説明

電子機器

【課題】揮発性メモリのデータ破壊による誤動作を簡単な構成で確実に防止することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 本発明の電子機器は、揮発性メモリ1を備える電子機器であって、内部に保持した時計情報を自動的に更新する時計回路3と、少なくとも前記揮発性メモリ1と前記時計回路3の電源バックアップを行うバックアップ電源2と、前記揮発性メモリ1の動作を制御する制御部5と、を備え、前記時計回路3が、前記揮発性メモリ1が、データ破壊検出用の複数のフラグ領域Bを有し、正常動作可能電圧が当該時計回路に供給されているか否かを表す電圧降下フラグCを有し、前記制御部5が、前記フラグ領域Bに記憶されたデータと前記電圧降下フラグCとに基づき、前記揮発性メモリ1の有効性を判断するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性メモリを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末等の各種電子機器では、処理に必要なデータを記憶するメモリとしてSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリを利用する場合、二次電池等のバックアップ電源が設けられることが多い。バックアップ電源を設けることにより、メイン電源が遮断しても揮発性メモリに記憶したデータが保持され、メイン電源の復旧後継続した動作が可能となる。
【0003】
バックアップ電源を設ける場合、バックアップ電源自体の遮断や電圧低下により揮発性メモリのデータが破壊されたかどうかを検出する必要がある。そのため、揮発性メモリの固定領域にデータ破壊検出用の既知データを記憶しておき、メイン電源の復旧後その固定領域(フラグ領域)のデータが予め記憶した既知データと一致するかどうかを検出している(例えば、特許文献1従来例参照)。しかし、フラグ領域は、揮発性メモリの一部の領域であるため、フラグ領域の既知データが正常である場合でも、その揮発性メモリのすべてのデータが正常であるとは限らない。したがって、この状態で電子機器を起動させた場合、誤動作をおこすおそれがある。
【0004】
特許文献1には、メイン電源が遮断している期間を取得し、前もって測定して決定したバックアップ電源のバックアップ可能日数との比較結果により、揮発性メモリの初期化の要否を判断する技術が記載されている。しかし、メイン電源の遮断期間を取得するためには、定期的に不揮発性メモリに日付スタンプを書き込む必要があり、また、バックアップ電源のバックアップ可能日数を求めるためには、バックアップ電源の電圧値を書き込む必要があり、メモリ管理のための処理負担が大きい。
【0005】
更に、バックアップ電源に用いる二次電池は、温度特性により常温でのバックアップ可能日数と低温でのバックアップ可能日数には大きな差が発生したり、二次電池の経時劣化により初期のバックアップ可能日数より少ない日数しかバックアップできない場合が発生する。その為、これらを考慮してバックアップ可能日数を決定すると、大きなマージンを持たせることになり、可能日数を減少させる事になる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−5045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、揮発性メモリのデータ破壊による誤動作を簡単な構成で確実に防止することができる電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、揮発性メモリを備える電子機器であって、内部に保持した時計情報を自動的に更新する時計回路と、少なくとも前記揮発性メモリと前記時計回路の電源バックアップを行うバックアップ電源と、前記揮発性メモリの動作を制御するメモリ制御部と、を備え、前記揮発性メモリが、データ破壊検出用の複数のフラグ領域を有し、前記時計回路が、正常動作可能電圧が当該時計回路に供給されているか否かを表す電圧降下フラグを有し、前記メモリ制御部が、前記フラグ領域に記憶されたデータと前記電圧降下フラグとに基づき、前記揮発性メモリの有効性を判断するものである。本発明によれば、揮発性メモリのデータ破壊による電子機器の誤動作を簡単な構成で確実に防止することができる。
【0009】
本発明の電子機器は、前記時計回路の正常動作可能電圧が、前記揮発性メモリの記憶データ保持可能電圧より高く設定され、前記メモリ制御部が、前記電圧降下フラグに基づいて正常動作可能電圧が前記時計回路に供給されていないと判断した場合、前記フラグ領域に記憶されたデータにかかわらず、前記揮発性メモリの記憶データが無効であると判断するものを含む。本発明によれば、揮発性メモリのデータ破壊の可能性を確実に認識し、電子機器の誤動作を防止することができる。
【0010】
本発明の電子機器は、前記メモリ制御部が、前記電圧降下フラグに基づいて正常動作可能電圧が前記時計回路に供給されていないと判断した場合、前記フラグ領域に記憶されたデータに関わらず、前記フラグ領域のデータの初期化を行うものを含む。
【0011】
本発明の電子機器は、さらに、不揮発性メモリを備え、前記メモリ制御部が、前記揮発性メモリの記憶データを定期的にバックアップデータとして前記不揮発性メモリに記憶し、前記揮発性メモリのデータが無効であると判断したときは、前記不揮発性メモリに記憶された前記バックアップデータを利用して前記揮発性メモリの復旧処理を行うものを含む。本発明によれば、揮発性メモリのデータ破壊にかかわらず、電子機器の継続的な動作が可能となる。
【0012】
本発明の電子機器は、前記メモリ制御部が、前記時計回路が内部に保持した時計情報に基づいて時刻設定がなされている場合、前記揮発性メモリの有効性を判断するものを含む。本発明によれば、時計設定がなされていない場合、エンドユーザが使用していない(販売店等での在庫状態)と判断して、不要な処理を低減する事ができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、揮発性メモリのデータ破壊による誤動作を簡単な構成で確実に防止することができる電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、電子機器の一例として携帯端末装置を例に、図面を用いて説明する。
【0015】
図1に、本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置の要部概略構成を示す。図1の携帯端末装置は、例えば携帯電話機であり、揮発性メモリ1、バックアップ電源2、時計回路3、メイン電源4、制御部5、不揮発性メモリ6、電源切換部7を含んで構成される。なお、携帯端末装置が携帯電話機である場合、通信部、操作部、表示部、音声入力部、音声出力部等の要素を有するが、本発明とは直接関係しないので、記載を省略する。
【0016】
揮発性メモリ1は、例えばSRAMであり、時計時刻の設定領域、着信音の設定領域、動作に関わるワークエリアとして使用される。この揮発性メモリ1は、図示のようにデータ領域Aとフラグ領域Bとを有する。フラグ領域Bは、揮発性メモリ1に記憶されたデータの破壊を検出するためのフラグデータを記憶する領域であり、揮発性メモリ1内に複数箇所(例えば、全8箇所)設けられる。フラグデータは、既知のデータであり、フラグ領域Bから読み出されたフラグデータと予め保持した(例えば不揮発性メモリ6に保持しておく。)既知データとの比較結果により、データの破壊の有無を判断することができる。各フラグ領域Bのサイズは、同一でもよいし、領域によって異なっていてもよい。複数サイズのフラグ領域を設けることにより、フラグ領域全体のサイズを大きくすることなく、データ破壊の検出精度を向上させることができる。
【0017】
揮発性メモリ1は、メイン電源4又はバックアップ電源2から電源切換部7を介して電源供給を受けるので、メイン電源4が遮断しても、バックアップ電源2の供給電圧が揮発性メモリ1の記憶データ保持可能電圧より低くならない限り、記憶データは正常に保持される。
【0018】
バックアップ電源2は、例えば充電可能な二次電池であり、メイン電源4が遮断したとき又はその出力電圧が低下したとき、揮発性メモリ1及び時計回路3のバックアップ電源として動作する。バックアップ電源2として利用される電池は二次電池に限らず一次電池であってもよい。二次電池の場合、図示しない充電回路を介してメイン電源4によって充電される。
【0019】
時計回路3は、メイン電源4又はバックアップ電源2から電源切換部7を介して電源供給を受ける時計IC(RTC(リアルタイムクロック)回路)であり、リアルタイムクロック信号(日時データ)を発生するものである。日時データの設定は、利用者の操作に基づき制御部5によって設定される。また、時計回路3は、一般的に、電圧が降下して時刻のカウントが停止した場合のために、所定電圧以下になると時計情報が正しくない事を示す電圧降下フラグCを記憶する記憶領域を持つ。
【0020】
メイン電源4は、例えば大容量の二次電池であり、携帯端末装置に着脱可能に装着されて、携帯端末装置全体に電源を供給する。メイン電源4から揮発性メモリ1及び時計回路3への電源供給は、電源切換部7を介して行われる。電源切換部7は、メイン電源4が遮断したとき又はその出力電圧が低下したとき、バックアップ電源2からの電源を揮発性メモリ1及び時計回路3に供給するものである。
【0021】
この例では、図2に示すように、携帯端末装置の動作電圧が3V、時計回路3の正常動作可能電圧が2V、揮発性メモリ1の記憶データ保持可能電圧(スペック値)が1V、揮発メモリ1の全ての記憶データが保持できなくなる電圧が0.5Vである。したがって、時計回路3は、供給電源電圧が2Vより低下した場合、リアルタイムクロック信号を出力することができず、所定の信号(例えばオール0信号)を出力する。(または、電圧降下フラグCを1する)また、揮発性メモリ1は、供給電源電圧が1Vより低下した場合、記憶データがランダムに破壊される。そして、0.5V以下になるとすべてのデータが破壊される。その為、供給電圧が1Vから0.5Vの間では、揮発メモリ1のフラグ領域Bが正しくても、データ領域Aが破壊される場合が発生する。
【0022】
制御部5は、揮発性メモリ1の初期化等のメモリ制御、時計回路3の設定及びモニタを含む携帯端末装置全体の制御を行うものであり、所定のプログラムを実行するプロセッサを主体に構成される。制御部5が行うメモリ制御には、揮発性メモリ1のフラグ領域Bに記憶されたデータと時計回路3のリアルタイムクロック信号(時計情報)または電圧降下フラグCとに基づき、揮発性メモリ1の有効性を判断する処理、揮発性メモリ1の記憶データが無効であると判断した場合の初期化処理が含まれる。メモリ制御の詳細については後述する。
【0023】
不揮発性メモリ6は、携帯端末装置が利用する各種データ、例えば電話帳、アプリケーションデータ、ダウンロードしたデータ等のユーザデータを記憶するもので、揮発性メモリ1のデータ領域Aに蓄積されたデータのバックアップメモリとしても利用される。揮発性メモリ1の記憶データは、制御部5によって読み出され、復旧用データとして不揮発性メモリ6の所定領域に記憶される。復旧用データが記憶された場合は、そのことを示すバックアップフラグが不揮発性メモリ6に記憶される。なお、制御部5が揮発性メモリ1に記憶された記憶データを読み出して不揮発性メモリ6に記憶するタイミングは、制御部5が時計回路3から入力される時計情報を参照して計測した、所定時間毎(例えば数時間毎)であったり、揮発性メモリ1にデータが記憶された後、所定の時間が経過したときであったり、あるいは、制御部5がバックアップを行うバックアップ指示をを受け付けたとき、などが挙げられる。
【0024】
次に、図1の携帯端末装置のメモリ制御操作について説明する。メイン電源4からの電源が安定供給されている場合、携帯端末装置は、正常に動作する。この場合、揮発性メモリ1の記憶データが、定期的に不揮発性メモリ6にバックアップ記憶される。このバックアップ記憶は、メイン電源4の瞬断時にも行うようにしてもよい。時計回路3は、出荷時等に初期設定されており、初期設定されたことを示すフラグ(図示せず)がセットされている。また、揮発性メモリ1のフラグ領域Bには、フラグデータが記憶され、記憶されたフラグデータと同一のデータが不揮発性メモリ6の所定箇所に出荷時等に予め記憶されている。
【0025】
この状態で、メイン電源4の電圧が低下したり、メイン電源4を構成する電池が取り外されたりして、メイン電源4の供給電圧が3Vより下になると、制御部5を含む携帯端末装置は動作を停止し、揮発性メモリ1及び時計回路3には、バックアップ電源2からの電源が供給される。したがって、バックアップ電源2の電圧が充分である限り、揮発性メモリ1の記憶データは破壊されず、また、時計回路3も、正常に時計情報を自動更新する。
【0026】
しかし、バックアップ電源2の消費が進み、2Vより下になると時計回路3が動作を停止し、さらに1ボルトより下になると、揮発性メモリ1内のデータ領域Aおよびフラグ領域Bのデータの破壊が始まる。
【0027】
携帯端末装置が動作を停止した後、メイン電源4を構成する電池の充電や新規電池の取り付け等により、メイン電源4が回復すると、制御部5は、揮発性メモリ1の有効性判断を含むメモリ制御処理を行う。
【0028】
図3に、制御部5が行うメモリ制御処理の一例の概略フローを示す。
【0029】
メイン電源4が回復して制御部5が動作を開始すると、まず、揮発性メモリ1のすべてのフラグ領域のフラグデータを読み出し、不揮発性メモリ6に予め記憶したフラグデータと比較して、フラグデータの異常を判定する(ステップS11)。そして、一致しないものが1つでもあった場合、フラグデータ異常と判定する。
【0030】
フラグデータ異常と判定されない場合、ステップS12で、電圧降下フラグCに基づいて、時計回路3が正常であるかどうかを判定する。時計回路3が正常である場合(電圧降下フラグCが正常の場合)は、揮発性メモリ1のデータ破壊がないものとして、携帯端末装置の起動を開始する。
【0031】
ステップS11でフラグデータ異常と判定された場合、及びステップS12で時計回路3が異常である(電圧降下フラグCが異常)と判定された場合には、不揮発性メモリ6に記憶されたバックアップフラグがオンかどうかを判定する(ステップS13)。バックアップフラグがオンの場合は、揮発性メモリ1の復旧用データが不揮発性メモリ6に記憶されているので、不揮発性メモリ6から読み出した復旧用データを利用して揮発性メモリ1のデータ復旧(不揮発性メモリ6に復旧用データが記憶されていない箇所に該当する揮発性メモリ1領域は、初期化)を行い(ステップS14)、バックアップフラグがオフの場合は、揮発性メモリ1の復旧用データがバックアップされていないので、揮発性メモリ1全領域の初期化を行う(ステップS15)。ステップS14またはS15の処理の後、フラグデータ異常と判定された、揮発メモリ1内のフラグ領域Bの初期化を行い(ステップS17)、携帯端末装置の起動を開始する。
【0032】
以上のように、図3のメモリ制御処理では、フラグデータ異常の場合だけでなく、時計回路異常(電圧降下フラグCの異常)と判定された場合にも、揮発性メモリ1の復旧処理又は初期化処理を行うので、揮発性メモリ1の記憶データが破壊されている可能性を残したまま、携帯端末装置が起動されることがなくなり、携帯端末装置の誤動作を確実に防止することができる。
【0033】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を、電子機器の一例として携帯端末装置を例に、図面を用いて説明する。
【0034】
本発明の第2実施形態の携帯端末装置の構成は、第1実施形態の携帯端末装置の構成と同一であるため、説明を省略する。第1実施形態の携帯端末装置と異なる点は、メイン電源4回復後の、携帯端末装置の制御部5のメモリ制御処理であるため、以下、制御部5のメモリ制御処理について詳細に説明する。図4に、本発明の第2の実施の形態の携帯端末装置の制御部5が行うメモリ制御処理の概略フローを示す。
【0035】
メイン電源4が回復して制御部5が動作を開始すると、まず、時計回路3が初期設定されたことを示すフラグを参照して、時計回路3が設定状態であるかどうかを判定する(ステップS21)。時計回路3が設定状態である場合(すなわちエンドユーザが使用している状態と判断した場合)は、揮発性メモリ1のすべてのフラグ領域のフラグデータを読み出し、不揮発性メモリ6に予め記憶したフラグデータと比較して、フラグデータの異常を判定する(ステップS22)。そして、一致しないものが1つでもあった場合、フラグデータ異常と判定する。
【0036】
フラグデータ異常と判定されない場合、ステップS23で、電圧降下フラグCに基づいて、時計回路3が正常であるかどうかを判定する。時計回路3が正常である場合(電圧降下フラグCが正常の場合)は、揮発性メモリ1のデータ破壊がないものとして、携帯端末装置の起動を開始する。
【0037】
ステップS22でフラグデータ異常と判定された場合、及びステップS23で時計回路3が異常である(電圧降下フラグCが異常)と判定された場合には、不揮発性メモリ6に記憶されたバックアップフラグがオンかどうかを判定する(ステップS24)。バックアップフラグがオンの場合は、揮発性メモリ1の復旧用データが不揮発性メモリ6に記憶されているので、不揮発性メモリ6から読み出した復旧用データを利用して揮発性メモリ1のデータ復旧(不揮発性メモリ6に復旧用データが記憶されていない箇所に該当する揮発性メモリ1領域は、初期化)を行い(ステップS25)、バックアップフラグがオフの場合は、揮発性メモリ1の復旧用データがバックアップされていないので、揮発性メモリ1全域の初期化を行う(ステップS26)。ステップS25またはS26の処理の後、フラグデータ異常と判定された、揮発メモリ1内のフラグ領域Bの初期化を行い(ステップS27)、携帯端末装置の起動を開始する。
【0038】
ステップS21で時計回路3が設定状態でないと判定された場合(すなわち、販売店、工場等での在庫状態と判断した場合)、携帯端末装置の起動を開始する。
【0039】
在庫状態にある携帯端末装置の場合、揮発性メモリのデータ領域Aの内容を用いて起動することはなく、また、販売店からエンドユーザに販売される際に、揮発性メモリ1及び不揮発性メモリ6の初期化がなされた後で販売される為、携帯端末装置が在庫状態のときに揮発性メモリにデータ化けが発生していても、問題無い。このため、在庫状態であるか否か(時計設定の有無)で、電源投入時の処理を変えることにより、携帯端末装置を販売する際の不要な初期化の処理を省くことができ、電源投入から起動までの時間を短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、揮発性メモリのデータ破壊による誤動作を簡単な構成で確実に防止することができる電子機器等として有用である。また、本発明は、在庫状態にある電子機器の揮発性メモリに記憶されたデータが破壊された場合でも、販売時における電源投入から起動までの時間を短縮することができる電子機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置の要部概略構成を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置の各要素の動作電圧を説明する図
【図3】本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置のメモリ制御処理の一例の概略フローを示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態の携帯端末装置のメモリ制御処理の他の例の概略フローを示す図
【符号の説明】
【0042】
1 揮発性メモリ
2 バックアップ電源
3 時計回路
4 メイン電源
5 制御部
6 不揮発性メモリ
7 電源切換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性メモリを備える電子機器であって、
内部に保持した時計情報を自動的に更新する時計回路と、
少なくとも前記揮発性メモリと前記時計回路の電源バックアップを行うバックアップ電源と、
前記揮発性メモリの動作を制御するメモリ制御部と、を備え、
前記揮発性メモリは、データ破壊検出用の複数のフラグ領域を有し、
前記時計回路は、正常動作可能電圧が当該時計回路に供給されているか否かを表す電圧降下フラグを有し、
前記メモリ制御部は、前記フラグ領域に記憶されたデータと前記電圧降下フラグとに基づき、前記揮発性メモリの有効性を判断する電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器であって、
前記時計回路の正常動作可能電圧は、前記揮発性メモリの記憶データ保持可能電圧より高く設定され、
前記メモリ制御部は、前記電圧降下フラグに基づいて正常動作可能電圧が前記時計回路に供給されていないと判断した場合、前記フラグ領域に記憶されたデータにかかわらず、前記揮発性メモリの記憶データが無効であると判断する電子機器。
【請求項3】
請求項2記載の電子機器であって、
前記メモリ制御部は、前記電圧降下フラグに基づいて正常動作可能電圧が前記時計回路に供給されていないと判断した場合、前記フラグ領域に記憶されたデータにかかわらず、前記フラグ領域のデータの初期化を行う電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載の電子機器であって、
さらに、不揮発性メモリを備え、
前記メモリ制御部は、前記揮発性メモリの記憶データを定期的にバックアップデータとして前記不揮発性メモリに記憶し、前記揮発性メモリのデータが無効であると判断したときは、前記不揮発性メモリに記憶された前記バックアップデータを利用して前記揮発性メモリの復旧処理を行う電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の電子機器であって、
前記メモリ制御部は、前記時計回路が前記時計情報に基づいて時刻設定がなされている場合、前記揮発性メモリの有効性を判断する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−195560(P2006−195560A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4186(P2005−4186)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】