電子計量装置の使用方法
【課題】異なる操作モードでの使用時でも較正に障害を来さない電子計量装置の使用方法を提供すること。
【解決手段】 電子計量装置は、駆動装置(7、8)と、ディスプレーサ装置(9,10)と、保持具(5)と、 データメモリ(23)と、電気選択装置(18,19,20,21)と、電気制御装置(22)とを備える。電気選択装置、データメモリ、電動モータおよび電気表示装置(16)は電気制御装置に接続されている。この電気制御装置によって、電動モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の動き、及び/又は電気選択装置(18,19,20,21)によって選択されデータメモリ(23)から引き出された較正データに基づいて電気表示装置(23)による計量ボリュームの表示が制御される。
【解決手段】 電子計量装置は、駆動装置(7、8)と、ディスプレーサ装置(9,10)と、保持具(5)と、 データメモリ(23)と、電気選択装置(18,19,20,21)と、電気制御装置(22)とを備える。電気選択装置、データメモリ、電動モータおよび電気表示装置(16)は電気制御装置に接続されている。この電気制御装置によって、電動モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の動き、及び/又は電気選択装置(18,19,20,21)によって選択されデータメモリ(23)から引き出された較正データに基づいて電気表示装置(23)による計量ボリュームの表示が制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を計量するための電子計量装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を計量するための周知の電子計量装置は、電動モータを備えた駆動装置と、電子表示装置と、電動モータによって駆動されるディスプレーサ装置とを有する。このディスプレーサ装置は、可動式のプランジャを備えたシリンダを有する。ディスプレーサ装置は、交換可能なピペットポイントと連絡可能に連結されて構成されている。当該ディスプレーサ装置によってエアークッションが移動し、これにより、液体がピペットポイントに吸引され、或いは、液体がピペットポイントから排出される。ピペットポイント及びシリンジは、1回の使用で使い捨てるものであって、プラスチックで形成されている。プランジャのストロークは、吸引又は排出される液量に対して正確に対応するものではない。これは、プランジャのストロークが液量を上回るように、シリンダの容積が液体の重量よりも幾分か大きくなっていることに起因している。
【0003】
特許文献1(国際公開公報WO2005/079988A1)によれば、電子表示装置と較正機能とを備えたピペット装置が知られている。較正機能には、所定の表示ボリュームにおける実際のピペット量をユーザインタフェースを介してピペット装置のコントロールシステムに入力する機能がある。コントロールシステムは較正データを計算してメモリに記録する。較正データを用いることによって、電子表示装置に表示される表示ボリュームが実際の計量値に一致するように、プランジャのストローク長や電子表示装置に表示される表示ボリュームが修正(較正)される。コントロールシステムに異なる較正データを記録することが可能であり、これらの各構成データは、例えば、ダイレクトピペットやリバースピペットなどといった異なるピペット機能(「操作モード」とも称する。)にそれぞれ用いられる。ダイレクトピペットは、所望の量の液体を直接吸引し又は排出する機能(モード)のことであり、一方、リバースピペットは、排出するのに望ましい量よりも多い量の液体を吸引し又はその後排出する機能(モード)のことである。
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/079988A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のピペットは、元々備わっている操作モードの一つが選択されることなく他の条件の操作に切り換えられた際には、新たに較正をする必要があった。
【0006】
このような問題に鑑みて本発明はなされたものであり、その目的は、異なる操作モードで使用する際に、較正に障害を来さない電子計量装置の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 請求項1の電子計量装置の使用方法は当該目的を解決するものである。当該計量装置の使用方法の有効性は実施例として従属項に開示されている。本発明に係る電子計量装置の使用方法は、駆動装置と、駆動装置に連結され、ディスプレーサチャンバおよびディスプレーサ部を備えた少なくとも一つのディスプレーサ装置と、ディスプレーサチャンバに連結された通路を備え、ピペットポイントを保持する少なくとも一つの保持具と、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する異なる較正データのための記憶領域を備えたデータメモリと、較正データを選択するための電気選択装置と、電気選択装置およびデータメモリに接続され、また駆動装置の電動モータ及び/又は電気表示装置に接続され、電動モータによるディスプレーサ部の動き、及び/又は電気選択装置によって選択されデータメモリから引き出された較正データに基づいて電気表示装置に表示される計量ボリュームの表示内容を制御する電気制御装置と、電源装置とを具備する電子計量装置の使用方法である。本発明に係る電子計量装置の使用方法は、操作者が、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる第1ステップと、操作者が、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う第2ステップと、操作者が、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる操作を行う第3ステップと、を含む。
【0008】
本発明による電子計量装置の使用方法により、異なるピペットポイント及び/又は異なる液体及び又は異なる使用条件に関する記憶済みの較正データを選択することにより、較正が簡単になる。これにより、ピペットポイントの交換(例えば別の物質からの異なる形状又は別の表面からなど)、又は別の液体の計量(例えば別の濃度、粘度など)、又は利用条件の変更(例えば温度、気圧、湿度などの環境又は異なる深さまでピペットポイントを浸すといった異なるピペット技術又は異なる配列又は異なるピペットの動作など)に起因して新たに発生した異なる操作条件下でも、新しい操作条件に関する較正データを速やかに選択して作業を継続することが可能となる。新規の操作条件での計量装置の較正を直前に行う必要もない。ここでは、選択は記載された較正データ1種類に限定することも、数件の較正データ又は全ての異なる較正データを含めることも可能である。
【0009】
本発明の第1の実施例として、データメモリから選択された較正データに基づいて、電気制御装置が電動モータを制御して、ディスプレーサ部が所望の量の液体をピペットポイントに正確に吸引させ、或いは、ピポットポイントから当該液体を排出させる。第2の実施例として、ディスプレーサ部を動かすことによって、較正データに基づいて、電気制御装置は吸引又は排出された液量にそれぞれ正確に一致するように該液量の表示を制御する。第2の実施例においては、電動モータを有する駆動装置を備えたものであってもよく、或いは、手動の駆動装置を備えたものであってもよい。手動型の電子計量装置は、作動部を有し、この作動部は手動によって二つの停止ポイント間を変位可能であって、この変位に応じてディスプレーサ部が変位する。ここでは、計量する液量の設定もしくはメーカ設定の較正のための少なくとも一つの停止ポイントを変更可能である。
【0010】
(2) 本発明は、設置操作型の計量装置および「ハンドヘルド電子計量装置」と呼ばれる手動型計量装置の使用方法に関する。
【0011】
(3) 実施例の一つによれば、較正データとは、異なる形状(すなわち円錐形、円筒形、円錐と円筒の一部が備わっている等)、及び/又は異なる材料(すなわちPE,PPまたはPS)、及び/又は異なる表面(例えば粗さ)のピペットポイントのための較正データ、及び/又は異なる液体の較正データ(例えばエタノール、プロパノール)、及び又は異なるタイプの液体(すなわちグリセロール−、プロテイン溶液)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの環境条件(例えば温度、気圧、湿度)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの使用条件(例えば、濡れていないピペットポイント又は計量前に濡らされているピペットポイント)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの使用条件(例えばサンプル液に浸す深さ、垂直方向へのピペットの配列、ピペットポイントの動作)の較正データなどのことである。
【0012】
(4) 実施例の一つによれば、データメモリは不揮発性メモリ(例えばEEPROM)からなるものであって、電源が入っていないときであっても較正データが消失することはない。
(5)さらに実施例によれば、不変記憶型の較正データを含む。これにより、較正データは消去も上書きもしてはいけないものとして扱われる。後者の較正データはたびたび再現されねばならず、計量装置の耐用年数(所定のピペットポイント、所定の液体、通常の温度、通常の気圧などの普段の使用条件下における耐用年数)中は変更はされない。したがって、データメモリは書き換え不可能なもの(例えばROM)で構成されている。又は一部書き換え不可となっている。
【0013】
較正データを電子計量装置の使用前にデータメモリに入力しておき、使用する際に、関連する較正データを選択するだけにしておくことも可能である。場合により、較正データをデータメモリにアップデートしたり、後で補充したりすることも可能である。較正データをデータメモリに異なる方法で記録することもできる。例えば、較正データを適当な方法で入手し、電気制御装置に接続されている電気入力装置を介してデータメモリに書き込むことも可能である。例えば、重量計測結果及び計測結果の分析値から較正データを得ることも可能であり、場合によっては操作者は適当なソフトウェアを用いて、外付けデータ装置を操作して構成データを得ることも可能である。また、現存の較正データを無視して、ピペットポイントの形状変化、及び/又は液体の別の濃度、及び/又は別の温度、及び/又は別の気圧、及び/又はピペットポイントを浸す別の深さ、及び/又は垂直方向へのピペットの別の配置を受けてさらに較正データを計算することも可能である。特に、計算方法は欧州特許公報EP0562358B2のパラグラフ[0019]から[0034]に記載の数式モデルを採用することが可能である。操作者は、場合によっては、これらの計算を適当なソフトウェアを用いて外付けのデータ装置を操作して行ってもよい。さらに、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件を電気入力装置を介して電子計量装置に入力することにより、当該較正データの計算を電気制御装置にさせてもよい。
【0014】
(6) 実施例の一つによれば、本発明に係る電子計量装置の使用方法は、操作者が重量測定法で得られた少なくとも一つのボリューム、及び/又は少なくとも一つの液体濃度、及び重量測定法で得られた少なくとも一つの液体の質量を電気入力装置により入力し、電気制御装置は、その重量測定法で得られたボリュームから較正データを計算し、及び/又は、液体濃度及び重量測定法で決定づけられた質量から重量的なボリュームと較正データとを計算し、当該較正データをデータメモリに記録する事前のステップをさらに有する。当該実施例において、重量測定結果は計量装置に入力され、そこで較正データが計算される。したがって、操作者による煩わしい計算は不要である。重量測定結果は、計量装置により較正データに変換され、データメモリに書き込まれる。異なるタイプとして、液体の質量及び濃度を入力できる場合であっても、操作者による量計算のステップは省かれる。
【0015】
(7) さらなる実施例によれば、事前のステップに於いて、複数の重量測定結果値を電気入力装置という手段を用いて入力することが可能であり、これによって電気制御装置はマルチポイントにおける較正のための較正データを決定し、データメモリに記録する。マルチポイントでの較正は、広い範囲にわたり計量ボリュームが設定できる場合に、特に正確な測定を可能とする。
【0016】
較正データを選択する電気選択装置は、例えばドッキングステーションと一体に形成され、電子計量装置の使用中の中断に対応する。ドッキングステーションは電子計量装置の電源の蓄電装置に充電する充電装置を備えることもできる。電気選択装置は、環境条件(温度、気圧、湿度など)を確定し、有線又は無線を通じてこれらの環境条件に関するデータを電気制御装置に転送します。そして、電気制御装置が、転送されたデータに基づいて電子計量装置における操作に対応する較正データを生成する。電気選択装置は、ドッキングステーションに設置することができ、また、ドッキングステーションから取り外すこともできる。また別の実施例によれば、電気選択装置は、電子計量装置と一体に形成され、該電子計量装置が使用される時に該当する使用されたピペットポイント及び/又は使用条件を自動的に瞬時に検出し、対応するデータを電気制御装置に供給する。供給された上記データが、対応する較正データの生成に寄与することになる。例えば、使用したピペットについては、ピペットポイントが電子計量装置に挿入されると、貼付されているコードを電子計量装置の読み取り装置が読み取って検出することができる。使用した液体については、例えば保管瓶のタグ(バーコードなど)から電子計量装置の読取装置により判別される。使用条件、例えば、温度、気圧、湿度、ピペットポイントを浸ける深さ、電子計量装置の垂直方向への配列は、電子計量装置に設けられた適切なセンサによって検出することができる。
【0017】
(8) 実施例の一つによれば、電気選択装置は、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する較正データの取り込み及び/又は選択のための電気入力装置からなる。それぞれの入力又は選択されたデータに基づいて、電気制御装置は、割り当てられた較正データを生成することができる。実施例の一つによれば、入力装置は電気キーボードである。
【0018】
(9) さらなる実施例によれば、電気入力装置は、少なくとも二つのキー(「モードキー」と「パラメータキー」と称する。)を有する。少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者がこれらを作動させることにより、電気制御装置が、表示装置の異なるメニューの表示や表示された入力内容を制御する。
【0019】
(10) さらなる実施例によれば、電気入力装置は、並んで配置された一対の電気コントロールキーを有し、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気制御装置は、コントロールキーが作動されることにより、パラメータや表示装置の表示の変化だけでなく、表示装置に表示されるメニューアイテムも制御する。
【0020】
(11)さらなる実施例によれば、電気制御装置は、コントロールキーが作動されることにより、電動モータによるディスプレーサ部の変位も制御する。
【0021】
上記実施例の電気入力装置は、計量装置の操作を容易にする。特に、較正データの選択や、重量測定結果の入力が単純化される。
【0022】
(12) 実施例の一つによれば、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気入力装置は操作者の操作に基づき、異なる操作モード(例えばピペット、分注、滴定など)の設定、及び/又は異なるパラメータ(計測、分注ステップ、液体の吸引排出時のプランジャ速度など)の設定、及び/又はディスプレーサ部の動作の制御を行う。
【0023】
(13) 実施例の一つによれば、電気入力装置には操作モードを設定する回転式の設定ボタンが設けられ、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、設定ボタンにより、当該計量装置の操作モードを設定する操作を行う。
【0024】
(14) 実施例の一つによれば、電気制御装置はマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有する。
【0025】
(15) 電源装置は電流を電子計量装置が備える電気機器に供給する。さらなる実施例によれば、電源装置は、主電源パック、及び/又は少なくとも一つのバッテリー、及び又は少なくとも一つの蓄電装置、及び又は蓄電装置を充電する電気充電装置を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、異なる操作モードでの使用時であっても較正に障害を来さない電子計量装置の使用方法を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、電子計量装置1の前方斜め方向及び側面からの透視図である。
【図2】図2は、同じ電子計量装置の側面図である。
【図3】図3は、同じ電子計量装置の図1と同じ透視図であるが、内部の部材は省かれている。
【図4】図4は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図5】図5は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図6】図6は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図7】図7は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図8】図8は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図9】図9は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図10】図10は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図11】図11は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図12】図12は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図13】図13は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図14】図14は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図15】図15は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図16】図16は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図17】図17は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図18】図18は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図19】図19は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図20】図20は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の実施形態が詳細に説明される。
【0029】
図1は、電子計量装置1の前方斜め方向及び側面からの透視図である。図2は、同じ電子計量装置1の側面図である。図3は、同じ電子計量装置1の図1と同じ透視図であるが、内部の部材は省かれている。図4から図16は、異なる操作状態における電子計量装置1の筐体ヘッド4の前側面の頂上略図である。図17から図20は、異なる操作状態における他の電子計量装置の筐体ヘッド4の設定ボタン17を省いた前側面の頂上略図である。
【0030】
図1から図3に示されるように、電子計量装置1は、ハンドル形状を具現化した筐体2を有する。筐体2は、長手方向に延びた筐体シャフト3と、先端部において45度に傾斜した筐体ヘッド4とからなる。筐体2は、その下端に、ピペットポイント6を設置するための漏斗状部5を有する。
【0031】
筐体シャフト3には、電動モータ8を備えた駆動装置7が配設されている。さらに、筐体シャフト3の内部には、その長手方向に移動可能なプランジャ10を備えたシリンダ9が設けられており、プランジャ10は、駆動装置7と機構的に連結されている。シリンダ9は、連結チャネル11を介して漏斗状部5の末端開口部に連結されている。
【0032】
筐体ヘッド4の下方側には、下方向に屈曲したフック12が設けられている。このフック12は、電子計量装置1を筐体シャフト3にしっかりと固定する。筐体シャフト3の上端には、ディスカードキー13が配設されている。このディスカードキー13は、ディスカードスリーブ14と機構的に連結されており、ディスカードキー13を作動させることにより、ピペットポイント6を漏斗状部5から取り外すことが可能となる。
【0033】
筐体ヘッド4の頂上部または前側面に、表示装置16または表示部が設けられている。これらは、例えばLCDで構成されている。この表示装置16には、素早く操作モードが設定できる回転式の設定ボタン17が設けられている
【0034】
表示装置16の下側には、互いにオフセットされたモードキー18及びパラメータキー19が横に並んで配置されている。それらの中間部には、二つの電気コントロールキー(以下「コントロールキー」と略称する。)20,21が上下方向に縦並びに配置されている。上側のコントロールキー20は、上方向への動きを調節し、下側のコントロールキー21は、下方向への動き及びオーバブローストロークを調節する。
【0035】
コントロールキー20は一つのスイッチポイントを有する。コントロールキー21は二つのスイッチポイントを有する。コントロールキー21が1番目のスイッチポイントに達すれば、下方向への動作を引き起こし、2番目のスイッチポイントに達すれば、プランジャ10のオーバブローストロークを引き起こす。
【0036】
筐体ヘッド4において、電気制御装置22が回路基板上に配置されている。電気制御装置22は、電動モータ8、表示装置16、設定ボタン17及びキー18〜21に接続されている。望ましくは、電気制御装置22が、例えば、マイクロコンピュータやマイクロコントローラのような電子データプロセスユニットとして構成されている。
【0037】
さらに、筐体ヘッド4には、データメモリ23が設けられている。このデータメモリ23は、少なくとも一つの独立したコンポーネント部材として構成されており、或いは、マイクロコントローラに一体的に組み込まれて構成されている。
【0038】
さらに、電源装置24が筐体ヘッド4の内部に設けられている。電源装置24は、例えば、幾つかの蓄電装置で構成されており、外付けの充電装置によって充電が可能となっている。電源装置24は、電子計量装置1が備える電気機器に電気を供給している。
【0039】
アイドリング駆動を一定時間行った後、任意のキー18〜21が作動されることによって、電子計量装置1はスタンバイモードから通常動作状態に移行する。これに加えて、またはこの代わりに、図示されていないオンスイッチ又はオフスイッチを作動させることにより、通常動作状態又は動作不可状態に切り換えられてもよい。
【0040】
スイッチが入力されると、表示装置16は直前に設定された操作モードと、この操作モードの直前に設定された計量パラメータとをサブメニューとして表示する。図4には、「ピペット(pip)」という操作モードが設定ボタン17により設定された表示例が示されている。
【0041】
モードキー18を作動させることにより、現在の操作モードの計量パラメータを変更することが可能である。図5には、モードキー18を作動させた後の表示装置16が示されている。変更可能な計量パラメータ(ここでは計測volume100μlの部分)は、例えば色彩などで強調図式化されるが、本実施形態では、淡いグレー色で強調図式化されている。
【0042】
コントロールキー20,21を作動させることにより、計量パラメータの値を増減させることが可能である。図6には、計量ボリュームが(80μlまで)減少された表示例が示されている。
【0043】
パラメータキー19を作動させることにより、設定された計量パラメータが転送され、また別の変更可能な計量パラメータへの切り換えがなされる。この表示は表示装置16によって強調図式化されて示されている(図7)。図7では、液体排出時のプランジャ速度が5mm/sに設定されている。この計量パラメータは、コントロールキー20,21の作動により、一実施例として、8mm/sまで変更が可能である(図8)。その後、液体を吸引する際に、新たにパラメータキー19を作動させて上記変更を転送して、吸引の際のプランジャ速度に切り換えることが可能であって、このことが強調図式化されて示されてる(図9)。この計量パラメータはコントロールキー20,21により変更可能であり、例えば、10mm/sまで変更可能である(図10)。
【0044】
モードキー18を作動させることにより、直前の変更を転送することが可能であり、編集モードからピペットモードに戻すことも可能である。その後、コントロールキー20を作動させることにより、80μlの液体をピペットポイントに吸引することが可能となり(図11)、コントロールキー21を作動させることにより同液体を排出することが可能となる(図12)。
【0045】
設定ボタン17を回転させると、手動ピペット(「man」)、ピペット&ミキシング(「pip und mix」)、分注(「dis」)、自動分注(「auto dis」)、滴定(「ttr」)、ゲルローディング(「gel」)、リバースピペット(「rev」)などの他の操作モードに変更することができる。
【0046】
オプション位置(「opt」)に設定ボタン17をあわせると、サブメニューが表示装置16に現れる(図13)。その状態で、コントロールキー20、21を作動させることにより、ポインタ25を他のメニューアイテムに移すこともできる(図14)。また、パラメータキー19を作動させることにより、一つのメニューアイテムの選択が可能である。
【0047】
調整(「Justage」)というメニューアイテムが選択されると、異なる較正パラメータ(図15)の選択または入力に関するサブメニュー(図15)が現れる。コントロールキー20,21を作動させることにより、ポインタ25を所定のメニューアイテムに移すことができ、更にパラメータキー19を作動させることにより、別のメニューアイテムの選択が可能となる(図16)。これにより、たとえば、メーカがセットアップしたエタノールまたはグリセロールや、又は特に長いピペットポイント(「Special Tip long」)などについての較正パラメータの選択も可能となる(図15)。さらにピペットポイントが使用さる特定の地域における海抜高度についての較正パラメータの選択も可能である(図16)。
【0048】
さらに、対応するメニューアイテムが選択された後は、エンドポイント、2ポイント、又は3ポイントにおける重量測定値の計量が可能である(図16)。
【0049】
設定ボタン17を回転させることにより、操作者は、選択された操作モードが実際のパラメータとともに示されているメニュー(図12に例示)にたどり着く。
【0050】
その後、操作者は、選択された操作モードで計量可能であり、電気制御装置22は、選択された較正データを生成する。そのデータはデータメモリ23に記録される。場合によっては、操作モードで有効な計量パラメータは上記に述べた方法で変更可能である。
【0051】
図17から図20は、設定回転体17を含まない他の電子計量装置の筐体ヘッド4の頂上部を示す。当該電子計量装置の操作モードは、表示装置16及びキー18〜21によって示されるメニューを介して選択される。
【0052】
この目的のために、モードキー18が押されると、直前に設定された計量パラメータ(図17)を伴い且つ直前に選択された操作モードの表示を消去し、その後、選択可能な操作モードが表示される(図18)。コントロールキー20,21を用いることによって、ポインタ25が所望の操作モードに移されている(図19)。操作モード確認のため、パラメータキー19が押され、その後、直前にセットされた計量パラメータを伴う選択された操作モードが表示される(図20)。
【0053】
その他、操作モードを設定する設定回転体を備えた操作も、上記図1から図16に記載の実施例と同じように行われる。特に、計量パラメータ、設定された操作モードでの計量プロセスの開始、較正データの選択及び重量測定結果の入力操作が上記の実現可能な実施例と同じように行われる。
【0054】
[計量の手順]
【0055】
上述された電子計量装置により、以下のステップで計量が行われる。まず、操作者は、事前に、電気入力装置(18,19,20,21)に少なくとも一つの液体の質量を入力し、電気制御装置(22)に、重量測定法で決定づけられたボリュームに基づいて較正データを計算させ、上記濃度と重量測定法で決定づけられた上記質量とに基づいて重量的なボリューム及び較正データを計算させ、データメモリ(23)に、当該較正データを記録させる操作を行う。そのとき、操作者は、複数の重量測定結果値に基づいて、電気制御装置(22)に多点較正のための較正データを決定させ、データメモリ(23)に該較正データを記録させることもできる。
【0056】
計量の際、操作者は、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる。
【0057】
続けて、操作者は、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う。
【0058】
操作者は、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる。
【0059】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、モードキー(18)とパラメータキー(19)とを作動させることによって、表示装置(16)の異なるメニューの表示及び表示された入力内容の制御を電気制御装置(22)に実行させることができる。
【0060】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、電気コントロールキー(20,21)を作動させることにより、電気制御装置(22)に、パラメータ及び表示装置(16)の変化の表示だけでなく、表示装置(16)に表示されるメニューアイテムの表示内容も制御させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・電子計量装置
2・・・筐体
3・・・筐体シャフト
4・・・筐体ヘッド
5・・・漏斗状部
6・・・ピペットポイント
7・・・駆動装置
8・・・電動モータ
9・・・シリンダ
10・・・プランジャ
11・・・連結チャネル
12・・・フック
13・・・ディスカードキー
14・・・ディスカードスリーブ
16・・・表示装置
17・・・設定ボタン
18・・・モードキー
19・・・パラメータキー
20,21・・・コントロールキー
22・・・電気制御装置
25・・・ポインタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を計量するための電子計量装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を計量するための周知の電子計量装置は、電動モータを備えた駆動装置と、電子表示装置と、電動モータによって駆動されるディスプレーサ装置とを有する。このディスプレーサ装置は、可動式のプランジャを備えたシリンダを有する。ディスプレーサ装置は、交換可能なピペットポイントと連絡可能に連結されて構成されている。当該ディスプレーサ装置によってエアークッションが移動し、これにより、液体がピペットポイントに吸引され、或いは、液体がピペットポイントから排出される。ピペットポイント及びシリンジは、1回の使用で使い捨てるものであって、プラスチックで形成されている。プランジャのストロークは、吸引又は排出される液量に対して正確に対応するものではない。これは、プランジャのストロークが液量を上回るように、シリンダの容積が液体の重量よりも幾分か大きくなっていることに起因している。
【0003】
特許文献1(国際公開公報WO2005/079988A1)によれば、電子表示装置と較正機能とを備えたピペット装置が知られている。較正機能には、所定の表示ボリュームにおける実際のピペット量をユーザインタフェースを介してピペット装置のコントロールシステムに入力する機能がある。コントロールシステムは較正データを計算してメモリに記録する。較正データを用いることによって、電子表示装置に表示される表示ボリュームが実際の計量値に一致するように、プランジャのストローク長や電子表示装置に表示される表示ボリュームが修正(較正)される。コントロールシステムに異なる較正データを記録することが可能であり、これらの各構成データは、例えば、ダイレクトピペットやリバースピペットなどといった異なるピペット機能(「操作モード」とも称する。)にそれぞれ用いられる。ダイレクトピペットは、所望の量の液体を直接吸引し又は排出する機能(モード)のことであり、一方、リバースピペットは、排出するのに望ましい量よりも多い量の液体を吸引し又はその後排出する機能(モード)のことである。
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/079988A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のピペットは、元々備わっている操作モードの一つが選択されることなく他の条件の操作に切り換えられた際には、新たに較正をする必要があった。
【0006】
このような問題に鑑みて本発明はなされたものであり、その目的は、異なる操作モードで使用する際に、較正に障害を来さない電子計量装置の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 請求項1の電子計量装置の使用方法は当該目的を解決するものである。当該計量装置の使用方法の有効性は実施例として従属項に開示されている。本発明に係る電子計量装置の使用方法は、駆動装置と、駆動装置に連結され、ディスプレーサチャンバおよびディスプレーサ部を備えた少なくとも一つのディスプレーサ装置と、ディスプレーサチャンバに連結された通路を備え、ピペットポイントを保持する少なくとも一つの保持具と、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する異なる較正データのための記憶領域を備えたデータメモリと、較正データを選択するための電気選択装置と、電気選択装置およびデータメモリに接続され、また駆動装置の電動モータ及び/又は電気表示装置に接続され、電動モータによるディスプレーサ部の動き、及び/又は電気選択装置によって選択されデータメモリから引き出された較正データに基づいて電気表示装置に表示される計量ボリュームの表示内容を制御する電気制御装置と、電源装置とを具備する電子計量装置の使用方法である。本発明に係る電子計量装置の使用方法は、操作者が、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる第1ステップと、操作者が、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う第2ステップと、操作者が、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる操作を行う第3ステップと、を含む。
【0008】
本発明による電子計量装置の使用方法により、異なるピペットポイント及び/又は異なる液体及び又は異なる使用条件に関する記憶済みの較正データを選択することにより、較正が簡単になる。これにより、ピペットポイントの交換(例えば別の物質からの異なる形状又は別の表面からなど)、又は別の液体の計量(例えば別の濃度、粘度など)、又は利用条件の変更(例えば温度、気圧、湿度などの環境又は異なる深さまでピペットポイントを浸すといった異なるピペット技術又は異なる配列又は異なるピペットの動作など)に起因して新たに発生した異なる操作条件下でも、新しい操作条件に関する較正データを速やかに選択して作業を継続することが可能となる。新規の操作条件での計量装置の較正を直前に行う必要もない。ここでは、選択は記載された較正データ1種類に限定することも、数件の較正データ又は全ての異なる較正データを含めることも可能である。
【0009】
本発明の第1の実施例として、データメモリから選択された較正データに基づいて、電気制御装置が電動モータを制御して、ディスプレーサ部が所望の量の液体をピペットポイントに正確に吸引させ、或いは、ピポットポイントから当該液体を排出させる。第2の実施例として、ディスプレーサ部を動かすことによって、較正データに基づいて、電気制御装置は吸引又は排出された液量にそれぞれ正確に一致するように該液量の表示を制御する。第2の実施例においては、電動モータを有する駆動装置を備えたものであってもよく、或いは、手動の駆動装置を備えたものであってもよい。手動型の電子計量装置は、作動部を有し、この作動部は手動によって二つの停止ポイント間を変位可能であって、この変位に応じてディスプレーサ部が変位する。ここでは、計量する液量の設定もしくはメーカ設定の較正のための少なくとも一つの停止ポイントを変更可能である。
【0010】
(2) 本発明は、設置操作型の計量装置および「ハンドヘルド電子計量装置」と呼ばれる手動型計量装置の使用方法に関する。
【0011】
(3) 実施例の一つによれば、較正データとは、異なる形状(すなわち円錐形、円筒形、円錐と円筒の一部が備わっている等)、及び/又は異なる材料(すなわちPE,PPまたはPS)、及び/又は異なる表面(例えば粗さ)のピペットポイントのための較正データ、及び/又は異なる液体の較正データ(例えばエタノール、プロパノール)、及び又は異なるタイプの液体(すなわちグリセロール−、プロテイン溶液)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの環境条件(例えば温度、気圧、湿度)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの使用条件(例えば、濡れていないピペットポイント又は計量前に濡らされているピペットポイント)の較正データ、及び/又は少なくとも一つの使用条件(例えばサンプル液に浸す深さ、垂直方向へのピペットの配列、ピペットポイントの動作)の較正データなどのことである。
【0012】
(4) 実施例の一つによれば、データメモリは不揮発性メモリ(例えばEEPROM)からなるものであって、電源が入っていないときであっても較正データが消失することはない。
(5)さらに実施例によれば、不変記憶型の較正データを含む。これにより、較正データは消去も上書きもしてはいけないものとして扱われる。後者の較正データはたびたび再現されねばならず、計量装置の耐用年数(所定のピペットポイント、所定の液体、通常の温度、通常の気圧などの普段の使用条件下における耐用年数)中は変更はされない。したがって、データメモリは書き換え不可能なもの(例えばROM)で構成されている。又は一部書き換え不可となっている。
【0013】
較正データを電子計量装置の使用前にデータメモリに入力しておき、使用する際に、関連する較正データを選択するだけにしておくことも可能である。場合により、較正データをデータメモリにアップデートしたり、後で補充したりすることも可能である。較正データをデータメモリに異なる方法で記録することもできる。例えば、較正データを適当な方法で入手し、電気制御装置に接続されている電気入力装置を介してデータメモリに書き込むことも可能である。例えば、重量計測結果及び計測結果の分析値から較正データを得ることも可能であり、場合によっては操作者は適当なソフトウェアを用いて、外付けデータ装置を操作して構成データを得ることも可能である。また、現存の較正データを無視して、ピペットポイントの形状変化、及び/又は液体の別の濃度、及び/又は別の温度、及び/又は別の気圧、及び/又はピペットポイントを浸す別の深さ、及び/又は垂直方向へのピペットの別の配置を受けてさらに較正データを計算することも可能である。特に、計算方法は欧州特許公報EP0562358B2のパラグラフ[0019]から[0034]に記載の数式モデルを採用することが可能である。操作者は、場合によっては、これらの計算を適当なソフトウェアを用いて外付けのデータ装置を操作して行ってもよい。さらに、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件を電気入力装置を介して電子計量装置に入力することにより、当該較正データの計算を電気制御装置にさせてもよい。
【0014】
(6) 実施例の一つによれば、本発明に係る電子計量装置の使用方法は、操作者が重量測定法で得られた少なくとも一つのボリューム、及び/又は少なくとも一つの液体濃度、及び重量測定法で得られた少なくとも一つの液体の質量を電気入力装置により入力し、電気制御装置は、その重量測定法で得られたボリュームから較正データを計算し、及び/又は、液体濃度及び重量測定法で決定づけられた質量から重量的なボリュームと較正データとを計算し、当該較正データをデータメモリに記録する事前のステップをさらに有する。当該実施例において、重量測定結果は計量装置に入力され、そこで較正データが計算される。したがって、操作者による煩わしい計算は不要である。重量測定結果は、計量装置により較正データに変換され、データメモリに書き込まれる。異なるタイプとして、液体の質量及び濃度を入力できる場合であっても、操作者による量計算のステップは省かれる。
【0015】
(7) さらなる実施例によれば、事前のステップに於いて、複数の重量測定結果値を電気入力装置という手段を用いて入力することが可能であり、これによって電気制御装置はマルチポイントにおける較正のための較正データを決定し、データメモリに記録する。マルチポイントでの較正は、広い範囲にわたり計量ボリュームが設定できる場合に、特に正確な測定を可能とする。
【0016】
較正データを選択する電気選択装置は、例えばドッキングステーションと一体に形成され、電子計量装置の使用中の中断に対応する。ドッキングステーションは電子計量装置の電源の蓄電装置に充電する充電装置を備えることもできる。電気選択装置は、環境条件(温度、気圧、湿度など)を確定し、有線又は無線を通じてこれらの環境条件に関するデータを電気制御装置に転送します。そして、電気制御装置が、転送されたデータに基づいて電子計量装置における操作に対応する較正データを生成する。電気選択装置は、ドッキングステーションに設置することができ、また、ドッキングステーションから取り外すこともできる。また別の実施例によれば、電気選択装置は、電子計量装置と一体に形成され、該電子計量装置が使用される時に該当する使用されたピペットポイント及び/又は使用条件を自動的に瞬時に検出し、対応するデータを電気制御装置に供給する。供給された上記データが、対応する較正データの生成に寄与することになる。例えば、使用したピペットについては、ピペットポイントが電子計量装置に挿入されると、貼付されているコードを電子計量装置の読み取り装置が読み取って検出することができる。使用した液体については、例えば保管瓶のタグ(バーコードなど)から電子計量装置の読取装置により判別される。使用条件、例えば、温度、気圧、湿度、ピペットポイントを浸ける深さ、電子計量装置の垂直方向への配列は、電子計量装置に設けられた適切なセンサによって検出することができる。
【0017】
(8) 実施例の一つによれば、電気選択装置は、異なるピペットポイント、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する較正データの取り込み及び/又は選択のための電気入力装置からなる。それぞれの入力又は選択されたデータに基づいて、電気制御装置は、割り当てられた較正データを生成することができる。実施例の一つによれば、入力装置は電気キーボードである。
【0018】
(9) さらなる実施例によれば、電気入力装置は、少なくとも二つのキー(「モードキー」と「パラメータキー」と称する。)を有する。少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者がこれらを作動させることにより、電気制御装置が、表示装置の異なるメニューの表示や表示された入力内容を制御する。
【0019】
(10) さらなる実施例によれば、電気入力装置は、並んで配置された一対の電気コントロールキーを有し、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気制御装置は、コントロールキーが作動されることにより、パラメータや表示装置の表示の変化だけでなく、表示装置に表示されるメニューアイテムも制御する。
【0020】
(11)さらなる実施例によれば、電気制御装置は、コントロールキーが作動されることにより、電動モータによるディスプレーサ部の変位も制御する。
【0021】
上記実施例の電気入力装置は、計量装置の操作を容易にする。特に、較正データの選択や、重量測定結果の入力が単純化される。
【0022】
(12) 実施例の一つによれば、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気入力装置は操作者の操作に基づき、異なる操作モード(例えばピペット、分注、滴定など)の設定、及び/又は異なるパラメータ(計測、分注ステップ、液体の吸引排出時のプランジャ速度など)の設定、及び/又はディスプレーサ部の動作の制御を行う。
【0023】
(13) 実施例の一つによれば、電気入力装置には操作モードを設定する回転式の設定ボタンが設けられ、少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、設定ボタンにより、当該計量装置の操作モードを設定する操作を行う。
【0024】
(14) 実施例の一つによれば、電気制御装置はマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有する。
【0025】
(15) 電源装置は電流を電子計量装置が備える電気機器に供給する。さらなる実施例によれば、電源装置は、主電源パック、及び/又は少なくとも一つのバッテリー、及び又は少なくとも一つの蓄電装置、及び又は蓄電装置を充電する電気充電装置を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、異なる操作モードでの使用時であっても較正に障害を来さない電子計量装置の使用方法を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、電子計量装置1の前方斜め方向及び側面からの透視図である。
【図2】図2は、同じ電子計量装置の側面図である。
【図3】図3は、同じ電子計量装置の図1と同じ透視図であるが、内部の部材は省かれている。
【図4】図4は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図5】図5は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図6】図6は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図7】図7は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図8】図8は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図9】図9は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図10】図10は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図11】図11は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図12】図12は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図13】図13は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図14】図14は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図15】図15は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図16】図16は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの前側面の頂上略図である。
【図17】図17は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図18】図18は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図19】図19は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【図20】図20は、異なる操作状態における電子計量装置の筐体ヘッドの設定ボタンを省いた前側面の頂上略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の実施形態が詳細に説明される。
【0029】
図1は、電子計量装置1の前方斜め方向及び側面からの透視図である。図2は、同じ電子計量装置1の側面図である。図3は、同じ電子計量装置1の図1と同じ透視図であるが、内部の部材は省かれている。図4から図16は、異なる操作状態における電子計量装置1の筐体ヘッド4の前側面の頂上略図である。図17から図20は、異なる操作状態における他の電子計量装置の筐体ヘッド4の設定ボタン17を省いた前側面の頂上略図である。
【0030】
図1から図3に示されるように、電子計量装置1は、ハンドル形状を具現化した筐体2を有する。筐体2は、長手方向に延びた筐体シャフト3と、先端部において45度に傾斜した筐体ヘッド4とからなる。筐体2は、その下端に、ピペットポイント6を設置するための漏斗状部5を有する。
【0031】
筐体シャフト3には、電動モータ8を備えた駆動装置7が配設されている。さらに、筐体シャフト3の内部には、その長手方向に移動可能なプランジャ10を備えたシリンダ9が設けられており、プランジャ10は、駆動装置7と機構的に連結されている。シリンダ9は、連結チャネル11を介して漏斗状部5の末端開口部に連結されている。
【0032】
筐体ヘッド4の下方側には、下方向に屈曲したフック12が設けられている。このフック12は、電子計量装置1を筐体シャフト3にしっかりと固定する。筐体シャフト3の上端には、ディスカードキー13が配設されている。このディスカードキー13は、ディスカードスリーブ14と機構的に連結されており、ディスカードキー13を作動させることにより、ピペットポイント6を漏斗状部5から取り外すことが可能となる。
【0033】
筐体ヘッド4の頂上部または前側面に、表示装置16または表示部が設けられている。これらは、例えばLCDで構成されている。この表示装置16には、素早く操作モードが設定できる回転式の設定ボタン17が設けられている
【0034】
表示装置16の下側には、互いにオフセットされたモードキー18及びパラメータキー19が横に並んで配置されている。それらの中間部には、二つの電気コントロールキー(以下「コントロールキー」と略称する。)20,21が上下方向に縦並びに配置されている。上側のコントロールキー20は、上方向への動きを調節し、下側のコントロールキー21は、下方向への動き及びオーバブローストロークを調節する。
【0035】
コントロールキー20は一つのスイッチポイントを有する。コントロールキー21は二つのスイッチポイントを有する。コントロールキー21が1番目のスイッチポイントに達すれば、下方向への動作を引き起こし、2番目のスイッチポイントに達すれば、プランジャ10のオーバブローストロークを引き起こす。
【0036】
筐体ヘッド4において、電気制御装置22が回路基板上に配置されている。電気制御装置22は、電動モータ8、表示装置16、設定ボタン17及びキー18〜21に接続されている。望ましくは、電気制御装置22が、例えば、マイクロコンピュータやマイクロコントローラのような電子データプロセスユニットとして構成されている。
【0037】
さらに、筐体ヘッド4には、データメモリ23が設けられている。このデータメモリ23は、少なくとも一つの独立したコンポーネント部材として構成されており、或いは、マイクロコントローラに一体的に組み込まれて構成されている。
【0038】
さらに、電源装置24が筐体ヘッド4の内部に設けられている。電源装置24は、例えば、幾つかの蓄電装置で構成されており、外付けの充電装置によって充電が可能となっている。電源装置24は、電子計量装置1が備える電気機器に電気を供給している。
【0039】
アイドリング駆動を一定時間行った後、任意のキー18〜21が作動されることによって、電子計量装置1はスタンバイモードから通常動作状態に移行する。これに加えて、またはこの代わりに、図示されていないオンスイッチ又はオフスイッチを作動させることにより、通常動作状態又は動作不可状態に切り換えられてもよい。
【0040】
スイッチが入力されると、表示装置16は直前に設定された操作モードと、この操作モードの直前に設定された計量パラメータとをサブメニューとして表示する。図4には、「ピペット(pip)」という操作モードが設定ボタン17により設定された表示例が示されている。
【0041】
モードキー18を作動させることにより、現在の操作モードの計量パラメータを変更することが可能である。図5には、モードキー18を作動させた後の表示装置16が示されている。変更可能な計量パラメータ(ここでは計測volume100μlの部分)は、例えば色彩などで強調図式化されるが、本実施形態では、淡いグレー色で強調図式化されている。
【0042】
コントロールキー20,21を作動させることにより、計量パラメータの値を増減させることが可能である。図6には、計量ボリュームが(80μlまで)減少された表示例が示されている。
【0043】
パラメータキー19を作動させることにより、設定された計量パラメータが転送され、また別の変更可能な計量パラメータへの切り換えがなされる。この表示は表示装置16によって強調図式化されて示されている(図7)。図7では、液体排出時のプランジャ速度が5mm/sに設定されている。この計量パラメータは、コントロールキー20,21の作動により、一実施例として、8mm/sまで変更が可能である(図8)。その後、液体を吸引する際に、新たにパラメータキー19を作動させて上記変更を転送して、吸引の際のプランジャ速度に切り換えることが可能であって、このことが強調図式化されて示されてる(図9)。この計量パラメータはコントロールキー20,21により変更可能であり、例えば、10mm/sまで変更可能である(図10)。
【0044】
モードキー18を作動させることにより、直前の変更を転送することが可能であり、編集モードからピペットモードに戻すことも可能である。その後、コントロールキー20を作動させることにより、80μlの液体をピペットポイントに吸引することが可能となり(図11)、コントロールキー21を作動させることにより同液体を排出することが可能となる(図12)。
【0045】
設定ボタン17を回転させると、手動ピペット(「man」)、ピペット&ミキシング(「pip und mix」)、分注(「dis」)、自動分注(「auto dis」)、滴定(「ttr」)、ゲルローディング(「gel」)、リバースピペット(「rev」)などの他の操作モードに変更することができる。
【0046】
オプション位置(「opt」)に設定ボタン17をあわせると、サブメニューが表示装置16に現れる(図13)。その状態で、コントロールキー20、21を作動させることにより、ポインタ25を他のメニューアイテムに移すこともできる(図14)。また、パラメータキー19を作動させることにより、一つのメニューアイテムの選択が可能である。
【0047】
調整(「Justage」)というメニューアイテムが選択されると、異なる較正パラメータ(図15)の選択または入力に関するサブメニュー(図15)が現れる。コントロールキー20,21を作動させることにより、ポインタ25を所定のメニューアイテムに移すことができ、更にパラメータキー19を作動させることにより、別のメニューアイテムの選択が可能となる(図16)。これにより、たとえば、メーカがセットアップしたエタノールまたはグリセロールや、又は特に長いピペットポイント(「Special Tip long」)などについての較正パラメータの選択も可能となる(図15)。さらにピペットポイントが使用さる特定の地域における海抜高度についての較正パラメータの選択も可能である(図16)。
【0048】
さらに、対応するメニューアイテムが選択された後は、エンドポイント、2ポイント、又は3ポイントにおける重量測定値の計量が可能である(図16)。
【0049】
設定ボタン17を回転させることにより、操作者は、選択された操作モードが実際のパラメータとともに示されているメニュー(図12に例示)にたどり着く。
【0050】
その後、操作者は、選択された操作モードで計量可能であり、電気制御装置22は、選択された較正データを生成する。そのデータはデータメモリ23に記録される。場合によっては、操作モードで有効な計量パラメータは上記に述べた方法で変更可能である。
【0051】
図17から図20は、設定回転体17を含まない他の電子計量装置の筐体ヘッド4の頂上部を示す。当該電子計量装置の操作モードは、表示装置16及びキー18〜21によって示されるメニューを介して選択される。
【0052】
この目的のために、モードキー18が押されると、直前に設定された計量パラメータ(図17)を伴い且つ直前に選択された操作モードの表示を消去し、その後、選択可能な操作モードが表示される(図18)。コントロールキー20,21を用いることによって、ポインタ25が所望の操作モードに移されている(図19)。操作モード確認のため、パラメータキー19が押され、その後、直前にセットされた計量パラメータを伴う選択された操作モードが表示される(図20)。
【0053】
その他、操作モードを設定する設定回転体を備えた操作も、上記図1から図16に記載の実施例と同じように行われる。特に、計量パラメータ、設定された操作モードでの計量プロセスの開始、較正データの選択及び重量測定結果の入力操作が上記の実現可能な実施例と同じように行われる。
【0054】
[計量の手順]
【0055】
上述された電子計量装置により、以下のステップで計量が行われる。まず、操作者は、事前に、電気入力装置(18,19,20,21)に少なくとも一つの液体の質量を入力し、電気制御装置(22)に、重量測定法で決定づけられたボリュームに基づいて較正データを計算させ、上記濃度と重量測定法で決定づけられた上記質量とに基づいて重量的なボリューム及び較正データを計算させ、データメモリ(23)に、当該較正データを記録させる操作を行う。そのとき、操作者は、複数の重量測定結果値に基づいて、電気制御装置(22)に多点較正のための較正データを決定させ、データメモリ(23)に該較正データを記録させることもできる。
【0056】
計量の際、操作者は、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる。
【0057】
続けて、操作者は、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う。
【0058】
操作者は、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる。
【0059】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、モードキー(18)とパラメータキー(19)とを作動させることによって、表示装置(16)の異なるメニューの表示及び表示された入力内容の制御を電気制御装置(22)に実行させることができる。
【0060】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、電気コントロールキー(20,21)を作動させることにより、電気制御装置(22)に、パラメータ及び表示装置(16)の変化の表示だけでなく、表示装置(16)に表示されるメニューアイテムの表示内容も制御させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・電子計量装置
2・・・筐体
3・・・筐体シャフト
4・・・筐体ヘッド
5・・・漏斗状部
6・・・ピペットポイント
7・・・駆動装置
8・・・電動モータ
9・・・シリンダ
10・・・プランジャ
11・・・連結チャネル
12・・・フック
13・・・ディスカードキー
14・・・ディスカードスリーブ
16・・・表示装置
17・・・設定ボタン
18・・・モードキー
19・・・パラメータキー
20,21・・・コントロールキー
22・・・電気制御装置
25・・・ポインタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置(7、8)と、
駆動装置(7、8)に連結され、ディスプレーサチャンバ(9)およびディスプレーサ部(10)を備えた少なくとも一つのディスプレーサ装置(9,10)と、
ディスプレーサチャンバ(9)に連結された通路(11)を備え、ピペットポイント(6)を保持する少なくとも一つの保持具(5)と、
異なるピペットポイント(6)、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する異なる較正データのための記憶領域を備えたデータメモリ(23)と、
較正データを選択するための電気選択装置(18,19,20,21)と、
電気選択装置(18,19,20,21)およびデータメモリ(23)に接続され、また駆動装置(7,8)の電動モータ(8)及び/又は電気表示装置(16)に接続され、電動モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の動き、及び/又は電気選択装置(18,19,20,21)によって選択されデータメモリ(23)から引き出された較正データに基づいて電気表示装置(16)に表示される計量ボリュームの表示内容を制御する 電気制御装置(22)と、
電源装置(24)と、を具備する電子計量装置の使用方法であって、
操作者が、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる第1ステップと、
操作者が、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う第2ステップと、
操作者が、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる操作を行う第3ステップと、を含む電子計量装置の使用方法。
【請求項2】
電子計量装置は、ハンディ型に構成されたものである、請求項1に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項3】
較正データには、異なる形状及び/又は異なる材料及び又は異なる表面の較正データ、及び/又は、異なる液体及び/又は異なるタイプの液体の較正データ、及び/又は少なくとも一つの環境条件、及び/又はすくなくとも一つの使用条件の較正データが含まれる請求項1または2に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項4】
データメモリ(23)は、不揮発性のデータメモリで構成されたものである請求項1から3のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項5】
データメモリ(23)は、書き換えが不可能な較正データを含むものである、請求項1から4に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項6】
電子計量装置は、重量測定法で決定づけられた少なくとも一つのボリューム、及び/又は少なくとも一つの液体濃度、及び重量測定法で決定づけられた少なくとも一つの液体の質量を入力するための電気入力装置(18,19,20,21)を有したものであり、
操作者が、電気入力装置(18,19,20,21)に少なくとも一つの液体の質量を入力し、電気制御装置(22)に、重量測定法で決定づけられたボリュームに基づいて較正データを計算させ、及び/又は、上記濃度と重量測定法で決定づけられた上記質量とに基づいて重量的なボリューム及び較正データを計算させ、データメモリ(23)に、当該較正データを記録させる操作を行う事前のステップをさらに含む請求項1から5のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項7】
電子計量装置は、複数の重量測定結果値が電気入力装置(18,19,20,21)によって入力されることが可能なものであり、
上記事前のステップに於いて、操作者は、上記複数の重量測定結果値に基づいて、電気制御装置(22)に多点較正のための較正データを決定させ、データメモリ(23)に該較正データを記録させる操作を行う請求項6に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項8】
電気選択装置(18,19,20,21)は、異なるピペットポイント(6)、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する較正データの取り込み及び/又は選択のための電気入力装置からなるものである、請求項1から7のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項9】
電気入力装置(18,19,20,21)は、少なくとも一つのモードキー(18)とパラメータキー(19)とを有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、当該キー(18,19)を作動させることによって、表示装置(16)の異なるメニューの表示及び表示された入力内容の制御を電気制御装置(22)に実行させる操作を行う請求項6から8のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項10】
電気入力装置(18,19,20,21)は並んで配置された一対の電気コントロールキー(20,21)を有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、電気コントロールキー(20,21)を作動させることにより、電気制御装置(22)に、パラメータ及び表示装置(16)の変化の表示だけでなく、表示装置(16)に表示されるメニューアイテムの表示内容も制御させる操作を行う請求項6から9のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項11】
上記第3ステップに於いて、電気制御装置(22)は、電気コントロールキー(20,21)の作動に応じて、電気モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の変位を制御する請求項10に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項12】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気入力装置(18,19,20,21)は、異なる操作モードの設定、及び/又は異なるパラメータの設定、及び/又はディスプレーサ部(10)の動作の制御を行う請求項6から11のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項13】
電気入力装置(18,19,20,21)は、当該計量装置の操作モードを設定するための回転式の設定ボタン(17)を有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、設定ボタン(17)により、当該計量装置の操作モードを設定する操作を行う請求項6から12のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項14】
電気制御装置(22)は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有するものである請求項1から13のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項15】
電源装置は、主電源パック、及び/又は少なくとも一つのバッテリー、及び又は少なくとも一つの蓄電装置、及び又は蓄電装置を充電する電気充電装置を有するものである請求項1から14のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項1】
駆動装置(7、8)と、
駆動装置(7、8)に連結され、ディスプレーサチャンバ(9)およびディスプレーサ部(10)を備えた少なくとも一つのディスプレーサ装置(9,10)と、
ディスプレーサチャンバ(9)に連結された通路(11)を備え、ピペットポイント(6)を保持する少なくとも一つの保持具(5)と、
異なるピペットポイント(6)、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する異なる較正データのための記憶領域を備えたデータメモリ(23)と、
較正データを選択するための電気選択装置(18,19,20,21)と、
電気選択装置(18,19,20,21)およびデータメモリ(23)に接続され、また駆動装置(7,8)の電動モータ(8)及び/又は電気表示装置(16)に接続され、電動モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の動き、及び/又は電気選択装置(18,19,20,21)によって選択されデータメモリ(23)から引き出された較正データに基づいて電気表示装置(16)に表示される計量ボリュームの表示内容を制御する 電気制御装置(22)と、
電源装置(24)と、を具備する電子計量装置の使用方法であって、
操作者が、電気選択装置(18,19,20,21)を操作することにより、データメモリ(23)に記憶された上記異なる較正データの少なくとも一部を電気表示装置(16)に表示させる第1ステップと、
操作者が、表示された上記較正データから、少なくとも一つの較正データを選択する操作を行う第2ステップと、
操作者が、上記選択された較正データに基づき、少なくとも一回の液体の計量を電子計量装置に実行させる操作を行う第3ステップと、を含む電子計量装置の使用方法。
【請求項2】
電子計量装置は、ハンディ型に構成されたものである、請求項1に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項3】
較正データには、異なる形状及び/又は異なる材料及び又は異なる表面の較正データ、及び/又は、異なる液体及び/又は異なるタイプの液体の較正データ、及び/又は少なくとも一つの環境条件、及び/又はすくなくとも一つの使用条件の較正データが含まれる請求項1または2に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項4】
データメモリ(23)は、不揮発性のデータメモリで構成されたものである請求項1から3のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項5】
データメモリ(23)は、書き換えが不可能な較正データを含むものである、請求項1から4に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項6】
電子計量装置は、重量測定法で決定づけられた少なくとも一つのボリューム、及び/又は少なくとも一つの液体濃度、及び重量測定法で決定づけられた少なくとも一つの液体の質量を入力するための電気入力装置(18,19,20,21)を有したものであり、
操作者が、電気入力装置(18,19,20,21)に少なくとも一つの液体の質量を入力し、電気制御装置(22)に、重量測定法で決定づけられたボリュームに基づいて較正データを計算させ、及び/又は、上記濃度と重量測定法で決定づけられた上記質量とに基づいて重量的なボリューム及び較正データを計算させ、データメモリ(23)に、当該較正データを記録させる操作を行う事前のステップをさらに含む請求項1から5のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項7】
電子計量装置は、複数の重量測定結果値が電気入力装置(18,19,20,21)によって入力されることが可能なものであり、
上記事前のステップに於いて、操作者は、上記複数の重量測定結果値に基づいて、電気制御装置(22)に多点較正のための較正データを決定させ、データメモリ(23)に該較正データを記録させる操作を行う請求項6に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項8】
電気選択装置(18,19,20,21)は、異なるピペットポイント(6)、及び/又は異なる液体、及び/又は異なる使用条件に関する較正データの取り込み及び/又は選択のための電気入力装置からなるものである、請求項1から7のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項9】
電気入力装置(18,19,20,21)は、少なくとも一つのモードキー(18)とパラメータキー(19)とを有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、当該キー(18,19)を作動させることによって、表示装置(16)の異なるメニューの表示及び表示された入力内容の制御を電気制御装置(22)に実行させる操作を行う請求項6から8のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項10】
電気入力装置(18,19,20,21)は並んで配置された一対の電気コントロールキー(20,21)を有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、電気コントロールキー(20,21)を作動させることにより、電気制御装置(22)に、パラメータ及び表示装置(16)の変化の表示だけでなく、表示装置(16)に表示されるメニューアイテムの表示内容も制御させる操作を行う請求項6から9のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項11】
上記第3ステップに於いて、電気制御装置(22)は、電気コントロールキー(20,21)の作動に応じて、電気モータ(8)によるディスプレーサ部(10)の変位を制御する請求項10に記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項12】
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、電気入力装置(18,19,20,21)は、異なる操作モードの設定、及び/又は異なるパラメータの設定、及び/又はディスプレーサ部(10)の動作の制御を行う請求項6から11のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項13】
電気入力装置(18,19,20,21)は、当該計量装置の操作モードを設定するための回転式の設定ボタン(17)を有したものであり、
少なくとも上記各ステップのいずれかに於いて、操作者は、設定ボタン(17)により、当該計量装置の操作モードを設定する操作を行う請求項6から12のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項14】
電気制御装置(22)は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有するものである請求項1から13のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【請求項15】
電源装置は、主電源パック、及び/又は少なくとも一つのバッテリー、及び又は少なくとも一つの蓄電装置、及び又は蓄電装置を充電する電気充電装置を有するものである請求項1から14のいずれかに記載の電子計量装置の使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−227933(P2010−227933A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125480(P2010−125480)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【分割の表示】特願2007−156370(P2007−156370)の分割
【原出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(505404725)エッペンドルフ アーゲー (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【分割の表示】特願2007−156370(P2007−156370)の分割
【原出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(505404725)エッペンドルフ アーゲー (16)
【Fターム(参考)】
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