説明

電子装置

【課題】伝送データの大容量化高速化にともない消費電力が増加し、信号歪による特性劣化をひきおこし、ケーブルやコネクタの信頼性が低下、またコストアップの要因となる。また実装上の部品配置などの制約が厳しくなるなどの様々な課題を取り除く。
【解決手段】第1カテゴリー情報を伝送する無線通信手段と、第2カテゴリー情報を伝送する有線通信手段を具備し、前記第1および第2のカテゴリーの送信情報は、前記無線通信手段および有線通信手段により並列に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子や撮像素子など高速なデータ転送を必要とする素子を内蔵する情報伝送方式、電子装置および無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やノートブックコンピュータ、デジタルカメラなどの機能の向上は目覚しく、それらの機器に内蔵される表示素子や撮像素子の高分解能化および高精細化が求められ、ますます複雑化してきている。特に携帯電話においては、カメラ機能の内蔵や表示部の大型化および高機能化とともに小型軽量化および低消費電力化が求められ、その筐体構造もクラムシェル型またはフリップ型と呼ばれる折り畳み型が主流になってきている。
【0003】
図40は、表示素子としてアクティブマトリックス型液晶表示体を用いた電子装置の典型的な構成を示すブロック図、図41はそのタイム図である。
図40に示すように、CPU5701は、表示すべき画像データを生成し、その画像データをビデオメモリ5702に書き込む。CPU5701は、JPEG形式やMPEG形式などの圧縮画像や動画データの伸張や演算により、表示すべき画像データを生成する。
液晶コントローラ5703は、液晶表示に必要な各種タイミング、すなわちXドライバ5713のXクロック信号5715、水平同期信号5714、垂直同期信号5718を生成し、またビデオメモリ5702から表示すべき順序にそって画像データを読み出して、液晶表示体5708のドライバ(Xドライバ5713およびYドライバ5707)に送出する。ここで、Xドライバ5713は、液晶表示体5708の画素がn行m列で構成される場合、m段のシフトレジスタ5704、mワードのラッチ5705およびm個のDA変換器5706から構成される。
【0004】
液晶コントローラ5703は、表示フレームの先頭の画素を読み出すとき、垂直同期信号5718を発生し、Yドライバ5707に送出する。このとき同時に、液晶コントローラ5703は、液晶表示体5708の1行1列目の画素に表示するデータをビデオメモリ5702から読み出し、表示データ信号5716としてラッチ5705のデータ端子に送出する。
【0005】
シフトレジスタ5704は、図41に示すように、液晶コントローラ5703が発生する水平同期信号5714をXクロック信号5715に同期して読み込み、第一列目の画像データをラッチするための信号X1ラッチ(図41(c))を発生する。この信号によって1行1列目の画素に表示されるデータがラッチ5705の1列目にラッチされる。引き続き、液晶コントローラ5703は、ビデオメモリ5702から次の画素に表示すべきデータを読み出し出力する。Xドライバ5713のシフトレジスタ5704は水平同期信号5714を一つシフトさせ、第二列目の画像データをラッチするための信号X2ラッチ(図41(d))を発生させて、1行2列目の画像データをラッチする。
【0006】
以下、シフトレジスタ5704は水平同期信号5714を順次シフトさせ、1行目に表示するデータを順次ラッチしていく。1行分のデータをラッチ5705が保存し終わると、次の水平同期信号5714(図41(a)および図41(h)、なお、図40では(a)〜(f)と同図(g)〜(k)で横軸のタイムスケールが変わっていることに注意されたい。そのため同一信号である水平同期信号は(a)に加え(h)が再掲されている。)が出力され、DA変換器5706はラッチ5705に保持されたデータをDA変換し、列電極5710のXi番目(1≦i≦m)に出力する。同時にYドライバ5707は1行目の行電極Y1に選択信号を出力する。
【0007】
以下同様に、Yドライバ5707は、行電極7509のYj番目(1≦j≦n)に出力される選択信号を水平同期信号5714が出る度に順次シフトしていく。
図40の一点鎖線5718内は液晶表示体5708のマトリックス配置された1画素部分を拡大した図である。アクティブスイッチ素子5711は行電極5709のYj番目が選択されると、列電極5710のXi番目に出力されたDA変換器5706の出力を画素電極5712に伝える。なお、DA変換器5706を液晶コントローラ側に一つ置いて、データ5716をアナログ信号で伝送することもできる。この場合は、ラッチ5705はアナログのサンプルアンドホールド回路となる。この方法はDA変換器の数を減らすことができ、従来多く用いられたが、DA変換器といっても最終的に画素電極5712に印加される電圧値が所定値になっていればよく、パルス幅変調などのデジタル回路が使用でき、アナログのサンプルアンドホールド回路が不要となるため、LSIの高密度化に伴い、ここで説明した方法が主流となってきている。
【0008】
ただし、この方法ではデータはデジタル信号で送られるため、信号線の数が非常に多くなり、例えば、8ビット×3原色の計24本が必要となる。
なお、画面の行の右端の表示信号が液晶コントローラ5703から出力された後、次の行の左端の表示信号が出力されるまでの時間、また画面の最下行の画像データが出力し終わってから、次のフレームの最初の行の画像データが出力されるまでの時間は、(水平、垂直)ブランキング期間または帰線期間と呼ばれ、CRTでは0にできないが、液晶表示体5708では0でもよい。図41では、1画素分の水平帰線期間および1行分の垂直帰線期間をとった場合を例示している。
【0009】
デジタルカメラなどの撮像素子を使用する電子装置においては、ちょうど液晶表示体5708を用いる場合と信号の伝送される向きが逆になり、同様の回路構成がとられる。
このような表示体素子や撮像素子を内蔵する電子装置において、大型表示化、高分解能化、さらに機器の小型軽量化が求められている。このため、図40の電子装置を実装する実装基板は複数にわたることが多く、その場合、図40の一点鎖線5717−5717'で実装基板を分けることが多い。
【0010】
必然的に、CPU5701と液晶表示体5708との間の結線が長くなる。また、図40の構成に撮像素子を搭載した場合にも、液晶表示体5708を用いる場合と信号の伝送される向きが逆になり、同様の回路構成がとられるため、CPU5701と撮像素子との間の結線が長くなる。
【0011】
また、液晶表示体5708や撮像素子などの高分解能化に伴い、それらの線路の信号周波数が高くなり、CPU5701との接続が困難になってきている。特に、クラムシェル型構造では、細いヒンジ部分を介して両者が接続される構造となる。このため、表示素子や撮像素子の高分解能化に伴い、図40の一点鎖線5717−5717'で実装基板を分けた時の両基板間でやり取りされるデータ量も多くなり、高速転送技術が必要となってきている。この問題を解決するために高速データ伝送の方式として、たとえば、(LVDS:LowVoltage Differential Signaling)を表示体や撮像素子の接続に使うことが提案されている(特許文献1および特許文献2)。特許文献3および特許文献4等では、この方式でも十分な解決が得られないとして、新たな方法が提案されている。
【0012】
また、半導体製造技術の進歩は目覚しく、システムオンチップとして集積度はますます上り、1チップ内に入る半導体回路は全て1チップ内に搭載しようとする傾向がある。そのために、半導体チップと外部回路との接続のピン数が膨大となり、数百本を超えることも珍しくない。また、半導体回路の動作周波数も高くなり、従来のワイヤボンディングを介して外部と接続する方法では高周波特性が問題となり、正しく外部との信号やり取りが困難となってきている。このような問題に対し、非特許文献1では、チップ間の接続を無線化する研究が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第3086456号公報(欄44)
【特許文献2】特許第3330359号公報(欄46)
【特許文献3】特許第3349426号公報
【特許文献4】特許第3349490号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】「日経マイクロデバイス」2003年12月号161ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、最近の表示体の大型化の進展は目覚しく、これらの技術でも十分な性能を得られない。十分な対ノイズ特性(耐干渉性、与干渉性)を得るには、細心の設計と調整が要求される。また、LVDSでは、信号レベルが小さいため、必然的にデジタルICでアナログ信号を扱うことになり、消費電力が大きくなるという問題があった。
また、信号を精度よく伝送するためには、整合の取れたインピーダンス終端が必要であるが、インピーダンス終端が必要な線の数が多い上に伝送インピーダンスはせいぜい100オーム位なので、それらの終端抵抗に消費される電力が容認できないほどに大きくなってしまうという問題もあった。
【0016】
さらに、図40の一点鎖線5717−5717'で実装基板を分けると、長い配線によって引き回された線路を通して高速で大量のデータを伝送させる必要がある。このため、線路からの放射電磁界が増えることとなり、他の電子装置あるいは自機器への電磁波妨害の要因となる。従来の信号線による信号伝送では、受電端での振幅レベルが規定されており、受電端で十分な品質を確保しても、信号の振幅レベルを下げることができない。すなわちEMI対策が困難になり、結果として機器デザインへの制約やコストアップを引き起こしている。また、送信側では、受電端の負荷に加え線路の浮遊容量も同時に駆動することになるため、信号伝達に余分なエネルギーを必要としている。すなわち、消費電力を増大させる結果となっている。
【0017】
また、転送データの高速化に伴う配線数の増大は配線のための物理的スペースを要し、当然の事ながら機器のデザインに対し大きな制約を課すことになる。
特に、クラムシェル型構造などにおいて配線がヒンジ部などの可動部を通る場合は、可動部の折れ曲がり具合により特性インピーダンスが変化するため、状況によってインピーダンス不整合が生じ、折れ曲がり部での反射等により信号劣化を引き起こす。このため、伝送されるデータの速度が制限されたり、実装方法や部品の配置が制約を受けるという問題点があった。
【0018】
また、表示体素子や撮像素子の高分解能化および高速化に対応するには、ヒンジ部を介してやり取りされる信号数は数十本となる上に、基板上の配線を使用できないので、フレキシブル基板をコネクタを介して接続することになる。フレキシブル基板やコネクタによる接続は、コストが高い上に接続信頼性も低いという欠点を有していた。
これらの問題は同一の電子装置内に従来の無線通信技術を導入し、配線が困難な部分のデータ転送を電磁波信号により無線転送すれば一気に解決できる。
【0019】
しかしながら、従来の無線通信技術を電子装置内のデータ転送に導入するには、導線により伝送していた場合に比較し、その仕組みが非常に複雑であり、実装には困難が伴うという問題があった。
また、従来の無線通信技術による情報伝送は同一電子装置内であっても、通信に用いられる電磁波信号が漏洩するため、安全性に問題があった。すなわち盗聴などによって通信の安全性が脅かされるという問題があった。
【0020】
そこで、本発明は、従来の無線通信技術を改善し同一の電子装置内におけるデータ伝送に応用することを可能にして、上述のような種々の問題や制約を持つデータの高速度伝送の方法を無線化し、従来の情報伝送方式の欠点や制約を除去し、低コストで信頼性の高い電子装置および無線通信端末を実現することを第1の目的とする。
また、本発明は、従来の同一電子装置内の情報伝送に関する種々の問題や制約を無線通信技術の応用により除去する場合の安全性上の問題点を解決し、従来の情報伝送方式の欠点や制約を除去し、低コストで信頼性の高い電子装置および無線通信端末を実現することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の情報伝送方式は、第1カテゴリー情報を伝送する無線通信手段と、第2カテゴリー情報を伝送する有線通信手段を具備し、前記第1カテゴリー情報の無線通信と前記第2カテゴリー情報の有線通信は一通信リンク内で行われることを特徴とする。
上記構成によれば、高速伝送の困難な信号群の伝送を無線により伝送し、送信データの高速化に伴う様々な問題を回避し、無線伝送に必要な同期情報等の信号を有線で送信することで、無線化に伴うシステムの複雑化の回避ができる。
【0022】
これによって、システムを複雑にすることなく、高速データの送信信号は空間を伝播して伝えることができ、そのための配線は不要となりフレキシブル基板やコネクタといった配線が簡略化でき、これらに起因するコスト高や信頼性の問題が無くなる。また、インピーダンスマッチングのための終端やデータ伝送速度の高速化に伴い上昇する消費電力の問題も回避できる。また、配線の引き回しや部品配置の制約が緩和でき、電子装置のデザインや使い勝手を向上することができる。またさらに、信号伝送に使用される電磁波は同一システム内という至近距離で行われるため、この距離内での通信が確保できさえすれば良く、放射電磁波の強度を限界まで下げることが出きるので、EMI特性が本質的に改善され対策が容易になる。なお、一通信リンクとは、通信が途切れることなく行われる期間をいい、一通信リンク内においては、送信と受信が少なくとも1回対で行われる。
【0023】
本発明の電子装置は、第1カテゴリー情報を無線通信する無線通信部と、第2カテゴリー情報を有線通信する有線通信部を具備し、前記第1カテゴリー情報の無線通信と前記第2カテゴリー情報の有線通信は一通信リンク内で行われることを特徴とする。
上記構成によれば、電子装置内の情報伝送に伴う種々の問題を上記情報伝送により除去できるので、電子装置の実現が容易となる。
【0024】
本発明の電子装置は、第1カテゴリー情報を無線通信する無線通信部と、前記第1カテゴリー情報の制御または処理に用いられる第2カテゴリー情報を有線通信する有線通信部とを具備することを特徴とする。
上記構成によれば、無線通信にて送られる情報の一部を有線通信にて受け持つことが可能となり、無線通信にかかる負荷を軽減しつつ、第1カテゴリー情報を無線通信にて送ることが可能となる。このため、セキュリティの劣化や回路規模の増大などの無線通信に伴う問題を緩和しつつ、配線数の増大や部品配置の制約などの有線通信に伴う問題を緩和することができ、電子装置の大画面化および多機能化に対応しつつ、電子装置の小型薄型化に対応することができる。
【0025】
また、本発明にかかる電子装置は、第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、前記情報発信部の第1カテゴリー情報を暗号化する暗号部と、前記暗号部により暗号化された第1カテゴリー情報を電磁波信号により送信する無線送信部と、前記無線送信部により送信された電磁波信号を受信する無線受信部と、前記無線受信部で受信した信号を復号する復号部と、暗号鍵を第2カテゴリー情報として生成する鍵生成部と、前記鍵生成部により生成された暗号鍵を前記暗号部および復号部に有線通信にて配信する有線通信部とを備えることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、電子装置内において無線でやり取りされる情報は暗号で送られるため、それが第三者に漏洩しても、暗号鍵が無い限り解読できず、安全性を向上させることができる。暗号鍵は頻繁に更新することが可能で、しかも有線通信にて相手側に伝送されるため、暗号鍵が第三者に渡ることも無い。すなわち暗号を用いる場合に問題となる鍵配布時の問題(KDP:Key Distribution Problem)がない。
【0027】
本発明にかかる電子装置は、第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、乱数を第2カテゴリー情報として生成する乱数生成部と、前記乱数発生部により発生された乱数を有線通信により配信する有線通信部と、前記情報発信部の発信した第1カテゴリー情報に前記乱数を加算する加算部と、前記加算部により加算された情報を電磁波信号により送信する無線送信部と、前記無線送信部より送信された電磁波信号を受信する無線受信部と、無線通信部にて受信された情報から前記乱数を減算し復号する減算部とを備えることを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、電子装置内において無線でやり取りされる情報は乱数と加算されているので、漏洩しても第三者が内容を知ることができず、安全性が確保される。乱数は頻繁に変更できしかも有線通信にて受信側に送信されるので、加算される乱数が第三者に盗まれることもない。
本発明にかかる電子装置は、第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、拡散符号を第2カテゴリー情報として生成する拡散符号生成部と、前記拡散符号生成部により発生された拡散符号を有線通信により配信する有線通信部と、前記情報発信部の発信した第1カテゴリー情報を前記拡散符号により拡散変調する変調部と、前記変調部により変調された情報を電磁波により送信する無線送信部と、前記電磁波信号を受信する無線受信部と、前記無線受信部にて受信された情報を前記拡散符号により逆拡散する復調部とを備えることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、電子装置内において無線でやり取りされる情報は拡散符号により拡散変調されているので、信号が漏洩しても、第三者は拡散符号が無い限り復調する事ができず内容を知ることができないので安全性が確保される。拡散符号は頻繁に変更でき、しかも有線通信にて受信側に送信されるので、拡散符号が第三者に盗まれることもない。また、拡散利得を稼ぐことにより、この無線通信路が当該電子装置に影響を与えたり、逆に電子装置が発する電磁波信号や電磁波ノイズの影響を受けることが無い。
【0030】
本発明にかかる電子装置の有線通信部は、電源線に信号を重畳し通信することを特徴とする。
上記構成によれば、有線通信部は電源線に重畳された信号により通信を行うので、そのための特別な配線の必要がなく、きわめて少ない配線数で大量のデータを簡単に伝送することが可能となる。
【0031】
本発明の電子装置は前記第1カテゴリー情報を電磁波信号に変換する電磁波変換部と、前記電磁波信号を受信し、前記第1カテゴリー情報に復元する電磁波復元部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、簡単な構成で信号伝送の電磁波(電波)による無線化ができる。特に、信号が無線で伝送される送信側と受信側で、有線によって伝送される共通の制御信号を利用するため、送受信端での特性のばらつきやタイミングのばらつきを吸収でき、高精度の部品を使わなくても、品質の良い通信が確保できる。
【0032】
本発明の電子装置の前記電磁波変換部と前記電磁波復元部は、同一の搬送波発振器が発生する搬送波で駆動されることを特徴とする。
上記構成によれば、信号が無線で伝送される送信側と受信側の双方が、有線によって伝送される共通の信号によって発生する搬送波で駆動されるため、受信側で同期検波の同期を取る必要がない。そのため、送受信端で高精度の部品を使用することなく、簡単な回路構成により品質の良い通信の確保が可能となる。
【0033】
本発明の電子装置の前記電磁波変換部はスペクトル拡散変調を行い、前記電磁波復元部はスペクトル逆拡散を行い、前記電磁波変換部および前記電磁波復元部の同期情報は有線で伝送されることを特徴とする。
上記構成によれば、スペクトル拡散変調により複数の信号をシリアル化せずに多重化して送ることができ、リアルタイム特性がよい。また、拡散利得を稼ぐこともできるので、送信される電磁波信号がシステムへ与える干渉、あるいはシステムから受ける干渉の少ないロバストなシステムを構築できる。さらに、送受信端で同期情報が有線で伝送されるため、受信端では受信電磁波信号から同期捕捉のための同期回路が不要となり、逆拡散回路も簡素なものが使用でき、回路の簡素化が容易である。
【0034】
本発明の電子装置の前記電磁波変換部はUWB信号への変調を行い、前記電磁波復元部はUWB信号からの復調を行い、前記電磁波変換部および前記電磁波復元部の同期情報は有線で伝送されることを特徴とする。
上記構成によれば、電波によって通信を行う携帯電話のような電磁波発生が基本的機能である電子装置の強電磁界環境化においても、UWB特有の広帯域性、低スペクトル密度特性によって高速で信頼性の高いデータ伝送が可能となる。UWB通信であれば、法律によって許容される最大放射電磁界の規定が緩和され、より受信側の設計が容易となる。さらに、UWBの変調器および復調器は、有線によって伝送される同一の同期情報を使用するので、受信側において同期抽出する回路が不要であり、回路の簡素化が図れる。
【0035】
本発明の電子装置は、第1カテゴリー情報を変調し電磁波信号として送信する無線送信部と、前記電磁波信号を受信し復調する無線受信部と、第2カテゴリー情報を電源線に重畳し伝送する有線送信部と、前記電源線に重畳された信号を分離する有線受信部を具備し、前記第1カテゴリー情報および第2カテゴリー情報は前記無線送信部および有線送信部により一通信リンク内に送信され、かつ前記無線送信部と無線受信部は共通の前記電源線より電源が供給されていることを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、高速伝送の困難な信号群の伝送を無線により伝送し、送信データの高速化に伴う様々な問題を回避し、無線伝送に必要な同期情報等の信号を電源線に重畳し有線で伝送することで、無線化に伴うシステムの複雑化の回避し、しかも有線路も電源線と共用するので、配線に伴う困難も軽減することができる。
【0037】
これによって、システムを複雑にすることなく、高速データの送信信号は空間を伝播して伝えることができ、そのための配線は不要となりフレキシブル基板やコネクタといった配線が簡略化でき、これらに起因するコスト高や信頼性の問題が無くなる。また、インピーダンスマッチングのための終端やデータ伝送速度の高速化に伴い上昇する消費電力の問題も回避できる。また、配線の引き回しや部品配置の制約が緩和でき、電子装置のデザインや使い勝手を向上することができる。またさらに、信号伝送に使用される電磁波は同一システム内という至近距離で行われるため、この距離内での通信が確保できさえすれば良く、放射電磁波の強度を限界まで下げることが出きるので、EMI特性が本質的に改善され対策が容易になる。しかも、有線路も電源線と共用するので配線に伴う困難も軽減することができる。
【0038】
本発明の電子装置の前記無線送信部は、基準信号を発生する制御部と、前記基準信号に同期して前記第1カテゴリー情報を電磁波信号に変換する変調部を具備し、前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期して前記第1カテゴリー情報を復調する復調部を具備することを特徴とする。
【0039】
上記構成によれば、無線送信部と無線受信部は同一の基準信号に同期して動作することができるので、受信側で同期のための回路が不要となり、第1カテゴリー情報を送受信するためのハードウエアの構成を著しく簡素化できる。
本発明の電子装置の前記無線送信部は、基準信号を発振する制御部と、前記基準信号に同期した搬送波を発振する第1搬送波発振部と、前記搬送波発振部の発する搬送波を第1カテゴリー情報で変調し電磁波信号に変換する変調部を具備し、前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期した搬送波を発振する第2搬送波発振部と、前記第2搬送波発振部の発する搬送波を使って第1カテゴリー情報を復調する復調部を具備することを特徴とする。
【0040】
上記構成によれば、無線送信部と無線受信部は同一の基準信号に同期して発生する搬送波によって動作することができるので、受信側での搬送波再生のための同期捕捉やトラッキングの回路が不要となり、第1カテゴリー情報を送受信するためのハードウエアの構成を著しく簡素化できる。
【0041】
本発明の電子装置の前記無線送信部は、基準信号を発振する制御部と、前記基準信号に同期した搬送波を発振する第1搬送波発振部と、前記搬送波発振部の発する搬送波を第1カテゴリー情報で前記基準信号に同期して変調し電磁波信号に変換する変調部を具備し、前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期した搬送波を発振する第2搬送波発振部と、前記第2搬送波発振部の発する搬送波を使って第1カテゴリー情報を前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期して復調する復調部を具備することを特徴とする。
【0042】
上記構成によれば、電源線に重畳された一つの基準信号にて無線送信部と無線受信部の同期を取ることができ、かつ前記基準信号に同期して発生するトラッキングの取れた搬送波によって動作することができるので、受信側での同期のための回路や搬送波再生のための回路が不要となり、第1カテゴリー情報を送受信するためのハードウエアの構成を著しく簡素化できる。
【0043】
本発明の電子装置の前記無線送信部は、位相変調により第1カテゴリー情報を変調し、変復調の搬送波情報を第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し、前記無線送信部で送信される送信パケットは、前記第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号に同期が取られることを特徴とする。
上記構成によれば、第1カテゴリー情報を送受信する無線送信部および無線受信部を簡単な回路構成で実現でき、信号伝送の電磁波(電波)による無線化ができる。特に、信号が無線で伝送される送信側と受信側では、電源線に重畳され伝送される共通の制御信号を利用するため、送受信端での特性のばらつきやタイミングのばらつきを吸収でき、高精度の部品を使わなくても品質の良い通信が確保できる。
【0044】
本発明の電子装置の前記無線送信部は、スペクトル拡散変調により前記第1カテゴリー情報を変調し、無線受信部は、前記第1カテゴリー情報をスペクトル逆拡散し復調し、変復調の拡散コードの同期情報または搬送波情報を第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し同期を取ることを特徴とする。
【0045】
上記構成によれば、スペクトル拡散変調により、複数の信号をシリアル化せずに多重化して送ることができ、リアルタイム特性がよい。また、拡散利得を稼ぐこともできるので、送信される電磁波信号がシステムへ与える干渉、あるいはシステムから受ける干渉の少ないロバストなシステムを構築できる。さらに、送受信端では同期情報または搬送波情報が電源線に重畳されて伝送されるため、受信端ではその信号を利用して、同期タイミングや搬送波を再生できるので、受信側にて同期捕捉のための同期回路が不要となり、逆拡散回路も簡素なものが使用でき、回路の簡素化が容易である。また、搬送波も簡素な回路で再生でき、回路の簡素化が可能である。しかも、第2カテゴリー情報は電源線に重畳されているので、配線数も最小にできる。
【0046】
本発明の電子装置の前記無線送信部は、UWB変調により第1カテゴリー情報を変調し、復調のためのパルステンプレートの同期情報は前記第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し同期が取られることを特徴とする。
上記構成によれば、電波によって通信を行う携帯電話のような電磁波発生が基本的機能である電子装置の強電磁界環境化においても、高速の信頼性の高いデータ伝送が可能となる。UWB通信であれば、法律によって許容される最大放射電磁界の規定が緩和され、より受信側の設計が容易となる。さらに、UWBの変調器および復調器は有線によって伝送される同一の同期情報を使用するので、受信側において同期抽出する回路が不要であり、回路の簡素化が図れる。しかも、第2カテゴリー情報は電源線に重畳されているので、配線数も最小にできる。
【0047】
本発明の電子装置の第2カテゴリー情報は、前記第1カテゴリー情報の無線通信に関する同期情報または搬送波情報を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、無線伝送に際し、受信側で同期捕捉のための手続きや回路を省略し、無線伝送のための回路を簡略化することができる。また、無線伝送に際し、送信側と受信側の搬送波を常にトラッキングさせることができるため、搬送波発振器の精度を著しく緩和でき、第1カテゴリー情報を送受するための送受信のためのハードウエアの精度を著しく緩和でき、コストメリットが大きい。
【0048】
本発明の電子装置の第2カテゴリー情報は前記第1カテゴリー情報の受信状態を示す情報を含み、前記第1カテゴリー情報の受信側から送信側に伝送されることを特徴とする。
上記構成によれば、無線で送信された情報の受信状況によって受信側から送信側に受信状況を簡単にフィードバックし、受信品質の確保が容易に行える。また、第1カテゴリー情報を受信する最低限の送信電力に制御できるので、EMIの対策を容易にし、また情報漏洩に対する安全性の確保にも効果がある。
【0049】
本発明の電子装置の前記第1カテゴリー情報は、画像データ、テキストデータ、音声データのいずれかを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、画像や音声およびテキストといったマルチメディア情報を扱う多様な電子装置の実現を容易にすることができる。
本発明の電子装置は、前記第1カテゴリー情報を記憶する記憶部と、前記第1カテゴリー情報を表示する表示体と、前記表示体の駆動順序に合わせて前記記憶部から前記第1カテゴリー情報を読出し出力する表示制御部と、前記表示制御部が読み出した前記第1カテゴリー情報に基づき前記表示体を駆動する表示体駆動部とを備えることを特徴とする。
【0050】
上記構成によれば、システムを複雑にすることなく、液晶に表示させる表示情報は空間を伝播して伝えることができ、そのための配線は不要となり、フレキシブル基板やコネクタといった配線が簡略化でき、これらに起因するコスト高や信頼性の問題が無くなる。また、インピーダンスマッチングのための終端やデータ伝送速度の高速化に伴い上昇する消費電力の問題も回避できる。また、配線の引き回しや部品配置の制約が緩和でき、電子装置のデザインや使い勝手を向上することができる。またさらに、信号伝送に使用される電磁波は同一システム内という至近距離で行われるため、この距離内での通信が確保できさえすれば良く、放射電磁波の強度を限界まで下げることが出きるので、EMI特性が本質的に改善され対策が容易になる。
【0051】
本発明の電子装置は撮像素子と、前記撮像素子が撮影した画像信号を前記第1カテゴリー情報として読み出し出力する撮像制御手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、撮像素子と撮像素子で得た画像データを使用するホスト側との間の信号のやり取りが無線化されるため、その間の配線が不要となり、撮像素子の大型化に伴い露見したさまざまな問題を回避できる。すなわち、クラムシェル構造の筐体でも容易に実装できる、フレキシブル基板やコネクタといった配線の必要がなくこれらに起因するコスト高や信頼性の問題が無くなる、高い伝送速度にも対応が可能などの効果がある。特に、カメラにおいては、光学系と電子部品を同一筐体に実装しなければならず、電子部品実装の制約が多かったが、本発明の上記構成により、この制約を緩和することができる。
【0052】
本発明の電子装置は、集積回路上の電子回路と集積回路外部とで伝送される情報を第1カテゴリー情報として無線伝送することを特徴とする。
上記構成によれば、半導体集積回路のパッケージの入出力ピンの一部を無線化することができるので、その数を減らし、パッケージのサイズおよびコストを低減できる。
本発明による電子装置は、表示部と、スピーカ部と、前記表示部に表示する画像データおよび前記スピーカ部を駆動する音響データを生成するデータソース部とを備え、前記表示部またはスピーカ部とデータソース部の間で伝送される前記画像データおよび音響データを第1カテゴリー情報として無線伝送することを特徴とする。
【0053】
上記構成によれば、映像データおよび音響データを扱うマルチメディア機器のスピーカやディスプレイと、チューナレコーダ部との接続を簡易なハードウエアで無線接続でき、その相互接続を容易にできる。
本発明にかかる無線通信端末は、第1筐体部と、前記第1筐体部に連結された第2筐体部と、前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、前記第1筐体部または前記第2筐体部に搭載された外部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記外部無線通信用アンテナを介して行われる外部無線通信の制御を主として司る外部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載された表示部と、前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、前記第1筐体部または前記第2筐体部に搭載され、前記内部無線通信にて送られる一部の情報を有線にてやり取りする有線通信部とを備えることを特徴とする。
【0054】
上記構成によれば、無線通信を有線通信にて補助しながら、無線通信端末の筐体間のデータ伝送を無線で行うことが可能となる。このため、無線通信端末に搭載される表示部の高解像度化に対応して、筐体間でやり取りされるデータ量が増大した場合においても、筐体間の配線数の増大を抑制しつつ、筐体間でデータ通信を滞りなく行うことが可能となる。この結果、無線通信端末にクラムシェル構造が採用された場合においても、連結部の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、無線通信端末の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、無線通信端末の携帯性を損なうことなく、無線通信端末の大画面化および多機能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を開いたときの状態を示す斜視図。
【図2】本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を閉じたときの状態を示す斜視図。
【図3】本発明の無線通信制御方法が適用される回転式携帯電話の外観を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施例の要部を示すブロック図。
【図5】本発明の電子装置の一実施例を示す断面図。
【図6】本発明の情報伝送方式を利用した電子装置の一実施例を示すブロック図。
【図7】本発明の情報伝送方式を使った電子装置の他の実施例を示すブロック図。
【図8】本発明にかかる電子装置の実施例5および実施例6の変調器および復調器をより詳述するブロック図。
【図9】本発明にかかる実施例7および実施例8を詳述するタイム図。
【図10】本発明にかかる他の電子装置の実施例の要部のブロック図。
【図11】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図12】本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。
【図13】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図14】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図15】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図16】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示す断面図。
【図17】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図18】本発明にかかる電子装置の実施例16の変調器および復調器をより詳述するブロック図。
【図19】本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。
【図20】本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。
【図21】本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。
【図22】本発明にかかる電子装置の重畳回路および分離回路の他の一実施例のブロック図。
【図23】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図24】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例の要部を示すブロック図。
【図25】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図26】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図27】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図28】本発明にかかる電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図29】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図30】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図31】本発明の電子装置のさらに他の一実施例を示すブロック図。
【図32】有線通信および無線通信のタイミングの一実施例を示す図。
【図33】有線通信および無線通信のタイミングの他の実施例を示す図。
【図34】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図35】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図36】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図37】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図38】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図39】有線通信および無線通信のタイミングのさらに他の実施例を示す図。
【図40】従来の液晶表示体を持つ電子装置を説明するブロック図。
【図41】従来の液晶表示体を持つ電子装置の動作を説明するタイム図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の実施形態を図面を使って説明する。
【実施例1】
【0057】
図1は、本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を開いたときの状態を示す斜視図、図2は、本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を閉じたときの状態を示す斜視図である。
図1および図2において、第1筐体部1の表面には、操作ボタン4が配置されるとともに、第1筐体部1の下端にはマイク5が設けられ、第1筐体部1の上端には外部無線通信用アンテナ6が取り付けられている。また、第2筐体部2の表面には、表示体8が設けられるとともに、第2筐体部2の上端にはスピーカ9が設けられている。また、第2筐体部2の裏面には、表示体11および撮像素子12が設けられている。なお、表示体8、11としては、例えば、液晶表示パネル、有機ELパネルまたはプラズマディスプレイパネルなどを用いることができる。また、撮像素子12としては、CCDまたはCMOSセンサなどを用いることができる。また、第1筐体部1および第2筐体部2には、第1筐体部1と第2筐体部2との間で内部無線通信を行う内部無線通信用アンテナ7、10がそれぞれ設けられている。
【0058】
そして、第1筐体部1および第2筐体部2はヒンジ3を介して連結され、第2筐体部2をヒンジ3を支点として回転させることにより、第2筐体部2を第1筐体部1上に折り畳むことができる。そして、第2筐体部2を第1筐体部1上に閉じることにより、操作ボタン4を第2筐体部2にて保護することができ、携帯電話を持ち歩く時に操作ボタン4が誤って操作されることを防止することができる。また、第2筐体部2を第1筐体部1から開くことにより、表示体8を見ながら操作ボタン4を操作したり、スピーカ9およびマイク5を使いながら通話したり、操作ボタン4を操作しながら撮像を行ったりすることができる。
【0059】
ここで、クラムシェル構造を用いることにより、第2筐体部2のほぼ一面全体に表示体8を配置することができ、携帯電話の携帯性を損なうことなく、表示体8のサイズを拡大させることを可能として、視認性を向上させることができる。
【0060】
また、内部無線通信用アンテナ7、10を第1筐体部1および第2筐体部2にそれぞれ設けることにより、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第1筐体部1と第2筐体部2との間のデータ伝送を行うことができる。例えば、外部無線通信用アンテナ6を介して第1筐体部1に取り込まれた画像データや音声データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2に送り、表示体8に画像を表示させたり、スピーカ9から音声を出力させたりすることができる。また、撮像素子12にて撮像された撮像データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2から第1筐体部1に送り、外部無線通信用アンテナ6を介して外部に送出させることができる。
【0061】
これにより、第1筐体部1と第2筐体部2との間のデータ伝送を有線で行う必要がなくなり、多ピン化されたフレキシブル配線基板をヒンジ3に通す必要がなくなる。このため、ヒンジ3の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、携帯電話の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、携帯電話の携帯性を損なうことなく、携帯電話の大画面化および多機能化を図ることができる。
【0062】
なお、外部無線通信用アンテナ6は第1筐体部1に装着されているが、第2筐体部2に装着してもよい。この場合の方が使用時において第2筐体部2によって外部無線通信用アンテナ6が遮られることがなく、能率のよい通信が期待できる。この場合には、第1筐体部1に内蔵される携帯電話の通信制御部から同軸ケーブルなどにより外部無線通信用アンテナ6に給電される。
【0063】
また、第1筐体部1と第2筐体部2との間で内部無線通信を行う場合、内部無線通信にて送られる第1カテゴリー情報の制御または処理に用いられる第2カテゴリー情報を第1筐体部1と第2筐体部2との間で有線にてやり取りするようにしてもよい。これにより、高速伝送の困難な信号群の伝送を無線により伝送し、送信データの高速化に伴う様々な問題を回避し、無線伝送に必要な同期情報等の信号を有線で送信することで、無線化に伴うシステムの複雑化の回避ができる。
【実施例2】
【0064】
図3は、本発明の無線通信制御方法が適用される回転式携帯電話の外観を示す斜視図である。
図3において、第1筐体部21の表面には、操作ボタン24が配置されるとともに、第1筐体部21の下端にはマイク25が設けられ、第1筐体部21の上端には外部無線通信用アンテナ26が取り付けられている。また、第2筐体部22の表面には、表示体28が設けられるとともに、第2筐体部22の上端にはスピーカ29が設けられている。また、第1筐体部21および第2筐体部22には、第1筐体部21と第2筐体部22との間で内部無線通信を行う内部無線通信用アンテナ27、30がそれぞれ設けられている。
【0065】
そして、第1筐体部21および第2筐体部22はヒンジ23を介して連結され、第2筐体部22をヒンジ23を支点として水平に回転させることにより、第2筐体部22を第1筐体部21上に重ねて配置したり、第2筐体部22を第1筐体部21からずらしたりすることができる。そして、第2筐体部22を第1筐体部21上に重ねて配置することにより、操作ボタン24を第2筐体部22にて保護することができ、携帯電話を持ち歩く時に操作ボタン24が誤って操作させることを防止することができる。また、第2筐体部22を水平に回転させて、第2筐体部22を第1筐体部21からずらすことにより、表示体28を見ながら操作ボタン24を操作したり、スピーカ29およびマイク25を使いながら通話したりすることができる。
【0066】
ここで、内部無線通信用アンテナ27、30を第1筐体部21および第2筐体部22にそれぞれ設けることにより、内部無線通信用アンテナ27、30を用いた内部無線通信にて第1筐体部21と第2筐体部22との間のデータ伝送を行うことができる。例えば、外部無線通信用アンテナ26を介して第1筐体部21に取り込まれた画像データや音声データを、内部無線通信用アンテナ27、30を用いた内部無線通信にて第2筐体部22に送り、表示体28に画像を表示させたり、スピーカ29から音声を出力させたりすることができる。
【0067】
これにより、多ピン化されたフレキシブル配線基板をヒンジ23に通す必要がなくなり、ヒンジ23の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となる。このため、コストアップを抑制しつつ、携帯電話の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、携帯電話の携帯性を損なうことなく、携帯電話の大画面化および多機能化を図ることができる。
【0068】
また、第1筐体部21と第2筐体部22との間で内部無線通信を行う場合、内部無線通信にて送られる第1カテゴリー情報の制御または処理に用いられる第2カテゴリー情報を第1筐体部21と第2筐体部22との間で有線にてやり取りするようにしてもよい。これにより、高速伝送の困難な信号群の伝送を無線により伝送し、送信データの高速化に伴う様々な問題を回避し、無線伝送に必要な同期情報等の信号を有線で送信することで、無線化に伴うシステムの複雑化の回避ができる。
【0069】
なお、上述した実施形態では、携帯電話を例にとって説明したが、ビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistance)、ノート型パーソナルコンピュータなどに適用することもできる。
【実施例3】
【0070】
図4は本発明にかかる情報伝送方式の実施例の要部を示す概念図である。
図4において、送信部ブロック112および受信部ブロック113が設けられ、送信部ブロック112から受信部ブロック113へデータを送信するものとする。ここで、信部ブロック112には、送信情報を有する回路要素101が設けられ、受信部ブロック113には、送信情報を受信する回路要素104が設けられている。また、送信部ブロック112および受信部ブロック113には、有線路107を介して互いに通信を行うインターフェース回路103、105がそれぞれ設けられるとともに、無線伝播路108を介して互いに通信を行う送信アンテナ110および受信アンテナ111がそれぞれ設けられている。
【0071】
そして、回路要素101の発する送信情報は、第1カテゴリー情報および第2カテゴリー情報にカテゴリー分けされ、第1カテゴリー情報は変調器102により変調され送信アンテナ110より電磁波として送信される。第2カテゴリー情報はインターフェース回路103を経て有線路107にて伝達される。
送信アンテナ110より発せられ空間(無線伝播路108)を伝播する第1カテゴリー情報を運ぶ電磁波信号は、受信アンテナ111により受信され復調器106により復調され、回路要素104へ出力される。また、有線路107にて伝送された第2カテゴリー情報は、インターフェース回路105を介して回路要素104へ伝達される。第2カテゴリー情報は、受信部ブロック113から送信部ブロック112へ送信されることもあり、その場合は、インターフェース回路105からインターフェース回路103へ送信される。
【0072】
第1カテゴリー情報としては、有線伝送の困難な高速データやバスラインのような多重化の必要な並列データが選ばれる。これら第1カテゴリーに属する情報は無線により伝送される。送信アンテナ110から放射される電磁界は法律によって定められる上限を超えないように設定される。免許を要しない無線局として許容される放射レベルはEMIの規定よりもはるかに低いレベルであるが、通信距離が至近距離であるため、リンクバジェットを適当に設定することで十分な品質の通信路を確保できる。
【0073】
このように高速伝送が必要な大量情報は信号線を介して伝えられるのでなく、無線により空間を伝播するため、信号線を使う必要がなくなり、それに伴うコネクタやヒンジ構造の従来の問題を除去することができる。
また、従来の信号線による伝送では、高速化に伴い浮遊容量への充放電が多くなり、消費電力が増加し、さらに信号線路から発射される不要放射電力が増加し、周囲の機器への干渉対策が困難となるという欠点があった。信号線による伝送では、ロジックレベルが規定されているため、本質的に消費電力を減らすことができず、不要放射を減らすには、シールド強化などの対処療法しか方法がなかった。
【0074】
これに対して、本実施例のこのような方法によれば、同一システム内という至近距離において十分な通信品質を確保できれば良いので、送信アンテナ110からの放射電力をこの値程度まで下げることができ、消費電力の増大が本質的に改善され、EMI対策が容易となる。また、通信線路のインピーダンスマッチングのための終端に伴う消費電力の増大や、部品配置、線路の引きまわし等の制約から解放される。
【0075】
本発明に用いる無線通信の方法は、通信距離が同一筐体あるいは同一システム内に限定されるため、従来の無線通信機器に使用される技術より簡素な方法をとることができる。
その方法を具現化するのが有線伝送される第2カテゴリー情報である。第2カテゴリー情報としては、高速大量データ転送を要しないもの、無線送受信のための同期情報、発振器情報、データの受信状態をフィードバックするフィードバック情報などが考えられる。特に、通信パケットの同期情報が有線により送信されて来れば、受信側で同期情報を抽出する回路が不要となり、受信側の回路が著しく簡略化できる。
【0076】
また、スペクトル拡散やUWB通信に必要な相関器の同期情報を送ることにより、相関器の構造を著しく簡略化することもできる。さらに、発振器情報が送信できれば、送受間での基準となるクロック信号を共通化することができ、発振器に要求される発振周波数精度が著しく緩和され、電子装置の実現が容易となる。また、携帯電話やブルートゥース(Bluetooth)またはUWBのような近距離通信インターフェースを持つ電子装置のような場合で、第1カテゴリー情報を送る電磁波が電子装置本来の通信に妨害を与えることがある場合、電子装置の使用する電波に妨害を与えないよう電子装置の動作状況を第2カテゴリー情報として第1カテゴリー情報の送受間でやり取りすることにより、第1のカテゴリー情報を伝送する電磁波の周波数や送信電力を変更し、本来の通信への妨害を除去することができる。すなわち、第2カテゴリー情報として携帯電話などでは、その送信チャネルの周波数、ブルートゥースやUWBではそのホッピングパターンなどが選ばれる。
【0077】
第2カテゴリー情報は、前記第1カテゴリー情報の受信側から送信側に向けて送られることもある。このようにして、第1カテゴリー情報の受信状況をフィードバックし、たとえば、再送要求や、放射される電磁波エネルギーの増減要求、伝送路のひずみを改善するためのプリエンファシスパラメータなどを受信側から送信側に送り、少ないハードウエアコストによって通信の品質を高めることが可能である。特に、放射される電磁波エネルギーの増減要求をフィードバックすると、受信側で通信品質を確保できる最低限の電磁波エネルギーに設定でき、不要放射を減らすことができる。これは受電端の信号レベルが規定されており、その規定値を確保するために大きなエネルギーで浮遊容量とともに駆動される従来の有線による高速データ伝送の不要放射電磁界エネルギーよりも低い値であり、EMI対策が極めて容易になる。また、浮遊容量を含めて駆動する信号線が無くなり、無線で伝送するために消費電力も減らすことが可能である。
【実施例4】
【0078】
図5は本発明にかかる電子装置の一実施例を示す図である。
図5において、電子装置は本体部205と表示部209に分けられ、ヒンジ207を介して一体化されている。ここで、電子装置には様々な入出力デバイス例えばキーボードや表示装置が接続される。すなわち、本体部205には、電子装置本体の機能制御を受け持つ本体部基板203、入力装置としてのキーボード204、本体基板203上の電子回路の制御によって表示データを生成する液晶コントローラ208が設けられている。また、表示部209には、表示装置としての液晶表示体206が設けられている。また、本体部205および表示部209には、互いに無線通信を行なうための送信アンテナ212および受信アンテナ210がそれぞれ設けられている。また、本体部205および表示部209は、互いに有線通信を行なうための線路211にて接続されている。
【0079】
そして、液晶コントローラ208が発生する表示データは第1カテゴリー情報として変調器200に送られ変調され、送信アンテナ212より電磁波(電波)に変換され空間を伝播する。送信アンテナ212より送信された電磁波信号は受信アンテナ210により受信され、復調器202により表示データに復調され、液晶ドライバ201に送られ、液晶表示体206に表示される。
【0080】
変調器200および復調器202の同期信号は、第2カテゴリー情報として線路211を通って復調器202に伝送される。この信号はデータ速度がそれほど高くなく、また必要な信号線の本数も少ないので、ヒンジを通って配線することは容易である。配線や部品配置の自由度も増し、図5のように信号の送信部である変調器200や送信アンテナ212および受信部である復調器202や受信アンテナ210をヒンジ207から遠いところに配置することも可能である。
【0081】
伝送しようとするデータが高速化するに伴い、データを伝送線路内で伝送させることは困難となるが、空間内の電磁波による伝送はより容易になってくる。このように、有線路で信号を送り、変調器200と復調器202との間の同期をとれば、復調器202側で同期のための同期検出が不要となり、回路が簡略化できる。近年の半導体素子製造技術の向上に伴い、このようにして高周波の無線伝送が可能な変調器200と復調器202を簡略化し、電子装置に組み込むことはわずかなコストで可能であり、実用性の高いものである。
【実施例5】
【0082】
図6は本発明にかかる情報伝送方式のより詳細な構成と、それを利用した電子装置の実施例を示すブロック図である。
図6において、CPU301は演算等により表示すべき表示データを生成し、ビデオメモリ302に記録する。液晶コントローラ303は表示体に表示させるデータ319を所定順序によりビデオメモリ302から読み出し、垂直同期信号321、水平同期信号320とともに出力する。表示するデータ319は、通常ビデオメモリ302より画素単位でワード毎に並列でデータとして読み出されるため、並直変換回路304によって並直変換されロジック回路307に伝送される。ロジック回路307は、並直変換回路304から出力された信号と、液晶コントローラ303から出力された水平同期信号320および垂直同期信号321を受けて、パケットを生成し、また同期検波のタイミング等の通信に必要な同期を取るためのプリアンブルをパケットに付与する。該パケットは搬送波発振器309で発生した搬送周波数により変調器308で変調され、終段回路328を経て送信アンテナ310より送信される。同時に搬送波発振器309の出力は、分周器326にて分周され、低い周波数に変換されて第2カテゴリー情報の一つとして有線路340にて受信側へ伝えられる。
【0083】
受信アンテナ311は前記送信アンテナ310より送信された電磁波信号を受信する。
そして、受信アンテナ311にて受信された信号は、プリアンプ312によって増幅された後、バンドパスフィルタ313により不要帯域の成分を除去され復調器314に入力される。復調器314では、第2カテゴリー情報の一つとして有線路340で送られてきた分周器326出力の周波数をPLL315により逓倍し、搬送波周波数を復元し復調器314に供給し電磁波信号の復調を行う。同期回路316では、受信信号パケット内のプリアンブルを検出し、復調に必要な同期タイミングや液晶を駆動するための同期信号を検出する。ロジック回路318は、復調されたパケットからパケット内の表示データ322にタイミングを合わせて水平同期信号323、垂直同期信号324、Xドライバの転送クロック325を発生させ、それぞれ液晶表示体のドライバすなわち図40の表示データ信号5716、水平同期信号5714、垂直同期信号5718、Xクロック信号5715に相当する信号として液晶表示体のドライバへ出力し表示を行う。
【0084】
搬送波発振器309の発振周波数は、ラジオ受信機や携帯電話のように電波を利用する電子装置の本来の目的を妨害しないような、また妨害を受けないような周波数を選択する。2GHz以上の周波数を選べば、100Mbpsのデータを伝送しても占有帯域は200MHz程度であり、通常ほとんどの場合問題無く使用が可能である。
【0085】
一般に無線通信において、送信側の変調器308と受信側の復調器314は扱う搬送波周波数が一致している必要があり、送信と受信の間の搬送波発振器の周波数には高い精度が要求され、その2者の誤差は直接通信品質の劣化となって現れる。しかし上記の本発明の構成によれば、変調器308と復調器314は同一の搬送波発振器309の信号を基準に使っているので誤差とならない。搬送波発振器309の精度は問題とならず、コストダウン効果がある。分周器326とPLL315は必須でなく、搬送波発振器309出力を復調器314に直接送っても良いが、一般的に搬送波周波数は高いため有線路を伝送するのは困難である。上記構成のように分周して周波数を下げ送信し、PLL315で逓倍して搬送波発振器309の出力と同一の搬送波を復元するほうが実現性が高い。
【0086】
評価回路327は、復調器314出力から受信状況を例えばCRCによる受信誤り率などで評価し、結果を第2カテゴリー情報として有線路340を通じて終段回路328にフィードバックする。終段回路328では、電磁波信号の受信側で十分な通信品質が確保できる最低限の送信電力となるよう送信アンテナ310に供給される電力を制御する。これによって受信信号レベルを所定値に保たなければならない従来の有線伝送路から発生する不要放射電力よりもはるかに少ない放射電力で通信品質を保つことが可能となり、根本的なEMI対策となる。
【0087】
また、このフィードバック情報によって放射電磁界の伝播路特性を補償するよう発生する電磁界に、プリエンファシスあるいはプリディストーションを付すことも可能である。
これにより、所定の放射電磁界電力で所定の通信品質を得ることができる。また、送信電力や伝播路特性は部品配置などによって大きく変わり、機器設計の初期に試作などにより試行錯誤的にパラメータ調整する必要があったが、上記構成によれば、このようなパラメータ調整や設定は自動的に行われるので、開発工数の大幅な削減効果がある。送信側を制御し通信新品質を保つこのような本実施例の方法は、受信側にAGC(自動利得制御)回路を置いて受信機感度(利得)を制御していた従来の無線通信技術とは大きく異なる概念であり、システム構成が簡素化される上、不要放射も最小限に抑制できると言う効果がある。
【0088】
上記構成を取ることで、表示体に送られる高速かつ大量の表示データの無線化が実現でき、表示体の大型化に伴いより顕在化してきた、消費電力の増大、配線位置の制約、EMI問題、信頼性劣化など有線伝送によって生じる種々の問題を除去できる。
【実施例6】
【0089】
実施例5では表示体の水平同期信号および垂直同期信号は、パケット化されて第1カテゴリー情報として電磁波路329を介して伝送されているが、液晶コントローラ303出力を直接ロジック回路318に第2カテゴリー情報として有線路で伝送しても良い。
図7は本発明にかかる情報伝送方式およびそれを使った電子装置のより簡略化された要部を示すブロック図であり、上記概念に基づきロジック回路307および同期回路316を簡略化した実施例を示す。図7と同じ番号を付した各ブロックの名称および働きは図6と同じである。
【0090】
図7において、液晶コントローラ303から出力された水平同期信号320や垂直同期信号321は第2カテゴリー情報として有線で受信側に送られる。すなわち、水平同期信号320は、図6の送信側のロジック回路307を通ることなく、受信側のロジック回路318に直接供給されるとともに、垂直同期信号321は、図6の送信側のロジック回路307を通ることなく、受信側の復調器314およびロジック回路318に直接供給される。
【0091】
これにより、送信パケットをこれらの同期信号に同期させて送信すれば、受信側では、パケットの開始を知るためのパケット同期の検出などが不要となり、同期回路316やロジック回路307が不要またはきわめて簡単になる。
【実施例7】
【0092】
図8(a)は、本発明にかかる電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図であり、実施例5および実施例6の変調器308および復調器314をより詳述する図である。
図8(a)において、搬送波発振器502は実施例5の搬送波発振器309に相当する矩形パルス発振器である。乗算器501は前記搬送波発振器502と入力データ503の乗算を行い、送信信号504として出力し送信アンテナへ送る。乗算器501は、入力データ503および搬送波発振器502出力ともデジタル信号であるため、排他的論理和回路で良い。論理0のとき値1のアナログ値、論理1のとき値‐1のアナログ値を対応させると、排他的論理和回路の入出力はちょうど乗算器として作用する。また、通信の通達距離が極めて近いため、他の機器等に与える高調波妨害などはもともと低く抑えられるため、アンテナと変調器出力の間にフィルタなどは不要である。
【0093】
復調器314は以下のように動作する。図6の受信アンテナ311により受信された受信信号は増幅され不要帯域が除去された後、受信信号507として乗算器505に入力され、PLL508により再生された搬送波クロック信号と乗算された後、ローパスフィルタ506で高周波成分が取り除かれ復調信号509が復調される。ローパスフィルタ506は、乗算器505の出力の高域周波数成分(受信信号507とPLL508の再生クロック波形とのわずかな移相差により生ずる細いパルス成分)を除去し、復調信号509として出力する。PLL508は、第2カテゴリー情報として有線で伝送され分周器500によって分周されて周波数が低減された搬送波発振器502出力を基準として、分周前の搬送波周波数を再生する。
【0094】
図9(a)〜(c)に上記に説明した変調器308のタイム図を示す。すなわち同図(a)は搬送波発振器502により生ずる搬送波クロック信号、同図(b)は送信データ503、(c)は出力される送信信号504である。同図のタイム図をデジタル回路と見れば、変調器308は排他的論理和であり、±1の値を取るアナログ値と見れば変調器308は乗算器である。
【0095】
図9(d)〜(f)に実施例7による復調器のタイム図を示す。すなわち同図(d)は受信信号、同図(e)はPLL508から発生されるパルス列、(f)は乗算器505の出力で、ローパスフィルタ506はこの信号から受信信号507とPLL508出力のわずかな位相差により生ずる高周波成分を取り除き、復調信号509を復元する。
同図から明らかなように、搬送波クロック(図9(a))と再生クロック(図9(e))は周波数が違っていたり、位相がずれていたりすると、復調がうまく作動しない。従来の無線通信では、送信側と受信側で別々に高精度の発振器を持ち誤差を最小限に抑えていた。本実施形態のこの構成によれば、受信側の再生クロックは送信側の搬送波発振器502を基準にしているので、常に同じ周波数の再生クロックが確保でき、そのため発振周波数の安定度や周波数精度による誤差が生じない。安価な発振器でも、きわめて安定度の高い回路を構築できる。
【0096】
本発明に使用される無線信号伝送は通達距離が至近距離であり、十分にSN比の良い通信品質が確保できるため、信号をデジタル値と見て良い程度まで増幅することができる。
この場合、増幅された信号レベルは論理値レベルまで大きくなるが、該論理値によって駆動される負荷は、CPUから表示体までというような大きな浮遊容量を伴う長い距離ではなく、同一半導体チップ内のような極めて短く低負荷であるため、消費電力の増大にはならない。また、受信信号507が論理値レベルまで増幅されないアナログレベルであっても、PLL508出力は(±1の値を取る)矩形であるため、乗算は簡単なスイッチ回路で実現できる。すなわち、増幅度の絶対値が等しく極性が逆の2つの増幅器を用意し、PLL508出力の論理レベル1のとき、受信信号507の反転増幅器出力をスイッチにより選び、PLL508出力の論理レベル0のとき、受信信号507の正転増幅器出力を選択することによって実現できる。このような構成の回路を乗算器505として用いても良い。
【0097】
上記構成によれば、変調器308は排他的論理和回路、復調器314も排他的論理和回路1つまたは正負の増幅度を持つ増幅器とスイッチ回路、およびローパスフィルタにより、きわめて簡単に実現できる。
【実施例8】
【0098】
図8(b)は、本発明にかかる電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図であり、実施例5および実施例6の変調器308および復調器314の他の例をより詳述する図である。
実施例7では簡素化したBPSK変調を例にとったが、実施例8では、より一般的な位相変調を使用した場合を示すために、QPSKに基づく例をあげる。搬送波発振器513は、実施例5または実施例6の搬送波発振器309に相当する矩形パルス発振器である。
QPSKでは、送信信号をシンボル毎に2ビットづつ(すなわちデータビット1およびビット2)割り当ててエンコードし送信する。すなわち基準のクロックに対して、移相量を例えば表1に示す様にエンコードして変調し送信する。エンコーダ512はデータビット1およびデータビット2のビットパターンにより表1に示すような移相となるように、移相器514および乗算器515を制御する。
【0099】
【表1】

【0100】
図9(g)〜(j)は、図8(b)に示す変調器の各部の動作を示すタイム図である。
送信データのビット1(図9(h))およびビット2(図9(i))はエンコーダ512によりエンコードされる。そして、エンコーダ512は、搬送波発振器513により発振された搬送波(図9(g))を移相器514によって90°の移相を行うかどうか、さらに乗算器515によって搬送波の反転(180°の移相)を行うかどうかを制御し、最終的にQPSK変調された送信信号515(図9(j))を出力する。
【0101】
分周器517は、実施例5または実施例6の分周器326に、またPLL520は実施例5または実施例6のPLL315に相当し、再生クロック(図9(l))を発生する。
前記PLL520の出力する再生クロックは、第1の乗算器519により受信信号518(図9(k))と乗算され、第1のローパスフィルタ523に伝送され高域成分が除去され、判別回路525に伝えられる。同時に受信信号518は、PLL520の発生する再生クロックパルス列を90°移相器522によって90°移相したパルス列(図9(o))と第2の乗算器521によって乗算され、第2のローパスフィルタ524によって高域成分が除去され、判別回路525に伝えられる。判別回路525は、前記第1、第2のローパスフィルタ523、524の出力(図9(n)および(q))から送信データを割り出して受信信号518を復調する。
【0102】
上記構成によれば、送信信号516の占有帯域を増やすことなく、データ伝送の高速化が図れる。また、変復調器とも簡単なデジタル回路で実現できるため、半導体チップ内に組み込むことができ、コストや消費電力の増加は無視できる。受信側で必要となる再生クロックは、送信側と同一の搬送波発振器513を基準にして生成しているため、送受間でのクロック周波数の精度による誤差が生じない。安価な発振器でも、安定したデータ伝送が可能である。搬送波発振器513の周波数は、送信側で一方的に変更されても、常に受信側が追従するから、例えば無線通信機のような電子装置において、通信チャネルに応じて通信チャネルに妨害を与えないような周波数を送信側で一方的に選ぶことができる。(これは上記実施例5、6、7のいずれにおいても同じである。)すなわち、通信機等の電子装置本来の目的とする通信への干渉や妨害対策を著しく容易にすることができる。
【実施例9】
【0103】
図10は本発明にかかる他の情報伝送方式および電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図である。
図10において、CPU701、ビデオメモリ702、液晶コントローラ703の機能は上記実施例5および実施例6で説明したものと同じであり、液晶コントローラ703により発生される表示データ725、水平同期信号723および垂直同期信号724は、拡散コード発生器705によって発生される拡散コードと符号多重化回路704により多重化される。この実施例では、以下のように並列データは符号多重されるため、実施例5または実施例6の並直列変換回路304による並直列変換は不要であり、したがってその逆変換すなわち直並列変換回路317も不要である。
【0104】
拡散コードとしては、互いに直交しているコードセットが用いられることが多い。表示データ725はビデオメモリ702からピクセル毎にまとまって読み出されるため、並列のデジタルデータとして出力される。このデータ信号の各ビットと拡散コード発生器705により発生される各コードと乗算し(または排他的論理和をとり)、アナログ加算し符号多重化を行う。多重化された信号は、変調器707によって搬送波発振器706で発生される搬送波で変調され、送信アンテナ708より第1カテゴリー情報として電磁波信号によって無線伝播路726を通り送信される。
【0105】
送信された電磁波信号は受信アンテナ709で受信され、プリアンプ710で増幅されバンドパスフィルタ711により所定帯域以外の不要信号が除去されたのち、復調器712により復調される。PLL715は、搬送波発振器706で発生される搬送波周波数を分周器713により分周して第2カテゴリー情報として送られてくる信号を基準として逓倍し、搬送周波数を復元する。復調器712により復調された信号は、逆拡散回路714にて拡散コード発生器716により発生される多重化のための拡散コードと相関を計算することによって、多重化されたデータが分離される。ロジック回路717は、検出した表示データや各種タイミングから、液晶ドライバを駆動するための表示データ信号718、水平同期信号719、垂直同期信号720およびXドライバのクロック信号721を発生し、液晶表示体に送り表示を行う。
【0106】
復調器712は、変調器707の搬送波発振器706で発振される同一の周波数を基準にPLL715により生成された搬送波を使用するので、搬送波周波数の精度による誤差を生じない。また、復調器712の同期検波のためのタイミングや逆拡散のためのタイミングは、第2カテゴリー情報として有線にて送信される水平同期信号723などを元に生成できる。これにより、受信側での同期捕捉のための回路が不要となり、回路の簡略化が図れる。特に、コード多重の場合には、逆拡散の回路として整合フィルタでなく相関器を使用することが可能となる。
【0107】
良く知られているように、逆拡散において整合フィルタは回路が複雑であるが、本実施例では、応答時間が短く同期も不要である。一方、相関器を逆拡散に使用するときは、同期が取れないと逆拡散を行うことができず、通常は1チップづつスライディングして試行錯誤的に計算を行うので、時間がかかり即座に逆拡散ができない。しかし、本実施例による上記構成によれば、相関器の同期情報が第2カテゴリー情報として有線で送られてくるので、同期捕捉やスライディングを行う必要がなく、非常に簡単な回路で逆拡散が可能となる。
【0108】
上記構成によれば、データの並直列変換を行うことなく、信号を多重化して送受信することができ、これは何本ものバスラインを並列に引き回すのと同等の効果がある。特に、直交コードによる多重化は制限が少なく、バスラインのように物理的なスペースも必要としない。また、送信部および受信部各々を複数個配備し、信号の送受信が必要ないくつかの異なる場所で同時に通信することも可能である。また、拡散によって拡散利得も稼ぐことが可能であり、特に携帯電話などの電波を発生する機器において、本来の目的とする電波との耐干渉および与干渉特性改善にも効果がある。また、第2カテゴリー情報として同期情報、搬送波周波数の情報が有線にて送られてくるため、送受間で搬送周波数を一致させることが容易で、搬送波発振器706の精度を要求しない。逆拡散のための同期捕捉も不要となり、逆拡散回路714が大幅に簡略化でき実現性が高い。
【実施例10】
【0109】
図11は本発明にかかるデータ伝送および電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図である。
図11において、CPU801、ビデオメモリ802、液晶コントローラ803の機能は、上記実施例5および実施例6で説明したものと同じである。液晶コントローラ803により発生される表示データ825、水平同期信号823および垂直同期信号824は、ロジック回路804により並直変換およびプリアンブル付与やパケット構築などのデータの並べ替えが行われ、シリアル信号に変換される。一次変調器805は、この信号にパルス発生器806によって発生されるパルス列を変調する。一次変調には、パルス列に対しパルス位置変調やバイフェーズパルス変調などが利用できる。一次変調を受けた信号は、拡散コード発生器808により発生された拡散コードで拡散変調器807により拡散変調される。
【0110】
拡散変調されたパルス列はパルス整形回路809によりスペクトル密度の低い広帯域パルスとなるように非常に短時間のパルスに波形整形を受けた後、送信アンテナ810によって電磁波として放射される。放射される電磁界はサイン波に変調をかけたものではなく、非常に細いパルス列である。このように短パルスで広帯域のパルスを使用する通信は、インパルスラジオ(Impulse Radio)またはUWB通信方式と呼ばれるものである。
【0111】
放射された電磁波は、無線伝播路826を通って受信アンテナ811に受信され、必要に応じてプリアンプ812により増幅された後、相関器814によってパルス発生器813の発生するパルステンプレートとの相関が計算される。前記相関器814出力は拡散コード発生器816の発生する拡散コードによって逆拡散回路815で逆拡散されたのち、復調器817で復調され、一次変調前の信号(一次変調器805の入力)に変換される。
ロジック回路818は、復調器817により検出された表示データや、送信側から第2カテゴリー情報として有線路827を通って送られてくる水平同期信号823を元に、液晶ドライバを駆動するための表示データ信号819、水平同期信号820、垂直同期信号821およびXドライバのXクロック信号822を発生し、液晶表示体に送り表示を行う。
受信側でこのような基準となるタイミング情報がある場合は、基準となるタイミング情報がない場合に比較し、相関器814やロジック回路818の構成がはるかに簡素化される。
【0112】
ここで、UWB通信の本質はきわめてスペクトル密度の低い短パルスを使用することにある。UWBを使用する場合、放射エネルギーの法的な上限はEMIで規制される不要放射レベル程度まで許容されており、免許を要しない無線局の上限よりはるかに(20dB程度)緩い。このため、携帯電話のような本来の目的である強い電波を内部で発生するような電子装置においても、十分な通信品質を確保できるリンクバジェットの設定が容易となる。使用するパルスはパルス幅を狭くして波高値を高く設定できるので、プリアンプ812を省略することが可能である。
【0113】
UWBを近距離通信のインターフェースとして持つ電子装置の場合、電子装置内のデータ伝送に本実施例を適用しようとすると、互いに干渉し重大な妨害となる可能性があるが、これは時間軸上の窓を同期させる、周波数ホッピングを行いそのホッピングシーケンスを同期させるなどの方法で回避できる。その場合の同期情報は、第2カテゴリー情報として本実施例を適用すればよい。
【0114】
上記構成によれば、変調操作は時間軸上のみで行われ、構成要素のほとんどがパルスを扱うデジタル回路のみで実現でき、回路素子のIC化が容易である。短パルスの採用によって時間方向の拡散利得を稼ぎ、電子装置本来の機能として発射される電波との耐干渉、与干渉特性を改善するばかりでなく、通信伝送路としてのマルチチャネル化も図ることができる。
【実施例11】
【0115】
図12は、本発明にかかる電子装置のその他の実施例の要部のブロック図を示す図であり、本発明にかかる情報伝送方式を、撮像素子を用いる電子装置に応用した例を示す。
図12において、撮像素子901は、制御回路902から発生される水平同期信号920および垂直同期信号921により起動され、撮像した画像データ919を出力する。ロジック回路903は、これらの信号を受けて無線伝送のためのパケットを構築する。該パケットは、搬送波発振器906により発生された搬送波を変調器905により変調し、送信アンテナ907から電磁波として放射される。
【0116】
前記送信アンテナ907から送信された電磁波信号は無線伝播路(空間)922を通って伝播し、受信アンテナ908で受信されプリアンプ909で増幅され、バンドパスフィルタ910により不要な帯域外信号が除去され復調器912に入力される。PLL915は、搬送波発振器906から出力される搬送波を分周器904で分周し第2カテゴリー情報として有線路923を通って送られてくる分周器904出力を搬送波周波数に逓倍して搬送波を生成し、復調器912に入力する。復調器912はまた、第2カテゴリー情報として有線路923を通って伝送されてくる制御回路902からの信号から復調に必要な同期タイミングも利用し、受信信号の復調を行う。直並列変換回路914は、復調された受信パケットの中から画像データ部分を抽出し、画素毎に直並列変換を行い、画素データを生成する。
【0117】
ロジック回路916は復調された画素データに合わせてビデオメモリ917に書きこむためのメモリアドレスを発生し、直接またはCPU918を介して画像データをビデオメモリ917の該アドレスに書きこむ。CPU918は、ビデオメモリ917にアクセスし、画像データを様々なアプリケーションに使用する。
通常撮像素子901の起動などのコントロールはCPU918が行うが、この起動に関する情報を撮像素子901の制御回路902へ伝送する方法は、ビットレートが低いため第2カテゴリー情報として有線で伝送するのが良いが、無線伝送することもできる。その場合は、CPU918側および撮像素子901側の双方で送受信手段を持ち、双方向通信を行う。特に、クラムシェル構造の携帯電話では、撮像素子901と表示素子は接近して置かれ、CPU918側とは反対側にあることが多く、撮像された画像データはCPU918側に送られて処理された後、表示素子側に送り返される。このような場合は、実施例5または実施例6を背中合わせに置いたような構成を取ることで実現が可能である。
【0118】
上記構成、すなわち撮像素子901からのデータ伝送を無線化することで、撮像素子901の大型化に伴いより顕在化してきた、消費電力の増大、配線位置の制約、EMI問題、信頼性劣化など有線伝送によって生じる種々の問題を除去できる。また、受信側では、復調に必要な同期タイミングが有線にて送られてくるため、同期捕捉の必要がなく、回路が大幅に簡略できる。また、送受間で同一の発振源により発生する搬送波を基準とするため、搬送波発振器906に要求される周波数精度は著しく緩和され、コストダウンや実現性に大きな効果がある。
【実施例12】
【0119】
図13は本発明にかかる情報伝送方式を用いる電子装置のその他の実施例を例示する図であり、半導体チップ間のデータ伝送に用いた例である。
図13において、半導体チップ1012には、半導体チップ1012内の送信すべき複数のデータを持つ(生成する)回路要素1001があり、半導体チップ1013には、半導体チップ1012内の前記データを受信する回路要素1005がある。また、半導体チップ1012、1013には、有線路1014を介して互いに通信を行う制御回路1003、1006がそれぞれ設けられるとともに、無線伝播路1015を介して互いに通信を行う送信アンテナ1010および受信アンテナ1011がそれぞれ設けられている。そして、半導体チップ1012から半導体チップ1013に向かってデータ伝送が行われるものとする。
【0120】
制御回路1003は送信すべきデータを回路要素1001が出力するよう起動し、多重回路1002は回路要素1001から前記送信データを受け取り多重化する。多重化は実施例5または6で述べたような並直列変換や実施例9のような符号多重化を使用する。変調器1004は多重化回路1002の出力を受けて変調を行い、送信アンテナ1010により電磁波信号として送信する。制御回路1003は、同時に多重化や変調の同期その他のタイミング信号や搬送波も発生する。また、実施例5乃至11に説明したような手法を使って搬送波の基準となる信号も発生し、これらの信号は有線路1014を通り受信側の制御回路1006に伝えられる。
【0121】
空間(無線伝播路)1015を伝播し受信アンテナ1011で受信された信号は、復調器1008で復調されデマルチプレクス回路1007により多重化された信号を元に戻し、信号を受信する回路要素1005に送られる。制御回路1006は多重化信号や変調の同期信号その他のタイミング信号や搬送波の基準信号を送信側制御回路1003から受け取り、復調やデマルチプレクスの同期を取りまた、復調器1008で使用する搬送波を復元する。これらの信号を受け取ることにより、デマルチプレクスや復調の回路が大幅に簡略化できまた、発振周波数の精度への要求が大幅に緩和される。
【0122】
送受信アンテナ1010、1011は半導体チップ1012、1013の上に作りこんでも良いし、またボンディングパッドを介してチップ外部へ信号を取り出し、アンテナを外付けとしても良い。
上記のこのような構成をとることにより半導体チップのピン数を大幅に削減でき、またボンディングパッドを介してロジックレベルの信号を取り出すために浮遊容量とともに駆動する従来の方法に比較し大幅な電力の削減が可能となる。
【実施例13】
【0123】
図14は本発明にかかる情報伝送方式を用いる電子装置のさらに他の実施例を例示する図であり、ホームシアタに応用した例である。
図14において、ホームシアタでは画像表示部1305とチューナデコーダ部1301とスピーカ部1324で構成される。画像表示部1305は画像表示装置を内蔵し、画像信号を受けて表示する。また、スピーカ部1324は通常複数のスピーカ1311、1312、1313、1314、1315と各スピーカ1311、1312、1313、1314、1315毎に音声信号を受けて音響効果の制御や増幅を行い、スピーカ1311、1312、1313、1314、1315を駆動する駆動部分より構成される。それらの間の接続に以下のような方法を取る。
【0124】
チューナデコーダ部1301の再生部1302は、制御回路1320の指令によりTVチューナやDVDレコーダなどの画像や音声ソースから画像や音声のデータを取り出す。
再生部1302が出力するデータは、多重化回路1303にて画像および音声チャネル毎に多重化される。多重化は制御回路1320の発する基準信号に同期して、拡散コード発生器1321が発する拡散符号とチャネル毎に乗算し、これらの乗算結果をアナログ加算して行われる。多重化されたデータは変調器1309により変調され、第1カテゴリー情報として送信アンテナ1317より送信される。搬送波発振器1304は、制御回路1320の発する基準信号をもとに逓倍し搬送波を発生する。制御回路1320の発する基準信号は、第2カテゴリー情報として有線路1316により画像表示部1305やスピーカ部1324に伝送される。画像データ、テキストデータまたは音声データは第1カテゴリー情報として無線伝播路1319を伝搬し、受信アンテナ1318にて受信され復調器1307で復調され逆拡散回路1308により逆拡散され多重化を解いて画像信号のみを取り出し、取り出した画像データを表示部記憶回路1310にストアされる。表示記憶回路1310にストアされた画像データは順次読み出され、画像表示部1305に内蔵される画像表示装置のスクリーンに表示される。
【0125】
同様にスピーカ部1324に送られる情報も、画像表示部1305内部と同様な構成で複製される。説明は重複するためこれ以上は詳述しない。
ここで、復調のための搬送波は制御回路1323により第2カテゴリー情報として有線伝送されてくる基準信号をもとに逓倍し搬送波発振器1306が発振する。また、逆拡散に用いる拡散コード発生器1322は制御回路により第2カテゴリー情報として送られてくる基準信号に同期し拡散コードを発生する。このような構成を取ることにより搬送波は常に送受双方でトラッキングが取られるため搬送波発振器に要求される周波数精度の高いものを必要としない。また、逆拡散のコードも同期が取れるため逆拡散の回路も著しく簡素化できる。
【0126】
上記のような構成を取ることにより、従来はチューナデコーダ部1301よりスピーカ部1324や画像表示部1305にスター型に配線が必要でかつ並直変換や高速伝送のために複雑なプロトコルを取っていたのが著しく簡素化される。また、全ての信号を無線で送する場合に比較しても、回路やプロトコルが著しく簡素化され実施上の効果は大きい。
【実施例14】
【0127】
図15は本発明にかかる情報伝送方式のさらに他の実施例の要部を示す概念図である。
図15において、送信部ブロック2112から受信部ブロック2113へデータを送信するものとする。ここで、送信部ブロック2112には、送信すべき情報を有する送信回路2101が設けられ、受信部ブロック2113には、前記送信情報を受信する受信回路2104が設けられている。
【0128】
送信ブロック2112の発する送信情報は、第1カテゴリー情報および第2カテゴリー情報にカテゴリー分けされ、第1カテゴリー情報は変調器2102により変調され、送信アンテナ2110より電磁波として送信される。第2カテゴリー情報はインターフェース回路2103を経て電源線2107に重畳され電源とともに有線にて伝達される。前記送信アンテナ2110より発せられ空間(無線伝播路2108)を伝播する第1カテゴリー情報を運ぶ電磁波信号は、受信アンテナ2111により受信され復調器2106により復調され、回路2104へ出力される。また、電源線に重畳され有線伝送された第2カテゴリー情報は、インターフェース回路2105を介して回路2104へ伝達される。第2カテゴリー情報は、受信ブロック2113から送信部ブロック2112へ送信されることもあり、その場合はインターフェース回路2105からインターフェース回路2103へ送信される。
【0129】
ここで、第2カテゴリー情報としては、高速大量データ転送を要しないもの、無線送受信のための同期情報、発振器情報、データの受信状態をフィードバックするフィードバック情報、セキュリティ強化のための暗号化情報などが考えられ、インターフェース回路2103またはインターフェース回路2105それ自身が発する情報もこの第2カテゴリー情報に含めることができる。インターフェース回路2103は、送信回路2101の発する第2カテゴリー情報も収集し、それ自身の発生する第2カテゴリー情報も合わせて、最終的に第2カテゴリー情報として送り出す。
【0130】
特に、通信パケットの同期情報が無線伝播路2108によらず取得できれば、受信側で同期情報を抽出するための回路が不要となり受信側の回路が著しく簡略化できる。また、スペクトル拡散やUWB通信に必要な相関器の同期情報を送ることにより、相関器の構造を著しく簡略化することもできる。さらに、発振器情報が送信できれば、送受間での基準となるクロック信号が共通にすることができ、発振器に要求される発振周波数精度が著しく緩和され電子装置の実現が容易となる。また、携帯電話やBluetoothまたはUWBのような近距離通信インターフェースを持つ電子装置のような場合で、第1カテゴリー情報を送る電磁波が電子装置本来の通信に妨害を与えることがある場合、電子装置の使用する電波に妨害を与えないよう電子装置の動作状況を第2カテゴリー情報として第1カテゴリー情報の送受間でやり取りすることにより、第1のカテゴリー情報を伝送する電磁波の周波数を変更し、本来の通信への妨害を除去することができる。すなわち第2カテゴリー情報として、携帯電話などではその送信チャネルの周波数、ブルートゥースやUWBではそのホッピングパターンなどを選ぶこともでき、これらの信号はインターフェース回路2103またはインターフェース回路2105から発生できる。
【0131】
これらの第2カテゴリー情報は、電源線2107に電源とともに重畳され、送信ブロック2112、受信ブロック2113の間で送受信される。電源2116は送信ブロック2112内のすべての回路に電源供給し、インターフェース回路2103の発する第2カテゴリー情報は重畳回路2115により電源線2107に重畳される。重畳回路2115の内部の詳細を一点鎖線2117内に説明する。端子2128は電源2116に接続され、端子2129は電源線2107に接続される。インターフェース回路2103より発する第2カテゴリー情報は端子2125からハイパスフィルタ2124を通じて電源線2107に重畳される。ローパスフィルタ2127により重畳された第2カテゴリー情報の信号は端子2128側には漏洩せず、したがって送信ブロック2112のすべての回路は正しく作動する。電源線2107に重畳された第2カテゴリー情報は分離回路2114により分離され、インターフェース回路2105に伝えられる。
【0132】
一点鎖線2118内に分離回路2114の内部を詳述する。端子2121は電源線2107に接続される。端子2121に入った第2カテゴリー情報の信号はハイパスフィルタ2123により分離され、端子2120よりインターフェース回路2105に伝送される。ローパスフィルタ2122は第2カテゴリー情報の漏洩を阻止するため、端子2119からは電源2112より供給されるエネルギーのみが伝送され、端子2119を通じて受信ブロック内のすべての回路に正しく電源を供給する。第2カテゴリー情報が受信ブロック2113側から送信ブロック2112側に送られるときは、重畳回路2112と分離回路2114の回路の機能は逆になるが、図15に示すように同一の回路構成でもよい。
【0133】
このような構成をとることにより、送受信の変調器2102および復調器2106を著しく簡略化するための第2カテゴリー情報を電源線2107に重畳して伝送できるため、最小の配線数で電子装置内の信号のやり取りが可能となり、簡素な方法で信頼性の高い電子装置を実現することができる。
【実施例15】
【0134】
図16は、本発明にかかる電子装置のさらにその他の実施例を示す図である。
図16において、電子装置は本体部2205と表示部2212に分けられ、ヒンジ2207を介して一体化されている。ここで、電源2213は本体部2205にあり、本体部2205内では、基板上の配線を通じて本体部内の各電子回路に電源電圧が供給され、また重畳回路2214により第2カテゴリー情報が電源電圧に重畳され、電線2211を通じ表示部2212へ送られる。分離回路2215は重畳された電源電圧と第2カテゴリー情報を分離し、電源電圧は表示部2212の基板上の配線を通じて表示部2212の各回路へ配給される。
【0135】
液晶コントローラ2208が発生する表示データは、第1カテゴリー情報として変調器2200に送られ変調され送信アンテナ2209より電磁波(電波)に変換され空間を伝播する。送信アンテナ2209より送信された電磁波信号は受信アンテナ2210により受信され、復調器2202により表示データに復調され液晶ドライバ2201に送られ液晶表示体2206に表示される。
【0136】
変調器2200および復調器2202の同期信号は、第2カテゴリー情報として重畳回路2214により電源線2211に重畳され、電源線2211を通って分離回路2215に送られ、分離回路2215は電源から第2カテゴリー情報を分離して復調器2202に伝送する。この信号はデータ速度がそれほど高くなく、また必要な信号線の本数も少ないので、電源線2211に重畳しヒンジ2207を通って配線することは容易である。これにより、配線や部品配置の自由度も増し、図16のように信号の送信部である変調器2200や送信アンテナ2209および受信部である復調器2202や受信アンテナ2210をヒンジ2207から遠いところに配置することも可能である。
【0137】
伝送しようとするデータが高速化するのに伴い、伝送線路内をデータ伝送させることは困難となるが、空間内の電磁波による伝送はより容易になってくる。このように有線路で同期等の制御信号を送り、変復調器の同期をとれば、復調器側で同期のための同期検出が不要となり回路が簡略化できる。しかも、有線路は電源線2211と共用されるため、その配線数を減らすことができる。近年の半導体素子製造技術の向上に伴い、このようにして高周波の無線伝送の変復調器を簡略化し電子装置に組み込むことはわずかなコストで可能であり、実用性の高いものである。
【実施例16】
【0138】
図17は本発明にかかる情報伝送方式のより詳細な構成と、それを利用した電子装置のその他の実施例を示すブロック図である。
図17において、CPU2301は演算等により表示すべき表示データを生成し、ビデオメモリ2302に記録する。液晶コントローラ2303は表示体に表示させるデータ2319を所定順序によりビデオメモリ2302から読み出し、垂直同期信号2321、水平同期信号2320とともに出力する。表示するデータ2319は、通常ビデオメモリより画素単位でワード毎に並列でデータとして読み出されるため、並直変換回路2304によって並直変換され、ロジック回路2307に伝送される。ロジック回路2307は、並直変換回路2304から出力される信号と水平同期信号2320および垂直同期信号2321を受けてパケットを生成し、第1カテゴリー情報として変調器2308に送り、またその先頭をあらわす基準信号2306を第2カテゴリー情報としてPLL2309および重畳回路2326に出力する。第1カテゴリー情報は、PLL2309で基準信号2306を逓倍し基準信号に同期した搬送波を発生させる。この搬送波は変調器2308で変調され、送信アンテナ2310より送信される。同時に基準信号2306は第2カテゴリー情報として電源線2330に重畳回路2326により重畳され、受信側にある分離回路2327へ伝えられる。
【0139】
受信アンテナ2311は、前記送信アンテナ2310より送信された電磁波信号を受信する。そして、受信アンテナ2311にて受信された信号は、プリアンプ2312によって増幅された後、バンドパスフィルタ2313により不要帯域の成分が除去され復調器2314に入力される。また、第2カテゴリー情報として電源線2330に重畳され送られてきた基準信号を分離回路2327で分離して、この出力をもとにしてPLL2315により逓倍し搬送波を復元し復調器2314に供給し、電磁波信号の復調を行う。ロジック回路2316では、分離回路2327により分離された基準信号からパケットの先頭を検出し、パケットからパケット内の表示データ2322と水平同期信号2323、垂直同期信号2324、Xドライバの転送クロック2325を発生させ、液晶表示体2318のドライバへ出力し表示を行う。
【0140】
PLL2309、2315の発振周波数は、ラジオ受信機や携帯電話のように電波を利用する電子装置の本来の目的を妨害しないような、また妨害を受けないような周波数を選択する。2GHz以上の周波数を選べは100Mbpsのデータを伝送しても占有帯域は200MHz程度であり、通常ほとんどの場合問題無く使用が可能である。
一般に無線通信において、送信側の変調器2308と受信側の復調器2314は扱う搬送波周波数が一致している必要があり、送信と受信の間の搬送波発振器の周波数には高い精度が要求され、その2者の誤差は直接通信品質の劣化となって現れる。しかし上記の本発明の構成によれば、変調器2308と復調器2314は同一の基準信号2306を使い、PLL2309、2315により基準信号2306を逓倍し搬送波を生成しているので、両者の発進周波数は一致し誤差とならない。このため、搬送波発振器の精度は問題とならずコストダウン効果がある。基準信号2306の代わりに、直接PLL2309出力を重畳回路2326により電源線2330に重畳し送出しても良い。この場合は、分離回路2327で分離された搬送波は、PLL2315を使わず復調器2314に直接入力することができて、PLL2315は不要である。しかし、一般的には搬送波周波数は高いため、有線路を伝送するのは困難である。上記構成のように、周波数の低い基準信号を用いて送信および受信の双方で特性の揃ったPLL2309、2315で逓倍して搬送波を作り出す方が実現性が高い。
【0141】
基準信号2306は、第1カテゴリー情報を送るためのパケットの先頭を表す信号であり、この基準信号は第2カテゴリー情報として電源線2330に重畳されて送られてくるので、受信側では容易にパケットの先頭を検出することができる。そのため、パケットからデータを取り出す回路は非常に簡単になり、またパケットの先頭を表すプリアンブルの付与が必要なくなり、パケットの構造を著しく簡略化でき、また通信の実効レートを上げることができる。
【0142】
上記構成を取ることで、液晶表示体2318へ送られる高速かつ大量の表示データの無線化が実現でき、液晶表示体2318の大型化に伴いより顕在化してきた、消費電力の増大、配線位置の制約、EMI問題、信頼性劣化など有線伝送によって生じる種々の問題を除去できる。
また、第2カテゴリー情報、電源線2330に重畳されているので、第2カテゴリー情報のための特別な配線を要しない。電子装置の実現に当たって実装上の効果も大きい。
【実施例17】
【0143】
図18(a)は本発明にかかる電子装置のさらにその他の実施例の要部のブロック図を示す図であり、実施例16の変調器2308および復調器2314をより詳述する図である。PLL2402は、実施例16のPLL2309に相当し、制御回路2407の発する基準信号を逓倍し、前記基準信号に同期した矩形パルス搬送波を発生する発振器である。乗算器2401は、前記PLL2402と入力データ2403の乗算を行い、送信信号2404として出力し、送信アンテナへ送る。乗算器2401は、入力データ2403およびPLL2402の出力ともデジタル信号であるため、排他的論理和回路で良い。論理0のとき値1のアナログ値、論理1のとき値‐1のアナログ値を対応させると、排他的論理和回路の入出力はちょうど乗算器として作用する。また、通信の通達距離が極めて近いため、他の機器等に与える高調波妨害などはもともと低く抑えられ、アンテナと変調器出力の間にフィルタなどは不要である。
【0144】
復調部は以下のように動作する。図17の受信アンテナ2311により受信された受信信号は増幅され不要帯域が除去された後、受信信号2407として乗算器2405に入力され、PLL2408により再生された搬送波クロック信号と乗算された後、ローパスフィルタ2406で高周波成分が取り除かれ復調信号2409が復調される。ローパスフィルタ2406は、乗算器2405の出力の高域周波数成分(受信信号2407とPLL2408の再生クロック波形とのわずかな移相差により生ずる細いパルス成分)を除去し、復調信号2409として出力する。PLL2408は、第2カテゴリー情報として電源線に重畳され伝送されてくる制御回路2407が発する基準信号を逓倍し、PLL2402と同じ周波数で位相が同期している搬送波パルスを再生する。なお、図18(a)では重畳回路と分離回路は省略してあるが、実際は制御回路2407とPLL2408の間にそれらが挿入されていることはいうまでもない。
【0145】
図9(a)〜(c)に上記に説明した変調器のタイム図を示す。すなわち同図(a)は送信側PLLすなわちPLL2402により生ずる搬送波クロック信号、同図(b)は送信データ2403、(c)は出力される送信信号2404である。同図のタイム図をデジタル回路と見れば、変調器は排他的論理和であり、±1の値を取るアナログ値と見れば、変調器は乗算器である。
【0146】
図9(d)〜(f)に復調回路のタイム図を示す。すなわち同図(d)は受信信号2407、同図(e)は受信側のPLLすなわちPLL2408から発生されるパルス列、(f)は乗算器2405の出力で、ローパスフィルタ2406は、この信号から受信信号2407とPLL2408出力のわずかな位相差により生ずる高周波成分を取り除き、復調信号2409を復元する。
【0147】
同図から明らかなように、送信側の搬送波クロック(図9(a))と受信側の再生搬送波クロック(図9(e))は、周波数が違っていたり、位相がずれていたりすると復調がうまく作動しない。従来の無線通信では、送信側と受信側で別々に高精度の発振器を用いトラッキングを行って誤差を最小限に抑えていた。本実施例のこの構成によれば、送信側および受信側の搬送波の発生は、送信側の制御回路2407の発する基準信号を基準にして同じ特性のPLL2402、2408で行なっているので、常に同じ周波数が確保できる。そのため、発振周波数の安定度や周波数精度による誤差が生じない。また、安価な回路でも、きわめて安定度の高い回路を構築できる。
【0148】
また、本発明に使用される無線信号伝送は通達距離が至近距離であり、十分にSN比の良い通信品質が確保できるため、信号をデジタル値と見て良い程度まで増幅することができる。この場合、増幅された信号レベルは論理値レベルまで大きくなるが、該論理値によって駆動される負荷はCPUから表示体までというような大きな浮遊容量を伴う長い距離ではなく、同一半導体チップ内のような極めて短い低負荷であるため、消費電力の増大にはならない。また、受信信号が論理値レベルまで増幅されないアナログレベルであっても、PLL2408出力は(±1の値を取る)矩形であるため、乗算は簡単なスイッチ回路で実現できる。すなわち、増幅度の絶対値が等しく極性が逆の2つの増幅器を用意し、PLL2408出力の論理レベル1のとき、受信信号407の反転増幅器出力をスイッチにより選び、論理レベル0のとき正転増幅器出力を選択することによって乗算を実現できる。このような構成の回路を乗算器2405として用いても良い。
【0149】
上記構成によれば、変調器は排他的論理和回路、復調器も排他的論理和回路1つまたは正負の増幅度を持つ増幅器とスイッチ回路、およびローパスフィルタによりきわめて簡単に実現できる。
【実施例18】
【0150】
図18(b)は本発明にかかる電子装置のその他の実施例の要部のブロック図を示す図であり、実施例16の変調器2308および復調器2314の他の例をより詳述する図である。実施例17では簡素化したBPSK変調を例にとったが、実施例18では、より一般的な位相変調を使用した場合を示すためにQPSKに基づく例をあげる。
PLL2413は実施例16のPLL2309に相当し、制御回路2417の発する基準信号を逓倍し、基準信号に同期した搬送波を発生する矩形パルス発振器である。
【0151】
図9(g)〜(j)は図18(b)に示す変調器の各部の動作を示すタイム図である。
送信データのビット1(図9(h))およびビット2(図9(i))はエンコーダ2412によりエンコードされ、送信側PLLすなわちPLL2413により発振された搬送波(図9(g))を移相器2414によって90°の移相を行うかどうか、さらに乗算器2415によって搬送波の反転(180°の移相)を行うかどうかが制御され、最終的にQPSK変調された送信信号2415(図9(j))を出力する。
【0152】
制御回路2417は、実施例16のロジック回路2307に相当し、制御回路2417の発する基準信号は第2カテゴリー情報として電源電圧に重畳され、受信側にも伝送される。なお、図18(b)では、重畳回路と分離回路は省略してあるが、実際は制御回路2407とPLL2408の間にそれらが挿入されていることはいうまでもない。PLL2420は、実施例16のPLL2315に相当し、図17の電源線2330に重畳されて送られてくる基準信号を逓倍し、再生クロックすなわち受信側の搬送波(図9(l))を発生する。前記PLL2420の出力する再生クロックは、第1の乗算器2419により受信信号2418(図9(k))と乗算され、第1のローパスフィルタ2423に伝送され高域成分が除去され判別回路2425に伝えられる。同時に受信信号2418は、PLL2420の発生する再生クロックパルス列を90°移相器2422によって90°移相したパルス列(図9(o))と第2の乗算器2421によって乗算され、第2のローパスフィルタ2424によって高域成分が除去され判別回路2425に伝えられる。判別回路2425は、前記第1、第2のローパスフィルタ2423、2424の出力(図9(n)および(q))から送信データを割り出して受信信号を復調する。
【0153】
上記構成によれば、送信信号の占有帯域を増やすことなく、データ伝送の高速化がはかれる。また、変復調器とも簡単なデジタル回路で実現できるため、半導体チップ内に組み込むことができ、コストや消費電力の増加は無視できる。送受信で必要となる搬送波クロックは送受信で同一の制御回路2417から発生される基準信号を同一の特性を持つPLL2413、2420で逓倍し、位相の揃った同一の周波数を得ているため、送受間でクロック周波数精度による誤差が生じない。安価な発振器でも、安定したデータ伝送が可能である。制御回路2417が基準信号の周波数を一方的に変更しても、常に送信側および受信側が追従するから、例えば無線通信機のような電子装置において、通信チャネルに応じて通信チャネルに妨害を与えないような周波数を選び、送信側で一方的に変更することができる。(これは上記実施例16、17のいずれにおいても同じである。)この性質をうまく使うと、通信機等の電子装置本来の目的とする通信への干渉や妨害対策を著しく容易にすることも可能である。
【実施例19】
【0154】
図19は本発明にかかる他の情報伝送方式および電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図である。
図19において、CPU2601、ビデオメモリ2602、液晶コントローラ2603の機能は上記実施例16で説明したものと同じであり、液晶コントローラ2603により発生される表示データ2625、水平同期信号2623および垂直同期信号2624は拡散コード発生器2605によって発生される拡散コードと符号多重化回路2604により多重化される。この実施例では、以下のように並列データは符号多重されるため、実施例16の並直列変換回路2304による並直列変換は不要であり、したがってその逆変換すなわち直並列変換回路2317も不要である。拡散コードとしては、互いに直交しているコードセットが用いられることが多い。拡散コードは、液晶コントローラ2603の発する水平同期信号2623にコードの先頭が同期し発生する。また、拡散コード発生器2605は、水平同期信号2623をPLL2606により逓倍したものを使用するので、搬送波と拡散コードは完全に同期している。
【0155】
表示データ2625はビデオメモリ2602からピクセル毎にまとまって読み出されるため、並列のデジタルデータとして出力される。このデータ信号の各ビットと水平同期信号2623および垂直同期信号2624は、拡散コード発生器2605により発生される各コードと乗算され(または排他的論理和がとられ)アナログ加算され符号多重化される。多重化された信号は変調器2607によってPLL2606で発生される搬送波で変調され、送信アンテナ2608より第1カテゴリー情報として電磁波信号によって無線伝播路2626(空間)を通り送信される。搬送波は、PLL2606により水平同期信号2623を逓倍して発生させるため、水平同期信号2623と完全に同期している。また、上述のように、水平同期信号2623は拡散コード発生器2605とも同期している。水平同期信号2623はまた第2カテゴリー情報として重畳回路2613により電源線2627に重畳され、受信側の分離回路2622に送出される。
【0156】
送信された電磁波信号は、受信アンテナ2609で受信されプリアンプ2610で増幅されバンドパスフィルタ2611により所定帯域以外の不要信号が除去されたのち、復調器2612により復調される。PLL2615は、第2カテゴリー情報として電源線2627に重畳して送られてくる水平同期信号2623を分離回路2622により分離し、これを基準として逓倍し搬送数を発生する。復調器2612により復調された信号は逆拡散回路2614に送られ、逆拡散回路2614にて拡散コード発生器2616により発生される多重化のための拡散コードと相関を計算することによって、多重化されたデータが分離される。ロジック回路2617は、検出した表示データや各種タイミングから、液晶ドライバを駆動するための表示データ信号2618、水平同期信号2619、垂直同期信号2620およびXドライバのクロック信号2621の波形整形とタイミング調整を行い、液晶表示体の駆動信号として液晶表示体に送り表示を行う。
【0157】
復調器2612と変調器2607の搬送波は、同一の基準信号となる水平同期信号2623に同期し、同じ特性のPLL2606およびPLL2615で発振されるため、両者の周波数と位相は一致し、搬送波周波数の精度による誤差を生じない。また、拡散コードも、送信側および受信側の双方において、その先頭が水平同期信号に一致しているため、逆拡散のためのタイミングを検出する必要がない。これにより、受信側での同期捕捉のための回路が不要となり、回路の簡略化が図れる。特に、コード多重の場合には、逆拡散の回路として整合フィルタでなく、相関器を使用することが可能となる。また、相関器の同期情報が第2カテゴリー情報として有線で送られてくるので、同期捕捉やスライディングを行う必要がなく、非常に簡単な回路で逆拡散が可能となる。
【0158】
また、水平同期信号2623と垂直同期信号2624も表示データ2625とともにコード多重して送信するため、受信側では逆拡散によって即座にそれらの表示のための同期信号も検出できる。水平同期信号2623は第2カテゴリー情報として電源線2627にも重畳され送られてくるので、コード多重せずこの信号を水平同期信号2619として用いても良い。また、拡散利得を稼ぐためには、拡散コードの周波数帯域が十分広いものを選び、変調器2607の後にさらに拡散変調を行っても良い。
【実施例20】
【0159】
図20は本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部のブロック図を示す図であり、本発明にかかる情報伝送方式を、撮像素子を用いる電子装置に応用した例を示す。
図20において、撮像素子2701は、制御回路2702から発生される水平同期信号2720および垂直同期信号2721により起動され撮像した画像データ2719を出力する。ロジック回路2703は、これらの信号を受けて無線伝送のためのパケットを構築する。該パケットは変調器2705により変調され、送信アンテナ2707から電磁波として放射される。前記変調器2705に用いる搬送波は、PLL2706により制御回路2702で発する基準信号を逓倍して発振される。基準信号は、制御回路2702により例えばロジック回路2703が構築するパケットの先頭を示す信号や撮像素子を起動するための水平同期信号2720などが用いられる。この基準信号は、重畳回路2704により第2カテゴリー信号として電源線2723に重畳され、受信側の分離回路2711に送られる。
【0160】
前記送信アンテナ2707から送信された電磁波信号は、無線伝播路(空間)2722を通って伝播し、受信アンテナ2708で受信されプリアンプ2709で増幅され、バンドパスフィルタ2710により不要な帯域外信号が除去されて復調器2712に入力される。PLL2715は、第2カテゴリー情報として電源線2723から分離回路2711により抽出された基準信号を基準として逓倍し搬送波を生成する。復調器2712はまた、第2カテゴリー情報として有線路2723を通って伝送されてくる制御回路2702からの基準信号から復調に必要な同期タイミングも利用し、受信信号の復調を行う。直並列変換回路2714は、復調された受信パケットの中から画像データ部分を抽出し、画素毎に直並列変換を行い、画素データを生成する。これらの回路は第2カテゴリー情報として制御回路2702からの基準信号が利用できるため、同期のための信号検出を行う必要がなく、回路構成が著しく簡略化できる。また、搬送波周波数は送信側と常に同期しトラッキングが取られるため、その要求される精度が著しく緩和される。
【0161】
ロジック回路2716は、復調された画素データに合わせてビデオメモリ2717に書きこむためのメモリアドレスを発生し、直接またはCPU2718を介して画像データをビデオメモリ2717の該アドレスに書きこむ。CPU2718は、ビデオメモリ2717にアクセスし、画像データを様々なアプリケーションに使用する。通常撮像素子2701の起動などのコントロールはCPU2718が行うが、この起動に関する情報を撮像素子2701の制御回路2702へ伝送するために、第2カテゴリー情報として電源線2723に重畳し有線で伝送することもできるが、無線伝送することもできる。
【0162】
その無線伝送の場合は、CPU2718側および撮像素子2701側の双方で無線の送受信手段を持ち双方向通信を行う。特に、クラムシェル構造の携帯電話では、撮像素子2701と表示素子は接近して置かれ、CPU2718側とは反対側にあることが多く、撮像された画像データはCPU2718側に送られて処理された後、表示素子側に送り返される。第2カテゴリー情報は制御回路2702の置かれる側に一つあればよく、その制御回路2702の基準信号を共通に使うことで、双方の同期を取ることができる。また、受信側では、復調に必要な同期タイミングが電源線2723に重畳されて送られてくるため、同期捕捉の必要がなく、配線数を減らすことができ、回路が大幅に簡略できる。
【実施例21】
【0163】
図21は本発明にかかるデータ伝送および電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図である。
図21において、CPU2801、ビデオメモリ2802、液晶コントローラ2803の機能は、上記実施例16および実施例19で説明したものと同じである。液晶コントローラ2803により発生される表示データ2825、水平同期信号2823および垂直同期信号2824は、ロジック回路2804により並直変換およびプリアンブル付与やパケット構築などのデータの並べ替えが行われ、シリアル信号に変換される。一次変調器2805は、この信号にパルス発生器2806によって発生されるパルス列を変調する。一次変調には、パルス列に対しパルス位置変調やバイフェーズパルス変調などが利用できる。
一次変調を受けた信号は、拡散コード発生器2808により発生された拡散コードで拡散変調器2807により拡散変調される。
【0164】
拡散変調されたパルス列はパルス整形回路2809によりスペクトル密度の低い広帯域パルスとなるように非常に短時間のパルスに波形整形を受けた後、送信アンテナ2810によって電磁波として放射される。放射される電磁界は、サイン波に変調をかけたものではなく、非常に細いパルス列である。
一方、水平同期信号2823は、パルス位置変調などのパルス変調のためのパルス発生の基準も決める。この信号は、第2カテゴリー情報の基準信号として重畳回路2828により電源線2827に重畳され、受信側の分離回路2829に伝送される。
【0165】
放射された電磁波は、無線伝播路2826を通って受信アンテナ2811に受信され、必要に応じてプリアンプ2812により増幅された後、相関器2814によってパルス発生器2813の発生するパルステンプレートとの相関が計算される。前記相関器2814出力は、拡散コード発生器2816の発生する拡散コードによって逆拡散回路2815で逆拡散された後、復調器2817で復調され、一次変調前の信号(一次変調器2805の入力)に変換される。ロジック回路2818は、復調器2817により検出された表示データや、送信側から第2カテゴリー情報として電源線2827に重畳され送られてくる水平同期信号2823を元に、液晶ドライバを駆動するための表示データ信号2819、水平同期信号2820、垂直同期信号2821およびXドライバのXクロック信号2822を発生し、液晶表示体に送り表示を行う。
【0166】
上記構成によれば、変調操作は時間軸上のみで行われ、構成要素のほとんどがパルスを扱うデジタル回路のみで実現でき、回路素子のIC化が容易である。また、短パルスの採用によって時間方向の拡散利得を稼ぎ、電子装置本来の機能として発射される電波との耐干渉、与干渉特性を改善するばかりでなく、通信伝送路としてのマルチチャネル化も図ることができる。また、受信側では、復調に必要な同期タイミングが電源線2827に重畳されて送られてくるため、同期捕捉の必要がなく、配線数を減らすことができ、回路が大幅に簡略できる。
【実施例22】
【0167】
図22は本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例を例示する図である。本実施例は、前記実施例14から実施例21において、第2カテゴリー情報を電源線に重畳する他の方法を例示する。第2カテゴリー情報として搬送波のような周波数の高いものは、基本的に電源線に重畳できない。本発明の目的は、このような高い周波数の信号がうまく伝送できないので、無線で伝送するということであった。逆に、第2カテゴリー情報の周波数が低くすぎても、電源線にうまく重畳できない。重畳できても、受信側で分離がうまく行かなかったり、電源線の電圧レベルが変動することになり、機器動作に重大な影響を与えたりする。第2カテゴリー情報の周波数がこのように低くすぎる場合は、図22のように変調をかけて伝送する。
【0168】
すなわち、入力端子2901に入力された第2カテゴリー情報は変調器2903で変調し重畳回路2904に送出する。重畳回路2904は、図15に示した重畳回路2115と同様に、ハイパスフィルタとローパスフィルタで容易に構成できる。変調器2903に入力する搬送波は、搬送波発振器2902で発振される。その発振周波数は、電源線2905に重畳できて、電子装置への影響のない適当な周波数を選ぶ。搬送波発振器2902は、例えば、第1カテゴリー情報を電磁波にて伝送するための搬送波を分周するなどの手段でもよい。
【0169】
電源端子2911から供給される電源電圧には、重畳回路2904で第2カテゴリー情報が重畳され、電源線2905を通じて受電端に送られる。分離回路2906は、第2カテゴリー情報を分離し、復調器2907に出力するとともに、端子2912から電源電圧を受信部各部へ供給する。復調器2907は、第2カテゴリー情報を復調する。復調された第2カテゴリー情報は復調により通常時間遅れが伴うが、補正回路2909によりこれを修正する。搬送波発振器2908は、復調のための搬送波発生を行うが、遅延検波などを用いると、復調に必ずしも搬送波は必要でない。回路を簡単にするためには、搬送波発振器908が省略できる復調方式を選択すると良い。
【0170】
このような回路は半導体技術の進歩によりすべて半導体チップ上に組み込むことができ、コスト的な増大がほとんど無しに実現が可能である。
【実施例23】
【0171】
図23は本発明にかかる情報伝送方式を用いるさらにその他の電子装置の実施例を例示する図であり、半導体チップ間のデータ伝送に電源線を用いた例である。
図23において、半導体チップ3012には、半導体チップ3012内の送信すべき複数のデータを持つ(生成する)送信回路3001が設けられ、半導体チップ3012内の前記データを受信する受信回路3005が設けられている。そして、半導体チップ3012から半導体チップ3013に向かってデータ伝送が行われるものとする。
【0172】
制御回路3003は送信すべきデータを送信回路3001が出力するよう起動し、多重回路3002は送信回路3001から前記送信データを受け取り多重化する。多重化は実施例16で述べたような並直列変換や、実施例19のような符号多重化を使用する。変調器3004は多重化回路3002の出力をうけて変調を行い、送信アンテナ3010により電磁波信号として送信する。制御回路3003は、同時に多重化や変調の同期その他のタイミング信号や搬送波も発生する。また、実施例16乃至21に説明したような手法を使って搬送波の基準となる信号も発生し、これらの信号は第2カテゴリー情報として重畳回路3017により電源線3014を通り受信側の分離回路3016に伝送される。
【0173】
分離回路3016は、電源線3014から第2カテゴリー情報を抽出し、制御回路3006に伝える。空間(無線伝播路)3015を伝播し、受信アンテナ3011で受信された信号は、復調器3008で復調され、デマルチプレクス回路3007により多重化された信号を元に戻し、信号を受信する受信回路3005に送られる。制御回路3006は、多重化信号や変調の同期信号その他のタイミング信号や搬送波の基準信号を重畳回路3017、電源線3014および分離回路3016を通じて制御回路3003から受け取り、復調やデマルチプレクスの同期を取りまた、復調器3008で使用する搬送波を復元する。
【0174】
このような方法で信号の送信側と受信側との間で同一の基準信号を用いて同期を取ることにより、多重化、デマルチプレクスおよび変復調の回路が大幅に簡略化でき、発振周波数の精度への要求が大幅に緩和され、半導体チップ3012、3013上の回路としてすべて実現可能にする。また、実施例22のような重畳回路および分離回路を用いると、幅広い周波数範囲で電源線3014によるデータの送受信が可能となる。
【実施例24】
【0175】
図24は本発明にかかる情報伝送方式を用いる電子装置のさらに他の実施例を例示する図であり、電源線を用いたデータ伝送をホームシアタに応用した例である。ホームシアタでは、画像表示部3105とチューナデコーダ部3101とスピーカ部3124で構成される。画像表示部3105は画像表示装置を内蔵し画像信号を受けて表示する。また、スピーカ部3124は通常複数のスピーカ3111、3112、3113、3114、3115とスピーカ毎に音声信号を受けて音響効果の制御や増幅を行い、スピーカを駆動する駆動部分より構成される。
【0176】
それらの間の接続に以下のような方法を取る。すなわち、チューナデコーダ部3101の再生部3102は、制御回路3120の指令によりTVチューナやDVDレコーダなどの画像や音声ソースから画像や音声のデータを取り出す。再生部3102が出力するデータは、多重化回路3103にて画像および音声チャネル毎に多重化される。多重化は、制御回路3120の発する基準信号に同期して拡散コード発生器3121が発する拡散符号とチャネル毎に乗算し、これらの乗算結果をアナログ加算して行われる。多重化されたデータは変調器3109により変調され、第1カテゴリー情報として送信アンテナ3117より送信される。搬送波発振器3104は、制御回路3120の発する基準信号をもとに逓倍し搬送波を発生する。制御回路3120の発する基準信号は、第2カテゴリー情報として重畳回路3125により電源線3116に重畳され、画像表示部3105やスピーカ部3124に伝送される。
【0177】
上記実施例14乃至23とは異なり、この電源線はAC電源であるが、重畳回路3125や分離回路3126は、図15に示したようなローパスフィルタとハイパスフィルタにより構成できる。端子3127は電源線で、チューナデコーダ部3101の各部に電源を供給する。画像データ、テキストデータまたは音声データは第1カテゴリー情報として無線伝播路3119を伝搬し、受信アンテナ3118にて受信され復調器3107で復調され、逆拡散回路3108により逆拡散され多重化が解かれ、画像信号のみが取り出され、取り出された画像データが表示部記憶回路3110にストアされる。表示記憶回路3110にストアされた画像データは、順次読み出され画像表示部3105に内蔵される画像表示装置のスクリーンに表示される。同様にスピーカ部3124に送られる情報も、画像表示部3105内部と同様な構成で複製される。
【0178】
ここで、第2カテゴリー情報として電源線3116に重畳されて伝送されてくる基準信号は分離回路3126により分離され、制御回路3123は、それを元に画像表示部3128内の動作を規定する各種信号を生成する。復調のための搬送波は、制御回路3123の生成する制御信号を基準とし逓倍し、搬送波発振器3106が発振する。また、逆拡散に用いる拡散コード発生器3122は、制御回路3123の制御を受け、第2カテゴリー情報として送られてくる基準信号に同期し、拡散コードを発生する。このような構成を取ることにより、搬送波は常に送受双方でトラッキングが取られるた、搬送波発振器3106に要求される周波数精度の高いものを必要としない。また、逆拡散のコードも同期が取れるため、逆拡散回路3108も著しく簡素化できる。
【0179】
また、第2カテゴリー情報を電源線3116に重畳することにより、画像表示部3105とチューナデコーダ部3101とスピーカ部3124との間を電源線3116のみの接続とすることで、ホームシアタの構築が可能となり、ホームシアタの構成が簡素化される。
【実施例25】
【0180】
図25は本発明にかかる電子装置のさらにその他の実施例の要部を示す概念図である。
図25において、送信部ブロック4112から受信部ブロック4113へデータを送信するものとする。送信情報をもつ送信回路4101からその情報を受信する受信回路4104へ情報伝送を行う。送信回路4101の発する送信情報は、鍵バッファ回路4103が保持する暗号鍵を使って暗号器4114で暗号化され、変調器4102により変調され、送信アンテナ4110より電磁波信号(電波)として送信される。
【0181】
暗号鍵は鍵発生回路4116が発生し、発生された暗号鍵は鍵バッファ回路4103に送られ保持されるとともに、有線路4107を通じて送信され、受信部ブロック4113内の鍵バッファ回路4105に記憶される。前記送信アンテナ4110より発せられ空間(無線伝播路4108)を伝播する電磁波信号は、受信アンテナ4111により受信され復調器4106により復調され、復号器4115により復号された後、受信回路4104へ出力される。
【0182】
鍵バッファ回路4103および鍵バッファ回路4105は、鍵発生回路4116が暗号鍵を送っている間はそれまで保持していた暗号鍵を保持し続け、鍵発生回路4116が暗号鍵を転送し終わった後に、互いに同期して暗号鍵を更新する。鍵発生回路4116が頻繁に鍵を更新することで、より安全性が高まる。
鍵発生回路4116は受信部ブロック内4113にあり、有線路4107を通じて送信部ブロック4112内の鍵バッファ回路4103に送出しても良い。
【0183】
暗号器4114および復号器4115で使用する暗号は、公開鍵暗号のような複雑なアルゴリズムを用いる必要が無い。なぜならば、暗号鍵は同一機器内のような至近距離でしかも有線通信にて伝送されるため、暗号鍵配布に際して暗号鍵が盗まれたり改竄されるなどの心配が無いため、複雑な暗号鍵配布手続きを取ることなく、共通鍵暗号を直接使用することができるからである。
【0184】
本実施例によれば、電子装置内部のデータを暗号化して無線にて伝送することにより、高速データ伝送の必要な配線を無くし、電子装置動作の高速化に伴い発生する種々の問題が安全性を損なうことなく一気に解決できる。
【実施例26】
【0185】
図26は本発明にかかる電子装置のその他の実施例の要部を示す概念図である。
図26において、送信部ブロック4212から受信部ブロック4213へデータを送信するものとする。送信情報をもつ送信回路4201からその情報を受信する受信回路4204へ情報伝送を行う。送信回路4201の発する送信情報は、乱数発生器4205によって発生される乱数が加算器4214により加算され、変調器4202により変調され、送信アンテナ4210より電磁波信号(電波)として送信される。乱数発生器4205により発生された乱数は、同時に有線路4207を通して受信部ブロック4213にある減算器4215にも配信される。前記送信アンテナ4210より発せられ空間(無線伝播路4208)を伝播する電磁波信号は、受信アンテナ4211により受信され、復調器4206により復調された後、減算器4215にて乱数発生器4205から配信されて来る乱数で減算され復号された後、受信回路4204へ出力される。
【0186】
回路が単純な排他的論理和回路にて、ガロア体(GF(2))上の加算が実現できるため、加算器4214および減算器4215の構成は簡単である。送信回路4201がシリアルデータを出力する場合は、単純に1ビット乱数と排他的論理和を取るだけで加算が実現できる。また、ガロア体GF(2)では、加算と減算は同一の(等価な)演算であるため、復号に必要な減算器も排他的論理和回路で実現でき、構成が簡単である。送信回路4201の発するデータがシリアルでなくパラレルデータのときは、ビット毎に乱数と排他的論理和をとり、桁上りを無視すれば計算が簡単となる。乱数発生器4205による乱数発生を頻繁に行い、乱数を常に更新しつづければ、システムの安全性はさらに高まる。
【0187】
乱数発生器4205は受信部ブロック4213の中にあり、有線路4207を通じて送信部ブロック4212内の加算器4214に送出しても良い。
上述した実施例によれば、電子装置内部のデータを乱数化して無線にて伝送することにより、高速データ伝送の必要な配線を無くし、電子装置動作の高速化に伴い発生する種々の問題を安全性を損なうことなく一気に解決できる。
【実施例27】
【0188】
図27は本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示す概念図である。
図27において、送信部ブロック4312から受信部ブロック4313へデータを送信するものとする。送信情報をもつ送信回路4301からその情報を受信する受信回路4304へ情報伝送を行う。送信回路4301の発する送信情報は、拡散変調器4302により拡散変調され、送信アンテナ4310より電磁波信号(電波)として送信される。拡散変調に用いる拡散符号は、拡散符号発生器4303により発生される。
【0189】
拡散符号発生器4303にて発生された拡散符号は、拡散符号バッファ回路4314に送られ蓄えられる。同時に拡散符号発生器4303にて発生された拡散符号は、有線路4307を通じて受信部ブロック内4313の拡散符号バッファ回路4315にも送られ蓄えられる。拡散変調器4302は、拡散符号バッファ回路4314に蓄えられている拡散符号により、送信情報を拡散変調する。前記送信アンテナ4310より発せられ空間(無線伝播路4308)を伝播する電磁波信号は、受信アンテナ4311により受信され、復調器4306により逆拡散され、受信回路4304へ出力される。逆拡散に用いる拡散符号は、送信時に拡散変調した符号と同じものを同じタイミングで使用する。二つの拡散符号バッファ回路4314、4315は、そのために同期して作動するよう制御される。
【0190】
拡散符号発生器4303は受信部ブロック内4313にあり、有線路4307を通じて送信部ブロック4312内の拡散符号バッファ回路4314に送出しても良い。
拡散符号は、拡散符号発生器4303によっていつでも自由に発生できる。変更された拡散符号は、二つの拡散符号バッファ回路4314、4315の働きにより常に送受間で同期しトラッキングが保たれているため、拡散符号は必要に応じて自由にいつでも変更できる。また、非常に長い拡散符号を使用することもできる。
【0191】
第三者が漏洩電磁波信号を受信し解読を試みても、拡散符号が分からないと解読ができず、また、拡散符号は電子装置内の有線通信にて受信側に通知されているので、第三者が拡散符号を盗むことは非常に困難である。そのため、システムは非常に安全性が高い。また、長い拡散符号を用いたり、拡散符号を頻繁に変えたりすると、さらに安全性は高まる。
【0192】
上述した実施例によれば、電子装置内部のデータを拡散符号化して無線にて伝送することにより、高速データ伝送の必要な配線を無くし、電子装置動作の高速化に伴い発生する種々の問題を安全性を損なうことなく一気に解決できる。
【実施例28】
【0193】
図28は本発明にかかる電子装置のさらにその他の一実施例を示す図である。
図28において、電子装置は本体部4405と表示部4412に分けられ、ヒンジ4407を介して一体化されている。そして、液晶コントローラ4408が発生する表示データは、乱数発生器4413の発生する乱数と加算され、変調器4400に送られ変調され、送信アンテナ4409より電磁波(電波)に変換され、空間を伝播する。送信アンテナ4409より送信された電磁波信号は、受信アンテナ4410により受信され、復調器4402により復調された後、減算器4414により送信時に加算された乱数が減算され、表示データに復元される。表示データは液晶ドライバ4401に送られ、液晶表示体4406に表示される。
【0194】
乱数発生器4413で発生した乱数は、有線路4411を通って減算器4414に伝送される。この信号は伝送データ速度に比較して低いレートで十分なので、また必要な信号線の本数も少ないので、ヒンジ4407を通って配線することは容易である。さらに、配線や部品配置の自由度も増し、同図のように信号の送信部である変調器4400や送信アンテナ4409および受信部である復調器4402や受信アンテナ4410をヒンジ4407から遠いところに配置することも可能である。また、部品の配置の制約が減り、機器のデザインや使い勝手を向上させる上での設計上の自由度が格段に増えることになる。
【0195】
伝送しようとするデータが高速化するに伴い伝送線路内を伝送させることは困難となるが、空間内の電磁波による伝送はより容易になってくる。一方、電磁波信号の漏洩による盗聴などの安全上の問題は、本実施例のように乱数を加算して無線信号とすれば、加算した乱数を知られない限り解読は不可能である。加算された乱数は電子装置内の有線路4411で受信側に送られるため、第三者が乱数を知ることは不可能であり、安全性は高い。
【実施例29】
【0196】
図29は本発明にかかるデータ伝送および電子装置の実施例の要部のブロック図である。
図29において、CPU4501は電子装置全体を制御し、またMPEGやJPEGなどの圧縮画像データの伸張や撮像素子で撮像した画像データを使って、表示体に表示する画像データを生成し、ビデオメモリ4502に書き込む。液晶コントローラ4503は、液晶表示体4517の駆動順序に沿ってビデオメモリ4502より表示データ4525を読み出し、液晶表示体4517の水平同期信号4523、垂直同期信号4524とともにロジック回路4504へ出力する。ロジック回路4504は、表示データ4525の並直変換およびプリアンブル付与などのデータの並べ替えを行い、通信パケットを構築する。
一次変調器4505は、この信号にパルス発生器4506によって発生されるパルス列を変調する。一次変調には、パルス列に対してのパルス位置変調やバイフェーズパルス変調などが利用できる。一次変調を受けた信号は、拡散符号発生器4508により発生された拡散符号で、拡散変調器4507により拡散変調される。
【0197】
拡散変調されたパルス列は、パルス整形回路4509によりスペクトル密度の低い広帯域パルスとなるように非常に短時間のパルスに波形整形を受けた後、送信アンテナ4510によって電磁波として放射される。放射される電磁界は、サイン波に変調をかけたものではなく、非常に細いパルス列である。
放射された電磁波は、無線伝播路4526を通って受信アンテナ4511に受信され、必要に応じてプリアンプ4512により増幅された後、相関器4514によってパルス発生器4513の発生するパルステンプレートとの相関が計算される。前記相関器4514出力は、拡散符号発生器4508から有線路4527を通って送られてくる拡散符号によって逆拡散回路4515で逆拡散された後、復調器4517で復調され、一次変調前の信号(ロジック回路4504にて構成された通信パケット)に変換される。ロジック回路4518は、復調器4517により復元された通信パケットから液晶ドライバを駆動するための表示データ信号4519、水平同期信号4520、垂直同期信号4521およびXドライバのXクロック信号4522を発生し、液晶表示体に送り表示を行う。受信側では逆拡散に必要な拡散符号が送信側から有線路4527により送られてくるので、拡散符号を持つ必要がなく、また逆拡散のための同期捕捉も不要であり受信側の回路は極めて簡素化される。
【0198】
UWB通信では、漏洩する電磁波そのものが極めて微弱なスペクトル密度であり、気づかれないように第三者が傍受することが本質的に困難である。さらに、本実施例では、拡散符号が電子装置内部の閉じた空間内で有線路4527により受信側に伝えられるため、拡散符号を第三者が知ることができない。さらに、拡散符号はいつでも変更できるので、さらに安全性が高くなる。このため、コストをほとんど増やさずに高い安全性を保ちながら、液晶表示体4517へのデータ伝送の高速化に伴う従来の様々の問題を回避できる。
【実施例30】
【0199】
図30は本発明にかかる電子装置の実施例の要部のブロック図を示す図であり、本発明にかかる情報伝送方式を撮像素子を用いる電子装置に応用した例を示す。
図30において、撮像素子4601は制御回路4602から発生される水平同期信号4620および垂直同期信号4621により起動され、撮像した画像データ4619を出力する。ロジック回路4603は、これらの信号を受けて無線伝送のためのパケットを構築する。該パケットは、暗号器4604により暗号化され、変調器4605により変調され、送信アンテナ4607から電磁波として放射される。
【0200】
暗号に用いる鍵は、鍵発生回路4615により発生され、送信側の鍵バッファ回路4606および受信側の鍵バッファ回路4611に同時に送出される。鍵バッファ回路4606と鍵バッファ回路4611は、送受信双方で同期して暗号器4604および複号器4613に暗号鍵をそれぞれ出力し、復号器4613が正しく復号できるよう働く。受信側の鍵バッファ回路4611へは、鍵発生回路4615から有線路4623を通って鍵が送出される。
【0201】
前記送信アンテナ4607から送信された電磁波信号は、無線伝播路(空間)4622を通って伝播し、受信アンテナ4608で受信されプリアンプ4609で増幅され、バンドパスフィルタ4610により不要な帯域外信号が除去されて復調器4612により復調される。復調された信号は、復号器4613により暗号が解かれ、直並列変換回路4614に送られる。直並列変換回路4614は、復調された受信パケットの中から画像データ部分を抽出し、画素毎に直並列変換を行い画素データを生成する。
【0202】
ロジック回路4616は、復調された画素データに合わせてビデオメモリ4617に書きこむためのメモリアドレスを発生、直接またはCPU4618を介して画像データをビデオメモリ4617の該アドレスに書きこむ。CPU4618は、ビデオメモリ4617にアクセスし、画像データを様々なアプリケーションに使用する。
無線通信路4622により伝播する信号が漏洩し、これを第三者が盗聴したとしても、信号に暗号がかかっているため、第三者が暗号鍵を手に入れない限り、伝送データの内容を知ることは非常に困難である。暗号鍵は同一機器内のような至近距離内の有線通信路により有線伝送されているため、第三者が暗号鍵を知ることは不可能であり、安全性は非常に高い。鍵発生回路4615と鍵バッファ回路4606、4611とは有線線路4623を通じて常につながっているので、暗号鍵はいつでも変更ができる。暗号鍵を頻繁に変更すれば、安全性はさらに高まる。
【0203】
本実施例では、鍵発生回路4615がデータの送信側に置かれているが、データの受信側において、通信路4623を通って送信側の鍵バッファ回路4606に送っても、同様の効果が得られる。
上記構成、すなわち撮像素子4601からのデータ伝送を暗号化し、無線伝送することで、撮像素子4601の大型化に伴いより顕在化してきた、消費電力の増大、配線位置の制約、EMI問題、信頼性劣化など有線伝送によって生じる種々の問題を安全性を損なうことなく除去できる。
【実施例31】
【0204】
図31は本発明にかかる電子装置のさらに他の実施例の要部を示す概念図である。
図31において、送信部ブロック4712には、送信すべき情報を有する送信回路4701が設けられ、受信部ブロック4713には、前記送信情報を受信する受信回路4704が設けられている。そして、送信部ブロック4712から受信部ブロック4713へデータを送信するものとする。
【0205】
回路4701の発する送信データは、秘話回路4703により秘話処理が施され、変調器4702により変調され、送信アンテナ4710より電磁波として送信される。秘話回路4703はまた秘話コードを発生し、秘話コードを重畳回路4715により電源線4707に重畳し、電源電圧とともに有線にて受信部ブロック4713へ信号伝達する。秘話処理では、上記実施例で説明したような乱数の加減算や暗号化、拡散変調などを適用できる。また、秘話コードは、乱数、暗号鍵または拡散符号に相当する。
【0206】
前記送信アンテナ4710より発せられ空間(無線伝播路4708)を伝播する送信データを運ぶ電磁波信号は、受信アンテナ4711により受信され復調器4706により復調され、復号器4705へ出力される。復号器4705は、電源線4707に重畳され有線伝送され分離回路4714により分離された秘話コードを使用して受信データに課せられた秘話処理をはずし、復号して受信回路4704へ伝達する。なお、秘話コードは、データの受信部ブロック4713から送信部ブロック4712へ送信されることもある。その場合は、秘話コードは受信部ブロック4713の側で発生され、4714が重畳回路、4715が分離回路となる。
【0207】
秘話コードは、電源線4707に電源電圧とともに重畳され、送信部ブロック4712と受信部ブロック4713との間で送受信される。電源4716は、送信部ブロック4712内のすべての回路に電源電圧を供給し、秘話回路4703の発する秘話コードが重畳回路4715により電源線4707に重畳される。重畳回路4715の内部の詳細を一点鎖線4717内に示す。端子4728は電源4716に接続され、端子4729は電源線4707に接続される。秘話回路7403より発する秘話コードは、端子4725からハイパスフィルタ4724を通じて電源線4707に重畳される。
【0208】
重畳された秘話コードの信号は、ローパスフィルタ4727により端子4728側には漏洩せず、従って送信部ブロック4712のすべての回路は正しく作動する。電源線4707に重畳された秘話コードは、分離回路4714により分離され、復号器4705に伝えられる。一転鎖線4718内に分離回路4714の内部を詳述する。端子4721は電源線4707に接続される。
【0209】
端子4721に入った秘話コードの信号は、ハイパスフィルタ4723により分離され、端子4720より復号器4705に伝送される。ローパスフィルタ4722は、重畳されている秘話コードの情報の漏洩を阻止するので、端子4719からは電源4712より供給されるエネルギーのみが伝送され、端子4719を通じて受信部ブロック4713内のすべての回路に正しく電源電圧を供給する。秘話コードが受信部ブロック4713の側から送信部ブロック4712の側に送られるときは、重畳回路4715と分離回路4714の回路の機能は逆になるが、図25に示すように、それぞれの回路構成は同一でもよい。
【0210】
このような構成をとることにより、無線伝送する信号の安全性を保つために使用する秘話コードは電源線に重畳して伝送されるため、最小の配線数で電子装置内の信号のやり取りが可能となり、簡素な方法で信頼性および安全性の高い電子装置を実現することができる。
特に、このような構成を半導体チップ間のデータ伝送に用いると、チップ間の信号は秘話処理を課して無線で行なわれ、秘話処理のための秘話コードは電源線に重畳し伝送されるので、必要な配線は電源だけとなり、安全性を損なうことなく半導体チップの実装を極めて容易にできる。
【実施例32】
【0211】
図32から図39は、有線通信および無線通信のタイミングの実施例を示す図である。
図32において、回路ブロック間でデータが無線にて送信されるとともに、それらの回路ブロック間で同期信号が有線にて同時に送信される。
また、図33において、回路ブロック間で双方向通信が行なわれる場合、同期信号を有線にて双方向に伝送してもよいが、片方向に伝送される同期信号に同期させながら、もう一方の無線通信を行うようにしてもよい。
【0212】
また、図34において、有線と無線の両方を用いて回路ブロック間でデータの伝送を行うようにしてもよい。
また、図35において、回路ブロック間で無線にてデータ伝送を行う場合、無線通信の制御情報を有線にて送るようにしてもよい。例えば、送信開始通知や暗号鍵を有線にて伝送し、その送信開始通知や暗号鍵を受けて無線通信を開始するようにしてもよい。また、無線通信が終了した場合、追加情報通知を有線にて行うようにしてもよい。
【0213】
また、図36において、無線通信の制御情報を有線にて送る場合、暗号鍵を有線にて伝送し、その暗号鍵の確認を有線にて行ってから、無線通信を開始するようにしてもよい。
また、暗号鍵の確認でなく、制御の確認を行うようにしてもよい。
また、図37から図39において、暗号鍵を無線通信フレームごとに変えるようにしてもよい。ここで、各無線通信フレームごとに、暗号鍵の確認を有線にて行うようにしてもよいし、送信終了通知を有線にて行うようにしてもよい。なお、無線通信フレームとは、1回の無線通信が開始されてから、その無線通信が終了するまでの期間をいう。
【0214】
以上述べたように、本発明の上記実施例によれば、電子装置の同一機器内または同一システム内のような極近距離に電磁波による無線データ伝送を使うことが可能となり、従来の高速データ伝送に伴う種々の問題や実装上の問題を除去することができ低コストで高信頼性かつ低消費電力の電子装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0215】
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば電子装置に内蔵するハードディスクドライブなどの記憶装置とCPUとの接続等、幅広い用途に適用できる。
【符号の説明】
【0216】
1,21…第1筐体部、2,22…第2筐体部、3,23,207,2207,4407…ヒンジ、4,24…操作ボタン、5,25…マイク、6,26…外部無線通信用アンテナ、7,10,27,30…内部無線通信用アンテナ、8,11,28…表示体、9,29…スピーカ、12…撮像素子、101,104,1001,1005…回路要素、102,200,308,707,905,1004,1309,2102,2200,2308,2607,2705,2903,3004,3109,4102,4202,4400,4605,4702…変調器、106,202,314,712,817,912,1008,1307,2106,2202,2314,2612,2712,2817,2907,3008,3107,4106,4202,4306,4406,4517,4612,4706…復調器、112,2112,4112,4212,4312,4712…送信部ブロック、113,2113,4113,4213,4313,4713…受信部ブロック、103,105,2103,2105…インターフェース回路、107,340,827,923,1014,1316,2723,4107,4207,4307,4411,4527,4623…有線路、329,726,826,922,1015,1319,2108,2626,2722,2826,3015,3119,4108,4208,4211,4308,4526,4622,4708…無線伝播路、110,212,310,708,810,907,1010,1317,2110,2209,2310,2608,2707,2810,3010,3117,4110,4210,4310,4409,4510,4607,4710…送信アンテナ、111,210,311,709,811,908,1011,1318,2111,2210,2311,2609,2708,2811,3011,3118,4111,4211,4311,4410,4511,4608,4711…受信アンテナ、301,701,801,918,2301,2601,2718,2801,4501,4618…CPU、302,702,802,917,2302,2602,2717,2802,4502,4617…ビデオメモリ、208,303,703,803,2208,2303,2603,2803,4408,4503…液晶コントローラ、805,2805,4505…一次変調器、807,2807,4302,4507…拡散変調器、206,2206,2318,4406,4517…液晶表示体、901,2701,4601…撮像素子、309,502,513,706,906,1304,1306,2902,2908,3104,3106…搬送波発振器、326,500,517,713,904…分周器、315,508,520,715,915,2309,2315,2402,2408,2413,2420,2606,2615,2706,2715…PLL、501,505,515,519,521,2401,2405,2415,2419,2421…乗算器、514,522,2414,2422…+90°移相器、705,716,808,816,1321,1322,2605,2616,2808,2816,3121,3122…拡散コード発生器、704,2604…符号多重化回路、714,815,2815,1308,2614,3108,4515…逆拡散回路、806,813,2806,2813,4506,4513…パルス発生器、809,2809,4509…パルス整形回路、814,2814,4514…相関器、2107,2211,2330,2627,2723,2827,2905,3014,3116,4707…電源線、2115,2117,2214,2326,2613,2704,2828,2904,3017,3125,4715,4717…重畳回路、2114,2118,2215,2327,2622,2711,2829,2906,3016,3126,4714,4718…分離回路、2101,3001,4101,4201,4301,4701…送信回路、2104,3005,4104,4204,4304,4704…受信回路、4103,4105,4606,4611…鍵バッファ回路、4114,4604…暗号器、4115,4613,4705…復号器、4116,4615…鍵発生回路、4214…加算器、4215,4414…減算器、4205,4413…乱数発生器、4303,4508…拡散符号発生器、4314,4315…拡散符号バッファ回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カテゴリー情報を無線通信する無線通信手段と、第2カテゴリー情報を有線通信する有線通信手段とを具備し、前記第1カテゴリー情報の無線通信と前記第2カテゴリー情報の有線通信は一通信リンク内で行われることを特徴とする情報伝送方式。
【請求項2】
第1カテゴリー情報を無線通信する無線通信部と第2カテゴリー情報を有線通信する有線通信部を具備し、前記第1カテゴリー情報の無線通信と前記第2カテゴリー情報の有線通信は一通信リンク内で行われることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
第1カテゴリー情報を無線通信する無線通信部と、
前記第1カテゴリー情報の制御または処理に用いられる第2カテゴリー情報を有線通信する有線通信部とを具備することを特徴とする電子装置。
【請求項4】
第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、
前記情報発信部の第1カテゴリー情報を暗号化する暗号部と、
前記暗号部により暗号化された第1カテゴリー情報を電磁波信号により送信する無線送信部と、
前記無線送信部により送信された電磁波信号を受信する無線受信部と、
前記無線受信部で受信した信号を復号する復号部と、
暗号鍵を第2カテゴリー情報として生成する鍵生成部と、
前記鍵生成部により生成された暗号鍵を前記暗号部および復号部に有線通信にて配信する有線通信部とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項5】
第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、
乱数を第2カテゴリー情報として生成する乱数生成部と、
前記乱数発生部により発生された乱数を有線通信により配信する有線通信部と、
前記情報発信部の発信した第1カテゴリー情報に前記乱数を加算する加算部と、
前記加算部により加算された情報を電磁波信号により送信する無線送信部と、
前記無線送信部より送信された電磁波信号を受信する無線受信部と、
無線通信部にて受信された情報から前記乱数を減算し復号する減算部とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項6】
第1カテゴリー情報を発信する情報発信部と、
拡散符号を第2カテゴリー情報として生成する拡散符号生成部と、
前記拡散符号生成部により発生された拡散符号を有線通信により配信する有線通信部と、
前記情報発信部の発信した第1カテゴリー情報を前記拡散符号により拡散変調する変調部と、
前記変調部により変調された情報を電磁波により送信する無線送信部と、
前記電磁波信号を受信する無線受信部と、
前記無線受信部にて受信された情報を前記拡散符号により逆拡散する復調部とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項7】
前記有線通信部は電源線に信号を重畳し通信することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1カテゴリー情報を電磁波信号に変換する電磁波変換部と、前記電磁波信号を受信し、前記第1カテゴリー情報に復元する電磁波復元部とを備えることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項9】
前記電磁波変換部と前記電磁波復元部は、同一の搬送波発振器が発生する搬送波で駆動されることを特徴とする請求項8記載の電子装置。
【請求項10】
前記電磁波変換部はスペクトル拡散変調を行い、前記電磁波復元部はスペクトル逆拡散を行い、前記電磁波変換部および前記電磁波復元部の同期情報は有線で伝送されることを特徴とする請求項8記載の電子装置。
【請求項11】
前記電磁波変換部はUWB信号への変調を行い、前記電磁波復元部はUWB信号からの復調を行い、前記電磁波変換部および前記電磁波復元部の同期情報は有線で伝送されることを特徴とする請求項8記載の電子装置。
【請求項12】
第1カテゴリー情報を変調し電磁波信号として送信する無線送信部と、前記電磁波信号を受信し復調する無線受信部と、第2カテゴリー情報を電源線に重畳し伝送する有線送信部と、前記電源線に重畳された信号を分離する有線受信部を具備し、
前記第1カテゴリー情報および第2カテゴリー情報は前記無線送信部および有線送信部により一通信リンク内に送信され、かつ前記無線送信部と無線受信部は共通の前記電源線より電源が供給されていることを特徴とする電子装置。
【請求項13】
前記無線送信部は、基準信号を発生する制御部と、前記基準信号に同期して前記第1カテゴリー情報を電磁波信号に変換する変調部を具備し、
前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、
前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期して前記第1カテゴリー情報を復調する復調部を具備することを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項14】
前記無線送信部は、基準信号を発振する制御部と、前記基準信号に同期した搬送波を発振する第1搬送波発振部と、前記搬送波発振部の発する搬送波を第1カテゴリー情報で変調し電磁波信号に変換する変調部を具備し、
前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、
前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期した搬送波を発振する第2搬送波発振部と、前記第2搬送波発振部の発する搬送波を使って第1カテゴリー情報を復調する復調部を具備することを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項15】
前記無線送信部は、基準信号を発振する制御部と、前記基準信号に同期した搬送波を発振する第1搬送波発振部と、前記搬送波発振部の発する搬送波を第1カテゴリー情報で前記基準信号に同期して変調し電磁波信号に変換する変調部を具備し、
前記有線送信部および有線受信部により送受信される第2カテゴリー情報は前記基準信号であり、
前記無線受信部は、前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期した搬送波を発振する第2搬送波発振部と、前記第2搬送波発振部の発する搬送波を使って第1カテゴリー情報を前記有線受信部により受信された前記基準信号に同期して復調する復調部を具備することを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項16】
前記無線送信部は、位相変調により第1カテゴリー情報を変調し、変復調の搬送波情報を第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し、前記無線送信部で送信される送信パケットは、前記第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号に同期が取られることを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項17】
前記無線送信部は、スペクトル拡散変調により前記第1カテゴリー情報を変調し、前記無線受信部は、前記第1カテゴリー情報をスペクトル逆拡散して復調し、変復調の拡散コードの同期情報または搬送波情報を第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し同期を取ることを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項18】
前記無線送信部は、UWB変調により第1カテゴリー情報を変調し、復調のためのパルステンプレートの同期情報は前記第2カテゴリー情報として有線伝送される基準信号より生成し同期が取られることを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項19】
前記第2カテゴリー情報は、前記第1カテゴリー情報の無線通信に関する同期情報または搬送波情報を含むことを特徴とする請求項2から18のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項20】
前記第2カテゴリー情報は、前記第1カテゴリー情報の受信状態を示す情報を含み、前記第1カテゴリー情報の受信側から送信側に伝送されることを特徴とする請求項2から19のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項21】
前記第1カテゴリー情報は、画像データ、テキストデータまたは音声データの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項2から20のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項22】
前記第1カテゴリー情報を記憶する記憶部と、
前記第1カテゴリー情報を表示する表示体と、
前記表示体の駆動順序に合わせて前記記憶部から前記第1カテゴリー情報を読出し出力する表示制御部と、
前記表示制御部が読み出した前記第1カテゴリー情報に基づき前記表示体を駆動する表示体駆動部とを備えることを特徴とする請求項2から21のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項23】
撮像素子と、
前記撮像素子が撮影した画像信号を前記第1カテゴリー情報として読み出し出力する撮像制御手段とを備えることを特徴とする請求項2から22のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項24】
集積回路上の電子回路と集積回路外部とで伝送される情報を第1カテゴリー情報として無線伝送することを特徴とする請求項2から23のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項25】
表示部と、スピーカ部と、前記表示部に表示する画像データおよび前記スピーカ部を駆動する音響データを生成するデータソース部とを備え、前記表示部またはスピーカ部とデータソース部の間で伝送される前記画像データおよび音響データを第1カテゴリー情報として無線伝送することを特徴とする請求項2から23のいずれか1項記載の電子装置。
【請求項26】
第1筐体部と、
前記第1筐体部に連結された第2筐体部と、
前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、
前記第1筐体部または前記第2筐体部に搭載された外部無線通信用アンテナと、
前記第1筐体部に搭載され、前記外部無線通信用アンテナを介して行われる外部無線通信の制御を主として司る外部無線通信制御部と、
前記第2筐体部に搭載された表示部と、
前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、
前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、
前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、
前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、
前記第1筐体部または前記第2筐体部に搭載され、前記内部無線通信にて送られる一部の情報を有線にてやり取りする有線通信部とを備えることを特徴とする無線通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2010−283813(P2010−283813A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115070(P2010−115070)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【分割の表示】特願2006−155430(P2006−155430)の分割
【原出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】