説明

電子機器

【課題】太陽電池による充電機能における無駄な電力消費を抑えつつ、コストアップ及び大型化を抑えることのできる電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】照度センサー104が検知した照度が所定値以上である場合には、CPU105の制御により、ソーラー充電回路102のLDO111は駆動し、スイッチ回路108はLDO111と電池パック103とを接続して、太陽電池101を用いた充電が行われる。また、照度センサー104が検知した照度が所定値以上でない場合には、CPU105の制御により、LDO111は停止し、スイッチ回路108はLDO111と電池パック103とを非接続として、太陽電池101を用いた充電が抑止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池(ソーラーパネル)による充電機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、太陽電池を用いて二次電池に対して充電を行う充電装置(携帯電話機)が開示されている。
特許文献1では、充電装置が太陽電池にて光を受光すると充電が行えるよう、ソーラー充電回路を常に起動している。この場合、太陽電池が光を受光していないときでもソーラー充電回路において電力が消費されており、この電力は無駄な消費といえる。
【0003】
そこで、無駄な電力消費を抑えることも考えられている。
例えば、図10にて示すように、ソーラー充電回路302の電圧ディテクタ313が抵抗314と定電圧ダイオード315との間に流れる電流の電圧を監視することで、太陽電池301から電圧が発生したことを検知する携帯情報端末30が考案されている。この携帯情報端末30では、電圧ディテクタ313が太陽電池301からの電圧を検知した場合には、CPU305がLDO(Low Drop Out)311を駆動させ、電池パック(二次電池)303への充電を行うように制御している。また、電圧ディテクタ313が電圧を検知しない場合には、CPU305はLDO311の動作を停止させ、電池パック303への充電を抑止するように制御している。ここで、LDO311とは、太陽電池301からの出力電圧を定電圧化させ、定電圧化された電圧にて電流を電池パック303へ出力するレギュレータ(電源回路)のことである。これにより、太陽電池による充電動作の開始及び停止を制御するので、ソーラー充電回路302における無駄な電力消費を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−97330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図10にて示す携帯情報端末30のソーラー充電回路は特許文献1のソーラー充電回路に比べ部品が多い。そのため、携帯情報端末30は、特許文献1のソーラー充電回路を備えた携帯情報端末と比較して、ソーラー充電回路302における無駄な電力消費を抑えることができるという利点はあるが、その一方で、当該端末のコストアップ及び大型化に繋がるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、太陽電池による充電機能における無駄な電力消費を抑えつつ、コストアップ及び大型化を抑えることのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、電子機器であって、センサーと、前記センサーの検知結果に応じて発光が制御されるディスプレイと、太陽電池と、二次電池と、前記二次電池に対して前記太陽電池による充電を行う充電回路と、前記センサーによる検知結果に応じて、前記充電回路を用いた充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この構成によると、電子機器は、当該機器に太陽電池による充電機能を追加した場合においても、無駄な電力消費を抑えつつ、当該機器のコストアップ及び大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】携帯情報端末10の外観を示す図である。
【図2】携帯情報端末10における充電機能についての構成を示す図である。
【図3】LDO111の構成を示す図である。
【図4】携帯情報端末10におけるソーラー充電の動作を示す流れ図である。
【図5】携帯情報端末10aにおける充電機能についての構成を示す図である。
【図6】携帯情報端末10aにおけるソーラー充電の動作を示す流れ図である。
【図7】照度センサー104をヒンジ部4に第1の実施の形態とは異なる位置に配置する場合における携帯情報端末10の外観図である。
【図8】照度センサー104を表示部5に配置する場合における携帯情報端末10の外観図である。
【図9】太陽電池101の配置位置を、筺体3の対向面3aに配置した場合における携帯情報端末10の外観図である。
【図10】従来の携帯情報端末30における充電機能についての構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施の形態
本発明に係る第1の実施の形態としての携帯情報端末10について説明する。
1.1 概要
携帯情報端末10は、例えば、携帯電話機であり、その外観について図1を参照しつつ説明する。図1(a)は、本実施の形態における携帯情報端末10の開状態の正面図であり、(b)はその背面図である。また、図1(c)は、携帯情報端末10の閉状態の正面図である。
【0011】
携帯情報端末10は筺体2、3を備えており、これらはヒンジ部4を介して折り畳み自在に連結されることにより相互に開閉できるように構成されている。また、折り畳まれた際に筺体3と対向する筺体2の対向面2aには、液晶ディスプレイ(以下、LCD(Liquid Crystal Monitor))107などで構成された表示部5とスピーカ部6とが配置されている。折り畳まれた際に筺体2と対向する筺体3の対向面3aには、キー操作部7とマイクロフォン8とが配置されている。更に、筺体3のヒンジ部4に光量を検出する照度センサー104が配置されている。更に、図1(b)に示すように、筺体2の対向面2aと反対の面には光発電を行うための太陽電池(ソーラパネル)101が配置されている。また、図1(c)に示すように、携帯情報端末10の閉状態時には、照度センサー104の受光面と、太陽電池101の受光面とは、同一の向きになっている。
【0012】
携帯情報端末10は、照度センサー104による照度(光量)の検出結果を基に、太陽電池101による充電の制御を行う。
1.2 構成
ここでは、携帯情報端末10における充電機能についての構成について説明する。
携帯情報端末10の充電機能は、図2にて示すように、太陽電池101、ソーラー充電回路102、電池パック103、照度センサー104、CPU105、急速充電回路106、LCD107及びスイッチ回路108から構成されている。
【0013】
なお、携帯情報端末10は、図2においては充電機能に係る構成要素だけを示しているが、その他キー操作部7、及び通信機能に係る構成要素など、携帯電話機としての機能を備えている。また、回路ブロック130は、携帯情報端末10が動作するための種々の回路から構成されている。
(1)太陽電池101
太陽電池101は、太陽光を電力に変換してソーラー充電回路102へ出力する。このときの出力電圧は、6.0〜6.2Vであるものとする。なお、太陽電池101の出力電圧は6.0〜6.2V以外の他の値の範囲(例えば、6.3〜6.5V)であってもよい。
【0014】
(2)ソーラー充電回路102
ソーラー充電回路102は、図2にて示すように、ダイオード110及びLDO111を有している。
ダイオード110は、電池パック103側から太陽電池101側への電流の流れを防ぐものである。
【0015】
LDO111は、太陽電池101から出力電圧を定電圧化して、電池パック103へ電流を供給するレギュレータである。LDO111は、CPU105により動作の駆動と停止との切替制御が行われ、駆動時には、太陽電池101から出力電圧を定電圧化(ここでは、4.0V)し、定電流出力を行う。なお、LDO111は、4.0V以外の電圧に定電圧化するものであってもよい。
【0016】
ここで、LDO111の一構成例について図3を用いて説明する。LDO111は、図3にて示すように、制御用トランジスタ131、基準電圧回路132、過電流保護回路133、抵抗134、135、及びオペアンプ136を備えている。オペアンプ136は、制御用トランジスタ131のドレイン出力電圧を2つの抵抗134、135で抵抗分圧した電圧Vaと基準電圧回路132にて定められる基準電圧Vr(ここでは、4.0V)とを比較して制御用トランジスタ131のゲート電圧Vcを定める。これにより、制御用トランジスタ131のドレインの出力電圧Vdと基準電圧Vrとが同じになる。また、LDO111に過電流が印加された場合には、過電流保護回路133により、過電流が電池パック103に供給されることを防止する。
【0017】
(3)スイッチ回路108
スイッチ回路108は、例えばトランジスタであり、LDO111と電池パック103との間を接続したり、非接続にしたりする。スイッチ回路108は、具体的には、CPU105の制御によりオン・オフの状態が切り替わる。オンの状態では、スイッチ回路108は、LDO111と電池パック103との間を接続する。オフの状態では、スイッチ回路108は、LDO111と電池パック103との間を非接続にする。
【0018】
また、携帯情報端末10の電源投入時におけるLDO111の初期状態は停止状態であり、スイッチ回路108の初期状態は、オフの状態である。
(4)電池パック103
電池パック103は、例えばリチウムイオン電池などの二次電池である。
電池パック103は、ソーラー充電回路102及び急速充電回路106により供給される電力を蓄え、当該携帯情報端末10を駆動するための電力を回路ブロック130へ出力する。
【0019】
(5)照度センサー104
照度センサー104は、周囲の明るさ(照度(lx))を測定(検知)し、測定(検知)した照度をCPU105へ通知する。具体的には、照度センサー104は、当該照度センサー104の表面に入射する単位面積当たりの光束の量を測定する。
(6)CPU105
CPU105は、携帯情報端末10の全体の動作を制御する。
【0020】
CPU105は、携帯情報端末10が開状態である場合には、照度センサー104から通知された照度に基づいて、従来と同様にLCD107の明るさを制御する。
また、CPU105は、携帯情報端末10が開状態である場合には、通知された照度が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であると判断する場合には、LDO111を駆動させ、且つスイッチ回路108をオンの状態にする。その後、CPU105は、通知された照度が所定値以下である場合には、LDO111を停止させ、且つスイッチ回路108をオフの状態にする。
【0021】
ここで、所定値とは、太陽電池101からの出力電圧が6.0から6.2Vの間となるのに十分な照度を示す値であり、例えば、1000ルクス(lx)である。
また、CPU105は、急速充電回路106における充電動作の制御をも行う。
(7)急速充電回路106
急速充電回路106は、図2に示すように、充電制御部120、抵抗121、充電トランジスタ122、及びACアダプタ124と接続する端子である入力部123を有している。急速充電回路106は、入力部123に接続されたACアダプタ124から供給される電流を、抵抗121及び充電トランジスタ122を介して電池パック103へ充電する制御を行う。なお、ここでは、急速充電回路106からの出力電圧は、4.0〜4.2Vであるとする。
【0022】
充電制御部120は、電池パック103の温度、及び出力電圧を監視しており、電池パック103の温度が予め定められた温度以上となった場合、充電を抑止する。また、出力電圧の値が4.2Vより大きな値となった場合も同様に充電を抑止する。
1.3 動作
ここでは、携帯情報端末10における太陽電池101を用いた充電の動作について、図4にて示す流れ図を用いて説明する。
【0023】
照度センサー104は、周囲の明るさ(光)の照度を測定する(ステップS5)。
CPU105は、照度センサー104による測定結果が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS10)。
所定値以上でないと判断する場合には(ステップS10における「NO」)、処理はステップS5へ戻る。
【0024】
所定値以上であると判断する場合には(ステップS10における「YES」)、CPU105は、LDO111を駆動させ、且つスイッチ回路108をオンの状態にして、太陽電池101を用いた充電を行う(ステップS15)。
その後、照度センサー104は照度測定を行い(ステップS20)、CPU105は測定結果が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS25)。所定値以上であると判断する場合には(ステップS25における「YES」)、処理はステップS15へ戻り、充電を継続する。所定値以上でないと判断する場合には(ステップS25における「NO」)、CPU105は、LDO111を停止させ、且つスイッチ回路108をオフの状態にして、太陽電池101を用いた充電を抑止する(ステップS30)。
【0025】
1.4 第1の実施の形態による効果
携帯情報端末10は、ソーラー充電の制御を照度センサー104にて検知した照度に基づいて行っており、従来のように、ソーラー充電回路に電圧ディテクタ、抵抗及びダイオードを備える必要がない。つまり、照度センサー104をディスプレイの明るさの制御とソーラー充電の制御との双方に利用することで、無駄な電力消費を抑え、ソーラー充電回路の部品の数を削減することができる。従来、ソーラー充電回路に電圧ディテクタ、抵抗及びダイオードを備える回路において、これら部品(電圧ディテクタ、抵抗及びダイオード)が占める面積はおよそ50平方mmである。本実施の形態における携帯情報端末10において、照度センサー104をディスプレイの明るさの制御とソーラー充電の制御との双方に利用することで、ソーラー充電回路102をこの面積分小さくすることができる。したがって、携帯情報端末10のコストアップ及び大型化を抑えることができる。
【0026】
また、携帯情報端末10は、ソーラー充電を行わない場合、スイッチ回路108をオフの状態、つまりLDO111と電池パック103とを非接続の状態にするので、電池パック103から出力される電流がLDO111へ流れることはない。したがって、ソーラー充電が抑止されている間は、二次電池103からLDO111に、つまりソーラー充電回路102に無駄な電流が流れないので、無駄な電力の消費をさらに抑えることができるとともに、ソーラー充電回路の誤動作を防ぐこともできる。
【0027】
2.第2の実施の形態
本発明に係る第2の実施の形態としての携帯情報端末10aについて説明する。
2.1 概要
第1の実施の形態と異なる点は、ソーラー充電の開始のトリガーとして、照度センサー104の代わりに、携帯情報端末10の開閉を検知する開閉センサー204を用いる点である。開閉センサー204は、従来、LCD107の電源のオン・オフ制御や、キー操作部7の操作キー用のキーLED(Light Emitting Diode)の電源のオン・オフ制御等に用いられている。
【0028】
2.2 構成
ここでは、携帯情報端末10aにおける充電機能についての構成について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素については、同一の符号を用いる。
携帯情報端末10aは、図5にて示すように、太陽電池101、ソーラー充電回路102、電池パック103、開閉センサー204、CPU205、急速充電回路106、LCD107及びスイッチ回路108とを備える。
【0029】
以下、第1の実施の形態とは異なる開閉センサー204及びCPU205について説明する。
(1)開閉センサー204
開閉センサー204は、携帯情報端末10aの開か閉かの開閉状態を検知し、検知結果をCPU205へ通知する。
【0030】
(2)CPU205
CPU205は、携帯情報端末10aの全体の動作を制御する。
CPU205は、開閉センサー204から通知された検知結果に基づいて、LCD107の電源のオン・オフを制御する。さらに、CPU105は、通知された検知結果が開状態であるか、閉状態であるかを判断し、開状態であると判断する場合には、LDO111を駆動させ、且つスイッチ回路108をオンの状態にする。CPU205は、通知された検知結果が閉状態であると判断する場合には、LDO111の動作を停止させ、且つスイッチ回路108をオフの状態にする。
【0031】
また、CPU205は、第1の実施の形態と同様に、急速充電回路106における充電動作の制御をも行う。
2.3 動作
ここでは、携帯情報端末10aにおける太陽電池101を用いた充電の動作について、図6にて示す流れ図を用いて説明する。
【0032】
開閉センサー204は、開か閉かの開閉状態を検知する(ステップS100)。
CPU205は、開閉センサー204による検知結果が開状態であるか否かを判断する(ステップS105)。
開状態でないと判断する場合には(ステップS105における「NO」)、処理はステップS100へ戻る。
【0033】
開状態であると判断する場合には(ステップS105における「YES」)、CPU205は、LDO111を駆動させ、且つスイッチ回路108をオンの状態にして、太陽電池101を用いた充電を行う(ステップS110)。
その後、開閉センサー204は開閉状態の検知を行い(ステップS115)、CPU205は検知結果が開状態であるか否かを判断する(ステップS120)。開状態であると判断する場合には(ステップS120における「YES」)、処理はステップS110へ戻り、充電を継続する。開状態でないと判断する場合には(ステップS120における「NO」)、CPU205は、LDO111を停止させ、且つスイッチ回路108をオフの状態にして、太陽電池101を用いた充電を抑止する(ステップS125)。
【0034】
2.4 第2の実施の形態における効果
携帯情報端末10aは、ソーラー充電の制御を開閉センサー204にて検知した当該端末の開閉状態に基づいて行っており、従来のように、ソーラー充電回路に電圧ディテクタ、抵抗及びダイオードを備える必要がない。また、開閉センサー204の検知結果に応じて、従来と同様に、LCD107やキーLRDの電源のオン・オフ制御等をも行っている。つまり、開閉センサー204を、LCD107やキーLEDの電源のオン・オフ制御とソーラー充電の制御との双方に利用することで、無駄な電力消費を抑え、ソーラー充電回路の部品の数を削減することができる。したがって、携帯情報端末10aのコストアップ及び大型化を抑えることができる。
【0035】
また、携帯情報端末10aは、第1の実施の形態と同様に、ソーラー充電を行わない間はスイッチ回路108をオフの状態としているので、無駄な電力の消費をさらに抑えることができるとともに、ソーラー充電回路の誤動作を防ぐこともできる。
3.変形例
上記に説明した実施の形態は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その旨を逸脱しない範囲において実施し得るものである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0036】
(1)照度センサー104の配置位置は、上記第1の実施の形態において示した位置に限定されない。
以下に、照度センサー104の配置位置に係る変形例を示す。
(1−1)照度センサー104は、ヒンジ部4の構造によっては、中央付近に配置されてもよい。この場合における携帯情報端末10の外観を図7に示す。図7(a)は、照度センサー104をヒンジ部4の中央付近に配した場合における携帯情報端末10の開状態の正面図であり、(b)はその背面図である。また、図7(c)は閉状態時における正面図である。太陽電池101は、図7(b)及び(c)にて示すように、第1の実施の形態と同様に、筺体2の対向面2aと反対の面に配置されている。図7(a)に示すように携帯情報端末10が開状態である場合には、照度センサー104は表示部5の明るさを制御するために用いられる。また、図7(b)にて示すように閉状態の場合には、照度センサー104の受光面と太陽電池101の受光面とは常に同一の向きになっているので、照度センサー104は太陽電池101による充電を制御するために用いられる。
【0037】
(1−2)照度センサー104は、表示部5が配置された筺体2に配置されてもよい。この場合における携帯情報端末10の外観を図8に示す。図8(a)は、照度センサー104を筺体2に配した場合における携帯情報端末10の開状態の正面図であり、(b)はその背面図である。また、図8(c)は閉状態時における側面図であり、(d)は閉状態時における背面図である。図8(b)及び(d)にて示すように、太陽電池101は、筺体3の対向面3aと反対の面に配置されている。また、図8(a)及び(c)にて示すように、筺体3には、閉状態時において照度センサー104の受光面と対向するように、光を通過させる導光部250が配置される。これにより、携帯情報端末10が閉状態においても、照度センサー104は、導光部250を介して光を受光することができる。ここで、図8(c)及び(d)にて示すように、携帯情報端末10が閉状態である場合には、照度センサー104の受光面と、太陽電池101の受光面は、同じ向きから光を受光することができる。従って、携帯情報端末10は、閉状態である場合において、照度センサー104は導光部250を介して光を受光するので、太陽電池101による充電の制御を行うことができる。
【0038】
なお、ここでは、照度センサー104を筺体2の対向面2aに配置したが、筺体3の対向面3aに配置してもよい。このとき、導光部250との配置関係は、上記とは逆転し、太陽電池101は第1の実施の形態と同様に筺体2の対向面2aと反対の面に備えられることとなる。
(1−3)図9においてさらに別の例を示す。図9は、太陽電池101を筺体3の対向面3aに配置した携帯情報端末10の開状態時の正面図である。この場合、携帯情報端末10は、開状態時において、従来通りに、照度センサー104の照度の測定結果に基づいて表示部5におけるLCD107の明るさを制御することができる。携帯情報端末10は、さらには、照度センサー104の受光面と太陽電池101の受光面とは同一の向きになっているので太陽電池101による充電の制御をも行うことができる。なお、この場合におけるキー操作は、表示部5にてタッチパネル方式により行われる。
【0039】
また、図9では、照度センサー104は、筺体2の対向面2aに配置されているが、筺体3の対向面3aに配置されてもよい。
(1−4)上記第1の実施の形態及び照度センサー104の配置位置に係る各変形例によると、携帯情報端末10の開状態時には照度センサー104の受光面と表示部5の表面とが同一の向きとなり、且つ開状態及び閉状態の何れかにおいて当該照度センサー104の受光面と太陽電池101の受光面とが同一の向きとなるよう、表示部5、太陽電池101及び照度センサー104それぞれが配置されればよい。
【0040】
(2)上記第1の実施の形態において、照度センサー104は、LCD107の明るさを制御するための用いるものとしたが、これに限定されない。
照度センサー104は、他の用途、例えば、キー操作部に備えられたキー用のキーLEDの明るさを制御するために用いてもよい。つまり、照度センサー104は、自機内において発光を制御する用途に利用されていればよい。
【0041】
(3)上記第1実施の形態において、図4のステップS10及びS25にて用いる所定値は、互いに同じ値を用いているが、これに限定されない。それぞれの判定に用いる値は異なってもよい。
例えば、ステップS10の判定に用いる値(以下、「第1の値」といい、例えば1100ルクスである。)よりもステップS25における判定に用いる値(以下、「第2の値」という。)を小さくなるように設定する。例えば、第2の値は1000ルクスである。
【0042】
周囲の明るさが所定値(1000ルクス)に近い環境である場合において、第1の実施の形態して示すようにステップS10とステップS25にて所定値として同一の値(1000ルクス)を用いると、外的要因(例えば、携帯情報端末10の向きが変わる)により、測定された照度が当該値以上になったり、当該値以下になったりと頻繁に測定結果が上下することとが考えられる。このような場合、太陽電池101による充電の開始、抑止が頻繁に切り替わることとなる。
【0043】
そこで、第1の値、第2の値とを用いることで、周囲の明るさが第1の値に近い環境である場合において、測定された照度が第1の値以上になったり、第1の値以下になったりと頻繁に測定結果が上下しても、第2の値を下回らない限り充電が抑止されることはない。つまり、太陽電池101による充電の開始、抑止が頻繁に切り替わることはない。
(4)上記各実施の形態において、本発明を説明するために、一例として携帯型の情報端末を用いた。しかしながら、本発明を実施するための端末は携帯型の端末には限定されない。自機内における発光を制御するためのセンサーが備わっている電子機器であればよい。
【0044】
また、上記第2の実施の形態において、携帯情報端末を折り畳み型の端末としたが、これに限定されない。例えば、折り畳み型の端末の代わりに、スライド式の電子機器であってもよい。この場合、キー操作部が隠れた状態を閉状態、キー操作部が出現している状態を開状態とする。つまり、第2の実施の形態に係る発明を実施するための端末は、端末の形状が開状態及び閉状態に切り替わる電子機器であればよい。このような電子機器を、本発明では開閉式の情報端末といい、その概念には、当然のごとく、上述した折り畳み型の携帯情報端末やスライド式の携帯情報端末が含まれる。
【0045】
(5)上記各実施の形態において、スイッチ回路108の具体例として、トランジスタを挙げたが、これに限定されない。
スイッチ回路108は、LDO111と電池パック103との間を接続したり、非接続にしたりする仕組みを有するものであればよい。
(6)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0046】
4.まとめ
(1)本発明は、電子機器であって、センサーと、前記センサーの検知結果に応じて発光が制御されるディスプレイと、太陽電池と、二次電池と、前記二次電池に対して前記太陽電池による充電を行う充電回路と、前記センサーによる検知結果に応じて、前記充電回路を用いた充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0047】
この構成によると、電子機器は、ディスプレイの発光を制御するために用いられるセンサーの検知結果を用いて、太陽電池による充電を行うか抑止するかの制御を行っている。つまり、電子機器は、センサーをディスプレイの発光制御と太陽電池による充電制御との双方に利用することで、電圧検知に係る部品である電圧ディテクタ、抵抗及び定電圧ダイオードを削減することができるので、従来のソーラー充電回路を用いる場合よりも充電機能に係る部品の費用を抑えつつ、充電回路の規模を従来に比べて小さくすることができる。また、センサーの検知結果により太陽電池による充電を抑止する場合には充電回路は電力を必要としないため、無駄な電力消費を抑えることもできる。したがって、電子機器に太陽電池による充電機能を追加した場合において、無駄な電力消費を抑えつつ、当該機器のコストアップ及び大型化を抑えることができる。
【0048】
(2)ここで、前記制御手段は、前記充電回路と前記二次電池との間の経路を導通か遮断かに切り替えることにより、充電を行うか抑止するかの切り替えを制御するとしてもよい。
この構成によると、電子機器は、前記充電回路と前記二次電池との間の経路を導通か遮断かに切り替えることで、太陽電池による充電と、充電の抑止とを切り替えている。これにより、電子機器は、太陽電池による充電を抑止している間には、二次電池から出力される電流が充電回路へ流れることはない。つまり、充電が抑止されている間は、二次電池から充電回路に無駄な電流が流れないので、無駄な電力の消費をさらに抑えることができるとともに、当該充電回路の誤動作を防ぐこともできる。
【0049】
(3)ここで、前記センサーは、照度を検知する照度センサーであり、前記制御手段は、前記照度センサーが所定の照度以上の明るさを検知した場合には前記経路を導通するよう制御し、前記照度センサーが所定の照度以上の明るさを検知しない場合には前記経路を遮断するよう制御するとしてもよい。
この構成によると、電子機器は、照度センサーをディスプレイの発光制御と太陽電池による充電制御との双方に利用している。従来、ディスプレイの発光制御するために照度センサーが備えられている。つまり、上記の電子機器は、既存の部品(照度センサー)を用いて太陽電池による充電をも制御することで、充電機能に係る部品の費用を抑えつつ、その規模を小さくすることができる。
【0050】
(4)ここで、前記照度センサーの受光面と、前記太陽電池の受光面とを、同じ方向から光を受けるよう配置しているとしてもよい。
この構成によると、電子機器は、照度センサーの受光面と、太陽電池の受光面とを、同じ方向で光を受けるよう配置するので、照度センサーによって検知された照度と同等の照度にて太陽電池も光を受光することができる。
【0051】
(5)ここで、前記電子機器は、開閉式の情報端末であり、前記センサーは、当該情報端末の開閉状態を検知する開閉センサーであり、前記制御手段は、前記開閉センサーが当該情報端末の開状態を検知した場合には前記経路を導通するよう制御し、閉状態を検知した場合には前記経路を遮断するよう制御するとしてもよい。
この構成によると、開閉式の情報端末である電子機器は、開閉センサーをディスプレイの発光制御と太陽電池による充電制御との双方に利用している。従来、開閉式の情報端末では、ユーザによる利用開始を検知するために開閉センサーが備えられており、開閉センサーが開状態を検知するとユーザによる利用が開始されたと判断し、ディスプレイの電源がオンにされる。つまり、上記の電子機器は、既存の部品(開閉センサー)を用いて太陽電池による充電をも制御することで、充電機能に係る部品の費用を抑えつつ、その規模を小さくすることができる。
【0052】
(6)また、本発明は、電子機器であって、照度を検知し、検知結果に応じて自機内における発光を制御するために用いられている照度センサーと、太陽電池と、二次電池と、前記二次電池に対して前記太陽電池による充電を行う充電回路と、前記照度センサーによる検知結果に応じて、前記充電回路を用いた充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0053】
この構成によると、電子機器は、自機内の発光を制御する照度センサーの検知結果を用いて、太陽電池による充電の制御を行っている。つまり、電子機器は、照度センサーを自機内の発光制御と太陽電池による充電制御との双方に利用することで、電圧検知に係る部品である電圧ディテクタ、抵抗及び定電圧ダイオードを削減することができるので、従来のソーラー充電回路を用いる場合よりも充電機能に係る部品の費用を抑えつつ、充電回路の規模を小さくすることができる。また、照度センサーの検知結果により太陽電池による充電を抑止する場合には充電回路は電力を必要としないため、無駄な電力消費を抑えることもできる。したがって、電子機器に太陽電池による充電機能を追加した場合において、無駄な電力消費を抑えつつ、当該機器のコストアップ及び大型化を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、太陽電池による充電を行う電子機器を製造及び販売する産業において、経営的、つまり反復的かつ継続的に利用されうる。
【符号の説明】
【0055】
10 携帯情報端末
101 太陽電池
102 ソーラー充電回路
103 電池パック
104 照度センサー
105 CPU
106 急速充電回路
107 液晶ディスプレイ
108 スイッチ回路
110 ダイオード
111 LDO
130 回路ブロック
204 開閉センサー
205 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーと、
前記センサーの検知結果に応じて発光が制御されるディスプレイと、
太陽電池と、
二次電池と、
前記二次電池に対して前記太陽電池による充電を行う充電回路と、
前記センサーによる検知結果に応じて、前記充電回路を用いた充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記充電回路と前記二次電池との間の経路を導通か遮断かに切り替えることにより、充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記センサーは、照度を検知する照度センサーであり、
前記制御手段は、前記照度センサーが所定の照度以上の明るさを検知した場合には前記経路を導通するよう制御し、前記照度センサーが所定の照度以上の明るさを検知しない場合には前記経路を遮断するよう制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記照度センサーの受光面と、前記太陽電池の受光面とを、同じ方向から光を受けるよう配置している
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、開閉式の情報端末であり、
前記センサーは、当該情報端末の開閉状態を検知する開閉センサーであり、
前記制御手段は、前記開閉センサーが当該情報端末の開状態を検知した場合には前記経路を導通するよう制御し、閉状態を検知した場合には前記経路を遮断するよう制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
照度を検知し、検知結果に応じて自機内における発光を制御するために用いられている照度センサーと、
太陽電池と、
二次電池と、
前記二次電池に対して前記太陽電池による充電を行う充電回路と、
前記照度センサーによる検知結果に応じて、前記充電回路を用いた充電を行うか抑止するかの切り替えを制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−200397(P2010−200397A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39080(P2009−39080)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】