいずれが選択されているかを示す選択表示部51bを備える。選択されているセットは、選択表示部51bの表示を、選択されていないセットとは異なる表示とする。すなわち、図6(a)に示すように、選択されていないセットは「○」、選択されているセットは「◎」で表示する。
【0059】
この状態で、表示した選択対象のセットの中から、ユーザの操作に基づいて1の選択対象のセットの選択を受け付ける。ユーザが、選択されているセットを変更する場合には、リモコン17の上ボタン17aまたは下ボタン17cを押下し、フォーカス枠55を上下に移動して、選択したいセットへフォーカス枠55を移動させてから、モードボタン17eを押下する。
【0060】
すなわち、フォーカス枠55は、選択対象のセットを示す矩形の枠であり、選択対象のセットのセット項目表示部51内に表示する。フォーカス枠55は、リモコン17の上ボタン17aの押下を検出した場合に1つ上のセットのセット項目表示部51内へ移動させて描画する。また、フォーカス枠55は、リモコン17の下ボタン17cの押下を検出した場合に1つ下のセットのセット項目表示部51内へ移動させて描画する。なお、最上部のセット項目表示部51内にフォーカス枠55を表示した状態で、リモコン17の上ボタン17aの押下を検出した場合には、そのままの表示として、フォーカス枠55は移動しない。同様に最下部のセット項目表示部51内にフォーカス枠55を表示した状態で、リモコン17の下ボタン17cの押下を検出した場合には、そのままの表示として、フォーカス枠55は移動しない。
【0061】
モードボタン17eの押下を検出した場合、フォーカス枠55を現在表示しているセット項目表示部51内の選択表示部51bの表示を「◎」とし、そのセットを選択されているセットとして、図5に示した当該セットの各設定項目の設定値を、各設定項目の現在の設定値とするとともに、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。
なお、設定処理において、5秒間リモコン17からの信号がない場合には、元の機能の処理(図4(a)ないし(b)の画面表示)へ戻る。
【0062】
例えば、図6(a)の画面表示状態(「バランス」セットにフォーカス枠55がある状態)で、リモコン17の下ボタン17cの押下が検出された場合、図6(b)に示すようにフォーカス枠を「スペシャル」セットの位置へ移動させて描画する。図6(b)の画面表示状態で、リモコン17のモードボタン17eの押下が検出された場合には、図6(c)に示すように「バランス」セットの選択表示部51bの表示を「◎」として、図5の「バランス」の各設定項目の設定値を、各設定項目の現在の設定値とし、その他のセットの選択表示部51bの表示を「○」にする。そして、5秒間リモコン17からの信号がない場合には、元の機能の処理(図4(a)ないし(b)の画面表示)へ戻る。
各機能においては、後述するように、各設定項目の現在の設定値現在の設定値を参照して処理を行う。
【0063】
このように、ユーザは、表示された各セットの中から所望のセットを選択するだけで、複数の設定項目の設定値を一括で現在の設定値として設定できる。そのためユーザは各設定項目について1つ1つ設定値を設定する必要はなく、従来よりも機器の設定を容易に行うことができる。例えば、ユーザが「スペシャル」セットを選択すれば、容易に本質的機能のみを機器に実行させることができる。すなわち、1つの1つの設定項目が機器の本質的機能に関する設定項目なのか付随的機能に関する設定項目なのかを意識する必要がない。
【0064】
また、図5に示したように、各セットは、警報を報知する頻度が最も少なくなる設定値のセットである「スマート」と、「スマート」の次に警報を報知する頻度が少なくなる設定値のセットである「バランス」、「バランス」よりも警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットである「スペシャル」、「スペシャル」よりも警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットである「オール」のセットとを有する。そして、図6に示したようにセットを選択可能としたことで、ユーザは、「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」のいずれかから、1の選択対象を選択するだけで、所望の警報頻度で警報を行わせることが可能となる。したがって、警報が頻繁になされて煩わしいと感じる場面と、警報が頻繁になされたほうが良いと感じる場面とで、ユーザは、各設定項目の設定値をそれぞれ変更したりすることなく、単にセットを選ぶだけで、瞬時に警報頻度を変えることできる。
【0065】
また図6に示したように、各セットに付与した選択対象の表示は、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」と表示することにより、頻度の順が分かりやすく、設定が容易にできる。
【0066】
なお、「カスタム」セットについては、図5(a)に示すように「スマート」「バランス」「スペシャル」「オール」の各セットとは、区別した表示態様で表示する。すなわち「カスタム」セットと他のセット(図4(a)の例では「オール」)との間に、区別するための左右方向の線を描画している。なお、本実施形態では、区別した表示態様として、左右方向の線を描画することとしたが、これに限らず例えば「カスタム」の文字を異なる色やフォントで表示するようにしてもよいし、「カスタム」セットのセット項目表示部51の色を他のセットのセット項目表示部51の色とは異なる色とするようにしてもよい。特に、「カスタム」セットに関する色は他のセットに関する色よりも目立たない色(例えば薄い色など)とするとよい。
【0067】
図7(a)に示すように「カスタム」のセットにフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図7(b)に示すように、図5の左側欄にある大分類の項目名「RD設定」「GPS設定」「無線設定」の選択項目を表示する。ユーザは、設定したい大分類の項目名へフォーカス枠55を移動し、リモコン17の右ボタン17bを押下する。例えば図7(b)に示すように、「GPS設定」にフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図8(a)に示すように、図5の「GPS設定」に含まれる各項目名を表示する。すなわち「測位アナウンス」「道路選択」「レーダー」「レーダー通過」「レーダー制限速度」の選択項目を表示する。なお、「レーダーカメラ位置」「制限速度切替りポイント」等、表示しきれていない項目については、フォーカス枠55を最下欄に表示している状態で、リモコン17の下ボタン17cが押下された場合に、スクロール表示するようにする。
【0068】
ユーザはリモコン17のボタン操作により、設定を変更したい項目にフォーカス枠55を、移動させる。例えばレーダーの設定を変更したい場合には、図8(a)に示すようにフォーカス枠55を「レーダー」にあわせ、リモコン17の右ボタン17bを押下する。
【0069】
図8(a)に示すように「レーダー」のセットにフォーカス枠55がある状態で、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合には、図8(b)に示すように、その設定である「ON」「OFF」の選択項目を表示する。「OFF」に設定したい場合は、リモコン17の下ボタン17dを押下してフォーカス枠55を「OFF」の設定へ移動して、モードボタン17eを押下する。このような操作が検出された場合には、図5の「カスタム」セットにおける「レーダー」の設定を「OFF」に変更する。
【0070】
以上のように、セットの選択によって一括して設定された各設定項目の現在の設定値に基づいて、制御部18は、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能の各機能を実現する処理を実行する。
【0071】
GPS警報機能は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能の実行中に、目標物と現在位置の距離が所定の距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す音声を出力する処理である。例えば、図4(b)のレーダースコープ機能の実行中に、図5の設定項目「レーダー」の現在の設定値が「ON」であり、図中上方にある目標物「L」(ループコイル式レーダーを示す)と自車位置との距離が500mになった場合には、図4(c)のように、目標物であるループコイルの模式図または写真を表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20から「500m先、ループコイルです」と音声を出力する接近報知を行なう。一方、現在の設定値が「OFF」の場合には、図4(b)の画面表示を続け、図4(c)に示す表示やスピーカからの報知は行なわない。他の目標物についても、同様に、その目標物の現在の設定が「ON」の場合にのみ、その目標物に関する接近報知を行なう。すなわち、設定項目の設定値が「ON」である目標物に対応する接近報知処理を行う一方、設定項目の設定値が「OFF」である目標物に対応する接近報知処理をスキップする。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、ユーザが必要とする機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。例えば、接近報知の時間を長くしたり、接近報知をより遠くの位置(例えば自車から1kmの範囲)から行ったりすることも容易にできるようになる。
【0072】
特に「スペシャル」セットを選択した場合には、本質的機能に関する設定項目の設定値はオンとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がなされる一方、付随的機能に関する設定項目の設定値はオフとなるので、当該設定項目に対応したイベントの発生時には、当該イベントに対応する処理がスキップされることとなる。したがって、電子機器の処理負荷を軽減することができ、本質的機能の処理により多くのリソースを割り当てることが容易にできる。さらには、付随的機能に関する処理はスキップされることとなるので、本質的機能のイベントに対する応答性能を高めることや、付随的機能の処理のために必要な消費電力を削減することも容易にできる。
【0073】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器8によって速度測定装置(移動式レーダー等)から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図9に示すように、レーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、現在の警告音設定の音をスピーカ20から出力する。
【0074】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。図5の無線設定に示した各設定項目の現在の設定値が「OFF」である場合には、その設定項目に対応する周波数の無線受信をスキップし、現在の設定値が「ON」である設定項目に対応する周波数の無線受信を行う。例えば、「スマート」セットが現在の設定値である場合には、取締無線及びかーロケ無線の周波数のみスキャンし、他の無線の周波数のスキャンを行わないようにする。スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、その周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図2】レーダー探知機の構成例を示すブロック図である。
【図3】リモコンの構成を示す図である。
【図4】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図5】設定項目と各セットの設定内容を示す図である。
【図6】設定処理におけるセットの設定画面の表示例を示す図である。
【図7】設定処理におけるカスタムセットの設定画面の表示例を示す図である。
【図8】設定処理におけるカスタムセットの各設定値の設定画面の表示例を示す図である。
【図9】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目についての設定が可能であり、現在の設定値に基づいて動作を制御する電子機器であって、
前記複数の設定項目を1つのセットとして、複数のセットを設け、各セットにおける前記複数の設定項目の設定値を予め記憶しておき、
前記各セットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1の選択対象の選択を受け付け、
当該選択された選択対象に対応するセットにおける記憶された設定値に基づき前記複数の設定項目の設定値を一括で前記現在の設定値とすること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記複数の設定項目として、当該電子機器の本質的機能に関する設定と、当該電子機器における付随的機能に関する設定とを有し、
前記複数のセットの1つは、前記本質的機能に関する設定項目をすべてオンとし、当該付随的機能に関する設定項目をすべてオフとする設定値を記憶すること
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記設定項目に対応したイベントの発生時に、前記設定項目の設定値がオンである場合には当該イベントに対応する処理を行う一方、前記設定項目の設定値がオフである場合には当該イベントに対応する処理をスキップすること
を特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の設定項目の各々に対応した処理を順次実行する機能を備え、前記設定項目の設定値がオフである場合に当該設定項目に対応する処理をスキップすること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
無線受信の機能を備え、
前記複数の設定項目として、異なる所定の周波数において電波を受信するかどうかを設定する項目を有し、各設定項目の設定値がオフである場合には、当該設定項目に対応する前記所定の周波数の前記無線受信をスキップすること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記設定項目に対応したイベントの発生時に前記設定項目の設定値に基づき警報を報知するか否かを決定する機能を備え、
前記複数のセットは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットと警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットとを有すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
各セットに付与した選択対象の表示は、前記警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて表示すること
を特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数のセットの1つとして、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるカスタム設定を有すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記カスタム設定の前記選択対象は、カスタム設定以外のセットの選択対象とは区別した表示態様で表示すること
を特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記表示を行う3インチ以下の画面を有し、前記ユーザの操作を入力するボタンまたはリモコンの少なくともいずれか一方を有する車載用の電子機器であること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の設定項目についての設定が可能であり、現在の設定値に基づいて動作を制御する電子機器であって、
前記複数の設定項目を1つのセットとして、複数のセットを設け、各セットにおける前記複数の設定項目の設定値を予め記憶しておき、
前記各セットに対応した選択対象を表示して、表示した選択対象の中からユーザの操作に基づき1の選択対象の選択を受け付け、
当該選択された選択対象に対応するセットにおける記憶された設定値に基づき前記複数の設定項目の設定値を一括で前記現在の設定値とすること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記複数の設定項目として、当該電子機器の本質的機能に関する設定と、当該電子機器における付随的機能に関する設定とを有し、
前記複数のセットの1つは、前記本質的機能に関する設定項目をすべてオンとし、当該付随的機能に関する設定項目をすべてオフとする設定値を記憶すること
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記設定項目に対応したイベントの発生時に、前記設定項目の設定値がオンである場合には当該イベントに対応する処理を行う一方、前記設定項目の設定値がオフである場合には当該イベントに対応する処理をスキップすること
を特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の設定項目の各々に対応した処理を順次実行する機能を備え、前記設定項目の設定値がオフである場合に当該設定項目に対応する処理をスキップすること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
無線受信の機能を備え、
前記複数の設定項目として、異なる所定の周波数において電波を受信するかどうかを設定する項目を有し、各設定項目の設定値がオフである場合には、当該設定項目に対応する前記所定の周波数の前記無線受信をスキップすること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記設定項目に対応したイベントの発生時に前記設定項目の設定値に基づき警報を報知するか否かを決定する機能を備え、
前記複数のセットは、警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットと警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットとを有すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
各セットに付与した選択対象の表示は、前記警報を報知する頻度が相対的に少なくなる設定値のセットのものから順に警報を報知する頻度が相対的に多くなる設定値のセットのものを並べて表示すること
を特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数のセットの1つとして、前記設定項目の設定値を表示してユーザの操作に基づいて当該設定値の変更を受け付けるカスタム設定を有すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記カスタム設定の前記選択対象は、カスタム設定以外のセットの選択対象とは区別した表示態様で表示すること
を特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記表示を行う3インチ以下の画面を有し、前記ユーザの操作を入力するボタンまたはリモコンの少なくともいずれか一方を有する車載用の電子機器であること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−149742(P2010−149742A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331026(P2008−331026)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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