説明

電子機器

【課題】本発明によれば、筐体内の圧力が高くなることによる筐体の変形や内蔵された電子部品の破損や劣化を抑制できる電子機器を提供することができる。
【解決手段】携帯電話機は、開口部200と、凹部210とを有する操作部側筐体2と、開口部200を覆う閉状態と開口部200を覆わない開状態とに状態変更可能なバッテリーカバー2cであって、板状部220と、板状部220における凹部210側に突出すると共に凹部210の内面212に対応した環状に形成され凹部210に嵌入可能な嵌入突部230と、嵌入突部230の外周に配置され嵌入突部230とともに凹部210に圧入可能な第2防水用パッキン240と、嵌入突部230に形成され嵌入突部230と凹部210とにより形成される内部空間Mと外部空間とを連通させる貫通孔部250と、を有するバッテリーカバー2cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関するものであり、特に、防水性を有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、ディジタルカメラ等の電子機器のなかには、特定の使用環境を想定して開発されたものがある。例えば、雨が降っている時や水際で使用されることを想定して開発された電子機器が存在する。このような電子機器は、多少水に濡れたり、浸かったりしても故障等が生じないように防水機能が備わっている。
【0003】
この防水機能を備える電子機器は、通常、水が筐体内に浸入することを防ぐために筐体における気密性が高くなるように構成されている。その結果、カバー部材を取り付ける等して筐体を密閉するときに筐体内の圧力が高くなる場合がある。このような圧力変動は、筐体の変形や電子部品の破損を招くおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、電子機器の筐体内における圧力を調整できるように、筐体に防水性を有する通気孔を設けた電子機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−320255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の電子機器は、筐体を密閉した後に通気孔から徐々に空気を抜いて筐体内の圧力を調整するため、筐体を密閉した直後は筐体内の圧力が高くなる。
そのため、特許文献1の電子機器において、密閉した直後、筐体が変形する場合があった。また、特許文献1の電子機器において、筐体内部に内蔵された電子部品が高い圧力で圧迫されているため、例えばスピーカから音を出すときにビビリが生じる等、当該電子部品に破損や劣化が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、筐体内の圧力が高くなることによる筐体の変形や、内蔵された電子部品の破損や劣化を抑制できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、開口部と、前記開口部に連続して形成される凹部とを有する筐体と、前記開口部を覆う閉状態と前記開口部を覆わない開状態とに状態変更可能な蓋部であって、前記閉状態において前記開口部を覆う板状部と、前記板状部における前記凹部側に突出すると共に前記凹部の内縁部に対応した環状に形成され、前記凹部に嵌入可能な嵌入突部と、前記嵌入突部の外周に配置され、前記嵌入突部とともに前記凹部に圧入可能なパッキン部材と、前記嵌入突部に形成され、前記嵌入突部と前記凹部とにより形成される内部空間と外部空間とを連通させる貫通孔部と、を有する蓋部と、を備える電子機器に関する。
【0009】
また、前記パッキン部材における全部又は一部は、前記内部空間と前記外部空間とを連通させないよう前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口を塞ぐ塞位置と、前記内部空間と前記外部空間とを連通させるよう前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口を塞がない非塞位置と、に移動可能に前記嵌入突部の外周に配置されると共に、前記蓋部が前記閉状態において、前記塞位置に位置することが好ましい。
【0010】
また、前記パッキン部材における全部又は一部は、前記蓋部が前記開状態において、前記非塞位置に位置することが好ましい。
【0011】
また、前記蓋部は、所定方向における一端側を回動軸として回動移動することで、前記開状態と前記閉状態とに状態変更されることが好ましい。
【0012】
また、前記貫通孔部は、前記所定方向における他端側に形成されることが好ましい。
【0013】
また、前記嵌入突部は、前記凹部側に形成される第1部と、前記板状部側に形成され前記第1部よりも外周の長さが長い第2部と、を有し、前記貫通孔部は、前記第2部に形成されることが好ましい。
【0014】
また、前記第2部は、前記凹部側に向かうにしたがって外周の長さが狭くなるように傾斜する傾斜外周面を有し、前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口は、前記傾斜外周面に形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記凹部における内縁部は、前記蓋部が前記閉状態において、前記パッキン部材を前記塞位置に位置決めすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、筐体内の圧力が高くなることによる筐体の変形や、内蔵された電子部品の破損や劣化を抑制できる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図である。
【図2】操作部側筐体2を構成する部材を説明する分解斜視図である。
【図3】表示部側筐体3を構成する部材を説明する分解斜視図である。
【図4】防水構造を説明する断面図である。
【図5】防水構造を説明する断面図である。
【図6】バッテリーカバー2cの部分拡大図である。
【図7】防水構造を説明する部分断面図である。
【図8】防水構造を説明する部分断面図である。
【図9】操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。
【図10】操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。
【図11】操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。
【図12】操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、電子機器としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図を示す。
【0019】
図1に示すように、携帯電話機1は、操作部側筐体2(筐体)と、表示部側筐体3と、を備える。また、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開閉可能に連結する連結部4を備える。
携帯電話機1は、開状態と閉状態とに状態変化(変形)可能に構成される。ここで、閉状態とは、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重なるように配置された状態であり、詳細には、両筐体における所定の面同士が対向するように配置された状態である。本実施形態においては、操作部側筐体2における操作部側内面2Aと、表示部側筐体3における表示部側内面3Aとが互いに対向するように配置された状態である。また、開状態とは、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重ならないように配置された状態であり、詳細には、両筐体における所定の面同士が対向せずに離間して配置された状態である。本実施形態においては、操作部側筐体2における操作部側内面2Aと、表示部側筐体3における表示部側内面3Aとが互いに対向せずに離間して配置された状態である。
【0020】
操作部側筐体2は、操作部側内面2Aと、操作部側外面2Bとを有する。操作部側内面2Aは、携帯電話機1が閉状態において表示部側筐体3の表示部側内面3Aと対向して配置される面である。
操作部側筐体2は、外面(外郭)がフロントケース2aと、リアケース2bと、バッテリーカバー2c(蓋部)とにより構成される。
操作部側筐体2には、操作キー群11と、使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12と、主電源操作部19とがそれぞれ外部に露出して配置される。本実施形態において、操作キー群11(サイドキー16除く)と、音声入力部12と、主電源操作部19とは、操作部側筐体2における操作部側内面2Aに並んで配置される。
【0021】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15と、サイドキー16とを含んで構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、携帯電話機1における開閉状態、各種モードや起動されているアプリケーションの種類等に応じて、それぞれ所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者により各キーが押圧されることにより、押圧時において各キーに割り当てられている機能に応じた動作が携帯電話機1において実行される。
【0022】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0023】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)と、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。操作部側筐体2における他方側の側面には、所定の機能が割り当てられたサイドキー16が配置される。
【0024】
表示部側筐体3は、表示部側内面3Aと、表示部側外面3Bとを有する。表示部側内面3Aは、携帯電話機1が閉状態において操作部側筐体2の操作部側内面2Aと対向して配置される面である。
表示部側筐体3は、外面(外郭)がフロントパネル3aと、フロントケース3bと、リアケース3cとにより構成される。
表示部側筐体3には、メイン表示部21と、サブ表示部22と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部25とが外部に露出して配置される。
【0025】
メイン表示部21は、表示部側筐体3における表示部側内面3Aに配置される。メイン表示部21は、文字情報や画像情報等の各種情報を表示可能に構成される。メイン表示部21は、携帯電話機1が開状態において、使用者により視認される表示部である。
【0026】
サブ表示部22は、表示部側筐体3における表示部側外面3Bに配置される。サブ表示部22は、メイン表示部21より表示領域が小さい表示部である。サブ表示部22は、文字情報や画像情報等の各種情報を表示可能に構成される。サブ表示部22は、携帯電話機1が閉状態において、使用者により視認される表示部である。
【0027】
音声出力部25は、表示部側筐体3における表示部側内面3Aに配置される。音声出力部25は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声出力部25は、携帯電話機1が開状態において他方の外端部側に配置される。
【0028】
連結部4は、開閉ヒンジ機構を有して構成される。連結部4は、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部との間に配置される。連結部4は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに回動可能に連結する。詳細には、連結部4は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とをヒンジ機構における回動軸Zを中心に回動可能に連結する。
ここで、本実施形態において、連結部4の回動軸Z方向(第1方向)における一方側には、棒状の被取り付け部材300が配置される。被取り付け部材300は、回動軸Z方向に延びるように配置される。
【0029】
次いで、図2及び図3により、携帯電話機1を構成する基本的な部材について説明する。図2は、操作部側筐体2を構成する部材を説明する分解斜視図である。図3は、表示部側筐体3を構成する部材を説明する分解斜視図である。
【0030】
図2に示すように、操作部側筐体2は、キー構造部40と、フロントケース2aと、キー基板50と、ケース体60と、回路基板70と、アンテナ部90と、第1防水用パッキン95と、リアケース2bと、バッテリー80と、バッテリーカバー2c(蓋部)とを備える。
【0031】
操作部側筐体2における外面(外郭)は、フロントケース2aとリアケース2bとが互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合されると共に、リアケース2bにバッテリーカバー2cが装着されることで形成される。
【0032】
キー構造部40は、フロントケース2aの外面側に配置される。
キー基板50と、ケース体60と、回路基板70と、アンテナ部90と、第1防水用パッキン95と、バッテリー80とは、フロントケース2aとリアケース2bとの間(操作部側筐体2の内部)に配置(内蔵)される。
【0033】
フロントケース2aには、キー開口部14aと、キー開口部14aの外縁に形成される載置部14cとが形成される。
載置部14cには、キー構造部40が載置される。
キー開口部14aは、載置部14cに載置されるキー構造部40と、キー基板50とが当接した状態で積層配置可能となるよう形成される。
【0034】
キー構造部40は、操作部材40Aと、キーシート40Cとを有して構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的には、操作部材40Aは、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとにより構成される。
操作部材40Aを構成する各操作キー部材それぞれは、キーシート40Cにおける所定箇所に接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材それぞれにおける押圧面は、外部に露出して配置される。
【0035】
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、複数の凸部が形成される。複数の凸部は、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。複数の凸部は、後述するキースイッチ51、52、53それぞれに対応する位置に形成される。
【0036】
キー基板50は、キー構造部40におけるキーシート40C側の面である第1面50aに配置される複数のキースイッチ51、52、53を有する。
複数のキースイッチ51、52、53それぞれは、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。キースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームと、スイッチ端子(図示せず)とを有する。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。
【0037】
ケース体60は、薄型の略直方体形状であって一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。
ケース体60は、回路基板70に対向して配置される平板部61と、平板部61における回路基板70側の面に対して略垂直に形成されるリブ62(壁部)を有する。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に、基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。
また、ケース体60は、シールドケースとして機能する。ケース体60は、外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出(伝播)されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。
なお、ケース体60は、金属により形成されるほか、骨格が樹脂により形成され、その表面に導体膜が形成されたものでもよい。
【0038】
回路基板70は、平板状の基板部71と、基板部71における第1面70a側に実装される電子部品及び各種回路ブロックと、基板部71における第1面70aの表面に形成される基準電位パターン層75(グランドパターン層)とを有する。
基板部71に実装される電子は、例えば、アンテナ部90が送受信する信号を処理する信号処理部を含む電子部品等が例示される。また、回路ブロックは、例えば、RF(Radio Frequency)回路や電源回路が例示される。
基準電位パターン層75は、基板部71の外縁や、各回路ブロックを区画する箇所に形成される。基準電位パターン層75は、例えば、回路基板70における第1面70aの表面に導電性の部材を印刷することで形成される。
【0039】
アンテナ部90は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成さる。アンテナ部90は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。アンテナ部90のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、アンテナ部90は、不図示の給電端子を介して回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0040】
第1防水用パッキン95は、フロントケース2aの外縁とリアケース2bの外縁とに挟まれて配置される。第1防水用パッキン95は、環状であってフロントケース2a及びリアケース2bの外縁に対応した形状である。第1防水用パッキン95は、シリコンゴム等の弾性材により構成される。
【0041】
バッテリー80は、リアケース2bに形成された後述する開口部200を介して操作部側筐体2に収容配置される。
バッテリーカバー2cは、リアケース2bにおける外面側から開口部200を覆うように配置される。
バッテリーカバー2cについては、後に詳述する。
【0042】
操作部側筐体2には、上述した部材のほか、音声入力部12を構成するマイク等の部材が内部に収容配置される。
【0043】
図3に示すように、表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、メイン表示部21と、フロントケース3bと、表示部側基板86と、サブ表示部22と、リアケース3cとを備える。
ここで、本実施形態において、一端が操作部側筐体2の内部に配置された回路基板70に接続されるフレキシブルプリント基板120における他端が、表示部側基板86に接続されるために後述する挿通用孔部130を介して表示部側筐体3の内部に挿入配置される。
【0044】
表示部側筐体3における外面(外郭)は、フロントケース3bとリアケース3cとが互いの外周縁が重なり合うようにして結合されると共に、フロントケース3bにフロントパネル3aが取り付けられることで形成される。
【0045】
フロントパネル3aは、平板状の光透過性部材である。フロントパネル3aは、メイン表示部21を保護すると共に、メイン表示部21により表示された画像等を外部に透過させる部材である。
【0046】
メイン表示部21は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを含んで構成される。
メイン表示部21は、フロントケース3bにおけるフロントパネル3a側に配置される。
【0047】
フロントケース3bは、板金部材を樹脂インサート成型することにより形成されている。フロントケース3bを構成する板金部材は、フロントケース3bの強度を向上させると共に、シールド部材として機能する。
また、フロントケース3bには、連結部4側の側面に挿通用孔部130が形成される。上述したフレキシブルプリント基板120における一端側は、挿通用孔部130から挿入されて表示部側筐体3の内部に配置される。
また、挿通用孔部130は、フレキシブルプリント基板120に取り付けられた不図示の閉塞部材により、水が外部から内部空間内に侵入しないよう閉塞される。
【0048】
表示部側基板86は、平板状の部材であって、メイン表示部21やサブ表示部22等と電気的に接続される部材である。
本実施形態において、表示部側基板86には、中央部にサブ表示部用開口部86aが形成される。サブ表示部用開口部86aには、サブ表示部22が(挿通)配置される。
また、本実施形態において、表示部側基板86には、カメラモジュールが実装される。
【0049】
サブ表示部22は、フロントケース3bにおけるリアケース3c側に積層配置される。
サブ表示部22は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを含んで構成される。
サブ表示部22は、表示領域がメイン表示部21の表示領域より小さい表示部である。
サブ表示部22は、表示部側筐体3の厚さ方向において、表示領域がメイン表示部21の表示領域と反対側を向いて配置される。
【0050】
リアケース3cは、フロントケース3bと共に表示部側基板86やサブ表示部22を収容する。
表示部側筐体3には、上述した部材のほか、音声出力部25等の部材が内部に収容配置される。
【0051】
続けて、図4から図12により、バッテリーカバー2cと操作部側筐体2とにより構成される防水構造について説明する。
図4は、防水構造を説明する断面図である。図5は、防水構造を説明する断面図である。図6は、バッテリーカバー2cの部分拡大図である。図4は、防水構造を説明する部分断面図である。図5は、防水構造を説明する部分断面図である。図9は、操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。図10は、操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。図11は、操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。図12は、操作部側筐体2にバッテリーカバー2cを取り付ける手順を説明する図である。
【0052】
まず、図4から図8により、バッテリーカバー2cと操作部側筐体2とにより構成される防水構造における構成について説明する。
図4及び図5に示すように、操作部側筐体2は、開口部200と、開口部200に連続して形成される凹部210と、バッテリーカバー2c(蓋部)とを有する。また、操作部側筐体2は、バッテリーカバー2cが係止される第1被係止部270及び第2被係止部215を有する。
【0053】
開口部200は、操作部側筐体2における操作部側外面2B側に形成される。
開口部200は、バッテリーカバー2cにより覆われた状態と、覆われない状態とに状態変更可能に構成される。
バッテリーカバー2cにより覆われていない状態において、ユーザは、開口部200を介してバッテリー80を着脱する。
【0054】
凹部210は、開口部200に連続して形成され、操作部側筐体2における厚さ方向に窪んで形成される。凹部210は、後述する嵌入突部230が嵌入する部分である。
凹部210は、バッテリー80を収容するバッテリー収容部を含む。
凹部210は、後述するように、嵌入突部230とともに内部空間Mを形成する部分である。
凹部210の外縁は、環状壁部211により構成される。
【0055】
環状壁部211は、厚さ方向において操作部側外面2B側に突出して形成される壁部である。環状壁部211は、操作部側外面2B側からみた場合において、環状に形成される。環状壁部211は、内面212(内縁部)により、凹部210を形成する。
【0056】
内面212は、先端部側(バッテリーカバー2c側)に形成される規制部213を有する。
規制部213は、第1規制面213aと、第2規制面213bとを有する。
第1規制面213aは、環状壁部211における先端側に形成され、操作部側筐体2の厚さ方向にのびるように形成される面である。
第2規制面213bは、環状壁部211における根元側に形成され、操作部側筐体2の厚さ方向に交差する方向にのびるように形成される面である。
【0057】
凹部210における規制部213(内縁部)は、バッテリーカバー2cが閉状態において、後述する第2防水用パッキン240(パッキン部材)を後述する塞位置に位置決めする。
【0058】
具体的には、規制部213は、バッテリーカバー2cが開状態から閉状態に状態変化する際において、第2防水用パッキン240を後述する非塞位置から塞位置に移動させると共に、バッテリーカバー2cが閉状態において、後述する第2防水用パッキン240を後述する塞位置に位置決めする。
【0059】
詳細には、規制部213における第1規制面213aは、バッテリーカバー2cが開状態から閉状態に状態変化する際において、外側に当接しながら第2防水用パッキン240を後述する非塞位置から塞位置に移動させる。そして、バッテリーカバー2cが閉状態において、規制部213における第1規制面213aが塞位置にある第2防水用パッキン240を貫通孔部250(外側開口250a)に押圧するように配置されると共に、第2規制面213bが第2防水用パッキン240の操作部側筐体2における厚さ方向への移動を規制するように配置される。このようにして、規制部213は、バッテリーカバー2cが閉状態において、後述する第2防水用パッキン240(パッキン部材)を塞位置に位置決めする。
【0060】
バッテリーカバー2cは、開口部200を覆う閉状態と、開口部200を覆わない開状態とに状態変更可能な蓋部である。バッテリーカバー2cは、操作部側筐体2における長手方向(所定方向)の一端側を回動軸として回動移動することで、開状態と閉状態とに状態変更される。具体的には、バッテリーカバー2cは、後述する第1係止部280側の端部を回動軸として回動移動することで、閉状態と開状態とに状態変更される(図10から図12参照)。
【0061】
バッテリーカバー2cは、開状態において、開口部200及び凹部210を外部に露出させる。また、バッテリーカバー2cは、閉状態において、開口部200を覆うと共に、凹部210を密閉する。バッテリーカバー2c(嵌入突部230)は、凹部210とともに内部空間Mを形成する。
【0062】
バッテリーカバー2cは、板状部220と、嵌入突部230と、第2防水用パッキン(パッキン部材)と、貫通孔部250と、第1係止部280と、第2係止部285とを有する。
【0063】
板状部220は、閉状態において、開口部200を覆う板状の部分である。板状部220は、閉状態において、リアケース2bとともに操作部側筐体2における操作部側外面2Bを形成する。
また、板状部220における凹部210側の面には、嵌入突部230と、第1係止部280と、第2係止部285とが形成される。
【0064】
嵌入突部230は、板状部220における凹部210側に突出して形成され、凹部210に嵌入可能な部分である。具体的には、嵌入突部230は、外周に配置された第2防水用パッキン240とともに凹部210に嵌入可能な部分である。
嵌入突部230の外周面(外周)には、第2防水用パッキン240が弾性力を有した状態で、該嵌入突部230の高さ方向に移動可能に配置される。嵌入突部230は、凹部210側の端部に第2防水用パッキン240の抜け止め用に形成される抜け止め部235を有する。
【0065】
嵌入突部230は、板状部220における凹部210側に突出して形成される壁部である。嵌入突部230は、凹部210側に形成される第1部231と、板状部220側に形成される第2部232とを有する。
第2部232は、第1部231よりも外周の長さが長い部分である。
また、第2部232は、凹部210側に向かうにしたがって外周の長さが狭くなるように傾斜する傾斜外周面232aを有する。
【0066】
ここで、第2部232には、貫通孔部250に形成される。本実施形態において、第2部232における傾斜外周面232aには、貫通孔部250における外部空間側の外側開口250aが形成される。
【0067】
上述の通り、嵌入突部230における外周面には、第2防水用パッキン240が配置される。詳細には、第1部231には、バッテリーカバー2cが開状態である場合において第2防水用パッキン240が配置され、第2部232には、バッテリーカバー2cが閉状態である場合において第2防水用パッキン240が配置される。
【0068】
嵌入突部230は、凹部210の内面212(内縁部)に対応した環状に形成される。ここで、本実施形態において、内面212に対応した環状とは、第2防水用パッキン240も想定した形成であって、例えば、凹部210の内面212(内縁部)よりも一回り小さい相似の環状である。
【0069】
また、嵌入突部230は、凹部210とともに内部空間Mを形成する。具体的には、凹部210とともに、バッテリーカバー2cが開状態から閉状態になる直前の状態(図11参照)から閉状態(図5及び図12参照)において形成される内部空間Mを形成する。この内部空間Mは、第2防水用パッキン240が非塞位置に位置した場合には密閉されず、塞ぐ位置に位置した場合には密閉される。
【0070】
第2防水用パッキン240(パッキン部材)は、上述の通り、嵌入突部230の外周面(外周)に配置され、嵌入突部230とともに凹部210に圧入可能な部材である。第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態において、貫通孔部250を塞いで内部空間Mを密閉する。
【0071】
また、第2防水用パッキン240は、嵌入突部230の外周に弾性力を有した状態で、該嵌入突部230の高さ方向に移動可能に配置される。
第2防水用パッキン240は、環状であって、自然状態において内周の長さが嵌入突部230の外周の長さよりも短い弾性部材である。第2防水用パッキン240は、シリコンゴム等のゴムや、所定のエラストマー材料により構成される。
【0072】
また、第2防水用パッキン240は、内部空間Mと外部空間とを連通させないよう貫通孔部250における外部空間側の外側開口250aを塞ぐ塞位置(図8参照)と、内部空間Mと外部空間とを連通させるよう貫通孔部250における外部空間側の外側開口250aを塞がない非塞位置(図7参照)と、に移動可能に嵌入突部230の外周に配置される。
【0073】
第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが開状態において、非塞位置に位置する。第2防水用パッキン240は、規制部213により移動が規制されていない状態において、外周の短い第1部231側に配置される。第2防水用パッキン240は、弾性力を有した状態であるので、規制部213により移動が規制されていない状態において、外周の長さが長く外面が傾斜している第2部232(傾斜外周面232a)側には配置されず、外周の長さが短い第1部231側に配置される。第2防水用パッキン240は、弾性力を有しており内径が小さくなるように変形するので、第2部232(傾斜外周面232a)に配置された場合でも自動的に第1部231側に移動する。
【0074】
また、第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態において、塞位置に位置する。第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態において、塞位置に位置して貫通孔部250を塞いで、内部空間Mを密閉する。
第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態において、上述の通り、規制部213により塞位置に位置決めされる。
【0075】
具体的には、第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが開状態から閉状態に状態変化する際において、規制部213により非塞位置から塞位置に移動されると共に、バッテリーカバー2cが閉状態において、塞位置に位置決めされる。
【0076】
詳細には、第2防水用パッキン240は、規制部213における第1規制面213aにより、バッテリーカバー2cが開状態から閉状態に状態変化する際において、外側に当接されながら後述する非塞位置から塞位置に移動される。そして、バッテリーカバー2cが閉状態において、塞位置にある第2防水用パッキン240は、規制部213における第1規制面213aにより貫通孔部250(外側開口250a)に押圧されるように配置されると共に、第2規制面213bにより操作部側筐体2における厚さ方向への移動が規制されるように配置される。このようにして、第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態において、後述する規制部213により塞位置に位置決めされる。
【0077】
ここで、第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態になる直前まで、非塞位置に配置される。
第2防水用パッキン240は、規制部213により塞位置に移動されないかぎり非塞位置に配置されるので、バッテリーカバー2cが閉状態になる直前まで非塞位置に配置される。
つまり、第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態になる直前まで、内部空間Mを密閉しない。
【0078】
貫通孔部250は、嵌入突部230に形成される。貫通孔部250は、嵌入突部230と凹部210とにより形成される内部空間Mと外部空間とを連通させる。
【0079】
貫通孔部250は、操作部側筐体2(携帯電話機1)の長手方向において、第1係止部280側の端部と反対側の端部に形成される。貫通孔部250は、バッテリーカバー2cを操作部側筐体2に取り付ける際の回動移動における回動軸側(一端側)と反対の端部側に形成される(図10から図12参照)。つまり、貫通孔部250は、操作部側筐体2の長手方向(所定方向)における反対側の端部側(他端側)に形成される。貫通孔部250は、嵌入突部230において最後まで凹部210に嵌入されない部分に形成される。
【0080】
貫通孔部250は、外部空間側に形成される外側開口250aと、内部空間M側に形成される内側開口250bとを有する。
貫通孔部250は、上述の通り、嵌入突部230における第2部232に形成される。
そして、外側開口250aは、傾斜外周面232aに形成される。
【0081】
貫通孔部250は、第2防水用パッキン240が非塞位置に位置する場合には閉塞されず、第2防水用パッキン240が塞位置に位置する場合には閉塞される。
貫通孔部250は、第2防水用パッキン240が非塞位置に位置する場合には内部空間Mと外部空間とを連通させ、第2防水用パッキン240が塞位置に位置する場合には内部空間Mと外部空間とを連通させない。
貫通孔部250は、外側開口250aが第2防水用パッキン240により塞がれることで閉塞され、内部空間Mを密閉する。
【0082】
第1係止部280は、バッテリーカバー2cにおける一端側に形成される。第1係止部280は、第1被係止部270に係止される。第1係止部280は、バッテリーカバー2cが操作部側筐体2に取り付けられる際において、バッテリーカバー2cの回動軸側に形成される。
また、第2係止部285は、バッテリーカバー2cにおける他端側に形成される。第2係止部285は、第2被係止部215に係止される。
バッテリーカバー2cは、第1係止部280が第1被係止部270に係止されると共に、第2係止部285が第2被係止部215に係止された場合、閉状態で維持される。
【0083】
続けて、図9から図12により、バッテリーカバー2cと操作部側筐体2とにより構成される防水構造を形成する手順について説明する。
まず、ユーザは、図9に示す状態におけるバッテリーカバー2cの第1係止部280側端部を、図10に示すように矢印D1方向に移動させる。
次いで、ユーザは、図10に示すように、第1係止部280を第1被係止部270に係止させる。
【0084】
続けて、ユーザは、図11に示すように、バッテリーカバー2cにおける第2係止部285側の端部を矢印D2方向に移動させる。言い換えると、ユーザは、第1係止部280側の端部を回動軸として、バッテリーカバー2cを回動移動させる。
【0085】
ここで、図11に示す状態は、バッテリーカバー2cが閉状態になる直前の状態である。この状態において、凹部210と嵌入突部230とにより、内部空間Mが形成される。
ただし、この状態において、第2防水用パッキン240は、塞位置に位置していないので、貫通孔部250は完全に閉塞されていない。つまり、この状態において、内部空間Mは密閉されていないので、バッテリーカバー2cを閉状態にするために回動移動させることで内部空間Mの体積が小さくなっていく場合でも、内部空間M内の空気は圧縮されず(高圧力状態にならず)、貫通孔部250を通って外部空間に抜ける。
つまり、この状態において、内部空間Mは形成されるが、貫通孔部250は密閉されていないので、内部空間Mの圧力が増加した場合でも、内部空間Mの空気は、貫通孔部250から外部空間に抜ける。これにより、携帯電話機1は、内部空間Mが高圧力状態になることを抑制できる。
【0086】
続けて、図12に示すように、ユーザは、バッテリーカバー2cにおける第2係止部285側の端部を矢印D3方向に更に移動させる。そして、ユーザは、第2係止部285を第2被係止部215に係止させる。ユーザは、バッテリーカバー2cを閉状態にする。
【0087】
バッテリーカバー2cが閉状態に状態変更されることで、第2防水用パッキン240は、塞位置に配置される(図8参照)。
具体的には、バッテリーカバー2cが矢印D3方向に移動されて閉状態に状態変更された場合、第2防水用パッキン240は、規制部213により非塞位置(第1部231の外周)から塞位置(第2部232の外周であって外側開口250aを塞ぐ位置)に移動される。第2防水用パッキン240は、バッテリーカバー2cが閉状態の場合、規制部213により塞位置において位置決めされる。
そして、第2防水用パッキン240は、貫通孔部250を閉塞させて、内部空間Mを密閉する。
本実施形態において、携帯電話機1は、図11に示す状態において内部空間Mから空気が抜けるように構成されるので、外部空間との圧力差がない状態で内部空間Mが密閉される。
【0088】
本実施形態によれば、操作部側筐体2(筐体)内の圧力が高くなることによる操作部側筐体2の変形や、内蔵された電子部品の破損や劣化を抑制できる携帯電話機1(電子機器)を提供することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、第2防水用パッキン240が塞位置と非塞位置とに移動可能に構成されるので、バッテリーカバー2cを開状態から閉状態に状態変更させる際に、内部空間Mから外部空間に空気を抜くことができると共に、バッテリーカバー2cが閉状態に状態変更された後には貫通孔部250を閉塞させて内部空間Mを密閉することができる。これにより、携帯電話機1は、内部空間Mが高圧状態になることを抑制できると共に、好適な防水性を奏する。
【0090】
また、本実施形態によれば、バッテリーカバー2cが閉状態において、第2防水用パッキン240は、塞位置に位置する。これにより、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが閉状態において、好適な防水性を有する。
また、本実施形態によれば、バッテリーカバー2cが開状態において、第2防水用パッキン240は、非塞位置に位置する。これにより、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが開状態において、内部空間Mの空気を貫通孔部250を介して外部空間に抜くことができる。言い換えると、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが閉状態になるまでは、内部空間Mから空気を抜くことができ、該内部空間Mが高圧状態なることを抑制できる。
【0091】
また、本実施形態において、バッテリーカバー2cは、操作部側筐体2の長手方向(所定方向)における一端側を回動軸として回動移動することで、開状態と閉状態とに状態変更される。このようなタイプのバッテリーカバー2cが回動移動されて閉状態になる場合、操作部側筐体2内に多くの空気が入るため、本実施形態における効果がより期待出来る。
【0092】
また、本実施形態において、貫通孔部250は、操作部側筐体2の長手方向(所定方向)における他端側に形成される。貫通孔部250は、嵌入突部230におけるバッテリーカバー2cを開状態から閉状態に状態変化させる際(回動移動させる際)、最後まで凹部210に嵌入しない部分に形成される。これにより、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが閉状態になる直前まで内部空間M内の空気を外部空間に抜くことができる。
【0093】
また、本実施形態において、嵌入突部230は、凹部210側に形成される第1部231と、板状部220側に形成され第1部231よりも外周の長さが長い第2部232と、を有する。そして、貫通孔部250は、第2部232に形成される。
ここで、第2防水用パッキン240が弾性力(収縮力)を有した状態で嵌入突部230の外周に配置されるので、バッテリーカバー2cが開状態の場合、第2防水用パッキン240は、外周の短い第1部231側に位置(移動)する。これにより、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが開状態の場合、第2防水用パッキン240を非塞位置に位置させることができるので、貫通孔部250が閉塞されない状態を確実に維持できる。つまり、内部空間Mの空気を確実に外部空間に抜くことができる。
【0094】
また、本実施形態において、第2部232は、凹部210側に向かうにしたがって外周の長さが狭くなるように傾斜する傾斜外周面232aを有すると共に、貫通孔部250における外部空間側の外側開口250aは、傾斜外周面232aに形成される。これより、バッテリーカバー2cが開状態の場合、第2防水用パッキン240は、より外周の短い第1部231側に位置(移動)する。
また、本実施形態において、第1部231が外周の長さが同じである垂直面を有するので、バッテリーカバー2cが開状態の場合、第2防水用パッキン240は、外周の短い第1部231側で維持される。
【0095】
また、本実施形態において、凹部210における規制部213(内縁部)は、バッテリーカバー2cが閉状態において、第2防水用パッキン240を塞位置に位置決めする。これにより、携帯電話機1は、バッテリーカバー2cが閉状態の場合、第2防水用パッキン240を塞位置に位置決めして、確実に内部空間Mを密閉する。
これにより、バッテリーカバー2cが開状態の場合、第2防水用パッキン240を非塞位置に位置させることができるので、貫通孔部250が閉塞されない状態を確実に維持できる。つまり、内部空間Mの空気を確実に外部空間に抜くことができる。
【0096】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、内部空間Mの内部が高圧状態になることを抑制するので、スピーカやマイク等の電子部品を内圧から守るための部材(例えば、スポンジ等)を用いる必要がない。また、携帯電話機1は、外部露出した位置に空気穴を設ける必要が無いため、防水ゴアシート等の部材を必要としない。
これらにより、携帯電話機1は、部品減やコスト抑制が達成される。
【0097】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、外部に露出した位置に空気穴を設ける必要が無いため、外観的な制約を受けることがない。これにより、携帯電話機1は、デザイン性が向上されると共に、デザインにおける自由度が向上される。
【0098】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、キーシート40Cが極端に盛りあがるような操作部側筐体2の変形を抑制できる。これにより、ユーザが故障と誤解することを抑制できる。
【0099】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、携帯電子機器は、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0100】
また、本実施形態において、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0101】
また、本実施形態において、第2防水用パッキン240は、嵌入突部230外周における全部に配置されているが、これに限定されず、嵌入突部230の外周における一部に配置されていてもよい。第2防水用パッキン240は、貫通孔部250の外側開口250aを塞ぐ位置と塞がない位置とに移動可能であれば、嵌入突部230における外周の全部ではなく一部に配置されていてもよい。
【0102】
また、本実施形態において、第2防水用パッキン240は、嵌入突部230外周における全部において移動可能となるよう配置されているが、これに限定されず、嵌入突部230の外周における一部において移動可能であればよい。
例えば、第2防水用パッキン240は、貫通孔部250側の部分は嵌入突部230における高さ方向に移動可能に配置され、他の部分は溝部等に嵌合されて嵌入突部230における高さ方向への移動が規制された状態で配置されてもよい。
【0103】
また、本実施形態において、第2部232は、第1部231に連続して形成されるが、これに限定されず、中間部を挟んで形成されてもよい。また、この場合、中間部が傾斜外周面を有し、第2部が垂直な側面を有していてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体(筐体)
2c バッテリーカバー(蓋部)
3 表示部側筐体
200 開口部
210 凹部
212 内面(内縁部)
220 板状部
230 嵌入突部
240 第2防水用パッキン(パッキン部材)
250 貫通孔部
M 内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と、前記開口部に連続して形成される凹部とを有する筐体と、
前記開口部を覆う閉状態と前記開口部を覆わない開状態とに状態変更可能な蓋部であって、
前記閉状態において前記開口部を覆う板状部と、
前記板状部における前記凹部側に突出すると共に前記凹部の内縁部に対応した環状に形成され、前記凹部に嵌入可能な嵌入突部と、
前記嵌入突部の外周に配置され、前記嵌入突部とともに前記凹部に圧入可能なパッキン部材と、
前記嵌入突部に形成され、前記嵌入突部と前記凹部とにより形成される内部空間と外部空間とを連通させる貫通孔部と、を有する蓋部と、を備える
電子機器。
【請求項2】
前記パッキン部材における全部又は一部は、
前記内部空間と前記外部空間とを連通させないよう前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口を塞ぐ塞位置と、前記内部空間と前記外部空間とを連通させるよう前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口を塞がない非塞位置と、に移動可能に前記嵌入突部の外周に配置されると共に、
前記蓋部が前記閉状態において、前記塞位置に位置する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記パッキン部材における全部又は一部は、
前記蓋部が前記開状態において、前記非塞位置に位置する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記蓋部は、所定方向における一端側を回動軸として回動移動することで、前記開状態と前記閉状態とに状態変更される
請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記貫通孔部は、前記所定方向における他端側に形成される
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記嵌入突部は、
前記凹部側に形成される第1部と、
前記板状部側に形成され前記第1部よりも外周の長さが長い第2部と、を有し、
前記貫通孔部は、前記第2部に形成される
請求項1から5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2部は、前記凹部側に向かうにしたがって外周の長さが狭くなるように傾斜する傾斜外周面を有し、
前記貫通孔部における前記外部空間側の外側開口は、前記傾斜外周面に形成される
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記凹部における内縁部は、前記蓋部が前記閉状態において、前記パッキン部材を前記塞位置に位置決めする
請求項2又は3に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−156338(P2012−156338A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14585(P2011−14585)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】